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16回国会衆議院1953/08/04

地方行政委員会 第29号

発言数
86
登壇者
14
会派数
5
開催日
1953/08/04

会議録

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 これより会議を開きます。  この際理事の補決選任についてお諮りをいたします。  すなわち委員異動に伴い理事が一名欠員とたつておりますので、その補欠選任を行いたいと思いますが、これは投票の手続を省略して、委員長より指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 御異議なしと認めます。よつて佐藤親弘君を理事に指名いたします。     —————————————

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 次に請願及び陳情書について審査することといたします。本日の請願日程第一、防火水そう設置に関する請願から日程第四二九、上野村の水害復旧費起債に関する請願に至る請願について審査することといたします。これより請願審査小委員長より報告を聴取することといたします。小委員長代理北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 小委員長の西村君が御不在でございますので、私から小委員会の経過並びに結果につきまして簡単に御報告を代読いたします。本小委員会は去る三十日請願審査のため、小委員九名をもつて設置せられました。本小委員会において審査いたしました請願は、全部で四百二十九件でありまして、その内訳について申し上げますと、地方税法関係のもの三百八十三件で圧倒的に多く、次に起債に関するもの十五件、地方自治に関するもの十二件、地方財政に関するもの十件、警察に関するもの五件、消防に関するもの四件、以上合計四百二十九件であります。このうちおもなものについて申し上げますと、営業用トラツクに対する自動車税軽減の請願は八十六件であり、その要旨について簡単に申し上げますと。営業用トラツクは、税法上認められた事業用減価償却資産であるから、当然固定資産税の課税客体として、トラツク個々の資本的価値あるいは使用収益的価値に応じた課税をなすべきものである。ついては、同事業はすでに担税力の限界を凌駕している等の実情をも考慮し、営業用トラツクに対する自動車税を、一台年額六千円程度に軽減されるよう配慮されたいというのであります。  またクリーニング業に対する地方税軽減に関する請願は百十七件でありまして、その要旨は、クリーニング業は手作業のため増収少く、しかも料金は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の制限を受けて値上げもできない現状である。ついては、条件の類似する理容業と同様、クリーニング業に対する道府県税中、事業税第一種事業の指定を特別所得税第一種事業とし、また附加価値税第一種事業の指定を同第三種事業と地方税を改正し、税の軽減をはかられたいというのであります。  地方税法の一部改正に関する請願は七十八件であり、その趣旨は、トラツク事業に対する事業税の課税方式は他の一般事業と差別的高率課税制度であるのみならず、著しい重税である、ついては、本事業に対する事業税の外形標準課税を廃止するため、地方税法第七百四十九条第一項中「及び運送業」を削除されたいというのであります。  また自動車税引上げ反対に関する請願は二十四件ございまして、その趣旨は、自動車税の引上げは自動車の普及をはばみ、産業、経済、文化の進展に悪影響を与えるものである、ついては、自動車税引上げに反対するとともに、(一)、自動車税は現行税率より引上げないこと、(二)、自動車税は固定資産税とすること、(三)、自家用、営業用の差別課税を撤廃すること、(四)、自動車税を含む自動車関係公課制度を整理することの諸点を実現されたいというものであります。  さて、小委員会は去る三十一日開会して、慎重審議いたしたのでありますが、その審査方針としては、これらの請願はいずれも真摯率直なる国民の声でありますので、その趣旨妥当なものはできるだけ採択することとし、疑義のある請願につきましては、さらに慎重に審査することといたしたのであります。その結果、自動車税引上げ反対に関するもの、営業用トラツクに対する自動車税軽減に関するもの等の自動車税関係の請願、医業に対する特別所得税免除等に関する請願、遊興飲食税撤廃に関する請願等、その他別府市警察留置所における殺害事件に関する請願等は、地方税法一部改正案との関係もあり、またさらに検討する必要がありと認め、一応その態度を留保することとし、消防施設強化に関する法律制定の請願や、碓井町、小竹町自治体警察を国家地方警察に移管の請願等につきましては、すでにその趣旨も達成されておりますので議決を要しないものとし、その他の請願につきましては、いずれもその趣旨妥当と認め、また政府において、その措置及び研究調査することを適当と認めたのであります。従いまして便宜本日の請願日程について申し上げますと、請願日程中第一、第三、第四、第七、第八、第九、第一一、第一二、第一六、第一七、第二九、第三〇、第三三、第三六、第四九、第七一、第七二、第九一、第九二、第九六、第九七、第九九、第一〇〇、第一一七、第一一八、第一三一、第一三三ないし第一三七、第一四六、第一四七、第一六八ないし第一七〇、第一七五ないし第一八三、第一八六ないし第一八八、第一九一、第一九三ないし第一九五、第一九七ないし第二二四、第二三 ○、第二三一、第二三五ないし第二四一、第二四八ないし第二七八、第二九一ないし第二九三、第二九五ないし第三一〇、第三二八ないし第三三八、第三四一、第三四四、第三四七、第三五 ○ないし第三五三、第三五七、第三五九ないし第三六三、第三八二ないし第三九九、第四〇七ないし第四一四及び第四二七ないし第四二九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと議決し、第二、第二三、第三一、第三二、第五〇及び第二四七の各請願は、いずれも議決を要しないものと、委員会においては議決すべきであると決した次第であります。  なお、この際あわせて申し上げますが、別府市警察留置所における殺害事件に関する請願につきましては、一応留保したのでありますが、その趣旨とするところは、本年二月別府市警察留置所内における朝鮮人殺害事件を放置することは、自由と人権擁護の上から、また国際的信義の上からも黙視できないので、本事件の調査団を派遣し、責任者の即時罷免と暴力警官の厳重な処罰を行うとともに、警察法の改悪に反対するというのでありますが、これは現実に行つて調査して見なければわかりませんので、国会が閉会となり、各地に委員が国政調査のため派遣されることになりますれば、これも調査していただきたいと思いますので、この点あわせて申し上げておきます。  以上簡単でありますが、請願審査小委員会における経過並びに結果について御報告申し上げます。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 ただいま小委員長より請願審査の経過並びに結果について報告を聴取いたしましたが、小委員長の報告の通り決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 異議なしと認めます。さよう決定いたしました。      ————◇—————

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 次に陳情書第一、警察法改正案反対に関する陳情書より第一一七、自動車税引上げ反対に関する陳情書について審査いたしますが、これらの陳情書の内容につきましては、すでに文書表によつて御承知のことと思いますので、これらの陳情書は、いずれも委員会においては了承することといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 異議なしと認めます。よつて了承するに決しました。      ————◇—————

