地方行政委員会 第36号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/10/27
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 まず理事の補欠選任についてお諮りをいたします。すなわち委員の異動に伴いまして、理事が一名欠員となつておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略いたしまして、委員長より指名するに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、西村力弥君を理事に指名いたすことにいたします。 ―――――――――――――
○中井委員長 次に日程を追加いたしまして、警察に関する件についても調査を進めることといたします。ただいま追加をいたしました警察に関する件を冒頭に調査を進めていただきたいと存じます。この問題は申し上げるまでもなく去る二十四日に突然保全経済会なるものが、その業務を休業することの発表をいたしました。その投資者は全国で十五万、その投資金額は合計四十五億に上ると伝えられ、その影響するところはきわめて大なるものがございます。この問題は何もきのうきよう始まつた問題ではなく、数年前からわが国の各方面におきまして注視の的となつておつたものであり、あるいはかくのごとき事態が来るのではないかということを、各方面において危ぶまれつつ参つたものである。かつては国会におきましても立法をして、その取締りのために一歩を進めねばならぬという議もありましたが、そのまま今日になつたものであります。しこうしてこの問題のうちには、犯罪がひそむのではないかということを疑われる人も多々あります。すなわちこれは警察の問題になるので、本委員会はこの警察を所管いたしておるのでございますから、ここに国民大衆の福祉のために、本日特にこの問題を取上げることになつたのであります。しかしこの問題はもとより金融に関する問題でありますから、ここに自然大蔵当局の関与を必要といたすことになりました。よつて本日は警察当局の出席を求めて伺うと同時に、大蔵当局の河野銀行局長の出席をも求めておりますから、委員諸君におかれましては、そのおつもりで御質疑等をお進めくださるようお願いをいたします。これより本問題についての質疑を進めたいと思います。橋本君。
○橋本(清)委員 いわゆる保全経済会の問題が、大きな社会問題になつていることは御承知の通りであります。ただいま委員長の御発言にありましたごとく、この問題は従来の取扱いによりますれば、あるいは狭義の警察の取締りの対象ではなかつたかに存じております。すなわち取締るべき取締法規の根拠がなかつたというように存じておりますが、しかしながらもとより警察は、大きな意味におけるところの社会の正常なる安寧を保持するのがその職能でありますから、直接の取締法規の根拠がなくても、少くとも大きな意味における治安の観点より、これに対して相当なる関心を持つておられたこととは存じます。また持つべきであると信じます。従いまして今日問題になりました保全経済会並びに他にもあるようでありますが、類似の事柄につきまして今日わかつております具体的の事実を、できるだけ詳細にお尋ねいたしたいと存じます。
○中井委員長 ちよつとこの機会に申し上げておきますが、本日当委員会に出席を要求いたし、出席をしている政府当局は大蔵省銀行局長河野通一君、国家警察本部刑事部長中川董治君、同じく防犯課長宮地直邦君であります。なおただいま警視庁の防犯部長養老絢雄君が出席をされました。これは参考人として発言を許したいと存じます。御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○中井委員長 御異議なしと認め、参右人として同君の発言をも許すことにいたします。中川君。
○中川説明員 ただいま橋本委員から御質問がありました広い意味の金融事束関係につきまして、私ども警察関係においてやつております事柄を申し上げて御説明いたします。 この金融関係につきましては、業態、業種によりまして、特別の立法化されている事業もあるのでありますか、またその特別立法の対象になつていない金融関係事業を、民間でやられている向きも少くないのであります。特別の行政立法が行われております業態につきましては、その行政立法中、行政監督権の作用する面につきましては、大蔵当局その他行政庁の方の行政監督をやつていただいているのでありますが、この特別立法中、刑事責任を規定しております条項の犯罪につきましては、私ども警察において十分関係の向きを視察いたしまして、犯罪ありと思料いたしました場合においては検挙を怠らぬ、こういう方針でやつているのであります。ところがこういう特別立法のない業態の形で、金融関係の事業をやつていらつしやる民間の向きもまた少くないのでありまして、そういうことにつきましては、犯罪捜査活動として刑法その他の刑罰法令違反という点の視察内偵は、ずつと継続いたしているのでありますが、何と申しましても犯罪捜査活動になりますと、それぞれ法律の制限下におきまして、犯罪ありと思料するに足る十分な資料がございませんと、捜査に着手することができませんので、そういう意味合いにおいて行政監督権よりもどうしても時期的に遅れるという宿命を持つているのであります。ところがいやしくも犯罪ありと思料するに足る資料を入手いたしました際におきましては、果敢に捜査活動をやつて参りまして、こういう犯罪の制圧につきまして、警察当局としては国家地方警察におきましても、自治体警察におきましても、連絡を緊密にいたしまして、この捜査活動については、過去におきましても十分努力して参つたつもりでありますし、将来ともこの点につきましては特別の努力を傾けたいと思うのであります。 以上が私ども警察関係にあずかる者といたしまして、広い意味の金融関係事業に対する態度なのでありますが、今日調査の対象となつております保全経済会につきましても、ただいま私が申し述べました要領に基きまして、警察の視察につきましては十分従来とも努めて参つたのであります。 ただいま私どもが国家地方警察、自治体警察連絡を密にいたしまして承知いたしております状況は、おおむね次の通りなのであります。この保全経済会と称して事業をやつていらつしやる方は、商法三編第四章の匿名組合の契約に基きまして、地方の方々の出資を求め、それに基いて営業者としてそこの理事長が証券投資等を中心にして事業をやつているようであります。この関係は商法の匿名組合契約でありまして、特別の行政立法の対象となりがたい状況でありますので、私どもといたしましては刑法その他の刑罰法令の関係の違反があるかどうかにつきましては、他の団体と同様な意味におきまして、十分徹底した視察をすることについて努力して参つておるのでありますが、犯罪ありと思料いたしました場合には、一般の方針に基くことは同様なのでありますけれども、こういう角度ですべての問題を見ておるという程度を申し上げまして、これはこの団体に限りませんが、いやしくもこういつた関係事業において犯罪ありと思料いたしました場合におきましては、検挙その他刑事手続を進める上につきましては、やぶさかではないのでありまして、刑事手続はそれに必要な十分な資料によつて初めてやれることでありますので、その点は御了承おき願いたいと思うのであります。 大体ただいま議題になりました事項に関する金融関係事業に対する警察側の従来とつて来ました態度並びに今後の方針は、以上の通りでありますので、御了承願います。
○橋本(清)委員 今お話を伺いましたが、私はむしろお話になりました検挙というよりも、警察としてはお話になりました防犯という立場が非常に大きな仕事じやなかろうかと思うのであります。ただ取締り法規がないというだけでもつて取締りの対象にならぬから、特別法の匿名組合になつているから対象にならぬから検挙ができない。しかしながら警察のほんとうの職責とは犯罪が起つてから検挙するのがほんとうの職責ではない、犯罪を予防するのが警察のほんとうの職責であろうと思う。この立場におきまして、かくのごとき状態に対してはお話によりますと、常に視察内偵を続けていられたということでありますが、いかなる具体的な方法によつて、いかなるものを使つて、その視察内偵を続けていられたか。その点をお伺いいたします。
○中川説明員 御説の通り、ただいま私犯罪捜査の面を中心にして御説明いたしましたので何でありますが、御承知のごとく私ども警察は、犯罪捜査も含めて防犯と警察活動両方一体的に運用いたしているのでありまして、防犯活動という意味におきまして、いろいろな視察を十分やります責任もありますので、その点についての着意も十分いたしているのでありますが、防犯活動になりますといろいろ一般的な国民の御協力を仰ぐという面と、それ以外に防犯土の処置を講ずる特別法令による処置ということと両方考えられるのでありますが、この種金融事業関係につきましては、警察関係の行う防犯活動という点につきましては、営業の自由とかそういつた面等もありまして相当の制限を受けながらやらざるを得ないのであります。一般のこういうことに伴う犯罪の防止という点につきましての着意は十分持つているのでありますけれども、営業の自由等の関係等から、具体的に警察が実施いたして参ります防犯活動につきましては、相当制限を受けて参りますので、一々こういつた事業について具体的にこの事業はあぶないというようなことを申すことはできませんので、一般的な広い意味の国民の協力を仰ぐという意味の防犯活動につきまして努力しては参るのでありますが、これにつきましては事柄の性質上、相当実効をあげがたいという点を率直に申し上げたいと思うのであります。 それからいろいろ犯罪捜査活動と申しましても、捜査に着手する以前の活動でありますのでいろいろな国民の御協力によりまして、こういつた関係の事業に伴う犯罪の視察という点は、いろいろこういう事業に通る人たちのお話等も承り、その犯罪関係の事情を視察するのに努めている次第でありますので、そういう意味合いの努力はいたしている次第であります。
○橋本(清)委員 私はただ新聞を見ているだけでありますが、一つの新聞に現われたる事例をあげてお尋ねをいたします。たとえばこの会が最初は一割ですか、何かたくさんな高利で配当をする。だんだん減つおるようだが、現在でも一割というような相当高利で支払うということを言つて投資をさしておつたのであるが、その投資を勧誘するときに、すでに会の持つておる財産その他が、その高利なる元金及び利息を支払う能力がないというようなことを客観的に認められる場合において、もし投資を勧誘したる場合には、私は明らかに取込み詐欺になると存じますが、御意見をお尋ねいたします。
