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16回国会衆議院1953/05/30

大蔵委員会 第3号

発言数
29
登壇者
6
会派数
4
開催日
1953/05/30

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これから会議を開きます。  本委員会における国政調査の一環としての凍霜害対策に関する件を議題に供します。本件に関しましては、質疑の通告がありますので、順次これを許します。佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 大蔵大臣に質問を要求したのですが、今参議院の予算の関係で出られないそうでありますから、国税庁の長官に質問したいと思います。  今度の凍霜害は、御承知のように、二十年来の非常に大きな被害でございまして、これは一種の天災ではありますけれども、新聞などにもあまり発表されないので、非常にじみなものになつております。おそらく桑だとか、あるいは果樹、麦に至るまで、相当なひどい被害だと思つておりますが、それの税の減免についてどういうような方針を持つておられるのか、平田国税庁長官にお尋ねします。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 今回の凍霜害につきましては、最初は主として桑、しかも群馬県地方からよくこの話を聞きまして、なるほどひどい状況であるということを認識しておるのでございますが、その後漸次時がたつに従いまして、地域も広く、さらに被害の程度も桑園以外に麦畑とか、あるいはお茶だとか、その他各方面にわたりまして、相当広汎な被害に及んでおるように承りましたので、私どもといたしましては、とりあえず予定申告に対する措置を適切にやるようにということで、地方に注意をする通達を流した次第でございます。  御承知の通り、予定申告にあたりましては、原則として前年の実績額で申告するということになつて、おりますが、災害などによりまして、所得が二割以上減少すると認められる場合におきましては、その減少すると認められる金額で申告ができる、こういうことになつております。その場合におきましては、事実二割以上減少するということがはつきりします場合は、これは法律上も必ず認めなければならない。こういう法律になつております。但し、二割程度に至らない場合におきましては、これは実際上いろいろ問題がありますので、政府において認めることができるということに法律上なつておるのでございます。この規定をうまく運用しまして、予定申告に遺憾なきを期するというのが当面の重要問題でもると考えまして、二割以上減つてる場合はもちろん当然認めなければなりませんが、そうでない場合におきましても、災害でございますので、できる限り実情を調べまして、低い申告も認めて行くようにするようにという方針でいる次第でございます。さしあたりは被害の実況を調査するというのが一番重要でございますので、この点につきましては、御陳情を受けました最初から実は通達をお出ししまして、実情を調べておくようにということを言つている次第でございますが、さらになかなか地域も広いし、関係の人々も多いので、先般の国会でも申し上げたのでございますが、関係の市町村並びに府県、こういうところの調査をできるだけ連絡していただいて、その資料をでき得る限り尊重してやつて行くように、しかしこれはもちろん地域的な公平もはからなくちやなりませんので、そういうことにつきましては、さらに税務署においてよく調べまして、そういう資料を十分尊重しつつ、適実にして公平な軽減の措置がとり得るようにして参りたい。そういう趣旨のこともさらにその後追加しまして、地方に対して通達を発している次第でございます。なお現場におきましては、会議その他におきましても、この問題は今年の相当重要な問題であるということを言つておりますので、大体におきまして、末端まですでに徹底をしておるのではないかと思いますが、しかし所によりまして徹底していないようなところがお耳に入るようなことがございますれば、遠慮なく私どもの方にお申しつけなさいますれば、さらに実情に即するように指導いたしたいと存じておる次第でございますので、よろしくお願いいたしたいと思う次第でありま

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 私どもの愛知県でも、先日県知事が来まして、十三億六千万円の損害があると言つておりました。おそらくこれは、中部から関東にかけては相当な被害だと思つておりますが、ただわれわれ罪常に心配をするのは、中央の平田国税庁長官が言われるような通達だと、末端に行きますと徹底しない。先日も同僚井上議員からいろいろ質問がございましたが、税務署のやつおる行動は、われわれが立ち会えば相当な理解もしてくれるのでありますが、実際の場合においては、やはり頭から割当をするような傾向が非常に強いので、こういう点について、われわれは少くとも末端にこの問題が透徹するまで、もう少し努力を払つてもらわぬことには、実際の場合こういうことが徹底しないわけであります。