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16回国会衆議院1953/07/15

通商産業委員会 第17号

発言数
94
登壇者
8
会派数
3
開催日
1953/07/15

会議録

大西禎夫自由党

○大西委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず特定中小企業の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑はありませんか。——御質疑がなければこれより討論に入りまするが、討論はこれを省略いたし、ただちに採決に入りたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 御異議がなければ討論はこれを省略いたし、ただちに採決いたします。本案に賛成の方の御起立を願います。     〔総員起立〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。本案に関する委員会報告書作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 御異議なければさようとりはからいます。

大西禎夫自由党

○大西委員長 次に中小企業金融公庫法案を議題といたします。質疑の通告がありますからこれを許します。永井勝次郎君。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 政務次官にお尋ねをいたしたいと思いますが、中小企業に対する対策の前提となるものは中小企業の診断の問題であると思うのであります。この金融公庫は長期金融をなそうというのでありますけれども、それは中小企業対策の一部の問題であるのであります。中小企業の現在の状態をどういうふうに診断し、金詰まりであるから金を貸してやる、税金が高いから税金を負けてやる、それだけで中小企業が安定できる条件にあるのかどうか、そういう中小企業に対する相対的な診断の上に立つて、その対策のうちのどういう役割を果そうとしてこの公庫を設立してこれを運用するのであるか、その性格を明確にしていただきたい、かように思うのであります。

古池信三自由党通商産業政務次官

○古池政府委員 ただいまのお尋ねはまことにごもつともなお尋ねだと存じます。中小企業が非常に苦しい立場に置かれておることは申すまでもないのでありますが、特に今一番当面してむずかしい問題は、また中小企業者として希望しておられます問題は、金融を何とか緩和して楽に金が借りられるようにしてほしいという希望と、税金を極力安くしてほしい、この二つがやはり大きな要望であるように存じておるのであります。しかしながら、さらにそのもとを掘り下げて考えてみますならば、日本の中小企業を今後どういう面において合理化し、発展さして行くべきかという大きな企業診断の問題があることはお説の通りだと存じます。ただいま個々の中小企業につきましては、それぞれ中小企業庁が中心になりまして、各府県あるいはまた地方の局と密接なる連絡をとりつつ企業診断をやり、指導をいたしておるのでありますが、これは個々の企業に関する問題でありまして、さらに大きくいえば、日本全体の企業の構造をいかにすべきかというような問題にまで発展して考えなければならぬと存じます。何と申しましても、日本の産業の絶対多数、九十何パーセントという事業は中小企業に属しておることも御承知の通りであります。わが国としましては、ほんとうに産業を振興させるためには、決して大きい企業のみに片寄つてはいけないのであつて、この九十何パーセントに及ぶような中小企業者をほんとうに働きやすいようにし、またその能力を十二分に発揮できるようなふうに政府としては指導せねばならぬと考えております。とは申しながら、しかし大企業と中小企業との間の関係は、これは決して無視することはできないのでありまして、中小企業の中には、いわゆる大企業の下請的な仕事をやつておられる事業が相当な数に上つておると思います。こういう場合には、大企業が発展し安定することによつて中小企業もまた安定し発展する道があるわけでありまして、必ずしもその場合には、大企業と対抗的に存立するものとも申し得ないと存じますその辺の事情が非常に微妙なところでありまして、必ずしも政府としましては、大企業にばかり力を入れるというような間違つたことはやらない、中小企業も存分に生きられ、またそれぞれの機能を発揮できるように、今後の産業構造を考える場合その辺のところは十分注意して行かなければならぬと考えておりまするが、さしあたつての問題としましては、何としても税の軽減と金融の措置にあろう、かように考えまするので、今回御提案申し上げました中小企業金融公庫法案も、その意味から申しまして目下特に必要性のある問題である、かように存じております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 産業構造の問題と、日本経済の今後の対策が中小企業の今後のあり方を決定すべき基本的な問題であるとわれわれはこう考えているのであります。政務次官は産業構造の問題に触れられたのでありますが、ごもつともであると思うのであります。そこで、今経済審議庁その他の統計によりますと、国内における消費過剰であるということが数字的に示されておる。そこで国内における消費過剰であるならば、この消費過剰を押えて、これを輸出重点に持つて行くか、あるいは国際情勢が戦争の危機が去つた一まつたく去つたわけではありませんが、緊迫した情勢は遠のいだ。そこで今後は国際的には、平和産業、輸出貿易が競争の中心に置きかわつて行くであろう。こういう情勢の中では、軍需産業、軍事的な性格の産業から、平和的な性格の産業へ漸次転換をして行かなければ、国際社会における競争力を持つことができない、こう思うのでありますが、国内的には消費過剰を押えて、輸出重点にこれを向けて行く考えなのか、あるいは産業構造の問題としては、軍事的な性格から平和的な性格の産業へこれを転換して行くお考えなのか、ひとつこの点の基本的な態度をお示し願いたい。

