地方行政委員会 第11号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/08
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 地方財政法の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とだします。これより質疑に入ります。
○滝井委員 今委員長はたくさん議題に上せましたけれども、一応地方財政法だけに限つて質疑応答をして、それに対する結論を出すようにしていただきたいと思います。
○中井委員長 了承いたしました。それでは地方財政法の一部を改正する法律案につき、審議を進めて参ることにいたします。
○滝井委員 一、二点御質問いたしたいと思いますが、現在地方財政は困窮をきわめております。現在地方における自治体の首長のスローガンは、平衡交付金の獲得と起債のわくの拡充ということであります。おのずから平衡交付金というものは平身低頭交付金になつている。すべての市町村長や知事が、昔のように参観交代をしなければ決定できない。しかも同時にその参観交代には起債のわくを拡充するというスローガンも加わつて来ておるわけです。政府においていわゆる資金運用部の資金で起債を許すというときには、一国の経済政策に非常な関連があることはもちろんですが、これは非常に安い利子で政府が貸付をしておる事業なんですから、ある程度制限を加えることは一応了承ができると思います。しかし一般の市中銀行あるいは一般から公募をやるというようなこういうものまで、なぜ政府が制限をしなければならぬかという、その具体的な理由をお尋ねいたしたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 本年度の地方財政の計画におきましては、御承知のように一般会計において公募債を百十億、それから公営企業の会計におきまして七十億、合せて百八十億の公募債を見込んでおるのであります。この公募債の消化の状況でございますが、これは相当憂慮すべきものがございまして、百八十億の公募債というものは消化の上から申しまして、相当に困難なものでございます。財政計画の中に組み込まれております以上は、地方団体としてはそれだけの公募債が入つて参りませんと、財政のやり繰りができないわけでございまして、私どもといたしましてもできるだけ将来は、地方財政計画に入つて参りまする起債は、政府資金だけにいたして、公募債ということは地方財政計画のわくからはずしたいというふうに考えておるのでございますけれども、本年度におきましては、今申し上げましたような百八十億がわくの中に入つておりますので、その消化については政府としても責任を持つて、各地方団体にこれを振り向け得るようにいたさなければならぬのであります。これには市場公募の分、あるいは地元銀行で引受けてもらう分、両方あるわけでございますが、本年におきましては少くとも八十億程度のものを、市場において公募できるようにいたしたい。残りは大体各府県、大都市等において消化してもらいたい、こういうふうに考えておるのであります。ところが二十七年度におきましては市場で公募いたしましたものは、四十億でございます。その四十億の公募につきまして、毎月五億とか六億程度の市場公募をいたして参つたわけでございますが、これはなかなか市場において消化困難でありまして、本年度はそれの倍額程度を市場公募ということになると、市場公募におきましても非常に困難でございます。それから地方銀行は、御承知の通り地方団体のいろいろの財政の問題もありまして、一時借入金等も非常に多くございますので、地元銀行としてもなかなか引受ける余力がないというところから、公募債の引受けにつきましては、やはり国全体として計画的に事を進め、各地方団体に対して割当てられた公募債が、確実に消化できるようにいたしたいというふうに考えておるわけでありまして、さような見地からやはり公募債につきましても、調整を必要とすると考えております。さような意味で許可制度はなお当分、これを持続して行くのほかはないと考えておる次第であります。
○滝井委員 今の御説明は理論的にはその通りだと考えます。しかしその中で、できる限り起債は政府資金でまかなつて行くようにしたいというお話でございましたが、資金運用部資金というものは、地方の零細な金を集めてできておる。ところがそれが具体的に地方に返つて行くかというと、非常に少ししか返つて行かない。現在地方自治体で起債のわくがとれたということは、何か無償で金をもらつたような感じが出ておる。起債のわくがとれたということで、財政の濫費が行われる傾向が非常に出て来ておる。これは自分たちの地元から零細な金が集まつて中央に行つて、それが自分たちに返つて来たという観念よりも、わくがとれたということ即中央から金をもらつて来たという感じが非常に強く出て来ておる。この点あなた方の方で防止してもらわなければならぬと思いますが、この点についてどういうお考えを持たれておりますか。
