水産委員会 第25号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/08/10
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 公海漁業に関する件について議事を進めます。小高委員より発言を求められております。これを許します。小高委員。
○小高委員 外務政務次官に、先般外務大臣と私との竹島問題に関する質疑応答中、折から参議院への時間が来たというので結末がついておりません、その継続的のことをお尋ねいたしたいのであります。 今や竹島問題は単に漁業権の問題でなくて、竹島というものを中心として、韓国とわが国との間の領土の主権争いというようなかつこうに私どもには見られて、非常に憂慮しておるのでありますが、その点に対して政府はどういうようにお考えなすつておるか、主権争いまで行つておらないかどうかという点です。韓国側は韓国の領土だと主張しておる、日本においては、日本の領土で、明治三十八年二月以来島根県の籍に入つているものであるから、これは文句はないのだと言う。しかしその結果は、韓国が竹島を韓国の領土なりと主張して、ヤルタ協定における会談に基いて日本国領土に当然の帰属として竹島を含めるということを無視して、韓国側は政治的よりもむしろ事実をもつて竹島を日本の領土からはがそうとしている、そういう既成事実をつくり上げんとしているように私には考えられてならないのでありまするが、この点外務当局はどうお考えになつているでしようか、まず伺いたいのであります。
○小滝政府委員 御説の通り、竹島の問題はただここで漁業ができるかできないかという問題でなしに、領土権の問題についてこれまで抗議書が往復していることはすでに御承知の通りでございます。わが方としては、平和条約の第二条にもはつきり出ております通り、当然日本の領土であるといたしまして李承晩宣言がありまして以来、これまで数回韓国側に対して注意を喚起した次第であります。ところが日本側として、さらに詳細に歴史的な経緯及び法律的な主張を述べました七月十三日付の抗議書に対しましては、韓国は直接回答することなく、八月の四日になつて、日本船がしばしばこの竹島方面におもむくのは韓国の領土を侵害するものであるというふうな趣旨のことを言つて参つたわけであります。そこで日本側としては、先週の土曜日の八月八日に再び強い抗議を出しました。韓国側の八月四日の回答は、日本側から申し出たところに対して何ら答えることなく、当然韓国の領土であるがごとく申しまして、不法に侵入したとか、不法にこの領土へ日船を送つているというような文句がありましたので、これは非常に筋違いであつて、韓国こそ日本の領土権を侵害しているものであるということで、厳重な申入れをしているような次第でございます。これにつきましては小高さんあたりも、まだ手ぬるいじやないか、もう少し積極的な方法をとらなかつたならば、日本の領土権を侵害して、韓国側が結局その権利を樹立するようになるおそれはないかというふうにお考えになるであろうと思いまするが、外務省といたしましても、この点については非常に憂慮している次第でありまして、ただ直接の外交上の交渉のみならず、他のいかなる方法があるかという点についても、現に研究を進めている次第であります。ただしかし、今の李承晩政権の地位というものも必ずしもはつきりしておらないので、これは相当慎重に措置を進めて行かなければならないというふうに考えておりますが、この点も情勢の推移等をまつてさらに措置をきめて行きたい、かように考えている次第でございます。
○小高委員 ただいまの答弁は、去る四日に外務大臣が私に答弁されたこととよく似ておりまして、慎重を期すとか、あるいはそうあせつてはならぬとかいうようなことでありまするが、国民は、今そんな手ぬるいことをしておつたのでは、どんどん国が蚕蝕されやしないかという憂いを持つて、われわれに訴えて来ておるのであります。せんだつて歯舞諸島がわが国の領土であるにもかかわらずこれをどうして放置しているのだということをお尋ねしましたら、外務大臣は、小高君において適当な意見があれば伺いましようということでありました。政府の方針をわれわれはただしているにもかかわらず、そちらから伺いましようというのでは、無能といわざるを得ないのであります。かような答弁に対して非常な不満足を抱いておるのでありますが、この竹島問題も、そもそもの事の起りは五月二十八日から起つておりまして、その間何ゆえに歯舞諸島問題をも含めて、今まで国連なりあるいは国際司法裁判所なり、あるいはまた国際ユネスコ等へこの問題を提起して今日に至らないかで、相当の問題になつていいはずです。こちらに筋が通つて言い分があるのに、そういうことをやらないで、なお今後とも慎重を期す、慎重を期すと言うことをお続けになるかということが一点と、先般改進党の並木君の質問中、これに答えて保安庁はこれ以上韓国の軍隊と軍艦と抗争できないというようなことを言つておつたのでありますが、そういうことを放任しておつていいかどうか。うわさによると、実際にそこへ来られて砲塁を築いて、韓国の領土にしてしまうのだという、こういう構想のもとに進んで来ているのに、わが国においてこれを手放しでながめておらなければならない理由がどこにあるか、この根本的な考え方についてさらに承りたいのであります。
○小滝政府委員 この問題は放任しておいていい問題ではないのでありまして、現に八月の三日に、海上保安庁の巡視船が竹島の方に調査に行つております。そのときは韓国の漁民も船もいなかつたのであります。また八月の七日に、海上保安庁の巡視船が向うに行つているのであります。ちようどそのときは韓国人も漁船もおらなかつたようでありまして、前にやりましたと同じように、再び島根県隠岐五箇村というような正札を建てて来たようであります。ただしかし、御承知のように平和条約の中では、日本は領土権とかいろいろな問題について武力的な解決は絶対にしないということを約束しておる次第でありまして、ここで武力的な紛争を起すことはあくまで避けなければならないという立場を堅持しなければならない次第であります。保安庁の持つているところの防備力の大小いかんにかかわらず、そうした日本としての立場のあることも御了解願いたいのであります。また先ほどお示しになりましたように、他の平和的解決方法ということについても、私どもはいたずらに慎重を期すというので遷延しようというのではなく、現に関係のある国に行つております大公使にはいろいろ情報も送つておるのであります。しかしそれをいつ打出すべきかという点は、あるいは小高委員には御不満があるかもしれませんけれども、今のところ慎重を期さなければならないのではないかと考えております。また国連の総会に訴えるということも、司法裁判所ということも考えないわけではありません。韓国も国際司法裁判所には加盟しておりませんけれども、日本の方から提起いたしまして、それに対しまして韓国が応じないということになれば、どつか自分に不利なところがあるので応じないのだろうというような国際批判をも受けますので、そういう措置をとりましたならば、韓国も応訴して来るかもしれません。この辺の見きわめもいたさなければならないのでありまして、私どもはそうした意味で今いろいろな方法を研究しておる次第であります。従つてこれを放任しておくのではなしに、そうしたいろいろな面から考えまして、最も有効な方法を講じて、ぜひともこの日本の領土権に対する侵害というものを排除いたしたいと考えておる次第でございます。
○小高委員 それではさらにお尋ねいたしますが、わが国において武力を持たないからいかんともいたし方がないということでありますが、かような事実がだんだん高じまして、向うで軍艦を持つて来てどんどん威嚇的に、こちらで領土権を主張しても了承しないというとき、手放しでいるわけにはいかないのでありますが、憲法の定むるところによつて、戦争という形になることをおそれる、こういうこともよくお話はわかるのでありますが、しかし当然の防衛ができないということは国際法上許さるべきことではないと思うのであります。この点において日米安全保障条約に、駐留軍がわが国に駐留しておつて、万一の際にはわが国の安全が保障されるということが明記されておるのでございますが、今後竹島問題に限らず、わが国の周辺に対して、いろいろかような脅威を与えた場合に、外務当局は駐留軍とただちに連絡をとつて、きわめて敏捷にこれに対処するお考えを持つておられるかどうか、お尋ねいたしたいのであります。
○小滝政府委員 日本に対して直接の侵略行為があるというような際には、もちろん駐留軍と行政協定の規定によりまして協議して、駐留軍の行動を求めなければならないのでありますが、現在の竹島問題は先ほど申し上げましたように、金曜日に行つたときにも向うの方は来ていないというような実情でありますので、今ただちに竹島問題について駐留軍の行動を促すというような措置は、差控えるべきであるというように考える次第であります。
○小高委員 この問題は、さような答弁では私どもはとうてい満足はできないのでありますが、ここで何時間時間をとつてものれんと腕押しというような結果になることをわれわれも考えなければなりません。そこで一片の御答弁でなしに、八千万国民の耳をおおうがごときことをさせないで、かような事態になつておるのだからこれを何とかしなくてはいかぬという国民の輿論に訴えても、これは当然主張していいことでありまして、こういう点が往々に手ぬるい、軟弱卑屈である、円満とか徐々にとか、あるいはまたただいま研究中でありますとかいうようなことの連発であつたのでは、何ら答えが出ないのでありまして、さような点において非常に私ども不満の意を表しておるのであります。これは外務当局が政府と一体となられまして、今後いろいろかような事態が予想されないわけでもなかろうことをおもんぱかつて申し上げておるのでございますから、わが国の政府が強力に、この問題についてすみやかに結末が出るように、最善の努力を払つていただきたいことを特に主張しておきたいのであります。領海侵犯、領土侵犯ということは、警察権以外に大きく取上げて行かなければならないのでございまして、この点を強く強調いたしまして、時間の都合等もありますので、一時私の質問を打切つておきます。
○田口委員長 川村善八郎君。
○川村委員 公海漁業と国際外交との問題、これは切り離して考えるべき問題ではないと存ずるのであります。われわれといたしましては、外務大臣に本委員会に出席を求めてぜひとも徹頭徹尾質疑応答をしたいという考えで今日まで参つたのでありますが、遺憾ながら外務大臣の出席を求めることができませんでしたが、幸い政務次官がおいでになりましたので、一点だけお願いしたいと思つております。 公海漁業の重要な役割をなしております資源のあるところは南方と北方でございます。その北方の地域にありまする、今まで非常な問題を起しておりました色丹、歯舞あるいは千島列島周辺の問題でございますが、色丹や歯舞は日本の領土であるということは何人も認めております。特に国際関係に非常な役割を持つておりますところの連合国すらもこれを認めておる。平和条約が締結されるときには必ずもどるのであるというようなこともはつきり申しておるのでございまして、私らにすれば色丹や歯舞ばかりではなく、千島もわが日本の領土であるということは、これははつきりしております。そこでこの領土の返還の問題が起きておりますが、現在ソ連との間に平和条約を締結しておりませんので、おそらくこの領土返還ということはしばらく時間があるのではなかろうかと思いますけれども、事公海漁業に関する限りは、外交でソ連関係と何らか円満な措置ができるのじやないかということを、私たちは常に考えておりますし、最近そうしたような空気が非常に濃厚になつたのでございます。簡単に一例をあげますと、当初拿捕船が相当あげましたが、拿捕された漁船は三箇月あるいは半年という長い間抑留されておりましたけれども、最近に至りましてからは、一週間とソ連の地域に抑留されておるということはございません。帰つて来た方々のお話を聞くと、一にかかつて日本は今どういうことをやつているのだ、すなわち来た船にスパイの嫌疑がなければただちに返しておる、そういうようなことから見ましても、日本の漁業に対して非常な好意をソ連が持つて来たのではなかろうか、かように考えておるのであります。ことについ最近の新聞にもマレンコフが、日本との外交は日本が望むならば必ず好意的に進むのじやなかろうかというような呼びかけもしておるようなことも見えておるのでございますが、それをまるのみにすることはできないとしても、とにかくかつてわれわれが北洋に出漁した際には、三海里沖合いが公海として公然とこれをソ連関係も認めておりましたし、日本の漁民も三海里以上はわれわれはどこへ行つてもいいのだという漁業を続けて参つたのでございますが、遺憾ながらわれわれは敗戦の今日になりましてから、三海里に近づくならば拿捕されるということでありまして、今後の北太平洋漁業条約についても、カムチヤツカあるいは北千島あるいは千島列島等については、大体区域は制限しておりませんから、ソ連との外交関係を円滑にしましたならば、三海里まで行けなくとも、ソ連が主張しておりまする十二海里までは行けるのではないかという考えを私たちは持つておるのであります。この公海漁業を彼らの主張する十二海里線まで行けるようにわれわれも努力しますが、外務省としても努力を続けなければならぬ、かように私は存じますが、かようなことで今まで交渉をしたことがあるかどうか、現在平和条約が締結されておらぬから、交渉の余地はないと今まで考えて、交渉はしておらないかもしれませんけれども、この千島列島並びに歯舞、色丹の周辺における漁業を、十二海里なら十二海里あるいは十五海里でもよろしゆうございますから、いわゆるこうした周辺の近くまで漁業ができるように交渉したか、あるいは交渉する意思があるか、あるいは現在する意思がなくとも、つい最近のあのマレンコフの声明によつて見ると、円滑に行くようなことも考えられますが、近いうちに交渉をするような御意思があるかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○小滝政府委員 ただいま千島及び色丹、歯舞の方はソ連の実力下にありますので、結局実際問題としては、ソ連の公海漁業に対する態度によつて影響を受けておる次第であります。ソ連の方は十二海里を主張いたしておりますことは御承知の通りでありまして、それ以外においては理論上からいえばやつてもさしつかえないということになつておりますが、しかしこれも現実の問題として、はたしてそれが容認できるかできないかというところに大きな問題があるわけであります。でき得ることならば、ソ連とも話合いができて、平和的な関係が打立てられて、そうしてかつて日本の漁場であつた千島方面における漁業が、再び日本人の手によつて行われることを私どもも願つてやまないのであります。それではそういうことについて交渉をしたことがあるかとおつしやいますと、漁業についての交渉をしたことはございません。何分にも人道問題にもからむところの、向うで抑留されておる者の送還についてさえ、満足な返事をもらえないというような状態でありますので、こうした交渉はいたしておりません。しかし通商に関してのいろいろな話合いは民間を通じてできる。日本でもまた現に相当程度許可をいたしておる次第であります。千島方面におけるところの漁業についても、私の承知しておりますところでは、ソ連の方は、せつかくこれだけの水産資源を持ちながら先方に実力がないため、船がないため、また有能な漁夫がいないため何とかしたいという希望は持つておられるようでありまして、私はこの問題はそうした通商関係、すなわち向うの魚をとつてそれを日本の方に持つて来る、それを輸出に向けるというような関係において、先方も日本人による漁業というものを全然排除しようという気持でないように最近はうかがつておりますので、この問題は、かりに直接政府間の交渉でなくても、通商に関する民間の話合いというものをもとにして、今後進展して行く可能性があるように、個人的には考えておる次第であります。先ほどおつしやいましたようにマレンコフの声明、あるいは最近におけるソ連の態度等から見ましても、そういう気配がうかがわれますし、ことに漁業に関しましては、そうした話合いの端緒がすでに開かれておるので、これが他の弊害を伴わずして円満に遂行せられるようにいたしたいということは、私も希望しておるところでありまして、その点については、できるだけこれがうまく進んで行くように援助いたしたいと考えております。
