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16回国会衆議院1953/06/26

水産委員会 第5号

発言数
30
登壇者
8
会派数
3
開催日
1953/06/26

会議録

田口長治郎自由党

○田口委員長 これより会議を開きます。  水産行政に関する件について議事を進めます。本日の政府側出席者は、清井水産庁長官、中里協同組合課長、経済審議庁岩武調整部長、農林大臣及び官房長は後刻御出席になります。  これより質疑に入ります。松田鐵藏君。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 岩武部長にお尋ねしたいのでありますが、去る六月の十六日に総理大臣は水産問題に対して、「水産資源の維持開発に努めるとともに、農林水産業経営の安定合理化のため、金融措置、保険制度の拡充強化等に遺憾なきを期したいと存ずるのであります。」という施政演説をしておるのであります。翌十七日には内田農林大臣は「また水産におきましては、沖合漁業及び遠洋漁業を奨励するとともに、その魚族の維持開発の対策を進めて、脂肪及び蛋白の食糧の供給に努めておる次第でございます。」 かように国会において施政演説をされておるのであります。しこうして現在の開発銀行においては、水産のわくに対してどのような措置をされておるか、施政演説に合致するような方法をもつてされておるかということを承りたいと思うのであります。  農林大臣が参りましたから、非常にお忙しいことだと存じまするので、まず農林大臣にお尋ねしたい点があるのであります。農林大臣はかつて佐賀県において、水産会社及び水産団体の長をされておつたことがあるので、今回農林大臣の御栄職を担つたのでありまして、まことに私どもとしたならば、これに対し御祝意を表するものであります。水産業に対する抱負及び水産行政に対する経綸を、ひとつこの機会にわれわれに御発表願えるならば非常に幸いだと存じます。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 松田さんのお言葉にまことに恐縮いたしますが、私は今回突然水産行政の責任者として担当いたすようになりました。経験に乏しく、御承知のような至らざる者でありまして、今日のきわめて重大な問題であります水産業の振興に対して、どれだけの寄与をなし得るかをおそれておるものございますが、誠心誠意努力をいたしまして、責任を果したいと存じておる次第でございますから、当委員会の方々はいずれもその経験あるいは抱負におかれてわが国水産業に寄与せられるところの、今日までもまた今後も多大なものがあると存じますので、相ともにわが国水産業のために御協力賜わりまするように、まず冒頭にお願い申し上げる次第でございます。松田さんのお言葉でございまするから、この際水産当局として当面の水産振興に対しまする方向を一応明らかにいたしたいと存じます。  わが国水産業は、先般の大戦によりまして非常な打撃を受けたのでございますが、しかも漁場の制約などきわめて悪条件の中にもかかわりませず、戦後目ざましい復興ぶりを示し、今や漁獲高におきましては年十億貫を越えて、おおよそ戦前の水準に達しており、漁船の勢力においても戦前をしのぐ状況にあるのであります。しかしながら漁業従事者一人当りの漁獲高は、戦前に比べて若干の減少となつておりまして、これは漁業者の経営の苦しさと、国内漁場での過剰な操業努力を示す一証左と考えるのであります。従つて、わが国の水産業の振興のためには、生産の増強と経営の改善合理化を促進するための施策を重点的に進めねばならないと信ずるのであります。  戦後のわが水産業の再建は、新漁業法による漁業制度の改革及び水産業協同組合法による新漁業団体の育成を支柱として推し進められて参つたのでありますが、新旧漁業権の切りかえも一段落し、漁場秩序の再建も着々と進行しておりまして、これからの重点は、沖合漁業の調整並びにこの制度改革の効果を保持するための経営の改善指導にあると信ずるのであります。ところで漁業経営の大部分が中小企業またはそれ以下の規模しか有しない薄弱な経営で占められている関係上、その経営の合理化を進めて参りますにつけても、まずその資金の調達難に当面して苦しんでいるのが現下の実情であります。これとともに狭い限られた漁場をめぐつて、沿岸漁業や沖合漁業者が、その利害の調整に悩んでいるのでありますが、一方わが国の近海における漁場の調査開発は、まだまだ不十分なところもありまして、そこに資源の開発の余地がなお存すると考えている次第であります。  従つてこれに対する施策の第一といたしましては、水産金融対策であります。製氷冷凍、組合自営漁船等の共同施設については、農林漁業資金の特別融資措置を講じるとともに、捕鯨、かつお、まぐろ漁業等については、漁船建造その他について開発銀行資金の融資措置をとつております。