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 次に町村合併促進法案を議題として、これより質疑を行います。加藤精三君。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 参議院の提案は、町村合併促進の警察法の特例に関する規定には、相当理解しにくい部面もございますので、国警本部当局からわかりやすいように説明していただきたい、こう考えております。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○柴田説明員 ただいま町村合併促進法案中の警察法の特例についてのお尋ねがございましたので、便宜私から警察法の特例第十二条につきましての趣旨を申し述べたいと思います。     〔委員長退席、佐藤(親)委員長代理着席〕  この警察法の特例は合併促進法案の他にも見られるかとも存じますが、町村合併を促進する——言葉をかえて申しますならば、町村合併をしたいのだけれども、他の条件のために支障があるために合併ができないというような支障を除去するという意味においての警察法関係の特例でございまして、警察を持つていない町村同士の合併はまず問題ないわけでございます。また警察を持つているもの同志の合併も、これまた問題ないわけでございますが、第十二条は警察を維持しておるものと維持しておらないものとが合併の関係町村になりました場合におきまして、その新しくできた合併町村が、これはある場合には新設合併の場合もございましようし、また吸収合併の場合もあろうと思いますが、この新たにできました町村が、その町村の全域で警察を持つべきものかどうかという点について、合併の関係町村の間において、いろいろの言い分がある場合が起ろうかと思うのでございます。そのような場合におきまして、この警察法特例の第十二条は、合併の進行のために警察を持つ持たないの問題については、協議次第によつてはとにかく従前のままの状態を続けつつ合併を実現し得る、こういう趣旨の規定でございまして、警察を持つている町村、警察を持つていない町村が関係合併町村になつて合併をいたしました際におきまして、関係町村の協議によりましては、三箇年以内の期限を限りまして、新しくできた町村の警察の管轄区域というものを、その全町村の区域に及ぼさないで、従前警察を持つておりました町村の区域だけに限定することもできる、かようにいたしますならば、もちろん話合いによりまして全町村で警察をもち、本則通りのことをやることもできるわけであります。また協議次第によりましては、今まで通りの関係でとりあえず合併の関係に入つて行くこともできる、こういう規定でございます。二項以下の規定につきましては、両者の協議の場合に、普通の場合と同様にその町村議会の議決を経なければならない、内容を告示しなければならない、総理大臣に報告をしなければならないといつたような事項の、手続関係の規定でございます。要はこの十二条の第一項によりまして、話合い次第によりまして、本来ならば全地域で警察を持つというりが原則であるのをとりあえず従前の警察を持つておつたところだけに管轄区域を限定することも、一定の期限を限つてできるという旨を規定されておるものと存ずるのであります。その期間を経過いたしましたならばどうなるかと申しますならば、その期間を経過いたしますれば、本来の警察法の原則にもどることになるのでございまして、その町村が警察法の第四十条の規定によりまして、警察を維持すべきものとして告示せられておりまする場合におきましては、当然その町村警察の管轄区域はその町村の全域に及ぶようになる、その期間を経過するならば、その町村の全区域をもつて警察を持つ状態に入る、この期間中だけは、かりにこの管轄区域を限定することができる、かような趣旨であろうと存ずるのであります。ただいま趣旨についてのお尋ねがございましたので、便宜私からお答えを申し上げたわけであります。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 ただいまの御説明で、町村の合併の場合のことはわかりましたけれども、町村の全部または一部が市に合併するような場合、それから町村が合併して市を設置するような場合についての適用をも御説明いただきたい。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○柴田説明員 ただいまの警察法の特例の条文が、市の関係においてどうなるかというお尋ねであります。一応この参議院の御提案の原案におきましては、この合併促進法が一定の市に準用されるように伺つておるのであります。その場合におきましてこの警察法の特例については、第三十五条と第三十七条において、第十二条の規定を除くというふうに、原案は除外せられてできているように伺つておるのでございます。本来これはいかにあるべきかということにつきましては、いろいろ考え方もあるかと存ずるのでございますが、この原案といたしましては参議院でおつくりになります際に、市の関係は警察が必置という関係になつておるので、一応除外したらどうかということで、除外をされているように伺つておるのであります。さらにつつ込んで考えてみますと、警察が必置であるかどうかということについては、町村の場合についても市の場合についてもかわりはないのでございます。この場合一体何が警察法の特例になつているかということを考えてみますと、警察を維持すべきものであるとされているところの町村なり市なりというものが、本来ならばその全区域をもつて管轄区域として警察を維持するのが本則であるのを、このような合併促進の見地から、全地域を管轄区域としないで、前の町村の区域に限るということだけにするのが特例である。警察法の関係において、市の場合と町村の場合との違いは、その関係においては何らないのであります。住民投票で住民の意思で、その警察を廃止することができるかどうかという点については、警察法上で違いがある。この十二条の関係は、その廃止するかどうかという問題とは関係がないのでございます。一つの特例といたしました場合に、本来全地域で警察を維持すべきものを、合併促進の見地から一部の区域で警察を協議の期間だけ持つこともできるということでありますので、理論的に申しますならば、あるいは市の場合におきましても同様に管轄区域を限定するということが、合併促進の見地に重きを置かれますならば、合致するものであろうかと存ずるのであります。一定の期間が経過いたしますならば、市の場合には当然に住民投票もできない、当然に市なら市がその全地域をもつて、警察を維持するという状態に入るのでございます。必置の点におきましてはいささかもこれをそこなうものではないと思います。市を準用いたしましても、必置の市が警察を維持するということについては、いささかもそこなうところはないと思うのであります。それが理論的であると思うのであります。それで実際の合併の例といだしましても、現在町村警察が残つておりますのは百四十三でございまして、市の警察は二百七十七という数を数えております。合併の実例といたしましては、市の区域に町村が合併するというような例が非常に多いのであります。従つてこれは小さい市の場合が多いかと思いますが、そういうような場合におきまして、市の場合も準用いたしますことが合併促進の見地からいたしますならば、あるいはかえつて実情にも沿うゆえんでなかろうかと存ずるのであります。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 三十七条も同様ですね。

柴田達夫国家地方警察本部総務部長

○柴田説明員 同様であります。

佐藤親弘自由党

○佐藤(親)委員長代理 それでは委員会はこの程度で休憩いたします。     午後三時二十一分休憩      ————◇—————     午後五時十九分開議

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 これより再開いたします。  休憩前に引続いて町村合併促進法案を議題として質疑を行います。門司君、

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それではさしあたり私は今の提案者に対してちよつと質問をしておきたいと思います。この法案の趣旨はよくわかつておりますし、それから大体内容も拝見をいたしたのでありますが、ただ実際の問題として起り得る一つの現象を想像的に考えて参りますと、特定の町村だけが合併をして参りまして、そうしてだれが見ても不自然であるというような所に合併し得ない町村が必ずできはしないかと考える。その場合にはある程度強制的な規定が設けてないと、せつかく規定はできたが、将来小さな村が真中に入るとか、あるいは県のどこか片すみの方には、やはり小さな村が残つている。こういうものができやしないかと私は思うのでありますが、これが今日まで地方の町村で、合併ができなかつた一つの大きな原因であるように私は思う。これらの措置についてはどういうふうにとられるおつもりであるか、その点をひとつ伺つておきたいと思います。

館哲二緑風会

○館参議院議員 大体この構想としましては、町村合併については知事が審議会にいろいろ相談をしまして、その県内の合併についても、ひとつ十分な構想をこさえてもらうというのが、第一の段階になつているのであります。でありますから今お話のありましたような町村などにつきましては、県内の事情をしんしやくして合併についての構想ができ上つて来るのでありまして、それによつて大体解決ができるのではないかというように考えております。特に強制というようなところまで行かなくてもいいのじやないかと思つているのでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私が心配しますのは、町村が合併の意欲がないとかあるということ、それが反映してさらにそれが不自然かどうかということを査定するために、実は自治法の七条に県議会の議決を要するように書いてありますが、これと同じような趣旨で、もし合併を欲せざるものがある場合に、ある程度の——これは多少行き過ぎかもしれませんが、そういう不自然なもののできぬようにすることができはしないか、これをもう少し私は考えるべきでなかつたかと思うのであります。そういうことは県でやるからないだろうという御意見ですが、現行の自治法によりましても合併することを知事は慫慂することができると、ちやんと書いてあるのでありまして、知事に権限がないわけではない。しかるにそれができてないという原因は、私はそういう問題があるからだと思う。この法律にも、合併の障害となるものを除去することが、大体目的であると法案のうしろの方にちよつと書いてあります。もしそうだといたしますと、合併の障害となるものを除去するということは重大な問題であります。これはやはり長い間の歴史と伝統が一つものを言う。これにはほとんどこの法律は触れていない。また触れてみたところでこれは感情でありますから何ともしかたがない。ただ財政的な措置その他についてえさを与えておくだけである。私はこういうことだけで、合併の促進が完全に行われるとは考えられない。いわゆる人情その他の問題を十分に考えて、そうしてこれを緩和する一つの策が当然考えられなければならないというふうに考えているのでありますが、単にここに書いてあります法律の内容になつているものだけが、合併の障害になつているとは私は考えない。これは一つの奨励案でありますから、いろいろなえさがたくさん考えられている。  もう一つこの機会に聞いておきたいことは、従つてこの法律が結果的にどういうものをもたらすかということであります。そのことのために先ほど申しましたようなぽつんとした一つの町村が残つても——これは残らないだろうというお考えでありますが、私はそういうものは必ず残ると思う。そう簡単には行かぬと思う。そういう場合には県が現行制度におきましても慫慂することがでますので、あらかじめ県で合併計画を立てて、それをある程度自治体に上から押しつけることができる、それを受けて町村はやはり立つことができるという規定が、この中に必要ではないかと考えるわけであります。なるほど審議会ができるが、それは強要する力を持つておりませんし、ただそういう計画を立てるだけであります。従つて県知事なり県の審議会がそういう計画を立てれば、その計画を立てた範囲内において、それを町村は受けて立つことをしなければならないということは、——これはある程度の強制かもしれませんが、しかしそういう規定がないと、完全にはこの目的の遂行は困難であると思います。従つてそういうことは考えられませんか。私はそういう規定がどこかに必要ではないかと思いますが、いかがでありますか。

