地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/07/02
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 消防施設強化促進法案を議題として質疑を続行いたします。質疑の通告がございますから、順次これを許します。門司亮君。
○門司委員 まず最初に私が聞いておきたいと思いますことは、損害保険の中で特に火災保険に関する全国の実態は、どういう形になつておるかということを、一応聞いておきたいと思います。その内容は、大都市、中都市さらに町村別の、総世帯あるいは建物に対する加入の率、契約の金額あるいは保険契約の各地の平均別というものがおわかりでしたら、お答え願いたいと思います。
○狩谷説明員 ただいま御質問になりました点について詳細な資料をただいま手元に持つておりませんが、私の記憶する限り概略のことを申し上げておきたいと思います。 御質問の点の火災保険の現在の普及状況については、戦前と比較してかなり、低水準にあるのではないかと考えております。二十八年三月末の契約の普及状況等については、まだ決算の数字がようやく確定した程度でございまして、細目にわたる調査については全然できておりませんので、二十七年度末の状況はわかりかねますが、先般二十六年度の状況について調査した数字はございます。しかし、今日手元に持つておりませんので、はつきりしたことは申しかねますが、大体全国的に申しまして世帯数に対する火災保険契約の件数の比率をとつてみますと、大体二〇%前後の数字が出るのじやないかと考えております。ただ、世帯数を分母とし、契約件数を分子にして比率をとつてみましても、実を申しますと世帯数の中に、いわば火災保険にかける必要性がほとんどない、山の中の一軒家というようなものも入つて参ります。また戦後の都市の形態で申しますと、大きな家に何軒か同居しているような形態も出て参りますし、アパートのような場合もあります上、分母になる世帯数についてもいろいろ検討の余地がある。従つて、戦前とリンクして比率を見るということについては、この数字でただちに判断するわけにも行かないのじやないかと思うのであります。次に分子の方の火災保険契約の件数につきましても、たとえば一つの家にしても、一つだけ火災保険契約がついている場合もありますし、重複して数個の保険契約がついている場合もあるということであつて、これを一軒に対する保険を集めて一本にして一契約とするような計算方式は、統計上出て参りませんので、勢い単純な契約件数でやつております。戦前と戦後の事情が大分違つておりまして、重複保険が非常に多い場合は、ただちに契約件数が倍になる、こういつたようなことも結果として出て来るわけでございます。従いましてどうもほかに方法もございませんから、世帯数を分母にいたし、契約件数を分子にいたして計算いたしますが、そういたしますと、先ほど申しましたような二〇%前後ではないかと思います。その程度の数字が出て参ります。そこでそれからすぐ判断がつくというわけではないと思いますが、私どもの常識的な考えから申しまして火災保険の普及状況は、戦前に比べてはまたかなり劣つているのではないか。それには各種の原因があると思います。今までの火災保険料率の水準が、なお高きに過ぎたという問題とか、あるいは火災保険をかける側の立場に立つてみれば、一般的な所得の水準が戦後においては低い、従つていわば限界支出とも言うべき保険料については、どうしてもあとまわしになる、そういうことは生命保険につきましても言われることではないか。さような見地からともかく支出する側にも問題があります。両々相まつて現在のような普及状況を来しているのではないか。保険の制度が普及いたしますということは、これは私は民生の安定の見地からいいましても、また日本経済を強くするというような意味におきましても、非常に重要なことであろうと思いますが、その場合に、保険を普及しまして保険料を下げるというような方法を、私どもとしては強く打出して行きたいと考えております。なお先ほどお話がございました都市別ないしは市町村別になりますと、きわめて厖大な費用になるのではないかと思いまして私どもそこまで詳細にやつてみたわけではございません。昨年暮れでございましたか、今年の初めでございましたか、そのときに過去の二、三年の統計をとつてみましたときは、ただいま申し上げましたような非常にあやしい仮定の上に立つておりますが、契約件数を世帯数で割るという方式をとりまして全国の数字と六大都市の数字、その中で東京都及び六大都市の数字をとりますと、全国の件数よりはるかに上りますことは申すまでもないのでございまして、それで参りますと、東京都あたりがたしか五十パーセント前後あるいは四十何パーセントだつたかもしれませんが、その程度の普及状況になつております。これを戦前の数字で見ますと、統計が充実しておりませんので恐縮でございますが、ある面では百以上の数字が出ております。百以上の数字が出て来るということは、言いかえますれば、重複保険が相当行われたのじやないかという一つの証左になるかと思います。一応ごく大ざつぱな話でございますが、以上お答え申し上げます。
○門司委員 もう一回私お願いをいたしておきますが、従来の損害保険、損害保険といいましても火災保険に限つてもよろしゆうございますが、火災保険の実態を、今お話にありました程度より以上の資料が私はあると思います。これはある程度年鑑等を見てみましても、それから保険協会ですか、あそこで調べても、もう少し詳しい数字が出て来ると思うのであります。それであなたの方で現状の保険状態というものについて何か資料でもできましたら、御提示を願いたいと思うのであります。同時にその中には被保険者の納めておりまする保険料、これも年鑑か何かですぐわかはずですから、大してむずかし問題じやございませんから、そういうものを年間大体どれくらいのものを納めておるのか、これを御調査願いたいと思います。なおなるべく最近のものを御調査願いたいと思います。年鑑で調べてみましても、大体二十五、六年度、せいそれ二十六年度くらいまでしかわからないのでありまして、現状をわれわれが知ることが困難でございますので、あなた方の方からできるだけ近いものを出していただきたいと考えております。 それからさらにつつ込んでお話をしていただきたいと思いますことは、今課長さんからお話がありましたように、火災保険については、これは生命保険とは違うのであつて、料金の高いということが一つの理由でありましよう。それから生命保険の方については料金が高いというよりも、むしろこういうふうに貨幣価値が非常に変動しておる時期には、案外生命保険をつけて、というような物の考え方を持つている人でも遠慮するのが普通であります。ところが火災保険の方は、そういう率は割合に少いのであります。大体一年契約くらいが多いのでありますから、比較的少い。貨幣価値の問題からいつても、利用の問題から保険契約に来る影響は割合に少いのじやないか、そういたして参りますと、これの影響はやはり主として料金が高いということが、一つの大きな原因だと思うつ料金の高いということに関連して、きようおいでを願いましたことは、すでにおわかりでございましようが、それに非常に密接な関係を持つております。例の消防施設の強化に対する法律案を政府は出しております。そうして二億五千万円の補助金を出す。これが三分の一の補助ということになつて参りますと、地方があと三分の二出すということになり、大体七億五千万円ばかりのものが、地方の財源で消防が強化されて来るということになつて来る。そこでこの上に立つた火災のことを考えて参りますと、結局はそのために利益を得るものは、もとより地方住民ではありますが、営利会社である保険会社がこれの対象というと、少し言い過ぎかもしれませんが、結果的には利潤を得る対象にならざるを得ないということになつて参ります。従つて一方においてその地方が、そういうたくさんの金を出して施設をいたして生命、財産を守ろうとすると、一つの営利会社がその恩恵を受けるということは、私どもはあまり正しい社会状態ではないと考える。従つて保険料率の問題について、大蔵省当局としてはこういう施設がだんだん行われるに従つて、料率が引下げられることに対して、今日保険会社に対して注意され、あるいは勧告された実績がもしございますれば、その内容をひとつお話願いたい。それからもう一つは、進んでそういうことをされる御意思があるかどうか、こういう点をお聞きしておきたいと思います。
