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16回国会衆議院1953/07/20

水産委員会 第13号

発言数
138
登壇者
16
会派数
5
開催日
1953/07/20

会議録

田口長治郎自由党

○田口委員長 これより会議を開きます。  政府側出席者は、外務省小満政務次官、安川国際協力局第三課長、調達庁根道長官、木石不動産次長、鈴木補償課長、水産庁立川漁政部長であります。  ただいまより日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為により特別損失の補償に関する法律案を議題とし、審議を進めます。前会に引続き質疑を継続いたします。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 最初に調達庁関係の方にお願いいたしますが、青森県の関根地区演習場について閣議決定の材料となつた調査は、日米合同委員会の現地調査に基くという御答弁でありましたが、その通り了承してよろしゆうございましようか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 お答えいたします。ただいま淡谷委員の御質問の通りでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そういたしますと、同委員会はどのような資料によつて現地の承諾を得たと認めたか。これは御注意申し上げておきますが、実は本件に関しまして青森県の県会がたいへんに荒れまして、知事の進退問題が出ております。重要な証言になりますので、その点はひとつごまかしのない御答弁を伺つておきたいのです。どのような資料に基かれたか、はつきり御答弁願いたいと思います。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 青森県の関根の拡張部分に対しまする閣議決定に至りますまでの調査及び決定してよろしいという資料のまとめ方というものは、お答え申し上げました通り、日米合同委員会の陸上演習場分科会においてこれをとりまとめた次第でありまして、実は御答弁申し上げるのは、私どもよりも、その陸上演習場分科会関係の主査をいたしております農林省関係の方あるいは外務省関係の方からお答えする方がいいと思いますが、私どもただ実務上知つておりましたのは、現地の調査もいたしました。それから県当局、町村長等の御意見も十分拝聴するとともに、実際の民有地関係につきましては、所有者あるいは関係人の御意向というものも徴したということになつております。もつとも国有地関係もございますので、これは問題なくそれぞれの所管で了承することにきめたわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 一昨日でしたか、関根地区の関係者が集まりまして、伊関局長並びに和栗入植課長その他が御出席に相なりましたその席上で、和栗入植課長の方から、昭和二十七年八月十九日に青森県の知事から出されました陳情書、並びに岩木訓練所の反対陳情書の中にある文句が大体承諾の要因だ、こういうように答えておりましたが、調達庁も御存じでございましようか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 私どももそういうことを事務的に伺つております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そういたしますと、地元の関係者の意思を知事あるいは市町村長によつて知るという基本方針は、何か物的な書類その他のものが必要でありますかどうか。ただいいだろうといつたくらいの口約束、あるいは協議会の結論、それをお認めになつた点で十分地元の関係者の意思を徴されたとあなた方は承知されるかどうか、その点重ねて念を押しておきます。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 前にも私どもの方から淡谷委員にお答え申し上げたはずでありますが、一般原則としましては、それぞれの所管庁がそれぞれの立場から実際の調査を遂げ、またその所有者あるいは関係人等から意向を聴取するわけであります。私ども調達庁の立場におきましても、実際その場合は県当局あるいは町村等の公共団体の長の御意見はむろんのこと、そこの所有者、それから関係人という方のじきくの御意見を口頭なり、場合によつては書面によつたりしまして確かめておるわけであります。申し上げましたように、この関根演習場の拡張部分につきましての件は、そういう事務に入る前に、合同委員会の分科会としまして直接調査いたしたというケースでございまして、私どもの件について連絡を受けたのは、先ほど御質疑のありましたように、県当局、それから町村長、あるいは関係人の方から、意向を確かめて決定したのであるというふうに承つたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 閣議決定を見ましたのは、本年の五月一日でございますが、反対の陳情が出ましたのは昭和二十七年の八月十九日でございます。この八月十九日の反対陳情書というものは、調達庁の方で目を通されておりますかどうか、お伺いしたいと思います。なお付随いたしまして、一体この陳情書は反対陳情書とおとりになつたか、賛成陳情書とおとりになつたか、その点もひとつお伺いいたします。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 私記憶いたしておりますのは、関根の演習場の拡張部分につきましては、二十七年八月十九日の陳情書以外に、その後の陳情書が出たことを承知いたしております。それには、全般的にいたしますと、困るという御意見だつたふうに覚えております。ただそれには条件がつきまして、道路の問題、補償の問題等がうたつてありまして、とり方によりましては、その条件が満たされれば必ずしも反対でないというふうに解した次第であります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 次にもう一点お伺いしておきますが、関根の第一次接収部分につきまして事務的な手続がたいへん遅れております。更新手続でございます。この間私が提示いたしました山形県の例の大高根のあの更新の請求が、更新期前になされております。関根に関しては、大体使用してしまつたごく最近になつて、ああいうふうな書類がまわつているようでございますが、著しく手続が遅れた理由は一体どこにございますか、お答え願います。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 契約更新に関しまして手続を進めたのは、山形県の大高根演習場も、青森県の関根演習場も、第一回目の調達庁のそういうような作業を始めたのは、同一時期だというふうに私は存じております。ただそれが二十八年四月以降に至りましても、なおかつ接収を継続した次第でありますから、二十八年の一月、二月あたりにやつたのが妥結を見るに至らないで、二十八年四月以降に持ち越した次第であります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 とんでもない違つた話じやありませんか。第一次接収の方は、地元はもう承諾するもしないもない。これは占領から引続いたものであつて、ほんとうを言うと、あてにしていなかつたのでございます。しかもそれが何も交渉なしに七月八日に至つて初めてこういう書類がまわされております。何のことやらわからないし、判をついていいものやら、つかなくていいものやらわからずに、実は私の手元に参つているのでございます。一体この書類を御承知でございましようかどうか、一ぺんごらん願いたい。これは全然本庁の方の意思とはかかわりなくなされておりますか、ひとつこれを見ていただきたい。こういうのがまわつているのです。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 申し上げましたように、二十八年の一月から二月のころにおきまして、この前淡谷委員から山形県の大高根演習場の契約更新の問題のとき、私どもにお示しをいただきましたように、はがきによりまして、二十八年四月一日以降は契約が更新せられるから、その契約更新に同意の旨を、今のうちから御回答いただきたいという手続をとつたわけであります。それで御同意を得ない向きに対しまして、二十八年四月以降に入りまして、こういつたような契約更新の依頼書をまた重ねて出した、こういう次第でございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そういたしますと、この答えの書類の中にあります第六ですが、継続して使用するためには、年度更新契約を形式上はなす必要があるが、手続が遅れることもあるので、このような場合には、慣例上事前に使用することについて承諾書をとりつける、こういうのがお答えでございますが、これはどういうふうに解してよろしゆうございますか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 文書でもつて淡谷委員にお答えしました関根演習場の契約の問題は、私ただいまお答え申し上げましたように、御承知のように、会計年度ごとに契約を更新するという事務手続をとらざるを得ない関係上、それ以前に、ですから一月ないし二月あたりにその同意を求めた次第であります。ところが種々の関係から、三月末までになお契約更新の手続が完了しないというような向きが、実際あつたということを正直に申し上げた次第であります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 関根の演習地は、やはり大高根の演習地と同じように、あのようなはがきをもらつておるのでございましようか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 そのように存じております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そのはがきの回答がなかつたので、今お手元に差上げた、その書類が出された、そういう御解釈ですか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 私ども、はがきでもつて御照会申し上げるとともに、それだけではとても手が尽せないので、御承知のように、仙台調達局の青森出張所がございます、そこの所長が地元に参りまして、所有の代表者の方はむろんのことですが、そのほかに、公共団体の長の方等を通じまして、何とか早く前から使つておる土地については御契約いただけるようにというような、慫慂といいますか、勧奨をいたしたという報告を受けております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 今のお答えでは、はつきり私はわからないのですが、はがきは出したというのですか、出さないというのですか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 はがきは出しました。出しましたほかに、それでもつて御回答をいただいた向きについては問題がないのですが、御回答をいただいてない向きに対しまして、なお実際口頭でもつてお話申し上げたということを御説明したわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 この六の御回答の、承諾書をとりつけているというのは、はがきをとつているという意味なんでしようか。

