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16回国会衆議院1953/07/08

大蔵委員会 第17号

発言数
108
登壇者
14
会派数
5
開催日
1953/07/08

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  本日は日程に掲げました十二法案中、銀行局、為替局、官房関係の八法案及び本委員会における国政調査の一環として税制に関する件、国有財産の管理状況に関する件を一括議題として質疑を行います。  なお本日は、大蔵大臣が出席しておりますので、大臣に対する質疑を初めに行いたいと思います。質疑通告順によつてこれを許します。井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大臣に数多くの財政政策に関する質問がございますけれども、お忙しい大臣を引きとめましていろいろ申し上げますことは、政治道徳上多少遠慮を申し上げまして、この際特に私として承つておかなければならぬ重要な問題について伺いたいと思います。  それはすでに大臣も御存じのことと思いますが、国有財産の払下げに関します件に関して、元陸軍造兵廠枚方製造所の中宮地区、甲斐田地区、土地約二十万坪、建物の敷地が約三万坪、機械が約千五百台、これに附属する工作物を九億四千万円余りで小松製作所に払い下げることに方針をきめ、そのうち甲斐田地区については、すでに大臣が売渡しについての承諾の決裁をいたしておりますが、大臣はこの決裁をいつおやりになりましたか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 まだ決裁の手続を了しておりません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 先般あなたの部下であります当面の責任者である管財局長は、六月の二十三日に、あなたの事務次官、または文書課長名をもつてあなたの大臣決裁を得たというここで正式な答弁がありました。しかるに大臣が知らぬというのは一体どういうことでございますか、それを承りたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 次官まで決裁の話は聞きましたが、大臣としては決裁いたしておりません。このことをはつきり井上さんに申し上げておきます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これはそこまでお伺いをいたしますならば、大蔵省としては、そういう大臣の決裁のないものを、決裁を受けたという答弁が国会の公の委員会で一体できるようになつておりますか、そこのところがはなはだどうも……。小松製作所の方の意見を聞くと、昨年の九月かに売渡しの交渉を始めまして、甲斐田地区の方は十二月、中宮地区は一月に払下げが決定になる、こういうことでありましたので、その後どうなつたかという本委員会における私の質問に対しまして、最初管財局長は、今私が申しますように、甲斐田地区は十二月、中宮地区は一月に払い下げた、こういう答弁をされておりました。ところがどうもおかしいので、さらに追究をしますと、今お話申し上げましたように、六月二十三日に甲斐田地区は大臣決裁を得た、一方はまだ決裁を得てない、こういうはつきりした答弁をされております。これはまことに本委員会を侮辱するもはなはだしき言説ありまして、われわれは大蔵省のこの委員会における答弁を一体どこまで信頼していいかわかりません。従つて、その正式な書類を本委員会に提出を願いたいと思います。そうしなければ実際上わかりません。同時に、大臣はこの問題についてその内容を次官なり、所管の局長から御報告を受け、相談にあずかつたことがありますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 一応経過は聞いております。また今までとり来つた事柄については聞いておりますけれども、私が決裁をする段階に至つておることはまだ考えておりません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そこまでお話くださいますと、この事件は国のためにも、またこの問題を非常に重要視して考えております多くの国民の立場からも、私は非常にうれしく思います。と申しますのは、われわれこの両地区の国有財産の払下げに伴う地価評価、あるいは建物の評価、機械、工作物等の評価について諸般の必要な調査を行い、また資料を集めまして、いろいろ検査いたして参りましたが、今日のところ、この問題の経過におきまして、私ども非常に大きな疑惑を持たざるを得ない結論に到達しつつあります。と申しますのは、御存じの通り、この土地建物は当時の軍の土地建物でございまして、この問題は検討を要すると考えております。そこで大臣は、この両地区の評価九億四千万円を十箇年年賦で償還をさすという、かくのごとき事態は、第一、評価が正当なりやいなや、それから十箇年もの年賦で返すことが妥当なりやいなや、そういうことについて、政治的にどうお考えになりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 今のお話でありますが、私が聞いておるところでは、何らきたない問題等は一切ないというふうに承知いたしております。またその価格の査定に当つては、たとえば固定資産税の関係とか、富裕税の関係とか、付近の地価の関係とか、各種の鑑定人等についても聴取いたしておるのでありまして、私は自分で見たわけではないのてすが、算出した方法はきわめて適正な方法をとつておる、かように考えます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この際管財局長が見えましたから伺いますが、私に先般来答弁しておることと、ただいま大臣から答弁をされたこととは、非常に大きな食い違いが起つておる。管財局長は、先般私の質問に対して、小松製作所に払い下げる物件中、甲斐田地区は去る六月二十三日、大臣決裁を得たという答弁を明確にされております。これは速記録にも明確に載つております。ところがただいま大臣は、さような決裁はまだした覚えはない、こういう答弁でありますが、これは一体どういうことです。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 この前お答え申し上げましたのは、私の方でやや言葉が足りないというか、手落ちがございましたので、はつきり申し上げておきたいと思います。普通に大臣まで参りまして書類を決裁する手続は、書類によつて実際に大臣の御決裁をいただく、あるいは大臣の御了承を得たものとして取扱う、いろいろなものが内部の手続としてはございます。それで今回の枚方の売買契約に関する承認の手続も、普通の事務手続で済んだものというふうに私ども一応その当時了承いたしておりましたので、ついそのように申し上げたのであります。その後調査いたしてみますと、具体的に大臣が書面に決裁されるという手続が済んでおりませんでしたので、その点、私前の答弁が事実に合していないというか、いささか手落ちがございました。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 少くとも九億四千万円大事な国有財産の処分の問題であります。それを所管の局長が、手続は事務的に済んでおる、この公開の席で済んでおりますということをはつきり言えますか。国会はそんなだらしのない委員会を開いておるのじやないのです。われわれは、国民の血の出るような税金でつくつた国有財産が、少しでも財政法第九条の規定の通り適正、妥当な価格で譲渡され、あるいは貸与されているかということを建前にしておりますので、その建前から、私どもはその真相を明らかにして、国民の疑惑を一掃したいと思つておるのであります。私は、何もこの問題について利害関係もなければ、特殊な関係も持つておりません。まつたく公正な立場においてこの問題を扱つておるのであつて、あくまで正当な評価について明確な答弁を伺いたいというのが、私の真意であります。そういう大事な問題を、あなたがいいかげんに取扱われるということは、国会を冒涜するもはなはだしい、あなたはそうお考えになりませんか。前の答弁は取消しになりますか、この問題は全然白紙にしますか。大臣の決裁を受けたなら、あなたの手元へ大臣の判のついたのが返つて来るはずである。あなたはそういう書類による決裁をやらないのですか。大蔵省の財産処分の決裁というのは、単なる口頭の決裁ですか。そんなことをやられたらたいへんですよ。一切の責任は大臣が負わなければならなりませんぞ。大臣が負わなければならないのに、大臣も知らないうちに決裁をしたとかせぬとかいう議論が、一体どこから出て来ますか。だから私は先般も、六月二十三日は衆参両院とも朝から予算委員会をぶつ通し開いておつて、大臣がそこにくぎづけにされておる、こんな重大な問題について大臣が一々相談を受けて、それはよいことだからといつて、決裁の判を押そうという時間的余裕のないことは私はにらんでおつた。その通りじやないか。私はあなたにもどこでだれが判を受けに行きましたかということを聞いた。そうしたら、あなたは文書課長か次官が書類を持つて受けたんです、こうはつきり言うたじやないか。速記録にそう出ておるじやないか。今言うことと非常に違うじやないか。大臣に対しても、あなたは済まぬと思わぬか。それが部下のやることか。そういうふまじめなことをやられてはたまつたものじやない。国の財産をあなたの責任で管理しなければならぬ立場におかたておるのだ。そういうふしだらなことで財産が処分されておるようなことでは、私は大蔵省の財産管理について非常な疑惑を持ちます。はつきりした責任のある答弁を伺います。同時に、かくのごときふまじめきわまる財産の処分方法の事務手続について、監督の立場におる大臣としてどうお考えになりますか。はつきりこの点を大臣から御答弁願いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 過日この問題がちよつと新聞に出たので、率直に申し上げることが一番都合がよいと思うけれども、ぼくは決裁したことはないが、この事柄は一応聞いておるが、決裁したことのないのに決裁されておるように新聞に出ておる、どういうことかと聞いたのであります。そのときに、大体今までは、次官までのところでこういう事務的な問題は済ましておるということであつたから、それはそういうことではいかぬ、責任は全部ぼくにあるのだから、今後ぼくの決裁を要する。ぼくの決裁しないものは、一切対外的に出すことは相ならぬということをかたく戒めてございます。今後はさようなことのないことは、ここでかたくお約束いたします。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、私どもの方といたしましては、事務的に決裁済みの処理がされておつたということに承知いたしておつたわけでありますが、ただいまお話がありましたように、具体的にその書類に大臣の決裁を得ておりません。そのことは先ほど申し上げた通りであります。なお先般次官、文書課長が大臣に決裁をもらつたと思うというふうに御答弁したようなお話でありますが、私はそうは申し上げませんので、具体的の大臣への御説明なり、決裁の手続の方は、文書課、あるいは次官の方からやつておいでになるであろうから、その事情は取調べて申し上げます、こうお答え申し上げたつもりであります。次官は確かに大臣の決裁を受けたというふうには、お答えを申し上げてはおらないつもりであります。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 管財局長から今お話がありましたが、大体大臣が全部の決裁を覚えておることは無理かもしれません。しかし今井上委員から言われたように、少くとも十億に前後する国有財産が払い下げられるというような重大なる問題を、大臣に十分なる御了解を得ずして、これを決裁したかのごとくお考えになるというようなあり方は、管財局長として当を得ていないと思います。少くとも政党出身の大蔵大臣を侮辱しておる。これを承りたい。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 関連して御質問はありませんか。

