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16回国会衆議院1953/07/29

通商産業委員会 第28号

発言数
105
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/07/29

会議録

大西禎夫自由党

○大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案、山手滿男君外十一名提出を議題といたし、質疑を行います。質疑の通告がありますから、これを許します。小川甲二君。

小川平二自由党

○小川(平)委員 前会に引続いて、きようは法律案そのものについてお尋ねをいたしたいと思います。  この前に申し上げました通り、この法律案を一読しますと、提案者のきわめてよき意図にもかかわらず、どうも盾せる着物があまりにおそまつ過ぎるのではないかという感じを禁ずることかできないのでありまして、この法律栗のどのページをまつたく任意に広げて見ても、必ず一つや二つはまつたく意味のわからない規定、あるいは明らかに矛盾しておるとしか思われない規定が随所に発見せられるわけであります。あなたは先日から大局論を闘わそりとか、こまかい問題をやるのはよそうと言われます。私は何も重箱のすみをつつついてほじくるようなことをして、あなたをいじめるために申し上げるのではございませんけれども、いわゆる大行は細瑾を顧みずということがのりますが、細瑾もこれだけたくさんありますと、これは致命傷となります。どうもこれは国会に提出なさる法律案ではないのじやないか、提案者自身もう一度慎重に逐条的に検討なさつて、一度撤回をなさつて、もう少しずつきりした姿で提出をし直すということをなすつたらどうか、こう考えておるわけであります。そこで、ただいまはまつたく二、三の例を拾つてあなたの御見解を承つてみたいと思います。  第一に、法律案の十ページ、三十九条をごらんください。ここに「火災保険組合にあつては、各組合員の保険契約の種類、保険金額及び保険料」こういうふうに書いてあります。すなわち、組合員名簿に記載すべき事項がここに列挙してあるわけでありますが、その中に「保険契約の種類、」と書いてありますが、これはどういう意味でございましようか。種類を記載しろといいましても、これは火災保険なんですから、火災保険と書くより書きようがない、ほかに種類はあり得ないわけですが、ここに種類と書かれたのはどういう意味でございますか。保険の目的を書け、あるいは保険期間の始期を書け、こういうことならわかりますが、保険の種類というのは何を意味しておるのか、私にはこの規定はまつたく無意味な規定であるとしか思われない。この点について御教示を願いたいものであります。

山手滿男改進党

○山手委員 一応そういうふうに思われると思いますけれども、「各組合員の探険契約の種類、」とあげておきましたのは、やはりこれはこういう保険をかけておるのだ、こういうことをはつきりさせた方がいいであろうということで、一応こういうふうにここにあげておいたわけでございまして、別に他意かあるわけではございません。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私はあなたにこの規定は無意味ではないかということをお尋ねいたしました。それに対してあなたは、一応そういうふうに思われる、すなわち一応無意味であると思われると言われるが、そんな規定をなぜ載せる必要があるのですか。保険契約の種類を書いておいた方がよいと言われるのですが、種類は今申し上げた通り火災保険一種類しかない。なぜそういうことを規定なさつたのか。先ほど申し上げた通り、たまたまこうい点があつたので、私はこれをとらえて食い下るというのではありません。どのページにもこういうはなはだ無意味な規程が羅列してある。もう少し納得の行く説明をお願いしたい。この規定は明らかに不備だと思います。

山手滿男改進党

○山手委員 一般的には保険契約にもいろいろな種類もございまするし、ここにこういうふうな字句を入れてはつきりさしておいて、はつきり記載をさすというふうにしておいた方が便宜であろうというところから、軽い意味で入れておいた次第でありまして、不必要だとかなんとかいうことではないと考えております。

小川平二自由党

○小川(平)委員 保険契約にいろいろ種類のあることは、あなたが御指摘くださらなくてもたれでも知つていることであります。これは火災保険に関する法律案でありますので、ほかの保険というものはこれに全然関係がない。種類を書けと言われても、火災保険としか書きようがないのです。軽い意味で入れられたというのだが、軽い意味で、まつたく無意味の字句をさしはさまれたということですか。

山手滿男改進党

○山手委員 従来の立法のいろいろな例そのほかを調査いたしまして、従来からの各種の保険法からこういう字句と入れておいた方がむしろしつかりしんものになるであろうということで入れたわけでございます。

小川平二自由党

○小川(平)委員 いかなる根拠でこういう字句を入れた方がしつかりしたものになるのですか。

山手滿男改進党

○山手委員 いかなる根拠といいますか、御質問の趣旨がよくわからないのでありますが、ただいま申し上げましたように、なるほど事実火災保険であるのであつて、いろいろまぎらわしくないというふうなことにもなりましようけれども、むしろそういうことをこの際はつきりここでうたうようにしておいた方がいいだろうということで書いたわけでありまして、どうしてもこれを削れということであれば、削つてもそうさしさわりはないかとは考えますが、置いておいた方が妥当だと考えております。

小川平二自由党

○小川(平)委員 これはこれ以上この暑さの折からあなたに汗をかかせてもしようがないことです。ただ再々申し上げる通りに、随所にこういうきわめて不用意な規定が出て来るということははなはだ遺憾にたえないわけです。  続いてお尋ねをいたしますが、五十九条の二に「火災保険組合の財産目録に記載する有価証券のうち、通商産業省令で定める国債又は利払及び償還が確実であると認められる債券については、通商産業省令の定めるところにより、均等利廻評価の方法による価額を附することができる。」こういう規定がございますが、この規定の意味を御説明願いとうございます。これはこの法律案にとつて非常に本質的な規定であつて、商法の規定に対して特例を設けているのですから、提案者御自身からひとつ詳細に御説明願います。

山手滿男改進党

○山手委員 この点はいろいろ研究いたしましたが、特に法制部の方の意見を取入れまして二の法律案の中に書き込みましたので、いろいろ責任のある答弁をいたしたいと思いますから、後ほど法制部長が来てから、正確な答弁をさせます。

小川平二自由党

○小川(平)委員 御自身が代表となつて提案をされた法律案の、しかも本質的な部分についてこの場で答弁ができない、さようなことで、あなたは提案者として責任が負えるのですか。何も専門的な詳しい説明を承ろうとするのじやない。一応の意味を御説明願いたい、こう申しておるのです。

山手滿男改進党

○山手委員 特に法制局の意見を取入れてやつたのでございまして、これは大して問題じやないので、読んで字の通りでありまして、法制局の方から正確な答弁をさせた方がさらによろしかろうということで、ただいま御答弁を申し上げた次第であります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 冒頭に申し上げました通り、この保険というものは、その本質上きわめて技術的な、極度に専門化された世界なんです。そこで、こういう法律案をいじるについては、提案者においてもよほど心構えをかえてかかつていただかなければ困る。たいていこのくらいでいいだろうくらいのことで、自分で国会に提案をなさる法律案について、十分な検討をなさつておらない、これはゆゆしき問題だと私は思います。

山手滿男改進党

○山手委員 小川君がいろいろ食い下つた御質問でございますが、これは要は、有価証券そのほかにつきましては、いろいろ価格の変動もございまするし、そのときそれの時価、そういうふうなもので水増し的な評価をしたり何かをするということでは、いかにも間違いが起きるであろうということもありまして、均等な利回り評価の方法を採用して、万全を期するということから入れたわけであります。しかしこの方法そのほかについては、専門的にはいろいろ意見もあろうと思いまするし、特に法制局の方で、こういう字句を入れたらいいだろう、こういうことで入れたわけでありまして、五十九条の二というものは、皆さんも御一覧になつて読んで字の通りでありまして、私は今のような御批判を受けるには当らないと思つております。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私はあなたを批判いたしておるわけではないので、どうかこの条文について一応の御説明を願いたいということを御要求申しておる。今の御説明ではわかりません。これはなぜかといいますると、私はこの均等利回り評価の方法ということはどういうことなのかお尋ねをしておる。あなたはその御説明の言葉のうちに、均等利回りの方法という言葉を用いられておるので、これでは説明にならぬわけです。均等利回り評価の方法というのは、どういう方法でございますか、どうかひとつ懇切に御教示を願いたい。