○中川説明員 いろいろ当保全経済会に関する行為の状況についてお話があつたのでありますが、刑法の詐欺罪がこのことに関連してあるかどうかの容疑の点でございますが、だんだん話の点もわれわれ視察の十分な対象にいたしておるのでありますが、犯罪捜査活動の具体的内容につきましては、今ただちに犯罪ありとここで申し上げる段階でございませんので、そういつた問題につきましては、ちよつとここで御説明するのは御遠慮いたしたいと思いますので御了承を得たいと思います。大体の方針といたしましては、刑法の詐欺罪等も十分に念頭に置きまして、また特別の刑罰法令等も念頭に置きまして、こういつた関係事業に犯罪ありとせば、またあるということの資料が発見できましたあかつきにおきましては、そういう捜査活動をいたすにやぶさかでないということを申し上げておきます。
○橋本(清)委員 大蔵当局にお伺いいたします。新聞紙上伝うるところによれば、この事件は政府の怠慢であつたというような記事が出ておるのでありまするが、この記事に対しまして大蔵当局はいかにお考えになりますか。
○河野説明員 保全経済会自体の法律的あるいは制度上の問題につきまして、所管はだれかという問題はいろいろありますが、その問題はもし御質問がありましたら、後ほど御説明申し上げてもけつこうだと思いますが、大蔵当局、ことに金融を所管しております私どもといたしましては、責任を感ずるべき事柄は何もない、かように考えております。
○橋本(清)委員 今お答えになつた点については、私もある場合においては同感の点がある。新聞紙上等においては、いかにも政府の責任だということを大きく書かれておるようでありますから、これは金融を取締るあなた方として非常な関心を持たなければならぬと思う。堂々と政府に責任がないということを、はつきり公表されたらいいだろうと思う。この点特に私は希望いたします。それからかくのごとき事態が起つておる、これは大きな社会問題ですが、すみやかに取締法規を制定するお考えはないか、お伺いしたいと思います。
○河野説明員 取締法規の問題につきましては、先ほどちよつと申し上げたのでありますが、この保全経済会というのは一体何かということが、まず問題になる。この点につきましては、私は去る三月に、当院の大蔵委員会におきまして、私ども大蔵省としての考えだけでなく、法務省その他を含めた関係各省の一致したこれらの問題に関する見解を、御説明申し上げたのであります。あるいは速記録等でごらんいただいたかと思いますが、その概要を詳細に繰返すことも何でありますけれども、一応皆様方に念頭に置いていただきたい。 第一は、この保全経済会というもののやり方は、商法にいわゆる匿名組合あるいは匿名組合に準ずる無名契約の契約関係である、出資関係である、従つてこれは金融業法その他でいつております預金を受入れる行為ではない。従つてその面においては金融業法の対象にならない。他面金融業法でいろいろ措置を講じて参つております預金者保護の対象にもならない。これが第一点であります。 第二点は、貸金業も行つておらない。この保全経済会という匿名組合は、貸金業も行つていない。いろいろな投資のやり方があるようでありますが、保金経済会におきましては、御承知のように有価証券とか不動産への投資をもつばら行つておる。従つて貸金業も行つておりませんから、融資の面において金融活動をいたしておることもない。従つて貸金業等の取締に関する法律という法律がございますが、この法律の対象にもならない。これが第二点であります。 第三点は、しからばこれを取締るとか、あるいは保護するとか、いろいろな形で立法をすべしという御議論が出ておる。この御議論に対しては、私どもは少くとも金融行政の対象としてこれらのものを立法化する意思はないのであります。その必要も私どもは考えていない。これが第三点であります。しかしながら先ほど申し上げましたように、単に金融の狭い面だけの対象でないからといつて政府としてそれを放置していいかという問題はまた別にある。それは私も、政府職員の一員として、個人的にはいろいろな考えもありますし、また関係の向きにもいろいろ相談をしたことがございますけれども、これらの点につきましては、私銀行局長といたしましては、自分の立場から、この問題について公に意見を申し上げる段階にまだ来ていない。私個人としては、いろいろこれはこうした方がいいじやないかという考えも持つておりますたとえば商法第何章でありますか、あの匿名組合の規定は、おそらくごく少数の個人間の信用に基いた契約であろう。従つて当初考えておりましたところは、保全経済会等で見られるような、不特定多数の人たちを相手とした匿名組合契約というものは、おそらくあの法律は予想していなかつたと思う。従つて株式会社等にありまするような、株主の利益を保護するような規定、たとえば株主総会で取締役を選任したりいろいろするという形において経営に参画し、経営を監視するという意味は、現在の匿名組合の規定の中にはない。しかし不特定多数の人から匿名組合という形、あるいはそれに準ずる出資契約によつて金を集めるという仕組みが、だんだんできて参るならば、これらの出資者は、その事業者自体に対してほとんど個人的なつながりはないかもしれない。そういつた場合においては出資者を保護する規定、商法の株式会社編において規定いたしておりますような、株主を保護すると同じような、あるいはこれに準ずるような出資者保護の規定がいるのではないだろうかという気も私はいたしております。あるいはそういう規定を置くか、しからずんば不特定多数の人を相手とするような匿名組合の方式は認めないということにするか、認めるならば出資者保護の規定をもう少し整備することが必要である。私個人としてはそういうふうに考えております。この点は先ほど申し上げましたように法務省を中心とした各関係の所管官庁の問題でもございますし、それから公に政府としての見解を申し上げる資格もありませんし、まだそういう段階にないということだけを御了承いただきたいと思います。
○伊瀬委員 ちよつと関連して銀行局長にお尋ねするのでございますが、二十四日の保全経済会の休業と同時に、理事長の伊藤何がしが、政府の融資を要求している。この融資がなされないためにこういう事態になつたのだ、責任は政府にある、こういうように新聞に発表いたしておりますが、大蔵省に対して融資の要求なんかしている事実があるかどうか、こういうことをひとつ率直にお答え願います。
○河野説明員 私もそういう記事を新聞で見ました。少くとも大蔵省といたしましては、大蔵大臣も含めて私どもそういう融資の申入れを受けたことは全然ございません。ただ政府にもいろいろな機関がございますから、他の方面に話があつたか、それはどうか私存じませんが、少くとも他の方の政府機関の方へ融資の申入れがあつたということは、私どもは通告を受けておりません。私の承知いたします限りにおいては、政府の他の部門に対しても、おそらくそういう融資を申し出た事実はないと確信いたしております。
○橋本(清)委員 私の質問に対して先ほど三つの御答弁があつたようであります。一、二の匿名組合の法律論は私はよく承知しております。第三の問題の個人として何とかしたいと考えておる、これは当然考えることだと思う。大きな社会問題が起つております。はなはだ遺憾ながら日暮れて道遠し、私はその感をする。どうぞなるべく早くお考え願いたい。これだけをお願いして質問を終ります。
○中井委員長 ただいまの質問に関連した質問を佐藤君からいたしたいとの御要求があります。佐藤君。
○佐藤(親)委員 河野局長にお伺いします。匿名組合であつて、貸金業を行つていないというお答えがありましたが、組合員が預けた金を、組合員の名においていわゆる組合員の一部の者に出資以外の多額の金を貸しておる。それは公正証書または特別なる保証人付で貸しておる。この場合にはやはり組合員大勢から金を集めて、そしてその一部の者がこれを借りる。従つて借用証書はつくられる。また公正証書による消費貸借の契約もつくられる。そうして日歩は五十銭請求しておる。実際これは現実に私は実験をしておる。だから非常な利子の先取りをしておる。そしてしまいに差押え、強制執行をしておる。だから裁判事件が多数起つておる。借りた人はそうであつて、借りない人は今とることができない状態で押しかけておるというのでありますから、公正証書がつくられて、消費貸借というものがある以上、匿名組合の組合資格において貸してあるのだから、消費貸借、貸金業を営んでいないという御回答はいかなる御解釈の上で貸金業をしていないということになるのか、その点をお尋ねいたします。
○河野説明員 最初にお断りをいたしておかなければなりませんのは、この保全経済会等の匿名組合方式による投資機関につきましては、先ほど来申し上げましたような私どもの見解に基きまして私どもは実は検査の権限を持つておりません。従いまして私どもはこの内容を検査いたして、その検査に基いて事実を申し上げているわけではないのであります。いろいろ他の方面から情報をいただいたりしたところで、調べられるだけのところを調べて申し上げておるのでありますが、少くとも私の承知いたしておりますところでは、保全経済会は貸金は行つていない、こういうふうに承知いたしております。ただ類似の機関が他にたくさんございますから、あるいはそういつた機関とある程度事情が間違つてお耳に入つている点があるのじやないかと思いますけれども、保全経済会に関する限りは、私は貸金業を営んでいないように承知しております。ただ私どもとしてこの保全経済会がある証券会社に対してある程度資金の貸付をいたしているということは承知をいたしております。しかしこれも業として貸し付けるといつたようなことはやつていない。貸金業と申しますのは、御承知のごとく、反復してこれを業とする場合に、貸金業となる。個々の貸付が一、二件あるかと思いますけれども、これを貸金業を営んでおるというところまで貸金をやつておるとは、私は承知いたしておりません。
○佐藤(親)委員 全国に預金をしたという形をとつて匿名組合に出資をしている者が十五万ある。その額が四十五億。そうしてその四十五億は全国にまたがつた各営業取扱所または支店と称する表札のもとに金を集め、その金の何割は本店に送り込めという指令をして本店に送り込んでおつたのであります。貸金業をしていないという御解釈でありますが、私は一人に何回も貸さなくとも、多数の組合員から集めた金を、一営業所において二百の人から金を集めたとすると、現にそのうちの五十口くらいは、組合員の一部の者に貸付が行われて、借用証書をとつて、保証人をつけて、かつ、公正証書をつくつているものもあります。そうして現に強制執行を裁判所の手を経て行いつつあるのであります。ところがこれはひとり保全経済会ばかりではありません。大体一町にパチンコ屋が十七軒あると、十六軒そういう金を集めるところがある。少くともパチンコ屋とこういう金を集めるところは、大体比例して行われておるような状況が、全国にあるのであります。そうすると、一人に何回も反復して貸さなければ、貸金業でない、大勢のもののうち異なつた人に貸出しが行われておつても、貸金業ではないと、解釈していいのでありますかどうか、承りたい。
