水害地緊急対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/10
会議録
○村上委員長 これより水害地緊急対策特別委員会を開会いたします。 まず御報告いたしておきますが、一昨八日、通商産業委員会より、水害による石炭鉱業の被害復旧対策に関しまして、当委員会に申入れをいたして参りました。その申入書を印刷して諸君のお手元に配付いたしておきましたので、御報告いたします。なお、この申入れの取扱いにつきましては、北九州水害地通商産業対策小委員会において、詳細に内容を御研究願うことといたしたいと思いますが、これに御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村上委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決定いたしました。 —————————————
○村上委員長 次に、昨日九州からお帰りになりました西日本災害対策本部長であります大野国務大臣より、現地の状況につきまして御説明を願うことといたします。大野国務大臣。
○大野国務大臣 去る二十九日の九州地方の災害は、いまだかつてその例を見ないほど非常に甚大である、ここにおいて、応急対策は、むしろ現地において即応したる対策をただちに立てる必要があるというので、災害対策本部を福岡県庁内に設置することと相なりまして、私は、その命を受けて、三十日夕刻福岡に到着いたしまして、ただちに災害対策本部に出向きました。そうして、今月の一日から本格的の応急対策に昼夜兼行邁進いたしまして、昨夜一まず中間告のために帰京いたしました。つきましては、帰京早々中間報告書をガリ版にいたしまして、ただいまお手元へ配付いたしました。それを一々読上げるの煩を省きます。 今回の被害の総額は、私ども現地において調査いたしました計算によりますと、二千百十三億円程度の厖大な数字を示しておるのであります。われわれはこの総額はほぼ信じていいのである、こう存じますが、まだ交通杜絶のために行けない箇所もありまして調査不十分なために、まだこれよりはあるいは上まわるのではないかと心配いたしておる次等であります。内訳等はお手元の資料によつて御高覧を願いたいと思います。 私が参りまして、現地において実施した応急対策は、一、食糧の対策であります。罹災市町村内の希望者に対しましては、五日分の繰上げ配給を断行いたしました。その調整は八月から十二月の間に毎月一日分を差引くことといたしたのであります。食糧対策の(2)は、罹災農家及び一般消費者のうち、困窮者に対する米の配給は、政府米を一括県知事に売却して、その代金は一箇年間無利子延納を認めることといたしたのであります。また食糧対策の(3)としては、農家保有米を流失毀損した農家に対しては、一般消費者と同量の配給を行うほか、完全保有農家に対しては、被害を受けない場合の量を確保すべく措置をいたしました。(4)といたしましては、政府手持ち食糧の被害はきわめて軽微であつて、(3)の加配分を見込んでも十月まで配給に支障なく、その上、罹災地の食生活安定のため、罹災県に精麦合計三万石を緊急補給いたしたのであります。 二の防疫対策といたしましては、県保安隊及び米軍貸与の濾水器計二十六台出動の上、安全給水に当らせました。防疫対策の(2)といたしましては、防疫班による消毒と、はえの駆除等赤痢の予防に努めた結果、現在のところ赤痢患者約七百名で、若干ふえつつありますが、集団的な発生はなく、昨年の今ごろに比較して約二%増の程度であつて、現在のところ憂慮すべき事態には立ち至つておりません。 三の衣料品等の物資給与対策としては、罹災者に対する衣料品の給与等応急救助に必要な物資として、政府保有物資、ララ物資、ケア物資等の輸送、罹災各県間の相互融通、米軍よりの放出等にによつて、遺漏のないように極力努力を続けて参つたのであります。 四の金融対策、これは、私が現地に参りまして、いわゆるつなぎ資金をこの際至急に出してもらいたいという切なる要望が関係県の知事からありました。そこで、中央の災害対策本部は十億円のつなぎ資金を出すことに決定したと通知がありましたが、十億円ではつなぎ資金としてとうてい不足であるということを看取いたしまして、ただちに十億円のほかに二十億円を追加するよう中央に伝えましたが、中央の回答のないうちに、私は、現地において、十億円のつなぎ資金をとりあえず出すことに決意いたしまして、さようとりはからつたのであります。なお、これでは足りないと思いましたから、関係者には、自分が中間報告に帰れば、ただちに残り十億円のつなぎ資金は必ず出すからということを言明いたしておきました。昨夜帰つて、本日の閣議に臨みまして、十億円をつなぎ資金として出すことに決定をいたした次第であります。これで一応罹災民も安堵をしたのではなかろうかと思いますが、これで足りなければなおこの上追加を要求するに躊躇いたさぬのであります。その他金融対策といたしましては、この表にあります通り、復旧資金等の円滑をはかるために、特に政府指定預金十五億円の増加、並びに引揚げ期限到来の指定預金につき一箇月延長の手続きをとつたのであります。 また、住宅の面に対しては、資材の入手を確保いたして、これが輸送は優先的に取扱うような措置を講じたのであります。 こういつた応急対策を一通りいたしたのでありますが、なおまた、物価が非常に暴騰し、米のごときは、やみ米が一升三百円、四百円というような流説まで伝わつたのでありますが、飛行機の上から百五十万枚ほどのビラをまかせまして、食糧は十分あるから、やみ米なんかを買うのはむしろ愚であるというような宣伝をいたしました結果、非常に物価は安定いたして、現在きうりとか、なすとか、トマトであるとか、こういう季節的な蔬菜類は約三割方高くなつておるそうでありますが、こういう悪徳商人に対しては暴利取締令をもつて取締りを強化するというようなことも、あるいはラジオで、あるいはビラ等で宣伝をいたした結果、やや物価はおちついて、こういつた季節的な蔬菜以外は災害前とほぼ同じ値段を続けておる状態で、一応安定を見ておる次第であります。 保安隊の活躍は実に目ざましいものがありまして、佐賀県知事は、二十八日の夜中であつたそうでありますが、小倉部隊でありますか、舟艇隊が来て人命救助に当つてくれた。もしあのときに保安隊の舟艇隊が来援しなかつたならば、おそらく二千名の人命はどうなつたかわからぬと自分は思う。舟艇隊が来て、深夜業を続けて、人命救助に当つてくれたので二千名が助かつた。これは実に感謝のほかはないというので、県会において感謝決議をいたしたそうであります。 また、米軍の協力は実に大なるものがありました。放出物資はまだ数量が明らかになつておりませんが、昨日私が飛行機に乗るまぎわに、外務省から派遣された派遣官の話によると、今朝も小倉において携帯食糧——一個で三食分あるそうでありますが、それを五万個放出を受けた。一回分にしますと十五万人分の放出を受けて、これを二十何台のトラックで今とりにやつてある、こういう報告を受けたのであります。また、熊本市のどろよけ作業にずいぶん自動車等を徴発しておるそうでありますが、まだ足りないので米軍にその貸与方を申し出たそうであります。米軍はただちに七台を——新車であるそうですが、これは貸すのではない、やろう、ついては、から身で熊本に行くのは愚かな話であるから、救恤物資を積んでやる、そうして道案内を一人連れて自分の方で全部これを運んでやる、そうして救恤物資を自動車もろとも熊本県に引渡すという報告を、きのう出がけに聞いて参りました。アメリカ軍の放出してくれた放出物資は莫大なものでありまして、追つて第二回の報告書で詳細をお手元に差出そうと存じております。 それから、一番切なる要求は、町村等におきまして、小さな十億円以下の災害——あるいは二間か三間の橋が落ちたとか、山くずれで何メートル土砂崩壊のために交通不能になつたとか、こういつた十万円以下の災害に対しては、国家の補助の対象に今日はなつておりませんが、こういつた大きな災害の場合には、何とかこれを認めてもらいたいという、これは被害各県の各村の切なる陳情でありまとたから、これは何とか対策を講じなければならぬと考えまして、けさほどの閣議におきましてこのことを私は提案来いたしました。