○鈴木(俊)政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘の点はまことにごもつともであり、まして何割か起債の許可があつた、政府資金あるいは公募につきましてさえも、公募の許可があつたということは、あたかもそれに相応する平衡交付金あるいは補助金が入つて来たというような錯覚に陥つておる地方が、なきにしもあらずの状態であることは私どもも認めております。これは、先ほども申し上げましたように、地方財政の計画の中に公募債がちやんと入つておるというようなところから、いかにもそれによつて地方財政の収支のバランスが合つておるというところから、公募債の引受けを認められたということは、何か特にそれだけ現金が入つて来たという錯覚を持つておるような状況になつていることは、いなみがたいと思うのであります。かようなことは、何と申しましても起債は借金なのでございますから、現在負担すべきものを後代の住民に残して負担さして行くということでございますから、これは実質においては税金と違わないのでございます。そういう意味で、よほどこれは慎重に考えて行かなければならぬと思います。御指摘のようなことにつきましては、やはりそういう起債の本来の性格というものをはつきりすることによつて、さような錯覚あるいは誤解に陥ることのないように、しなければならぬというふうに思つているのであります。
○滝井委員 今申しますように、起債のわくがとれたところは鬼の首でもとつたような感じを、現在地方自治体のほとんどすべてのものが持つているのであります。そういう感じを持つている地方起債でありますが、現在その起債のわくを戦前の状態とわれわれ比較してみますと、戦前においては大体年三分二厘で五年のすえ置きで、十五箇年くらいの均等還付だつたと思うのです。ところが最近の起債の状態を見ると、非常に条件が悪くなつて来ていることは御存じの通りです。たとえば年九分くらいの、しかもそれも五年か七年の均等還付でやつて、すえ置き期間というものはほとんどないというような状態が、現在では出て来ているわけです。こういう状態ますます、地方自治体が現在財政が苦しいですから、貧弱な市町村ほど、そういうはげしいいわゆる条件の悪い率で借りて来ているわけです。これはもういわゆる地方財政の貧弱なところに、そういう借金をうんと背負い込むことによつて、財政がますます苦しくなるという現状に拍車をかけているような状態でありますが、これについて何か自治庁の方で、そういう貧弱な町村を救うために、起債の面において対策をお持ちであるかどうか、これを聞きたい。
○鈴木(俊)政府委員 公募債の借入れの条件というものが、非常に高くなつている。これは御指摘のように大体利率は八分五厘で五年の償還で、売出しが九十九円五十銭というのが、主として大都市のやつている公募債の条件であります。これは政府資金の借入れの条件に比較いたしますと、やはり政府資金の方は六分五厘で五年すえ置き十五年でございますから、大分違うわけでございまして、かような公募債を御指摘のような一般の市町村に引受けさせるということは、相当無理があると思うのであります。ことに大都市などでございましても、やはり公募債はいわゆる地方性と申しますか、たとえば神戸市の起債でありましても、東京の市場においてはなかなか応募する者がないというので、非常に困難であるわけでございまして、いわんや弱小の町村等に公募債を引受けさせるというような点は、これは非常に困難でございます。ですから結局これは政府資金を市町村の方に、ことに弱小町村にはまわしてやる。公募債というものは大都市、大府県、あるいは少くとも中府県中都市以上のところを目途にして、割当てるようにいたしたいという考え方で、進んでいる次第であります。
○滝井委員 今のちよつと私語があつて、あまりどうもはつきりしなかつたのでありますが、現在非常に償還期間が戦前に比べて短いわけですね。こういうものを、利率の点は一般の金利等の関係もありましようか、償還期間をもう少し1自治体というものは日本の国のある限りはつぶれないものでありますから、もつと危険を分散し、稀釈するという意味において、ずつと後代にまで、その負担を持つてもらうということで、五年か七年というものを、十年か十五年に延ばすということになれば、これは政府資金で借りたにしても、幾分利率が戦前より高いということでも、これは貧弱な市町村あるいは貧弱な県あたりでも、ずつとがまんができるのではないかと思うのです。そういう御意思はありませんでしようか。もつと償還期間を長くする……。