その他の一般的な資金需要に対しましては、農林中金或はその他の市中金融機関からの融資の円滑化を促進いたしまするため、前国会において成立しました中小漁業融資保証法に基きまして、各県に設立せられる漁業信用基金協会の保証を行わせることとしまして、目下着々その機能の発揚に努力中であります。次に、施策の第二としましては、水産の増殖並びに資源の維持と漁業調整の問題に対する対策でありまして、増殖対策としましては、内湾、浅海面における海藻、貝類の増殖、内水面における稚魚の放流施設等を奨励して参つているのであります。また資源維持及び漁業調整の重要な施策としては、底びき漁業の整理転換対策でありまして、御承知の通り小型底びきにつきましては、昭和二十六年度から五箇年の計画をもちまして、減船整理を実施中でありますが、本年度からは、中型底びきについても操業力過剰な海区においては、自発的な転換を奨励する方途を講じて参りたいと考えております。  次に、施策の第三といたしましては、保険制度の拡充であります。漁業者の持つ最も大きい資産である漁船についての保険制度の普及をはかるため、昨年漁船損害補償法の実施によつて、二十トン未満の漁船については一定の条件のもとに保険加入を義務づけまするとともに、この場合保険料の三都を国庫で負担するという措置を講じたのでありまするが、今回漁船の適期における更新を容易にするため、新たに漁船の満期保険の制度を新設することとし現行法に対する所要の改正を提案いたしたいと考えておる次第であります。  次に、第四の施策といたしましては、近海の資源の開発調査並びに沿岸漁業者に対する科学技術の導入でありまして、対馬暖流流域の資源の総合開発調査を、関係都道府県及び大学等の協力を得て本年度より本格的に実施する予定でありますが、さらに本年度より水産技術改良普及の制度を設け、伝承的な勘にたよる沿岸小漁業者に対する科学技術の導入をはかつて参りたいと考えております。  第五の施策としましては、漁港の整備事業の雄進であります。漁港の整備につきましては、第一次計画として四百五十港の整備計画を決定し、その事業の推進をはかりまするために、公共事業費による財政資金の投入及び農林漁業資金の特融措置に努力中でありますが、国家財政の許す範囲内におきまして、極力所要経費の計上に努めたい所存であります。  次に海洋漁業の振興と国際問題に関する点について一言申し上げたいと存じます。昨年四月平和条約の発効に伴いまして、それまでわが水産業に課せられていました制限は撤廃せられ、これによつてわが国が再び国際漁場に復帰する道が開かれたのでありますが、これを契機といたしまして、水産資源の保存と開発に留意いたしつつ、国際信義を旨として規律ある行動をとり、積極的に海洋漁業の振興をはかり、これに伴つて沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へというように、時を追うて発展する方針をとりまして、これまでの狭い漁場における資源に対する圧迫をできるだけ緩和いたし、合理的な漁場秩序の確立をはかりたいと常時努力しつつあるのであります。  右の基本方向に沿つて、昨年北洋のさけ、ます漁業を試験操業の形で再開いたしましたが、その結果に基き、本年も引続きその規模を拡大してこれを実施するとともに、さけ、ます資源の開発のため政府におきましてできるだけの調査を行うことといたしましたが、このほど新たに母船式かに漁業の操業を許可いたしました。またアラフラ海における真珠貝漁業につきましても、目標間の漁業交渉との関連を十分留意しつつ、統制ある態勢のもとで行うことといたし、本年五月中旬船団の出航を見るに至つたのであります。またマツカーサー・ラインの撤廃及び南支那海トロール漁業の再開に伴いまして、占領中やむを得ず整理されましたいわゆる中間漁区船に対しまして、東支那海、黄海への復帰を許可する方針をとる一方、遠洋かつお、まぐろ漁業につきましても、逐次段階的に船型の大型化を認めて行く方針をとることといたしまして、これに伴う漁業法の特例措置の立法化を国会に提案したい所存であります。  ところで御承知のごとく、海洋漁業の発展には、関係国との間に国際的な問題あるいは交渉を伴うものが多いのでありまして、北洋漁業につきまして、すでに日米加三国漁業条約の成立を見ましたのを初め、日濠の間、日韓の間等につきましては目下交渉中であります。政府としましては、人類共通の資源である水産資源の保存と開発のため、平等の立場に立つて関係国と協力することについては、率先これを実行する用意を持つている次第でございます。  なおわが国との間に国交のいまだ回復していない諸国につきましては、遺憾ながらお互いの交渉を持つすべがなく、現実の漁業操業に関連してわが漁船の不法拿捕、抑留事件が跡を絶たない実情であります。これらにつきましては、一に外交的に適当な布置に期待せられるのでありますが、平和なる漁船の操業を保護指導するため政府といたしましては、海上保安庁の巡視船と協力いたしまして、農林省の漁業監視船を極力配置いたし、事故の防止に努めている次第であります。  以上今後の施策の方向の大要を申しあげまして、御了解を仰ぎたいと存じます。