大石孝章総理府事務官(調達庁不動産部次長)

○大石説明員 さようでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは関根の問題は、そのはがきのことをなお一層調べまして、これは本案とは関係なしに、あとでまたお伺いしますから打切ります。  次に外務省にお尋ねいたしたいのでございます。この間の御回答の中で、私一番不満に感じますのは、第一問のあとの方で、特に地元関係人の意思を知る手段として、村長ら少数有力者にのみ依存して来た方針を将来もかえないつもりかどうかという私の質問に対して、お答えの趣旨では、かえないというふうに私了解いたしますが、いかがでございましよう。

小滝彬自由党外務政務次官

○小滝政府委員 できることなら、あらゆる人の意向を聞いた方が一番望ましいのでありまするが、なかなかそうしたことは、実際問題として取扱いにくいので、原則としてこれまでのような方法で、しかもまたこれまで以上に手を尽して、現地の事情を調査するという意味でございまして、これまでの方針をかえる必要は認めないのでありまするが、さらにそれに対して精査する方法も講じたいという考え方でお答えをしたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 閣議決定を見ました演習地のうち、特に内灘、関根、これは二つ取上げられますが、この内灘も関根もともに紛擾を起しておるのでございます。この原因について、この間私の第二問のお答えといたしまして、その原因は、米軍に対する恐怖心、風紀問題、補償問題、その他多数にわたつておるというお答えでございますが、この多数にわたつておるというお答えの中には、そうした今までの地元民の意思を十分知る方法が間違つておつた点、調査がずさんであつたという点、強制的であつたという点、こういう点もこの多岐にわたつておる中に入つていると了承してかまわないかどうか、御答弁願います。

小滝彬自由党外務政務次官

○小滝政府委員 私どもといたしましては、最善を尽して現地の了解をとるつもりでありましたが、あるいは場合によつては、不なれであつて、十分でなかつた点もあろうかと思うことを遺憾に存じますが、今後はそういうことがないように、十分注意をいたしたい考えでおります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 この間外務省の伊関局長の御答弁では、最近における内灘の状況はなかなかはつ言とはつかめないといつたようなお話もございましたので、実は私一昨日行つて参りました。昨日の日曜に権現森から鉄板道路までつぶさに視察して参りました。もう閣議決定を見た処置に対して、一方においてはアメリカの星条旗をなびかせながらたまを撃つ、一方においては、これを受ける着弾地付近に日章旗を立てて、住民が小屋に立てこもつて、死んでも土地を渡さぬというような、はつきりした対峙の形が出て来ております。村の女たちも、お婆さんたちも、あの駐留軍のおります、しかもばら線を巻いたさくを設けたその前に立つて、口々におれたちの地面をなぜとつたと怒号しております。これはだてやみえでやれるものではございません。小さな学校の子供ちが、わざわざ水を運んで、これをいたわつているといつたような状態を見た場合に、決してこれは円満な折衝の方法じやないと思います。一箇月以上にわたる強制使用、無理やりもぎとつたような、こういうやり方に対して、早いろいろな手段を講じておるといつたような御回答でございますが、具体的に一体どういう処置をつけるつもりか。あのまま地元民のあの反対を踏みにじつてしまつて、もしいやならたまの下になつて死ねといつたような、冷酷無情な態度を示されるかどうか、はつきりこの席上で御答弁を願いたいと思います。

小滝彬自由党外務政務次官

○小滝政府委員 現地の事情につきましては、私どももできる限り調査をいたしまして、何とかそうした問題が解決できるように、場合によつては知事を通じてやつておりますし、また現地へ外務省の者を派遣して、話合いをつけるという方向へ、外務省としましては最善を尽しておりまして、この問題を円満に解決するという考えには全然かわりはない次第であります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 最近具体的にとられました内灘の善後策で、何かございますかどうか。あるいはまたあの使用状況に変化が起つておりますかどうか、御答弁願いたい。

小滝彬自由党外務政務次官

○小滝政府委員 ただいまのところ具体的にどういう解決策をとるかということについて、はつきりお答えすることができないのを遺憾に存じますが、すぐ伊関局長も参りますから、その具体的な点について、あるいは局長から説明できるかとも思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 試射の変化等につきましても、局長がお見えになるまではお答え願えないのでしようか。

小滝彬自由党外務政務次官

○小滝政府委員 それはすぐ局長が参りますから、そのときに詳しいことをお話申し上げる方がよろしかろうと存じます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それでは伊関局長がおいでになるまで質問を保留いたします。

田口長治郎自由党

○田口委員長 鈴木善幸君。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 運輸委員会方面から、この法律案につきまして連合審査の申出があつたのでありますが、会期も切迫いたしましたので、私がかわつてお尋ねをいたしたいと思うのであります。それは東京湾におきまして、防潜網が昭和二十六年の一月に設置されましてから、東京湾を生活の根拠にいたしますところの多数の海上輸送業者が、この防潜網によりまして航路を遮断されておりまする関係から、航行並びに業務遂行の面に至大の困難と損害を受けておるのでありますが、この海上輸送業者の被害に対しまして、調達庁におきましては、補償等の措置をこの法案によつて行い得るという見解をおとりになつておりますかどうか。その点をお尋ねいたしたいと思います。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 ただいま御質問の点につきましては、政府側といたしましても、これは特に考究せねばならぬ問題だと考えておりまして、今後の政令の内容等にいかにこれを具体化するかということを、今関係方面と協議中でございます。またこの法案によつて将来解決できるというお尋ねでございますが、私どもとしては、今申し上げましたように、この法案によつてしかるべく解決を見たいものというふうに考えます。

田口長治郎自由党

○田口委員長 田中幾三郎君。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 本法案は駐留軍の行為によつて損害を受けた国民に対して、実際の損害を補償してやろうという趣旨であることはもちろんであります。その意味におきまして、政府はこの損害の調査にあたりましては、きわめて厳重に、しかも親切にその損害の範囲を調査いたしまして、すみやかに補償をすることにしていただきたいと存ずるのであります。  本案に関連いたしまして、第十三国会において通過いたしました漁船の操業の制限に関する法律に基きますところの損害についてでありますが、この法律は御承知の通り、この事業をなす漁業者に対する補償を目的としておるのであります。そういたしますと、この制限によつて被害を受けたところの漁業の操業者が損害の補償を受けることはもちろんでありますけれども、この漁船で働いておる労働者もまた、この操業の制限によつて労働の制約を受けるわけであります。この漁業に従事する船員に対する労働の制限による損害は、いかようにして補償をなされるのでありましようか。あるいは漁業の営業者でないがために、これらの船員に対する労働の制限による損害は補償されないのでありましようか。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 一般の問題としてお答え申し上げますと、漁業制限の結果、漁夫たちがその職場を失います。そのために損害を生じたというものに対しましては、これは補償すべきものと考えております。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 そうしますと、漁船の労働者に対する補償というものは、事業の経営者と別個に、損害を受くべき被害者の対象として取扱われるのでありましようか。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 いろいろ操業の形態いかんによりましては、別個の場合もございますし、また漁業操業全体として考えて行く、その中における漁夫の関係の分というふうに、操業者の方からわけられるというようなこともあろうと考えます。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 そうしますと、独立して損害を受けたと主張する海上労働者は、別個に損害の補償の要求を政府にいたすこともあり得ますかどうか。

鈴木昇総理府事務官(調達庁不動産部不動産補償課長)

○鈴木説明員 独立して漁業従業員のみが損失をこうむつたというふうな場合には、そのものだけが補償の対象になることがあり得ると考えます。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 次にお伺いいたしたいのは、損害の算定の方法でございます。本法には、通常生ずべき損害と書いてあるのでありますが、伺いますと、過去三年間における漁業の実績を調査いたしまして、そうして、その平均の漁獲高もしくは収入高等を基準にして損害を算定するというようなことを伺うのでありますが、通常生ずべき損害の算定方法については、そういう方法で損害を算定いたすのでありましようか。

鈴木昇総理府事務官(調達庁不動産部不動産補償課長)

