地方行政委員会 第34号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/09/17
会議録
○加藤(精)委員長代理 これより会議を開きます。 中井委員長が南方視察にお出かけになりましたので、その不在中、委員長の指名により、私が委員長の職務を行いますからよろしくお願いいたします。 まずこの際理事の補欠選任についてお諮りいたします。すなわち、委員の異動に伴い、理事が一名欠員となつておりますので、これよりその補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤(精)委員長代理 御異議なしと認め、門司亮君を理事に指名いたします。 ―――――――――――――
○加藤(精)委員長代理 次に派遣委員よりの報告を聴取することといたします。すなわち、さきに本国会におきましては、議長の承認を得て地方自治、地方財政、警察及び消防に関する実情調査のため、東北、北海道地方及び北陸、中部地方に、それぞれ委員を派遣いたしましたので、これより派遣委員より報告を聴取することといたします。 まず第一班の東北、北海道班より報告を聴取いたします。西村委員。
○西村(力)委員 第十六国会閉会後行われました委員派遣の国政調査につきまして、北海道、東北班は便宜私から御報告申し上げます。 この班は、加藤、山本、西村、横路の四委員が丸山調査員を伴い、それに自治庁の武岡財政部長の同行を得まして一行六名となりまして、八月二十八日東京出発、九月一日東京帰還まで往復五日間をもつて、北海道を一巡し、及び山形県西部地方を視察調査いたしました。調査の結果につきましては、資料を整理した上、いずれお目にかけたいと存じますので、ここには、ただその概要を御報告いたすにとどめたいと存じます。 北海道におきましては、道庁及び国家地方警察札幌管区本部並びに第一管区海上保安本部のほか、札幌、小樽、釧路、北見、岩見沢の六市、弟子屈、美幌、千歳の三箇町を訪問し、また道内各所において道庁の支庁当局及びその管内の町村長の方々とも懇談の機会を得まして、かの地の道、市、町村の各段階を通じての事情を聴取することができたのであります。 東北地方では、初め秋田または福島と山形の一部を調査する予定でありましたが、日程の都合上、ただ山形県の西部、すなわち酒田市、藤島町を中心とし、庄内地方を見ることにいたしました。 調査事項といたしましては、前回及び前々回の国会において当委員会の審議の対象となりました主要なもの、すなわち地方財政再建整備問題、町村合併の促進、地方税法の改正、警察制度の改革、消防施設の強化など五項目を中心とし、なかんずく第一の地方団体の赤字解消の点に重点を置いたのでありますが、兼ねて各地の特殊事情や関係者の要望を聴取するに努めました。 北海道は面積は広大でありますが、人口ははなはだ稀薄で、この点他府県とは非常に趣を異にしており、その上気温寒冷で、開拓八十年の歴史を持つておりますものの、なお文化及び各種施設、生活等の水準は内地よりも低く、これを一般水準に引上げるためには、なお相当の国家的援助を必要とするようであります。北海道の財政事情を特色づけているものは、このような全国平均に及ばない後進性を解消すること、国の総合開発に伴う義務的経費及び国の事業と並行して道自体が開発のために行わねばならない附帯経費を要することのほかは、本道が寒冷積雪地帯であること、面積が広大であり、かつ民間産業を育成する必要があることなどから生ずる行政費の自然的増高でありますが、現行の地方行財政制度は、かかる北海道の特異性に対する救済を十分に果すようにはなつておらず、本道では明治時代から全国平均の三十倍という非常な高額課税を課しており、地方税法成立後その制限を受けるようになつて後も、なお全国の他府県よりは相当に限外課税を課しながらも、当面を糊塗する程度の事業しかできない状態であると、道当局は申しておるのであります。財政上の赤字原因についてば、やはり国庫負担あるいは国庫補助による国の交付金が、事実上の必要経費を充足するに足らず、地元でそれぞれこれに補充したり負担せねばならぬものが多々あり、道自体においても、また町村についても、財政運営の適切でないものが、絶無とは言えないにしても、その原因の多くは、北海道の持つ特異性に基くものが多く、またさらに国の官庁の庁舎その他の施設の建設について、地元負担として寄付的負担を課せられることが多く、この点は山形西部の各地でも同様の訴えを聞いたのであります。 昭和二十七年度の赤字額は、北海道の道費一般会計においては、翌年度事業繰越額を含めて五億一千百万円に及び、市町村においては赤字団体数は百四十三団体で、金額十一億五千四百万円となつておりますが、個々の団体の赤字原因の実際に当つて見ますと、真の赤字の範囲の認定ははなはだ困難であります。 地方税法の改正については、地方団体に税源としてさらに自主財源を与えられたいとの要望は至るところで聞かれたのでありますが、特に北海道で現地の要望として、保安隊員の住民税の徴収を確保するために特別徴収の方法を考案するなど、何らかの対策を講ぜられたいという訴えがあつたのであります。 治安状況については、北海道においては一両年前とはやや趣を異にし、犯罪数は漸次減少の傾向を示しており、表面的には平穏で、別に異状は認められず、従つて各地の公安委員や警察当局も、私どもの予想とは違つて、冷静というか、現下の諸情勢に対しても、急速に対策を必要とするような態度ではなく、従つて各都市の公安委員は、警察法の改正についても、自治体警察を本体とすべく、現行制度に大変革を加えずとも足るというようなことを言つております。もつとも国家的犯罪に対しては別に対策を立てるべく、自治体警察に対しては機動力の強化、特殊事犯に対する捜査費の国費補助を要望すると言つております。 山形県西部地方では、都市のほか小さい町村の実際にあたり、小、中学校、病院などを視察しました。これら教育、厚生等の施設は、地方財政としては国費の補助ないし起債の面で困難を感じておりますが、しかも地方の実情においては、必要なやむを得ない事情があることを知るのであります。 なお北海道及び東北両地方を通じての声でありますが、積雪寒冷のために工事施行の時期に制約があり、従つて国庫の交付金は夏以前に交付せられねばその目的を達し得ないので、会計年度を暦年と一致せしむる制度とするようとの要望があるのであります。 消防施設の強化につきましては、今回成立した促進法による国庫補助金の増額と、市町村負担分に対する起債の確保について要望せられたことは、申し上げるまでもありませんが、なお北海道におきましては、道の当局から、本年七月前後三回にわたる風水害、高潮による被害は、国費直轄施行分を除き、概算後復旧費総額六十八億円余に及ぶこの災害に対し、九州、和歌山の水害と同様、国の配意を得たいとの申出のあつたことをあわせて御報告申し上げます。 詳細につきましては、前申し上げました通り、資料を整理し、その要点を書類でごらんを願うことにいたしたいと存じますから、私の報告はこれで終ります。
○加藤(精)委員長代理 次に第二班の北陸、中部班の御報告をお願いいたします。
○床次委員 私から北陸、中部班の調査の報告を申し上げたいと存じます。 私どもの班は、中井委員と私と、それに曽根調査員を伴い、さらに自治庁の後藤税務部長の同行を得まして、一行四名をもつて調査いたして参つたのであります。 一行は八月十八日より五日間にわたりまして石川県、新潟県及び長野県の三県につきまして、県並びに県下の市町村それぞれ二箇所ずつを調査いたしたのであります。 調査事項としましては、先般本委員会に提出されまして継続審査となつております地方財政再建整備法案に関する基礎的な資料の把握に重点を置いて参つたのでありますが、関係団体はそれぞれ十分調査せられておりましたために、非常に調査の便宜を与えられましたことについて、この際感謝を申し上げたいと思うのであります。 調査いたしました結果を簡単に申し上げますと、まず調査をいたしました各団体の二十七年度の赤字は、繰上げ充用、事業繰越し、及び支払い繰延べを加えました実質上の赤字について申し上げますと、石川県は歳入五十三億円に対しまして五億四千万円、新潟県は歳入百三十三億円に対して九億四千万円、長野県は百十八億円に対して五億八千万円でありまして、歳入に対する割合は大体一割ないし五分程度、市町村では、上田市の二割程度を最高として、金沢市の七分五厘、その他は二、三分程度の比較的軽度の赤字団体でありました。ことに町村は、校舎の新改築、水道事業の拡充等、主として臨時的経費による赤字が大部分でありますので、多くは自力によつて解消し得るものと存じます。ただ、本来国や県が当然行うべき施設等に対してやむを得ず支出している寄付金、分担金の額が相当の重圧となつていることが目立つのでありまして、上田市の例で見ますと、高等学校を県立に移管するための整備費約四百万円、国立療養所の敷地買収費百四十万円等、合せて一千万円以上の一般財源の支出となつているのであります。 昭和二十六年度における二百七十七市のこの種寄付金、分担金の総額は、国に対するもの九億七千万円、都道府県に対するもの十九億円といわれているのでありまして、これは地方財政法の違反であることは別としても、市町村財政を少なからず圧迫し、かつ不安定にしていることは予想以上であると思うのであります。かかる事態を排除することが、消極的ではありますが、赤字解消のためぜひ実現したいことであると思うのであります。 県の財政事情もそれぞれ異なる面があると思うのでありますが、今赤字発生の原因としてあげられている事情の二、三を拾つてみますと、まず石川県につきましては、同県知事も強調しておりましたように、人件費などは極度に切り詰め、現に県の一般職員は鳥取県に次ぐ、少数であり、地方事務所を廃止し、昭和二十七年度だけで実人員二百名を整理する等、思い切つた節減をやつているのでありますが、それにもかかわらず、インフレによる需要の増加、給与改訂による人件費の累増、災害の発生等がある一方、収入の面では、北陸地方の特徴として、税収の自然増がなく、入場税のごときは理想的な徴税を行つても、なお平衡交付金の基準財政収入額の見積りによる税収額よりは四千余万円も少いという実情にあつて、これらの要因が結局赤字財政を余儀なくさせているということのようでありました。国庫補助による事業において単価の計算がきわめて低く、しかもひも付の人員増加を余儀なくされるようなこと、特に農林省が最もはなはだしいようでありますが、さような理由から、人件費に対する地方の超過負担は年々重きを加えているのであつて、この際行政整理、出先機関の廃止等思い切つた措置が必要であり、かつ可能であるという意見が述べられていたのであります。地方財政再建整備法案そのものにつきましては、県当局もその必要を認めるが、起債のかわりに国庫資金を出してほしいこと、税の増徴は困難であること等の意見が述べられていたのであります。次に新潟県に参りますと、ここは人口においてほぼ静岡県に匹敵し、平衡交付金の基準財政需要額は、後者の四十六億に対し五十一億と見積られて、ともかくも富裕県とみなされる県でありますが、行政事務は増大の一途をたどりておるのでありまして、税収、平衡交付金等の二十七年度の増額約七億円は、ベース・アツプによる増三億円と税法改正による減税とでほとんどなくなつておる状態であります。教育費にねいては、児童数の割合に分校等の多い関係から、教員数が一・九人という比率になつており、教育費の負担が相当増大しておりますことも赤字の大きな原因であります。また制度的にも、常任委員会制度が議会を圧迫しており、計画的な予算の執行を不可能にしていることも見のがせない点であるようでありまして、理事者側としては、再建整備法がこれに対する防波堤となるという意味において歓迎すべきであると言つているのであります。教育につきましては、義務教育は一切市町村にまかせるべきであつて、県は単に国とともに監督的立場に立つべきだという意見も出ていたのであります。もちろんこれは県の給与費中七割は義務教育職員のものであるという財政的事情からの議論であると思いますが、教育費が非常に重い負担であることは争えない事実のようであります。 なお新潟県では積雪地帯の特異性として、入場税等の伸びが悪いという点、あるいは雪よけ自動車の取扱いに疑義があることなどの意見があつたのであります。再建整備法に関する意見としては、準禁治産者的な扱いを受けることははなはだ困る、行動の自由をこれ以上制約されては自治体として成り立たない。またかりに県民税でも創設されれば別であるが、それにしても増税のみで赤字を切り抜けることは無理である、その期限も十年程度は必要である、現有公債は利子の引下げ、償還期限の延期を必要とする等の意見があつたのであります。なお県議会に財政委員会を特設して、本法案を研究すると申しておつた次第であります。 長野県におきましても、赤字の原因の大宗は、やはり人件費の増大にあるようでありまして、ことに義務教育関係におきましては、分教場が三百もあるという実情から、教員数も児童二十九人に一人という高率を示しており、平衡交付金の基準財政需要額の見積りと実支出額との間には、二十七年度において六億円程度の開きがあるのであつて、これに赤字の大きな原因があるとされているのであります。本年度は義務教育費半額国庫負担の関係もあつて、五千万円程度の不足で済むという見通しのようでありました。このほか国庫補助による事業の単価見積りの低過ぎること、補助率が中途において変更されて予定を狂わせられることなど、国の施策の不都合による財政難はどこも同じ事情でありました。本県も経費節減には相当努力しており、二十六年度に一般職員の実数の五分、三百名を減少し、二十七年度にも同様二百九十名を整理し、教職員も両年度において、自然増加をも見合せて合計五百名程度を減少し、欠員不補充の方針を貫く等、昨年度だけでも一億二千万円程度の節減を行つているのでありまして、知事の言によれば、今日の状態ではほとんど自主的な事業は不可能であつて、自治体としての実はほとんどなく、かくてはむしろ公選知事にする方がよいくらいであると言つているのであります。一般財源は本県では四〇%にすぎず、少くとも六〇%くらいにならなければ自主性を保ち得ないという意見でありました。もつともなことと思うのであります。 以上三県は、いずれもある程度財政力もあり、健実な財政運営に努力しておると思われるのでありますが、いずれも赤字財政に追い込まれているのでありまして、しかも前年度の赤字の圧迫が、次々に赤字を累積させる原因をなしている事情にあるのでありまして、過年度の赤字を解消することは、赤字発生の原因となつている中央の地方財政計画や自治制度全般の根本的改訂とともに必要であることを痛感して参つたのであります。 なおいろいろ御報告すべきことにつきましては、いずれ後刻あらためて文書によつて御報告申し上げたいと思いますが、要するに再建整備法の必要性につきましては、各地方の実情に照らし、緊急必須のものであることを確信して帰つた次第であります。なおその運用におきましては、苦しい中から努力して、黒字財政を営んでおります地方団体との均衡を考えて、慎重に運用すべきであるということを、あわせて感じて参つた次第であります。 以上御報告を終ります。 ―――――――――――――
○加藤(精)委員長代理 次に地方制度改革に関する件について調査を進めることといたします。 本問題につきましては、目下地方制度調査会において鋭意検討されているところでありますが、本問題につき質疑を行う前に、灘尾委員及び床次委員は幸いにも同調査会の行政部会及び財政部会の長をそれぞれいたされておりますので、今までの経過等につき説明を聴取いたしたいと思います。灘尾委員から行政部会の方の概略をひとつお願いいたします。
