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16回国会衆議院1953/08/05

懲罰委員会 第2号

発言数
123
登壇者
15
会派数
5
開催日
1953/08/05

会議録

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 会議を開きます。  昨日院議をもつて付託されました議員篠田弘作君懲罰事犯の件を議題といたします。まず、小林進君から、懲罰動議提出の理由について説明を求めることといたします。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 ちよつと議事進行について。提案理由は、何か刷つたものがあるのですか。それがなければ、小林君から提案理由の説明が終つた後に、さつそく速記録をつくつて見せていただかなければ、われわれは審議ができません。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 速記を始めてください。  小林進君。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 篠田弘作君の懲罰提訴の理由を御説明いたします。  七月三十一日、この国会において、政府の職員により大乱暴狼藉が行われ、国家の官物が破損棄却せられたるのみならず、その暴力行為により、無慮百名に近い国会議員が直接間接の被害を受け、直接には打撲傷、内出血等、医師の診断を受け治療を要する者のみでも六名の多きに達するという、まさに日本憲法制定以来まれに見る大不祥事件が勃発したことは、すでに諸君御承知の通りでありまして、この不祥事件につき、私は、まず第一に政府の責任をたださんとするものでありまするが、委員各位におきましても、十分提訴の理由を御納得願いたいのであります。  そもそもこの事件が日本国会史上まれに見る不祥事件であるという理由の第一は、まずこのことが政府の官吏によつて演ぜられたということであります。国会内においては、かような類似の暴力行為は決して前例なしとは言えぬのでありまするが、それはあくまで議員と議員との間で審議の最中において行われるを通例としたのに反し、このたびの事件は、農林省政務次官という政府の高級官吏が、予算委員会の議場という立法府内において行つた暴力行為である点、まつたく前例のない特異な事件でございます。  第二の特質は、およそ議場内における実力行使は、両者、交渉の過程において、だんだん激昂し、熱を帯び、ほとんど対等の熱狂裏に暴力に移行するのを通例とするのでありますが、このたびの暴力行為は、被害者はあくまで沈着冷静、(「ノーノー」)自席にすわつたまま同僚議員に忠告をした、篠田君に忠告をしたことに対し、━━━━━━━━━━━━━━━━━まつたく一方的暴力行為であるということであります。━━━━━━━━━━━━━━━━━ことも、またがつて例のない特異なる事件であります。  第三の特異な点は、(「まじめにやれ」と呼ぶ者あり)私はまじめであります。あとで殺人的な理由を説明いたします。第三の点は、こうした町のよた者みたいなチンピラ的行為━━━━━━━━━━━━━━━━━、その行為はあくまでもやくざとでも申し上げるのが適当な行動であります。そのやくざ的暴力行為を、彼が所属している政党すなわち━━━━━━━━━━━━━━━━━ということであります。すなわち、団体的暴力行為の色彩がはなはだ濃いということであつて破壊活動防止法に該当する犯罪行為の疑いもあるということを申し述べておきたいのであります。  以下私は、まず事実を客観的に申し述べて、次に責任論に至らんとするものであります。もちろん私は事実を終始傍観しておつたのでありまするが、努めて主観を避ける意味において、第三者の観戦記を証拠として申し述べることを、あらかじめ御了承願いたいのであります。  問題の発生は、正確に言つて昭和二十八年の七月三十一日午後二時二十分ころであります。日本の民主政治を逆転する歴史的暴力行為開始の幕が切つて落されたのであります。これを国民の公器たる朝日新聞の八月一日付朝刊をもつてまず説明をせしめるならば、次のごとくであります。すなわち「自由党篠田弘作氏(農林政務次官)が一見、酒気をおびたとみえる態度で予算委員会議場に現れ『軟禁状態にある尾崎委員長は小便にもいかせられないそうではないか』と憤慨した口ぶりをもらしたとき、開会を待機中の野党席から『小便にはちやんとゆかせたよ』『なんのために来たのだ』のヤジ。篠田氏はこれをにらみつけて『野党の百人や二百人はいつでも相手をしてやる』とやり返す。野党席爆笑。右社の春日一幸氏が自席から『よつぱらつてくるな。帰れ』のヤジを飛ばしたので、篠田氏はこれに対し猛然と足早に春日氏に近づくや組付き、毆りつけようとする。この間に野党議員と衛士が分け入りもみ合う中に篠田氏がセトモノの灰ザラをにぎつて春日氏を目がけて投げつける。」云々というのであります。なお、読売新聞はさらに具体的にこれを説明して、「会期延長のかけひきをめぐり尾崎委員長と打合せのため佐藤幹事長、益谷総務会長らと委員室に登場した篠田代議士、まず野党席に向つて開口一番『委員長のシヨウベンをブツかけるぞ』と勇ましくミエをきり、」——これはまことに恐るべきことであります。かつてこの国会には━━━━━━━━━━━━━━━━━  問題の発生は、正確に言つて昭和二十八年の七月三十一日午後二時二十分ころであります。日本の民主政治を逆転する歴史的暴力行為開始の幕が切つて落されたのであります。これを国民の公器たる朝日新聞の八月一日付朝刊をもつてまず説明をせしめるならば、次のごとくであります。すなわち「自由党篠田弘作氏(農林政務次官)が一見、酒気をおびたとみえる態度で予算委員会議場に現れ『軟禁状態にある尾崎委員長は小便にもいかせられないそうではないか』と憤慨した口ぶりをもらしたとき、開会を待機中の野党席から『小便にはちやんとゆかせたよ』『なんのために来たのだ』のヤジ。篠田氏はこれをにらみつけて『野党の百人や二百人はいつでも相手をしてやる』とやり返す。野党席爆笑。右社の春日一幸氏が自席から『よつぱらつてくるな。帰れ』のヤジを飛ばしたので、篠田氏はこれに対し猛然と足早に春日氏に近づくや組付き、毆りつけようとする。この間に野党議員と衛士が分け入りもみ合う中に篠田氏がセトモノの灰ザラをにぎつて春日氏を目がけて投げつける。」云々というのであります。なお、読売新聞はさらに具体的にこれを説明して、「会期延長のかけひきをめぐり尾崎委員長と打合せのため佐藤幹事長、益谷総務会長らと委員室に登場した篠田代議士、まず野党席に向つて開口一番『委員長のシヨウベンをブツかけるぞ』と勇ましくミエをきり、」——これはまことに恐るべきことであります。かつてこの国会には━━━━うような恐るべき代議士がこの国会に現われていることは、まさに末世の観を呈するのでありますが、それはそれといたしまして、読売新聞の記事はさらに続いているのであります。     〔「まじめにやれ」「厳粛にやれ「まず聞け」と呼び、その他発言する者多し〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 私語を禁じます。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 読売新聞は「続いて『野党のヘナチヨコどもの二、三十人ならいつでも相手になつてやる』と胸をたたいた。『委員会で暴言をはくとはなにごとだ』と野党席が応酬したとたん、まず春日一幸氏めざして敵陣に猛進。とつさにわきにあつた灰ザラをふりかざして当るを幸いなぐりつけ、あげくのはては灰ザラをなげ、水さしを投げるなど、どつと押しよせた野党委員諸氏をあいてにししふんじんの大活躍。とめに入つた衛視の頭までコツン。」云々というのであります。時事新報は「この乱闘により水さし、コップはコナゴナに割れ、机は倒れ、イスは散乱した」と書いて、篠田君の恐るべき大乱闘の被害を説明しておるのであります。その他各紙とも大同小異の記事を載せておるのでありましてこれはことごとく事実であることは、だれでも否定できぬことであります。春日君は自分の席にすわつておつて、よつぱらつて来るな、帰れと、同僚の議員にあたたかき忠告を与えておるのでありまして、これも新聞紙の報ずる通りであります。これは実にりつばな態度であると言わなければなりません。これに対して、篠田君は、猛烈と足早に飛びかかつて、これをける、なぐる。野党諸君がこれをとめれば、今度は瀬戸物の灰ざらと水さしを交互に持つて投げつけるというのでございまして、まさに生命にも及ぶ大暴力行為、大乱闘を繰返しているのであります。  私は、瀬戸物の灰ざらというものについて一言所見を述べたいのでありますが、瀬戸物の灰ざらはりつぱな凶器であります。人間の生命を奪うに足る恐るべき凶器であります。篠田君が私は殺人未遂の現行犯として拉致されないのが、むしろふしぎでたまらないくらいであるのでありまして、瀬戸物の灰ざらが殺人の凶器であるかいなかは、昨今頻繁に行われている自動車強盗、自動車の殺人などというものをごらんくださればよくわかるのであります。かの自動車の中における殺人強盗の大方は、ポケツトの中に忍ばせておるのがこぶし大の石塊であります。単なる石ころである。その石ころをもつて運転手をなぐつて、これを殺傷に至らしめて、殺人目的を果しておるのでありまして、彼我を比較してみますならば、こぶし大の石ころの凶器にまさるこの瀬戸物の灰ざらというものは、まさに数倍の偉力を持つておるのでありまして、これも、使いようによつては必ず殺人の凶器となることは確かであると思うのであります。事実彼のこの恐るべき犯罪行為によつて、多数の被害者が生じておるのでありまして、医者の診断書をとつた被害者だけでも実に六名の多きに達しておるのであります。すなわち、院内医務室診断により、春日一幸君は胸と背中とあごに全治二週間という打撲傷を受けておるのであります。中村時雄君は右腕の切り傷であります。長正路君は左手二箇所打撲傷であります。伊藤卯四郎君は右の親指の脱臼であります。中澤茂一君は頸部の打撲であります。甲斐政治君は肩と胸に三箇所の打撲傷という多数の傷害を受けておるのであります。以上それぞれの軽重傷を帯びておるのでありまして、なおこれ以外間接の被害者はまさに数十人に達しておるのでありまして、現に私の同僚でありまする松平忠久君のごとき、あの篠田君の恐るべき形相を見て、まさに心臓が破裂せんとした、そのために爾後心臓病の併発を見るに至つたということを言つておるのであります。特に最も被害の大きかつた春日一幸君のごときは、まさにわが党の代議士会において証人としていわくであります。私は事実生命の危険を直感いたしました。こういうことを、春日君は、代議士会において発言を求めて、証言をしておるのであります。━━━━━━━━━━━━━━━━━。  以上、私は事実を率直に申し述べて参りました。私自身の主観を注入することを避けて、あくまで冷静客観的に論ずるために、各新聞紙の記事を借用いたして参つたのでありまするが、世人のこれに対する反響は予想以上に大きいのでありまして、もしこれを放任しておくにおいては、内閣並びに国会に対する国民の期待はまつたく失われ、国会否認と独裁主義的な暴力思想はほうはいとして国をおおうであろうことは、火を見るよりも明らかなる事実であります。現に私がこの問題について懲罰の提訴を提案せんとすることが明らかになりましたときに、私の親近者より厳重な反対を受けたのであります。篠田代議士は北海道四区選出、当選三回、五十三歳、初め広川派、後緒方派となるかつて朝日新聞社勤務時代に、当時の社会部長であつた鈴木文史朗氏の横つつらをはつたことも、嚇嚇たる武勇伝の一つとして有名という読売新聞の記事を私に示しまして、暴力の前科者である、今度三回目にあなたがやられたらどうする、そんな危険な人とかかわり合いを持つことはどうかやめてもらいたいというのであります。━━━━━━━━━━━━━━━━━というがごとき、こういうような忠告を院の外から行う者があるというがごとき、世人に対する影響は予想外に甚大であるということの一端を、私はお話申し上げたのであります。  どうか賢明なる委員諸君におかせられましては、この世人に与える反響の甚大なる点をどうか十分御考慮賜わりまして公正なる御審議の上に、どうか世人の納得する結論をお出しくださることをお願いするのであります。——特に私は、最後に委員各位に申し上げたいことは、第一に、篠田君は現農林政務次官であるということであります。すなわち、政府の最高官吏である政府の役人が、神聖なる立法府の議場において暴力を振い、実に六人に及ぶ多数議員に傷害を与えたる事実に対し、一体いかなる責任を政府はとらんとしているかという、政府の責任をあわせて御糾弾賜われば、まことに幸甚と存ずる次第であります。  以上、私は提案理由をごく簡単に申し述べました。公正なる御判断を重ねてお願い申し上げて私の説明を終りといたします。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 今の発言を聞いておりますと、たいへん重大な発言がございます。第一は、事実を述べないでほとんど感情論、言うてみれば情状重しという議論に終始しております。さらに、驚いたことは、殺人の凶器をもつてやつたと言われるが、殺人犯として懲罰要求をしておられるのでないかという疑問を持たれます。これらはまことに重大なことでありますから、われわれは十分速記録を拝見いたしまして提案者に対して十分なる質問をしてからでなかつたら、提案理由は納得できませんから、本日はこのままにして、まず速記録を急いで各委員に配付せられんことを要求いたします。