○鈴木説明員 駐留軍の用に供する土地等の損失の補償につきましては、昨年七月四日の閣議了解によりまして処置をいたしておるわけでございますが、本法の適用にあたりましての損失補償の要綱等は、現在作成中でございまして、ただ漁業関係の補償につきましては、本法による補償におきます場合も、さき申し上げました昨年七月四日の閣議了解の損失査定基準を準用いたしまして処理することができるものもあるかと存じております。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 その基準要綱なるものを私まだ拝見いたしておりませんけれども、私の希望といたしましては、通常生ずべき損害というものは、おのずからそごに損害が決定さるべき原則と方法があるわけであります。裁判におきましても損害賠償の算定は一番むずかしい問題でありまするので、この点につきましては、いわゆる通常生ずべき損害の算定の方法については、誤りなく正確に算定せられることを希望しておく次第であります。  それから次に損害算定の最後の決定権は、国家の機関としていずれにありましようか。手続の問題からいいますと、いわゆる事務的には最後の決裁でありますが、これはどこにあるのでありますか。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 これは調達庁長官にあります。

田中幾三郎日本社会党(右)

○田中(幾)委員 先日来拝聴いたしておりますると、最後の決定権を持つておりまする特別調達庁が、大蔵省の予算に制約をされて、それが額にも影響し、あるいは決定の時期にも非常に影響しておるように思われるのであります。しかしながらこの損害の決定をもし不服として訴えた場合には、裁判所は大蔵省の予算に関係なく、その損害の決定をいたすのであります。特別調達庁が最後の決定権を持つておりまするならば、別に予算にそう制約されずに、真の損害の補償をするのがこの法律の目的でありまするから、私はそういう制約を受けずに、損害賠償は損害賠償として、ほんとうの国民の損害を決定すべきものであると考えるのでありますが、これはいかにお考えになりますか。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 われわれといたしましては、できるだけほんとうの損害というものを発見するために、事務的にいろいろ努力するわけであります。もちろん国を相手に訴訟が起りますれば、これは法務省が扱うわけでありまするが、実際上の担当はやはり調達庁がこれに当るということであります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 ただいま外務省伊関国際協力局長が出席になつております。淡谷悠藏君。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 伊関局長にお尋ねしたいのでありますが、青森県の関根演習地の接収につきまして、閣議決定に至るまでの調査は、日米合同委員会で一体どういう処置をせられたのか、承りたいと思います。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 主として農林省が陸上演習分科会の主任をやつておりますので、農林省が調査いたしました。県当局とも連絡いたし、それから現地にも係官を何度か派遣したそうであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 実はこの間書面をもつて問い合せましたその御回答を外務省からいただいておりますが、この御回答ではなお明瞭でない点がありますので、この際演習地等の接収使用の手続をはつきり知つておきたいためにお答え願いたいのであります。これで一番問題になりますのは、地元関係人の意思を知るという問題であります。これは局長すでに御承知の通り、内灘におきまして関根地区におきましても、村長や知事やあるいは地元の有力者が承諾したという仮定のもとに出発しました使用手続が、閣議決定を見たあとでたいへん混乱をきわめておるのでございます。将来とも地元関係人の意思を知る手段として、村長ら少数有力者のみに依存して来た方針をかえないつもりであるかどうかという私の質問に対しまして、どうもかえないといつたようなお答えがあつたようであります。今も政務次官にお尋ねいたしましたが、局長が見えられるまではというので、その点がどうもはつきりされなかつた。そこで直接衝に当つておられます伊関局長は、今までの内灘、関根地方の実情にかんがみまして、地元関係人の意思を知る手段をもう少し具体的に規定しておかれるような御意思はないかどうか、重ねて質問いたしたいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 法律の面から申しますと、地元関係者の意見を徴しなければならぬという規定はございませんが、従来われわれがやつております実際のやり方は、できるだけ地元の意向を聞いております。今までも地元の意向を聞いてやりまして、問題が起りましたケースとしましては、ただいまおつしやいました内灘と関根が唯一のものなのでございます。それまでに六、七十件を片づけておりますが、全部県を通じ、町村長と話をいたしまして、すべて円満に片づいて来ております。なるべく広く関係者の意見を聞くというのがわれわれの方針でございますが、現実に何千名もの関係者があるという場合に、一人々々に当るということは事実問題としてできないのでありまして、そういう際はやはり村当局、理事者等の意向を聞くということに時間的に、あるいは実際問題としてなるわけでございます。しかし方針といたしましてはできるだけ地元の意向を聞いて行きたい。こう考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 ただいまの御回答でなお一層疑念を深めました。法律の上では必ずしも地元の意見を聞く必要がないという御答弁でございましたが、これは国有地あるいは民有地等、一切の所有関係は抜きにしてそのようにお答えになるのかどうか。もう一度お尋ねいたします。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 国有地につきましても、民有地につきましても、法律上は聞かなければならぬという規定はございません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 この演習地や国有地を使用する法律というのは行政協定と心得てよろしいのですか。ちよつとお尋ねいたします。私理解いたしますところでは、民有地にせよあるいは国有地にせよ、地元関係人の意見を徴することが法律上明記されておりますので、いささか局長とは違つておりますので、その点を強調したいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私が申し上げましたのは、閣議決定をするとか、あるいは提供の方針をきめますに先だつて、全地元の意見を必ず聞かなければならぬ規定はないということを申し上げたのでありますが、実際に契約をいたします際には、これは当然関係の者と話をするわけであります。ただこれが先であるかあとであるかというふうな点になりますと、法律上政府が意思決定をする前に聞かなければならぬという規定はない。しかし現実には聞いておるという点を申し上げたのであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 その一点が非常に重要なのでございますが、閣議決定は、できるだけ紛擾を少くし、同時にまた事後の円満なる事務手続が遂行されるような方向で進むことはもちろんでございまして、局長の気持の中に、こういうことは法律にないのだから、次第によつては強制使用による立ちのきをしいてもよろしいという気持の一点があるなら、将来もうまく行かないと思います。これに対して局長のはつきりしたお心構えを聞いておきたい。そこが私は一番大事なことになつておると思う。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 先ほどから申し上げておりますように、できるだけ広くそういう関係者の意見は聞いて参りましたし、今後も聞くつもりであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 その関係者の意思を聞くというような場合、従来の方法でよろしいと思つておりますかどうか、あるいは新しい方法をお考えになつておるならば、将来はこうした方が紛擾がなくなるのじやないかといつたような、具体的なお考えがあつたら承りたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 従来のやり方で問題が起きましたのは、内灘のクースはやや違つたケースでございますが、関根が初めてであります。閣議決定をするに際して、われわれは地元が了解しておると思つたにかかわらず、地元は了解しておらぬというのは、初めてでございます。ですから今後このケースにかんがみまして、やり方をかえなければならぬというようなこともあるかと思いますが、今後、われわれは了解しておる、こう思つてやり、他元は了解していない、こう申しておりますこのケースを深く調べてみたいと思います。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 ただいまも外務省の政務次官にお尋ねし、また同時に局長の方にもお尋ねしておるのでありますが、一昨日の座談会の席上でも、局長あるいは和栗入植課長もはつきり言つておられます通り、この文書になりました陳情書自体が、一面からは賛成と見られ、一面からは反対と見られるというふうな矛盾した結果を呈しております。いわんや協議会の席上で、世間になれない農漁民たちが言つておる言葉が、さまざまな誤解を生ずるのはあたりまえの話なのであります。もしもその関係者の意思を知るに、そうしたあなた方の主観にたよるような協議会その他の話合いだけで御決定になるならば、私は将来ともにこの演習地の紛擾が絶えないと思います。今本委員会で審議されております等々の法案につきまして、これが実際の施行上、まことに重大な障害になると思います。