○河野説明員 反覆して貸金を行うということは、同一の人に何度も貸すという意味ではございませんで、多数の人に一件ずつ貸して行くことも、反覆して業として貸金を営むことでございますから、非常な多数の人に貸金を行つておれば、もちろん貸金業になるわけであります。もとより先ほど申し上げましたように、私ども自分で検査もいたしたことはございませんので、あるいは私の今まで調べたところが間違つておるかもしれませんが、国警当局の方で、あるいはこれらの点について御存じの点もあるかと思いますから、そちらの方からお聞き取り願いたい。
○中井委員長 それではこの際ただいまの問題につきまして、国警の防犯課長宮地直邦君から御説明を伺います。
○宮地説明員 私どもが調べております関係で、今銀行局長が言われましたように、金を貸しておつた例は発見いたしております。しかしながら今申されましたように、これを業として認定し得る材料はまだ持ち合せておりません。
○藤田委員 二、三関連してお尋ねしたいと思いますが、本件に関しましては、本日午前中の大蔵委員会において、委細を尽して問答があつたと想像されますので、私は当委員会の角度からなるべくお伺いしたいと思いますが、ある程度重複することを御了承願いたいと思います。 まず第一点は、私は保全経済会というもの及びそれに類似した金融機関の成立というものの社会的な雰囲気というものを、この際考えるべきではないかと思うのであります。なるほど一般銀行あるいは相互銀行等ができまして信用金庫等もございますし、いろいろな法の保護を受けております。ところがこれらの既存金融機関が大衆的でないと申しまするか、二方、三万の金によつて生活を建て直すことができるような多数の中産階級に対して、非常に親切でない、なかなか融資が困難であるという社会的な必然性から、こういう機関ができて来たんじやないかと思いまするが、法の根拠のない匿名組合である、従つて法の保護、国家の保護の必要を認めないという意味の御答弁でございますが、私はこういう金融機関は、今後ますます強化されて行く面もありはしないかというふうな気もいたしますが、銀行局長としてこういう金融機関的なものができましたその動機と申しますか、局長なりの見解をまずお伺いしておきたいと思います。
○河野説明員 お答え申し上げます。お話のようにこれらの投資機関と申しますか――私は先ほど申し上げましたように言葉にこだわるわけではありませんが、金融機関と考えておらぬのでありますが、投資機関ができて参りましたもとは、やはり正規の金融機関における零細金融へのチャンスが、非常に少くなつて来たというようなことも原因をいたしておると思います。ただこの問題は主として私どもは匿名組合方式による投資機関の場合ではなくして、いわば貸金業者の場合にむしろそういう問題が言えるだろうと思います。匿名組合につきましてはいろいろなやり方がありますが、これは零細金融の融資をやつておるわけではないのでありまして、大体不動産を持つたり、株主を中心とした有価証券投資をやつておるわけであります。従いまして各出資者から集められた資金というものは零細なる企業者への貸出しということになつて実は現われていない、貸金業者におきましては、今お話の指摘された面が確かにあると思います。私はむしろそれよりも、普通の、正規の金融機関へ預金をいたしますよりも、こういつた機関へ出資をした方が利まわりがいい。それは御承知のように月二分あるいは三分といつた配当をいたしておるのでありますから、預金等の金利に比べれば、はるかに利回りはいいわけであります。それだけに、もちろんそれは出資であつて預金ではないのであけますから、預金者に対するような保護は与えられないかわりに利回りは割にいい、そういつた点で零細な資金が正規の金融機関へ行かないで、こういつた方面へ相当集まつて来た、しかもそれがインフレーシヨンの過程において、世上に盛んに行われたという事実はあるかと思います。匿名組合方式の保全経済会等の場合におきましては、それが与信面、つまり金を貸す面におきまして零細企業に対して今まで正規の金融機関でけりがつかなかつたという点を、これで埋めるというような役割は果していないというふうに、私は考えております。
○藤田委員 これは河野銀行局長だけの方針ではございませんが、たとえば大銀行に対しましては大蔵当局の熱の入れ方が格別であります。たとえば丸ビルに三菱銀行がありまして、その隣りの今度できました新丸ビルに三菱銀行の支店をつくる、こういう無法な銀行支店の許可をやる半面に、たとえば地方銀行、九州で言えば親和銀行のごとく非常に実績をあげている銀行の支店設置に対しまして徹底的に消極的である、こういう大金融資本中心の何十年か続きました大蔵省の銀行行政というものが、私はある程度の障害にぶつかつた一つのこれは過渡的な泡沫が、こういう形になつて現われたのではないかというふうに考えております。われわれは何も過激な思想を持つているものでございませんが、大金融資本中心の銀行政策というものを、この際修正せずんば、かくのごときびつこの金融機関的のものがどうしても跡を断たない、事業投資にしましても、株主相互金融にしましても、何と申しましても明朗なものでございません。しかしそういうものが全国に約五、六百に達し、これらの変態金融機関的のものが扱つている現金は実に四百億を越えるというようなことも伝えられておるのでありまして、私は何かここで財政金融の当面の責任者であられる銀行局長等が、新たな角度から日本の金融政策というものに対して一つの新機軸を考える必要がありはしないかというふうに考えておりますが、この点に関しまして御所見を承りたい。
○河野説明員 見解の相違があるかもしれませんから、その点はあらかじめお許しをいただきたいと思いますが、私どもは銀行行政あるいは金融政策を打つて参ります場合に、大銀行と申しますか、あるいは都市銀行だけを、へんぱな扱いで、特別有利な条件のもとに扱つて、他の弱小金融機関あるいは地方銀行を非常にいじめつけておるというような政策は毛頭とつておりません。いろいろ今店の例もございましたが、これらの点については一々私は十分御説明ができる事情のもとにやつておるのであります。大銀行の支店等につきましても、非常にやかましく言つて押えて参つておるにもかかわらず、丸の内から銀座方面の目抜きのところは、大銀行の店舗だらけだと、いろいろおしかりを受けておりますけれども、われわれはこれらの問題ついてはできる限り適正なる判断を下して参つておるのでありまして、地方銀行を虐待して、都市大銀行を優遇するというような方針は毛頭とつておりません。ただ私どもの力なりあるいは知恵が足りないで、あやまちでもつてそういう方向に進んでおることがもしありとすれば、これはただちに直さなければならぬと思いますが、そういつた方向はとつておらぬ、また中小金融等に対しましても、できるだけ大銀行もこういう方面に力を注がなければならぬということで、私どもできる限りの努力は払つて参つております。融資面その他につきましても、大銀行についても地方銀行と同じように、やかましく重点的な資金の使用等について、法律化を促進するようにやらしておるのであります。政策として私どもが大銀行に偏重するような策をとるということは、絶対に従来から私はいたしておらぬつもりでありますし、今後もそういうことはいたすつもりは毛頭ありません。
○藤田委員 あとの質問者もありますから、簡単にいたしたいと思いますが、たとえば新橋駅から京橋に至るまで五十数行の銀行の支店がある。こういう状態は私は何と申しましても銀行配置の適正を欠いておる、かように考えております。これは銀行局長が冒頭に見解の相違があるかもしれないと申されましたが、少くともわれわれが所属する政党が、実際銀行行政に直接関係する場合におきましては、こういう矛盾を即刻是正するという気持だけを、ひとつ局長に御了承願つておきたいと思います。 それからこの問題に関して何ら責任ないという銀行局長の言明でありますが、現に日銀発行券の数十分の一の四十五億という厖大な資金が、十五万という多数の人から集められたという事実であります。大蔵省が財政金融に対しまして絶対の権限を持つておる現在の国家機構から申しまして、四十五億という国家の金が一つ金融機関的なものに集中したという現象に対しまして、大蔵省は全然責任がない、しかも法律根拠がないから法律上の責任もない、一切の責任がないという意味でございますか、どうですか。どうも一般の常識からいえば、法律の根拠がないものに対して四十五億という金が集まつた、この点に非常に大きな疑問を抱くのであります。また将来問題を起すかもしれぬというような危惧の念を持つておられたように、新聞で報道されておりますが、集まつてしまうまで何ゆえに手をこまねいておられたかということに関しまして、私たちは非常に不可解な点が多いのであります。委員会の席上ではありますが、なるべく率直に局長の角度から見られた事態の真相を、ひとつお示し願いたいと思います。特に新聞におきましては政党との関連が非常に叫ばれております。こういう際でありますから、この機会になるべく率直に今まで集められた資料に基いて、局長の御答弁をお願いしておきたいと思います。
○河野説明員 保全経済会というものの性格につきましては、先ほど来申し上げた通りでありますが、金融行政の立場以外の点から、立法について私としてはもう少し整備を要する点があるのではないかという気がいたしますことは、先ほど御答弁申し上げたのでありますが、それ以外の点につきましては、私は株式会社が公衆から株式の引受けの形で資金を集める形態と、匿名組合という形で、出資を不特定多数の人から集めるという形式とは、法律的には同じやり方であろうと思うのであります。ただ今藤田さんのお話のように多数の、十五万なり二十万といわれておる加入者を持つておるのでありますから、万一悪い事態が起りまして、保全経済会がこれらの出資者に対して支払いができないという事態になりました場合には、非常にお気の毒な方がたくさん出て来る、これは非常に重大な問題だと私は考えておりますが、私どもの与えられた仕事の範囲内におきましては、私はこの点につきましては何ら――責任という言葉は非常におかしいのでありますけれども、行政上の責任は、私どもにはないという考え方を、はつきり申し上げたいと思います。ただ政府としてどうだという点になりますと、これはいろいろな観点から議論がありますけれども、金融行政を担当いたしておるものといたしましては、今申し上げた通りに考えております。