○武岡政府委員 この地方団体の借り入れました資金の償還の問題でございますが、これは今いろいろお話がございましたように公募債、いわゆる一般市場から公募いたしますものと、政府資金をもつて引受けますものとでは、非常に条件が違つて来るわけございます。ただ公募債の方は御承知のように終戦後しばらく中絶いたしておりまして、昨年の、正確に申しますれば二十六年度の末からでございますが、ようやく再開いたしたようなわけでございまして、まだ金額的にも二十六年度、二十七年度合せまして、百三十億のものを計画配分しているという状況でありまして、その借入れ条件等も、これは地方の事情によりまして必ずしも一定いたしておりません。ただ市中公募、証券市場に売り出されたものにつきましては、大体これは発行いたしておりますのが、五大都市及び五大都府県でありますが、こういうところではただいま次長から申されましたように、大体の条件を指定いたしまして、償還方法も約五年くらいの償還ということで、とりあえず出発いたしております。ただそのほかの各団体のやつております縁故募集にかかりますものは、これいろいろ条件が違いますので、非常に資金に困つているところでは、あるいは三年くらいで返すというようなことも、あるいはあると思います。しかし話合いによりましては五年ないし七年、あるいは十年というようなことで、資金の借入れをしている向きも、中にはあるようにも伺つているのであります。これらの公募資金の借入れにつきましても、今後地方財政の状況の推移ともにらみ合せまして、だんだん地方団体にとつて有利と申しますか、財政の実態に即するような借入れ条件にするようにして参らなければならぬということは、われわれも考えているのでありまして、関係の日本銀行あるいはその他の金融機関等とも、いろいろ話合いを進めているわけでございます。そのほかの政府資金の問題につきましては、これは御承知かと思いますが、二十七年度の資金から、従来と若干条件がかわつて参つておりまして、償還期限はその貸付の対象の事業の種類によりまして、いろいろ違つておりますが、たとえば収益事業のようなものは最低五年くらいで償還するようなものもございますが、普通一般会計の事業に充当いたしますようなものにつきましては、短かいもので八年、長いものは二十年というような償還期限になつているわけでございます。ことに学校とかあるいは下水道、鉄筋コンクリートの建築というようなものは、おのずから償還期限等につきましても、それぞれ相当に実情に応じて考慮いたしてございますので、政府資金の方につきましては、さほどの無理は現在のところかかつておらないのじやないか、かように考えております。
○滝井委員 大体わかりましたが、現在二十七年度末において、地方債の保有額は各都道府県七百六十三億くらいになつているようでございますが、一般財源に対して公債の保有割合は平均して三五%くらいであり、しかも貧弱なものは、たとえば徳島とか、島根、高知、宮崎、福井、こういう貧弱な県になりますと、保有率が五割を越えている。はなはだしいところは七割五分も保有しているという状態であります。しかもこれはもうおそらく起債発行の限界が私は来ているのだと思う。しかもそれら府県の地方債の償還額が、毎年八十億から百億円ずつ増加して来ている。こういう状態を見ると、もはや現在地方の団体というものは起債でまかなつており、しかもそれが貧弱なところほど率が高い。こういう状態ならば、もう現在頭打ちでどうにもならないというのが現状じやないかと思うのです。こういう状態で、今のままで起債のわくを拡充するということが、地方自治体の首長における大きな旗じるしです。しかも公選を再度獲得するためには、これを獲得する以外にはないのだということで、現実に自分の台所が火の車であるにかかわらず、なおその火の車を拡大することが、これが首長の手柄であるというような、こういう矛盾したみずから墓穴を掘る状態が、現在起つているわけなんです。この状態は何らかの形で急速に解決しなければ、地方自治体というものがみずから墓穴を掘る形が出て来ると思う。そういう状態は当然これが監督指導の立場にある自治庁としても、何らかの形で打開をしてもらわねばならぬと思いますが、こういう累増するところの起債、しかもその起債のわくというものが限界に来ておる現状において、何か抜本的に解決する方法をお持ちでしようか、御説明願いたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 公債費の増高の傾向につきましての御意見でございますが、私どももその点について相当関心を持つておるのであります。今年度の起債を含めまして二十八年度末におきましては起債の現在高が二千八百五十億になる計算でございます。そういたしますと年間の利子だけで、政府資金の六分五厘という利率をとりましても百八十五億ということになるのであります。これは地方税の税収から申しますと約六%、税及び平衡交付金を合せました一般財源に対する割合は四・三%ということになつております。この数字の判断でございますが、これはそう軽視していいということではないと思うのであります。しかし税収の一割ぐらいの程度まではあるいは起債の額をまだ認めて行つてもいいのではないかというふうに考えでおりますけれども、しかしかような段階になつて参りますと、起債につきましてはやはりほんとうに起債を必要とする事情があつてしかも起債を適当とする事業であるというようなことを相当見て、あまり安易に起債にはけ口を求めるということは、適当じやないのではないかというふうに考えておるのであります。
