水産委員会 第19号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/28
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 加工水産物の輸出振興に関する法律案並びに公海漁業及び水産貿易に関する件を一括議題といたしまして質疑に入ります。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 きようの議題は公海漁業と貿易という非常に大きな問題を審議したい、こういうことでもう数日前からこれを申入れをいたしてあります。そうしてこの問題を審議するにあたつて、御答弁をお願いする政府委員は外務省、農林大臣、水産庁長官及び各関係の部課長をお願いしておつたのであります。どういうわけで御出席になりませんか、お伺いしたい。
○田口委員長 農林大臣は今参議院の予算委員会に出席をしておりまして、外務省とは今連絡しております。すぐ出席するという返事でございますが、まだ出席がないのであります。
○夏堀委員 こういう重大な問題を審議するときに、もう十一時十五分であります。午前の時間は幾らもありません。何かしら水産委員会はなめられておるような気分がするのですが、委員長そうお考えになりませんか。これはきのう申し込んだんじやなく、もう数日前から申し込んでいるのに、いまだに御出席にならぬということはどういうことであるか。もしきよう中に御出席がなかつたならば、これは委員長から何か書面なり口頭なりで、官房長官の手を経て御要求になることを要請したいと思います。 私数日前から申し上げたいと存じておりますことは、いわゆる公海漁業と貿易、これに関係する水産加工の議員提案の面も関連事項として質問いたします。 公海漁業と貿易、これは日本経済自立のために非常に大きな問題であつて、この問題がどうにか運営よろしきを得て、軌道に乗ることができましたならば、日本の経済の自立が達成される、こう私は考えておるのであります。そうした意味で、この運営よろしきを得るように、政府当局との間に懇談と申し上げるよりも、私の意見を申し上げて、政府がどの程度考えておるか、これをまずお伺いしたいと考えるものであります。 そこで原則的に私の考えを申し上げますと、敗戦日本は食糧に困り、人口が過剰となり、大きな問題を解決しなければなりませんが、世界全体として人口と食糧生産ということのアンバランスの解決策はどこにあるか。これは私の意見としては、公海漁業の開発によつてこの問題を解決づけることが、特に日本の貧乏国としては貿易の振興となり、食糧生産となり、失業救済となる。この一挙三億という問題を取上げて審議することは、当委員会としてはまことによろしいことと存じておりますので、ここに若干の意見を加えて政府に質疑を行いたいと存ずるのでございます。 そこでまず、公海漁業の開発は公共の福祉に役立つものであると私は考えております。むしろ公共の福祉に役立つという表現よりも、公共の福祉のために公海漁業の開発は妥当である、こう考えておりますが、これに対する政府のお考えをまずお伺いしたいと思うのであります。
○清井政府委員 ただいま公海漁業が公共の福祉に役立つものであると思うがどうかという御質問でありますが、当初夏堀委員の御説明にもありました通り、わが国における水産資源、特に遠洋漁業の開発が、貿易の面から申しましても、あるいはわが国における蛋白食糧資源の供給という面から申しましても、あるいはまたいわゆる就労の安定と申しますか、そういう面から申しましても、いろいろな面から見まして非常に重要な産業であることは申すまでもないことでありまして、まつたくこれは夏堀委員のお話と同意見であります。公海漁業が公共の福祉に貢献するということは、これまたまつたくその通りでありまして、私どもも常々遠洋漁業の発展ということを考えております。ことに昨年春以来、講和発効後いわゆる漁業の公海における制限が解除されましてから一いろいろの方途を講じまして公海へ、遠洋へと漁業の進展をはかつて参つて来ておることは御承知の通りであります。過般御審議願いましたところの以西及びかつお、まぐろの特例に関する法律にこの趣旨の一端を現わしておるものと考えておるのであります。今後漁船の建造あるいは融資その他各般の施設を、遠洋漁業の進出について努めて参らなければならぬと思つておるのであります。しかしながら御承知の通り公海漁業、遠洋漁業でありまする以上、これはいわゆる資源の保持と、資源の開発ということをあわせ考えて参らなければならないことは当然でありまして、またそれと同時に、国際関係との規律ある調整ということをもあわせ考えて参らなければならぬのでありまして、いわゆる国際関係の勘案と資源の開発と保護という面から考えまして、規律ある行動をとつて、遠洋漁業の進出をはからなければならぬというふうに考えておる次第であります。
○夏堀委員 たいへんりつぱな御答弁にあずかりました。この公海漁業という、日本の漁業の活動範囲を、私は北洋から東太平洋及び濠州の沖合、インド洋あるいはアフリカ方面までの海区を、日本漁業者の手において開発し得る範囲と考えておりまするが、その通りと考えてよろしゆうございますか。
○清井政府委員 ただいまのお話のことでございますが、ただいま私が申し上げました趣旨のもとに、またその方針のもとに公海漁業を十分に発展をいたします限りにおきましては、北は北洋より南はアラフラ海等、北より南へかけまして公海において厳重なる規制のもとに自由に漁業の発展を期して参らなければならぬ、こう考えております。
○夏堀委員 ただいまの御答弁のうちに、公海漁業は日本の経済自立のために、いわゆる公共の福祉のために非常に役立つという意見は一致したのであります。そこでこの公共の福祉ということは非常に大きな問題であつて、しかもこれは日本国民だけの問題ではなくして、世界人類の福祉のためにかく考えなければならぬという御点から、これまた申し述べるのでありますから、さよう御了承願いたいのであります。 そこで水産庁——これは水産庁というよりも農林省と申しましようか、何かしらこの公海漁業に対しての、いわゆる許可制度と申しますか、こういう点は、どちらかといえば世界に例がない行政面を展開しておる。世界にこれほど公海に対してやかましい許可制度をしいて、あれもやつちやならぬ、かくすべからず、こういうような考え方を持つておる行政面はあまり聞いたことはございません。しかし日本は人口がこの通り過剰でありますので、そういう方面で取締らなければならない、こういう意見も当然でありましよう。けれどもここに、公海とはいわゆる世界の海であつて、国際漁場であります。国際漁業に対して日本政府のみが何か許可制度において強くこれを発動して、公共の福祉の線に沿うようなことができない線まで追いやるということは、妥当ではないではないか、こう私は考えております。御答弁のうちに資源の問題も申されたのであります。それは同感であります。これは平和条約にもちやんと明記しております。ただこの広汎な海区を、資源の調整をとるといつたところで、まだ国際条約が結ばれておりませんので、これは当分の間この見通しはつかぬじやないかとも考えるのでありまするが、また急いでやる必要もないじやないか、こう考えるのであります。これは国際漁業である限り、日本政府の出漁許可制度によつてのみ縛つたところで、公海を利用しようとする国々があつた際にはさしとめる方法はできないであろうと思うのであります。こういう大きい面からいつて、公共の福祉は世界人類の福祉であるとともに、日本経済の自立に役立つのであつたならば、政府がこれに対して、一片の省令によつて許可制度の面を非常に制約するということは、はたして妥当であるかどうか、これはいわゆる法律ではなく、農林大臣が省令によつて加減するということになつていると思います。その省令の線に進んで行くことが、少し行き過ぎの面があるのではないかと考えるのでありますが、こういう方面に対する御意見を拝聴したいと思います。