古池信三自由党通商産業政務次官

○古池政府委員 世界の情勢は戦争の危機がやや遠のいだ感がいたすということも「私どももさように存ずるのでありますが、しかしながらそれかと申しまして、当分のうちは戦争は絶対ないということも保証できないのではないかと考えるのであります。もちろんわれわれの希望といたましては、戦争というような悲惨なことは将来できる限り先に延ばされて、ついにはそういうことが絶対にないという世界が現出することは理想ではありまするけれども、しかし現実の問題といたしましては、必ずしもその理想通りに参らぬ場合もあるかと思います。しかしただいまお話になりました、日本は消費面が非常に進み過ぎているのではないかというような御意見は、私もここに数字は持つて参つておりませんけれども、ともかくあれだけ経済的にどん底までやつつけられた日本が、今日この数年の間に相当生産力を増して参りまして、日常の生活から申しましても、あのころには想像もし得ないくらいに回復して来ておる。もちろん住宅その他について不満な点はまだありまするが、しかし大体において日常生活としては消費生活においては相当のところまで回復して参つているということは御承認願えるだろうと思うのでありまするが、しかしこれをたとえば戦いに勝つたと称せられるイギリスあたりの国民の消費生活と比べてみますると、イギリスあたりの生活がそんなに日本よりもいいというような報告もあまり聞いておらぬのであります。そうしますると、もう少し日本は消費生活を自粛しまして、さらにお話になりましたような貿易振興というような面に、産業の方向も向けて行くべきではないか。いいかえれば、生産財の生産ということに今後さらに一層力を入れねばならぬのではないかというように考えておるのであります。なお平和的な産業を増進すべきではないかという御説も、まことにごもつともでありまして、わが国としては健全なる正常貿易によつて今後の自立経済というものを確保する、国際収支のバランスをとるということが目的であろうかと思いまするので、その意味からいいまして、漸次特需というようなものは減つて参るわけでありまするから、これを正常な平和的な産業による製品の貿易に振り向けて行くということは大事であろうと思います。ただそれも今いつからどういうふうに切りかえるかということは、簡単には参らぬと思いまするので、これは順を追うて、漸次その移りかわりを上手に持つて行かなければならないかと思いますが、目標といたしましては、あくまで平和的な産業を発展させて、これによる正常貿易の確保ということにあろうかと存ずるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 口で言うだけではだめなのでありまして、国の経済政策全体がそういう方向へ指向しなければいけないと思うのであります。そうしますと、中小企業のこの金融公庫を運用いたします場合に、ただいまのように平和産業へ漸次持つて行くというためには、これの貸出し対象は、軍事的な産業はこれを押えて平和的な産業へ、貸出し対象を置いて行く。あるいは国内消費的な産業でなくて、輸出を重点に置くところの産業の方向へ金を貸して行く、あるいはこの面を盛り上げねばならないというようなところには金を貸して、これは押えなければならぬというところはこれを押えなければならぬ、こういうふうに考えるのであります。この金融操作のねらつているところは、一体これの果す役割、そういうものに対してどういうふうに考えておるのか。これは当該長官である岡田長官に、この点について伺いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫ができまして、運用する段階になりますれば、この公庫は大体代理貸しをその主たる方針としておりまするから、代理店になりまする金融機関に対して、融資の大まかな根本の骨組みの指図はいたさねばならぬかと思うのであります。お話の、どういうような産業に重点を置いて貸出しをするかという点は、その中で考慮されねばならぬ問題かと思うのであります。現に開発銀行が昨年の九月から見返り資金の中小企業向けの貸出しをやつております場合におきましても、輸出産業あるいは基幹産業、生活必需品産業ないしこれら三つのものに相当深い関係のある部門というような大きなわくが示されておるのであります。われわれといたしましてもさような意味におきまして、大体は開発銀行が考えておりますような方向でやつて行けば、今御指摘になりましたような線においても妥当ではないかと思うのでありまするが、具体的に申し上げますれば、まあ平和的な産業あるいはどういうふうになりますと、かなりむずかしいのでございます。私どもの方はもう少し単刀直入に、製造業でありますとかマイニングの鉱業であるとか、土石採取業建設業というように業別を捨いまして、この公庫の金はこういう方面には行つてもいいのだというふうには代理店に示そうと考えておるのであります。御説の点は製造業者の中に、何の製造業かというところまで深く立入るという点であろうかと思うのでありまするが、これはむしろあまり深くこまかくわれわれの方から指図するというよりは、金融機関等がある程度裁量できるようにしておいた方が、実際の運用に適切ではかろうかと考えておるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 第二条における、「政令で定める業種に属する事業、」これはどういう業種であるか、具体的に御説明願いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは公庫法ができまして、その施行令できめるわけでありまするから、まだきまうてはおらないのでありまするが、私どもの腹づもりといたしましては、現に中小企業信用保険法におきまして業種の指定をいたしておるのでありまするが、その中からサービス業等特定のものを除きまして、おおむねこの信用保険法にきめておりますものを拾いたいと考えておるのでありまして、先ほど申しましたように、この趣旨から申しますれば、製造業でありますとか、鉱山の関係、土石採取、建築関係、物品販売業輸送業、あるいは倉庫、電気の供給、ガスの供給、印刷出版、医者の業等、かようなものを掲げるつもりにいたしております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 事務的な手続としては、この法案ができてから政令が出されるわけでありますけれども、これは前議会において流れたのであり、ことに前議会においては、もうさつそくこれを実施に移さなければならないというほど急がれていた問題でありますから、政令の案はもうできているはずである。もしできているならば、この法案と並行して、具体的にどういうふうにこれは運用されるのかという事柄をこまかく知らなければならないので、この政令を資料として出す用意があるかどうか、これを伺いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 われわれが予定しております業種指定の案は、一枚刷りでございますが、御要求がありますれば、いつでもお手元へ差上げます。政令の全体といたしましても、今の業種の指定のほかに、登記の手続の関係等事務的な事柄でありますので、法案か通りますれば、いつでもその準備にかかれるように私どもとしては用意いたしております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この政令を資料として本委員会に出していただきたい。それからこの運用にあたつても、業務方法書あるいは事業計画書、こういうものが用意されるはずであります。こういうものも資料として出せるかどうか。事務的な順序としては総裁なり何なり公庫の陳容ができて、そうしてまとまるものでありましまうけれども、そういうもうはもうすでにできておるものとわれわれは予想されるので、そういうものが出せる段階にあるかどうか、これを伺いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは今お話になりましたように、やはり総裁がともかくできませんと、私どもの方で必ずしも銀行の実務に精通しておるというわけでもありませんので、一応われわれが頭に描いておるものはございますけれども、総裁ができまして、それでいいんだということになりませんと、あるまとまつた案として、この権威ある委員会へ御提出するのには、まだいささか時期尚早ではないかと存じておるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 それでは最近議会ではだれだれ試案というようなものがはやつているそうでありますから、岡田試案という、そういう業務方法及び事業計画の構想があるならば、その輪郭を示していただきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは岡田試案というほどむずかしいものではございませんので、事業計画とか資金計画なんかの大体の骨子は、法案の要綱に出ておるのでございます。それを総裁が実際に仕事をするのに便利なように一覧表に書き表わすわけでございましようが、これはどうも私の案というのを云々申しましてお手元に差上げることは、かえつて失礼かと思われるような関係もございますので、この要綱に、たとえば公庫は自分の目的を達成するために中小企業に貸付をする、その条件は次の通りにやるんだ、たとえば使途は設備資金と長期運転資金であり、貸付金額は一企業者当り累計一千万円である、利率は一割を基準とする、償還期限は一年以上五年以内であつて、すえ置き期間は一年以内である、担保は適当な担保をとるというふうなことが要綱に書いてあるのであります。これを非常にもつたいらしく書きますと、事業計画書になるわけでございます。でありますから、私の案とかいうほどのこともないのでございまして、政令の案でございますれば、先ほど申し上げましたように、法律ができますれば、大体のものはすぐ官報に載すような準備もいたしておりまするから、その方でございますれば、いつでもお手元に差上げることができると思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 日本開発銀行中小企業部から、国民金融公庫が、債権として引継ぐものがどのくらいあるのか、そうして、その内容の実態はどうなつておるのか、これを詳しく伺いたいと思います。中小企業部には相当に不良貸付分があるのではないか、それをこつちの金庫が引継いで跡始末をするのではたいへんなことになると思いますので、この引継ぎは本法施行の日にやるのでありましようか、その引継ぐ手続方法や、事務的な取扱い及びその大体の債権について説明を願いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは開発銀行から公庫が引継ぐわけでございまして、公庫の職員と開発銀行の職員とが中身をつき合せまして、双方納得の上である日にちを切つて引継ぎを完了いたすわけでございます。目下は開発銀行側で整理をさしておるのでありますが、いつこれを引継ぐかということは1公庫が発足するその日から引継ぐということは、実際上の公庫の業務運営上必ずしも必要でございませんので、公庫発足直後当分の運用は、出資金並ひに資金運用部からの借入金——商工中金の分を除いて現在百億と予定されておりまするが、それによりまして相当の業務運営ができることになつております。従いまして開発銀行では今鋭意整理が進行いたしておりますので、できるべき公庫の、開発銀行の債権を担当すべき職員ができますれば、その方と開発銀行の方とで一つ一つ立会いの上、引継ぐものをがつちりと引継ぐというけじめをつけたいと存じておるのであります。ただいま大蔵省と若干話合いをしておりますところの一つは、過去において中小企業というものの定義がいろいろとかわつて来ておるのであります。たとえば従業員が百人であつた場合もございますし、資本金が三百万円以下を中小企業者と見ておつたときもあるのであります。従いまして過去の復金とかあるいは見返り資金なんかの場合に、その当時中小企業貸付として扱つたものを開発銀行へ引継ぐか、それとも現在の中小企業というのは、たとえて申しますれば資本金は一千万円まで広がつておりますから、一千万円以下のものは当時は中小企業でなかつたけれども、現在の中小企業貸付として引継ぐかというところで、若干議論のわかれておる点はございますが、どちらの議論をとるにいたしてもさしつかえがないように、開発銀行としては整備を進めておる段階でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 従来の中小企業規定に基く限界のもの、現在の新しく改正された中小企業の定義に基く分、この二つの場合についてこまかいことはわからなくても大よその金額、引継ぐべき債権、金額なんかおわかりだろうと思いますが、大体の見当は幾らか、大体のところでよろしいからお示しを願いたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 復興金融金庫から開発銀行が引継いでおります債権のうち、三百万円で押えますと、大体二十一億円見当と今のところ押えられておるのであります。それを一千万円限度に考えますとおおむね五十億見当と相なるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 金融公庫の場合零細業者に対しては国民金融公庫がやつて行くのだ、それから大きな方の金融については一般銀行及び開銀がこれをやつて行くのだ。中小企業金融公庫はその中間的なところをねらつて、しかも長期な金融を主としてやつて行くのだ。抽象的に言えば、そういうことも言い得るでありしようけれども、この中間層をねらうという意味合いから、中小企業の定義をぐつと広げられて来たわけであります。長官が言うように、資本金一千万円、組合については三千万円というふうに相当大きな金融が対象になつて来るわけであります。この配付されました資料等によりますと、普通銀行がいろいろ大蔵省のさしずによりまして、中小金融特別店を設けて、中小企業に対する金融をやるようなゼスチユアを示しておりますけれども、その実質、内容を調べてみますと、ただ申訳に店を開いているというだけでありまして、パーセントにいたしますと中小企業に対する融資のわくは若干ふえているようでありますが、このわくのふえというのは、実質的なふえではなくして、中小企業に対する三百万円が五百万円により、五百万円が一千万円になつた結果としてのパーセントの上りであつて、内容的、実質的には、中小企業者に対する金融のわくは非常に減つて来ているのではないか、こうわれわれは考えるのおります。この中小企業金融公庫の実施にあたりまして、まず中小企業に対する規定をずつとふくらましまして、資本金一千万円、従業員三百人というような規定になりますと、相当大きな対象になつて来ます。そういうふうに信用のある企業を対象にして、重点的に資金を流すということになれば、われわれが今審議してその実現を期している考え方とは違つた金融がなされて来るのではないか。もちろんその窓口が普通銀行であり、あるいは信用金庫であり、あるいは商工中金であるというような、窓口はそこに開いて、実際において中小企業庁自身がこの業務をやるわけではありませんけれども、先ほど来申しました通りに、今後の日本の産業構造をとういうふうにして行くのだ、中小企業の安定の基盤をどこに確立して行くのだ、そういう方向への一つの呼び水として、それへの一つの助けとして、この金融を効率的に活用さして行くのだというためには、少数の業者を対象にして金融するのではなくて、できるだけ広い対象においてこの金融をなして行かなければならないと考えるわけであります。ことにわれわれが心配いたしますのは、北九州に災害が起つた。この金庫が開設されるのを幸いとして、この金庫をもつて地域的に、集中的に、当然一般会計で一般公共事業費なりそういう面で災害対策をやらなければならないのを、その責任を尽さないので、この金庫の助けを借りてこれを活用させようというような考えも持つているようであります。金庫が成立の当初においてこのようなゆがめられた運営から出発いたしますと、今後の金庫の運営についても、この審議にあたりましては、十分に検討もしなければなりませんし、内容についても、相当の修正も考えなければならぬと考えるのであります。一部に伝えられておるところによると、中小炭鉱では、このわくをさらにふやして、ひもつきで、この金庫が出発する前から、この金庫からこれだけの金を借りることができるのだというような予定を組んでおるということもわれわれは漏れ聞いておるのであります。そういうことになりますと、これ護けたわれわれの趣旨とは相当違つて参ると考えるのでありますが、長官はこれの運用にあたつて、どういう層をねらつて、この金庫の果す役割をどういうふうなところに置いておるのか。それから、これの実際の運営にあたつては、直接携わらないのでありまして、それぞれの金融機関がこれを窓口で扱うのでありますから、それに対してこちらの考え方をどういうふうな形で参透して、これを有機的に運営して行くのか。それからひもつき金融というようなことがすでに予約されているのかどうか、そういうようなことをひとつ伺いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 ただいまの御質問、まことに適切な御質問でございまして傾聴いたしたいのでありますが、確かに一千万円までの貸出し限度、一件当り一千万円ということになつておりますものが一千件集まりますと、百億に相なるわけでございまして、千件の貸出しが終ればもう公庫は今の出資借入金だけでありますれば店じまいということになるのであります。かような意味において、あるところに偏した運営が行われては相ならぬことは申すまでもないのであります。たださような、一千万円にいたしました理由につきましては、たと着われわれの方で企業診断等をいたしますと、七、八百万円から一千万円近い貸出しがあれば非常に都合よく行くという事例があるのであります。貸出し限度はあまり高過ぎてもいけませんけれども、あまり低過ぎても融通がきかぬという欠点がございますので、貸出し限度は一千万円程度にいたしておるのであります。しかしながら、お説のように、どちらかといえば一件当りの金額は、そう大きくなくて、広く中小企業者の方へこの有利な金が貸し出されるように公庫が運営されることが望ましいということにつきましては、異論がないわけであります。従つて、たとえば代理店に公庫が手数料をやります場合に、一件当りの金額が小さいものについて比較的有利な手数料をやる、つまり金融機関は一件当りの金額が小さい少額融資は、採算の面あるいは手続のめんどうなこと、調査の手数のかかること等からきらう傾向がございますのを、そうきらわなくても済むようなふうに手数料であんばいするとか、あるいはたとえば五百万円なら五百万円というところで一応の線を引きまして、それ以上の貸出しについては、代理店から一応公庫の方へ内容の報告をさすとか、さような事柄も考えまして、これがごく必要な場合に、一千万円近い貸出しが行われることはやむを得ぬといたしましても、それが偏在しないようなくふうを公庫の運用上とつて参りたいと考えておるのであります。  なお中小企業の定義の問題といたしまして、今回の公庫法において、従来よりも資本金の額並びに使用人員の面におきまして、中小企業の定義を拡大いたしておるのであります。これはさきに御審議願いました信用保険法の場合におきますところの定義の改正とまつたく同様なのでございますが、現在すでに中小企業関係におきまして常識となつておるようなふうに私どもは理解いたしておるのであります。たとえば開発銀行の中小企業貸出しにおきましても、資本金が一千万円ということになつて参つておるような状況でございますし、いろいろな点から見まして、資本金一千万円ということにいたしましても、一方におきまして、先ほど申しましたように貸出し限度を一千万円で押え、しかもそれができ得る限り一千万円の限度に近いところで運用されるのではなくて、広く比較的少額な貸出しが行われ得るような方針をとるといたしますれば、御懸念の点は大体避けて行けるのではなかろうかと私は考えております。なお大銀行等につきましてのお話もあつたのでありますが、銀行が中小企業に対して、必ずしも十分のサービスをしておらぬということは、非常にやかましく論ぜられておるのであります。私どもといたしましても、中小企業庁が主となりまして、中小企業を含めましての金融機関との懇談会を持つておりますが、その席上におきましても、その都度申し伝えておるようなわけであります。ただ大金融機関、全国銀行におきまする中小企業向けの貸出し件数は、約八十万件にも及んでおるような次第でありまして、全貸出件数の九六%は銀行においても中小企業になつておるという現状を見ながらも、さらに改善をしてもらうように、極力努力しておるような現状でございます。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 資本金が一千万円で従業員が三百人以下の場合、普通銀行から一千万円なり、二千万円の金を借りる。その足りない分としてこの金庫から五百万円なり一千万円を借りる、こういうようなことがあり得ないか。そういうような場合、そういう条件をどういうふうにして押えることができるか、これをひとつお聞きしておきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 それは実はさしつかえないと思うのであります。たとえば商工中金のように、中小企業専門の店舗でございましても、公庫の金でない、商工中金それ自身の金を借りておる人が、別途公庫の金を借りるということは、金融機関においてそれを認め得るものでありますれば、さしつかえがないと今は考えておるのであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 そういたしますと、たとえば普通銀行で一千万円甲というものにこげついた、そのこげつきを自分の銀行で回収するために、金融公庫に切りかえて、金融公庫から一千万円出させて、自分の銀行へこれを回収させる、こういうことをなさることが可能でありますか。そういう関係を防ぐことはどういうふうにお考えでありますか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 私どもは実はこの点を一番懸念いたしておるのでありまして、今度の公庫の貸出しは、私の現在の考えでは、旧債の肩がわりはどうも弊害が非常に多いから認めないようにいたしたいと考えておるのであります。そういたすにいたしましても、金融機関において誠意がなくて故意にもぐろうといたしますれば、実はこれはなかなか発見に困難なのであります。しかしながら公庫といたしましては、貸出しの報告は全部その都度もらいまするし、かりにまた法律によりまして代理店の業務の状況等も一応調べるようなことができる段取りになつておりますから、極力公庫自体におきましてもさようなことのないようにいたしまするとともに、大蔵省が銀行法その他の法律に基きまして銀行検査をいたすのでありますが、その銀行検査に際しましても、この公庫の金に関する運用状況を特に重点的に見てもらうということによりまして、さようなもぐりの、自分のこげついてとれない債権を公庫に振りかえることによりまして責任の限度が少し軽くなるというふうなところを悪用されることを防止して行きたい。そして調査の結果、さようなことが判明いたしますれば、さような代理店はもう代理店でないようにするとか、そういうふうな方法で実際上そういう濫用を防止して行くよりほかないと思います。     〔委員長退席、福田委員長代理着席〕

