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16回国会衆議院1953/07/09

大蔵委員会 第18号

発言数
82
登壇者
10
会派数
5
開催日
1953/07/09

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  去る大日本委員に付託されました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法律の規定による年金の特別措置に関する法律案、昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案及び日本専売公社法の一部を改正する法律案の四法案を一括議題といたしまして、まず政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。愛知大蔵政務次官。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 ただいま議題となりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案外三法律案につきまして提案の理由を説明申し上げます。  第一に旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案について説明申し上げます。  まず特別措置法の改正でありますが、現在旧陸海軍の共済組合及び外地関係共済組合等の組合員であつた者で、年金受給権を有していたものに対して年金を支給することとなつているのでありますが、これらの組合の共済組合規則が各組合まちまちでありましたので、年金受給権について不均衡を生じており、これを是正するため、旧陸軍共済組合及び外地関係の共済組合の組合員であつた者のうち、昭和二十年八月十五日において二十年以上勤続していたものについて、国家公務員共済組合法の規定による退職年金または遺族年金に相当する年金を支給することとし、なお旧陸軍兵器廠職工扶助令の適用を受けていた者についても同様の措置を講ずることといたしたいというのでございます。  次に国家公務員共済組合法の改正につきましては、組合員の範囲を明確にいたしますとともに、哺育手当金につきまして、組合員の資格喪失後も継続支給ができるように改め、健康保険法との権衡をはかつたのであります。  第二に昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた国家公務員共済組合法等の規定による年金の特別措置に関する法律案につきまして説明申し上げます。  国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定により現に支給されている年金のうち、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた年金につきましては、従来機械的な年金額の改定を行つて来たのでありますが、その結果、同年七月一日以後に給付事由の生じた年金との間に不均衡を生じておりますので、これを是正するため、年金額算定の基準となつている俸給に対応する新たな仮定俸給をつくりまして、これにより昭和二十八年一月一日から年金額を改定することとし、また公務による傷病を給付事由とする年金につきまして、恩給法の規定による増加恩給の例にならない、最低保障額を定める等の措置を講ずることといたしました。  第三に昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家公務員共済組合法等の規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして申し上げます。  昭和二十七年十一月一日に行われた国家公務員の給与水準の改訂に伴いまして、国家公務員共済組合法及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額を、昭和二十八年十月分以降、国家公務員の現行給与水準に合せて改定することといたしました。  なお、以上の措置によりまして増加いたしまする費用は、原則として国庫の負担といたしましたが、地方職員を組合員とする共済組合または公社の共済組合につきましては、国庫及び地方公共団体または公社が按分して負担することといたしておるのであります。  最後に日本専売公社法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は、前国会に提案して、不成立となりましたものとおおむね同様でありまして、専売事業の企業的運営をはかりまするため、日本専売公社の会計制度に関する規定に所要の改正を加えることを内容としたものでございます。  その概要を申し上げますと、まず、現行の予算の弾力性に関する条項を改正いたしまして、予算に需要の増加、経済事情の変動その他予測することができない事態に順応し得る弾力性を与えまするとともに、予算の流用及び繰越しに関する制限を緩和いたしまして、事業経営の一層の円滑化をはかることといたしたいというのであります。  次に、能率の向上によつて、収入が予定より増加したり、または経費を予定より節減したこと等によつて生じました金額のうち、その一部を予算の定めるところによりまして、大蔵大臣の承認を受けて、特別の給与として、給与総額にかかわらず支給することができるようにいたし、また、専売納付金の計算にあたりましては、たなおろし資産の増加額を控除しないことに改めて、企業体にふさわしい合理的制度といたすよう規定の整備を行わんとするものでございます。  最後に、業務内容に投資の条項を加え、また、業務にかかる現金の取扱いに関する規定及びその他予算の形式、内容、手続の規定等について所要の改正を加えることといたしたのであります。  以上がこの四法律案の提案の理由であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 本日の日程に掲げました二十一法案中、ただいま説明を聴取いたしました四法案を除いた十七法案を一括議題として質疑を続行いたします。  質疑は通告順によつてこれを許します。  なお本日出席の政府委員は、愛知政務次官、今泉専売公社監理官、阪田管財局長、河野銀行局長、東条為替局長、さらに説明員といたしまして、国民金融公庫の総裁櫛田光男君、日本電信電話公社副総裁靱勉君の諸君が出席しております。  福田赳夫君。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 私はまず閉鎖機関令の改正の問題からお聞きしたいと思います。閉鎖機関令は、申し上げるまでもなくポツダム政令でありますので、これは占領中に、憲法にあるいはの抵触いたしましても、あるいは他の法律に抵触いたしましても、一つの効力を有しておるものであると思うのであります。しかるに昨年四日講和条約の効力も発生いたしましたので、その後国内的な考え方というものについて再検討する必要があるのじやないかというような、きわめて重大な立場に置かれておる政令でありますので、その存廃いかんということまで頭に置いてこの問題の改正を考えなければならぬ、こういうふうに考えるのであります。そういう角度からいろいろ質問してみたいと思います。  まず質問してみたいのは、政府とただいまの閉鎖機関の特別清算人の関係は一体どういう基本的関係になつておるか、この点について伺いたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 政府と特別清算人との関係という御質問と思いますが、特殊清算人は、閉鎖機関令の規定に定めてある通り、すなわち閉鎖機関令の規定によりまして、閉鎖機関の清算について特別の権限を持つておられるわけであります。その閉鎖機関の特殊清算人の行う清算事務は、大蔵大臣がこれを監督してやつておる。特殊清算人に対しては、大蔵大臣はこれを選任あるいは事情があれば解任することができる、こういうような関係に立つておるわけでございます。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 日本の法制上、その身分はどういう関係になつておりますか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 私どもの解釈によりますれば、この特殊清算人は公務員といつたような身分の者ではありませんので、大蔵大臣から選任された者でありますが、特殊清算人という資格において、この閉鎖機関の清算を、特別な閉鎖機関令によりまして付与された権限に基いて行う、こういうもののように解釈しております。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 福田君、聞えますか。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 まあ聞えますが、うしろまで聞えるかどうか……。そうしますと、その給料とか、そのいろいろな経費というようなものは、どこから払つておるか。またその補助者が相当おるのじやないかと思うが、その補助者がどのくらいいるか、これをひとつ伺いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 この特殊清算人の給与、あるいはその他いろいろ清算に関する経費、それからただいまお尋ねになりました清算人の補助員は、だんだん減つて来ておりますが、現在四百五十四人おりまして、そういう者の給与、これらのものは、すべて清算事務に要する費用として、清算費として支出されるわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 私はその清算費というものについて伺つてみたいのですが、これは閉鎖機関令が出た最初のころは、相当たくさんかかつておつたと思うのです。それがだんだん少くなつて来て、私はそんな何百人もおるとは思わなかつた。伺つてみると四百何人もおるということで、驚いたのでありますが、一体最初から毎年清算事務にどのくらいの金を使つておるのか、各年度ごとに、また本年度の予定、これらについて大体をお話し願いたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 毎年度の清算費というお話でありますが、ちよつとただいま手元に資料を持ち合せておりませんので、取調べてお答えいたします。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 本年度は……。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 これは毎年四半期ごとに、特殊清算人の方から予算を立てまして、それぞれ大蔵大臣に対しまして承認を申請して来るわけであります。ただいままでの予算は承認して支出しておりますが、一年分の予算というような立て方はいたしておらないわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 どうもそういうふうに説明を伺つてみますと、そこに非常に考え方のルーズな点があるのじやないかという感じがするのです。というのは、これはこの閉鎖機関令によりまして、憲法によつて保障されておる財産権——この関係機関の財産を強制管理をしておる。これはわれわれの財産権という立場から見ますると、非常に重大な問題なんです。その財産を使つて、そうして政府の指導のもとに管理をしておる、こういうのでありまするから、これは政府としてもよほど責任をとらなければいかぬ。そのためには、私はこれを国会に毎年度予定計画を提出するようにいたしまして、こういう計画で国民の財産を管理するんだ、これだけの金を使うんだというところまで責任をとつてやる仕組みというものが必要じやないかと思うのです。今伺つてみると、どうも四半期ごとに、いいかげんといえば語弊がありますが、適当にやつておるということでありますが、それでは重大な財産権を侵害しておる。閉鎖機関の関係者は納まらぬと思う。この点についてどういうお考えを持つておるか、また今後もそういう行き当り主義の方式でやつて行かれるつもりであるか、伺いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 この閉鎖機関関係の清算費につきましては、もちろんお話の通り、閉鎖機関の関係者の利害に非常に大きな影響を持つものでありますので、大蔵大臣が特殊清算人の行う清算事務に対して監督権を持つておりますから、その予算につきましては、先ほど四半期ごとと申し上げましたが、以前は一箇月ごとにやつておりました。だんだんと仕事の量、予算の量も減つて参りまして、大体軌道に乗つて参つたといいますか、清算費の規模のめどもつきましたので、本年度から四半期ごとにやつておるわけであります。内容につきましては、もちろんできるだけ清算費は少くする、人員も最小限度に、できるだけ清算の促進の状況に応じて減らして行く、こういうことで進んで参つておるわけであります。それから経費の内容、たとえば閉鎖機関の職員の給与につきましても、十分に指導いたしまして、ことに政府の一般の予算の使い方、あるいは全般的にこういうような事務所の経費から見て、大事な清算費を使い過ぎる、こういうようなことのないように十分監督をしておるわけでございます。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 十分に監督をしておるつもりであるという話であるが、実際にはいろいろそういう方面に非難もあるし、理論上も、全体の構成として、憲法によつて保障された財産権を国が管理するんだという国の責任というものについて、重大な責任を国民に対して感じなければならぬというように考えておるのであります。これはよほど気をつけてもらわなければならぬし、また過去における閉鎖機関の経費の使用等につきましても、十分御検討願いたいと思います。冒頭にも申し上げましたように、この閉鎖機関令というものは、日本が独立国となつた今日においては、憲法の見地から再検討を要するというような考えを持つておるのであります。それにつきまして、どういう考えを持つておるか。現在の自由になつた日本の立場から見まして、この閉鎖機関令というものは、さような角度から再検討する必要があるかどうか、その点についてどういう考えを持つておるか、伺いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 閉鎖機関の清算の監督、ことに経費の支出につきましては、ただいま御指摘のありましたように、この上とも十分気をつけて、いやしくも濫費にわたることのないように、十分に節約させてやつて参りたいと存じますので、御了承願いたいと思います。  それから閉鎖機関制度を講和後の今日、根本的にどういうように持つて行くかというお尋ねでありますが、閉鎖機関制度は、占領中に御承知のようにできた制度でありまして、制度としてもきわめて特別の制度であります。しかしながら、この制度の今までの経過といたしましては、御承知のように千以上の機関が指定されておりますが、精算もだんだんとこの閉鎖機関令に基きまして進捗して参りまして、現在二百余の機関に減つておるわけであります。この精算につきましては、当初の閉鎖機関令に対しまして、その後やはりときどき改正を施して来ておりまして、現状におきましては、講和後の新しい事態に応ずるような態勢に、閉鎖機関令の規定としては、一応なつておるというふうに私どもは考えておるわけであります。具体的に申し上げますると、閉鎖機関令の改正によりまして、昨年から閉鎖機関の解除ができるというような規定も設けたわけでありますから、こういうような規定によつて、閉鎖機関の特別の清算の手続からはずして、普通の清算手続に移行しよう、こういうものにつきましては、それができることになりました。実質問題として個々の閉鎖機関が、もはやこの閉鎖機関令による清算に属せしめなくてもさしつかえない、株主も異議はない、こういう状態になりましたものは、この適用かつはずせる道が開けておるのであります。さらに今回御提案いたしております閉鎖機関令の改正によりまして、新しい第二会社が設立できますとか、あるいは会社の継続、あるいは更生の手続、それらのものができる道も広げましたので、実質的には、もやはこの制度による必要がないと考えられる機関につきましては、この制度ははずして行ける、こういうことができるようになつておると考えるわけであります。それで、もしこの閉鎖機関令をこの際廃止してしまつたらどうかということでありますが、そういうことになりますと、やはり多少その間補償が起つて来る問題もあるようであります。たとえば閉鎖機関の中には、特別の法令に基いてできた会社、法人等がございます。