○藤田委員 最後に一点、警視庁の養老防犯部長が見えておられますから、一点だけお伺いしておきますが、昨日の新聞と記憶いたしておりますが、警視総監の保全経済会に対する談話の中で、政党との関係云々ということがありました。そういう記事があつたことを私は記憶しておりますが、田中警視総監がこういうことを言われた事実を御承知でありますか、どうですか。おそらく新聞記者との共同会見に出たと思いますが、その事実だけをお伺いしておきたいと思います。
○養老参考人 ただいまお話がありました、昨日の新聞紙上に田中警視総監の談として出たと言われましたような内容につきまして、私ただいまここへ参ります直前に総監にもお会いしまして、本日この委員会に出て参ります要件について、若干御相談して参つたのでございますが、何一つそうした点について触れられた点もございませんし、また私自身といたしましても、そうした点について聞き及んだ点は何一つございません。
○中井委員長 伊瀬君。
○伊瀬委員 銀行局長にお尋ねしたいと思つていましたが、藤田委員からるる質問もございましたししますので、簡単に防犯課長にお尋ねしたいと思います。今までいろいろと聞いていますと、この保全経済会は何ら法的取締り根拠がないというような御答弁でございまして、これは明らかに法の盲点であると考えるのでございますが、現実に預金者が十五万あり、金額も四十五億というような莫大なものである。またこの下に類似会社が全国に三百もできておる。預金高はおよそ五百億もあるというこの現実、しかもこれが何ら取締る法規がないというようなことで、幾らでも預金を集めた、そして幾らでも大きくなつたときにつぶしてしまつても、それには政府は手をこまねいているのだ、何ら犯罪が起らなかつたらかまわないのだというような態度で、今後も臨まれるのかどうか。先年相互百貨が全国にございまして、これが不在なところからいろいろと預金者に迷惑をかけておることは御承知の通りだと思いますが、この相互百貨が行き詰まつて、そうして保全経済会その他これに類似するような金融業者が現われたと思うのでございます。これに対しても――相互百貨が零細な農民、零細な中小商工業者の預金を、だれが見てもこれは危険だということがはつきりわかつている、最低二分、三分、四分、五分というようなえさで、無知な多くの預金者の預金をかき集めておるというときに、これはわれわれの責任ではないということで、当局は手をこまねいて見ておるというのは、はたしてそれでいいか悪いか、防犯の立場からもこれは何らかひとつ手を打つべきだと思うのですが、そうした責任はお感じになりませんでしようか、どうでしようか。
○宮地説明員 お答え申し上げます。いわゆるやみ金融と申しますか、その業態の発生を見ますと、今御指摘のように物品販売を仮装いたしました相互銀行法違反という形態で現われて参りましたので、これを昭和二十四年以降相当の力をもつて、警察は一方において検挙して参りました。現在の段階においてはこういう違反形態というふうなものは、比較的減少して参りました一方、これまた御指摘のように株主相互金融という特殊な出資の形態が現われておりまして、これらあたりを、最近になりまして大蔵省等の行政措置と相まちまして、私の方で重大なる関心を持ちまして、違反事実につきましては検挙いたしておるのでございます。もちろん検挙に先行する措置としての警告というようなものも、われわれはあらゆる機会をとらえて、新聞あるいはラジオというようなものを通じまして、一般民衆の参考に資する材料を提供はいたしておりますが、何分一方におきまして、株主相互金融というものすべてが違反と断定しかねますので、これあたりのところには非常にデリケートな問題があると思います。なお今問題になりましたもので、現在やみ金融として問題になつております非常に数の多いのは、今申しました株主相互金融の形態でありまして、匿名組合の形態のものは、まだ全国的にそう多数はなかつたように存じます。以上でございます。
○伊瀬委員 先年のあの相互百貨が倒産したときのような、ああいう調査はなさつておりますか。いろいろと預金者に迷惑をかけてまつたく払いもどしをやつていない、そういう払いもどしをされないで、預金者が泣き寝入りしているというような人たちの金額とか、それから人数というようなものは御承知になつておりますか。
○宮地説明員 すべての事件についての調査は行き届いておりませんけれども、典型的な事例につきましては、私の方では調査いたしております。
○伊瀬委員 そういう調査があれば、ひとつわれわれに示していただきたいと思います。
○中井委員長 伊瀬君、ただいまの御質疑につきましては、少し専門的になりますので、いかがでしよう、その点はあとまわしにしていただいては。
○伊瀬委員 あとまわしにして質問を保留いたします。
○中井委員長 それではただいまの質問は保留されました。よつてさらに進めます。西村君。
○西村(力)委員 先ほど委員長が、こういう結果が現われるということを心配して、国会におきましてもこれに対処するいろいろな方策を立てられた、ところがそれが成功を見なかつたということをおつしやつておる。こういう結果を見てからいろいろ当局にお聞きしますと、責任もない、権限もない、こういうことでありますので、大きく考えて来ると、そのとき成功させなかつたところに、また一つの責任を感ぜざるを得ないというぐあいに思われるのであります。それでそのときの事情を銀行局長がおわかりでしたら、詳しくひとつ御説明願いたい。
○河野説明員 匿名組合方式による不特定多数の者から出資を集める方法について、取締りと申しますか、そういつたことをやるべしという御意見は、国会の内部で相当私どもも聞かされたことがございます。その当時私は、この問題は実は私の所管でございませんものですから、法務省の責任者に来てもらつて話を聞いてもらいたいということを、衆議院の大蔵委員会に申したのであります。その当時法務省の民事局の責任者が来て、今申し上げましたようないろいろな問題から、何か商法について特別な規定を追加するなり、あるいは特別の単行法でそういつた問題を、はつきりさせることが必要ではないかという議員の方からの御質問に対して、法務省としては現在まだそういつたところまで考えていない、こういうのが前国会までの経過であつたと思います。その際、私はよく存じませんけれども、大蔵委員の間で、そういつた問題を、これは政府がやらないなら、議員提出でそういつた法案を、ひとつ考えてみたらどうかという議が、いろいろよりより行われておつたように、これは私は間接に漏れ聞いてはおりますけれども、それがどういうふうになりましたか、私は承知いたしておりません。政府の方の関する限りでは、法務省の担当の責任者は、まだそういつたような商法改正を行う時期でない、こういう答弁をいたしたように私は承知いたしております。それ以外に私はこの問題についてはあまり経緯はよく存じません。
○西村(力)委員 そういうときに、このような保全経済会のような高利回りをやるということは、まつたく健全性を欠くので、それは将来危険である、その危険な結果が零細な国民にほんとうに生き死にの悲劇を与えるという見通しを、当局としても十分持たれておつたのではないかと思うのです。そういう際に大蔵当局としても、強くそういう方面の誠実を要望するなり、あるいはまた自分たちの手で、そういう責任をとられるなり、こういうことをせられなかつたということは実に遺憾でございます。あなたもこのような行く先というものは見通されておつたのではないかと思うのです。それについて、こういうことを避けるべくいろいろな点で努力せられたことが確かにあるのではないかと思うのですが、そういう点についてのお話をひとつお伺いしたいと思います。
○河野説明員 保全経済会が将来どういうふうになるかという問題につきましては、私個人としてはいろいろ考えたことはございますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、何と申しますか、金融機関でありますならば、いろいろ常に私どもも内容も調査いたしておりますから、預金者を保護するという観点から、事前に打つべき手は打つようにいたします。しかしこの保全経済会等につきましては、私どもは検査権も何も持つていないし、内容も自分が直接調査する二とはできないわけであります。いろいろうわさもありましたし、私ども普通の常識で考えれば、月に二分、三分の配当をして、しかもそれ以外の資産というものも持たないで、一方不動産投資あるいは有価証券投資をしておつて、うまくやれるかどうかにつきましては、非常に疑問を持ちましたけれども、さればといつて、これはどうしてもいけなくなるのだということを、私がはつきり確信を持つて考えたということもございませんし、またかりに考えたといたしましても、私からそういうことを申すのは非常におかしい話で、たとえばある株式会社があつて、その株式会社がつぶれるかもしれないという場合に、その株主に対して、あの会社はつぶれるかもしれないから気をつけろということは、私どもとしては言えない、それは一種の営業妨害であるかもしれないと私は思います。それと同じような意味で、少し性質は違うかもしれませんけれども、その出資者に対してあれはあぶないぞということを言うということは、それは一つの企業体に対する営業妨害であろうと私は思います。私はそういう点についてはつきりした確信を持ち得ませんでしたし、またかりに持つたとしても、そういうことは言うべき筋合いではないと考えます。