○滝井委員 起債の必要なものは認めてもいいじやないか、現在の情勢は私の心配するほど——当局の方の説明は割合楽観をしておるようでありますが、私はとにかく現在起債をとるということは、やはり中央に行かなければとれないという感じが強いために、何とでもして、とにかくわくを拡張しようという傾向が非常に強い。そこで現在こういう要求というものにある程度のわくをはめないで、もつと緩和してやつて、そうして中央にまで上つて来て起債のわくをもらうのじやなくて、地方の自治体の一番実情を知つておる府県知事に起債のわくや、平衡交付金をおまかせする、そうして各府県に対する大まかなわくを自治庁で握つて、県にある程度のわくを割当てたら、それから先はそこの知事なりにまかして行くという形の方がいいんじやないか。あるいは現在の知事も公選ですから、地方のどの市に情実的にうんとやるということはほとんどできない。もしそうすれば知事というものは必ずリコールを受けたり、あるいは見限られたりしてしまうわけですから、従つてわくを知事にまかせて知事がやるという方が、東京に上つて来る参観交代の経費も省けますし、地方自治体の、憲法にいう本旨にかなつた方法が行えるのじやないかと思うのですが、そういう点自治庁はどうお考えです。
○鈴木(俊)政府委員 市町村の起債の許可権は五大市を除きまして、現在都道府県知事にあるのであります。ただ全体の資金の計画、地方財政計画のわくから申しまして、大蔵省との折衝を必要とするものでございますから、そういう関係で年々の起債の全体の計画を立て、それに対して各府県にどれだけわくを割当てるかということをきめておるわけでございます。府県と五大市につきましては、これは自治庁が直接いたすのでございますが、その他の起債につきましてはそういう建前になつております。ことに老朽危険校舎というような教育関係の起債につきましては、やはり一定の基準によりましてわくを府県に割当てまして、具体的にどの校舎にその起債を割当てるかということは、まつたく府県当局にまかしておるという実情でございます。
○滝井委員 五大市以外は府県におまかせするということですが、現実に続続やはり東京に上つて来ているわけです。これはやはり府県だけではどうも用を足せない、それだけの知事に権限がないということを地方が知つているために、自治庁に参観交代しておるわけです。今御言明の通り、今後はできる限りその府県の自主性、いわゆる自治の本旨に基くような方向で、起債あるいは平衡交付金をやつていただくようにお願いいたします。 それから一つお願いをいたしたいのでございますが、地方債の借入れ先別の現在高を、できればあとで資料を御提出を願いたいと思います。 それから公募と政府資金の割合なのですが、今年普通会計九百二十八億円の起債のわくがありますが、公募と政府資金の割合を府県市町村別にこまかく説明をしてくださいませんか。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの起債の資金別の内訳、それから府県市町村への配分、これにつきましては今の御要求の資料を至急に提出いたしたいと思います。
○大矢委員 今起債について府県知事に一任せよということでありますが、私はそれは疑義があると思う。府県の地方間に政治力の強い町村というものは非常に有利な地位にある。政治性の弱いところでは絶えず圧迫を受けておるので、これは自治法の二百二十六条で議決を経ればただちに受けることができる、但し二百五十条にある一定の制限を加えている。原則とすれば地方議会で議決して決定すれば、ただちにそれが受けられるということですが、しかしそれは国会全体のいろいろな関係からして、特にこの法律ができた当時、戦後の経済界の混乱があつて、インフレを防止するためにこの二百五十条がきでたのだと思う。あくまでも自治を尊重する意味から、原則的にはその自治団体で決定した起債そのものは原則としてするべきである。もしそれが非常な不当のものであれば、四年後のあるいはまたその後に行われる町村長の選挙、あるいは議会の議員選挙において批判するのでありますが、あくまでも自主的にこれをなすならば、府県の知事にその権限を許すということは、はなはだ自治の侵害だと思う。最近自治というものが府県を中心としたいわゆる昔のようなものに帰ろうとする傾向がある。私はあくまでも町村というものが自治の基礎でなければならぬと思う。府県は単なる連絡機関であるというふうに考えているが、しかし独立後のしばしばの改正法案なり政府の意図するところは、どうも府県を中心にものを行おうとするいわゆる戦前に帰ろうとする傾向が非常に強いのです。これは起債の面でもそういうことですが、私はむしろ逆にこの二百二十六条に規定した、これを現実に生かすべきではないか、すでにそういう時期が来ておるのではないか。この施行令の百七十四条の但書に規定をした当時の事情とは非常に異なつておる。私はむしろ今のとは反対なんです。その点について自治庁にひとつお伺いをいたしたい。