この特別な法令がたいてい現在は廃止になつておるわけです。この際閉鎖機関令を廃止しますと、それをはずされた機関は、根拠法規が現在ない状態でありますので、清算をいたしますにいたしましても、いわゆる復活するにしても、よるべき法規がなくなつて、また新しい制度を別につくらなければならない、こういうようなものもございます。それから現在残つた機関については、清算が進んでおりまして、在外関係の閉鎖機関のような特殊のものを除きましては、もはや清算としては最終段階に近くなつたものが多いわけですが、こういうものを現在四人の特殊清算人によりまして、集めて集団的に清算をいたしておるわけであります。これをこの際いまさらあらためて一つ一つにわけまして、個々の閉鎖機関について普通の清算をやる、一人々々清算人ができて別々にやるということになりますと、経費の関係その他におきまして、かえつてむずかしいことになるじやなかろうか。ただいま申し上げました最終段階に近い閉鎖機関の中には、破算状態にあるものが非常に多いのでありまして、そういうようなものにつきましては、やはりある程度清算について監督をして行くことも必要でありますし、またそういうものにつきましては、事実上解除いたしまして普通の清算に移るとか、あるいは会社を継続する、更生するといつたような見通しの乏しいものもありますので、現在の制度のまま、もう少しのことでありますから最後まで行つた方が適当じやないか、かようなものもあるわけであります。いろいろな点を考えまして、現在の制度は、もちろん占領治下にできました非常に特別の制度ではありますが、今日の情勢に適応するように改正を加えて、できるだけ実情に即するように運用して行こうと私どもとしては考えておる次第であります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 今回の政府の御提案を見ますと、大分ただいまお話のような線も出ておる。これは認めるのですが、もう一つ問題は、この法律を運用する精神が、ただいまお話のようなところにほんとうに行かなければならぬと思うのです。ただいまではもう戦犯までも釈放されようという状況でありまして、ただ単に海外に店があつたという事情のもとに、占領中のほんのいきさつでかようなことになつておるものに対する処遇は、これを一新した考えで当らなければならぬというふうに私は考えておるのであります。そういうようなことを考えますと、かりに法律を改正するにいたしましても、その運用におきましては、日本がまつたく独立して一新された、それからそういう一新の事態が他の各方面においていずれも採用になつておる。それに歩調を合せて行かなければならぬ。そういう心構えであるか。この運用方針についてどういうふうに考えておるか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 これは、ただいまのお尋ねの御趣旨の通り私どももやつて行きいたと考えておるわけであります。閉鎖機関令のできました当時の趣旨、考え方等は、いろいろあつたと思いますが、現在となりますれば、やはりこの閉鎖機関令の制度の運用といたしましては、こういう残された清算事務は、円滑に、事務的にできるだけ便宜にやつて行く、こういうことが一点でありますし、また残された閉鎖機関の財産、資産というものを、今後できるだけ日本の産業、経済に役立つように活用して行くというようなことも、一点であろうと思います。もちろん閉鎖機関の利害関係者にも、できるだけ損害を与えないようにこの問題を解決して行く、こういうことも考慮されなければならないと思います。いろいろさようなことを頭に置きまして、現在の制度を運用して参りたい、かように考えております。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 その点は了承したのでありますが、しからばそれを実行するという場合におきまして問題になつて来るのは、昭和二十五年の機関令の改正によりまして、海外支店の債務の見返り、財産を国内において保有しておらなければならぬということになつておるが、この点の運用は今後どういうふうに考えて行かれるか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいまの御質問の趣旨、ちよつとはつきりわかりかねたのですけれども、昭和二十五年の改正ですか、このときに、閉鎖機関の制度といたしましては、国内にある資産だけの清算をやつて行くという建前になつているわけでありますが、その国内の資産というものの定義といたしまして、従前は、たとえば債権債務であれば、現在の日本の領土内に履行地があるものを、国内の債権債務として扱つて行くという建前になつておりましたものを、国内の店舗に所属している債権債務は、国内の債権債務としてこの清算に入れて行くという建前にかわりましたので、その際これによつて、従来扱つておりました範囲が拡大いたしまして、国内のこの清算の手続に入つて来ました債権債務がございます。そのようなものは、もちろんそのときから清算の範囲内に取入れまして、整理を急いでいるわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 具体的に伺つておきますが、二百幾つかの閉鎖機関の中で、重要な問題は、朝鮮銀行、台湾銀行というものがあります。朝鮮銀行、台湾銀行の国内における資産、負債の整理状況はどうなつておりますか、これを概略お話し願いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 現在朝鮮銀行、台湾銀行の関係におきまして、国内の清算事務の残務として残つておりますものを一応申し上げますと、朝鮮銀行関係でありますが、債権といたしましては、貸付金が十二件、六千五百五十六万円、証券——国債、社債等ございますが、これが五十六億五千八百十九万円、地金銀、これは接収中のものでありますが、これが五十一万円、それから一般債務といたしまして一千四十八件、一千四百八十万円、それから先ほど申し上げました店舗主義で、新しく責務の区分をきめました結果増加しました債務で、まだ整理されていないものが三千三百四十五万円、それから閉鎖後に発生しました利息で未収のものが約八十万円、こういうような状態になつております。  それから台湾銀行につきましては、債権が四十四件で六千七百十七万円、それから証券が十一銘柄で十三億八千七百五十六万円、それから預かり金が一件、千八百五十万円、一般債務といたしまして千百七十四件、千百二十七万件、それから先ほど申し上げました新しく加わりました債務として約五千三百万円、閉鎖後発生しました利息としまして六百七十万円、こういうような数字がございます。それでこういうような債権債務を、国内の清算といたしましては取立て、あるいは支払つて行くのが今後の仕事になるわけでございます。一般債務はたいへん件数が多いようでございますが、支払おうとしても受取人の所在がわからないというような状態でそのままになつておるのが大多数でございます。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 そうしますと、その資産、負債のしりはどうなつておりますか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいまの残る財産ということでありますが、これは現在まで整理済みのものもありますし、これから収入の見込みのある回収金、あるいは利子等もあります。それから今後必要となつて来る清算費もあるわけであります。それで差引結局国内関係としてどの程度残るか、この点を申し上げたらよろしいかと思うのでありますが、大体ただいま見込んでありますところでは、朝鮮銀行関係で七十四億円程度、台湾銀行で二十七億円程度でございます。このうち一部はすでに現金化されまして、預金あるいは短期証券等の形で残つているわけでありますが、全部国内関係で清算が済めば、この程度の金額が一応残るという計算になるであろうということであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 今の七十四億、二十七億は、債務側に外国における支店の債務は入れておりますか、入れておりませんか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 それは入つておりません。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 伺いますと、朝鮮銀行においては七十四億、台湾銀行においては二十七億も大体において黒字が出る、こういう見通しであります。そういうように大体整理の見通しのはつきりして来たようなものにつきましては、これはこの段階まで来ますれば、政府の特殊清算人というような制度による管理を切りかえまして、これは旧関係者等に民主的にやらせてみるという方法の方があるいは適当でないか、こういうふうな感じを非常に強く持つのでありますが、これはどうお考えでしようか。また縁もゆかりもないところの第三者においてこれを管理して行く、その管理というものがはたして適切に行くかどうかという問題もあると思うのでありますが、どういうふうに考えますか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 朝鮮銀行及び台湾銀行等につきましては、もちろん御承知のことと思いますが、閉鎖機関令による清算は、日本の現在の領土内にある財産についてだけの清算でありまして、現在日本領土に含まれないこれらの銀行の本店、支店等の債権、債務の清算は、まつたく行われていないわけであります。具体的にどの程度の債権債務があつたか、資産があつたかというようなことも、現在は確認できない状況であります。さらにその清算がどういうような形で進められるかということもはつきりしていない。御承知のようにサンフランシスコの平和条約、あるいは日華条約によりまして、こういうような地域にあります日本の資産、負債の処分は、日韓、日華等の間で締結されまする特別とりきめできまるということになつております。その特別とりきめというものが、現在のところまだできていない。その結果最終的に海外の資産、負債がどうなるかということがはつきりしない状態にありますので、そのような関係上、現在国内で一応こういうような残余が出る見込みがありましても、その処分を決定することができないというような状態にあるわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 お話の通りのようなことでありますと、こういう外国関係の閉鎖機関の整理は、いつになつても片づきません。一体政府の方では、外国における債権、財産の問題は——債務の方はあるいはよいかもしれません。債権、財産その他すべての資産に関する見当が一体つくのか。私はそんなことを言つても、永久に問題は解決しないでおしまいになりはしないかというふうに考えております。何かこれにピリオドを打つ方法を考えないと、この問題は結了しないのではないかと思うのでありますが、さように考えられないかどうか。もしさように考えるならば、どういう形でピリオドを打つか。その方法について考え方をお示し願いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 今この関係につきましては、ただいま申し上げましたように、日韓、日華等の関係におきまする特別とりきめということが実現しませんと、終局的な結着はつかないわけでありまして、その意味におきまして、いろいろと外交関係、外務省の関係に属することでございますが、私どもといたしましても、そういう方面の関係がどういうようにはつきりするか、どのような帰趨をとるかということをやはり相当見きわめた上で処置をしなければならないと考えておるわけでありますが、今回の閉鎖機関令の改正によりまして、今までは在外活動関係の閉鎖機関、すなわち朝鮮銀行とか台湾銀行はこれに属するわけでありますが、これは要するに社債の弁済、残余財産の分配等ができないことになつておるわけでありますが、今回これを改正いたしまして、海外における資産、負債の総額、それからそのほかに政令で定める一定の金額を留保いたしますれば、そういう清算もできる、解除もできるというような規定を新たに加えましたわけであります。それで私どもといたしましては、そういうような関係で海外の資産、負債の状況、あるいはこれがどうなるであろうか、あるいは国内の清算の状況ももちろんでありますが、そういうような点を見合せまして、ただいまの改正規定の運用によりまして、その結果朝鮮銀行、台湾銀行等につきましても、解除するとか、あるいは新会社の設立を認めるというような時期になりますれば、積極的に新しい規定を活用してこれを認めて行きたい。今後の情勢に応じて、できるだけそういうことは可能であればやつて行きたい、かように考えておるわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 特別とりきめについては、交渉が始まつているかどうか。また始まつていないとすれば、どういう準備をしておるか、それを伺いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいまの問題は、外務省の方からお答え申し上げた方が適当と思います。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 これは大蔵省当局が答弁しなければならぬことだと私は考える。大蔵省が閉鎖機関の全責任を持つておる。いかに関連先があろうとも、その状況をつかんで常に行動しなければならぬというふうに考えるのでありますが、一体どういうようにお考になりますか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 ただいまの福田さんの御指摘の問題は、まことにごもつともでございます。要するに具体的な問題としては、今お示しになつた朝鮮銀行の問題が一番むつかしい問題であろうと思います。これは、結局日韓会談等によりまして推進しなければならぬ問題で、ございまして、大蔵省としては、御承知のように、先年日韓会談が開かれることになりましたときにも、こういう問題についてできるだけすみやかに処理をしたいということで、外務省等にももちろん連絡もし、あるいは直接にも交渉に入りたいと思つておつたのでありますが、その後の状況が状況でございますので、停頓しておるようなわけでございます。それで大蔵省としては、何とかして日韓会談の促進ということに、われわれとしても推進をいたしたいと思いますし、また国内の措置としてとらなければならぬ点についても、これを契機にして進めて参りたいと思うのであります。  なお余談になりますが、先ほど、それでは永久に解決ができないではないかというお話もございましたが、たとえばブラジルの問題とか、インドの問題とかいうものについても、御承知のように先方から非常に好意のある申出もあるような状況でございますので、この日韓間の関係の問題につきましても、休戦の成立その他にも関連いたしまして、私は永久に解決しないとは思いませんし、なるべくすみやかに進めるようにいたしたいと思つております。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 そういうふうなお話を伺いますと、政府の方でも、閉鎖機関関係の在外資産債務の処理については、相当お考えを持つておられるように思う。お考えを持つておる一番の中心は、在外債権債務、資産負債の処理について政府は責任をとる考えであるか。また銀行その他の閉鎖機関の整理の一環としてやるつもりであるか、この点について何かお考えがきまつておるのでありますか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 その点については、率直に申し上げますが、従来ずつと大蔵省として考えて参りましたのは、この在外の債権債務の処理については、まず第一次的には閉鎖機関自体、具体的に言えば、銀行自体の資産負債でもつて処理をいたしたいというふうに、従来は考えて来たわけでございます。今後どうするかということでありますが、今後におきましても、できれば私どもとしてはそういたしたい、たとえば朝鮮銀行の第二銀行をつくるという場合、日韓会談等から起つて来るであろうところのいろいろの問題を考えますと、政府がこれを引受けて行うという態度をはつきりすれば、第二銀行等も簡単にできると思うのでありますが、その見通しの問題になつて参りますが、政府というか、これがまた直接国民の負担になるようなことが予想され得る限度においては、好ましい行き方ではないと思いますので、第一次的にはやはり閉鎖機関自体の処理ということで考えて参りたいと思つております。