そういう点について、ただ上からの通達でこれがうまく行くかどうかということについて疑問を持つのでありますが、今度はこういう大きな問題になつておりまするので、特別に今度の問題について指令を出されておるかどうか、その点についてもう一つ質問をしたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 先ほど申し上げましたように、会議等で日頃の注意を十分与えておりますほか、文書をもちまして、とりあえず主として関東地方からお聞きした直後でございましたから、もの等という字句で、こういうのが生じておるから、むしろこの申請にあたりましても、積極的に相談相手になつてこちらから教えてやるように、申請が出て来ればやつてやるというのではなくして、こういうものは進んで話を聞いてやつてやるというような態度で慎重にやつてもらいたいということを、とりあえず通達を一回いたしました。それからその次は先ほど申しましたように、市町村の意見をできるだけ聞いた方がいいんじやないか、その資料を尊重した方がいいんじやないかということを考えましたので、その点につきまして、二週間くらい前に再び通達を発した次第でございます。なお御指摘の末端への徹底方につきましては、私どものところで、若干の広報面において周知方をはかる印刷物等もございますので、そういう印刷物におきましても、われわれの考えを述べると同時に、国会における御要望なり御論議の趣旨も一部そういうものに載せまして、末端までよく徹底するように努めたいというので、今それを準備しておる次第でございます。本日私ここで申し上げましたことは、責任をもちまして、そういう方法でなるべく早く地方に伝わるように努めたいと存じておる次第でございます。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 これはきのうの予算委員会でも、われわれ両派社会党の組みかえ要求の中で、租税の減免措置として五億円を計上しておりますが、これは不幸にしてわれわれの意見が通らなかつたので敗れたわけでありますけれども、少くとも凍霜害については、相当額の免税をしてもらはなければ、再び農民が立ち上れないのではないかという懸念があるのであります。そういう点について、結果がまだわかりませんから、はつきりした的確な数字は出ませんけれども、少くとも再生産のできるような方法で、国の補償と同時に、現に税金についての特別な考慮を払つてもらいたい。しばらく休会になりますので、われわれ地方に参りましていずれ強い要求を受けると思いますが、そういう点についての努力を、ぜひ傾けていただきたい。特に末端に参りますと、中央の通達がなかなか行つていない。これは先日も名古屋の国税庁に行つて参りますと、われわれが大蔵委員会で質問したのとはまことにうつてかわつた態度でございまして、おそらくわれわれの同僚議員もそういう経験をされたと思いますが、特に農村の、こういうはつきりした形が出ない末端の村の農家が非常に苦しむような問題は、はでな問題でございませんので、非常に等閑になるのでございます。そういう点についての末端への措置をぜひひとつ今度はやつていただきたい。こういう点について希望条件を付しまして、私の質疑を終ります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 関連して井上さん。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま長官の御答弁で、政府当局として被害地に対する減免処置の取扱いについての措置が一応明らかになつたのでありますが、その答弁を承つておりますと、まことにごもつともな御答弁であつて、その答弁からは何ら問題がないように承れますけれども、問題の観点は二つあります。   一つは被害の実態調査を、一応税務当局としてする。これをすれば最も完全である。ところが実際は、被害地域が広範囲であり、かつ被害を受けました農家の戸数が多いという関係があつて、そのおのおのの作物または所得の内容にわたつての具体的調査というものが、実際上は困難であるということであります。従つて一応大まかには見てまわりますけれども、個々の農家に対して、その被害の実情がどうなつているかということを具体的に把握する人的配置なり、予算的措置がございません現状におきましては、それはまつたく一ぺんの調査をしたという表面的な事実にしかなつておりません。これを一体どうするかということが問題の一番中心でなければならぬということであります。それにかかわらず、今度はお話のように、市町村から出ております資料なり、あるいは被害を受けました個々の農家の申告に基いて、適正な査定をする、こういうことになろうと思います。ところがこの市町村の集めました資料というものは、われわれそういうことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、大体において水かぶりが多い。その水かぶりの分をどのくらいに一体押えるかということが非常にむずかしい問題でございます。