山手滿男改進党

○山手委員 要はこの五十九条の二は、社債そのほか非常に利回りの均等に平均をして行くものを採用して行くということであつて、できるだけ株式そのほかを避けるということも含めて、こういう字句を使つたわけでございまして、その立法の意図については、法制局の方から来ておられますから……。

小川平二自由党

○小川(平)委員 立法の技術的な部分については、法制局の意見もけつこうでございましようが、立法の意図について、法制局の意見をなぜ私が承らなければならないのか。立法の意図はすなわちあなたの意図です。あなたの意図をどうか聞かせていただきたい。

山手滿男改進党

○山手委員 立法の意図は、ただいままで申し上げた通りであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 ただいま概略の御説明がございました。十分な御説明とは思いませんが、承つておきます。なるほどけつこうなことと存じますが、それならば、そういう方法を火災保険組合が随意にやればよろしいことで、なぜここに一条を特に設ける必要があるのですか、これを承りたい。

山手滿男改進党

○山手委員 火災保険協同組合の公共性が非常に高いことにかんがみまして、慎重の上にも慎重に処理をさせ、皆様方の御心配を除きたい、こういうふうなことで、こういう字句を入れたわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 慎重の上にも慎重に処理をさせるとおつしやるが、ここには何もこうしろということは一つも書いてございません。こういう方法をとつてもよろしいと規定してある。これは特によろしいと規定する必要がなぜあるのですか。こういうことは幾らでもやつていい、自由にやれることだと私は思いますが、なぜこういう規定をなすつたか。

山手滿男改進党

○山手委員 なるほど、することができるというふうに、一種の任意規定のようにはいたしておりまするが、できるだけこういうことをやるように指導をして参り、できるだけこういうふうな方針に沿つて行かすという方針を明示したわけでございます。もちろんこういう規定がなくてもできるわけでございまするが、でき得べくんはこうあるべきだという、一つの方向を明示し、かつそれに準拠をしてやつてゆかす、こういうことでこの規定は設けたわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうもこれは満足な御答弁と思えませんが、私はこういうことをやつてもかまわないと思うのです。あなたはこれをやつてもよろしい、やれるとお考えになつておるのですね。それではお尋ねいたします。商法の第三十四条一項「財産目録ニハ動産、不動産、債権其ノ他ノ財産ニ価額ヲ附シテ之ヲ記載スルコトヲ要ス其ノ価額ハ財産目録調製ノ時ニ於ケル価格ヲ超ユルコトヲ得ズ」、こういうふうに規定をされております。それから商法の第二百八十五条「財産目録ニ記載スル営業用ノ固定財産ニ付テハ其ノ取得価額又ハ製作価額ヲ超ユル価額、取引所ノ相場アル有価証券ニ付テハ其ノ決算期前一月ノ平均価格ヲ超ユル価額ヲ附スルコトヲ得ズ」。ここに評価の原則がうたつてあるわけですが、これに対して均等利回り評価法ですか、こういう方法をとるということは、一つの特例になるわけです。そう思いますが、いかがですか。

山手滿男改進党

○山手委員 もちろんそうであります。これを法律に規定をしておりまするから、組合が採用しようと思えば、他の商法の規定を排除してこれが適用を受けるということでございます。

小川平二自由党

○小川(平)委員 商法の規定を排除する必要があるのですか。

山手滿男改進党

○山手委員 保険協同組合の方でそうしたいという意図であれは、排除することができるわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 排除することができるかできないかを承つたのではありません。排除する必要があるのかないのかということを承つておる。

山手滿男改進党

○山手委員 保険協同組合の公共性にかんがみまして、さらにこういう方法をとつたらいいということで、組合の運営上組合の責任者がこういう方法をとつて行くということになりますと、排除をした方がいいと判断を下すわけで、排除させてよろしいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 何度承つても質問の要点に答えていただけないのですが、なぜ商法の適用を排除しなければならないのですか。商法に準拠してやることはできないのですか。

山手滿男改進党

○山手委員 商法の評価の方法は、会社の決算その他いろいろの場合に利用されて参るのでありまするが、火災保険の場合は、さらに慎重な手続により慎重な評価をさせ、あるいは特に均等にいろいろ将来危険分散等の状態からも考えて、積立金その他の問題から考えて、平均化した、そうしてあまり変動のないような評価その他をさせて行つた方が、より堅実だろうと思うのであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 その御趣旨はよくわかるのです。その点は何も承ろうと言つているのではない。それをやるのに、なぜこの規定を設けて商法の特例をつくる必要があるのか、こういうことを伺つておるのです。

山手滿男改進党

○山手委員 さつきから申し上げておる通りであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 先ほど私が申し上げました商法の三十四条一項、これは商法の総則の中に規定されておるのです。それから商法の二百八十五条、これは会社法の規定です。この二つの規定は、これは協同組合は商人でもなければ会社でもないのですから、当然この協同組合には適用がないのです。適用がないのにもかかわらず、ここで特例を設ける必要がなぜあるのかということを私は伺つておる。あなたはその点にお気つきになつておらないで、商法の特例を設けなければならないとお考えになつて、この規定を入れられたのでしよう。いずくんぞ知らん、商法はこの協同組合には適用されない。およそ法律案としてこんな不用意な、いいかげんな法律案がありますか。その点を承らせていただきたい。

山手滿男改進党

○山手委員 私どもは、当然いろいろ商法の適用がない場合が多いのでありますが、さらにさつきから申し上げましたような理由によつて、片一方では公共性を非常に重視をしておる関係もございまするしはつきりこういうふうに書いておいて、特に火災保険組合の指導者になる人々の注意を喚起をし、こういう方法をとつて行くことが好ましいということで、さつきも御答弁申し上げたように、ここに特に書いておるわけでございまして、商法の適用があつてさしつかえのないものは、保険協同組合の方に商法の適用はあるわけであります。当然にはなくても、あるわけでありまするから、私はこういうものを特にとらない方がいいということで、こういうふうに規定をしたのでございます。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうも御答弁の意味がわかりません。私の申し上げておることを正確に理解していてくださるのかどうかわからない。さつき申し上げた通り、評価の基準になる二つの商法の規定は、協同組合には当然適用をされないのです。ですから、ここで特例などを設ける必要は少しもない。こういう均等利回り評価の方法をとりたければ、かつてに幾らでもとれるのです。ところがなぜここにこういう規定を設けたかといえば、商法がこれに適用をされるような錯覚をあなたは持つておられる。それを正直におつしやつたつて、そんなに山手代議士の信用がこれによつて失墜するということはないと思う。率直に非をお認めになつたらいい。今の御答弁ですと、書かなくてもいいのだが、こういう方法もあるということを、注意を喚起するために一条を設けた。注意を喚起するために法律案の中に一条を設けるということは、およそ前例がないでしよう。これはいかがですか。