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 この金庫は資本金百億円でありまして、各金融機関にこれを流し、各金融機関は自己資本を加えてふくらまして、これを貸し出すという図になつておりますが、今後操作する資金源の総額は、どのくらいの金額に見ておるのでありますか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 実はあの絵は、公庫から流れて来ます資金と、代理店である金融機関が自分で持つておる金とを加えて流すということを示すつもりの絵ではないのでありまして、むしろ一つの金融機関があつて、自己資本として流す分と、公庫から来た分は別に流すのだというようにとつていただきたいと思つて描いたものであります。公庫は現在のところ判明いたしておるところでは出資百億、資金運用部から借入金が二十億、合計百二十億がありまして、そのうち二十億が商工中金に貸し出されておりますから、今後としては一応百億、そのうち開発銀行が四月以降貸し出しておりますものは、公庫が成立いたしましたら買いもどすことになつておりまして、これが二十億弱でありますので、この二十億を差引きますれば八十億になるわけであります。そのほかに先ほど御質問がありましてお答えいたしました開発銀行からの債権の引継ぎがあるわけであります。その引継ぎます債権の回収分が大体十億ないし十四、五億かと考えられております。そういたしますれば八十億と十億ないし十四、五億ですから、九十億ないし九十四、五億程度のものが来年の三月三十一日までに公庫で運用し得る金額である、こういうことに相なろうかと思います。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 九十五億の中からは、自転車競輪から貸出しの四億ですか、これはもうひもつきで出るわけですから、実際の融資金額はもつと減るのではないですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 確かに自転車の関係は、四億ひもつきで出るわけでありますから、自転車を除けば、それはそれだけ減るわけであります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 主たる事務所を東京に置いて、従たる事務所を地方に置くとありますが、従たる事務所はとりあえずどこどこに置く予定にしておるのでありましようか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この公庫の人間は、役員が七名、職員が五十名で、大体五十七名程度のごく簡素な姿で出発をして行くことに相なつております。従いまして店舗といたしましては、まずさしあたり主たる事務所だけ置きまして、地方の出先は当分は置かずに運営上得るものと考えておるのであります。もし地方に置かねばならない状態になりました場合におきましては、たとえば商工中金の出先を利用することができるかどうかというふうなことも十分検討しました上で、やはり独立の事務所を持つ方が妥当であるというふうなことに相なりますれば、その際考えてみたいと思つております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 非常に掛声は大きいのでありますが、中身を割るとわずかに九十億内外の資金量、これの運用にあたりましては地域的に配分するのですか、たとえば北海道に幾ら、あるいは東北地方に幾ら、九州地方に幾らというように地域的に配分の計画があるわけでありますか、あるいはまた金融機関がこれらの窓口になるわけでありますが、それぞれの金融機関に対する配分計画はどういうふうに考えておるか、これをひとつ……。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは銀行の実際の実務の範囲内に属する部分が非常に大きな問題でございまするので、実際は公庫のおもな役員に金融の知識の多い人が出て来た場食われわれも一緒に相談いたしたいと存じておるのでありますが、私どもの感じといたしますれば、現在開発銀行がやつておりますやり方、これは金融機関別に一・四半期ごとに一定のわくをきめてやつておるのでありますが、そのようなことも一つの実例として参考になるのではなかろうかと考えておるのであります。北海道に幾ら、東北地方に幾らというようなわけ方は、多少実際問題としてむずかしいのじやなかろうかと考えておりまするが、はつきりこの線で行くのだということを、ここで申し上げるところまではきめておりません。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 内容的には信用の確実なところにのみ安易な方法で流れるという心配があるのであります。これをできるだけ零細業者で、助長しなければ、若干の力を注いでやれば十分に自宮ができて行く、こういうようなどころでは十分にあたたかい目をもつてこれをやつて行かなければなりませんし、あるいは主たる事務所が東京都だけということになれば身近なところからやんやと言つて参ります。そうするとこの金融公庫は国全体の中小企業を対象にしてなされた金庫でありながら、地域的には東京中心ということになりがちである。これは相当地域的に配分を考えて行かないと、地方は全然この恩恵に浴することができない。もともと資金源が九十億内外という零細なものでありますけれども、政府の中小企業に対する金融の考え方というものは、わずかではあつても全国の津々浦々にそういう一つの計画の恩恵に浴させるのだ、こういう一つの考え方だけは、そういう運営の組織だけは、確立する必要があるのではないか、こういう投げつばなしであれば東京中心になつてしまいます。そういう点の是正は運用の点においてどういうふうにおやりになるか。     〔福田委員長代理退席、委員長着席〕