もしも関係人の意思を、知事あるいは市町村長の言葉や文書によつて知るというなら、こうした知事や市町村長と地元関係者との間の、この承諾並びに同意の形式を何とか文書的に整理するお考えがありますかどうか、お伺いしたいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 具体的に今後どうするかという点は、まだこの際申し上げるほどの成案はございません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 しかしこの後の成案がどう出ようと、局長の気持としましては、閣議決定後にこのような紛擾をかもし出さないように、できるだけ閣議決定前に、地元関係人の意思を十分に知るという一つの熱情と愛情はお持ちでございましようか、お聞きしたいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 その通りでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それならば、私お尋ねしたいのでございまするが、この間も私質問いたしまして、局長の明快な御答弁を得られなかつたのでございます。あの無理押しをいたしまして、たまを撃ち込んだ内灘の試射場の現状がどういうふうな状態になつておりますか、お調べになつた点がございましたならば、この点についてお伺いしたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 国警並びに県側から情報はとつておりますが、最近特に特異な情勢があるというような報告は受けておりません。依然としてすわり込みがあるということは承知しております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 これに対して局長がどのような善後措置をとられるか、あるいは最近とられようとするについての変化などがございましたならば、お伺いしたいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 なるべく早く円満に解決したいと思いまして、苦慮いたしおります。いろいろな方法も考えておりますけれども、この席で申し上げるということは、政府が今から具体的にどうしようということを申しますと、すぐ地元の新聞にも出ますし、一部の最後まで反対しようとする勢力も動いておりますので、私はこれは申し上げかねるんじやないか、こう考えます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 再三、そういうふうな御答弁はいただいておりますが、具体的に、試射の方法について重大な変化が起るかどうかも、ちよつとお伺いしたいのであります。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 今のところは権現の森の手前まで撃つておりますが、いずれあの森を越えて撃たなければならぬのであります。ただその時期がいつかと申しますと、それほどまだ切迫いたしておりません。これはたまの種類によるわけでありますので、たまのできで来るぐあいによるわけであります。近い将来当然あれを越えて撃ちたいと思つておりますが、その前には、かなり余裕をもつて米軍から通告して来ることになつております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 海面等の使用はどうなつておりますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 ただいまのところ、海の方へ撃ち込む計画はございません。但し相当射程の長いたまができて来ると、撃たなければならぬ。そうして今のように権現の森ですわり込みが行われると仮定いたしましたならば、海面八百ヤードをとつておりますから、ある場合、やむを得ずその一部の海面を使う。射程の長いものを撃ちます場合には、権現の森が弾道下に入らぬように、斜めに撃つということも技術的には行われるかもしれませんが、まだ具体的にそまで参つておりません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 それから最近地元の警察から地区の漁民に対して、船を出してはいけないという通達が出ているが、あれは外務省の関知しない通達でございますか。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 私はその通達は存じておりませんが、初めからあの海面七百ヤード、八百ヤードの幅は漁業の操業を制限しております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 内灘の試射場並びに他の演習場でも実弾は撃ち込んでおります。演習場や基地があの通り強制使用の形でとられたので、すでに日蓮宗の和尚さんが着弾まで入つているという事実も最近わかつております。非常に危険をはらんでおりますが、特に地元の警察が船を出してはいけないと言つているために、ことにあそこは国有地の関係を持つておりますために、漁民諸君が一箇月以上もこんな不安な状態にある。これで一体何で、暮して行けますか。考えている、考えていると言いながら、しかも国会の意思との関係もなしに、社会的な輿論も顧みず、政府だけでその問題を処置したい、その方向がきまらなければどうにもならない、こういう独断的な処置によつて、こうした現実の漁民たちの生活苦を何とも処置しないという態度は、怠慢だと思うのであります。特に実弾を撃つている場合、外務省もよく知らないような形で警告が発せられている。警告はよろしいけれども、万が一にもたまがぶち込まれて、あそこの民有地にすわり込んでいる人たちが生命の危険を感ずるような事態が引起つたならば、局長はどのような責任をとられますか、はつきり御答弁を願いたい。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 この海面における漁業は制限しているわけでございますから、私の方は、船が立入つておらぬと考えております。もしこの制限にもかかわらず、入れば、警察としてはそれに入るなという指令をするのは当然だろうと考えます。入らぬのが建前でありますから、もし入た場合には、警察が取締りをしておるわけでありますが、一々われわれの方に通報がなかつた、こう考えております。  次の補償の問題につきましては、今漁業ができないで困つているがどうするかという御質問でございます。これにつきましては補償いたします。それから民有地に現在すわり込んでおります。ですからこれを避けて撃つておるわけであります。民有地にたまの落ちるようなことはありません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 いろいろ御答弁願いましたが、私としてはとうてい満足する御答弁ではございません。このような現実的事態を見ましても、演習地あるいは基地の使用等に関する外務省の方針は、もう少し国民の立場に立つて、愛情を持つた、日本を土台にした観念に立つていただきたいと思います。特に外務省が閣議決定まで持つて行つた事案につきまして、特別調達庁が事務的処理に苦しむような事態を発生しないように、外務省として十分責任をとつてもらいたいと思います。起りました関根の問題あるいは内灘の問題に対しましても、いたずらに国民を敵視することのないように、具体的に善後措置をとつていただけるよう私は希望いたします。今度補償法が出るのでありましようが、この補償法がいかに出ましても、外務省が今までの独断的な一方的なやり方をもつて、国民を敵視して演習地の扱いをするならば、私は将来紛擾は決して絶えないと思う。一部外部の扇動とか、そんないやみを言われぬでも、この際一致して日本の将来を考える上から、外務省の今までの態度をさつそく直していただきたい。その現われといたしまして、紛擾の起つております内灘あるいは関根の現地で、使用接収の任に当られた外務省が、責任をもつて何らかの処置を講ずべく、出かけて行かれる御熱意があるかないか最後にお伺いいたします。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 内灘にしても、関根にしても、必要があれば、いつでも出かけて参ります。それからただいた外務省が独断でやつておるというお話がございましたが、決してそうではございません。関係各省に十分連絡をとりました上でやつております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 そういう考えだと私もう一ぺん言いたくなつて来るのでございますが、外務省と関係官庁と申しますが、現実に生活の利益を脅かされ、生命の危険を感じているのは関係地元民なんであります。毎日魚をとり、くわを手にしている農民が一番の関係者なんであります。そういう人たちの意見を具申をする道を開かずに、私は決して町村長や知事だけで、これらの意思を代表しているとは思いません。その点で使用以前にもう一歩立入つて、こういう人たちの意思を聞き、意見を聞いてやるだけの気持をまだお持ちにならぬということは、残念しとくに思います。先ほどの御答弁もございましたから、私はこれ以上追究はいたしませんが、さつき御答弁のあつた原則に立つておやりになるものと考えます。しかし、少くとも具体的に起つておりますこうした紛擾については、外務省は十分の責任をとられる責任があると思います。なお内灘の補償問題ですが、地元民はもう補償を要求しておりません。補償よりも何よりも、あの土地を返してもらいたい。これがただ一つの要求でございますが、こういう点なども、補償などといつてお逃げにならないで、もう一ぺんあの土地に対して、じつくりお考え願いたい。承りますと、これはアメリカの意思というよりはあのたまを製造する日本の軍需資本家の要求によつてできたものと聞いております。それならばなおさら国内問題としまして、国民の命を国の資本家がつくつたたまで奪うことのないように、十分御留意の上でこの問題を処概していただきたい。  なお内灘の人たちもたくさん傍聴に来ておられます。局長にお目にかかつて言いたいこともあるでしよう。そういう際は、お忙しいでしようけれども、十分時間をとつて、基地の人たちに対しては親切にその陳情をお聞きくださるだけの御親切だけはお持ちになると思いますが、いかがでございましようか、最後にだめを押しておきます。