内藤友明改進党

○内藤委員 大蔵大臣にお伺いしたいのでございますが、井上委員からお尋ねになつた前後のことは、今お聞きになつた通りであります。大臣もお認めになられましたように、管財局長がこの席でお答えになつたのと非常に大きな食い違いがある、こういうことから、実は国有財産が一体どう管理されているのかということは、非常に疑惑を持たれるのはあたりまえだと思います。私も二、三日前金沢の財務局に参りましたが、やはりこれは同様なことを聞いております。これは、まさに私はあなたの大蔵省管財局の弛緩と申しますか、そういうことが起因しておつたと私は思います。そこで大臣にお尋ねしたいのは、目のあたりにこういうふうなことをお認めになつたのだが、こういうことに対してどう御処理なさるのであるか、局長の責任をおとりなさるのかどうか、この際どういう御処理をなさるのか、これを伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私は、局長としては従来の慣例に従つたもんじやないかと思いまするが、ただいま申し上げた通り、大臣が全部の責任を負うものであつて、しかも責任問題はどうでもよろしいが、国のたつとい財産をみんな知らずしてやるというようなことはよくないから、今後一切あらゆるものに手続を尽すように、最後に必ず大臣の決裁を経るようにということを申しておきました。従いまして今までのことは、これはどうもそういう慣行に従つているものではないかと思いまするし、これは私が申してはちよつとどうかと思いますが、管財局長は非常な正しい人間であります。またりつぱな人間であります。そういうことでも何でも、こうまつ懸念を入れないりつぱな人物であります。従いましてただ過去のことについて、今までこうやつて来たからというようなことで、そういうことになつたんじやないかと思いますが、今後のことは、そういうことではいかぬということをかたく申してありますからその点で、将来はあやまちなきことと存じますので、内藤さんに御了承を願つておきたいと存じます。

内藤友明改進党

○内藤委員 大臣から今お聞きしまして、いよいよ妙な気持になつて参つたのであります。そんなことで、ほんとうにあなたの責任のある仕事がやられますか。今まではこういう慣例なんだ、その慣例に従つたんだから、今まではしかたがない、それは認める、そういうお考えであなたの重大な責任が果されますか。それを伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 これは過去の慣例でもよくないことであるから、さようなことをしてはならぬということをかたく戒めて、将来に臨んでおるのでありまして、私はその過去の慣例を毛頭認めていないからこそ、そう申しておるのであります。従いまして、さような慣行はすべて改めて参る、こういう所存であります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 関連して佐藤君に発言を許します。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 大臣にお尋ねしたいと思います。わざわざ大蔵委員が枚方の方へ実情を見に行つたのですが、そのことについては、あとでわれわれ派遣委員からいろいろ質問することと思いますが、われわれが非常に懸念いたしましたのは、ああいう重大な大きなものを売るのにしては、管財局長が現実を知らない。現場を見て参りますと、雨も非常に漏つておるし、それからあの広大なところに、わずか十三人で監督しているらしいですが、そこには千何人か小松製作の人が入つておるということで、非常に乱れております。少くとも国の財産が、――ある特殊な個人的な軍需会社と一緒になつて、そうしてこういうような重大な国の財産が、そのまま放置されておるということについて、管財局長がこういうことくらいは知らなければ、日本の国は広いですから、全部が全部とは言いませんが、少くとも枚方の財務局長なり、あるいはその立場のものをすぐ東京に呼ぶなりして、現場を調べて、国会で答弁するような熱意があつてもいい、こういうような考えを持つわけであります。こういう点について、大蔵大臣は就任早々でありますから、知らない点もあるかと思いますけれども、国家の財産をこういうすふうにむだにしておる現実の責任者として、管財局長に対してどういうふうなお考えを持つておられるか、お伺いしたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 これは佐藤さんにお答えするのは、私も実は枚方をよく知りません。従つてどういう現状になつておるかよく存じませんが、しかし国の財産を管理し、保管するということは、これは重大な仕事であります。従いまして、今後さようなことのないように十分注意をいたします。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 先ほどの質問でやめるつもりだつたんですが、さつき大蔵大臣は慣例と育つたが、私は慣例はないと思う。少くとも池田君のときには、もつと小さい問題でも知つておつた。この十億からの問題をあなたに言わなかつたということは、あなたをなめておる。私はけしからぬことだと思う。慣例というような言葉は、あなたは認めていないということをおつしやつておりますから、けつこうでありますが、少くとも、池田君は大蔵省出身の大臣だから、池田君には、なかなか小さい問題まで一々相談してやつておつた。池田がうんと言わなかつたら、なかなか払下げなんかしておらぬ。それがあなたの場合には、しかも十億というような問題を報告してなかつたということは、これは慣例というて見のがすことはできないと思う。少くとも大蔵官僚は、われわれ政党をなめておる。これはおそらく他の委員も同感だと思う。私は与党の一人だけれども、納得することはできぬ。従つて、この問題については大臣がそういうふうにおつしやつておりますから、深くはつきません。管財局長が正しい人であることは、私は東京の国税庁以来よく存じ上げております。阪田君が別に悪い人であるとは考えておりません。しかし悪い人でないということと、管財局長として当然やらなければならないことをやらなかつたということの責任問題とは、またおのずから別であります。今、井上委員のお話がありましたが、これは単に管財局だけでなくて、他の局長さんもずらつとおいでになるが、大体大臣をなめそうなつら構えをしておる。だからこれからは、他出には十分な連絡はとるけれども、小笠原さんにはあまり知らぬから、ほうつておくというようなことがあつてはいかぬ。愛知政務次官がおられるから、万遺漏ないとは思いまするけれども、この問題については、いさぎよく管財局長がお取消しになつて、これからこういうことをしませんということを、端的に側表明願いたいと思います。

阪田泰二大蔵事務官(管財局長)