○清井政府委員 公海漁業の法的規制につきましては、先ほど夏堀委員のお話にもありましたし、私も御説明申し上げましたので尽きるのでございますが、要するに公海漁業の規制と申しますのは、国際関係との調整と、水産資源の開発と維持ということが眼目でございまして、なおそのほかに、主として国内的関係等より漁獲物の流通価格、あるいはその他一般的な状況をも勘案して措置しなければならぬものと考えておるのであります。従つて漁業法に基きまして、ただいま各種の遠洋漁業につきまして、それぞれ規則を制定、取締りをいたしているのでございますが、これは単なる取締りという意味ではございませんので、ただいま申し上げましたような趣旨から必要なる規制をいたしていると私どもは考えているのであります。単に取締りのみを目的といたしているのではなく、国際関係並びに資源との関係、あるいは生産物の流通価格の関係等、種々にらみ合せて必要なる規制を行つているのでありまして、私どもといたしましては、何らこの措置につきまして行き過ぎた措置であるとかあるいは必要以上のじやまをしておるということではなくて、今後も国際漁業の発展につきましては、この漁業の進展並びに四囲の状況、あるいは当該漁業の実態等に即応して適切に処置をとつて参らなければならぬと考えております。
○夏堀委員 この問題は非常に大きな問題ありますので、外務省からの出席を待つてまた質問をいたしたいと存じます。国際関係が、公海に対して日本の進出をもし妨げるようなことを考えるのであつたならばゆゆしき問題であつて、資源のない、人口の過剰である敗戦国日本に対して、何かしら非人道的なあり方をもし国際関係において考えるどこかの国があつたならば、ゆゆしき問題であると思うのであります。 そこで、これも外務省の方がお見えになつてからお伺いしたいと思うのでございますけれども、たとえば拿捕船に対する——これは日本ばかりではないのであつて、拿捕船はアメリカでも南米の沖合で拿捕されている船もありますので、こういう場合には、結局国際司法裁判所とか、あるいは国連とか、外交手段によらずして、そういう機関に諮つてこの解決策を講じて行くということを考えたいと思うのであります。どこまでも国際的に持つて行く場合、それは国際法によつて解決をつけなければならぬということは、当然であろうと思いますけれども、ちようど今外務省からお見えになりましたから、伺いたいと思いますが、まず政府委員のお名前を伺いたいと思います。
○田口委員長 政府側出席者は外務省条約局長下田政府委員、通産省農水産課長森説明員、大蔵省銀行局長特殊金融課長谷井説明員、水産庁協同組合課長中里説明員、生産部長永野説明員、水産課長藤波説明員、海洋第一課長大戸説明員、議員佐竹新市君であります。質疑を継続願います。
○夏堀委員 外務省からの御出席がおそいので、質疑を行つておりましたが、私のきようの質疑の問題は公海漁業と貿易ということであります。そこで今、公海漁業は日本民族の公共の福祉のためにこれを開発しなければならないという点については、これは水産庁長官との質疑応答のうちに意見の一致を見たのであります。ただこの中に国際的に云々という面があり、これはたしか資源の保護の面を考えての御答弁であると思います。 それでまずお伺いしたいことは、外務省で公海という原則をどの程度考えておるか。そうして資源のない日本が公海にたよらなければならぬという現状から見て、どのようなお考えをもつてこの公海漁業の結末をつけなければならぬということをお考えになつておるか。これは現在行われておることであれば、国際関係等において、あるいはまた将来かくなることだろうという予想がありますならば、これもあわせて御説明を願いたいと存じます。
○下田政府委員 御承知のように、公海というものは国際法上自由ということになつております。公海の自由とは、公海を航行することの自由と、いま一つは公海に産する海産物採取の自由という二つの自由がありまするが、ただいま問題になつておりまするのは、後の海産物の採取の自由だろうと存じます。お説の通り、日本のように国土狭小な人口の多い国につきましては、この自由な公海の資源を開発利用いたしまして、国民の生活向上に資するということは最も重大な利益を感じておる点でございます。ただしかしながら、この公海の自由はやはり無制限な自由であると申すわけには参らないのでありまして、海産物の採取にいたしましても、自由だからといつて世界の各国が無制限にとります場合には資源枯渇を来しまして、結局は各国の利益に合致しないという点を来すのも事実でございまして、これがために関係国の間で、合意に基きまして、公海といえどもその上において漁業その他の事業をいたしますについて、一定の規制を行うということがございます。でございますから、関係国間の条約に基いて特別の規制をいたさない限りは、先ほど申しましたように公海の自由というものがあると観念いたしております。
○夏堀委員 平和条約の九条でありましたかに漁業条約についての条項が明記してありまするので、それはその通りでございましよう。私は公海の範囲を先ほども申し上げましたが、北洋から東太平洋、インド洋及び濠州の沖合い、あるいはアフリカの沖合いまでをもつて、日本の漁業を行い得る一つの公海漁業としての発展範囲であろうと考えております。しからばそういう広範囲にわたつていの海区で、資源の関係をまだ調査さえできておらぬ海区がたくさんあるだろうと思う。よつて諸外国は——これは北洋も同様でありますけれども、特にまぐろについては、太平洋の方はアメリカはある程度関心を持つておりましようけれども、インド洋とか、あるいはもつと遠方の方は日本の漁業調査さえ進んでおらぬのだから、国際間において他国から何か規制されるような情勢になつておれば、それはどの海区であるかということを御明示を願いたいのであります。その資源の問題について何か国際的に問題になりそうな点があつたならば、それはどの海区であるか。
○下田政府委員 公海であればどこに参りましてもいいわけでありますが、現実問題として問題となつておりますのは、ただいま交渉をいたしております濠州のアラフラ海の真珠の採取、それから中共との関係で始終漁船の拿捕等の問題を生じております東支那海、フィリピンとはあまり問題は起りませんが、例のスペインからアメリカがフィリピンを譲渡されましたときに、本来は島の帰属を定めておるべきはずの線、その線の中がフィリピンの領海だという誤まれる主張のもとにこれも問題になる海区だろうと思います。その当否は別といたしまして、問題があるという点では問題があると思います。それ以外は平和条約で各国から漁業協定の締結を申し出て来たら日本は応じなければならぬという規定がございますが、さしあたりのところ大した問題を起している海区はないと存じます。
○夏堀委員 今申されました海区はその通りでありますが、これはほとんど戦争状態になつておりますのでこれはやむを得ないことでありますけれども、そのほかの海区はそういう国際関係はあまり厳しいことはない、こう解釈してよろしいだろうか。
○下田政府委員 これは事実の問題でありまして、たとえばイギリスとノールウエーの間で非常に問題になつておりますノールウエーの沖の漁業、ああいうところまで行けば問題を起すことは必定だと思いますが、そんなところまで行つて漁業をすることは、ぺーしないから行かないだけのことでありまして、事実日本が行かないから問題はないが、もし行けば問題が起る海区というものは世界にたくさんあると思います。
○夏堀委員 今お述べになりましたノールゥエーとか、イギリスとかいう方面に行くおそれもありませんが、私の申すことはインド洋とか、濠州のずつと沖合いとか、そういう方面、特に北洋漁業の面について私は少々お伺いしたいと思いますが、日米加漁業協定、これは大西洋の漁業協定と比較して、何かしら片務的な協定であるかのような批判も若干あるようであります。しかしこれも批准されたことでありますから、いまさらこれを論議したところで追つつかないことで、ただ私は、この北洋漁業ということに対しては、世界監視のうちに日本漁民の手を経て開発しなければならず、しかもそれは日本経済に非常に役立つことである。こういう面からも、できるならば北洋漁業の面を明確にする機会を持ちたいと存じておる一員であります。そこで北洋漁業は、昨年の許可区域を本年はやや拡張して、カムチャッカ沿岸から四十マイル程度まで拡張されたそうであります。そうであれば、これを別に今の外交の方法によつて御相談になつたことはないでありましよう。日本政府の自由の見解において、これを許可されたことと私は存じております。昨年は私は北洋の問題にも関係しておりましたので、しばしば水産庁の方にもお伺いして意見を述べ、また水産庁の御意向をお伺いする機会があつたのでありますけれども、本年は私は関係を持ちません。ただ沖合から漏れて来る情報を聞きますと、これはあまり大きな問題ではございませんが、母船の現在操業しつつある海区は、昨年はその距離は三十マイルであつたが、本年は五十マイルまで遠ざけられた。そのために、漁業者があまりに酷使されて、ほとんど眠るひまもないし、操業の能率が非常に低下して、地獄のような苦しい思いをして操業しておるということも聞いておりますが、何のためにそういうことをしなければならぬのか。