伊関佑二郎外務事務官(国際協力局長)

○伊関政府委員 今までずいふん陳情を受けておりますが、現実に役所におります限りは常に会つております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 私の質問はこれで打切ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 川村君。

川村善八郎自由党

○川村委員 調達庁長官にお伺いいたし、また御相談申し上げたいと思います。ただいま審議中の法案の第一条第一項中に「従来適法に農業、林業、漁業又は政令で定めるその他の事業を営んでいた者がその事業の経営上損失をこうむつたときは、国がその損失を補償する。」第一号には「防潜網その他の水中工作物の設置又は維持」第二号に「防風施設又は防砂施設の除去又は損壊」第三号は「その他政令で定める行為」こうなつておりますが、この政令で定める行為につきまして、各省の関係から相当の議論がありまして、この法案に全部織り込んだらどうか。つまり政令で定めるとこれまでの法律がいつたもので、満足に、いわゆる納得の行くような政令が出たことがないから、それでは安心ができないから、もう一つ一つ法案の中に織り込むという議論が各所から起きておるようでございます。ところが実際問題といたしまして、法文の作業も容易でありませんし、もしその他政令で定めるものということを除いてしまつて一つ一つこの法案に織り込んだ場合に、さて実際問題として、その他のものが出た場合に困るということで、われわれはできるだけ法案の中に織り込む問題は大きな問題を織り込んで、その他の関係のいわゆる損失のあるようなものは、やはり政令に譲つた方がいいではないかという考えを持つておりますが、そうなるとやはり各省関係からどうしても安心ができないといつたようなことで、また政令が出た場合に不満が出て、議論しなければならぬということでは、かえつてうまく行かないのではないかという考えでありまして、われわれは政令を出す場合に、その前に大体政令の作業ができたならば、やはり本委員会に懇談的に持ち込んでもらつたらたいへん都合がいいのではないかと思う。われわれはどこまでも行政と立法とは切り離して考えておりまして、できるだけ行政の内容には入りたくありませんけれども、この法の運用ということをうまくやつて行きますには、やはり事前に御相談なすつたらいいのではないかと思つておりますが、いわゆる政令の案ができました際に本委員会にお諮りというか、御相談なさる御意思があるかどうか、私はぜひ相談してもらいたいということをお願いいたしますが、いかがでございましようか、御答弁願います。

根道廣吉調達庁長官

○根道政府委員 政令案そのものの内容といたしましては、まだ御相談申し上げる段階に至つておらないのでございます。この前の本委員会でございましたが、大体政令に盛るべき内容の事柄につきまして、一応御報告申し上げたことがあると思います。そのときなおわれわれとして漏れるものがないかどうか、また全体的の均衡を欠くことがないかどうかということについて、さらに考究を要する。なおまたそういう点につきまして、できるだけすみやかに関係各省と協議の上、具体的にとりきめたいというふうにお話申し上げたように記憶しておるのでございます。それでおそらく速記録にも残つておると思いますが、あの内容で大体御了承願えれ、はけつこうだと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいま長官から案をつくらオる前に関係各官、月と相談をして、できるだけ細部にわたつて織り込みたいという御意思はまことに尊敬するのであります。そこで事務当局にお願いしますが、もちろん関係官庁との御相談は当然しなければなりませんが、本委員会にもこれこれのものを大体織り込むようにしてあるからというようなことを、文書でも提示してもらえば、それによつて、こちらも懇談して、それで私たちの要望を出して、円満裡にこの法案を運用さしたいと思いますから、事務当局としてはぜひとも案に織り込むところの一つ一つを、われわれの方にも御提示を願うように希望を申し上げて私の質問を終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 他に質疑もありませんので、本案に対する質疑はこれをもつて一応終局いたしました。  この際御報告いたします。本案に対申しまして中村庸一郎君より各派共同にかかる修正案が提出されております。これは諸君のお手元に配付いたした通りであります。この際本修正案の趣旨弁明を求めます。中村庸一郎君。     —————————————

中村庸一郎改進党

○中村(庸)委員 私は各魔提案名を代表いたしまして、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律案に対する修正案についてその趣旨弁別をいたします。  本法案はさきに、漁船の操業制限等に関する法律制定当時からその必要を強く要望せられておりました次第でありまして、これが一日も早く制定実施されますことを切望している次第であります。御承知のごとく前の第十五国会におきましては、衆議院の解散によりまして、法律案は衆議院において可決されながらその制定を見ることができなかつた次第であります。かかる事情によりまして、同一内容の法律案が再び提出された次第でありますが、この間におきまして種々検討いたし、慎重審議いたしました結果、次の諸点について修正いたしたいと存ずる次第であります。  第一点は、主として水産関係の規定でありまして、原案の第一条第一項中、第一号の「防潜網その他の水中工作物の設置又は維持」とありました次に、さらに政令で定める行為について幾分具体的に規定いたしたいと存ずる次第であります。すなわち「水面の利用上必要な施設であつて政令で定めるものの除去、損壊若しくは変更又は水質の汚毒、障がい物の遺棄その他水面の利用を著しく阻害する行為であつて政令で定めるもの」というように追加規定いたした次第であります。  次に第二点は、主として農林関係の規定でありますが、この規定についても前の修正と同様の趣旨におきまして、原案の第一条第一項中第二号の規定に、さらに次の通り追加規定いたしたいと存ずる次第であります。すなわち「防災施設その他農地、牧野若しくは林野等の利用上必要な施設であつて政令で定めるものの除去、損壊若しくは変更又は農地、牧野若しくは林野等の利用を著しく阻害する行為であつて政令で定めるもの」と具体的にいたした次第であります。この点に関しましては、農林委員会からも特に要望のあつたことは御承知の通りであります。  最後に第三点は附則の改正でありまして、「この法律は、公布の日から施行し、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の効力発生の日以降生じた損失について適用する。」、「附則中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。」、「前項の損失に関して見舞金その他の名目で国から支給を受けた金額のうちこの法律の規密による損失補償金に該当するものについては、この法律の規定による損失補償金の内払とみなす。」と明確に規定いたしたいと存ずる次第であります。このことは国民の独立意欲からいたしましても、完全補償することは当然と考えられるからであります。なお、国家財政の上からも、食糧増産の面からも、これが被害の軽減措置を講じ、原状回復をはかることは適切なることと考えられますので、この点についても田記すべきであろうとも考えられましたが、原案による事業の経営上の損失の解釈と、原案の解釈によつてその運骨が可能であるという結論を得ましたので、この点に関する修正はいたさな九つた次第であります。  以上簡単でありますが、趣旨弁明を終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 ただいまの修正案について御質疑があればこれを許します。——他に御質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。  ただいまより原案並びに修正案を一括して討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。小高熹郎君。

小高熹郎自由党(分)

○小高委員 私はただいま上程されております日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失補償に関する法律に対する修正案がただいま中村庸一郎君から提出されましたが、その修正案に対しまして賛成の意見を開陳せんとするものでございます。私ども自由党鳩山派は、この法案につきまして慎重審議を重ねて参つたのでございまするが、ただいまの修正案の点が解決いたしまするならば、この法律をすみやかに制定いたしまして、悩んでおるところの漁民のために、一日も早くこれが解決に当らなければならないと考えておるものでございます。しかしながら今までの政府の各省間の連絡等のことを考えまするとき、一言意見を申し上げなければならないのでございます。それは各省間の連絡をよりよく緊密にしていただかなければならないことと、せつかくこの法律ができましても、事務の手続が非常に複雑でございまして、今までは一件にいたしまして、書類は最も少い面で二十四枚、あるいは多いときには百枚近くも一件に対して書類を要するというようなことでありまして、一件というより一人に対するというような事柄もございまして、従つて九十九里浜等におきましては、補償金を得ますために、トラツク二台も、三台も書類を運ばなければならないという、実に噴飯にたえざるような事務の煩鎖があつたのでありまして、これは絶対に訂正してもらわなくちやいかぬということを先般も強く要望いたしたところ、特別調達庁の不動産部長から、これに対して、でき得る限り事務の簡素化をはかるために目下考究中でございますという答弁がありましたので、一応は了承いたしておりますが、さらにこの点は繰返して強く意見として申し上げまするが、どうかせつかくのこの法律によるところのあたたかき補償金が、結果から見て手数がかかり過ぎるために、ありがた味が大いに減るということのないように、この際強く意見を提出しておきたいと思うのであります。  なお、これにつきまして、削減払いを行うとか、あるいは補償を停止するようなことの絶対にないようなことをこれまた強く意見として開陳しておきたいのでございます。そういう角度から本法を成立せしむるにあたりまして、かような附帯決議を提出いたすものでございまするが、委員長において適当におとりはからいを願いたいのでございます。    日本国に駐留するアメリカ合衆    国軍隊の行為による特別損失の    補償に関する法律案に対する附    帯決議  右決議案を附帯決議として上程いたしますが、委員長において適当におとりはからい願いたいことを希望いたしまして、本法案に対するわが党の賛成意見を終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。まず修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 起立総賞。よつて本修正案は可決いたしました。  次に修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 起立総員。よつて本案は満場一致をもつて修正議決いたしました。  次に小高熹郎君提出の附帯決議について採決いたします。これに賛成の方の起立を求めます。     〔総員起立〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。  なお本案に対する委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 御異議なしと認め、そのようにいたします。     —————————————