山手滿男改進党

○山手委員 先ほどから申し上げている通りです。

小川平二自由党

○小川(平)委員 今私はあなたと廊下で立話をしておるわけではない。委員会で問答をしておるのです。あなたの御答弁は速記録に残るのです。そういうことで答弁になるとお考えですか。あなたは非常な自信を持つてこの法律案を出しておられる。是が非でも通すとおつしやる以上、もう少し自分の出した法律案について慎重に、いかに暑いといつても、勉強をなさつておいでにならなければ、これはあまりにも国会を愚弄した態度ではないかと思います。しかしこの点はもうすでに問題はここで明らかになつておるのですから、これ以上伺うことはやめましよう。  次に移ります。八十二条の二をごらんください。「火災保険組合は、組合員が火災に因つて受けることのある損害(人の生命又は身体に関する事故による損害を除く。)をてん補する相互保険事業を行うものとする。」これについてお尋ねいたしますが、第一に、これはつまらないことですが、念のために申し上げる。これは表現がはなはだ拙劣でございます。「火災に因つて受けこるとのある損害」とは、どういう意味ですか。これでは自分のおやじのうちが火事で焼けたことによつて、組合員たるむすこがこうむつた損害をも填補しなければならないということになるのです。もつと適切に表現をするならば、保険の目的が火災によつて受ける損害、こうでなければいけない、これはずいぶん拙劣な、散漫な表現でございます。けれどもそういうことを今承ろうとしておるのではない。括弧の中に書いてあることは、これはどういうことでございますか。「人の生命又は身体に関する事故による損害を除く。」火事場でやけどをした、あるいは焼け死んだ、こういう場合に損害保険によつて填補を受けることができる、かようなことを考えておる者は、子供でもこれはございますまい。実にこつけいきわまる。およそこういう法律案が議会に提出されたということは、これは前例に乏しいのではないかと私は思う。なぜ括弧の中にこんなことをお入れにならなければならないのか。

山手滿男改進党

○山手委員 どうも小川委員の御質疑は、何かあげ足とりのために特に議論をされておるのではないかと思いますが、この火災保険協同組合の事業が、こういうふうな方法によつて火災による損害補填をする目的で行われるのだ、そういう場合に、これは主要な項目でありまして、従つて生命または身体に関する事故を除くというようなことは、慎重の上にも慎重な規定をしなければならないのであつて、こういう括弧の中に入れて書いてあるような字句を挿入することは、当然入れなければならないことであつて、それをあなたの今の御質問によりますと、こういうものは入れなくてもわかりきつてることじやないか、こういうふうな御質問でございまするが、われわれはそういうふうには考えておりません。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私は何もあげ足とりのために質問いたしておるのじやない。この法律案を一読すると、こういう無意味な規定が随所に発見される。これは少し提案者において御反省になつて、せつかくあなたのいい意図を生かして行くためには、そのよき意図にふさわしい着物を着せなさつた方がいいんじやないか、これじやそまつ過ぎるということを申し上げておる。あげ足とりではない。括弧の中を世間に見せたら噴飯ものです。こんなこつけいなことはない。あなたはあげ足とりとかなんとか言われる前に、そういう点について少し御反省を願つた方がいいと思います。  そこで今思いつくままに、どう考えても意味をなさぬじやないかと思われる点を三つばかり申し上げてみたが、満足な答弁を得られない。  次にこれは私は頭が悪いせいか、どうも相互に矛盾撞着しているのじやないかと思われる規定がありますので、それについて提案者の御説明を願いたいと思います。八十二条の七には「保険関係は、火災保険組合が保険料を受け取つた時に成立する。」こう書いてございます。これは保険料を受取つた時に契約が成立するのですからいわゆる要物契約、こういうことになるわけですね。そこであとの方をごらんください。八十二条の十四、商法第三編第十章第一節第一款(総則)及び第二款の規定は、火災保険組合の行う保険について準用する、こうなつております。そこでこの総則の一番初め六百二十九条には何と書いてあるかと申しますと、「損害保険契約ハ当事者ノ一方カ偶然ナル一定ノ事故ニ因リテ生スルコトアルヘキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ相手方カ之二其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効カヲ生ス」とある。これは当然にいわゆる諾成契約である。そこで相反する二つの規定がこの法律案の中に並んでおるわけですが、いずれによれば正しいのですか。

山手滿男改進党

○山手委員 さつきの八十二条の二のお話でありますが、なぜ私は小川君がそういうことを言われるのか、私には了解が行かないのです。と申しますのは、組合員が火災によつて受ける損害と書いたものですから、ただここでこのまま括弧の中の文字を入れておきませんと、括弧の中で表示をしておりますような事態に対しても疑義が生ずる。ですから火災保険組合の建前上からいいましても、これは当然入れなければなりませんし、入れるべきものであつて、あなたのおつしやるようにどうでもいいというふうな字句ではないと思つておるのですが、さつきの御質問に答えておきます。  それから今の八十二条の十四と七との関係でありますが、これは一般的には八十二条の十四の規定を一応適用するのでありますけれども、この契約の成立に関しましては、保険料を受取るということが絶対的の要件になつておるのですから、この項については八十二条の七が優先をするということであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうも御説明がよくわかりませんが、八十二条の十四によつても保険契約は成立することになつております。こつちの場合は保険料を受取つたということが成立の条件になつております。そこでどつちによつたらいいのかということをお尋ねしておるわけであります。一方の規定でよろしいならば、もう一方の規定は不必要なはずです。

山手滿男改進党

○山手委員 八十二条の十四の場合は、商法の規定にもるる書いてある通りでございますが、一応商法の規定によつて、いろいろなこまかい関係は成立をするわけであります。実際には保険組合が保険料を受取つたときに実際の保険関係がそこから効力を発生をするということであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうもあなたと問答をしておつてもまつたくつかみどころがない。この問題も幾らでも追究をして行くことのできる問題ですが、次へ移ります。  それではもう一つお尋ねをいたします。不動産の譲受人は組合に通知して権利義務を承継できる、こういうことになつておるわけですが、そうでございますか。

山手滿男改進党

○山手委員 そうです。

小川平二自由党

○小川(平)委員 それからまたそれと同時に、組合の方では通知を受取つた場合でも、権利義務の承継を拒否することができる、そういう場合には、その旨を通知して拒否することができる、こういうふうになつております。そうすると不動産の譲受人は、組合に通知して権利義務を承継できる、その譲受人の通知と組合がこれに対して拒否の通知をするのと、両方の通知の間には時間的なずれがあるわけだと思いますが、そうでございますね。

山手滿男改進党

○山手委員 そうです。

小川平二自由党

○小川(平)委員 そうすると、その時間的のずれの間に事故が生じたときにどういうことになるのですか、承りたい。

山手滿男改進党

○山手委員 それは最終的に権利の状態がはつきりしておつた段階で保険関係はいろいろな関係が生じて参るわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 御答弁の意味がまつたくわかりませんので、どうかもう一度御説明願いたい。

山手滿男改進党

○山手委員 組合の方で通知をいたします。通知をして組合の方で拒否をするとか、いろいろそういうことをはつきりさせない前に、この組合との関係がすでにはつきりしたという状態の前に、その財産がいろいろなことで事故を起したわけでありますから、その前の段階で保険関係はいろいろな権利義務を発生させて参るわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私がお尋ねしたいのは、譲受人の通知と組合の通知との間には、時間的な空隙がある。その間に事故が起つた場合には、どういう処理になるのか、このことを承りたい。一方では譲受人は通知さへすれば、権利義務の承継ができるということになつておるのでありますから、まさしく権利を有し、義務を負つたわけです。その後において事故が発生しておる……。

山手滿男改進党

○山手委員 それですから火災が発生をいたしました瞬間です。そのときを中心にして考えていただいて、この法案の規定によりまして、最終的には通知をいたしましても、組合の方で拒否をするとか、いろいろな事態が起きますると、まだはつきり確定していないわけですから、その前の段階で火災の発生時がちようどクロスしておるわけですから、そのときを中心に、権利義務の関係がいろいろ変化をして参るわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私はあなたを困らせる意図は毛頭ない、どうかこの点について御教示を願いたいと言つておるのです。譲受人は組合に通知さへすれば、それで権利義務の承継はできるのです。そのことはここにはつきり規定してあるのですから、通知を出した瞬間には、その人は権利義務の譲受人になつておるのです。同時にまた組合の方では通知を受けてもこれを拒否することができる。その両方の規定の間の時点に事故が起つたときにどういう処理になるのか、このことを承らしていただきたい、こう言つておるのです。