○阪田政府委員 ただいまいろいろお話がございましたように、私どものやり方としまして、今までの慣例に従つていたというと語弊がありますが、やはり粗漏がありましたことは、間違いない事実だと思います。今後かようなことのないように、かような重大な問題につきましては、十分大臣のお耳に入れて御相談いたしまして、はつきり決裁をいただくように取扱つて行くようにしたいと思います。なお私どもの前会申しました中に、事実に相違しておる点がありましたら、取調べの上取消すことにいたしたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 事務手続の上に誤りがあつたということと、大臣の決裁を受けたということとは別であります。事務手続の上に粗漏があつて数字が違つたとか、あるいは一つ判をもらうところをもらわなんだというような、そういう煩雑な事務手続の不行届きを私は追究しておるのではない。大臣の決裁があつたときに初めて払下げが決定するのです。そこが非常に大事な問題でありますから、大臣の決裁はいつ受けましたかと私は質問したのです。そうしたらあなたは、六月二十三日に受けたという。私はそれだから、すぐ問い返して、六月二十三日といえば、議会が開かれておつて、予算委員会に大臣は朝から晩までおられたではないか、こんな大問題を相談を受ける時間的余裕がないはずだ、そう言つたらあなたは、文書課長かだれかが説明をしたのでしよう、こういうお話であつたではありませんか。だからそこで私は、大臣の決裁があつた以上、この問題は払下げは決定した、こう解釈しておつた。ところが今では、それは払下げがまだはつきり決定していないということになつておる。だから私は、あのときも、払下げが決定した以上は、補償金はどうしますか、手付金はとつておりますかということまで聞いたじやありませんか。それに対してあなたの方では、払下げは決定したものなりという前提に立つての答弁をしておつたじやないか。今速記録を取寄せておりますから、あなたがいいかげんなことを育つてのがれたり、あるいは国会を侮辱されたことになりますから、その点は明らかにしておかなければなりませんが、大臣から判をついていないということが明らかになりましたから、私はこの払下げ許可問題については、これ以上追究いたしません。ただこれに関連して、特に大臣の出席されておるときでありますから申し上げておきたいのでありますが、大臣も実地を見ずに、単なる部下の書類の総合的な報告だけをうのみにされたのでは、これは非常に大きな誤解を生じて来ると思うのです。あなたも事業家でございますから、必要以上のことを私が言わなくてもおわかりであろうと思いますが、工場が、入りましてすぐ運転ができるような事態になつておる土地柄というものと、付近の農作物を耕作しておりますにんぼ、畑と同じ地価標準で押えるという根拠はどこに一体ありますか、そんなべらぼうな話が……。一体工場にするための整地費はどのくらいかかると思いますか。その上コンクリートの床を打とうとしますならば、一坪どのくらい一体かかると思いますか。機械をすえつけようといたしますときには、一体どのくらいの費用がかかると思いますか。そうい整地費や、そういう必要な施設費というものを全然考慮せずに、地価を評価されたのでは、これはたまつたものじやない。また建物の耐用年数にいたしましても、また使用してある鉄骨材にいたしましても、その他の諸般の事情を考えてみて、だれか見てもこの評価は安いと推定をされる。それはあれだけの広いところをまとめて買うていただくのですから、他の五十坪や百坪の土地を売るものと比較して検討しろと私は申しません。しかし大よその目分量というものが常識的にはあるはずでありまして、しかもその九億四千万円を十年月賦で売りつけるというのは、一体どういうことによつておるのですか。小松というのは、そんなに金のない会社と大蔵省はにらんでおりますか。現に枚方工廠に八十一ミリなり百十一ミリなり百五十五ミリの砲弾の注文を受けて、全体で何ぼの注文をこなそうとしておるのですか。これらの砲弾の利益によりましても、この会社が株主総会で報告をしておる決算報告を見てみると、また会社の資産評価や営業状況を検討している市中のいろいろな雑誌の評価を検討しても、現実にこの会社はこの十二月までに百十一ミリと八十一ミリの砲弾で十億円の売上げをせんとしておる、これの利益か五千万円、それから百五十五ミリの注文を十八億六千六百万円受けておりまして、月平均これから一億七千万円の水揚げをしなければならぬということになつておる。この百五十五ミリの砲弾か本年において一千万円の利益があろうと言つておおる。従つて本年十二月までには六千万円の利益か上るのです。そこへ持つて来て、来年の二十九年六月までには、八千万円の利益が上ると言うておる。そうすると半期に八千万円、一年に一億六千万円の利益が上ることになつておるのです。一億六千万円の利益を上げようとし、しかもこの会社が年に三割からの利益配当をいたし、年間に一億二千万円の利益を上げておる会社ですぞ。そういう会社に対して十年月賦とすれば、年九千四百万円ですよ。一月に一億六千万円からの水揚げをしようかという予定が立つておる。そういう利益を上げようかという予定が立つておる。今日の時代においても、小松全体で一億二千万円の利益を上げておる。本式に仕事を始めますならば、少くとも年間八千万円の利益が上るという一般専門家の意見であります。これは専門雑誌、あるいは専門の情報を集めますならば、すぐおわかりであります。それほどもうけ、それほど自己資金を持つ堅実な会社が引受けようと言うておるのに、これを十年月賦にしたら、年にわずかに九千四百万円じやないか。もしこの調子でもうけますならば、ここ五、六年のうちにあれはただになる。元をとつてしまいますよ。そういうことが一体常識上考えられますか。そんなことで国民が納得できますか。あなたは事業家としてかつておやりになつておりましたが、そんな有利なものだつたら、あなたも喜んで引受けましよう。事実上五、六年であれだけのものが元が浮いてしまうということなら、喜んで受けるだろうと思う。そういうような現実をもう少しよく御検討されて、なおこまかいことをあなたに一々質問されたんでは、あなたも御迷惑でございましようから、あとで所管局長に質問はいたしますが、こういう事態にありますから、小松と大蔵省との評価の問題だけに限つては、あなたが信頼され得るその道の専門家に再評価をさせて、慎重に検討されるような措置を講ずる意思があるかないか。これは、法規には別に資産を売り渡します場合に、評価委員会をつくることになつておらないそうでありますけれども、そういう一つの疑惑を持たれ、いろいろ評価の上に問題の横たわつている現実から考えまして、特にこういう大きな金額のものを払い下げる場合は、あなたの信頼され、また国民がこの人ならばというて信頼されるような人を五人か七人選びまして、特別評価を委託する、そういう公式な決定によつて、一応政府としてもその答申によつて方針をきめて行く、こういう行き方に持つて行く方が最も明るいやり方じやないか、こう考えますが、あなたにあまりこまかいことを一々ここで追究しても御迷惑でありますから、そういう処理の方法について、あなたの御決意を承つておきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初に仰せになりました国有財産一般についての点につきましては、実はこういう問題もちよつと起つて来ましたので、過日も全部の国有財産について、現状並びに将来の方針等を書き出して来るようにということで、今調査を命じております。それに基きまして省議を開いて、大体の方針をきめたい。もつとも個々の問題については、また個々に省議を開いてきめるのでありますが、大体のところはこういうふうに思つておる次第であります。  それから当面起つておる枚方の問題につきましての、今のこれが高いとか安いとか、いろいろな問題等につきましては、管財局長の方から答弁いたさせますが、しかしこの問題については、井土さんがそういうふうに疑惑を持たれるようなことであるから、ほかの方もおそらくそういうこともあるかと思います。従つて私の考え方としては、国民各位に納得の行くような方法をとつて、これを処理して行きたい、こういうことをかたく申し上げておきます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は誤解のないように申しておきますが、別に小松に払い下げることに私は反対をしておるわけじやありません。私は別に他の事業者から頼れまたわけでも何でもないのですから、ただ適正な価格で払い下げることがわれわれとしては一つの任務である。その建前から私は申し上げております。しかもこの案件は、先般局長は省議にかけたとおつしやつた。そうすると、省議というものはいいかげんなものだということになりますから、省議省議と言うてもらつては困る。自分の所管外のことを相談されても、他の局長や部長の人たちが、そう一々こまかいことについて長時間検討するわけには行きませんから、省議にかけたから、いかにもそれが正しいものだという認定は困る。だから私は、こういう大きな政治問題化して来ました今日におきましては、公正な査定委員をお選びになつて、委嘱されて、一応こういうふうに検討してみて、その結果こういう結論が出たということで、国民が納得する線でおやりを願いたい。特に相手が今申します通り、年三割の配当をし、年間一億二千万から一億四千万円もの利益を上げておる会社ですから、そういう会社に十年月賦でやるという甘いお役所のやり方というものは、あるものではない。そういう点から、私はこの問題については、大臣が十分責任を持つて問題の処理をはかつていただきたいということを大臣に話しておきます。  なおこれから先は、私は管財局長及び主管の者に詳細な質問をいたすことにいたしまして、大臣に対するこの問題に関しての質問は、これで終ります。

内藤友明改進党

○内藤委員 大臣、この問題は、大蔵会員会にとりましては重大な問題で、わざわざ委員の諸君が出かけて調べて来られ、またいろいろ聞きますと、疑惑になお疑惑が高まつて来るものが実はあるのであります。そこでこれは、今まで払下げについていろいろ御交渉なすつたことを一切白紙に返して、これからあらためて出直す、だから他に希望者があれば、希望者に譲るというふうなことにして、この際この問題に対する疑惑のないようにするということが必要だと思うのでありますが、やはり小笠原先生は、河合先生と離れ縁があつてそれはできないのですか、これを一つお伺いしたいのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 お言葉でありますが、私は河合君とは同期卒業生ではあるが、何らの腐れ縁もありません。  また井上さんにちよつとお答えをしておきますが、これも実は率直の方がいいから、率直に申し上げますと、省議といいましても、実は私が入つてからの省議でないので、大分古い省議であります。しかし私は、この省議というものを非常に重要視しておりますので、省議ですべてのことをはからわすという措置をとつておりますが、しかしそのために、省議に諮つたものでも、これは私が責任を負えるかどうか、これは自分の良心に基いて判断をいたします。それはひとつそういうことで御了承願いたいと存じます。  なお本件につきましては、大蔵委員の各位が、なるほどこうやつたら納得が行くなという、皆さんの納得の行ける方法で処理をいたしたいということを申し上げておきます。

内藤友明改進党

○内藤委員 大臣の今のお答え、まことにありがとうございました。これは大蔵委員会が非常に慎重に考えて行かなければならぬと思いますが、もしこの委員会がかりに、仮定ですが、この今までの交渉というものを白紙に返してもう一ぺんやり直していただきたい、こういう結論が出ましたら、大臣は今のお言葉からして、それを尊重していただけるようなことになりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 国会の御意向は尊重いたします。

苫米地英俊自由党

○苫米地委員 この問題につきましては一見方がいろいろあるようでありますが、私はそういう点についてはただいま触れません。ただこの際申し上げておきたいのは、管理者が非常に少いということ、これはいろいろの事情で減らされたのでありますが、現在あの広い地区に十三名しか監視員がいない。それで機械を入れてある工場を見ましても、応急修理がしてありますけれども、人が出入りすることが可能なものが大分見当ります。これでは部分品とか、貴重なものとかが紛失するおそれもありますし、これを監視して責任を持つということは困難であろうと思いますが、この点は早急にお考えを願いたいと思います。  さらにもう一つは、売渡し予定の機械と国有財産の貸付けてあるもの、これらは調査をして、文書によつて保管をいたしてあります。それには番号が打つてあつて、だれが見てもはつきりしていることになつておりますが、その番号が消えたりわからなくなつているものが見当りました。これはもう一度帳面と引合わして、はつきり国有財産と、売渡し予定の品物とをわかるようにしていただきたいと思います。それだけでございます。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実は苫米地さんがおつしやつたように、行政整理のときから非常に人を減したので、今仰せになつたような実に遺憾な点があると思います。従つてこれは十分注意はいたしますが、これこそ公正な、適正な価格で早く売りたいということは考えておる次第であります。しかし本件は相当問題になつておりますから、さつきも申した通り、皆さんの御納得の行くような方法で処理いたしたいと考えております。

苫米地英俊自由党

○苫米地委員 財産の整理の点については……。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 承知いたしました。

島村一郎自由党(分)

○島村委員 関連して……。枚方工廠の問題につきまし、大臣の御意回を伺いたいのでありますが、この問題が小松製作所と話が始まつて、もう一年あまりになると伺つております。私ども、疑惑の種をまくというようなことは、いまだそれが具体的な進捗を見ていないというようなことに起因しておる点もあろうかと思うのであります。これらについて大臣はどうお考えになりますか。この処理、払い下げるとも下げないともはつきりしないような、見通しのついてないような状態とも考えられる、部分的には、あちらは手をつけた、こちらは手をつけないというようなことになつておりますので、これらが一つは疑惑の種とならうかとも思うのであります。これに対する大臣のお考えを伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 一応成行きは私も聞いておりますが、先刻ちよつと御返事申し上げましたように、私といたしましては、まだ決裁するところへ行つておりませんので、実は決裁をしていない次第でございます。しかしこういう問題があまり長引いておるということは、いろいろ仰せになるようなこともございましよう。けれどもやはり国民の税金からなるものだから、さつき仰せになりましたように、皆さんの御納得の行くような方法で処理することが最も必要だろうと考えますので、その辺は今後最善を尽したいと考えております。

島村一郎自由党(分)

○島村委員 なるほど反面行政整理も考えなければならないと思うのですが、大阪財務局の話を聞いてみますと、ああいうところにやはり手をふやさなければ、なかなか片づいて行かないという感じをはつきり持つて帰りました。どうかこういう点につきましても、十分大臣はお考えをいただきまして、ああいうことはできるだけ早く、具体的に片づくものなら片づけてもらいたいという要望を申し上げます。