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 実は本店は東京に置きまするが、われわれの謹の考えでは、公庫は直接貸はせぬという建前にいたしておりますので、本店に集中するということはないかと思うのでありまするが、私どもこの公庫の運用に関しまして地方へ出向きまして、ブロツク別に、実際の金融をやつておられる方、あるいはこの公庫の対象になり得る業界の方々と懇談の機会を持つたのでありますが、その場合におきましても、たとえば公庫が主たる事務所のほかに支店あるいは支所のごときものを置くといたしましても、たとえば九州で福岡に支所ができれば、福岡県は得をするかもしれぬけれども、鹿児島県のものはどうも置いてけぼりを食うような心配があるというようなことを申ざれたのでありまして、事務所をある程度ふやしましても、心配をいたしますればやはり心配は残るのであります。しかし私どもといたしましては、いろいろな金融機関を代理店にして、これに活躍を願いますることによりまして、お説のように津々浦々まである程度金が動くという態勢がとり得るのではないかと存じております。ただいまの御意見の点、実際上運用に具体化できまするよう、研究は今後もなおいたしたいと存ずる次第であります。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 私一人でずつと質問しても何でありますが、私はこの金庫の出発は非常に心からこの健全な成長を願つてやまないわけであります。資金源からいえば非常に零細なものであつて、大きな直接の期待はできないわけでありますけれども、こういう方法でこれを順次育つて行かなければならない。これはこのまま育ててよいかどうか、こういうことは一にかかつてこの金庫の誕生による今後の運営いかん、またこの結果いかん、実際の運営に当る人の考え方いかんというものがこれを決定するものである、かように思うのであります。従つてこれの審議にあたりましては、もちろん直接融資でありませんから、代理店が代理貸しをやるわけでありますから、これはなかなか間接な影響しか与えられないという点については、これは非常に隔靴掻痒の感はあるわけでありますけれども、主として政府の考え方が十分に徹底させて行かなければならぬと思う。そういう意味おいてわれわれは条文てれ自体の審議は別として、主として金融操作の問題については十分にもつと研究もしなければならぬし、わずかであつても、この九十億内外の金融をどういうふうに効果あらしめるかというようなことを十分に——零細であれば零細であるだけその効果を大きく期待してわれわれはやつて行かなければならぬという立場において、もつとこれは十分に審議したい。そうして十分にこれは国会のわれわれの意見をくみ入れて運営に当つていただきたい、こういうことを願いましてきようはこれだけにしておきます。