田口長治郎自由党

○田口委員長 農林大臣に対する質疑の通告があります。順次これを許します。松田鐵藏君。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 ただいま農林大臣のまことにりつぱな御抱負を承りまして、私は非常に意を強うするものであります。しかし農林大臣のただいまの御抱負が、事務当局とあらゆる観点から行きまして、はたして一致するやいなや非常に疑惑を持つのであります。政治力の偉大なる農林大臣は、この点に対して御努力あらんことを希望するものであります。しかも現吉田内閣の施政が毎日々々経済界に及ぼすその影響は甚大でありまして、不渡手形の濫発となつておるのでありますが、これは農林大臣においてもよく御承知のことと存じておるのであります。せつかく農林大臣も、また農林当局も努力されておりますけれども、つくられた法律が、金融問題だけに限定いたしましても、微々としてその運営が円滑でないのであります。まず第一に、中小漁業融資保証法にいたしましても、その実態なるものは非常にゆがめられております。この点各銀行、たとえば農林中金そのものは、系統機関でなければ貸出しができないことになつておる。漁業協同組合であるならば、それによつて基金協会に出資をして借入れる方法がありますが、漁民個人々々としては、法律でりつぱに制定されており、基金を積んでおつても、現在の銀行では基金の融通を受けることはとうてい不可能であります。これに対して大臣は、のように御処置なされるか。要は銀行に自己資金がないのであります。また他の企業に貸し出す場合には利益がある。国が保険を付してまでめんどうを見てやろうというこの基金協会に対して、金融業者は相手にしないというのが今日の実態であります。今後この国会に提出されんとする漁船損害補償法の中に、ただいま農林大臣のお話の中にもありましたが、満期保険を付して漁船の建造資金に充当せんとする政策が盛られておりますが、しかしこれに対していずこからその金融を受けるのであるか。現在の段階ではこれはとうてい不可能であります。  次に農林漁業特融の問題でありますが、この特融の制度は、廣川農相当時におけるドツジ・ラインを打破して現在の農民、漁民に対しては、この長期資金以外に農民、漁民を救うべき金融方針は無いということによつてでき上つた法律でありまして、また金融公庫の設定を見ました。ところが現実のこの実態というものは、農民、漁民の非常な利益にはなつておりまするが、反面において中金の救済になつておるのであります。この実態をよく御調査を願いたいと思います。弱小な協同組合が特融を受けんがためにあらゆる努力をいたしまして、旧債の返還をしておる、それが積り積つて今日の金融界における喰肉今になさんとする時代において、自己資金をもつておる金融業者というものは農林中金以外にないのであります。これが実態であります。これに対して農林大臣は相当のお考えを持つて御研究を願わなかつたならばならないことだろうと思うのでありますが、私は中小漁業融資保証法を完全に生かし、漁業損害補償法をこれから制定されても、これを救うべき道は農林大臣の政治力によつて、農林中金の自己資金を、漁民であつたならば貸し与える制度をつくるか、または農林中金に対して何らかの指示を与えて、この金融政策をして行かなかつたならば、ひとり農林中金のみの利益となり、しかして漁民にとつては法律は画にかいたぼたもちとなることであります。この点に対し十分なる御調査を、ただいま御答弁を願えるとは私は思いません。御調査を願つて、政治力によつてこれを是正していただく、そうして漁民の福利になるようにお願いしたいと存ずるものであります。  次に、私はまた、ただいま沿岸の漁民が沖合い漁業に、また遠洋漁業へという政策をも御発表になつておりますが、この点に対しては行き詰まつた沿岸の漁民の行くべき道はごもつともであり、政策と同様であります。沖合い漁業、遠洋漁業または他国に、海外に進出して、日本の漁業の、漁民の調節をしなければならないことだと思うのであります。これに対する調査の資金というものも、現在では北洋の調査船十そう出ておるだけであります。他国の調査というものに対しては、何らその手を打つていないのが現在の姿であります。これが重大な問題でありまして、日本のドル獲得のためには最もいい方法であり、漁民を海外に出すということは好ましいことであります。こういう点に対して、委員会におけるいろいろな議論とまた大臣とひざをまじえて、政治問題としてこれを解決する時期を、時間をかしてもらつて、われわれ委員会と相一致した方向に向つて進んで行つたならば、保利農政というものは非常な効果をあげることだろうと存ずるものであります。  次に私は先ほど大臣の御出席にならない前に質問をしておつた問題がありまするが、沖合い漁業の調整——大臣は調整と言いますが、内田前大臣は振興という言葉を使つております。国会の施政の御答弁において、そういう言葉を使つております。しかるに昨年は水産庁のあらゆる努力によつて、開発銀行に対して三億の遠洋漁船に対する貸出しを与えておるのであります。本年は遠洋漁船に対しては、かつお・まぐろに対してわずかに八そうよりわくを与えていないというのは、私は昨日農林省の金融課に行つて調べて来た現実の姿であります。水産庁は十五そう分、五億九千万を提出しておるのに、これに対してその予算の割当を減じたということは、一体どういうところにその理由があるのであるか、私は納得できない。内田前農林大臣は遠洋漁業、沖合い漁業の振興という言葉を使つておられる。保利農林大臣は、この点に対して十分なる御審議をされて、この開発銀行に対するわくそのものも、大幅の拡大をして行かなかつたならば、言葉ではどのような美辞麗句をされても、その実現というものは竜頭蛇尾に終るものでありまして、あなたの政治力を疑われるということになるのであります。この点、十分と御考慮を上願いたいと存ずるものであります。他の議員方々も農林大臣に質問をしたい点がたくさんあるであろうと存じまするので、私はこの程度でもつて農林大臣の将来の政治力を期待いたしまして、もし御答弁のでき得るものがありましたならば、御答弁を願いいたし、また後刻よく話合いをしようというお考えであつたならば、後刻また時間をさいていただきたい、かように存ずるものであります。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 松田さんからいろいろ示唆をいただきました。特にこの金融関係につきましては、従来とも国会側並びに水産当局の御協力をいただきまして、それぞれ道を開いて、今日相当の改善が行われておることはよく承知いたしておりますが、しかし今日までの御努力にもかかわらず、実際の実情におきましては、いろいろ御指摘のようなことがあろうと存じます。私はぜひ委員各位と御懇談の機会をいただきまして、ただ水産業の発展のだめという趣意をもちまして、できるだけ各方面の皆様の御意向を伺つて、事態をつまびらかにして、できるだけの努力を払つて参りたいと考えておる次第でございます。  開発銀行のわくにつきましては、まだわくがきまつておるわけではないようでございますから、事務当局となおよく旧談をいたしまして、私としてできるだけの努力を払うようにいたします。

田口長治郎自由党

○田口委員長 赤路友藏君。

赤路友藏日本社会党(左)