○狩谷説明員 まず最初に私の方からお出しいたします書類の問題について御了承いただきたいと思います。現在年鑑に出ておりますような数字は、二十六年度まででございます。二十七年度の数字につきましては、これは三月末に保険会社が決算をいたしましてから三箇月かかりまして、決算書類を整えるわけでございます。私どもの手元に六月中旬以降ようやく集まりかけておりますが、それはいわゆる決算的な数字が中心でございまして、ただいま御要請のありました火災保険だけについての地域別の件数とかいう統計は、とうてい現在ではまだ集まつておらないのであります。それから私どもの方としまして二十七年度の結果を、並行的にとりまとめ中でございますけれども、年鑑が出ますまでといいますか、年鑑の印刷はまた別といたしまして、数字が集計されるまでには、どうしても最低二、三箇月は必要ではないかと思います。これまでのところは、戦後一時中止しておりました関係で、二十六年度の年鑑も、たしか昨年の十一月か十二月になつて、ようやくできたような次第であります。ことしもなるべく繰上げて数字をまとめたいと思いますが、遺憾ながらまだ二十七年度の数字が、十分そろわないのであります。そういうものにつきましては、二十六年度の数字でかえることにして、御了承をいただきたいと思います。 第二の保険料率の問題につきましては、火災保険につきましては、一般大衆から保険料を集め、それを事故が起りました場合には円滑に給付をしなければならない、保険会社はこういう使命を負つておるわけでございます。その限りにおきまして、保険の中でも、火災保険は特に公共性の強い事業であると私どもは考えております。保険業法というような法規がございまして、私どもが監督いたしますのも、特に火災保険事業について公共性が強いということ、その公共性の問題から発しまして、その中でも特に私どもとして関心を持つておりますのは、ただいま御指摘がありました料率の問題でございます。火災保険料率の水準は、ごく簡単に申しますれば、損害の発生の度合いに比例して、きまるといつたような性質のものであります。従いまして、消防施設の充実によりまして、損害率が低下いたして参りますれば、それだけ保険料を下げて契約者に還元するということが、当然に必要だと私どもは考えております。基本的な考え方といたしましては、現在の料率につきまして、一応の目標としては、戦前の水準を目標にし、さらに消防力の充実とか、家屋の密集状態がよくなつて来るとか、あるいは家屋の建築構造がよくなり、さらにまた保険の普及がよくなること等によりまして、保険に関するコストが下つて来る。こういういろいろな要素を考えますと、今後も保険料率は引下げて行かなければならぬと強く考えております。 なお過去においてそういう保険料率の引下げについて、大蔵省が何らかの勧告をしたことがあるかという御質問でございます。私の記憶いたします限りでは終戦後におきまして、当時の諸般の経済情勢が悪く、損害率も非常に上つた時代がございました。そのときに、保険料率増額の改訂をいたしました。それ以後は二十二年にたしか増額の改訂を、三回ぐらいやつたことがあります。それ以後、二十四、五年ごろから逐次引下げの方向に向つております。二十六年も、三回ぐらい火災保険の範囲内で引下げを行つたかと思います。私が現在の部署につきまして以後、問題として取上げて参りましたのは、昨年の十月に工場物件を二割引下げました。同時にそれに伴いまして、火災保険料率の作業割増し——これは中小工場あるいは町工場等、そういう施設についての割増し保険料でありますが、その割増し分を切つて参りました。それを十月に実施したわけでございます。その後一般住宅の物件につきましても、引下げの勧告をいたして、また適正な水準の算定をやつて参りまして本年の六月一日から住宅物件につきまして、全国平均いたしまして二割の引下げを実施いたしております。なお六月の料率改訂の際は、現在までの火災保険料率について、地域的に相当なでこぼこが認められるという事態がございましたので、その点についてこれは各消防関係機関の特別の御助力をいただきまして、その地域ごとの火災保険度の算定を実施いたしまして、それを基本にいたしまして、料率の引下げ是正をいたしたのでございます。従いまして私がただいま全国平均で二割と申し上げましたが、これは地区別には非常な開きができております。たとえば東京を例にとりますれば、東京全体につきましては、大体二割五分強の引下げを実施いたしました。阪神につきましては、これは現在の料率自体が、東京に比べて比較的低いと認められますので、一割以内の引下げにとどめております。それから裏日本、北海道、東北等の料率は概して申しますれば、比較的高い水準にありましたので、かなり大幅な引下げをいたしました。一番大幅な引下げをしましたのは、四割五分弱の引下げをした地区が二、三ございます。かようなことでもつて、本年六月に住宅料率を引下げをいたしましたときには、全体の水準を引下げると同時に、地区別の高低の是正についても努力したわけでございます。それにつきましては、消防力の充実等が重要な関係を持つておるのでございます。私どもとしましても、今後もこれらの料率につきまして、諸般の情勢の改善等と相まつて、なるべく安い保険料率に持つて行くべく考えております。
○門司委員 大体の方針はわかりました。 それからもう一つお聞きしておきたいと思いますことは、これは去年、一昨年かと思いますが、東京都から提出されております、いわゆる東京都が大体事業血の形になつて、火災保険の仕事をするという申請が、大蔵省に対して出ておるはずです。これはいまだに許可になつておらぬし、不許可にもなつておらぬ。大蔵省で握りつぶしになつておる。これの理由がもし御発表できたら、御発表願いたい。
○狩谷説明員 ただいま御質問がございました東京都営火災の点につきましては、これは一春年の八月ごろと記憶いたしますが、認可しないということでもつて、すでに通知を発送済みでございます。それで私どもとしては、一応本件は問題はないと考えております。その後におきましても、いろいろな御計画があるやに承つてはおりますけれども、正式の申請等も伺つておりませんし、本件は保険課といたしまして、一応片づいておるものと考えております。
○門司委員 却下された理由はどういうことなんですか。
○狩谷説明員 却下になりました主要な理由は、当時の役所の内部的な書類等を検討いたしてみますと、大体二点あるようでございます。一つの点は保険業法の建前から考えますと、民営事業を主体として考えておるようでございます。東京都営火災と申しますか、東京都火災保険相互会社と申します、か、その案につきましては実質上公営的な色彩が著しく強い。従つて実質的に申せば一種の公営的な事業ということになるかと思います。そういたしますと、元来民営を建前といたしている保険事業の中に、公営的なものが出て参るということになりますと、その間に公営のものにつきましては、公営なるがゆえに一つの強力な地盤もあろうかと思いますし、保険会社相互間の自由競争の点に非常な問題が起きて来るのではなかろうか。その点に現在の民営事業を建前としている保険業法の範囲を越える問題があるように考えられる。その点に一つの理由があつたように承知いたします。 それから第二の問題といたしましては、保険につきましては御承知のように危険分散の必要がございます。危険分散の方法といたしましては、再保険の取引ということが必要になつて来るわけでございます。当該申請の件につきましては、再保険取引の面におきまして円滑な取引が期待し得ないというような事情がありましてその点から申しますれば、やはり保険として健全な運営が期せられるという心証が得がたいという事情によりまして、免許を拒否されたものと考えております。
