通商産業委員会 第5号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/06/22
会議録
○大西委員長 これより会議を開きます。 本日の議事に入りまする前に、先般の委員会で選任を保留いたしておきました石炭に関する小委員長を選任いたしたいと存じます。小委員長の選任は安員長に一任されておりますので、委員長は、下川儀太郎君を小委員長に御指名いたします。 なお石炭に関する小委員長より、小委員会において参考人より意見を求めたい旨の申出がありますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議のりませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければ、さようとりはからいいたします。それでは、まず通商産業省所管の昭和二十八年度一般会計予算及び昭和二十八年度暫定予算、並びに通商産業省関係の提出予定法案に関し、政府よりその説明を求めます。石原官房長。
○石原(武)政府委員 それでは私から、ただいま委員長からお話のございました予算及び法案につきまして、簡単に御説明させていただきます。 まず第一に、二十八年度の通商産業省の一般会計歳出予算の概要を御説明いたしますが、一覧表にいたしましたのがお手元にございますので、それについて御説明させていただきます。 一般会計につきまして主要なる項目と、それから二十七年度の予算額、それから二十八年度と比較対照いたしまして、その右側に備考として簡単な説明をつけてございますが、まず第一に、二十七年度と二十八年度の比較を簡単に申し上げたいと思いますが、五枚目の最後のページで合計欄をごらん願いますと、二十七年度の総額が、一般会計においては九十一億七千百万円余、二十八年度におきましては五十七億八千百万円余ということになつて、二十七年度に比較いたしまして、二十八年度は約三十三億九千万円ばかりの減少になつております。この減少になりております主たる項目を先に申し上げたいと思いますが、第一ページ目の最後の欄にございます輸出振興対策の中の(八)の輸出信用保険特別会計繰入れの十億、これが二十七年度にありまして、二十八年度にないわけであります。それから三枚目をごらん願いまして、中小企業対策のうちの五、大でございますが、商工組合中央金庫貸付金二十億と、中小企業信用保険特別会計繰入五億、この三項目を合計いたしますと三十五億になるわけです。これを別に除外いたしまして計算いたしますと、前年度と本年とは、総額においてほぼ大差がないということになつております。以下貿易振興対策から順次項目によりまして、この資料に基きまして、簡単に御説明をいたしたいと存じます。 貿易振興対策の一は、海外市場調査会補助でございますが、海外市場調査会、TETROと申しておりますが、これが二年ほど前からできておりまして、海外市場の調査をしておりまして、それの補助を毎年行つておるわけでありますが、本年度もこれを前年度と同様に補助するために約三千万円を予定しております。本年度三千五百万円になつておりますうちの五百万円は、大阪におきまして明年四月に国際見本市を開催する予定で、目下準備が進められておりますが、それに対して五百万円を充当する予定にしております。従いまして、海外における市場調査自身の補助につきましては、前年度と同様の三千万円という予定でございます。それから二が、海外貿易斡旋所補助でございまして、これは二十八年度新規の項目でございますが、ドル輸出の促進をはかりますために、常設の日本商品の展示及び貿易斡旋機関を設置するごとに対する補助金でございまして、これはニューヨークに設置する予定にしております。三は、東南アジア技術協力団体補助でございまして、これも二十八年度初めての項目でございますが、一千万円を計上いたしまして、東南アジア地域諸国の資源開発及び工業化計画に協力いたしますために、これらの諸国の事情を調査いたしますとともに、これらの諸国へ派遣する技術者の募集、選考等、あるいはこれらの諸国から参ります技術者の受入れのあつせん等を行う団体に補助をいたす考えでございます。四は、国際商事仲裁委員会補助でございまして、これは前年度から補助をいたしておりますが、本年度はその相手国がふえるというような関係がありまして、多少増額になつておるわけでございます。それから五が、海外見本市参加補助でございまして、これは前年もいたしておりますが、海外における見本市にわが国が参加いたします場合に、その経費のうち海外払いとなる部分の一部を補助する。これは金額は前年度と同様の額を計上しております。六が、海外広報宣伝費でございまして、これは海外市場の開拓と販路の拡張をはかりますために、本邦商品及び産業経済の実態を海外に宣伝をいたしておるのでありますが、これもほぼ前年同様の計上をいたしておるわけであります。七は、重機械技術相談室設置補助でございます。これは本年度新規の項目でございますが、プラント輸出を促進いたしますために、現地における機械設計、工場立地等の便宜をはかるために、東南アジア及び南米等に常設の技術相談室を設置いたさんとするものでございます。それの補助金として、本年度七千万円を計上したわけでございます。八は、先ほど申し上げましたように、本年度はございません。 以上が貿易振興対策費でございますが、次に第二番目の資源開発対策でございます。一が、金鉱探査補助でございまして、前年度七千七百九十万円に対しまして、本年度は一億ということにしております。これは別途御説明申し上げることになると思いますが、金鉱業の保護育成をはかりますために、この補助金のほかに本年度より金の販売の方法を改めまして、三分の二を自由販売にいたしますとともに、補助金とあわせて金鉱業の保護育成に資したいという考えで、多少前年度より増額をいたしたわけでございます。二の新鉱床探査補助でございますが、これは重要鉱物の探鉱促進をはかるための補助でありまして、これは前年度と金額もほぼ同額でございます。三は、石油試掘費の補助でございますが、これも従来からやつて、おります石油及び天然ガスの開発促進のための補助金でありまして、金額も前年度とほぼ同額を計上しておるわけでございます。四は、試験炭鉱の設置でございまして、これは本年度新規の項目でございますが、炭坑保安の確保をはかりますために試験的に坑道の開設等を行い、試験研究の推進をはかろうという趣旨のものでございます。五と六は通産省予算に直接計上したものではありませんが、関係がございますので便宜ここに書いてございますが、五の電源開発会社出資百五十億円、これは電源開発会社に対する出資金でございまして、多分投資特別会計の出資になるかと存じております。六は電源開発会社に対する貸付金でございまして、これは資金運用部から貸し付けるものでありまして、五十九億、この両方の二百億によりまして本年度の電源開発会社が行います開発の経費に充てる予定でございます。 次に第三番目の技術向上対策の関係でございます。一の工業化試験補助前年度二億五千万円に対しまして、本年度は五千万円増額して三億円になつております。これは従来からやつておりますように試験研究の工業化の促進をはかりますための補助金でございます。二は、応用研究補助でありまして、これは金額は二億円で前年度と同額でございます。これは応用研究の促進をはかるための補助でございます。三は、工作機械試作補助でございまして、前年度は六に書いてありますように、輸入工作機械の補助金は二億五千万円でありましたが、これをやめますかわりと申しますか、そうした意味で工作機械の国産化を奨励いたしますために、従来輸入に依存していた高性能の工作機械の国産化につきまして補助金を与えるという趣旨で、項目としては本年度新規に一億円計上されております。四は、発明実施化試験補助でございまして、これは前年度から実施しておりますが、発明の実施化を促進いたしますための補助金でございます。五は、発明実施化試験費貸付金でございまして、これも前年度より実施しておりまして、金額も前年度と同額のものであります。六は、先ほど申しましたように、工作機械輸入補助はとりやめて、国産化の補助金に切りかえたわけであります。 次に第四番目の中小企業対策でございますが、一は、中小企業協同組合共同施設費補助でありまして、これは総額二億円、前年度とほぼ同額でございます。二は、中小企業地方相談所補助でございまして、これも前年度から実施しておりまして、金額的にもほぼ同額の金額が計上してございます。