田口長治郎自由党

○田口委員長 ただいまより漁船損害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。松田鐵藏君。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 まず、私がこの損害補償法の改正に対して水産庁に承りたいことは、満期保険の年数はどういう制度をもつて行うか、この点であります。

立川宗保農林事務官(水産庁漁政部長)

○立川説明員 満期保険の年限は、大体三つの種類にわけて実施をいたしたいと考えておりまして、三年、六年、九年、こう考えております。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 これに対する財源の見通しはどのようになつておりますか。

立川宗保農林事務官(水産庁漁政部長)

○立川説明員 これは積立保険料を各保険契約者が支払いまするので、その保険料を保険組合が積立て、さらにその保険組合は支払いのために国に再保険をいたしますから、再保険特別会計に再保険料が積立てられるわけであります。そうして三年あるいは六年、九年の期間がたちまして支払いに達しますると、保険組合がまず払い、それに対しまして再保険特別会計は再保険金を組合に払つて行く、かような仕組みになるわけであります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 非常にまどろつこしい話でありまするが、まず積立保険料を積む、それは三年、六年、九年という規定によつてそれを積み上げる、積み上げて満期になつて金がたまつてから船をつくるというようなことに法律の表面はなつておりまするが、かかることでは漁民は満足することはできないだろうと思います。この問題は、第六回国会から論議されておる。機械の簡素化、代船建造ということがこの法律によつて実を結ぶところまで参つたのであります。ところがただいまの当局の御意見のように、再保険特別会計によつてそれが終結した後において貸出しをするのだということであれば、何も貸出しをする必要はない。それまでかけて行かなければならない。ただ利子補給の問題だけである。かようなまどろつこしいことで現在の漁民は満足するかどうかということをよく考えて行かなければならない。前の塩見水産庁長官の当時はそういう構想でなかつた。積立金による額は、水産庁から出された資料によりますと、三年目には十二億四千八百万円になる。六年目には四十七億五千二百万円になる。九年目には五十億八千八百万円になる。こういうことになつておる。こうした確固たで資料が現われておる以上は、これに対して、先に貸して、事前払いにして漁民に建造資金を与えるという方法をお考えになつておるかどうか。これが目的であつたと思うのでありますが、この点ひとつ御答弁を願いたい。

立川宗保農林事務官(水産庁漁政部長)

○立川説明員 漁船損害補償法の運用として、ただいま御質問のようなことを実行するわけには参らぬと思います。保険法の目的はおのずと別にあるわけであります。そこで今御指摘のような、積立保険料が国の再保険会計にだんだん蓄積されて行くわけでありますから、それを何らか運用をして、御趣旨のような目的を達するということは、考えてみなければならない重要な問題だと存じておりますが、なお研究中でございます。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 その点が研究中ではいけないので、その気持によつて、精神によつて、はつきりと意思表示をすることによつてこの法律の価値が表われるのでありまするが、大蔵省じやないから、ここでそうは言明できないことを了といたします。  保険課長にお尋ねしますが、最近における一年の建造資金はどのような数字になつておるか、この点をお知らせ願いたい。

伊藤茂農林技官(水産庁漁政部漁船保険課長)

○伊藤説明員 昭和二十五年から二十七年度までの三年間の平均におきまして、木船の建造トン数は四万五千トンであります。鋼船は一万トンでございますが、その単価をそれぞれトン当り二十万円、三十万円と想定いたしますると、百二十億円の金が漁船建造のために注ぎ込まれたことになります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 そういたしますと、三年間の平均の百二十億円という額は、私の予想にまつたく反した大きな額であります。私は一年にわずか五十億程度でなかつたか、かように考えておつたものでありますが、数字から現われた一年間の百二十億ということは、結局漁業の金融そのものにしわが寄つて来ているという実態の姿になつておる。しかしこの中でも開発銀行だとか、または組合の自営船とかいうことで特融の中から出ておるものもそれは多少はあるだろうと思いますが、とにもかくにも百億内外の金が漁民の自己資金によつてまかなわれておる。こうした額が現われておる以上、水産庁から出されておる先ほどの満期保険に加入するとして、この先ほど申し上げた数字はあまりにも僅少過ぎる額ではないかと思われるのであります。しからばこの一年に百二十億も出されておる金額が、これは日本の漁民の経済として一番重大なものである。よつて政府は満期保険の制度を確立せんとして今国会に提出した。さてここにおいてただいまの統計と水産庁の出されておるこの保険に入るか入らぬかという数字を見たときにおいて、あまりにも比較にならぬ。どうしてこういう遠慮をされるかということになるのであるが、財政資金から出そうとするときにおいて、あまり大きな数字を出すとおしかりをこうむるというような意識があつて、消極的な御意見からこういうものを出されたと見ておるのであるが、ここは大胆に率直に、水産当局は漁民の今日の経済を見るならば、もつともつと的確な数字を出して、政府に要望しなければならない問題が起きて来るものと私は考えておるのであります。しかしただいま部長から言われておる積立保険料によつてまかなつて行くという御意見は、これまたあまりにも消極的な意見であつて、それでこの満期保険が漁民に喜ばれる保険だとお考えになつておるかどうか、この点はもう少し御研究を願いたいのであります。かかる消極的な御意見であつたならば、漁民の要望し、渇望して一日もやまなかつたこの改正案に対して、漁民はうんざりしてしまうだろうと思う。もつともつと積極的に日本の水産の立場を御理解願いたいと存ずるのであります。よつてさきに成立された中小漁業融資保証法、この中小漁業融資保証法は漁業の着漁資金やつなぎ資金、それらに対して大体において七〇%を見込んでおる。設備資金に対して三〇%を見込んでおる。わずかに三〇%、よつてこれを財源とするわけにも参りませんでしよう。ところがこの基金協会の制度というものも世界に画期的な法律として、われわれは喜んでこれに賛意を表した法律である、これらを十分に活用する意思はあるかないか、この点を承りたい。

立川宗保農林事務官(水産庁漁政部長)

○立川説明員 漁業の建造資金の需要は非常に大きいので、あらゆる方途を講じてそれに対応しなければならないのであります。そこでただいまの信用基金の保証によつてももちろん不十分ではありますが、漁船の建造資金の一部は当然まかなつて行かなければならないというぐあいに考えております。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 その議論は、私はもつと親切なものが出るものと考えておる。大体基金協会のこの法律の性格からいつて、これを幾分そこに加味することができるが、これを活用するという議論はちよつとわれわれには納得のできない点であります。これは先ほどまで私が申し上げたような基金協会の金というものは全面的に活用のできない金である。これを一つのえさとし、これを材料とすることに対しては私は賛成であるけれども、これをもつて建造資金の基本的なものにしようなんということは、これはでき得ないものである。よつてこれは一つの材料にならなければならないものだ。さてそんならば水産庁から出されている——繰返して申し上げますが、こうした資料によつて満期保険に加入するものが出たならば、この船の建造意欲を増して、日本の水産経済の確立をなす場合において、財政資金の援助を求めなければならないことたろうと思う。財政資金とは農林漁業特融でありましよう。さてその農林漁業特融に対しては、いろいろ議論はあるだろうが、もはや二十八年度の予算の農林省としては割り振りができていることだろうと思います。今これをただちに特融を建造資金に持つて来るということはでき得ないことであろう、幾分はでき得るだろうけれども、できないことだろうと思うが、わくに制限されているがためにそれができ得ないことだろうと思う。しかしいかにしても漁業協同組合の自営の船というものはそうあるべきではない。しかして資本漁業の大会社は開発銀行という金融の道が開かれておる。ひとり中の、二十トンなり、五十トンなり、百トンなりの船をつくらんとするものは、漁業協同組合の自己船とするわけには参りません。それを転貸とする方法もあるだろうけれども、これらの中小の漁業者の金融の道というものはとざされておるのが今日の実態であります。つまり零細漁民は漁業協同組合によつて、農林中金によつてこれをまかなうことができるけれども、中小漁業者はその制度がない。よつて水産庁はこの法律によつてこの中小漁業者の建造船に対して恩典を与える政策を立案したものであると存ずるが、その金融の道はとざされておるのが現状の姿であります。さてここにおいて、私は一昨日へ前の農林事務次官である山添総裁と会つて懇談をしたのでありますが、そのときは非常におもしろい話をされておるのです。何もそう固くなつて、中小漁業者が特融から借りられないという制度はないんだ、基本方針がそこに農林当局において立てられれば、それでけつこうじやないか、こういう話をされておるのであるが、これに対して経済局はどのようにお考えになりますか。