館哲二緑風会

○館参議院議員 まあ町村合併の問題ですと、やはりこれは町村自体に熱意ができて、お互いに今合併しようという了解ができ上らなければ、なかなか困難な問題だと思うのであります。従いまして合併という問題が非常に遅々として、今日まで促進しておらないのはそれに原因していると思いますが、どうも強制的に合併をさすということは、結果から見てもあまりおもしろい問題でもないと思いますし、まあ県が県全体をながめて、どういう町村とどういう町村を合併さす、あるいは市と町村を合併さすという計画を立てます上において、大体県内の各町村を漏れなく検討するわけでございます。その計画に基いてそれを勧奨して行き、今できました促進法案のようないろいろな特権も与えることによつて、進めて行くことができ得ると思うのでありまして、私どもはとりあえずこれを促進するためには、今申し上げましたような程度で進めて行くべきではないか。そこに困難はありましようけれども、お互いの熱意と努力とによつて結果を上げて行くというのが、妥当ではないかと思つているのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この合併法案で大体の目安として、どれくらいの町村の規模で整理されるか。これは非常に私はむずかしいと思いますが、大体腹案がおありでありましたならば、ひとつお話を願つておきたいと思います。

館哲二緑風会

○館参議院議員 これは具体的にどうこうという考え方を検討してみたわけではないのでありますが、私どもの県だけのことを考えますと、富山県でありますが、合併の促進を今日でもやつております。二百二十ほどありましたのが、今百七十くらいになつております。この合併促進法案が、もしも可決されますならば、おそらく大体百以下になるというような考え方で、県の当局も努力をしているような状況であります。全体的に見まして少くとも町村の三分の一は減るのじやないか。あるいはまたうまく進行いたしますならば、半分くらいにもなるのじやないか、というような考え方のもとに、私どもはこの法案の成立を期待しているのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 それからさらに聞いておきたいと思いますことは、いろいろな条件が各町村で違いますし、それから町村の合併後に起つて来る問題についての検討でありますが、たとえば林野行政にいたしましても、これは東北の地方には多いと私考えておりますが、今まで国林ののいろいろな利用のために入会権を持つている。ところが今まで七つの町村で入会権を持つておつたのが、四つないし五つの町村が合併されて、しかもその国有林がその町村にある場合に、この所有権はかわつて参ります。今まで国の持つておつたものが払い下げられて町村が持つ。その場合に入会権はどうなるか。入会権だけが残るかどうかどいうことが、実質的な問題として起つて来る。こういう問題の処置をお考えになつているかどうか。

館哲二緑風会

○館参議院議員 実は林野については私何も経験を持たないのですが、大体今のお話のようなことにつきましては、やはりその関係において残つて行くのじやないかと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは町村が合併したあとで問題が起らぬようにしておかなければなりませんので、入会権が残ると言いましても、所有権がかわります以上は、今のたとえば農地法のような規定があつて、所有者がたといかわりましても、あるいは耕作権は残つておるということが明確になつていれば、それはそれでいいのでありますが、しかし入会権の問題につきましては、そういう法律は別にございません。従つて所有者がかわつて来れば所有権者の権限に属すると私は思う。だから、入会権だけは一体その間に残されて継続できるものかどうか。この点は非常にめんどうな問題になると思う。国が持つている間は何も所有権がありませんから、大した問題はありませんが、これは町村に払下げをして、町村が金を出して自分の物にするのでありますから、他の町村の権利をそこに認めて、買うのは自分だちが買つた物だが、お前たちにも使用させようということが容易にできるかどうか。こういうところに争いが残らなければ非常にけつこうだと思いますが、もし残つて来ると、かえつてそのために地方の融和を欠くことが起きないとは限らないと思う。そういう場合を危惧いたしますので、一応聞いておるのであります。

館哲二緑風会

○館参議院議員 林野の特に入会権の問題につきましては、私どももあまり経験を持たないのであります。ちようど自治庁の方もおいでになりますので、できますならひとつそちらの方から説明をお聞き取り願いたいと思います。

長野士郎自治庁行政課長

○長野説明員 入会権につきましては、やはり一種の物権のような、支配権と言いますか、そういうような性質を持つておる権利でありますので、所有権がかりに移転をいたしましても、その権利は当然には消滅しない、なお存続されるというふうに考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 考えておるだけではなくて、法律的の根拠はどこかにありますか。さつき言いましたところの農地法は、多少法律的な根拠を持つていると認められるのですが。

長野士郎自治庁行政課長

○長野説明員 入会権につきましては、これは民法にそれぞれ共有の性質を有する入会権とか、あるいは共有の性質を有せざる入会権につきまして、地上権あるいは永小作権と同じような規定で保障されておると思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 だからそれは、民法に規定されておりますものは、あくまでも話合いの上で今までやつておるのであります。しかし今度は所有権が完全に移るのであります。従来話合つておつたものは国であつて、今度は市町村がそれを自分の財産として所有するわけであります。従つて国とは違うのであります。ただ単に財政的に何らの負担を負わないという場合においては、私は幾らでも話合いができると思う。しかし民法の規定による入会権の設定、それからこれに対する権限というものは、所有権のかわつた場合には、やはり所有権者というものが相当大きな発言権を持つて来ると思う。だからこの場合の処置ということは、今の民法のそういう規定であるからというだけでは、私は済まされないのではないかという気がするのですが、もう少しわかりやすく、そういうものは絶対にないのだということを、ひとつ十分明らかにしていたきだたい。

長野士郎自治庁行政課長

○長野説明員 私はあまり詳しくは存じませんけれども、入会権は、民法の取扱いにいたしましても、一つの物権でありまして、物の上に確定をした権利でありますから、これは所有権がたとい林野について移動いたしましても、それによつて当然に変更ないし内容に変化を受けるようなことはない、このように考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうだといたしますると、払下げの場合における一つの障害ができて来る。自分たちが金を出して買つて、他の町村にこれを使用させるということになつて参ります。これはむろん使用料をとれば別でございましようが、しかし私は入会権によつてやつております場合と、所有権の移動された場合とは、多少その間の感情なり、あるいは事情が違つて来ると思う。だから、その点を私は心配するのである。何も感情が残らない、今までの地上における権利であるから、これは認めようじやないかということになれば、これはいずれの場合にも問題が起らなければかまわぬのであります。何も法律に多少違反しておつても、問題さへ起らなければいいのですが、しかし問題になつたときに一つの障害になりますので、一応念のために聞いておくのであります。その点をもう少し明確にしていただく必要があるのではないか。自分たちのものになつて、所有権がこちらにかわつて来るのでありますから、その場合にそういうことが話合いの上でなお認められるかどうか。もしできるならこの法律の中にそういう障害のないように、ひとつどこかに規定を設けておく、しかもこの法律で合併されますものは、三年の間に限られておりますので、できるだけいざこざの起らないようにひとつしてもらいたい。  もう一つ大きな問題になつて参りますのは、一つの入会権ではあるが、これは法律の中には森林を伐採する場合には、多少の抑制をしているようではございますが、これは所有権を持つ者がやはり伐採をするというふうに考えられる。しかしその場合は、自分たちの買つた山を、自分たちが伐採するという権限を持つておるが、しかし入会権があるために、一応会議をしなければならないということになりますと、他人のためにどこまでも土地というものが利用される形になるのであります。これを永久に認めるということが一体できるかどうか。