苫米地英俊自由党

○苫米地委員 この問題は、大分大臣の出席によつて進んでおるのでありますが、国会からわれわれ調査団が派遣されまして、計算の基礎その他の実状について、十分資料も得、調査もいたして来ております。従いまして、この調査団の報告が出るまで、省議をお開きになることもけつこうでありますが、結論を出さないでお待ちを願いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 苫米地さんの仰せの点は了承いたしました。さようにとりはからいます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 有田君。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 税金のことで一点大蔵大臣に御意見を伺います。実は先般の七月三日の新聞に、京橋税務署員が汚職その他で逮捕されておるようであります。これはたまたまにせ計理士の斉藤というのが公印偽造、贈賄容疑で検挙されたことから端を発しておるのであります。それで今度の平田長官が御就任になりまして以来も、やかましく通達を出しておるようでありますが、これも国税局の長い慣例によりまして、いなかへ参りますと、税務署長さんが平気でごちそうになつて、少くともその税務署管内の方々に対しては、税金の決定をしなければならぬ、決定をしなければならない人からごちそうになるということは、贈賄、収賄といささかもかわりがない、この問題についてはは、たまたまこういう問題が出ておりますが、署長がみずから酒を飲んで遊びまわつておるというなことが原因して、部下に対して十分な監督ができないということもあるのであります。確かに最近においては、税務署は以前から見ますと非常によくはなつておりますが、ただ事件が陰険になつて来た。今まで表面に堂々出ていたものが、見つかつたらたいへんだというので、こそこそやるようになつて来た。そこでお願いしたいことは、名古屋の国税局の問題も先般申し上げましたが、名古屋の国税局長は、たまたま選挙にひつかかりました。これは、本人は今まで専売公社の監理官をしておられたので、税をずつと離れておられた。こういうようなことになつたのは、名古屋国税局内の一つの雰囲気――名古屋国税局を取巻く業者が、相て方の業者をやつけるために、国税局の査察官を利用して、情報を提供して、そうして相手方の会社をやつける。やつけた人間が今度の選挙違反にひつかかつた。これは摘発したら相当の事態があることははつきりしておる。そうして、少くとも私が名古屋の国税局の痛いところをつくと、業者が中部経済新聞に悪口を書かしたり、あるはい中部経済という雑誌に悪口を書かしたりする。名古屋国税局を取巻く業者がそういうことをする。私はこういうような被害を受けておる一人なんでありますが、とにかくこの税金の問題については、十分に監督をしていただく。もちろんこれらの経費の問題については、大蔵大臣が主計局も主管しておられるわけですから、主計局側の予算の面において――これは金もうけをする役所でありますから、普通の役所と違つて税金を行つてとつて来るわけであります。たまたまそれが二十三とか二十五とかの若い人が何百万円、何千万円という税を決定する権限を持つているところに誘惑もあり、いろいろな問題も起るので、必ずしもそういう収賄したとか、いろいろな問題を起した税務署員全部が悪いとはわれわれは考えていない。そして、そういう者を誘惑するところの業者が悪いことは、われわれも等しく認めておる点であります。今時に監察官制度を設け、あるいは監理官制度を設け、その他のいろいろな制度を設けておりますが、まだまだ、今管財局長が言われたような、ごちそうになつたりするようないろいろな慣例が、国税局の中にもあるわけであります。そこで私は、国税庁の長官からも厳重に言つたそうでありますが、大蔵大臣からも、その点は厳重に通達を出していただいて、そういう慣例がないようにお願いしたい。以前会計検査院の人が地方に行つて、各官庁からごちそうになつておつた。これを私が決算委員会でやかましくついて、最近は非常に減つて参りましたが、どうか大蔵省においても、この国税局関係においても――何としても若い役人が何百万、何千万という税決定をする大きな権力を振つておる。その権力という砂糖にはありがつく。そういう誘惑の多いところをどうしたら防ぐことができるかということを、ひとつ大臣みずから熱意をもつてやつていただきたいと思うのですが、その点について大臣の御所見を伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 有田さんの仰せの件は、私もたびたび耳にして、この点は心を苦しめておるのであります。平田国税庁長官が非常にこまかい、微に入り細にわたつたようなものを出しまして、そういうことも注意しております。しかし注意しましても、そういう仰せになつたような悪い慣例――慣例まで行つておるかどうか、それは存じませんが、もしさようなことがあれば、よほど注意いたします。そうして将来とも――とにかく今仰せになつたように、このごろ税務署員の平均年齢がまだまだ若いので、仰せのような点があるかと思いますが、こういうことのありませんように、これは私も十分注意をするようにいたします。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 その点について、実は地方には法人会とかいろいろな会があつて、そうして、またそういう会があることによつて、納税技術というものも進歩するわけなんですが、そこにまた法人会を中心とした、あるいは納税組合のようなものを中心とした親しみから、遂に人情のしからしむるとこう、あやまちを犯す場合が多いので、大体それらに対しても、どの程度の食事は呼ばれてもよい、この程度はよいというような一つの示唆と方針を与えて、何でもかんでもいかぬというのではなくして、やはり納税の組合も法律によつてできているわけですから、従つて納税者と徴税者との間でビールの一本も飲んで、弁当をつついて話し合うということも私は非常によいことだと思うのです。ただそれから二次会、三次会というのがよくないのです。某国税局の某氏のごときは、ある法人会で、二次会、三次回の末、裸踊りまでやつておられる。そういう裸踊りをするなら、ひとつ拝見ができるようにここへ来てやつてもらいたい。さらに税務代理士の監督官が一宮へ行つて、一宮で税務代理士を集めて、これまた裸踊りをやつたり、朝鮮踊りというものをやつておる。さように、監督に行つて裸踊りまでするような慣例は私はよくないと思う。たから、徴税技術を進歩させるために、税務署なら税務署あたりで、明朗に弁当をとつて、ビールの一本も飲んで、皆さんの御協力を得たい、われわれも皆さんをこういうふうに指導して行きたいというような明朗な話なら、これは私はやめるべきでないと思う。しかしながら、そういうふうな二次会、三次会まで行つて、若い直税部長あたりがいばり散らすというようなあり方は、私はどうしても納得できない、こういう点をひとつ大臣もお考え願つて、よく御監督が願いたい。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 旧軍工廠等の払下げ、並びに戸川認可等をめぐりまして、国民は多くの疑惑を持つております。委員会の活動によりまして、こうした疑惑が逐次解明されて行くということは非常に喜ばしいことでありますが、なお、私はこの機会に明らかにしておかなければならぬことは、使用許可、認可等をめぐる幾多の問題がなお残されておると思うのであります。  そこでお伺いしたいのでありますが、たとえば軍工廠等を使用したいと思うときには、まず使用認前の申請を出すかと思います。ところが、これらの申請を出して、しこうして許可を受ける、ところが許可を受けた本人が、申請したところの事業計画に沿つての事業に着手しないこと、すでに数年に及ぶというようなことが全国には幾多あろうかと思うのであります。そこでこうしたものは、中にはこれを利権の具といたしまして、私はこの認可権を持つているんだから、この認可権を相当の価格で買わないかとか、あるいはまた私はこの認可権を持つているんだから、これに対して新しく出資をし百て、そうして共同で事業を始めないかとか、こういうようなことで、この認可権を一つの資産とみなして、新しく事業計画を立てようとしているものがたくさんあるわけでございます。私はこういうような国有財産は、少くともそういうような利権の具に供せられてはならないと考えます。従つてここで明確にしておきたいことは、こういう許可を得た者といえども、一定期間正当の理由なくして事業に着手をしない者、あるいはまたその事業計画以外の事業を行おうとする者、こういう者は、明らかに認可の条項に合致していないかと思うのであります。こういうような認可権はこの機会に取消してそうして国民に対して公平な立場で、それぞれの競願者があるならば、最も公共性を考え、あるいは事業性格のウエート等を考え、これらの軍工廠の払下げ、あるいは使用認可の許可を与えること等について、新しい角度からこれを再検討する意思があるかどうか、この点についてお伺いをいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 現在のものにつきましても、大体そういうような条項がみなついていることは、春日さん御承知の通りでございます。但しこれが励行されていない点があるのではないかと思うのでありまして、この点については、将来とも今お話のごとくに、利権的に考えられるということは、国有財産をお預かりしている大蔵省として世間に対してもまことに恐縮にたえません。従つてさようなことのないように十分注意し、約束のことは励行さすことにいたします。     ―――――――――――――