○川村委員 ただいま政務次官から交渉をしたことはないが、通商上の問題からいろいろ話合つておる、また日本の漁業の関係において相当融和されて来たような感じがするが、個人的に考えるならば、われわれは何らかの形で交渉を進めたいというようなお言葉を伺つたのでありますが、実は抑留された漁夫の中で、どうだソ連には船もないし技術もないから、日本と共同でやろうじやないかというような意味のことを話されたということがあるのであります。私も千島やカムチヤツカの方に若いとき行つたことがありますが、その当時技術のないことも船のないこともはつきりしております。それで、日本の技術を取入れるために、ソ連が相当最近好意的に出て来たのではなかろうかということが明らかになりましたので、外務省には、北方の色丹、歯舞は日本の領土であるから当然のことでありますが、千島あるいはカムチヤツカ方面に至るまで、ソ連の主張する十二海里はやむを得ないとしても、そこまで入れるような外交交渉を一日も早くやつてもらわなければなりませんし、われわれ北海道の漁民としては、国民外交といいましようか漁業外交といいましようか、水産団体としてソ連関係と折衝してみたいという空気も出ておりますので、われわれとしても、外務省がそれを阻止するようなこともないでしようから、交渉いたしますが、北方における公海漁業が、いわゆる公海自由の原則で、何ら危険なくできるようにしたいと思いますので、どうか一日も早く外務省で、日本の公海漁業すなわち北方のさけ、ます漁業が自由闊達にやれるように御交渉を願われんことを、この際希望して私の質問を終ります。
○田口委員長 この際公海漁業と水産貿易の振興に関する小委員長より発言を求められております。これを許します。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 私公海漁業と貿易という面を担当いたしまして、二十三日、二十七、八両日にわたつて質問いたしたのでございます。また小委員会においても意見を述べ、また委員諸君の意見も拝聴して参つたのでありまして、今日は外務大臣がお見えになると存じて、最後の結論を求めたいと考えておりましたが、お見えになりませんので、一応小委員長として案をとりまとめてみたものがありますが、それをここに朗読いたします。 公海漁業と水産貿易の振興は、日本経済の自立と公共福祉のため重要産業なるにかんがみ左の条項を実施することを水産委員会の決議として政府に要望す。(一)この目的達成のため漁業政策として北洋、南太平洋、濠州沖合い、及び印度洋までの広汎なる海洋資源開発のため海洋漁業の許可制度を緩和し、飽和状態にある沿岸漁業者の海洋漁業への転換方策をはかるとともに沿岸漁業の業種別の調査をはかり沿岸漁業経済の維持向上をはかること。 これが転換に要する資金は、昭和二十九年度において相当額の予算措置をはかること。(一)食糧の自給自足を促進するため、北洋におけるフイシユ・ミール一万トン生産の計画を立てること。(一)国際紛争を起すおそれある諸外国については、平和条約の第九条の示すところにより漁業協定を締結すること。 竹島、色丹、歯舞、千島周辺、支那東海、朝鮮水域等の国際紛争及び拿捕船の処理については、国連及び国際裁判所に提訴し、日本民主主義の正義の声により公正なる解決策をはかること)(一)国際情勢の変化にかんがみ、いまだ平和条約を締結せざる諸国との間においても漁業協定の線を何らかの形において促進すること。(一)日中貿易の促進は、衆参両議院の決議と国民の強き要望にかんがみ、政府は西欧諸国の競争による圧力に屈することなく、積極的対策を講じ、貿易金融その他の便宜をはかること。(一)アメリカヘの水産物の輸出は、アメリカの需給関係を考慮に入れこれが振興をはかること。(一)東南アジア、南米諸国との漁業技術提携は、これら諸国が切望するにかんがみ、政府はすみやかに漁業の協定をなし、食糧生産に協力し諸産業の開発に先だつてわが国漁業の進出計画を立てること。 諸外国との公海漁業の摩擦を避けるため、必要により関係諸国との合併会社を設立し、共同経営の建前をとり、事業の永久性をはかるとともに、対日感情の緩和をはかり、諸産業の進出に貢献するよう対策を立てること。 このように立案をしてみたのであります。いずれ字句の修正等は委員長に御一任申し上げるとして、委員長より委員会にこの問題をどう処理するかをお諮りを願いたいと思う次第でございます。
○田口委員長 この際お諮りいたします。ただいまの小委員長の報告を当委員会の決議として政府に送付いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 異議なしと認めそのように決定いたします。 なお字句の整備につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 異議なしと認め、さように取扱います。 公海漁業及び水産貿易に関する問題はこの程度にとどめます。
○田口委員長 次に漁業損害に関する質疑を許します。本日出席の政府委員は、外務省小瀧政務次官、協力局第三課長安川説明員、アジア局第二課長竹内説明員、調達庁不動産部長、山中政府委員、不動産企画課長大竹説明員、水産庁長官清井政府委員等が出席されております。淡谷悠藏君。
○淡谷委員 国警長官の御出席を求めておりますが、どうなつておりましようか。
○田口委員長 今連絡をしておりますから、もうすぐお見えになるだろうと思います。
○淡谷委員 それではその前に質問いたしたいと思うのでありますが、私水産委員会におきましても、また外務委員会におきましても、政務次官並びに伊関協力局長に強く要望しておりましたが、政府は内灘の試射場を地元の強烈な反対を押し切つて六月十五日強制使用の閣議決定をいたしましたが、爾来二箇月にわたつて地元民が生活にも困るようなたいへんな困難に陥つておりますが、この二箇月間どのような処置を講じられたか、たびたび伺うのでございますが、さつぱりやつておらないようでございます。この一点について、政務次官の詳しい御説明をお願いいたします。
○小滝政府委員 これまでもしばしば御説明申し上げましたように、政府側といたしましては、何とか現地で円満に話合いをつけて、皆様の御了解を得るように努力して来た次第でございまして、その努力において、あるいは御不満であるかもしれませんが、私どもといたしましては、何とかそこで話をつけて、政府の方でも考えているような施設などもいたして、現地の方々が満足する程度に行かないまでも、了解していただくということのために、これまで努力して来た次第でございます。
○淡谷委員 ただいまの御説明の何とか何とかというのは、これに具体的な話になつておりません。特に伊関局長が、私の持つておる私案をここで発表することは、ことの解決を混乱させるようなきらいもあるし、新聞記者などもすぐ書くであろうから、秘密会ならば話をするが、ここでは話をしないといつて言い切つたことがございます。ただいまの政務次官の御答弁も何かありそうではございますが、何とかする、何とかする、地元の人と了承をつけたいと思つているといつて、荏苒二箇月たつておるのでございます。二箇月というのは零細漁民にとつては、死の苦しみであります。この苦しみをじかに感じておられない、あなたのおつしやる何とかするということは、駒井伊佐久という人と駒井睦正という兄弟が、一人は電気会社の社長であり、一人は兵器生産会社の社長でございますが、先日内灘の陳情団がたくさん東京に参りましたときに、村長や村会議長、一部の村会議員を呼びまして、あのすわり込みをしておるのをしり目に、自動車で料亭に連れ込んで、そこで駒井試案というものを提示しておりますが、三億一千万円の予算をもちまして、干拓二百町歩、二億五千万円、船だまりに六千万円、これでひとつ十年間だけはこれを貸してくれないかといつたような申し入れがあつたようでございますが、これが政務次官あるいは伊関局長が言うておられる対策の一班と了解してよろしいかどうか、御返答願いたいと思います。
○小滝政府委員 船だまりをつくる、あるいは灌漑施設を設けて畑地をつくる、あるいは金沢への交通をよくするというようなことも、確かにわれわれの考えている方法の一部であるというように御了承を願いたいと思います。
○淡谷委員 そういたしますと、この駒井氏というのは、外務省の意を受けて地元と折衝しておるのだ、こう了解してよろしいのでございますか。
○小滝政府委員 駒井試案なるものは全然存じません。それはどなたがそういうことをやつておられるのか存じませんが、大体先ほど申し上げましたような、交通をよくするとか、灌漑とかあるいは港の施設とかいうことを考えておることは事実でありますけれどもその方の案なるものは私は全然存じ上げないのであります。
○淡谷委員 三億一千万円というこの金額は、大体外務省がお考えになつております金額と合つておりますかどうか、御返答願いたい。
○小滝政府委員 金額の点は、何分にもまだはつきりした話合いがついておりませんので、決定いたしておらないのでございますが、あるいは公共事業費で出るかあるいはほかの費目で出るのかいろいろありましようから、その点についてはまだはつきりしたものがあるという次第ではございません。
○淡谷委員 現在までの地元に対するさまざまな事後の処置というのは、外務省でおやりになつているのでございますか、この点を確かめておきたい。
○小滝政府委員 外務省は駐留軍との関係もありまするので、中に立つて相互の調整をし、また協力をいたしておるのでありますが、補償の問題などになりますると、これは調達庁でやりまするし、またそういう支出の面については大蔵省というような点がありまするので、外務省が直接そういうことについて管理をしておるというのではなくして、外務省としては、なるべく円満にまとめて、この施設区域の提供が齟齬なく行われるように努力をしておるのであります。
○淡谷委員 調達庁の方にこの問題が移されておる部分が、ございましようか。
○小滝政府委員 実際の補償の問題などは調達庁の管轄下にあつて、調達庁が行つておる次第であります。
○淡谷委員 山中不動産部長にお伺いしたいのでございますが、内灘の閣議決定の事後処置について、外務省からあなたの方に何か申入れがあつたか。もしあつたとしたら、現在どのような処置を講じられておるか御答弁願いたいと思います。
○山中(一)政府委員 お答えいたします。使用再開に伴いまして、閣議決定の写しは私の方にまわつておりますが、具体的に外務省からどうこうという条件につきましての御相談は受けておりません。われわれのやる補償につきましても、大体あの操業を禁止しております海上の漁業制限に伴う補償の問題が現在主たるものだと思つておりまするが、この問題につきましても、先般の水産委員会で御説明申し上げましたように、実績が出た後の作業になりますので、われわれの方といたしましては、現在補償作業は具体的にはやつておりませんが、具体的な個々の実態につきましては、それぞれ出張所の方で把握をするように努力はいたしております。
○淡谷委員 重ねてお尋ね申しますが、各地の演習地、基地の状態を見ておりますと、試射あるいは演習に支障を来さない限り、地元の漁民並びに農民の生活を圧迫しないように万全の策がとられまして、たとえば一週間の射撃プランをつくるとか、あるいは実弾射撃をする時間を限定して、その危険のない時間は出漁その他のことは許しておるのが全国の演習地の実態と思つておりまするが、内灘だけはこういう特典を受けておらないように私見て参りましたが、これは一体特別調達庁はどのようにお考えになつておるか、伺いたい。
○山中(一)政府委員 ただいまの淡谷委員の御質問でございまするが、日本政府側といたしましては、演習地の提供は、やむを得ないものを日米合同委員会の線においてやる、しかしながら、提供はしても、演習の使用目的と申しまするか、そういうものに阻害を起さない限りにおきまして、日本の被害者の民生上、あるいはまた国の食糧その他の目的に沿うように、使用期間のうちにおきましても、実施しない限りはできるだけこれを利用するというのが、大体お話のように現在までの実態でございます。ただ地先水面その他におきまして、倉庫その他の危険物があるとか、あるいは軍機上であろうと思いますが、若干全面的に制限しておる所もございます。内灘の件につきましても、これがわれわれの禁止の条件にもやはり告示してありますが、演習が行われる時間中は操業は禁止するが、その他のときにはできるだけ禁止しないというのが建前にはなつておると思います。
○淡谷委員 小瀧政務次官にお伺いいたしますが、地元の了解を得て演習地を使う場合と、強制使用等によつでこれを使う場合と、この地元民に対する態度をおかえになるつもりであるかどうか、はつきり御返答をお伺いしたい。
○小滝政府委員 政府といたしましては、強制的につくつたところと話合いの上でできたところによつて地元民に対する態度をかえるわけではなくして、できるだけ地元民の被害の少いように努めることにおいてはかわりはない次第であります。
○淡谷委員 外務省は最近国警に対して、内灘村民あるいは漁民の取締り方針を何か御指示になつたことはございますか。
○小滝政府委員 外務省はそういう権限を持つておりませんので、そういうことはいたしておりません。
○田口委員長 国警本部警備部長山口政府委員が出席されております。
○淡谷委員 長官にぜひ伺いたいのですが、長官は来ないのですか。
○田口委員長 長官は不在だそうであります。
○淡谷委員 それではお伺いいたしますが、二十八日の朝、黒津船地内の漁民たちが、当然に持つている地びき網の権利を使つて出漁したのに対し、米軍の兵隊が一名と警官が二名で、しやにむにこれを阻止しようとしたのは、一体どこの発意によるものでありましようか。外務省か、調達庁か、あるいは国警自体か、まず調達庁の方から御答弁を願いまして、あとで国警の方からお願いいたします。
○山中(一)政府委員 施設区域内におけるところの管理は調達庁でやつておりまして、現在われわれの方では、地元の方から速報をとつておりますが、速報の中にはそういうふうな関係についての具体的な記事は現在まではございません。
○山口(喜)政府委員 二十八日の警告につきましては、これは現地におきましてそういう警告をいたしたものと存じております。
○古屋(貞)委員 山中不動産部長に承りたいのでありますが、この施設区域の指示は、内灘でははつきりなつておりますか、その点を承りたい。
○山中(一)政府委員 現在までのところにおきましては、昭和二十八年三月十四日の告示によりまして施設区域が告示されておりまして、その範囲におきましてははつきりいたしております。
○古屋(貞)委員 その施設区域がはつきりしているというのですが、何か明示したものがあるかどうか。現地においては、きようは権現の森の中へ持つて行き、翌日は権現の森の外へ持つて行くというように移動しておつて、非常に不明確になつているようでありますが、何か明示しておるものがあつたら具体的に御説明を願いたいのです。
○山中(一)政府委員 現在までのところは、海上の操業制限に関する施設区域をわれわれのところははつきりと明示しております。これは、先ほども申し上げましたように、昭和二十八年の三月十四日の総理府告示で出しております。
○古屋(貞)委員 そうしますと、ほかの陸地などの立入りに対する関係においては全然指示はしておりませんか、おりますか、どうでしようか。
○山中(一)政府委員 国有地につきましては、現在米軍に施設を提供いたしておりますが、私有地につきましては、われわれの方は現在契約をいたしておりません。
○古屋(貞)委員 そこで国警に承りたいのですが、国警では私有地に対して立入り禁止の鉄線を張つておりますが、あれはどういう権限でやつているか承りたい。
○山口(喜)政府委員 権現の森私有地でございますが、あそこに出入しますことは現在でも認めていると思います。
○古屋(貞)委員 認めておらないので私は伺つているのです。私も現地に視察に行つて参りまして見ているのですが、立入りを禁じております。しかも、先月二十八日、二十九日の出入に対して三百名の警官を動員して、出漁した船が帰つて参りましたときに、その水揚げの運搬を禁じて妨害をしておりますが、それはどういう権限でやつたのか。命令したのか、現在の司令官がかつてにやつたのか、その点を明瞭に御答弁願いたい。