館哲二緑風会

○館参議院議員 実は今の入会権の問題につきましては、各町村の住民までもよく話がわかつておる問題だと思うのでありますが、国有林野を払い下げる場合に、いろいろな打合せができ、契約なり、何かがそこに成り立つて来るのではないかというふうに思つておりますので、その間のいざこざにつきましては、そういう程度で了解がつき得るのじやないかと考えるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私もさつき話しましたように、話合いができれば、それでけつこうだと思うのであります。しかしこの問題はある程度了承しておきませんと、たとえば国がそこに払い下げるといたしましても、そこには入会権があります。従つてその入会権の処置というものが十分了解を得ていないと、そこで伐採されるという危険性が出て来ると思う。両面からそういう問題が起つて来る。払い下げてしまつたあとで問題が起る場合と、払い下げをしようとするときに、やはり入会権を持つておるところは、一応の権限を持つておる者は、そこに払い下げられては困るというような苦情が出やしないか。二つの場合が実は考えられるのであります。従つてこういう問題を明確に、ひとつ何らかの方法で救済する方法があるのだということならけつこうでありますが、どうもわれわれにはその間の事情がわからぬのであります。従つてそういう問題が起らぬという明確な御答弁ができれば、私はけつこうだと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 法貴三郎君、法貴君は参議院の地方行政委員会の調査員でありますが、特に発言を許します。  法貴参議院地方行政委員会調査員ただいま門司委員からいろいろお話がございましたが、要するに入会権というものは歴史的な権利でございまして、かつ同時に物的、物上の権利として確定したものでございます。従いまして民法ができますまでの歴史的の事実というものを認めまして、これを新しい民法上の権利に変化するということをいたしませんで、この条文のままに規定いたしたわけでございます。従いましてこの入全権というものは、その地域々々におきまして、ある林野につきましてどういう団体、あるいはどういう範囲の人間が、どのような権利を持つというようなことは、よく知れわたつておるわけでございます。従いましてこの問題の国有林野の払い下げにつきまして、あろ町村が基本財産を造成するために、国有林の払い下げを受けるというような場合には、国有林について入会権の有無、その他の権利の有無ということを勘案し、かつ、林野庁法におきましてもそういう事情を考えて、できるだけ問題のないものにいたしまして、適当な処置をするということになると思います。また事実問題といたしまして、その国有林野につきまして、入会権の存在いたします場合におきましても、それが存在することが町村の基本財産として、経営する上において何らさしつかえがないということを確認いたしました後に、払下げを受けるということになろうかと存じます。従いましていろいろ問題もございますが、さほど御心配になるようなことは、大体はあるまいというふうに考えておるわけでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今心配をするようなことはなかろうというお話でございますが、私どもは法律をつくります場合には責任があります。心配がなかろうということで、これをそのままにするわけに参りません。むろんあなたのお話のように、伝統があるにきまつておる。歴史を尊重しなければならぬことはきまつておる。しかし入会権の問題は地方住民の死活に関する問題であります。これは山村を持たざる、いわゆる薪炭林を持たざる、あるいは堆肥の原料を持たざる町村にとりましては、きわめて重大な問題であります。心配がなかろうという程度でこれを認めるわけに参りません。農村における今日の林野に対しまする入会権というものは、そう軽々しいものではございません。堆肥の原料をここから求める、薪炭林をここから求める、農村の生産と実際の生活に欠くべからざる一つの要素である。だから私は心配するから聞いておるのである。心配することはなかろう、いい加減でよかろうというりくつは一体どこにあるか。その間の事情が明確になれば私は納得が行くが、それがなければこの案に賛成するわけに参りません。いい加減でよかろうという答弁はこの際避けてもらいたいと思います。そこで私は、絶対に入会権の問題に対しては問題がないのだ、こういう処置が講じてあるということをこの条文の中ではつきりしてもらいたい。

法貴三郎常任委員会調査員

○法貴参議院地方行政委員会調査員 たいへん失礼いたしました。私の申し上げ方が、あろいはそういうふうにおとりになれるような言い方であつたかと思います。しかし私が先ほど申し上げました心配ないということは、事実問題として障害が起らないだろうという意味で申し上げたのでございまして、事実上国有林に入会権があるという場合におきましては、その入会権があるということを頭に置きまして、つまり町村当局の方におきまして、もしその国有林野を基本財産として払下げを受けました後においても、十分その入会権を尊重して取扱うことができるという場合に、その林野を払い下げてもらいまして、そうして基本財産にするであろうというふうに考えますので、この件につきましては、民法上明確な規定もあることでございますし、決して従来の入会権者が無視されるようなことはあるまいというふうに考えたということを申し上げたわけでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 だから一体その処置は、この法律の中のどこに明確になつておるかということでございます。ただそういうことはなかろうということでは承知ができないということであります。私どもが心配しておるのは、さつき申し上げましたように、農村にとつてはきわめて重大な問題であります。これは単にりくつでは済まされない。生きるか死ぬかの問題がここから出て来るのであります。従つて私は心配して聞いておるのである。そういう問題があるとかないとかいうことでなく、そういう問題がもしあれば、それが処置されないならば、せつかくこの法律ができて参りましても、その利益の享有を受けられない。しかしそれは公の、五つなら五つ、七つなら七つの町村のために、これを払い下げることができないという公の立場に立てば、また払下げを受けられないということはわからないわけではないが、しかしここにせつかくこういう法律をつくられる以上は、そういういざこざのないように、十分の処置がつき得るものだということにしてもらわぬと、法律ができた、払い下げるようにした、それは入会権の問題で払い下げることができないというようなことが起つては、私はせつかくできた法律が十分ではありませんので。従つてもしそういうお考えがあるなら、私の気持といたしましては、なお従来の入会権等に対しては、従前の通りこれを行うのだというようなことが、この中に明確になつておれば、そういう問題はこれで一切片づくのであります。私はどう考えても所有権が移動されて参りますと、今までこういう権利があつたのだ、今までこういう歴史を持つておるのだと申しても、最近は私はそうはなかなか行かぬと思う。いつかの時代には、私はそういう問題が起つて来ると思います。従つてこういう法律で合併する場合にも、そういう問題のときには、これはこういうふうになつて、おるのだということが、明確にお話願えればけつこうだけれども、さつきの法貴君の答弁のような、そんなことが起らぬであろうというようなあいまいなことでは、起つた場合には処置が困難だから、それははつきりどうなんですかということを聞いているのです。

館哲二緑風会

○館参議院議員 今の入会権のお話でありますが、私どもはこの払下げを受けますときに、お互いによく話し合つて、その間のいろいろな事情を考慮されて処置を講じられると思いますので、それらの問題につきましては、あるいは前に、あるいは後に十分な処置ができるのではないかと思うのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 二、三の点についてお伺いしますが、この町村合併促進法案の提案の趣旨として、将来町村をこの合併によつて適正な規模にして、そして道州制に直結するとか、あるいはまた従つて現在の府県との関係、そういうものについて何か想定をして、この合併促進をやられるものであるか。そういうことは全然考えないで、単に非常に小さい町村があるから、これをひとつ八千以上のある程度大きなものにしたいという、そういう目的に出て提案されているのであるか、その点をお伺いします。