また個々の農家におきましても、正直に申告する家と、多少そこに水をかけて申告するところとありまして、なかなか一概に申せませんが、さりとて正直に申告したものを、何ら実態的な調査の基礎なしに、これを天くだり的にこれこれの査定だ、こういうことにきめつけてしまうくせが従来ずつと残つておるわけです。これを一体どうするか。自分は何ら査定する資料を持たずに、単する政治的な一つの税務観念において査定しようという、そこに一つ問題があるのではないかと思います。だから問題は、ほんとうに正直に申告するものが出ました場合は、それをすなおに受取つてやるという気持があるかどうか。また実際農業収入の内容を調べてみて、米の場合にはこれだけ、麦の場合にはこれだけ、あるいは桑園による産繭の収入はこれだけということが、大体において例年所得査定の場合は一定の標準がそこに出ておるであろうと思います。その場合、春繭の場合の収入がこれだけ減るということは、おそらく予定され得ることでありますし、それならそれだけのものは落してやるということが私は当然必要ではないかと思います。さすれば、当然そこに具体的な課税の対象の所得というものが押えられますから、そういう方法に持つて行かれたらいいではないか、こう考えます。それともあなたの万で人と予算的処置を講じて、各被害現場について詳細なる調査をするか、これは非常に私は時間的にも実際上からいつても行えぬことだ、だから問題は、市町村の統計資料なり、あるいは個々人の申告して来る資料に基くより方法はない、それと今税務署が持つております農業収入の種類別の所得というものを算定をいたしますならば、およそ正確な数字が出ようと思いますから、そういう点に対して、もつと実際納得させ得る資料というものがそろえられなければならぬじやないか、こう考えられます。  それと、いま一つあなたに伺つておかなければならぬのは、たとえば四月暫定予算における予備金の支出の問題にしても、六月予算における霜害対策の費用にしても、それぞれ当該所管の農林省の方から桑園に対する被害はこれだけ、あるいは茶なり麦なりばれいしよなりがこれだけ、これだけ復旧するのに必要な経費はこれだけ、これに所要の反別はこれだけ、またこれに必安な具体的な数字が一々詳細に予算要求の案として出ております。これから逆算して行きますと、当然農家個々の被害額というものも出て参ります。おおよそ出なければならぬと思います。さすれば、ここでこの政府が予算的処置を講じました場合に出しました資料から、当然各農家のその地方の被害額というものが出て来るわけです。出て来なければそういう予算的処置は出ません。そういう点から裏づけて行きますならば、大体減免する措置というものはおよそここで押えられるじやないか。こういう一つの考え方も出て参りはせぬかと思います。そういう点で、問題は事態の調査を的確にでき得ないという事実が現実の問題としてあります以上は、どうしてその被害額を押えるかということが私は問題であろうと思います。その点についていま少し末端まであなたの気持がよく理解されて、被害農民が政府の親心を実際に知り得る、また法的な規定を甘受するような措置を講じてもらわなければならぬと思います。所得税法の第十一条の三の雑損控除の中に、総所得金額の十分の一を越えた場合に、その越えた部分について控除することが明確に規定されておりますから、この規定を適用する上からも、ぜひ総所得額の中の被害金額を押えて行くことを——非常にむずかしいけれども、これはやつてもらわなければならぬことになろうと思いますが、その点についてのお考えをもう一応伺つておきたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 ただいまの調査についての御意見、御要望は私ども十分よく承つておきまして、善処いたしたいと思う次第でございます。御指摘の通り、何しろ広汎な地域にわたつておりまして、納税者の数も多いので、全部の納税者につきまして税務署におきまして個別調査をやることは、私どももむずかしいところではないかと思います。しかしある程度のサンプル調査はできるわけでございまして、農業の標準率をつくる場合におきましても、サンプル調査をやりまして、それで率をつくつているわけでございますが、同種のやり方をいろいろな場合におきまして平素からやりつけておりまするので、この場合におきまして、やつぱり税務署といたしましてある程度のサンプル調査を地域別に、あるいは被害の程度別に適当に選定いたしましてやつておく必要がある。それにはやはり税務署におきまして、それをある程度重要な資料として頭に入れておく必要がある。しかし個々の農家全部につきましてやることはなかなかむずかしいので、そういう何かのサンプル調査に基きまして、個別的には、やはりできるだけ市町村の被害の程度に関する資料を活用するのが一番いいんじやなかろうか。ただそれを見ます場合におきましては、率直に言えば、お話のように非常にまじめに出す市町村と、必ずしもそうでない市町村があるかと思います。そういうものは、やはり税務署におきましてもよく比較、権衡を見、あるいは県庁なり地方事務所などの調査もよく見まして公平に行くようにいたしますれば、農業は御指摘の通り、今までも外形的な方法によりまして調査することは大分なれておりまするので、先ほどから申し上げておりまする趣旨を徹底させますれば、相当程度のことは事績を上げ得るのではないかと思います。