○赤路委員 農林大臣から非常にけつこうなお話を承りまして、二、三点御質問申し上げたいと思うのでありますが、農林大臣のお話の中に、経営の改善を積極的に進めなければならぬということがあつたようでございますが、これに対する何らかの具体的な案件を持つておられるかどうか、これが一点。次にお話の中に、漁業改革の成果をあげておる、漁業権の切りかえもできた、またしかしながら沿岸漁業と沖合漁業が非常に錯綜しておるということがお話の中にあり、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へという基本方針を今後とも進めて行きたいという御意見であつたと思います。まことにけつこう血ことでありますが、確かに漁業改革の成果が上つておる一面はあると思いますが、この漁業法施行法の第七条の面が全然実施されていない。これが実施されていない理由はどこにあるのか、この点をお聞きしたいと思います。これが実施されないことによつて、大臣許可漁業の面及び地方長官許可漁業の面が非常に錯綜しておる。現在沖合いと沿岸とが錯綜しておる原因は、法律に示されておる当然なさなければならないことをやらないというところに問題点が伏在しておると私は思うのであります。悪く解釈いたしますと、指定遠洋漁業の在来のものを保護し、擁護することだけが目的であつて、そのことのために第七条に明文化されておるものをやつていないんだ、こういうふうになろうかと思いますので、その点についての御見解をお聞きしたいと思います。  なお資源保護と増殖対策でありますが、当然なさなければならないことであります。ところが二十七年度の予算を見てみましても、あるいは二十八年度の予算を見てみましても、沿岸魚類の増殖のための築いそ予算というものが全然含まれておらないのでありますが、沿岸漁民の育成あるいは保護のための沿岸魚類の増殖ということについては、当局はどういう御見解をお持ちになつておるか。  なおいま一つ底びき船の整理がお話の中にあつたのでありますが、私どもといたしましても、当然これはなされなければならないことだと思つております。ただしかしながらこの底びき船の整理が、船が多いからやるということだけでなしに、やるにはやるとして国家のそれぞれの対策、補償というものがなければならぬと思います。所有権そのものに対する補償はあるのでありますが、乗組員に対する何らの補償がなされていない。中型においては八千円の退職補償はありますが、小型においては全然これが見られていないのであります。今後これらに対していかなる対策を立てようとするか、御見解を承つておきたいと思います。  なお漁港各備の重要性についてお話があつたので、まことに私は心強く思うのでございますが今までの予算措置の範囲内で見ました場合、当初漁港整備にかかりまするときの基本的な考え方である、六箇年の計画をもつてこれを完成しようとすることは、現在の予算布置の状態においてはとうていできない。おそらく今のような予算措置の状態においては、十五年、二十年という長年月を要するかと私たちは考えるが、この点についての御見解をあわせてお願い申し上げたい。以上私の考えておる不審な点だけをお聞きいたします。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 漁業の実態が、先ほど申しますように中小企業以下の形において日本の漁業が大体構成せられておりまして、従つてその経営の改善、指導ということが非常に重大だ、どこに一体それを持つて行こうとするのか、具体的にはいろいろ事務当局にもお考えもあり、あなた方にもお考えがあろうかと存じます。私は十分皆様の意見も聞き、また事務当局の考えも聞きまして、そうして具体的に一つ一つ片、つけて行きたいというような考えでおります。底びきの整理の問題等につきましては私がお答えいたしますよりも水産庁長官からお答えいたさせることにいたします。

清井正水産庁長官

○清井政府委員 ただいま赤路委員の御質問に対しまして大臣よりもお答え申し上げたのでございますが、私よりなお補足してお答え申し上げたいと思います。  ただいまの御質問の点は非常に多岐にわたる御質問でございまして、一々ごもつともな御質問であると思うのであります。まず沿岸漁業の振興につきまして、協同組合等を中心として諸般の振興方策を講ずるという趣旨についても、ただいま大臣から御説明があつたのでありますが、それに関連して、沿岸あるいは浅海等の築いそ等の増産施設を講じなければならぬではないかという御質問がありました。確かに私どもは、沿岸漁業の振興並びにごく浅海方面の魚族の保護、維持という観点からいたしますれば、築いそ、投石、魚巣その他のいわゆる水産増殖施設というものが必要であることは、私どもも同様に考えております。ただ御指摘の通り、残念ながらこの予算が、なかなか実際問題としては、今後増加をいたすということに非常に困難を実は感じている状況であります。御承知の通り二十八年度予算は二十七年度より補助率が多少かわつた部分もありまして、若干少くなつておりますが、私どもといたしましては、この予算は確かにお話の通り沿岸魚族の保護振興のために必要な施設であるということを痛感しておりますので、この予算は非常に困難な点を伴うかもしれませんけれども、何とかして今後この方面に重点を置いて行かなければならないと考えておりますから、さよう御了承願いたいと思います。  それから底びきの整理等につきましてもいろいろ御質問があつたのでありますが、この点は先ほど大臣からもお話し申し上げました通り、小型の底びきについては現在進行中でございます。中型の整理につきましては、本年初めてこれを開始いたすといようなことでございます。小型、中型ともに沿樺漁業の漁場の確保あるいは保護という観点からこれをいたしているようなわけでございます。しかしながら一方また同時に、整理される底びき船の当事者のことも考えなければならぬと思います。そういう意味合いにおきましては、単に整理の方法といたしましては、沈船等のごとき措置のほかに、他種漁業への転換等のことも考えまして、つとめて沖合い漁業の方向に転換してもらうということにやらなければならぬと思うのであります。そういう方面に対しまして、底びきの整理につきましては小型、中型ともに、できるだけ他種の、遠洋の方向と申しますか、沖合いと申しますか、なるべく沿岸から遠ざかつた沖合ひの漁業に転換してもらうということを方向といたしまして、沿岸漁業の摩擦を極力避けるように進んで参らなければならぬ。そういう意味におきまして、全体的な底びき漁業からの沿岸漁業への圧迫を緩和するとともに、沖合いから遠洋へ、あるいは沿岸から沖合いへという一つの方向を裏づけて参ろうと考えております。  漁港の問題についてもお話がありました。この点は御承知の通り三箇年計画でやつて参つたのでありますが、実はなかなか思うように参らないことは御承知の通りであります。四百五十港の第一次計画は二十六年から始まりましたので、犬、七、八と、予定通り参りますれば二十八年度で全部着工が終ることになつておりますけれども、残念ながら二十八年度予算だけでは、既定の四百五十港全部に着手することが困難と思いますので、これは当然一部分は一十九年度予算に移行して弁りたいと考えております。しかしながら問題は)引続いて起りますところの第二次整備計画の問題があるのであります。ただいま私ども事務当局において案をつくらしております。これはただちにというわけに参りませんけれども、またやがて第三次整備計画についていろいろ御意見を伺い、また御説明申し上げる機会があろうと思いますから、ただいまはそういう意味合いにおいて、この計画が進行しているということで御了解願いたいと思います。予算の増額につきましても、漁港整備が漁業の基本施設であるという観点にかんがみまして、できるだけ今後漁港関係の予算の増加に努めて参りたいと考えておる次第であります。  それから漁業法施行法の第七条についての御質問があつたのでございますが、この点につきましては、御承知の通り昨年マッカーサー・ラインが撤廃されまして、海洋漁業の状況が全般的に相当かわつて参りましたので、その辺のにらみ合いにおいて、主として旧法に基く許可については、いろいろ考えてみなければならぬ点があるかと思うのであります。この点につきましては、この問題の方針に沿つて、私どもは十分研究をいたして参らなければならぬと考えておる次第でございます。