○山口(喜)政府委員 私有地への出入は認めておるのであります。権現の森におけるすわり込み等も現在行われておるのであります。それを別に私の方ではいけないといつてさしとめてはいないと思います。なお二十八日の漁業の取締りにつきましては、刑事特別法第二条の違反の疑いがございましたので、それに基いて取締りをいたしたのであります。
○古屋(貞)委員 さように申されますと伺いたいのですが、刑事特別法の第二条によりますと、四つばかりの条件がある。まず第一に正当な理由がないという場合、それから米軍が使用する施設または区域内で、しかもその区域に立ち入ることを禁止ぜられておるのに入つた場合、あるいは退去を命じてこれに応じなかつた場合、かような条件になつておるのでありますが、権現の森は私有地である、しかも権現の森の私有地を通過して、漁民が漁業組合の持つております漁業権行使の出漁をした。それに疑いがあるというのはどういうことの条件になつておるか、その点を承りたい。ただいま調達庁の不動産部長の御答弁では、官有地だけは施設区域になつておる。私有地はなつておらない。従いまして私有地を通過し、水揚げの品物を運搬しておる。これを三百名の警官が押しかけて水揚げさせなかつた。こういう現実を私どもは知つておりますから承るのですが、しからばどういう理由でどこを一体妨害したというのか、その点を明確に伺いたい。
○山口(喜)政府委員 権現森は確かに私有地でございますが、それから海浜に行く途中で私有地の関係が切れておるものと考えております。従つて地びき網を現にひつぱる場所は、権現森から海浜の方に下つて行つて、そこは国有地になつておると思います。
○淡谷委員 いま一つお伺いしたいのですが、一体警備部長は、権現森というのは国有地に囲まれておるという御認定でございますか。この御認定をひとつ御答弁願いたい。
○山口(喜)政府委員 権現森は接収されました国有地の中にあると私は考えております。
○淡谷委員 袋路の道路というものは、権限を用いる場合に、これを通らせるのが本体のように承つておりますが、この点いかがでしようか。
○山口(喜)政府委員 普通の場合でございましたら、そこを通ることはできると考えております。
○古屋(貞)委員 普通の場合とおつしやいますのは、そこは地役権があつて慣例で長年通過をしているのでございますから、民法上の地役権があることは当然で問題にならない。長い間国有地を村民が通行しておつた。袋路に参りまする通過地である。従いましてこれは民法上の地役権でございますが、その点はどうですか。
○山口(喜)政府委員 民法上の地役権であるかいなかは別といたしまして、権現森に至ります所は、国有地として駐留軍の試射の用に供する。従つてそこへの出入りは普通の場合はできない。ただ現在におきましては権現森に出入りをいたしますことを認めている、こういう状況でございます。
○淡谷委員 さつき警備部長の御答弁で、二十八日の漁業の禁止は地元の警察がやつたということを言つておりますが、その後何か御指示になつたわけでございますかどうか。
○山口(喜)政府委員 現地から連絡がございまして、いろいろと相談はいたしました。
○淡谷委員 それは何日ごろで、どういう内容であつたか伺いたい。と申しますのは、さつき警備部長の御返事では、民有地に参ります道路は、海岸を除いて通過さしているということでございましたが、二十八日にこの入口を遮断をいたしまして、多数の村の婦人たちともんちやくを起した例がございます。二十九日もそうでございます。さらに三日以後は、この袋路の入口に立入り禁止の標識を立てまして、私が行つて三田村国警隊長にその不当をはげしくなじつた日に制服の警官が、あわててこの札を引抜いて、穴を埋めた事実がございますが、これはあなた方の御指示と解してよろしいか、それとも地元の警察の失態と認めてよろしいか、はつきり御答弁願いたい。
○山口(喜)政府委員 制札を引抜いたということを私承知いたしておりません。
○淡谷委員 私衆議院議員の資格ではつきりあなたに申し上げます。制札は私見て参りました。ひつこ抜いておる現状も見て参りました。その穴を埋めておる実情も見て参りました。これだけをはつきりあなたに申し上げておきますが、ただこういうことはあなたの方の御指示にならなかつたと理解してよろしいか、その点を御答弁願います。
○山口(喜)政府委員 私の方で指示いたしましたのは、地びき網を引くために国有地である海浜に立ち入ることは問題がある、立ち入らないようによく警告をするように、こういうことを申したのであります。
○淡谷委員 あなたの方で国有地に立ち入らないように警告をする必要があるとおつしやつた日付は何日でございましたか。
○山口(喜)政府委員 先月の終りごろだつたと思います。
○淡谷委員 事重大でございますから、終りごろでは納得できません。何日かはつきり言つてください。
○山口(喜)政府委員 私の方の連絡に基きまして、現地で署長が村役場に漁業関係者にお集まりを願いまして、警告をいたしましたのが三十一日になつておりますから、その前であることは間違いないと思います。
○淡谷委員 二十九日の午前一時、警察官のジープが村人の眠りをさますくらい乱暴にはせまして、三百人の警官が出漁しておる漁民に襲いかかつて、水ぎわに来た船を海中に突き返し、漁具の始末も網の始末もとつた魚の始末もほとんど許さない。このために網や漁具や魚が莫大な損失をこうむり、かつまたこの権現森の入口の道路さえ遮断して、事実上袋路の使用を停止してしまつたという暴状は、一体あなた方の命令でございますか、地元の警官の独断でございますか、はつきり御答弁を願いたい。
○山口(喜)政府委員 権現の森の地先のみならず、接収区域に含まれております海浜で地びき網をいたすことは、刑事特別法のの二条違反の疑いがございますので、そういうことをしないように十分注意をしてもらいたいということを指示をいたしましたのは国警本部でございます。
○淡谷委員 それでは三十一日の注意と二十九日の行動とは間がございますか。それとも二十九日の行動も国警本部の指示と解してよろしゆうございますか。
○山口(喜)政府委員 私の方は電話で常時連絡をいたしております。従いまして、ちよつとその指示を出しました日付を本日は明確に記憶いたしておりませんが、刑特法違反の容疑があるので、やはりこれを警告をして、そういう間違いのないようにしてもらいたいというのは、国警本部として指示をいたしましたので、あるいは二十八日の問題につきましても、もしあれば、国警本部の問題であるとお考えになつてさしつかえないと思います。
○淡谷委員 そうすると二十八日以来の地元の警察のとりました行動は、全部国警本部の責任と解してよろしゆうございますか。
○山口(喜)政府委員 私の方から連絡をいたしたのであります。もちろんただいまの警察法の関係から申しますと、実施をする責任は警察隊長ということになつております。そういう連絡をいたしておりますので、私の方の問題であるとお考えになつてさしつかえないと思います。
○古屋(貞)委員 そこで伺いたいのですが、警察は人民の権利に対して禁止をする権限があるかどうかということなのです。それで地役権があるのかないのかということについて——従来農民が長い間、その土地を使用し、漁業権の行使をするのに、その土地を使用しなければ漁業権行使ができない実情に置かれております。その土地を使用すること自体が、一体違法であるかどうか。この点をひとつ御答弁を願いたいと思います。
○山口(喜)政府委員 いろいろと関係方面と協議をいたしまして、そういう場合に、国有地である海浜を使用すること、またその接収区域内の国有地に入りますことは、刑事特別法二条違反の疑いがある、こういう結論になりまして処置をいたしたのであります。
○古屋(貞)委員 その前提ですよ。その前提に立つて、警察が入つていけないという命令を出す権利があるかどうか。民法上認められた地役権、長い間の慣習に基く何十年の間国有地を漁業権行使に使つておつたという事実がありますときに、一体警察が人民の権利を禁止するという権限はどういう権限であるのか、その点を承りたい。私どもは少くとも法治国たる日本における国民は、裁判所の判決以外には国民の持つております生存権に対して制限を加えることはできない、かように考えておりますが、その点と、いかなる権限に基いて警察がそういう禁止の命令を出したかということの二点を御答弁願いたい。
○山口(喜)政府委員 私の方は刑事特別法の違反になるおそれがあるから、そういう間違いのないようにというので警告も十分にいたしたのでありまして、その土地を使用することをさしとめたとか、禁止をしたとかいう問題ではないと思うのでございますが……。
○古屋(貞)委員 その点はさしとめたことはない——三百名もの警官が来ておる。それをさしとめてないということは、どうも納得が行かない。これが一つ。 もう一つは、一体司法警察が国民の権限に対して、民法上の地役権をどうだこうだということは、たといそれが疑いがある場合でございましても、しからばその地方における慣習を調査した事実があるかどうか。現場の実地検証をしてから後にやつたのかどうか。そういう点かはつきりと確定してからでないと、中央からの命令は私は出せないと思う。机の上でかつてに、一応部下の報告並びに連絡だけを基礎にして、国民に対する重大なる権利の制限をするという命令を出すというようなことを、さような軽率なことを、一体警察がおややりになつていいのかどうか、この点をお伺いいたしたい。
○山口(喜)政府委員 もちろんそういう取締り方針を指示いたします前に、はたしてその海浜を使用できるかどうかという問題につきましては、関係の方面、主務官庁その他に十分協議をいたしまして、こういう場合にはいけないということで私の方は刑事特別法違反の容疑があるというので、その取締りの指示をいたしたのであります。
○古屋(貞)委員 たとえ官庁でありましても、人民の権利に対する関係においては、どういう官庁と協議をなさつたか知らないけれども、裁判所の仮処分でもされたらどうです。それが正当なものだと思う。裁判所の仮処分命令でそこに立ち入つてはいけないということならばしかたがないので、そういうことをしないで警察がかつてに——私の方では裁判を起すつもりでありすすが、そういうことが不当だということになつたらどうなりますか。単なる賠償で済まぬ、国民何百人かの生命財産を保護するところの種類、しかもあの内灘村におきましては、試射場の関係上村民が非常に困つておる。その村民の困りました生活を何とか維持して行きたいという悲壮な決意をもつて、自分の持つている権利行使をした場合、これを妨害し、不当なことがあつたときにこれを賠償すればよいということで、一体警察の任務が務まるものかどうか。私はその点をおそれる。そうでなくても内灘問題については相山議論がある。特に住民が何十日間にもたつて小さい子供までも、女までも権現の森に座り込んで試射に対するところの自分の権利の主張をやつておる。でありますから国警といたしましては、非常に慎重にこれを取扱うべき筋だと思う。しかるに今申しましたような地方における長年の間の慣習であるとか、あるいは地役権の権利行使がはたして正当であつたかどうか。単なる官庁の問合せというような軽卒なことで、一体そんな重大なことを権限を発することがよいのかどうか。この点を伺いたい。
○山口(喜)政府委員 私の方といたしましては、先ほどから申し上げますように、あの中に無断で入つて地びき網をするということは刑事特別法違反の疑いがあるし、そのままにしておけば地元の方に非常に御迷惑もおかけいたしますので、いろいろと研究をと申しますか、各関係方面と協議をいたしまして、この場合にあの海浜を使つて蹄びき網をすることはできないということになりましたので、刑事特別法二条違反の疑いがあるから十分に注意していただきたいということを申したわけです。警察といたしまして十分にそういう事前にいろいろと御注意申し上げる措置をとるということは、当然のことであろうと私は考えております。
○古屋(貞)委員 ただいま外務次官の御説によると、たとい禁止区域であり、あるいは施設区域であつても、試射に使用する場合にさしつかえない傷合には、努めてこれを地方農民の生活安定のために便宜をはかつておるというような処置を一方ではとり、しかるに一方において、警察においてはそれと正反対な、厳格に先走つたことをやられる、こういう点に矛盾があるように私は思うのでありますが、それは一体外務省とも調達庁ともよく御相談の上で決定したことであつたかどうか。それからはたして禁止区域に間違いたく入つておつたのかどうか。それならば現行犯で検挙してもけつこうなんですけれども、現行犯ではないらしい。そのあとでやつておつたらしい。そういう点はどうでしよう。私どもは決して争いで争つておるのではないのです。国民の権利の上から重大な問題であると同時に、内灘村の村民の生命財産に関係する重大な問題でありますから、私どもは真剣に考えて質問しているわけでありますが、納得の行くような御答弁をひとついただきたい。
○小滝政府委員 私が先ほど説明申し上げました点を引用せられましたから、もう一度はつきりさせておきますが、できるだけ現地の方に迷惑のかからないように措置するという方針にはかわりないのでありますが、しかし一応向うの使う区域として指定せられました場合に、その使用目的にさしつかえない限り現地の人に使わせる。すなわち共同使用の場合には合同委員会においてあらかじめその話合いをつけた上でやるわけであります。ところがこの内灘の海岸の国有地は、そういう共同使用ということになつておらないのでありまして、この内灘の国有地に関する限りは、そうした話合いがついてないというように御了承願いたいと思います。
○古屋(貞)委員 ただいまの御答弁の国有地とはどこをお指しになるのですか。私どもは海の上のことを言つておるのでありまして、しかもそれは漁業権が設定されておる。漁業権の設定反域以外ではないのです。しかもそれには漁業権禁止に対する賠償も払つていない。禁止もしてない。漁業権の禁止の規定の方法もないわけであります。でありまするから、漁業権の行使される地域のことを私どもは質問しておるのです。それが一つ。それから漁業権の行使に対して当然に使わなければならぬところの、漁業権の権限内の地域のこと、海のことであります。それからもう一つは禁止区域、施設区域といいまするけれども、施設区域ではないのです。そこに入つていません。またもう一つは、試射をいたしまする場合に危険区域ではないのです。現地へ行つてごらんになればわかりますけれども、たまの落ちるところから相当の距離があつて、危険がないのであります。さような現地の事情を十分こらんの上、御判明になつてから上にやつておるかどうか、その点を伺います。
○小滝政府委員 先ほど私が申し上げましたのは陸上のことでありまして、海上に関する限りは、演習をやらないときは使つてもいいということになつておる次第であります。
○田口委員長 赤路友藏君。
○赤路委員 どうも答弁にこちらの質問と食い違いがあるように思うのです。先ほど国警の警備部長ですか、国警本部の方から注意勧奨をやつたということなのですが、おそらくそうだろうと思うのです。その点は私も認めるのにやぶさかでないのですが、地元の国警の方が、おそらく本部のそうした意思をほんとうに理解しないで、行き過ぎた行為が確かにあつたのじやないか、こういうことが考えられるわけたんです。地元民が漁業をやつているその船を、三百人からの警官が出かけて行つて、全部沖へ追いやつてしまうというような無謀なことをやれという御指示はおそらくなかつた、私はそういうように解釈したいわけです。先ほど齢長もおつしやつたように、注意勧奨をしたのである、それがたまたま現地の方ではそういう形になつて現われて米たために、非常に村民の憤激をかつております。本問題は当初から混乱をしておる問題なので、従つて国警としては十分な注意をして、これらに対する対策を立てていただかなければならない。確かに私はこれは本部の指示を誤解した上に乗るところの地元国警の行き過ぎであると解釈をしておるのですが、その点はいかがですか。
○山口(喜)政府委員 私の方といたしましては、この問題が起りました当初から、きわめて慎重な態度で臨んでおるのであります。特に地元の人の感情をいたずらに刺激しないようにということをやかましく注意をいたして参つたのであります。今回の地びき網の問題につきましては、いろいろ法律上の問題につきまして関係各方面と十分に協議をいたしまして、刑事特別法二条に違反をする疑いが十分にあるから、そういうことのないようによく注意をしてもらいたいということをまず連絡しておきました。それに基いて数回現地で漁業関係者に集まつていただきまして、よくお話をいたしたのであります。それにもかかわらずもしも漁業が行われますような場合におきましては、これは私どもといたしましては本意ではございませんが、やむを得ず検挙をいたすということもあり得ると思うのでございます。