大平正芳自由党

○大平委員 今の稻田委員の御質問の点ですが、閉鎖機関令の今度の改正案の中で、在外債権債務の差額と政令で定める金額とを留保すれば、国内財産についての処分は認めようというような改正になつておる。この点は、この間管財局長との質疑で私が了解したところは、外交関係ができ上つていないし、特にその点が在来の閉鎖機関の関係としては大きいわけでございますが、そういつた外交関係がまだ再開されておらないから不確定要素がある。その不確定要素は、政令であらかじめ政府の方で、この程度は留保しておこうという考えで今度の改正案を立案されて、そうして処理を急ごう、従つて外交関係が百年河清を待つというような関係だからこそ、今度の改正ができたように思うのですが、つまり不確定要素を政令で定める金額に織り込んでおいてしまつて、あとのものは一切この際すつきりと解除して行こう、こういう考え方のように了解しておるのですが、その点ちよつと確かめておきたい、

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいま大平さんのお尋ねの通りの考え方であります。いろいろと在外の債権債務の関係、金額の正確なる数字自体も捕捉しかねますし、その処理もはつきりいたさない、こういう現状でありますから、この間不確定要素がある。その分を見積れる限り見積つて、この政令の基本金額の中に入れておいて、それでもなお清算するものがあるという場合には認めて行きたい、こういう考えであります。