大西禎夫自由党

○大西委員長 次は首藤新八君。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 私は率直に聞きますが、第二条の「「中小企業者」とは」という条項で、農業協同組合、農業協同組合連合会以下水産、森林という組合が対象になつておりますが、こういう組合は大体農林金融公庫の方で対象とすべきで、この中小企業の金融公庫からはずれるものと常識的に考えられるのでありますが、これはどういう意味で入れたんですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 農林漁業金融公庫におきましては、漁業をするとか、あるいは農業をする、つまり魚をつる、あるいは農作物をつくるという直接の関係の設備資金を金融することにいたしておりまして、たとえば魚にいたしましてもそれを冷凍する、あるいは加工いたしましてかまぼこをつくるというようなこと、あるいは農作物の販売関係の事柄、これは商業の関係あるいは製造業の関係ということになりまして、農林漁業の金融公庫の対象になつておりませんので、製造業ないし販売業の関係といたしまして、これらの農業協同組合でありますとか、農業協同組合連合会とか、水産業協同組合のやりますものもその限度において当公庫の金融の対象にする、こういうことにいたしておるのであります。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 一面においては加工品を取扱うという性格を持つておるかもしれませんが、農協あるいは農協連合会はそのおもなる目的は要するに農産物の製造に重点を置かれておると思うのでありますが、この点から考えれば当然農林金融公庫からの対象になるべきであつて、この中小企業金融公庫の対象からはずれるものと私は考えるのでありますが、しかもこれをやることによつてわずか百億ないし百三十億の資金源ではとうていこれら広範囲の需要には応じ切れない、せつかく中小企業の指導育成を中心とした金庫の機能を十分に発揮しないようなうらみが十分あると思うのでありますが、むしろ農林金融公庫でそういう範囲に限つておるならば、範囲を拡大いたして、そうしてこちらの方からは除外すべきだ、こういうふうに考えるのですが、その努力をいたしたらどうですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 お説確かにごもつともでありまして、私どもの方といたしましては、運用上におきましてはこの組合の関係から金融の申出がありました場合には、やはり農林漁業金融公庫の対象となるかならぬかという点を第一に考えてもらいまして、優先的に先方の公庫から扱つてもらう、そうして先ほど申し上げましたように、製造業であるとか、販売業というふうにはつきり言えるものだけ例外的に取扱うような運用をいたしたいと思つておるのですが、従来から信用保険におきましても同様な扱いになつておりますので、一応今回におきましては従来の例にならつておるのでありますが、確かにお説の点もございますので、運用上は先ほど申し上げましたようなふうに運用いたして参りたいと考えております。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 この点は今後運用上格段の注意を払つて、そういう方向にぜひ持つて行つてもらいたいということを申し上げておきます。  次にお尋ねしたいのは、代行機関を使つた場合、事故ができた場合に責任はどちらにあるのか、公庫にあるのか、あるいは代理機関にあるのか、その点をお伺いしたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この公庫と代理金融機関との関係は、現在二色考えておるのでございまして、いわゆる専決代理というふうな言葉で私どもが申しておりますものは、金融機関が貸付の申込みから審査から貸出しの決定までを金融機関の責任においてやる、その場合におきましては、金融機関は貸出し金額の八割までを公庫に対して責任を負う、そうして二割は公庫で責任を負うという関係に相なつておるのであります。それから申込みから審査等は自分でやりまして、決定それ自体は公庫に持ち上げて来るという一部代理の場合におきましては、代理金融機関は三割責任を持ちまして、公庫が七割の責任を持つということに考えておるのであります。さような関係でございますから、私どもの方としては、最も多く利用されるであろうと考えております前者の場合におきましては、金融機関はいよいよ貸倒れができてしまいますれば、一応その債権は公庫の債権ではございますがる、代理機関は公庫に対して八割の責任を負担するわけでございます。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 その点がまたはなはだ不可解に私思うのですが、もし代理金融機関が大部分の責任を持つということになれば、やはり中小商工業者に対する融資は従来とあまり相違がないのではないか。やはり厳格なる調査、その他資金の運用についてこの前ど同じような気持においてこれを審査するということになれば、せつかくこういう特殊機関を設けても、中小企業者の受ける利益というものはきわめて乏しいのではないか。従つてこういう特殊な目的を持つてわざわざこういう公庫をつくる以上は、多少の危険があつても、なるべく中小商工業者を育成するという立場に重点を置いた考え方で、従つてこの責任も大体公庫が持つという方向に持つて行くべきではないかと私は思うのですが、これはどうですか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 私どもといたしましては、一方にこの代理機関の貸出しの業務が放漫に流れ過ぎてはいかぬという要請がございますし、一方におきましては、御指摘になりましたように、あまりに審査が厳重になり過ぎるということもこれは避けねばならぬ、両者の間の調節をどの辺でとるかということが実はなかなかむずかしいのでございます。今度の公庫の業務とほぼ似たような仕事を現にやつておりますのは、開発銀行の見返り資金によります中小企業向けの貸出しでございますが、この場合は、代理金融機関が百パーセントの責任をとることになつております甲方式というのが一番多く利用されておるのでございます。この金融機関に百パーセントの責任を持たすことになりますと、どつちかといえば、金融機関が非常に厳重にやり過ぎるということが出て来はせぬか。現在の開発銀行の運用では特にそう露骨にそういう点が出ているということはまだ聞いておりませんけれども、さようなことに相なろうかと思うのでありまして、その間の調節をとる意味におきまして、金融機関の責任を八割、公庫の責任を二割というこにいたし、もしも金融機関が多少資金があるというような場合には公庫に上げて来ますれば、そして公庫が貸す貸さをぬきめます場合には、金融機関の責任を三割まで下げてその間の調節をとろう、さらにまた信用保険法の改正をいたしまして、従来よりは保険の利用をしやすいようなふうにも裏打ちをいたしてございますので、両々相まちまして御趣旨の点が相当程度実現し得るようなぐあいに考えたつもりでございます。御趣旨の点はなお今後の研究にまちたいと存ずるのでありますが、われわれが現在この法案を御提案申し上げている気持はさようなところにあるわけでございます。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 金融公庫に責任を持たせれば貸出しが放漫になるかもしれないという御心配のようですが、私はこれは承認できないのであります。何となれば、代理金融機関もやはり自分の店の名誉あるいは信用というものがありますから、かりに責任がなくても、それだからといつて放漫になるようなことはあり得ないと思うのでありますから、これは政府においても相当お考えになる必要がある。それでなければ、せつかくこういう特殊な機関をつくりながら、その目的を達成しないといううらみが多分に残されることを私は心配するものでありますから、十分にお考えを願いたいと考えます。     〔委員長退席、小平委員長代理着席〕  そこで、今度の貸出しの限度は千万円ということになつておりますが、期間はどういうことになつておりますか、お伺いしたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは一応五年まで認めることにいたしておりますが、すえ置き期間をそのほかに一年認めておりますから、すえ置き期間を入れますれば、一年待つて四年で返すということになるのであります。最長五年でございます。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 次にこの融資の目的は、設備に重点を置くか、あるいは運転資金に目的を置くか、その点を伺います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 どちらに重点を置くかという点はむずかしいのでございますが、どちらもケース・バイ・ケースによりまして、最も必要とされる方向へ、設備であれ、運転資金であれ利用していただきたいのでありますが、先ほど私の方から別途御説明申し上げましたように、救済の肩がわりはこれを認めないようにいたしたい、こう申し上げたのでございます。要は、この貸出しによりまして、当該借受人が公庫の金を借りたことを契機といたしまして、その企業を一歩前進する方向に利用していただくことが大いに望ましいのではないか、かように考えているのであります。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 あわせてお伺いしますが、との公庫の融資の利子はどういう程度まで予定しているか、承りたいと思います。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 最終利息一割でございまして、先ほど申しましたように、金融機関が八割の責任を持ちます場合におきましては、金融機関に四分五厘の手数料をやり、それから金融機関の責任が三割の場合は三分の手数料を金融機関にやるのでありまして、公庫としては、前者の場合五分五厘、後者の場合七分の歩どまりがあるということに相なるわけでございます。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 私はこの利子の一割は非常に高いと思う。なぜならば、先ほども申し上げましたように、中小企業を全面的に育成強化する、そうして自立経済を達成して行くところに重点があるのでありますから、一割という金利でありますと、普通の金利と何ら異なるところがない。現に予算の編成においても非常に要望されております海運業の利子のごときも、今回はわずか三分五厘、かような特殊な扱いをされているのであります。中小企業の現状と海運業の現状に何ら相違はない。むしろ中小企業の方が行き詰まつた状態に置かれておりはせぬか。しかるにその行き詰まつた状態の中小企業に対しては一割、それよりもはるかに内容のよい海運業に対しては三分五厘、かような金利で融資をすることに相なりますれば、政府は常に中小企業を育成強化するということを力説しながら、実際はまだ中小企業に対する認識が足りないのではないかという気持がはなはだ起きて来るのであります。われわれは少くともこの際中小企業に対しては最高七分か、七分五厘にすべきではないか、これで初めて政府の言う中小企業の指導育成の名目が立つて来るのじやないかというような考え方から、この金利をそういう程度まで引下げることを強く要望いたしたい。これは特に中小企業庁がこの点に特段の留意をせられるようお願いしておきたいと思うのであります。  さらに先ほども永井君から質問されておりましたが、今度の百億の中には、競輪法による四億が入つている。金融公庫法案として百億は一般の財政資金から出るだろう。しかし片一方の四億は、これは競輪法によつて出されたものであります。競輪法によつて山された金を金融公庫の中につつ込むということは、法律違反にならないのですか。その点をちよつと聞いておきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 先ほどの金利の問題でございますが、私どもの方といたしましても、金利は極力これを低目にきめることが望ましいという点につきましては、まことに御同感でございます。ただ私どもが一割にいたしております考え方は、現在市中における一般の金利水準から見まして、長期の金利は一割二分以上になつておるように存ずるのであります。さような金利水準から考えまして、年一割と申しますものは、今の金利体系から見ますれば、まあまま大体穏当なところではなかろうかと考えたのでございます。  なお従来の機械局の車両部、現在の重工業局におきまして、四億の金を自転車並びにそれに関連のあります産業に貸し出す仕組があつたのであります。しかし公庫ができてしまいますと、別々に運用するというのは手数もめんどうでございますから、便宜この公庫において一緒に運用した方が好都合であろうというのでやつているのでございますが、公庫の運用上は、ただ従来からの一つの既得権のごとくなつております実情をも考慮いたしまして、金額としては四億を一応ひもつきに運用する。金利につきましても、実は従来から七分五厘で運用されておりましたので、これを一種の既得権を尊重するという趣旨から、これも同様に従来通りにすえ置いて運用するということに考えておるのでございます。さような意味合いにおきまして、双方の立場から考えて便利な扱いをしたというにすぎないのでございます。法律違反ということには相なるまいかと考えているのであります。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 片一方は競輪法によつて、国庫納付金の三分の一以内を関連産業に還元するという法律がちやんとあるのです。これは別個に中小企業金融公庫法案によつてまつたく関係のない法案ができているのですが、これは事務的な便利ということで、別の法律による財政資金を別のこういう金庫に一緒にやつて、それで法律違反になりませんか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫に対します出資の中に、競輪の関係の四億をひもつきで出資したというふうに考え、それをひもつきで自転車並びに関連産業へ流す、こういうふうに考えますれば、双方の事務上の便利という点から、この公庫で一緒にやる方が都合がいいという長所があるだけでありまして、法律違反というふうには考えておらないのであります。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 政府の弁明は中小企業金融公庫に百億を出資するということになつておるのでありますが、別にこの競輪に還元する資金というものは、いまだ一回も正規な発表はないわけである。これは金融公庫に対して財政資金を投じているという限りは、別値の法案のある競輪に対しては、やはりその法律に従つて別に出資するという建前でなければ違法じやないかと私は思うのですが、それは違法になりませんか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 競輪法によりますれば、競輪で国庫収入になりましたものの一部を自転車産業の振興のために使わねばならぬということになつておりまして、それを貸付の形でやるかどういう方法で還元するかということは特に指定しておらぬ点もございますし、従いましてその趣旨をくみまして、一方において従来から、先ほど申し上げましたように、四億程度の金が七分五厘の利息で自転車並びに関連産業に貸されておつたという過去の事実を尊重いたしまして、公庫の運用上、その四億の金を七分五厘で一応ひもつき的な扱いをいたすということにいたしておりますので、これは従来の形を公庫でまとめたようなかつこうにはなつておりますけれども、趣旨におきまして法律違反というふうには考えられないように私どもは存じているのでございます。