三と四は、中小企業振興指導費補助及び巡回指導員制度補助でございまして、この二つは地方庁に対する中小企業の振興指導のための補助金でございまして、これは本年度一本にまとめまして四千三百万円、前年度の約三倍近くの増額をいたした次第でございます。五及び六は、先ほど申しましたように、本年度は特別会計の繰入れはございません。それから七、八は、これも通産省予算には計上してございませんが、中小企業金融公庫出資及び貸付関係でございまして、政府出資といたしましては、八十億を公庫に出資をいたします。それから運用部よりの貸付金が二十億ございまして、この百億が、新たにできます公庫の本年度分の資金財源ということに相なる予定でございます。 五番目は自転車及自動車産業振興対策でございまして、一が自転車関係でございます。本年度七千九百万円、前年度は四億七千百万円で、四億近く開きがございますが、前年度四億七千百万円のうち四億は貸付金でございまして、それらは今回この項目から落しまして、中小企業金融公庫の方から貸付をすることにいたしましたので、その他の費目としては、ほぼ同額でございます。 自動車の振興費につきましても、前年とほぼ同額を計上してございます。その他人件費、事務費等でございますが、これは前年が約四十億のものを四十三億九千六百万円、合計いたしまして先ほど申しました本年度予算といたしましては五十七億八千百万円余ということに相なつておるわけであります。 引続きまして七月の暫定予算を簡単に御説明いたしますが、七月の暫定予算に計上してございますのは本年度予算につきましてはおおむね月割でございますとか、あるいは七月中に必要とする経費等を組んだのでございまするが、本予算と比べましてどの程度のものが暫定に組んであるかということのごとく概略を簡単に御説明申し上げます。六月までにつきましては、御承知のようにごく事務的なものに限つてございましたが、七月予算につきましてはある程度五、六月よりも他の項目についても月割その他のことで予算を計上してございます。第一番目の海外市場調査会の補助これは月割てございます。それから二番目は、貿易斡旋所につきましては借館料を二箇月分計上してございます。三番目は補助金で、これはまだ計上してございません。四番目はこれも月割四箇月分を計上してございます。それから五番目の海外見本市への参加は、インドネシアがちようど八月に行われますので、それに所要の分だけをここに計上してございます。六番目は月割でございます。七、八は今後まだ準備もございますので、暫定予算には計上してございません。 その次の資源対策の一、二、三は補助金でございますが、これらは約二分の一を計上してございます。それから四番目は試験炭鉱の設置でございますが、鉱業権の買収あるいは土地の借上げ等の所要経費の一部を計上してあるのでございます。 その次の技術向上対策につきましてま、一番目から四番目までは補助金の関係でございますが、これらは二分の一を計上しております。五番目はその貸星でございますが、その月割といたしまして四箇月分を計上してございます。 それから中小企業の方の二、三、四は月割を計上してございます。 最後の自転車及び自動車の振興費につきましては、原則として月割でございますが、なおこまかく計算をいたしまして所要額を計上いたすという次第でございます。 以上で一応予算の御説明を済ませます。 次に、お手元にございます第十六国会提出の予定法案につきまして簡単に御説明をさせていただきます。お手元に第十六国会提出予定法律案の件名の資料がございますので、それにつきまして順次簡単に御説明をさせていただきます。 初めのところに件名を並べて書いてございますので、これでごらんを願いたいと思いまするが、これらはおおむね前国会に提案をいたしました法案を踏襲しておるわけでございますが、これらの前国会に出ておりました法案につきまして、どの程度十五国会において進捗しておつたかをごく簡単に御説明いたしますと、すでに十五国会におきまして衆議院を通過いたしておりました法案は、このうち一番目の鉱業法の一部を改正する法律案、五番目になつております輸出信用保険法の一部を改正する法律案、次のページをごらん願いまして、六番目の武器等製造法案、七番目の火薬類取締法の一部を改正する法律案、この四法案は衆議院を通過をいたして、参議院の委員会にかかつたのでございます。それからあと残りました二、三、四の三つは、委員会に付託になつて審議未了になつたわけでございます。それから八番目にございます硫安に関します法案は、これはまつたく新規の法案でございまして、あとで御説明いたしますが、通産省としては提出するかどうかはまつたく未定でございますが、あるいはさような運びに相なろうかということで、御参考までにここに書いてございます。これにつきましては後ほど御説明をさせていただきたいと思います。 順次項を追つて御説明いたしますが、第一番目の鉱業法の一部を改正する法律案につきましては本日提案理由の御説明をいたす予定になつております。この前の国会が通つておりますので、本日後ほど御説明がございますので、私からの御説明は省略させていただきます。 二番目は中小企業金融公庫法案でございますが、これは御承知のように、中小企業に対します設備資金及び長期運転資金の供給を目的といたしまして新規に中小企業向けの金融機関を設置しようというその基礎法律でございます。この公庫の財源といたしましては二十八年度の本予算におきまして一般会計からの出資を八十億を予定いたしております。なお資金運用部から二十億の貸付ということで、新規の財源といたしましては二十八年度中に百億という予定にいたしております。なお政府出資につきましては、この法律案によりまして二十七年度の一般会計から商工組合中央金庫に貸し付けておりましたのを出資に振りかえますので、法律上の出資金額は百億ということに相なるわけであります。これは附則等に書いてございますが、商工中金に貸し付けることにいたしておりますので、新規財源は百億ということに相なるわけであります。これはこの前提出を予定をしておりました法案、あるいは前国会に提案になつておりました予算案の場合と比較いたしますと、十五億の増になつております。今の百億に対応いたします金額が八十五億となつておりますが、十五億今度の予算で増額をして百億ということになつております。そのほかに見返資金特別会計あるいは開発銀行等から従来中小企業向けに出ておりましたものをこの公庫に引継ぐ分がございます。それはお手元にございまする要綱にもそれに該当すると思われる金額を約百億というのを書き入れまして、これらは法律上肩がわりと申しますか、この公庫の貸付に取りかわりまするが、これは新規の貸付でございませんので、新規の貸付財源といたしましては、先ほど申しましにような百億ということに相なるわけでございます。 それから二番目は中小企業者の範囲にきめてございまするが、中小企業の範囲につきましては従来いろいろな法案によりまして必ずしも一律でございませんでしたが、今回はできるだけそり範囲を広めようという趣旨で、ここに書いてございますように、払込資本立または出資総額が一千万円以下、従委員につきましては三百人以下ということにいたしておりまして、その他の組合等を対象にしておるわけでございます。業務といたしましては、主務大臣の認可を受けて金融機関に委託ができるようにいたしております。実際の運用といたしましては、さしあたりこの公庫は約五十人程度の人員で発足をする予定にいたしておりますので、実際の貸付業務は主としてこれらの金融機関を活用して貸付を行うということに相なろうというふうに考えております。 その次に三番目の、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案でございますが、第一点は中小企業の範囲を引上げと申しますか、拡張しようということでございます。これはその結果、前申しました中小企業金融公庫の場合の対象になる中小企業者の範囲と同一に相なることになります。従来は資本金で申しますと、五百万円でありましたのを、一千万円に引上げ、常時使用いたします従業員の制限につきましては従来は二百人を今度は三百人、商業またはサービス業については三十人、鉱業については千人以下というふうにそれぞれ改めた次第であります。従業員三百人以下の医業を行う法人、調整組合及び調整組合連合会というものを新たに対象に加えたわけであります。二番目は保険関係が成立いたします貸付につきましては、相互銀行及び無尽会社の行つておる給付も加えるということにいたしております。相互会社、無尽会社が行いますものは、あるいは実態的には貸付も考えられますが、法律上給付という文字を使つておりますので、その辺の関係を明確にいたすために給付も加えるということにいたしております。