高橋英吉自由党

○高橋(英)委員 今小林君の提案者の説明の中に、何か運営委員会で━━━━━━━━━━━━━━━━というふうなことに聞えるような節があつたようです。これも速記録をはつきり見まして、はたしてそういう事実があつて、われわれ自由党は━━━━━━━━━━━━━━━━━おるのか、これをひとつ検討してみたいと思います。私も鍛冶君の動議に賛成いたします。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 今の動議に反対であります。たとえばここにその本人の政務次官も来ていらつしやるし、一身上の弁明もあるだろうと思うのであります。貴重なる時間をそういうふうに空費することなくして、やはり時間を適切に利用していただきたい、私はこのように思います。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 もう一言、われわれは、提案者の提案の理由が納得できない限りは、この審理は進められません。これは、たとい本人が言われても、われわれの納得せざる限りには困りますから、そうしてこれは特に前例のあることでありまして、このたびだけは前例を破つたことで、ほんとうに私はかような取調べ方がいいか悪いかをはつきりしてみたかつたのでありますが、委員長にそういうふうなことを言つてもしようがないから、黙つておつたのです。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それは確かに一理あると思うのですけれども、提案理由の説明は提案理由の説明として、ここに本人もいらつしやるのです。一応趣旨の弁明もあると思うのです。その面はその面として取上げて、私は議事の進行をはかつていただきたい。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 ただいまの点について、小林委員の御説明に対して、自由党の方から、ただいまの小林委員の説明は事実を述べない、感情論であるという御指摘があつたのでございますけれども、その点は、提案理由について私どもは審議をするのでございますから、審議の経過において、はたして事実であつたのか、小林君の感情であるのかということが、おのずから明らかになろうかと思うのであります。従つてやはり、この限られた期間中における重大なる懲罰の問題は、審議をしてもらわなければ困る、単にこれを速記ができ上つてから云々というようなことでは、私は納得できません。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 大体対立したような状態でありますが、今の小林さんの発言は、はなはだ私は重大だと思います。従つて、審議につきましては別といたしまして、理事会において、小林さんの発言は、速記はすぐできるわけですから、速記の印刷を待つというわけではないのですから、下で速記を翻訳したところですぐ速記はできるわけですから、しかも今の小林さんの発言の中で、殺人であるというようなことは、これは重大な問題であつて、議員の一身上に関する問題でありますので、理事会を開いて、ただちにこれに対する対策を講じて行かれることがどうか。しかし、とにかくここヘ篠田君も来ておられることですから、何とか理事会で円満に話をつけて、議事は議事として進行しながら、そうして今の小林君の発言を、速記はすぐできまずから、その速記に基いて慎重に審議をして、そうして円満裏に本委員会が運営できるように、ひとつ委員長においておとりはからいを願いたいと思うのであります。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 先ほどから、私の提案に対し、いろいろ与党の諸君の発言があるようでありますが、その中で、私の説明が特に感情的であるということは、とうてい私の了承し得ないところでありまして、おそらく、私の提案に対し、そういうような反駁があることをあらかじめ予想いたしましたから、私は、主観を別にして、各新聞社の記事をもつて私の提案にかえるということで、各新聞社の記事をそのまま申し上げたのでありまして……。     〔「殺人の凶器と言つているじやないか」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 御静粛に願います。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 その点はひとつよく御了承願いたいと思うのであります。委員長に特に申し上げたいことは、会期も迫つておりますので、こういうところで与党諸君の━━を……。     〔「━━とは何だ、取消せ」と呼び、その他発言する者、離席する者多く議場騒然、聴取不能〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 静粛に願います。御着席願います。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 どうか国会の権威のために、私の説明は即時ひとつ審議せられるようにおとりはからいを願いたいと思います。     〔「━━とは何だ、取消せ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 お静かに願います。  ただいま小林君の御発言の中に、不穏当と認められる言辞がありましたが、これはこの際お取消しを願います。

小林進日本社会党(右)

○小林進君 委員長のお言葉でありますので、不穏当な言葉は取消したいと思います。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 ただいまの小林君の提案理由につきまして、その言辞の中にいろいろと深刻なものがあるから速記を見てということをおつしやられたのでありますが、提案理由についてこれをただすベき時間があれば、これをただすべき用意もありましよう。しかし、そういうことはあえて速記を見なくても、また速記をごらんになるというならば、一回で終るわけではないのですから、あとでごらんになつて、その速記をさらに十分検討されることもけつこうだと思います。従いまして、審議は続けてすみやかに行われることを私は希望するものであります。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 お諮りいたします。この際篠田弘作君の御出席を求めまして、その趣旨弁明を聞きたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 速記はいらぬと言われるが、速記を見て審議するのが前例なんです。こんなことは前例を破つておることですから、ほんとうはやれぬのです。だから、この際速記を見てやるというのに何でお聞きにならないか。前例のないことをやつてはいけませんよ。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 資料の要求があれば、私の方でとりはからいます。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 提案理由に対してわれわれは質問したいのだ。重大なる要求だから、午後までにこしらえてもらえばよい。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 鍛冶君のは、それまで休憩ということですか。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 そうです。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 篠田君の御出席を願いまして趣旨弁明を求めることについては、その手続が完了すれば御異議はないようであります。しかし、昨日理事会でお約束いたしておりました時間を考えますと、もう篠田君が十分陳述をせられることができないかとも存じます。それで午後三時まで休憩いたします。さよう御了承願います。  休憩いたします。     午前十一時五分休憩      ————◇—————     午後三時三十二分開議