その点が実は一番むずかしいところでございますので、私どもとしましても十分注意いたしまして、有効に目的を達成するようにいたしたいと思う次第でございます。  それから農林省の調査でございますが、これは全体としまして見込みと申しますか、被害の実績をやはりある程度推定して調査されまして、それが出て来ているかと思います。総額に関する資料は、私ども一つの有力な資料と思いますが、ただ税金はやはり御承知の通り各個人別にどうするかという問題になりますので、それをただちに利用するということはなかなかむずかしいのではないか。しかしそれができましたもとは、やはり市町村なり府県なりの資料によつて、あるいは農林省自体の地方機関の資料によつて推定されておるのかと思います。従つてそういうものも間接的にはでき得る限り私ども参考にいたしまして、善処するようにいたしたいと思います。  なおつけ加えておきますが、戦前の税法でございますと、こういう場合には特別措置を国会にお願いいたしまして、法律案を出さないと動きがとれないようになつていた。災害の発生の場合にその損害を見るとか、あるいは低い所得で申告することを認めるといつたようなことは実はやつておりませんで、その場その場でやつていた。戦後は、その点につきましてはいろいろ法律にくふうをいたしまして、いろいろな場合に妥当するような税法にいたしていただいておるわけでございます。従いまして今回といたしまして、特に立法措置をお願いしませんでも、大体において目的を達成し得るというふうになつております。あとは率直に申しまして、一に私どもの責任にかかつておりますから、その責任の点は十分に尽すように努めたい。ある会合でも申し上げたのでございますが、農民の方は平素税の納めぐあいが非常にいい、申告の率も非常にいいので、収納成績も非常にいいのでありますから、こういうときにこそ、率直に申し上げまして納税者の立場に立つて親切を尽してやるようにということを言つておりますが、なおそういう趣旨のことをさらに徹底いたしまして、当委員会の御趣旨に沿うように一段と努力したいと存ずる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 税務当局として、こういう災害とか被害が起つた場合、これでどのくらいの所得が減少するというようなことをすぐ大まかにつかむ具体的な調査をやつておりますか、それともそういうことは全然やつておらずに、各税務署の実態調査を所得税の徴収の場合の基礎資料にさせておるのか。全国的な、こういう広範囲にわたります場合の調査を総合的にまとめまして、全体的に見て、どのくらいの被害額によつて所得税の減免がどのくらいになる予定であるという、総括的な調査というものはあなたの手元に集まつて参りませんか。もし集まつて参りますならば、今お話のように地域別、品種別によつて、もうすでに各税務署ともにサンプル的な調査ができ上つておるのではないかと思います。あとは個々の個人の折衝だけになつておるのじやないかと思いますが、そういうことも、税務署側から上つて来ます減免を必要とする総額と、それから今私が申し上げました政府の方で被害地に対する必要な補助、助成、金融、農業共済の仮払い、こういうものをあわせまして、それによる被害がどのくらいある、その被害によつておよそどのくらいの税を負けなければならぬか、そういう点について調べておりますか、そういうことは全然考えてないのでありますか。もしあなた方の手元に、そういうことの全国的な被害の実態が税務関係でどうなつて来ておるかという資料をまとめてありますならば、お出しを願いたいと思います。またおわかりでございましたら今御答弁を願いたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 それは普通の、よくありまする風水害とか地震とか、ああいう場合でございますと、被害の金額の評価はなかなかむずかしいのでございますが、被害の実態の調査はわかりやすくて、そういう場合にはただちにまず概況から報告させることにいたしておりまして、早く出るような事例も相当ございます。しかしやはり最後は税務署がどう処置したかということを中心としまして、その結果を報告させるというのが普通でございまして、そういう報告なり調査は、今までの災害につきましてもそれぞれ相当なものはございますが、今回の災害は少しそういうものと様相がかわつておるようでございまして、被害の調査も簡単でなく、見込みによる調査も出て来なかつた、あるいは今まで投資した経費が回収できない、こういつたような被害になりますので、これは正確な実態調査に基きまして、全国的な推計資料をつくるというのはなかなかむずかしいことではないか。農林省その他はいろいろな方面を利用して相当調査しておられまして、これは相当確実なものと思いますが、税務におきましては、何しろ税務の運用として個別的な納税者と折衝して参ります関係上、あまり大まかな見込みを判断のものさしとして使いますと、かえつて適正でない場合も出て来ますので、私ども必要に応じまして中間的に報告はとつてもいいと思いますけれども、正確なものは、やはりある程度措置をやりましたあとで、その結果を詳細にとりまして御報告申し上げることは、私一向さしつかえないと思います。