あの北洋まで働く漁民を追いやつて、そうして母船に帰ることを日帰りにせよという御指示を受けておつて、その日帰りの時間と、操業時間と、船に魚を揚げる時間を計算いたしますと、二十四時間以上になるということだそうであります。そうするとその余つた時間はどこかで調整しなければなりません。そのために操業時間を切り詰めるということになるだろうと思います。それを必ず日帰りをせよ、しかしお前は近い所におつてはならぬ、五十マイル先に行けよということでは、何か悪いことをすれば地獄へ行くということも聞いておりますが、漁業者に対して非常に痛めつけるような命令を出し、能率を低下させなければならぬという理由がどこにあるか。特に私が申し上げたいことは、先ほど申し述べた公海漁業が、公共の福祉のために日本が絶対に行わなければならぬという原則が成立つことであつたならば、その許可の区域及び隻数、操業の関係等は、水産庁には専門家がたくさんおりますけれども、国民の代表として当水産委員会がこの問題を取上げて審議することは、決して悪いことではもいだろう。国民代表なるがゆえに、国民の利益を守らなければならぬ立場において、これは当然のことだろう。漁民の耐えがたい労苦に対して、命令的にかくせよということは、一体どういうわけであるかということを、お伺いする次第であります。一片の省令によつて、水産庁は半ば命令的にすべての行動を起すということの一端に当るものではないだろうかと考えるものであります。あまりりくつになりますと、私はぐあいが悪いのでありますが、こういう例を引いて当るかどがわからぬし。少し行き過ぎたやり方は考え直せばどうもないだろうと思いますけれども、漁業法にも何か懇意的に決定してはならぬという条項もあるようであります。つまり独断的に決定してはならないという条項があるようであります。また憲法の第三章、国民の権利及び義務の章の第十三条には「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」ということを明記しております。こういうここから考えて、私は水産委員会において、いわゆる国政の上において最大の尊重を必要とする条項によつて、働く漁民にあまりにも苛酷な労働をしい、そうして生産能率の低下を、われ関せずとして出先官憲の単独な命令によつで、非常に生産を阻害しておるという点があつたならば、これは一体どういうことであるか、こういうことをお伺いしたいのであります。憲法の第二十二条には「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」ということもあります。この問題を律する上において、あまり極端に考えるなというおしかりの言葉があるかもしれませんが、公海の自由、漁業の自由の面を、水産庁の出先官憲のただ一人々々の人の意見によつてこれを拘束し、生産をはばむということは、憲法違反ではないかということまでも、私には感じられるのであります。これは憲法違反であるが、水産庁の御熱心に御努力していらつしやる皆さん方に反撃的に申し上げるのではなくて、民主的な最高権威としての国会において、憲法の第十三条によつて国政の上で最大の尊重を必要とするという点から、私はこの議論を進めておるのでありますから、もしそういうことがあつたならば、これに対して、水産長官はどういう理由で現地の取締り官吏に対して御命令になつておるのか。あるいは現地の官吏が水産長官を抜きにして、非常に働く漁民に苛酷な労働をしい、しかも生産能力を非常にはばんでおるということが、一体どういうところから割り出されるものであるかということを、お伺いしたいのであります。
○清井政府委員 ただいま北洋漁業に現に従事しております漁業の実態についての御質問があつたのであります。特にその中でも、漁区の拡張に伴にます母船の位置についての御質問がその中心であつたように、私は拝承させていただいたのであります。この問題につきましては、すでに、御承知の通り、まず漁区の拡張について、カムチヤツカより七十海里離れておりました従前の漁区をさらに沿岸に近づけよという意味において、関係の方々からの非常に熱心なお話を承つて来たのであります。私どもは北洋漁業の特殊性、特にソ連に近よつて操業いたすというような関係等をも考えまして、操業区域をソ連の地域に近づけるということにつきましては、相当慎重な考慮を払う必要があるというふうに考えておつたのであります。すでにきまつておりましたものが七十海里でありますが、それを少しでも接岸をする問題につきましては、ただいま私が申し上げたような、国際関係並どに漁業の実態を勘案いたしまして、できることなら何とかしたいということで、前々から実は部内で考慮を払つておつたのであります。その後漁業の実態を勘案し、あるいは私どもといたしましては、いろいろな点をあわせつけ加えまして考えました結果、御陳情の趣旨に沿いまして、ただいまは七十海里のうち、三十海里だけ近づけまして、四十海里ただいま離れておるというふうに、操業区域をカムチヤツカ沿岸に接岸をいたしたのであります。しかるところ、せつかく漁業区域は三十海里広がつたが、母船がなお五十海里離れておるところまでしか行かれないということでは、母船と独航船との距離が離れ過ぎて、母船と独航船との連絡が不十分であり、ひいては漁獲物に影響し、漁業労働者にも悪影響を与える、こういう御趣旨の御質問でありますが、私どもは三十海里接岸するにつきましても、各方面の意見を徴するとともに、現場で漁業に従事しておりますところの各船団の方々、並びに漁業従事者の方々、並びに現場に出ております監視船に乗船しております水産庁の監督官の意見をも十分聞きました結果、慎重考慮の上、三十海里接岸を断行いたしたのであります。ところが今度初めてそのことを断行いたしたのでありますが、何しろカムチヤツカの沿岸に面することでもありますし、国際関係等も十分考慮いたしまして、慎重な措置をとることが必要であるという考え方は基本的に持つておるのでありますから、母船の距離もやはり沿岸に接岸させる方向をとりますれば、勢い独航船も知らず知らずに所定の線を越えて出漁するということもあり得るというような心配等も考えました結果、ただいまお話のごとくに五十海里ということにいたしたのであります。これはむろん現地の監督官が恣意的にやつておるのではございません。私どもが母船式漁業の取締規則に基きますところの漁区の条件制限を変更したのでありますから、私は漁業法並びに取締規則に基く適法な措置と考えておるのであります。ただいま憲法の問題等がございましたが、私どもはそういうことは全然関係のない、取締規則に基くところの適正なる措置であると考えておるのであります。私どもといたしましても、むろんその問題につきましてはいろいろお話を承つております。しかし私どもはやはり現地で出漁しておりますところの人の意見、並びに現地で監督に当つておりますところの私どもの職員の意見を、やはり相当勘案をしてきめなければならぬものというように考えておるのであります。ただいま密接な連絡をとりまして、現地の監督官のこれに関する意見を徴しておりますけれども、監督官の意見は、現状から考えまして、五十海軍離れて位置させましたところの母船の位置をさらにかえるという結論には、残念ながら達しておりません。いま少し状況を見なければ御希望の意に沿うことはできないと思つて、私は関係の方々にお話しておるような状況であります。ただその間に業者の方が、魚を一度揚げて母船に持つて行くために、相当時間がかかる。従つて操業度が相当苛酷になるということのお話も承つたのであります。この点は私どもといたしましても、この程度の距離でありますれば、さほどの影響はないものと実は判断を下してやつたのであります。むろん個々の船によりましては、能率の悪い船につきましては、船の速力等の関係から、一部そういうこともあるかもしれません。しかし私どもは大局から観察いたしまして、この程度の距離を置くことが、最初にやつたところのカムチヤツカ接岸の措置であるから、もう少し慎重にやるべきであろう。従つて漁業者に対する影響も、まずこの程度のものならやむを得ないものであろうということの判断で、実はいたしたのであります。今後もなお私どもといたしましては、現地の監督官並びに現地に出漁されておる方々の御意見等も十分勘案いたしまして、適切に措置をしなければならぬものと考えておりますが、今ただちにこの問題についてどうこうという考えは決定いたしておらないような状況でございます。