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの大矢委員の御意見でございますが、起債の許可権は、御指摘の地方自治法の二百五十条並びに地方自治法の施行令の百七十四条によりまして運用されておるわけでございまして、府県の起債及び五大市の起債以外は、先ほど申し上げましたように府県知事が許可する、こういうことになつておるのであります。ただ中央に対する関係は、知事が許可するにあたりまして、地方財政計画並びに資金の全体の計画との関連がございますので、中央の承認を得たわくの中で許可する、こういうことになつておるわけであります。その場合にただいま大矢先生の御心配は、府県知事と市町村との関係において、必ずしも適切なる運営が行われないおそれがないかという御心配だろうと思いますが、そういうことがありませんように、私どもの方といたしましても、できるだけ配慮をいたしておりまするし、全体の計画を立てまする際におきまして、先ほどちよつと申し上げました義務教育あるいは公共の災害、公共事業関係の起債といつたような政府が補助金を出しまして、それに見合つて地方の起債をしなければならないという分につきましては、これは一定の率で、地方に一定のわくを配分いたしまするが、いわゆる単独事業の起債等につきましては、やはり今日の状況といたしましては、具体的にある程度の内容を審査をいたしております。それによつて手続はなるべく複雑にならぬ方がいいと思うのでありますけれども、同時に反面真に緊急度の高いものに起債を振り向ける。ことに財政計画の中に起債のわくが見込まれておる現在においては、さようなことが必要であるという考え方から、中央においてある程度の調整を加えたものに基いて、知事が許可をする、こういうことになつておるのでございまして、さほど心配はないというふうに考えておる次第でございます。
○大矢委員 具体的にたとえば六十年、七十年たつような老朽校舎がある。そこは補助金を与える。今度公債を発行するにあたつて、二百五十条によると一当分の間は都道府県知事の許可を得なければならぬ。許可する場合には、それを出したら、その県の割当の公債から少くなるから、それを翌年度に送るというようなことに立ち至る。当然補助を受けるべき資格がある老朽校舎を改築しようとしても、県が自分のところの政治力の強い方にまわさなければならぬ。そこでそれを出すことを拒むことになる。これはむしろ県知事の許可を必要としないならば、ただちに補助を受けられるような公共の施設であるから、すぐ中央に向つて申請すればいい。今申しましたように府県知事を経由するがだめに、絶えず除外を受けるというような傾向がしばしばある。そういう場合に弊害がありますから、この法律にもそういう自主性を非常に尊重するために、「当分の間、政令の定めるところにより、自治庁長官又は都道府県知事の許可を受けなければならない。」「当分の間」ですから、もうこのときにははずしてもいいじやないかと思うのですが、そういう場合には直接補助の対象になつておるのですから、現にそれを受付けない場合などには、自治庁長官または都道府県知事の許可を得なければならぬと書いてあるから、自治庁の長官に直接出した場合に考慮されるのかどうか。
○鈴木(俊)政府委員 これは政令並びに総理府及び大蔵省令によりまして、今の市町村の関係は都道府県知事の許可を受けるというふうに、施行の手続の上でなつておるのであります。従つて許可権は現在法律上は知事にあるということになつておるのであります。しかし御心配のような点につきましては、われわれといたしましても、運用上十分注意いたしたいと考えます。
○中井委員長 ほかに地方財政法の一部を改正する法律案につき、御質疑がございませんか。 〔「質疑なし」と呼ぶ者あり]
○中井委員長 それでは質疑は終了したりと認めます。 —————————————
○中井委員長 それでは次に、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案につき、質疑を続行いたします。政府委員から本法案につき、逐条的に御説明を進められんことを望みます。
○武岡政府委員 それでは地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案の内容につきまして、御説明を申し上げます。 この改正法律案の改正の第一は、法律、第十二条に規定いたしております単位費用並びに測定単位を改正しようとするものでございます。まず測定単位の改正でございますが、その第一は、港湾費にかかるものでございます。現在は港湾費の測定単位といたしましては、船舶の出入トン数というものを用いて参つておつたのでございますが、実際に実施をいたして参りました結果から、その実績にかんがみまして、この測定単位が港湾費の財政需要額を測定するものとして、必ずしも適当でないということがわかりましたので、今回これを改めまして、その港湾における繋船岸の延長並びに防波堤の延長によりまして、測定せんとするものでございます。