三番目は保険関係が成立いたします一中小企業者に対する金額の限度の問題でございまするが、これも従来のものをこの際広げまして、従来貸付の合計額が五百万円、組合等につきましても二千万円でございましたのを、五百万円を一千万円、組合関係の二千万円を三千万円に引上げるということにいたしたのが第三番目であります。第四点は保険金支払いの請求権の行使の始期を、現在保険事故が発生いたしましてから六箇月ということになつておりますが、できるだけ事務が簡単に参りまするように、三箇月に繰上げることにいたしております。五番目が保険金支払いに伴う代位の規定を回収金の納付の規定に改めるというので、非常に技術的な問題でございまするが、従来は保険事故が発生いたしまして保険金を支払いました際に、債務者からなお回収をするということになるわけでございますが、特定会社の代位といたしまして金融機関が回収に当るということになつておりましたのを、今回は金融機関が自分の金として回収して、その回収された一定割合を政府に納付するというふうな、法律関係を改める規定でございます。それから六番目の指定法人、これは信用保険協会のことでありますが、この場合におきます保険金の割合を百分の五十を百分の六十に引上げることにいたしたのであります。七番目は金融機関が中小企業者の開発銀行あるいは国民金融公庫、あるいは中小企業の金融公庫に対する債務の保証につき保険する制度を設ける。非常にわかりにくい書き方になつておりますが、金融機関がこれらの開発銀行なり国民金融公庫、あるいは今度できます中小企業金融公庫からの代位貸を行つている場合でございますが、その場合に債権が未回収ということになりますると、代位貸の場合に一部金融機関が責任を負つておりまして、従つてこれらの特殊機関に貸出しました金融機関が返済をしなければならぬというような立場に立つております。それらの代位貸の場合に、当該金融機関がここに書いてございますような特殊金融機関に負います債務についてもこの保険の対象にしたいという趣旨であります。なおその印刷物に書いてございませんのではなはだ恐縮でございますが、これは大蔵省と時間的に遅れて話合いましたが、従来の填補率を七五%を八〇%に引上げることにいたしました。今回の法律におきましても特にさように填補率を引上げて提案をする予定であります。填補率の引上げという点が八番目に落ちておりますが、さように御了承願います。 四番目は輸出取引法の一部を改正する法律でありますが、これは目下なお検討中ではございますが、一応次に掲げましたようなことにつきまして改正案を提出する予定であります。第一番目は、従来の輸出の協定は、輸出業者間のみで協定ができるということになつておりましたが、これでは十分と思えませんので、輸出業者のほかに生産業者あるいは販売業者を入れて協定ができるというふうな道を開くことにいたしたい。第二点は業者が協定いたします事項及び範囲等につきましても、さらにその範囲を拡張したい。三番目につきましては輸出組合に従来出資の制度がございませんでしたが、組合がいろいろ事業をいたします場合におきましては、やはり出資制でないといろいろ不便がございますので、出資制をとり得るということにいたしますとともに、組合の事業として、組合員と他の事業者との間に団体協約を設ける制度を考慮する。団体協約と申しますのは多少字句が不適当かとも思いまするが、輸出業者問で組合をつくつておりまして、その組合かあるメーカーの特定のものと協定を結ぶということを認めて行こうという趣旨であります。四番目は今まで輸出だけでございましたが、輸入の場合に、輸入業者間の協定、あるいは輸入組合の設立等を認めて輸出入ともに何とか制度を広げて行きたいということでございます。なお五番目は、これはいわゆるアウトサイダーに関する規定でありまして、協定あるいは組合の遵守すべき事項だけで不十分だという場合に、政府が命令できて、政府の命令によつてそれらの趣旨を確保して行くという趣旨の規定であります。以上の改正に伴いまして名称を輸出入取引法と改めるというのが本輸出取引法改正の主たる要項であります。 五番目が輸出信用保険法の一部を改正する法律でございまして、第一点は輸出手形保険を創設いたすのでございます。これはだんだん貿易取引が正常化いたしますに伴いまして、信用状を用いない代金決済方法による輸出取引を促進する必要があるわけであります。現にさような輸出は中南米等において徐々に行われつつありまして、今後ますます拡大する傾向にあると思いますが、それらの場合に、現行法におきましては保険の対象になり得ないので、そのような場合の輸出手形についても保険の対象にするということで輸出手形保険の創設を考えておるわけであります。二番目は現行制度の改正でございまして、これは従来甲、乙、丙、丁とございました保険を、わかりやすく名称をかえますとともに、これらの填補率を引上げるというのが主たる内容でございます。たとえば従来ございました甲種保険を普通輸出保険といたしまして、これは輸出契約上の非常危険を担保する保険でございますが、この保険事故に関する規定を明確にするとともに、填補率を引上げる。その次は乙種保険と申しておりました従来のプラント輸出の場合に適用される保険でございますが、これを対象を拡大しますとともに、貨物の輸出に伴う技術提供の対価をも保険し得ることにいたしました。これも填補率を引上げる。次は輸出金融保険でございまして、従来の丙種保険と申しておりましたが、輸出前貸しの場合の回収未済を担保する保険でございますが、この適用地域の制限を撤廃いたしますとともに、これも填補率を引上げることにいたしました。その次は丁種保険と言つております海外広告保険、これは輸出品広告費用の未回収を担保する保険でございますが、これも適用地域の制限を撤廃するというような趣旨の改正をいたしたいと考えております。 次に六番目が武器等製造法でありますが、これは前国会で衆議院を通過しておりますが、これは前国会のほとんどその通りを提案いたして、ごく一部文句の修正をいたすだけでございます。ここにございますように、「武器の製造の事業の事業活動を調整することによつて、国民経済の健全な運行に寄与するとともに、武器及び猟銃等の製造、販売その他の取扱を規制することによつて、公共の安全を確保する」という趣旨の規定でございます。これは前国会でも御審議がございましたので、詳しい説明を省略させていただきたいと思いますが、その次の火薬類取締法の一部を改正する法律でございますが、これもこの前の委員会で御審議を願つたわけでありますが、御承知のように打揚げ花火及び仕かけ花火につきましては、現在ポ勅が失効いたしました関係上、まつたく取締りの規定がございませんので、今後その権限を都道府県知事に与えまして取締りをいたして行きたいという趣旨でございます。なお今回の改正案におきましては、この前ございませんでした点に一点つけ加える予定にいたしております。それは猟銃者等が火薬を使いまして残りました場合の措置について、保安上何らかの規定を設けようということでそれを附加することを目下考えております。 以上が今まで申しました七つの法案の概略でございますが、初めの予定法案にはもう一つ八といたしまして、硫安の価格の安定及び輸出の調整に関する臨時措置法案という名称を一応掲げてございますが、これは実はまだ通産省といたしましても提出をいたすかどうかはつきり決定いたしておりませんので、あるいはさようなものを御提案いたしまして御審議を煩わすかもしれぬという予定を書いたわけでございまして、さよう御了承を願いたいと思います。これは御承知の通り硫安の問題につきましては、先般来いろいろ問題がございまして、経済審議庁にその対策委員会ができておりまして、目下いろいろ検討中でございますが、その審議の過程におきますと、あるいは何らかの法的措置を講ずる必要があろうと考えて、それに対応いたしました法案を出すべく考えておるわけでございます。御承知のようにまだ最終的な結論が出ておりませんので、われわれの手元ではつきりした案がまだ固まつておりませんが、いずれ委員会の方の結論が近く出ることになるだろうと思いますので、当国会中に何らかの法的措置を講ずる必要があるというふうに考えております。いずれ成案を得ましたら御提案をすることに相なろうかという予定をここに申し上げたわけであります。 なお、以上が現在までのところ通産省といたしまして提案を考えております法案でございまするが、信用保証協会を法制化いたします法案を、多分これは大蔵省と共管になると思いますが、本国会中に提案をすべく準備をいたしております。 以上、簡単でございますが、予算及び法案について一応概略の御説明を申し上げた次第であります。