○夏堀委員 先ほど申し上げたように、私は北洋漁業の問題に関係いたしておりません。しかし現地からの情報によりますと、そのような苛酷な労働をしいられるというよりも、みずからその生産意欲に燃えて働いておるその人方にも、労働に対してはおのずから限度がある。今十分に考慮しようとおつしやいましたけれども、ここに例を申し上げますと、網を入れる時間は午後五時から六時、網を上げる時間は午前二時から四時、母船に運ぶには大体五時間、そうしてまたいろいろ仕込みの時間も一時間かかる、そうして漁場の調査にやや一時間くらいかかるんだ、予備の時間を三十分くらい見て、この時間は二十四時間以上になつております。すべてのこうした面を考慮に入れて御決定になつたことであれば、現地の事情とは水産庁長官は大分違つたお考えを持つて御処理になつたことと存じております。時間もありませんので、この点はまたあとでゆつくりと懇談のときにしたいと存じております。 そこで外務省にお伺いたします。ソ連の領海は、私の調査によりますと沿岸から十二海里ということに聞いております。それ以上は公海であるから、たとえば二十海里、三十海里の所に行つた場合に、公海の漁業に従事しておる日本の漁業者を拿捕するという点があつたならば、これはまだ戦争状態にあるからにいうことを考えて拿捕するという解釈が当るのであるかどうか、まだ平和条約を結んでおりませんので、あるいはそういう考えもりくつの上においては言われるかもしれません。しかし言葉は攻勢という言葉を使つておりますけれども、これは平和攻勢で、日本の漁業者に対しては、十二海里以上の所に来てはならぬということを向うの方では言つておらぬ。そうすると、向うの方では来てはならぬということを言つておらぬのに、漁船の操業場所から五十海里も離れた所に母船がおつて、何かの必要があつて日本漁民の働くのを妨げるかということは、はなはだ不可解な問題となつて来るのではないだろうか、こう考える次第であります。そこでソ連に対して、一体この北洋問題の解決はいつになつたらつくのであるか、カムチヤツカ東寄りの方はどうにか行つておるのである。黙認といいましようか、何かしら行つて出漁しておるのである。それがソ連の考えでオホーツクの方には入つちやならぬということが言えるかどうか。同じ公海であつたならば、それは与えられた一つの世界人類の権利である。こう考えた際に、オホーツクの方に入つちやならぬということをもし考えるのであつたならば、その結末はどういう方法でこれをつけていいか。そこで私はこう考えておりますが、この考えが間違つておれば、これは修正いたします。たとい日本漁民が何かの理由で拿捕された場合に、政府のごやつかいになるということをやらぬ場合には、これはある程度寛大にしてもいいじやないだろうか、たとえば昨年も拿捕されて当分帰らぬ場合には、家族の給与は組合において積立金をして、相互保険のようなことでやつたらどうかということの相談がまとまつて、そのような方法をとつておられたと存じております。そういたしますと、漁船の方は保険もついておる。また拿捕されるであろうということは、今のところではあまり考えなくてもいいじやないか。ものによつては、向うの方では非常に友好的に手を伸べてくれておる点もあるのではないか、こうした場合に、日本政府だけがあまりにこわがつて、いやそうしちやならぬ、ああしちやならぬといつたところで、相手国がそういうことをもし考えておらぬというのであつたならば、一方的な恐怖心であるので、それは一応解決がつくことである。これは外務省では、こういう問題で国際上漁業協定というようなことを政府としてはやる手段はないだろうが、もしそうした場合に、日本国民の勇敢なだれかが、何かの方法で協定を結ぼうとする意思のもとに活動を開始するものがあつたならば、日本政府はこれに対してどういう考えを持つか、こういうことをお伺いしたい。
○下田政府委員 ソ連との関係におきまして、日ソ間にまだ国交が回復されておりません。従つて事実的には戦争状態が継続しておるというような事実でございまするが、日本との間にまだ戦争状態が継続しておるから、漁船を含む日本の船舶を攻撃していいという考え方は、いかにソ連といえども持つておらないと思うのであります。ポツダム宣言の受諾及び降伏文書の調印ということは、実質的には休戦協定でございまするから、休戦協定にソ連も署名しております以上は、いかに戦争状態が継続しておるといえども、依然敵国船舶を攻撃していいという考えは、いかにソ連でもとらないと思うのであります。そこで先ほど水産庁長官からも申されましたが、公海の自由の原則にかんがみて、ソ連の主張しておる十二海里までの範囲なら入つてもいいじやないかというわけでありまするが、それを水産庁の方で今回拡張はされましたが、なお距岸四十海里、漁船については五十ノットという線までしか拡張されなかつた。いろいろな事情を勘案されてそう御決定になつたというお話でございましたが、その考慮されました事情の中には、国際情勢が含まれておることはもちろんであると存じます。そこで国際情勢上どう考えるべきかという問題でございますが、先ほど憲法の規定に御言及がありましたが、一方国家というものは、基本的の権利義務として、在外国民に対する保護権と保護の義務を持つております。日本国民が国際情勢にかんがみてあぶないところに行こうとする場合に、これを制限するということは、権利であるのみならず、国家の国民に対する義務であるわけです。そこで現実にその危険があるかどうかという点になりますると、いろいろお考えもわかれるところかと存じまするが、私ソ連に在勤いたしたこともございますが、ソ連人は御承知のように非常に猜疑心の深い国民であります。その猜疑心の深いということは、共産圏諸国の今日共通の現象になつております。東支那海において中共に拿捕された船舶は、一体どういう理由で拿捕しているかということをいろいろ調べておりましたが、最近その一つの理由がわかつたのであります。これはなんと、漁船を気象観測に使つて、その気象情報を米軍、国連軍に提供して、軍事諜報活動を行つておるという、まことに奇妙な疑いを持つておることが判明いたしました。九州の水害等で日本は、中共が国際間の気象情報交換の域に入つておりませんために、非常な迷惑をこうむつております。日本の天気予報は、中共方面からの天気予報が入らないために、どれくらい不便をこうむつているか、これは水害、その他漁業にも関係のあることでございますが、日本漁船が諜報活動を行つておるというような嫌疑、これは共産圏諸国共通の現象で、外国の行動に対して非常な猜疑心を持つておるというところであります。そこでソ連の軍事的な利益というものは、第二次大戦の結果、樺太から千島までに及んでおります。同方面に航空部隊及び陸上部隊も多数派遣して、あそこはソ連の極東における一つの軍事基地となつております。そこでアメリカの飛行機がカムチヤツカ、千島方面で撃墜されるというような事態も起つておるのであります。そのような猜疑心の深いソ連に対しまして、日本の漁船が、ソ連の基地に近寄つて操業をするということは、またどういう疑いをもつてこれに対する措置を誘発しないとも限らないと思います。これは疑いをかけられて、爆撃されて沈んでも、今日の外交関係がありません状態では、適当に日本国国民の権利を保護し、外交交渉によつてその損害賠償の交渉を行うことも、直接にはできない現在でございますことも考え合せなければならないと思いますが、要するに不幸にしてソ連と国交関係が回復いたしませず、またソ連の極東方面における軍事的関心というものが、戦前よりも非常に重大になつております現在におきまして、先ほど水産庁長官が申されましたようないろいろな事情を考慮されまして、現在なお適当の距離を保つて同海域方面に操業を許すという御措置は、まことに私ども外務省といたしましてもごもつともな御措置である、そういうように考える次第であります。