○西村(力)委員 それは確信を持たれなかつたとすれば、それでやむを得ないのでありますが、私は、あれがあぶないということを言えというのではなく、幾らかでも危険であるという確信があつたならば、また、健全金融を守るべき立場にあるあなたは、やはりそういう立場で、個々の問題ではなく一つの予防措置として考えるべきではなかつたか、かように思うのですが、そうでなかつた、そういう努力もしなかつた、そうしてこういう事態になつてしまつたのでありまするから、そこは最低限に、はつきり預金だというつもりで金がもどつて来る。こういうなけなしの金をはたいている人々の苦しみを救うような最大限の努力を、事ここに至つてはしてもらわなければならぬわけであります。そういう点について個人としてどうこうということはありませんが、政府としては考えを持つべきであるという先ほどのお言葉もございましたので、そういう点を推進するために銀行局長としても、あるいは警視庁の防犯的な立場におられる方としても努力していただきたい。その努力をどのようになしてくださるか、これを即急にどういう方法で当るのか、ひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○河野説明員 私どもは今お話もありましたが、三月に長い間かかつた後、方針を決定いたしましたとき、私どもといたしましてはできるだけ事柄の実態はこういうものである、匿名組合方式でやつている投資機関というものの実態はこういうものである、また株主相互金融の形でやつている貸金業の実態は、こういうものであるということをはつきりいたしまして、そうしてその限りにおいて、できるだけ新聞紙等にお願いして、その実態を明らかにする努力はいたしたのであります。その努力をいたしたからもう責任はないということを申しておるのではないのでありますが、そのとき言つたことは、先ほど来申し上げたことを繰返すことになりますが、これは出資なのである、預金じやないのだ、従つて出資者はこれは出資であつて預金じやないということを、はつきり考えてやつてください、従つてその出資に対しては非常に高率の配当が受けられるかもしれないけれども、そのかわり預金者に対して制度上あるいは行政上預金者保護の措置を講じておるのと同じような保護の措置は講じられません、そのかわりその企業がうまく行けば高率の配当は受けられるでしよう、これは出資であつて、その性質は株式と同じだ、そういうことで私どもとしては、その実態はどういうものであるかということは、あらゆる機会をつかまえてわからせたいという努力をいたしたつもりであります。しかしそれが十分に一般の大衆の方々の間に徹底することができたかできなかつたかの点につきましては、私も十分な自信はございませんけれども、私どもとしてはできるだけそういつた事柄の実態をわかつていただくような措置は、努力はして参つたのであります。それから今後新しい立法をするかというお話でございますが、これは先ほど来申し上げましたように、はなはだ小役人のようなことを申し上げて恐縮でありますけれども、実は私どもの所管の問題でございませんので、法務省なりその他関係の方面と十分に打合せをいたしまして、皆様方の御趣旨の点は十分に伝えて善処するように努力はいたしたい、これだけを申し上げることでお許しを願いたいと思います。
○養老参考人 本日問題になつておりますような企業につきまして、こうした企業が一旦まずく行けば、投資者と多数の人々の非常な迷惑になるという点については、われわれとしては十分な関心を持つております。ただ警視庁としましてこうした問題について、犯罪といいますかそうした事態がないように、十分な態度をもつて臨んでおるつもりでございますが、また一旦事が起きまして、その後における検挙等にのみ専心するという意味ではございませんので、それに先行する犯罪の予防といいますか、防犯というような問題が、より以上大切であるということにつきましても、十分そうした点に努めておるつもりでおります。そういう心組みなり方針につきましては、先刻来国警本部の刑事部長ないし防犯課長からいろいろ話されたことによつて、警視庁におきましても、つけ加えるものは何ものもございません。ただ今後の問題としまして、なおこうした企業体が警視庁管内に多数あるのでございますが、こうした企業の運営につきまして、今後事業の不振等の場合ないしは事業の運営の過程におきまして、犯罪があるというような仮定を立てまして、一般の投資者その他の大衆に警告その他啓発というような警察措置を講ずることは、実際問題としてできないのでございまして、警察といたしましては防犯というような職責は、もちろん与えられておるのでございますが、そうした点にまではたして出得るかどうか。これは先ほど来いろいろ企業の自由とか、あるいは警察権に上るそうした営業に対する干渉云々、営業妨害等の問題が出たのでございますが、そこまではたして出得るかにつきましては、大いに問題があると思うのでございます。われわれといたしましても、そうした点について非常に苦心いたしておりますけれども、そうした非常に困つた事案ができたからといつて、今後ただちに類似の企業体に対して、一般の投資者その他に防犯的な見地から、警告その他をするということはできかねると思うのでございます。
○門司委員 もう皆さんからいろいろお聞きになつておりますから、私はこの機会に簡単に聞いておきたい。銀行関係でもどちらでもいいのですが、今問題になつております保全経済会の内容を、どの程度まで調査されたものがあるか、もしありましたらそれを一応見せていただきたいと思います。
○中川説明員 私どもの方は率直に申しまして、先ほど来るる申しましたように犯罪関係等を中心にして、いろいろな査察をやつておりまして、その犯罪関係にある、刑事手続を踏んでおる段階におきましては私ども関係がありますので、いろいろ聞き込みその他を総合しておりますけれども、犯罪容疑その他について、いろいろあれやこれやを集めた資料でありますので、これをお見せすることはちよつと遠慮させていただきたいと思います。御了承願います。
○門司委員 警視庁の方は当然出資者からこの内容について、何といいますか依頼という言葉はどうかと思いますが、告訴状があれば当然これは調べなければならぬと思つたが、そういうことがない限りは、やはり公然と手が入れられない、こういうことですか。
○養老参考人 保全経済会は、警視庁の管内に本店及び関東の総支店を持つておるわけでございます。また管内の人でこれに投資しておる方も数十人あるように承知いたしておるのであります。しかし現在まで保全経済会に関しまして当事者から告訴、告発ないしそれに類似の訴え等のことは、警視庁におきまして全然受取つておりません。またこれまでも保全経済会が、貸金等の営業行為類似行為をやつているかどうかということにつきましても、ずいぶん関心を持つて内査したこともあるのでありますが、そうした事実も今日まで私どもまだ承知いたしておらないのであります。
○門司委員 もう一つ聞いておきたいのですが、こういうものが犯罪があるとかないとかいうことは、別の問題でありますが、いずれにしても社会的な大きな問題であることに間違いはないのであります。そうするとそれを解明するためには、やはり何といつてもほかに機関はないと私は思う。少くともこの事業自体が金融関係ではないというような御答弁ではあるが、しかし法株式、その他に関係を持つ以上は、大蔵当局が全然これを知らぬというわけにはいかぬと思う。従つてこれを世間に明らかに解明することのためには、少くとも責任の所在は一体どこにあるとわれわれ考えればいいのか。もしそれがおわかりでしたら、この機会に教えていただきたいと思います。
○河野説明員 私どもの方は先ほど来申し上げておりますように、報告をとつたり、検査をしたりする権限を持つておりませんので、金融行政の立場からは、なかなかその調査はむずかしいと思います。しかし私どもいろいろな方面から聞いたりして、ある程度の材料は持つておりますけれども、これは自分で直接調べたものではございません。私どもの関係しております大蔵省関係で、まず材料が手に入るとすれば、おそらく税の関係であろうと思います。ただこの税の関係で調べられたものは、なかなか外に公表できるものと、公表できないものとあると思いますし、私ども税の方で調べておるということは聞いておりますが、どの程度のものがあるか、私どもの方にもその内容は示されておりません。おそらく報告をとつたりいろいろする、法律上の所管官庁というものは、実はないのじやないかと思いますが、あとはやはり警察関係なり司法関係ということに、おそらくなるのじやないか、かよかに考えております。
○中川説明員 形式的で恐縮ですが、警察法第一条の一項、二項を含んだ限度においては、私どもはいろいろ活動しておりますが、それ以外の活動をやることは、むしろ警察法一条二項で禁止せられておりますので、その点は御了承願いたいと思います。
○門司委員 どうもはなはだ要領を得ない答弁ですが、事態は国民にかなり大きな影響を持つておる問題であります。同時にこれは金融界その他にも相当大きな影響があると私は思う。よくても悪くても、やはりこれだけ大きな金が、日本の株式市場に投資されておつたことは事実であると思う。そうするとこれから来る日本の経済界の影響は相当あつたと思う。そういうものがあつたということは事実であり、現実に社会に対してかなり大きな問題を投げかけておるものについて、一体政府機関はこれを解明することができないことはないと私は考えるのだが、そういう無責任なものであるとするならば、一体この機関自体について、こういう法律はやめなければいかぬと思う。新しく法律をこしらえて、どうこうするのではなくて、法律自体を今廃止をしなければ、こういう匿名組合ができるという法律があれば、どんな悪いことをしても――悪いというと言い過ぎであるかもしれないが、どんなあやまちを犯しても、これに対して何も調べることもできなければ、世間に対してこれをこう、こうだという解明をすることも、できない、こういうことになれば、これは暗黒の社会になるといつてもさしつかえないと思うのですが、一体これについて大蔵当局はどう考えておりますか。こういう商法上の匿名組合はいいとお考えになつておるかどうか、その点をもう一度お聞かせ願いたいと思います。
○河野説明員 この点は先ほど来申し上げた通りでありまして、所管官庁という意味になりますと、今申し上げたように、いろいろはつきりしたことは申し上げられぬかと思います。立法論としていろいろ議論のある点は、先ほど申し上げた通りでありますけれども、普通の株式会社をお考えになつたらいいと思います。普通の株式会社でも不特定の多数の人から株式の出資金を集めておる。確かにそれが大きくなれば経済界に相当の影響を及ぼすかもしれない。それの所管官庁はどこかということになりますと、私は商法を担当しておると申しますか、商法を持つておる法務省というところになるのじやないか、それで匿名組合につきましても、やはり商法の一つの規定でありその商法の規定に基いてできておるものである株式会社にしても、ほかの目的から、たとえば重要産業等で、株式会社であつても、事業の関係から特別な監督をしなければならぬもの、あるいは金融業とかそういつたものについては、特別法によつてそれぞれ直接の所管がありますけれども、事業の内容についてそういつた所管をする必要のないものについては、商法を所管するというのではありませんが、私もちよつとよくわかりませんけれども、やはり法務省になるのではないかと私は考えております。