今申しましたように、予算措置でございますれば、新たにこれだけの被害があるから、これに応じて幾ら予算措置をしなくてはならぬ、その資料としてどうしても必要でございますが、税法の方は、すでに法律で今申し上げたようなことになつておるわけでありまして、その法律を適正に実行すれば目的を達するという関係にもなつておりまするので、事前の総括的な調査ということに対しましては、それほど重きを置く必要もなかろう。しかしもちろん状況その他によりまして、そういうことも必要がありますが、御要望でございますれば、ある程度調査が進みました際に、その報告をまとめましてごらんに入れてもさしつかえないかと存ずる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 最後に一点たけ確かめておきたいのは、そうするとあなたの方は、実際申告があつてから税金を負けでやるということになるのだから、さしあたり六月、七月等の予算的措置の方には、税の減免問題は関係がないわけですか。それとも一箇月五億なり十億なり入つて来なくなる、だからそれだけ減収になるというように予算を組むのですか。それは全然関係なしに、あとで予定通り入つて来ないということにするつもりですか。そこら辺を明らかにしてもらいたい。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 今のお尋ねに対しては、二つの点についてお答えさせていただきたいと思いますが、私ども申告の申請が出て来るまで黙つて待つておるということは、先ほど申し上げたように親切でない、できるだけ事前に申請を出してもらうように指導してやる、その際ある程度の見当をつけまして、申請をしてもらうことになる。確定しますのはそれから若干かかりますが、しかしできるだけ認めやすい申請を出してもらうように努力いたしたい。  それから予算との関係でございますが、これは非常に大きく響くものでございますと、やはり相当調査いたしまして、歳入見積りに際しまして特別にそれを考慮に入れるという必要があろうかと思います。ただ毎年二、三十億くらいの災害による減が所得税その他であるようでございますが、この程度でございますると、すでに過去の実績の中にそれは織り込まれておりまして、この実績をもとにいたしまして、いろいろな所得の増加率その他で推定いたしまして歳入見積りをいたしておりますので、五、六億とか十億前後の災害による減は、特別にやかましく調べまして歳入見積りで云々する必要はなかろう。従来の慣例からいたしましても、大体そのようなことにいたしておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 わかりました。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 藤枝泉介君。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 お二人の委員の御質問に対する御答弁で大体了承したのでありますが、もう少し具体的にお尋ねいたしたいと思います。  第一に、先ほど長官は、被害の調査にあたりまして、市町村の調査を相当尊重するというお話でございました。これはまことにけつこうだと思うのであります。ことに養蚕につきましては、申告をいたすころになりますとすでに繭をとつて相当実績がわかつて参るのであります。ことに御承知のように、繭は大体において団体協約による共同販売をやつておりますから、農業協同組合あるいは市町村には相当正確な数字が現われて参るのでありまして、その意味においては、尊重するというよりも、ほとんど原則的には市町村長の被害の証明書というようなものを全面的に取入れていただくことが必要なんじやないかと思いますが、その点についてお考えをお聞かせ願いた  い。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 御趣旨の点ごもつともでありまして、そういう趣旨の通達を二週間か前に流したことは申し上げた通りでありますが、ことに被害のひどい市町村などとは特別に事前に打合せも行いまして、税務署の考え方もよく言つておいて調査してもらうということでありますと、その資料はまたおのずから正しいものができるのではないか。ただ減免に対する最後の責任を負いますのはやはり税務官庁でございますので、全然のつかつてしまうというわけには行かない。それと各市町村間のバランスの関係もございますので、責任はあくまで税務官庁で負うという一線だけは確保しておきまして、あとはできるだけ事前によく打合せまして、適正な資料を出してもらい、それを尊重して行くということで行きますれば、一番いい結果を生むのじやないかと考えておる次第でございます。