○夏堀委員 外務省は国会内においても軟弱外交——きようは中共貿易に対する决議案も出るそうであります。これは各党でどういう取扱いをするかまだ聞いておりませんが、朝鮮動乱の休戦協定によつて、共産主義国との間がどう悪化するか、それはいわゆる予想であるが、現在はむしろ悪化ではなくて平和攻勢とは言いながら、平和の方へ一歩進んでいるではないだろうかと私どもは考えている。それは見解の相違といえば割り切れない問題でありますので、私はこれ以上を申し上げませんけれども、一海区において先ほど申し上げたような措置を講ずるということは、これは漁業者にとつてたえられないことであつて、しかも去年は三十海里であり、今年は五十海里であるということは、一体どういう考えでやつたか。国際情勢は昨年よりも悪くなつたか。私は悪くなつたとは考えない。それでも水産庁の措置はたいへんよろしいことであつたと、外務省と水産庁の意見が一致したことは、理論的に合はないと考えております。しかし今ここで水かけ論をしたところで、これは割り切れない問題でありますので、これもあとで懇談のうちに話合いをしてみたいと考えております。 そこで北洋問題について、私は大蔵委員会の方におりましたときに、フイツシユ・ミールの問題について、当時の廣川農林大臣とたしか二時間以上にもわたつて質疑応答をしたことがあります。フイツシユ・ミールの生産計画——現在日本の食糧の問題についてどれくらいの外貨を払つているか、私はよくわかりませんけれども、大体五億ドル以上も払つているのではないだろうか。これをできるだけ国内において調整をとらなければならぬということは、大きな国策である。そのためにフイツシユ・ミールの一万トン計画を立てて、そうして日米加漁業協定の線に沿うて出漁することは、これは大きな国策であつて、この面については農業政策の上に、特に畜産計画の上に、北海道のごとき、畜産問題がいろいろ検討されておるようでありますから、この面において非常に国家的に役立つであろうと考えているのでありますが、その後、前々の選挙で、挙選中に新聞及びラジオで、相当の予算を計上して、それではいよいよやろうということになつたらしいということを聞いておつた。私大蔵委員会で質問したときには、それはたいへんけつこうなことだから、やりましようという答弁をして帰つたことも記憶しております。またそのときの塩見長官も非常に熱意歩持つておられた。その後あの宝庫を開拓して日本の食糧問題の解決に——一万トン計画の私の意見がもしいれらることであれば、米に換算して五百万石になるのであります。これは確かに外貨の面において、また国内食糧問題の解決において、非常に大きな問題である。飼料の輸入計画についての農林委員の立法案が大蔵委員会にかかつたことがあるのですが、あのとき私は、この問題を並行して取上げたことがありますが、その後この計画についてどのようなことになつておるか、水産長官から御説明を願いたいと思います。
○清井政府委員 フイツシユ・ミールの問題につきましては、重要問題として私ども考えております。ことにこれが飼料との関係からいろいろな方面に総合的な関係を持つております。あるいは輸入の面から申し上げますれば、また貿易にも関係を持つことでありまして、フイツシユ・ミールの生産につきまして、相当な施設を強化して参らなければならぬことは、私も同様に整えております。予算措置といたしましては、特にフイツシユ・ミール生産のための直接の措置は講じておりませんけれども、二十八年度の予算に政府は北洋を主として出漁いたしますところの調査試験船、約一千トンの船で四億程度の予算を計上しております。その調査試験船でフイツシユ・ミールの生産施設を調査するということでまず始めまして、政府みずから北洋方面においてフイツシユ・ミールの生産の施設の調査を行うということを二十八年度の予算に計上しておりまして、予算成立次第本格的にこの処置を進めて参らなければならぬと考えております。
○夏堀委員 これは二十九年度の予定ですか。
○清井政府委員 予算が二十八年度でございますので、実際に操業できますのは、二十八年度後期ということになります。
○夏堀委員 この問題は前農林大臣が非常に熱心に検討されて、大規模な計画を立てようということを約束しておつたはずであります。ちようど私大蔵委員長をやつておつたものですが、大蔵委員もこれに対しては全面的に協力をしてほしいということで、大蔵省けなかなか金を出したくない連中ですから、ひとつ大蔵委員会では協力しようじやないかということでかつこうをつけたことを、私記憶しております。この問題は試験程度でやるようですけれども、今申し上げたように、日本の国内の食糧事情はこの通りでありますので、これは酪農関係を大規模に発展することによつて、必ずや北洋漁業からの協力態勢は、日本の食糧事情を緩和することができると私は考えております。この点はこの機会に強く申し入れておきます。 外務省の方もお忙しいでしようから、もう一点伺つておきます。外務省の方ではただいま申し上げた——これはソ連の問題に限つたことではありませんが、公海漁業について今後何か紛争が起きた場合に、私どもが国会でこれを論議したところでなかなか割り切れない面があります。そうした場合には、各個人なり会社なりは、国連あるいは国際司法裁判所に提訴する権利を持つておると思うのであります。これは諸外国でもやつておるようでありますが、こうした公的な機関があるにもかかわらず、日本はまだ一回もそういうことはやつておらぬように私は考えております。これはやはり外務省が代表をしてそういう手続をとつてくださるのであるか、適当に国民の手によつてそういう機関に提訴することができるものであるか、この解釈をお伺いしたいのであります、
○下田政府委員 国際仲裁裁判なり司法裁判は、当事者は国ということにたつておりますので、個人あるいは会計が当事者となつて、国内の裁判所に訴え出るように提訴することはできないと思います。そこで国がやる必要があるわけでありますが、いきなりそういう裁判所に持ち出す前に、やはり関係国と十分交渉いたしまして、どうしても交渉ではらちがあかないという段階になりましたら、国際裁判所に提訴するということも考えていい問題であろうと存じます。
○夏堀委員 国際司法裁判所あるいは国際連合、こうした機関に提訴する幸続を国が代表してとつてくださる、こういうことになりますが、そこでアメリカのように資源を持つておる国価も、南米方面に出かけて、何か百マイル程度のところで拿捕されて、そうして十万ドルと申しましたか罰金を科せられた。これに抗議を申し込んで、これを外交手段によつて云々ということは、弱小国を相手にしてみつともないじやないかということで、今の機関に提訴して解決をつけたということも聞いておるのであります。でありますから日本としては、これはソ連には適当な措置であるかどうか、先ほどの御答弁ではちよつと疑問を持つたの下ありますけれども、ほんとうに戦争状態ではないのだ、平和を守るソ連であるということを突きとめるためにも、もし正当な公海における漁業に対して、ソ連が拿捕し、違法な行為に出たならば、これを国連に提訴することは当然であろうと思う。そういう方法によつて、ソ連のいわゆる平和攻勢というものの進度をテストすることもいいじやないか、このようなことも考えておるのであります。これもやるかやらぬかということになりますれば、それは外務省の方で賛成してくださらなければできないということになるようでありますが、しかし今の問題の国際的な面は、やはり貧乏な日本に対してただ一つ与えられた公海の自由という面は、これは人道上の大きな問題であるので、国際連合あるいは国際司法裁判所は、敗戦日本の国民の人道上の問題として説明を加えた際には、これに対して不利な判決を下すようなことはないだろうと私は考えます。外務省はすべて非常に慎重で、悪い言葉で言えば非常に弱腰で、慎重を期しておるようではありますけれども、水産庁はそれにおんぶして、なおより以上の弱腰である。今私が申し上げたようなことは当らないかもしれませんけれども、世界の機関、しかもそれは当然利用してさしつかえない国際的な機関を、日本は遠慮をして、こういうものに提訴もしないで小さくなつていなければならないことはないだろうと考えますので、これもひとつ研究議題として——今後どういう方法をとつてくださるかわかりませんけれども、こういうことは国民の声であり、この機関を利用することは、一つの国際的な権利を行使することであるからさしつかえない。この私の考えが当るかどうか、御答弁を願えれば幸いだと存じます。
○下田政府委員 私どもも仰せの通りだと思います。戦前はどちらかと申しますと、日本は直接交渉によりまして、またある場合には軍事力にものを言わせて交渉をいたしたことが——日ソ漁業交渉の際ですら、場合によつては巡洋艦を二、三ばい派遣して威圧するというようなことをやつたことも承ります。しかしながら戦後の日本といたしましては、そういう行き方で行くべきではなくして、あくまで公正、不義を尊重して、国際間の紛争は平和的解決の手段によつて行くべきである。従つて国際仲裁裁判なり、司法裁判なりは解決の手段として大いに推進して行くべきだという方向に向うということは、まことに仰せの通り私どももその通りであると考えております。たがこの日ソ間の問題を、まだ国交が回復いたしません前に、つまり直接の交渉が思うように行えない現段階において、ただちに国際裁判に持ち出すという可否につきましては、これはなお十分研究の要がある問題だと存じます。