○大西委員長 以上をもつて政府の説明は終了いたしました。 御質疑はございませんか。
○山手委員 予定をしておつた鉱工業地帯の整備促進法はどうしたのですか。
○石原(武)政府委員 これは御承知のように、建設、通産、運輸三省間で鉱工業地帯の整備をはかるという趣旨で法案を提出すべく準備をいたしておりましたが、まだ現在までのところ、本国会に政府提案として出すかどうかについて多少検討中でございますので、これは御説明を落しましたが、話がつけば今国会中に提案をすることに相なろうかと思いますが、まだそういうことで多少関係省の間で検討中でございますので、はつきり確定をいたしておらないような状態でございます。
○永井委員 これは委員長にお願いするわけですが、たとえば電源開発、それから独禁法あるいはスト禁止法等、当委員会として非常に関連のある重要法案について、他の委員会にこれらの法案が出ます。その場合共同審議の方法を講じて行かなくちやならぬと思うのですが、それらの関係等も委員長から、ほかの方の委員会の、こちらに関係ある議案についてお調べの上、時機を失しないように問題を取上げていただきたいと思います。委員長の御善処をお願いいたします。
○大西委員長 承知いたしました。
○首藤委員 今の官房長の御説明の中の予算の問題ですが、自転車振興費の四億というものは、前年度はあつたのですが、今度はそれを削除して、公庫の貸付け八十億の中に繰入れたことになつておるのですが、その点をひとつ承りたい。
○及川政府委員 私から御返事申し上げます。昨年度まで自転車の貸付金で入つておりました四億円は、本年度は公庫の出資金の中に含まれるという観念のもとに、そちらの方に入れたわけであります。
○首藤委員 それはちよつとおかしいと思う。これは車券の売上げの何分かを国庫から業者の振興のために貸付けるという単行法ができて、それによつて貸付けておるので、公庫が貸付ける財源は一般財源から出ておると思うのですが、特殊の財源と一般財源とを混同して八十億に混入するというのは、ちよつとおかしいと思うのですが、どうですか。
○石原(武)政府委員 ただいまの点はごもつともでございまするが、われわれといたしましては公庫の八十億のうちの四億については、自転車の方に行くように具体的の貸付につきましては、ひもをつけるというか、用途を示して、そちらの方へ向けたいというふうには考えております。
○首藤委員 それはちよつとおかしいと思う。国庫納付金の中から、何分の一かを業者のために貸付けるという単行法ができておるにかかわらず、これをそのままにして、八十億の一般会計に繰入れるということは、おかしいと思う。この点ひとつ明確にしていただきたい。
○石原(武)政府委員 ただいまの点は、よく調べましてからお答えさせていただきたいと思います。
○首藤委員 それから前国会に提案してはなかつたのですが、閣議決定まで行つておつたと了承しておる木材防腐法案は、今度はどういうふうになつておりますか。
○石原(武)政府委員 これはこの前にも政府提案にするか議員提案にするか、いろいろお話がありまして、政府部内では一応政府提案ということでこの前のときには考えておつたのです。今回も問題になつたのですが、まだ政府提案で出すか出さないかきまつておりませんで、本日これを予定法案として御説明するまで至つておりませんため、御説明申し上げなかつたのであります。
○首藤委員 前国会のときに閣議決定まで進んでおつたのであるから、もし提案するとすれば、政府提案として早く提案した方がいいのではないかと思う。もう一度内部の意見をまとめていただきたいと思います。
○加藤(清)委員 さきの小笠原さん時代から今度の岡野さんにかわりまして、通産行政について政策がかわつたか、かわらないかということが一点。新聞によりますと、岡野さんは大分中共貿易のことについて御熱心のように承つております。関西の方に行かれたときにも、盛んに宣伝されておるようであります。それからもう一つ、化学繊維の振興をはかるということを、これまた盛んに言われておりますが、それが予算面にどう現われておるか、あるいはかわつておらないか、この点について承りたい。
○石原(武)政府委員 ただいまお尋ねがありましたが、前大臣と現大臣との方針が違うかどうかという政策の問題は、いずれ大臣がお見えになつたときに御答弁を願うことといたしまして、予算面といたしましては、中共貿易に関しましては特別の予算はございません。それから化繊の振興あるいは合成繊維の振興等につきましては、いわゆる予算面にはございませんが、開銀の融資の対象と申しますか、融資計画と申しますか、これは政府資金でありますので、開銀の正式の融資計画というものは予算をつくりますと同時に、一応あるわけでありまして、その際に従来は別に化繊について特別のわくはなかつたのですが、今回は合成繊維について二十五億というわくをきめておりますので、その点は直接予算はございませんが、政府の投資計画といたしまして二十五億というものが明確に出ておるということで前の予算と今回の計画とは多少その点がかわつておるわけであります。
○加藤(清)委員 さきの国会のときには繊維製品品質表示法案なるものが準備されておつたように思うのですが、今度はそれを出される用意があるかどうか。
○石原(武)政府委員 たしか品質表示法は、前国会にはまだ提出の運びに至らなかつたと思つておりますが、今回も通産省内部でもいろいろ検討いたしておりますが、これもまだ本国会に出すかどうかはつきりきまつておりませんが、多少その後の情勢もかわつておりますので、一応今国会には提出をとりやめることに相なろうかと考えております。
○山手委員 この通産省の予算は大したものでないのですが、通産行政とからんで一番重要な問題は、外貨予算の問題を検討しなければならないと思うのですが、外貨予算に関する資料をもう少し具体的に、早急にこの委員会に提出していただきたいと思います。
○石原(武)政府委員 承知いたしました。次の機会までに至急お届けいたします。
○小平(久)委員 ただいま外貨予算の資料の要求があつたのでありますが、それと同時に先ほど官房長からお話がありましたが、開銀の融資計画、これもひとつ早い機会に御提出願います。
○石原(武)政府委員 承知しました。 —————————————
○大西委員長 それでは次に鉱業法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府より提案理由の説明を求めます。古池通商産業政務次官。 —————————————
○古池政府委員 ただいま議題となりました鉱業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。 現行鉱業法は、終戦後のわが国の法制民主化の線に沿いまして、在来の鉱業法に全面的な検討を加え、広汎な修正を見て昭和二十五年十二月二十日に成立したものであります。この意味におきまして現鉱業法は時代の要請に即した民主的な法律で、鉱業に関する指標を打立てたものと申せるのでありますが、他面現鉱業法の二年有余の運営の結果、実際上不十分な点があり、これについて若干の修正と補完をすることが必要となつてきましたし、また昨年四月の平和条約発効によりまして、朝鮮人、台湾人等の在来の外地臣民と呼ばれておりました人々が、日本国籍を喪失いたしたわけでありますが、これら国籍喪失者が従来所有いたしておりました鉱業権に関しまして臨時に特例を設ける必要が生じて来たわけであります。 以上のような事情からここに鉱業法の一部改正を提案いたすことになつたのであります。今回の改正案はこれを大別いたしますと、次の四つの事項になるのであります。 すなわち第一は、鉱業と他の公益との関係について社会の実情により適応した調整方法を採用すること、第二は、公益のためにする鉱業権の取消し処分により鉱業権者に損失を与えたとき損失の補償をすること、第三は、現鉱業法のままでは行政処分に著しい支障を生じ、または行政処分の相手方等に不利益を与えるおそれのある条項の修正を行うこと、第四は、国籍喪失者の鉱業権享有に関する特例を設けること、大体以上の四点でございます。何とぞ御審議の上、なるべくすみやかに可決されますようお願いいたします。 —————————————
○大西委員長 それではこれより通商産業政策の基本方針に関し、通商産業大臣より発言を求められておりまするので、これを許します。通商産業大臣岡野清豪君。