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 なお今回の凍霜害につきましては、最初に養蚕の問題が非常に大きく浮び上つて参りましたので、おそらく税務関係の方も、養蚕の点については相当に強く考えておられるのではないかと思いますが、その他の茶、あるいはことに麦の被害が最近の情勢におきましては相当に大きいのであります。これは希望でありますが、単に養蚕ばかりの問題でなしに、麦、果樹、茶というものが相当大きな被害を受けており、養蚕と同様な処置が必要であることを末端にも十分に徹底していただきたいと思います。  最後にもう一つ、これに関連してお伺いいたしたいのは、養蚕等について甚大な被害を受けた群馬県では、凍霜害の影響が商業者にひどく現われている。これは特殊な事情ではありますが、たとえば前橋のごときは、小さな製糸業者がおりますが、この小さな製糸業者の燃料はほとんど薪であります。この薪を小さな製糸業者に供給することをもつて業としているような薪炭商は、繭の減少のために非常な売上げの減少を来すのであります。凍霜害に関連して、単に農林だけでなく、商業者にも甚大な影響を与えておる部面がありますので、こうした面についても、農民に対してとられたような御処置をとつていただきたいとわれわれは考えるのでありますが、この点についての御所見を伺いたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 最初のお話は、私も実は今藤枝さんお話の通り感じておるのでありまして、最初は桑だけだと思つておりましたが、だんだんほかの作物がやられたというお話を承りまして、まことに被害の大きいことを痛感しております。麦、茶、果樹等にもあるということでありますが、そういう面につきましてもよく注意をいたしまして、さらに十分堅実にやるようにという趣旨の徹底をはかりたいと思います。なおそのために間接にほかの業界が影響を受けたということについては、率直に申しまして、そういう該当の人もあろうかと思います。この場合におきましては、税法は、所得が二割以上減ると認められる場合においては、災害であろうと何であろうと、そういう証拠がある程度明らかである場合は、前年よりも低い所得で申告できるという規定になつておりますので、そういう事例の方々は、そういうことに関して、なるほどもつともだという何かの材料をつけまして低い申請をなさいますれば、一般的に判断してその事実が適正である限りにおきましては、認め得るということになると思いますので、御了承願いたいと思います。今御指摘のような、繭に直接関連した非常に特殊の業界等の場合には、よほどはつきりしておりますから、事情は比較的明瞭ではないかと思いますけれども、これは予定申告でありますので、確定申告の際は、ことし一年の実績で、また正しい所得に課税するということをつけ加えておきたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 内藤友明君。

内藤友明改進党

○内藤委員 先ほど佐藤君のお尋ねに対する長官からの御答弁で、二割以上ということがありましたが、それはその通りであります。ところが二割以上というのはちつとも幅のない数字であります。しかしまた一面まことに幅のある数字であります。私どもは二割以上大丈夫、こう思いますけれども、税務署の側はいや二割ない、こういうことなのでありますが、この二割のものさしなりというものについて、何かもう少し——そういつて法律的にどう書くわけにも行きません。相手方の二割がほんとうに正しいものだ、税務署側がだめなんだというように書けないのでありますが、実はそこに問題が起きるのであります。そういうことにつきまして、今度もやはり問題が起きるのではないかと思いますが、なるほど平田さんのお話を承つておりますと、その通りなのでありまして、何とも御非難申し上げる点さらさらなしなのでありますが、そういうところで少し問題が残つておるのでありまして、二割と称するのは、農家の言う二割まで押えようとなさるのかどうか、それをひとつ聞きたい。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 これは先ほど申し上げましたように、実は二割以上減ると認められる場合は、税務署は低い申告を出して来ても、それを認めなくちやならぬという法律になつております。それから二割以上減らなくても、少し減ると認められる場合におきましては、これはどうも水かけ論になる場合が多いので、いろいろそこまで拘束されるとうまく行きませんものですから、法律は災害の場合に限つてできる、こういう規定に実はなつております。私は両方ともこの際うまく運用しまして、適正を期したい。ただその所得が幾ら減るかということは、これは事実に基いて判断するという問題でございますので、災害の場合におきましては、災害によつて一般的に減るということは、もうそれだけの事実で相当明らかでございますから、農林省さんの主張がもつともと認められる場合にはなるべく認めて行く、こういう方針で行きますれば、おのずからいい結果になるのではないかというふうに存じておりますが、そういう趣旨のこともさらに流しまして、十分善処するようにいたしたいと思う次第でございます。

内藤友明改進党