○赤路委員 ただいま大分よくわかつて来たのですが、地元の漁民の方々を集めて、すでにその点に対して違反行為のないように十分打合せをし協議をした結果、それが聞かれなかつたためにやむを得ずやつたと思うということでございました。思うということでしたね。ところが現地の方ではそういう事実がないのです。集めて注意勧奨した事実がない、だからおそらく部長の方でも、いつ何日どこで何名どういう者を集めてやつたという御答弁はできないと思う。だから今おつしやるように、思うというような言葉になつて現われて来るのだと思うのです。そういうような食い違いがやはりあるのじやないか、ただ私どもは、何もここで国警を攻撃するのでも何でもない、特に本問題は当初から混乱しておる問題であるから、できるだけ本問題は円満に解決をつけなければならぬ。そういうようなやさきに、少くとも現地の国警のとられた行為は行き過ぎである。だからそういうような行き過ぎた命令は、おそらくお出しになつていないだろうと思う。先ほどからの部長の御答弁の中にも、そうした行き過ぎた行為をやれということはおつしやつていたいのです。ただその行き過ぎということは将来もあることであるから、この際はつきりと認めるべきものは認めて、将来さような間違つた行為のないようにやつていただきたい。これが私たちのお願いなんです。何も私たちは、ここで国警の方々を御攻撃申し上げるのが本意ではない。その点どうお考えになりますか。
○山口(喜)政府委員 村民の方にお話をしましたのは今日まで、七月三十一日の夜、署長が村役場に村内の北部、中部粟ケ崎、三つの漁業会の会長さ’にお集まりを願いまして、口頭でお話をいたしておるのであります。それへら八月二日に隊長が東京に帰りまして、日刊新聞あるいはNHKの放送を通じまして、今後は刑事特別法の二条の違反の問題として、どうしても漁業をやるということであれば、やむを得ず取締りをしなければならぬような立場に警察がなるので、十分注意していただきたいということを話しております。なお八月三日には、内灘村の中央漁業会の事務所、これは大根布部落にございますが、村の助役、各部落の区長さん、網元など二十七人のお集まりを願いまして、県本部と地元の警察署長が参りまして、一時間にわたつていろいろと質疑応答をいたしまして、警察側の見解を十分にお話をいたしておるのであります。私どもといたしましては、もちろん現地の人々の気持を十分に尊重いたしまして、警察権の拳動については、十分に慎重の上にも値重を期して参りたいと思いますが、いろいろと御注意をいたしましてもなおかつ地びき網等を行われるというこでありますならば、これはやむを得ず検挙をいたすということになるのであります。また事実八日に検挙をいたしております。
○赤路委員 今部長から御答弁願つたのですが、七月三十一日に村役場で第一回の漁業会会長を集めておられる。事件が起つておるのは二十九日、だから今部長の言われることは、事件が起つてから後になされておるので、事前になされておるとは解釈できない。日付の相違がある。このことはどういうふうに御解釈になるか。
○山口(喜)政府委員 二十八日の事件は御説の通りでございます。
○古屋(貞)委員 ちよつと私伺いたいのですが、内灘の農民、漁民の生活は非常に窮迫しておるわけなんです。そこで漁業権の行使によらなければ生命の維持ができない。かような状態に置かれることは、一体国警において知つておるのかどうか。内灘村は耕作地は二戸当り一反七畝くらいしかない。あとはほとんど漁業によらなければ、先祖からの村の農民諸君の生活の維持ができない。それをこの試射場のために使用禁止をされておる。せめて使用禁止をされていない行使でき得る漁業権の行使をした場合に、ただいまのような問題が起きておる。かようなことについて、国警では十分御承知の上であるかどうかということが一つと、それから農民諸君に、一方においてはこれに対する損害補償を与えていない。一方においては権力をもつて、疑いくらいでみなひつぱつてしまう。しかも七十二というような老人までひつばつてしまう。こういう場合に、一体農民諸君はどうすればいいかという重大な問題に直面する。かような場合になると、国警の人たちのやつた禁止命令が、村民全体をやむを得ない暴力革命に走らせるとか、あるいは生活をするためにいかなる方法でも選ばなければ生きて行けないということに追い込むことになると思う。もつと親切丁寧に愛情を持つて接してもらいたいということが、私どもの念願であります。でありますから、禁止をするだけの確信を持つてやられておるかどうか。くどいようでありますけれども、この点は非常に大きな問題であります。一方においては農民は生活できない。生活の一番の中心をなす漁業権を禁止されている。何とかしたいという、生きんがための村民の切なる願いが、刑事特別法に明確にひつかかつておるということは、私は議論があると思う。すなわち漁業権の行使であるかないかということが問題になる。民事上の問題がからんでいるから問題だ。たとい刑事特別法の二条の疑いがあるといいましても、これは民法上の権限にからまつた、入り込んだ問題がありまして、人を切つたとか、物を盗んだという単純な犯罪ではないと思う。さような民法上の関係がからまつた複雑な関係であるにかかわらず、それをはつきりと確信を持つてやられたかどうか。ただいま御説明がありましたように、二十八日、二十九日の問題については、特に国警の本部では知らない間にやられた行為である、どこからも指示がないのにやつておる。一体現場におけるこういうような警察官の行動そのものを信用されて全部指示通りやつたかどうかということの確信が持てるかどうか、この点を承りたい。
○山口(喜)政府委員 地の事情は私どもできるだけのことをして、いろいろと承知いたしておるつもりでございます。農民あるいは漁民の人々の生活という問題もあろうと私考えておりますが、今回はやむにやまれずそういう措置をとつたのであります。この点につきましては、この問題が起りましてから今日までの警察のとりましたいるいろの実際の行動等をお考えいただきますならば、御了解いただけると私は思うのであります。 なお刑事特別第二条違反につきましては、私は疑いがあると申し上げましたが、これはわれわれ警察官でございますから、二条違反であるということを私どもが断定をいたすわけには参りませんので、疑いがあると申し上げたのであります。従いまして今後再三再四の警告にもかかわらず、なおかつ地ひき網を危険地の方で行われますならば、私どもといたしましては、やむを得ず二条違反容疑をもつて検挙いたすという方針は確定をいたしておるのであります。
○赤路委員 私、先ほどちよつと部長の御答弁を聞き落したのですが、七月三十一日、八月二日、三日三回にわたつて、違反行為のないように御勧奨を願つておるのでありますが、問題が起りましたのは二十八日、二十九日なんで、その後にこういうような会合をお持ちになつておるわけであります。私たちの申し上げたいのは、少くとも国警が取締りをやつていただく場合においても、地元民に対しては親心を持つてやつていただきたい。従つて、事前勧奨が何らなされないで二十八日、二十九日の行動が起されておる、行動が起つてから後に漁業組合の会長連中を集めて注意を喚起しておるということが、今の部長の御答弁にはつきり出て来るわけであります。従つて二十八日、二十九日の二日間にわたつて起された地元国警の行為というものは確かに行き過ぎておつたのではないか、こういうことを私は申し上げたい。こういうふうにすでに漁業会長を集めて一応勧告し、御注意を願つておるのですから、今後はただいま部長のおつしやつたようにやるということは、取締り当局として当然言わなければならないことだと思いますが、問題点になつております二十八日、二十九日はそうした措置が全然なされないで、突如としてやられた行為になつておるわけであります。この点がどうも不明瞭であるから明確にしたい、こういうことであります。
○山口(喜)政府委員 二十八日、二十九日の問題につきましても、御説のように事前に十分に話をしてやるべきであつたと思います。ただ二十八日、二十九日につきましては、実際上そういう所で漁業をしてはいけないということで警告をし、漁業会の方でそこで解散をしたということで、違反の事件としては立件はいたしておりません。
○田口委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田口委員長 速記を始めて。
○赤路委員 大体この問題が混乱するのは、内灘問題を解決つけるための、何と申しますか、主管官庁がはつきりしていないからです、一体調達庁がやつているのか、外務省がやつているのか、水産庁がやつているのか、一体どこが主体になつてこの問題を解決つけようとしておるのか、それが非常に混乱しておる。政府全体にもちろん責任があるでしようが、主管官庁がはつきりしないというところに、本問題が一向解決つかない原因が私はあるのじやないか、かように思うわけであります。ただ一点私どなたから御答弁願えるかわかりませんが、御答弁の願える方に御答弁を願いたいと思うのですが、漁業権の問題であります。この内灘問題は御承知の通り六月十五日閣議決定において永久接収ということがきめられたわけでありますが、この一方的な閣議決定のみをもつてして漁業権は消滅すると解しておるのかどうか。もしさように御解釈になつておるとするなれば、その法的根拠は一体どこにあるのか、この点をお聞きしたいと思います。
○山口(喜)政府委員 海上における漁業権は現在あると思います。
○古屋(貞)委員 そこで承りたいのは、漁業権を行使する場合にどうなるのでしようか。漁業権があるとするならば、漁業権行使に対して禁止をする法律上の根拠はどこにございましようか。漁業権があるとするならば、刑事特別法の第二条の漁業権の問題とも関連しますけれども、それは別としまして、一体国警が警察を動員して、漁業権で漁獲した品物を、連中が三百人も行つていけないということで押し返してしまつた。それでこれを妨害している事実、こういうことは何の権利に基いているか、漁業権の範囲はどうか、範囲をどうお認めになつているか。漁業権の存在を認めておりますが、しからば漁業権とは何ぞや、この範囲をきめてもらいたい。その範囲さえきまればおのずから結論が出ます。ただ単に漁業権があるという抽象的な問題ではなくして、内灘村の漁業権について、漁業権があるとすれば、その漁業権の行使の範囲はどこまでか、その行使の限界をきめていただきたい。
○山口(喜)政府委員 私からお答えするのは適当でないと思いますが、警察取締りに関係のある部分だけ申し上げます。漁業権は海上にあると思います。普通の場合は地びき網を引く場合に、海浜でこうひつばるのですから、海浜のところもいくらかは権利はあるのじやないか、こういうお考えであるかとも思いますが、その点は漁業権というものは海上にある権利だ。従つて海浜を使うことは、そこが国有地であれば、普通の場合に自由に出入りを認めておる場合には、その結果反射的にそこを使うという利益を受けておられるのだ、そこが地役権とかなんとかいうことで漁業権が海浜のそこまでのびて来ておるのではないと考えたわけでありまして、従いまして立入りを禁止せられておりますそういう国有地、海浜の方に来て地びき網をすることが、やはり施設の中に入るという違反になる疑いがあるのでやめていただきたい、こういうふうに申しておるわけであります。
○古屋(貞)委員 えらい独断をやつておられるのですが、地びき網を引くということは、長年、何十年やつて来ておるわけです。これは慣習上から認めておるし、これは地役権じやないでしようか。利益があるとおつしやつたが、漁民が漁獲をするために国有地を長年使つて来た慣習並びに使つておつた現実。利益があるとおつしやつたとすれば、官有地の上に地役権がある。これをもつて地役権と称するのでしよう。この地役権をお認めになつているらしい。従いまして地役権を制限する場合には裁判所の判決か、しからずんば決定がなければ私どもはできないと思う。それを一方的に国警がさようなことまでやるならば、越権ではないか。地役権のあるなしの問題の決定権は裁判所以外にはありません。この点はどうです。利益があるとおつしやつたでしよう。それは海上から漁獲するに必要な漁業権その漁業権を行使するに必要な土地、その必要な場を含めて漁業権と申すのではないでしようか。漁業権というものはその行使に伴う一切のこれに関係する絶対必要な施設、必要な地域、これは地役権。この点はどうですか。
○山口(喜)政府委員 私の方といたしましては、裁判所の判決を待てば一番いいと思いますが、とにかく漁業についての主務官庁あるいは法制局その他関係方面と、そういう場合にはたして地役権と称するものがそこにあるかないか、どういうふうに解釈されるのか連絡いたしました結果、やはりこの場合に取締りを行うことが妥当である、こういう結論に達して取締りを行つておるのであります。
○古屋(貞)委員 それでは水産庁長官から承りますが、漁業権というものは海上だけでございましようか。そういう地びき網を引く場合その土地そのものも漁業権の一部に入つておるかどうか、その点を伺いたい。
○清井政府委員 ただいま法律的な観点からの御質問でありますが、普通私ども考えております漁業権といいますのは、海上だけに限つて考えております。この問題につきましては、漁業権を直接制限いたしてはおりませんので、漁船の操業制限をいたしておることは御承知の通りであります。同時に海浜は国有地でありまして、それに立入り禁止をしておるということでありますので、先ほど国警の方から御答弁がありましたのと同一趣旨でございますけれども、漁業権そのものは禁止していない、しかし漁業権を行使するときには、当然漁船を使用するわけでありますので、そういう漁船の使用を制限するということで漁業権が行使できない。また漁業権行使の場合に海浜を使う、その場合海浜が国有地で、国有地が立入り禁止されておるという、この二つの点から事実上内灘地先における漁業権は使えない、こういう状況にあるものと私は判断いたしております。
○古屋(貞)委員 ただいま問題になつておるところの地域は禁止地域だということをはつきり明示した禁止の規定があるかどうか、この点を伺いたい。
○清井政府委員 その点は先ほど調達庁の方からお答えがありましたが、これは一定の地域を総理府の告示をいたしまして当該地域の中においては演習期間中は漁船の操業をしてはならない、こういうことになつております。その区域に全部漁業権が包括されるということになつておりますので、法律的には同告示に入りました範囲内では漁船は操業できないということに解釈できるというふうに私は考えます。
○古屋(貞)委員 禁止区域内に入つておる場合は当然きまつております。権現の森の現在問題になりましたところの地番が何番地で何番地に禁止を表示したか。
○清井政府委員 それは私からお答えするのは適当でないと思いますが、告示によりますとただいま申し上げました通り、漁船の操業禁止の区域が告示できまつておる。従つてその区域内は漁船の操業ができない、漁船の操業ができないということから、反射的な効果として漁業権の行使ができないということに、実際問題としてはなつております。それから海浜の方はこれは国有地であるために、国有地として立入り禁止をしておりますから、これも操業してはならないというふうに私どもは解釈しております。権現の森は国有地の中に点在しております私有地でありますので、その点実際問題は別といたしまして、法律的には立入りはできない、従つて権現の森から海浜の方には行かれないということに、当然なるのではないかと私どもは考えております。
○古屋(貞)委員 そこでこの権現の森の下の海浜は何番地か、地番を明示していただきたい。登記されておる地番がなければ国民に対して国有地であるという主張はできないわけですが、権現の森の地番ははつきりわかつているが、その国有地の地番は何番地であつて、どういう登記になつているか、明示してもらいたい。そこに議論の余地がお互いにあるらしいです。ただ、ただいまのように禁止区域であるから、禁止区域であるからと言つておりますけれども、禁止区域を使うということはそれはもちろんいけない、現実に使用しておる今問題になつている土地が、禁止区域の中にあるかどうかという問題である。ただいま御答弁のような、禁止区域だからいけないということはよくわかつております。現在問題になつておりますところの警察がとめた土地が、はたして国有地であつて禁止区域であるかどうかを明かにしたい、それが争いの根本なんです。