○灘尾委員 私委員長の御指名によりまして、地方制度調査会の行政部会の方に属しておりますので、今日までの地方制度に関する審議の経過について御説明申し上げたいと思います。 御承知のごとく、昨年の秋に地方制度調査会が設置せられましてから、調査会の委員といたしましては、今後の地方制度の改革につきまして、いろいろ審議をいたしておつた次第であります。御承知の通り問題がきわめて広汎であり、かつ問題によりましてはきわめて重要な性質を持つ事項もございますので、いろいろ審議はいたしておりましても、なかなか結論に到達するというところまでは参つておらないようであります。私は先般この調査会の委員に委嘱せられまして、行政部会に所属いたしましたわけでありますが、その当時の状態といたしましては、まだ格別結論というふうなところまでは至つておらない状態であつたように思うのであります。だんだん次の年度の予算の編成も迫つて参りまするし、また次の通常国会ということもございまするので、根本の問題につきましてかれこれ議論をいたしておりまして、当面必要とする改正が遅れるということもいかがであろうということも考えられますると同時に、政府の方からも何とかひとつさしあたつて改正を必要とせられると認めるものについては、答申をしてほしいというような御希望の次第もありましたので、その後根本問題につきましてはしばらくおあずけいたしまして、次の国会に提出せられる法律事項というような問題につきまして、審議を進めることにいたしました次第であります。 一体何を問題として取上げるかということから始めなければならぬという状況でありまして、政府からは何らの原案のお示しもないのであります。各部会ごとにそれぞれその問題につきましていろいろ意見を闘わせました結果、行政部会といたしましては主として行政に関する事項、財政部会におかれましては主として財政に関する事項につきまして、それぞれ研究すべき問題点というものを話し合いまして、その結果に基いていろいろ審議を進めておりました次第であります。御承知のような地方制度調査会の構成でありますので、各部会ともに、結論を山すということは実は非常にむずかしい点もあるように思うのであります。ことに地方団体の関係の方々が、みなそれぞれ入つていらつしやいますから、それぞれの立場においてみな強いしかも有力なる意見を発表しておられますので、甲論乙駁と申しまするか、いろいろ立場が違いますので、共通した点を発見するということが、なかなかむずかしい状態でもございましたので、われわれの部会といたしましては、ともかく一つ審議の対象たるべき案をこしらえる、これを元にしてひとつ審議して行こうじやないかということになりまして、相談の結果比較的自由な立場にあると申しまするか、あるいは中立的立場にあると申しまするか、学術経験者として委員を委嘱せられております方方にお願いいたしまして、行政部会としての答申案をひとつ書いてもらうということにいたしまして、この小委員の方々が数次にわたりまして熱心に審議せられました結果、ある程度の案がまとまりましたので、それを部会に移しまして、去る今月の一日、二日、三日にわたりまして、部会といたしましてこれを審議したのであります。その結果どうやら一応の案がまとまりましたので、これを明日から開かれる総会に報告して、さらに総会で審議を願うという段取りになつておる次第であります。 お手元に当面答申を要すべき事項というのが差上げてあると思うのでございますが、これを一々御説明申し上げる必要も皆さん方に対してはないと思うのでありまして、ごらんを願いたいと思うのでありますが、ただこの取扱い方につきまして、つけ加えて申し上げまするならば、この中に少数説というふうに書いてあるのがございます。これは先般の部会の際にいろいろ賛否それぞれ伺つたのでありますけれども、その際少数ではありましたが、三分の一以上の数を持つておられたというようなものにつきまして、少数説としてここに掲げたのであります。それからまた全体のいわゆる修正意見と申しまするか、小委員会案に対する修正意見として採択せられませんものにつきましても、漏れなくこれを付録といたしまして整理いたしまして、これを全部総会に報告いたしまして、この全部を通じてひとつ総会でよく御審議を願つて結論を得たい、こういうふうにいたしておる次第でありますので、さよう御了承を願いたいと存じます。 お手許に御配付申し上げておりまする、答申を要すべき事項というこの順序に従いまして、大体この答申案の心持につきまして簡単に申し上げたいと思うのであります。 ただいま申し上げましたように、この答申案は地方制度の根本的改革というようなことにつきましては、なお今後も慎重な審議にまつべきものが少くない状況でありますので、政府の予算編成、法律案の準備等の都合を考えまして、すみやかに事態の解決をはかつた方がよかろうというものにつきまして取上げた次第でありまして、ここには地方公共団体の種類、性格、規模及び事務の配分に関する事項、行政の簡素化、合理化、能率化というようなことに関する事項及び大都市制度に関する事項というふうに、主として三項目について意見をまとめたのでございます。 まず地方公共団体の種類、性格及び事務の配分に関する事項でありますが、地方公共団体の種類につきましては、御承知の通りに一方においては現在の府県の制度というふうなものは廃止したらどうかというふうな議論もございます。またこの際道州制制度を設けたらどうかというような議論もあるのでありますが、府県の制度を廃止いたしますとか、あるいはまた道州制を実施するというようなことにつきましては、なお慎重に検討する余地がありますので、さしあたり現在の通り市町村及び府県の二段階制をとることを適当と考えております。 それから地方公共団体の性格でありますが、この性格という問題につきましては、行政事務の再配分をいたします結果、その性格が明らかになるということもございましよう。またその性格の前提として事務の配分を考慮すべき問題もありましよう。この問題は抽象的でなくて、具体的に個々の行政事務の実際に即して、その性格が規定せられるべきものではなかろうかというふうな考えをいたしたのであります。市町村につきましては現在の通りに基礎的な地方公共団体といたしまして、主として自治事務を処理する、いわゆる完全自治体であるべきことにつきましては議論のないところでございます。問題は府県でありますが、府県は申すまでもなく国と市町村との中間に位しておりまして、いわゆる広域行政、市町村に対する補完行政及び市町村間の調整行政を行うべきことが、各方面のおおむね一致した見解と考えられたのであります。これらの事務の中には自治事務に属すべきものと、それから国家的性格を有する事務に属するものとがあるように認められるのであります。そうして府県の実態を見てみますと、府県またはその機関に委任せられました国政事務は、その分量においてはいわゆる府県の自治事務よりも多いのじやないかというふうな状態でございます。けだし府県が国と市町村との中にある公益団体であり、中間団体であるという事実に基くものと考えられるのであります。この点におきまして府県は国政事務の処理の上におきましては、市町村とは相当異なつた機能と性格を持つているものであるということはいなむことができない事実であろうかと考えるのであります。これらの点にかんがみまして、府県は本来的にその自治事務を処理いたしますると同時に、国家的性格を有する事務を処理することを、その任務とするものと考えたのであります。従つてこれに伴いまして、国家的事務の遂行に必要な限りにおきましては、国は最小限度の指揮監督権の行使その他一定の行政関与を行うことを認めざるを得ないと思うのであります。なおこのような取扱いをすることによつて、現在他の方面において検討が続けられておりますところの国の地方出先機関の府県への統合、中央官庁の府県への権限委譲の問題も促進せられると思うのでありまして、国政全般の処理の合理化にも資し、かつ府県の実質的権能の拡充も可能になるものと考えられるのであります。 それから市町村のいわゆる級別制の問題でありますが、一般的制度としてはこれをとらない。ただ事務によつては市町村の実力に応じて配分をすることが地方の実情に即するゆえんであると考えるのでありまして、その結果その権能に広狭を生ずるということも十分予想せられるところであります。従つて必要に応じ事務配分の基準として、たとえば大都市であるとか、あるいは中都市、あるいは小都市というような段階を考慮するということも考え得られると思うのであります。 それから国の事務の機関委任あるいは団体委任の制度、特に府県に属する国の職員としての地方事務官等の制度につきましては、批判のあるところであります。前申しましたごとく、府県が国と市町村との間にありまして、自治行政と国政との調整点に立つているということにもかんがみまして、事務の配分及び国の出先機関の統合等を促進するためには、これら地方事務官あるいは地方技官という制度を活用することが適当ではないか、かように考えたのであります。なお地方事務官等の制度につきましては、地方事務官たるものの身分取扱いにつきまして、府県知事に一定の権限を認める等、国家公務員法の特例というふうなことにつきましても考えなければなるまいかと思つております。 それからここに、「府県知事の選任方法は現行どおりとするものとすること。」ということが書いてあります。これは実は府県知事があまり長くその職にあることはいかがであろうかというふうな議論もございまして、あるいは府県知事が再任になるということをやめたらどうであるか、あるいはまた府県知事が三たび引続いて府県知事になるということはやめたらどうであろうかというふうな議論もございましたが、結果といたしましては、ここにあります通りに現行通りとするということにいたしたのであります。 それから地方団体の規模の合理化に関する事項でありますが、町村の問題につきましては先般町村合併促進法が制定せられたことでありますので、この町村合併促進法を活用いたしまして、極力町村合併の推進をはかつた方が適当ではないか、こういうのであります。また市につきましては、現在御承知の通りに地方公共団体の人口要件は三万以上とされておるのでありますが、市は町村とは違いまして、行政事務を高い水準に置いて処理することが期待せられまするので、新しく今後設置せられるものにつきましては、その人口要件を五万以上とするのが適当ではなかろうかというので、こういうことになつたのであります。これにつきましては現在のままでよろしいのじやないかという意見があることはもちろんでございます。 それから府県の規模の合理化につきましては、その合理化の必要性は認められるのであります。この問題はなかなかむずかしい問題でございまするし、影響するところも大きな問題でございまするので、これは道州制等の問題とあわせて今後ひとつ検討して行きたい、こういうのでございます。 次に警察、教育その他の事務の配分に関する事項であります。まず警察事務の配分に関する事項でありますが、今回の答申案によりますれば、ごらんの通りに、国家地方警察もやめ、市町村の自治体警察もやめ、府県単位の自治体警察を設けよう、こういう骨子になつておるのであります。警察を国家警察に一元化するということは、警察に対する民主的統制を欠く結果になりますし、一面において市町村自治体警察の現状をそのまま承認することは、警察力の強さの点におきまして不十分ではなかろうか、また機動力を欠くような結果になるのではなかろうか、能率的な警察事務の運営は期待し得られないものと考えられる、こういう意見でございます。よつて民主的統制の基盤の上に能率的な警察を打立てますためには、府県単位の自治体警察の制度によることが最も適当と考えられるというのがこの答申案の趣旨であります。しかしながら警察相互の連絡調整、教育、鑑識あるいは通信というような事務は、これはひとつ中央で一元的に処理することが適当であろうと思うのであります。 その次は、大都市警察の問題でございます。これにつきましてはかなり議論の多いところであります。答申案といたしましては、警察は機動的かつ一体的に活動することがぜひとも必要でありますので、大都市と周辺の郡部との一体性にかんがみまして、大都市についてもこの特例を認めるということは適当じやない、どこまでも府県警察一本で行こうということに相なつておりますが、これにつきましてはきわめて有力な大都市警察存続論があるということを申し添えておきます。 それから府県の自治体警察はもちろん公安委員のもとに置くことにするのでありますが、公安委員会の委員の資格制限というものは、必ずしも必要と認められない、むしろこれを緩和して各種の職歴を持つた者によつて委員会が構成せられるようにするのが望ましいのではないかというのであります。また府県自治体警察と申しましても、これは地方事件を処理すると同時に、国家に直接利害のある事件も処理するわけでありますから、国家的な事件等に対しましては、国が府県自治体警察を指揮、監督し得るものとすることが適当ではないか、かように考えられるのであります。さらにまた警察事務の特殊性にかんがみまして、その処理については国も深い関心と責任を持たなければなりません。また警察職員の人事の刷新交流をはかることが必要と考えられまするので、警察職員の身分あるいは待遇等につきましては、特別な取扱いをすることができるという道を開いておいたらどうであろうか、こういうふうに考えられたのであります。 それから警察の一定の水準を維持いたしまして、警察職員の人事交流を促進するためには、警察職員の給与及び定数の基準を法律でもつて定めることが適当であると考えました。なおその際、現在の自治体及び国家地方警察の一元化に伴いまして、相当程度の人員の整理が可能となりますので、適当にその措置を考慮すべきものであろうと考えます。それから警察費につきましては、国が一定の負担をすべきものであるということは、これは当然のことであろうと考えるのであります。 次に教育事務の配分に関する事項でございます。義務教育学校の施設の維持管理は、現行通り市町村の責任とすべきでありますけれども、教職員の人事につきましては人事交流の必要その他広域的にこれを処理することが適当であるということにかんがみまして、教職員の給与支給の事務を含めまして、これら職員の身分取扱いは府県の責任とすることが適当であると考えたのであります。なお教育事務は警察事務と違いまして、五大市程度の規模を持つておりますならば人事交流等人事管理もその大都市限りで合理的に行い得ると思われますので、五大市はその区域内における教職員の行政、財政上の責任を負うものとすることが適当であるとせられたのであります。 それから行政委員会としての教育委員会につきましては、さきに申しましたごとく市町村は学校施設の維持管理のみを行うことといたしましたので、市町村の教育委員会はこの際廃止してしかるべきものではないか、府県及び五大市の教育委員会につきましては、教育行政の政治的中立性を保障するためにこれを存置すべきものと考えられたのであります。それから教育委員会の委員の定数は若干減らすことにいたしますと同時に、現在の公選制の方式はいたずらに厖大な経費を必要とするばかりでなく、その実際に照しまして、教育行政を中立的にかつ公正に処理するという委員会の建前から見まして、必ずしもこれと合致しておらないのじやないかというふうなうらみもありますので、長が議会の同意を得てこれを選任することとし、その際教育委員会が真に住民各層の代表者によつて構成されるように措置することが必要であろうということになつたのであります。なお教育委員会の有する原案送付権の制度は、地方財政の総合運営を阻害し、地方行政を混乱に陥れるというふうにさえ思われる実情にありますので、これを廃止いたしまして、他の行政委員会と同様にすることが適当ではないかというふうに考えられたのであります。 それから義務教育職員に要する経費につきましては、国庫負担の制度が当然予想せられるわけであります、また人事交流の必要もございますので、その給与及び定数の基準は法律でもつて定めることが適当であろうということになりました。 次にその他の事務の配分に関する事項でありますが、その他の事務の配分につきましては、その前提といたしまして、わが国力の現状に即して行政の実際的効果を確保いたしますために、その成果の多くを期待し得ない行政事務につきましては、まず思い切つて整理していただきたい。国政全般を通じて国民負担の軽減をはかりました上、整理縮小された事務について適当な配分をなすべきではなかろうか、こういうふうに考えたわけでございます。 それから行政事務の配分につきましては、すでに地方行政調査委員会議の勧告の次第もあるのでありますから、この勧告がほとんど実現せられておらないような状況でございますので、この勧告を参酌いたしまして、なおまた地方公共団体、特に府県の性格を考えまして、あわせてまた事務自体の能率的処理というふうな見地から、実情に即する事務の再配分を行つてもらいたい、こういうふうな考え方でございます。 次に行政の簡素化、合理化及び能率化に関する事項でございます。その第一は行政委員会制度に関する問題でございます。各種の行政委員会の運営の実態を見まするのに、この制度が地方行政の総合的、統一的な運営をはばみ、行政責任の不明確化を招き、地方財政にさらに重い負担を課しておるというような実情にかんがみまして、真に行政委員会制度を必要とされると認められるもの、すなわち政治的な中立性を強く要求せられるもの、及び準司法的性質を有するものを除いて、これを廃止することが適当ではないかというのが基本の考え方であります。なお存置するものにつきましても、その委員数を減らします等、委員会の構成について簡素化の措置を講じますとともに、専任の事務職員を有するような事務局につきましても、なるべくこれを簡素化いたしたいというのが、この趣旨であります。具体的に申し上げますれば、ここに書いてあります通りに選挙管理委員会については、選挙の公正を確保する建前上、これを制度としては残す、ただ事務機構については簡素化する余地があると考えるのであります。また人事委員会あるいは公平委員会につきましては、地方公務員はその職務の特殊性にかんがみまして、労働基本権を制限せられておるというような状況でありますので、第三者的な中立機関を置いて、公正な立場から地方公務員の利益を保護する必要があり、また理事機関の公選に伴ういわゆる情実人事を排除して、本人の能力の実証による公正な人事をいたしますために、中立的人事機関による人事の調整をはかることが必要と考えられるのであります。しかしながら、規模のいかんを問わず、すべての地方公共団体を通じて独立の機関を設置する必要があるかどうかということになりますと、かなり実際問題といたしまして、その必要がないというふうなところもあろうかと思いますので、府県の人事委員会は存置するものといたしますが、市町村につきましては人事委員会または公平委員会を置かない限りは、その事務は府県に委託したものとみなすというような便法をとつたらどうであろうと考えたのであります。 農業委員会、海区漁業調整委員会は、これは特定の住民の利益を代表する機関としての性格を持つておるものであるということにかんがみまして、多額な経費を要しまする委員の公選制は廃止して、団体の実情に合した方法によることにしたらどうであろうというのがこの趣旨であります。 地方労働委員会につきましては、これは現在通りに存置してしかるべきものと考えたのであります。 それから監査委員でありますが、これは監査事務の重要性にかんがみまして、現在任意設置とせられている市につきましても、これを必ず置くべき機関といたしまして、監査委員をして真にその人を得ることのできるような必要な資格要件を定めるべきものであると考えたのであります。 その他の執行機関に関する事項でありますが、府県とかあるいは市町村の内部組織、この部課は極力整理縮減をはかることが適当ではないか。ことに府県の部につきましては、その規模に応じまして、六部以内というくらいにとどめることにしたらどうであろうかというのであります。 それから出納長の問題でありますが、出納長の制度自体は必要であると考えますけれども、事務の処理方法、事務の処理機構等につきましてはなお簡素化する余地があるのではないか、こういうふうに考えたのであります。 それから府県及び市町村の各行政分野ごとに設けておられますところの出先機関は、これを整理統合する必要があり、なお労政事務所でありますとか、その他福祉に関する事務所でありますとか、府県あるいは市町村の出先機関の法令による強制設置の制度は、なるべくひとつこれを廃止することにしたらどうであろうかというふうに考えたのであります。 同様に、また法令によつて強制設置せられております各種の審議会あるいは特定の職というようなものも、なるべくひとつこの際整理統合するものとした方がよろしいのではないか。 