○岡野国務大臣 わが国経済の現状及び経済政策の大綱については、本国会の冒頭の経済演説において申し上げましたので、ここでは通商産業省として当面する問題を中心にして、多少具体的に私の見解を申し上げたいと存じます。 通商産業政策の重点は、第一に輸出の振興により、生産水準及び国民生活水準の維持向上をはかり、第二にこれがため産業基盤を強化するとともに、産業の合理化、近代化を徹底し、特に工業技術を振興して、少くともこれを諸外国と同水準に到達させることによつて、生産費の切下げ、品質の向上をはかり、第三に国際収支の均衡達成を目標としまして、輸入の節減と国内自給度の向上をはかるとともに、第四に景気変動のしわ寄せがせられがちでありますところの中小企業に対し、強力な助長育成策を推進することにあると考えます。 まず第一の輸出の振興対策でありますが、朝鮮休戦の見通しに伴う国際的輸出競争の激化と、特需の漸減傾向が予想される今日、わが国の経済にとつては正常貿易により、その規模を拡大することが焦眉の急務であると考えまして、従来にも増して官民ともに輸出第一主義に徹する必要があると私は確信するのであります。これがためにはまず経済外交の強力な推進によつて、協定貿易ないし互恵貿易の拡大、相手国の輸入制限の緩和等に努力するとともに、賠償問題の円満な解決、ガットヘの早期加入、通商航海条約の締結の促進に努めることによつて、差別関税、入国、入港制限など、その他輸出阻害の国外的要因の打破、是正をはかりたいと考えます。 なおこの機会に申し述べておきたいことは、ポンド対策問題であります。すなわち昨年六、七月ごろ一億二千万ポンドをしまつていたわが国のポンド保有高は、その後御承知のごとくポンド地域諸国の対日輸入制限と、わが国の輸入買付の進展とにより逐次減少し、最近は三千万ポンドを割るに至つております。政府といたしましては、これに対処して、本年二、三月ごろより英国側と折衝を行い、その輸入制限の緩和の了解と、ポンドとドルのスワップ及び非ポンド地域との間におけるポンドの振替使用についての了解とをとりつける等の措置を講じ、重要物資の輸入削減の事態に陥らぬように努力して来たのであります。今後はおおむね一億七千万ポンドの受取りを保証するという前述の了解の履行確保につきまして、十分努力を払うとともに、要すれば同地域内各国との個別折衝をも考慮しておる次第であります。 以上ボンド貿易に関しまして申し上げましたが、さらに最近には中華民国、西独、アルゼンチン、スエーデン、パキスタン等との貿易拡大のための新協定を締結し、また近くインドネシアとも協定更改の正式交渉に入りたいと考えております。 次に東南アジア、中南米、中近東等、市場として将来有望な地域に対しましては、通商使節団の派遣、技術者の交流、信用の供与など、市場開拓のために有効と認められるあらゆる方策を実施する必要があり、特に東南アジアにつきましては、その民族感情を宥和し得るような方式を通じて、それぞれの工業化計画に積極的に協力し、緊密な経済関係を結ぶことに努めたいと考えております。 なお従来わが国といたしましては比較的努力の不足しておつたと思われますところの海外宣伝活動については、この際特にこれを強化する必要があると考えます。 以上のような見地から、本国会には輸出入銀行法及び設備輸出為替損失補償法の改正を提案するとともに、貿易斡旋所、及び重機械技術相談室の新設、技術者交流の促進などに要する経費を予算案に増額計上いたした次第でございます。 次に輸出阻害の一因は輸出競争力の弱体性による面が少くないのでありまして、一部物資に見られる価格の割高是正には格段の努力をいたしたいと考えます。すなわち一般的には税制改正及び財政資金の重点的また効率的投入と相まつて、企業の合理化を一段と推進し、また低廉な原材料の輸入確保に一段と努力いたしたいと考えております。 次に貿易商社の強化対策も国際競争力強化の見地から重視すべきものでありまして、その第一歩といたしまして、今般税利改正によりその資本力の強化と海外支店網の整備を企図するとともに、金融面においてもその経営の安定をはかつておる次第でございます。また輸出入取引の秩序を確立し、過当競争の弊を除去するために、輸出取引法の大幅な改正を提案することにいたしておりますが、その内容につきましては法案が完成いたし次第別に御説明申し上げたいと存じます。 最後に輸出振興を一般と積極化するためには、業界の輸出意欲を振起するため、輸出に適した経済環境の譲成をはかる必要を痛感するのであります。これがため綿紡については新たに輸出入リンク制を採用し、輸出の一層の促進に資しましたことく、今後は可能の限り他の品目についてもこのような輸出入リンク的な考え方を拡大し、またバーター取引方式も正常輸出に支障のない限り大幅に取上げたいと考えます。 その他現行の輸出信用保険制度についても、垣補率の引上げ、適用範囲の拡大、保険料の引下げなど大幅の改善を加える方針で努力するつもりであります。 最後に中共貿易につきましてもしばしば申し上げましたごとく、国連協力のわくの許す範囲内において極力輸出制限の緩和に努めたいと考えております。 第二の問題は、電源開発、石炭、鉄鋼などの基幹産業を中心とする産業基盤の強化と企業の合理化の徹底とであります。この問題は金利の引下げ、金融の円滑化、税制改正などに関連する問題が多いのでありますが、これまたしはしば各種の機会に申しておりますので、繰返しを省略させていただきます。 特にこの際申し上げたいことは、独占禁止法の運用に関する問題であります。すなわち今般先国会で審議未了となつた旧改正案の線をおおむね踏襲いたしまして、独禁法改正案を提出いたしたのでありますが、その改正案で容認されるカルテル中、不況カルテルにつきましては、物価水準の引下げが輸出振興の根本的要請の一つとなつておる現況にかんがみまして、一部の人々が期待しているように、安易な態度で不況カルテルを認可すべきではないと考えております。反面合理化カルテルにつきましては、その内容に新規に生産分野協定を追加いたしましたし、また運用上もこの種カルテルは積極的に容認いたしたい方針であります。 次に企業合理化に関連して特に申し上げたいことは、工業技術の振興についてであります。わが国における工業技術は、外国技術の導入と合理化、機械の輸入とによつて、漸次改善されつつありますが、なお欧米の先進諸国に比してかなり立ち遅れておるのみならず、これらの諸国においても、巨額の研究費を投入することによつて日進月歩の勢いにあるのであります。もちろん従来からも企業の研究費に対する税法上の優遇措置、各種の研究助成金制度、新技術の工業化に対する財政資金の融資等の施策がとられては来ましたが、今後もこの線に沿つて一段と努力いたしたいと考えます。 第三は国際収支の均衡達成を目標として輸入の節減、自給度の向上をはかることであります。すなわちさしあたりは、協定貿易の遂行と輸出原材料の確保に支障がない限り、従来に引続き一層奢侈的輸入を抑制するとともに、将来の外貨節約に備えて合成繊維その他国産原料による新規産業に対しては、財政資金の投下を増額し、一層その育成をはかる所存であります。 最後に中小企業問題に関する所信を申し上げます。いまさら申すまでもなく、わが国経済に占める中小企業の地位は、輸出産業として、重要産業の関連部門として、また生活必需物資供給部門として、質的、量的にきわめて重要なものがあります。さらにまた国民生活の調和的発展のためにも、国民経済の民主的運営のためにも、中小企業問題は一日もゆるがせにできないものであります。ただ中小企業は、その規模、業種においてまことに複雑多岐にわたつておりまして、画一的な施策をもつて律しきれないものがあるばかりでなく、施策の速効的成果を期しがたいものがあると思います。従つて金融対策、安定対策、組織化対策、合理化対策に関する各種の施策を、規模、業種の実態に即しつつ不断の熱意を持つて推進する必要があると確信いたします。 まず金融対策につきましては、本年度予算において財政資金百八十億円を計上し、中小企業金融金庫の新設と国民金融金庫の強化拡充によつて、長期資金の資金源の拡大と零細金融の円滑化をはかる方針でございます。また商工中金についても、商工中金債の資金運用部引受けの促進と国庫余裕金の引揚げ緩和とに努力し、他方地方財政資金の活用と相まつて、組合金融の発展をはかりたいと存じます。なお地方銀行、中小企業専門機関を主力とする市中金融の円滑化を期して、中小企業信用保険法にも所要の改善を加え、また信用保証協会の法制化をも準備しておる次第であります。 また安定対策といたしましては、中小企業安定法の適切な運用と融資あつせんの積極化をはかつております。 なお中小企業対策の究極の目標は、その一般的経営水準の引上げにあるのでありまして、これがためには、中央地方を通ずる助成策として、企業診断方式の強化によりまして、個々の企業の合理化を進めるとともに、協同組合法の適切な運営、協同組合の共同施設に対する国家及び地方財政資金による効率的な補助、商工中金の機能の拡大等によりまして、組織化の量的拡大と質的充実をはかつて参りたいと存じます。 以上をもちまして私の御説明を終りたいと存じます。