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  皆さんに特に一言お願いいたしたいことは、会期も御承知の通り明日、明後日の二日に切迫いたしておるわけであります。懲罰事件といたしましては三件取上げられておりますので、どうかそのおつもりで時間をむだにせないようにひとつ御審議をお願いいたしたいと思います。  本人の篠田弘作君が御出席されましたので、この際一身上の弁明を許したいと存じます。篠田弘作君。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 一身上の弁明をいたします前に、私が、国会議員といたしまして、去る三十一日予算委員会の休憩中に行いました行動は、その理由と動機のいかんを問わず、国民を代表する国会議員といたしまして、また言論の府である国会において行つた行動といたしまして、まことにふさわしからざるものであるということをみずから知つておりますので、その結果といたしまして、同僚国会議員各位に御迷惑をおかけしましたことは、この席上を借りまして深くおわびしたいと思います。(拍手)  従つて一身上の弁明と申しましても、私がこれから申し上げることは、自分の行動を正義化したり、あるいは自分の相手方となつた同僚議員の悪口を言つたり、そういうようなことをしようという意思は一つもありません。同僚議員に対する自分の感じ方は、一時のはずみであつて、たとえば頭をけつた議員があつたとしても、その人が私を憎んでやつたのではなくて時の勢いによつてそういう結果を生じたのでありまして、その議員に対しましても、今日におきましては、何らの悪感情も持つておりません。むしろさつぱりした感情を持つておると申し上げたいと思います。  しかしながら、たいへん事実と異なつた点が世間的に流布されておるのであります。先ほど小林君の趣旨弁明の中にも、私が非常に酔つぱらつて、何か森の石松のようななぐり込みでもかけて、そうして乱闘になつたというような興味本位な、落語的な取扱い方をされるということは、たとい私の行動が悪かつたにいたしましても、私としては非常に不満を禁じ得ないのであります。私が酒を飲む男であるかないかということは、私と何十年間つき合つている人、あるいは選挙区の私の身近な人、私の友人、すべてが知つておることであります。私は宴会が非常にきらいでありまして、誘われた場合でも、やむを得ざるもの以外にはほとんど行つたことはありません。そういう場合も、酒なれば大体小さなさかづきに四、五はい、また非常にはげしい運動をした後などは、コップにビールの二はいくらいは飲むことがありますけれども、しかし、酒に酔つてくだを巻いたとか、酒に酔つて乱闘した、そういうようなことは生れて一度もありません。ただ、しらふでやつたことがいいか、酒に酔つてやつたことがいいかということは、問題がおのずから別であります。しかしながら、とにかく私は二十二歳で初めて酒というものを口にしましたが、以来三十五年間、晩酌をやつたり、ひとりで酒を飲んだことは一つもありません。私の最もきらいなのは、しらふでものを言えないくせに、酒を飲むと、急に偉くなつたり、乱暴をしたり、議論をふつかけたり、人の肩にぶつかつて臭い息をかけたり、そういう人間を私は一番きらつておるのであります。従つて私は、酒に酔つて男がふだん言えないことを言つたり、ふだんやれないことを酒の勢いを借りる、そういう卑怯なことを私はいたしません。  私がなぜ予算委員会に出かけて行つたか、その動機について一応御説明いたします。ちようどそのとき、私は、院内三階の行政監察委員長室におきまして、北海道代議士会を開いておりました。すなわち、閉会後の北海道遊説計画について、八名の北海道の代議士がその部屋に集まつて、計画をつくつておつたのであります。それから、それが終りましてから、来るべき北海道支部の八月の大会において、だれを支部長にするかというようなことをきめておりました。従つて私は、そういう騒動とか、そういうこととは全然無関係な立場をとつておつたのであります。それが終りましてから、同じ北海道選出の代議士であるところの川村善八郎君から、予算委員会の模様の説明がありました。そうして、委員長は軟禁され、小便に行きたいと言つてもなかなかやつてくれない。しかも手は、何というのか、ひようそというような病気で肩からつつておるのに、野党の諸君が乱暴をして、耳を、はずみであつたかどうか知りませんが、打ちまして、あとで聞きましたところが、医者は中耳炎になるのじやないかというような診断をしたそうでありますが、そういうような状態であつた。実にけしからぬ、それ以来すでにもう野党の諸君が同君を抱いて便所につれて行つた。その看視付で行くということは、明らかに国会議員に対する自由の束縛である。そういうこともけしからぬけれども、しかし、それ以上、三時間も軟禁の状態に置かれて、それ以来便所にも行つていない。非常にけしからぬということを、川村善八郎君から報告がありました。私は、そのとき、終戦直後私の選挙区である美唄炭鉱における人民裁判の事件を連想したのであります。人民裁判というものは、共産党の諸君が、賃金の値上げをする場合に、その所長であるとかあるいは重役であるとかいう人たちを団体でもつてつるし上げをしまして、一晩も二晩も、かわりばんこにこれを眠らせなかつた。これは遂に刑事事件になりましたけれども、そういつたような団体の力を借りて、集団的暴力、言いかえれば個人の自由を束縛して、しかも、正面からそれをたたくとか、なぐるとか、けるとかいうような陽性のものでなくて、眠らせない、小便をさせないといつたような、そういう陰性な集団的暴力というものに対して、日ごろ私は非常にこれを排斥しておるのであります。従つて、私が川村君からその報告を受けましたときに、いわゆる人民裁判の模様を私は自分の頭に浮べたのであります。そこで私は、これは捨ててはおけないというので、実は救出のために上つて行つたわけであります。  こういう問題が国会において行われた、これは野党と与党の政治上のかけひきである、何らそういう人民裁判のようなものではないというような抗弁は、おそらくあるかと思いますが、逆に、われわれが国会議員の立場といたしまして、これが検察庁あるいは警察の取調べにおいて、そういうことがもし起つたとしたならば、国会としてそれを放置しておくことができるかどうか。検察官や警察官が、犯人の取調ベにあたつて、犯人が小便をしたいというのにさせないというような事件がかりに起つたとしたならば、明らかにこれは拷問であり、人権蹂躪であろうと思うのであります。私自身のやつた行為を今日私は正当化そうとは思いません。しかしながら、集団の力によつて、あたかも合理的なように、陰に隠れて、かくのごとき人権蹂躪が、国会の中において、白昼堂々と行われるということに対しましては、私も、国会議員の一人として、また正義感に燃える者の一人として、これを放擲することはできないのであります。いわんや、その被害者が自分の同僚であるという点におきまして、私は義憤を感じたわけであります。そこで、そこにおりました田中元君に、行つてみようじやないかということで、二人で上つて行つたわけであります。なぐり込みという、そういう非常識なことは、国会議員、少くも知識のある者のやるべきことではもちろんありません。私もなぐり込みをやろうと思うならば、いくら自分が腕に自信があるといつても、単身で数十名の野党の中に行くはずはないのであります。従つて私は、静かに尾崎君を救出しようという考え方で行つたのであります。  そこで、委員会に参りましたところが、すでに与党の議員は全部退場いたしておりまして、野党の議員は全部出席をいたしておりました。尾崎君は手をつりまして委員長席にすわつておつた。私は、そのときの模様を見まして、非常に憤慨したのであります。その憤慨は必ずしもはつきりとした形ではありませんが、病人の尾崎君をそういうふうにして、平然として野党の諸君が、早く開会しろ、早く開会しろと言つてやじつておる姿に対して、非常におもしろくなく思つた。そこで、野党席に向いまして、私は、幾らはげしい政争をやるにしても、小便くらいやつたらどうかということを申しました。そのときに、諸君は、小便にやつたじやないかということを言いました。腕をつかまえて行くなどということは人権蹂躪じやないかと言いましたところが、諸君はそのときみんなでわあつと笑いました。それは、私には、あたかも私を潮笑するかのごとく聞えたのであります。そこで私は、先ほど来憤慨をいたしておりましたから、尾崎君に向つて、もし小便にやつてくれないならば、そのつくえの上の水のみを指さしまして、その中にしたらいいじやないか、それでこいつらにぶつかけてやれということを私が言つた。その言つた言葉は、今から考えてみて確かに適当でないということははつきりしております。(笑声)しかし、それは売り言葉に買い言葉であつて、そのときの、いわゆる現場の雰囲気というものがそういう言葉を吐かしたのであります。もちろん今後はそういう言葉は慎もうと思いますけれども、そう申しましたところが、野党席から、小便をかけるとは何事であるかと言つて、今度は私の言葉じりをつかまえて、みんなが卓をたたいて私をやじつたのであります。そこで私は、その姿が、ちようど尾崎君に対して集団的な圧力を加えて、尾崎君を軟禁しておるありさまと同様なありさまを感じました。私が、お前らの十人や二十人に驚くんじやないんだぞとそのときに発言したことは、先ほど小林君が趣旨弁明において言われたように、何もそこらのごろつきやチンピラが、お前たちの十人や二十人こわくはないのだから、かかつて来い、という意味ではありません。私の言つた意味は、お前らのようなそういう集団的な暴力でもつておれをおどかしたからといつて、そんな集団の圧力に驚くんじやないんだぞ、十人や二十人の圧力に驚くんじやないということを言わんとしたのでありますけれども、その際にお互いに興奮しておりましたから、十分にその意を尽すことができなかつたと思うのであります。とにかくそういうような考え方で、私も、あとで考えれば、もちろん不適当な言葉をたくさん吐いたと思います。そこで私は、お前らの十人や二十人驚くんじやないぞと言つて、また向うもやじつているときに、ちようど自由党の益谷君と佐藤君と小澤君と三人の幹部が入つて来ました。そうして尾崎委員長のところで何か話をしたのであります。私も、そこにはおりましたけれども、声が低くて十分に聞き取れなかつた。そこで私は、この三君の話が終るのを待つて尾崎君を場外につれ出そうと思つて立つておりました。この間、私がその委員会に入りましてかち、およそ十分か十五分くらいの間であろうと私は考えるのであります。  ところが、そのとき春日君が、向うから「酔つぱらい帰れ」ということを言つたのであります。先ほど申しますように、私が一番きらいなのは酔つぱらいであります。その一番きらいなものに私が擬せられたのでありますから、私は非常に憤慨した。同時に春日君と私とは赤坂の福吉町の同じ宿舎におります。朝晩顔を合せている。ときにはお互いの部屋に遊びに行つております。党派は違いますけれども、個人的な友情というものはまたおのずから違うのであります。そこで私は、そういうふうにふだん仲よくしている春日君からどなられたので、私も憤慨した。「いつ酒を飲んだ。」「飲んでいるじやないか。」飲んでいない証拠を見せようと思つて、私はそばに行こうと思つた。けれども、私はふだんから勢いがいいもんだから、向うはなぐりに来たと思つて構えて来た。そこでどつちが先に手を出したか、瞬間のできごとでありますから、私が春日君を一つなぐつたということは私も認めております。これははつきりしている。春日君からもなぐられました。しかし、それは何秒の何分の一——水泳の記録ではないけれども、非常に瞬間的なできごとであつて、どつちが先に手を出したかということは、おそらく映画のフイルムでも見なければ私はわからないと思う。そうしているときに、春日君のうしろの方から私に灰ざらが一つ飛んで来た。そこで私は、そこにあつた灰ざらを持つてこれを投げつけました。しかし灰ざらで人をたたいたなどという事実は一つもございません。また水さしを持つたと同時にやつたという新聞もありますけれども、私と委員長の席とは、そのとき皆さん方実測されればわかるように、五メートルや六メートル離れておる。私の手がいくら長くても、片つ方で議席にある灰ざらを投げて、片つ方で五メートル先の水のみを投げるというような芸当は私にはできない。私は、よくはわからないけれども、そのときはもうすでに前後左右から取巻かれて委員長席に飛び上つた同僚議員から頭をけられておりますから、そのときの状態ははつきりわからないけれども、あれはおそらく混乱によつてだれか机の上からころがり落したか、あるいは机がひつくり返つて落ちたかわかりませんけれども、とにかくそういうようなことで、私は水のみはこわれただろうと思います。灰ざらは確かに私は一つ投げております。  そういうような状態でありまして、私はいすにひつかかつてころびました。そうすると、皆でもつて私を踏んづけた。私も子供ではありませんから、そのまましておるということがいかに危険であるか、生命の危険を私こそ感じた。数十人の議員に背中、頭を踏まれて、生命の危険を感じないものがあるわけはありません。そこで私はとつさにひつかかつてころんだ。いすの中に頭をつつ込んで、しばらく形勢を観望しておつた。(笑声)そのときに守衛が来まして私を助け出してくれた。そのときにちようどそばにおられた社会党右派の中村君も私をひつぱり出してくれた。そういうことで事件は終りました。  そこで、私はすぐ医務室へ行つて診断を受けました。そのあとから、社会党の十人ばかりの諸君も受けに来たそうであります。そのときに医者はこういうふうに申しました。社会党とは言いませんでしたが、十人ばかりの議員の方から診断書を書けと言われている。しかるに、見るところではあなたも相当けがをしておられるから、一番先に見たあなたの診断書を書かない限りは、ほかの診断書もちよつと書けない。そこで、ほかの診断書を書くとすれば、あなたの診断書も書かなければならないが、診断書をあなたはおいりになりますか、医者からこういう顧問がありました。そこで私は、いや診断書はいりません、私らはただ、国会の中において、はずみでそういうことをしたのであつて、診断書をもらつて、犬がなめればなおるような傷を、二週間とか三週間とか全部診断書をもらつて、外部に宣伝するような意思は毛頭ありませんから、また死ぬようなことがあつたら診断書をいただきます、そうでない限りは、診断書はいりませんと言つて断つた。そこで医者は、それならばあなたの診断書を書かないかわりに、ほかの人の診断書も書きませんと言つた。ところが、先ほどの趣旨弁明によると、私の診断書はもらつておらないにもかかわらず、私よりずつと傷の浅い諸君の診断書が出ておる。しかも傷を受けた者が六人も七人もおる。これは私は非常にふかしぎである。あとでもつて、そのとき田中元君の話によると、ぼくが守衛につれ出されたあとで、まだなぐり合いをしておつた。それで田中元君は、篠田君はもうおりませんよと言つたら、みんながああそうかと言つて、びつくりしてやめたと言つておる。それほどみんなが夢中で、混乱をして、なぐり合いをしておつた。堀部安兵衛が高田の馬場で三十六人切りをして刀を持つて剣術の修行をしておつたが、私は、げんこつでもつてただ一人、数十人の人に囲まれて、六人も七人もなぐり飛ばした。私の顔を見ただけで気絶しかかつたという社会党の議員もあるそうですが、よほど気の小さな議員もあるものだ。そうなつたら、私はよほど豪傑だか何だかわからないことになつてしまう。そういうみつともないことをお互いに言いつこすることは、私はやめたいと思う。とにかく私は、いすの中へ頭をつつ込んでおつたおかげで、手にちよつとは傷を受けましたけれども、これは犬になめさせればたおるほどの傷であります。