さらにこういうような機構の簡素合理化に伴いまして、地方公務員の数につきましても合理的な整理を行うべきものではなかろうかというのが、この答申案の趣旨であります。 次に議会の組織及び運営に関する事項でございます。 まず第一に議員の定数の問題でございます。これにつきましてもいろいろな議論がございます。地方行政調査委員会議の勧告の次第もあり、現在の議会の議員数は、あるいは多きに失するのではなかろうか、真に住民の多数を代表すべき議員を選出いたしまして議会の運営を能率的に行い、あわせて経費を節約するために、現行議員数の三分の二程度としてはいかがであろうかというのが、この答申案の趣旨であります。これにつきましては、きわめて強い反対があつたことは申し上げるまでもございません。 また議員の地位につきましては、それ自体一つの職業と言うよりも、住民を代表し住民のために行動すべき名誉職であるというふうな趣意を明らかにするのがよろしいのではないか。この意味は、私はきわめて精神的な要素を強調したいという意味合いにおいて、これが出ておるものであると考えるのであります。この点につきましても、こういうふうなことを特に書き上げる必要がないという議論がございました。 それから常任委員制度につきましては、いろいろと議論がございましたが、現在の常任委員会につきましては、その実際に徴しまするのにかなり改善をする余地があるのではないかというので、この常任委員制度を廃止すべしという議論も、ここに書いてあります通りにあつたのでありますけれども、多数の意見としてはこれは残して、その運営方法等について相当な改善をしたらよろしいのではないかという意見となつたのであります。 それから次に議員の兼職の問題であります。市町村を包括いたしておりまする府県が、市町村の複合体というような形を持つておることにかんがみまして、府県と市町村との間に円滑な関係を確保するために、府県議会の議員と市町村の議会の議員及び市町村長との兼職を認めることが適当ではないか、こういうのがこの答申案の大体の趣旨であります。また議員につきましても長と同じく、一定の職業関係につきましては、あるいは議員たる職を兼ねることが適当でないというものもあろうかと考えまするので、これらにつきましても再検討をしたらどうであろうかというのであります。 それから議会が長に対して行う不信任決議の問題であります。これにつきましては過半数議決でもつてやることができることにしたらどうかという議論があつたのでありますが、部会といたしましては、この点は現行通りにしたらよかろうというのが多数となつたのであります。 それから任用制度その他地方公務員制度に関する事項でありますが、まず地方公共団体の人事の停滞を防ぎ、行政の能率化を期するために、条例で停年制を設け得る道を開くことが適当ではないか。 それから府県及び市町村の職員の現在の共済制度はきわめて区々でありまして、その間不均衡な点も少くありませんので、すみやかに統一的な共済制度を確立し、吏員の身分を安定する必要があるのではないか。 さらに地方公共団体に人材を確保いたしまするとともに、その人事の停滞を排除し、もつて行政の能率向上をはかりまするために、人事の交流を促進する必要があるのではないか。そこで恩給年限を通算し得るようにするとともに、その他の身分取扱いについても、適当な措置をその趣旨をもつて講ずる必要があるのではないかというのであります。 それから地方公共団体の事務の運営の能率化に関する事項であります。別に具体的のことを書いておるわけではございませんが、現在国においても行政運営法案が検討せられておるように聞くのであります。これらの趣旨をも勘案いたしまして、地方公共団体の行政運営の能率化のための一般的制度の樹立または共同研究の推進等、適切な措置を講ずべきであろうというのであります。 それから監査機構に関する事項でありますが、監査委員制度とともに長その他の執行機関が独自に行う内部監査機構、あるいは自己監査機構と申しますが、これもあわせて充実すべきではないか、かように考えたのであります。 それから国の地方公共団体に対する監査権の行使につきましては、現在すこぶる多種多様であり、またすこぶる頻繁であります。地方公共団体といたしましては、これが応接にいとまがないというような状況でもありますので、国の監査権の行使は重複を避け、統一することが必要ではないか、かように考えたのであります。 その次は、地方公共団体と地方における国の出先機関との関係に関する事項であります。国の地方出先機関の整理につきましては別に検討が続けられておるようでありますが、国政全般にわたる行政の簡素化、合理化の実をあげまするために、また地方公共団体、特に府県の性格にもかんがみまして機関委任、団体委任の制度及び地方事務官の制度等を活用することによりまして、国の出先機関を大幅に整理し得るものと認められるのであります。ここにいろいろ書いてございますが、こういうふうな諸機関につきまして十分検討をいたしまして、できるだけこれか地方の団体の方に統合するようにいたしたいという趣旨であります。 それから地方公共団体と公共的団体及び住民組織との関係に関する事項であります。町内会等の住民組織につきましては、奨励するとかあるいは禁止するとかのいずれにつきましても、画一的な法制的な措置をとらず、しばらく自然の推移を見るということが適当であろうという考えをいたしたのであります。また地方公共団体の区域内における行政権能の行使は、あげて地方公共団体に帰一せしめるものといたしまして、これがため特別の地方公共団体を設けるというようなことは原則としてとらない。また協同組合等の公共的団体をしてかかる権能を行使せしめることは将来ともに避けることを適当とする。すべてこれを地方公共団体に帰一せしめるのがよかろうという趣旨であります。 次に大都市制度に関する事項であります。大都市につきまして、この際何らかの措置を講ずるということにつきましては、格別異論のないところでありましたが、特別市制の実施は、残つた郡部の処理について、かなりむずかしい問題を生じまするし、都制もまた特別区の制度その他なお検討を要すべきものが多いのであります。従いましてこの際は、最初に述べました趣旨によりまして、事務及び財源の配分を行うことによりまして、大都市行政の運営の合理化をはかるものといたしまして、大都市制度の根本的解決は府県の規模あるいは道州制等の問題というふうな大きな問題と関連するものとして、将来の検討にまつということにいたしたのであります。 それから四のその他の事項であります。都及び道につきましては申すまでもなく、おおむね府県の場合に準じて措置することが適当であろうと考えます。 それから最後に中央行政官庁の問題でございます。中央政府及びその出先機関や地方公共団体との間に、適正な機能と権限の配分をはかりまして、相互の合理的関係を確立する。地方公共団体に重過ぎる事務処理義務を負わせ、ために地方財政を圧迫するとかないしは地方公共団体の権能を不当に圧縮することのないように、かつまた国政全般の立場から、地方における行政の合理的運営を確保いたしまするために、中央各庁と地方公共団体及び地方公共団体相互間の事務運営の総合調整を行うということは、きわめて必要なことと思うのであります。この中央行政機構の設置につきましては、新聞紙上等でもかなりどぎつい表現を用いられたものがだんだん出て来まして、各方面に多くの誤解を生じたかと思うのでありますが、部会といたしましては、そこに書いてあります通りに地方自治の健全な発達をはかりまするために、すなわち地方自治の味方と申しまするか、親元と申しまするか、そういつた意味合いにおきまして、相当な中央機構を必要とするのではないか。すなわち現在の自治庁でありますとか、あるいは関係行政機関を整理統合するものによりまして、もつとしつかりした地方自治のお世話をやくような役所をつくつたらどうかというのが、今回ここに取上げました趣旨でございます。 はなはだ粗漏なことを申し上げ、かつ不十分なことを申し上げたと思うのでありますが、一応この辺で、私の御説明を終らせていただきたいと存じます。
○加藤(精)委員長代理 どうもありがとうございました。 次に床次委員にお願い申し上げます。
○床次委員 それではお手元に参つておりますところの財政部会の答申につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。御承知の通り財政方面の答申につきましては、これは行政部会の方針を受けまして、それに歩調を合せてあるのでありますが、なかなか問題が多いのであります。一応答申案という形にはなつておりまするが、これは多数の意見によりましてこの案ができたというよりも、むしろいろいろの意見があつてまとまつておりません。特に税制の問題につきましては、これは相当関連性を持つておるので、一貫した意見でもつて修正いたさなければ修正案も成立しがたい。しかも修正案が幾様にもあるという次第でありまして、一応起草委員の方で準備いたしましたものを財政部の案として総会に提案させてもらう。しかしおのおの意見は別にあるのだという立場においてこの案が出ておる。従つてきわめて権威がないものではないかという御批評を受けるかもしれませんが、これは相当問題の困難性があり、複雑性があるという立場におきまして、御了承いただきたいと思うのであります。御説明申し上げますのも一応の答申案を中心として申し上げますが、さような事情にあることを、あらかじめお含みいただきたいと思うのであります。さような状態でありますので、この財政部会の結論が出ますまでの審議の状態も、各委員の方々がいろいろ御意見を述べられましたが、なおその意見を財政部会並びに行政部会と相互調整いたしまして、しばしば結論に近づけたいと思つて努力いたしたのでありますが、なおその最終的の段階におきましては、財政部会そのものにおきましてもすでに二回開いておりまして、この案に対して部会の意見を聞いたのでありますが、いろいろ意見が出た、その修正意見を取入れまして、さらに第二次の修正案を出してこの案になつたというような経過も経ておるのであります。この点非常に難航を続けており、しかも問題は依然として未解決で残されたものを含んでおるという次第でございます。 簡単に事柄を順次最初から申し上げますと、地方財源所要額の総額に関する事項。これは現在の地方財政計画の基礎には、地方的事情による財政需要額の増加や地方税の収入見込額などの算定方法に幾多地方財政の実情に合致しない点がある。これらを是正するためには、新たに地方財源として三百億円程度を必要とするというふうに書いてありますが、これに関しましてもすでに見方が大分違つておりまして、県、市町村それぞれ意見が違います。県の方で申しまするならば、県分としてすでに二首六十億不足であると考える。市町村分で申しますると、市では百九十億程度すでに赤字であり、町村分におきましては三百億程度、すなわち県、市町村各団体の要求を合算いた しますならば七百五十億の赤字があるというのが団体側の意見であります。これに対しまして大蔵省の意見はどうかと申しまするならば、大蔵省の意見といたしましては、今後の参考になりますから一応その一部を申し上げてみますと、現在の地方財政の実情は、一部団体において財政の逼迫が切実であり、財源不足の補填が強く要望されておるが、現在の地方財政計画は、国及び地方の財政事情を勘案して策定されておるものであつて、現下の財政事情のもとにおいては、やむを得ないというような考え方であります。すなわち赤字が出ておるけれども、これまたやむを得ない日本の実情であるというふうに見ておる。結局補填を要するものがゼロでもよろしいというふうに考えられる。従つて意見から申しますと、ゼロから七百五十億の大きな開きがあるのでありますが、一応この点につきましては調査会といたしましては、ここにありますごとく三百億程度、詳しく申しますならば、これが三百六十七億ぐらいの計算には一応なつておりますが、まあ三百億そこそこのものはどうしても必要なんであるという結論になつておるのであります。御承知の通り当調査会といたしましては直接の計数を調査いたしまするスタッフを持つておりません。自治庁あるいは大蔵省等の官吏の方にお願いしなければならぬわけでありますが、先ほど申しましたように関係当局においても相当意見の差がありますので、まあいろいろ勘案いたしまして、この際の段階としての結論としましては、一応三百億程度の財源が所要であるという答申案をつくり上げたのであります。 さらに今後の問題でありますが、先ほど行政部会の御答申の方にありましたごとくいろいろと事務配分があります。事務の委譲がありますが、今後の場合におきまして、国家地方警察事務を都道府県に委譲するということになりますと、なお国から都道府県に百四十億程度の財源を移譲しなければならないという数字になるのであります。この百四十億の数字に関しましては、相当いわゆる整理節約を見ながら計数を出しております。しかもその節約の程度がはたしてこれでいいかどうかということにつきましては相当議論の余地もありますので、一応委員会では百四十億という整理をしながら、こういう数字になつております。しかし、他面積極的に法令の改廃を行い、終戦後膨脹した行政機構、人員及び事務を整理するならば、二百億程度の財源を捻出することが可能である。これは行政部会の答申の中にいろいろ事務との簡素化等が掲げてありまするが、その簡素化を法令の改廃等によりまして行う、並びにこの際相当節約をいたしますると、一応二百億程度の財源でできるかもしれぬ。この点は相当困難を認められておりまするが、一応行政部会の答申を前提として、財政部会等においてそろばんをはじきまして、この程度のことにいたしたのであります。差引出て参ります数字が、今後なお地方財政のわくに加えなければならないという結論になるわけであります。 第二は地方税制の改革でございます。この点に関しましては一から数項目にわたつております。いずれも関連したものでありまするが、主としてとりましたものは、できるだけ自主的な財源を与えたいという気持と、今までの財源の偏在を直したいという点であります。でき得るならば将来の地方自治の発展のために必要な財力を残す必要もあると思うのでありまするが、第一には何らそういうことを考えておりません。とりあえず現状におきまして地方行財政を整理するという当面の立場に立ちました関係上、財源的余裕におきましては、積極的にこの点において加味されておらないのでありまして、とりあえず現在の財政状況におきまして、むだを出さずにできるだけ地方に自主性を与えるような形でもつて、税制を改めたいという立場においてつくつたのであります。もとよりこれに対しましては、相当各種の意見があり、しかも一箇所かえますならば、全般的に構成をかえなければならないという状態にあることを、あらかじめ御承知おきを願いたいのであります。一応財政部会において報告として出そうということのきまりました案は次の通りであります。 第一は、附加価値税を廃止し、現行事業税及び特別所得税に次の改正を加えてこれを存続する。附加価値税の廃止に対しては、すでに問題がないと思います。名称を事業税といたしまして、しかも現在の事業税、特別所得税に対しましては、相当いろいろの減免の例外があつたのでありますが、かかる例外は地方税の特質上適当でない、できる限りこれは原則として廃止したいということを明らかにいたしているのであります。 第二は、課税標準はおおむね現行通りとし、純益を課税標準とするものについては、原則として所得税及び法人税の課税の基礎となつたものによることといたしまして、課税上の手続を省略する、簡素化をはかるということを見ておるのであります。 なお第二といたしまして、道府県民税の創設を考えております。道府県は自治体でありますが、その固有財源を持たないということは、一つの大きな欠陥であつたのであります。この際事務配分等につきまして道府県の事務が相当移動して参りましたので、これに対する財源を考えまして、道府県民税を創設することにいたしたのであります。 その要旨は、一は納税義務者は区域内の市町村民税の納税義務者と範囲を同じくする。賦課総額は百七十五億程度として、これは所得の階層により税率に差等を設ける。できるだけ簡素な方法によりましてこれを徴収し得るようにいたしたい。なお徴収につきましては市町村に委任することを認めたのであります。 次は第三でありまするが、地方税源の偏在を是正し、課税方法の適正をはかるために左の措置を講ずる。これにはずいぶんいろいろな議論があるのであります。今日におきましていわゆる富裕府県という問題も出ているのでありまして、せつかくの貴重な税源が地方に偏在しておる、場合によりましたならば、これをとりもどして調整するということも必要でありましようが、かかる操作はなかなか困難でありますので、できるだけ吸い上げるという方法をとらずして、税源の偏在を是正し得る方法といたしまして、次のように数項目考慮いたしたのであります。もとより、これに対しましては将来大都市あるいは府県市町村等が積極的な施設をする、事業をするというための積極的な余力は、もちろん十分考慮せられておらないのであります。大体現状を中心として考えておるということだけ、この機会に申し上げておきます。 第一は、遊興飲食税及び入場税を国税に移譲し、しかもこれを現在程度の収入をあげる。決して国税に移したから国で増徴するというのではなくして、これを全国公平に徴収するという建前におきまして国税に移譲し、しかしてその範囲内にありまするから、税率の引下げ等課税の適正化を、国税に移した機会にいたしたいと思うのであります。この財源はもとよう国の収入とするというのではないのでありまして、これを各都道府県に配付するという形におきまして、その収入の大部分、九割程度以上は人口に按分して各都道府県に配付するということにいたしたのであります。これによりまして両税のいわゆる都市の集中と申しまするか、財源の偏在をある程度まで是正し、しかも都道府県の固有財源にいたしたいということをねらつたのであります。 第二には償却資産であります。償却資産を固定資産税の課税客体から除外し、左により道府県と市町村とにおいて償却資産税を課する。イは、課税客体は現行固定資産税における償却資産と同一とする。課税標準は当該償却資産の価格とし、道府県の示す基準に従い、市町村が決定する。