○中井委員長 門司委員の意見に関連して、私からちよつと聞きたいのですが、皆さんの御意見をただ承つているだけにいたしたいと思いましたが、たびたび銀行局長から同じような趣旨の御答弁があり、それが私にもまた委員の皆様にも了解がつきがたいということを発見しましたから、特にこの質問をいたします。この問題に関する責任は大蔵省にないのだ、それは自分の権限の外にあるので、監督も何もすることができなかつた、それだからないのだという趣旨の責任論は了承いたしました。また立法論につきましても、これは法務省の仕事で、大蔵省の仕事ではないのだということにつきましても、いささか了解ができるようでありますが、ここにはなはだむずかしい問題があると思います。ただいかにしても私どもの納得の行きませんことは、銀行局長はこの問題を一般株式会社の株主の株金の払い込みと同一視せられておる点であります。株式会社は一つの会社であると同時に、一つの設立目的を持つております。従つて株式会社が一般から株金を募集する場合、これに応募する者は、その会社が何であり、その事業が何であるかということを認識した上で入る者ばかりでありますから、その意味においてはきわめて範囲はきまつておると同時に、何が危険であり、何が危険でないかということを知つた者のみが集まるから、それは他からかれこれ干渉すべきものでないということは明らかなのであります。けれどもこの問題はそれとは趣を往々にして異にしておる。内容をうまいことを言つて、しかもできぬような配当をするようなことを言つて、それがつぶれないなんということは、実はいかにもこつけいなのでありますが、一般無知の人は、わずかな利益につられて、いな厖大な利益につられてここに入る。ここにこの問題の非常な相違点があると私は信ずる。大蔵省が一般銀行に対し、相互銀行に対し、また無尽営業者に対し、非常な厳重な監督取締りをせられておることは、それが一般金融に関するということで、その取締りを強化しておられることはもちろんであるが、一般大衆に及ぼす影響大なりというところに厳重なる監督の必要があるゆえんだと信じます。その意味においては、この問題をなぜそういうふうに見ないのであるか、なぜこの問題に限り一般株式会社と同様に見られるのであるか、銀行局として、ことに局長の御意見を、たびたび皆様からお尋ねになるが、繰返し繰返しそれを言われる。そういうおつもりでは、これはきわめて危険なる責任者であるかのごとき感じがいたします。その点ひとつはつきりした御答弁を願いたいと存じます。
○河野説明員 この問題は非常に重要な問題でありまして、私どもも匿名組合によつて集められる出資というものが、法律的に一体どういう性質を持ち、経済的にどういう性質を持つかということは、いろいろ長い間研究をいたしたのであります。法の盲点という言葉がよく使われておるようでありますが、これも非常に語弊がありますけれども、やはり紙一重の問題であることは間違いない。私はこの結論を出しますために実は国会、特に大蔵委員会方面から、一昨年以来この問題に対してどう処置するのだということをたびたび聞かれており、しかも関係当局、ことに法務省、法制局あたりと長い間にわたつて、この問題の相談をいたして参つたのであります。非常に結論を出すのに困難をいたしたのでありますが、ようやくその結論が出たのがことしの三月であります。ことしの三月に大蔵省だけでなしに、関係政府当局全体としての考え方というので、先ほども御答弁を申し上げたのであります。その際にも出資者であると言つておる、しかしその出資をしておる人は客観的には出資者であるかもしれぬが、本人は預金をしておるつもりの人が多いのではないか、従つてそれは預金者と同じように保護しなければならぬのじやないか、こういう御意見も私は承知いたしております。しかしこれは個人がお気の毒に実態をよく御承知なくて、どういうふうにお考えになつたかにかかわらず、私どもとしてはやはり預金を受けていい機関が正規に預金を受けた場合に、それに対しては預金者の保護の措置はとらなければならぬ。しかし預金を受けて悪い金融機関に預金をされたつもりでお預けになつたから、それに対して私どもが預金者に対すると同じような保護の措置をとることは、なかなかむずかしいということを、そのときも御答弁申し上げたのであります。そういつた関係で、私が非常に株式会社を例に引きましたのは、まさに匿名組合の出資と、株式会社における株主というものとは違うことは、先ほど来申し上げたのでありますが、冷たい法律の考え方からいえば、両方とも自己資本を構成するものである、他人資本ではないという意味におきまして、株式も匿名組合における出資も同じような性質を持つ、ところが預金等は借入れ資本である、他人資本であるそこに大きな区別があるという意味において、株式会社の例を引いて申し上げたのであります。私も株式会社の株主と匿名組合における出資者とが同じものとは毛頭考えておりません。従つて先ほど申し上げましたように、おそきに失したかもしれませんが、私個人としてはこの匿名組合がこういうふうに広がつて、不特定多数に加入者が入つて来る現状のもとにおきましては、何らか出資者を保護する商法における改正か、あるいは特別法がいるのではないかということを、おそまきながら私は感じておりますけれども、そういつた意味において、匿名組合の出資者と株式会社における株主とが違うことは、十分承知いたしております。ただ申し上げたいことは借入れ資本であるか、自己資本であるかという点だけを申し上げて両方とも自己資本だという意味において、同じような例として申し上げたのでございます。誤解がございましたら、そういう意味に御了承を願いたいのであります。
○門司委員 だんだん話がわからなくなつて参りますが、要するに自己資本であるかないかということを別にして、私の聞いておりますのは、現実にもう事態が起つております。これほど大きな問題を技げかけておる。従つてこの問題をどう処置するかということは、国民の今の不安といいますか、そういうものを一掃する必要がある。これは政府としてはやはり責任を負わなければならぬ。どんな問題でありましても、これは一応責任を負うべきである。従つて警察の関係においても、これを法律的にどうこうという杓子定規のことではなくて、社会的問題であることに間違いございません。その中でむろんこれはだれか預けた一人がかけ込んで行つて、ひとつ調べてもらいたいといえば、これはやれる。私はやればやれぬことは決してないと思う。しかしそれでないからといつて、警察が手をこまねいているというのは、実におかしな話だと思います。 もう一つはつきり聞いておきたいと思いますことは、大蔵当局としてはこういう一つの営業者があることが、一体よいか悪いかということについて判断がきまつておりますか、はつきりした態度をひとつこの機会に示しておいてもらいたい。
○河野説明員 よいか悪いかという判断を私にしろと言われた場合には、何とも私はお答えできないと思います。少くとも今その法に不備があるかどうかは別として、とにかく認められているものでありますから、それはいかぬのだというならば、それに対して何らかの禁止なり何なりの措置をとらなければならぬことである。私はそこまで悪いものだと言い切る意思もございませんし、これは非常によいものだということも私はなかなか申しかねるのであります。はなはだ答弁になりませんけれども、それ以上のことはちよつと私には申し上げかねます。
○門司委員 これは法によつて認められているということを、今もはつきり仰せになつておりますし、またその通りなんです。従つて法に不備があれば直さなければならぬことはわかり切つておるのです。従つて私の聞いておりますのは、法律の不備があつて直してそれを存続させることがよいのか、あるいは社会悪としてこれは法をどういじくつてみてもよくならないというように考えられているかどうかということであります。これは長い間研究されたのはそこにあつたと思うのです。法律をどう直すかということについては、しばしば問題になつておる。今まででもわれわれも全然これは知らないわけではございません。こういう問題が出て来ると思われるのだが、一体こういう問題はどうするんだというようなことで、名前はこの機会に差控えておきますが、あなたの方の関係の職員に聞いたこともあります。しかしいよいよ問題ができて来て、おかしな問題でも起れば、そのときは考えるかもしれぬが、そういう事態が発生しなければ、これは何とも手のつけようがないというようなことで納まつておつたと思う。しかし事態がここまで来て一つの欠陥があるというならなら欠陥があるというように私解釈してもよいのでありますが、欠陥があるとするならば、これを一体どういうふうにその欠陥を直して行こうということは、もう考え方はついていると思いますが、もしついておつたら、大蔵省の立場からこれをどうするか。いま一つの問題は主管が法務省だどうだと言われますけれども、法を扱つているのは一切合財みな法務省であります。日本の法律で法務省の関係しない法律はないと思う。そんないいかげんなことでなくして、一体こういう業態というものは、通産省が受持つべきものであるのか、あるいは大蔵省が受持つべきものであるのか、この点をひとつはつきり伺わしてもらいたい。監督官庁は一体どこかということです。これは法務省だというならば話は別です。
○河野説明員 第一の点は先ほどどなたか委員の方に御答弁申し上げたのでありますが、現在のように不特定多数の人が匿名組合契約の出資者になるという場合におきましては、出資者保護の規定が現行法では欠けているだろう、従つてそれに対して適当なる出資者保護の規定を入れるか、あるいはしからずんば匿名組合方式によつて出資者を集めるという仕組みは、不特定多数のものを相手とするというものは、これは認めないということにするか、どちらかだろうということを先ほど申し上げました。また主管の問題を申し上げますと、おしかりを受けるかもしれませんが、これは法務省とよく相談してきめなければならぬ問題であると、こう申し上げたのであります。それからいろいろな企業体につきましては、これは御承知かと思いますけれども、すべて監督官庁があるわけではございません。これは御承知の通りいろいろな企業の中でも必ずしも監督官庁というものが、すべての企業についてあるわけではないのであります。株式会社でやつておりますいろいろな事業の中でも、統制がだんだんはずれて来れば来るだけに、監督官庁というものはだんだんなくなつて参つておるわけであります。監督官庁のない企業の方が、むしろ多いのではないかと思います。通産省だとか、大蔵省だとか、そういう経済官庁が監督をしない事業の方が多いのであります。従いまして私どもは必ずしも直接の監督官庁のない事業というものはあつて、さしつかえないのじやないかと考えております。たとえば、例として悪いと思いますけれども、洋服屋さんとかそういつたものは、別に警察取締りとかいろいろな対象は別といたしますれば、その事業自体の監督官庁というものは、必ずしも必要はないのではないか、あるいは株式会社でやつておつても別にさしつかえないのではないか、こう思います。従いまして企業について監督官庁がないのはおかしいということも、私は必ずしもないのではないかというような気がいたしますので、先ほど来非常に答弁に戸惑つたのでありますけれども、私は必ずしもそれはごまかしでも何でもなしに、監督官庁というものは、必ず企業についてなくてはならぬものではないという意味において、そう申し上げておるのであります。
○門司委員 私は今ここであなたとそういう議論をしようとは毛頭考えておらない。それでは匿名組合の法律を主管しておるのは一体どこですか。法務省なら法務省ということにはつきりなつておるのですか。法律である以上はどこかに所管省がなくてはならないはずです。