一番重いのは、社会党のある代議士に踏まれた背中の傷で、これは今日もまだ痛い。これが日ごろひよわな人であつたならば肋膜を起したであろうが、とにかく今日それほど大きな傷を受けた人は一人もおりません。それを、いかにも大げさに言つてまつたく殺人的であるというような言葉を使うということは、それみずからが、院内のあるいは国会の品位を傷つけるものであると私は考えるのであります。ちようどああいうような騒動というものはキヤツチ・ボールと同じだ。いくらこつちからたまを投げてやつても、受ける者がなければキヤツチ・ボールはできない。混乱とか騒動とか乱闘というものは、相手があつて始めてできるものであつて、私一人でできるものではありません。そういうことは、皆様方お互いに冷静にお考え願いたいと思う。  それから、私は政務次官である。政務次官であるからけしからぬとおつしやる。これこそ私は民主主義を冒涜するもはなはだしい言葉であると思う。国会議員であるからけしからぬとおつしやるなら、私もうなずけます。いわゆる憲法に保障された国権の最高の地位にある国会議員が、そういうことをやつたのはけしからぬ。政務次官なんというのは、そのときどきの政府の都合によつてなるものであつて、国会議員という重大なる、憲法によつて保障された立場から言うならば、そういうものはプラスでもマイナスでもないと私は考えております。しかも私が、自分の所管の農林委員会あるいは水産委員会等において、野党の諸君と質疑応答の間において乱暴をしたというたらば、私は確かに諸君の非難に値すると思う。しかし私は一代議士である。しかも私は、自由党員として、自由党側に立つて、自由党から出しておる尾崎君を救出に行つたのであるから、しかもそれは休憩中の予算委員会です。それに何も政務次官をひつぱり出して、いかにも官尊民卑の思想が流れておつて、私はこの趣旨弁明に対してきわめて不愉快に感ずる次第であります。しかしながら、私がやつたことは、先ほども申しました通り、国会議員として申訳ないと思つております。従つて、今後十分に、こういう過失を犯さないように、みずから反省をして注意をしたいと思つております。  以上をもちまして、私の趣旨弁明を終ります。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 今御本人から趣旨弁明がありましたが、なお補足的に皆さんからお尋ねになるようなことがありましたら……。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 さつきも申しましたように、趣旨弁明に対して質問がありますし……。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 しばらく待つてください。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 篠田さんに対しても質問したいと思います。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 それは速記を見てからにして、その間に御質疑がありましたら……。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 まず速記録を見たいと思います。こまかくお聞きしたいことがたくさんあります。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 篠田さんに一言お尋ねしたい。篠田さんは、生命に危険はない、あるいは非常に簡単に、手傷そのものはない、事実、現象に現われた面は、その通り、実際に手傷を負つておる者も大したことはない、その通りであります。ところが、あなたが投げられた灰ざらは、一体どこへ飛んだか、あなたは御承知でいらつしやいますか、それを一言お尋ねしたい。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 あなたのそばをかすつて、うしろの壁に当つたと思います。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 私はほかの件で話をしておつたのですが、まともにあれが当つた場合、打ちどころによりましたら、かなりな、ほんとうに危険な状態が起り得るとも考えられる、そういうふうに私はとつておる。(「先ヘ飛んで来たんじやないか」と呼ぶ者あり)違いますよ。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 あなたに対して、申訳ないことをいたしました。しかしながら、灰ざらは春日君のうしろの席から先に飛んで来たのであります。そこで私は、そばにあつた灰ざらをつかんで投げた。それがたまたまあなたのそばをかすつたというのであつて、これはおそらく瞬間のできごとであるから、あなたはおわかりにならなかつたかもしれない。  そこで、もし当つたらどうするかという問題でありますが、それならば、ぼくが頭を踏みつけられたときに、僕が死んだらどうするかという問題が起るのであつて、そういうことは水かけ論であると思う。しかし、あなたに対して申訳ないことをしたということは、深くおわびをいたしておきます。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 関連で……。どうも現場を見てない私たちは、今の話を伺つて、しかもこちらの中村君の話も伺つておりまして、非常に困難に思うのですが、最初に灰ざらを投げたと言われるが、その点について、一体現場におられてしつかりと見ておつた人がおつたでしようか。いるならば、さらにその人を参考人に加えたいと思います。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 篠田さんにもう一つお尋ねしたいのですが、投げた投げぬというよりも、あなたは、一つ投げられたのですね。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 それはその通りです。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 私は冷静に一部始終を見ておつたつもりです。投げたあとで、写真によると、あなたがもう一つ灰ざらを振り上げておる。これとは別な灰ざらなのですか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 投げようとしておるところをとられた写真です。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 最初に投げられた灰ざらは私は持つております。こわれて私のうしろでぶつかつたのですから……。あなたがあの写真にとられたのは、もう一つの別の灰ざらなのですか。それは認められますか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 灰ざらは一つきり投げません。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 投げた投げぬの問題じやなく……。(「映画を見よう」と呼ぶ者あり)それはよくわかつておる。その投げた投げぬの問題じやなくして、あの写真は委員長の席から左側に向つてあなたが投げられたときにはこちらに来る。そこで問題は、二つの灰ざらが出て来た。というのは、投げた投げぬは別として、写真に出ておる、つかんで振り上げておる灰ざらというものは、別の灰ざらであるということを御確認なさるかということなのです。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 中村君にお答えしますが、こうなれば灰ざらは一つ投げても二つ投げても同じです。そこで、ぼくは、二つ投げておきながら、一つしか投げぬということは申しません。灰ざらというものは、ぼくは一つしか投げません。そんな余裕がありません。前後左右から全部かかつて来たのですから……。そこで何か映画でもあつたらひとつあれしてみましよう。あなたの思い違いでしよう。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 篠田さんに伺いますが、この問題は大事でございますので、冷静に、やはり提案者に対しても、それから当の篠田さんに対しても御質問申し上げたいと私は思うのです。篠田さんもひとつ冷静に御答弁をお願いしたいと思うのです。実は、当日の予算委員会の休憩にあたりまして、私は現場におつたのであります。たまたま福田昌子委員のかわりとして、予算委員として出ておつたのであります。従つて私は、終始冷静な立場で当日のことを見ておつたのでございますが、灰ざらがあなたに飛んで来て、そうしてあなたが投げられたとおつしやいますけれども、私あなたに飛んで行つた灰ざらをこの目で見ていない。従つて、これは興奮されたあなたの錯覚ではないかと思うのですが、この点いかがでございましようか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 あなた方は非常に冷静冷静とおつしやいますけれども、あなた方が冷静な態度でもつて委員長を小便にやらなかつたとするならば、最も冷酷なる人種と言わざるを得ないと私は考える。あなた方自身が興奮しておつたからこそ、常識では考えられないような、委員長が小便に行きたいというようなときに、人をつけてやつたり、そういう人間の自由を束縛するようなことをやつておつたので、あの場の空気というものは、全部が冷静であると考えておつても、絶対に冷静ではやり得ないことをみんながやつておつた。だからあなただけが冷静だつたとおつしやるならば、ぼくも冷静だつたと言わざるを得ない。そういう意味合いにおきまして、あなた自身はどういう立場をおとりになつたかわかりません。しかし、野党の諸君の一人として、同時に共同作戦をあなた方がおとりになつておつたとするならば、委員長に対するところのあなた方の小便にやらなかつたというような、あるいは軟禁をしておるというような行為は、あなた方はまつたく同罪と言わざるを得ないと私は思う。そういう場合において、私に対してあなた方がいろいろな批判を加えられるということは、私は必ずしもそれを正当だと受取ることはできない。もし、しいてこの証人を求めんとするならば、私とともについて行つた田中元君が終始それを見ておつた。その証人以外には、あなた方には見えなかつた。——それじや、ぼくが大勢の二、三十人の下に踏んづけられておつたのを、あなた方が自席から見えましたか。大勢の中に立つて、そうして私が踏んづけられておつた。それをあなた方が見えなかつたからといつて、私がふんづけられた事実がないということが言えますか。見えなかつたからといつて事実がないということは言えない。それだけ御答弁すれば十分である。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 実は灰ざらをどちらが先に投げたかということは、自由党つまり与党の方は少かつたのですけれども、単に与党の人が見ておつたとか、野党が見ておつたとかいう問題ではございません。当日は新聞記者諸君がたくさん控えておつたはずであります。なおまた、一般の者も、いわゆる与党でもない、野党でもない第三者もおつたことであります。従つて、これらの点も、この委員会が喚問したならば明らかになるわけでございますけれども、私自身がはつきりあなたに灰ざらが先に飛んで行つたとは見ていないので、錯覚ではございませんかというだめを押したわけですが、これに対して、篠田さんとしては、自分ば冷静であつたから、はつきり先に灰ざらが飛んで来た、こう明確におつしやるわけでございますね。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 その通り。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 なお、ただいまの篠田さんの御答弁の中で、君らは冷静ではなかつた、つまり委員長を小便にすらやらなかつたではないか。問題は、ここのところから篠田さんが義憤を感ぜられて非常に興奮されたのではないかと私は思うのです。実は当日野党の者は——これは従来もあつたことである。つまり委員長が姿をくらまして、そうして大事な採決がうやむやにされるならば、迫つた会期の問題とも関連して重大な結果を来すから、小便にやらないとか、食事をさせないというような人聞きの悪いことは言つてくれるなということを、私は実はその席から篠田さんに発言したのです。そういう人聞きの悪いことをあなたは言うな、こう言つたら、篠田さんは、二足、三足詰め寄つて、実は詰め寄つてですよ。やはり迫つて来た。しかし、私どもは篠田さんに対しては冷静に当つたから、このことは問題にならなかつたのです。だから、どちらが冷静であつたかという問題は、あなたに詰め寄られたところの私が冷静であつたのか、そうして興奮されて詰め寄つたあなたが冷静であつたのか、これははつきりしておるのです。とにかくこの灰ざらを投げたことについての質問は以上で終りましよう。なお続いて機会があれば質問します。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 ぼくがあなたに詰め寄つて行つたところが、あなたが冷静であつたから事が済んだ、こういうふうにおつしやるけれども、それじやぼくが興奮しておつたらどうしますか。あなたが冷静であつたとしても、ぼくが興奮しておつたらあなたをなぐるでしよう。あなたが冷静であり、ぼくも冷静であつたから引わけになつたのではないでしようか。そうでしよう。ぼくがかりに冷静であつたとしても、あなたが興奮しておつたらぼくをなぐるでしよう。あなたとぼくとの場合は、あなたも冷静であり、ぼくが興奮しておつたとしても、まだ人をなぐるほど興奮をしておらなかつたということが言えると思う。そうでしよう。私がなぐつたということは、相手もそれだけ興奮しておる、そういうことなんです。だから、あなたの冷静は認めるけれども、同時にまたぼくも冷静であつたということを認めていただいてさしつかえない。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 実は私は、私自身も人とけんかをしたことがある。そうして、ああいう雰囲気の中で衝突をする場合に、しかも篠田さんのような立場で出られた場合には、私は興奮をしない、冷静であつたということ自体がおかしいのです。むしろ篠田さんは、最初に率直に自分の暴言をわび、そうして暴行を最初にわびられた。このことは男らしい態度であると思つて私は敬意を表します。しかしながら、そうされながらも、なお一抹の隠蔽を試みようとするこの心事に至つては私は了解できない。     〔「よけいなことを言うな」「隠蔽とは何だ「堂々と男らしく言つているではないか」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 お静かに願います。——お静かに願います。——田渕君静かに願います。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 大事なことだ。やはりこの問題を私どもが懲罰委員会として討議して行くのには、どちらが灰ざらを投げたかということも十分糾明しなければならぬ。だから私は、投げていないと言うから、その点は錯覚じやないかということを確めたんだけれども……。     〔発言する者あり〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 田渕君静かに。