田口長治郎自由党

○田口委員長 大臣は十二時にお約束があるそうでありますから、なるべく簡潔にお願いいたします。

赤路友藏日本社会党(左)

○赤路委員 ただいまの点は、私はここではこれ以上追究いたしません。また御無理だと思いますので、爾後御答弁願えますように、十分御調査置き願いたいと思います。底びきの整理の件は長官のおつしやる通りであります。ただ問題は全部が全部沖合いから遠洋へ出ることは不可能であつて、当然整理されるべきものが残る。その整理されるべきものの乗組員の諸君が、二十七年度の調査を見てみますと、現実に生活困窮に陥つておるというデータが水産庁にはつきり出ておるはずであります。それらの面を御考慮願いたいということをここで申し上げておきます。  それから第七条の問題でありますが、第七条の問題は、これ以上ここでは追究いたしません。しかし第七条によりますと「主務大臣は、その定める期間内に、新法施行の際」とこうある。新法施行は昭和二十四年の十二月十五日です。ただいまの御説明にありましたマッカーサー・ラインの撤廃云云ということは二十六年です。この間三年間そのままほうつてあるということなんです。もちろん漁業権の消滅というものが二箇年でなされておりますから、これも二箇年放置したということは一応了解いたすといたしましても、今日の段階になりますと、あまりにも片手落ちな措置である。沿岸漁民の漁業権の面が全部消滅され、漁業改革の線に向つておるにもかかわらず、指定遠洋漁業においてのみさような措置がとられていないということが問題点であると私は思うのであります。いずれあらためて御答弁は願うことにいたしまして、これ以上は追究いたしません。  これで私の質問は打切ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 川村善八郎君。