○河野説明員 所管と申しますか、とにかく匿名組合については株式会社と同じように、法務省が主管だと私は考えております。
○門司委員 そうしますと法務省の意見を聞かなければ、結局結論がわからぬということになれば、今度は法務省の人に出てもらわなければならぬ。そうして究明してもらわなければ、責任の所在が明らかでない者に、いくら聞いてみたつて話にも何もなりはしない。今まで筋違いのところと議論しておつたということになるわけであります。それでは銀行局長にはつきり言つておきますが、法務省がこれの大体の主管というよりも、むしろ関係官庁であるということにはつきりなれば、法務省の諸君に今度来てもらつていろいろ聞かなければならぬ。しかし事業自体というものが、少くとも大蔵省に関係のあるような業態であるということには間違いないと思う。そのことのためにあなた方も出て来ていろいろ話をされておる。そんなことがなかつたら、あなた方の方ではお断りになるのがほんとうだと思う。そのこと自身を法務省に聞いてくれと言われるのがほんとうだと思う。最後になつて法務省に聞いてくれというなら、今まで聞いたことが何にもならないことになる。最初から法務省に聞けばよかつたことになる。あなたはそういうふうに言われておるが、あなた自身の良心の中では、大蔵省には全然関係ないわけではないのだ、むしろ日本の株式関係には、相当大きな影響を持つていると思つていることと思う。二、三日前の新聞で、この理事長であります伊藤という人が、いろいろ話をした際に、最後の責任は政府にあるということを言つております。もしこれが事実とするならば、政府が責任を負うべきだというなら、一体どこに欠陥があつたか、これは政府自身もお考えになつていなければならない。伊藤氏の言つたことは、ここに速記録を持つているわけでもありませんし、新聞に書かれた程度のことですが、政府が悪いからこういうことになつたので、政府の責任だということになれば、政府は何か措置をしなければならない。また出資をした人は、そのまま解釈して、政府に何とかしてくれと言つて来ることは当然だ。その点について、政府としては、ことに大蔵省としては全然関係はないのだというふうに解釈してよろしゆうございますか。
○河野説明員 保全経済会のような匿名組合方式による投資機関につきましては、私どもとしては全然関係ございません。ただ間接にはもちろん金融界に対する影響もありましようし、いろいろ出て参りますから、そういう意味では非常に強い関心を持つております。この問題については、今後の動き方その他について、十分注視をして参らなければならぬと考えておりますから、そういう意味の関係はもちろんあると思います。しかしこの匿名組合方式による投資機関そのものは、私どもの仕事とは関係がないということは、実は長い間研究いたしたのであります。この問題は各省との間に一年半くらい研究いたしたわけでありまして、その結果の結論が先ほど申し上げたようなことであります。なお匿名組合方式によつて貸金業を営むということになりますと、これはもちろん貸金業として私どもの関係になつて参ります。それから匿名組合方式で集めた金で、証券の売買業をもしやるということになれば、これはやはり私どもの方の証券の関係で関係して参ります。しかし証券に投資しているということだけで、売買はもちろん起るかもしれませんが、投資業として投資だけしているという関係におきましては、これは一般の金を持つておられる方が、証券に投資したごいう場合と同じことでありまして、証券全体に対する信用を保持するという大蔵省の責任はもちろんありますけれども、具体的に証券に投資したそのものに対して監督関係がつながるということはございません。
○門司委員 幾らか問題がはつきりして来たような感じがして来たわけですが、私の聞きたいのはそのことです。とにかくあなたの方では直接そういうことがあつたら、とこう言われるのだけれども、ここに投資された諸君は、さつきから何度もあなたがお話のように、一箇月に二分も三分もの利息の配当をされておるということになれば、単なる投資ではなく、売買とか、商行為が行われたということに間違いないと思う。そうしなければ、毎月々々それだけ配当することはなかなか困難だと思う。個人が単に株を持つているというだけでは済まされないと私は思う。必ず商行為があつたと思う。商行為があつたとすれば、やはり関係省である大蔵省としては、当然責任を負うべきだと思う。これは商行為があるかないかということについては、大蔵省として何も知らなかつた、こう言われるのですか。
○河野説明員 有価証券に投資するという場合には、もちろん買わなければなりませんから、買うという行為が起つて参ります。また場合によつてはそれを市場投資で売るという行為がありましよう。そういう意味の取引、証券の売買はもちろんなければならぬわけです。しかしながらここで私どもが普通証券業者と言つておりますのは、つまりわれわれが取締りの対象にしておりますのは、お客さんとの間に売買を頼まれたり、またお客さんのために買つてやつたりするという、いわゆる売買を業とするものを、私どもは証券業者と言つておるわけであります。普通に証券に投資をしておりますものは、非常な金持ちがあつて証券に投資する、あるいは保全会社みたいなものがあつて自分の持つておる資金をすべて株式に投資する場合には、やはり株を売つたり買つたりすることがあると思いますが、これはやはり普通の投資者であつて証券業者とは私どもは考えておらないわけであります。
○門司委員 問題は証券業者ではないということになつて来ると思いますが、私も金融関係のことはしろうとですから、はつきりわかりませんが、われわれから考えてみますと、さつきお話のように、これはほんとうに紙一重の問題であつて、明らかに商行為が行われておるということを断定するほかはないと思います。ただそれの名前が証券会社ではない、いわゆる匿名会社であつて、出資の形において行われておる。その内容自体について何ら検討もしなければ、手を打たなかつたということになると、一応これは私どもとしては、政府は怠慢のそしりを免れるわけには行かないと思います。私は別にあなたを責めようとは考えておらない。従つて私は先ほどから言つておりますように、それならば一体どこに行けばこの内容その他もう少し全貌がはつきりするかということを教えてもらいたいと思います。これはどこからもとれないというのはおかしいのですが、もしさつき銀行局長の言われるように、これは法務省だと言うならば、法務省の諸君を呼んで、全貌がはつきりするように私どもお願いしたいと思いますが、それでよろしゆうございますか。
○河野説明員 法務省が所管官庁であるかどうかということについて、非常にあいまいな御答弁を申し上げたのは、法務省としてもこれに対して特別な原因、たとえば刑事事件とかいろいろな問題がない限りにおいては、一般の株式についてそういう報告を官庁がとる仕組みがないと同じように、法務省において報告をとつたりする道は、今の商法の規定からいつて、おそらくないのじやないかと思います。従つて法務省としても報告をとつたり、内容を調べたりするについては、おのおの何らかの原因、たとえば犯罪の捜査であるとか何かそういう原因がないと、報告をとるという権限は、おそらくないのじやないかと思いますから、その意味から、法務省を私が所管官庁と申し上げるのに非常に躊躇いたしました理由も、そこにあるわけであります。私匿名組合の規定はよく存じませんが、おそらくそういうことで、法務省においても特別の原因がなければ、そういう報告はとれるようになつていないのじやないかと思います。
○中井委員長 門司さんに御相談いたしますが、この問題はやはり究明した方がよいと思いますから、あらためて法務省の関係当局を呼び、さらに進んで御質問を続けられたらいかがですか。
○門司委員 けつこうです。
○中井委員長 それではあなたの今の質問はこの程度で留保されますね。――北山さん。
○北山委員 今の答弁なんですが、先ほどの銀行局長のお話を聞いておると、貸金業もやつておらぬ、それから証券取引業もやつておらぬというようなことを言われたが、これは調査された結果でなければ出て来ないと思います。そういうような調査資料が銀行局におありだと思いますが、それは出せませんか。調査をしなければそういうことは言えないと思います。
○河野説明員 先ほどもお答え申し上げました通り、私どもは自分の所管上の権限に基いて調査したのではありませんで、これはたとえば各方面の意向等をとつたり、あるいは営業案内を見まして、その営業案内にどういうことが書いてあるかということをいろいろ調べたりして、それに基いていろいろ私どもが耳に入ることを総合して申し上げたのであります。たとえば貸金業という問題で、貸金業をやつておるかいないかということも、先ほどお答えしたのでありますが、私は的確に確信を持つて申し上げられないわけです。おそらくやつていないだろうと思いますし、今の国警の方のお話を伺つても、やつていないだろうというお話でありますから、大体私どもの調べたところと同じだという程度でありまして、私どもが主として調べておりますのは、営業案内とか、みな広告を出しておりますから、そういうものを中心にして調べる、資金量がどのくらいあるかということを、いろいろな方面から聞いて来て、ようやく集めておるような状態であります。
○北山委員 しかしこれは貸金業に関する法律などでも、いかなる名目であるかを問わず貸金業をやつておるような疑いがあれば、大蔵大臣は調査することができるのでしよう。だからしてこれは正式に調査しても一向悪いことはないと思うのです。それから先ほどのお話でも、これは預金としての保護は受けられないのだ、出資であるのだということを注意なさつた。自分の役所に権限がなければ、一体どういう理由でもつてそういう注意をやつたか。やはり自分の所管の仕事に関係があるというような考え方からして、そういう処置をなさつたと思うのです。それからもう一つは、これは保全経済会というような企業については、直接の監督権とか、そういうものはないとしても、これが現実に起つて来た事態を見ればわかるように、金融界に対する影響は非常に大きい。これはすでに前々から予測し得ることなんです。そういうふうな金融界に対する影響が大きいようなものであつて、しかも法律的にはいろいろあいまいな点もあるでしようが、一般の社会通念から見れば、少くとも金融類似の仕事であるというふうに考えられておるそういうものについて、金融を担当なさる役所においては調査をしても一向さしつかえない。厳密な意味の権限はなくても、調査をして、そうして仕事をやらなければ正しい金融行政の責任はとれぬのではないか。これは政府一般の政治的な責任ということは、もう当然でありますけれども、行政上のその担当官庁というような立場からしても、私は責任があるのではないか。このように考えるのですがいかがでしよう。