○門司委員 他の同僚からもかなりたくさんの質問があると思いますので、私はできるだけ簡単に申し上げておきたいと思いますが、今の問題でややはつきりし出して参りましたものは、大蔵当局として火災保険が公共性を持つておるものであるということだけは、今までの御答弁で私は了解ができる。いわゆる民生の安定のために、こういう事業が必要だということが大体私は言える。従つて非常に高度の公共性を持つておるということは言えると思う。そうなつて参りますと、今東京都の問題でありますが、東京都の問題については、その却下の原因が保険業法の建前から、大体民営であるべきものを公営でやるということになることは、事業の混乱を導く危険性を持つているということが、大体私は主たる問題であると考えられる。これは事業の混乱以外にないと思う。もし当局に公共性をもつてこういうものをやつてはいけないというお考えがあるならば、これは別でありますが、今の当局のお考えを聞いておりますと、民営の建前をとつておる一方に、法律があつてさらにそれが公営で行われるということになると、保険業自体にやはり混乱が出て来る。こういう見方が強いと私は解釈をするのであります。その点は一応わかるのであります。 その次に出て参りますもので、もう一つ大きな原因となつておる問題は、保険についてのいわゆる再保険の問題、保険を安全にすることのために、やはり再保険が必要たということも一応了解ができるのであります。こういうことになつておりますので、私聞いておきたいと思いますことは、再保険の問題については、私はやり方によつて大してむずかしい問題ではないと考える。そこで地方自治法の二百六十三条の二に書いてありますが、自治体相互間の建物その他については、共済の制度によるということになつておる。そうしてそれは一つの特別な団体がそれを持つておるわけであります。日本全体の自治体相互間の一つの機関としてそういうものが運営をされている。従つてこれは事業の形からいいますと、一つの業態のようではありますが、実態からいいますと、全国の自治体がみな入れば、一万幾つかあると思いますが、たくさんの日本の自治体全体が再保険をしているという形を示している。再保険という形はとつていないが、実際にはそういう形になつていると私は思う。そうなつて参りますと、保険自体に対して、方法によつては、再保険に対する一つの、大蔵当局がお考えになつているような危険性はなくなつて来ると思う。この地方自治法二百六十三条の解釈を拡張して解釈することになつて参りますと、地方の公共団体の持つている建物がなしに、地方の住民がこれを行うことができるということになれば、再保険の問題も杞憂はなくなりますし、さらに保険に対する第一の理由であつた業態の一つの混乱ということは多少残るかもしれないが、公共性が非常に強いものでありまして民生安定のためにこれを相互間に行つて行くというようなことになつて参りますと、これは地方の自治行政の面にかなり大きな影響を持つて参ります。こういうことは、一方において今回の法律だけでも大体七億五千万円の支出を伴つている。同時に地方の住民が自己の責任においてお互いのそうした損害を防止して行くとい防火の観念にはかなり強い影響を持つて来ると思う。こういうことを考えて参りますと、やはりこの二百六十三条の解釈を、もう少し広げて地方の公共団体がこういう事業を行い得る制度にすることがよいと思う。今の日本はきわめて不安定な時期であつて、生命保険とはこれは全然別な問題であります。おそらく火災保険は利殖を目的として加入をしている者はないと思うが、生命保険の方はかなり利殖を目的とした加入者が多いと思う。同じ保険でありましても、被保険者の心理はおのずから別な形を持つている。こういう保険の業態に対しては、一方に火災を防止するといういわゆる被害を少くするという、相互間の責任観念を持たせるということ、もう一つはお互いがそれによつて援助をし合うということ、さらに保険会社よりもつと大きい全国自治体の全部が再保険すれば、かなり大きい再保険になつてちつとも危険性はないと思います。もし危険性があれば国が補償する以外にはないと思う。そういうことで今東京都の問題で不許可になつた原因というものは、大体私は削除されるのではないかと思いますが、当局はこういう点についてどういうふうにお考えですか。
○狩谷説明員 ただいまお話がありました都営火災に関する問題の再保険に関するものは、ある程度方法その他によりましては技術的に解決する方法はないわけではないということは、御指摘の通りだろうと思います。ただあの段階においてそういう方法がないということは事実であつたかと存じております。その方法といたしまして、地方自治法の現在の相互救済事業の規定を拡張するかどうかということにつきましては、私どもの立場としましては多小問題があるのじやないかと考えております。それは第一に、保険事業というものは民営が主体であるということをお考えいただきました場合においては、これは私どもの意見なり私見としてお聞取りをいただきたいと存じますけれども、保険というのは、やはりなるべく大きく広い範囲において危険を集めて、それをまた広く分散するということが、保険の本質ではないかと考えております。従いまして、保険会社の力が弱くなるというような形の保険制度自体ができているということについては、それは一般保険事業の健全な発達という点から見れば、かえつて問題が残るし、それから保険の加入者の立場から見ましても、いわば保険契約者の保護という見地から見ましても問題が残るのじやないか、広く危険を分散するという点は、保険の国際性という問題とつながつて来るのでございまして、わが国でとりました契約についてもロンドンとか、ニューヨークヘ出す、またロンドンやニューヨークの契約を日本に持つて来るというような形で国際的に危険の分散を行う、こういう組織で行く。全体のそういう再保険取引、全体の機構のことを考えてみますと、どうしても日本の場合におきましても、民営保険会社が堅実な基礎の上に立つて業務が運営されるということが、必要だろうと思いますけれども、保険制度の問題といたしましては、なるべくその力を減殺するような形での制度は好ましくないということが、原則論としては申せる、そういう観点から申しますと、現在の地方自治法の規定につきましても、現在の法律ではああなつておりますけれども、問題があるわけでございます。さらになお広く都道府県の住民も、それに入れるというような形にいたしました場合には、これは保険業法でねらつております被保険者の保護、あるいは保険契約者の保護といいますかが抹殺されてしまうような可能性があるのじやないかと考えまして、私はさような方法はおとりいただかないように希望いたしております。