○夏堀委員 その通りでありましよう。ただ今のソ連の問題についてはこれは国連の方はむしろ提訴という面についてはさしつかえないじやないか、向うも国連に参加しておるのでありますから、これはさしつかえないと思います。武力を持たない日本が、武力の強いすべてに屈従して行かなければならぬということは、先ほど申し上げた人道上許すべからざることであつて、日本は正義のもとに軍備を持たないということであつたならば、理の当然であり、そういう方法でこの解決をはかるということは当然であろうと考えております。 それから生産加工物の輸出振興に関する法律案について提案者から伺つたのでありますが、この案件について、この法律の目的は、生産物を加工度の低いままで輸出することを規制して優良な生産加工品の輸出振興に寄与することを目的とするということになつておる。今日本の最も悩んでおることは何であるか、それは輸出振興である。これが日本の大きな悩みとなつておる。朝鮮動乱がすでに停戦となつて、特需が消えてなくなり、八億二千万ドルの特需を失つて、何によつて外貨を獲得するか、それは輸出振興以外にない。いわゆる正規の輸出によつて日本は自立経済を考えなければならぬということは当然であろうと思うのであります。何かこの法案の目的は、加工度の低いままで輸出をすることを規制するということになつておりまするが、この面については、私の考えで、これは予想が当らないかもしれませんけれども、たくさんカン詰に製造をして出した方がいいじやないか、あるいは冷凍で出した方が不利じやないかというお考えじやないかと考えられます。貿易というものは片方だけということはありません。一方が売ろうとする場合一方が買うおとする、それが初めて国際価格と寄り合つて貿易の問題が解決がつく、こう考えております。今アメリカがほとんど無制限にまぐろをほしいという意思表示をして、あちらからいろいろ代表が来ておるそうであります。大体昨年度と本年度を比べて、需要度は一四%から二〇%上昇し、相当その数量を必要とするということだそうであります。そうした場合にカン詰が必要であれば、なるほどカン詰のみを出して一方がこれを了承するということであれば、それはその通りでよろしいでしよう。一方カン詰に関税をかけるところを見れば、それはあまり好ましくない。そうして一方の冷凍品には関税をかけないのだということは、ほしいということを意味していると思う。ちようど私大蔵委員会におつた時分に関税問題を取上げて、外務大臣、大蔵大臣を呼んでこういうことを質問したことがありました。中共との貿易はやつてはならぬというアメリカが、関税障壁を設けて、日本経済をいじめつけようとすることをアメリカの議会が取上げることはけしからぬじやないか。これは日米経済協力の欺瞞政策であるということを突いて、これに対して政府はどういう考えを持つているかと尋ねますと、戦争に勝つた強い国の議会がこの問題を取上げているから、政府としてはいかんともしかたがないということであるから、国会はこの問題を取上げて決議案をつくつて、アメリカの政府及び国会の上院、下院の議長に電報を打つてやつたことがあります。これが非常に向うの関心を集めて、ある程度上院の本会議では、これを決定するに役立つたということを聞いておりまして、その後この関税問題はずつと緩和されて、大体今の観測では、私の調べたところによりますと関税はかけないという意向のようであります。そういう国際経済の問題が、日本のカン詰も出してはやりたいのだが、カン詰のみにたよるということはできないだろう。もちろんカン詰のみを輸出するという考えはないかもしれませんけれども、貿易は相手のあることでありますから、これは今のところカン詰はどうなつているか、たとえば百十五万箱の割当では原料は二万三千トンになりましようか、そうすると、冷凍の方も一千トンも上まわるか、多少上まわつたところでほしいということですから、向うで希望するものを、許可制度によつてこれを制限しようとすることは、日本の最も悩みつつある輸出振興という面において支障を来すのではないか。これは国際関係に一体どういう関係を及ぼすか、おそらく世界のいずれの国といえども、貿易の不振を来していることは御承知の通りであります。これはまぐろに関する限り輸出は好況を呈して、価格も上まわりつつある現況において、本委員会において、何か冷凍についてはあまり輸出することは好ましくないかのような表現をなさるのは、どういうわけであるか。 それからこういうことを伺いたいと思います。この法案がかりに通つた場合、アメリカはどういう対策を講ずるかわかりませんが、日本でそういう措置をとつた場合に、アメリカにおいてどういうことを考えるであろうかという予想がついておりますか、この法案の審議の前提として、まず考えなければならない問題であると思いますので、大体その予想をお伺いしたいと思います。
○佐竹新市君 大体この加工水産物輸出復興に関する法律をわれわれが提案いたしました第一条の点はおきまして、最初の案を立案いたしましたと盲には、今仰せられたような加工度の低いという文句が入つていたのです。今日出しましたこの法律案に対しましては、この法律は「水産物を加工度の高い優良な水産加工品として、その輸出の振興に寄与することを目的とする。こういうようにかえまして、新たに提案したわけでございます。起草したときにはこういう文句が入つておりました。これは冷凍関係の方からも相当いろいろ文句がありましたし、それから海員組合関係の方からもこの文句はのけてもらいたいということで、法案はこういうようにして出したわけでございますが、そこでこの法案を出しました根拠は、問題は冷凍を規制しようというような考え方は一つも持つていないのであります。また冷凍をまつたく無視してカン詰だけで出そうというような考え方も持つていないわけであります。問題は両者が妥当なるところの調整をして、その上で向うさんの、相手国の、今あなたのおつしやつた通り、注文によつて出すのでありまするから、相手国というものを無視しては考えられないのであります。そういうような関係で、どちらも妥当な一つの方法によつてやろう、しかしながら今日までかつおやまぐろの対米輸出の一つの協議会が設けられておりまして、これは業者の自主的な協議会でございます。それによつて、大体カン詰は年間これだけである、あるいは冷凍は年間これだけであるというようにわくをきめまして、相談し合いまして、水産庁あるいは通産省あたりが出して、昨年度まではその一つの何によつて出していたのであります。しかしながら、それがだんだんと食い込まれまして、カン詰の方に対しての原料の割当の度合いが少くなるというようなことから、問題が発足いたしまして、こういうことであつたなれば、輸出いたすにつきましても、カン詰の輸出も本年度におきましては相当参つておるのであります。今本年度のカン詰の受注だけを見ますと、四月一日から七月十五日までに船積みしたものが、大体、かつおが十五万箱、まぐろが四十六万箱で、合計六十一万箱でございます。この六十一万箱は昨年の同期に比べて倍額以上に達しておるわけであります。さらに今年度は二十七年の十一月から七月末までには、数字はちよつとわかりませんが、相当な注文が入つて来ることになつているのであります。こういう点から見ますると、アメリカのまぐろの塩づけなり油づけの注文は相当来ておるわけでございまして、それが国内において原料を入手しようと思いまするときに、冷凍の方に多くとられますると、非常に季節的でございますから、カン詰の業者の方が原料がなくて困るというような点が一番問題になりまして、これは何とかしてこういうような自主的な協議会でなくして、法的な一つの処置をとつて、その中で、同じ輸出するものならば公平にやつたらどうか、こういうようなことからこの法案をわれわれが提案したような次第でございます。 〔委員長退席、川村委員長代理着席〕 それからもう一つの点は、これがもしアメリカの方で冷凍まぐろの方が必要であつて、それをカン詰をどんどん出して、向うの国際間の関係がどういうふうになるか、ということを考えておるかという御質問でございましたが、この点はやはり相手国におきましても消費者の方から注文がありまするから、こういうように昨年の同期に比べましても倍額に達する多額の注文が来ておるので、注文に実際はは応じ切れないだけ来ておるのであります。外貨獲得の線から申しましても、カン詰と冷凍まぐろと申しましたならが、年間におきましての外貨獲得の点は、カン詰の方がその外貨獲得の数量においては多いわけです。こういうような点から、われわれは冷凍まぐろを禁止するというような法的根拠を与えるというようなことには、この法律では絶対になつておりません。そこを何とか——いわゆるこの法律の中には審議会とうたつてありますが、審議会によつて、調整をとつて、妥当な原料の配分をやつて輸出しやう、こういうわけで提案したのであります。