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ちよつとお諮りいたしますが、ただいま大蔵大臣以下政務次官、主税局長、銀行局長、為替局長、管財局長並びに説明員といたしまして国民金融公庫の櫛田総裁がお目えになり、さらに日本銀行の総裁がお見えになりましたが、一万田氏は十二時にやむを得ざる用事があつて失礼するとのことでありまするから、一万田総裁に対する御質問に移つたらどうかと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 それではさようとりはからいます。有田君。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 一万田総裁に御意見を承りたい。現在は揚げ超でデフレ傾向にありますが、今度の予算が通過いたしますると、ただいまの予算では約千三十二億、また一つには千五百七十億近い散布計画の予算も立てられておるやにわれわれは聞いておるのです。こういうようなデフレとインフレがからみ合うというような事態がこれから起つて参るのでありますが、これに対して日銀総裁としては、その金融対策をいかにお立てになつておるか、御所見を承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 御質問の点につきましては、私の考えといたしまして、何としてもそういうふうな二つのインフレ的とデフレ的な要因が重なつている。これをうまく調整して、インフレにせずして、資金の蓄積ができるように持つて行く、これがねらいですが、それにはやはり物が上らない物価政策というものが今後の大きな基本になる。物が上るという情勢を今後においてとるとなると、これはなかなか資金の吸収というものが困難になる。しかも今お話がありましたように、まず先に資金が出る、それを金融機関がおつかけてすくい上げる、こういうふうな形に今後はなるから一層それで私どもとしては、まず基本においては、物が上らない、できるだけ物価の抑制をして行く、そういうような金融政策というものが適当になる。むろん出まわつている資金を、あらゆる手段によつてこれを金融機関が吸収するということは、これは申すまでもございません。同時にまた、民間に資金が蓄積になるようないろいろな税法上の措置というものも、ひとつ政府において考慮してもらいたい、かように考えております。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 朝鮮休戦によりまして、政府は、朝鮮休戦になつても、特需はアメリカが声明いたしておる通りに、二箇年は続く、あるいはその他の清勢から見て大した影響はないというような説明をわれわれにいたしおるのでありますが、何といたしましても私は、朝鮮休戦は日本の経済に大きな影響を及ぼす、かように心配をいたしておるものでありまするが、日銀総裁として、これらの点につきましての御所見を伺いたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 朝鮮特需の問題についての日本経済に及ぼす影響ということについて、これは二つにわけて考えないと私はいかないと思う。朝鮮特需の実績を見ますと、会計年度では、私の記憶では約三億ドル、年度計画では三億二、三千万ドルになると思うのですが、むろんこれが休戦によつて全部がなくなるとも限りません。そうして、同時に他方問題になつておりまするMSAのアメリカの援助というものも、これに見合つておる。これが今のところ、新聞の報ずるところでは、二箇年くらい続く、こういうふうになる。ですから、そういうふうな程度の問題になつて来ますと、朝鮮の休戦が来たから、すぐ国際収支において大きく影響を与えるとは私は考えておりません。がしかしながら、問題は私はそういう点よりももう少し深いところにあると思う。それは今申したような国際収支においてそう影響を与えぬということは、一方の依存から、言いかえれぱ朝鮮戦乱というのに依存しておつた日本の経済が、今度はまたアメリカの援助に切りかえるということだけで、それがここ二箇年くらいは一応そういうふうなバランスで行くだろうというだけで、日本経済の本質をよくする何ものでもないというのが私の考えであります。だからそれを利用して、その司に日本経済を自分の足で立てるように、いわゆる自立経済をどういう程度に打立て得るかというのが問題である。従つてその観点から言えば、朝鮮休戦の成立を契機として、国民が覚悟を新たにするとともに、非常に苦しい場面に今後なる。その点においては、大きな影響がある。言いかえれば、人のふところを当てにしてはいかぬ、自分でもつてやつて行けということになる。こういう意味において、私は大きな点におきましては、相当な影響があると思う。それは言いかえれば、外国貿易をいかに増大するかに帰するのであるが、なまやさしいことではその目的は達成できないであろう、こういうことであります。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 不渡り手形の問題でありますが、不渡り手形のその後の状況、見通しなども伺いたいと思います。最近市中銀行がこの不渡り手形問題以来非常に神経質になつてしまつて、不必要に割引を拒絶しているような状況がうかがわれるのであります。この際日銀としては、これらの市中銀行を指導されて、一般金融の円滑化をはかるべきだと思うのでありますが、これに対する御所見を承りたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 正常な、かつ妥当な金融を円滑にする努力をいたすことは申すまでもありません。しかしながら、今日の不渡り手形が出たその実態をひとつよくごらんを願いたいのでありまして、今日いかに経営者が責任を解せないか。初めから、たとえば非常な高い金利のものにたよる、しかもその金利は、正常なものの数倍にも値するというような金で、もうそういう金に手をつけたら、その途端に、私の考えでは、今日のこのはげしい競争のもとでは、その会社をつぶす意思なくしてはやれないと思う。ですから、そういう状況下において、金融機関が、出ましたものの原因について、弁別をここで厳重にいたすのも、これは私はやむを得ないと思う。が、しかしながら、それによつて不当な、あるいは不適当な波及、言いかえれば正直にりつぱな仕事をしておる人がそれによつて被害をこうむることのないように、私どもとしては万全の措置をして、きれいにひとつ――やむを得ないものはやむを得ないというふうな考え方、しかしあとはきれいに行く、そうして不適当な波及を及ぼさないようにする。非常にむずかしいことでありますが、金融機関はできるだけ親切にやつて行かなければならぬというふに御了承願いたいと思いま。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 九州の災害によつて、九州からこちらへの送金が非常に遅れておる。円滑に金が来ておつたならば、約手を出しておいてもそれがうまく払えたものが、今度の災害で、当然送つてくるべき金が九州から送つて来られないというために、かなり経済界を混乱させ、あるいは、金融界も混乱しておりますが、この不渡り問題の今の銀行の神経質になつておる点と、九州の災害による送金難というような点もかてて加えて、私は日銀の責任は非常に重いと思いますが、今の日銀総裁のお話で、親切丁寧にやるというお話でありますが、さらに現地の問題としては、災害による問題もこの上に加わつておるのでありまして、これに対する御所見も承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 九州の災害については、ほんとうにこれは残念なことで、皆さんとともに深い同情を持つております。そうしてこれに対しては、あらゆる努力を払う。少くとも金融上については措置を講じておるつもりであります。また政府からもたくさんな方が行かれて、現地の金融機関がその指揮下といいますか、協力態勢にある。従つて今までのところ、この洪水から来た金融上の問題について困るという事態ではない。さらにまた徐々に実相が判明して、どこをどうすればいいかという事態、あるいはそのスケールも明らかになるにつれて、今後一層金融上の措置が必要とすれば、大蔵省とも相談して行きまたい、かように考えております。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 九州の問題については、十分ひとつお考えくださつて、経済界の困らないように総裁の御配慮をお願いしたいと思います。  さらに金利引下げの問題でありますが、現在製品のコスト高が各方面で問題になつておるのでありますが、銀行の金利は、国際的に見て著しく割高で、製品コスト高の一因をなしておると思うのであります。現在銀行の金利のコスト中に占める割合は、戦前の二倍になつておるのであります。この際銀行も合理化を徹底して、すみやかに金利引下げを行うべきであると思うのでありますが、御所見を承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 ただいまのお話は、私も何も異論がありません。そういうふうなことが実現できるように、今あらゆる努力を払つております。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 さらに貿易金融について御所見を承りたいのですが、輸出の振興をはかるために、貿易金融について今まで総裁がおとりになつて来られたもの、また他の国内金融の金利との均衡にとらわれないで、この際思い切つて将来はこれを引下げるというような方向で、何としても私は輸出の振興をなさねばならぬと考えておるのですが、白根総裁の御所見を承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 輸出振興について、金融上できるだけの便宜を考えて行くことは、申すまでもありません。しかしながら輸出振興については、やはり金融の点だけではなかなか具体的に輸出ができるものでもありません。こういう点については、日本の貿易をいかに進展させるか――むろんこれは相手のある国際的な問題でありまして、日本だけいかに考えてもできぬ点もありますが、これについては、やはり何としてもいい物を安くいかにしてつくるかというようなことが大事で、ただ金利を安くすれば貿易が伸びるという考え方は、私から言うとこれは依存で、人に依存するなと叫びながら、やはりこういうものはやすきにつくというきらいがあるのであります。従つて限界があるのであります。だからといつて金利を高くするというような、そんなばかなことは考えておりません。できるだけ総合的に協力して行くつもりであります。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 さらに海事金融について御意見を承りたいのですが、ただいまの海運界は、もうすでに金融界で操作する域を脱して、大きな政治問題になつておると思うのでありますが、今日のこの海運、造船これに対する金融に対して、日銀総裁としての御所見を承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 海運政策、あるいは造船政策というようなものについては、私自身としてはむろん見解を持つております。またそういうところの見解をもとにしないと、造船金融ということもなかなか伸びがたいのでありますが、しかしそれはよその分野に属することが多いので、何も私がそういうことを言つて問題を起すこともない。従つて造船金融について私が今日言いたいことは、また言い得ることは、貸した金の金利を払つてほしい。金利も払えぬようなものには、造船資金というものは銀行としてもなかなか貸せないということだけをはつきりしておきます。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 それから最近の六月末に三千億を突破したそうでありますが、最近の揚げ超の関係上、日銀に対する依存度が非常に激化した。しかし予算が通れば、デフレ傾向から解放されると思うのでありますが、現状の日銀の依存の激化に対する日銀総裁のお考えをお聞かせいただきたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 これは、今お説に出ておりましたように、予算も通過すれば、徐々に是正ができまして、御心配になるほどのものではないと思います。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 さらにやみ金融、これが本委員会でも非常にやかましい問題になつておるのですが、このやみ金融の問題については、いろいろな角度から見られるのですが、日銀総裁としてひとつこのやみ金融の問題についての御所見を承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 やみ金融について、私は形容詞はわかりませんが、非常に遺憾の意を持つていることは、申すまでもありません。ただしかし遺憾の意を表するだけではどうにもなりませんので、いかにしてこういうやみ金融が発生しないようにするかということに、努力を向けなくてはならぬと思いますが、しかし、これはやはり正常な形において資本の蓄積がいかにして増大するかということが、どうしても基本になると思う。物か足らぬ場合に、自然物の統制が行われ、そこに今度物のやみが生じたように、すべにおいて稀少性が強くなつて需要が、多くなると、どうしてもそういうことが起る。同時にこれは国民の道徳の作興まで行かないと、やはりなかなかできないのでありますが、しかしこれは金融というよりも、むしろ行政に属すると思いますので、私は控えたいと思います。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 相互銀行法の一部改正案が本委員会に提出されておりますが、これは為替業務の問題でありまして、本支店間の為替業務については、これは問題がないと思いますが、他店との為替業務について大蔵省から認可が出るというような場合に、どうしても日銀との取引は、あわせ考えられなければならぬ問題だと思いますが、もしもこの法案が通過をして、大蔵省において一般他店との為替業務を許すというような相互銀行に対しては、私は日銀がそれと並行して、やはり御調査になつて、取引を開始されることが妥当であると思う。特に相互銀行の使命からいつて、中小企業の今日のあり方においては、私は非常に大切である、こう考えているので、この問題について、もしもただいま申し上げました他店との為替業務を大蔵省が認可をした場合に、日銀もひとつこれに並行して取引を始められるような御意思があるかどうか、この点承りたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 大蔵省が相互銀行に為替業務を認可した場合に、日本銀行が取引先にいたしてよろしいと言いたいのでありますが、必ずしもそうは行かない。日本銀行としては、日本銀行の取引先に値するかどうかということを、銀行全体について十分研究したいと思います。しかし日本銀行と大蔵省の間でありますから、実際は両者が、調和して行くだろうと私は思うが、りくつの上では、必ずしも追随はできません。しかし実際はうまく行くだろう、こういうふうに考えております。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 この相互銀行の問題でありますが、これは日銀総裁も御存じの通りに、相互銀行と取引いたしている中小企業者の数は二百万、こうわれわれは報告を受けているのであります。さらに信用金庫は百二十万、それから各銀行が七十万、さらに商工中金が十万、国民金融公庫が十万、こういう数字を私どもは聞いておるのであります。従いまして、この中小企業については、一万田総裁は非常な熱意を持つて、今までも、本委員会においても、予算委員会においても御答弁になつておられる点であります。特に相互銀行については、それは普通の銀行から見れば、いろいろ問題もあるかと思いますが、相手が中小企業者であります。