大平正芳自由党

○大平委員 ところが先ほどのあなたの説明では、情勢の転換を待つというような発言があつたようですが、つまりそういうことを排除するために今度の改正ができたのではないかと思うのですが、その点は間違いはないのでしようかね。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 要するに、政令による一定の金額を定めるという場合に、非常に見通しがむずかしい、あるいは不確定要素が非常に多いということになりますると、留保する金額も非常にふえて来る、この法令の第十九条の改正の最後に、一項を追加いたしまして、留保する財産は在外債務の総額を越えることはならない、こういうようにありますので、それが最高限になるわけでありますが、いずれにいたしましても、現在の見通し、情勢、現在の程度であると、政令で定める多額の金額を留保しなければならない、こういうことになりますと、解除するといたしましても実益がありませんし、第二会社の設立もむずかしい、こういうことになります。情勢の発展、あるいはその判断におきまして、この政令に定める金額がきまりまして、それで解除、あるいは第二会社の設立ということが可能であるという場合には、ただちにこの規定を活用したい、かように申し上げている次第であります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 ただいまのお話によりますと、海外閉鎖機関の責任においてまずやるというお話でありますが、私はそれはもつともだと思う。さようあるべきものであろうと思うのであります。そうすると、そういう考え方をとりますと、現在の閉鎖機関の管理方式というものは、ただいまのお話と矛盾して来るのではないか、こういうような感じがする。と申しますのは、愛知政務次官が言われたようなことは、結局政府において責任を負いたくない、また国民に負担をさせたくない、こういうことでありますが、ただいまのような管理方式で、政府が特殊清算人を任命し、政府が監督して行くというような方式でありますと、私は愛知政務次官がさような御意図であるにかかわらず、ずるずると政府が責任を負う方向にひつぱられて行く、こういうように考えます。私は直接台湾の問題は、これはただちに解決することはむずかしいかと思いますが、すみやかにこれが解決されることを望みますが、その間におきましては、特殊清算人というものを、在来の関係者の衆知を結集いたしましてやつて行く方針が必要であると思います。これはどうしてもとるべき方法ではないかと思うのでありますが、その点についてはどういうように考えるか、よほど頭を切りかえてやつていい問題ではないかと思います。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 今の福田さんのお考えは、私もごもつともだと思うのであります。できるだけそういう方向でひとつ今後進みたいと思います。なお先ほど申し忘れましたが、これは申すまでもないことでありますが、金融機関とか、特に発券銀行であつた場合などにおきましては、為替相場の問題などが話合いによつてちよつとでも動くということになりますと、非常に大きな額になつてしまいますので、そういう点は申し上げるまでもございませんが、やはりなかなか処理がむずかしいということになると思います。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 ひとつぜひ気分一新という方針でやつてもらいたい。ただいまは政務次官からさようなお言葉でありますから、了承いたします。  なお今回の法律案の第十九条の五を見ますると、第四項に「前条第二項の株主総会の決議は、発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式々有する株主の賛成によるものでなければならない。」とありますが、この「発行済株式」というのは確認する方法があるのかどうか。私の考えでは、これはなかなかむずかしいのではないかと思います。在外の人なんかはちよつとわからない人があるのではないかと思いますが、どういう考えであるか伺いたい。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ちよつと御質問の趣旨がはつきり了解しかねたのですが、これは旧会社の関係でありますから、旧会社の株主、あるいは株主名簿、株金額等はわかつているわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 「発行済株式の総数の二分の一以上に当る株式を有する株主の賛成によるものでなければならない。」とありますが、この二分の一以上に当る株式を有する株主、これはこの法案通りに行きますと、なかなかむずかしいのではないかと思う。常識で考えまして、二分の一以上を持つのはなかなか困難であると思いますが、その点はどうでしようか。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 この二分の一という数の関係でありますが、これはいろいろ商法その他の関係の特別会議をやります場合重要な問題でありますので、そういうような場合も参照いたしましてきめましたわけであります。商法の非常に重要な決議をいたします場合と比べますと、商法では三分の二ということもあるわけでありますが、多少これは緩和してあるわけであります。具体的に外地の銀行でありますから、二分の一の株主を確認して、その賛成を集めることができるかというお尋でありますが、これは将来のことに属することでありますので、はつきり確認はいたしかねるわけでありますが、しかし海外にありました銀行でありましても、実際問題といたしましては、大体株主も内地にいるものが非常に多いわけであります。二分の一の多数を集めることも不可能ではない、見込みがあるというふうに、私どもは一応判断いたしております。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 それはどうも法律執行上から見ますと、発行済み株式の総数のうち、知れたる株主の有する株式の総数の二分の一というふうにやるべきじやないかと思うのです。それでなければ、これは実際問題として運用できませんよ。御見解はどうでもいいのですが、一体それで動き得ると思つておられるのかどうか、非常に疑問に思つております。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいまのお説でありますが、大体先ほど申し上げましたように、朝鮮銀行、台湾銀行等におきましては、外地銀行ではありましたが、御承知のように大多数が日本人の、日本内地にある会社、個人等が株主でありまして、現状においても二分の一以上集めるということは、これは努力いたしますれば十分可能であるというふうに、私どもといたしましては判断いたしてつくつたわけであります。

福田赳夫小会派クラブ

○福田(赳)委員 それじやまたあとで、これに関連するこまかい問題がありまするから、時間があつたらお尋ねします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 須磨彌吉郎君。

須磨彌吉郎改進党

○須磨委員 ただいまの福田委員の御質問並びに関係の各位のお答えによりまして、ほぼ明らかになつて参つた次第でありますが、私もきようは朝鮮銀行並びに台湾銀行の問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。ただいま愛知政務次官のお答えによりまして、ほぼ明快なることがわかつたと思うのであります。政府は、この両銀行の資産については、今後その支払いの責任は負わない、そういうような考え方でございますると同時に、でき得れば対外関係というものは、福田委員の申される通り、百年河清を待つがごとき状態であることは、これはなかなか耐えがたいことであるから、何か近いうちに解決しなければならぬということも、おぼしめしのあつたことと思いまするが、はたしてしからば、わが日本がこれから経済上の問題につきまして、いろいろな施策がありまするうちに、たとえば東南アジアに対しまする貿易、それからやがては開かるべき支那大陸との橋渡しができまするならば、そこにまた一つの大きな貿易面が開かれて行く。現に一衣帯水の朝鮮において、休戦が、成立するというようなことになりまするならば、きまうお尋ね申しまする朝鮮銀行については、たちまちその必要が起つて参る次第であります。こういう銀行業、金融業ばかりでなく、すべてがそうでございますが、特にかようなる銀行というものが活動いたしまするためには、手足がなければならぬのでございます。その手足も、全部この両銀行の当事者が過去七、八年にわたつて休んで待機しておるというような状態であるわけでございます。そうすると、先ほど政務次官の御説明のごとくんば、大局から見ますると、一日も早く今度の改正に伴つて、この両銀行には第二会社設立をお許しになるということは、当然の帰結のように聞える次第でございますが、そういうおつもりでございましようか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 ただいま須磨さんからのお尋ねでございますが、私もざつくばらんに申しまして、朝鮮銀行というような非常に大きな組織で、かつ朝鮮のみならず、中国方面にも非常に手広く仕事をしておりましたような銀行が、また活躍し得る状態になることが非常に望ましいと思うのであります。それから、一方旧来朝鮮銀行等に働いておりました人たちが、数年間にわたつて、その日の来るのを待つておることもわれわれもよく承知しておるのでありますが、これには考え方が私二つあると思うのでありまして、中には、とりあえず第二会社をつくつて、たとえば日本国内で金融業務を営む普通銀行をつくりたいというような考え方もございましようし、またさらに進んで、従来のような活躍をしたいという考え方もあると思いますが、私どもは、とりあえずその前段のことが事務的の処理の対象になるかと思うのであります。それにしても、先ほど来申しておりますような、特に発券銀行であつたという関係で、為替相場の問題等が非常にむずかしくなるので、これはある程度全体の、国の内外を通じての資産負債から申しまして、朝鮮内、あるいは中国内における資産負債というものの割合が比較的小さいような場合には、これを調整勘定にでもいたしまして、日本内地の再建整備を銀行について行いましたと同じような考え方がとられるかと思うのでありますが、あまりにも国外の関係が大きいものでありますので、つい従来ああもしたい、こうもしたいと思いながら、手が出なかつたわけでございます。大体見通しの問題、あるいはこれからの考え方の問題としては、私は須磨さんのお考えと同意見であります。

須磨彌吉郎改進党

○須磨委員 ただいまのお答えで非常にはつきりいたしたわけでございまするが、それでは、この両銀行がまずもつて第二会社ぐらいをつくつて、この国内の面においてだけでも活動を開始して、この対外活動に対する待機をいたすということができますることは、非常に望ましいことだと思いますが、その第二会社設立を早急にお許しになるおつもりがございましようか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 先ほど来申しておりまするように、われわれの態度といたしまして、これは非常に遺憾なのでございますが、今ただちに国内の金融業務の第二銀行ということは、ちよつと考えられないのでありまして、その気持としては、何とかそういう方向に行きたい気持も持ちますが、実際問題といたしますと、現在のところは困難だと申し上げ、ざるを得ないのであります。それからなお、私どもの知れる限りにおきましては、たとえば今度の閉鎖機関令の改正等については、ますますそういう考え方を出したいと思いますが、旧来そういう銀行に関係のおありになつた方、活動しておられたような万々には、できるだけこういうとこうへ、——現在も相当入つておられると思いますが、なお一層そういう面は関心を持つて働いていただくようにいたしたい。  それからなお、これはお尋ね以外の問題でございますが、相当部分の方々は、いろいろの方々のごあつせんで、金融機関その他のところで、その持つておられる過去の経験を生かして、働いておられるような状況でございます。

須磨彌吉郎改進党

○須磨委員 それでは第二の問題といたしましては、もと朝鮮銀行、台湾銀行等の関係者であります人を、清算人に御任命に相なつてやりますることは、ただいままで私が申上げました将来に対する諸般の準備についても大いに助けになると思うのですが、そういう清算人に御採用になるおつもりはありませんでしようか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 それは大いに考えられることであると思います。