標準税率はそれぞれ百分の〇・八とする。すなわち現在の固定資産税のうちの償却資産は、一部やはり偏在をいたしております。この偏在を是正するためには、やはり半分を県に移譲することによりまして、偏在の是正が可能であるというふうに見たのであります。結局県と市町村と半々にこれをわけようという措置を講じたのであります。 なお第三といたしまして、市町村民税中の法人割の一部、二割程度を国税に移譲いたしたいのであります。これによりましてバランスをとるということの措置になつたのであります。以上によりまして大分財源が地方から動きまするが、これに対して新たに自主的な財源といたしましてタバコ消費税を創設することにいたしたのであります。一、タバコの消費に対して消費地道府県及び市町村において課するものとする。二は、道府県分としてタバコ小売価格税込みの総額の百分の十に相当する税額、市町村分として百分の二十に相三する税額を徴収することを目途として税率を定める。大体これだけの税を新しく地方団体に国からわけよりというわけであります。賦課徴収の方法につきましては、これは幸いにして今日専売でありますので、比較的簡素な方法をもちまして、道府県市町村に配付することができると思うのであります。もとよりこの場合には小売価格を値上げせず一現在にすえ置くという前提であります。 第五はタバコ消費税及び道府県民税の創設に伴いまして、市町村民税中道府県民税相当額を軽減するということにいたしたのであります。 なお第六といたしまして、地方税の各税目について、非課税規定及び税率の特例規定をできるだけ整理いたしたい。 第七は、徴税手続につきまして国と地方公共団体の協力によりまして、できるだけ簡素化する。納税者に迷惑の少くなるように努力をいたしたいと思うのであります。 なお八といたしまして、財政状況と見合せて雑税を整理する。その他雑税の整理すべきものが少くございません。これは将来財政に余裕を見まして、できるだけこれを整理いたしたいということを明らかにいたしたのであります。 第三は、国と地方公共団体並びに地方公共団体相互間の財源調整の問題であります。従来は平衡交付金制度となつておりましたが、これを若干改正いたしまして、地方交付税制度という名称に改めまして、多少従来のものよりも自主性を持たせるというふうにいたしました。平衡交付金制度の本質はそのまま残しますけれども、なおその欠陥と目されたものをある程度まで補いたいということを考慮いたしたのであります。 地方交付税の総額は、所得税、法人税及び酒税のそれぞれの一定割合とし、特別会計を設置してこれを繰入れる。すなわち総額というものは、そういう一定割合をきめまして、定額毎年毎年これが財源として特別会計に入る。従来のように、予算の都合によつてあまりこれが増減することのないように、すなわち各地方団体が、一定額だけは毎年予想し得るごとく、見やすくいたしたのであります。 交付税は三にありますごとく、普通交付税と特別交付税とにわける。大体これは従来の特別交付金と普通交付金と似たようなものであります。従来の方針を大体踏襲いたしまして、百分の九十二は普通交付税、百分の八は特別交付税というわけであります。 なお、岡にありますごとく、原則として、特別会計の中でもつて調整をはかる。わずかずつの移動がありましても、少しずつのことは、あまりそれに調節を加えないということにいたしておるのであります。1にありますごとく、繰入額が普通交付税の総額の九十二分の百四を超える場合は、その超える額をもつて2により借り入れた金額を返済し、なお余りあるときには、その超過額は特別会計において積み立てる。少しよけい入つても、それは特別会計に残しておいて、足りなかつた場合においては、2にありますごとく、繰入額が普通交付税の総額の九十二分の九十六程度に満たない場合には、1により積み立てた金額を充て、特別会計の内部でもつて、一応つじつまを合せておきますが、なお不足するときには、特別会計において借り入れて補充するという方法をとつておるのであります。 なお、この制度が非常に実情と異なる、すなわち数字が動きます場合は、やはり制度の根本的改正を行わなければならぬというのが、因に書いてあります。 その他は平衡交付金の行き方をそのまま踏襲して、なるべく制度が安定いたしますように、必要なことは法定化して行くという方法をとつております。 その次は地方債制度に関する問題であります。これに対しましては、特に地方公共団体中央金庫を設立しようということを答申しておるのであります。これは公募債の消化をはかり、なお地方債の資金量を確保し、財政力に乏しい公共団体の資金借入れを容易ならしめたいというのであります。性質は今日の農林中金、商工中金等に類似するものであります。資金の出資あるいは金庫債の発行、政府保証等は、ここに書いてある通りであります。 なお許可、手続の問題でありますが、許可並びに融資手続を簡素化するための措置を、とりあえずここに書いてあります。原則として、このものは将来自由にすることが望ましいわけでありますが、現在の金融上の見地からやむを得ないと存じまして、とりあえずこれだけは残しておく次第であります。なおこの点に関しましては、でき得る限り簡素化し得るように、今後の処置が必要であろうと思います。とりあえずこの程度ならばよくはないかという点において、委員会でまとまつた案であります。 それから第五は、赤字地方団体の財政再建整備の問題でありまして、当委員会においても御審議中でありますが、大体の要旨は、当委員会にありますものよりも、若干財政的に見まして厳格になつておるのであります。はたして厳格にいたしますことが、ほんとうの効果を上げるゆえんであるかどうかという点につきましては、多少研究の余地はあるのであります。どうも赤字を起したものが政府から借入金をすることができる、これによつて赤字を起しておつたものは、それだけ得をした、まじめに堅実な運営をやつておつたものが、この恩典に浴さないということになりましては、はなはだ困ることであり、しかも放漫財政を承認するようになつてもいけないのじやないかという議論もあつたのでありまして、寛厳いずれの程度にするかということにつきましては、運用上の問題でありますが、まあできるだけ厳格にしておいた方がよろしいだろうという趣旨において、これは答申せられておるのであります。 なおこの実施につきましては、ここにありますごとく、昭和二十七年度の決算において生じました赤字を標準にしてやつて行くのであります。これに対しては一部に、二十八年度の決算において赤字を生じたものを考慮いたしたいという意見もありましたが、結局最後的には、二十七年度の決算において赤字の生じたものを対象とするということにいたしたのであります。 なお借入金の額につきましては、7にありますごとく、前項の地方債は、昭和二十九年度において、二百億円程度を限度として、その額は通常地方起債のわくの外において決定するというふうに一応予定されて、二百億程度は必要であろうということが見込まれておる次第であります。 なお将来の赤字起債に対しましては、できるだけ赤字を起さない。同時に赤字起債を原則として起さない。赤字起債を起します場合は、特別に強い条件を付したいというので、(二)にありますごとく、措置がとつてあります。 第六は、国庫支出金並びに使用料、手数料等に関する事項であります。国庫支出金の方におきましては、第一に、地方公共事業費等に関する総花的な国庫補助負担金制度については、根本的に検討を加え、真に大規模な事業のみに対する高率国庫負担の制度に切りかえるということにいたしました。現状において非常に数多くのものがある状態でありますが、はたしてそれがほんとうの効果を上げておるかどうかという点につきましては、相当研究を要すべきものと思うのであります。従つてできるだけこれを整理して、大規模な事業のみに対して切りかえたいということを明らかにしております。 義務教育に関しまして、2に原則として、義務教育であります以上は、地方公共団体に責任を持たせる立場から、その一部は当然公共団体で持つべきである。従つて教員俸給に対する全額国庫負担の制度は適当でないということを申しております。 それから3は警察行政であります。先ほど行政部会の答申がありましたが、一部を地方で負担する、少くとも分担し合うことにしております。いかなる割合にするか、一定の率に定めるか、費目できめるかということに議論がありましたけれども、一応答申案としては、ここにありますように教育、装備、通信、鑑識等の強度に全国的調整を要するものについては、これを全額国庫負担とする、俸給に関しては、これを地方負担とするというふうな処置をとつたのであります。 国庫補助負担金に関しましては、特に存続を必要とする理由あるものを除きまして、他は一般財源に振りかえるということを原則といたしたのであります。特に一件当り金額が小さいものにつきましては、これは原則として整理してしかるべきものと存じたのであります。 5といたしまして、補助金等の手続の簡素化が書いてあります。 (二)の許可、認可の制度は、いまさら申し上げるまでもありません。 それから(三)は、自動車競走、モーター・ボート競争等の売上金の一部を国庫に納付する制度は、地方財源を目途とする以上は、必要なかろうということになつたのであります。 最後に、大都市制度につきまして若干触れております。行政部会において大都市制度に対して答申があつたのでありますが、この答申に応じて、若干の財源を考慮することが適当であると考えられましたので、特にここに三項を加えたのであります。 第一は、大都市の区域にかかるタバコ消費税につきましては、大都市分百分の二十五、府県分百分の五としまして、普通の府県の持つておりましたところの財源の半分を大都市に譲る。行政部会の答申にありましたごとく、いろいろの事務再配分によりまして、大都市の増加いたしました事務に対処し得るごとくいたしたのであります。 なお平衡交付金制度におきましても、非常に問題となつておりました基準の交付に対しましては、なお特別の考慮が必要であろうということが第二に書いてあります。 なお大都市財政の将来のことに関しまして、地方債につきましては、これまた特別の考慮を要するであろうということが、最後に書かれてある次第であります。 以上申し上げましたのが、財政部会の答申の大要でありますが、何と申しましても問題となりましたのは、第一に地方財政の所要額の総額に関する問題であります。次には地方税制の改革に関する問題、これに関しましては最初にも申し上げましたように非常に異論の多いものでありますから、一応財政部会としてはこの程度の報告を出さしていただき、なお総会におきまして十分御意見を伺つてこれを決定いたしたい。なおこの答申以外にも多数の有力な意見があるということをこの機会に申し添えて、御報告を終りたいと思います。
○加藤(精)委員長代理 ただいま地方制度調査会の行政部会及び財政部会の経過の御報告におきまして、灘尾委員及び床次委員よりきわめて徹底して詳細御発表がございましたが、その御労苦を感謝申し上げますとともに、なお非常に研究を要すべき事項が多いようでございまするから、この際両委員並びに政府当局から――自治庁長官も見えておられまするし、ひとつ十分御質疑を行つていただきたいと考えます。
○藤田委員 財政部会はなお結論が出ておりませんし、ただいま両委員から御説明がありました範囲内に関しましては、この際私は質問はまだ少し早過ぎはしないかと考えまして省略いたします。この地方制度調査会は約一年にわたりいろいろ研究されておりまするが、問題はこれがいかに具体化するかであります。地方制度調査会は単に地方団体の不平不満をチェックする中間機関的な存在になつてはならぬのでありまして、私たちは各界の権威ある代表が集まつてこの委員会を運営されております関係からしましても、政府当局におきましては善意をもつて対処されるであろうとは存ずまするが、この際塚田長官の委員会答申に対するお気持を、率直にお伺いしておきたいと思います。
○塚田国務大臣 私もこの地方制度調査会が長い期間にわたつて熱心に御検討いただき、やや結論に到達しかけておるので、この機会に御労苦に対して深甚の謝意を表したいと存ずるわけであります。もちろんその内容に関しましては最大限にこれを尊重するという考え方で、それを頭に置いて起案に当りたいと考えるわけであります。なおただいまの御報告にもありましたように、幾多反対の意見もあるというように私も承知いたしておりますので、それらの意見もなお十分に承りながら、この答申を尊重しつつ政府の成案を得たい、こういうように考えておるわけであります。 〔加藤(精委員長代理退席、西村(力)委員長代理着席〕
○藤田委員 今少しく具体的にお伺いしたいのでありますが、来るべき臨時国会あるいは通常国会におきまして、目下地方制度調査会におきまして審議されておるもののうち、ある程度具体化するものがありますかどうですか、この際お伺いいたしまして当委員会の審議の材料にさせていただきたいと思います。
○塚田国務大臣 今度の地方制度調査会の御答申は、制度部面に関するものも財政部面に関するものも、臨時国会においては、おそらく私どもの事務的な進みぐあいとも考え合せまして、問題にはならないのではないか、次の通常国会において大体考えられる、こういうように考えております。
○藤田委員 実は当委員会の有力委員が地方制度調査会に入つておられます。しかも小委員長をされておるということになりますると、法律的にはともかくといたしまして、政治的にこの調査会の決定というものに対しまして、一応われわれは相当敬意を払うべき立場にあるわけであります。この観点からしまして、むしろ当委員会出身の方の小委員長は、政治的にまずかつたのではないか。これは私の私見でありまして参考のために申し述べておきますが、地方制度調査会の決議というものの法律効果と申しますか、政府に対する拘束の程度を具体的にこの際お示し願つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 法律的にどういうことになるのかということのお伺いでありますならば、もちろん制度調査会は諮問機関でありますので、意見を参考にして自治庁の案をつくる、こういうことになると思います。
○藤田委員 そこで私は先ほど発言がありました委員長の御趣旨に沿うてないかもしれませんが、せつかく久方ぶりの委員会でありますから、この機会に簡単にお伺いいたしておきたいのは、目下補正予算の査定中であります。補正予算の査定におきまして、当委員会が最も関心を持つておりますのは、町村合併促進法に基く予算措置の問題であります。この問題に関しまして、大臣はどういうお気持で現在大蔵省当局と折衝中でありますか、その見通しがありましたならば、この際議員立法なるがために、特にわれわれは重大関心を持つておりますので、お示し願いたいと思います。
○塚田国務大臣 町村合併促進法は前国会において御審議を願い、通過させていただきまして、私も非常に感謝いたしておるわけであります。それが十月一日から発足することになつておりますので、事務的ないろいろな準備を整えておるわけでありますが、それと並行いたしまして少くとも今度の臨時国会におきましては、二十八年度分として所要の予算をぜひ盛つてもらうように、ただいま大蔵省と折衝いたしております。
○藤田委員 折衝されておることはわかつておりますし、また先般の閣議におきましては、塚田大臣の熱意によりまして閣議決定を見ておりまして、非常に力強く思つておりますが、大体事務当局の案では本年度内に一割五分くらいを実現したいという非常にいい計画もできておるやに拝聴いたしております。この際大体どのくらいの予算があれば、あの法律の意図する所期の目的を達成することができるか、それに対しまして大蔵省はどういう意向であるか、この際できれば率直にお示し願いまして、われわれも折衝に外面から協力申し上げたいという気持でありますから、具体的に御答弁願いたいと思います。
○塚田国務大臣 この問題は、私は幾つか兼務を持つております関係上、主として青木政務次官に当つていただいておりますので、青木政務次官に御答汁願う方が、はつきりした実情が申し上げられると思いますから、青木政務次官からお答え申し上げます。
○青木説明員 町村合併促進に要する予算の問題でありますが、御承知のように、先般の閣議におきまして一応の基本方針を決定いたし、自治庁といたしましては、その基本方針に沿つて促進を実現いたしたい、二十八年度中に、できることならば大体一割五分程度実施いたしたい、かように考えるわけであります。そこで、この法律ができます前の従来の通常の場合における町村合併の場合を考えてみますと、一町村大体五十万円程度をやはり所要経費として、国としてめんどうを見ておるのであります。通常の場合におきましてその程度のめんどうは見ておりますので、今回のごとく特に法律に基いて強力に町村合併を促進しようという建前から考えまして、その程度でなしに、もつと通常の場合よりも多い額において国としてめんどうを見る必要があるのではないか、かような観点に立つて大蔵省と折衝いたしておるわけであります。ただしかし大蔵省側の考えといたしまして、はたしてどの程度今年度中に合併が実現できるか、この見通しにつきましては、私どもの方といたしましても、まだはつきりした見通しがつきませんし、また補正予算の編成ごろまでには、ある程度見通しもついて来るのではないかと思いますが、一応の基礎的な考え方としては、そうした考え方に立つて交渉いたしておるわけであります。なお私どもといたしましては、町村合併によりまして期待するごとく実現いたしますれば、少くとも平年度二百三、四十億の直接の経費の節減もできますので、この点も大蔵省に強く申し述べまして、大蔵省の御協力をお願いいたしておるわけであります。ようやく三、四日前に総務部長会議等も開催いたしまして、いろいろ地方側の意向も聴取しておるわけでありますが、どの程度に二十八年度に実施できるか、これとにらみ合せまして、それと、さつき申しましたような基本線に沿つて大蔵省と折衝いたしたいと思つておるわけであります。