川村善八郎自由党

○川村委員 先ほど農林大臣の漁業に対する施政演説をお聞きしたのでありますが、まことにその通りでございます。演説はまことに上手でありますけれども、ただその実行はできておらない、完全実施ということができてないことは、野党の諸君の申しておる通りであります。しかしながら、なかなか完全実施ができないということは、予算措置やその他いろいろな事情がございますので、一挙には解決がつかないことでございますから、これから新大臣において着々その実施に邁進あらんことを希望しておく次第であります。  ところで今日本で国民生活上一番不自由をしておるのは食糧である、農林省は申し上げるまでもなく食糧を増産する所管省でございまして、農林大臣はその所管大臣であります。食糧の増産にはこれまで政府としてもずいぶん力を入れておられまして、農地の開拓あるいは土地の改良、あるいは肥料の問題、その他輸入食糧の問題で相当お骨折り願つておるのでありますし、また今度の国会におきましても、食糧の問題を通じていろいろ議論されておりまして、先日私農林大臣の御答弁も承つて、ずいぶん苦しい答弁をしておることを聞いて気の毒に思つておるようなわけであります。いずれにいたしましても食糧は不足なのでありますから、食糧の問題だけは早急に解決つかなければ、国民生活の安定ができないばかりでなく、これによつて起るところの思想問題やいろいろな問題があることも私は承知しておりますので、一日も早くこの食糧の問題を解決をなけなければなりません。そこで食糧の問題の解決をつけるとすれば、やはり農業と漁業でございます。ところで農業に至りましては、最善の手を尽しておりますけれども、先ほど野党の諸君の言われるように、漁業の方においては手は尽しておりますけれども、完全実施ができないので、漁民が困つておるということは事実であります。農林大臣の施政方針の中に、新魚田の開発をして、漁獲を増加し、漁民の生活の安定と食糧問題に寄与するというような意味の演説がございましたが、これと逆行しておるような行動が今日現われるということは、御承知でもございましようが、駐留軍が各地で演習をして梓地を荒し、農民に迷惑をかけるばかりでなく、農産物の収穫に相当多大な損害を与えておるということと、さらに各地で魚田を演習場その他に使いまして、魚田荒しをして、相当漁獲を減らしておるということは事実であります。これが問題となつて補償の問題や何かで相当議論をされておることは大臣も御承知だと思います。そこで一点お伺いいたしますことは、大臣の施政演説の中にありました。われわれは沿岸漁業の資源をあらゆる手を尽して開発をしなければならぬということは、かつて私らのモットーとして考えたことであります。農林大臣は北海道総合開発の御計画を見たかどうかわかりませんけれども、これを簡単に申し上げますと、知床半島、礼文島の西海岸、武蔵堆、雄冬、奥尻島、西海岸、大島、小島、釧路、襟裳にあるこれら旧魚田を徹底的開発をしまして、総計で三千九百六十八万三千貫という新たな漁獲をしようという計画を立てておるのでございます。ところがひとり農地その他この魚田を荒されておるばかりでなく、最近起つておる問題は大島、小島を艦砲射撃をしようということが新聞紙上にも現われておりますし、事実この問題が台頭いたしまして、本委員会でもこれを取上げております。ところで伊関局長は地元が納得するならばぜひ艦砲射撃の基地としたいということを答弁されておりますが、この大島、小島の魚田の開発評画は、大体四百二十八万貫という漁獲目標で進んでおるのでありまして、これはあとでパンフレツトをごらんになればわかりますが、北海道ではこの通り総合開発の一環として立てておるのであります。ところでこの島を艦砲射撃をされるということになりますならば、せつかく大臣の未開発魚田を徹底的に開発するという趣旨と相反することになるばかりでなく、この方面で漁業をしております地元の大島はもちろんでありますが、松前金郡その他檜山支庁管内全部あるいは青森県、秋田県、新潟県、富山県、石川県、福井県等の入漁者の全部が困るということになりますので、あなたの演説とは非常な食い違いができて参ります。こうした矛盾のあること、すなわちいかに安全保障条約によつて、駐留軍に必要な演習地等は提供しなければならないという条約を結んでおるとはいえ、りつぱな魚田まで艦砲射撃その他演習の基地としてこれを提供して、そして魚田を荒されて、漁業を阻害するということになりますと、大臣の沿岸漁業の未開発魚田の開発ということは相当齟齬を来すのではなかろうかと思いますが、これに対しまして今後大臣は、これ以上農地その他魚田等を、いずれ合同委員会から提供しろと言われたときには、黙つで提供するのかどうか。もちろん黙つて提供するようなことはなかろうと思いますけれども、とにかくあなたの趣旨から行きますと、魚田を総合的に開発しなければならぬ、それから遠洋漁業にも行かなければならぬ。もちろん農業方面では、農地の開拓、改良その他をやつて、そうして日本の食糧をまかなうという決意のもとに農相に御就任になつたことからいたしまして、反対な意味になりますので、今後魚田の艦砲射撃あるいは演習場等の問題については、これ以上拡大してもらいたくないし、また艦砲射撃等については、私は絶対反対せざるを得ないのでございますが、農林大臣は無条件で提供するというようなことをお考えになつておるか。もちろん無条件で提供するというような御答弁はないでありましようけれども、とにかく魚田を荒らす演習とか、あるいは農地を荒しまくつて、いわゆる農民を困らせるというような演習は、極力これを避けるようなことをしてもらわければならぬが、この点において農林大臣はいかなるお考えを持つておりますか、御答弁を願いたいと思います。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 お答えいたします。国民食糧の確保ということが、この国を立てて参ります基本的な要件である、そういう意味におきまして、農作物の増産ということはその支柱をなしますけれども、同時に蛋白食糧の給源としての漁業の持つ任務というものは非常に大きい、まつたく同感でございますが、さらに水産業の発展は、ひとり国民食糧に寄与して参りますのみならず、今後の国際収支の改善の上に大きな役割を持たされておるものと存じますから、国民食糧の確保と外貨獲得といニつの線から、水産業はいよいよ発展をしていただかなければならぬという御趣意、まつたく私は同感でございます。  なお北海道の大島魚田の駐留軍の演習場云々ということにつきましては、今日私どもは安全保障条約のもとに、駐留軍に便宜を供与するという条約を持つております。何もかもいかぬということは、もとよりこれは義務上できませんけれども、今日の食糧事情からいたしましても、また農漁民の生活の上からいたしましても、いい魚田をそのために——それ以外に絶対にほかにかわる方法がないということであれば、これはやむを得ない場合もあろうかと存じますけれども、必ずしも私ども率直な感じでは、そうばかりでもないじやないか。特に大島魚田の問題のごときは、お話の趣意、並びに私自身実情をよく伺いまして、無条件で黙つて提供するというようなことは、全然考えておりません。十分調べまして対処して参りたいと思います。

川村善八郎自由党

○川村委員 ただいまの御答弁で大体了承いたしました。再び申し上げておきますが、北海道十魚田の中で三番目に位しておる大島、小島魚田でございますので、どうか十分に御調査になつて、ただ無人島だというだけで、あそこを艦砲射撃するようでございますが、島はもちろん無人島でございますが、周辺の魚族というものは、先ほど申し上げましたように、相当厖大なものがございます。一々その例をあげて申し上げることは、時間の関係で省略いたしますが、とにかく北海道の優秀な魚田であるということだけをどうかお考えの上で、今後処置をおとりにならんことを切にお願いをする次第でございます。

田口長治郎自由党

○田口委員長 小高熹郎君。

小高熹郎自由党(分)