山手滿男改進党

○山手委員 組合の方でこの継承を拒んだときは、この限りでないということでありますから、これは例外規定になつておるわけでありますから、当然前の通知によつて、すでに権利義務はその人からは離れておるということにはならないと思います。これはこの法文にはつきりその意味が出ておると思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうもはつきりいたしませんが、それではそれと似たようなことですが、もう一つ承ります。八十二条の七には、「火災保険組合の損害をてん補する責任は、定款で別段の定をした場合の外は、保険関係が成立した日の翌日から始まる。」となつておりますが、なぜ翌日ということになつておるのですか。

山手滿男改進党

○山手委員 これはいろいろ事務的な保険の手続その他に関連しまして、保険料の受取りその他権利義務の発生の問題について、疑義があつてはいけませんので、こういう規定を設けて特に明確にいたした次第であります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 そうすると保険関係が成立をしても、填補の責任がない、こういう状態が存在するわけですね。

山手滿男改進党

○山手委員 保険関係が成立をいたします。そして保険料を支払つて成立をいたしますと、その翌日からですから、こまかく申しますと、保険料を午後三時に払いますと、十二時までの間に火災が発生をした場合には云々というようなことになりますが、そういうことになるといろいろな疑義が生じて参りますから、その翌日からと、こういうことにして、問題が起きて混乱することを防ぐために特に慎重にさす意味でこういう規定を設けたわけであります。厳格に言いますと、契約が成立をしたその瞬間からということが妥当でありましようけれども、いろいろな事務上の手続そのほかの関係がございますので、特にこういう規定を設けたのであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 次にお尋ねいたします。八十二条の二十「商工組合中央金庫は、火災保険組合から再保険の申込があつたときは、正当な理由がある場合でなければ、これを拒んではならない。」、この「正当な理由」というのはどういう意味でございましようか。私ども常識的に考えますと、組合が法令に違反をしておる、あるいはその経済的な基礎が非常に薄弱である、そういう場合のことを指しているように思われますが、この「正当な理由」というのはどういう意味でございますか、御説明を願います。

山手滿男改進党

○山手委員 これは火災保険協同組合がその成立の過程においていろいろ瑕疵を持つておるとか、適当でないような保険料率でいろいろやるとか非常に極端な例が起るじやないか、こういうふうに認定をいたしました場合にはやはり拒否しても、正当な理由があるというふうに認めたならば拒んでもよろしいということであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 そうすると、業種によつては大きな危険を伴うものがある。そういう業種の再保険は危険が大きいからといつて拒むことができるのですか、できないのですが。

山手滿男改進党

○山手委員 業種によつては非常に危険が大きいというふうにお話になりますが、その場合には、保険料そのほかによつていろいろ勘案される問題でございますから、そういうことは正当な理由の中には入らないと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 そうすると、前回お尋ねをしたのですが、たとえばセルロイドの工場なんかを元請けの保険が引受ける。そうしてそつくりそのままフルに再保険に出す、こういうことが頻繁に行われる危険が幾らでもあるわけです。その結果として元請保険が非常に放漫に流れやしないかという御質問をしたのですが、そのときの御答弁は、セルロイド工場のような危険の大きいものは拒否できるというような御答弁であつたように記憶しております。今の御答弁とはまさに正反対なんですが、その辺のところをどうか明確にしていただきたい。

山手滿男改進党

○山手委員 それは何かお考え違いであろうと思います。セルロイド工場だからということで拒否できるということにはならないと私は考えております。ケース・バイ・ケースで、セルロイド工場のように非常に危険度の高いものにつきましては、保険料その他が妥当であればこれは当然よろしいのでありまして、セルロイド工場であるから、あるいるおふろ屋さんの組合であるからと、業種によつてすぐそれがだめだとかいうようなことには、この法律の建前からは考えておらないわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 私が前回にも申し上げたような弊害がこの規定を見ますと当然に起つて来るじやないかと予想されるのです。もしそういうおそれがないと言われるならばその根拠をひとつ御説明願いたい。私ども常識的に考えますと、商工中金が、火災保険組合から再保険の申込みがあつた場合にこれを拒否することができない、選択する自由がないということであると、どうしてもそういう危険が伴つて来る、こう考えられます。

山手滿男改進党

○山手委員 一般の保険会社でも非常に危険度の高いところ、しかも保険料が思うようにとれないような場合にはこれは忌避しているわけでありますが、この火災保険協同組合におきましても、不当に安い保険料で特に危険度の高いものをどんどん無制限にとつて行くというふうなことは、いかに考えましてもこれは非常識なことでありまして、この場合には八十二条の二十が発動されまして拒否をされる原因になるかもわからない。しかしセルロイド工場だからということですぐいきなりこれを拒否するということは、この火災保険協同組合の建前からは適当ではないのであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 どうもこの規定が私にはよくのみこめない。いろいろな弊害を伴うのじやないかと考えられるのでありまして、今の御答弁を承つてもそういう疑念を払拭することができないのですが、次に移ります。  三十三条、ここで定款に記載すべき事項が規定されておるのですけれども、これを見ますと、ごく一般的なきまり切つた記載事項が並んでおる。そういう月並みなきまり文句のようなものをどけますと、ここに書いてありますことは、保険の目的及び保険料率、準備金の積立て及び管理に関する規定、この二つだけが記載事項として要求をされている。ところが保険料の追徴とかあるいは保険金の削減というような保険事業にとつて最も本質的な、大切な問題に関する規定が全然ございません。こういつたきわめて重要な事項が記載事項として要求をされていない。このことは私は非常に不安を感じないわけには行かないのであります。かつてに保険料を追徴されたり保険金を削減されるということはこれにはゆゆしき問題であろうと思います。ほかのいろいろな法令を試みに調べてみましても、もつと詳細な記載事項が要求されておる。この点をいかがお考えでございますか。

山手滿男改進党

○山手委員 ただいまの御質問ございますが、追徴金をとるというふうな場合は組合員にとつては非常に大きな問題にもなろうと思うのでありまして、追徴金を払わせるような場合には八十二条の九をごらんになつていただくと書いてありますが、追徴金を支払わす場合は、定款によつてこれを規定しなければならぬというふうになつておるわけでありまして、当然こういう規定によつて処理をして参るわけであります。

小川平二自由党

○小川(平)委員 以上私がこの法律案を一読いたしましてこれはあなたを困らせるためでも何でもない、全然アトランダムにページを開くとこういうおかしいところが出て来る。これを指摘したわけですが、本日はこの程度でとどめさしていただき——こういう個所が実はこの法律案の随所にあるのでして、これは私非常に大きな問題じやないかと思う。何度もくどいこと申し上げるのですが、あなたがこの法律案を提案なさる意図は私はよくわかつておるつもりなんです。それならそれで、もう少し慎重に検討なさつて、火災保険の法律なんですから、これは火災保険にきまつておるのに、保険の種類を書けとか、よそへ出して物笑いにならないよう、もう少しずつきりとした姿のものにお直しになつてあらためて提出するという御意思がないか、この点を承らしていただいて、本日はこの程度にとどめます。