小川平二自由党

○小川(平)委員 今まで問答を承つておりまして私申し上げるのですが、これは率直にあやまちをお認めになつた方がよろしいと思う。あなたは御出席になつておりませんでしたが、あなたの方の官房長がおいでになつて、これは間違いでした、適切な善後措置を講ずるからということをここで言つているのです。いろいろおつしやいましても、これに法律によつて用途を特定している金を何となくこの公庫の中にぶち込んでしまつたということは、明らかに慎重を欠くやり方で、これからこういうことがないことを切望している次第です。そういう点は今追究してもしようがないと思うので私は何も申し上げませんが、この際今回の措置が慎重を欠いておつたということを率直にお認めになつて、これによつていろいろなトラブルが起つて来るわけですから、これを解決して実害のないような方法を講ずるという具体的な点をはつきりなされば、それでよろしいんじやないか。そこでまずこれは当然ひもつきになるものであるとして、それから金利の点も従来通り既得権を尊重して七分五厘になさる。もう一つの問題は、これは中小企業金融公庫ですから、中小企業の範疇に入らないメーカーに対する金融というものが、この際この四億を公庫の中に繰入れられるということによつて阻害されはしないか、こういう問題が残つているわけです。この点をどうなさるおつもりか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 私が申し上げておりますのは、法律違反であるかないかという点でございます。これはほんとうに純法律的に調べてみました場合に、違反になるかどうかという問題は、いろいろと見方もあろうけれども、法律違反というまではならぬのじやなかろうかということを申し上げておつたのであります。従来から別にあつたものを公庫に一緒にする場合において、多少はつきりと、意識的にやらなんだというふうな、当初の出発点において若干の手落ちはあつたかもしれないと思いますけれども、先ほど申しましたように、運用上ひもつきでやることによつてその間の調節がとれるのじやなかろうか、かように考えておるという趣旨から申し上げておるのであります。中小企業にあらざる部面に対する貸付をどういうふうにつじつまを合わすかという点につきましては、従来からすでに貸し付けておりましたものの回収金が出て参りますので、中小企業にあらざるものの貸付は、回収金でまかなうことによりまして、この公庫とのつじつまが合うようにできるのじやないかと考えております。