○門司委員 私は質問はこれでやめようと思つたのだが、今のお話を聞いておりますと、私どもの考え方とちよつと違うようでありまして、私は保険はしろうとでありますが、保険はもとより危険分散をするというのが、正しい行き方であります。正しい行き方であるから、結局問題をできるだけ大きく顧慮して国全体がこれを保証するという建前、今外国の再保険云々がありましたけれども、これには限度があります。日本の保険会社が外国の再保険に対して、一つの関連性を持つておりましても、無制限に世界のいずれの国でもやるというわけではございません。必ずこれには限度があります。従つて保険会社自体の今日の契約高に対する再保険が、一体どの程度であるか、過去の実例を見て参りまして、大きな火災、たとえば関東大震災が起つて保険金が一体支払われたかどうか、こういう問題は一体どうなつておるか、あるいは債務になつておるのか何になつておるのか私にはわかりません。われわれは、少くとも危険を分散するというなら、やはり危険を分散するという大きな建前をとつてもらいたい。今お話がありました地方自治法二百六十三条の中にあります問題につきましては、これほど危険を分散しておるものはないと思う。町役場が一つの火事で一ぺんに、三つも四つも焼けることは毛頭ありません。東京の役所と横浜の役所が一緒に同じ火災で焼けることはない。これほど危険を分散した制度はない。危険分散の制度は、一面から考えてみますと、保険契約者と保険業者の間における一つの危険の分散が考えられますし、それから危険の発生の分散も考えなければならぬ。どんなに分散しておりましても、たとえば甲の地区なら甲の地区に、一つの会社の保険契約者がたくさんあつた場合には非常に危険であります。これにどんなに再保険をつけておきましても危険であります。これは全部一ぺんに被害が起るからであります。これが全国的にずつとわかれている場合には、一度には火災は起らぬのでありますから、全国の契約したものが一緒に焼けるという危険性はないのであります。必ず危険は大きく分散されておつて、危険性がないと思う。従つて今のお考えのようなことは、保険業法自体を守つて行くという建前がら言えば、そういうことが言えると思いますが、個々の保険をかけております者の立場からいえば、一里も二里も離れておるところに同じような会社の契約をやつている方が、はるかに危険は分散される。私どもが危険を分散しなければならぬということは、そういう一つのものの考え方に立つてやることであります。なおそれに自治体の総合的援助関係を持たして行く。私は今の大蔵省の考え方は間違いではないかと思う。業態自体を中心としてものをお考えになれば、大蔵省の方が言われるようなことが言えると思います。しかし今保険業者が保険を募集いたしておりまする場合に、そういうことはある程度加味しております。従つてこれについては非常に迷惑しておる。二、三年のうちに火災の統計の非常に多いところには、火災保険の勧誘に行きません。うつかりあそこに行くとたいへんなことになるという危険地域がある。赤線区域じやないが、ちやんと事実上の赤線区域があつてその地域では保険をつけたくても保険をつけさせないという現状であることは事実であります。もしつけようとすれば実際の保険料率が高い。この危険性はどこから来ているかというと、今のようなお考えから出て来ておる。実際は逆を行つておる。従つてこの保険の危険性をなくするというならば、先ほどから申し上げておりますように、非常に広範囲にわたる保険の方がはるかに危険性が少いと思う。一箇所で一つの町が全滅するような大きな火事がありまして、五百戸焼けましても、その町自体としては五百戸といえば非常に大きな被害ですけれども、日本全体からいえば、被害率としては非常にわずかで、こういうものについての補償はなし得るわけです。だから保険の安全性から申しますれば、今のような大蔵省のお考え方はわれわれとかけ離れておる。そうして保険自体を見る目が、保険契約者を中心として見ないで、保険業体を中心としたものの見方ではないかと考えられるのであります。今のお考え方については、私はここで討論しようとは思いませんから一応承つておきます。 最後にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、現在の火災保険料率に対する会社の経費、それから損害を支払つた高との割合、これは一体どのくりいの割合になつておりますか。
○狩谷説明員 二十七年度の決算の数子は、先ほどお答えいたしましたように、実はまだ十分まとめてはおりませんが、火災保険のみならず、ほかのもの全体を含めましての収入保険料と保険金支払いの実績は、大体二五%強になつております。火災保険につきましても、二十七年度の実績はほぼ同様な水準ではないかと思つております。
○門司委員 二五%ということになりますと、残りの七五%は利潤と解釈してよろしゆうございますか。
○狩谷説明員 保険料の構成は、われわれが理想的だと考えておりますものは、火災保険については、大体保険金の支払い額が収入保険料のうちの四〇%ないし四五%くらいの水準のものであると思います。ただ火災保険につきましては、年度間いろいろでこぼこがございますので、そのでこぼこのこともあわせて考えていただかなければならぬ。しかし理想としては、大体長期にわたつて平均した数字で、四〇%ないし四五%くらいの程度の損害率の保険金支払額が出て来るものが正常な姿だと思います。私どもはその数字を目標といたしまして、料率改訂の場合に水準を定めるわけでございます。 今の七五%は保険会社の利潤かという御質問でございますが、実は保険につきましては短期のその年度について通常起るべき損害のほかに、異常危険というものがございます。これは過去の統計によりましても、何年に一度というふうにはつきりいたしたものではございませんけれども、たとえば五年に一度とかあるいは十年に一度とかいう形で、大火が起る危険性がございます。その大火のために備えまして、平生から準備金を積んでおかねばならぬという点がございますので、その分は当然将来いつの日か契約者に還元されて行くという意味で、ただちに保険会社の所得になるわけではございません。保険会社の経費なり所得なりに使われるべきものは、大体の目標といたしましては五〇%以内にとどめるということで考えられなければならないと思います。五〇%以内のもののうち、十五%は代理店の手数料でございます。あと三五%が保険会社の社費になる。その三五%につきましては、極力これを圧縮する。圧縮された形で経営が行われるということが望ましいと思います。私どもといたしましては、現在料率の是正の問題につきましては、社費の圧縮という点について勧告と申しますか、常々警告を発しまして、極力社費を膨脹させないように指導して参つているつもりでございます。
○門司委員 私はもう少し誠意のある答弁といいますか、正しいお考えのもとにひとつ答弁を願いたいと思います。今の火災の話でありますが、二年か三年のうちに大きな火災があると言いますけれども、その保険会社が必ずそこに関係があるかないかということも問題でありますし、大体日本の家屋の焼失は二百年に一回ですよ。そんなにむやみやたらに家は焼けてないはずです。人間の方は大体死ぬことが確定的でありますから、これは計算が比較的簡単にできるのでありますが、火災はそんなに三年に一ぺん、五年に一ぺんというふうに起る筋合いのものではありません。日本の火災は、われわれが常識的に考え、さらに一応記憶しております範囲においては、大体二百年に一回くらいしか起つておらない。一代のうちに二回も三回も焼け出されている人はありません。戦災は別でありますが、戦災を考慮に入れても、そんなにたくさんはないと私は考えております。ところが今の課長さんのお話のように、五年に一回・十年に一回火災があるから、それに備えなければならぬということになると、火災の率というものが非常に高くなつて来る。こういう議論は別といたしまして今の話からいいますと、率直に申し上げまして今の課長さんのお話を率直にそのまま受取つてみましても、保険の料率を現状よりも一割五分ないし二割下げても支障はないという結論になると思いますが、そういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○狩谷説明員 私の説明がまずかつたために、私の誠意まで疑われるということは非常に遺憾でございますので、私もう一度今の点を御説明申し上げたいと思います。