山手滿男改進党

○山手委員 ただいまのは追徴金の問題になると考えます。追徴金の問題は定款で定めることになつておりますし、それからそのほか組合員に非常に有利になるような特別扱いをするというふうなことは、この場合予想しておりませんし、特に特別扱いをすることはないわけでありますから、これは規定をいたしておりません。  それからまた今お話のありました点でありますが、私どもはもちろんこれは十全のものであるとは考えておりません。しかしこの火災保険協同組合をつくつてスタートをいたしますためには、このくらいの規定で行くことが絶対に必要である、私どもはこのくらいの信念に基いてこの法案を提出して参つたのでございまして、さらにこれがベターのものになるということで、あなた方の方からこういう修正をしろというお話であれば、もちろんそれを頭ごなしに拒否するというほどの狭量ではないわけでありまして、それは先般ああいう御答弁を申し上げたわけであります。しかしできるならば今国会においてこれ嘉していただいて、いろいろ不満足な点があれば、また次の国会においてでも修正することが必要だと思うのであります。今日はこの業界の人に聞いても、もう火災保険協同組合を認める建前になつて来たことは明らかでありまして、従来損保協会なんかは頭から拒否するようなかつこうになつておりましたが、今日では認めるもやむを得ないというところまで折れて来ておるのであります。大蔵省も同様であろうと思うのであります。あなたの方で、こういうところを修正したらさらにベターになるというならば、ぜひ出していただきたいというように考えております。

大西禎夫自由党

○大西委員長 この際お諮りいたします。本案に関し大蔵委員会より連合審査会を開会いたしたい旨の申出がありますので、この際大蔵委員会と連合審査会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお開会の日時につきましては、大蔵委員長と協議いたしまして決定いたしたいと存じますから、さよう御了承願います。     —————————————

大西禎夫自由党

○大西委員長 次に硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案を議題といたし、質疑を続行いたします。井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 昨日に引続きまして質疑を続行いたしたいのですが、政治的な問題が相当ございますのに、かんじんの責任者である通産大臣、農林大臣、またそれを補佐する政務次官等が一向に見えませんが、どういうわけですか。

大西禎夫自由党

○大西委員長 私からちよつとお答えいたします。通産大臣は昨日から四十度ほど熱を出して寝ておるのだそうであります。政務次官は今参議院の本会議の方に出ておりまして、こつちへ出て来られないのだそうであります。農林大臣も出て来られないというようなことで、やむなくこういうことになつておることを御了承願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 通産大臣に対しては昨日も私は出席を求めました。今熱が出ているというお話でしたから、まことに病中お気の毒と存じましたが、昨日参議院の委員会へ出席をいたしております。さらに本日も国会へ出席をいたしております。これは委員長の言うことと実際に違うのであります。