野原覺日本社会党(左)

○野原委員 なお冷静であると強弁をされまするので、遺憾ながらその点は篠田さんとしては言い過ぎではないかということを私はお尋ねしたいのですが、冷静であつたということは……。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 あなたと私とが面とぶつかつたときは、まだ灰ざらも投げなければ乱闘も起らなかつたときでしよう。そうじやありませんか。時間的なずれというものをあなたは全然忘れている。私は終始冷静であつたとは言つておらない。いいですか。私があなたと面と向つて話をしたときに、あなただけが冷静であつて、私が興奮しておつたにもかかわらず、そこに何らの事件が起らなくて引きわかれたことが、あたかもあなた一人が冷静であつたというふうにおつしやるので、私は、もしあなた一人がかりに冷静であつたとしても、私がそのとき非常に興奮しておつたとしたならば、それはやはりけんかになつたんじやないか。その際それほど冷静なあなたをなぐるほど私も興奮しておらなかつた。言いかえれば、比較的私は時間的にいつてもまだ冷静であつたときだから、それが引きわかれたのではないか、こういうふうに言つた。私は初めからしまいまで冷静であつたとは言つておりません。それをひとつあなた考えてください。いいですか。それから灰ざらを投げたとか投げないとかという問題は、あのときの映画もあります。きのう長君からはつきり聞いた。長君と私はタべあるところで、ふだん仲がよいものだから、もうお互い忘れようというので麻雀をやつて遊びました。そのときに長者が、実はぼくは委員会の弁明の材料をとろうと思つて読売新聞に出かけて行つてニユース映画を見せてもらつた、あした——というのはきようです。——あしたから東京市内の映画館におそらくかかるだろう、ところが、君のなぐつた方があまり出て来ないでぼくのふんづけたのばかり大写しにどんどん出ているので、これじやまずいということを長君自身が言つておる。だからそんなことは、ぼくが先に手を出したとか、君がぼくの頭をふんづけたとか——昔の人間であるならば、いやしくも国会議員の頭を踏みつけるなんてけしからぬと言つて問題が起るかもしれないが、これはお互いが興奮してやつたことで、冷静な態度でできることではないのであるから、そんなことは差引にしようというので、タベ一晩中長君とあるところで、あなたの党の方もおいでになつたけれども、ぼくの党からも行つて麻雀をして一晩愉快に遊んだ。いまさら灰ざらを一枚や二枚よけいぶつけてみたつて、あのくらい大きく新聞に書かれた私の行動が、灰ざらが一枚であつたから是認されて、三枚であつたから是認されないなんという、そういう程度の問題ではありません、従つて、私の言つていることは終始一貫はつきりしております。ただしかし、騒動の最中ですから、あるいは灰ざらが私に当つたわけではないかもしれぬ。私は灰ざらが飛んで来たともちろん感じています。しかし、それはあなたのおつしやる通り飛んで来なかつたかもしれない。しかし、飛んで来たと感ずれば、それを見なかつたと言つても結局水かけ論になります。映画なりあるいは証人なり、そういうものによつてもつと合理的に、水かけ論をやらないで私はやつて承らいたい。映画にも出ておらないし、証人にも出ておらないならば、それはそれでけつこうじやないか。私はどちらでもいい。私は何もそんなことを争つてはおりません。

高橋英吉自由党

○高橋(英)委員 先ほどの発言者に、ある点について篠田君が差誤に陥つているのじやないかというふうな言葉があつた。これは非常に合理的な穏当な言葉だと思つて、私ども敬意を表しておつた。そういうふうな言葉のやりとりによつて、この厳粛なる審議を進めて行きたいと思つておつた。ところが、隠蔽というような、すでに主観的といいますか、結果的な、すでに判断ができ上つておるような、そういうふうな言葉が発せられました。これはもちろん目撃者でありますから、この審理のお互いの委員の立場は判事でもあり、検事でもある場合もありましよう。証人の立場でもありましようし、裁判官としての厳正な立場とは違いはありましようが、どうしても私は、懲罰委員会は厳粛に、公平に、冷静にやりたいと思います。従つて言葉の点につきましても、とにかく客観的な言葉を使いたい。主観的な、すでに予断的な、あらかじめ結果をここで自分自身の心で持つて盛るというような、そういうふうな言葉を使いたくないと思うのです。先ほどの錯誤という言葉に対しては私は非常に敬意を表しておるのですが、隠蔽というふうに予断的な言葉を使われますと、勢い刺激的になりますので、なるべくこれを避けて、そうしてなるべく懲罰委員会は厳粛に、公平に、冷静に、公正にやつていただきたいと思いますが、委員長ひとつそのつもりで……。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 高橋君の議事進行の発言まことにごもつともでありますから、どうか委員各位におかれましては、大いに自重されて発言せられたいと思います。

古屋貞雄日本社会党(左)

○古屋(貞)委員 高橋君の発言はまことにけつこうだと思うのです。私どもお互いに言葉を慎まなければならぬということは私も賛成なんです。ただしかし問題は、篠田さんはもう少し慎んでもらいたい。私は片言隻句をつかまえて言うのではないが、お前たちは同罪だということをはつきり言うておる。その点だけはどうかあまりこちらを挑発しないような言葉を使つてもらいたい。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 同罪だという言葉を使つたことは御注意により取消します。同じだということを言つたのです。イコールであるということを言つたのです。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 議事進行について。私は順序として提案者に対する質問が先だと思うのです。言葉だけだつたのですから、従つてわれわれは速記録を見て提案者に質問し、それから弁明者に対しても質問をする、こういう順序にやりたいと思います。きようはまだ速記録ができていないからこの程度で、速記録を見てから正式に進行してもらいたいと思います。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 鍛冶委員の御発言ごもつともでありますが、午前中の速記がもうしばらくしたらできるだろうと思いまして、その間篠田君の身上弁明を許しまして、篠田君の弁明に対して御質疑がありましたら補足的に御質問を願う、こういう気持でお願いしたわけであります。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 私は午前中の小林君の趣旨弁明を聞きまして、ただ耳に残つたものを根拠として身上弁明を行つたのであつて、これで全部私の趣旨弁明を終つたわけじやありません。従つて、速記を見た上において、またその趣旨に沿つた身上弁明というものはおのずからあると思いますから、私の身上弁明はこれで終つたものでないということだけは委員長に申し上げておきます。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 さつき私が提案いたしました、現場を見ていた最も公平な意味における人をだれか一人見出していただけませんか。(「まだそこの段階まで行つていないよ」と呼ぶ者あり)ぼくは自分の自信のあることを聞くんでずが、篠田さんが直接に灰ざらを投げられたのは、どこらにおつたころ投げられましたか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 議席がずつとありますね。その一番うしろの議席から二番目か三番目のところで私は投げました。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それは春日君を目がけて投げられたんでしよう。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 春日君というわけでもありません。灰ざらをぶつつけられたからぶつつけ返したわけです。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 ぶつつけられたというのはあとの問題にいたしまして、一応あなたの方だけの問題を取上げるわけですが……。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 それはあなたの誤解です。春日君はそのときにぼくに組みついておつた。ぼくに一発くらつて、そうしてぼくのここのところにくらいついておつた。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それも知つております。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 御存じでしよう。ですから自分のここにおる春日君をやるつもりなら、私はその灰ざらで春日君をたたきます。そうではなくて、片方に春日君が組みついておつて、それでぼくに目がけて灰ざらを投げた者があるから、春日君は春日君として、灰ざらをぶつつけたやつと思われるところにぶつつけた、こういうわけです。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 だんだんはつきりして来ましたが、あなたがやられたのは、委員長席がそこにこうありますね。その一番前のやつでやつたわけですね。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 違います。灰ざらをぶつつけたのはもつと奥の席です。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 そうすると、一番最初に灰ざらをぶつつけたというのは、ずつと奥に入りまして、春日君のほうつた一、二間手前からやつたわけですね、場所は。それをはつきりさしてもらいたい。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 違います。とにかく春日君は——春日君がぼくにこうやつたか、ぼくがやつたかということは、これは瞬間的なできごとでありますから、私もここで証明できません。私もたたかれ、向うもたたいた。ぼくが一発くわしたところが春日君が組みついて来た。それはあなた御存じでしよう。そのまま前後左右に人が固まつて来て、ぼくをずつと押し出して行つた。そのときに向うから灰ざらが飛んで来たから、私も灰ざらを投げた。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 そこで一番大事なのは、あなたの投げた場所です。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 たくさんの人間に組みつかれて、中には上からたたいている人もあり、何している人もある。私が、測量士のように、何番目からそれを投げたというような、そういうはつきりした判断がそこでできるような立場にいれば、私は灰ざらは投げません。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 だから今私は言つているのです。私は大体委員長席の前の方あたりで投げて来られたと、そう見ておる。私から言つて委員長席の方に、向うの方に押されて行つたときに投げたはずです。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 それはあなたの間違いです。私が投げたのは委員の席にあつた灰ざらをつかんで投げた。だから、委員長の席まで行つたんでは、その間に非常に空間ができちまう。そういうことではありません。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 だから、委員席の前の方の席にあつた——特定なところはびしつとは言いません。委員長の席のあたりのあの辺から投げたんですねということを言つておるのです。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 投げたのは……。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 こう両側にいすがあつて、委員長席がここであれば、そのあたり……。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 そうです。その通りです。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それを私はさつきから言つておるのです。それは言い方が間違えたんですが、大体はつきりわかりましたから。そこで、篠田さんは写真にとられたのはごらんになつたと思う。あれは委員長席の左の隅の方あたりにあなたが首を突つ込んで、長君が上に上つてあなたのところに足をこう持つて行つて……     〔「踏んだんだ」と呼ぶ者あり〕