○小高委員 大臣の時間もないようですから、きわめて簡潔に質問いたしますが、漁業信用基金協会の正創立が次第に進んで参りました。これに関して、信用基金協会の保証に関する件でございますが、この制度による手形の期日が一箇年であつて、これではとうてい設備資金、あるいは設備資金の中に含まれておるのでございますが、漁船建造等はやつて行けない。そこで大蔵省当局と農林大臣が交渉されまして、これを長期の、少くとも三箇年くらいの手形の期日に引延ばす御意思がございませんかどうか、この点をまず第一にお伺いいたしたいのであります。

保利茂自由党農林大臣

○保利国務大臣 問題は、関係の業者としては、非常に深刻な問題であろうと存じます。いずれにいたしましても、設備資金の拡充につきましては努力をいたしますけれども、ただいまの直接のお尋ねの問題につきましては、私研究をいたしました上で、できるだけのことはいたして参ります。

小高熹郎自由党(分)

○小高委員 ただいま農林大臣は、研究してと言われるのでありますが、これがこの基金協会の制度を生かすか殺すかのポイントでございまして、ここに地方銀行等におきましては、個人的な協会の保証につきまして、なかなか悩んでおるのでございます。第一に悩んでおるのは、資金わくで悩んでおる。第二に、日銀と取引のない、最近創立しました新銀行等におきましては、非常にこれまたきゆうくつでございますので、せつかくできました制度でありまするから、これはひとつ、時間もないようでありますから、追つて機会をあらためて十分私の方から、資料もございますので、意見を開陳いたしまするが、ともかく第一点として、資金わくの増強について中央において特段の御考慮を願いたい。それから第二点といたしましては、一年の手形期日でなく、少くとも三年くらいに、何としても農林大臣の政治力でまとめてもらいたい。この点を要望いたしておきまして、あとは水産庁の長官の方にお尋ねする事項がございますから……。     —————————————

田口長治郎自由党

○田口委員長 それではこれより水産金融に関する件について議事を進めます。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 その前に、先ほどの答弁を願いたい。

岩武照彦総理府事務官(経済審議庁調整部長)

○岩武政府委員 先ほどの開発銀行の話でございますが、開発銀行の融資は、昨年は水産業方面に対しまして、南氷洋の捕鯨の問題、あるいはかつを、まぐろ漁船の問題、製氷冷凍施設というようなものに対して十二億見当が出ております。具体的に申し上げますと、南氷洋捕鯨の関係が六億六百万、遠洋漁船が四億百万、製氷冷凍が二億七千五百万、大体この見当でございます。本年の方は、先ほどお話がありましたように、まだ大体の計画がきまつておりません。ほかの分野もあるわけでございまするから、どういうふうにやるのか、目下農林省の方に検討をお願いしておるわけであります。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 私が先ほど申した要点は本年は幾らになるかは存じないけれども、農林大臣の答弁をどう考えておるかということです。あなた方はどのように御査定なさつてわくをきめるかは知らないけれども、少くとも国会において農林大臣が答弁をされておる、その線に沿うてやられることは役人の建前でなければならない。国会の本会議の席上において農林大臣がこれこれということを言うておる。また、ただいまこの委員会において農林大臣の発言があつた。これをあなた方はどのように解釈するかということが一番のポイントなんです。忠実なる官吏であつてもらいたい、赤旗を立ててやつておる官吏では困る。忠実なる官吏であつたならば、官報に出ておるのであるから、あなた方はこれを承知していなければならないものである。その線に向つて進んで行くことであつたならば、われわれはあなた方にとやこう言うほどのものはないと思うのであります。私の第一の質問の要点に対してあなたはどのようにお考えになるか、この点を聞けばもう物事の解決になると思う。しかもあの資料を見るときにおいて、五大会社偏重じやないか。ただいまの農林大臣の施政の抱負からいつても、沿岸漁民の困つておる状態をよく承知しておつて、沿岸から遠洋へ、そうして調整をしなければならない—前内田農林大臣は振興という言葉を使つておる。現農林大臣は調整という言葉を使つておる。調整という言葉を使つておることはあなたは——私語を禁ずる、何です——あなたはわきにいて聞いておるはずだ。そうして調整という言葉は沿岸漁民に対する思いやりの言葉であると私は解釈しておる。開発銀行のわくというものはほとんど五大会社、偏重じやないか。あなた方はあたかも五大会社の傀儡になつて仕事をしておるように見受けられる結果が出て来ておるじやないか。この点は吉田内閣の閣僚の本会議における答弁と委員会における答弁とをよくお考えになつて、誤らざる方法によつてすべての問題を水産庁の意見を聞いてやつていただかなければならない。この点に対するあなたの御意見はどうか。

岩武照彦総理府事務官(経済審議庁調整部長)

○岩武政府委員 今何か農林大臣の御演説に対する私の申し上げましたことが少し徹底しなかつたようでございますので申し上げますと、今年の計画につきましては、いろいろ農林省の方からのお話もございまして、計画はまだできておりませんが御演説の趣旨に従いまして農林省の方と相談してやりたい、こう申し上げたのであります。多分水産庁におきましてはいろいろの御計画がございますので、農林大臣の趣旨に従いまして実際のことをやつて参りたい、こう思つております。  それからいろいろ開銀のお話でございますが、資金の金額等はいろいろ事情も違いますので、決して大企業偏重ということになつておらないものと思つております。

小高熹郎自由党(分)