須磨彌吉郎改進党

○須磨委員 いま一度繰返して申し上げておきたいと思うのでございまするが、なるほど海外におきまする紙幣の問題もあるとおつしやるのでありまするが、すでにアメリカにおきましては、アメリカ政府は、敵産の管理令を全部撤廃いたしまして、これを釈放しておる次第であります。これはまた世界全体の機運であります。わが日本だけが、この占領後に残つておるかくのごとき不都合なる政策を持つておるということは、私は世界の醜態だと思うのであります。ことにわれわれがこれから平和的な事業に乗り出すというときにあたつて、時代錯誤的なこのようなものを置くということは、まことに私はつじつまが合わないことだと思うのでございます。現に一九四五年でございまするから、今から八年も前、この占領期間が終りまする前においても、すでに私の聞いておりまするところでは、この衝に当つた占領当局であるマーケツト少将等の部下の者たちでも、このことは誤りであつた、朝鮮、台湾銀行の株主権を侵害したことは誤りである。でき得れば、これを早く解除したいと思つておつたということを私は聞いておる次第であります。そういうような当初からの誤りを、占領されておつたわが国が、奴隷の、ごとく守つておるなどということは、私は天下に対する醜態だと思う。しかも先ほどからの福田委員の御質問によつてはつきりいたしましたが、百億になんなんとする大金を、善良なる管理者の注意をもつてほんとうにやるのは、やはり前からの当事者であると私は信ずるのでございまするから、さような点からもお考えくださいまして、愛知政務次官の先ほどのお答えを、さらに百尺竿頭一歩を進めて、速急の機会においてこれを第二会社として発足せしめられることに御考慮願いたいと思うのでございますが、それに対するお見通しをいま一度承つておきたいと思います。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 先ほど編田さんからもお話がございましたが、この閉鎖機関の問題一般に対しましては、私どもといたしましても、心機一転して、新しい構想と意気込みをもつて処理いたしたいと思います。ただいまの須磨さんの御指摘の問題でございますが、第一の清算等に当る問題につきましては、私ども先ほど申し上げましたように、十分配意いたしたいと思います。  それから第二の、第二会社が早急にできるようにさらに努力せよというお話でございますが、これは先ほど来るる申し上げておりますように、現在のところは非常に困難性が多いのでありますが、今申しましたように、ひとつ心機一転して、新しい構想でさらに検討いたしたいと思います。