館哲二緑風会

○館参議院議員 私どもがこれをこしらえました考え方は、特別に今の地方行政の機構について、あるいは道州制に持つて行こうとか、府県をどうしようとかいうような考え方はしておらないのであります。ただ現在あります町村自体があまりに小さく、人口的にもあるいはまた土地によつては面積的にも非常に小さい。そういうことで、あるいは住民の全体の福祉を増進するという上からいつて、行政面の能率が悪いとか、あるいはまたかえつて費用がかかり過ぎるとかいうようなことをなくするという意味で、最も規模の適正な町村をこしらえて、費用の面からいいましても、能率の点からいつても、あるいは節約し、能率を高めて行くというような考え方をしております。他に特別直接にどうという考え方は持つておりません。あるいはこういう町村が合併せられますために、今日あります地方事務所というようなものは、いらなくなるかもしれません。これはこの結果によつて、あるいは自然に生じて来ることと思うのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次に、この町村合併を考えます際には、現在町村に与えられている固有の事務の範囲が、現在のものを基準にして考えておられるか。合併してある程度大きくなつたならば、事務配分によつて、さらに町村の仕事をふやしてやろうというのであるか。現在の町村の事務を基準にしてこの規模を考えておられるのであるか。これは非常に関係のある点だと思います。もしも現在の町村の事務というものが、少し多過ぎるのではないかということでもつて、これのある部分をその上の段階に持つて行くということにいたしますと、町村の規模は、あるいは二千、三千でいいかもしれないということにもなるわけです。また現在の与えられている事務でもつて、はたしてどれくらいの規模の町村が適当であるかということになると、私は必ずしも八千ぐらいとか一万とかいうことが適正であるかどうかは、非常に疑問だと思います。たとえば消防にいたしましても、あるいは公衆衛生の問題にいたしましても、あるいは教育についても、警察についてももちろんでありますが、そういうようなことを機能的に考えて行きますと、現在町村が負担している事務の範囲でもつて、八千で適正であるなどということは、言えないじやないかというようなことが関連して考えられるわけであります。そこでこういうふうに町村を大きくすることによつて、さらに事務の配分を多くして行こうということを考えておられたのであるか。あるいはそんなことは何も考えないで、現在の状態をただそのままに、単に小さい町村があり過ぎるから、これを整理しようという程度にとどまるものであるか。そうういう点をお伺いします。

館哲二緑風会

○館参議院議員 人口八千というのは、大体ここに掲げてありますように、最低の基準ということなのであります。私どもが得ました材料によりますと、今日のところ八千以上、八千あるいは一万というような人口のところが、事務的な能率からいいましても、町村としての活動の上からいいましても、一番能率的によく行つているというようなところで、とりあえず八千以下じや少し少いのじやないか、八千以上くらいのところで扱つていただくようにしたい。それ以上は二万のところもありましようし、あるいは三万近くのところもあるかと思うのであります。それによつて適正にそのところの地勢とか、あるいは経済活動の状況とかによつて、適当に合併して行つてもらうということを考えておるのであります。その合併の結果、事務的に各小さい町村にわかれておつたよりも、役場にしましても単一化されて来ることによつて町村の余裕ができて来る。事務におきましても、事務全体の整理とかなんとかいう問題は、今の国なり、府県なり、町村に対する事務の分配というような問題から考えて来ないと、全体的にはなかなか行かない問題だと思うのであります。そういうことによりまして、合併町村がおのおの計画を立てました上で、あるいは事務の整理すべきものは整理するというようなことにもなろうと思いますが、とりあえずは各小さい町村にわかれているよりも、合併して相当の規模の町村になりますことによつて、費用なり、あるいはその他の点において余剰ができて来るということになるかと思うのでありますが、その余剰のできた力が他の方面に、今まで必要とされた面に向けられることはあり得ることだと思うのでありますが、それは各町村々々が最も賢明に考慮を払つていただけばいい。事務がどうなるかという問題になりますと、必ずしもそうとも言えないのじやないかと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次に別なことですが、この法案には合併についてのいろいろ財政的な国の助成という規定がございます。これは議員提案でございますが、この法案がかりに通過いたしまして成立した場合に、政府の方ではただちに本年度からこの法案に盛られておるような必要な補助なり、あるいは財政的な助成、起債なり、そういうものを行うことが考えられておるか、それを確めておるかどうかという点について、これは自治庁の方からもお伺いします。

石村幸作自由党

○石村参議院議員 お答えいたします。自治庁に対する御質問のようでありましたが、提案者といたしまして一言お答えいたします。これは法律で、特典といいますか、財政面の助成その他の措置をいかに講じましても、これを運用する所管の行政庁、特に大蔵省、自治庁等で誠意を持つて、この法律の精神をほんとうにのみ込んでやつてもらわなければ、これは死文化するのであります。そこであらかじめ自治庁等とは密接な連絡を保つて、この法案をつくつたのであります。特にこの法案が大体まとまりましたときに、この財政措置に対し、またその他の合併促進及びこれが育成の衝に当る自治庁に対しまして、つまり政府としてどういう態度であるか、その心構えを尋ねたのであります。つまり参議院の地方行政委員会においてお尋ねしたのでありますが、そのときに、鈴木次長が自治庁を代表して明確に答弁されたことを記憶しております。すなわちこの法律の精神は十分に尊重して、そうしてこれに掲げてある政府としての財政措置その他の措置に対しては、誠意をもつてどこまでも実行する深い決心を持つておる、しかもそれは自治庁としてのほんとうの決意であるということを明確に答えられた。またこの何条でしたか、たとえば町村合併に対する国の補助金、これは合併するまでの問題でありますが、この補助金に対しましても、こういうこともすでに耳にしておりました。つまり大蔵省としても、来年度の予算を組む上においてこれを考慮して、自治庁と連絡し、自治庁のその資料というか、計算の基礎、いろいろな点を自治庁に注文して、二十九年度の予算を組む措置をすでに講じておるということも、自治庁当局からも聞いております。こういう意味におきまして、私はこの法律ができ上つたならば、政府においても必ず誠意をもつてこの法律を尊重して合併促進のために当る、こういうふうにかたく信じております、そこで自治庁の政務次官が幸いおこしですから、御意見を承つていただきたいと思います。

青木正自由党自治政務次官

○青木(正)政府委員 自治庁といたしましても、現在の町村規模を適正なものにすることは、最も望ましいことにつきましては、まつたくこの法律の趣旨に同感であります。従いまして、この法律案が両院を通過して、法律として効力を発生いたしますれば、国会の意思を十分に尊重いたしまして、この法律に盛られたる内容に従つて必要なる財政措置等を、最近のできるだけ早い機会におきまして、補正予算なりその他の手段によつて本法律が円満に遂行できるように最善の努力を払いたい、かように存ずる次第であります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 もう一点だけ。第九条の、例の議員の任期の問題でございますが、今までのところでは、町村の合併の際に、その議会の議員の任期がまだ残つておるのに、その職を失いたくないということからして、合併を妨げておるという実際上の事情はよくわかるのでありますけれども、もしも町村合併ということが住民にとつて、あるいは国家的にも非常にいい仕事であるとする場合におきまして、その議員がその職を失いたくないというような気持のために、この合併を妨げておるということは適当でないのでありまして、その議員の感情というもの、いわば利己的な感情というものを、この法律の上で尊重するということは、はたして適当であるかどうか。私は非常に疑問に思うのでありますが、その点についてどういうお考えであるかお伺いいたします。