今の罹災統計につきましては、お話の通り戦前の水準をとりますと、千軒のうちの罹災軒数は大体二軒ぐらいじやないかと思います。それから異常災害と今申しましたのは、たとえば昭和九年の函館の火災のようなときでございます。あれのあつた年度につきましては、多分千軒のうち二軒、すなわち五百軒のうち一軒というような数字が出て来るというのが、全国の、——これはおそらく山の中も農家も含めての統計だろうと思います。火災統計を見てみますると、戦前の数字あたりでございますと、大体千軒のうち二軒前後というのが一般の水準でございますので、それを頭に置いて料率の問題も考えておるのでございますが、それで参りますと、昭和九年の函館の大火のあつた年度が、千軒のうち四、五軒という数字になります。それから昭和十五年ごろ静岡の大火があつたのですが、この年度がやはり千軒のうち三軒から四軒ぐらいに上つておるのではないか。私が異常危険と申しましたのは、そういう函館の大火とか静岡の大火とかいうようなもののあつた年度を頭に置いて申したのでありまして、それがあるために保険料がむちやくちやに高くてもよろしいという意味で申し上げたわけでは毛頭ありません。ただそういうものがあるので、千軒のうち二軒というものを標準にして料率をつくるのではなくて、二何軒を標準にしてつくらなければならないということが一点と、それから全国の家全部保険につけておりますれば、そういう数字が出て来るわけでございますけれども、現実におきましては先ほども御指摘がありました普及の問題がありまして、その場合に、罹災するおそれが少いようなものは契約者に入つて来ないどいう点があります。私どもの言葉で逆撰択と申します。その逆撰択の問題がどの程度の比率であるかわかりませんが、その逆撰択が入ると想像すれば、保険会社の統計だけで押えて行けば、大体千軒のうち四軒というような数字が出て来る。いずれにしても千軒のうち三軒ないし五軒というくらいの見当が営業保険につけておりますものについての危険の度合いではないかと、ごく大ざつぱには考えます。現在の保険料率について、その点をまず釈明さしていただきます。 第二に、現在一割五分ないし二割程度を引下げてもいいというように了解してよろしいかという御指摘がございましたが、実は先ほど御説明しました六月の住宅物件の改訂も、さような数字が出るであろうということを予測いたしましたのと、同時に過去四箇年の罹災損害発生率等を検討いたしまして、その上で引下げたものでございます。今後同様な考え方から、過去の統計をとりまして、その平均値をとりながら損害発生度合いに応じて下げて行くということは、申すまでもないことでございますけれども、現在すでに全国平均の住宅料率が六円弱になつております。その六円弱になつておるという数字は、二十七年度の数字を予測いたしまして織り込んだものでございますから、二十八年度におきましては二十七年度の今申しましたロス・レイシオは必ずや上つて来るだろうと考えております。今住宅についてこの六月に下げました分を、さらに切り下げるということを考えておるわけではございません。
○門司委員 今引下げることが可能であるかどうかということであります。今あなたの方で手当をされておるのを別にして、一体引下げることができるのかできないのか。私どもは今一割五分ないし二割ぐらい引下げてもいいという数字が出て来たように聞いたし、われわれも考えたのですがその点もう一度はつきり聞いておきたい。
○狩谷説明員 ただいまのような数字が出るであろうということを前提にいたしまして、六月に二十七年度水準より全国平均で二割引下げたわけでございます。従つて御説の一割五分ないし二割引下げるべきだという点については、私ども全然異存がないのであります。ただ現在、住宅料率については、そういう形になつておるということを補足的に申し上げたわけであります。現在の住宅料率をさらに一割ないし二割下げるということを申したわけではないのであります。
○藤田委員 私保険課長に簡単に伺いますから御答弁も簡明にお願いしたいと思います。 ただいま大体要点は門司委員から御質問があつたのでありますが、全国一流の保険会社である東京火災の二十六年の実績を見ますると、事務費が五三%になつております。集めた金が約七億、そのうちから払いもどしましたのはわずかに一八%という状態でございます。先ほど都営保険を却下されました理由を言われましたが、実はそういうことを想定いたしまして、国会では昭和二十三年に自治法を改正いたしまして先ほど門司委員から発言のありました二百六十三条の二という規定を新設したわけでございます。この規定を新設しまして、ただちに全国町村会あるいは市会の共助会、共済会というものが発足したわけでございまして、当時の立法者の気持からいたしましても、先ほどの保険課長の御答弁というものは立法者の気持に沿わない。現行保険業法三十四条というものが金科玉条であるというような御答弁、つまり保険会社は営利会社たる株式会社—相互会社はほとんど生命保険でございますが、火災保険会社は株式会社でなくてはならぬというような意味の御答弁に解したのでございますが、この法律ができました以後の、たとえば北海道の共済協同組合の設立経過を見ましても、保険料が高過ぎる。保険事業は公益事業でなくてはならぬという本質を、現在の保険会社が没却しておるがために、自然発生的に保険事業と同質のものが、全国に続出しつつある現状でございます。この現状からしまして、現在の保険業法を全面的に改正すべきである、かように私は考えておるのであります。戦争前の感覚をもつて保険事業を解釈するということは、終戦後の現実に沿わぬのじやないかと思いますが、保険業法の改正に対しまして、何か準備がありますかどうですか、お伺いしておきます。
○狩谷説明員 先ほど私が地方自治法の規定につきまして申しましたのは、多少抽象論を申し上げたわけでございます。保険というものはなるべく大きな集団がとれるようなかつこうにした方がいいという一つの原則論を申し上げたわけでございます。それからもう一つは、保険業法の建前からいえば、民営事業が主体であるということを予想しているのだということの原則論を申し上げたつもりでございます。その点原則論を申し上げたということで、まず御了解いただきたいと思います。 次に、保険業法の現在の建前では、株式会社と相互会社というふうに主体を限つております。その点は私どもとしましても、さらにその範囲を拡充する必要があるのではないかということで、戦後つとに研究いたしております。昭和二十一年だつたかと記憶いたしますが、金融制度調査会ができましたとき、またそれ以後でも、数回にわたりまして保険業法の改正の問題を、内部的には研究いたしておりますが、なかなかこれは成案ができませんので、今日まで実は遷延しているような状況でございます。最近組合形態での保険事業が各地で行われるような形勢でございますが、これにつきまして私は、健全なものは、組合の形でも健全経営が行われないという保証は必ずしもないと思つております。現在の保険業法の建前について再検討する気持は、十分持つております。
