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16回国会衆議院1953/07/21

水害地緊急対策特別委員会 第15号

発言数
28
登壇者
3
会派数
1
開催日
1953/07/21

会議録

村上勇自由党

○村上委員長 これより会議を開きます。  水害地対策に関する件について議事を進めます。質疑の通告がありますから、順次これを許します。綱島正興君。

綱島正興自由党

○綱島委員 農林省の官房長にご所見をお尋ねいたします。このたびの西日本の大風水害におきまして、特に取急いで御処置を願わなければならぬものは、さきに六月上旬に起りましたいわゆる二号台風の被害であります。これに対して主として御所見を伺いたいと存ずるわけであります。第一点は、営農資金その他に対する利子補給の問題であり、第二点は、災害復旧に関する問題でございます。あらましの御説明を願います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 営農資金等に対する利子補給に対しましては、西日本二十八県分の農作の被害を調査いたしまして、それに対しまして農業関係では約四十八億、水産関係で一億余り、五十億弱の資金の融通が必要である、こういうふうに考えまして、これに対しまして、凍霜害の例にならいまして、一般のものには五分の利子補給をいたし、二年間で融通する、そうして損失補償は四割を出し、そのうちそれぞれ半分は府県または市町村で負担さす、こういうふうな考えにいたしております。なお、開拓地等につきましては、利子の補給の率を六分、融資期間を三年まで延ばす、こういう考えでありまして、右に対する、本年七月から明年三月まで、すなわち本会計年度分の利子補給額といたしまして、九千五百万円余りの要求を大蔵省にいたしておるのであります。それから、農業用施設に対しましては、同じく二十八県分といたしまして、約十四億の補助金を大蔵省に対して要求しております。

綱島正興自由党

○綱島委員 実は第二号台風の被害総額に対する御認定がまず基礎になるわけでございましようが、大体幾らに御認定になつておりますか。この点につきましては、実は府県から参りましたものは三百四、五十億に及んでおると存じておりますが、農林省の御査定は幾らでございましようか。あらためて伺つておきたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 農林省の被害調査といたしましては、大体二百億弱になつております。そのうち百二十億弱が麦でありまして、そのほかは、植えつけた稲が流れたとか、あるいは苗しろがいたんだとか、あるいはばれいしよ、菜種、果物、蔬菜、その他の農作物の被害ということになつております。

綱島正興自由党

○綱島委員 水産関係、これにつきましてはおよそどれくらいの利子補給をなさる御意見でありましようか。利子補給額は営農に関するものと同等にごらんになつておりますか、補給額をおよそ幾らと御見当になつておりますかを伺いたい。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 水産関係では、やはり五分の利子補給額を考えております。そうして、先ほど申し上げました九千五百万円のうち、約五百万円が水産関係、こういうふうに考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員 これは大蔵当局でも多少疑問を持つておると伝えられておりますので、特に念を押して伺つておかねばならぬわけでございますが、この麦の種子購入代、これに対する補助を一体農林省ではいかように考えておいでになりますか。私どもはほんとうはこれは三億円くらいいただかねばならぬように思つておるのでありますが、これに対する御意見をお伺いいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 麦の種子購入費の助成といたしましては、本来ならば農業共済の共済金を支払つてもらえば、一応その損害は償われている、こういうふうに考えられるのでありますが、今般の第二台風による対策の程度は、長雨によりまして麦の品質が非常に悪くなつておる、そういうふうな関係からいたしまして、優良品種の確保が困難であろう、なおかつ品質が低下しているから、発芽率が相当不良だろうということから、麦の種子代の三分一、そういう見地から、種子代の値上り等も考慮されますが、現在麦の種代というものの将来の値上りの程度等は考えられませんから、一応そういう場合があつてもいいように、種子代の三分の一を見ております。金額はおよそ二億四千五百万円でございます。

綱島正興自由党

○綱島委員 この二億四千五百万円という金額は、特に優良種を買い求めるということになりますと、実際上はやみ相場というものになりまして、これでは非常に少額であると思います。これを増額することに御努力の意思はございませんか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、農業共済金の支払いによりまして、本来ならば麦の再生産の資金は帰つて来るのでありますが、先ほど申し上げましたような趣旨から特に補助金を組んでおるのでありまして、これ以上の増額につきましては、事務当局としては困難であります。こういうふうに存じております。