○清井政府委員 私からお答え申し上げる筋合いではないのですが、国有地の問題につきましては私はただいますぐお答えできませんので、いずれ調達庁の方から正式にお答えいたします。
○山中(一)政府委員 ただいま具体的に私有地と国有地の境界線を明示した地図も書類も持つておらないのでありますが、ただ昭和二十八年の一月一日から四月三十日までの間における私有地の契約書の写しをここに持つております。大体地番は書いたものがございますが、そこだけが今わかつているのであります。
○淡谷委員 水産庁長官にお尋ねいたしますが、ただいまの御答弁だと、演習地に設定された地域の漁業権はあるにはあるが、事実上消滅する、こういり御答弁のようでありましたが、全国の例を見まして、この演習地が、演習しているときも、していないときも、四六時中を通じて徹底的に漁業ができないという例がございますか、またあつたとしたならば、あなたの立場から、また漁業振興の立場から見てよいと思うかどうか、はつきり御答弁願います。
○清井政府委員 はつきり禁止してあるという地域は、私の記憶ではちよつとただいまのところございませんが、おそらくそれはそのときどきの事情によつてやつておるわけでありまして、水産の立場から言えば禁止することがよいということはあり得ないわけでございますけれども、他の観点から漁業の点は犠牲にしてもやむを得ないという国家的見地に立つてそういう問題が起つて来ると考えております。実例としてはただいま記憶はございません。
○淡谷委員 警備部長にお尋ねいたしますが、あなたのお説では、漁業権はあるが、この漁業権を行使するために通る土地が強制使用の目的である国有地であるから、これが刑事特別法に抵触するのだ、こういう御答弁でございました。私が参りました七日の午前中まで、事実上民有地であつた権現の森を海岸地帯のこつちも遮断してしまつて、警官がついて袋路地のままに数日間取残したという御処置も、やはりあなたのおさしずでございますか。袋路のままで通路を全然遮断してしまつて、警官がついて力を用いてもその土地を禁止したという事実は、やはりあなたの御指示でございますか。
○山口(喜)政府委員 外部から権現の森に行くことをですか。
○淡谷委員 行くことも、出ることもです。
○山口(喜)政府委員 接収区域の外から権現の森に行くことをですか。
○淡谷委員 ええ。
○山口(喜)政府委員 その点につきましては、私の方から指示いたしておりません。
○淡谷委員 そうしますと、これは確かに地元の警察の行き過ぎです。事実があつたとすれば、私はさつきも申し上げておきましたけれども……。
○山口(喜)政府委員 私の方からその点は指示いたしておりません。
○淡谷委員 そうしますと、権現の森の外部から入るこの道路は、今の強制使用の目的物である国有地なのですが、これを通ることは刑事特別法に触れませんか。
○山口(喜)政府委員 それは権現の森が民有地でありまして、土地の所有権がそこにありますので、そこまで行くことを認めているのであります。
○淡谷委員 あなたは現地を詳しく御存じないようでございます。権現の森の価値はその下の海浜の漁業権があればこそ権現の森という価値がある、ですから権現の森へ行く通路を出口の方で認められるならば、漁業権を行使するためにやはり海浜まで行く道路は認めるのがほんとうなのです。あなたのお考えでは、試射場反対のためにすわり込みをするためには国有地は使つてもいいが、平和な漁業を営むためには国有地は使つてはならぬ、こういうふうに解釈をされますが、いかがでございますか。同じ目的のために、漁業の操業は刑事特別法に触れ、すわり込みをしに行くことは刑事特別法に触れない、そうすると慣習としてこの道路を認めておるのは、すわり込みをするならば国警がこれを大つぴらに認めるというふうに解してよろしいのでございますか。
○山口(喜)政府委員 権現の森の民有地に行きますことを現在私の方で黙認をいたしておりますが、それは区域内にある土地の所有権に基くものであるというので認めておるのであります。ところが今の漁業権の場合につきましては、先ほど水産庁の長官からお話もございましたように、水面についてのみ存する権利に関するものでありますから、権現の森から今度は海まで行くことについてはこれは認めないというようにしておるのであります。
○山中(日)委員 水産庁長官にお尋ねしたいのですが、漁業制限法で言う漁業権の制限というのは、つまり演習の期間中、またその時間中には漁業権は使用が制限されるというのであつて、漁業権そのものはその期間中消滅してしまうものではない、こういうふうに解釈しておるのですが、先ほどお伺いすると、何か漁業制限法によつて制限されておる期間中あるいは時間中は漁業権そのものが消滅してしまうのであるという解釈ですが、その点はどうですか。
○清井政府委員 私先ほど御答弁申し上げましたのは、漁業権は消滅するとは申し上げなかつたと思います。漁業権は消滅しないと思います。ただそれは法律上消滅しないというのでありまして、実際上行使ができるかということが問題になつたと思うのであります。ただいまの場合は、これは漁船の操業制限という法律に基いて、漁船の操業の制限をいたしておるわけであります。漁業権の行使を制限する場合は一切漁業が操業されないわけなのであります。その漁船の操業が制限されるという意味において、法律的にはあるけれども、実際的には行使ができない、内灘がこうなつているのだろう、こういうことを申し上げたのであります。ほかの演習地の場合も全部漁業権の制限で行つておるのでありますので、内灘の問題も同様な意味で漁業の操業制限をいたしておるのではないかと思つておるわけでございます。ただ実際問題といたしまして、当該の海浜が国有地でありますので、非常に問題が起つておりますが、法律上はそういうふうになつておるというように考えております。
○山中(日)委員 そうしますと、今の内灘の三百名の警官が押し寄せた云々のそのときの問題ですが、そのときはまだ演習が始まつた期間でもないように思うのですが、そうしますと地びき網というのは——私専門家でないからよくわかりませんけれども、沖で船がいろいろ網の操作をして、海岸に人がおつて網をひいて漁業をやつているのだと思うのです。そういう漁業権だと思うのですが、そうすると演習期期でもない、演習時間中でもないというときにはその制限がないわけです。自由にそこで漁業ができるわけです。そうすると当然そこで漁業が認められるとすれば、漁業権が行使される場合には船も使い、網も使い、陸で網をひつぱる、こういうことが漁業の操作としても行われるわけであります。ですからこの問題のときに何も演習が行われていなかつたとすれば、当然漁業制限法の制限がないわけですから、船を操作し、網を投げ、ひくという行為は許されていいわけなのです。そうすると今の場合はそういうことをやつているのに、当局が接収地であるからといつていきなりその操業をとめてしまうというのは、私ども納得できませんが、それはどういうことになりますか。そこが問題だと思う、そこをはつきりしてもらいたいと思う。
○清井政府委員 ただいまの問題ですが、法律的に区分して考えますと、描船の操業だけが禁止されているのだがら、それに伴つて海岸で地びき網をひくのはいいじやないかというように解釈できるではないか、こういうふうな解釈も一応あるかと思いますけれども、私どもといたしましては、漁船の操業制限と申しますからには、やはりその漁船の操業と漁業というものが一体であるだろうと考えております。そこでただいまの場合に、地びき網をいたす場合には必ず漁船が出るわけであります。その出た地びき網の漁業は、これはやはり漁業制限の法律に基く制限重項であるというふうに私どもは考えております。ただ地びき網を使います場合には、同時にその海岸において綱ふひくわけですから、その場合に土地の使用という問題が別な観点から起つて来るということも考えられるわけであります。
○山中(日)委員 そうしますと、結論的には、もう地びき網の漁業というものは、その海岸が国有地で接収せられてしまつたものならば、漁業制限どころではなしに、絶対に地びき網の漁業はできないという結論になると思うのですが、どうですか。
○清井政府委員 私は実際問題としてそうなるだろうと思います。ほかの地域にはそういうことはございませんので、実際上試射あるいはその他の軍における作業がない場合には、操業ができますが、その間における漁業の収獲というものはあり得るわけです。従つて損害の補償をするような場合でも、必ず一定の収入金というものを見積つて、それを差引いて補償いたしておるような計算をしておると思います。おそらく内灘の問題においても、絶対に漁業ができないだろうということから、補償計算をいたしておるかと思いますが、これは実際上当該区域は禁止と同じようになつておるというふうに考えております。
○淡谷委員 ただいまのお話ですが、強制使用後の補償その他の問題がちつとも進んでいないんですよ。補償も何もされていない。しかも他の演習節は、みな演習をしていない間は漁獲を許しておきながら、何ら試射の危険もない、また何のさしつかえもない海浜で、内灘だけは漁業をしてはいけないというから、私はどうしても納得することができない。しかも国有地を歩くことが、米軍施設内を歩くことが刑事特別法に触れると申しながら、権現の森に行く道路は認めるが、大事な漁民の生活を維持すべき海浜に出る道を使うことだけが刑事特別法に触れるということは、明らかに警察が何らかの政治権力に影響されておるのではないかと思いますが、そういうことはありませんか。
○山口(喜)政府委員 ありません。私どもはおつしやいましたような政治的な云々というような考え方は毛頭持つておりません。
○淡谷委員 それならば具体的にお伺い申し上げますが、権現の森の区域と国有地の区域と漁民がはつきり区別するような標識がございますか。
○山口(喜)政府委員 その点は私はただいまちよつと明確にしておりません。
○淡谷委員 明確にされていない境域に立入り禁止の札を立てておることは御存じですか。明確になつていない地域への立入り禁止の札を立てているのは、これはあなたの御命令じやないですか。
○山口(喜)政府委員 これは権現森の先から海浜に行くまでの道ですか。たいへん失礼でございますが……。
○淡谷委員 あなたは現地を見られたのですか。
○山口(喜)政府委員 いや、私がお尋ねしますのは、権現の森の地先から海浜の所に至る間に立札を立てておる、それを知つておるかという御質問で周りましようかということをお伺いしたのです。
○淡谷委員 立札がどういうふうに立てられて、その立札によつて民有地と国有地の境界がはつきり地元漁民に認識できるような処置がとられておるかどうかをお伺いしたいのです。
○山口(喜)政府委員 私はその点は存じておりません。
○淡谷委員 実情を私から申し上げます。これによつてあなたの出された命令が、どのように現地では行き過ぎ状態になつておるかということを、はつきり御認識を願いたい。まず最初には、権現の森を袋路にしまして交通を遮断するような状態に、出口も入口もふさいでしまつて警官がその番をしておるという実情であります。そういう期間が数日続きまして、そのとき私がそれを抗議いたしましたら、入口の札は取りましたけれども、海浜に行つてみると、さくもなし標識もない砂原のまん中に、どんと三本標識を建てておる。その標識のうしろに入つてはいけないというのか。前に入つてはいけないというのか、右に入るなというのか、左に入るなというのか、さつぱり指示はございません。(「常識で判断しろ」と呼ぶ者あり)常識で判断できないところがあるから私は言つておる。行つてみればわかる。またその文言なども実におかしいのです、合衆国の施設区域という題をつけまして正当な権限なくして立ち入るときは、日本法令によつて処罰さるべし、在日合衆国軍。この札を三本建てたばかりで、何十年来しよつちゆう歩きつけました権現の森から海浜の、どの区域に立ち入つていいのか見当がつきません。のみならず入口からひつこ抜きましたこの札を、権現の森の、明らかに民有地ン認められるところにがつと二立建ててしまつた。このことを県の国警隊長の三田村さんに、あれはひどいじやないかと言つたら、建て場所が間違つておれば建て直しますという答弁です。こんなでたらめな境界に入つたとか入らぬとかいつて、事もあろうに夜中の十二時に、七十二と六十三の年寄りをひつぱつて行つて、これを責めさいなんだというようなことは、私はとうてい兄のがしておけません。一体何の自信があつてこの処置をなさるのか、はつきりお尋ねしておきたい。それで刑事特別法に触れるなんということを言われますが、そういう現実に基いて、あなたのはつきりした御答弁をお願いしたい。
○山口(喜)政府委員 先ほどお話いたしましたように、村の人々に権現の森から先の海浜に行つて、地びき網をすることはやめてもらいたいということは、再三申しております。そうしてただいまのお話にありますように、権現の森から海浜に至る途中に、これから中に入つてはいけないという正札が建つておると思うのであります。なお七十二歳ということをおつしやいましたがこの七十二歳の人を検挙いたしましたのは、これは前々からお話のございます二十八日の事件でなしに、八月八日の日に相当多数の人が、再三の警告にもかかわらず、地びき網を現地においていたしましたために、やむを得ず検挙をいたしたのであります。そういう事情でございますので、御了承をお願いいたしたいと思います。
○古屋(貞)委員 そこで私は前提となるべき点をお尋ねいたしたいのですが、一体袋路の場合には、その袋路を持つている人たちが、袋路利用のために他への土地を歩く権利のあることは御存じでしよう。これは長年の間歩いておる。今あなたは権現の森に行く道を通してやつたんだ、許可してやつたんだと言われるが、どういう権限で許可するのですか。当然にそこを通行する正当な権利が村民にあるのじやないですか。しかも権現の森の所有者は、当然に国の土地の上を歩く権利があるのではないでしようか。民法の二百十条はどういう規定でしよう。民法の二百十条は、袋路は他人の土地を歩いてもいいということがはつきりしておる。しかも長年の間農民が歩いておつた道路なんです。私は現地を見て来て知つている。その道路を、あなたの方で通つてはいけないという権限は何によつてやるか、この点をはつきりしてもらいたい。
○山口(喜)政府委員 外部から権現の森に入ることにつきまして私の方でそこを通つてはいけないということを指示いたしたことはございません。もし現地でやつておれば、それは現地の誤りであると思います。
○古屋(貞)委員 そこに何百人もおつてはつきりしていないから聞くのです。それからもう一つ明確にしていただきたいのは、それは通行する権利があるから正当の理由です。刑事特別法第二条は、正当の理由なしということです。漁業権を行使するために、長年の間地役権があつて、その海辺を使つておつた農民諸君は、それを使うことは正当の理由と私どもは断じます。これを正当の理由でないという理由を示してください。正当の理由がないというあなたの説明を、納得の行くように説明していただきたい。
○山口(喜)政府委員 漁業権は、先ほど申し上げましたように、海上についてのみの権利であるので、それを行使するために海浜を使うことは、その近所が国有地であるから、普通の場合はだれでも出入りできるように認められているので、そういう結果反射的な利益として、その海浜を使つて参つたと思うのであります。従つてその区域が接収区域内に含まれておりまして、立入りができないということになれば、漁業権を行使するために、権現の森の地先からさらに海浜地区に入つてそして地びき網をひくことは、これは刑事特別法の二条の違反の疑いがある、こういうように私どもは考えております。
○古屋(貞)委員 答弁はどうも納得が行かない。正当の理由がないということは、ただ単に禁止区域だというだけでございましようか。禁止区域であつても、正当の理由があれば歩けるということじやないでしようか。理由がないから罰せられるのであつて、第二条は、どんな禁止区域であつても、正当な理由があれば歩けるわけでしよう。使えるわけでしよう。これが理由がないから罰する規定で、理由があることが前提です。その点どうです。