かように改めました方が、実際各団体で必要といたします港湾費の現実の財政需要額というものを測定いたすのに、より適切であると、かように考えた次第でございます。 それから測定単位の改正の第二点は、社会福祉費にかかるものでございます。社会福祉費の測定単位につきましては、従来人口のほか、当分の間の処置といたしまして、附則におきまして、児童福祉施設入所者数並びに被生活保護者数を用いまして、それぞれ児童保護措置費及び生活保護費を測定することといたしておつたのであります。しかしながら経費をあまり細分して測定することになりますと、とかくこの平衡交付金の本質でありますところの一般財源という観念から離れまして、財源をとかくひもつきに見るような傾向を生じがちでございますので、今回におきましては、かような附則でとりあえず認めておりましたものを、その特例を廃止して、人口一本で測定して行きたい、かように考えておるのでございます。 その次は公債費にかかるものでございます。従来この関係の経費は、災害復旧費を、名目は公債費ということで測定をいたしておつたのでございますが、公債費ということにいたしますと、とかく名称から一般的な事業に充当いたしました起債の元利償還金をも、これの中に含むような印象を持たれがちでございますので、今回これをその実体に即しまして、災害復旧費と改めたいのであります。そういたしまして、この報告によつて測定いたしますものは、国の補助を受けて実施をいたしました災害復旧に充当いたした地方債の元利償還金を見て行く、かように改めたいと存ずるのであります。以上が測定単位の改正のおもな内容でございます。 その次は、同じく十二条の中で、各測定単位の単位費用を改めようとするものでございますが、今回改正しようといたしております単位費用と、従来の単位費用との比較につきましては、別途資料で対照表を示しておりますので、ごらんをいただきたいと存ずるのでありますが、この改正のおもなる内容は、一つには本年度から義務教育費の半額国庫負担制度が実施せられましたこと、また児童福祉費の八割国庫負担が実施せられることになりましたので、それぞれ従来平衡交付金の配分の基礎といたしまして測定いたしておりました基準財政需要額の中からこれらに相当いたします額を減額いたさなければなりませんので、これに伴つて単位費用を改正する必要があるわけでございます。 その次は、給与改訂に伴いまして単位費用の改訂を要するのでございます。これは昨年の十一月から行われました給与改訂の結果、単位費用算定の基礎にいたしております標準的な団体または施設に配置されるものとしております職員の給与に関する経費がかわつて参りますので、それに伴つて単位費用の計算がかわつて参るのであります。これを取入れまして単位費用の改訂を行おうとするものであります。 その次は恩給費の関係でございますが、従来この恩給費の測定は各行政項目に配置されております職員につきまして、それぞれの各経費ごとに所要の恩給費を算入しておつたのでございましたが、地方団体では、この種の経費は、団体の経費としては一括して経理をいたしておる関係から、基準財政需要額の算定におきましても、その実体に合せまして、警察、消防費あるいは教育費というものを除きまして、これらを一切「その他の行政費」のうちの「その他の諸費」という単位費用の中に一括算入した方が適当であると考えまして、かように改めようとするものであります。 いま一つは、各種の法令の制定改廃その他に伴つて改訂を要するものであります。すなわち産業経済費の関係におきましては、石油関係の資材統制の撤廃によりまして、この関係の経費が不要になつて参る、また市町村教育委員会に要します経費の平年度の所要額を算入いたしますために「その他教育費」の所要額を増して行かなければならない、かような関係から改正をしようとするものであります。大体以上のような理由によりまして、それぞれ単位費用の計算をいたしまして、この法案のように改正をしようとするものであります。 その次は第十四条の基準財政収入額の算定方法の改正であります。これは、その一つは、従来は基準財政収入額は、法律の定めるところによりまして、基準税率をもつて算定した当該地方団体の普通税の収入見込額とするということで、その基準税率は府県市町村を通じまして、標準税率の百分の七十というものを目安にして測定をいたしておつたのでございますが、そのうち府県分の基準財政収入額につきまして、これを標準税率の百分の七十から百分の八十に引上げようといたすものであります。普通交付金の算定に用いております基準財政需要額は、特別交付金及び地方税の収入の中から、基準財政収入額に相当するもの以外のものを財源とする部分を除きまして算定をいたしております関係から、給与その他の義務的な経費につきましても、財政需要の中に見込みますところの額というものは、地方財政計画の中に見込んでおりますものを若干圧縮をいたしまして、計算をいたしておるのであります。具体的に申しますれば、義務教育職員の給与関係の経費等につきまして、従来見ておりましたのは、大体その八八%程度、これは各種の費目から申しますれば、最も多く見ておるものでありますが、それでもその程度であつたのであります。