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 踏んだか踏まぬかわからぬじやないか。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 私語を禁じます。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 そのときに別の灰ざらを持つている写真が出ているのです。それを言つているのです。写真を見てごらんなさい。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 ぼくは、中村君はあの混乱の中から常に冷静な態度をもつて守衛と一緒に私をあそこから連れ出してくださつた、であるからあなたに対して非常に感謝しておる。有名新聞の人が、中村は暴力を振つているといつて投書が来ておるとぼくに聞きに来たときも、そうではない、あの人はぼくを助けたのであつて、暴力を振つておらない、それはそのとき踏んづけられたぼくが証明すると有名新聞の記者に言つておる。そこでぼくはあなたに感謝している。あなたは終始冷静であつたと思つている。だからこの際も、ぼくも灰ざらをぶつけたとか春日君をたたいたとかいうことを認めるかわりに、あなたも映画を見ればすぐわかるのだから、足を乗つけていたというようなけちなことを言わないで、長君が踏んづけていたという言葉を使つていただきたい。そうでないと、あなたが懲罰委員という冷静な立場においてぼくを調べておるにかかわらず、党派的な根性がちらちら言葉のはしに見えると、ぼくはまともな返事をする気になれません。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それは違います。私の言うのは、踏んづけた踏んづけられたというのは結果の問題なのです。     〔田渕委員「踏んだ写真があるじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 田渕君静かに願います。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 私は何も懲罰にするとかなんとかいうことを言うのではないのです。写真の中にこういうふうに載つていると言つているのです。何も踏んだとか踏まぬとか言つているのではない。その結果において出て来るのです。そこで私には疑問があるのです。その疑問を言つているだけなのです。投げたにかかわらず、あの写真に出ておつたが、これはどういう意味なのか、それを聞いているだけなのです。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 それは私は、最初の一つをぶつけるときにとられたものと思つております。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それと違うから言つておる。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 違うとすれば、違つておるということを最も科学的にあなたが教えてくれれば、あるいはぼくは、あなたの方があの場合ぼくよりも冷静だつたから、あなたの言われることに従うかもしれない。しかし、現在ぼくの考えをお聞きになるならば、ぼくは灰ざらを一つしか投げていない、こういうことを言うよりほかありません。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 簡潔に願います。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 私も灰ざらを投げたということは知らない。というのは、ぶつけられているのが委員長の前の方でやつている。ところが、今実際写真をとられたのは、長君が踏んづけたようにしているあのときに、あなたがこういうふうにして灰ざらを持つていらつしやる。だから灰ざらが二つ出ているから、ふしぎに思つてその疑問を聞いておる、そういうことなのです。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 私は、あなたがたいへん御親切にしてくださつたのだから、あなたにうそをつこうという気持はありませんが、何べん繰返しても、自分の記憶する範囲内においては、議席の中の灰ざらを一つぶつけた以外に記憶にありません。あるいはそれ以上にあつたかもしれません。しかし、それは私の記憶にありませんからお答えはできません。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 それならいいのです、はつきりするから。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 篠田君にちよつとお伺いするのでありますが、私どももひとしく国会議員といたしましてこういう委員会に席を連ねて、しかもこういう事件をさばくことはまことに不本意であります。従いまして、将来こういうことの絶滅を期することは、私どものすべての念願でなければならぬ。人の災いを喜ぼう、かつまたこれをもつて得をしようとは思つておりませんが、ただ一点あなたにお伺いしておきたいことは、あの予算委員会に委員外のあなたが入つて来て、あの平静な状態に混乱を起したということはお考えになりませんか、この点伺いたいと思います。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 休憩中の委員会にはだれが入つても私はさしつかえないと思います。開会中の委員会で私が乱暴したのなら確かに悪い。しかし、休憩中の委員会でそういうふうに軟禁されておる委員長を、私が同僚として助け出しに行くことはちつとも悪いとは思つておりません。同時にまた、私と渡り合つた人は、ほとんど全部長君にしろ春日君にしろ委員ではありません。知が委員外として入つたのが悪いのなら、私の相手となつた諸君も全部委員でなかつたということを申し上げておきます。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 私はあえてこのことを深く言おうというのではない。ただ、篠田君は、この一身上の弁明の冒頭において理由のいかんを問わず、動機のいかんを問わず、迷惑をかけたことはまことに私が悪かつた、かように申されたことは非常に男らしい出方だと思う。ただ、その後委員からあなたに対する質問が出て、その答弁の衝に当るや、やはり言葉のやりとりの関係も出たかと思いますが、あなたはときには何ら無風の状態ではなかつた、自分だけではない、すべて同罪なんだというお考えのごときものが多々見受けられましたので、あなたの最も男らしい態度を表明されたその冒頭の言葉に対して、むしろそういうことをおつしやらない方がいい。私は、それは各委員の判断であろう、人々のそれに対するところの結論であろう、かように思う。そこで私どもは、委員外だつたから、だれもそうだ、こうだということではなしに、やはりあなたがあの場に入つて行つてあらしを起したということだけは、私も当時委員会にいなかつたのでありますが、概念的にはさように了承しておるのです。この中には、おそらく委員会の席に連なつておつた方とおられない方とあると思いますが、そのおられなかつた人々は、少くともそういうふうに聞いておるのではなかろうか、私はかように思うのですが、その点あなたは率直にどういうふうにお考えになつておるのか、承りたいと思います。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 全体として自分のやつた行為が国会議員としてまことにふさわしくない、不適当な行為であつたということには現在かわりありません。そのことは冒頭に皆様方に陳謝いたしましたと同様の気持であります。しかし、先ほど申し上げましたように、もし私が行かなかつたら、あの騒動はおそらく起らなかつたであろうという池田君の仰せは、その通りであります。そのかわり、委員長はいつまでも軟禁されておつたという結果が、そこに出て来るのであります。であるから、私は原因のないところに突然出かけて行つて切込みをやつた、なぐり込みをやつたのではなしに、委員長が軟禁されておるという一つの事実の上に立つて、それをつれ出そうとしたのであります。だから、私が行かなかつた場合には、だれかかわりの者が行つたかもわかりません。少くとも私が最初に陳謝したということは、国会議員として陳謝しておるのであります。また同様な陳謝を私の相手方になつた諸君にもひそかに要求しておるのであります。私一人が悪かつたとは思つておりません。私は確かに悪かつたし、また同様に相手方も悪かつたということの前提の上に立つて陳謝しておるのであります。

河野金昇改進党

○河野(金)委員 篠田君は一つの自分でかつてにきめた前提の上に立つて物を言つておると思います。尾崎君が軟禁されたとかなんとか言つておりますが、ほんとうに軟禁されていたとするならば、自由党の予算委員だつて十二、三名おる、それが見のがしておるはずはない。あのときのことは、あなたが興奮なされるほどの雰囲気ではなかつた。前日尾崎君が途中で質疑を一応休憩にしたので、けしからぬ、理事会の約束と違うじやないかと言つたら、それではちよつと待つておつてください、総理に交渉して来ますと言つて交渉に行つたまま出て来なかつた。逃げてしまつた。改進党と社会党の左派との質問を許して、何も約束がないにもかかわらず、尾崎君が前の日にそういうことをしてしまつた。そうして出て来ない。それからその日も休憩にしてしまつた。自分の不信任の動議が出ておるにもかかわらず、その不信任の出ている委員長が休憩の動議を出した。けしからぬじやないかといつていろいろ話合いをしておつた。そうして本人もある程度それを認めたと思うから、自由党の理事の諸君が、自由党に帰つていろいろ相談をしておつたのです。それでその理事の諸君が帰つて来るまで待つておつたらどうか、きのう君は休憩にして逃げて行つた前科者だ、きよう行つてしまうといけないから……。(「それが軟禁じやないか」と呼ぶ者あり)こういうことであつたのであります。  それで、小便の問題でありますけれども、あれだつてそんな軟禁とかなんとか言うけれども、それほど殺気立つたものじやありません。実にユーモアに富んだ和気あいあいたるものであつた。大体篠田君というのは興奮性に富んでいる人でありますから、何でもかあつと怒つて、またあとではすつとあつさりする性格の持主である。これは御本人自身も認められるだろうし、われわれもしよつちゆうこれは見受けるところでありまして、いいところであると同時に欠点でもあるように思う。だから、川村君の一方的な報告を聞いて、かあつとなつて、軟禁されていると思い込んで乗り込んで来た。こういうふうに、あなたが一つの前提に立つてああいう問題が起きているのであります。(有田(二)委員「軟禁じやないか、軟禁じやないか」と呼び、その他発言する者あり)だから、決してその前提というものはそれほどあなたが突き詰めて——自由党の有田君なんかも委員でありますから、まさか軟禁されたり何かされているのでありましたら、有田君なんかが見のがしているはずがないのでありまして、だからそういう前提に立つてものを言うことは、私は間違いであるということを篠田君に一応申し上げておきたいと思います。     〔「委員長、委員長」と連呼し、その他発言する者多し〕