石村幸作自由党

○石村参議院議員 御説ごもつともでありまして、いやしくも町村の議会の議員ともあるべき者が自己の一身上の感情のために、または自分の一身上のために、町村の合併というような大きな問題を阻むということはけしからぬ話であります、これはお説の通りであります。そこで私は今の問題はこの町村合併の妨げとなるとは実は思いたくないのでありまして、そういう議員に対する一つの侮辱的な言葉は、事実はそうでありますけれども、それのみを主なる理由といたしたのでありませんでして、今まで町村の合併を阻んでおつたものに、議員の感情、気持というふうなことも確かにありましたが、そのほかに特に考慮いたしましたのは、合併を促進さぜるということになつて、協議会ができ、いろいろの手段が講じられ、またその間においてその議員諸君が非常に骨を折つて、この合併ができ上るまでごぎ着けた。そして合併ができましたあかつきには、これが新町村の建設計画というものにいろいろ現われて参ります。さて建設計画を実行するということはなかなか並たいていのことではないのでありまして、これが今まで合併に苦心した当時の議員諸君が、そのままある一定の期間残られたならば、その故事来歴いろいろな点もよくわかつておるので、この建設計画の実現にも相当効果があるだろう、こう考えられるのであります、そしてたとえば町村合併後にこの建設計画を変更するというような問題も多々起ることと存じます。その場合に、新しい町村の新しい議員を選挙したとするならば、そこに地域的の分野といいますか、勢力といいますか、そういうふうな点におきましても、合併前とは相当かわつて来るだろうと存ずるのであります。そうしたならば、この変更計画の問題が起つたときにも最初の合併当時の意思と相当かけ離れた不公平な措置が、現実的に講じられるというおそれもあるのでありまして、そういう場合に、この合併前の関係町村の議員が、ある一定の期間だけ残つておるならば、そういう不平等、不公平な措置も講じられずに済む、つまり円滑にそれらの計画が実施できる、こういうことも考えたのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 もう一つだけ、非常に大事な点ですから伺いたいと思います。ところで三つも四つも町村が合併した場合には、何十人という多くの議員が出ると思うのですが、それで議会の運営が困らないかどうか。もう一つは、かえつて前のことを知つておるというようなために、いつまでも前の村の議員という頭を持つて、そうしてお互いに旧町村の議員の立場で、新合併町村の中で張り合うというようなことになつては、かえつて新しい合併町村の統一的、総合的な建設計画を阻むのじやないかと考えられますが、その点はどういうふうにお考えですか。

石村幸作自由党

○石村参議院議員 御説の通りでありまして、せつかく二つ、三つ、四つという町村の合併ができ、そうして新しい一つの自治体ができたのでありますから、すべて一新した空気によつてやつた方がいいという見方も、確かに今御説の通りであります。しかし先ほど来申し上げました通り、建設計画等の実現につきましても、もしも従来の残留した議員によつて一時的にこれが行われるならば、ほんとうに魂を打込んで、責任をもつてやるだろうという見方もあるのでありまして、かれこれ勘案いたしましてある一定の期間だけを残留させる、こういう考え方であります。それから初めの御質問は、数箇町村が合併して、その関係町村の議員が全部残るとしたならば、議員の数が非常に多くなつて、議会運営の上にいかん、こういうお言葉でありましたが、これも確かに御説の通りであります。しかしこの第二の形におきましては、地方自治法によります定員数、これも最初のことでありますので、その定員数を二倍とか、ある一定の数だけふやすことになつておりますが、たとえばこれを倍加するといたしまするならば、関係町村の議員が残留したのと比較して計算いたしてみますと、そう増加の率が多いとも見られないのであります。そこでこれを取入れたのであります。しかし全部を必ず残留させるというのではありませんで、つまり協議による規約に基きまして残留する、また新しく選挙をし直して、そのときには定員を自治法による定員の二倍として、これを選挙し直すという二つの型をとりまして、これを選択制にいたしたわけであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私は簡単に中井委員長に質問しますが、先ほど中井委員長は、この町村合併の法案は、今会期中に上げるとおつしやいました。これは重大な問題で、私はこれは一つの革命と思つております。この革命とも思つておる重大問題を余すところ三日しかないのに、こんなに急いでこれを上げねばならぬ理由がどこにありますか。それをまず先生にお尋ねしいと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 お答えをいたします。本案が参議院におきまして、石村幸作さん初め多数の方々、地方行政委員会委員をもつて、参議院に議員案として提出されましたのは先月の二十日であります。しかしながらこれを御提出になるまでに、本案はきわめて時宜を得たる、しかもりつぱなる案であつて、今日のわが国自治体のすべてのものがこれを要望しておるということにかんがみまして、きわめて異例のことではありましたけれども、衆議院議員の、ことに地方行政委員会におけ委員の方々は、参議院の委員の方々とたびたび懇談を重ねられ、本法案が参議院を通過して衆議院に回付されました後におきましても、できるだけ事円滑に運び、かつできるだけすみやかにその成立をいたしますよう非常な尽力をいたしたのであります。従いまして、本委員会において、この法案について審議をいたしますることは、形式的な会議の上では数多うはございませんが、その審議の実際というものはきわめてたびたびであつて、きわめて慎重をきわめておる次第であります。ある日のごときは朝早くより、ある日のごときは夜おそくまで、委員の皆さんともども御勉強になつて、今日まで参りました上に、先日本委員会におきましては小委員会ができて、委員長初め非常な御勉強で今日まで参つておるというのが実情であります。それゆえにあなたのまずお尋ねになりました第一問、この重要なる法案につき、審議の期間が短いのではないかと仰せになりますることは、御趣旨決して御無理とは考えませんけれども、私どもの知るところにおきましては、参議院におきましても衆議院におきましても、十分その審議を尽されておるということを確信してやまざる次第でございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私も参議院と合同審査のときにたしか二回出ました。しかしこういうような法案は、これは画期的なものであつて、一つの革命です。私はこれを称して無血革命と言つた。こういうような重大な問題を余すところ三日になつて、一瀉千里にこれを上げようとする。私はその理由がどこにあるか、それが私には不思議でならない。そこで私が最も不思議に思うのは、小委員会でこれは研究事項になつたんですが、第三条前段の、町村はおおむね八千以上の住民を有するものを最低の標準とし、そしてあとの段で、最低標準のみを押えて、最高を押えざるゆえんを私はお聞きしたい。これはだれに聞いたらよいかわかりませんが、参議院の人をいじめるのはどうかと思うので、まあ鈴木さんに聞きます。鈴木さんは立案者でないでけれども、正直ですからね。参議院の人は聞いてもどうも気の毒ですからお聞きしません。それで京都市は特別市制をしきたいという。それもけつこうです。ところがその周辺の地区をずつと合併して、大京都としてしまつて、残つた京都府の行方は一体どうなるか。これを考えるときに、一体わが京都府、大阪府、兵庫県、そうして愛知県、神奈川県、これはすべて私たちのおじいさん、おばあさんが府県税を納めて来た。それが都会集中主義になつて、都会には病院もできている、学校もある、図書館がある、あらゆるものがあつて、都会に住んでいる人には非常に便利になつている。ことに選挙でも、一番よくわかるのはあの道路はどうですか。京都市内の道路は鉄筋コンクリートである。ほかはどうですか。ほかは何ら舗装をなしていない。その府県税というものは一体どこへ行つたか。全部京都市へ注ぎ込んでいる。そうして農村はだんだん疲弊する一方である。一体これはどういうような小委員会の方々のお考えであるか。これも同僚議員であるから、同僚議員の加藤さん、門司さん、床次さん、みな聞きたい。わからぬ、納得が行かぬ。私はこれは承服することができぬ。一体これはどうなるか。だんだんこうして組合されて行つて、そうして残るものは経済的にほんとうに微々たる京都府の町村が残つてしまつて、大京都のみになつてしまう。大阪もその通りである。神戸もその通りである。一体これをどういうふうに皆さん方はお考えになるか。その小委員の方にも、私は御意見をお伺いしたい。鈴木さんにも御意見をお聞きしたい。  それから警察法です。これは私は犬養さんに文句を言いたいと思う。すなわち警察法の中に特別警察すなわち七十万以上のものに置く、こうしてなしくずし的にだんだんと特別市制を適用する。まつこうから特別市制というとわれわれが反対する。それでだんだん賢くなつて、なしくずしになつて来た。われわれはそれにだまされぬ。これを一体どうしてくださいますか。われわれはこの小さい町村合併、これは賛成します。その名をかりて三万以上の市は特別市になる、こういうふうなことを去年市は決議した。そうするとカリフオルニアくらいしかないこの小さい日本は、どこもここもローマ法皇のヴアチカン宮殿みたいになつてしまう。一体これはどうなるか。これをまず鈴木さんに聞きたい。忌憚なき意見をおつしやつていただきたい。共存共栄です。大都市のみ発展して行つて、そうして農村は疲弊して行く。こうしたことにはわれわれは絶対反対です。もしそんなことになつたら、私はほんとうになぐり込みをやる、どうだ。承知せぬ。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 ただいまのお尋ねにお答えいたします。感想を述べろということでございますが、結局大石さんの今るるお述べになりましたことは、都市と農村あるいは大都市とその周辺の町村というようなものとの間の共存共栄をはかれというような趣旨の御意見であつたように拜聴いたしました。この町村合併促進法案と、そのお考えとの関係でございますが、私どもこの法案を拝見いたしましたところでは、ただいま大石さんのお述べになりましたような考え方を、この法案の上にどういうふうに現わすかという点をお尋ねになつたと思うのでございますが、参議院の案におきましては、人口五万ないし十万の都市というところで一応の区切りをいたしておられるようであります。この点をいかようにお定めになるかというようなことが、ただいまの問題に関連があると思うのでございますけれども、しかし大都市の問題は、必ずしも町村合併促進というような見地のみの問題ではなくて、やはりもつと大きな立場から、全体の制度をいかように持つて行くかというふうに考えて行かなければならぬと思うのでございまして、政府といたしましては、いつも月並のことを申し上げるようでございますけれども、ただいま地方制度調査会にこの点につきましても答申を求めておる次第でございまして、それによつて処置をいたしたいというふうに考えておる次第であります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 まあ鈴木さんは、はつきういうと、自分が困るから言えぬのは私は無理ないと思いますが、一体この小委員会の人は、私は加藤先生に間奏たいのですが、もう一ぺん私の納得の行くように、小委員会でどういうふうにきめてくださいましたか、教えてください。私ちよつと納得が行かぬのです。報告があつたけれども、私は納得が行かぬ。納得が行かぬうちは賛成することはできない。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 大石委員にお答えいたしまするが、ただいま地方自治庁の次長から言われましたことく、制度そのものの改廃の前提的含みがあつて、われわれがこの法律を審議しているわけじやないのでございまして、法律は額面通りに受取つていただきたい、こう思つております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それではこれを額面通りにするのでしたら、小さいところは八千以上の住民を有するものを最低の標準として、それ以上は幾らでもいい、最高の方は押えない。これは一体どういうふうに——これがわからぬのです。たとえば京都市がある。京都市がだんだん大きくなつて京都府というものがなくなる。私は京都府に住んでおりますから、ほんとうにこの問題を心配するのです。これはどうなるのですか。最低ばかり示して最高をきめておらぬ。これが私には納得が行かぬ。それなら大阪なら大阪に布施も一緒になる、どれも一緒になる、そうしたら大阪市というものは尨大になるけれども、大阪府というものはなくなる。それならもつと日本の根本を——沖縄を除いて三府四十二県の根本を改正するなら私は筋道がわかる。けれどもこれはどういうふうになつておるか、これが私は納得が行かぬ。それを加藤先生教えてください。教えてもらわぬとわからぬ。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 ただいまの問題は、衆議院の小委員会の方で問題にするべき問題ではないので——問題にすることもできるわけでありますが、主として法律提案者の方に御質問いただきたいのであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 提案者もたいへんですね。あまり聞くのも気の毒だし……。それでは参議院の方に聞きますけれども、一体この衆議院の小委員会の研究事項をごらんになりまして、あなたはどういうふうにお考えになりましたか。はなはだ御迷惑でお気の毒ですけれども、ちよつと聞かせてください。これは私の府県にとつて重大問題です。