そこで今回は、この基準財政需要額に当てらるべき財源であります基準財政収入額を従来の七〇%から八〇%に増額をいたします反面におきまして、この種の義務的な経費は、地方財政計画の中に算入されておりますものと、大体同額のものを基準財政需要額として算定をすることによりまして、すべての各府県に対する財源保障の程度を厚くして行きたい、かような考えをもつてこの改正を計画いたしております。 それからいま一つは、市町村民税の所得割に関します基準財政収入額の算定方法に関する規定を設けようとするものであります。市町村にかかる基準財政収入額は、法定普通税につきまして、標準税率の七〇%、すなわち基準税率で算定をいたしました見込額でありますが、そのうち個人に対する市町村民税にかかる所得割でありますが、所得割につきましては、この現行法におきましては、税法上課税方式の選択が許されておりますが、その基準財政収入額の算定におきましては、所得税額を課税標準とし、その標準税率百分の十八という規定がございますので、これを用いて算定いたしておつたわけであります。しかしながら今回別途御審議をいただいております地方税法の改正法案によりますと、この種の標準税率が削除されることになりますので、この平衡交付金の項の中に基準財政収入額算定の際に用いる課税標準を所得税額とし、その税率を百分の十八とすするということをあらためて規定る必要が生じて参つたのでございます。その点を改正いたしたいと考えておるのでございます。 なお附則につきまして若干の改正がございますが、附則の第二項は先ほど申し上げました測定単位の特例でありまして、これは廃止いたしたいというために、この附則第二項を削除しようとするものでございます。それに伴いまして附則第三項を第二項とする、かように改正いたそうとするものでございます。 大体内容は以上申し上げた通りでございます。
○門司委員 これと非常に関連を持つておる問題で聞いておきたいと思いますことは、測定単位の問題でありますが、道路費の問題であります。これは道路の面積だけが書かれておるのであつて、利用率がちつとも書かれていない。従つてかなり不都合が実は起るわけであります。一例をあげてみますと、河川の砂利の採取というようなものは、大体場所がきまつておるのであります。そこから搬出される道路というものも大体きまつておる。従つてそこは道路が非常に悪くなるのでありまして、町村としてはその修理にかなりたくさんの金を使つている。ところが例の道路法の四十九条から考えてみると、結局従来の道路損傷負担金がとれなくなつておる。そこでそこを通る自動車に、これを今までのようにかけるわけには参らぬのであります。そうすると、それはどうしても村費あるいは町費でまかなつて参らなければならぬ。そうなつて参りますと、平衡交付金の測定単位の方では、そういうものはちつとも見ていない。そういう場所は道路の改修に非常にたくさんの金を使つているが、道路法が改正された関係から、自動車から金をとるわけには行かないので非常に困つておる。従つてそれならこれをどこに持つて行くかということになれば、全然持つていけないわけではないのでありまして、たとえば自治法の二百十七条か何かに規定してある例の特別の条項を無理にこじつけて議決をし、さらに関係あるものから聴聞会を開いて意見を聞き、これをとることができろというように持つて行けば、あるいは持つて行ける可能性はある、全然ないわけじやない、そういうことの手続をとる以外には、大体この問題の解決はつかぬと思う。そこで問題になつて参りますのは、そういう手続をとつて参りますと、勢いこれは地方の独立税のような形が生れて来る。そこでそういう手続をしても分担金を取る方が便利なのか。あるいは通行税のような新しい地方の独立税を創設することがいいのか、こういう結論になるわけであります。もし町村で特別のそういう独立税を申請して来ることが、私はあると思うのだが、そういう場合には、一体自治庁はこれを認める御意思があるかどうかということを、この機会に伺つておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの御指摘の点は、たとえば東京の近県の、神奈川とかあるいは埼玉というようなところで、本来そこの住民でないような、東京なり、あるいは他の府県の人がそこを通りますために、道路が非常に破壊される。その修繕の経費が相当いるにかかわらず、この測定単位は道路の面積ということになつているので、その辺のことが十分反映しないのではないかというような御趣旨から、そういう場合に応ずる方法として、分担金なり、あるいは地方税法に基く不均一の一部課税といいますか、そういうようなものを考えられないかというような点にわたつての御質問だと思いますが、この道路の面積というのは、一応の測定単位でやるわけでございまして、その内容はやはり道路の維持、修繕あるいは道路の新設、改良というようなものを、道路の面積によつて測定をし、道路の面積当りの単位費用を出して計算する、こういうわけでございますから、一般的な、特別にある団体において特に損害、破壊の程度がはなはだしいという場合には、これはどうも平衡交付金の建前としては、そこまで具体的に適切に見るということは困難であろうと思います。