○藤田委員 野党三派は、憲法の規定に基きまして、臨時国会の早期召集を強く政府に要求している現状でありまして、不日臨時国会が開会されることは必至の情勢であります。従いまして、まだ町村合併の見通しが、はつきりしないというようなことを自治庁の政務次官が申されますると、結局大蔵省の主計局当局に足元を見られまして、補正予算の獲得が非常に困難になるのじやないかと思いまするが、ただいま抽象的な御意向として、従来特別平衡交付金の配分基準二十三項目のうちの一項目に、合併町村に対しまして五十万円ずつ自働的に配付するという規定がありましたが、今回の予算の獲得に成功すれば、特別平衡交付金と同等の運用をされまして、大体各合併町村同一額を配分される予定でありますかどうですか。この点ひとつ政務次官の気持をお伺いしたいと思います。
○青木説明員 今回の場合は通常の場合と異なりまして、私どもの希望といたしましては、その倍額、百万円程度のものをぜひとも出すようにいたしたい、かように考えておるわけであります。なお藤田委員のお話で補正予算に間に合わぬのではないかというお話もあります。私どもといたしましては、御承知のごとくあの合併促進法に伴う政令の関係もありますので、十月一日まで出さなければならぬわけでありますし、それに間に合うように大蔵省とある程度の数字はそれまでにきめたい、かように思つているわけであります。
○藤田委員 塚田大臣は閉会を利用しまして地方視察をやられております。おそらく、最も被害のひどかつた九州方面も詳細視察されたであろうと想像いたしておりますが、今回の特異な災害に伴う地方財政の困窮は特に深刻でありまして、この点に関しましては、自治庁当局も率先して何か対策を具体的に考えていただきたいと思うのであります。先般の国会におきましては、青木政務次官から一つの制度を考えているような意味の発言がありました。平衡交付金のほかに何らかの具体策をこの閉会中に考えられるのではないかとわれわれは期待しているわけでございます。一般交付金、特別交付金のわく内では、今回の災害に伴う地元負担の問題という大問題は解決できないのであります。しかも御存じの通り国会でつくられました二十四の特別立法に基く政令は、いまだに関係各官庁の間の意見が一致しないで、そのままになつておりまして、災害府県の窮状はまことに深刻であります。こういう状態を続けておりましたならば、おそらく来るべき臨時国会におきましても、大きな政治問題となること必至でありますが、この際自治庁といたしまして、災害の市町村、府県に対しまして何かあたたかい具体的措置を考えておりませんかどうか、この点をひとつお伺いしておきたいと思うのであります。 それから一般交付金、特別交付金も、この際災害府県、市町村に対しましては繰上げ支給というようなこともぜひ実施していただきたい。一般交付金に関しましては多少繰上げ支給があつたようでありますが、特別交付金も、年度末ということに拘泥せず、この際繰上げ支給を研究してもらいたいと思いますが、これに対する大臣の御所見はいかがでございましようか。
○塚田国務大臣 私も先般九州方面の災害地だけは全部見て参りまして、まことに思つたよりも被害が大きいので何とかしなければならないという痛切な感じを持つて帰つたわけであります。ただ何にいたしましても事柄の性質上、自治庁といたしましては、あとのしりをぬぐうという立場にございますために、今の段階で気持は何とかしてあげたいという感じを持つておりましても、特別に手の打ちようがない、こういう結果になつているのであります。もちろん窮状は非常に察せられますので、それぞれ主管の省に対して、なるべく早く査定すべきものは査定し、またその決定の数字に基いて早く予算を組んで、早く国会を開いてというふうに要求はいたしておりますけれども、個々には大分査定の済んだものもあるようでありますが、総体の数字としてはまだ決定を見ておりませんので、総体でどのくらいあの特別法に基く起債を考えたらよいのかということは、まだ見通しがつかないような状態であります。ただ考え方といたしましては、何とかしなければなりませんので、今も御指摘のように、自治庁として出すべきものはなるべく早く繰上げて出す。普通平衡交付金はそのように措置いたしておりますが、特別平衡交付金は、事柄の性質上、法律によつて、どういう場合にどういう基準によつてわけるということになつておりますので、まだ年度の途中におきましてそれを配分してしまうと、当然今年分の百億から配分さるべき事態が起つた場合に、そこに持つて行けないという事態が起きますので、今の段階ではなかなかできにくい状態にありますので御了承願いたいのでありますが、ただしかし今度の特別法に基く起債、それから起債ができない前のつなぎ融資、そういうものにつきましては、本年度の利子及び次年度以降の元利償還については十分考慮しなければならぬという考え方で、あの特別法の趣旨を尊重して大蔵省と鋭意折衝し、あの特別法に基くものは、大蔵省も特別に予算を考慮してもらうように、大体話がつきかけているような状態であります。
○藤田委員 ほかの委員の御質問もあろうと思いますが、最後に一言希望を申し述べてお尋ねしたいと思います。これは新聞報道で確実ではございませんが、来るべき補正予算のわくに関しまして、大体当初予算九千六百五十億と加えまして一兆億で押えたい、従つて逆算して約三百五十億のわく内で補正予算を組みたいということが流布されております。政策の決定はあくまで事の重大かいなかを勘案して決定すべきでありまして、わくを先にきめて逆算するというような不見識なことはないのではないかというふうに考えておりますが、もしこの三百五十億のわく内で災害復旧費、賃金ベースその他各般の補正予算が考究されるということになりますと、最初にお尋ねしました通り、約三、四十億の予算を要するであろう町村合併促進に伴う経費等は、ほとんど絶望ではないかと、われわれは憂慮するのでありまして、この点からしましても、ぜひとも塚田自治庁長官の閣議における善処をお願いいたしたい、これは希望であります。 それからお尋ねしたいのは、現在政府手持ちの予備費が、たしか六十五億であります。そのうち八億は、先約がありまして、これは出すようでありますが、そのほかに二十億を予備費のうちからさらに予備費としてとつておく、残る三十数億を今回の災害に充てるというようなことを聞いておるのでありまして、少くとも災害地は予備費全額の配付を期待しておりましたが、もしこういうことになれば、大野現地対策本部長の約束は、ことごとにから手形になつてしまうということを、われわれは憂慮するのでありまして、せつかく当時大野本部長が現地に飛ばれまして、罹災民を納得させられました功績というものが、一朝にしてこわれてしまうのではないか。私はこういうふうな予備費の配分がもし事実とすれば、ゆゆしき重大事じやないかと思いまするが、その点に関しまして、何か閣議の問題になつたことがありますか、どうですか、この機会にお伺いしておきたい。
○塚田国務大臣 御指摘の点につきましては、責任ある発言としては何ら承知いたしておりません。ですからもしさようでありまするならば、所管省にお尋ね願いたいと存じます。
○西村(力)委員長代理 それでは床次君。
○床次委員 地方的なことを重ねてお伺いして恐縮でございますが、重大なことでありますので、特に質問いたしたいと思います。それは奄美大島の復帰に関しまして、政府はそれぞれ今日調査団を派遣せられまして、受入態勢を準備しておられますが、私どもの聞くところによると、沖繩政府におきましては、十月一ぱいの予算を持つておるということでありますので、多分十一月一日から復帰するのではないかということが言われておるのであります。従つてこの受入れに対しましては、当然法律をもつて受入態勢をつくらなければなりませんが、先ほどからお話がありますように、臨時国会開会の非常に強い要求を出してはいますが、ぜひとも受入れに間に合うように、各種の法案の準備をひとつ完了していただきたいと思う。せつかく予定されたところの時期に内地復帰ができないということになりましたならば、これは地元の住民にとりまして非常に大きな問題だと思う。この点、政府におきましても慎重に、ひとつぜひ予定されました期間において確実に受入れの準備を国会開会までにせられまして、そうして必要な法案の成立をはかられたいと思うのであります。なお重ねてお願いいたしておきたいのでありまするが、この問題に関しまして、現在現地の事情が非常に窮迫しております。内地の方の受入れがすみやかに行かずに、その間にもしも時日上の空白がありますると、その日日の生活にも脅威を感ずるのでありまして、この点特に空白が生じないように、ただちに引継ぎができますように、あらかじめ措置をとつていただきたい。 なお、今後の問題でありまするが、戦災を受けました後、八年間の占領行政下の荒廃にあえいでおる次第でございまして、特別な振興計画が当然必要だろうと思う。これまた引続いて考慮を要するものと思いますが、かかることに対しましても、政府の措置が遅れないようにお願いいたしたいと思うのでありまして、政府のお考えを承りたいと思うのであります。 なおこの機会に重ねて伺つておきたいのは、政治の問題であります。内地に復帰いたしましたならば、国政に参与し得ることは当然であります。すなわち衆議院の補欠選挙、あるいは参議院の選挙という問題も考慮せらるると思うのでありますが、これに対しまして、いかように考えておられるか。同時に地方行政の立場から申しますると、府県議会に対して参与すべきことは論ずるまでもないと思うのでありますが、この措置に対しましても、当局といたしては、いかように考えておられるかということであります。すでに現地にありましては、沖繩軍政府のもとにおいて、それぞれ選挙法が施行せられております。従つて、従来の選挙人名簿その他は、これをただちに利用し得る状態にあると思うのでありますが、政府が措置をせられますならば、特別立法によつてただちにこれをそのまま利用いたしまして、内地の名簿と同じように取扱い、これに基いて補欠選挙を行うということは可能だと思う。私どもは長い間日本から離れておりました者が日本に帰つて参りまして、日本人としての当然の参政の権利を、中央におきましても、あるいは地方におきましても同時に得ることができますように、この方面の手続のすみやかな実施を必要とすると思つておりますが、当局においてこの点どの程度のお考えを持つておられますか、伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 奄美大島の問題につきましては、帰つて来ることが明らかになりましてから、私といたしましても、一日も早くそれが実現されるように衷心念願いたしておるわけでありますが、まだ十一月一日からそのようになるかどうかというようなはつきりした見通しは、実は持つておりませんので、従つて国会の開会時期というようなことと関連して、まだ考えたことはないのでありますが、そういうような情勢がはつきりいたしますならば、御指摘のような考え方で、法律ができないために受入れが遅れる、従つて住民に御迷惑をかけるようなことのないように、極力善処いたしたいと考えております。なお帰つて参りますと、当然財政面についても相当な考慮をしなければならない、これは一般的な考え方として、十分承知いたしております。ただ実際にどのようになつておりますか、まだわかつておりませんけれども、今私どもの方からも、現地調査団の一行に行政部長が加わつて参つておりますので、帰つて来た報告をまつて、できるだけ準備措置をいたしておきたいと思います。 次に選挙権その他の政治関与の問題でありますが、当然御指摘のように考えなければなりませんので、国の、衆議院あるいは参議院の選挙においてはどういうぐあいにするか、それから府県その他の地方選挙においてはどういうふうにするかは、御指摘とまつたく同じような考え方で、選挙法に対して特例を考えるとか、鋭意準備的な措置を今検討いたさせております。
○北山委員 今選挙の話が出ましたので、例の学生の選挙権の問題をお伺いいたしたいと思います。これはあるいは選挙特別委員会の管轄かもしれませんが、私ども地方の町や村を歩いておりますと、今度の学生の住所の認定といいますか、それの解釈がかわつて来たので、委員会は名簿をつくり直すといいますか、調査をし直す、それから住民登録についてもやり直しをするというようなことで、非常に困つておるということを聞くのであります。そういう関係でお伺いしたいのですが、あの学生の選挙権行使の場合の住所の解釈、これを変更された経過について、御説明願いたいと思います。
○塚田国務大臣 御承知のように、この間までの政府の解釈の考え方というものは、終戦後の特殊事情、申しますのは、あのときには非常に有権者がふえた、年齢的に引下げられ、かつ婦人にも選挙権が与えられるというような結果になりまして、非常にふえた。しかるにかかわらず、交通、通信の状態が十分回復しておらぬので、急速に正確な調査はできにくいのじやないかというような事情がありまして、一時便宜的にこういうように考えておくということを表わしましたのが、今までの、二十一年の通牒の考え方なのであります。しかし本来のあり方からいたしますならば、選挙権というものは、住所地に選挙権があるという法律解釈に基いて、現実に調査をして、そうしてどこにあるかというのをきめることの方が正しいのでありまして、今までそれを、今申し上げましたような事情で避けて、一律解釈をしておつたのでありますから、大体おちついたこの機会に、これを本来の姿にもどすのがいいのじやないかというような考え方で、今度の通牒を出したわけであります。もちろんそういうような考え方をいたしましたのは、最近ちよくちよくそういう問題が選挙の後に裁判問題になりまして、大体われわれが今度考えておりますような趣旨によつて判決が出ております。判決の趣旨を考えてみますと、やはりそれはその方が法の建前から正しいと私どもにも考えられますので、これをこの機会にそのように直しておかないと、一層そういう事例が多くなつて、選挙の結果というものが非常に不安定になるというふうにも考えられますので、管理委員会その他にかなりな迷惑がかかり、従つて費用も要するであろうということは当然予想されましたが、本来そうすべきものをそうせずにおいて、あとで混乱を生ずるということは、それが困難だからというような理由でほつておくということは、行政当局としてはむしろ手落ちであり、怠慢であるとさえ私どもには考えられますので、困難ではあろうが、本来あるべき姿にもどしたというのが、通牒の考え方であります。
○北山委員 そのようにしますと、今までの解釈というのは、今の法律の便宜的な解釈であつた。その解釈はもちろん合法的な解釈だつたと考えておやりになつたと思うのですが、そのように解釈ができ得るならば、もしそのような解釈が選挙権の行使上非常に都合がいいというようなことになるならば、そのように続けて行つて、何らさしつかえないんじやないか、私どもはその住所という問題については、民法の考え方と、また選挙権行使の考え方とは違つてもいいのではないかと思うのです。国会議員の選挙についてはもとよりでございますが、地方の市町村の長なり、あるいは議員の選挙につきましても、学生等においては、やはり毎日毎日の衣食住というものが継続的にある期間行われる場所、その市町村に利害関係が一番深いのであります。これは権利義務の関係もその方が深い。ただ家の方から金をもらつているというようなことで、その方に生活の本拠があるというようなことは、これは昔の家族制度というようなものを頭に置いた古い観念じやないか。ですから選挙法の選挙権の行使については、やはりできるだけその選挙をしやすくするということ、それからもう一つは、現実に衣食住を営んでおるところにおいて選挙をする、これはもう正しい常識的なものじやないかと思うのです。だからしてもしも今まで選挙法の第九条の解釈がそれで間に合つておつた、合法的だとお考えになつておつたならば、どうしてそれが続けて行かれなかつたか、この際かえる方が正しいというようなことはおかしいと思う。この学生の選挙をやりにくくするというように、変にとられてもやむを得ぬじやないか、この問題についてはいろいろ批判もありますし、学生等から強い反対もあるはずでありますので、どうも私どもはこの点納得が行かないと思うのですが、その点いかがでしよう。
○塚田国務大臣 これは終戦後あの通達を出しましてからずつと長い間、割合無事にやつて来たことは御指摘の通りなんでありますけれども、ただ今度あれをかえました趣旨は、先ほども申し上げましたように、ぼつぼつと問題になりかけて来た、そういうことになると、このままほつて置くと、しばしばそういう問題が出て来、しかもそういう問題が出て来たときに、もしも厳格に批判を受けますならば、それは本来は一般の通達できめておつてはならないことこともつと正確に申し上げますならば、十分個々の具体的な事例について調査をして、どの人間の選挙権はどこにあるかということをきめておかなければならないのが、法の建前だと考えておるわけでありますが、そうすべきことをああいう一律な特別の事態のときの便宜的な措置によつてきめておくということ、それに原因があつて、そういう訴訟問題などが起きる。従つて事務当局の手落ちになると考えましたので、これを直したのでありまして、選挙と他のものとによつて住所というものに対する解釈をかえてもいいじやないかということは、学者などの御意見としてはあることは私も承知をいたしておりますけれども、一般の判例の考え方や、何かからいたしまして、私どもとしては、やはりそうではないのが正しいのではないか、従つて住所というものを法が規定しているときには、すべての場合に一つの解釈で事実認定をして行くのが正しいと思います。 なおあの通達が学費が出るところに選挙権があるというように、ごく常識的にとられておりますけれども、あの通達の考え方は学費が出るところに選挙権があるというような、一番はつきりした一つの例証としてあげましたので、若干誤解をされている点があると思いますが、ただ郷里に学費があり、しかも本人が休暇のときに、しばしば郷里に帰つているというような事情であれば、郷里に選挙権がある。こういうような一つの例示としてあげたのでありまして、実際は学費がどこから出ているというような事情その他の事情をあわせて検討して、個々の具体的な事例できめるというように考えているわけであります。従つて学費がかりに郷里から出ておりましても、その他のいろいろな事情でもつて、どうしてもこれは本人の選挙権が東京にある、もしくは下宿先にあると考えなければならないような事例があるとすれば、そういうような結論になる場合も考え方としてはないわけではない、こういうように私どもも考えております。要はどこまでも今御指摘のような気持と同じように、ここに本人の選挙権があると考える方が正しいという事実認定を選挙管理委員会でやつてもらつて、そこのところで選挙権を付与しよう、こう いうのが今度の通達の内容であります。