小川平二自由党

○小川(平)委員 法律違反であるかないかということはさておきまして、今もあなたのお言葉にありました意識的にやらなかつた云々は、法律が厳として存在しておるのに、その法律を意識なさつておらないということは、すこぶる慎重を欠いたやり方であると言わなくてはならない。次回からこういうことがたいようにお願いをいたしたいと思います。それから事実上中小企業の範疇に入らないメーカーに対して支障のないようにする。回収金その他でやるというが、これは具体的にはどんな数字になるのでありますか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 具体的に申し上げますと、従来自転車関係で貸し付けております貸付残高が七億五千万円くらいございます。それの回収金等によりまして、中小企業の範疇に入らないものに対する金融を扱つて行く、こういうふうに考えておるのでございます。  それから意識的にの問題におきましては、大蔵省との予算折衝の場合に、われわれの方は公庫点ばりに予算の折衝をし、別途自転車関係の分は自転車関係の方で主張したというこ止は、やや意思の疎通を欠く点があつたかと思うのであります。御注意にありました点は、今後十分考慮いたしまして、連絡の欠けるためにおかしい結果が生れるというふうなことがあつてはなりませんので、十分注意して参りたいと思います。

小川平二自由党

○小川(平)委員 回収金がどのくらいあるのか、そうしてそれが将来の資金需要を十分充足し得る程度のものであるかどうか、そこの数字を私は伺つておる。ただいまその点の御答弁がありませんから、その点を明らかにお示し願いたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 その点は詳細計算をいたしまして、最も近い機会にお示しいたしたいと思います。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 長官は法律違反であるかどうか疑問であるという答弁でありますが、それが私はおかしいと思う。競輪法というはつきりした単行法が存在しておる。それから国庫納付金の三分の一を還元するという法律が厳としてあるわけです。金庫法とはまつたく別個のものであります。もしそういう便宜なことでこれらを入れたという場合に、競輪法をたてにして三分の一を還元せぬのかと言われたならば、便宜上公庫に入れてしまつたということで済まされるものかどうか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 自転車の三分の一を還元するということはきまつておるのでありますが、その三分の一の還元の方法といたしまして、貸出しの方法で何ぼ返せということを特に指定しておるわけではございませんから、われわれの方といたしましては、そのうち四億程度のものが従来から貸付の形をとつておつたという、その過去の事実を尊重いたしまして、本年度においてもその四億程度のものをひもつきとしてやりたいというように考えておるわけでございます。現に予算書におきましても、二十八年度の中小企業金融金庫の事業計画と書いてあります中に、「昭和二十八年度における貸付金(医療施設貸付及び自転車尾業貸付を含む)は総額百億ないし百二十億」というふうに、ここに明瞭に書いてあるのでございますから、そういうふうな意味合いにおきまして、競輪法の趣旨をそんたくいたしながら、仕組みをつくつて来ておる、かようなふうに考えておりますので、法律違反というほどの事柄ではないのじやないかと考えております。     〔小平委員長代理退席、委員長着席〕

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 私は、まつたく別個の法案によつて財政資金を支出するという法案があるにかかわらず、それを事務的な便宜ということで一つの法案に含めてこれで出資するということは、あくまでも法律違反だと考えるのでありして、この点は政府の方においてももう少し研究をしていただきたいと考えます。同時に、今四億ということをしきりに言われておりますが、四億ということに限定されておるのではないのであります。要するに前年度の国庫納付金の三分の一という法律なのでありまして、従つて国庫納付金の高によつて還元する金額もおのずからかわつて来るのであります。従つて昨年は四億であつたかもしれぬけれども、今年もまた四億とは限つていないのであります。要は国庫納付金が幾らあつたか、そして国庫納付金の三分の一は幾らになるのかということが算定の基礎になるのであります。従つてこういうことに考えて行きますと、一層この中に四億を含めるという理論が怪しくなつて来ると考えるのであります。この点もう一度政府の方で検討してもらいたいと同時に、明年においては、一体これをどうするのか。今年はかりに四億なら四億といたしましても、今申し上げたように、国庫納付金は毎年違うのでありますから、従つてその三分の一の金額も変化して行く、それを明年はどうするのか、この点の構想を一応聞いておきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 自転車競技法によりまして自転車産業の振興のために使わるべき金額は、確かに競輪によりまして上つた金額の三分の一ということになつておるのでありまして、四億に限定されないことはお説の通りであります。ただ今年の予算で計上されておりますものが、七千九百万円ほどと、その他二千四百万円ですか、そういうふうにいろいろ自転車振興の関係の予算は組んでおりまして、それを総計いたしますれば、法律によりまする三分の一に相なろうかと存ずるのであります。その中の一部が自転車産業並びに関連の部門に対しまする貸付の形として還元される。その貸付の形において還元されておるものが四億ありましたので、その四億を本年度においても踏襲いたしまして、同様に自転車産業並びに関連部門に貸付をいたそう、こういうことでございますから、三分の一ということと四億とは直接に関係を結びつけておるのではないのでございます。  なお来年度においてどうするかの問題でございますが、これは今後十分研究をいたしますが、かりに中小企業金融公庫としてこの金を扱うことになりますれば、今年よりはもう少し明瞭に区わけをいたしまして——誤解のないように同じ金融機関を使うのでありすから、金融公庫が委託を受けて自転車関係の仕事の金を運用するということになりますれば、かりに金融公庫でそれを扱うにいたしましても、対象を必ずしも中小企業に限定せぬでも、業務の委託を受けた形になれば行けるかと思うのでありますが、さようなふうな研究をなおいたしまして、少くとも来年度においては物事のけじめをもう少しはつきりさせて行こうというふうには、現在すでに考えております。

永井勝次郎日本社会党(左)