○河野説明員 第一の点でありますが、貸金業等の取締に関する法律の中には、御承知の通り届出をしていない貸金業者についても検査ができるようになつております。しかしこれは、私どもといたしましては、よほどはつきりした証拠がありません限りは検査はできないと思います。たとえば貸金業をやつていない者について、貸金業の疑いがあるといつて、私どもが検査をした場合には、私どもは法律違反になる。従つて届出をして貸金業者であるということがはつきりしておるものか、届出なくても貸金業をやつているということが何らかの証拠で、はつきりしておらなければ検査はできないのであります。これが第一点のお答えであります。 それから第二点の、去る三月に、匿名組合方式によつて出資をいたしておるものは預金ではない、従つて預金者に対する保護は与えられないということを、私が国会で御答弁申し上げた、それは私が所管でないなら私が答弁するはずはないじやないかというような御意見がありますが、これはその結論を出すまでには、実はそれが金融法規違反であるかどうかの疑いが、非常に濃厚であつたのであります。従いましてそのためにいろいろな観点から長い間研究を実は続けて参つたのであります。その結果、金融業法とは関係がないという結論になつたのであります。従つて私の所管ではないということを私が言うのはおかしいのでありますけれども、従来からの行きがかり上、金融法規との関係を中心にして、この匿名組合の実態をいろいろ調査して参りました関係上、私がかわつて答弁をいたしたようなわけであります。従つて、あわせて金融業法の適用がないのだという意味において、各出資者の方にその点を十分了解していただきたいという意味のことは、私からもお願い申し上げた次第であります。
○大矢委員 この四十五億、十五万人の預金を預金でないというなら、これは一体どういうことになるのか。これを調べると営業妨害になるというが、一体匿名組合は何をしておるか。これは預金に違いないし、出資といえるかもしれないが、そういうものに対して、何らその内容を知ることができない。しかも結果としては金融界に非常な影響を来しておる。これは通俗的にいつてどういう仕事か。営業でないなら、営業妨害ということは言えない。影響があるから調べたというのは何もふしぎはない。法的に保護するとか、せぬとかいうのではなく、四十五億円、十五万の人が関係しておるのである。小さい銀行をやかましく言いつつ、これは出資であつて預金ではないのだと言うが、これは大きな配当を一つの目途として預金しておるものだとも言える。しかもこれだけの大きな金を預かつておるものが、何ら営業目的も明らかでない。どう考えても私どもは納得が行かないし、だれもこれを説明することはできない。少くともそういうものに関係して関心を持つているのに、営業妨害で調べられぬというのはどういうわけか。その点一体どういう名目をつけたらよいか。ただ盛名組合というだけでは、これだけ多くの金を集めて、これだけ多くの人に影響の多い事業としてやることはできないと思いますが、その点どうですか。
○河野説明員 匿名組合の出資は、預金ではなく出資であるという点は、先ほど来申し上げた通りであります。営業は、保全経済会の理事長たる伊藤斗福氏個人の営業であります。その個人の営業に対する匿名組合による出資契約が、何本もできているという形になつております。その営業は何かというと、不動産及び有価証券に対する投資業である、こういうことであります。
○大矢委員 先ほど藤田君の質問に対して、銀行が軒を並べて支店なりその他の建築をやつておるが、これも十分調査の結果片手落ちのことをやつておらぬという答弁がありましたが、私どもしろうと目で見て、あれほど日本の経済界に大きな影響のある大きな銀行が、ああいう建物を建てるということは、ただ単に銀行の営業上の立場だけでなしに、日本の経済復興に影響のあることはいうまでもないことだと思います。最近新聞によると、これは東京もそうだと思いますが、大阪の目抜きの場所が坪八十万円する。これをみな銀行が買い集める。私は、今度の保全経済会なんかも、そういうところに投資をしてやつておるのではないかと思う。そういう部面に投資をして自然につり上げるような傾向があるのではないかと思うが、銀行がそういうことをするのがはたしていいと考えておるのか、あるいは何らかの形で制限をしなければならぬと考えておるのか。向うは許可を得て、どんどん建築をやつておるのではないかと思いますが、これが住宅なりあるいはまたそれぞれ必要な生産資材、資本の面に向つては流れずして、こういうことに使われるのはどうかと思います。これも決して片手落ちでなく当然やつておるのだという答弁でありましたが、なお依然として局長として、そう考えておられるのか、こういうことを特にこの機会にお尋ねしておきます。
○河野説明員 大銀行の大都市における店舗の問題でありますが、これは先ほども御答弁申し上げたと思います。銀行の店舗につきましては、従来から非常に厳格なる制限を行つております。店舗の設置に対する要求ははるかに多いのでありますが、これにつきましては非常にやかましく言つております。それからことしの三月以降は、さらに店舗の設置について厳重なる制限を加えておりまして、従来ややもすれば金融機関という点から信用を重んずるという点と、それからやはり非常に堅牢であるということが必要であるといつた点から、相当建築にも資金を寝かすということがどうしてもある程度はやむを得ないことであつたと思いますけれども、それが度が過ぎて、はで過ぎるとか、あるいはりつぱ過ぎるという御批判は一たびたび私どもも伺つております。それらの御批判に対して答える意味におきましても、それらの点については、個々に非常にやかましく調べて、真に事情のやむを得ないものだけを許すという方針で参つております。今後も一層そういう点については、さらに強化をして行くつもりでおりますが、従来の点につきましては、おしかりをたびたび受けておりますことも事実でありますし、今後といえども十分にそういう点は注意をして参りたい、かように考えておる次第であります。
○床次委員 ただいままで、いろいろの質疑応答を聞いておりまして、まことに当委員会にも関係のある重要な事柄だとは思つていますけれども、しかしこの問題は大蔵委員会において、すでに相当前から研究せられておる問題で、むしろいつこの問題が世間に問題として取扱われるかということを危惧されておつた問題で、当局もそういうことを考えておられ、なお関係者も多少その点は推測せられておると思います。これにつきましては先ほどから御答弁もあるし、またわれわれも納得のできない盲点があり、疑義が残されておると思うのですが、これは先ほどすでに委員長からもお話がありましたように、適当なときに明らかにしていただくことにして、大体打切つていただいたらどうかと思いますが、なおちよつと一言私も関連してお尋ねいたしたいと思いますことは、この問題は、たまたま年末を控えて今日表に出たというところに、非常に重大な点があるのでありましてしかも今日の金融財政の状態を見て参りますと、政府はインフレ防止のために非常に金融を控えておる。全面的には引揚げ超過と申し上げることは困難かもしれません。バランスをとつて引揚げられているかもしれませんが、地方的には、業務的には非常にアンバランスになつていることは事実だと思います。そういう非常に窮迫しておりますときに、この事件が起きたことは、はたして日本の金融全体にどういう影響を及ぼすか、これが社会不安になるかもしれないということを、私も非常に懸念しておるのであります。先ほど局長の言われるように、単に出資者の被害にとどまるものであるならば、多少人数が多くてもあるいは簡単かもしれません。しかし同時にこれが金融的な役割を果しておるとすれば、年末のいわゆる相当きゆうくつになつております金融界に及ぼす影響は非常に大きいのであります。私どもも実は社会問題としての観点からして承りたいことは、これが違反であるかどうかということは、先ほどいろいろ御答弁がありましたけれども、検挙するかしないかについては、まだ御研究中のようでありまするから、あえて伺いませんが、今後の金融対策として少くとも大蔵省といたしましては、この年末に対してこのままにしておつて、経済界が無事に行くのかどうか、あるいはこの問題がきつかけになつて次々とこういう金融機構に影響が及んで来て、ひいては正式の金融のルートにも影響を及ぼし、年末の大きな金融界の危機が突破できるかどうかということを懸念いたしておるのでありますが、この点に対する見通しを伺つてきたい。それ以外の問題はひとつ委員長のおさしずにおきまして、適当な時機に継続することとして、今日はこれで打切つていただいて、ほかの問題にかわつていただいたらどうかと思います。
○河野説明員 保全経済の休業が、ちようど年末を控えて資金、特に金融をある程度引締めておる時期に際会したということが、今後の金融上どういう影響を起すかという点であります。私どもはこれがどの程度波及をいたしますか、すでに新聞等で御案内のように、同種類――同種類といいますか、類似の業態の投資機関におきましても、二、三休業が出ておるようであります。しかしこれは私どもは少くとも正規の金融機関と申しますか、要するに受ける方の受信と、授ける方の受信、与信と申しますか、両者を行つております正規の金融機関に、これらの問題が波及することは、全力を尽して防ぎます。そこまで波及するとは考えておりませんが、もしそういうことがありますれば、万全の措置をとるつもりであります。年末に至りまして、そういつた正規の金融機関の間に、いろいろな不始末が起るようなことになりますことは、ただでさえ繁忙を予期される年末金融に対して、非常に支障を起すことになりますので、そういうことに絶対に起さないように万全の措置をとります。また年末金融につきしては、政府といたしましても、ことに中小企業の問題が、今後非常に資金難と申しますか、そういつた問題が年末にかけて起つて来ることも予想できますので、これらの事態の推移に応じまして、政府としてもいろいろ施策を講じて参りたい。年末における金融対策につきましては支障のないように、万全の措置をとりたいと思つて、今鋭意検討を加えておるところであります。
○中井委員長 皆さんにお諮りをいたします。保全経済会並びにこれに類似する問題等につきましては、本日は一応この程度で質疑を打切りたいと思います。なお明日引続きこの問題につき調査を進めるかどうかということにつきましては、後に理事会の御意向によつて決定いたしたいと思います。 なお本日は島根県の一部である竹島の日韓関係及び奄美大島の予算の問題等が残されておるのでありまするが、これはいかがいたしましよう。明日に譲つて、本日は大体この程度で閉会をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 それではこの程度で閉会をいたします。 明日は午前十時から開会いたします。 午後四時三十七分散会