須磨彌吉郎改進党

○須磨委員 ただいまの御答弁で、非常に私は聞きたいと思つた点がはつきりいたしたのでございます。ただいま一つけ加えておきたいことは、これは速急お願いしたいと申したことに対する口実ではないでございましようけれども、外交問題をお出しになる。これは私も多少外務省におつて、外交をやつて来た人間として申し上げたいのですが、これと外交問題とは全然別だと思う。と申しますのは、平和条約におきましても、これを引継ぎました対華条約におきましても、国家と国家がその処理に当るということになつておる。今御指摘のような為替相場がどうであるとか、兌換紙幣がどれだけあるかということとは全然別個の問題だと思うのでございますから、今後とも外交関係に藉口して、このことをお延ばしになるようなことは万あるまいと思いますけれども、さようなことのないように、また外務省にこの責任を持たせるようなことになりますと、これは国家の事務としてはなはだ喜ばしくないと思いますので、その点つけ加えまして、私の質問を終ります。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 先ほど須磨さんの御質問に対しまして、政務次官から単独の清算人を選任するように考えておるということを申し上げたのでありますが、ちよつと現状を申し上げておきたいのですが、現状といたしましては、朝鮮銀行、台湾銀行両刀とも国内の資産、負債の清算だけやつております。先ほど福田さんに御説明申し上げましたように、債権債務も非常に少くなつておりまして手は現状では、一人の専門の清算人がやるほどの仕事の分量もないのであります。従いまして、そのために新しい清算人を選任するといたしますと、かえつて事務費もよけいかかつて、清算費をよけい食うということになります。ただ第二会社をつくるとか、あるいは普遍の清算事務に移行して、継続とか、そういう措置に移るということになりますと、いろいろ仕事が出て来る、こういうように考えられるのであります。そのような意味におきまして、単独の清算人を任命いたすにつきましても、やはりそういうような時期を十分考慮いたしましてやつて行きたい。一応事務的には、私どもはかような考え方を持つておりますから、御了承願いたいと思います。  それから現状といたしましては、この清算事務はそれぞれ政府の任命された清算人がやつておるのでありますが、朝鮮銀行、台湾銀行等は、閉鎖機関中非常に重要なものでもありますし、今後もいろいろそういうような将来の問題が多いので、顧問というような制度を置きまして、朝鮮銀行、台湾銀行等に昔関係しておられました方々に、顧問ということになつていただきましていろいろ現在やつております。この関係の清算につきましては、御意見を伺つてやつておるという実情でございますので、一応御了承願います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 今日は、先ほど申し上げましたように、電信電話公社の副総裁の靱君外、説明員といたしまして専売公社西川塩脳部長、さらに政府委員として通産省の重工業局長の葦沢君が見えております。この際佐藤君に発言を許します。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 靱副総裁に私お尋ねしたいのですが、最近電話料金の値上げ問題が中小企業者の非常な悩みになつております。実は料金を上げるということは、ほかの物価のつり上げになることでございまして、われわれ納得行かないのでありますが、どういうわけでこういうものを今上げられるのであるか、赤字が二十三億ばかりありまして、あとは新しい設備資金に四十何億使われると聞いておりますが、その真相をお聞かせ願いたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 お答え申し上げます。公共独占事業といたしまして、料金の値上げにつきましては、きわめて慎重な態度で臨まなければならぬことは当然でございますが、実はわが国の電話は、非常に悪い状態にある。すなわち現在お使いになつておる方も、大都市におきましては、市内電話が十分に出ない。東京あたりの例をとりますと、大体十回かけて四回通ずるような状態になつておる。これは結局非常に電話の数が少いということと、電話局を結ぶところの仲継線と申しておりますが、仲継線の不足であるというような点から話中が多い、こういう形になつておるわけであります。それからまた近距離の通話にいたしましても、百十七番、百十六番というのが即時、準即時でありますが、百十七番を呼び出して通ずる率というものは五〇先以下でございます。百十八番に至りますと、七〇%というものは全然受付にならぬという状況になつておるのでありますが、これも結局交換設備の不足と線路の不足によるものです。ことに長距離通話になりますと、すでに御承知のように、普通通話の三倍の料金を頂戴しておるような特急通話によるところの利用が、現在もなお解消できない。結局戦前におきましては、市外通話料の八二%は普通通話によつて入つて参つたのでございますが、現在におきましては、至急が二倍、特急が三倍、定時予約が四倍でございますが、それらの収入が大体七〇%、普通通話によつて入つて来るものが三〇%というような状況であります。すなわち普通の料金の三倍を払う方が非常に多い。さらにそれでもなお通話の待合い時間が一時間、二時間という状況にあるのです。結局現在の施設の状況より、利用者の方から非常に回線整備を要望されております。ことに古い方式のままに長く放置されておるものが、全国に相当の数に上つております。これは単に地方だけではございません、東京都内を例にとりましても、江戸川区という区制をしいておるところにおきまして、四つの電話局にわかれておる。そのうちの三つは磁石式の交換方式でございますので、江戸川区内の連絡がとれぬ、こういうような状況にあるのでありまして、これは練馬区におきましても、たしか七つの電話局にわかれておる。また東京のすぐそばの砧におきましても、長年磁石式の交換方式であるために、なかなか通話ができぬ。こういうことで、現在の利用者の方がこれを早く自動式にし、さらに東京に合併することを御要望になつておる。私ども、どうしてもこの問題は改良費の問題として解決して行かなければならぬ。新たに加入者を増加するとかいう問題でなく、どうしても現在の施設を改良して行かなければならぬという次第で、公社発足以来五箇年計画というものを設定いたしたのでありますが、これで参りますと、資金上どうにも実行できないというので、さらに検討を加えまして、先日来政府の方によくお願いいたしまして、新たな料金問題を現在国会において御審議を願つておる次第でございます。その五箇年計画案におきましては、五年間に電話を七十万ふやす。それによりまして、電話につきましては、ほぼ自然増に対応できるような態勢まで持つて行く。すなわち店舗、事務所、事業場等におきましては、ともかく電話がつくような形に持つて行きたい。それからさらに共同電話の利用とか、公衆電話の利用等をはかるために、公衆電話も三倍にするということで、現に郵便局があつて電話のついていない村が全国に七十二ございますが、これも二十八年度に全部解決いたしたい、こういう計画を持つておる次第でございます。それから市外通話につきましても、ただいま申しました江戸川、練馬は本年度内に東京に合併することによりまして、二七番の余裕が出て参ります。余裕が出て参りますと、受付の率も非常に高くなる。現に横浜との間も非常にぐあいが悪いのでございまして、これは一一八番で通つておりますが、横浜から東京ヘかける方は、ほとんど用をなさぬというので、貿易業者等から非常な非難を受けておる次第でございますが、非常にたくさん利用される方を一つに集めまして、東京を自動的に呼べるようにいたしたい。東京から呼ぶには、先ほど申しましたように、区域合併をいたしまして、一一七番のあいたところに横浜を入れる。これは阪神におきましても、北九州その他におきましても、そういう措置が漸次とられる次第でございますが、具体的な例として申し上げておる次第でございます。遠距離におきましても、東京、名古屋、大阪相互間、六区間になりますが、この区間は九月一日から即時にしてしまう。ただいまは東京・大阪間におきましては特急通話で通つておりますが、これを即時通話にしてしまう。さらに来年は神戸をそれに入れる。次には福岡を入れるというような計画を持つております。さらに地方重要都市相互間の連絡は、大体三十分ぐらいでつながれるようにいたしたい。こういう五箇年計画を立てた次第でございますが、この際におきまする電話の特徴といたしましては、改良というものが非常に多い。すなわち古い磁石式の局を自動式にかえる場合におきましても、大部分は現在の加入者が自動式にかわるのでございまして、現在の加入者は非常に利益を得られる。また至急回線を増しまして、持急通話を解消するという場合に、新しいケーブルを敷き、あるいは回線の増設をいたします。それは増設といいますが、実は現在の加入者の方も御利用になり、新しい加入者だけがお使いになるということはないのであります。そういうような次第でございまして、建設と申しましても、改良の分が大体七〇%ぐらいあるということで、それの資金計画等を勘案いたしまして、さらに現在借金が六百五十億ばかりございますが、これは現在の資産に対しましては、その利払いは、一分二厘にすぎない。今後の利子というものは、御案内のように、政府資金を拝借いたしましても、六分五厘の利子がつきますし、一般公募の社債にいたしますと、七分以上ということになる。この利子の支払いができなければいかぬということと、減価償却がやはり十分に行われなければいかぬ。過去におきましては、一般政府機関としてやりましたので、減価償却もほとんどやつていないのであります。従いまして、とりかえ等につきましても、十分な資金がないという状況にあつたわけであります。それらを考えますと同時に、一般公募の社債等につきましては、やはり元金の億還が必要であるという点も考えてみますと、とうてい、現行料金では減価償却ないし利子の支払いもできぬ、こういう状況でありますので、現行料金に検討を加えるということになつたのであります。その結果、大体二割五分程度の増収を得て、五箇年計画で——あるいは減価償却の引当金を入れるとか、あるいはまたただいま申した元金の償還その他に充てるような資金を入れまして、さらに社債あるいは加入者に御負担願つておる負担金等によりまして、大体二十八年度としましては四百六十一億の建設改良資金を確保いたしたい、こういう意味合いで、こういうことにいたした次第であります。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 電電公社副総裁の非常に御都合のいいお話を承りましたが、国民の大多数は、便利にはしてもらいたいけれども、料金を上げてもらいたいとは言つていないのです。さように料金を上げるのならば、便利でなくてもいいのです。占領中に進駐軍とのいろいろな問題もあり、われわれも事情は知つておりますが、独占事業であるということで非常に有利になつておる。そうしていろいろ収入の非常に少いことを言われますが、たとえば東京の自動電話のごときは、どういう関係か知らねけれども、昔はこつんと入れぬと出なかつたけれども、今は音もせずに出る。金を入れない人が非常に多いということでありますが、そういう点での手抜かりはないかどうか。東京の自動電話の料金は、ほとんど半分も納まつていないという話であります。私どもがかけても、金を入れなくてもかけられるのでありますが、こういうことについてどういうお考えを持つておるか。われわれは、少くとも便利にはしてもらいたい。電話に対する小言は日本全国どこへ行つても、税金の小言と電話の小言を聞くのでありますが、そういうことで不平であるが、値上げして便利にしてくれとは言つていない。何とかしてくれというのは、値上げせずに便利にしてくれという要求なのです。そういう点について靱副総裁の御意見を承りたい。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 もちろん利用者の立場から見ますれば、当然そういう御要望のあることは、私どもも知つておるわけでございます。ただいま公衆電話の例をお引きになりましたが、これは御指摘の通り、戦後におきまして硬貨がなかなか出ませんので、やむを得ず紙幣を投げ込む。これは交換局の方におきましては、はたして入れたか入れないか確認できないのであります。またその後、街頭にボツクスを建てる公衆電話は、道路の関係等から非常に困難でございますために、店頭電話と申しますか、店のところに公衆電話を置きまして、そこで確実に料金の収入ができるような方式に今改めております。一方すでに五円、十円の硬貨も相当出て参りましたので、本年度から来年度にかけまして、全部昔式の方式にかえたい、こういうつもりでおります。但しこれは昔の方法によりますと、一々交換局が出てつなぐという形になつて不便でございますので、自動的に交換できるようにいたしまして、しかも通話かできるとき、初めて料金を入れていただくというような方式にいたしますために、設備が少し遅れておりますが、非常に便利な方式で、本年度、来年度中に全部この形にかえたい、こういう考え方であります。先ほど申しましたように、五年間に公衆電話は三倍にいたしたいと考えております。  それから改良してもらうのはいいが、料金値上げをするのはけしからぬ、こういう御主張でございますが、この点につきましては、原価計算的に申しますと、現在市外通話のできるような電話設備のためには、一個平均にして考えますと二十五万円かかるのであります。ところがただいま非常に電話をよけいお使いになつておりまして、イギリス、フランス等の五倍くらい使つております。さらにまた先ほど申しましたように、市外通話は三倍の料金をお払いになつておるという状況でございますが、一個当りの市内、市外通話の総収入は四万三千円ということになつております。そうすると、二十五万円に対しまして利子を五分五厘、それから減価償却を五分七厘と見ておりますが、さらに一般の事務運営費を一割二分と見ますと、利子も支払いができないという形になつておる。終戦当時四十六万個になりました電話が、この三月には百五十五万個に復興いたした次第でございますが、これらはいずれも政府資金を拝借いたしまして、高い金で直して参つた電話でございます。現在のともかく修復いたしております状況は、減価償却を切つておるという点と、利子がただいままで非常に安かつた。それから前の資産がやはり残つておつた。しかも一個の電話で、三倍の料金等も支払つて市外通話をおかけになつておる、こういう状況もありますので、原価的に見ますれば、現在の料金はどうしても再検討しなければならぬ。しかも新規の加入者の方には、現在三万円のとりつきりの負担金と、六万円の五年すえ置き、十年償還の社債をお引受け願つておる。こういう状況でありますので、新たに電話に加入しようとする方は、九万円とりそろえなければならぬということで、われわれは現在もつと電話を便利に大衆が御利用になるようにして行かなければならぬというので、現在利用者の方にも一応ある程度の御負担を願わなければならぬじやないか、こういう結論として政府の方にお願いした次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 靱副総裁に、最近の電話の料金の問題、あるいは収支の問題についての参考的なものをあとで出していただきたいと思うのでありますが、最近の収支の決算のようなものの内容を参考書類としてお出し願いたいと思います。  いろいろ弁解をされてあるようでありますけれども、電話料金の値上げということは、大衆、中小業者には非常に痛いことでありまして、いろいろあなた方側から言えば上げればいいと言いまますけれども、われわれの側からすれば、上げてもらつちや困るというところに問題があるのであります。そういう点について、独占事業でありますし、それから電話が上ればほかのものが上つて来るというような、インフレ要因にもなる関係もありますので、少くとも慎重な態度で臨んでいただきたいと同時に、電話に対する一般の不平は、どこへ行つてもあるわけです。最近は一時よりよくなりましが、しかし少くとも大衆の利益をはかるところの電話でありますから、その点についてのできる限りの親切心と、それからもう少し親心があつてほしいとわれわれは考えております。そういう点について、また内容の問題について、ほかの委員からも質問があると思いますので、私はそのくらいにとどめて、参考書類をいただきたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ちよつと二、三質問を関連していたしたいのです。ただいまの電話料金の値上げの問題につきまして、現在の電話の交錯状態から、できるだけ能率的な通話が行われるような措置をしたい。そのために五箇年計画を実施するについての必要な資全的処置として料金の値上げをする、こういうことで目下国会で審議中の案件でございますが、あなたは電電公社としての責任者として、そういう建設をしたいから料金を上げるということが、かりに認められたとして、そうしたら鉄道も専売公社も電燈会社もみな新しい施設を要求をしておるのです。そのことのために鉄道料金が引上げられ、電燈料金が別上げられ、郵便料金が引上げられるということになつても、それはよそさんのこつちや、わしや知らぬということで済みますか。そういうことをあなたはお考えになりませんか。あなたは副総裁としてどうお考えになりますか。  それとこの問題に関連して、大蔵省は一体これをどう考えておるのです。そういうことになつてもさしつかえないと政府は考えておりますか。もしそういうことを他の公共企業体が申請して来た場合、許す方針ですか。これは重大な問題を含んでおるのです。それについて愛知政務次官、今お答えできなければ大蔵大臣と相談をして十分答えてもらいたいし、一ぺん両方でひとつこれに対する御所見を伺いたいと思います。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 電話料金の値上げについて、その必要性につきましては、今靱副総裁からるる御説明がありました通りでありまして、私どもも十分過ぎるくらいこの問題は検討いたしたつもりでございます。ただいま詳細な資料をここにあいにく私としては持つて参りませんでしたが、他の公共企業体との関係でございますが、電話料金の今回の値上げの率の程度でございますと、戦前の各種料金との関係、あるいは物価との関係などから申しまして、まずまあこれはやむを得なかろうというのが私どもの結論であつたわけであります。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 「何倍になつているのですか」と呼ぶ)これは実質二割五分値上げということになつております。(佐藤(觀)委員 「戦前の何倍ですか」と呼ぶ)戦前に比べて、公衆電話料で言えば、二百倍であります。