○藤田委員 昭和二十三年に消防法ができまして、消防施設強化に関して地方財政の負担が非常に強化して来たのであります。従いまして、今回消防施設強化促進法を通過させると、さらにこの地方財政の問題が深刻になつて来ると思います。その際におきまして、保険金の負担等をできるだけ軽減してやる。一方においては施設を強化してやる、その施設に対する保険金は、なるべく低廉ならしめるということが、この法律を通す上の一つの条件でなければならないと私は考えております。従いましてこの法律改正に関しましても、大蔵省で研究中だということでありますならば、一応その成果を期彼いたしまして、その点は了承したいと思います。ただ、昭和二十六年の統計を見ますると、全国の保険会社が集めました金は実に二百二十億でありますが、そのうち契約者に返しました保険料は、わずかに二十二億であります。そうしますると、今回保険料を二割引下げましても、大体二百億、そのうち二十二億を返す、こういうような結果になるわけでございまして、先ほど事務費の比率その他の御説明がありましたが、営利会社たる保険会社、公益性を持つべき保険会社のこういう厖大な収入というものが、一体どういうふうに使われておるか、金融の総元締めである大蔵省としては、重大なる関心を持たれるとともに、相当計画的な運営をされているかどうか。これは厖大な資金でありまして、私たちが仄聞するところによれば、一般の大きな会社がこの保険金の借出しに狂奔している、全国から集めました零細な金を、大体大都市中心に一部の会社に貸し付けている、保険会社は現在非常な傲慢な態度でその資金の運営をやつている、こういうようなことを再三拝聴するのでありますが、どういうかうにこの金を使つておられますか、簡単でけつこうですが、とりあえずお聞きしておきたいと思います。
○狩谷説明員 ただいまお話しがありました二十六年の数字ですが、私は、この数字に何か間違いがあるのじやないかという感じを持つのでございますが、二十六年の数字につきましても、大体保険金の支払い額は二割五分強というかつこうになつております。この二割五分強と申しますのは、いろいろの保険を含めての問題でございますから、火災保険につきましては必ずしもそうならないかもしれません。——たいへん技術的なこと申し上げて恐縮でございますけれども、実は保険について年度のずれの問題がございまして、契約が上昇している過程におきましては、保険期間が一年ずつずれるかつこうになり、契約に入つた年度と、爾後の支払う年度とは翌年度になるわけでございます。そういう関係でございますので、保険契約が延びておりますときには、今の当年度だけの計算をとりますと、比率がかなり低く出るという事情も御了解いただきたいと思います それから保険会社の資産運用について、ごく簡単にお話いたします。保険会社の資産運用につきましては、これは、保険業法施行規則によりまして、かく運用されるべき資産の範囲を定めております。たとえば国債とか、地方債とか、貸付とか、それから社債、その他有価証券、こういう形になつておるのであります。その比率につきましても、財産方法書という、保険会社の内規できめます方法書で認可することになつておりまして、それに詳細に比率が書いてあります。大体の考えといたしましては、これは契約者から領つている財産でございますから、安全に運用されなければならないということと、一旦火災が起りました場合に、円滑に支払いが行われるためのいわゆる換価性のある財産でございます。それから最後に投資する資産内容にいろいろ種類をわける。要するに危険分散をするというような構想で社債、有価証券、国債、株式貸付、貸出しとか、あるいは現金形態の預金、こういつたいろいろな種類に変化を持たせるということを考えて定めております。それにのつとつて保険会社がやつているわけでございますが、さらに個々の貸出し等につきまして、そういう一般原則から申しまして好ましくないようなものがありました場合には、私どもの方でもつて決算のときに提出します書類の内容を見て検討し、注意もいたしますし、またそのほか定期的に検査を実施することになります。その検査に際して貸出しの内容について、不健全なものがないかどうかという点は監督いたしておるわけでございます。
○藤田委員 最後にお願いと質問をいたしておきます。全国町村有物権災害共助会の二十六年度の実績によりますと、大体保険料は一般保険会社の四〇%ないし五〇%でございます。非常に低い負担金を徴しながら実際に共助金の支払いをいたしましたのはわずかに三二%であります。従いまして保険会社並の保険料と仮定いたしますれば、払いもどしたものはわずかに一六・五%であります。そのほかに関係町村に対しまして共助会は二〇%の払いもどしをいたしております。こういう生きた数字を見ましても、私は現在の保険会社の保険料の問題、それから保険会社の公益性の問題、それから集まりました金の運用問題、これは国家的な目地から速急に検討いたしまして、今少し全面的にやり直す必要があるのではないか、かように考えておりまして、この点に関しまして実は大蔵省の保険課長として何か保険料の妥当な線、その他に関しまして構想がありましたならば、近い将来に当委員会に資料を出していただきたいと存じます。現在地方財政が急迫いたしておりますがために、特にこの問題に関しましては相互互助の機関が、全国に族生しつつある状態でありまして、当委員会としましても根本的にこの問題を検討する必要があるかと存じておりまするから、この点をお願いいたしておきたいと思います。何か案がありましてお出しになる見通しがありますかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○狩谷説明員 ただいまのところ大蔵省といたしまして住宅料率の引下げをいたしたわけでございます。それにつきましては私どもとしまして現状の諸般の情勢から見て妥当な水準であると考えます。これを今二十七年度の決算の数字で、ただちにかえるほどの必要性を感じておりませんので、特別に保険料率の改訂についての案は、ただいまのところございません。
○加藤(精)委員 ただいま地方団体がやつている保険事業から見まして保険料がはなはだしく高率で、しかも支払い率も少いというようなところから見て、それをどうお考えになつているか比較して論じて、そうして現在の程度の引下げでいいということの納得はなかなか行かないのですが、もう少し率直に委員会の方へわかるように、今の地方団体の保険事業の関連において御説明していただきたいと思います。 それから第二番目に、商業協同組合などで共同施設として保険業をやつているところを現に大蔵省は認めていたがら、商業協同組合などよりも、はるかに財政基礎も強固な、大きな市などにそういう事業を認めないというのは、どうもとんでもない見当違いではないか、こう思うのでありまして、大蔵省が地方自治を制限するという、そういう権能が一体あるものかどうかというふうに私どもは考えますが、その点の均衡論についてお伺いいたします。
○狩谷説明員 第一の共済会等の私有物件等の数字の比較検討は、実は私も手元に資料を持つておりませんので、いたしておりませんが、今後御趣旨に沿いまして資料を集めまして比較検討してみたいと考えおります。その結果大体の数字がもつと固まりまして、比較の対象になりますようでございましたら、当委員会の方に提出したいと存じます。 それから第二の協同組合と公共団体との権衡論という点でございますが、私は民営事業が保険事業の主体になるという考え方が、現在までの保険業法の考え方であるということを申しておるのでございますが、市営あるいは都営でもつて保険事業をおやりになるという案につきましては、それは公共団体が民営事業と競合する立場になるという点を問題にしておる。公共団体の信用力の方が協同組合の信用力よりも強いとか弱いとか、そういう点を問題にしたわけではないのであります。