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 ぼくの性質に関する河野君の御判断は河野君におまかせいたします。これはそう見る人もあるであろうし、時によつてはそう見ない人もあるでありましよう。私もまたそういう場合もたまにはあるかもしれないけれども、そういう場合がない場合もあるので、必ずしもそういうことが私の一つの品性であるとか、あるいは性格であるとかいう河野君の御議論は、軽々には承認いたしかねます。そういうことでありますが、たとえば河野君が便所につれて行つて、野党の諸君が行きたいのをやらせないで、便所に腕をつかんで行つた姿を見て、和気あいあいたるものだつたというあなたの判断はどういうところから来たものか。尾崎君の自由意思によつて委員長席にすわつておつたというならば、私はこれは軟禁とは申しません。しかし、あなたが現に言つているように、前の日のように逃げてしまつては困るから、われわれは逃がさないようにしておつたという以上は、これは尾崎君の自由意思ではなくて、尾崎君が多数の人の力によつてそこにすえつけられておつたということでありまして、これを称して私は軟禁と言うのであります。もしかぎでもかかつておつたならば監禁であります。そのくらいのことは河野君も知つてもらいたい。それから人の腕をつかんで便所につれて行く、こういうこと、そしてまた便所から出たならば、すぐまた委員長席につれて行く、そういうような姿がもし和気あいあいだとか言うならば、ぼくが飛び出して灰ざらや水飲みをぶつつけた姿というものも、考えよう、見方によつては実に和気あいあいたる姿である。(笑声)それをそういつた一方的な議論は、天下世間にさらして成り立つものではありません。

中野四郎改進党

○中野委員 先ほど来篠田君対各委員の質疑応答を伺つておりますと、私は非常に納得の行かぬものがあるのです。少くとも懲罰事犯が起されて、その原因、動機等をば委員会においていろいろと伺つておつたのですが、私は、篠田君がそれを起された動機や原因についてはいろいろと事情もあろうかと思うのですが、ただ一点遺憾に思うことは、この国会の中においていろいろ懲罰事犯も起りました。しかしながら灰ざらを投げ合つたり、あるいはグラスを投げ合うというような乱暴狼藉を犯したことは、まつたく国会創設以来、帝国議会のときはいざしらず、国会創設以来初めてのことであります。特に私の考えますことは、(「選挙中にそんなことをずいぶんやつたじやないか」と呼びその他発言する者あり)まあ聞きたまえ。大事なことだから聞きたまえ。そういうもしやじを入れてあえて牽制するならおのずから別だ。しかしながら、このことによつて一般国民に与えた国会の権威を失墜したということは重大なことなんです。従つて、篠田君に対しても、もう少し言葉を慎まれて、そうしておとなしくお互いに話合いをして行く、調査をして行くということが大事だと思う。(「あやまつているじやないか」と呼ぶ者あり)口ではあやまつたつて、事実においてあやまらなければ何にもならない。ただこれを一つの名誉のごとくに考えたらもつてのほかだ。もしこういうような事犯をやつて英雄視されるようなことがあつたら、日本の国会は野蛮国会と言われてもしかたがない。だから私は、こういうことに対して委員の慎重を期しますかわりに、ここに立たれた篠田君も、も少し温厚にお話をなすつた方がいいと思う。あえて挑発的におつしやればおのずから別なんだ。われわれだつて憤慨にたえない。いつわれわれが懲罰事犯を、こんなばかなことを起したか。こういうことによつて国会の名誉を失墜し、国会議員の信用を失墜しているということについては、大いに私は公憤を感じている。だから、そういう見地に立つて、お互いに良識をもつて了承のできる質疑応答をしていただきたいと思う。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 中野君の御注意はまあ言葉は非常に荒かつたから、御好意ある御注意であるかないか私はわかりませんが、おつしやつたことは筋が通つていると思うので承服いたします。しかし私は、何もここに出たからといつて、犯人ではありません。あたかも一方的に私を犯人であるというごとき態度をもつて諸君が取調べ上うとするならば、私は断じて自分の言い分を通す。あなたがおつしやるように、国会議員として不適当な行動をやつたから私は冒頭にあやまつた。それに対して、各党の諸君が、あたかもぼくが一方的にそういうことをやつたかのごとく、そういう犯人に対するごとき取調べをあなた方がするかち、ぼくらだつて、立場を異にすれば、明日にも懲罰参委員になつて君たちの、取調べをする。国会議員はお互いなんです。何もそういう懲罰事犯が起つたからといつて、その身分とか立場というものがひつくり返るわけじやない。同僚議員としてあなた方はやはり取調べている。それを忘れて、検事か判事になつた気持であなた方が取調べをするとしたならば、ぼくとしたつてそれに対してやはり自分の言いたいことを言わなかつたならば犯人にされてしまう。私はそういう意味でやつている。私は私のやつたことについてはあやまつている。

中野四郎改進党

○中野委員 犯人のごとくとおつしやるが、あなたはこの懲罰事犯を認めないのですか。あなたは灰ざらを投げたと言い、しかもこの事犯を起す原因を認めておつて。そうして犯人でない、犯人にされてしまうとおつしやるが、これはあなたに疑義があつて、あなたに疑いをかけてやつているという問題ではないでしよう。あなたは懲罰事犯にかけられることを前提として認めておいでになる。現に先ほど中村君との応答の中で伺つておれば、私は灰ざらを持つておつて、とにかくぶつつけたと言つている。これがそもそも懲罰事犯の原因なんですから、その言葉は少し違いはしませんか。私は何も判事や検事になつたつもりではないが、同僚議員としてのよしみは十分持ちます。しかしながら、このことは対社会的に考えなければならぬ大事な問題です。だから私は申し上げているのであつて、院内において起されたことが、院内で臭いものにはふたをしろと言つて抹殺されるならば意味をなさないのであります。あなたがこの懲罰事犯を認めないとおつしやるならばこれは別ですから、薪たにわれわれは調査を起こします。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 私は、今の中野君の篠田君に対する発言は条理が適つていると思う。通つているが、その前提としてそちら側の発言をひとつ中野君も聞いてもらいたい。篠田君のやられたことは国会の名誉のために悪いも言われるならば、それは私も認めます。認めますが、先ほどかち河野君の言われるように、委員長を前科者であるから出してやらぬ、便所に行くのにも腕を持つてやるの、これは国会の品位を傷つけないことですか。それが国会の品位を傷つけぬものであつて、篠田君のだけが国会の品位を傷つけるという質問の仕方をやられるならば、この委員会における紛糾は免かれません。私はその考えをもつてやつてもらうことを私から提案いたします。

河野金昇改進党

○河野(金)委員 私は遠慮なく、そういうことが懲罰に値いするならばお出しになればいいのであつて……。     〔鍛冶委員「そういうことがいかぬのです。もう少し冷静にやれ」「道義的の問題だ」「それはおかしいじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 お静かに願います。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 どうも言つていることやいろいろなことが誤解を招いているように思います。冷静に判断しながらお互いにやつて行きたいと思います。  それで篠田君にもう一点お伺いいたします。それは篠田君が冷静であつたか興奮しておつたか主体的にはわからない、実際には。そこで最初に春日氏が、酒を飲んでいる者は引込んでいろ——言葉づかいは違つているかもしれませんが、そういう意味の言葉を吐いたことも確かです。そこであなたが、何を、と言つて、ずかずかとあなたが先に出て来られた。あなたは酒を飲んでいるか飲んでいないか見せてやろうと思つて、とこういうふうにおつしやるのですが、私の見ておつた目では、これはすでに殺気があつた。雰囲気もそうであつた。殺気といつても何もなぐつて殺すようなことじやないのですが、いきなり感情的にぱつと飛び込んで来てぽかんとやつた。そのやつたのが私にはあなたの方が先に見えたのです。あなたは非常に冷静な人ですから、そうでなかつたとおつしやるかもしれぬけれども、私にはそう見えた。これはまた春日氏が先にやつたのではないかということを言われれば、また議論になりますけれども、冷静に見た場合私はそういうふうに見たのですが、その点はあなたはどういうふうに考えられるのですか。

篠田弘作自由党農林政務次官

○篠田弘作君 私が春日君のところに行つたということは、春日君と私は、先ほど言つたように同宿であつて、朝は一緒に顔を洗つたり、ふろに入つたり、食堂に行つたり、お互いに行き来しております。従つて、ただ酔つぱらいと言つたからといつて、私がただちに春日君をなぐろうというようなことは、これは考えられない。そこで私が最初言つたように、酔つぱらつていないんだということを見せようという考え方で出発したことは、これは事実です。しかしその途中の間いろいろやじる人もあるし、飛び出す人もあつて、そういう人たちに多少さえぎられたというところで、私がだんだん興奮したということも事実です。そこで、そういうあなたが見て非常に勢いよく飛び込んで行つた、よそから見ればなぐりに行つたように見えたと言つても、これはぼくは否定しません。そこで春日君の方もあるいは用心したのか、春日君も同時に飛び出して来ました。春日君も原位置においてぼくになぐられたのではない。ぼくも飛び出して行つたが、向うも飛び出して来た。その際ぼくが先になぐつたか、春日君が先になぐつたかということは、これは見ている人におまかせします。私はあとからなぐつたということは必ずしも言つておりません。これはわかりません。そういう意味で私が先になぐつたと言われても、それは何もさしつかえありません。そういうことによつてすつかりそれを認めて、あなた方が自由に判断をして、懲罰の軽重というか、それをあなた方が御自由におきめになるということは、さしつかえない。私は、先ほど河野金昇君にも言つたように、事実を隠蔽して罪を軽くしてもらおうなんて考えていない。そういうことをはつきりしておきます。だから、あなたの方はぼくより冷静だつたから、あるいはその場合あなたがそうだと言うならば、もう一人くらい証人を立てて来れば、あなたの意見に従つてもさしつかえない。そんなことはどうでもいいのです。