各種の料金と比較いたしまして、これはもちろん上げないで済むことならばわれわれとしてはけつこうでありますが、今御説明のありましたような事情と、それから諸般の関連のところを考えまして、承認をいたしたような次第でありまして、ただいまのところ専売公社とか、あるいは鉄道とか、そのほかの関係につきましては、今さような問題がありましても、われわれとしては反対せざるを考ないと考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 電話料金を二割五分も上げなければならぬような予算的処置を講じておるのはあんたのところですよ。あなたの方が電話の方へ預金部資金をまわしてやるという処置を講じたらいいじやないか。鉄道会計の方へは百四十億からの資金をまわしておるじやないか。片方は一つもやつとらへんやないか。今までそういうことをしておいて、それで行けぬようになつたから、その責任をあなたは負うて、値上げすることを承諾しなはつたか。結論的に言えば、そういうにおいがぷんぷんと私どもするのであります。そこで事実内容は、今御説明がありましたように、全部増設改良費ですね。そういうものは現実の問題として、料金値上げによつてやるべきものの筋合いと違うと思うのです。われわれが考えるところによると、たとえば増設に必要なケーブル線であるとか、あるいは電話機具その他の機械というものが、電話局へ入つておるものが非常に高いのです。この高いことについて大蔵省は検討しましたか。副総裁は検討しましたか。何かそこをちよつとうまいことして、法律か規則か命令か知らぬが、直して、これらの民間会社にあんたの方から前渡金を渡して安うつくらしてやろう、こういう腹黒い考え方を持つておるらいしが、こういうことはけしからぬ考え方である。相手が採算が合わなければ納めなければいいんや。合うやつをこつちへ納めさしたらいいんや。電話局に必要な資材などの購入関係の裏には、忌まわしいいろいろな事件があるということがわれわれの耳に入つておる。そういう会社をことさらにこつちから育成してやるとか、政府の子会社みたようなことにしてやつてやらなければならぬ理由がどこにありますか。やつぱりその経費もこの中へ入つておるのじやありませんか。そういうことはいけません。それからまたいま一つ、この理由に、近く行われるベース・アツプの問題なんかも含まれておるらしい。そういうことがかりに予定されて値上げをされておるということなら、もつてのほかだ。あなた方に経営の手腕のないことを暴露することだ。暖かいお湯の中ならだれでも入りますけれども、困難な中を乗り切ることが、日本経済建設のための重要な要素になつておる。それをあれも手当、これも手当、それもやつてくれというなら、たれでもやりますよ、私はそう思います。だから改良費は、何としてもつくり上げたものがなくなる消耗とは違いまして、一つの資産になつて行くものでありますから、これはやはりできるだけ政府の方にめんどうを願つて、安い金利のものを長期にまわしてもらつてやつて行くというそろばんをはじき出さなければならぬ。そこまで行くべきだと思う。これも話したけれども、政府は聞きません、こういう案も持つて行つたが聞きません、だからそれらのしわ寄せばどうしても料金値上げより方法はありません。こういうのなら、われわれもあなた方の御苦労は大いに了といたしますが、遺憾ながら案の内容は、われわれ電通委員会で聞いておるところによると、納得しかねる点が多々にあります。これらの点について、もつと大蔵当局はわれわれが納得するような案にひとつ検討し直していただきたい、二割五分の値上げが民間に与える影響はおそるべきものがあります。公共企業体の値上げ問題がどういう影響を一般物価に与えるかということを考えたときに、軽率にこの問題は取扱わるべき問題と違います。あなた方が電話の通話料における責任を果すために努力をされる、その努力に対してわれわれも敬意は表しますが、しかし安易の道によつてやるべきではない。しかも建設というようなものは、あらゆるものが公社債において募集したり、あるいはまた資金をあつせん願つたりしてやつているものであつて、料金値上げというようなことは、容易なる問題ではありません。全体の物価が横ばいをし、あるものは下つている現状において政府のやつておる仕事が値上げになるなんという印象は、何としてもこれは除かなければなりません。私はそう考える。そういうようにお考えになりませんか。もう万策尽きたということになりますか。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 最初に私に対するお尋ねにだけ簡単にお答えいたします。これは、先ほどもちよつと申しましたように、総合的な立場から検討いたしまして出された結論でございまして、鉄道の場合と比較をされて、鉄道の場合では、借入金とか社債とかいうものがあるではないか、そういう道を選んだらどうかというお話がありましたが、もちろんそれも検討いたしました。そして料金の関係と関連させて考えて、電電公社の場合ではやむを得ないという結論になつたのであります。なおこれは、副総裁からも詳しくお話があると思いますが、今回の問題については、大蔵省が必要な資金の調達をしないという態度をとつたためにここへ来たというよりは、むしろ電電公社としては、今後十箇年間くらいの非常なまじめな計画を立てられて、そうしてできれば外部債というものを今後において期待しないで行きたいという、公共企業体の健全な経営から割り出された考え方でございますので、この点にはわれわれは大いに敬意を表しまして、検討をいたしたような次第でございます。その点だけちよつと私から念のため申し上げておきます。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 ただいま御指摘の点は、一々ごもつともでございますが、私どもそういう点につきましても十分考えて、政府の方に料金値上げをお願いした次第であります。資材の点でございますが、わが国の通信器材が、比較的国際競争におきましても高いという点は、確かにあるのであります。しかしながら一方におきまして、わが国の電気通信技術の発達というものは、この十年間のブランクのために非常に遅れておる。しかも現在通信機器メーカーは非常に数が多いのでありまして、小規模でやつておる。しかも私どももかつては政府機関でありましたし、今度公社になりましたが、年々の計画というものはいつもぐらぐらかわつておる。長期計画は一度も立つていないということで、量産計画にいたしましても非常にむだが多い。それで私どももちろん通信器材のコストの引下げにつきましては、主としては通産省の一つの行政ではございますが、一番の注文主として、その点については常に配慮しておる次第でありますが、やはり計画が安定しまして、計画的に生産ができるということによつて、かなりのコストの引げもできるのではないかという見当を持つておる次第であります。  それからなお御指摘の点でございますが、私どももちろん外部資金、ことに長期にわたり低利な資金を拝借するということは、最も望むところであるのであります。先ほど少し御説明申しましたが、建設改良費のうち、主として改良費を料金の値上げに求めたといいますが、結論的に申しますと、あくまで根本的な態度といたしましては、減価償却が十分できること、利子が支払いできること、さらに一般の公募の社債につきましては、できるだけ長期に償還いたしたいのでございますけれども、今回の公募の予定としましても、そう長期というわけにはいかぬだろう、あるいは七年というような話も出ておるような次第でございまして、これらの減債基金の問題もあるわけであります。それらを考えまして、私どもとしまいたしたい。倍にいたしましても、現在百人当りの電話の数は、日本は二・四でございまして、世界で二十二番目ということになつております。十年後に倍にいたしましても、欧州各国にとうてい及びもつきません。ちようど南米のアルゼンチンの状態に十年後に到達できる。そういうような点を考えまして、どうしても十箇年計画を設定し、さらに五箇年計画を実行計画的に考えてみたということで、ただちにもつて建設費を料金でまかなうという考えではない。あるいは減価償却引当金を建設改良に用いる、あるいは率直に申しますれば、減債基金を建設改良費に一時利用しておくという形に相なるわけでありまして、その点は料金値上げにただちに建設改良費を求めたという形ではないのであります。同時に公益企業といたしまして、もちろん独占公益企業でありますから、料金制度と申しますか、料金の基本的プリンシプルというものはきわめて重要なものかと思いますが、私ども学者の意見等も拝聴いたしておる次第でございますけれども、やはり経営費をまかない、さらに利子も支払いでき、また元金の償還もできる形にして、資本に対する適正なる利潤の範囲内において建設費に用いてもいいというような一つの料金理論もあるわけであります。私どもそこまで徹底して参つておるわけではないのであります。十箇年計画から見ますれば、二割五分程度の増収ということは、ただいま申したように元金の償還も行いつ、金利並びに減価償却の問題ということで、初年度におきまして、八月一日から実施いたしますと、百三十四十七億近くを減価償却の引当てに使い、七十六億を建設勘定に繰入れるという形に、ただいま御審議を願つておる予算はなつております。前国会におきまして、実は国鉄、あるいは配給米が一割値上げになりましたときに、私どもといたしましては、やはりこの問題を持ち出したのでありますが、当時の情勢といたしましては、他とバランスをとつて一割程度だということに相なつた次第でありますが、それは成立直前に解散になりまして、参議院の本会議を通らなかつたため流れておる次第であります。わが国の電話は非常に立ち遅れておる。しかも戦災で非常な目にあつている。現在百五十五万個になりましたが、なお十万個の戦災電話が残つておるのであります。ことに毎年申し込まれる方は、雪だるま式にふえて行きまして、大体三割程度しか架設ができない。率直に申しますと、きよう申し込んだ人も三年後でなければつかぬというような、こんな日本の電話でいいのかどうかということで、公社としましては、全部をさらけ出しまして政府の方に御相談を持ちかけた、こういう次第でありまして、先ほど御要求の資料等を提出いたしますので、何とぞ御了解を願いたい、こういうふうに思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 今の御説明を承りますと、まことに御無理ごもつともなように承れますけれども、問題は二割五分値上げに伴つて百三十四億の増収になる。この増収のうちの七十六億というものが建設費に現実にまわるわけですね。そしてどつちかといえば、建設からでき上つたものが現実においては新しい利用者の利用価値になつて行くわけでしよう。そういう事実から考えてみて、私どもはやはり何としましても、あなたの御説明によればなるほどと思う点があつたにしても、現実にこの独占的な公企業体が二割五分も値上げをしたというこの印象は、非常に悪影響を及ぼすと思う。そういう点から考えまして、この際これを公社債等の増発によつてやるなり、あるいはまた他の資金的措置を講じてやるということが考えらるべきではないか。私自身はこういう意見ですが、これをもう一度考えてもらいたい。戦災を受け、敗戦になりました日本の現実からいたしまして、電話だけをどうしようとしても、国民経済が全体的にこれに伴わなければ、公社自身もまた困ることになつてしまいます。でありますから、国民経済全体の上昇にマツチすることが必要であると思います。そういう面からひとつこれは検討を要する問題であるということ。  それからいま一つ伺つておかなければならぬのは、もし公企業体ということから離れて、営利事業で電話が経営されるとしたならば、一体こういう安易な方法をとるでありましようか。このことももう少し検討する必要があると思います。たとえばアメリカにおいても、電話というものは非常な競争の上にでき上つた結果、ああいう非常に進歩したものになりつつあるのです。だから何か公企業体という一つの大きな独占的なものに包まれて、どうも安易な道がとられる危険性が非常にありはせぬか。もしこれが私営事業であつた場合は一体どうなるか。もつと合理化され、もつと実際は態率的な運営ができることになりはせぬかということを、われわれは検討しなければなりません。それらの点も、これは責任者として慎重にひとつ御検討にならなければならぬじやないか、私はこう考えておりますが、どうお考えになりますか。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 非常にごもつともな御意見でございまして、私どももまつたくその意味において、当初におきまして、その点は十分検討いたしたのでございます。先ほどちよつと申しおくれましたが、百三十四億のうち五十七億程度は減価償却の不足、それから保守費の不足に充当いたしております。従いまして、建設勘定の方にまわりました七十六億というもの、これは先ほど申し上げましたように、実は改良費が大部分であります。現在の利用者に還元されるものでございます。そこで、できるだけ長期で安い資金が借りられますれば、非常にけつこうでございますが、社債を発行するにいたしましても、一定のわくのあることは井上さんも御存じの通りと存じます。それから政府資金にたよるにしましても、政府としてもなかなか潤沢ではないわけであります。しからばぐつと計画を縮小しておくか、あるいは現在の施設の改良等はあまり手をつけないかという問題になるわけでありますが、私ども五箇年計画程度は、最小限度としてぜひ実行したい。そうしなければ、日本の電話はいつまでたつても解決つかぬ。電話の売買というようなことは、日本だけで行われておるので、現に東京で二十五万円、札幌あたりでは三十二万円もしているというような状況になつております。先ほどベース・アツプに使うのではないかというような御質問もございましたが、今回はまつたくベス・アツプに使うような案になつておりません。また予算的に見ましても、給与総額というものによつて押えられておるのでありまして、これは国会におきまして最後の議決を願うという形になつておりますので、料金を値上げしたからただちにベース・アツプに組まれるというように、公社が自由にできるものでは絶対にないのでございます。そこでできるだけ長期に外部資金を借りるといたしましても、これは結局利子はお支払いしなければならぬものであります。また元金の償還の問題もございます。それらから見ますと、現行料金では何としても始末がつかない。これは結局繰り延べておくということにいたしますれば、将来の利用者に非常に大きな負担を乗つけて行くという形になるわけでございまして、本年度十箇年計画を契機といたしまして、さらに五年間の計画を立てまして、二割五分程度の値上げということにいたしておるわけでありますが、後年度に参りますと、この繰入れというものは、元金の償還とともに、そう一時にできるものではない。依然として社債または政府資金にお願いいたさなければならぬ部分が非常に多いわけです。  それから電話料金の問題でございますが、電信電話料金の国民所得に対する比率というものは、現在一・三六%になつております。今度二割五分増収ということで約〇・四%の増加になつて行く計算をいたしておる次第でございます。ただいま百五十五万という電話を申し上げましたが、加入者の数にしますと、百万いないということでございますし、国民全体の普及率というものは、申すまでもなく現在非常に低い。それから外国と料金を比較してみたのでございますが、アメリカ等の建設費も二十五万円をそう割つておりません。しかも料金は度数料におきまして、アメリカは最低が十八円でございます。ニユーヨーク等の大都市に行きますと、距離制になつております。十八円の上が三十六円、その上が五十四円ということになつておる。英国も同じように帯域制をしいております。日本では現在のところ羽田から板橋へ電話をかけましても、同じ五円で参つております。時間的にも制限がない。西ドイツあたりが十三円余りで、フランスが十五円余りということになつておりまして諸外国との比較、それから一つの例としまして米、みそ、木炭を昭和九年当時の電話料金でどのくらい買えたか、今度二割五分増収の案で——ある場所におきましては、五割、六割、七割という高率になるということにもなつておりますが、それらを比較してみましても、昭和九年、十一年程度の米や木炭、みそは買えないというようなことも考えまして、生計費に及ぼす影響はかなり低いのでございますけれども、ともかく料金値上げということが及ぼす影響というものにつきましては、御説の通りかと存じますが、私ども心理的影響もかなり強いとも考えておりますし、なお吸収できる面も相当あるのではないかというふうにも考えまして、特に私どもとしましては、この点御了解願いたいということで、各方面にお願いいたしているような次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいま井上委員からお話のありました点でありますが、昨日も全国の中小企業者の大会が行われて、そこでこの電話料金の問題について指摘されました。電話が払底しておるのは非常に困るが、その困り方にも増して料金を上げられるということはもつと困る。電話料金は事業経営の大きなポイントを占めておるので、これはぜひともせきとめてもらいたいという陳情が大会の決議で国会になされております。  そこで私がお伺いをいたしたいことは、いずれにしても、建設資金なり修繕する資金に事を欠いて、どうしてもこれを料金値上げに持つて行かなければ当面もまかなえない、こういうところに帰結すると思うのでありますが、そうだとすれば、これは第十五国会においては、あなたの方はその資本勘定において四十億円を一般会計から借り入れるというふうに資金計画ができていたのであります。ところが今度の十六国会においては、前国会において四十億円借り入れられるというこの計画が削除されておる。いよいよ財源に涸渇して困つておるという状況において、前国会において四十億円一般会計から受け入れられる態勢にあつたものを、ことさらに削除して、これを加入者一般に転嫁しようとしておる。このことは、ただいまの愛知さんの御答弁にも、たとえば専売とか、あるいは電気、ガスとか、こういうような公益事業、公共事業については、他からの申請があつてもそれは容認しない、こういうお言葉があつた。ところがこういうような資金計画からこれをいろいろと判断をしてみますと、あなたの方の電話料金の値上げを大蔵省が認めるから、そのかわり四十億円の融資、貸付は辞退しろ、やめろ、こういうような問題がここにからんでおるのではないかという疑いが生じて参るわけであります。いよいよ設備資金や修理資金に事を欠くならば、前国会におてい四十億円借り入れることにしたのと同様、今回も四十億円借りるような努力をなぜしなかつたか。こういう四十億円を削減したことは、料金値上げを暗黙裡に、政府と公社側においてこれを交換条件にして承認を与えておるのではないか、こういう疑いが非常に濃厚でありますから、この経緯について御両者からお伺いをいたしたいと思います。