○加藤(精)委員 どうもはなはだ遺憾なんでありますが、日本の保険に関する行政の総元締めの課長さんが、これだけ大きな現実になつておる、地方団体側でやつてよい成績をあげておる保険制度について研究もしておらぬ、比較もしておらぬなどということは、一体この場所に来ておつしやることが実際どうかと思うのですが、そういう他人行儀なことでなしに、もつとほんとうのことをおつしやつて、そうして一緒に国政を研究するというような気持になつていただきたいものだと思つておるのであります。 それから第二番目の商業協同組合については、保険業を黙認しておる、そうして公共団体のは黙認していないどころか押えつけておるということは、商業協同組合も軒並の店舗なんかの火災の危険について、利害関係を持つているかもしれませんけれども、地方公共団体の焼けた場合には復旧すべき幾多の施設にあり、また見舞金の額も相当なものでございますし、相当な利害関係があるわけです。それでどちらにしても、地方住民の消費協同組合的なものでやつて、片方は強制設置で片方は強制設置でないだけの話なんです。そこはどうもあまりものをかたく見られ過ぎるのではないか。一体商業協同組合が共同施設としてやる事業そのものが消費生活の共同化ですから……。それが公共団体の消費の共同化という面から見て理論的にも一貫性があるのです。それに対してそういう不公平なことをやつて、均衡がとれておるということを強弁なさるおつもりであるのかどうか。あまりにも子供だましのその場のがれの御回答のようで、どうもおもしろくないのでございますが、どうぞもう少し卒直にお話を願いたい。
○狩谷説明員 私は、実はその場のがれの答弁をいたしておるのではありませんで、言葉が不十分なのと問題が非常に広汎にわたつておりますので、そのために意を尽し得ないことを申訳ないと思います。そこで実は町村有物件、市有物件等の共済化につきましては、現在保険業法の適用を除外されておりまして、実は私どもの直接監督下の団体というわけではなかつたのであります。そういう点がございましたために、報告書等の詳細なデータは私も勉強して自治庁へお話しまして、資料をいただいてここでただちに御返答できる、こういうようなことになつておりますればよろしかつたのでありますけれども、そこまで勉強しておりません。
○門司委員 ちよつと……。この法律を改正するときに反対したのは大蔵省でしよう。そうしてできたものはあとは知らないというのはどういうわけですか。
○狩谷説明員 その点についての調査は十分でなかつたということはおわびしますが、一方でもつて私どもが直接の監督の官庁でないという特殊事情も、御了承をいただきたいと思います。
○加藤(精)委員 ますます驚き入つた次第であります。国の保険行政の総元締めの課長さんが、直接の監督じやないから、そういう問題は研究してないということを言い切つていいかどうかという問題であります。これは国家公務員の心構えの問題なんかとも非常に関係があるのだろうと思うのでございますが、まあかれこれ言うのをやめまして、この次の地方行政の委員会までに、自治庁につかれまして詳細をお調べの上、その比較表その他を御整備になつて御提出願いたいと思つております。
○狩谷説明員 ただいま御注意を受けました点につきましては、御趣旨に沿つて資料を集める等によつて、さらに検討したいと考えております。
○藤田委員 さつき要求した資料も出していただきたいと思います。資金の運用状況、集まつた保険金の状況、保険の料率の問題……。
○狩谷説明員 それではさつそく保険に関する諸般の資料をお出しします。
○中井委員長 この機会にお尋ねいたしますが、先ほど藤田委員が御質問になつたうちで、二十六年度の保険料の収入は二百三十億で、損害保険金として支払つたものが二十二億にすぎない。こういうことを言われたのでありますが、この数字は大蔵省でも大体お認めになるのでございますか。
○狩谷説明員 ただいまの数字につきましては、さらに私も検討いたしておりますが、おそらく現実にはさような数字はなかろうと考えておりますので、何かどこか数字の間違いがあるのじやないかというふうに、先ほど御答弁いたしました次第であります。
○中井委員長 それからもう一点、あなたの御答弁では損害支払額は、収入額の二五%に当ると言われました。そのうちには火災による損害以外のものも入つておるというような趣旨の御答弁があつたのでありますが、その内容はどの程度に入つておるのでありましようか、そこをはつきり承りたいと思います。
○狩谷説明員 本来保険会社が行つております企業種類は、火災保険事業のほかに海上保険事業、運送保険事業、自動車保険事業、その他各種の保険、事業がございます。そのうちの大体六割が火災保険の事業でございます。私が申し上げました収入保険料に対して二五%強の保険金支払いになつておると申しますのは、その全体を通じての数字でございます。おそらく火災だけをとつて見ても、大体それと違わないような数字が出るのではないか、今手元に資料を持つておりませんので詳しいことはわかりかねます。
○中井委員長 御趣旨はわかりました。従つてこういう資料を御提出願いたいと思います。保険会社全体としての保険料の収入総額及びそれの内容。ただいまおつしやつたように火災保険だけでなく、運送その他の保険があれば、それらの内容をすべて明らかにしていただきたい。同時に損害保険の支払つた保険金、それもまた総額、その内容、火災保険の分は幾ら、しからざる分は幾らということを明らかにしていただきたいと思います。そう上ないと収入の分を火災保険だけで見て、支出の分は火災保険その他の分をおまぜになると、正確なパーセンテージが出て来ないと思いますから、その点は収入も支出も同じような状態においてお出し願いたい。そうすることによつて初めてそこにはつきりしたものが出て来ると思いますから、そのようにお願いいたします。
○藤田委員 ただいまの数字は、昭和二十七年六月二十六日付の業界新聞で非常に有力であります保険毎日新聞に、火災保険分の報告として、内容がはつきり出ている数字であります。「二十六年度の会社成績集計成る。火災保険成績三箇年は順調」という見出しで、この内容が掲載されております。それから先ほど課長から答弁がありました事務費も、東京火災だけを申し上げましたが、安田火災は四三・七%、日本火災は四一・五%で、いずれも保険金の四倍ないし六倍、アメリカの火災保険会社は平均二〇%にすぎないという統計も出ておりますから、御検討願いたいと思います。
○門司委員 私は小言を言うようですが、当面の責任者たる課長さんが、統計がないとかあるとか言うことは、何も課長さんの発表される程度のものなら、今ここに年鑑を持つて来てもその通り書いてある。私は年鑑の発表をここで繰返して聞こうとは考えておらない。少くともこういう行政の責任者としておられる以上は、私は年鑑に発表されるような近い数字は大蔵省はつかんでおると思う。これは役人のものの考え方から、責任を他に軽嫁するような意味で、向うから確定したものを持つて来ないから、おれの方は確定したものが発表できない。それは年度の計算がなければできないでしよう。しかし概要はわかるはずだと思う。大蔵省はそういう集計のはつきりしたものが年度末に出て来たものだけをバーンされておるのではないと思う。保険行政を見られておつて、日々の報告があるか、月々の報告があるか、先ほど藤田君から話がありましたように、われわれ調べようとすればそういう日報なり、あるいは保険協会へ行つてみればある程度わかるのでありますが、それをわれわれがここへ持つて来て、この数字が正しいということで議論することはどうかと考えて差控えて、あなた方の言うことを聞いておる。もし大蔵省がそういうあいまいなことで、年度でなければわからぬというなら、何も大蔵省に多くの人員を擁して、何のために人がいるか、そういうことを絶えず監督されておる立場からだ、私はこう解釈する。そうすれば新聞に発表された程度あるいはそれ以上のことが、私は大蔵省にわかつておると思う。だからひとつ隠さずに、何も秘密の事項でもないと思うので、同時に原稿に出しましても、政府が出して来る原稿は未定稿で出しておるものがたくさんある。まごまごすると予算書のごときも未定稿で出してある。従つて確定したものでないからここで言えないのだというようなきゆうくつなことでなく、今要求された資料はぜひひとつ出してもらいたい一そうしてわれわれやはりこういうことを調べております者の研究の資料にしてもらいたい。それは先ほど申しましたように、国と地方が七億五千万円の費用を出してこういう施設をしなければならぬという。片方には負担がかかつておる。そうしてそのことがいたずらに営利会社だけの利潤になるというようなことは私はしたくないと思う。だからわれわれは聞いておるのであつて、決して保険会社をいじめようとか、あるいは大蔵省の立場を悪くしようという考えを持つておるのではない。この点はわれわれがこういう法案を審議する一つの資料として、できるだけ親切に、できるだけ現状に近いものを出してもらいたい。これだけを私は要求しておきます。