○内藤委員 具体的にお話を申し上げるわけにも行かないのでありますが、こういう場合が現実にあるのでございまして、災害を受けてそのままほうつておきますれば、二割以上大丈夫減収というのがあるのです。ところが農家はやはりそういうふうなものを見て黙つておれぬものだから、一生懸命手を尽すのです。そうして何とかある程度の収量を得たというのです。しかしそれは農家がいろいろな経費を使つて、つまり経費控除はありますが、それは税務署が見ておられる以上にいろいろと経費を使つて、そうして何とかいいぐあいに持つて行つた。その結果は認めざるを得ないじやないか、それはだめだ、こういうのが実はあるのです。そんなのは非常に困る。だからこういう場合には、収入は少いけれども、必要な経費がかさまつているのだということを考えてやらなければならぬのでありますが、そこにいろいろ問題が出て来るのであります。従来の税務署のやり口は、今平田さんがお話になつたようなやり品でないものでありますから、実はそこに心配がありますので、もしできますならば、こういうふうな具体的なことをもう一ぺん——今いろいろあなたの御通達をいただきましたが、なかなかうまいぐあいにやつておられますが、そういうところをもう少しやつていただきたいと思います。これはまあ希望でありますが、ひとついいぐあいに願いたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 今のお話の点でございますが、予定申告に際しまして、将来所得が多くなるであろうと考えるとすれば、そういう税務官吏は私はちよつと正しくないと考えます。やはり今までの実際の被害の状況、あるいは普通の場合を予想いたしまして、今後はどのくらい減るかを判断するのが正しい仕事の仕方だと思いますので、そういう点も十分注意いたします。それから確定申告の際に、内藤委員のお話のような問題が起り得る可能性がより多いと思いますが、これはさらに一年たちましてから所得が幾らであるかということを、結果に基いて全部調べて査定する、本人も申告してもらうということになるわけであります。そういう際におきまして、非常に努力されてよけいに収入があつた場合に、経費がよけいかかつただろう、こういうことも説明申し上げまして、ある程度そういうことも考えられると思います。超過供出は税法で免税になりましたが、その前は、超過供出については特に費用がよけいかかつているだろうという趣旨て、特別にしんしやくをしたようなことは、おそらく内藤さん御承知かと思いますが、そういつたような配慮もあるいは必要かと思いますけれども、そういう点につきましては、今後事態をよく考えまして、必要な処置を地方に流すように努めたいと考える次第でございます。

内藤友明改進党

○内藤委員 罹災地の納税者に対しまして、予定申告をやらせないような処置をおとりになつたらどうかと思います。むしろその方がはつきりしていいのじやないかと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 これは、おそらく被害の程度によつて若干違うかと思いますが、全然やらせないということになりますと、やはりあとでまた確定申告の際によけいな税金を納めていただかなくてはならぬような方々も出て来られるでしようし、やはり被害の程度に応じまして、ことし予想された所得で予定申告を認める、その結果納税義務がなくなつて失格される方も出て来るかと思います。それから前年度の実績で行きますから、二万円の税金になる方も五千円になる方もおありと思いますが、やはりある程度そういうことは、少しめんどうですけれどもやつておいた方が、あとのためにはよろしいのじやないかと存ずる次第でございます。従いまして、私どもは予定申告をこの際全然しなくてもいいというところまではちよつといかがかと実は考える次第でございます。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  去る二十七日の本委員会におきまして、社会党の井上良二君から、昭和二十八年度予算の提出に先だつて、これに伴う税制改正の問題について調査検討をなすために、小委員会を設置してはどうかという申出がありました。本日の理事会におきまして協議いたしました結果、税制に関する小委員会と金融に関する小委員会、国有財産に関する小委員会並びに専売事業に関する小委員会の四つを設置すべきであるとの結論を得ましたので、この際これをお諮りいたします。右四小委員会を設置することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議がないようでありますから、さように決定いたします。  なお小委員及び小委員長は、先例によりまして委員長において指名することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。小委員及び小委員長の指名の結果は、公報をもつてお知らせすることといたします。  本日はこれで散会いたすことといたします。     午前十一時二十九分散会

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