山路修農林事務官

○山路説明員 御説明申し上げます。ただいま松田委員の申されました通り、漁船の建造資金につきましては、組合の自営いたしますものにつきましては、昨年度から農林漁業資金融通特別会計、これは今年度からは農林漁業金融公庫が行つております。それからまた捕鯨船のような大きなものにつきましては、御承知の通り開発銀行が行つております。その他の中小漁業の漁船につきましては、これも制度といたしましては、開発銀行の中小事業資金という道が開けておつたのでございますが、これの貸出しの実績と申しますものは、これはまことに微々たるものでございます。しかもこの微々たる開銀の中小事業によります漁船建造資金の道と申しますものが、最近中小企業金融公庫というものができて参りますと、開銀の中小事業部というものはなくなるようになつておりまして、制度的にも道がふさがるという問題があるわけでございます。この点につきましては、私どももいろいろ水産庁とも御協議申し上げておるのでありますが、農林漁業金融公庫というものは発足の当初、まだ発足したばかりでございまして、特別会計時代から通算いたしましても、まだ三年目で、その資金わくもなかなか私ども患うようによけいは入つて参りません。そのためにできるだけ貸出しの業種等も、まず最も需要度の高いと申しますか、政策的に最も緊要と、少くとも私どもの考えたものから取上げて来ておつたのでございますが、今の中小漁業の漁船どいうようなものも、今のままではいけないじやないか、近い将来に、この農林漁業金融公庫の性格と申しますか、要すれば公庫法の一部改正を伴いましても、そういつた中小漁業の、協同組合以外の漁船というものにも貸すような道を開くべきじやないかという、こういう方向は私どもも現在十分検討いたしております。この必要な資金がどのくらいになるか、こういつた点を十分水産庁とも御協議申し上げまして、できるだけ近い将来にそういつた方向を打出したい、かように考えておる次第であります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 まつたく当を得た御答弁で満足するのでありまするが、しかしこの法律が制定されたならば、この法律によつて漁民は、日照りに一日も早く雨を待つというのが漁民の考え方だろうと思うのであります。従つてただいまの御意見から行けば、近い将来といわれますが、今日とすれば、公庫法の十八条を改正することによつてただちにその資金というものが、あの公庫の財政資金のうちから振り当て得るものではないと考えております。それは先ほど申しましたように、本年のわくが決定しておるがゆえであります。これはわれわれは要望するが、でき得ないことでないかと思うのです。しかしそこに対して、この法律から行きますと、個人々々の漁船建造というものも、国が利子補給を与えておるがゆえに、これらに対して中金の資金は今だぶついておる、このだぶついておる資金を九州、和歌山の災害が勃発して非常な災害になつておるが、財政資金はもはや底をついておる現在のときに、見込みのあるものは、あの中金の自己資金以外にない。これを獲得する方法をお考えになつておるかどうか、使い得るかどうか、この点を経済局として御答弁を願いたいと思います。

山路修農林事務官

○山路説明員 農林中央金庫の資金が本年は従来になく余裕があると申しますか、潤沢であるということは今御説の通りでございます。ただ農林中央金庫の金と申しますが、その金の大部分は短期の預金によつて集まつております金でございますから、これを今すぐきわめて長期の資金にまわせるかどうか、こういう点には、多少農林中央金庫の資金の余裕と申しますものが、はたして来年も再来年も続くかどうか、こういつた点の見通しとも関連いたしますので、今必ずしも長期資金にこれをすぐまわすべきであるというような結論は、なかなかむずかしいのでございます。それから今のところ農林中央金庫に多少余裕があるということを申し上げましたが、先ほど、先般の凍霜害、それからそれに引続いて起きました第二号台風による被害、それからまた最近の北九州の大水害、さらには和歌山等にも起つておりますが、こういつた災害に伴いまして、たとえば営農資金でございますとか、またさらには漁業者の営漁資金と申しますか、そういつたような災害復旧に必要な緊急の金、そういつたものを、国といたしまして利子補給あるいは損失補償をして、農林中金の金を引出すというような、いろいろな方策が現在とられつつあるわけでございます。こういつたようなものの資金需要というものを考えますと、まずわかつておりますだけで、凍霜害で約二十億、これは法律に二十億となつております。さらに第二号台風におきまして、これはまだ政府として決定いたしたわけではございませんが、一応私どもは四、五十億円くらいの金がいるのじやないかということを考えております。さらにまた、北九州の問題になつて参りますと、おそらくさらにそれ以上の金がいるであろう、こういつたように、百億以上の金がおそらくこの災害の復旧に伴いまして農林中央金庫その他から出さざるを得なくなるわけでございます。こうなつて参りますると、農林中央金庫の資金繰りの余裕というものがいつまで続きますか、この点につきましては十分検討いたしたいと思いますが、今のところ私どもはそう手放しに、いつまでも農林中金の資金繰りが楽な状況が続くものとまでまだ考えられないのじやないかというように考えでおります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 経済局は勉強が足りません。まず中金の自己資金がどういう状態によつて営業のよろしきを得たかということを御研究が足りない。これは経済局としてめ大きな責任であります。この責任上もう少し御勉強された方がいいと思います。それは今まで特別会計であり、今公庫になつたのであるが、この公庫から出ておる長期の資金は、ほとんど中金の旧債の回収に充てられたのであります。それだけ農民、漁民の経済があの特別会計によつて非常に潤されたというようにわれわれは考えておる。さて本年は二百三十億でありますが、昨年は二百億、本年は二百三十億で、本年入つて来る金は約十億と見ておられるでしよう。こうしたことによつて、中金の自己資金が非常にふえておるという原因はそこにあるということを、あなたは御存じであるのだけれども、それをこの委員会で発表することを遠慮されたのであろうと私は考えておる。まず来年の四月までには、中金が今災害に出すという金を出さなかつたという場合には、三百億近い金が中金の自己資金になるであろうとわれわれは観測をし薫つたほどでありますが、今あなたがここでお聞きになつておるように、一年間の平均として百二十億出しておる漁民の建造資金が、すべての水産業に対するしわ寄せとなつて苦しんでおるのが漁民の実態であります。生産なくして日本の経済の確立はでき得ない。よつて農林省としては、漁船損害補償法の一部改正法律案、すなわち満期保険の制度を確立せんとして提出されたと思う。いろいろ議論はありましようが、生産を高めて行くことによつて初めて経済の確立ができ得る。こうした点から言つたならば、特別会計の財政資金を、公庫法の第十八条の改正によつて、個人に対しても貸し得る道を技術的に開くならば、二百三十億の公庫の財源に対しては当然穴が出て来ることでありましようが、この公庫の穴埋めは、現在でもやつておられる中金のつなぎ資金とかいうような制度で勘案して行つたならば、二十億や三十億の財政資金をこの方へまわすことが決して不可能ではないと私は考えておる。この点を水産庁当局と経済局は十分に御連絡になつて、日照りを待つ日本国民同様にお考えになるべきが政治の要諦であると考えておるが、そういう御意思は水産庁にもありますか、また経済局にもありますか。それによつてまだ私は質問があります。

立川宗保農林事務官(水産庁漁政部長)

○立川説明員 ただいまの御質問のようなことを、何とかくふうをこらして実現はしたいと考えております。そのやり方その他につきましては、財政上あるいは会計上なお検討すべき問題がいろいろあるように思いますから、これはしばらく御猶了を願つて研究させていただきまして、なるべくさような目的を何らかの方法で達したいと考えております。