従いまして、決して大蔵省が許可したから日銀が取引すべきであるとは考えておりませんけれども、中小企業育成の面から言つて、また平素から一万田氏の中小企業育成に対する熱意から言つても、これは大蔵省が認可を与えた場合に、その銀行を調査して、でき得る限り私はその取引をすべきである、こういう見解を持つているのでありますが、御所見を承りたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 別に御意見に対して違つた意見があるわけでもありません。私どもとしては、むしろ大蔵省が為替業務を許さぬのいかんにかかわらず、なるべく多く日本銀行の取引先にしたいのであります、またそうなるように、ひとつ相互銀行ともよく協力をして、相互銀行も早くりつぱになつてほしい、こういうふうに考えております。できるだけ御希望に沿うようにいたします。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この際特に金融政策について二、三伺つておきたいのですが、今総裁は、特需にたよらずに、自立経済を打立てることが中心である。その自立経済の推進の中心は、やはりコストの引下げということが大きな問題になつておる。コストの引下げについて、一つは金利をどうするかという問題と、一つは現実に基礎産業の単価をどうして引下げるかという問題が今当面の問題になつておる。この場合、たとえば鉄、石炭、肥料、こういう基礎産業の問題に対して、補助金政策が当局の方からとられようという一つの案が考えられると思います。これに対して一体どういうお考えを持つておるか、それから金利引下げについて努力をしておるというが、具体的にどう日銀は努力されておりますか。具体的にひとつ御説明願いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 ただいまの補給金の問題は、通産大臣、大蔵大臣の答弁すべきことで、私が今ここでそれに触れるのは、少し行き過ぎておると思います。  それから金利の問題ですが、これは私どもはいわゆるコストを下げることについて、できるだけ金利を下げたい。それにはやはり資本の蓄積がないと、ただ金利を下げろといつても、今日の銀行の資金コストは、むろん銀行の合理化等もありますが、だれが見ても銀行のやつておることは非難するところがないというようなところで金利が下げられない、こういうふうに私は言うべきだと思います。今日現実の問題としては、銀行の資金コストは年七分であります、ですから、七分以下で金利をまわすならば、銀行は収支が償わない。銀行がうまく行かないで、日本の産業がうまく行く気ずかいは絶対にない。だからやはり金利を下げろと言いますけれども、そういう下げ得る限界があることが日本の現状なんです。金利なら金利だけ思うようにどうにでもなるというふうにならぬその悩みが、日本の悩みなんです。ですから、そういう点をひとつ御了承願いたい。しかしできるだけ消費生活を節約して、そうしてここで資本の蓄積をして、これを産業に向けて行く、それで金利も安くなる。そういう考え方に異論はないのであつて、できるだけそういうふうにして行きたい。しかしこれには、結局先ほどお話になつたように、単に物を下げるのではいけないので、生産費を下げて、その生産コストが下つた上で物の値段が下るということでないと、産業の膨脹、いわゆる生産の増加を見つ、言いかえれば日本の国民を十分養いつ輸出がうまく行くかというと、行かない。ですから、この生産コストを下げる意味で、ひとり金利だけ言つてはいけない。金利をかりに私が下げましよう。私が下げると言つてはおかしいですが、金融界が下げるといたしまして、しかし賃金のベース・アツプで食われてしまつては物の生産コストが下りません。ですから、そういうことを一方的にだけ言つてはいかぬ。だから総合的に、これも、これも、これもと手を打つて、こういうものについてはこういうふうに値段を下げないと、日本産業は成り立たない。それについては、労使の関係も含めて、一つの案がなり得るかどうか、またなり得させるためにはどういうことをすべきかということが私は問題と思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それは一つの経済金融理論でありまして、私の言うのは、あなたが現実に日本銀行総裁として、当面金利が高いということが国際的に一番問題になつておりますから、それを具体的にどうしたら下るかということについて、あなたの方がどういう具体案を持つておるかどいうことを私どもは伺いたい。今あなたのお話は、かりに金利を下げても、その分だけが賃金に食われては何にもならぬというお話ですけれども、金利が下れば、やはり全体の物価は下る傾向を持つて来るわけです。現実の問題として、そういう場合に賃金指数が上つて行くということは、逆現象としてあり得ないことです。そういうことで、今一番大きな問題は、やはり金利をどうするかということでありますから、この点については、金融の王座におりますあなたとしては、少くとも考えなければいかぬ。  その次に伺つておきたいのは、今有田君からお話がありましたが、九州の災害に対する約手に対する対策というもの、これがまた抽象的です。特に近畿、大阪を中心とする方面は、九州との取引のために、非常な打撃を受けておる。これに対して具体的な、延びを保証するとかなんとか、この際新しく金融措置というものがもつと具体的に講ぜられなければならぬ。これについてもやはり具体的な答弁かほしい。今できなければ相談をして、その上で御答弁を願いたい。  それからいま一つ伺つておきたいのは、中小企業に対する金融問題であります。日本銀行から資金を流しております市中銀行その他は、なるほど中小金融をやつておりましよう。ところがこれはいずれも巨大な資本を持ち、信用のある産業を中心になさつておつて、ほんとうに困つております中小企業に対しては、市中銀行の貸出しというものはまことに不活発であります。現実に、日本の産業構成から、中小企業を除くわけには参りません。中小企業の実態の合理化、あるいはまたこれの全体の生産を高めて行きます総合的な対策は考えなければなりませんけれども、何と申しましても、あなたが先ほど申しました約手の不渡りというものは、何ゆえに一体不渡りを出さなければならないかという原因を、あなたは御存じなんです。そういう高金利に飛びつかなければ現実の経営ができないということになつておる事実、またやみ金融がやたらに跋扈しておるという事実、先般も本委員会においてやみ金融の者が申しますのには、全国で少くとも三、四百億のやみ金融が動いておるといわれております。三、四百億のやみ金融を動かすような金融政策は、一体妥当な金融政策かどうか。これは金融の大元締めであるあなたとしては、もつと責任をもつてこの対案を講じてもらわなければ、実際中小企業というものは成り立ちません。そこをもう少しあなたの方は――金を貸すのだから、かたいところに貸さなかつたらあぶないというのは、それは商売柄そういうかしらぬけれども、日本の金融政策としては、そればかりでは困る。また現実に市中銀行は、今日大きな店をどんどん進出させ、いかにいろいろ優遇された条件のもとに置かれておるかということは、あなたよく御存じであろうと思う。他産業に一体ああいう事業がどこにありますか。ここにあれだけ恵まれた日本の金融界に対する怨嗟の声が巻き起つておるということを、あなたは考えなければならぬ。そうでなく、抽象的にここで金融理論をいいかげんに言うてもらつては、政策を打立てるのに非常にぐあいが悪い。あなたが忙しいのに、わざわざ来てもらつたのは、あなたから何かいい知恵を出してもらつて、当の行き詰まつておる中小金融なり日本の金利の引下げについて、国としての一つの具体的な政策を推進しようということで出て来ていただいたのです。それなのに、あなたが新聞や雑誌に発表するようなことを言つてもらつては困る。私は露骨に申して失礼かもしれぬが、ざつくばらんに、率直に私の意見を申し上げますから、率直にあなたの御意見をお聞かせ願いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 相当私は具体的に表わしたつもりであります。ものはとりようですから……。たとえば金利を下げても、一方賃金のベース・アツプでやられてはしようがない、何もそんなことを言うのじやありません。そういうこともあるから。――むろん金利を下げることが必要なことは否定するのじやない。しかし総合的に行かないと、効果が上らない。さつきそのことを言つたのです。金利を下げることについて、それならお前どんなことをやつたかといわれれば、それはほとんどその努力に終始しておるといつていい。ただ従来は、財政面に何さま資金が吸収されて、民間の資本蓄積がなかなか困難であつた。それが徐々に形成されつある。そこをつかんで、最近では何をいつても実質的な金利を下げることが必要である。ただ表面だけ下げても、それにいわゆる紛飾預金であるとか、両建であるとか、やつては困るから、それをやかましく言つて、これを是正するように、そうしてもしそれを実現せぬようであつたら、これは相当強い決意で行くということも話してあるわけでありまして、同時にまた金利を下げる努力としては、資本の蓄積ということの手を打たずして金利が下ることはない。日本銀行の金を使えば下るかもしれない。しかしこれは金ではない。ペーパーである。紙切れである。紙切れを使つても、日本の経済が復興することは絶対にありません。これは悪い方に向くばかりであります。  それから約手の問題でありますが、これは今大阪のお話ですが、十分今調査をいたしております。何か知事が、この間百何十億というたいへん大きな数字を持つて来ておる。大分前から大阪方面から九州に行つておつたのを、その金の何かでしよう、別に水害の問題とは違うでしようけれども、たいへん大きなものを持つて来た。これは大き過ぎる。しかし今はこういうどさくさの場合でありまして何ですが、大阪支店において、大阪の会議所なりその他と十分連絡をとりまして、そうしてこれらについては資金の道を講ずるようにいたしておりますから、それはひとつ御安心願いたいと思います。  それから中小企業のことでありますが、これにつきましてはできるだけやつております。ただ抽象的とおしかりを受けるかもしれませんが、この中小企業の金融というものは、非常にむずかしい。特に自由経済だとかいう場合においては、一層むずかしい。言いかえれば、この中小企業の解釈がまた非常に違う。何を中小企業と言うか。大体やかましいのは、むしろ金融よりも、社会政策的な意味を加えないと融通ができない。そういう方面において私は大いなる――今度政府で中小企業金融公庫もおつくりになり、国会も御承認になるのでしようが、そういうふうになるので、一層これを円滑にして行きたい。ただできるだけひとつ努力をし尽力をする。これは具体的に考えて行きたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 日本銀行総裁に、最近問題になつております為替問題でありますが、為替銀行のことにつきまして、大蔵当局と意見が違うというような話も伝わつておりますが、この点について日銀総裁の御意見を伺いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 これは私の考えといたしましては、外国為替銀行という専門の銀行が必要であるということは、私もそう思います。ただ問題は、そういう専門的な銀行が一つでいいのか、数行を必要とするか、ここに私は問題があると思う。かりに一つとする場合と数行にする場合とでは、これを法案にしても法案の内容が大、分違つて来る。その辺私は別に確定した意見は持つておりません。持つておりませんが、ただ私は、日本の貿易金融から見て、なるべく簡易に利便を受ける金融機関を必要とすれば、多くの金融機関ができていい。専門はいずれの場合でも専門がある。貿易金融、為替金融をやる専門はいつの場合でもある。ただそれだけで、専門もあるが、それに加えてほかのものにもやらせることはどうかというような点は、まだ十分に検討する必要があろう、こういうことであります。別に私は今のところ結論はありません。むしろ私としては、市中銀行、その他各方面の貿易業者、関係者の意見をまず先に十分拝聴しました上で、そろそろ自分の意見もまとめてみようと思つております。ただ私が自分自身で個人的に問題にしておる点は、そういうところにあるのであります。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 先ほど井上委員から、中小企業対策についていろいろななお話がありましたが、日本銀行はややともすると大資本家、大きな銀行を中心としている傾向が非常に多いのですが、どうしても地方の中小銀行とか、そういうものを育成しなければ、現在地方の金融はうまく行かないと思うのであります。こういう点について、日銀総裁はどういうお考えを持つておられるか、お伺いしたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 日本銀行として、大銀行に偏しておるというようなことはない。私どもは、やはり弱い銀行をよくする、そうして従来金融上で欠陥のある分野を改善して行く、こういう意味であります。今日では、やはり地方におけるほんとうの相互銀行の調整をはかつて、地方銀行でやれないものを相互銀行でやる、いたずらに競争せずに、協力して相補完的にやつたらよいのではないか、そういう意味合いで、地方銀行もよく見ているのでございまして、決して大銀行に偏することはありません。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 最近京都の新聞に、MSAについて日銀総裁のいろいろな御意見が発表されておりましたが、われわれは、日銀総裁は法王といわれておりますが、どうもそういう点について、新聞記者が問う以上やむを得ませんけれども、政治的な意味の意見が非常に多いようにわれわれは新聞で拝見しているわけです。こういう点で、MSA援助については、われわれは党としても反対いたしておりますが、その点についてはあなたがはつきり言われたどうか、その辺を少し御説明を願いたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 MSAのことは、これはただいま私の知る限りでは、国会自体で非常に論議になつておるかに思われます。そういうときに、むしろ政治的な要素が非常に多いことについて、金融専門の私がここへ来てかれこれ触れることは、お許しを願いたいと思います。ひとつ触れずにおきたいと思います。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 この間京都で、MSA援助についての日銀総裁の意見が発表されておるわけであります。その点について、あらためてそういう意見が発表されたかどうかということをお聞きしておるわけであります。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 新聞に対しては、そういうものを発表したことはありません。それは飯でも食つたときに、何か座談的にそんなことがあつたかもわかりません。これは私の公式の発表でも何でもありません。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 為替操作を日銀でやつておられますが、これをチエツクする必要があるのではないかと思いますが、御所見を承りたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 たいへん恐縮ですが……。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 為替相場を大蔵省の為替局等でやつておりますが、窓口は日銀でやつておられる、その間がうまく行つておるかどうか、御所見を伺いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 私は大蔵省の御趣旨で仕事をしておる、私としてはうまく行つておることを望むのです。大蔵省の方で御満足になつているかどうかわかりませんが、私としてはできるだけの力でうまく行くようにやつて行きたいと思います。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 為替局長にお願いしたい。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 今は日銀総裁だけに限つて質問を願つております。