○大西委員長 以上をもつて大臣の説明は終了いたしました。 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますから、順次これを許します。長谷川四郎君。
○長谷川(四)委員 ただいま大臣の御発表を承りますと、まことにけつこうな御発表でございまして、さぞ大臣はその御意思と信念をもつて進んでいただけるものと、確信を持つて質問をしてみたいと思うのであります。 ただいま大臣の説明の中に、まず外国技術の輸入ということがあり、従つて日本の産業技術というものをますます発展させて行かなければならぬということがあります。もちろん発明の奨励施策に関しましても、大臣としては特にこれらに注目をしておると思うのでありますが、たとえば特許庁におけるところの特許奨励等に対して、どういうような施策が行われているであろうか。今日本の国から外国へ特許料として支払われるものが幾らぐらいあるか。大体外国に支払う特許料というものは一千万ドルと称されておる。一千万ドルというと三十六億円が出て行つておる。日本に入つて来るものが幾らあるか。これらを考えてみたときに、外貨獲得なんということがこの面において行われているとどうして言えるであろうか。それほど日本の国の人たちは技術能力が失われているのだろうかというところに私は考えを置かなければならないと思うのであります。従いまして伺いたい一点は、まず本年度の予算から見て、大臣が重点的にお話を申し上げるという中にありますが、本年の特許庁の施設費の中にまず発明実施化試験補助というのがあります。これが昨年は百万円であつた。ところが本年になつて九十万円に削られている。私は百十万円になつたというならば、なるほど大臣の今の説明も確かにごもつともだということが言えるのだけれども、逆にこれが少くなつている。こういうようなことであつては、大臣にお言葉を返すわけではないけれども、まさにあなたのおつしやることと相反しておるではないか。きようは長官もおいでのようだけれども、このように重要な日本の技術の振興、発明の振興に対して、どうしてもつと重点を置かなかつたかという理由をまず承りたいのであります。
○岡野国務大臣 実はただいま御指摘のあつたのは、一千万円が九百万円になつたと私は記憶しております。そこでこれは御承知の通りにいろいろな財政上の問題がございまして、財政が総合的に勘案されたためにこういうことになつたのでございます。私はお説しごくごもつともで、その通りでございます。私の考えといたしましてはお説の通りやつて行きたい。そこで科学技術の振興というものに対して非常な力を入れまして、これは文部省にもございますし、通産省にもございますが、そういう方面で技術の発展をはかるために、発明特許の奨励をして行きたいと思つております。三十六億も特許料を払つておるかどうか、私ちよつと覚えておりませんが、これは政府委員なり事務当局で御説明いたすと思いますが、しごくごもつともな次第で、今後私の方針といたしましては、先ほど申と上げました調子でやつて行きたい。しかし今回の予算ではそういうふうに減つておる、こういうことでありますから、御了承願います。政府委員から詳しいことを申し上げます。
○長村政府委員 発明奨励関係の経費につきましては、ただいま大臣の御答弁になりました通り、従前一千万円の実施化補助金を持つておりましたが、七のうち自転車関係のものが百万円減りまして、九百万円の補助金を二十八年度において計上いたしておるわけであります。九百万円あるいは一千万、いずれにしましても金額は決して多い金額ではないのであります。たとえば昨年の実績から見ますると、この補助金をほしいと希望するものが三億以上の申請をしておるのであります。それに対してわずかに一千万円の予算でこれをまかなつて行くということは、この希望額に対しましてもごくわすかなものしか充足できないのでございまして、これをもつてしては発明の実施の補助といたしましては決して十分とは申しかねると思うのであります。なおこのほかに御承知の通り二千万円の貸付金を昭和二十七年度からいたしております。これは二十八年度におきましてもやはり同様のものを計上いたしまして、引続き貸付を行つて参りたいと思つておるのでございます。貸付金、補助金合せましてわずかに三千万円足らずでございますので、発明奨励の関係から申しまするならば、でき得るだけ今後幾分かずつでもこれを増額いたしまして、一般の希望にこたえて参りたい、かように存じておるわけであります。
○長谷川(四)委員 出願手数料、特許料、こういうものが国庫収入として大体二億五千万円くらいのものがあるはずであります。二億五千万円の収入があるにもかかわらず、全部で二千九百万円しか出ていない。ただそのうち補助金として出してあるものはわずかに九百万円である。そうすると、発明をしようなんというのはいずれも貧乏人ばかりであるが、その発明をしている貧乏人のふところの金を二億五千万円ふんだくつておいて、そうしてこれだけの金額しか出しておらない。そこでいよいよこれの出願なり特許なりの申請を見てからあなたがよろしいという許可を与えるまでに大体どのくらいの日にちがかかつているかお答えを願いたい。
○長村政府委員 出願に対しまする審査の関係でございますが、出願は御承知の通りに最近非常にふえておるのでございます。これに対しまする審査は、特許、実用新案、意匠、商標、これは内容によりまして大分違つておるのでございますが、今日のところではまず特許が一番手間取るのであります。この特許につきましても、電気関係でありますとか、あるいは機械でありますとか、その内容によりまして、さらにまたおそい早いの別はございますが、おおむね出願いたしましてから一年あるいは一年半近くの日数を経て処分をせざるを得ない、一年なり一年半かかつておるという状態であります。
○長谷川(四)委員 大体短かくて一年半、ちよつとひまどつて二年有余、二年もたつてから出願が許可になつて来る。私が申し上げなくとも、世界技術はどのくらい毎刻々々進歩発展して行つているかということは明らかでなければならない。しかしそういうように、あなたの方から許可が出るまでにそれほどひまどるのはどういう理由であるのか、明らかにしていただきたい。
○長村政府委員 審査に対しまする処分が、ただいま申しましたように、非常に遅れておりまして、はなはだ遺憾に存じておるのでございます。特許の審査は、御承知の通り出願順によりまして、特許法その他の定める手続を追いまして順次やつて参つておるのでございます。私どもの方は、審査のやり方につきましては、でき得るだけその審査が運びますように、あらゆる面におきまして、ほんとうに真剣に日夜検討いたしておりまして、審査の能率化ということは、私どもの最も努力をしておる一つであるのでございますが、何分にも出願の数が非常にふえて参つたのでございます。昭和二十六年の出願は、特許、実用新案または意匠、商標を含めまして、概数七万四千六百件ほどございましたが、二十七年はさらにふえまして、九万六千八百件という数字になつておるのでございます。この出願の件数は実は非常に多い数でございまして、世界的に見ましても、昭和二十六年の日本の特許、実用新案の出願件数は、国際統計事務局の統計で見ましても、世界の三番目でありまして、商標の方は日本の出願は世界一であります。二十七年はさらにそれを上まわつた数字になつておるという状態で、非常に数がふえております。審査は、御承知の通りに特許にしろ、実用新案にしろ、技術が次第に複雑になつて参つておりますので、なかなかこの審査がむずかしいと申しますか、手間取るのです。機械的に右から左に処理し得ない内容でございまして、今まで権利になつておりますものをその他の文献と比較検討いたしまして、はたして発明になつておるかどうか、前に類似のものがあつたかどうかということを調べまして、初めて結論が出るのでありまして、これを機械的にこなすということは、事の性質上できない。それを限られた人員でまかなつておりますために、くふうにくふうを重ねておりますし、また今後もくふうにくふうを重ねますが、おのずから能率にも限度もございますので、それが押せくになりまして、現在、一年半近い停滞件数と申しますか、ストックが出て参つたのであります。従いまして、それが先ほど申しました出願順に審査をして行くという関係から、押され押されて、出願のものが一年ないし一年半以上の日数を経て結論が出るということになつておるのであります。かような出願等の増加の趨勢、それに対応しまする審査の能率というものが必ずしもマッチしておりませんので、そこに今申し上げましたような、はなはだ遺憾なる遅延という状態が現われて来たものと考えております。