ところが、建設大臣は、十万円以下の場合にも適用すると際限がないのであるが、しかし今回のような大きな被害を受けた特別な災害に対しては、何とか考慮する必要もあるが、これは相当めんどうである。それで私は、一村で十万円あるいは五万円の被害が八箇所とか十箇所あるとすれば、こういつた小災害を一括して、一箇村で九万円のところが十箇所あれば九十万円じやないか、これを一つに見ていわゆる補助の対象にしたらいいじやないかというような私の私見を説明して、ただちに考慮するようによく言うておきました。これをぜひともやつてもらいたいという、ほんとうに切なる要求があつたのであります。 また、特殊事情としては、熊本市内の泥土の取片づけでありますが、この問題も二百四十万立方メートルというような大きなどろが集積されておる。これを除去するというのは莫大な金を要する。最初は四億円くらいで除去することができるという第一報でありましたが、その後だんだん調査の結果、とうていそんなことでは及ばない。九州大学の権威ある専門家が調査したところによると、これは知事の話でありましたが、熊本市内の土砂の取片づけに十二億を要する。とうてい貧弱な県財政、市の財政ではいかんともすることができないという、まことに因り果てた実情を訴えられたのであります。これらに対しては国家としていかにするかというようなことも、私として中間報告にしました大きな問題であります。こんなことで地方民が非常に幾多のことを要求いたしておりますが、かいつまんで御報告いたしました。大体中間報告は、はなはだ御迷惑でありますが、ひとつこれを委員の各位はぜひとも御一読を賜わりたいと思います。 また、競輪、競馬は省令で開催日数がきまつておるそうでありますが、特に何とか考えて、災害県以外の競輪、競馬等を一回だけこれを増加して、その収益全部を災害県に送つてもらいたいというような叫びもありました。これは、私は、まことに時にとつて機宜に適したる方法じやなかろうかと考えまして、きよう閣議にもそのことを提案して、それぞれ管轄の役所において研究させることといたしました。非常に対してはやはり非常の政策をとる必要があるのじやなかろうか、かように存じております。私が要望いたしたのもこれに書いてありまするが、どうぞ委員各位において慎重御審議の上、ぜひとも私の要望いたしたことに対して御賛成を願えれば、まことに望外の幸いだと思います。 (拍手) きわめて簡単でありますが、また々か御質問があればお答えいたします。
○村上委員長 これをもつて大野国務大臣の説明は終了いたしました。質疑の通告がありますので、これを許します。大久保武雄君。
○大久保委員 私は、三点、御質問並びに大野国務大臣にお願いを申しますが、その前に大野国務大臣に感謝の言葉を申し述べたいと思います。 大野国務大臣は、三十日、一行を伴い博多に着かれまして以来、ただちにその夜から行動を開始され、交通遮断されておる九州の水害各地を連日連夜おまわりにたりまして、その応急対策をお進めくださいましたことに対しまして、きわめて深甚の謝意を表する次第でありますが、私がここに大野国務大臣に特にお願いたしたいと思いますことは、大野国務大臣の御報告書にもあります通り、生として熊本に起つた特異の災害についてでございます。すなわち、熊本の災害は、大野大臣の御報告にあります通り、洪水とともに阿蘇の火山灰が熊本市外及び農村を埋め尽したという点でございます。熊本市に堆積されました泥土だけでも二百四十万立方メートル、これを取除く費用が十二億円と推定されております。しかるに、この泥土を取除くにあたりましては、現在の法規関係をもつていたしましたならば、これに対する適当なる国庫補助の対象となる法規がない、こういうようなことでございます。現在ある法規を無理に適用いたしましても、あるいは道路法でありますとか、あるいは建築基準法でありますとか、これらの法律によりましても、その負担割合は国と公共団体が五分々々でございます。かくのごとき負担は、この大災害を受けました地方としましはてとうてい負担困難である、かように考えます。こいねがわくは、この際におきまして、ただいまも大野大臣がお話になりましたように、まことに今までの災害に類例のない、熊本全市、農村を埋め尽しましたこの丈余のどろの排除に対しまして、何らか特別立法なりあるいは格段の特別措置をお講じを願いたい。これについて大野大臣のこの上とも御尽力を煩わしたい。また大野大臣の御意見を承りたいというのが一点であります。 第二点は、この熊本災害の最も大きな原因をなしておる白川改修の問題であります。熊本の被害総額が、本日の御調査によれば八百億ということであります。この被害の大部分は白川によつて起された被害であります。阿蘇の火山から発しまして、一本川となつて、有明海に注いでおるとの白川の今度の一洪水によつて起しました被害は、おそらく、キロメートル当りといたしましたならば、日本有史以来の大災害ではないかと考えております。しかるに、この白川は現在まで国の直轄改修河川に入つていない。洪水ごとに川床が上つておるにかかわらず、この白川が今日まで、この大災害を起すまで放置されておつて、約一千に近い生命をのんでしまつたということは、まことに一大悲惨事でございます。しかも、この疲弊し尽した県市に対し、この白川の改修を負担させるということは、とうていでき得ないことでありますから、白川を直轄改修河川に指定されるということにつきまして、大野国務大臣の御意見と、この上ともの御尽力をいただきたい、これが第二点であります。 第三点は、今回の水害では、九州の中都市の中小商工業がきわめて甚大な壊滅的な被害を受けております。中小商工業がこんなに集団的にやられた洪水というものは、きわめて珍しいと考えます。一例をあげますと、熊本市におきましても、市街地の九割が浸水、土砂に埋もつておりますし、熊本市自体がほとんど中小商工業の町であります。そこで、中小商工業がこの盆を前にして品物を仕入れてかかえ込んでおる支払い手形の決済の問題、並びにこの中小商工業が今後立ち直るための長期かつ低利の融資の問題、この問題はきわめて重大な問題でございます。関東大震災のときには震災手形の制度が行われまして、いわゆるスタンプ手形によつて融資の手形の猶予が行われたのでありますが、今回におきましても、何らかかくのごとき非常手段によつて、中小商工業の再建、建設というものをぜひとも大野国務大臣にこの上ともお願いをいたしたい。 この三点に関しまして、大野国務大臣の御意見並びに今後の御尽力をお願い申し上げ、御質問を申し上げる次第であります。
○大野国務大臣 大久保委員の御質問にお答えいたしまするが、熊本市の火山灰の被害、水害というよりは、むしろ私は、実情を見て、泥害であるとまで言つたのでありますが、ほんとうに私も心から御同情にたえないところであります。あの熊本の復興は、あのどろよけをすることが復興、復旧の第一要諦である。なるほど、今日この大災害を受けた熊本県及び熊本市においてこれを負担するということは、とうていでき得ないことである。何とかこれは国の責任においてやらなければならぬということを、私も痛感いたして、何か特別措置を講ずるように今朝の閣議においても発言はいたして、関係大臣の英断を促しておきました。これはそれよりほかに道はありません。さように考えて、必ず何かの方法によつて国費負担ということに相なるであろうかと私は確信いたしております。また、白川の改修、これは私思うに直轄河川がなかつた、国が改修をしなかつた——かつて、白川を直轄河川に編入してくれという熊本県及び熊本市関係沿岸町村から猛烈な運動があつたそうであります。そこで建設省としては、一応の調査を終つたそうでありますが、その後県の方に熱意を欠いたのか、地元負担で躊躇されたのか、それが立消えになつた姿であるそうであります。今でも調査した資料は残つておるというようなことを、私と一緒にまわられた出先の担当官から聞いたのでありますが、これはただちに直轄河川に編入して、すみやかに改修する要がある。この措置を講じなければならぬことを、私は建設大臣に今朝の閣議で特に申し添えておきましたが、これは建設大臣も同感であり、何かの措置を至急に講ずるであろうことを、私はこれまた確信するものであります。