大西禎夫自由党

○大西委員長 本日は出て来たそうでありますが、しかし熱が出てもう帰つたそうであります。昨日は熱が出ておるというのだそうであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 いずれ大臣に対する質疑は後ほどまたお許しをいただくことにいたしまして、特にこの際事務当局に二、三質問をいたします。昨二十七肥料年度に輸出をいたしました肥料の総額、それからこれの外貨の獲得は総額でどのくらいになつておりますか。大よそでよろしいから、常識的に覚えている数字を御答弁を願いたい。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 二十七肥料年度におきます輸出は、七月は推定でございますので、七月分だけは推定を加味いたしまして、五十一万トンでございます。なお硫安の輸出の外貨価格の積数平均は五十六ドル三十六セント、これを外貨総額にいたしますと二千九百八十何万ドルになります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 本年の二十八肥料年度の輸出の予定額はどのくらいでございますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 二十八肥料年度につきましては、生産計画といたしまして、まだ関係各省の意見が一致したものではございませんが、通産省として考えておりますのは、硫安関係で二百十二万トン程度を目標といたしております。なお石灰窒素につきましては五十万トンと考えております。  輸出の見通しでございますが、本国会に提案いたしております硫安需給安定臨時措置法案、並びにただいま御審議を煩わしております硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案の規定の中にもございますように、需給計画の策定につきまして、法律上一つの目途を立てております。この目途に従いまして計画を立てるわけでございます。その関係もございまして、輸出計画としては、二十八年度としてこの程度を考えてよろしいというような、各省間の一致した意見は今のところございません。ただ事務的に一応の想定と申しますか、考えます点は、七月末の在庫の見通し、あるいは需給安定法案の中に織り込んであります思想等を加味いたしますと、大体三十五万から四十万見当になるのではないかと想定している次第であります。これは通産省の事務当局の私見でございますので、御了承願いたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 昨日伺いましたところによると、硫安の国際市場価格は、安いのになりますと、三十ドル台、高いので四十五ドル台、しかして国内産は全体で六十五ドルぐらいである。そうしますと、大ざつぱに見積りまして、ここに十ドルの開きが出ております。トン当り十ドル安い価格で出しておりますので、そうなつて来ますと、五十七万トンを二十七肥料年度に輸出をいたしたというのでありますが、この五十七万トン輸出いたしましたことによつて、当該の輸出いたしました硫安工業の会社の赤字は、どのくらいが想定されておりますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 各会社のいわゆる赤字の計数につきましては了承いたしておりませんが、本需給安定法案の中にもございますが、従来の価格調査という点におきまして、権威ある強制調査をいたしておらない関係もございまして、赤字の数量については明確に申し上げることができないのでございます。ただ需給安定臨時措置法案が成立いたしました場合におきましては、政府としては権威ある調査をいたしまして、今後に対処して参りたいと考えておるのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私の聞いておりますのは、昨年度、二十七肥料年度に輸出いたしました五十一万トンは——あなたみずから昨日私の質問に対して、国内価格と国際価格との開きがこれこれあるということを御答弁をされております。そういう大ざつぱな考え方においても、十ドル余りの開きがございます。だから輸出しました会社は当然それぞれの赤字が出ておるはずでありますが、生産の指導、助成また輸出の振興をはかろうとする通産省は、赤字内容については何らの報告も、何らの相談も受けていないのでございますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問でございますが、昨昭和二十七肥料年度におきまする輸出による損失というものは、私の方が権威をもつて調べたものでございませんので、その点についてはなはだ遺憾ではございますが、業界の申すところを申し上げますと、大体十二、三億円といわれております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その十二、三億の赤字は、輸出した会社みずからが自己の経理内容において消化をされたと思いますか、それとも赤字として留保しておりますか、その点はどういうことになつておりますか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問につきましては、私の承知しております関係につきましては、各社それぞれたな上げと申しますか、大体そういうような措置をとつておるように聞いております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 このただいま提案をされております合理化案さらに輸出会社の問題を考えますときに、この国際価格差の問題が非常に大きな問題を投げております。これは率直にお伺いいたしますが、政府としては東亜の市場を確保し、硫安というものが輸出品としても外貨獲得に最も適当な物資であるというところから、特に輸出会社をつくる法律をわざわざ考えまして、輸出の振興をはかろうとしております。ところが現実の輸出の実情は今お話のように、ただいまの市況では年間十二、三億から十五億円の赤字が出ております。これをひつくり返して考えますと、今お説のように、年間十二、三億のものがその企業内部で消化できる、あるいはまたそれが留保できる財政的な経理の余裕がある。こういたしますと、国内の農民に売りつけている肥料の価格というものには、相当水増しがありはせぬか、こういう疑いを持つ危険性が起つて参りますが、そうはお考えになりませんか。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 ただいま申し上げました過去におきますいわゆる出血輸出によります損失十二、三億というものにつきましては、企業者がみずから吸収したというのではございませんで、今後におきます合理化あるいは利益というような観点から申しまして、欠損をたな上げしておるという状況でございまして、そのために国内に対します販売上の余裕というものがあるかどうかという根本問題につきましては、その赤字につきましては将来これを処理するという意味におきまして、各社が現実にたな上げしておる状況でありまして、ただいまの御質問のような、国内に対してさらに当然引下げるべきではなかろうかというような結論にはなつていないと私は考えるのでございます。ただ私企業でございます関係もございますし、同時に今日まで公権的な調査をいたしておりません関係もございまして、私はそのこと自体が今日の制度のもとにおいて考えます限りにおきましては、政府としてはむしろ進んでこれらの実態を明らかにして参るということが緊急に必要と考えまして、先般肥料対策委員会においてもコストの精細なる検討をいたしたのでありますが、何分公権的な基盤もございません関係もございまして、御期待に沿い得なかつたというような状況でございますので、私は今後におきます肥料対策を確立して参るということから考えて、まずコストの調査を権威あらしめるということを需給安定措置法の一つの大きなねらいといたしておるのであります。この調査によつて政府は輸出の実態あるいは国内におきます価格のあり方ということを明らかにして、農民に対します不必要なる御懸念がないようにするというのが今日私たちがこの法案を提出いたしまして、将来に対処して参ろうというゆえんでございます。  なお赤字処理の問題でございますが、先般来非常に問題になりました輸出による損失を内需に転嫁しないというような基本原則を立てます必要からいたしまして、かたがた肥料対策委員会におきます結論も製造メーカーにおいて自主的に処理する、こういうような大原則もうたわれております関係からいたしまして、輸出会社の設立と同時にこの輸出会社をして有利に売らせるという態勢をまず立てる、同時に一方そのような制度だけでは不十分でございますので、肥料工業の合理化を積極的に推進して行く、そうして国際価格上の較差というものにつきましても、もちろん肥料工業だけで片づく問題ではございませんが、率先まず肥料工業の合理化というところに重点を置きまして、五甲と申しましても、三年間の財政投資ということによりまして、一日も早く赤字の問題を処理して黒字に持つて行くというような態勢にいたしたいという考えでございまして、赤字処理に対します政府の考えとしては、あくまでも合理化というところに重点を置いて参りたいと思うのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私この際ちよつとお断りをいたしておきますが、私はこの肥料問題に関しましては、肥料の直接の需要者ではありません。また需要者団体の代表の意見でもありません。私はこれら需要者団体の何らの役員も相談役もいたしておりません。また肥料メーカーの顧問、相談役、これの株等を持つておりません。従つてできるだけ公正な立場に立つてこの重大な肥料問題を審議したいという熱意を持つておるので、政府は誤解のないように聞いてもらいたい。そこでこれはあなたにそういうことを申しても始まらぬことですから、大臣が来たらその点について十分所見をただすつもりでありますけれども、あなたの今の答弁をわれわれ冷静に聞いておると、かりに年間十二、三億の赤字が出るといたしますと、五年で約六、七十億の赤字を想定しなければなりません。もちろんその間に合理化によつて価格は一部下つて参りますけれども、大体においてそういう赤字が累積されて行く。一方においてこの合理化のために百六十億の金をつぎ込む。また市中銀行からも相当の金融をあてにしておる。そうして業界自体の力でコスト引下げの合理化への施設ができ得ないので、政府みずからによつて、この三年余りの間に百六十億という大金をつぎ込もうとしているのです。そういう会社に対してここに六、七十億の輸出による赤字を背負わすということによつて、一体合理化の問題と相矛盾する経済的現象がそこに起つて来ませんか。そうお考えになるのが私は妥当であろうと思う。農林委員会に提案されておるとところの硫安需給安定法は、いはゆる国内需要とその需要の一割程度を留保する。その留保分を特定団体に持たすということになつて、その特定の団体に持たせます保有量に対しましては、もし年間に欠損が生じました場合は、これを国庫で補填するという明確な規定がございます。しかるに一方輸出の面については、現実に国際市場価格と十ドルもの開きが起つておるのに、政府はこの面に対する赤字、金利等に対しては何らの補填を考えてない。そうすると、企業内部においてその赤字が消化できるか。もちろんこれには優先外貨の割当の特典を与え、あるいはまたバーター制による輸入の好条件を与え、または関税その他による処置を講じて、できるだけ輸出をいたします会社の赤字の幅を少くする努力が一方において考えられて来なければなりません。