綱島正興自由党

○綱島委員 次に種苗輸送の補助でございますが、これは実は稲の関係とばれいしよの関係に相なりますが、稲の関係も非常に困難をいたすわけでありまして、農民は何もかも捨ててこれのために努力する。特にこの輸送したものがまた再び流されたもの等もございますので、特にこの点については御留意を願いたい点でございますが、これについては大体被害流失町歩に対してどのくらいの目当でいらつしやいましようか、その点を伺いたいのであります。農林省では大体十八万四千町歩を見ておられると聞いておりますが、これも実は過小評価じやないかと思われる点がございます。というのは、これはたしか統計調査事務所からの発表と存じますが、土用入りの植付後にされたもののようでありますが、被害五県の昨年の作付は四十一万四千町歩で、今年は三十七万四千町歩、約四万町歩の減ということになつております。この四万町歩の減についてはどういうお考えをしていられるのか。これは植付のできるものを予想されたように思われますが、植付のできなかつた麦につきましては、どういうお考えがございますか。これについての御意見を伺いたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 ただいまの土用入りの作付減の面積についてはまだ承知しておりませんが、稲苗の輸送の対象面積は、一応一万七千三百八十町歩ということで計算しておるわけであります。それに対しまして、苗の輸送費の二分の一を補助する、その金が千六百九十四万六千円、こういう要求になつておるのであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 そういたしますと、稲苗関係が一千六百九十四万六千円、それからばれいしよ関係が四百七十三万一千円と伺つてよろしゆうございましようか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 その通りであります