大体今後もそうでありまするが、筑後川あるいは白川があんなに氾濫するなんということは、おそらく熊本県民諸君もまさかと思つておられたんではなかろうかと思うが、私は、思うに、今後はああいう大きな都市に面した河川は、やはりすべてを直轄河川にした方がいいんではないかということを痛切に感じております。せいぜい、一日も早く直轄河川となり、今回のこの災害にかんがみてすみやかに改修するように、私この上ながらの微力を尽したい、こう存じております。 それから、中小商工業者に対する——今お話の通り、盆を前にしてうんと品物を仕入れたやさきに、あの災害に相なつた。熊本市を初め久留米市の方が一番大なる被害をこうむられたのであると、心から御同情申し上げるものでありまするが、個人の災害、損失に対して、これが国家の救済の対象に相ならぬのが、私はよく知らぬが、今の建前であるそうでありますが、しかし、こういう大きな災害に対しては、かつて震災手形でこういつたことを救済した方法も講ぜられたこともあるのでありまするから、これはどうしても特別に何かの対策を講じなければならぬものである、まずかように存じて、今日の閣議でもそのことは私から報告をいたしておきまして、至急何らかの対策を講ずるよう関係大臣にも要望いたしておきました。何とか急いで結論を出してもらいたいということを強く要求しておきました。さよう御承知を願います。
○吉田(安)委員 関連して。ただいま大久保委員から大野国務大臣に対する感謝の言葉とお願いの意見が開陳されまして、同じく熊本選出の私といたしましても、一言本部長にお礼を申し上げ、なお一、二お願いいたしておきたいと思います。 本来ならば、われわれ国会議員は、その選出県の災害のことのみを取上げるがごとき態度は避けたいと思うのであります。被害各県のためにその救済に努力邁進して行きたい、かように考えております。しかるに、大野国務相がただちに現地本部長となられまして以来、あの熱意、御慈愛の態度であらゆる対策を断行され、一面困難を排して実地を御調査なさつたことにつきましては、被害各県選出各議員いずれも心から感謝いたしておるところと存じます。 この際想起いたしますことは、大久保君もさいぜん申しました通り、あの関東の大震災であります。あれほどの大震災が起きましたあとの復興には、有名なる地震内閣が出て、そうして後藤新平さんがその復興の任に当られ、どれほどの復興ができるかと当時心配いたしましたものが、さすがその人を得ましたために、見る見る大工場を出現いたしましたことは、いまなお私どもの記憶に新たなるところがあるのであります。今回のこの大災害も、あの瞬間私どもは、これは関東大震災に次ぐ大災害ではないかと思つたような次第でございまして、その際、現地に本部を置いて対策を講ぜられるその本部長を任命されるというときに、どなたがなられるかということは、私どもの一つの関心の的であつたのであります、この人を得るか得ないかということが、被害地を早く救うか救わぬか、復興できるか、できないかという、大きなこれはわかれ目になるのでありますから、関心を持つておりましたが、大野国務大臣と発表されまして、私はまつたくほつとしたことをここで忌憚なく申し上げます。ほんとうにあのとき安心をいたしたのであります。廊下で会いまして、あなたが本部長になられてほんとうに心強く感じますと申し上げてわかれたのでありますが、はたせるかな現地に行つて速戦即決を重んじておやりになつたことに対しては、ほんとうに心から感謝いたします。どうぞこの上とも御自愛の上、善処方をお願いしておきます。 私がお願いいたしたい項目は、大久保君のお願いしたことでほとんど尽きておりますから、この際、ほかには幾らでもありますが、その点は差控えまして、ただ大久保君のお願いされましたあの三項目は——これは熊本のことだけを申し上げるのではありませんが、熊本の特殊事情も加わつておりまするから、ぜひひとつ実現ができるようにお願いいたしたいのであります。 数日前、水害対策特別委員会に緒方副総理がおいでになつたときに、熊本のあの泥害のことに一言お触れくださいましたことは感謝いたしますが、そのときの言葉の中に、あの小さい白川の氾濫と、こういうお言葉があつたのであります。まつたく、他の大きな河川に比べますと、小さい川に違いありませんけれども、一たびああした猛威を振うことになると、大災害を招来するのであります。でありますから、これがあとの改修復興ということにつきましては、これは、大久保君も申しました通り、あの熊本県の力をもつてしては思い半ばに過ぎるものがあつて、とうてい不可能だと存じます。それにつきましては、やはり直轄河川として改修をお願いするよりほかに方法はないと思います。小さい川がそれだけの猛威を振いますことは、何としても大阿蘇の存在であります。この大阿蘇が存在しております限りは、再びかようなことがないという保証はもうわれわれにはできません。これは、川は小さいのでありますけれども、あの大きな阿蘇があり、その阿蘇から源を発して流れております白川でありますから、長雨が続きます際には、今回のごときことがないという保証はとうていできないのであります。この間福岡で座談会をやりましたときに、九州地方建設局長も来られまして、一体熊本は河川というようなことについてはあまり他県に比して熱意がありませんよ。北陸、東北の方はどうですというような御意見があつたわけです。まつたくそれに違いなかつた。今でもまつたくそうした大災害対策に対する熱意がありません。これは、二つは、古い話でありますが、加藤清正、あの人がこの治水のことについて非常に完全なことをやつておられました。それで今まで普通であつたならば災害をこうむるべきであつたのでしようが、あの河川治水のやり方について、今日みんなの者が熊本県の治水ということになると、すぐ清正公さんだと言つて安心しているようなかつこうであります。でありますから、災害もそのためやはり避けられておつたのでありましようが、数百年後のこの大災害は、さすがの加藤さんもお見通しがつかなかつたと思える。(笑声)やはり阿蘇があります限りは、この少さい川だといつてももういけません。幸い御認識を深くしておられる本部長でありますから、これはぜひとも直轄河川としてお取上げができますように、ほんとうにお願いをしてやみません。 なお、泥土排除のことにつきましては、熊本市だけに限りませんし、また郡部の方もたくさんの田畑をあの泥土で埋め尽しております。これは、ある農家の人に聞きますと、ぼう然とした態度でありまして、そうしてこう言いました。吉田さん、これをどうしてくださるか、われわれの手でやつておつたら十年かかるか、十五年かかるか、あの田畑を水田とするのには見通しがつきませんと言うております。さようなことを考えましたときに、どの県も甲乙はありませんけれども、熊本の特殊性をひとつお考えくださいまして、熊本につきましてはぜひ地元の熱願が達成されますようにお願いをしてやみません。同じ国会議員であつて、地元のことばかり申し上げるようで、はなはだ恐縮いたしますが、今までのようなことを繰返して、大久保君とともにお願いいたします。
○大野国務大臣 吉田委員のまことに絶大なる私に対する讃辞を受けまして、はなはだ恐縮でございまするが、熱意だけは持つております。かつて関東大震火災のとき、私は当時市会議員の復興委員で、帝都復興に努力をいたした経験を持つております。まことに同情にたえませんから十分尽したい、私の及び限りは力を発揮いたしたいと念願いたしております。なおまた、市部ばかりではない、郡部におきましても約九千町歩の被害だそうであります。どうかして今年の秋作だけは、せめて一千町歩だけは秋の畑作に間に合うようにせつかく努力中であるという熊本県知事の報告を受けましてあとその八千町歩のうちせめて今年は一千二、三百町歩くらいを春作に間に合うように、最善の努力をしたいというお話を承りました。あとはまだ見込みが立たないというような話で、返す返すも御同情にたえません。今話が出ました白川なんかも、そのときに直轄河川と相なつて改修をいたしておつたら、今度の災害全部とは申しませんが、今回の災害に比べてその被害は九牛の一毛にすぎなかつたであろうと、まことに残念であります。加藤清正があまりに治山治水に力を入れられて、その恩恵になれておられた結果、不覚をとられたのではなかろうかとも考えるのですが、私が聞いた話によると、加藤清正は、いかなる洪水で白川が氾濫しても、熊本市内だけは守らなければならぬというので、対岸は遊水地帯でどうなつてもかまわぬというような態度であつたが、だんだん世の中が開けて、対岸にもどんどん市かでき、どんどん家が建つた。それが今回の災害をもたらしたのであるという話も聞いて参りましたが、あるいはしからんと、かように考えております。加藤清正も、熊本があれほど大発展をするということは、ちよつと気がつかなかつたのであろうと思うのでありますが、お説十分了承いたしまして、この上ながら微力の限り最善を尽したいと考えております。