山路修農林事務官

○山路説明員 今の点につきましては漁政部長の申された通りであります。ただ先ほどの松田委員の御説のうちで、農林漁業金融特別会計または公庫が、昨年度二百億、また今年度二百四十億貸した金が、全部農林中央金庫の自己資金をもつて貸した金の肩がわりであるということを、私の聞き違いであつたかもしれませんが、申されました。そういう農林中央金庫の肩がわりに使われたということも、一部にはあつたということも聞いておりますが、そういうものぽ例外的な、金額にしてきわめてわずかなものであると私どもは考えております。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 ただいまのあなたの発言は、私の述べていることを聞き違えておる。そういうことではない。それによつて中金の回収が非常に迅速に行つて、中金の今日の事業の確立を見おるが、これがもつともつと回収ができ得るようになるから、その額は二百億ないし三百億になるのではないかというような観測まで私がしておるということです。そこを上手に話していただかなければならないと思います。  それならば、ただいまの立川部長の御意思もよくわかつた。それから経済局としても、水産庁と協議して御考慮をなさる意思もわかる。ところがここに一つ問題になるのは、つなぎ融資というものに対しては法制化しなくてもいいかどうかいうことなのです。法制化するということであるならば、たとえば二十億なり三十億なり、その穴埋めをするために、現在中金としてはつなぎ資金としていろいろ出しておるが、これを中金としてもつと出しやすい方法として、その一定の金額に対して二割なり三割の保険の形の補償をしたならば、もつと中金はスムーズに行こうと思う。これは大蔵当局は反対のようであつたが、全面的に全部に出して行くというならば反対であろうが、一定の額に対しての議論であつたならば、大蔵省としてもいなと申さなくてもいいではないかというふうに考えておるのであるが、それに対する御意見があるかどうか。どういうお考えを持つておるか、この点を伺いたい。

山路修農林事務官

○山路説明員 ただいまの点につきましては、先ほど漁政部長から申し上げました通り、今後いろいろ検討いたしたいと思つておりますが、まだここで御披露申し上げるほどの案ができておりません。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 私は委員長に建議いたしますが、ただいままでの議論は、われわれは座談においてもいろいろと打合せをしておつた問題でもあり、もはや各委員もよく御承知のことと思う。これを急速に行うということとになれば、農林当局も公庫法の十八条の一部改正ということをお考えになつておるようである。まずわれわれはこの問題を急速に実現させて、農林当局と軌を一にしてこの問題の解決に当らんとする場合には、農林当局とするならば、大蔵省その他各省とのいろいろな関連もあつて、なかなか事態はスムーズに進捗するものでないと思う。この法律を待望してやまない漁民の目から見たならば、われわれは立法権を持つているのだから、議員提出をもつて今国会中にこの公庫法の一部の改正をすることが、農林当局にしても水産庁にしても非常な拍車をかけられる問題となつて、漁民の利益になることだと私は考えておるのでありますが、委員長は各委員にこの私の意見を問うて、議員立法として公庫法の一部改正をする御意見があるやいなやを適当に意見をまとめていただきたいと思いますが、どうでありますか。

田口長治郎自由党

○田口委員長 松田委員にお答えいたします。中小企業者、これは個人も法人もございますが、この造船資金の問題につきましては、委員長も松田委員と同感でございます。この問題につきましては、すみやかに委員と懇談いたしまして、一日も早く実現するように努力いたしたいと思います。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 その懇談の時期はいつごろになりますか、この点を承りたい。

田口長治郎自由党

○田口委員長 早急にやります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 もはや本国会も今月中で終りを告げます。一つの法律をつくるにしても、一週間や二週間はかかるものと私は考えている。よつて委員長にその御意思があるならば、この公庫法の一部を改正することについて、その意星いうものはおのおのはできていることだと思う。本日ここに各委員に諮られて、議員提出として立法するかいなかをただちに決定でき得るものと私は確信する。それを荏苒として、いつやるかやらぬが、急速にやるという御意見だけでは私は納得ができないのでありますが、この点ひとつ委員長にお考えいただきたいと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員長 あす水産委員会を開きますから、その前に理事会を開きまして十分相談をして、会期が迫つていることも承知しておりますから、できるだけ早く実現するように処置いたしたいと思います。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 それで意のあるところは十分わかりました。私はまだ質問したいこともたくさんありますが、時間も大分過ぎておりますので、私の質疑はこの程度をもつて終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 他に質疑の通告もありませんので、本案に対する質疑はこれをもつて一応終局いたします。

田口長治郎自由党

○田口委員長 この際御報告いたします。  鈴木善幸君より本案に対する修正案が提出されております。これは諸君のお手元に配布いたしました通りであります。ただいまより本修正案について提出者の趣旨弁明を求めます。鈴木善幸君。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 漁船損害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして趣旨弁明をいたしたいと存じます。まず修正案を朗読いたします。    漁船損害補償法の一部を改正する法律案に対する修正案   漁船損害補償法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  ただいま私が朗読いたしました修正案は、各派の春雪といろいろ協議懇談いたしました結果、おおむねその意見の一致を見たのでございまして、私が各位を代表いたしまして趣旨弁明をいたす次第であります。  御承知の通り現行法第三十二条(改正法案においては第百十二条)(付保の義務等)の規定によりますと、「漁業協同組合の地区内にその住所を有し且つ政令で指定する漁船を所有する者」すなわち指定漁船の所有者は、総員の三分の二以上の者が全部の漁船を保険に付すべきことに同意したときは、その所有する漁船の全部について、保険に付されなければならないことに義務を課しており、また法第百三十九条(保険料の負担)の規定にて、この漁船については「純保険料の百分の五十を国庫が負担する」ことになつております。  そこでこの「政令で指定する漁船」でありますが、現行の漁船損害補償法施行令第四条において「総トン数二十トン未満一トン以上の動力漁船」と規定されております。  現在漁業の中堅である二十トン以上百トン未満の漁船は保険料半額国庫負担の恩点に浴していないのであります。  なお百トン以上の大型漁船については市中銀行はもちろん開発銀行等からの融資等の道もありますが、この中型漁船については何らの国家的援助の道が開かれていない現状であります。  かかる理由からいたしまして、ただいまお手元に配布いたしてあります通り漁船損害補償法の一部を改正する法律案を修正いたし、これが救済の道を講じようとするものであります。  修正案の内容はしごく簡単でありまして、これまで政令で指定しておりました漁船につきまして、これを法文上に明記して「一トン以上百トン未満の動力漁船」といたし、これが適用については附則において昭和二十九年度以降とした次第であります。  なお二十トン以上百トン未満の漁船は全国で六千隻余りありまして、この約半数が義務加入いたすとしますと、昭和二十九年度において国庫負担が一億一千四百万円程度増すことになります。  以上簡単でありますが、趣旨弁明を終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 ただいまの修正案について御質疑があれば、これを許します。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 しごくごもつともな修正案だと考えております。その修正案を見るときにおいて、そういう懸念はないことだろうと思いまするが、当初灰関するところによると、大蔵省当局は二十トン以上の漁船、五十トンないしは百トンまでの間を小刻みに刻んで、その補償に関する意見があつたというようなこと及び会社経営の漁船に対しては、これから除外するというような御意見があつたように聞くのであります。ただいまの修正案から行きますと、そういう懸念はないように思つておりまするが、その点はないことは明らかでありまするか、提案者に質問をいたします。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 ただいまの松田委員のお尋ねは、非常にごもつともな御質問でございますが、ただいま修正案で述べましたように、政令、施行令に譲つておりましたのを、この本法の条文の中にはつきりと明記いたしておりますし、なお国家が負担いたしますところの百分の五十の保険料につきましても、法に明記いたしておる点でありまして、政令事項に譲つていないのでありますから、本法によつてはつきりとこのことが保証づけられるものと確信いたしております。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 提案者からその内容を承りまして、まことに当を得たことと存ずるのであります。少数党内閣の自由党において、よくもこれまで御努力されたことを非常に多とするものでありまして、本案に対しては賛成の意を表するものであります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 他に質疑もないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。  これより討論を省略してただちに採決いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 異議なしと認めます。  それでは、まず修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総目貝起立〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。  次に、修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 起立総員。よつて本案は満場一致をもつて修正議決いたしました。  なお本案に対する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 異議なしと認め、そのように決します。  本日はこの程度にとどめ、明日午前十時から委員会を開会いたします。  これをもつて散会いたします。     午後一時五分散会

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