石村幸作自由党

○石村参議院議員 最小限度の基準が八千という規定を置いて最高がない、こう劈頭お尋ねのようでありますが、八千というのは、先ほど参議院の館委員からるる御説明がありました通りでありまして、おおむね人口八千を最低の基準と押えたわけであります。そこで上がとめどがないじやないか、こうおつしやいますが、この条文で見ますと、上が何ら書いてありません。しかしこれは町村としましては最低を押えれば、上はたとえば三万が四万、五万となれば自然これは市と相なることと存じます。そこでまた三万なり五万なりというような町村があつてもかまわないのでありまして、そこで上は押えてありませんが、たしか三十四条ですかに、この市の準用の規定ができております。これは最初参議院におきまして、五万までの市にこれを準用する。要するにこれを第三条と関連すれば、最低が八千の基準であつて、上は五万までの市にこれを準用させる。つまり人口八千から五万までの町村及び市に、この法案が当てはまるわけであります。しかしいろいろな声もありますし、また実情をいろいろ調査いたしましたり、その他の理由によりまして五万といたしましたが、なお五万から十万未満の市につきましては、一つの線を引いて、この法律を準用することにいたしたのでありまして、参議院の原案といいますか、提案者といたしましては最低八千、最高十万、こういうことに要約されるわけであります。そこで大石委員のお言葉の中に、衆議院における小委員会の案として云々とございましたが、まだ参議院の私どもといたしましては、衆議院の小委員会の御検討になつておられるその過程の中では、いろいろの案を御検討になつておられるということも聞き及んでおりますが、まだ具体的にはつきり正式には承つていないのでありまして、おそらくこの一両日といいますか、数時間といいますかのうちに、衆議院の皆さんと参議院の私ども委員会と御懇談的に御協議をする機会が与えられるのじやないか、こう考えております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 重ねて参議院のお二人さんにお願いしますが、この問題はどうも特市に関連を持つ重大な問題である。これはさつき言うた通り一つの革命です。そう簡単に町村が合併するものではないのです。そこにはいろいろ財産の問題もあるし、それからここもあと三日になつて、その三日の間に一瀉千里にやろうと思つても。それは無理です。これは継続審議にしてやるのがほんとうです。これは慎重審議を要する重大な問題です。私はこれを称して無血革命と言いたい。  私は中井さんにお願いします。こんな問題をあと三日か四日で、一瀉千里にやろうといつてもこれは無理です。私はまだ納得の行かぬ点が多々あります。現在これを強硬になさるなら、私もまた考えがあります。それを私は最後につけ加えておく。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 ちよつと提案者に伺いたいのですが、第二十九条におきまして、合併いたします場合におきましては、法令及び予算の範囲内におきまして、財政的の援助を優先的に取扱うことになつておりますが、この予算の範囲内というのは、特別に合併のためにきめられたところの予算の範囲内であると思いますが、さようでありますか、あるいは一般の予算の執行上におきまして、優先的に使うという意味でありますか、その点明らかにしていただきたいと思います。二十九条の一行目の「法令及び予算の範囲内」というところです。

石村幸作自由党

○石村参議院議員 これは、ここの各項に列記してあります事業それぞれの所管省がございますので、その各省の持つております予算の範囲内と心得ております。同時にもちろんこれが初年度におきましては、まだこの法案が通つておりませんのでそのままでありますが、この法律案が成立いたしましたならば、その次からの年度におきましては、先ほど、青木政務次官の言明されたように、これがいろいろと各所管省にも勘案されて、予算を組み入れられていただきたいことを、われわれは希望するものであります。