○狩谷説明員 ただいま御注意がありました点につきまして、私どもとしましても、何も自分たち資料がありまして、これを出さないとかいうようなことを申しておるのではありませんで、保険会社の資料といたしましては、御承知のように年鑑という形でもつて私どものつかまえております数字は公表いたしてある次第であります。ただ一番最初にお話がありました各地域別の契約件数等の数字につきましては、そういう集計方法を月報その他でとつておらないわけであります。従つて年度末の状態でもつて、その報告の際にあわせてとるということを考えなければならないのでございます。私どもはその場合におきましても保険会社の各事業成績を見ることの中に、今までの徴収しております定期的な年報の要式には、地方別の契約の分布状況についての資料はとつておりませんから、手元にないということを申し上げたわけでございます。この点は現在の年鑑にも入つておらないのであります。今後そういうものを年鑑の中に入れるかどうかという問題は、また別の問題としてございます。ただ現状ではその資料は損害料率算定会でもつてとつております。その資料は集計に相当日数がかかりますので、そちらの方はあるいは二十六年度までの数字がせいぜいじやないかと考えております。私はあります資料を出さないということを申し上げたつもりは毛頭ございません。資料を持つてないものはいたし方ありませんから、ないことをお答えいたします。ある資料は出すということをお約束申し上げます。
○中井委員長 建設省から計画局長が見えておりますから、この機会に簡単にひとつお進めをいただきます。時間がずいぶん過ぎましたけれども、しばらくごしんぼうを願います。
○藤田委員 昭和二十六年度からと記憶しますが、消防の施設に関する、特に防火貯水池に対する国の補助金を出すことになりましたが、これは建設省の都市計画で、この予算のわくを持つておられるということは事実でありますか。
○澁江政府委員 その通りであります。
○藤田委員 この補助金の配分に関しましては、国家消防庁の査定をそのまま全面的に採用されて、配分されておれるかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○澁江政府委員 大体その通りでございます。
○藤田委員 この補助金を、実は当委員会が経済安定本部等に要求しまして強烈に運動を展開したのでありますが、もしただいまの計画局長の答弁のままとすれば、これは行政の邪道であると私は考えます。国家消防本部が査定をしておれば、当然国家消防本部の予算の中にこれを入れて配分することが、行政の常識でなければならぬと思います。昭和二十七年度においても同様な取扱いをされたと思いますが、どうでございましようか。
○澁江政府委員 やはり同様な方針のもとに建設省予算の中に組まれておるわけでございます。ただその理由といたしますところは、これは藤田委員も御承知だろうと思いますが、要するに予算を組みますときに、公共事業費の中に入れることが一応の条件になつております。従つてこれについて経済安定本部等も消防の施設の劣悪という考え方でなしに、むしろ公共事業費の中の都市計画事業の中へ一本化して入れておいたならばどうかということ等もございまして、それらの意見等を取入れまして、建設省の都市計画事業、すなわち建設省予算の中に組む、こういう経緯をたどつて来ただけのことであります。
○藤田委員 先般の当委員会における滝野本部長の答弁によれば、金額が少いからこれを都市計画局に預けたままにしておつたのだ、自分たちの立場としては、当然国家消防本部に受入れるべきであるというような意味のお言葉がございましたが、二十七年度予算のうち都市関係は二億二千五百万でありまして、そのうち五千万ないし一億という数字は、決して少い数字ではないと思いますが、この点は先般の本部長の答弁と、予算の実際の数字との食い違いがありますが、これはどういうふうに解釈したらいいのでありますか。
○澁江政府委員 本年度予算編成の際における予算的措置を、建設省に組むか、消防本部に組むかという点については、これは消防本部とも打合せしておつたはずだと思います。従つてその点については予算編成方針がそうなつておるということについて、両者の間に意見の食い違いはないと思つております。ただ将来の問題としてこれをどうするかということについては、先般も消防本部から特に今回の法律等に関連いたしましてむしろ組みかえをしたならばどうか、こういう御意見がございまして、私どももそれにつきましては建設省の立場といたしましては、それを否定する、それに反対すべき理由はないように考えております。
○藤田委員 そうしますと、今回の消防施設強化促進法が通過いたしました場合、二億五千万という予算はどの部門に計上されて、どういうふうに運用されるか、滝野本部長からお伺いしたいと思います。二十八年度の予算書のどの部分に計上されておりますか。まだ法律案が通つていないから計上されていないとすれば、今後どういうふうに確保して、どういうふうに運用されるつもりであるか。
○瀧野政府委員 今回初めて予算に組まれます二億五千万円は、国家消防本部の部門の予算の中の、消防施設強化補助費という費目に表われております。
○藤田委員 補加費として予算の補正において要求されますか、当初予算には出ていないように了解しておるのでありますが。それとも三十億の予備費のうちからまわされる予定でありますか、どういうふうになつておりますか。
○瀧野政府委員 今回国会に提案になつております二十八年度予算に、はつきり出ておるわまであります。
○藤田委員 そうしますと、この二億五千万の補助金に関しましては、消防本部の方で完全に一貫して運用されるわでございますか。
○瀧野政府委員 さようでございます。
○藤田委員 先ほどの計画局長の御答弁で、大体将来はこれを消防本部の方に組みかえたいという御意見でございましたが、これは大体二十九年度から組みかえる予定でありますかどうですか、いま少しく具体的にお答えを願いたいと思います。
○澁江政府委員 二十八年度につきましては、先ほど申し上げました通りで、現状のままで進むほかはないというふうに考えております。二十九年度の問題につきましては、これは私が申し上げました考え方によりまして、——おそらく予算編成の大蔵省当局あたりにも、いろいろ意見はあるだろうと思いますが、もし建設省の立場にこだわつていろいろ議論が出るといたしますれば、私の方としては組みかえされても決して異存はない、こういう立場で話合いをするつもりであります。つもりではおりますが、大蔵省の考え方自体については、これはまたその意味で折衝する、こういうことで現状では進むほかはないというふうに考えております。
○藤田委員 大蔵省の考え方で異論があればということでございますが、おそらく常識的に、行政運営の実際からいたしましても、何も異論はないと思いますが、従来何か問題がありましたか、どうですか、この際お聞きしておきたいと思います。
○澁江政府委員 私は別にそういう異論があつたというように聞いておりません。聞いておりませんが、万一さようなことがあつたとしても、建設省としてはその方針で、大蔵省へ申し入れるということを申し上げておるのであります。
○中井委員長 次会は公報をもつてお知らせ申し上げます。 本月はこの程度で散会をいたします。 午後一時六分散会