○山口(喜)政府委員 ただいま私は、ここに正当な理由がないということを御説明いたしたのであります。どうも言葉が不十分であつたかと思いますが、要するに権現の森の地先からおりて行つて、海辺である国有地に立ち入つて地びき網をするというそのことは、当然漁業権の中には含まれておらない。従つて正当な理由がない、こういうように考えているわけであります。
○古屋(貞)委員 当然に権利がないということをきめるのは裁判所じやないでしようか。行政官や警察がきめるのじやないでしよう。その決定をしたことが独断だというのです。それを今淡谷君も、どつからか頼まれてやつているのじやないかという疑いを持つのはそこです。それが第一。それからもう一つは、施設区域であつても、初めから入つてはいけないのじやないでしよう。施設区域でも入れるでしよう。なお私どもが申し上げているのは、そういう事情だけではなくて、もつと進んで、民法上の地役権があるのだ、土地を使う正当の権利があるのだということです。長年の間漁業権を行使するのにその土地を使つて来た住民は、民法の二百十二条の規定にあります事項によつて取得する地役権です。その地役権があるかないかをきめるのは裁判所であつて、あなた方がかつてに地役権がない、正当の理由がないと断することは、越権行為であると私どもは申し上げるのです。その理由は、単なる禁止区域であるからそれは理由がないのだ、使う権利がないのだ、こうあなたは解釈しているのだが、そこが私どもは納得が行かないから聞いているのです。一体地役権というものを認めるか認めぬかということですが、長年の間農民がその公有地を使つて魚をとるために地びき網をひいた。それが十年も二十年も継続しておつたような場合に、公有地であつても——あなたは反射的な利益と言うけれども、その利益があつて使つておる場合は、地役権じやないでしようか。それを地役権がないという理由をひとつ説明してください。
○山口(喜)政府委員 それは先ほど申し上げましたように、漁業権に伴つて地びき網をして海浜を使うことは、一つの地役権ではなくして、反射的な利益である、こういうことを関係方面と私の方と十分に協議をいたしました結果、行政当局としましてはそういう結論に一応達しておるのであります。それに基きまして今回の指示をいたしたのであります。お話のようにそこに地役権があるかどうかというような問題につ要しては、私の方でもいろいろと関係方面とも協議をいたしました。
○古屋(貞)委員 その点で私が申し上げたいのは、権現の森の中に入つて行くところもこれを妨害して、あなたの方で指示しないのに、警察官が四日間通行を禁止したのは事実です。これは越権行為です。そういう頭であなたの方でお考えになつておるから、この問題もほかの官庁と御相談したというけれども、行政官庁の相談必ずしも正当なりと認め得ない。行政官庁は裁判所に行つて負けていますよ。そういうことと、私どもが本件でるる申し上げたいのは、農民の諸君は生活ができないのです。正常の場合ではないのです。生活ができないのです。やむにやまれずにやつていることである。それも違法行為ということで積極的にこれを取締つておるから、われわれはこういう質問をしなければならぬ。重大な問題です。裁判所によつて決定しなければならぬ事項でありますから、あなたの方では見のがしておいたらどうですか。何も弊害はないじやありませんか。あえてあそこで地びき網をひいている間はひかせておいて水揚げをしようとしたら海に行つて追い返してしまう、こういうことが実際に日本の国内で行われておるから問題になる。そういう愛情のないことではいかぬ。法律の解釈というものは、ほんとうの国民の愛情によつて片づくものであると思う。私どもは弁護士だからといつて、りくつを言いたいのではない。またすべて法律の規定というものは、行政官庁が法律を運用する場合には、ほんとうに国民の立場に立つて、愛情をもつて、公僕なんですから、役人はやらなければならぬ。そういう立場で私どもは質問しておるのです。そういう態度ではなくて、あなたのおつしやるように、指示しないのにすでに四日間この袋路の交通を禁止したという事実は明白である。これはあなたが指示したのじやない、地方の行き過ぎです。そこでただいまは、感情を抜きにして、今までの行きがかりをやめて、公平にここで漁業権の行使をどうしたらできるかということをわれわれは質問しているのですから、行き過ぎならば行き過ぎという言質はかまいません、そういう疑いがある、こういうことで御答弁が願えるならば、われわれはあえてこれを追究しないのです。地役権はわれわれはあるというし、あなた方はないという、その最後の決定は裁判所で決定すべきだ。われわれはきようあなたにいろいろ質問をし、御答弁を願つておることは、よつてもつてこれは日本の国民の人権の問題について重大な問題であるから、やがてわれわれははつきりと裁判所に問題に出します。国警長官を相手どつてやります。そういう資料をちやんと得たいので、あなた方はどういう気持かということを聞きたいのです。ここできまらなければ、そうするよりほかない。ただ、あなたの方があとで負けてから、相済まなかつたでは私は済まないと思う。そんな無責任はことはない。何百人かの農民の生活の保障である漁業権を禁じて強制的にやるのなら、重大な問題で、これは恐るべきことであるから、これを事前に防ぎたいというのがわれわれの念慮である。ただいま申し上げたような地役権の問題に対する関係は、自信がなくて、さように考えるというだけの御答弁に聞いていいですか。
○山口(喜)政府委員 これは、私どもだけで単独にそういうような解釈を下したわけではございませんで、関係方面と十分に協議をしまして、そういうことになつたのであります。なお権現の森に至ります外部からの道路をもし閉鎖いたしたといたしますならば、それは現地の行き過ぎであると考えております。
○古屋(貞)委員 それはその前にも鉄の針金でさく結つて禁じたでしよう。今行つてみますとありますよ。出入口を狭くして、そうしてさくを結つて通行を禁じ、その両側には御苦労様に警察官が十人ずつ寝ている。こういう現状です。そういうことをやられておりますから、農民諸君も断じて引かないということになつておるわけです。現に山口部長の御答弁によりますと、指示はしてないけれども、あそこを禁じたことがあつた、これはあなたの方からいえば仮定論で、私の方は事実あつたのを見て来たのです。これは行き過ぎだということは明確になるわけです。そこで一体七十二歳になるような老人をひつぱつて——これは逮捕の問題で申しますが、ひつぱつて、そうして幾日も事実を調べなければできないような状態でございましようか。その点を承りたい。六十三歳になるじいさんと、七十二になる老人をとめているらしいのですが、これは一体とめておかなければならないような状況であつたかどうか、どうでしようか。われわれは根本の民法上の争いがあるので、正当の理由があるかないかの問題は裁判所できめたい。それをきめる前に、警察当局がやたらに老人などをひつぱつて、人権蹂躪になりはしないかということを伺うのですが、さような状況であるかどうか。現場へ行つたことは明らかであつて、それは在宅調べもできると思う。また調べられる人も否認していないと思う。それから村中の人が行つているのですから否認することもないと思う。かような点について、とめて置かねばならぬ理由があるかどうか、その点を伺いたい。
○山口(喜)政府委員 全部逮捕して調べておるわけではないのであります。任意取調べをしておる人もあります。なおそういう年齢の高い人々についてはもちろんでありますが、その他につきましても取調べをなるべく早く済ませ、早く問題を処理したい、かように考えております。
○古屋(貞)委員 その点は、指揮者であつた幹部をひつぱつていないのです。そこに私どもは不平がある。まず第一に幹部をひつぱつてお調べになることが順序だと思うが、一番弱い老人をひつぱつておりますから、私は今奉るのですけれども、幹部をひつぱつてお調べになつた事実があるかどうか。
○山口(喜)政府委員 当初網元を二人逮捕いたしております。その網元の一人が七十二歳であります。
○赤路委員 ただいま部長の御答弁の中に、関係各庁との打合せの上でそういう措置がなされたということでございましたが、この問題は相当長く本委員会でも論議されて来たのですが、大体米国駐留軍の演習場の接収については、現地地元民及び所有権利者の了解を求め、賠償決定がなされ、成文化された後において、これが接収を見るのが原則であるということが、大体当局全般の答弁として出ておるわけですが、その点は部長は打合せのときにお聞きになつたか、あるいは御承知になつておるかどうかお開きしたい。
○山口(喜)政府委員 その点につきましては、私も伺つておりますが、この点は私から申し上げますよりも、外務省のお方からお答え願つた方がいいのじやないかと思います。私どもは直接その問題にタツチしておりません。
○赤路委員 お聞きになつたのですね。
○山口(喜)政府委員 建前は、やはりそういうふうに話をつけてやつて行くのが建前というふうに私は承知しております。
○山中(日)委員 大分この問題も論議が進められておるのですけれども、いつ結論が出るともわからないのですが、大体私はこういうような取扱いにしたならば、この問題は解決つくのじやなかろうかと思つておるのです。先ほども水産長官にお尋ねいたしましたように、この漁業関係におきましては、なるほど漁船の操業禁止ということになつておりまして、漁業権は海の上だけで、陸地の方は関係ないといえばその通りだと思いますけれども、大体この漁業関係接収地において制限しておるのは、演習期間中もしくは時間中に危険であるから、操業を禁止する、それ以外のときには自由にとつてよろしい、こういうのが大体漁業関係の建前であります。従いまして、ただいま解禁の問題は、地役権とか法律上の問題もいろいろ出て参りましようけれども、そういう法律上の問題は別といたしましても、結局漁業制限法の精神からいえば、演習時間でないときは、操業してもいいのですから、従つて海浜を使つて一向実害がないと思うのです。ただ演習中ですと、鉄砲のたまや大砲のたまが飛びますし、あぶないからやめろ、けれども演習していないときは、これは漁業を許される、網をひつぱり、なわをひつぱるのに使つてもいいという、そういうゆとりのある方法をとればこの問題は解決つくと思う。それを漁業権は海の上だけだ、海浜だから、陸地だからというようなしやくし定規のようなことを言わないで、そういうふうに解釈して解決するという方向をとれば、この問題は解決つくのじやないかと思うのだが、そこをどこまでもしやくし定規に、陸と海は違うのだとか、地域がどうこうというようなところにまで発展するから、いつまでも解決がつかない。従つて漁業の制限法の精神からいつても、海浜を接収したその目的からいつても、演習期間中でないときは、漁業もやらせるし、海浜も使わせる、こういう態度をとつたらいいじやないですか、どうですか。
○山口(喜)政府委員 一応ただいまの山中委員から御提案でございますが、現在までの実態は、陸上におきましても海上におきましても、いろいろ制限の状況は違いますが、米軍の施設関係で元の権利者その他が生業してもさしつかえないという場合には、われわれとしてもできるだけ合同委員会の線を通じて、いつ演習があるから、何時から何時までというような通牒を出していただきまして、その以外のときには使用していただく、こういうのが根本原則であります。たとえば海面におきましても、定置網あたりは夜間だ、昼間に演習があるというときには、昼間には出漁していただきましては困りますが、夜間の定置については、定置をやつて朝引揚げてもらうとか、あるいは午前と午後とわかれる場合には、午前中は漁業量が多いのだから午後に演習していただきたいということで、日米合同委員会できめましたときには、そういうように実施しておるのが現在までの状況でございます。
○淡谷委員 警備部長になお念のためにお伺いしておきますが、漁業をやらないものが海浜以外の接収地に立ち入つた場合には、これは取締られるつもりでございますか。
○山口(喜)政府委員 権現の森は民有地でありますから、そこに入る者は正当な——その権現の森の所有者その他は正当な理由があるということになりますが、そうでない全然外部の者が何らかの運動をするためにその中に入るというような場合におきましては、今後私の方はこれは事件として処置い評したい、かように考えております。
○淡谷委員 ただいまのお話でございますが、外部の者が権現の森に入るだけでもお取締りになるのですか。
○山口(喜)政府委員 要するにそれは正当の理由があるかどうかということに結局なつて行くわけです。
○淡谷委員 民有地に自由に出入りすることを、あなたはおとめになるのですか。一々そこにくつついて(「正当な理由があればいい」と呼ぶ者あり)民有地ですから、正当な理由はいりません。民有地に自由に国民が入ることを、民有地の所有者が納得して入ることを警察は取締られるのですね。これは重要な一点ですから……。
○山口(喜)政府委員 ただいま申し上げましたように、正当な理由があるかないかということになると思います。
○淡谷委員 部長の御答弁は非常に感情的になつておるのじやないですか。私が育つておるのは、権現の森というのは民有地だから、これに入るのはあなたはお取締りになるのか。つまりそこに入るためにあの国有地を使うから取締るというのでございますか。
○山口(喜)政府委員 要するに村民が権現の森という民有地に入るという場合につきましては、私どもは今日まで何らそれに対して直接措置をとつておりませんし、また今日まで外部の者でも入つた場合もあると思います。それは今日まで容認をいたしておりましたが、今後正当な理由がなくて、その国有のところを通つて中に入るというようなことがありました場合には、場合によつては何らか措置しなければなるまいかと考えております。
○淡谷委員 その点はたいへん食い違うのでございますが、権現の森に現在いる人たちは、漁業するのでもなければ、すわり込みだけなんです、そのすわり込みをするのは、正当な理由で、何十年来やつて来た漁業を行うために、しかも他の演習地から見ますと、全然これをとめて、必要のないような平穏無事の漁業をする方だけはとめるというあなたのお考えは一体どこに基くのですか。これはただいままでの御答弁でわかつております通り、各演習地ともにたまの危険のないところでは、生業を圧迫する必要のないところでは、できる限り地元民の生活を圧迫しないように取扱うのが演習地使用の常道になつております。権現の森にすわり込みをするのはいいが、その平穏無事の漁業を営んで何とか貧乏をのがれたいという切実な彼ら住民の要求に基いておるのに、海津に出る方は取締る、逆じやないですか。漁業をやるならばよろしいが、すわり込みは困るというなら認めますけれども、すわり込み程度ならいいが、その平穏無事な漁業を現在の試射に関係なく入る方はどうしても厳に取締るというあなたの基本的な観念はどうしても私はわからない。その一点を伺いたい。
○山口(喜)政府委員 その点については先ほどから申し上げましたように、漁業権の行使に関する問題につきまして、私が申し上げましたのと淡谷さんのおつしやいますのと食い違いがありますのは残念でございます。
○淡谷委員 さらに一点お伺いいたします。あの道路以外の国有地、海岸以外の国有地にすわり込みの人たちが入り込んだときにあなたはどうなさいますか。たとえばうしろの方には国有地として使用されながら、まだばれいしよやとうもろこしをつくつている畑がたくさん含まれております。あるいは日蓮の和尚さんが太鼓をたたきながら堂々と着弾地に入つております。これもやはり刑事特別法でお取締りになりますか。
○山口(喜)政府委員 法律上からいえば適用にはなると思いますが、今の日蓮宗のお坊さんやなんかは、実際土は警告をして入つて来ないようにさしとめる、現在はこういう方法でやつております。
○淡谷委員 小瀧外務次官にお伺いいたします。大体お聞きの通り、現在内灘の漁業の問題につきましては、国有地か民有地かはつきりしない境界しかできておりません。知らない者が入りますと、民有地に入つているつもりで知らずらず国有地みには出しておるというのがあの立入り禁止の札の実態でございます。しかも多くの演習地は、あなたもたびたび言明されました通り、演習には関係のない場合、どこまでも地元民の利益のために使わせるというのが建前でございますが、ただ警察の取締りのために、それができないのが内灘の現状なのでございます。閣議決定によつて強制使用されて以来一箇月、目の前にこうした困つた漁民の生活があるのに、一体あなたはこれに対してどういう態度をおとりになるか、お伺いいたしたい。