○永井委員 関連して……。今の自転車の問題ですが、政府の出資八十億、こうちやんと規定してある。その八十億のうちに、政府の出資ではなくて、競輪の方で国庫納金の三分の一として、当然法律によつて出資しなければならぬ支出金がダブつて、政府出資の形で入つておるということは、確かにこれは誤りです。これはごまかしであつて、是正しなければならない。将来別途に競輪の方へ引上げて、直接の予算に組みかえるということになれば、金庫の出資金は減るわけでありますから、そういうことは一つのごまかしであり、法律違反であると私は考えますが、違反であるかないかということは今後ひとつ専門的にきめるといたしましても、資本金の関係で相当動いて来る性質のものであるから、これはひとつなお研究して善処していただきたい。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 そこで私はもう一度お伺いしたいが、かりに来年度において政府からこの金融公庫に対する出資がないといつた場合に、この競輪法によつては三分の一なる融資を還元しなければならぬという法案の建前から、競輪はあくまでもなさなければならぬのですが、その場合にはこの金融公庫に対して一般の出資がないが、競輪法によつて三分の一だけはこの公庫法でやるつもりでありますか、この点をお伺いしたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 その公庫の建前は、競輪関係と申しまするか、自転車産業並びにその関連産業だけを相手として金融業務をやる性質のものではなくて、広く中小企業を対象とする公庫でありますから、中小企業一般向けの出資がゼロであつて、競輪向けだけのひもつきの出資だけがあるという形になりますと、これはいささか公庫としてはちよつと都合が悪いということに相なつて参ろうかと思います。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 私はそういうこともあろうと思うから、この際やはり単行法がある以上は、その法律によつてけじめをはつきりして、別の方法を講じてもらわなければいかぬと思います。従つてこの問題については、もつと慎重にお考えになつて、はつきりした方法をとつてもらうということをお願いしておきたい。     〔委員長退席、小平委員長代理着席〕  同時にこの競輪の方の今日までの金利は七分五厘で、そうしてこの銀行に対して、十箇年、年三分の手数料で融資するということになつておるのでありますが、今回のこのひもつきの出資もやはり従来同様の融資の方法をとるものであるかどうか、その点も伺つておきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 今度公庫として扱うことに相なりました競輪向けの四億につきましては、従来と同様の条件で運用して参りたいと存じております。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 それからもう一つ伺つておきたいと思いますものは、この第二十七条に「公庫は、業務を行うため必要があるときは、受託者に対し貸付に必要な資金を交付することができる。」こういう表現になつておりますが、これはどういうのですか。大体受託者、受託者ということは代理機関と思うのですが、代理機関は大体公庫の金をもつて融資するということが原則であると理解してよいかどうか。この「貸付に必要な資金を交付することができる」という表現がちよつと私には理解できぬのですが、この点をひとつ明瞭にさしていただきたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 公庫はこの資金の運用といたしまして、代理店をつくりまして、それから中小企業者にこの金を貸し付けることは繰返し申し上げた通りでございまするが、その場合代理機関といたしましては、大体一定の期間に、どれだけの中小企業者に、大体どの程度の金を貸し出すことに相なろうかという予定が立つわけであります。それで公庫と代理店とはある程度常に連絡をいたしておりまして、銀行の方でかりに各金融機関別にあらかじめわくが与えられてあるといたしますれば、そのわくの限度内におきまして、たとえば一月その他適当な期間で大体この程度の貸出しが行われそうだということが見当がつくわけであります。その場合に公庫はその程度の金を代理機関の方へあらかじめ送つてやつておきまして、ほんとうにその貸出事務が完了いたしましたならば、遅滞なく中小企業者に代理機関から金が渡し得るように準備をしておる。それで交付するという言葉を使つておるのでございます。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 それからこの開発銀行から開発銀行の債権を公庫が一応引継ぐのでありますが、この引継いだ債権を政令の定めるところによつてまたこれは開発銀行に返すということになつておりますが、これはどういう意味なんでありますか。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは一つの法律上機翼ございまして、三十三の二項あたりに書いておるのでありますが、一ぺん開発銀行が、たとえば米国対日援助見返資金特別会計から継承いたしておりますところの、中小企業者向けの貸付の債権並びに権利義務を公庫が承継いたしましたときには、開先銀行法によりまして、その債権の承継の日における帳簿価額の合計額に相白する金額が、その承継の日において開発銀行から政府の産業投資特別会計に一旦返されたものと仮定をいたしまして、その返されたものと仮定いたした貸付金の額が、さらにその特別会計から公庫に貸し付けられたというふうし、一ぺん開発銀行から政府の特別会司に行きまして、それからさらに公庫」返つたようにするんだという、この法律上の擬制をとつた方が扱い上便宜だというふうに承知いたしております。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 ところが第三十三条の五にも四月一日以後に行つた貸付も、これも開発銀行に返さなければなら世。こういうふうな条件になつておるのでありまするが、四月一日以降に貸し出されたものであつて、中小企業向けの融資としてのわく内において今日まで維持せられておるのでありますから、これを私は返すという意味の了解ができぬのでありますが、なぜ開発銀行に金を返さなければならぬか、この点をひとつ明確にしてもらいたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 これは予算の立て方で、最初法律を出しますときには、この前の国会において法案が審議されたのでございまして、その場合予算上の立て方から、開発銀行は前年度で中小企業向けの見返り資金の貸出しは一応打切りまして、その後はこの公庫が開発銀行の業務を引受けてやるという考え方で物事を進めて行こう、こういうふうになつておりましたために、この公庫が出発が遅れました以後六おきましても、開発銀行のやりまする中小企業の貸出しは、公庫の身がわりとしてやつておるのだというふうな行え方で進めておるのでございます。従いまして開発銀行といたしましては、その資金源として従来と違つて中丁企業向けの資金源が特別に計上して“いようなことになつておるのでございます。そういう意味から四月以降の。のは、公庫が買い取るという形に、一の公庫法で書いておるわけであります。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 今日まで開発銀行が中小企業向けとして、見返り資金を含んで資総額は今後当然公庫の方へ入つて来ると考えますが、現在その融資の総額は幾ら残つておりまするか、はつきりしておりますれば承りたい。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 開発銀行が持つておりますところの中小企業向けの債権といたしましては、まず復興金融金庫から継承いたしました債権が一番大きいのであります。これは資本金を三百万円以下のものというものが中小企業向けのものであると考えますれば、二十億強の金額くらいになります。それを現在の法案で書いておりますところの一千万円以下を中小企業者だという標準で整理をしてみますると、五十億強に相なるのでございます。なお別に開発銀行は見返り資金特別会計から承継いたしました債権を持つておるのでございますが、この方の債権は大体十八億ないし二十億程度のものでございまして、合せまして、かりに復興金融金庫の場合の大きい方の数字をとりますれば、七十億強に相なりまするし、小さい方の数字をとりますれば、四十億前後ということに相なろうかと思います。

首藤新八自由党(分)

○首藤委員 私は長官は非常に弱いことを言われると思うのでありまするが、この法案において中小企業とは出資の総額は一千万円ということをはつきり打出しておる以上は、三百万円というようなことを考える必要はごうまつもないと考えるのであります。この際本法案によつて、あくまでも一千万円を主張し、そうしてそれによつてできておる債権の最高七十億をあくまでも主張して、これで将来公庫の方に編入するという方向に持つて参るべきだと思うのであります。この際三百万円というような過去の小さい対象を基礎として計算するということはやめてもらわなければいかぬ、こういうふうに考えまするから、特にこの点を私は申入れておきたいと思います。これで終ります。

岡田秀男中小企業庁長官

○岡田(秀)政府委員 この点は大蔵省と交渉いたしてきめねばならぬ問題でございます。大体から申しますれば、三百万円で切りますれば、どつちかというと、回収等も困難な場合が多いので、できれば私としては、現在の定義によりまするところの一千万円のものは公庫に引継ぐという線で交渉するつもりでございます。ただいまの御意見の趣旨によりまして、大蔵省との折衝を進めたい、かように考えております。

小平久雄自由党

○小平委員長代理 加藤清二君。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 もう大分長官おつかれのようでございますから、簡単に一、二点だけお尋ねして明日にしたいと思います。     〔小平委員長代理退席、委員長着席〕

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 第一点は委員長にお尋ねしたい。公庫の資金源の問題ですが、すでにこの間同僚委員からいろいろ資金源について質問があつたときに、官房長はこれこれのことはこうだからこうします。よく研究して答弁しますと言われてから、もう一月くらいたつ。また今日同じことが出て一向進歩していない。お互いに各部局も忙しいではございましようけれども、かかつている法案に関することくらいはよく内輪で御相談なすつて、しつかりした間違いのないところの答弁をいただくようにしていただきたい。それをまず伺いたい。何も今日お答えが違つていたというのではないのですが、同じ問題について伺つていたら、研究して答えますということが、研究が進んでいない、こういうことなんです。

大西禎夫自由党

○大西委員長 御趣旨のことはよく当局へ申し入れます

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それからもう一つは、この法案はこのまま押通そうと考えていらつしやるのか、いろいろ審議の結果、なるほどと思われたことは一部改正をなさる意思があるかないか、この点について委員長に伺いたい。

大西禎夫自由党

○大西委員長 押通すわけには参りませんので、みなさんと御相談でいかようともとりはからうつもりでおります。明日十分打合せをいたすように時間をとつているような次第であります。  ちよつと加藤君に申し上げますが、今話がありまして、財源の問題についてはちよつと速記をはずして長官から御懇談申し上げたいという申出がありますから、これを許しますから、お聞取りを願いたいと思います。  ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 速記を始めて。  この際お諮りいたします。ただいま審議いたしておりまする輸出取引法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人より意見を聴取いたしたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大西禎夫自由党

○大西委員長 なければ明日午後一時より参考人の意見聴取を行います。  参考人の選定に関しましては委員長に御一任願います。  それでは本日はこの程度にいたしまして散会いたします。     午後三時五十三分散会

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