○村上委員長 井谷正吉君。
○井谷委員 長官には連日御苦労をかけまして、私ども心から感謝をいたしておる次第であります。ここで一つお願いがあるのでありますが、今回の災害につきましては、災害をこうむらなかつた他府県におきましても非常な関心を持つておるのであります。この救援等についても相当努力をいたしておるのでございますが、ちようど昨日電産の執行部から人が参りまして、自分たち組合の方においても、米であるとか、衣料であるとか、その他のものを集めておるのであるが、ただ米についての輸送が認可がとれないということで困つておる。これは、そうした組織の人たちは、筋肉労働者でありますから一米の生産者ではありません。従つて、自分たちのいただきました配給の中から一握りずつ出す、あるいは労務の加配米の中から捻出をして行く、こういうことにおいて集めたのでありますが、もちろん白米でありますから、相当の期間の間に虫がつくというようなことで、輸送ができないために、こうした心からの同情の結晶が今停頓しておるというような状態にあるのでありますが、この輸送についての急速なる便法をお考えを願いたいということをお願い申し上げたいのであります。お考えを承りたいと思います。
○大野国務大臣 ララ物資、ケア物資初め相当の衣料等は確保して、県庁、市役所、あるいは村役場まで届いておりますが、それから先の一番かんじんな罹災民にこれがまだ配給の完璧を期せられておらないということは、私は現地でしばしば陳情も受けて、厚生省を督励しておるのでありますが、何分、村役場に参りますと、村長さん初め全部が被害者であるというようなことで、どうも配給の円滑が期せられておらないきらいがあると思います。今朝も厚生大臣に聞きますと、特にそういうことを扱わせるべく係官を派遣したという話でありますし、昨日あたりの話によると、やや軌道に乗つて来つつあるという話であります。保安隊やあるいは海上保安庁等の船をもつて運ぶとか、ずいぶん無理して応急対策としてはいたしたのでありますが、まだこのうらみのあることは、はなはだ遺憾にたえません。たくさんの物資が集まつております。十分督励いたして、一日も早く罹災民みずからの手に届くように、この上ながらの努力を続けたいと思つております。
○井谷委員 ちよつと私の申し上げましたことと食い違つておるようであります。私の申し上げたのは災害地でない各地で集めました米が向うへ届かない、これを早く送りたいという意味なのであります。これを持つておりますと虫がつきますので、早く向うへ届けたいというのでありますが、主食の関係がありますので、その手続に困つておるわけであります。
○大野国務大臣 これは応急対策としていたしました。被害地の役場なり、市役所なり、公共団体に向けて送る主食でも何でも、これは、従来は県知事とかいろいろ公共団体とかの証明書がいるのを、今度は証明書がいる場合には本部長の証明書をどんどん出して、そういう支障のないように手続はとつてあるはずであります。現在それは行つております。
○井谷委員 たとえば東京から送るといたしました場合に、きようすぐでもできますか。
○大野国務大臣 個人へ送るのは認めませんが、災害地の村役場であるとか、自分の出身農地であるとか、あるいはまた災害対策本部にもいろいろ主食等が届いておつたよろでありますが、これは認めることに国警当局と打合せの上、そういう方法がとれることにしてあります。
○村上委員長 綱島正興君。
○綱島委員 実はこのたび大野国務相がおいでくださいましたことについて、ほんとうにお礼を申し上げます。特に長崎県の今福なんかというところは非常な端でございますのに、そこまでわざわざおいでくださつたということで、いかに国務相が全部にわたつて御留意くださつたかということを、つくづく感謝いたしておる次第であります。つきまして、まずお伺いをいたしておきたいと思いますことは、この前の大震災のときに、復興事業の中心になる復興院というものができまして、継続的に特別処置をいたして、法規の取扱い等も特別取扱いによつて、総合計画によつて復興事業というものが進められたようでありますが、ただいま臨時対策本部をお持ちになつておるのを、かなり永続してこれをお考え賜わらなければならぬことは、東京都の復興よりも農地の復興はもつとひまがかかると存ずるか品であります。これについてぜひひとつ、かつての復興院にかわる継続的な総合的な計画を遂行して行く役所をお持ちくださつて、特に継続してその責任を尽していただきたい尽していただけは、まことにわれわれは感謝のほかはないと考えておりますが、ともかくもそういう役所を持つようなことを早くおきめ賜わつたらどうか、こういうことが第一点でございます。 それから、第二点でございますが、実は本委員会で農林漁業に関する小委員会ができて、その小委員長を私拝命しておりまするので、特にそれに関係する面から御意見を承りたいと思うのでございます。農地に関する土地改良ということを継続してやつておりますけれども、これは愚見でございますが、従来どうも、実際に土地に対する金よりも、機構に対する金がよけいいり過ぎる。この重要な食糧増産の時代に、そのうらみが非常に多うございますので、特にそれらの点も御勘案くださると同時に、この九州災害地区については、土地改良の特殊地域というようなものをここに設定するようなお考え方をしていただきたいし、またこの委員会においてもぜひそういう決議をお願いいたしたいと思うわけでございますが、それらの点についても特に御配慮を陽りりたいと存ずるわけでございます。それでないと、従来の土地改良地区の法規によりまして、府県の負担及び農民団体の負担等がございまして、これらの線はとうてい土地改良は困難だと存じますので、土地改良の特殊地域という特別立法によつて、この線を進めて行くよりほかなかろうかと存じますが、この点は、特に、有力なる閣僚でおありになります国務大臣のバツクがございませんことには、財政上の関係がございますから、これは非常に困難だと存じます。従つて、ぜひこのことも御留意を賜わりたいと存ずるのであります。 それから第三は、木材のことでございます。すぐぶつかるのは家と炭鉱の坑木でございます。このことについては、先ほどから何回も林野庁長官にお話をいたしまして、長官は、それぞれ国有林を払い下けて、業者の手を経ずに需要者に直接渡す。そのためには、公共団体の申出もしくは炭鉱業者等の集団的申出があれば、特に廉価でこれを引渡すことができる処置をしたいと思つておるということを答弁になつておりますが、この点もぜひ実際に行われるように願いたい。実は、従来からの経験によりますと、当面役所だけはそうなつておつても、旦一体化することが、ほとんどないとは申し上げませんが、非常におそかつたり困難でございます。その点も特に対策本部長の御考慮を賜わりたいと存ずるわけでございます。 それから第四に、これは私の郷里のことでほんとうに恐縮いたしますが、地すべり地帯でございまして、この地すべり地帯の水害は、他の地域の水害と異なる非常に特殊な様相を呈しまして、復興が非常に困難でございます。しかもこれは、このたび起つたばかりではなく、毎年起つておるのでありまして、この点については、特に農林委員会等においても最近のうちに調査することになつておつたのでありますが、不幸にして途中でこういう大災害に逢着いたしたのであります。そこで、こういう地域については、地元負担をいわゆる常習災害発生地のお取扱いに願つて、国家負担をはなはだしきものは九割くらいまでは拡張なさることかできるようになつておるように存じますので、この点も何割とは申し上げませんが、できるだけ地方民が負担をなし得る範囲までにとどめて公共負担をしていただくような御処置を賜わりたい、こういう点もお願い申し上げます。 