しかしそれでもなおそれだけの赤字を持ちますということは、一方合理化による資金の効率というものが、一体どういう効果を発揮するかということを考えたときに、この問題は非常に割切れない問題を残す。だから私どもは、そのコストにおいて相当余裕のあるコストがはじき出されておるじやないかということを疑わざるを得ない。そういうことが常識的に割出されて来やせぬかと私は思うのです。あなたの方では、合理化しなければいかぬが、自己資金でできないからというので、百六十億円もの大金をつぎ込まれるのですよ。市中銀行からの相当の資金のあつせんを要望しておるのです。しからばその会社に対して赤字を持たした場合、一体合理化効率がどう上つて来ますか。まつたく相矛盾する結果になるじやありませんか。一体そういう割切れない法案を何ゆえに出さなければならぬのですか。今まで各会社はそれぞれ自分の信用する輸出会社を選定して、海外市場と自己の会社の経理とをにらみ合せて輸出契約をして来ておる。これで何ゆえに悪いのですか。これを一つの独占的な会社にしなければ一体どういう不都合が起るのですか。独占禁止法の適用を除外して、独占的な輸出会社をつくらなければならぬという理由は一体どこにあるのですか。もし独占的な輸出会社をつくることによつて弱小の、いわゆる限界点の生産しかでき得ないところのBからC級の会社が、A級の会社のための犠牲にならなければならぬという結果が生れて来ますが、その点は一体どう救済をしようというのですか。だから現状でそれぞれの会社の経理と、またその会社の持つ輸出におけるいろいろな特典を、巧妙に活用することにおいて、自己の犠牲をできるだけ少くしようとする努力を、その輸出会社に一切まかしてしまうことによつて、反対の結果を生んで来ておるというこの事実を見のがしてはなりません。そういう点を私どもは慎重に検討いたしますときに、この輸出会社案なるものは、何かうしろに意図を持つたものが隠されておりはせぬか。今ここで補助金をつけるとかなんとかいうと、国会を通らないから、またすでに予算も組まれておる今日であるから、この際は会社内部で消化してしまうということで提案をしておいて、次の機会にこう赤字が出て来たのでは、とてもコスト引下げの合理化はうまく行かないから、国策として硫安を輸出する以上は、ドイツ及び英国等のやつておるような方式でひとつ思い切つて輸出に対して助成をする、こういう手をこの次打ちはせぬか。一ぺんにそこまで行くと、問題になるから、この際は小出しにしてこれで行こう、こういう巧妙きわまる戦術が打たれて来ておる。大体この硫安需給安定法案とこの合理化及び会社法案というものは、一本の法律である。それをわざわざ二つに区分をして、一つは農林委員会へ、一つは通産委員会へ出しておるというこの政府の意図がうしろに食らいついておるというような感じを強く与えるものがあります。今後五箇年問いかに赤字ができようと、それは硫安会社自身の内部において消化させる、こういうことをはつきりあなたは言い切れますか、言い切れますまい。言い切れたらえらいことですぞ。そうなりますと政府は東亜市場を外貨獲得の必要上押えたい、これほどいい輸出物資はありませんから何とか押えたい。押えたいけれども、採算の合わぬ営利会社は、採算が合うようにしてやらなければやれません。そうなつたら政府が何ぼ考えても、りつぱないい会社をつくるという法律をつくつてやつても、条件が合わなければやれませんぞ。そうすると政府の輸出振興の意図というものは、硫安の関係においてはだめになつてしまう。その関係を一体どう割切るのですか。だからこの法案はもう少しあなたの方で練り直して、それこそさつきの小川さんのお話ではないけれども、この問題に対して専門的に検討して規定したものとしては、政府にそこまで割切つた自信のある法案を出してもらいたいと言わざるを得ない。そういう点から、この際もう一ぺんこれを考え直す必要はないか。もし、いやこれでいいというなら、さらに私は質問をいたしますが、そうやかましく言つてみたつて事務当局としての答弁しかできないということはよく存じておりますが、ただ事務的に考えてもつじつまが合いますまい。どうお考えになりますか、もう一ぺんそこのところを御答弁いただきたい。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 輸出機構につきましての根本的な点でございますが、私は一例を申し上げまして、輸出機構というものが必要であることを端的に申し上げたいと思います。昭和二十七肥料年度におきまする輸出の推移を申し上げますと、五十一万トンの輸出が五十六ドル三十七セントになりましたが、このうち特に問題として取上げるに値しますのは、昨年の十一月から十二月にかけまして、特に国内の滞貨が五十万トンにもなんなんとする状況下のときでございました。もとよりこれらの滞貨がございますことが、対外的に非常に輸出をあせるというか、いろいろの事情が交錯いたしまして、韓国向け二十二万トンが五十一ドルで締結されたのでございます。これはわれわれとしましては、非常に遺憾なことでありまして、もし何らかの統一した計画的な機構がございまするならば、この問題をもつと有利に展開できたのではなかろうかと考えます。その前後の価格の推移を考えますと、本年に入りまして輸出引合いも相当有利な態勢になり、大体六十三ドル程度のFOBで輸出が可能になつたのであります。そういうような情勢をとりまして、究極には先ほど申しました五十六ドル余の平均輸出価格というようになつたのであります。このような事態を対外的に考えますと非常に日本側にこういつた統一したしつかりした機構がないということが一つ、同時に海外に対しまして、各社ばらばらあるいは貿易業者がそれぞれの立場から、いろいろな引合に応じて参るということは結果におきまして、有利に売れるものを売らずに、こういつた赤字を累増するという結果になるのではなかろうかと思うのであります。こういつた観点から、輸出機構の確立ということに私は努力いたさなければならぬかと思うのであります。本法案提出の実際上の必要も、そういつた点にあるのでございます。また輸出会社をつくりまして、赤字が逐次累増するのではないか、こういう問題でございまするが、これは御質問の中にもございますように、化学工業の将来ということを考えますと、非常に輸出産業として政府が力をいたしまするならば、将来性ある産業であると私は考えるのでございます。肥料工業は、幸いにして国内に百六、七十万トンの安定した需要を持ちまするし、同時にアジアの諸国は、逐次累増する潜在的需要を持つた地域である。しかも輸送上からいつて、きわめて近隣諸国でありまして、これが市場確保は、将来輸出を増強する一番大事な点かと思うのであります。肥料工業は今日までの発達の経過からいたしましても、今日何らかの手を打ち、コスト引下げに専念いたしまするならば、対外競争力は相当大幅に上るのではなかろうかと思います。肥料工業自体の合理化によりまして、百六十億程度の財政投資を含みます援助を与えまするならば、四年目あたりには、三箇年の財政投資の結果、六ドル近い合理化ができる。また石炭の縦坑開鑿計画が実施せられますならば、二割程度の炭価の引下げができる。また電源開発は幸いにして進捗しておる現状からいたしまして、操業度の引上げが相当可能になると思われるのであります。こういつた事態をあわせ考えますと、今日いまだ計画的な要素を多分に含むものでございますけれども、日本の硫安の輸出価格を今日以上に、国内に対しても安い価格で供給し得る見通しが立ち得るのであります。ただいま十ドルの値を持つていますが、これら関連企業の合理化を含めまして、十ドル以上にわたる引合いができるのではないかと思うのであります。五箇年計画と申しますと、非常に長期にわたるようにも考えまするけれども、最初の三年までで御心配の赤字は激減して参ると考えるのであります。赤字の累増によつて、硫安工業の合理化意欲の減退あるいはその他の弊害を伴うのではなかろうかという質問でありまするが、私はこういう手を打つて、初めて硫安工業というものは拡張再生産の過程に入り得るものと考えるのでございます。これは一つの机上のプランにすぎませんが、石炭、電力、化学工業の合理化ということを並進いたしますことによりまして、五年先には大体十四、五ドルの合理化が可能と考えられます。西欧から参りますものと日本から出しますものの船運賃の較差が五ドルなしい六ドルである現状から考えますときに、私は硫安工業の将来性については、非常に明るい見通しを持つ一人であります。また輸出会社の裏に何か隠されておるのではないかという御質問でありますが、私は化学工業のほんとうの合理化を推進するためには、こういつた線を強く出すことが必要でございまして、裏に何らかの国家的助成制度を考えるということは、むしろ合理化をにふらすものではないかと考えまするので、私は本法案の裏には何ら隠されたものはないかと考えるのでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 もう一点だけ。ただいま局長さんは非常に自信のある御答弁でございましたが、私から考えますと、今の局長のご答弁は眉つばものや。この五年間に十五ドルほどの開きがなくなるという効果を、この合理化及び近代化によつて上げ得るという自信は私にはつきません。昨日来質問をいたしました結果から見て私はさような一つの確信を持つておる。この輸出問題は、輸出振興という国策の一環をになつておりますので、国策的な見地から議論しなければなりません。従つて事務当局との質疑をこれ以上いたしておりましても要領を得ません。そこでこの際特に事務当局に、一、二点ここで聞いておきたいのは、この会社は現物を扱う会社であるか、それとも帳簿上の整理だけをやろうとする会社か、もし現物を扱う会社であると——つまり法案に規定してあります会社の任務として、硫安の輸出と、輸出用の硫安を輸出業者に譲渡すると二通りきめてありますから、みずからもやはり現物を扱うことがあり得ると思います。そうなりましたときに、この会社にバーター制を認めるかどうか、それから優先外貨の割当をするのかどうか、その点が問題になつて参ります。それからいま一つ優先外貨を割当てるとして、たとえば今まで肥料の輸出に伴つて優先外貨が割当てられておりますが、この外貨によつて一体何を輸入して来たか、そうしてそれによつて一体どれだけの利益をこれら肥料会社は得ておるかということが一般の国民にはわかつておりません。だから今すぐそれがおわかりでございませなければ、一応通商局の方でお調べ願つて、優先外貨によつてどういうものの輸入を認め、それが国内価格との間にどれだけの利益があつたかということについて必要な資料を御提出願いたい。この会社の赤字消化というものがいろいろな角度で——この会社の株は輸出しようとする会社が持つことになりますから、この会社が赤字ということは、結局生産メーカーの重荷になつて参りますから、そういう意味でそれらの点をお調べの上で御答弁を願いたい。  それからこの企業合理化に伴つて能率の非常に悪い会社はどうするのだ。たとえば政府の百六十億の融資対象を見ましても、いずれも重要な肥料工業であつて、弱小会社にはあまり割当てられておりません。この弱小肥料会社は一体どうしようというのか。それから融資の対象の内容が硫安生産ということよりも、その硫安を生産するという全体の企業内容の合理化、近代化によつて硫安のコストを下げようという、こういう副次的な投資が相当多い、こういうものについてわれわれとしてはさらに一層の検討を要すると考えております。だから今申しました弱小の工場に対して、一体今後政府としてはこれを助成しまたは近代化への道を歩まそうとするか、この点をひとつ明確にしていただきたいのであります。