○北山委員 その法の解釈が一つであるのが正しいから、その一つの元に返すのだと言われるのですが、今のような途中で解釈をかえるということになれば、一つの法が二つにも三つにもなると思うのです。だからむしろ私は自治庁の方で今までの解釈を一応とつたとするならば、それを自分で取消すというようなことはおかしいと思う。都合によつてまた取消すというようなことも起つて来るかもしれない。それでは法を執行する政府としまして、そんなふうな事情によつてどんどん解釈を自分でかえて行くということは適当でない。とにかく今までそのような解釈をとつておつた。しかしそれがもしも適切でないとするならば、それを明確にするためには立法的な措置が必要ではないかと思うのです。そういう点であれは非常に適当でないと思うのです。もう一つ結局においては委員会の事実上の認定によるのだ、こういたしますと、やはりそれでも問題は残るのではないかと思います。学生の郷里の選挙管理委員会と、学校のある方の管理委員会とが解釈が違うというような問題が出て来る。やはり衣食住というものの一年のうちの大部分の日数をそこで暮すのですから、やはり大体においてその学校の所在地におつて、ときどき郷里に帰るとしましても、所在地において働いてやつている学生もある。いろいろ事情が違う。その個々について委員会が認定をするということになれば、委員会同士で解釈が違うということになる。だから、これはできれば一つの基準というものが確かにほしいと思うのですが、それにしても事実上の認定にまかせるのではなくて、もしも不明確ならば、はつきりと立法においてもう少しこまかくやる。そういう方が適切であつて、それをただ解釈を変更することによつてやつたということは、適当でないのではないかと考えられるのですが、どうでしよう。
○塚田国務大臣 これは法によりまして解釈を御決定になるという考え方もあります。もしもそういうように御処置になるならば、それも一つの方法だと私も考えているわけであります。しかしそうでない場合には、一応解釈はやはり私ども法を執行する者の立場でもつて、裁判などの考え方も参考にしながらきめるのが当然なのであります。それではお前らかつてに都合のいいときには都合のいいように、きめるのかというような御質問もありますけれども、そんなことはあり得ないので、やはり一応かえますときには、当然かえてもやむを得ないのだ。かえるのがいいのだという理由があるときでなければかえられないのでありまして、私どもは今回の措置を十分理由があると思つてかえたのでありますけれども、理由があると思つてかえてさえも、これだけ世論が出て参るのでありますから、理由がないのにかえたら、たいへんなことになりますので、そういうものはお考えにならなくても、実際問題としては起らぬのではないか。繰返して申し上げますが、今度の措置は終戦後の異例の事態において、特別の扱いをしておつたものを直したのであるというように、ぜひ御了解を願いたいと思うわけであります。
○門司委員 今の塚田長官の答弁ですが、おかしいと思うのです。従来間違つておつたから、これを改めたのだということが一つ、それからもう一つの原因はたしか仙台だと思うのですが、仙台の高裁でこういう判決が出ているということを、やはり一つの事例としている。しかしこれは裁判の判例として法律にこれを結びつけて考えるほどのものではないと思う。最高裁の判例であるならば、これは法令として一応法律的の効果があるとして、私どもは見ないわけには参らぬと思う。しかし仙台の高裁がそういうことを出したからといつて、それがただちに法律の解釈の上において云々されるということは、少し早過ぎやしないかと思う。と申し上げることは、民法の規定にも住所というものの規定がある。民法の規定はその生活の本拠をもつて住所とすると書いてある。これは住所がはつきりしている。従つてこの住所から出て来たものであつて、当然選挙権は住所にあるということになつている。ところが選挙法ではそれを三箇月という制限を加えておる。ここに多少問題がありはしないか。あなたのような解釈で行くんなら、三箇月という制限を加えないでも――選挙権は住所にあるのだという一つの解釈ができるんなら、これはそれでいいかもしれぬ。しかし三箇月という制限を一方に加えておつて、そして住所というものは生活をしておる所だということになつておる。これは民法の上にはつきりそう書いてある。そうしますと、生活の本拠というものは、学生であるから、他人から仕送りを受けておるから、生活の本拠ではないという理論は私は成り立たないと思う。今日、生活の本拠というものはやはりその人が居住をしておつて、そしてその地方の公共団体に配給その他の関係がありますから、当然その地方の住民として登録されていると思う、またされなければならない。そういう考えから行きますると、これはやはりその生活の本拠といいますか、生活をしておりまする所に三箇月以上の居住を持つ者ということに、私はならざるを得ないと思う。住所と居所との関係でありますが、これも非常にむずかしい解釈であろうと考えます。しかし私は今日の段階ではそれを居所とみなすべきではないと思う。従つて私はもう一つお聞きしたい。民法の解釈と選挙法の解釈の違いといいますか、その関連において選挙権で三箇月の住居の制限を加えたということです。これは見方によつては、名簿その他の作成の上に非常にめんどうだからということはありますが、今の長官のような御答弁なら、住所というものをきめておけば住居の制限がなくてもよろしい。この点をもう一度はつきりお答え願いたい。
○塚田国務大臣 仙台の判例を引例いたしました場合に、それは高裁の判例ではないかとの質問であつたのですが、まさにその通りです。ただ私どもがああいう判例を参考にして考えましたのは、判例もああいう考え方であります。それから学者の学説をいろいろ調べてみましても同じような考え方になつておりますし、われわれもその線に沿つて考えるのが正しいと考えますので、あの判例の趣旨を尊重したという考え方になつたわけであります。それから生活の本拠という考え方は、私は選挙権の場合もやはり同じに考えております。ただ生活の本拠というものを判定する基準に、私どもはああいうものの考え方をしておるということで、先ほど申上げましたような通達の表現になつたわけであります。それから三箇月の制限があるということは、御指摘のように私もこれは名簿の作成その他の必要があつてできておるのであると考えておるのでありますが、しかし実際問題としましては、選挙の直前にも補充選挙人名薄で、いろいろ直前の状態において選挙権を付与するような特例もありますので、私は選挙権の住所という考え方が民法の住所という考え方とまつたく同じものであると考えておるので、その趣旨に沿つて考えておるわけであります。
○門司委員 その点がどうもはつきりしませんので、あとでもう一度お聞きいたします。 それではもう一つお聞きいたします。要するに、民法の二十四条に、ある行為のために仮の居所を設けた場合に、これを住所とすることができると書いてあります。ある行為というのは一体何をさすかということでありますが、これはたとえば選挙権をそこで行使したい、しかも住居という解釈がいろいろ長官とは違うようでありますが、この選挙法に書いてあります三箇月以上の居所を持つている、従つて選挙権を行使するためにここを住所と定めたいという本人の願出がありますれば、選挙権をそこに付与いたしますか。民法二十四条の解釈はどういうふうになりますか。
○塚田国務大臣 これは私も民法の二十四条の、ある行為について仮に住所を設けるという規定がどういう場合を予想しているのか、しかもそれが選挙の場合にも考えられるかという点については、しつかりした解釈を承知いたしておらぬのでありますが、しかし少くとも選挙というような問題には、二十四条の考え方というものは適用されないのじやないか、また適用されるといたしますならば、選挙法に何かそういうような特殊の規定がないとできないのじやないかと考えます。
○門司委員 これもおわかりにならないというなら水かけ論になりますが、民法では「或行為ニ付キ仮住所ヲ選定シタルトキハ其行為ニ関シテハ之ヲ住所ト看做ス」こう書いておりますの、で、私どもはそういう解釈がもし二十四条の解釈として成り立ち得るなら、先ほど申し上げましたような行為もできるのではないかという考え方を持つておる。もう一つは生活の本拠といつておりますが、生活の本拠というものは、私は学生の場合は現在おつて衣食住をしておる所はやはりこれは一つの生活の本拠でないかと考える。あとは手続の問題ではないかと思います。しかも選挙法の場合は本籍地がいずこにありましようとも、あるいはそれがたとえば寄留その他いろいろのそういう手続をしなくとも、住所がそこにあれば選挙権というものは付与されておるのであります。必ずしも原籍地の問題とは一致しておらない、これを私は今の塚田長官のお話、さつき申し上げましたように選挙権自体が――自分の原籍地というものが片一方にはつきりしておる。それがこの土地ならこの土地に来たということの一つの証明といいますか、そこに配給その他の登録をしておることも一つの理由ではありますが、昔でいうと寄留なら寄留で、そこの役場に正式に住所として登録されておるかどうかということはあまり詮議立てしてない。要するに単なる住居というものが問題になつておる。そうして選挙権と戸籍とは全然別な関係において取扱つておる。そう考えますると、ことさらに学生だけを仕送りを受けているから原籍地にあるのだというようなむずかしい解釈をするのはおかしいじやないか、もしそういうことになるなら全部の者をそういうふうにすればいい、そうして手続の終らない者に対しては、ことごとく原籍地でこれを行わしめるということにすればいいのでありますが、選挙権とそれから居住の関係というものは、私はかなりその間にルーズなものというと悪いのでありますが、選挙を重要視することのために、必ずしも民法あるいはその他の法律によらないでも現在は選挙権が与えられておると思う。従つて学生だけを特にこういうことにするということは、先ほど北山君からも言いましたように、片手落ちなんだと、どう考え、も考えざるを得ない。だからもう一つ聞いておきますが、それなら自治庁長官としては選挙法の居住の解釈を、三箇月という制限がありますので、必ずしも本籍からこちらに来ておるというか、戸籍上の手続の完了した者のみにこれを適用するというようなお考えがこれから先ございますか。
○塚田国務大臣 これは選挙権のある場所は、戸籍上の手続とかそういうものは全然私も関係はないと考えております。従つて将来そういうものに制限すると、きめてしまうという考えは毛頭ございません。どこに生活の本拠があるか。従つてどこで選挙するということが本人として自分の利益が最もよく代表され、正しいかということを頭に置いて問題を考えておるわけであります。なお、学生だけ今度特別扱いということでありますが、実は学生だけが今まで特別扱いになつておつたのでありまして、それを今度他の者と調子を合せたというのでありまして、むしろ今まで学生だけが特別になつておつた。従つて今度の扱いによつて、たとえば家を離れて長期にどこかへ療養に行つておるとか、そういう者もみな同じ解釈で、たとえば出かせぎしておるという場合でも、考え方は同じように、選挙権の所在地というものをきめておるわけであります。
○門司委員 今のお話でございますが、私は何も戸籍その他の関係はないと考えております。またあつてはならないと考えております。しかし問題は三箇月以上の居住の制限をしておりますので、学生といえども私は三箇月以上そこに居住しておつて、そこで衣食住をしておる者に対しては、これは当然そこにあるべきだと思う。学生は帰るからと言いますけれども、帰ると言いましても、これは二回――夏休みあるいは冬休みに帰るのでありまして、三箇月以上の居住というものは、学校へ行つておる者は持つておると思います。居住の建前から言えば私は正しいと思う。うちに帰るから、帰る所があるからお前の選挙権はそこにあると言うのは、私は少々おかしいと思う。学生といえどもやはり一つの目的であります。これは民法の二十四条に書いてある。学業を修めることが一つの目的である、それは明らかな目的であります。仕事で出かせぎに行くのも一つの目的であります。これはやはり二年なり、三年なり、あるいは一年なりおる場合には、そこにちやんと選挙権を持つておるのであります。私は一つの問題については何らかわりはないと思う。だからこれは単に学生であるから、仕送りを受けているからけしからぬというりくつはおかしいと思う。私は、一つの目的のために自分の郷里から離れましてそこに居住し、そこで生活しておるということになれば、学生も何も同じだと思う。その点をもう少し聞いておきたい。
○塚田国務大臣 これは結局伺つておると解釈の違いということになるように感じられるのでありますが、私どもは選挙権を付与するのに三箇月の制限というのは、――その三箇月は住所になり得る実質的な状態を備えた居住が、三箇月続けばということなんでありまして、学生の場合、その他要するに住所を離れて居所に行つておられる、つまり住所と居所の関係というものは、私どもは、学生が下宿に行つておるということは、住所たる性格を持つておらない場合があり得ると考えておるのでありますから、どうもそこのところで三箇月おるからというようなことは、問題にならないと私としては考えております。
○門司委員 そうすると長官のお考えは、要するに独立の生計を営む者というのが附加されると思う。たとえば出かせぎに来ておる諸君でも一年なら一年一箇所に来ておつて、そこで住民登録が行われた場合には選挙権はそこにできる。これは必然的にできる。学生の場合は六箇月あるいは七箇月、一年帰らぬ人もあるかもしれません。そういう場合は、私は下宿が生活の本拠だと思う。これは目的が違うだけである、行為が多少違うだけであつて、選挙権はこれを勘案すべきものではないと思う。この点はどうも長官と私どもの考え方が違うようであります。それと同時に先ほどからお話のありましたように、やはり長い間のそういう一つの慣例であつて、はつきりした住所の認定というものが法律上は一応できておりますが、これには長官の言われるような扶養されておる者であるかどうかということになつて参りますと、やはり大きな疑問が出て来ると思う。扶養されるとかされないとかいうようなことでなくて、生活の本拠であり、三箇月に制限をしたということは、やはりそこに三箇月以上の衣食住をしておる者というふうに、私は解釈されるのが正しいと思う。私は生活の補助を受けておるとか、受けていないとかいうふうな解釈はあてはまらぬと思う。だから長官のお考えを、もう一つ聞かしていただくならば、扶養されておる者、独立の生計を営んでいない者については、どういう処置をとるとお考えになつておりますか。
○塚田国務大臣 私どもの通達、それから考え方の形式を見ておられますと、そういうふうに感じられるわけでありますが、しかし基本になる考え方は、どこに生活の本拠があると見るのが正しいかということを考えながら、ものを考えておるのでありまして、従つてどこに生活の本拠があるかというような観点からいたします場合には、これは国から学資を送つておる、あるいは休暇にもちよくよく帰つておるというふうな状態であれば、まず親元に生活の本拠があると考えるのか正しいのではないか、だからそこのところで選挙権を与えることにしよう、こういう考え方なんです。まさに考え方の違いということになつておると思うのでありますが、私どもとしてはそういう考え方でやつておるのであります。
○門司委員 今のお考えだと、これは解釈の相違だと言えば解釈の相違でありますが、もしそうだといたしますれば、個々の学生について調査をしなければならないことになる。それから一般の住民に対しても個々の人についてやはり調査をする必要ができて来る。これは非常に煩雑である。あなたの生活権はここにあるのかどうか。それから同時にまた人によつては、具体的な話を申し上げますと、一年あるいは半年くらいの短い期間出かせぎに行つている諸君は、選挙権を原籍地に置いておいて、出かせぎに行つているところではこれは配給の手帳なんかもらうかしれませんが、しかし選挙権に関する登録は大体しない。そしてみずからこれを律して行く。そして自分の生活の本拠は郷里が正しいと考えられる。自分は単なる出かせぎであるというような人は、おのずから自分がそれを律して行くと私は思う。そういうことによつて二十四条のようなものの活用はできていいと思います。自分がここを住所としたいというような場合には、かりの住所か何かわからないけれども、それは一応住所として選挙権があるように登録をして行く。これはおのずから現在やられていると思う。そのことは個人の自主性にまかしておいても、今まで不都合はなかつたと思う。一々役所が世話をして、全部の選挙民に、一体君の生活の本拠はどこにあるか、仕送りを受けているかいないか、また季節的にいなかに帰りやしないかということまで、選挙権の中に入れるということは非常に煩雑だと思う。従つてわれわれとしては従来の長い間の慣例でもありましようし、あるいは住所、居所の関係というものはまだその点は明確になつておらない。ことに裁判所の査定にしましても、これは高裁でありまして、最高裁ではないのだ、これをただちにとつて法律上の解釈にかえて行くということは、私は早計だと考えます。もう少し慎重にすべきだと思う。しかしこの点について私これ以上質問申し上げませんが、私はこの点はまだ検討する余地があると思います。 さらに財政の問題でちよつとお聞きしておきたいと思いますが、御承知のように国の予算が大体きまつて参りますと、地方では起債その他の申請が相当たくさんあると思います。これは地方の自治体から申請をいたして参りますと、なかなか大蔵省関係のいわゆる財務出張所関係で大分手間どつておりまして、自治体から申請いたして参りました起債等が割合に困難になつておる状況にある。ことしは御存じのように本予算が非常に遅れて参りました。従つて積雪地帯におきましては、ことさらに事業を急いでおるわけです。事業を急いでおるにもかかわらず、これが手続その他が遅れておる、起債の認可が遅れて来るということになつて参りますと、自治体の事業というものは、非常に大きな支障を来すようになると考えておりますが、この点について自治庁としては大蔵省と何かお話合いになつたことがあるかどうかということを、一応聞いておきたいと思います。