坊秀男自由党

○坊委員 私は日銀総裁に一般的な質問をしたいと思つたのですが、時間がありませんから、ただ一点関連質問をします。先ほど同僚有田委員に対して、日銀総裁は、相互銀行の為替取扱いの問題について御説明がありました。大蔵省で認めても、必ずしも日銀ではこれを認めるわけには行かない、但し大蔵省と日銀との間のことだから、これはうまく行くだろう、こういう御趣旨の答弁があつたようにお伺いいたしました。そういう意味は、私は非常に曖昧模糊としてはつきりしないのです。私をして憶測せしめるならば、おそらくこういうことじやないかしらぬと思うのです。そうでないかどうか、日銀総裁に伺いたい。大蔵省で特定の相互銀行に対して為替取引を認めるというような場合には、あらかじめまあどうせ大蔵省で何を考えても、日本銀行総裁に相談せなければ問題にならぬことだから、大蔵省で認めるとか、許可するとか、認可する前に日銀へ相談に来るだろう。これはまあうまく行くだろう。こういうような意味なのか、全然そうでないのか、大蔵省で認めたものはできるだけ日銀でこれを直接取引をやるという意味なのか、そこの点を伺いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 今のお話のようではない。一つは、私はそういうふうに申しましたのは、これは大蔵省の考えですから、私はかれこれ言うべきではないかもしれませんが、私の想像では、おそらく為替業務を許す場合に、やはり基準というものができるのじやなかろうかと思うのですが、ただそのときどきに、あれをやつてやろう、これをやつてやろうというようなことはやるべではきない。一応の基準というものがあつて、それに合致すればということ、――実は私どもの方の取引をするのにも、基準があつて、不公平がないようにやる。ですから、そこの基準を見ないとわからないからいどうだろうか、今後の大蔵省との話合いにもよる、こういう意味であります。決して私の方に来て、それからということは絶対にありません。それからまた理論的にいえば、現在まだ為替を許していない。許していないが、私の方の取引先にすでになつておるというものも数行あります。必ずしも両方が一致しなければならないということはないと私は思います。

宇都宮徳馬自由党

○宇都宮委員 中小企業金融について、きわめて具体的なことを一点お尋ねしたいと思います。御承知の通り、中小企業の典型的なものは信用金庫であります。今度信用金庫法が改正されまして、その名称も制限されるわけですが、この信用金庫が一律に日銀との取引を認められてない、手形の決済などが遅れるというために、中小企業者が非常に迷惑するということがあるのです。日銀総裁は先ほどから聞いておると、中小金融には御理解がある。これは金がいるわけでありますが、日銀の考え方についてお伺いしたいと思います。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 私耳が悪いものだから、あるいは御質問の点を聞きのがしておるかもしれません。御質問の信用金庫を日本銀行との取引を認めていない、そこで中小企業金融にいろいろと支障があるという点、それはそうでありましようが、こういうものも、今後の日本銀行との取引関係について、中小信用金庫というものの状態ですが、これはどういうふうになつているか、いよいよ信用を高めて行くということになつた場合に、考えて行くということもあり得るであろう。今のところ、多分信用金庫連合会とは何か関係があるように私は思つておりますが、別に異論があるわけではありません。