○小滝政府委員 できるだけ地元民の方々の便宜をはかるという方針にはかわりありませんが、警察が取締りをしておるために、せつかくの漁場があるのに使えないとおつしやいますけれども、まだ合同委員会において、随時演習のないときには使つてもさしつかえないという共同使用の話合いがついておらないわけであります。その意味において、警察当局で取締られる必要が生じたと考えまするが、この点はでき得れば演習のないときに、国有地の陸上の部分を使い得るようにいたしたい、そのために努力いたしたい、すなわち合同委員会でそういう話をつけたいというのが私どもの現在の考え方であり、そういうようにいたしたいということを考え、その方面の措置をいたすべく今準備をしている次第であります。
○淡谷委員 今のお話でございますが、私この問題を心配しまして、地元の漁民が生活に苦しんで来るとどういう事態になるかわからないから、至急強制使用によるあと始末をつけていただきたいということを、もう一箇月半以上前から、当委員会におきまして伊関さんにもあなたにも強く要望したのです。その一箇月半の間、あなた方は荏苒と日をお過しになつたのですか、目の前で漁民が飢えていて、これは本人は確実に親伝来の権利に基いてやつた行為でしよう、それが警察の取締わに触れて監房にぶち込まれなければならないという窮迫した現実があるのに、接収以来二箇月、まだ合同委員会の話さえきまつていないということは、これは怠慢ではありませんか。一体あと何日あつたら話合いがつくのか、はつきりしたお見通しをお聞きしたい。
○小滝政府委員 同じことを繰返すようでありますが、とにかく現地の人に理解していただいて、そうして納得の行く線で向うと話合いをしたい、こういうことを考えておりましたところ、根本論からこれまでいろいろ反対が出まして、先方側とも合同委員会において十分の話合いをつけることができなかつたのははなはだ遺憾であります。しかし現地の方で大体理解を得ますならば、今申しましたような線でとにかく犠牲を最小限度にとどめるために、期間をかけて、演習をしないときに、あそこを使うようにするという方向に持つて行くようにまたそれが一日も早く実現するように考えまして、その措置を取るようにいたしたい次第であります。 〔「わかつたろう。」と呼ぶ者あり〕
○淡谷委員 わかりませんよ。私はますますわからない。私は頭が悪いですからね。こういうことはよくわかりませんよ。この前の委員会の御答弁では、閣議決定が演習地使用の最後的な手続完了の段階じやないということをたびたび伺いました。ところで閣議決定はされたでしようが、その後における強制使用に伴う手続等は、具体的にどのように運ばれておりますか、そしてそれが手続上完了したとあなた方お考えになるかどうか、これをお伺いしたい。
○小滝政府委員 閣議の決定で確定しないというのは民有地の関係でありまして、民有地の点におきましては閣議で決定いたしましてもそのあと支払い条件とかいろいろなものをきめなければならぬという問題が残りますが、国有地に関しては直接、その土地そのものについてはそういう問題は残らないわけであります。閣議決定によつてこれが使用される。但しそれの影響に対してどういう補償をするかという問題については、これは特別調達庁あたりでも考えておるところでありまして、この国有地については閣議決定によつてきまつたわけであります。
○淡谷委員 国有地ははその通りでございましようが、この国有地に関連いたしまして、漁業権という私権が侵害されております。これは閣議決定一本だけでは片づかぬ。警察の取締り一本だけでは片づかない問題でありますから、具体的にこの国有地の強制使用によるところの——これは強制使用といわないかもしれませんが、使用によつて侵されておる漁業権に対して、何らか処置をおとりになつたか、あるいはそれに対して手続を進められておるかどうか、この点をお尋ねしたいのでございます。
○小滝政府委員 補償の問題については外務省が直接取扱つておりませんが、陸上について漁業権があるかどうかということは問題があるだろうと思います。その点については補償に関係しておる当局で考えられなければならない問題であります。
○淡谷委員 私はそういうふうな演習地接収に伴う事務的手続は、少くとも閣議決定と同時にすみやかに特調関係でさまざまな権利の所有者と交渉をすべきもののように考えておりますが、この漁業権に関しての手続は一体どこいらまで進んでおりますか。
○山中(一)政府委員 内灘の問題につきましては、従来しばしばいろいろなところから質問応答がかわされておりますが、第二次の継続使用につきましてわれわれの方は一応閣議の決定が十五日にありまして以来、先ほども申し上げましたように、具体的には事務的な問題として個々の現地の実情の把握には努めておりますが、統制的な施策については現在何もやつておりません。ただ一月一日からの漁船の操業制限に関する法律が現在もなお施行されておるということだけで現在進んでおるわけであります。
○淡谷委員 現地の状況をさまざまに把握されておると言つておりますが、すでにお聞きの通り、現地では警察と地元の漁民との間にはげしい見解の対立がございまして、一方は合法的にわれわれは漁をしておるのだ、一方はこれはあくまでも違法である、こういう折衝をめぐりまして刑事問題等さえ起りかけておりますが、ここに至るまであなたの方では調査がつかなかつたのでございますか。
○田口委員長 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○田口委員長 速記を始めて。
○淡谷委員 お伺いしますが、あなたもこういうような事件が起ることはむろん御希望じやないだろうと思います。しかしこの事件を引起すに至りました素地は、確かに警察側と現地との間に十分な了解が成立していなかつたところにある。御注意をいただいたそうでございますが、私現地でどの漁師に聞きましても、そのことを具体的に知つている人は少い。のみならずあの札の立ちましたのは三日以後で、その札というものも私さつき申しました通り漠然とした公示です。その正当なる権限につきましても漁民と警察側とは意見が合わない。のみならずこの札が転々として、あるときは権現の森の入口に、あるときには民有地のまん中に、こういうふうな状態に立てられたのでは、禁止区域とは一体どこなのか、あるいは波打ちぎわ、海の中まで禁止区域なのか、干潮時の陸地は使つてもいいか、そういう意が漠然とされたままに今日の不祥事を引起しております。将来こういうことがないように民有地と国有地の正確な区画を立てて注意されるお気持があるかどうか、また今の事件を引起すに至りました動機には、いかにあなたが強弁されましても、若干は警察側の行き過ぎがあり、また誤りもあつたということは、さつきの権現の森の入口封鎖の一点だけ見ても明らかなのでございます。この点感情的にならず、今後のスムーズな問題の解決のために、虚心坦懐におはかり願うような気持を持つておられますかどうか。なお一点、この出漁に対してのみ非常に峻厳に、この四十年来通いなれた道路を閉鎖する態度は、他の何らかの政治的な圧迫がないのだということを、この席上でもう一ぺん明確にあなたからお答えを願いたいと思います。
○山口(喜)政府委員 最後の御質問につきましては、私は良心に誓いまして、さようなことはないということをはつきり申し上げます。なおその他いろいろと御注意をいただきましたことにつきましては、できる限り御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
○淡谷委員 私はこの委員会ではくどいほど質問をいたしました。事態がこうなることが予想されておつた。明らかに、強制収用したままで事後の処置を誤れば、これは地元の漁民が生活に困つて参りますから、さまざまな問題が起つて来ることは目に見えております。このことは手を打つというのだけれども、はつきりした事務的な処置をされなかつたのでこうなつたと思いますが、強制収用だけになおさらやりずらいかもしれない。けれども端的に申しまして、現在あそこで漁業は行われても試射に対しては少しもさしつかえありません。あれをさしとめるような何らの理由も私はないと思う。これは調達庁から、成規な手続をもつてすみやかに現地を調査されて、一日も早くこの漁民たちの生活を圧迫しないように、問題がはつきり解決するまでの暫定的な処置といたしましても、試射に妨害がない限り出漁の自由だけは、他の演習場並にはからつてやつてほしい。しかもその時期を私は見ておりますが、たいてい試射が終つた夜から夜明けまでしか続いておりません。試射はまつ昼間二千五百メートルか三千メートルの小範囲でやつております。危険も何もない。私は現に海上保安庁の巡視艇の艇長に会いまして、一体この状態は危険かと言つたら、何ら出漁に危険じやないからかまわない、たまが来てあぶなければ注意するけれども、これは少しも漁民の生活を圧迫する必要はないという認定があつて、そのまま帰られた。それくらいに漁民の生活の実態を見ておられるのに、石川県の警察のみが、こちらの指示以上に峻厳に袋小路をつくつてまで行き過ぎた行動をしておる。はなはだ遺憾に思う。これが強制収用に当られました外務省は、すみやかにこの善後措置を挺身してやられるように、私は強く要望いたします。以上で私の質問を終ります。
○小滝政府委員 御意向をよく拝承いたしましてできるだけ皆さんの御期待に沿うような措置をとりたいと考えております。
○古屋(貞)委員 この点は二箇月も荏苒ほつておいて今田まで片づかないというところ無理があるわけです。一方においては農民は生活に困るから生きようとするあえぎがある。一方においてこれを警察の方の取締りで弾圧をする。かようなことの原因は、結局政治力の欠如によるものだと思う。この責任は負わなければいけないと思う。ですから、単に漫然として、早く片づけるというようなことでなくして、国民に親心をもつて、至急解決するために万金の努力をしてもらいたい、これについてある程度の期限を切つた見通しがございますならば、それもここで言明していただいて、われわれも安心しておまかせ願えるような処置をとつてもらいたい、これが要望と質問でございます。
○小滝政府委員 期限を切つていつまでに話をつけるということを言明することはできませんが、お互いに歩み寄つてこの問題が円満に解決できるように、これまでも私どもとしては努力を続けて来たのでありますが、皆様の御意向も、何とか現地で話合いをつける、また現地の人たちが経済的にできるだけ少い被害で済むように、向うと話し合うことを趣旨として今御要求があつたと考えますので、その線で、今問題になりました漁業も、演習の行われないときには実施できるような方向に持つて行きたいと考えております。
○田口委員長 白浜仁吉君。
○白浜委員 山中不動産部長にお尋ねいたします。長崎県の三爆撃演習地の補償の問題について申請書が出ておつたと思うのでございますが、その後の経過について一応御報告を受けたいと思います。
○山中(一)政府委員 今の爆撃地と申されましたのは、前の二子島の件だろうと考えるのでございますが、さようでありましようか。
○白浜委員 ジヨージ、フオツクス、ハウ区域の水面の爆撃演習地の問題であるのでありまして、この問題についての取扱いの経過をお尋ねいたしておるのでございます。
○山中(一)政府委員 失礼いたしました。A、B、C地区につきましては、その他の地先の許可漁業、権利漁業と同時に補償したいと思つてわれわれ作業して参つたのでありますが、でき上つた結果が非常に実態と合わないような——これは資料の不備によりまして、現在さらに地元に調査をお願いしておるわけであります。大体鹿児島県その他数県は出て来ておりますが、近く地方庁でその計数がさらにまとまる予定になつております。従いまして、その資料が整いますればこれを審査いたしまして補償を行いたい、こう考えておるわけであります。この点だけについてはなはだ遅れましたことはわれわれとしても遺憾に思つております。
○白浜委員 資料が非常に不備であるということは、この水産関係の資料については私もほぼ想像ができるのでございますが、この問題はいろいろな観点から見て早急に解決してもらわなければならない。なせかと申しますと、今問題になつております内灘問題のように、私どもは大騒ぎをしてこの問題を取上げたいということを考えておるのではございませんけれども、御存じの通り、非常な被害を受けまして、かの三地域に関係する漁民の苦しみは異常なものがあるのでございまして、たびたび私どものところにも陳情のために上京したいという連絡があるのでございますが、御存じの通りの僻陬の地である関係と、また実を申しますと、陳情に上京するほどの金もないという実情でございます。なおこの資料作成の問題でございますが、この問題は、この前法案通過のときにも要望として、本委員会からもつけておつたのでございますが、非常な厖大な金を要して、しかもこの資料がおそらくものすごい部数をつくらなければならない。小さな漁業協同組合においては、そのために何十万の負債を背負つておるという現状にあるのでございます。私どもが日米親善のために、なるべくならばかかる問題を表向きにしたくないというようなことで、がまんにがまんを重ねている実におとなしい日本国民もあるということを、役所では忘れていただきたくない。黙つておるがために乳も飲まされずにおるというようなことで、そういうようなうき目を見るということであつたならば、日米親善を阻害するものはむしろ役所であるということを、極言かもしれないが、私は申し上げたいと思うのであります。今日置かれておりますところの日本国の国際間における立場から見ましても、早急にこの問題を解決していただくよう、私は特に要望をつけておきたいのでございます。 なお先ほど淡谷委員から内灘問題について御質問のありました中に、全然漁業のできない地域はないというふうなことを水産庁長官は申されたのでございますが、先ほど申し上げましたABC地域の三地域については、常時に爆撃演習が行われておる、魚というものは天から降つて来るわけでも何でもないのでございまして、当然そこには卵もあり、稚魚もあるという状態であります。従いましてその地域におきまして、ある一定期間爆撃されるということになると、実質上全然漁業ができないということになるのでございまして、ただ爆撃演習があるからあるいは砲撃があるからその期間だけできないという考え方は成り立たない、これはまことに今日の学問、科学を否定した見方であると私は申し上げたいと思うのでございます。従いまして実情に照してどれほど被害があるかということは、確実な資料をつかむということは、非常にむずかしいということは私も納得するのでございますけれども、当局においてもその点は十分親心を示してもらいたいと考えておるのでございますが、その点につきましていかなるお考えを持つておりますか、お聞かせ願えれば幸いと思います。
○山中(一)政府委員 ただいま御質問でございまするが、漁業全体が非常に実態把握がむずかしいということはお説の通りでございます。われわれも実はこの把握には非常に難渋を来しておるわけであります。しかしながら比較的客観的に見て正しかろうという数字までは、われわれ作業官庁といたしまして把握しなければ、これが支出の根拠ができないというのが、現在のわれわれの実態でございます。これをどの程度の正確度に押えるかということは、ただいまも御指摘のように、被害者の立場もわれわれとしては十分考慮しなくちやなりませんし、また一方国の支出面において、ただつかんで、そうであろう、そうですかというわけにも行かない点があるのであります。特に自由漁業につきましては、いろいろな点からいろいろな漁業形態で入会になつておるような状態の所が多々ありまして、これをどういうように把握するか、現在せつかく資料調査中でございます。 それから次に手続きの煩雑化、これもお説ごもつともだと存じます。われわれといたしましても、被害者の方々に対する補償についてなるべく客観的に簡単につかめる資料が形式上整いますれば、そういうふうに訂正することにやぶさかではないのであります。また現在のわれわれの作業といたしましても、そういう複雑な作業は、実は現在の行政運樹上から行きまして非常に難渋を来しておるわけでありまして、被害者の方から見ましても、行政事務の内部操作から行きましても、できるだけ簡単で正確に、しかも迅速にできる、こういうような方式をどういうふうに把握するか、この点については、せつかく研究したいと存じ、現在研究しつつある状態でございます。補償全体につきましての見解につきましては、われわれといたしましても、米軍の演習によるところの被害が、国全体からいつて救済しなければならぬものは、われわれといたしましてもできるだけその身になつて救済するような補償規定を、順次完備して行くことは痛感しておるところでございまして、この点につきましてもさらに漏れているところは、十分検討したいと考えます。