それから第五に、金融処置であります、これについては、私非常に気がかりになることは、この報告書の中にもございますが、金融機関に対する指定預金の増額であります。これはなるほば一面大切ではございます。特に取付等がございますれば、これも経済の公安を保つために非常に必要でございますけれども、戦後の様相といたしましては、取付等はほとんどございませんので、私は、金融機関に対する特殊なる指定預金の増額の処置は、それほど必要がなかろうと考えます。特に承るところによりますと、本部長が二十億をさつそく送れという御要請に対して、十億でよろしい、あとは指定預金を増せばよいということを、出先の大蔵省の役人たちが上申したというふうに漏れ聞いておる。多分ほんとうでありましよう。さようなことで、いつても大蔵省は銀行を保つというようなことを考えておいて、速急に必要なる府県市町村、あるいはその他の機関の朝夕に迫る轍鮒の急に対してこたえるという点については、由来非常に手ぬるいようでありますので、この点も特に御考慮を賜わりたいと思うのであります。 以上の五点を特にお順い申し上げて、御善処を賜わりたいと思うわけであります。御意見を承りたいと存じます。
○大野国務大臣 かつて帝都の大震火災に対して、復興省という特殊の機関を設けてこの復旧に当つた例があるのであります。今回の九州の二千億円に達するようなこの災害に対して、そういつた役所を設ける意思があるかどうかというお尋ねでありまするが、現在のところ、そこまではまだ考えておりません。災害に対する総合対策本部で、半永久的に、ここを土台として九州災害に対する恒久的処置をつけて行こうというのじやなかろうかと思いまするが、御意思のあるところを承つておくことにいたします。 それから、第二番目は、土地改良の問題であります。特殊地帯を設けよというお話でございますが、これは私もしごく同感であります。これまた力の及ぶ限り、こういつた立法に対して全面的に努力をいたすであろうということを、ここに言明しておきます。 第三は、国有林の坑木等への払下げ、この問題はすでに現地においてその処置をとつて参りました。ことに宮崎県、鹿児島県に現在相当の材をすでに確保してあります。また長材に対しては、従来九州地区から東京あるいは中国、東海の方へ移出しておる。今度は逆に名古屋、大阪にある長材を、建築用としていつでも九州へ急送する手はずもすでにできております。また坑木等については、国有林を直接払下げをするという、これに対してまだ具体的の申出はあり序せんでしたか、十分これは保有することにしてあるし、いつでも払下げするということに、すでに現地において対災を講じて参りました。そう御懸念はないと存じます。それから、第四の地すべりですが、私は今福の地すべりの状況を見て参りました。実に四十町歩の美田が二日、三日の間の——今度の雨は一時間六十ミリ、七十ミリというほとんど何百年間にないような雨量であつたのですが、それがために一大決壊をして、ほんとうに私は、現場を見て、世の中にこういつたことがあるのか、これは天変地異であると慨嘆したのですが、三百メートルの間は亀裂を生じて、今後また雨が続けばそこからまた崩壊するおそれがあるというので、三百戸に対して避難命令を出した。何とか早急に処置をとらなければ、あの今福の全町民諸君がまくらを高くして寝ることができないであろうという、まことに特殊地帯です。これをどうするのか、われわれ専門家じやないからわかりませんので、これをいかにして防ぐことができるかというふうに感じて参りましたが、これは応急処置をとらなければならぬ。地すべりのあとのもう一山は、今にも崩壊するじやなかろうかという危険状態にある。私は自分で見て来たのですから、これに対してはほんとうにすみやかなる対策を講じなければいかぬ、かように考えてて、担当官を督励しておるわけであります。
○綱島委員 ただいまの地すべりでございますが、私の承知しておるところでは、予防に対する費用が出ますのは、厚生施設、疫病等に対するもの、たけで、災害がたつた今起るからといつても、ここが破れておるからもうすぐ落ちるんだといつても、その費用は出せぬだけじやない、ただいまの規定ではそれは金も貸せないのである。従来この一郡は地すべり地帯でありまして、どの村からもぜひ起債だけでも許していただきたいといつても、それはただいままで一文もできたことはない。それで、しようがないものですから、貧乏村が金を出し合つて何軒かの家をどかした。それはみんな村の負担になつてしまつた。こういうような実情でございますので、それらのことに対する措置もこの委員会でお願いしたいと思つておりますから、大臣もその点をぜひお含みおきを願いたいと存じます。それからもう一点、これは先ほど大臣がおつしやつてくださつたことでありますが、十万円以下の災害地が補助対象にならないという規定であります。これが実は非常に困りますことは、今県におります役人たちも、これは本省から行つたら本省と関係のある人ですから、本省から調ベに見えたときに、これは一箇所じやないじやないかと言われることがこわいものですから、わずかに一間くらい離れておるところに二つあつても、それを一つの災害ということで書き出さない。いくら言つても県の役人は書きません。そういうわけで、非常に特殊な地域は災害がほんとうにたくさんございますのに、実はみすみす対象にならないということがございますので、このたびは特にそういうことについても御用意を賜わるようにお願いを申し上げます。
○大野国務大臣 今のまさに落つこちて来るという憂いのあるところに対しては、何とかあれを防ぐ方法はないか、これは砂防で行くよりしかたがない、砂防ならば国家の補助も出るわけであるということを係官は言うておりました。それから今のお話ごもつともです。方々からの切なる要望でありましたが、十万円以下の災害に対しては、これが国家補助の対象にならない。そこで、今度のようなときには、一箇村で五箇所も七箇所も十箇所もある、だからこれを一括して対象にしたらいいじやないか、それくらいのことは考えてはどうか、私はそれよりほかにないと思う。だから、今回のような大きな特殊の災害に対しては、そういう便法を考えたらいいじやないかということを、今私は建設大臣に力説しておるのです。一箇村七万円のところなら、五箇所あれば三十五万円になるのだから対象になるのじやないか、こういうふうに広義に解釈せよということを私は申しております。
○井手委員 ただいま綱島委員から緊急融資に関する適切な質問なり要望があつたのであります。これに対して大野国務大臣から善処するという抽象的なお言葉でありましたが、さらに私は、この点について、綱島委員の趣旨を延長してお聞きしておきたいと思うのであります。大野国務大臣は、現地に行かれたときに、一にも金、二にも金とおつしやつたし、おれにまかせておけという大きなところを見せられたのであります。それに罹災民は安心をし、国務大臣に大きな期待をかけておるところであります。それゆえにこそ、ただいままでたくさんの発言者がまつ先に、大野国務大臣に感謝の言葉を口をそろえておつしやつておるのであります。ところが、金だ金だとおつしやる大野国務大臣か二十億融資を中央に要望されたのに対して、中央はこれを査定して十億を融資した、国務大臣は、到着されて、すでにおそらく本日中でも新たに十億を出される牛を打つてあるかもしれませんけれども、この点について、私はさらにはつきりしたところを承つておきたいのであります。
○大野国務大臣 お答えいたします。金はけさの閣議で決定いたしました。どうぞ御安心ください。