有田二郎自由党

○有田(二)委員 最後に一点お伺いしたいのは、今度の予算が今国会では問題になつておりますが、今政府が出しておる予算以外に、外為から蓄積円三百六十億円を財政投資として放出したらどうかという意見が国会内にある。われわれは、そうなることはインフレを招来するというので反対をいたしておるのであります。少くとも外為の蓄積円というものは、私はこの際十分大切にしなければならないという見解を持つておるのですが、総裁の御所見を承りたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 私の考えを申し上げますれば、先ほどもちよつと触れましたように、ちようど国際的にも、あるいは国内的にも非常な転機、いわゆる転換が経済的にも来て、たとえば予算を見ても、支払い超過になるのはやはり二十八年度からだ、こういうふうに見ております。こういう日本経済を復興して行く基本になるのは、国際競争に十分打勝ち得るような物価というものが実現できるかどうか、言いかえれば、生産費を安くして値段を安くする、国際競争に耐え得る、そういうちようどスタートのときである。そういうときですから、いろいろと支障もあろうし、考え方もあろうが、総じて言えば、インフレ的な感じを与えるやり方は、この際だけは一切御遠慮してくだされば、私どもとしては非常に幸いだ、私はそういう考え方をいたしております。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 金融の公共性ということが非常に主張されておりますが、このことは、現在不況と重税のために非常な金融梗塞に陥つておるところの中小業者に、なかなか金が貸し与えられないというようなところから、これが逼迫いたしておるからだと思うわけであります。そうして中小企業の問題は、多角的にいろいろな施策が講じられておりますが、なかんずく今回立法されんとしております信用保証協会法というものもありまして、地方の公共団体が、信用が薄いところの中小企業者に、金を借りる場合における信用を供与する、こういうことで信用保証協会をつくつて、その保証人になつておる。しかしながらこれの実際の運営にあたりましては、県が保証する、あるいは地方自治団体が保証するのだから、最悪の場合金をとにかくとりそこなうことはない。信用上は安全であるけれども、しかし信用が問題ではなくて、貸す金が問題である。従つて貸す金は私の方だから、信用保証協会へはいくら交渉なさつても、金は貸さないということでせつかくの信用保証協会の機能も十分に発揮できないし、さらに今次ここに立法されております法律によりましても、この問題は解決されていないと思うのであります。そこで総裁にお伺いしたいことは、かつて貿手優先という制度がありました。国策のためには、他のあらゆる手形に優先して日銀は再割をなさつたような前例もあるのでありますが、今回ここに信用保証協会法が立法されて、しかも地方自治団体の責任において、そういう損失に対する保証の制度が確立された。しかも地方団体に対する損失の補償が、国の保険を通じてさらに再保証される、こういう立場における資金源の確保、こういうことについて、ひとつ日銀の方で特別の措置を講ずるような御意思はないであろうか。かつて貿易産業のために優先割引をなさつたと思うのであります。地方の保証協会が保証協会法に基いて保証した場合に、その資金源を日本銀行に仰ぐというために何らかの措置を講じられる必要があると思うし、しかもこのことは、今非難されておる金融の公共性の欠如という問題も逐次補つて行くことであろうと思うが、日銀総裁は、これに対して何らかの措置を講ずる意思ありやなしや、この点を伺いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 非常に御同感を表する御意見でありますが、保証協会が保証をしても、なおかつ金融機関が融資を躊躇するというのは、一体何に原因があるかという点をどうしても考えなければならぬ。それは、結局そういう中小企業の方々のおつくりになる物がはけないということにあると思います。もしも中小企業の方々のおつくりになつた物がはけて行けば、当然金融はつけなければならぬ。同時にその返済は、売却代金でできる。従つて物がはけない場合に、ただ保証協会が保証するから金融をつけていいじやないかということは、これはいわゆる売れない物に融資を与えるだけで、これはほんとうの意味の滞貨融資です。これか累積して来ると資金面おいてインフレを呈することはむろんです。そしてそういうようなことを押し詰めて行つて、いよいよ資金で困窮した場合に、投売りすることになつて、市価が非常に暴落をして経済を非常な混乱に陥れる、これも当然そうであります。言いかえれば、私どもの立場として、単にそういうふうに保証があつて、別に損はないじやないか、それなら貸していいじやないかというても、簡単には行かない。またそういう場合に金を何か考えれば――私の見解では、財政資金関係で考えてはインフレになる。もしもそういうものを日本銀行の措置でやると、日本銀行の倉から新しく出て、これはインフレの行き方になつて物価を騰貴させる。それで財政資金をまわし得るかどうかというふうに考えなければならぬでしよう。こういうふうに思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 これはそういうことではないわけであります。たとえば、金融の公共性ということだが、保証協会の保証をする場合は、これはそれぞれの委員が会議によつて、あらゆる角度から保証すべきか保証すべからざるかということを検討いたします。そのときには、製品が売れるか売れないかという見通しについても、当然検討が加えられる。これは日銀の地方支店長もそれに参画しましようし、中小企業の代表、県の代表、その他いろいろの各階層の代表が集まつて、公平の角度から検討を加えて、これは保証すべきであるという結論に達して初めて保証するわけであります。従つて、それはその製品が消化されるかどうか、あるいはこれが回収されるかどうか、こういうような問題は、すべて十分討議に付された結果保証される。ところが金融機関は、そこに金融の独善性があるわけであります。いくら公共性のある融資だからといつて、お金は私のものだから、いくらだれが保証しようと、あるいは貸倒れの心配がなかろうが貸さないというところに、金融独善のそしりがあるわけであります。そこで私は、そういうようなあらゆる角度から、公共的な機関が貸すべきであるという認定をし、しかも保証までしようとするその金たるや、地方住民の税金による保証基金であります。従つてそこにルーズ、ずさんな保証がさるべきでない。こういう面に対して金融機関が協力して行くことこそ、世人のそしりを逐次緩和して行くための道であろうと思うのであります。しかし金融機関が、いわゆる手持資金がないという立場において、あるいは公然としてこれを拒否しておる面が非常に多いわけであります。そこでこの問題を解決する唯一の方法は、日本銀行が――今回幸いに保証協会法というものが立法されておるわけでありますから、この法律に基いてその場合においては、金融機関がそういう引受について格別の措置を講ずる、こういうようなことになりますと、この立法は非常に精彩を放つて来る。しかも今地方においていろいろと隘路となつておるところの、保証をしたが金は借りられないというような問題についても、これは全面的に解決されて来る問題であつて、今同僚各議員が指摘して強調しておられましたように、中小企業金融梗塞打開の道は、こういうような道を活路として、逐次解決をたどるのではないかと思うのであります。当然こういう中小企業金融の問題は、今国論が非常に高まつておる問題でありますので、日銀において当然格段の措置が講ぜられてしかるべき問題だと思いますが、この立法を契機として、その資金源に対する措置が当然行われるべきであると思います。そこで貿手優先割引をやつた前例等を考えまして、これに対して何らかの措置を講ぜられたいと思いますが、これについてもう一回御答弁を願いたい。

一万田尚登日本銀行総裁

○一万田参考人 今お話のように、保証をする場合に必ず物が売れるということを御認定になる。それがほんとうに物ができて、いよいよ取引をする場合に実際に売れて行くのでしたら、御心配になるようなことは私はないと思います。これが必ず原因になつて来る問題は、認定をする場合には物が売れるように考えておつたが、実際はなかなか売れないというのがむしろ現実の姿で、これは私、必ずしもものを悪く見るのではありませんが、中小企業がお困りになつているのが現実の姿だろうと思います。従いまして、それに対する対策は、そういう見地からやらぬとうまく行かぬ。といえば保証協会は保証をしている。これは売れるはずだ、そして特別の優遇方法をとる。何でも売れるものはどんどん保証するということばかりやつているのでは、その結果は、それはインフレ的な行き方で、結局日本の経済を救う道の一つでもない。私は決していろいろ御意見に反対するのではありません。私もなお一層勉強いたし、探索いたしまして、その原因に応じて適当な治療を加えることにいたします。お説のような点も十分考慮して、ひとつ研究を進めます。特にそういう点は、私よりは、中小企業金融に携わつておる金融機関の実際の扱いをお聞きくださらぬと、私では必ずしも一つ一つの取引や個々の実情を把握しておりませんから、こういうものならこうしていいというようなお話に自然になりますので、そういう点も、実際の中小企業金融の衝に当つている銀行あたりからもお聞きくだされば、一層よかろうと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そういたしますと、やはりこれもケース・バイ・ケースということになります。これは当然のことでありますが、それでは問題の解決にならないわけであります。貿手の場合だと、たとえば日銀の方で貿易商社の信用がおわかりにならなくても、貿手である限りにおいては、これは再割された前例もあります。この保証金融については、地方自治団体というものは相当の権威もあり、責任もあるわけであります。それで貿手にふさわしいところの信用もあるわけであります。そういう機関がとにかく金を貸してやつてくれという保証をした以上、当然それに対して、国の機関として何分の資金措置を講ずべきであるという理論も成り立つて来ると思います。さらに一歩進んで御相談をしたいのでありますが、たとえば、保証協会の審査委員会の委員のメンバーの中に日銀の責任者を入れておる。たとえば大阪、東京、名古屋等におきましては、日銀の責任者がその審査委員のメンバーに加わつております。あなたは八重雲の中に住んでおられて、玉座の上におすわりになつておられるそうだから、そういう下情に通じておられないかもしれないのであります。現実のそういう機関が日銀と密接な連絡を保ちつ、その可否の決定をいたしておるのでありますが、その結果は、なおかつ金融機関によつてそれが応じられていないのであります。問題はそこにある。私が指摘するのは金融の独善性であります。それに対してある程度公共性を加味することのために、日銀が資金源のてこ入れをしたら問題の解決がつくんだ。しかもそのことは他にも前例がある、こういうことを申し上げておるのであります。従つて審査委員会に日銀の責任において関与しつ、そうして出た結論に対しては、金融機関は、その御本人を知ろうと知るまいと、それは県の責任と法律の権威とにおいて、その資金が供与できるような措置を御研究願つて、御協力願うように、ひとつお願い申し上げたい。以上であります。     ―――――――――――――

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 動議を出します。国有財産法に関連する審議は明後十日に変更されまして、その十日には枚方製造所の事務的遂行責任者であります近畿財務局長と、近畿財務局の管財部長の両君の出席を求めたい、こういつた動議を出します。お諮りを願います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの福田君の動議いかがでありますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

千葉三郎改進党

○千葉委員長 なお、この際お諮りいたしたいことがあります。本委員会において審議中の関税定率法等の一部を改正する等の法律案に関しましては、なお議論の存するところでありまして、本件に関しては参考人の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  なお参考人招致の日時及び参考人の選定につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。  この際休憩いたします。     午後零時十八分休憩      ――――◇―――――     午後零時二十一分開議

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより再開いたします。  午後三時まで休憩することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 それではさようとりはからいます。  暫時休憩いたします。     午後零時二十二分休憩

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