ですからそれに応ずる方法として、そういう団体で、さような特別の経費を一体どの程度要するかという対象を、はつきりつかむことがまず必要であろうかと思いますが、分担金にいたしましても、結局これはその住民を基礎にしてとるものでございますから、他府県あるいは他市町村から参りますものについて分担金を課するということは、やはりなかなかむずかしいのではないか、そこにおるものでないとむずかしいのではないかと思いますし、税につきましても、その点はやはり同様だと思いますので、今の御指摘のような場合におきましては、どうも今の制度としては、もし見得るものならば、特別平衡交付金のようなもので見るよりほかないと思いますが、これはやはりどの程度一体経費を必要とするかということの見方が、非常にむずかしいわけでございます。なお今後の研究にまつほかないというふうに考えるのであります。
○門司委員 もう一つつつ込んで聞いておきたいと思いますが、法律の建前から行けば、分担金ということになつておりまして、自治法を適用しても、分担金以上には出ない、それで私がさつき申し上げましたように、分担金の制度でなくて、通行税のような新らしい独立税を起すということの方が適切だと思う、自動車一台通つたら幾ら置いて行けという方が、かえつてこれならはつきりすると思う、そういう特別の税種目を起した場合に、自治庁は一体それを認可される御意思があるかどうか。
○鈴木(俊)政府委員 法定外普通税として、通行税あるいは交通税のようなものを起して、通行する車なりあるいは自動車なりから、一定のものをとるというのは、なるほど一つの方法ではありますが、法定外普通税の許可の基準の中に、たしか内国関税的なものについては許可してはならぬという意味の、今文句ははつきり覚えておりませんが、そういう趣旨の表現があつたと思うのであります。そういう点から、なお若干研究を要すると思いますが、一つの問題として今後もなお検討してみたいと思います。
○床次委員 この機会にお尋ねいたしたいと思いますが、この測定単位に関しましては、当局もいろいろ苦心されておると思いますが、なお各地方団体ではいろいろの希望を言つて来ておると思うのです。希望の著しきものを取上げられて改正せられておると思いますが、実はこれら地方では影響するところがすこぶる大きい、どういうような点について、地方の実際の希望があるかということについて、大体のお話を承つておくと、私どもとしては非常に審議に参考になると思う、なお今後研究してやりたいということもあるのじやないかと思います。これは次会でよろしうございますが、おもな問題について、今まで各地方団体から自治庁当局へ希望のありました事柄がわかりましたら、お知らせいただきたいと思います。一例として申し上げますと、たとえば漁港のごときもの、これでいいますると、たしか人口か何かで出ていると思いますが、実は小さい村ほど漁港の負担が大きいという実情になつておるので、実情に沿わないという意見も聞いておるのであります。実際にやつてみて一、二年の経験でありまするから、そろそろいろいろな現像がおわかりだと思いますが、おわかりになつた範囲につきまして、適当な機会に御説明いただきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 平衡交付金の単位費用、あるいは測定単位を変更いたします結果といたしまして、やはり地方団体に相当大きな影響を与えるものでありますから、これは要望があつたからといつてすぐ十分な研究をいたしましても、これをかえるということについては、またかえることに伴う一面の欠点が出て来ると思うのであります。そういうわけで今回改正しましたのは、先ほど財政部長から申しましたように、給与の関係でありますとか、義務教育の関係でありますとか、法令なり国の予算を伴つて当然にかえなければならないものが主体でございますが、たとえば港湾費の測定単位をかえた、船舶出入トン数から繋船岸の延長であるとか、防波堤の延長というようなものにかえたというのは、これは地方の要望に沿つた改正でございます。今御指摘の漁港についての問題でありますが、これは現在一般の港湾と違いまして、特に明確な原簿といいますか、台帳がございませんので、従つてよるべき客観的な資料がないということで、特に考えておりませんけれども、かようなものにつきましては、やはり特別交付金等において考えるほかはない。やはり普通交付金の一般の測定単位に入れまするものは、普遍的に存在するようなもので、しかも資料が当該団体の悪意によらずして、客観的に定まつているものを使うようにいたしたいというふうに考えているわけであります。
○中井委員長 他に御質疑はございませんか。それでは、次会は明日午前十時より開会いたします。 本日はこの程度で散会いたします。 午後一時五分散会