○舘林委員 今度の水害につきましては、いち早く大野国務大臣が現地に参られまして、本部を設置いただきましたために、精神的にもあるいはまた応急の事務を運ぶ点からいつても非常に敏速に行きまして、地元といたしましてはこそつて感謝いたしておる次第であります。と同時に、今回の災害は受けたきずが非常に大きいのでありまして、むしろ問題は今後にあるだろうと思います。さような点から申しまして、あれだけ各県民の衆望をになつて信頼を得ておるあの福岡にあります本部は、なるベく長い期間あすこに駐存していただきたい。実は一昨日も同僚の議員から、緒方中央本部長に対して、ぜひ相当長い間あすこに本部を置いていただきたいと要望したのに対しまして、緒方国務大臣は、きのう夕方でしたか、どうせ大野本部長も上京されるわけであるから、大野本部長の意見を聞いて決定いたしたいという御答弁でありました。これからいよいよ復興が困難たる際に、突然本部を東京に引揚げられるということになりますと、事務の点はもとよりでありますけれども、精神的にも地元としては相当打撃を受けるわけであります。従つて、いろいろ事情はありましようけれども、相当長期間にわたつてあすこに本部を継続して置いていただきたい。また引揚げるにいたしましても、引揚けの方法につきましては十分御勘案いただきまして、徐々に引揚げていただくということもぜひお願いいたしたいと思います。つきましては、緒方さんはすべて大野国務大臣の意見に従つてやりたいということでありましたが、大野本部長といたしましては、大体今後の見通しとしては、いつごろまであすこに置いていただくかということについて、御意見をお聞かせ願いたいと思います。 それから、第二の問題としては、被害地の町村にいたしましても、現在はほとんど陳情等に上京いたしておりません。これはやはりあすこに本部があるからだろうと思います。しかし、本部が引揚げられるということになりますと、被害地の町村はこぞつて東京の方に参る。その費用といい、時間といい、実に莫大なものであります。そんな点から申しましても、今後平衡交付金の配分とか、補助金の配分とか、起債額の配分等にいたしましても、一括してわくだけ定めて、知事の責任においてこれをわけさせるということで、東京に一々上京しなくても、とにかく今度の災害についてだけは現地で処置ができるという特別の御考慮を、閣議等におきましてお考えいただきたいということを、あわせてお願いいたしたいと思います。 それから、第三の問題としては、今後いろいろの復旧の点もありますが、土木の復旧について私心配しておりますのは、地元の復旧等において、建設省関係と農林省関係のなわ張り争いか非常にあることであります。県におきましては、土木部と農地部に関しまして、たとえば砂防の点から申しまして、農林省関係の砂防と建設省関係の砂防がかち合つておる。あるいは河川の改修等におきましても、農地部と土木部がかち合つておる。そのために、十分に復旧工事ができない際に、一年おきにこうした災害を受けるということはまつたく遺憾であります。さような点からいたしましても、閣議等においても、ぜひ建設省関係と農林省関係は連絡を密にして、とにかく権限争いのないように、スムーズに行くように御努力を希望いたしておきます。 それから第四に、一昨日九州地方には相当降雨があつたようであります。せつかく決壊した堤防等の修理を応急にやつたのでありますが、私は被害が相当大きいと感じます。この点に対して、新しい情報が入つておりましたらお願いいたしたいと思います。
○大野国務大臣 本部引揚げにつきましては、先ほども参議院の委員会で御質問があつたのですが、実は応急対策本部で大体の応急処置はつけたのでありまして、本来ならばもう引揚げてもいいわけなんでありますが、しかし地方民各位の要望もだしがたく、まだそのままの姿で私は中間報告に参つたのでありますが、広の考えは、かりに本部を引揚げるにしても——幸い集団赤痢等が起つておりませんが、被害県に対しては今後とも防疫の強化をやらなければならない。だから防疫本部を福岡にすでに設置してあります。防疫に対しては、米軍も、この間はイタリアからも権威者を派遣されて、厚生省も一緒になつて、防疫のために非常な活動をしていただいておるわけであります。本部は引揚げても防疫本部は残さなければならぬというので、もうそのことは派遣官も了とされて防疫本部を設置いたしました。それからまた連絡等の機関、たとえば運輸交通に対する問題は、あすこの出先の陸運局長でありますか、それを連絡員にするとか、あるいは通産省関係は通産局長をしてその任に当らしめる、というような処置をつけて引揚げようと思つたのですが、ぜひとも当分の間本部を設置しておくようにという地元の懇請もだしがたく、私もそのままにして帰つて、相当まだ担当官も残つて現場で処理をいたしておるわけであります。これに対して、いつまで置くかということはまだ決定いたしておりませんが、私も、まだ営農資金とかいろいろの問題がありますから、これが大体目鼻がついたならば福岡の本部へ帰るつもりで、これが四、五日を要するのであろう、かように考えております。建設、農林のなわ張り争い、官僚のなわ張り争いは、随所にこれを見ることができるのでありまするが、これは実に困つたものであつて、こういう問題、ことに災害等に対しては拙速をたつとぶときにでも、なおかつなわ張り争いをするというようなことは、常識では考えられませんが、いよいよ恒久対策に移ると、相当そういう問題が起つて来るのじやなかろうかと思いまするから、その点については十分私も意見を持つております。これはまことに困つた話でありますので、こういう方面に対しては、十分農林あるいは建設二位一体となつて早急に対策にかかるように、なわ張り争い等をせぬように、厳重に当該所管大臣をして監督せしめるつもりであります。 その後のことは、実は私昨日十二時五十分の飛行機に乗るつもりでありましたが、豪雨のために遅れまして、二時近くにやつと乗つたようなわけでありまして、そのときも心配いたしまして、大勢の新聞記者諸君が飛行場に見えましたので、時々何かかわつたニユースは入らないかと言うて、立つが立つまで実は気にいたしておりましたが、私の立つまでは、まだ豪雨による災害の報告には接していないということでありましたが、今朝何かの新聞を見ると、佐賀県、福岡県は、新しい豪雨のために、せつかく修理復旧したところが二、三箇所切れたようなことを散見いたしまして、実は今現地へそういう実害の状況を知らせよという連絡をとつておりますか、今のところはまだ報告に接しておりません。
○舘林委員 起債とか補助金は、地元の知事に一括して……。
○大野国務大臣 これは私はけつこうだと思います。だから現につなぎ融資も、町村の割当等は府県知事にまかしてあります。
○松前委員 大野国務大臣が現地に行かれましたことに対しては、先ほど来非常に地元の議員から、またそのほかの方面からも感謝の言葉があつたようでありますが、私はそういう前おきは抜きにいたしまして、卒直に大野国務大臣の御所見を伺いたいのです。 そもそもああいう災害が起りまする原因は、国土の総合開発に欠陥があるからであります。御承知のように、私の選挙区に関係があつてまことに申訳ありませんが、阿蘇地方の国土総合開発はすでに問題となつておりまするが、これらの開発がある程度目鼻がついておるならば、あれほどの災害は起らなかつたかもしれないということも、想定できるのであります。今後における当面の応急処置については、非常な御努力によつて時宜の処置を講ぜられておるのでありまするが、同時にまた、さしあたりの手直し程度の処置についても、おそらく災害本部の方でお考えになるだろうと思うのでありまするが、これらの手がついた後において、再びこのような惨害が起らないようにするためには、国土総合開発との関係において根本的に新しい構想において考え直さなければ、今後において悔いを千年に残すことがあると思うのであります。大野国務大臣は、大臣として現地に出られて、非常に人気がいいのでありますが、その人気と力をもつて国土総合開発の問題との相関関係を、具体的に一応方向だけを定めていただきたいと思うのでありまするが、まずこれに対しまして大野さんの御所見をお伺いいたします。