○白浜委員 ABC地域の鳥島地域の問題でございますが、この問題につきまして、六月富江町の議会から決議によりまして、この地域の被害が非常に大きい、関係漁民の苦しみもさることながら、観光業者も非常な損害を受けておるので、この演習地域の指定から除外をしてもらいたいという陳情書が参つておるのでございますが、当局においてこの中止方の考慮ができぬものかどうか、その点小流政務次官にお伺いをしておきたいと思います。
○小滝政府委員 私どもの方へはまだその陳情書をいただいていないように思います。外務省の方にも出ておるのでございましようか
○白浜委員 私は多分出ているだろうと思うのでございますが、六月二十九日の日付で私の手元にもこの陳情書が参つておるのでございまして、御調査いただきますれば、この書類は多分あると思いますので、何分の善処方をお願いしたいと思います。
○小滝政府委員 帰りましてさつそく調べまして、速急に何とか研究いたしまして善処いたしたいと思います。
○山中(日)委員 大分時間もおそくなりましてはなはだ恐縮でございますけれども、いろいろ接収地の問題が出ましたので、日高門別の接収地に関しまして簡単に一、二点お尋ねをいたしたいと思います。御承知の通り日高門別は、昭和二十六年の占領期間中に、高射砲の陣地と飛行場ということで、陸上七十三町歩が接収せられまして、水面におきましてはシノダイ岬から約一万七、八千ヤード水面が接収せられたのであります。この接収に対しましては、地元の町村その他も非常に不満ではございましたけれども、一応納得いたしまして今日に来ておるわけでございます。ところが今年の七月十四日付で、外務省の告示として、シノダイ岬から従来の水面一万七、八千ヤードのこの地域を二万ヤードに拡張したのであります。そのことはちようど先月の二十日ごろに私水産庁に参りまして、初めてそれを承知いたしたのであります。その際門別町長も今度の拡大の問題で陳情に参つておりまして、その水面が二方ヤードに拡張されたことは全然知らなかつたらしいのでございます。そこでお尋ねしたいことは、今年の七月十四日付で、従来の一万七、八千ヤードを二万ヤードに拡張したそのことについては、地元はだれも知らない、こういうことになつておるのですが、これは一体どういう手続でそういうふうに拡大されたものか、まずその点をお伺いしたいと思います。
○小滝政府委員 二万ヤードに拡張したということは、実は今手元に資料を持つておりませんので、帰つて調べて見ないと私何とも申し上げられません。しかし今まで私らの方で調べま、たところでは、七月十四日というと最近のことでございますが、ちよつと了解しがたいので、後ほど調べてお知らせいたします。
○山中(日)委員 まだその点お調べでなかつたとすればそれでよろしいのですけれども、とにかくお尋ねしたいのは、そういうふうに拡張するというふうな話があつたときには、一体どういうふうに地元との交渉とかが行われるのか。全然そういう地元との交渉なくしてそういうことがやれるのかどうかそこをひとつお聞きしたい。
○小滝政府委員 そういうときには、調達庁とか、あるいは問題によつては農林省とかと連絡いたしまして、現地と話合いをしてやるのでありまして、唐突の間にそういうことをすることはないはずであります。
○山中(日)委員 これは重大な問題だと思います。私は先ほど一万七千ヤードと申しましたが、これは一万二千ヤードの誤りでありますけれども、水産庁に参りましたところ、図面がちやんとできておりまして従来の一万二千ヤードが二万ヤードに拡張されました。そこに別の色ですつかり地図に書かれておりまして、しかも今度二方ヤードに拡張したについては、従来の一万二千ヤードのときよりも漁民に対しては条件が非常によろしくなつた。つまり、従来だと、演習期間が漁民にとつて非常に不利であつたけれども、今度の二万ヤードに拡張したことについては、漁民に対しては演習期間をずらすとか、あるいは演習の一日中の時間を按配するとかといつたようなことで、多少従来の条件よりも緩和したのだが、とにかく今度は二万ヤードに拡張になつた。それは一体どういう根拠でそういうふうになつたかと聞きましたところが、こういうふうに外務省から告示が出ている。いつの日付かというと、七月十四日の日付になつている。それを門別町長が見て非常に驚き、またそこにちようど門別町の人がおつて非常に驚いた、そういう事態になつておるので、それを十分お調べ願いたい。 それからもう一点は、今度はさらに同じ門別町で、三千五百町歩をさらに出せというアメリカ側の要求に対して、地元民としては非常に反対しておるわけであります。従来の七十三町歩並びにシノダイ岬の沖の一万二千ヤードでも、地元としては非常に苦痛であつたわけでありますが、今度はさらに陸上を三千五百町歩に拡大する、しかもそれはすべて農耕地であります。そういう土地を全部接収せられますと、もう門別町はほとんど生産の三分の一を失つてしまうというようなことで、地元漁民及び農民は非常に反対しておるわけでありますが、この問題につきましてどういうふうにお考えになつておりますか。それから同時に今日までの取扱い処置、交渉の経過等についてもお尋ねしたいと思います。
○小滝政府委員 先方からの要求のあつたことは事実でありまするが、これは全然未決定でありまして、これまでもいろいろと陳情も受けおりますし、現地の意向も承つておりますので、考慮中であります。従いましてまだ向うとはつきりした話合いはしておらないわけであります。向うからの要求は出たわけだけれども、こちらの方では、相当影響も大きいようでありますので、どういうように持つて行くかを研究中であるという状態であります。
○川村委員 御承知の通り、今度の国会で水産問題が相当出ておりましたが、国内的に処理できる問題は結論が出たのでございます。残された問題は、公海漁業の問題と、さらに駐留軍の演習地の問題、いわゆる接収の問題、補償の問題等であります。公海漁業の問題については、時間があればゆつくり質問いたしたいと思いましたが、きよう一日の会期でありますので、本委員会の決議として出し、政府当局もそのように取運べば大体解決がつくのではないかと思います。残るは演習地の補償の問題と接収の問題でございますが、特に内灘の問題等については、相当長い期間論議されたのでございますけれども、漁業に関する限りはまだ解決がついていない、私はかように解釈しております。そこで先ほどからいろいろ聞いてみますと、何かしら腹に含みがあつて、いわゆるはつきりした答弁ができないし、質問する方はそれを追究して行くというふうな状態で、それでもまだ解決はつかないような状態でございます。そこでこういう大きな問題については、政府は進んで、水産委員会の中のよく公平に取扱われる委員を、あるいは外務委員会からも委員を、その他そういうふうな関係のある委員会からもそれぞれ調査官を派遣して、漁業は漁業でよく調査して結論を出せば、これは結論がつく問題だと思つております。私、図面で先ほど説明を受けましたが、あそこで率直に言うと、漁業の地びき網のごときは、ある一定の期間は演習には何らさしつかえないのだという結論がどうしても私には考えられます。そこで、途中権現の森から浜まで行く道路を通過するから云々ということでしたが、ただ通過するだけならば、演習していなければさしつかえないのでございましようけれども、それがために乱雑な通過をするとか、そのことを取上げるために、いろいろな外部からの大きな刺激を与えて、そうして演習を妨害するとかいうようなことでかなり困らせる事態が来る、だから容易にこの結論を出せないというようなことに私は考えたのでございます。そこで内灘の問題については、でき得るならばわれわれも、休会中に個人的にでも行つてよく調査をしてみたいと考えておりますが、実は、この内灘の問題よりもずつと以前に私の方でも演習地になつているところがありまして、海の関係もありましたし、それから駒ケ岳山麓の問題等もありましたが、やはり地元民とよく話し合うというと解決がつくのであります。そこで今日では、政党関係もあるし、いろいろ聞いてみると、政治的な圧迫云々とかいうようなこともございますが、水産委員会に限つては超党派的に運営しておりますので、この水産委員会から、つまり各政党から超党派的に行かれると必ず容易に結論が見出されると思つております。政務次官からそれを聞くと、この点についてはいろいろと解決に努力する、そうしてごく最近においてその結論を出したいというような御答弁がありましたから、さしつかえのない限り、一日も早く漁業をさせたらいいのではないかと、かように私は考えております。そのこととは、地域は別個でございますが、内灘の問題一つでも相当あなた方が苦労されたことは事実だと存じますが、しかしこれもやむを得ません。いわゆる行政協定によつてさようなことが許してある以上は、駐留軍がかなりそれを要求するということは私も考えております。しかしながら、こういう大きな問題を常に起して——先ほど白濱君からも言われたように、政府も信頼している人たちがたくさんざごいます。また親米思想を持つている人たちもたくさんございます。しかしこうしたことをたびたび繰返せば、単に思想が悪化するだけで、日本の国の安定などは、考えてはおつてもだんだん破壊されるような憂いもないのではないので、問題を早く解決させるためには相当の努力を要するのでございますが、ただこれから新しく演習のために接収するところは差控えてもらいたいというのが私の希望の一点でございます。 そこで私の郷土の大島の艦砲射撃の問題でございますが、これらにつきましても、われわれはとことんまで反対するという意思表示をしまして、水産委員会におきましても、伊関協力局長や、その他外務大臣にも、あるいは農林大臣にも、それぞれ質問もし要望をしておきましたが、内灘問題一つをここで取上げてみましてもかような大きな問題になるのでありますから、さらに次々と新しい接収地や演習地の問題が起きた場合においては、いつでもこういうことを繰返さなければならないということを私は考えまするがゆえに、でき得るならば、新しい今後の演習地等は避けてもらいたい。特に大島は、無人島であるから艦砲射撃しても大した影響がないというような考えを持つておられるということでありまするが、これは大きな間違いでございまして、図面でごらんになつてもわかるように、大島を中心として、小島あるいは奥尻、あの方面の漁業というものは、ひとり北海道だけが利用しておるのじやない、また地元の松前地方だけが利用しておるのじやありません。青森県も秋田県も山形県も新潟県も富山県も石川県も、漁業の形は違いまするけれども、あの漁場を中心として生活を営んでおる漁民はたくさんございます。もしあすこの大島を艦砲射撃したならば、島は破壊されるばかりでなく、あの周辺の漁場を荒され、さらにこの回遊魚の回遊に変化を来すといたしますならば、地元は申すにも及ばず、関係府県の漁民が非常に困るということになりますから、かえつて内灘の問題より火が大きく広がるのではないかということを私は考えておりますので、でき得るならば、大島は現在はまだ決定しておりませんので、この大島の艦砲射撃はとりやめていただきたいというのが私の念願でありまするし、この点につきましては政務次官はどういうふうに考えておられるか、また政府はどのように取上げておられるか、この点をお伺いしたいと思います。
○小滝政府委員 まず最初の内灘のお話でございますが、もし水産委員会あたりで御協力願うことができれば、われわれとしては非常に幸いと存じます。地元民とよく話合いをしなければならないということを私どもも常に痛感をいたしまして、そのように努めたつもりでございますけれども、だんだん政治問題化したと申しましようか、根本的にあらゆることに対して反対を表明せられるということになりましたために、先ほども率直に淡谷委員に申し上げましたように、何とか地びき網くらいはできるように話合いが、あるいは一生懸命やればつくかもわからないけれども、何でも攻撃される、せつかくその話をしても根本からくつがえすというような議論が出て来たら、せつかくやりかけても跡始末に困るというような関係もありまして、現地で非常にいきり立つておられるために、それがかえつてこの問題の解決をおそくしたという事情もあることも御承知願いたいと存じますが、しかし今せつかく川村委員もおつしやいますように、われわれ普通に考えてみて、それほど大きな被害もないじやないか。砲弾がそれて来て問題を起したらたいへんなことになるというような議論も一面にはありますけれども、水産委員の方がそういうようなお考えであるならば、ぜひそうした意向も体して向うと話合いもして、できるだけ円満にできるだけ早く解決したいというように考えておる次第であります。 それから大島の問題につきまして、一般的にいつて新しく接収するものは差控えさすようにしたらよろしくないかというお説でありますが、まことにごもつともでありまして、私どももできるだけ新しく接収されるような場所が出て来ないように、向うへも現在の日本の内地の事情を申しまして、いろいろこれがひいて反米的な運動にも展開するというような点を申しまして、注意をいたしておる次第であります。しかしこれまですでに申出があつた所で解決していないものが相当残つているわけであります。先方としては、新しいものはできるだけとらない。しかしこれまで要求しているものについて何とかはつきりした態度をきめて決定をしてもらいたいということをしきりに要求して来ている次第でありまして、これを何とか解決しなければならぬ行政協定の義務、そうして日本内地の経済状態、各現地の御意向というものの間にはさまりまして、私ども苦慮している次第であります。直接御関係の大島につきましては、なるほど大島は無人島であつても、これが水産に対していかなる影響を及ぼすか、この点が先ほど調達庁側からもお話がありましたが、非常に調査困難な問題でありまして、どの程度に測定すべきものかその点もわかりませんので、今せつかく調査を進めておりますけれども、その結果によつて、どの道合同委員会にでもかけて向うと話をしなければならないだろうと考えます。でき得れば適当な資料を提示いたしまして、水産界に非常な影響を与えるおそれのある大島の接収というものは、とりやめてもらいたいというように考えておりますが、現在のところ資料もまだ整つておらないので、話合いの段階には至つておりません。しかしできるだけ水産に影響のないように、この接収問題を解決して行きたい、こう考えている次第でございます。
○川村委員 今御調査を進めておるということでございますが、実は運輸委員会が海上保安庁の船で、大島、小島、奥尻周辺を運輸の関係で調査をするということになつておるのであります。そこでちようどその話を承りましたから、運輸委員会に申入れをして、私も海上保安庁の船に便乗をさせることを許されたのでありますが、でき得ればあなたの方からも水産庁からも乗船せられて、双方で調査をしますれば、結論を出すのにたいへん都合がいいんじやないか。ちようどあの海だけで一日の日程になつておりますので、大島に対する結論を出すのに相当都合のいい資料ができるんじやないかと考えますから、どうかこの点をあなたの方で御配慮願いたいと思います。大体日程は二十四、五日になると思つております。ですから先ほども言うように、あなたの方からも、それから特別調達庁の方からも、水産庁の方からも、私は個人的参りますが、演習地の問題がありますので、特にその船に乗つてあの辺を調査することになつております。そのおとりはからいを長官にも政務次官にもお願いをしておきます。
○小滝政府委員 まことにごもつともなお話でございますので、さつそく外務省へ帰りまして、できるだけ御期待に沿うように係官でも派遣するようにしたいと考えます。
○田口委員長 本日は以上をもつて散会いたします。 午後三時四十八分散会