綱島正興自由党

○綱島委員 次に伺いたいのでありますが、苗しろ再仕立ての補助金であります。これは、実は非常な災難をいたして、見積りをしておいでになる六百九町歩では、とうてい実情に合わぬと薬代の二分の一を補助するという御意見のように伺つております。これが大体一千八百八十三万六千円、これでも少額に過ぎると思いますが、これを何とか増額されるという御意思はありませんか。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 二号台風のものとしましては、大体この程度でいいと考えております。先ほどの苗輸送と再仕立ての分につきましては、六月末の水害で非常な変更を加えなければいかぬことは予想しておりますが、まだその数字が的確になつておりませんので、二号台風の分としては、この程度で間違いない、こういうふうに考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員 次に問題になりますのは、開拓地の麦、肥料、農薬等の補助でありますが、この地域については、特に御留意を願わなければならぬことは、御承知の通り、共済にこれが入つておりませんので、特に高率の補助をいただかなければ開拓地はやつて行かれない。それで、とてもこれは非常に困窮をいたしておる人々でありますのに、このたびの処置としては非常に低率のように考えられます。今まで当局が考えておられるところは、六千九百八十六町歩に対して三分の一の補助をする、それが大体三千万円余り、こういうことのように伺つておりますが、これこそもう少し補助率を上げるとかというような考え方をしていただかないと、これは実は繭の分と違つて、共済対象外の分でありますから、この点について、もう少し御考慮を願うということはどうでございましようか。この点を承つておきたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 開拓地に対する対策としましては、補助を厚くするということにつきまして、われわれの方でもまつたくその通りに考えておりますので、営農資金の融通等も、利子補給なり償還期限等について、補給額を多くする、期限を長くするということを考えておるのであります。そのほかに麦の肥料代、農薬代の補助をやつておるのであります。不満はありますけれども、この程度でがまん願えるのじやないか、こういうふうに考えておるのであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 今度は菜種の問題でございます。菜種は、実は農産物価安定の対象にすることにもはや大体一致をいたしております。農村関係の議員及びその他の人々も、ことごとくこれには一致しておると思うのでありますが、であるにかかわらず、ただいまでは、菜種に対しては共済の立法が他の物件同様には参つておりませんために、このたびの災害について最も気の毒をとどめたものは、この菜種の耕作者であります。これについては特殊な御処置を願わなければならないのでありまして、これについて特に菜種の育苗費の補助、菜種の本圃肥料及び農薬の補助、この点を御考慮願つて、その願つた額が一億七千三百万円余と相なつておるように承知いたしておるのでありますが、実は大蔵省においては、これさえも不十分だという意見のように聞いておりますが、農林省としては、この点はまことに妥当である、あるいは、むしろこれは過少であるというお考えがあるかどうか、この点をひとつ承つておきたいと思います。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 菜種は、お話のように、ある一部の県では任意共済で共済制度を行つておるところもありますが、しかし、これとて府県の任意共済制度を始めてまだ一年でありますので、せつかく掛金をかけたとたんに大きい災害が起つて非常に困つておるのであります。これに対しまして、将来の問題として菜種を全般的な共済制度に入れまして、そうして歩合によつて再保険金を支払う制度に切りかえるということにつきましては、私どもの方でも検討を進めて来ておるのであります。それはことしは間に合いませんので、菜種につきましてもできるだけの対策を講じたいというふうに考えておるのであります。農林省の案としましては、菜種をまきつけから本田に移植するまでの管理費を補助しよう、こういうふうに考えたのであります。これでは十分とは言えませんけれども、国会方面で本田の肥料代反当五百円を追加して要求しよう、こういう御趣旨でありますが、農林省としましては、旧来の凍霜害に対する例を基準をして組んでおつたのであります。この際菜種の被害の甚大なるにかんがみまして、こういう追加の補助を考えるということにつきましては、その程度のことはぜひ必要ではないか、こういうふうに考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員 そら豆のことについて伺いますが、これは佐賀平野等においては非常にたくさんつくる豆でございますが、これについて実は肥料代についての補助が一つも考えられない。種子代補助だけで、しかも補助率は種子の三分の一を補助する、こういう趣旨であります。これも非常に軽少な補助と考えるのでありますが、どうしても、考えておられる五百五十四万以上に、この点を延べるということのお考え方は農林省ではつきませんかどうか、当局の御意見をお伺いいたします。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 やはり凍霜害の例を事務的には尊重せざるを得ませんので、菜種に肥料代をつければ、蚕豆も肥料代をつけたらいいではないかという議論も出るかと思います。あまり事務的に拘泥し過ぎるということで、おしかりをこうむるかもしれませんが、農林省が原案をつくつたときは、これでやむを得ぬ、こういうように考えたのであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 次に、玉ねぎでございます。この玉ねぎについても、育苗補助費はほとんど計上されずに、本圃の補助費としてわずかに九百七十三万余を計上されておるのである。これは種子代のわずかに三分の一であります。これも何ともなりませんか。なお引続いてこの特用作物の肥料代補助、この三種類についても、かねて農林省が考えておられる金額は、つまり総合して二百六十四万三千円。それから次に、果樹類でございます。これは実は非常な災害をこうむつておるのでございますが、樹勢回復に対する補助金及び農薬代補助金等を合せてわずかに二千万円でございますし、蔬菜もまた二千六百万円にとどまつておるようでございます。その他、水害地の家畜衛生対策補助費、あるいは水産養殖補助費、この水産養殖補助費は一文も計上になつておらぬようでございます。農作物の災害対策の指導費、これもやはり多少はなければ、かねてのこういう災害が起るということを予想しての人員の配置でなかつたろうと思いますので、これらも一文も載つていないというようなことは、あまりにどうも前の凍霜害の例があるからというだけに見ておいでになつて、少し辛過ぎるように思うのでありますが、これはいかがでございましようか。これらの点も一括して伺うわけであります。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 玉ねぎにつきましては、種子代が非常に高いのでありまして、その分も尊重して種子代の三分の一だけを見たのであります。これもやはり蚕豆と同じような趣旨で、凍霜害の例にならうということになります。それから特用作物肥料代も、これは樹勢というか、作物が長期でいためられたのを、肥料をやつて元に返すという趣旨であります。果樹蔬菜等につきましても、それぞれ凍霜害の例にならつてやつております。農林省としては、先ほどから申しますように、凍霜害の例にならつておるのであるから、やむを得ぬ、こういうふうに考えておるのであります。水産養殖の関係につきましては、これはこの予算に検討を加えておる間に、北九州の水害が非常に大きかつたのであります。その水害によつて、従来の被害の調査が中断されたというようなところも出て来ております。中断されると言うと語弊があるかもしれませんが、損害をこうむつたのがさらにひどく惨害をこうむつた。むしろこれは北九州の水害のあとの結果を見て補助は考えた方かいいのではないか、営農資金的なものは先に流しておいても、補助となると元からやり直さなければならぬというので、さらに再検討を加えたいというのであります。  農作物の災害対策指導費等につきましては、名前はわかつておりますが、農林省の考えといたしましては、一つは十八の損害再評価事務費負担金、共済金を支払うときの再評価の特別な事務にかかる費用、それから第十四の苗のあつせん、あるいは麦の種子の確保のための府県その他の団体等の活動費、あるいは営農資金を貸し出す場合の災害農家の実態の調査等の費用として計上いたしておるのであります。災害農作物対策指導費は別の名前で入つておりますので、これは国会側の名称はかわつておりますが、大体それの趣旨に合つたものを入れたのであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 以上によりまして大体七億五千百三十二万円、こういうものがこのたびの第二号台風の臨時処置による補助金もしくは補給金というものに相なるわけと存じますが、これに対して、農林当局としては大蔵省と折衝いされましたか、その経過を簡単に伺つておきたいと存じます。

渡部伍良農林事務官(大臣官房長)

○渡部政府委員 農林省としましては、災害の対策でありますので、できるだけすみやかなる機会に折衝を行いたいと思いまして、数字の折衝をやつておるのでありますが、まだ結論に到達いたしていないのであります。

村上勇自由党

○村上委員長 この際、本会議が開会これましたので、質疑を留保し、本会議が散会いたしますまで休憩いたします   午後三時、三十一分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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