○大野国務大臣 国土総合開発に対する私の所見をお尋ねになりましたが、国土総合開発というのは多年叫ばれておりますが、予算との関係で、まだ私寡聞にして見るべきものを知らないのであります。結局、戦争による濫伐等によつて、その後治山といつたことに対して力の入れ方が少かつたことが大きな原因の一つであろうかと思うのであります。私はいわゆる応急対策の国務相として赴任したのでありまするが、国土総合開発が多年叫ばれておるけれども、まだ見るべきものがないということは、はなはだ遺憾であります。しかし、これも要は財政面から来ておるのじやなかろうかと思います。私は、今度決壊場所を見まして、ことに筑後川の沿岸の決壊場所を見まして、川に面した方だけは、ちよつと見ると非常に堅牢のように見えます。セメント等で固めて相当堅牢な堤というふうに考えますが、さて決壊したあとを見るとほとんどそれが砂利みたいなもので、あるいは土がない。これは遠賀川のところヘ行つてみましたが、いくら締め切つても、中ヘ砂利を入れて上表を積むのでありまするから、締切りがほぼ完了したというても、どんどん川のごとく流れるようなわけで、それじやどうするのだと言つて聞きましたところが、今ここでせつかく築いた土手の土を掘つて、それをどんどん埋めておるというようなわけで、ほんとうに千年の後に悔いを残さぬというならば、あの土手の砂利を全部セメントで固めてしまわなければならぬのではなかろうかというまでに私は思つたのでありますが、いずれにしても、要するにこれは金なんです。金さえあれば、悔いを千年、百年の末にまで残す必要はない。結局金じやなかろうか。金がないのだから、これをどうするかということが大なる問題であろうと思います。
○松前委員 私の質問に対してちよつと的はずれの御答弁であります。これ以上いろいろお尋ねしようとは思いませんが、ただ問題は、災害が起りましてこのような惨害をこうむつて、復旧をやる場合におきましては、今までのような元の原形に返すということだけでは、また再びここに災害を受ける危険性があるのであります。それではせつかくのお金を使つてもつたいないからというので、国土総合開発という新しい近代的な開発計画か、政府によつて実は国土露台開発の委員会ができて、どんどん開発地域が指定されまして、政府から予算か出て、現在実施に移つておるのであります。その点もいささか認識が違うかと思うのでありますが、こういう問題とかみ合せて、そうしていらないところに金を使わないように、最も経済的にこの災害の復旧と同時に開発の道を講ずるようにかみ合せてやつた方か、国としては経済ではないだろうか、この点について政府は十分の努力をしていただき、そうしてそれらのむだ使いがないようにしていただきたいというのが、私の趣旨であります。この点はこれだけにいたします。 その次に、具体的に申し上げますと、このような見地から申し上げますれば、先ほど来のいわゆる筑後川にいたしましても、白川にしても、菊池川にしても矢部川にいたしましても、すべてこれは有明海総合開発という指定地域に属しております。このような有明海総合開発というものが、別に自分だけのプランをつくつておつて、そうしてまた災害復旧は災害復旧で、そのプランとは無関係にむだ使いをするということでは、これは国民に対して申訳ないことになるのでありますから、その点に関しまして、総合的に勘案されまして、災害の復旧に対して遺憾なきを期していただきたいというのでございます。 第二の問題は、これは先ほど来大久保委員から質問されたという話でございますが、白川の直轄河川としての指定の問題であります。これは私昨日建設省の河川局長に会つていろいろ談判いたしてみましたところが、現地を調査して大体のことはわかつた、現地調査して、直轄河川として指定するかしないかをきめるが、まあ大体の申入れのことはわかつておる、このようなお話がございました。これは建設大臣の御所管に屈するのでございますが、大野大臣の御言明には、直轄河川とするこいう御言明があつたということでありますが、はたしてこれはさまつたここでございまするか、それともまだ正式にきまらないことでございましようか、伺いたいのです。
○大野国務大臣 国土総合開発に対する御意見は、しごく同感でございますから、せいぜいお説の通りに行くよう努力いたします。 それから、白川の問題でありますが、これは、私は、ぜひとも直轄河川としてただちに改修をしなければならぬということを、現地本部長として強く要望いたしておきました。まだ決定したというところまでは運んでおりませんが、必ずそれはそうなるであろうということを、私はかたく信じておるものであります。
○松前委員 ただいまの直轄河川の問題は、建設大臣に権限があるのでありますから、ぜひこの点はあなたのお力でお願いしたいと思う。 次は、住宅の問題であります。罹災者が非常に住宅に困りまして、私どもが罹災地をまわつてみますと、全部これは小学校に収容されております、そうして哀れな状態を見せられたのでありますが。その小学校は休業をしなければならない。何百人という罹災者が各教室を占有しておりまするために、学校は休んでおるというのが現状であります。いつまでも住宅問題が解決しないならば、これらの学校の再開さえも困難になるおそれがある。このような現状にあるのであります。永久的な住宅をつくるということは多少の時間に要しますから、早急にこれらの罹災者の収容をする必要があると思うのでありまするが、この点に関しまして、何か具体的な手をお打ちになる御計画があるかどうか。もう一つは、調べてみますると、公営住宅として大体五万戸の未使用分があるそうです。五万戸の未使用分が現在あるといたしまするならば、これらの五万戸を——今度の予算が通過いたしたと仮定した場合においては、この未使用分の五万戸をできるだけ多数災害地にまわしていただきたいと思うのでありますが、大体どれくらいの罹災戸数と見積られまして、そうして、もしもこの公営住宅の割当を災害地にまわされるとすれば、どのくらいの戸数を災害地に割当てようとしておられるのであるか、この点を伺いたいと思います。
○大野国務大臣 私が先ほど申しましたように、私が行つて、民生安定の上からも、衣食住という点を一番最初に力説いたしたのでありまするが、今半壊、全壊あるいは全流失というような戸数は、この報告書にはないようでありまするが、これは相当の数字が出ておつたのであります。これはまだここにないようでありますが……。(「三ページにある」と呼ぶ者あり)三ページにありましたか。——災害救助法による救助の対象となつた罹災者総数は約百万人で、二十六万世帯となつています。全壊が二千九百三十二戸、大体国警の調査によるものであります。これに対して、それではどれだけ住宅金庫等から金を出して来るかというのは、まだ具体的には手当しておりませんが、各県の希望に対して今どれだけバラックを建てたらいいのかということを、関係当該官庁に向つて、どれだけ必要か、どうしても必要な戸数を言うて来るようにということを言い伝えてありますが、まだ具体的には出ていません。しかし、私がこの間——きようはちよつとメモを持つて来ておりませんが、とりあえず小さな五坪くらいのうちを、各災害県に何千戸か、ちよつと数字を忘れておりますので、あとで資料として出しますが、その対策をすでにやつたという報告を受けております。これはもう少し数字等もはつきりいたしておるのですが、まだきのう帰つて来たばかりで、ようやくこの資料だけをゆうべ徹夜で印刷して仕上げたようなわけで、あとからお知らせいたします。これは各県の要望を聞いてたその要望にどれだけこたえられるかということはまだ決定いたしておりませんが、大体各県の希望を全部認めたい、そうして要望にこたえたい、こう考えております。
○松前委員 住宅の問題が西日本災害対策中間報告書の中に入つておりませんので、どうかただいまお話のありました方向に向いまして御努力を願いたいと思います。特に公営住宅五万戸の予定が残つておるというようなことがありますので、これらの問題も勘案されまして、たとえば、熊本県だけで見ましても、半壊、全壊、流失を合せて、大体四千戸近くになります。その他非常に浸水を受けて使えなくなつた家もありましようから、大体五千戸、福岡県その他を合せますと、二万五千から三万くらいは当然住宅を必要とするのではないかと思うのであります。もちろん住宅金融公庫その他の問題もありますけれども、さしむき政府の責任において、公営住宅の建設に対して、大野大臣は特に御努力くださらんことを希望いたす次第でございます。 その次にお伺いいたしたいのは、土木費用あるいは農地の復旧その他に対する補助金の率が、従来は大体半分くらいを補助して、あとは現地の負担としておつたのでありますが、これでは今後なかなか復旧は困難であると見なければなりません。できるならば全額を負担することが望ましいのでありますが、それができないならば、九割、八割、できるだけ高額を国庫において持つという方向に行かなければ、災害復旧の急速なる実施はできないと思うのでありますが、これに対しましてどのような御所見をお持ちでありますか。