○武岡説明員 本年度の起債の認可が相当遅れているために、ことに積雪地帯である北海道あるいは北陸、東北方面で、事業を年度内に遂行する上に、非常に支障があるのではないかというようなお尋ねだろうと思います。起債の認可につきましては、ただいま大蔵省と折衝いたしまして、極力急いでいるのでございますが、単独事業並びに公益事業につきましては、もうすでに決定したものはその都度各地方の方に通達をいたしております。若干まだ話がつきかねて残つているものも少しございます。 それから補助事業分につきましては、先ほど門司さんのおつしやいましたように、本年度は予算が遅れました関係で、各省からの補助金の配分がまだ確定いたしておりませんために、地方の負担額の計算ができておらない。これも関係の各省の方と極力協議しながら、すみやかに補助金の配分を決定してもらつて、それに見合う起債についてはその数字の確定次第配分ができますように、私どもとしても大蔵省との間に、事務的に話合いを進めておるわけであります。
○門司委員 もう一つ聞いておきたいと思いますのは、先ほど申し上げましたように本年度の事業は、おそらく積雪地帯では、半分も私はできないと思います。大体十一月以降になれば、土木に関係のあるような仕事は全然できません。従つて来年の三月までこの事業をしないでおくようになつて参ります。従つて起債の問題は、起債をされても実際の事業というものは行われないような形に私はなると思います。従つてこれは当然来年度に繰越すようなことになりはしないかと思う。来年度に繰越します場合に、やはり起債には支障がないとは思いまするが、しかし本年度計画した事業が行われない、もし起債その他に関係しても来年度でなければこれができないというような場合が万一出て参りました場合には、やはり私は本年度の起債は起債として来年度にこれを持ち越してもらうことができるかどうかということを聞いておきたいと思います。
○武岡説明員 それは各団体がすでに予算に計上いたしまして、予算の議決を経て許可の申請が出て参りましたものに対して、ともかく年度内にその許可をせられて、さらに実際問題としてその事業が翌年度に繰越した、こういう場合であろうと思います。それにつきましては公共事業についてはたしか単年度になつておつたかと思いますが、他のものにつきましては、事情によりましてそれらの実際の施工等のにらみ合せにつきましては考慮すベきところは考慮するようにいたしたい、かように考えております。
○門司委員 もう一つ念を押しておきたいと思います。私がもう一つ心配になるのは、先ほどから申しておりますように、どうせことしは仕事はあまりできないと思う、仕事のできないということを見越して、その事業が来年度に繰越されるからといつて、その仕事の起債も認可する必要はないじやないか、来年度あらためてしなさいというようなことになつて参りますと、仕事が一年度だけ遅れまして、私は地方の公共団体としてはやはりそういうことのないように、本年度のものは本年度施工ができなくてもこれを許してもらうようにしないと、地方の事業計画が遅れると思いますが、この辺はさしつかえないのかどうか。
○武岡説明員 結局二十九年度の地方財政計画を立てます際に、起債の総額をどうきめるかという問題に関係するかと思います。来年度の事業量というものは、どの程度にきめるかという問題でございますので、これは地方財政計画を立てます際に、来年度として実際に各地方団体においても消化のできるような総体の分量というものを想定してきめて行かなければならないと思つております。またかたがた地方が実際に二十九年度において、やり得る仕事の分量というものとあわせて、またこれは国家資金の関係も考えなければなりますまいし、あるいはまた公募債等を考えます場合には、市場での実際の資金の消化能力というものを考えて参らなければなりませんので、さような事情を十分勘案しながら決定して行きたい、かように考えます。
○門司委員 これだけでは十分尽されておりません。私の言つておりますのはどうせ仕事はできない、具体的に申しますと、できないのだから起債認可しないでもいいじやないかということが行われると思うのです。そういう心配さえなければいいのですが、ことしの事業計画によつて、ことし申請したものだけは仕事ができてもできないでも認可する、ことしは特殊の事情があつて、そういう形になつて来るので、それだけ認可できればそれでいいのです。来年度の分は来年度の分としてやつてもらえばいいのですが、この辺でこの仕事はどうせできないのだから、打切つておきなさいということをさしずするようなことはないのでしようね。
○武岡説明員 すでに年度内に正規の手続をふんで許可いたしました起債の分につきましては、その手続によつて各地方団体が借入れる建前であります。それでもちろんこれは年度を越しましても、実際の出納閉鎖までの整理期間の問題は残つておるわけでございますが、できるだけ会計法規上整理のできます期間内において、それらの起債の消化、またそれに伴う事業の消化等について考慮するのが至当であろう、かように考えます。今おつしやる意味は、年度内に一応起債の許可をしておいて、それを取上げはせぬかというお話であろうと思いますが……。
○門司委員 それと逆なのです。仕事はどうせできないと思いますから、計画は立てておるが、仕事はできないのだから起債の許可はしなくてもいいのだというような、もしお考えがあつて、せつかく地方が本年度の仕事分として仕事を計画しておつても、それが許可にならないというような、そういうことはないだろうかということです。それから地方の自治体の事業計画というものを、本年度はどうせ実際にはできないのだが、来年度において地方の自治体がやりたい、そのときにあなたの方と大蔵省とが、どうせことしはやらないのだから、この起債はやめておきなさいなどという事業の縮小をしいるようなことはないかどうか。
○武岡説明員 仕事の関係等につきまして補助金の方で、かりに補助金がぶつた切られるというような場合があると、さような場合にはやむを得ないと思いますが、そうでない場合には、起債の許可は規定の通りやつて参りたいと思います。
○門司委員 今の非常に起債が遅れて困つているという点について何もやつていないのです。これは地方からそう言つて来ているのですが、現実に理財局の方でやかましく言つているのじやないのですか。そういうことがなければいいが、あるならある、ないならないではつきりしてもらいたい。
○阪田説明員 地方の起債の許可につきましては、先ほど自治庁の方から御説明がございました。私どもの方でも予算の関係その他でいろいろと遅延いたしておりますので、できるだけ早く決定いたすように自治庁とも相談いたして進めております。御了承願います。
○加藤(精)委員 理財局それから主計局からも来ておられるだろうと思いますので、ちよつとお尋ねいたしたいのでありますが、今年度の起債並びに国庫補助の土台になります政令の制定につきまして、大蔵省が特にめんどうなことを言うて手続を遅らしているために、地方行政の一部が一時期中断しているような形でおる、この点につきましては私は非常な大問題だと思つておる。一例を申し上げますが、この地方行政委員会の理事会におきまして、現大蔵大臣においでいただきまして、そして六・三制の施設の補助について、児童一人当り〇・七坪というこの割当は無理じやないかということを、とつくりお尋ねしたのでありますが、これは明らかに無理であるとはつきり言明しておられます。しかるにもかかわらず、その〇・七坪に固執して今に至るまで政令をきめないのは、明らかに立法権の遷延であります。国会の意思の無視であります。地方のいなかにおきましては、ことに北国におきましては、子供たちは危険校舎の中に恐れおののいております。毎年生命の危険を目して、大きな風雪の場合には避難しております。何とかしてわれわれの学校をつくつてくれないかと、血のような叫びをあげておるにもかかわらず、一種の権限争議的な観念をもつて、いまだにそういう無理なことをやつている、こういうことは、私は実に国家としても社会としても大問題だと思うのであります。こういう点につきましては、かつてある大蔵省の先輩の国会議員が、危険校舎のような場合におきまして、従来その学校に存在して使用している建坪、それをもあわせて〇・七であるならば、この予算は計上してもほとんど使えない予算だ、こういうことを漏らしておつたことを私記憶しておるのであります。これは大蔵省の内部事情に詳しい代議士の話でありますが、それから推定いたしますと、この地方行政委員会が命がけになつて、血みどろになつてこの十六国会の当初に十五億の貸付予算の増額を実現したのです。なお特に大蔵大臣が乏しい地方起債のわくの中から、また十五億をつけ加えまして三十億にした。そうしてもうそれらの金額ではとうてい足りない、焼け石に水でありましても、最も危険な危険校舎だけは何とかできるという予算をとりながら、それを使わせないような政令をつくるというのは何事であるか。これは従来の老朽建物の付近には、とかく使用にたえないような、それに準ずるような老朽建物もあるので、その使用は能率的には価値か非常に少い。しかもまたこの原形復旧はこれは技術的にも簡単にできるのでありますが、そうしたごく制限された狭少なる部分の改築というものは容易じやない。それで技術的にも財政的にも市町村をして危険校舎の復旧をさせない気であるか。これは私は実に人道問題だと思つています。しかも荏苒、大臣は明らかに無理だというておる〇・七坪を固執して、それによつて政令の施行を遅らして、もう北国ではどんどん山に雪が降つています。そしてただでも雪が多いと予想されるこの冬に、危険な目に合わせるつもりかどうか。起債の許可についても意地になつて、大蔵省はやつているという事実を私は推定しております。かくのごときはまことに国民に対する敵です。その点は十分新しい理財局長もお考えになつて、きわめて迅速にこの起債の協議等は円滑にお済ませいただきまして、そうして国民の苦しみを除去していただきたい。理財局、主計局の御当局のこれに対する御所見をお伺いしたいと思つています。
○鳩山説明員 私地方財政の方をやつております主計局の鳩山でございます。きよう主計局長がやむを得ず出席できませんので、命によつて参つたのでありますが、お話を伺いますと、文部省関係の担当の仕事でございますので、今至急その担当者をここへ連れて参りたいと思いますから、しばらく御猶予願います。
○阪田説明員 お尋ねの件でありますが、政令の方の事情は私はちよつとよく存じませんが、その方の関係がきまりまして起債の額等の見当がつくようになりますれば、至急に御趣旨のようにいたすようにいたしたいと思います。
○加藤(精)委員 簡単に申し上げます。理財局長は今度の老朽校舎の起債と、国庫補助との結びつきの関係を御承知かと思いますが、まず危険校舎は急ぐから危険校舎の起債は早く決定する、許可する。そしてその後に危険校舎の国庫補助が認められたらそれだけを差引いて、そして他の起債にまわして迅速化をはかる、こういう協定でここの委員会で御説明になつて進行している。その起債を地方自治庁において立案しまして、そして理財局に相議して、そして各府県に通知してあります。これに対して全然執行をさしとめられているという事実を御存じでありますか。
○阪田説明員 地方で県庁あるいは財務局と協議いたしまして、ただいまの起債を決定をいたすわけでありまして、それにつきまして何か私どもの方から特にそれをさしとめるとか遅らせておる、こういうような措置をしたかというお尋ねのように拝聴されるわけでありますが、さようなことは絶対私どもの方ではいたしておりません。御了承願います。
○加藤(精)委員 私はある県庁に行つて、そういう事実をつきとめているのですが、しかしながらそれなら県庁の言い分が間違つていると思います。なお責任ある会議ですから、真偽を確かめて次の機会にあらためてお尋ねいたします。
○西村(力)委員長代理 呼びに行つた説明員が来るまで二十分ほどかかるそうでありますが、とにかくお待ち願いましよう。その間御質問ありましたら……。
○北山委員 今度の調査会の答申の案でございますが、この財政部会の方のいろいろな案を実際に行つた場合には、国と府県と市町村あるいは住民というそれぞれの関係において、この負担額がどの程度にかわつて来るかというような、何か表がございますでしようか、そういうもの、できておりませんか。
○床次委員 ただいまのお尋ねでございますが、地方財政全般から行きまして、負担歩合の表というものがまだできておりません。これはそこまで計算が決定しておらないのであります。大体の目安から見まして、従来よりも多少自主的な財源がふえて来たという形だと思います。 〔西村(力)委員長代理退席、灘尾 委員長代理着席〕 それで固有の税といたしましては、いわゆる偏在度を是正したので、その分だけが自主的財源になつて来た。なおそれに準ずべきものといたしまして、遊興飲食税、入場税が一旦国で引揚げますが、しかしこれを配付いたしますので、その分も準自主的財源として考えております。従来より多少自主的財源としてふえて来たという程度だろう。国有の財源全般として財政的の余裕ができたかどうかということにつきましては、最初に申し上げましたが、大体現状の財政のわくそのものでもつて見ておりますので、特別な余裕ができたというふうには言えない。偏在度の是正の結果、積極的な財源が多少ふえたというふうに御理解いただきたいと思つております。個々の府県で見て参りますと、その点は大分自主性のパーセントが上つて来たように見えます。しかし、全部の試算ができておりませんので、私、詳しいことはまだ申し上げるところまで行つておりません。
○灘尾委員長代理 ちよつと申上げますが、大臣が五時以後になりますと、ほかにお出かけになりますから、大臣に御質問のある方は、そちらの方を先になさつたらどうかと思います。
○西村(力)委員 大臣にお尋ねしたいのは、先ほど問題があつた学生の選挙権の所在の問題ですが、見解の相違ということでありましたけれども、私たち考えますのには、学生にしてもだれにしても、選挙権があるとすれば、それを最大限に行使することが一番大事じやないかと思います。それでああいうぐあいに解釈を立てられて、学生の選挙権はより多く行使されるようになるかどうか。私たちから考えますと、学生の大事な選挙権は相当制限を受ける、しかも純情なる立場で物を考え、将来の日本をになうべき学生たちが、選挙権を使えないという状況になるのではないかと思います。そういう点に対する大臣の見解といいますか、その点はどういうぐあいにお考えになつておりますか、お伺いしたいと思います。
○塚田国務大臣 学生に限らず選挙権は大事な基本的な権利でありますからして、それが最大限に行使されるように考えなければならぬことは御指摘の通りと思います。私どももこの問題につきましては、いろいろと検討いたしたのでありますが、多少困難になるといわれるならば、そういう事例もできるかもしれません。これも具体的な例に当つてみると、選挙がいつ行われるかというようなことも影響するでありましようし、それからして下宿しておる場所と、それから本人の親元の選挙権があると認定される場所との距離的な関係等も影響すると思われるのでありますけれども、しかし一般的に考えて不在投票するよりは、今までの考え方の方が多少安易に選挙ができるということが申されるかと思います。しがし、その程度のものの考え方でありますれば、選挙権はやはり選挙権の本来のある場所において与えて、そしてそれがそういう措置のために行使が非常に困難になる面は、そういうことの起らないように別の面より、最大限に考慮するということでこれに対処したい、こういうふうに考えております。
○西村(力)委員 別の面で考慮なされるわけでありますならば、別の面の考慮はどのようにお考えになつていらつしやるか、伺いたいと思います。
○塚田国務大臣 これは結局東京におつて郷里に選挙権があるという場合には、不在者投票をやつていただかなければならぬことになるのでありますが、不在者投票のやり方が非常に手続がめんどうであつたりすると、選挙権が十分行使ができないということが起るように考えられますので、不在者投票もできるだけ安易に簡単に、それからまた本人が選挙権の所在地に投票用紙を請求したような場合には、なるべく迅速にこれが本人の手元にわたるようにとか、そういういろいろの措置をいたしたいと考えておるわけであります。
○西村(力)委員 私は先ほどからいろいろ質問がありましたので、これ以上申したいとは思いませんが、現在の学生の学業が経済上の問題から非常に苦しい状態になつておる、これはもういなめないことであると思います。これに対する認識が、少しごまかしがあるのではないかと私は思う。親元にときどき帰るといいましても、これは休暇のときに、年にほんとうに一回か二回帰るだけでありまして、たまたまそのときが選挙の時期であればとにかく、そうでないことが予想されるのであります。やはり根本的な立場、すなわち選挙権を十分に行使させる、こういう民主的な立場を貫こうとする現政府は、ああいう通牒は撤回すべきである。そうでなければ口をついて出ておる民主主義の擁護という現政府の立場はなくなるのではないか、私はかように思う。その点について今後もいろいろ問題があるでしようけれども、私たちは最後までこの通牒の撤回を求めて行きたい、かような考えを持つておるのでございます。なおいろいろな事情を調査研究いたしまして、次回の委員会におきましても、この点についてはとくと御答弁をいただきたいと思いますので、本日はこれでやめたいと思います。
○門司委員 もう一つ疑問があるのですが、この間出された通牒は、法律でもなければ政令でもないのですが、その効果はどういうものです。あれで地方の選挙管理委員会が名簿を作製すればよい、作製しない場合の措置はどうされますか。