○小高委員 水産庁長官にお尋ねいたします。水産関係の特融に関する件でありますが、先般予算説明の際に、一応アウト・ラインだけは伺いましたが、最近各省間の二百数十億にわたつておりますところの特融のわくを、水産関係はどの程度に獲得できるか。これは非常に水産振興上、今の段階におきましては長期設備資金等には最有力なものでございまして、これが基礎が薄弱でありますと、つまり数字が少いというと、漁業振興上に重大なる影響を及ぼしますので、この点とくと長官の腹を割つた、今までの折衝過程及び将来に対する希望等をまずお伺いいたしたいのであります。

清井正水産庁長官

○清井政府委員 ただいま特融の措置についてのお尋ねでございますがこの点は先ほど農林大臣からも特別融資について十分措置を進めて参るという趣旨のお話を申し上げたのでありますが、私どももこの特融の措置につきましてはきわめて重要視をいたしておるのであります。昨年度、二十七年度におきましては特融の総わくは約二百億であつたのでありますが、そのうち水産関係といたしましては二十三億九千万円程度実際の融資が行われておるのであります。漁港関係が約五億、漁船が三億七千五円という金額は相当大きいものでありますが、この程度の金額を占めておるのであります。今年度におきましては、まだ予算の通過を見ないのでありますが、予算が決定いたすとすれば、二十八年度の公庫の総わくは二百四十億ということに相なりますので、そのうちで水産のわくを確保しなければならぬ。こういうことに相なるわけであります。御承知の通り二百四十億の中で農林関係全部でわくを配分いたしますので、農業土木、いわゆる土地改良関係あるいは林業の林道関係、あるいはその他いろいろの各般の事項がございますので、なかなか水産関係のわくを獲得することには相当の努力を要するわけであります。ただいままだ全体の計画は決定いたしておりませんが、大体私どもといたしましては、二十七年度と同額以上はどうしても獲得しなければならぬ。こういうふうに考えております。まだ予算の総わくが決定いたしておりませんので、何とも申し上げられませんが、今後私どもといたしましては、今申し上げました線に沿いまして、何とかして少くとも昨年と同額、あるいはできればそれ以上獲得いたしたいということで、努力を進めておるということを申し上げておきます。四、五月の暫定予算、六月の暫定予算におきましては、引続き主要な金額は現在融資を続けておりますが、何といたしましても全体計画がきまりませんと全体の融資額がうまく行きませんので、私どもといたしましては、一日も早く全体の二十八年度予算の通過を待つて、すみやかにひとつこの措置を進めて参りたい、こういうふうに考えております。一般の希望といたしましては、実は数倍の——三十数億に対しまして百億以上の希望があるわけであります。これが順次公庫の支所、末端からだんだんと審査を経まして、いわゆる公庫の本部まで参りますときには、二十数億に対して二倍ないし三倍くらいの数字が上つて参ります。その中で公庫の方でよく事情を勘案いたしまして、優劣をきめまして、特に重要なものに対しましては水産庁と相談してやる。それ以外のものは公庫でこれを決定する、こういう手続になつております。五、六倍以上の希望者の中から選定いたしますので、はなはだわくの少いことを遺憾といたすものでありますが、この点は私どもといたしましても、今後開発銀行その他農林中金の融資と並んで、その措置の水産関係のわくの増加に対しましてはさらに努力を続けて参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

小高熹郎自由党(分)

○小高委員 ただいま大いに努力するという水産庁の長官の答えはわかつたのでありますが、抽象的な言葉をもつてこれを解決するわけには参らないのでございます。総理大臣の演説の中にも、あるいはまた先ほどの農林大臣の演説の中にもございます通り、漁業振興ということを一応国の政策として強く掲げておるのでありますが、ここいらの数字にその方針が具体的な結果を生んでおるという一つの裏づけとなる、証拠となるということになりますので、これの政府部内の水産関係の数字の獲得について、かなり長官も努力しておる、悩んでおるというような面持も見受けられるのでありますが、これはひとり長官のみが悩まないで、むしろ水産委員長の方へも、どうも様子がこの程度で押えられそうだというようなことがあつたら、ひとつ相談をおかけになるのがいいじやないか。そうすると委員長の方からわれわれの方にもこの相談がもちろんあることと思いますので、そこで水産委員会全体の責任にかかつておる一つの事実としてこの結果を生みたい、かように考えておりますので、その点参考に申し上げまして質問を打切つておきます。

松田鐵藏自由党(分)

○松田(鐵)委員 ただいま小高委員の発言の農林漁業融資特融に対する御意見がありましたが、これは与党議員の方でよく聞いてもらいたいと思うのであります。まず今年の当初予算は二百三十一億、ところが今回改正されて提案されている予算は、驚くなかれ一億減ぜられて二百三十億であります。これは与党の責任であります。(「君もこの間まで与党だつけな」と呼ぶ者あり)今日では鳩山自由党であります。そこで私は一つ案を持つているのであるが、要は先ほど農林大臣に対しても申し上げたように、特融に対して農林中金は、旧債の回収ができて自己資金を非常に持つている。これをいかに処理せんかということで考えをしていることだろうと思います。この機会に与党諸君はよくこの実態を見て、しかして公庫法の改善というものは今日非常にめんどうなことだろうと思うから、重要なる施設に対する農林中金の自己資金を流用して、明年度の特融に対する増額の運動を与党諸君はやるべきであるという御注意を申し上げておきます。それから長官におかれても、農林各局長、長官、官房長、次官以下の首脳部の会合をされて、この線に対する御努力を希望いたしまして私の質問を終ります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知します。  これにて散会いたします。     午後零時十六分散会

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