○川村委員長代理 夏堀君にお願いします。外務当局に小高君並びに赤路君が質問があるそうでありますが、下田条約局長は外務委員会にぜひ出席するようにということでありますので、先に約十分ばかりの間、小高及び赤路君に対して質問をさせ、その後水産貿易に関する質問を夏堀君に継続さしたいと思います。御了承願います。小高君。
○小高委員 下田外務省条約局長にお尋ねいたします。去る昭和二十七年九月二十七日、国連軍によつて制定されまして、このため日本の漁業者が非常に大きな制約と不便を感じつつありまする防衛水域の問題でございますが、これは朝鮮の休戦に伴いまして、必然的に解消されるものであると、かように私どもは考えておるのであります。この点につきましては、数日前に外務政務次官が御出席になりました当委員会の席上において、私から、休戦成立とともに当然解消されていいと思うが、その点はどうかということをお尋ねしましたのでありますが、一つの仮定を基礎としてここで判断を下して申し上げるわけにはいかないというので、私も一応その答弁は了承したのでありまするが、すでに昨日全世界に向つて休戦が公表されました以上、これに対して外務当局はいかなるお考えを持つておられるか、この点をお尋ねしたいのであります。
○下田政府委員 防衛水域の存在理由は、もつぱら軍事上のものでございまして、御指摘の通り、軍事上の理由をもつて設定された防衛水域であるならば、現実に敵対行為が終止したあかつきにおいては、もはやその根拠を喪失して、存在理由のなくなつたものであるという考えには、私どもまつたく同感でございます。また日本国の利益の見地から見ましても、日本側に不便を与えております防衛水域は、一日も早く撤廃されることを希望する点も、まことに御同感でございます。ただ現実にすぐ、即日あるいは翌日から、この水域を撤廃するかどうかという点は、これは国連軍司令官の考えによることでありまして、国連軍司令官が発しました声明によりましても、休戦の成立は決して戦争の終結を意味しないといつて、過度に休戦の成立を喜ぶことを戒めるような声明を内外に発しております。従いまして済州島にあるあの捕虜収容所に共産側が侵入し、あるいは武器を運ぶというような策動を封ずるというような理由も、防衛水域設定の理由の一つでありましたが、済州島の捕虜が交換のために全部いなくなる、あるいは休戦の結果、艦船の同海域における行動の必要が減ずるというような、徐々にそういう点で軍事上の理由が消滅いたしました場合には、国連側も必ずや同水域の宣言を撤廃するものと思うのでありますが、これがいつ撤廃されるかという点につきましては、もう少し事態の推移を見なければならないと思います。もちろん日本政府側といたしましては、すみやかなる撤廃につきまして交渉をいたす所存でございます。
○小高委員 ただいま下田条約局長の答弁によりますと、当然撤廃されてよいと思うというお言葉がございましたが、しかしながらという項において、国連軍の意思もあるということでございます。これは先ほど答弁中にもありましたが、積極的に本問題を日本政府から国連軍へ持ち込みまして、こういうようにやつてもらつてよろしいのであるというような、了解を得てもらいたいのであります。なぜならば、数十億円のさばの好漁場と言われております。ただいま朝鮮海峡において、数百隻の日本漁船が待機しておるこの事実を前にして、われわれは一刻も早くこの解決を希望しておるものであります。これは外務省当局の国連軍に対する意見の開陳を強く主張しておきます。 次にもう一点、関連してお尋ねいたしたいのは、竹島の問題であります。この問題は、本国会においてもかなり大きく取上げられておるのであります。最近伝え聞くところによりますと、竹島に韓国軍が要塞を築く意向があるやにわれわれは聞いておるのでありますが、その仄聞がはたして事実であるかどうか。そのほかの情報によりますと、日本は竹島は日本の領土だということを強く主張しておるにもかかわらず、韓国においてはかなり積極的に竹島は韓国の領土だという、向うは向うの考え方のもとに、ぐんぐん手をゆるめずに竹島に侵略して来ておるということを聞いておるのでありまするが、それに対して外務省はどういう態度をとつておられるか、お尋ねいたします。
○下田政府委員 竹島の点につきましては、法律的に見まして、もう問題の余地がございません。これは古来日本の領土であつたのでありまして、また平和条約で韓国の独立を承認しましたが、独立を承認したということは、日韓合併前に韓国の領土でなかつたものまでくつつけて、新たに韓国の領土をふくらして独立することを認めたのではないのでありまして、合併前のそのままの韓国の独立を認めたのであります。 〔川村委員長代理退席・委員長着席〕もう法律的には何ら疑問の余地がないと思うのであります。従いまして、先ほどお話のような領土紛争のごときは、国際裁判所の絶好の題目でありますので、日韓間の交渉がらちが明きません場合には、平和的な解決の方法の一つとして、国際裁判なんかも実は内々考えておる次第でございます。
○小高委員 これは海上警備隊なり、あるいは保安隊とか国家警察なりをして、強硬に日本から交渉、というよりも、むしろ法に基く行動をとつてさしつかえないのであるにもかかわらず、非常に軟弱卑屈なる外交を国民が非常に憤慨しておつて、その憤慨の意見がわれわれ水産委員会にびんびん反映して来るのであります。そこを私はついておるのでありまして、国際裁判に提訴してというよりも、そういうことをする必要がない事項に対して、何でそんなまわりくどく考えるか、ここを追究しておるのでありまするから、もう一ぺんお答え願いたい。
○下田政府委員 竹島に韓国人が参りまして漁業や海産物の採取をやることは、これは日本領土に対する不法入国の問題でございまして、不法入国の取締りの警察権を発動して一向かまわない問題なのであります。また日本の漁業者の利益が侵害されるということを防止するために、巡視船を派遣してその侵害を排除するということを行つて、法律上は一向さしつかえない問題であります。ただ日本として慎まなければならないことは、この領土権の紛争、領土権問題という国際問題を解決するために武力を行使するということは、憲法第九条で、国際紛争の解決のために武力を行使しないということを規定しておりますので、警察権の取締り、すなわち不法入国者取締りという面で強制的措置に出ることは許されるものでありますが、竹島問題全体の国際紛争を解決するために武力を用いるということは、これは憲法が禁じておることでございます。そこで先ほど申しましたように、国際的紛争の解決手段としては、あくまでも平和的な手段によるべきであると存ずるのであります。
○小高委員 ただいまの御答弁によりますと、それでは蹂躙されて手を上げつぱなしで処置ないではないか。何のために完全独立したか、何のために本日まで苦しんだか、わが国の領土ではないか、それがはつきりしておるではないか、こういうことになりますと、これでは資源の確保いずこにありやということになりますので、私はただいまの御答弁を了承するわけには行きません。それほど遠慮しなければならない義理合いがどこにあるか、義理合いの根拠をさらに御答弁願いたい。
○下田政府委員 外務省といたしましては、見解ははつきりしておるのであります。不法入国者であるからこれを取締つて一向さしつかえない。漁業権侵害であるならば、巡視船の派遣等によつて取締つてさしつかえない。しかしそれを現実に行うのは外務省ではないのでありまして、外務省の意見ははつきりいたしております。入国管理局なりあるいは保安庁なり、それぞれの当局といたしましては、やはり現実の責任者としてお考えがあるのでありましよう。外務省の見解通りには行われていないようであります。
○松田(鐵)委員 関連して。下田条約局長のただいまの答弁まことに意外である。対馬、壱岐に韓国人が上陸した場合にどうなるか、これを伺いたい。
○下田政府委員 二、三の韓国人が不法入国で夜陰ひそかに忍び込むという問題は、これは不法入国者の取締りであります。入国管理局がよろしく取締つて、収容所にぶち込むなり何なりしたらよろしい問題であります。