○塚田国務大臣 あの通牒はまさに通牒でありまして、その通牒を訂正するという意味で通牒でやつたのです。あれを守らなかつたらどうなるかということですが、これは、選挙管理委員会というものは、本来は選挙法の規定に従つて、各人の選挙権の所在地をきめて、名簿を作製するということに義務づけられておるのですから、おそらく守るだろうと思います。守らないという事情は考えられないわけですが、現実に、何か大阪あたりでは金がないからできないというような御意見もあるように聞いておるのですが、それでもつて法の要求しておる通りに、選挙管理委員会が動かないということにはならないのではないかと判断いたしております。
○門司委員 私は選挙管理委員会でもう一つ疑問があるのです。それは従来の行政委員会としての取扱いが、中央においても選挙管理委員会が別に一つ行政委員会として、内閣に直属したものとしてある。地方においても地方に直属しない行政委員会がある。その行政委員会との関連で、これが従来のような建前であつたときには、ある程度地方選挙管理委員会というものについての監督権限といいますか、そういうものの強い力があつた。ところが自治庁の所管となつて、自治庁の設置法に基いてやるとなると、力は薄くなると思う。従つて単なる通達くらいのものでは、もしこれに従わなかつたからといつて、これはどうにもならないのではないか。管理委員会を処罰するわけには行かないのではないか。もしこれがどうにもならないということになつた場合には、学生の選挙権は一体どうなるのか。これはそう軽く取扱うべきものではないと思う。従つてもし自治庁に御確信があるならば、これはやはり明確なる線で、そういうものについての政令なり何なりをお出しになつたらどうかと思います。そうなつて参りますと、もう一つ疑問があるのは、今の自治庁のお考えのようであるならば、たとえば居住と生活権とが問題になつて来るということになつて参りますと、平たくいえば扶養を受けておるのは必ずしも学生だけではない。そのほかの者でも扶養を受けておる者が相当にあると思う。これらの者に対しては、たとえば病院などに入院しておる者は、やはりそこで選挙権があるようになつておる。しかし、それの生活の根拠はそこにはない。仕送りを受けて生活をしておるのですが、これらの者もこの中には包含されますか。それから年をとつておつて、仕送りは若い者から受けておるというようなものまで拡大解釈されますか。この辺をひとつ明確にしておかなければ困ると思うのです。
○塚田国務大臣 それは事柄の性質上政令によるべきものでないと思う。おそらく各地の選挙管理委員会は、あの通牒の趣旨によつてやつてくれると確信しておりますが、ただ法的に若干権限の点でやらない場合に問題が起らないかというような御疑問があるようですが、私はそこまでは実は十分調査しておりませんので、なお検討いたしたいと思います。 最後に扶養の関係ですが、御引例になりました病院などに入院しておる者は、そこに選挙があるということですが、これは実際はそうでないように今なつておるはずであります。ことに入院者の場合には、選挙法の中ではつきりと、その病院の所在地に選挙権があるものと推定してはならないというように、われわれの通達の趣旨と同じような記入をしておると承知しております。従つて学生だけが今度特別の扱いになつたということではない点を御了承願いたいと思います。
○門司委員 今の答弁ですが、実際の取扱いとしては、さつき申し上げましたように病院その他でも、これは入院しておる諸君が、たとえば同一市内あるいは何々の場合には別でありますけれども、往々にして御承知のように一つの病院には選挙権を持つている人がたくさんおります。これは一体どうなるか。今のように、差別をしてはならぬと言つておりますが、事実上そういりのがある。入院患者なら入院患者として、やはりそこに選挙権を持つている者もある。住居の問題は、今までの解釈は、仕送りを受けているとか受けていないとかいうことが必ずしも住居の基準になつていなかつたと思う。選挙権とは別に考えられておつたと思う。どこまでも民法でいう住所ということになると、生活の本拠というのはどこから仕送りを受けているかということになると、さつきから申し上げておりますように、いろいろの問題が出て来ると思う。この点はさつき西村さんから話しましたように、できるだけ選挙権を広く自由に行使させるという建前で選挙法はできておりますので、その趣旨は尊重すべきだと思う。その趣旨を忘れて、何でも居住だ、あるいは住所だということにして解釈すると、私がさつき申し上げましたような解釈ができると思う、 もう一つ聞いておきますが、さつきのような年寄りと若い者との間で、片方が仕送りを受けているということになると、仕送りしている方が住所ということになりますか。年寄りだけがいなかにひつ込んでおつて、若い者は都会に出て来ておる場合がある。その場合に出て来ている方から原籍地の方に仕送りさせている年寄りの選挙権は一体どつちにあるのですか。
○塚田国務大臣 年寄りと若い者の例の方からお答え申し上げます。具体的にどういうぐあいになつておるかによつて判断すべきであると思いますので、一般的に仕送りを受けているからどうとかいうことは、その一つ、だけが――学生の場合でもそのように申し上げたつもりでありますが、選挙権所在地の判断の基準にならないのでありまして、どういうぐあいに見るのが生活の本拠として正しいかということの一つの判断資料として、そういうものを考えておる。従つて老人と若い者の間の関係も、やはり個々の問題について判断して適正を得たいと思います。また得られると考えております。 それから病院に入院しております者の場合につきましては、先ほども申し上げましたように、この場合には、そこに選挙権があると推定をしてはならないというように法律にも書いてある通りであります。従つて入院者の場合には、今度の学生の趣旨と同じような考え方で個々に判断をして、その選挙権の所在をきめるようにすでになつておるわけであります。今度の学生と違うわけではないのであります。
○門司委員 そんなことを言うなら、もう一つ聞いておきたいと思います。問題は生活の本拠ですが、生活の本拠とは一体何なんですか。今日の生活の本拠というものが、かりに衣食住が生活の本拠であるとするならば、食と住とはこつちにある。たとえばこちらに登録してそこで配給を受けているということになると、問題は仕送りをしているかいないかということなんです。かての代償をどこから支払われているかということがおそらく問題になると思う。明らかにそこに住んでいるから配給を受けているので、そこに住んでいなければ配給されないと思う。今日の配給制度というものが一つの目安になるとすれば、私はやはりそういうことが考えらるべきだと思う。選挙権に住所の制限を設けているのも、やはりそういうことからだと思う。だから大臣のお話の生活の本拠というのを、もう少し明確にしてもらわないと……。とにかくそこに生活していようといまいと、生活のかてになる財力のあるところが、選挙権の所在地だということになれば、仕送りをしているところが所在地だということになる。私は生活の本拠というものは、やはり配給を受けているところだと思う。そこに住んでいる以上はそう解釈すべきだと思いますが、どうですか。
○塚田国務大臣 私は、門司委員のように御解釈になるならば、法が住所と居所というものの区別をした大部分の場合の意味がなくなるではないかと考えるのでありまして、法が住所と居所というものを区別し、しかも住所というものが生活の本拠であり、居所というものは、生活の本拠とは言えないところに一時おるという場合に、その区別があるのでありますから、従つて選挙権は住所地にあるというぐあいに考えている場合には、生活の本拠というものについて、住所と居所というものを法律が区別して考えているという前提に基いて、判定して行かなければならぬのではないかと考えているわけであります。もちろん生活の本拠をどうきめるのかということは、これは具体的な問題としてなかなかむずかしい問題であります。また学説的に判断基準をきめるのに、なかなかむずかしい問題でありまして、いろいろ考えなければなりませんけれども、これはたくさんの人の意見を聞きまして、生活の本拠というものはこういう要素とこういう要素によつて判断しろというようなことが、いろいろ教科書などに書いてあるようでありますが、そういうような物の考え方もしくは判例の扱い方などを頭に置きながら、住所というものをきめて行きたい、こういうように考えております。
○加藤(精)委員 理財局長にお尋ねいたしますが、理財局長は御新任でございますから、新しい理財局長のお心構えを聞いておきませんと、また地方住民がひどい目にあうと思いますのでお尋ねしたいと思います。今度の地方制度調査会の財政部会の地方起債関係の答申案については、どういうようにお考えになりますか、ちよつと御意見を一承りたいと思います。
○阪田説明員 この地方制度調査会の答申案につきましては、私どもの方の大蔵省から事務次官が委員に出ておりまして、委員として一応意見を述べているわけであります。現在大蔵省として相談いたしましたところでは、大体あの答申案に対しましては、事務次官が申しておりましたような意見を持つているわけであります。ごく大体のところを申し上げますと、あの地方債関係の答申案の中には地方金庫をつくるということ、それから地方債許可の取扱い方の問題の二点ございます。それで地方金庫の創設の方の問題につきましては、これはいろいろ御要望のあることは承知いたしておりますが、何分非常に大きな問題であります。それにつきましてあの答申案を拝見いたしますると、まだきわめて簡単なものでありますし、非常に問題点も多いようであります。あれによりまして地方にまわる金がかなりふえる、市場から集められる、またそれによつて地方の特に困つているような小さい市町村への融資等を期待しておるようでありますが、そういう点、あるいはその他金庫があのような構想ででき上りまして、十分円滑に動くものかどうか、その辺のことにつきましては、いろいろ問題がありますので、あの案はもう少し具体的に練つて見るべき段階ではないだろうか。早急にああいうような形できめてしまうのはどうかというような意見を持つております。 それから地方債の許可の方につきましては、これもかねがね地方から、あるいは国会等からも、いろいろと御意向を伺つておりまして、私どもの方でもいろいろ考えているわけでありますが、これにつきましても、やはり地方自治との関係から、根本的にいろいろ考えてみなければならない点があると思うのであります。また内部的に自治庁と大蔵省あるいは地方におきまして府県と財務局、こういうものが地方債の許可あるいは資金運用部資金の融通の仕事をやつておりますが、これにつきまして、やはりそういうような根本問題を考えますると同時に、具体的に事務の簡素化をはかつて行く、便宜に敏活に地方債の発行の手続ができますように考えて行く、むしろこのところに問題があるのではないかと思うのでありまして、あのような答申案の筋よりも、やはり現在の私どもの方の立場から言いますると、融資の手続をどういうふうに簡素化して行くか、簡単なもの、少額なもの、あるいは問題のないもの、こういうものをできるだけ簡単に迅速に融通して行く、こういう方途を考えて行く、また地方債の許可につきましても、事の性質上、当然これは問題がないと思われる、あるいは金額が小さいもの、そういうふうにいろいろ事柄の性質によりまして許可を簡単にして行く、あるいは省略ということも考えられると思いますが、そういうようなものを解決して行く、この方が現在の考え方としては筋ではないかというような気持を持つておるわけであります。
○加藤(精)委員 重ねてお尋ねしますが、府県庁所在地等にあります財務部の廃止の問題、これに対しては理財局長はどういうふうに考えておられますか。
○阪田説明員 この財務部その他地方機構の問題につきましては、現在いろいろ行政整理というような構想もございまして、その関係で政府全体といたしましての方針もきまることと思いますが、ただいまの私どもの考えといたしましては、財務部というものは、地方起債の許可あるいは融資の仕事をやつておりますが、そのほかにも金融関係の仕事、国有財産関係の仕事、いろいろやつておるわけであります。そういう方面とも関連いたしまするので、地方債あるいは資金運用部資金の融通という面ばかりからも考えられないのでありますが、ただいまの地方に対する資金運用部の資金融通とか、地方債の許可、この方の関係につきましては、先ほど申し上げましたような意向を、私どもの方としては現在のところ持つておりますが、やはりその関係でへこれは地方に仕事をまかしてやつて行つた方が、早く、簡単に、円滑に済む、こういう面があると考えますので、その面におきましては、やはり財務部あるいは財務局というような機構も活用して参るという気持でおるわけであります。
○加藤(精)委員 理財局長に重ねてお尋ねしますが、いろいろ長くおつしやられるけれども、結局財政部会の地方債関係の答申には、反対の意向を持つていると了解してよろしゆうございますか。
○阪田説明員 これは大体書面にいたしまして、大蔵事務次官から委員会の方に提出しておりますので、それをごらん願いますれば、はつきりと、正確に御了解願えると思いますが、先ほど申し上げましたように、地方金庫の問題につきましては、あの案に対しましては、なお十分いろいろと検討を要する点がございます。従いましてこの際ああいう金庫を……。
○加藤(精)委員 地方債許可のことについての原案に反対か、賛成か……。
○阪田説明員 答申案としてああいうことを決定するのは、その時期でないだろう、こういうような意見を持つております。地方債許可のあの構想につきましては、先ほど申し上げましたように、ああいうような方向ではなくて、地方債許可を簡素化して行く、また融資の手続等も簡素化して行く、現在具体的にそういう方向をとつて行くべきであるというような意見を持つておるわけであります。
○加藤(精)委員 これ一つでやめますが、現在大蔵省当局が地方債の許可に関して、協議と称して、そうして事務を渋滞せしめて、国民に迷惑をかけておる事実をお認めにならぬですか、それだけ一言お尋ねします。
○阪田説明員 地方債の許可につきましては、やはり現在大蔵省は協議を受けておるわけでありますが、これは資金運用部資金というものは、国民全般から預かりました零細な資金を運用して参るのでありますから、そういうような立場からいたしまして、やはりそういう場合に協議をぜひとも受けたい、かように考えておるわけであります。ただその手続等が、いろいろと遅れるとか、煩雑になるというようなことで、御迷惑をかけることは絶対ないように、ひとつ仕事の方は十分注意して参りたい、かように考えております。
○加藤(精)委員 どうも答弁に誠意がないというか、その弊害があると認めておるかという問いに対して、認めないように努力するつもりだ。それじや答弁にならぬじやありませんか。そう質問者を愚弄しなくてもいいと思う。先ほどから何だかんだと、どう解していいかわからないような答弁をして、ちつともはつきりしたことを言わない。前の理財局長には私は非常に感謝しておる。意見は違うけれども、敵ながらはつきり言つてくだすつた。今度の理財局長は私は実に不愉快です。感情の問題は別といたしまして、少しは考えていただきたいと思う。雪がまさに降らんとしており、そうして去年も恐ろしい校舎の中に住んでおつた。いつ雪につぶされるかわからないというような際に、荏苒として起債を延ばすことによつて、相当国務を渋滞させ、そうして零細な資金を預かつておるから監督の必要がある、こういうことでは何のために自治庁があるかということです。地方財政を監督なさる、そういうことは自治庁がやるのです。よけいなことです。そういう点は十分お考えいただきたい。 それから今度通過した法律案の政令等に関して、もう少し大蔵省は文教を預かつておる文部省の意図というものを――われわれは何も文部省の味方じやありませんけれども、たとえば〇・七坪で復旧しようと言つておる危険校舎の復旧なるものは、それは無理なんです。大蔵大臣自身が、六・三制の〇・七坪は明らかに無理だということを、地方行政委員会の理事会においてはつきり言つておる。それにもかかわらず、なお〇・七坪に危険校舎の復旧の坪数を制限するような意向を大蔵省が持つているやに伝わつておりますが、はたして事実であるかどうか、それらの点についてお伺いしたいと思います。
○大村説明員 危険校舎につきまして、これを〇・七坪に制限しようとする意思があるかどうかという御質問にお答えいたします。これにつきましては、先国会で御承知の通り、危険校舎改築促進臨時措置法が出たわけです。この政令案につきましては、目下文部省でも研究中でございますし、私どもの方でも、これの基準をどうするかということで、従来認めておりましたのは〇・七坪であります。それで国会の御要求もございますし、できるだけ基準に合つたものでやりたいと考えておりますが、しかし今おつしやつたように、工事を早くいたしませんと、北の方では雪でやれなくなるということもございますので、近々にもやる方針でございます。
○門司委員 さつき資金運用部資金は零細だというお話があつたから聞いておくのだが、資金運用部資金の運用がどうなつておるか、それの明細な資料を出していただきたい。要するに貸出しの仕方がどうなつておるかということです。国債になつておるものは、どこの省と大蔵省が会議をしてそれをやつたか。あるいは事業債に出ておる金は、どこの省から申請があつて、大蔵省との会議の上にやつたのか。あるいは金融債になつておるものは、一体どこの省とどういう手続でどういうふうにやつたのか、それを明瞭に出してほしい。君の方は、零細な金を預かつておるからと、非常に逃道をこしらえておるが、君らの預かつておるのは、地方の住民のきわめて零細な金だから、これはできるだけ地方の住民の幸福のために使うのが建前だ。それが事業債に使われているだろう。金融債に使われているだろう。国債になつておるだろう。事業債は私企業だろう。私企業が大事なのか。国民が大事なのか。資本家が大事なのか。この点大蔵省は少し考えたらいい。だからその点の資料をこの次の委員会までにぜひ出していただきたい。これは委員長にお願いしておきます。
○灘尾委員長代理 理財局長よろしゆうございますね。 ほかに御質問はありませんか。 それでは本日はこれをもつて散会いたします。 午後五時二十分散会