靱勉日本電信電話公社副総裁

○靱説明員 お答え申し上げます。料金値上げにつきましては、ただいま申し上げました通り、私どもどうしても日本の電話をある水準まで持つて行きたい。このままではどんどん悪くなるばかりでありますし、日本の電話問題は永久に解決がつかぬ。そろそろこの際におきまして、自然増にも対応できるようなある程度の水準にまで持つて行かなければならぬということを、まず公社といたしましては真剣に考えたのでございます。そこで十箇年計画を設定したわけでございまして、私ども過去におきまして、大蔵財務当局と折衝して参りましたが、資金を見ますと、日本の財政金融状況から見ましても、これは無理であろう。外資の問題等も考えて見たのでありますけれども、なかなか解決がつかぬということで、計画を縮小いたしまして、今の場合には五年間を計画化してみたわけであります。その際に、やはり減価償却も行わなければならぬ、利子も六分五厘ないし七分のところでお払いしなければならぬ、また五年後におきましては、順時質量の問題も起つて来るということで、二割五分という問題が出て参つたわけでございます。  そこで今年度にこれを当てはめて見ますと、先ほど御説明申し上げました通りに、百三十四億円増収になります。そこで、五十七億はこの前の予算におきましても損益勘定に繰入れた金額でありますから、五十七億というものを差引きまして、七十六億をこの際積み立てるかどうかという問題でございます。結局これは将来当然借りた金の利子を払い、元金を償還するという意味におきまして、減債基金という意味の、積立金的なものを損益勘定から建設勘定に持つて来ておるわけでございますから、そういう意味で七十六億となりますので、これを認めれば四十億はいらぬということで大蔵省に折衝申し上げたわけでもございませんし、大蔵省が、値上げを認めるからこれを落すというわけではなく、大蔵省としては、全体の資金計画として、七十六億というものは繰入れて使うのが当然であるという考えのもとに、一般公募の社債百億は八月一日からは無理であろうというので七十五億とし、さらに国際の当初の予算におきましては、全部売れば三十二億入るというような資金計画であるのであります。しかも四百六十一億という総額は絶対にこの際はくずさないという線が示されたものでございますから、そういうやりくりになつたわけでございまして、私ども電話の立場だけを申しますれば、四百六十一億をむしろ増してもらいたかつたという形でございますけれども、二十八年度においては、そういう処置はとられなかつたのであります。二十九年度以降とおきましては、かなり資金の幅もふやして参りませんと、基礎設備を本年度かなりやりますが、しかしそこに線路を入れて開通させるためには、建築費の七倍から十倍の金がいるということになりまして、本年度の四百六十一億の幅では、とても明年度は出せない。そうかといつて、本年度低くしておいて、来年また料金値上げをするということも不可能であるというので、いろいろの方面から検討されまして、四十億というものが削られて七十六億というものが予算的に入つた、こういう形になります。

愛知揆一自由党大蔵政務次官

○愛知政府委員 私からも御答弁申し上げますが、ただいま靱さんからお答えの通りであります。これは実は率直に申し上げますが、私どもとしても非常に大きな問題であります。同時に電電公社側とも実に念を入れた相談をいたしまして、その経過は今お話の通りで、私からつけ加えることは何にもないわけでありますから、御了承願いたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 了承できませんが、同僚委員から、大分時刻も遅れておるから午後に引続いてやれということでありますので、一応これで打切つておきます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 暫時休憩いたします。     午後零時三十八分休憩      ————◇—————     午後二時四十六分開議

千葉三郎改進党

○千葉委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日の日程二十一法案は明日に審議することといたしまして、本日は散会いたします。     午後二時四十七分散会

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