○松田(鐵)委員 白昼公然とあそこに漁船が来て、そうして対馬に堂々と上陸し、漁業を営むとしたらどうなりますか。
○下田政府委員 日本の領海までに入つて来て漁業を営むということは、日本の主権侵害でありまして、関係当局において即時有効な措置をとられんことを外務省としては希望するのであります。
○松田(鐵)委員 竹島は、ただいまのあなたの御答弁から行くと、日本の領土であるということははつきり申しております。ただ無人島、しかし日本の領土だということはただいまははつきり申しておる。壱岐、対馬も日本の領土であることは韓国人といえども知つておる。しからば白昼堂々と壱岐、対馬に彼らが漁業を営むなり何なりの目的のもとに上陸して来た場合においても同じ結果ではないか、この点に対する見解はどうか。
○下田政府委員 外務省としてはそのような不法な措置はすみやかに取締らなければならないと思うのであります。しかし外務省が現実の取締り官庁ではございません。取締り官庁の善処を要望する次第であります。
○松田(鐵)委員 外務省は取締りの官庁ではない。しかし日本政府としての外務省である。すべての問題は一貫して行かなければならない。憲法第九第を論議するから言うが、侵略の外敵に対して警察権をもつて備えるというのが現在の保安庁の行き方であります。軍備ではない、しからばフリゲートはどうだ、フリゲートも同様な結果によつて日本が今これを所有して使用しておる。和歌山県の水害のために使うということが規定されてあれを日本は持つておるのではない。黙つてあそこへ五そうなり十そうのフリゲートを置いておけば、韓国の艦艇は来ないでないか、そのくらいの考え方を持つて行かなかつたならば——あの李承晩の今日のやり方をみてごらんなさい。あなた方はどのように見ておるか、韓国との条約をしようなどというあなた方の現在の行き方であつたならば、李承晩になめられるでありましよう。この点はどうです。日本政府として、憲法第九条を考えるならば——その第九条ももうだんだん曲つて来おる。そこにおけるはつきりした行き方を持つて行かなければなりますまい。壱岐、対馬と竹島は同様に日本の領土である。この点に対して今あなたに答弁を求めたところで、これはしようがないのだ。もつともつと直剣に考えにならなければいけない。私は警告を発しておきます。
○田口委員長 赤路友藏君。
○赤路委員 私は第三海洋丸の外交交渉の結果をお聞きしたいのです。おわかりにならなければ質問いたしませんが、おわかりになるようなれば、経過を御報告願つて、その上で関連をして質問を申し上げたいと思います。
○下田政府委員 私は法律問題を担当いたしておりますが、ただいまの問題はアジア局が主管しておりますので、よく存じません。
○赤路委員 これは五月二十九日に森崎隆君が参議院で緊急質問をやつております。これとも関連をして参りますので、わからなかつたならば明日でもけつこうですが、相当責任のある御答弁をお願い申し上げたいと思います。 —————————————
○田口委員長 ただいまより農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案起草に関する件について議事を進めます。 赤路友藏君より発言を求められております。これを許します。赤路友藏君。
○赤路委員 農林漁業金融公庫法の一部改正について皆さん方に御賛同を得たいと思うのであります。 従来漁業金融は、他産業の金融に比較した場合、とかく等閑に付せられがちでありまして、漁業金融の現況をもつてすれば、日本の漁業の発展はとうてい望まれないと考えられるのであります。現段階におきましては、国民食生活の改善の面からも、また外貨獲得の面からも、日本漁業の一大飛躍が期せられなければならないときでございます。これらに対する業界の意欲も盛り上りつつある今日、これの助長育成をはかることは当然であり、また急務であると考えられるのであります。金融小委員会におきましては、かような観点に立ちまして慎重審議の結果、ただいまお手元に配つておりますようなプリントのように農林漁業金融公庫法の一部を改正いたしまして、日本漁業発展の一翼たらしめんとするものであります。 改正の要点は、 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案 農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号)の一部を次のように改正する。 第十八条第一項中第五号の次に次の一号を加える。 五の二 漁船の改造、建造又は取得に必要な資金 別表中「五 漁港施設の改良、造成、復旧又は取得に必要な資金年七分十五年三年」を 「五 漁港施設の改良、造成、復旧は取得に必要な資金年七分十五年三年 五の二 漁船の改造、建造又け に必要な資金年八分十五年三年」 附 則 1 この法律は、公布の日から施行する。 2 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部を次のように改正する。 第十九条中「第二号ノ四」を「第二号ノ五」に改める。以上が法律的な改正の要点でございま す。 それからこれらの融資の対象の問題でございますが、これは業務方法書の中にぜひ挿入されなければならないものとして要望をしたいのでございます。 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律の施行に対する要望政府は、本法施行に際しては、特に次の措置を講ずべきである。 漁船の改造、建造又は取得に必要な資金の貸付については、貸付を受ける者は漁業者のうち、その常時使用する従業者の数が三百人以下であつて、且つ、その使用する漁船の合計総トン数が千トン以下の者に限るものとされたい。 二、融資対象の範囲は、現行業務方法書における自営漁船の場合と同様1船体 2機関 3艤装 4無線機 5漁群探知機 6方向探知機 7発電機 8その他漁業操業上必要な施設(漁具を除く) 以上小委員会において慎重に審議いたしまして決定したものでございますので、何とぞ皆さん方の御賛同をお願い申し上げたいと思います。なお本法の改正につきましては、水産委員会の提案としてこれを御提案くださることを希望するものであります。
○田口委員長 ただいまの赤路友藏君の発言に対し何か御意見があれば、これを許します。
○鈴木(善)委員 ただいま赤路小委員長より御報告がありました点につきましては、全幅の賛意を表するものでありますが、この取扱いにつきましては、大蔵委員会、農林委員会、関係の委員会とも緊密に連絡をいたし、さらにそれぞれの党におきまして成規の手続を経た上で本委員会としては最終的決定をされんことを望む次第であります。
○赤路委員 ただいま鈴木委員から、農林委員会及び大蔵委員会との関連についてお話があつたのでございます。ごもつともと思いまして、実は大蔵委員会の方には、委員長にお会いいたしまして了解を求めました。当時理事の方もちようどお寄り願いまして、これに対してはさしつかえなしというので、賛同の意を表していただいております。農林委員長の井出さんを探しましたが、どうしても見出せませんので、これは改進党の椎熊三郎氏に事情を十分お話思し上げまして、伝達方を願つておいたような次第でございます。以上御報告と御了解を願います。
○田口委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田口委員長 速記を始めてください。 金融問題についての審議はこの程度にとどめます。 —————————————
○田口委員長 この際お諮りいたします。本会期中に当委員会に付託または送付されました請願及び陳情書の審査を進めるため、請願及び陳情書審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認め、同小委員会を設置することに決しました。 引続きお諮りいたします。ただいま設置するに決しました小委員会の小委員の数は十一名とし、小委員及び小委員長の選任につきしては、委員長において指名することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認め、小委員の数は十一名とし、ただちに小委員及び小委員長を御指名申し上げます。 小委員には、 川村善八郎君 鈴木 善幸君 中村 清君 夏堀源三郎君 濱田 幸雄君 白浜 仁吉君 中村庸一郎君 赤路 友藏君 山中日露史君 日野 吉夫君 小高 熹郎君小委員長には日野吉夫君を御指名申し上げます。 本日はこれにて散会し、次会は公報をもつて御通知申し上げます。 午後一時七分散会