川村善八郎自由党

○川村委員 物事はすべてが動機があるのでございまして、今度の動機というものは、いわゆる予算委員長をつるし上げて軟禁したということにあり、さらに私が、北海道代議士会において、篠田君にその実情をお話した、これが動機になつておるようでございます。しかし、篠田君もこのことについて触れておりますし、さらに河野君が、一方的に川村の言葉を信じてやつた行為たといつたようなことを言つておりますので、私はその事の真相を明らかにしたいと思つております。  私、ちようど水産委員会を終りまして、予算委員会に何かしら紛擾があるというようなことを聞きましたので、そのうしろにいてつぶさに見ておつたのでございます。そして尾崎委員長が着席してしばらくたちますと、開会々々という大きな声が方々に起つて、そうして開会劈頭こういつたような意味が発言せられたのでございます。昨日総理の出席を求めて残余の質疑をさせようと思つたけれども、総理は病気のためつい出席がされなかつた、きようも午前中総理の出席を求めることに努力いたしましたけれども、参議院で予算委員会その他の重要な案件があるので、総理は出席をすることが不可能になつた、そこでいよいよ今度の会期も延長になるということが明らかになつたので、その会期延長になつた期日の最も早い機会において、総理の出席を求めて残余の質問をさせるから、どうか御了承を願いたい、こういう発言をしたのでございます。それに対して、これはどなたでしたか、若い委員ですが、発言を求めて、総理が出席をしないのは不届きであるというようなことをしばらく発言をし、一番最後に、この不始末はいわゆる予算委員長尾崎の不始末だ、従つて、尾崎のやつた行為についてはわれわれは納得行かない、こういうふうな、いわゆる委員長をわれわれは置いておくことができないから、解任すべしという動議を提出したのであります。そうしたところが、野党の諸君から賛成々々というので、相当の人数が立つたのであります。ところが、ただちに尾崎委員長が、暫時休憩をいたしますと言うて休憩を宣した。そうしたところがわーんといつた。もちろん尾崎委員長はいすから立たんとしたのでありますけれども、野党の全部が行つて、もうこれをひつぱる、そつちからもこつちからも二十人ぐらいあすこに行つて、わーんわーんやつた。そのときに、あまり改進党の方も立ちませんでしたし、それから自由党の議員はほとんど立つておらなかつたようであります。一、二いましたけれども、自由党の委員は着席しておつた。私も見かねて、その席に飛んで行つて、それを切り離そうとしたけれども、何といつても野党の諸君は、上から重なり頭から重なり、わーんわーんといつて、尾崎君は手をこうしたまま身動きができず、あつちへ行つたりこつちへ行つたり、そうして苦んでおつたのであります。そうしてしばらくもんでいるうちに、いすから落されましたし、そうしてあの委員長席とそれから各閣僚その他のすわる席の間で、またしばらくもみ合つて、そのうちにどなたか、二人だと思いますが、おれが責任を負う、小便をさせるなら小便させる、必ずつれて来るから、お前ら黙つておれと言うて、両手をつかんでぐんぐんひつぱつて行つて、そうしてこちらの方の、出口か入口かわからぬけれども、こちらの方から出て行つて、しばらくたちましたら、小便を済ましたのでしようか、また二人ついてひつぱつて来て着席させた。その間相当もみましたし、それからその後は、ある閣僚席のところに野党の諸君が全部陣取つて、決してのがさぬぞ、前科者だという、ずいぶんどなり声が聞こえたのであります。その情勢を私見ておりまして、私も憤慨いたしました。何ゆえに一体野党の諸君がああいう乱暴をするのか、それからさらに、あの乱暴に対して、与党の諸君が、何ゆえに一体それを仲裁しようともせず、あるいはそれを離して円満に解決しようともせず、ただ単になすがままになつておつたようであります。でその間に、そうしているうちに与党の理事諸君で、われわれの方で理事会を開くという主張をしましたけれども、理事会もへちまもない、かつてにやるならやれといつたようなことも言つておつたようでございます。そうして、与党の理事の諸君は、そこを退席して、しばらくどこに行つたか知りませんけれども、また出て来て、いかんともなし得ずしてまた帰つた。その情勢がしばらく続いておつたので、私の見た目では、あまりに野党の諸君は、あの手を傷めている、いわゆる抵抗力もなければ、いわゆる小便もやれないと言つて訴えている尾崎委員長を、あのくらいまでに残酷な扱いをしなくてもいいじやないか。すなわち私に言わせるならば、完全な暴力行為であり、軟禁行為であり、むしろ監禁行為であるといつたような判断をしたのでございます。従つて私は、党の幹部室に飛んで行つて、そのことを訴えたところが、それはもうどうしようもないから、与党の諸君ら手を出すな、手を出すというとますます紛糾が重なつて、かえつて事態を大きくするから、もうなすがままにしばらく置けということで、われわれ自由党の方では何ら手を下さないのだし、君らは怒つてはいかぬと言つてたしなめられましたから、私は、そうか、そういうふうに幹部が委員長を残酷にしてもいいと言うなら何をか言わんや。私はまつたく義憤を感じましたけれども、幹部の諸君がそう言うので、いたし方なく私はその幹部の部屋を出たようなわけであります。  そうしているうちに、ちようど北海道代議士会がありまして、先ほどそのことについては篠田君が言つている通りでございます。議事が終りましてから、その状況を篠田君に話をしたのでございます。ただ篠田君に、行つてやれとも言いませんし、篠田君も、何だ、いくじないといつたようなことは言つておりましたけれども、まさかかような状態になるとは私は思わなかつたが、ただあまりに、野党の諸君も、いかに野党、与党という区別はあるとしても、あまりに、あの姿を見た時分に、尾崎委員長かわいそうだという点で、私篠田君ばかりでなく、私の方の議員のおつた席上で説明をした。それがいわゆる篠田君の公憤をかつてか、あるいは義憤をかつてか知らぬけれども、ああした事態を起したというようなことで、おそらく篠田君は、決してその当時も計画的な考えをもつて行つたというようなことは考えません。のみならず、新聞にはこの通り、大とらになつた篠田次官と書いてあります。二時間も三時間も会議をやつたので、かりに飲んで来てみたところで、もう酒はさめておる時期であります。篠田君と私は常に一緒になりますが、篠田君御本人も言つておりますが、酒を飲んで酔つた覚えはありません。従つて、新聞そのものの記事だつて、私はでたらめとは申し上げませんが、針小棒大に書いておるということが事実なので、本委員会においては、あまり新聞の記事を取上げたり、あるいは野党であるから与党の議員をこの際とつちめてやろうとか、どうも篠田君は感情的に許せないとかいうようなことでなく、いわゆる和気あいあいのもとに、われわれ議員がこの問題を処して行つたらいいのじやないかと考えますので、一応その当時の動機というものを、私から皆さんにお伝えしておく次第であります。

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 今の川村さんのお話に大多数私も賛成の意を表するものですが、ただこの問題の中に、今おつしやつたように、あのつれて行かれた二人の方は、それは川村さんも御存じのはずですが、一番最初に、小便なんかつれて行つたつていいじやないかということを確かに申しました。そういうような状態はおかしいじやないか、そこで二人が、それはそうだということを言つた。だから実際にあれは強引にひつつかまえて云々ということではない。確かにその通りすなおに聞くのがほんとうだと思う。私もそれを聞いておつたのです。確かに吉田さんの行動があり、吉田さんが出なかつたということに関連していろいろなことが起つたのですが、その問題はその問題として、この問題は、今一身上の弁明をなされたその弁明に対して、こういう点がどうだ、こういう点がどうだというようなことをお聞きするのが常道だろうと思う。だからそのことは別として、今言つた問題の焦点は、どちらが先になぐつたかということが一つある。それはわからない。それは片方の春日氏にも聞いてみなければわからない。そこでその問題は、なぐつたことは確かに認めていらつしやる。残りは、春日氏があとになつたか、篠田氏があとになつたかということが問題になつている。灰ざらをぶつつけられたことも認めていらつしやる。一個になつたか二個になつたかということは、わからないのですが、ともかくぶつつけられたこともはつきりして来た。そこで、最後に残つて来ることは、一体、野党の方から灰ざらをぶつつけたとおつしやるのですが、その証人なり、あるいはそのときたくさん委員会に人がおつたのですから、これらの人に一応よくお聞き願つて、野党側から灰ざらが飛んだかどうか、そういうことを判断していただきたい、このように思います。

鍛冶良作自由党

○鍛冶委員 きようの趣旨弁明並びに篠田君の一身上の弁明の速記録は、とうていこの委員会には間に合わぬようですから、それを見て質問をし、そうしていろいろ実証的にやりたいと思いますから、その速記のできるまで待つ意味で、本日はこれで散会していただきたいという動議を提出いたします。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 鍛冶君から速記録のことを先ほど来しきりに言われておるのでありますけれども、われわれも事実をあいまいにしてよろしいという考えはちつとも持つておらぬのでありますが、この懲罰委員会のやれる仕事と、それからその目的というものにはおのずから限度がありまして、裁判所のように、篠田君をつかまえて懲役にするとか薬錮に処するというのでは全然ないのでありまして一にかかつて、この議院の品位をどうすれば保つことができるかというところに、この委員会の目的はあるのでありますから、われわれもあいまいのことをせよとは決して申しませんが、どうすれば私たちも国会の品位を保つことができるか、こういうことを考えてみたときに、この懲罰に関する衆議院の規則を見ますると、議院の秩序を乱した場合もしくは品位を汚した場合、そのときには懲罰委員会に付すると書いてありまして、別に傷害をしたから追究しろとか、あるいは暴行を加えたからその個々の行為を追究しろとかいうようなことは少しも書かれてないのでありまして、品位を汚した場合には、その名誉回復の方法をとれよというのでありますから、あまりお互いに裁判官でもない者が、根掘り葉掘り、どつちが先とかあととかいうようなことをやつてみても、この委員会の目的は私は達せられないと思います。大体今までの御議論によりまして、篠田さんもまことに男らしく、言つたこと、あるいは灰ざらを投げましたことはお認めになつて、率直にあやまつておられる態度は、私はまことにりつぱだと思うのであります。そこでわれわれとしては、この篠田さんが今まで認められたことを前提にしまして、各般の事情、私どももよく聞いてもおりますし知つてもおりますいろいろな事情が、その間にこんがらがつておるのでありまするから、この程度で、衆議院規則の求めておられますことは、私は懲罰委員会でもうできると思う。決して私たちはこれ以上篠田さんを調べ上げて懲罰にしようとか禁錮にしようというのじやないのですから、あつさりこの程度でひとつ国会の全体の品位を保つ方法を考えようじやないかということの方がいいので、これ以上根掘り華掘りやると、懲罰委員会がまた品位を汚すようなことに相なりましても困ります。大勢聞いておりますところで、懲罰委員会のあれは何をやつているんだ、けんかの委員会だというふうに見られては、まことにわれわれは恥の上塗りでありますから、あとは理事諸君でひとつ取扱い方法を御協議願いまして、私たちも共同の責任で議院の品位を保ちたい、かように思うのであります。

森幸太郎自由党(分)

○森委員長 お諮りいたします。ただいま鍛冶委員なり中村委員からそれぞれ御意見がありました。鍛冶委員からは、午前中の速記もできていないから、審議が准行できないから、きようは散会して、そうして速記録を見た上でやりたい、こういう動議が出ております。中村君からは、大体今まででお互いの篠田君に対する質問を終つたわけであるから、この程度で散会して、理事会を開いたらどうか、こういう同じような動議が出ております。それで要求になつておりまする速記は、もう間もなく、ここで散会いたしましても、皆様のお手元にお手渡しができようと存じます。それで、本日はこの程度で散会いたしまして、次会は明六日午前十時から開会いたしますから、さよう御了承願います。本日この散会後理事会を開きますから、理事の方だけお残りを願います。  これで散会いたします。     午後四時五十九分散会

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