○大野国務大臣 御説ごもつともであります。これに対しては立法措置を講じなければならぬのであります。私は御意見同感でありまして、まつたくこれだけ荒れた被害地は、なかなか自力やわずかばかりの国庫補助では立ち上ることはできません。できるならば全額、できなければ少くとも八割程度の補助は当然必要であると私は考えております。御説ごもつともと存じます。
○松前委員 大体伺いたいことは伺いましたが、最後に一言、先ほどの施設の問題に返りますが、筑後川の氾濫は、かつて建設省において計画したところの大分県内における貯水池の設定によつて氾濫を防ぐことができるという計画が進行中であつたそうでありますが、これは福岡県を助けるために大分県を犠牲にするということで、いろいろなトラブルが起つてできなかつた。このような県相互間の摩擦相剋のためにもしも災害が起つたといたしますならば、これこそ政府の総合的な政治力によつて解決すべきものであると思うのであります。このような意味において、せつかく大野国務大臣は現地におもむかれ、あの災害を痛感しておられるのでありますから、あるいはこれは今後の恒久対策に属するかもしれませんが、これらに対してうんと努力をしていただきたい。御所見を伺つて仏の質問を終ります。
○大野国務大臣 私が現地で聞いた話でありますが、大分県と福岡県とで防災ため池かダムか、これができておつたならばこういう被害はなかつたであろうというようなことを、福岡で断片的に聞いたのでありますが、岐阜県の揖斐川とか長良川のように、県内に源を発して県内を横断あるいは縦貫しておるならば、そういう問題は解決が早いのだけれども、何しろ県が違うために、非常に利害が相反するので、そういう計画が実施を見ることができなかつたのは、はなはだ遺憾であるというような話を聞いたのであります。大分県と福岡県との争いで、この計画ができなかつたために今度の災害が起つたのならば、それは政府の怠慢である、私もさように存じますが、しかし、今度の災害は、筑後川の上流においては九百ミリの雨が連日にわたつて降つたというのですから、かりにそういうものができておつても、この災害を防ぐことができたかどうかということは、私どもは想像がつかないのであります。しかしいずれにしましても今日では、これは政府の怠慢であつたとか、どこの怠慢であつたとか——災害にはもう政府もなければ野党も与党もないのです。私は、こういう問題は超党派的に国土総合計画を考えなければならぬし、今後の治山治水に対しても、超党派的にひとつほんとうに国土の荒廃を救うというところへ衆知を集めて、できれば大調査機関でも設けて、そこで根本的の調査をして、挙国一致これに向つて邁進するというふうな大きな気持で、私は、この国土総合対策を立てて、今後の災害を未然に防ぐようにいたしたい、かように存じております。
○赤澤委員 きわめて簡単に、災害対策本部長としての大野国務大臣に、二点についてお伺いいたします。まことに災害国と申しますか、四月以来雪解けの水、さらには凍霜害、続いては二号台風、今度は九州の大水害、いずれもまだ始末がついておりません。凍霜害まではどうやら形がついて、次はこの二号台風と九州の水害を一括して扱うかどうかすら問題になつておる。こういう事態の上に、残念ながら梅雨前線がこの上をうろうろしております。実は私は昨夜八時福岡を立ちましたが、そのときには梅雨前線場が逆もどりして、きのう一日は福岡は小やみなく雨が降つており、被害地区にまた避難命令を出しておるような状況であります。またその間にこの梅雨前線が中国地方に行つたらしく、私九州に十日ばかりおつたのですが、帰つてみれば、中国地方でも相当な被害を出しておるようでございます。この梅雨前線によつて起つた災害地も、将来あわせて御勘案になるかどうかという点が一点と、さらにもう一つの問題は、先般つなぎ資金を被害各県に御配分になりましたが、私の私見としましては、さすがによくお考えになつて率等もおきめになつたというふうに拝察はいたしておりますが、現地においてはとかくの話を聞かぬものでもありません。つなぎ資金もこれだけでは不十分でもありますし、逐次またお出しになることでございましよう。また十億がすでにおきまりになつたことは、現地の悲惨な状況から思いますならば、ほんとうにこれ以上喜ばしいことはないのでございますが、この配分の率というものは、今後もやはりあれを踏襲されるか、それとも事態によつて補正をさるべきものであるか、いずれであるか、この二点についてお伺いいたします。
○大野国務大臣 西日本水害対策の委員会でありまして、ぽかの中国であるとかあるいは愛媛県等にもそういう災害があつたやに聞いておりますが、今のところこの対策本部はさような地点を包含しないものである、かように私は考えております。それから配分の問題は、実はあの配分は当時の災害状況を勘案しまして行つたのでありまするが、その後長崎県あるいは大分県等の被害がこれまた想像以上に大きいので、あの配分では長崎並びに大分県に対してはお気の毒のように考えて、今度の十億円の配分に対してはそういう点を勘案して配分をして行く、かように考えております。
○池田(禎)委員 大野国務大臣の御労苦は皆様から申し上げられた通りでありまするが、私はただ、ここで一言お願いし、かつまた所見のほどをお尋ねいたしたいのですが、今度の災害は、各委員も御承知のように、これは非常に並々ならぬものでありまして、これに対する応急対策、恒久対策施行においてどうするかというならば、政府のみでなく、国会といたしましても、これは異常なる決意をもつて臨まなければならない事態であると思う。尋常の対策でもつてしては、災害地の人々に対しまして、災害地に対しまして、とうてい満足を与えることはできない、こういうふうに私は深く決意をしておるものであります。従いまして、政府におきましてもまた、大野国務大臣のごとき官僚にあらざる大臣を充ててこれが対策に当つておる。ところが、いよいよいわゆる予算の問題になり、費用の問題になつて参りますと、どうしても自分の予算第一で考える省の人々は、この点につきましてやはり深き思いやりを欠いて、そのやりくりのことを第一に考えはしないかと思う。私は、そういうものを乗り越えて、なおかつ国の政治として、国家の重要な問題として、ひとつ異常なる決意をもつて臨んでもらわなければならないと思う。それは、大野さんに、小さな数字をあげているくあなたに注文するよりも、この問題をどうするかという観点に立つて、ひとつ閣議の中におきまして政府の決定にあたりましては、大蔵大臣が何と言おうとも、あなたは、これを押し切つてでも、あなたが政府をしてこの緊急異常な事態に対する対処を、吉田内閣として、国会としてさせなければならぬという異常な決意をもつて臨んでいただかなければならない。それをまたわれわれは大いに望んでおり、またお願いするところでふります。従いまして、いろいろの観点からあなたの御答えがあり、いろいろな委員からいろいろな質問をされたのでありますが、あらためて政府における閣僚として、あるいは対策本部長として、どういう決意をもつて臨まれるか、私どもはこれを十分期待しておるものでありますので、希望と同時にあなたの御見解のほどを、この際災害地から帰られましてのあなたに対してお伺いしたい、こう思うのであります。
○大野国務大臣 私がどんな決意を持つておるか、これはほんとうに深い決意を持つております。現地を見ただけに、ほんとうに心から御同情にたえない。これの復旧、復興に際しては、私は死力を尽して当りたい。あるいは今お説の通り、予算等の問題についてはなかなか難関にぶつかることが多々あると思いますが、万難を排して、私は閣議でも大いに闘おう——闘うという言葉はおかしいが、大いにやるつもりです。深き決意を持つておることだけは、はつきり申し上げておきます。
○村上委員長 これにて大野国務大臣に対する質疑は終了いたしました。ちよつと速記をやめてください。 〔速記中止〕
○村上委員長 速記を始めて。 本日はこの程度にとどめ、次会は明十一日午後二時より開会し、厚生大臣より報告を聴取することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時三十分散会