○長谷川(四)委員 長官は大臣を擁護しなければならぬと思つているだろうが、時の長官になつてみれば言いたいことはたくさんあるはずであります。何も大臣を擁護する必要はない。自分の責任において、こういうところを打開し、そしてごの隘路を打開したならば、必ずやよりよい日本の技術の奨励になるのだというお考えがなければならない。ところが大臣を擁護する一点であつて、そのくらいのことならこつちも知つている。そこで承らなければならないのは、特許庁の審査官というのは今何名いるでしようか、そしてこの人たちの給料はどのようなものを支払つているか、これらについての御回答をお願い申し上げます。
○長村政府委員 審査官その他特許庁の職員も一般の政府職員と同様な給与の準則により支払いをいたしているのであります。この審査あるいは審判という仕事は、普通の行政事務と異なりまして、むろんこれは裁判事務ではないのでありますけれども、非常に厳格な手続に従つて、広汎な資料をあさりまして、こつこつと仕事をやつている一のであります。給与の面では、政府の一般行政事務職員と同様な給与においてまかなわれているのであります。審査に従事しております職員は、特許、実用新案の審査には、昭和二十七年度で百五十八名の人間が当り、意匠が十二名、商標が三十六名という人数によつて審査をいたしております。
○岡野国務大臣 ちよつと私から長谷川さんに申し上げたいと思います。実は先般特許庁の事務をいろいろ私伺つたのでございますが、お説の通り一年も一年半もかかつているというお話を聞きました。それはどういうことかと申しますれば、審査官が少いとかいうことである。それからまた待遇も実は一般の公務員と同じように待遇されているので、ときにはよそのいいところへ引抜かれるというようなことも聞きました。そこで私どもとしましては、一般の官庁能率が上らないないというときに、これは何とか考えなければならないことじやないかということを長官と話したわけであります。その点におきましては、特許庁の事情を十分私存じておりまして、あなたのおつしやることはしごくごもつともで、私も同感でございまして、今後はこれは何とかしなければならぬ。ことに今輸出貿易を非常に進展さして行きたいという念願を私持つております時代に、日本で特許が一年も遅れるほど日本の人が一生懸命に研究をして、新しい発明をしてくれているということはありがたいことでありまして、それに対して官庁が即応しないということは、輸出貿易第一主義を徹底させる意味においても、この際十分に考慮しなければならぬと考えております。お説は非常に同感でございますので、私がこの前特許庁長官いろいろ話合いをしましたときのことを申し上げまして、御了承願つておきたいと思います。
○長谷川(四)委員 私前国会におきましても前大臣にこの話を持ち出しましたところが、前大臣は、努めて次回にはこれをたくさんな金額に増額して、必ず御期待に沿うようにしたい、こういうふうなことを小笠原さんは言うておりました。ところがまたあなたも同じように、しごくごもつともだということだそうであります。しかしいずれにしても、ごもつともだでこれらを取上げただけではならないので、大臣のおつしやる通り、熱意を持つて推進するという、すなわち日本産業の根幹でなければならない発明に対して、あまりにも頭を傾けてくれないのじやないか、たとえば今技術の審査が非常に遅れておるということは、やはり人員が非常に不足しているからだろう、こうも考えます。また今一般公務員並だというお話でございますが、それらに対しても技術者は技術者だけの待遇は当然しなければならない。古い話でありますけれども、今から八年前、日本という国が何ゆえに戦争に負けたのかというその最大なる原因はどこにあつたか、すべてこれに大きな原因があつたということは誓つて間違いありますまい。こういうような点から、通商という点について大臣が考えを及ぼすならば、まずこれを重点的に取上げてみて、そうして最も新しいところの施策をもつて技術を奨励し、よりよい産業の振興をはかつていただかなければならない、私はかく考えるから申し上げるのであります。大臣からまつたく同感だというお言葉を承りまして、私は一応安心をしているのでありますが、各国の統計をいろいろとつて要しても、一番劣等なのがわが日本だということは明らかである。こういうようなことでは、大臣の言うことと、行わんとするところの政策というものは、少し相違していやしないかというふうに考えます。従つて今度のこの問題に対しましては、特許庁の処置に対しましても、また発明協会に対する貸付金にしましても、貸付金が全国で二千万ということで、どうして実用化することができ得るでしよう。一応特許庁長官が免許を与えたいとしても、これが実用化されなかつたならば、こんなものはゼロです。こういうような点について大臣が、今度の予算はこれであつても、これに対してどこかから捻出してみたいというお考えもあると思うので、一応それを大臣から承つてみたいのであります。
○岡野国務大臣 しごくごもつともで、先ほども申し上げましたように、私もそういうふうにして行きたいと思います。ただ二十八年度予算といたしましては、ただいまのところ私は——これは小笠原前大臣時代に計画いたしまして、審査官を三十一人とにかく増すことにはいたしております。それ以上のところはちよつとこの際はできないと思いますが、将来はやはり御説の趣旨に沿いまして十分善処、努力をいたしたいと思います。
○長谷川(四)委員 大臣が忙しいというので、飛び飛びの質問でございますが、いずれにいたしましても、大臣のお言葉にもある通り、通商産業政策の根幹であるということを大臣もおわかりのようでございますから、あえてより以上私も質問をする意思がないので、これらに対して努めて今後御努力あらんことをお願い申し上げまして、私の特許庁長官に対する質問を打切りたいと思います。
○大西委員長 山手滿男君。
○山手委員 私はこの際例の四日市海軍燃料廠の問題について大臣にお尋ねをいたしておきたいと思います。先月の中旬に、改進党の決定をもつて総理大臣に申入れをいたし、この委員会において私も大臣にいろいろ質疑を申し上げ、休会明けにはこの問題を何とかするというふうなお話であつたのでありますが、その後の大臣の旅行先における談話そのほかは、すでに政府がこれに対する腹をきめられたようにも承つておりまするし、この際大臣からその後の経過あるいは政府の決意を御表明願いたいと思います。
○岡野国務大臣 四日市の海軍燃料廠の処理につきましては、この前の委員会で山手さんから御質問がありましたが、その当時は私自身の考えはほぼきまつておつたのでございますけれども、これは政府一体のものでございますから、十分閣僚の意思も検討し、同時に私の意思に共鳴させる、こういうことにしなければならぬと思いまして、御答弁を留保しておいたのであります。ただいまは私はこう考えております。とにかく今まで非常ないきさつがございましたことは事実でございます。しかし私といたしましては、問題を白紙に返すことにいたして研究を進めておる次第でございます。ことに燃料廠は規模も大きく、かつ各種の石油製品をほとんど網羅する生産設備を有するだけに、これを一挙に整理することはなかなか困難でありますので、適当な設備活用能力を有する企業主体に貸し付ける方針のもとに、将来の情勢をも考慮のもとに、できるだけ早期に必要な施設から活用する方針でやつて行きたいと存じます。
○山手委員 ただいまの大臣の御説明ではまだ明らかでないのでありますが、それはどういうことでありますか。現在は二つのグループによつて競願になつております。いわゆる貸し付けるということで、国有民営の線でおいでになるということでありましようが、どういうふうに具体的に貸し付けてやるというお考えでありますか、御説明を願います。
○岡野国務大臣 御説の通りに競願になつております。その競願の両方を一応白紙にもどしまして、そうして後段に申し上げましたように、適当な設備活用能力を有する企業主体にこれを貸付けてやつて行きたい。それにはもう少しその企業体主体を検討してみたい、こう考えております。