床次徳二改進党

○床次委員 私、先ほど青木政務次官の御答弁のときに不在いたしまして、はなはだ失礼いたしたのでありますが、ただこれを明瞭にしておきませんと、一般の市町村の事業に非常に迷惑をかける、たとえば学校の校舎の改築その他におきまして、文部省が持つております普通の予算の範囲内でありまして特に合併町村に優先いたしますれば、合併いたさない地方は非常に迷惑をいたす点があります。従つて予算面におきまして、合併町村のいわゆる奨励分といたしまして特にその項目をわけて予算をおとりいただくならば、まことに法案の趣旨はけつこうだと思う。この点明らかにしていただきたいと思うのですが、別個でもつてこれをおとりになる御趣旨に青木政務次官が御答弁になつたと了解してよろしゆうございますか。

青木正自由党自治政務次官

○青木(正)政府委員 自治庁といたしましては、先ほど申しましたように適正規模の町村をできるだけ早い機会につくつていただきたいという点におきましては、まつたくこの法律がねらうところに同感の意を表しております。従いましてこの法案が可決されましたならば、この法律の趣旨を実現できるように、予算の点については最善の努力を払いたい、かように考えておる次第であります。しからば具体的にどういう予算を組むかということになりますと、この法案が成立し効力を発生すると同時に、いろいろ協議する面がありますので、ここで具体的にどうということは申し上げかねますが、この法律の趣旨を実現できるように最善の努力を払つて、そして予算を組みたいと考えます。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの御答弁は御趣旨はまことにごもつともでありますが、実際問題として非常に大きな問題がある、先ほどの御答弁の趣旨はわかりますが、一般の予算の中にこれが一緒に混同して入つておりますと、これはなかなか周囲で迷惑するところがある、あるいは合併いたします場合に、非常に有利でございますが、そうでないところが迷惑をするのではないかということをおそれておるのでありまして、これは当然別個にとつていただくべきものだ、私は二十九条をそういうように解釈しております。御答弁もそういう趣旨だと思いますが、そうでなかつた場合には非常に困ることがありますので、念を押して申し上げておく次第であります。

青木正自由党自治政務次官

○青木(正)政府委員 私どもの考え方も、町村合併促進のために、それ以外の町村の方に迷惑をかけるというような考え方でなしに、合併を促進するために、他の町村に迷惑をかけることなしに、別個に合併する町村のために予算措置も講じたい、かように考えております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 ちよつと床次さんに申し上げますが、ただいま御質問の点は、非常に重要な問題だと思うのです。つきましてはこの際大蔵大臣の出席を求めて、その点につき政府の心構えを声明させるようにせられたらいかがでしよう。

床次徳二改進党

○床次委員 けつこうでございます。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 それではただちに大蔵大臣の出席を求めましよう。なおこの機会にあわせて塚田自治庁長官の出席も求めたいと思いますが、いかがでしよう。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 それではただちに大蔵大臣と塚田自治庁長官の出席を求めるから、すぐ呼んで来てください。

床次徳二改進党

○床次委員 もう二、三お願いします。  次に第三十三条の合併措置に対する知事が処分を行わなかつたときの救済手段であります。この取扱いは本法における特別な例であるというふうに考えられるのでありますが、提案者のお考えにおきましては、将来合併というものに対しましては、この三十三条のごとき趣旨が一般的に行われるということに対して、やはりしかるべきものとお考えになつておられるかどうかを承りたいと思います。

館哲二緑風会

○館参議院議員 私どもはこの中に入れました際の考え方は、合併促進の場合だけを実は考えて入れたのででざいますが、しかし他の場合におきましても、これは私は適用して行つていいじやないかというように考えております。

床次徳二改進党

○床次委員 次に第三十七条でありますが、先ほど大石委員からもお話があつたのでありまするが、この市の制限が一応加えられておりますが、もしも一つの市が、たとえば十万以上の市が人口八千以下の貧弱町村を合併いたしまする場合には、やはり当然本法の趣旨によりまするならば、これを同じように取扱つていいのではないかというように考えられますが、かかるものは今のところは認められないように思われるのであります。これは当然その範囲においては認めてもいいじやないかという感じがあるのでありますが、提案者はいかがお考えでありますか。

館哲二緑風会

○館参議院議員 この五万、十万というのは、見方によりましていろいろな御意見もあろうと思います。また実際の例から言いまして、今御指摘のような十万をわずかに越えたというようなところで、他のものを合併しなければならないという実情もあろうかと思いますが、ただあまりこれが範囲が大きくなつて行き、人口についてどこかで区切りをしなければならぬということを考えますれば、一応五万を原則として十万の程度でとめるのがいいじやないかという意味で加えたのであります。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの御答弁によりまして、一応提出者におかれましては市町村の合併と申しますか、合併の成立しました以後の日本の地方団体のあり方は、大体中都市くらいのところを標準にしておられるじやないか。いわゆる過大都市というものを好んでおられないように見えるのでありますが、さような趣旨に考えてよろしゆうございますか。

館哲二緑風会

○館参議院議員 今御質問の通りに、実はあまり人口が一つのところに集中するという傾向は、かえつておもしろくないのじやないか、中小都市程度が適当だという考え方を私ども持つておりまして、そこでこの人口の押え方をこれをどのところに持つて行くかということで、この十万という程度に持つて来たわけであります。ただ十万から上になりますれば、都市としても相当な実力を持つている都市になりますし、お話のあつたように合併をする必要がある場合でも、都市自体に相当な魅力がありますので、その近辺の町村を合併するのには、特別な処置をとらなくても合併が進むのじやないかということを考えましたので、一応はこの程度にいたしたわけでございます。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 念のために提案者にお伺いをしておきますけれども、この合併促進法の第一条は、人口やその他の規模が非常に小さな町村であるから、その運営がうまく行かないというような弱小町村を整理するということだけが目的であるのか、それともこの合併促進法によつて合併が促進された結果から見て、町村と名前のつく地方団体の規模の大きさが、大体平均化されることを予想しておられるのですが、その点まず第一番目にお尋ねしたいと思います。

館哲二緑風会

○館参議院議員 私どもの考え方といたしましては、あまり弱小な町村というのは現在立つて行く上において、財政的な面からいいましても非常に合理的じやない、人口におきましても、面積においても、相当な程度にまとまつたものにならなければ、町村としての力を持ち得ないということを考えまして、そこで人口を大体八千というところに基準を置いて、合併を進めて行つたらどうかということを考えました。ただそこの地勢にもよります。またいろいろ交通の状況にもよります。それらによつて人口の上におきましても、面積の上におきましても、いろいろな形体ができて来ると思うのであります。必ずしもそれが均一された人口、面積であるということも期待するわけではないのであります。ただ町村としましてよくその住民の福祉を増進して行くことのできる規模であるということがねらいであります。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 そういたしますと、ただいま私がお尋ねしました、弱小町村の整理ということだけが目的でございまして、この法律によつて合併が促進されて、二年か三年後にできました町村の間におきまして、町村の規模の大きさが大体平均化することを望むというその副目的の方は、提案者は目ざしておられないというふうに理解してよろしゆうございますね。

館哲二緑風会

○館参議院議員 今お尋ねの点でありますが、今申し上げましたように、住民の福祉を増進する適当な規模で、合併が行われて行くということを、まず第一眼目にいたしております。その結果としてできて来ます町村につきましては、大小あるいは不同があろうとは思うのであります。必ずしもそこに均一であるべきだという考え方を目標にするわけではありません。目標は全体の合併によりまして力が増し、そうして住民の福祉が増進して行くような程度のもので、その結果いろいろな形ができて来るのではないかと思うのであります。あるいはお話のように、その町村の近辺では、相当均一化されるというようなことにもなるかとも考えます。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 大事な質問ですから、かなり詳しくお尋ねしたいのでございますが、二十分ぐらい時間をいただけましようか。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 ちよつと速記をとめて……。     〔速記中止〕

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員長 速記を始めて。  本日はこれをもつて散会いたします。明日は午前十時半より正刻に開きたいと思います。なお明日は大蔵大臣と自治庁長官の出席を要求いたしておきます。  これにて散会いたします。     午後六時五十一分散会

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