中村辰五郎通商産業事務官(軽工業局長)

○中村(辰)政府委員 御質問の第一点の、優先外貨あるいはバーターの問題でございますが、法律上輸出に附帯すると考えます業務でございますので、本会社で取扱い得るのでございます。ただ行政方針の問題にも関連いたしますが、もとより硫安工業の赤字をこのような方法で補填することが是であるか非であるかという根本的問題につきましては、私は企業の合理化を促進することが肥料工業の将来のためでもあり、同時に、政府が両法案をもちまして今後に期待する重点でもございますので、私はこのような制度が輸出会社の運用の重要なる因子であると考えることはできないと存ずるのであります。やはりこの問題に関連しましては、むしろ合理化の本道を強力に推進するということをもつてお答えといたしたいと思うのであります。  なお第二点の弱小企業の将来の問題でございますが、ただいま御指摘の弱小会社に対して財政投資が幾分少なめではないかという御質問でございますが、私は従来肥料工業の合理化あるいは弱小と巷間考えられております企業に対しては、大体において企業の操業ということについて努力しております。御配付申し上げました硫安工業の五箇年計画におきましても、これらのいわゆる弱小企業というものにつきまして適切な合理化の設備工事が考えられますので、これに対しましては強力に財政援助を与えて合理化して参りたい、こう考えております。弱小という意味合いが、たまたま工場建設の当初の目的に反した操業をとらざるを得なかつたような事態もありまして、とかく弱体と言われた向きもございますが、幸い合理化の一つの大きなねらいでございますコツパース法の発明というようなものも関連いたしまして、相当これらの弱小企業に対しましても、あるいは効率ある生産コストの切下げができるものと考えております。今日尿素あるいは硫燐安、こういうものの化学操作の過程において捨てておりました一酸化炭素等の合理的利用によつて硫安コストを引下げる等、硫安工業の合理化に織込んでありますが、御指摘のような点につきましては万遺憾のないように措置して参るつもりであります。肥料対策委員会の合理化方策の中にございます文言ではございますが、まず一般的合理化方策を推進いたしまして、また特別には化学工業の総合化による利益あるいは関連企業との連繋の緊密化というような方途を考えまして、できるだけ御指摘のような弱小企業のコスト引下げという点につきましては、力をいたして参りたいと存じます。

大西禎夫自由党

○大西委員長 この際お諮りいたします。農林委員会より、本案並びに臨時硫安需給安定法案に関し、連合審査会を開会いたしたい旨の申出がありましたので、本委員会といたしましても両案に関し農林委員会と連合審査会を開会いたすことに決定いたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 御異議なければさよう決定いたします。  なお連合審査会の開会日時に関しましては、農林委員長と協議の上決定いたしたいと存じまするから、さよう御了承願いたいと存じます。  次に藤田義光君より発言を求められておりまするから、この際これを許します。藤田義光君。

藤田義光改進党

○藤田委員 きわめて簡単にお伺いします。まず第一点は朝鮮動乱の休止あるいはMSAの受入れ等に関しまして、兵器生産ということが今後の日本の産業の一部門に重要な話題となつて参つております。この点に関しましてお伺いしたいのでございまするが、現在の重工業局の構成によれば、兵器あるいは弾薬、あるいは過日の新聞に発表されておりました原子力の問題等に関しまして機構が十分整備されていないというふうに言われておりまするが、この点に関しまして、将来どういうふうな機構改正を考えられておりますか、何か案がありましたら、この際簡単にお答え願いたいと思います。

葦沢大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦沢政府委員 現在兵器関係の仕事をいたします課といたしまして、重工業局に航空機課というものがありまして、この航空機課において兵器も兼ねて仕事をいたしておるわけでありまするが、航空機課という名前ができましたのは、航空機製造事業法というものが、兵器関係の立法に先だつてできましたような関係もありまして、そういう課の名前になつておるわけでありまするが、今後両三年の、先の問題は別といたしまして、現在の状況下におきましては、別にこの機構に改変を加えるというようなことは考えておらないわけであります。

藤田義光改進党

○藤田委員 この駐留軍の兵器の発注に関しましては、従来土建業その他とともに、出血受注というような問題が非常に論議されております。MSAを受入れましたと仮定いたしました場合におきまして、これらの現象は日本にとりまして有利になりますかどうか非常にむずかしい問題でありますが、局長のもとにおいて、何か見通し材料がありましたならば、この際簡単にお答え願いたいと思います。

葦沢大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦沢政府委員 MSAの受入れが実際にどうなるかということは、現在のところわかりませんので、これに対して明確な判定はつかないのでありまするが、従来兵器の受注において、御指摘のようにしばしば問題になりました出血受注の問題は、かりにMSAが受入れられるという場合には、そこにまた一つの新しい事態が参りますので、現在のような受注に関するいろいろな問題の発生を防止できるような態勢を、その際にこちら側としては希望いたして、実現できるものは実現いたしたいというふうな考え方をしておるわけでございます。

藤田義光改進党

○藤田委員 局長の答弁に私も非常に賛成でありまして、この際何かそういう問題に関しまして、委員会その他の強力な機関を考えていただきたいと思いますが、何か御研究があれば、たとえば民間におきましては、防衛生産委員会等のごときが結成されておりまするが、通産省の重工業局を中心に、そういうものを考えられておりますかどうかお伺いします。  次に先般本委員会におきまして、笹本委員、山手委員等から、たとえば日平産業の弾丸受注に関しまして、出血であるかいなかということに関しまして、相当深刻な問答があつたように速記録によつて了承いたしております。この問題は実は一会社の問題でありまするが、日本全般の兵器受注に相当微妙な影響がある問題でありまして、私はこの際あの会社のわれわれに出しました資料によれば、手持ち資材の関係その他も多少ありましようが、相当の利潤を得た契約をしたとも了承されておりまするが、この点に関しまして、先般の当委員会における問答以後に、何か新しい資料でもごらんになりまして、結論が出ておりますかどうですか、お伺いしておきたいと思います。

葦沢大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦沢政府委員 MSAの受入れにつきまして、通産省といたしまして特別な機構はまだ現在のところ、私の承知いたしておる限りにおいては考えられておりません。次に日平の先般の銃弾の受注につきましてのお尋ねでございますが、二日ほど前に、日平会社より当時受注されました二十七セント七という価格の内容について、役所の方に届出がありました。これはまだ内容を詳しくわれわれは検討できないのでありまするが、ただ材料費が相当現在考えられておるものよりは安くなつておるのじやないかというようなことも一応考えておりまするが、まだ会社側と細部にわたりましてこの詳細な打合せを遂げていないというような状況であります。

藤田義光改進党

○藤田委員 最後にお伺いしますが、今後これらの受注に関しまして、従来も重工業局でいろいろ御指導もいたしましたし、今後もあると思いまするが、何かほかの同類産業にも重大な影響がありますので、国家的見地から、なるべく有利な契約を締結するような具体的な措置をとる必要はないか。個個の会社が公入札でやるということでは、国家的にも非常に不利ではないか。たとえば日平産業は豊川の海軍工厰とともに航空機用の銃弾に関しましては、世界的に有名な会社であつたことは、終戦当時まで常識でありましたが、最近いろいろ技術的にもその他にも客観情勢が激変いたしておりますので、技術指導とともに、実際のMSAというような、あるいはそれ以上の大規模な発注等も想像される今日におきましては、何かもう少しつつ込んだ指導と協力が必要ではないかというふうに考えておりますが、従来通りにやつて行かれても大して支障がありませんかどうか。今後ある程度、受注の方式、契約等に関しましても、再検討される気持はないかということを最後にお伺いしておきたいと思います。

葦沢大義通商産業事務官(重工業局長)

○葦沢政府委員 安値受注とか、あるいは出血受注とか、よく巷間言われますところの問題の解決につきましては、今後ともこれが解決に邁進いたしたい。御指摘のように、現在のような発注態勢のもとにおきましては、むろんこれに殺到いたします受注者側の責任も絶無ではないかもしれませんが、制度そのものから申しまして、一会社にどうのこうのという責任を全部帰せられない部面も確かにあろうかと考えられるわけでありまして、これがために、今国会にも一応武器等製造法案というものの御提案をいたしまして、これが解決の一助と考えておるわけでありますが、さらに、先ほど申し上げましたように、かりにMSAの受入れというような新しい事態が参りました場合には、そこに向うの発注態度におきましても従来と異なつた善処されたような態勢をつくり出すように努力をいたしたいというふうに考えておるわけであります。

大西禎夫自由党

○大西委員長 本日はこの程度にいたし、次会は明日午前十時より開会いたし、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案に関し参考人より意見を聴取いたしますから、さよう御了承願います。本日はこれにて散会いたします。     午後四時四十二分散会

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