○山手委員 だんだんまた話がうしろへもどつて来たように思うのですが、大臣が大阪においてお話になりましたことは、新聞でも承つております。閣議においても話が出て、いろいろ話があつたように承つてもおるのでありますが、この際私は大臣がもつとはつきりされんことを望みます。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。今競願になつておりますのは御承知の通り二種類ございますが、そのすべてを白紙にもどしまして、それから今度は日本の国内においてこれが一番適当であるという一つの目標をきめまして、それに対して許可して行く。それにはその一つの分は入つておりますけれども、まだ十分検討いたしておりませんので、早期に検討いたして結論を出したいと考えております。
○山手委員 今の御説明によりますと、要はこういうことでありますか、結局日本の有力な精製会社全部をして合同出資の新会社をつくらせて、それを強力に国家が育成をしつつ四日市燃料廠を活用して行く、こういう基本的な方向なんでありますかどうか、その点について御説明を願います。
○岡野国務大臣 お答え申し上げます。御承知のようにあれは国有でございますが、国有のまま保持しておくということが一点。それからこれに政府がこういうことをしろとか、ああいうことにしろとかいうさしずをするわけじやございませんで、向うでこういうふうにしてもらいたいという申請が、われわれの考えおりますところの線に沿うているかどうか、今検討しつつあるのでございますから、その点におきましては政府が主導的に会社をつくらして、そうしてこれに強制でもありますまいが、貸し下げて、そうしてこういうことをして行け、こういうような方向でございませんで、民間でこういうふうに運営して行くために貸下げをしてくれぬかという申請に対して、われわれの目的に沿うものであるかどうかということを検討したい、こう考えております。
○山手委員 どうも大臣はこの席ではまた非常に慎重になつて来たように思うのでありますが、要はシェル、三菱グループに主としてやらす腹であるのか、あるいはそうでなしに全石油業界の総意による新会社設立の方に持つて行くつもりであるのかどうか、この点をはつきりされれば解決したことになるのであります。
○岡野国務大臣 これは先ほど申し上げました通りに両方とも白紙に返しまして、そうしてあらためて新しく検討するということでございますから、シエル、三菱に対しても許可しない、それからまた新会社に対しても、許可するかせぬかということに対して相当に検討する、こういうことでございます。
○山手委員 どうも個人的に私が大臣から承つたことと、この委員会の席ではちよつと違つておるように思いまするので、それを深くせんさくして申し上げることははばかりたいと思いますが、もつと端的に表明されて解決をされるのでなければ、今のような大臣の態度であるならば、前回の委員会で私が申し上げたように、現在すでに各精製会社が方々で製油施設の増強をはかつておる、国有財産の四日市燃料廠は国有財産であるがために、せつかくのあれだけの施設が毎日々々腐蝕して使いものにならないような状態になつておる、これは明らかに貴重な民族資本の二重投資になつておる。これを防がなければ、あれはとうとう最後には、石油会社がもう自分の方は一ぱいで日本の製油能力の過剰を来しておるんだから、あんなものはぶちこわしてしまえというような方向に持つて行く。それを防がなければいけない。だから大臣は断を下すとおつしやつておつた。ここでもつと明確なる態度を表明されなければ、この委員会としても見のがすわけにはいかない。もつとはつきりしてもらいたい。
○岡野国務大臣 お言葉を返すようでございますけれども、あれをどういうふうに使われるかということの最後の決定は、やはり通産省で相当研究をしなければなりませんし、それから閣議にもかけなければなりません。でございますから、両者とも白紙に返して何もないものにしておく。ただいま業者が七社ほど集まつて申請をしておりますが、しかしそれに対する決定をするかせぬかということは、ただいまこれをあなたの前で申し上げるわけに参りません。認可申請事項と申しますものは、相当な研究をいたしまして、初めて結論が出るわけでございますから、それを結論の出ませんうちに、私からこうするんだということをここで申し上げるわけには参らぬと思います。
○山手委員 これはもう約三年越しの問題であるし、しかもこの際やらなければ、もうやるチャンスはなくなるというふうな事態であつて、私は約一箇月前にもこの委員会で大臣には特に念を入れて警告を発しておつた問題でございます。先般来大臣から直接私が聞きましたこととこの委員会の答弁では、答弁の方が後退をしておるような状態であつて、それだけにまたこの問題の処理の困難さがあるのではなかろうかとも考えます。それではもう一度お伺いしますが、そういう問題を単に白紙に返して、もう一ぺん検討するとかいう政府の態度であるならば、どういう形で、いつこの問題のけりをつけるつもりか、もう一ぺんここではつきりした信念をお聞きしておきます。
○岡野国務大臣 いつという時期をすぐここに何月何日というわけには参りませんが、できるだけ早期にと先ほど申し上げました通りでございます。
○山手委員 できるだけ早期に解決をするということは小笠原大臣も言つておつた、そのうちにまた解散があつたからこれはできませんとか、あるいは組閣中ですからどうこうというふうなお話もありました。できるだけ早くやりますということは、私はもう五代の通産大臣から聞いておる、しかも今日のは私が先般大臣に伺つたときのお話とはまた後退をしたように思います。ただ単に漫然と抽象的にできるだけ早くやりますということであるならば、われわれもこれは考えなければいかぬと思います。私はもう一ぺん大臣にだめを押しておきますが、これはどういうことであつて、大体この程度のところにはこれは片づきますと、こうはつきりされたいと私は思う。
○岡野国務大臣 前大臣も早期ということを言つておりまして、私がまた早期ということを述べるのはいかぬ、こういうようなお考えかとも存じますが、御承知の通りに大臣がかわりますとやはりその意向もかわります。そこで私自身といたしましては、今日でやつと通産大臣就任一箇月日でございまして、あなたのいろいろの御意見もございましたので、早くこういうふうな決定に閣議をまとめたわけであります。これは非常に早くできたと私は思つております。この過去の情勢を推して私が早期にと申し上げますことを御信頼願いたいとこう存じます。
○山手委員 今の閣議でまとめたということはどういうことをおまとめになつたのか、お話を願います。
○岡野国務大臣 お答えを申し上げます、白紙に返すということであります。
○山手委員 それではそのように了承します。
○首藤委員 今の同僚の山手議員の質問に関連いたしましてお伺いいたしたいのでありますが、今大臣の説明を聞きますれば、一応白紙に返したということでありますから、結局シェル、三菱並びに三菱を除いた競願の形になつておる数社、これを打つて一丸とした場合には許可したいというふうな御意向ではないかとそんたくされるのですが、もしその協定ができないというようなことがあつたとした場合に、政府はこれをどういうふうにされるおつもりか、それをお聞きしておきたい。
○岡野国務大臣 お答え申し上げまするこれはやはり判断の問題でございまして、われわれといたしますならば、あれだけの大きな施設は何でできたかと申しますれば、やはり国民の納税によつてできた設備であります。この設備というものはやはり日本の国民が満足するような方向であれを経営されて行くということが、大分前の納税者にこたえるゆえんだと思いますから、その意味におきまして、ただいま競願になつております、そのために会社の形とかなんとかいうものが二つにわかれておりますけれども、もしこれが打つて一丸となればけつこうでありましよう、しかし打つて一丸となれなくてもそれで進んで行ける方向があれば、それにまかしてよいと思います。その辺のところがわれわれの信念であります。 〔「われわれは何度も同じことを聞いて来た、そんなことではもう解決しつこない、大臣は断を下すべきだ」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 ほかに御質問ございませんか。——なければこの際お諮りをいたします。遊休施設活用に関する小委員長より、小委員会において参考人より意見を聴取いたしたい旨の申出がありますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大西委員長 御異議なければさようとりはからいます。 本日はこの程度にいたし、次会は明日午後一時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十九分散会