水害地緊急対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1953/07/04
会議録
○村上委員長 これより水害地緊急対策特別委員会を開会いたします。 まず郵政省関係について説明を聴取いたします。飯塚政務次官。
○飯塚政府委員 このたびの西日本の一風水害に関しましては、その罹災された方々に対し心からお気の毒に存じておる次第であります。まず、私ども郵政省の所管いたしまする諸機関の罹災、つまり通信障害及びその復旧状況等について御報告申し上げたいと思います。 まず第一に、郵便関係から申し上げますが、災害地域における郵便局の数は大体一千二百局に及んでおります。そのうち六十一局は普通の郵便局でありまして、他は全部特定局になつております。その一千二百の郵便局のうちで、今日まで罹災したと称せられておる数は、これは大体目を経るに従つてその罹災の数が相当増加するものと思わなければなりませんが、七月の二日現在の状況によつて御報告申し上げますと、郵便局の罹災したものは、全壊あるいは半壊または流失いたしましたものが二局ございまして、浸水したものが百十四局、合計百十六局の罹災でございます。またこれによる郵便物の被害も相当多いのでございます。ポストの中で、あるいは局内等において、相当の被害があつたものと思われますが、たとえば門司の鉄道郵便局分局に滞留しておりまする郵袋の数は、これは六月二十六日以来交通がほとんど絶えてしまいましたために、郵袋の滞留は門司局において約七千、それから下関局において約三千ございましたが、その中で二千七百個の郵袋が水浸しになつておるのでありまして、これら被害郵便物についてはそれぞれ応急の措置をとつております。六月二十九日には水害地向けの小包郵便の引受を一時停止する措置をとつたのでありますが、その後国鉄線も急速に開通して参りましたため、今月の六日から全面的に受付停止を解除することとなつております。 次に、電信電話公社のいわゆる電信電話の回線につきまして、その罹災状況を申し上げまするが、その罹災率は五六%にも上つております。しかしこれも従事員の復旧心によつて、七月二日の昼ごろには、すでに被害電話では六四%の復旧率を示しておるのでございます。電報の疏通状況を申し上げますと、これも急速に回復しておりまして、七月一日午前中には、福岡中央電信局の電報の停滞時間は、最高の場合には七十時間も停滞しなければならない状態でありましたが、翌二日の午前零時にはこれが二十九時間まで短縮することができたのであります。電信電話施設の被害復旧につきましては、電信電話公社で極力努力中でありますが、全線の仮復旧までにはなかなか時間を要し、大体二週間くらいの復旧時間がかかるものと見込んでおります。 また、罹災地の郵便貯金、簡易保険等の取扱いについて一言申し上げますが、貯金の即時払い、簡易保険の保険金あるいは契約者の貸出金の非常時払い等を応急措置として行い、できる限り罹災者の便宜をはかつております。 また、電波関係について申し上げますと、放送関係においては、放送を中止したものは一局もございません。その通信状況を見ますと、六月二十六日以来非常無線通信を開始いたしまして、水害に関する非常通報の疏通の確保に努力しておる次第であります。 なお最後に、郵政部内における従事員の罹災状況について一言申し上げます。ただいままでにはつきりしておりますのは、郵政関係においては従事員本人の死亡が三名、その家族の死亡が十名でございます。職員の重軽傷者は七名、その家族は四名ございます。またその罹災戸数について見ますと、これは大体三千余に上つておるのでございます。また電信電話公社関係の罹災従事員の状況を見ますと、職員で死亡されたのが三名、家族の死亡者が十名、職員の負傷者が二十五名、家族の負傷者が二十二名、合計六十名の多きに上つております。家屋の浸水については、これまた五千以上に上つておりますが、電波関係におきましては軽傷者一名を出しました以外には人命に異状がございません、 以上、まことに概略でありますけれども、郵政関係の御報告を申し上げます。天災とは言いながら、この災害によつてわれわれの最も重要な通信事務にしばらくの間でも御迷惑をおかけ申しましたことは、心からこれをおわび申し上げる次第であります。一日も早くその復旧のために努力する覚悟を持つております。
○綱島委員 ただいま罹災地で郵便が杜絶いたしておる所がございますか。
○飯塚政府委員 郵便の杜絶はほとんどございません。ただ門司とか下関に、災害直前あるいは災害が起りましてから、九州方面に向つて送つてやりました物がとどまつておりましたが、これが漸次施設が回復するとともに配達されることになつておりますから、杜絶ということはほとんどございません。
○綱島委員 郵便電信の復旧方針はどういうふうにな、つておりますか。
○飯塚政府委員 今簡単でありましたけれども報告の中にも申し上げましたように、第一郵便物の輸送の機関が完備しますれば、郵便物の送り迎えに関しましては、交通が復旧すると同時に旧に復することができますし、電報電話に関しましても、その復旧には、いわゆる他の局、たとえば四国とか広島とかあるいは東京からも資材を船で運んでおりますから、これも、先ほど申し上げたように、二週間くらいで大体復旧するのではないかと考えております。
○村上委員長 他に御質疑はございませんか。――別に御質議もないようでありますから、次は運輸省関係について説明を求めます。壷井政府委員。
○壺井政府委員 運輸省関係の被害は、国鉄が五十億と称される被害がありましたことと、港湾関係が水浸しのために被害を受けましたことのほかに、海上は割合に被害が少うございまして、海運の力と飛行機の力をもちまして、極力杜絶いたしました運輸の援助に当つたわけでございます。資料を若干お配りしてございますが、「北九州災害状況並に対策」「運輸省」という紙と、「海上保安庁の水害対策」というのと、それから「九州地方水害による国鉄の復旧状況」というのがございます。国鉄関係につきましては鉄監局長から、海上保安庁につきましては海上保安庁の次長から説明されることになつておりますが、運輸関係全体につきまして概略御説明申し上げます。 まず海運関係について申し上げます。これは、ただいま申し上げましたように、主として復旧に対する応援の方でございますが、ここに書いてござ いますように、旅客船あるいは機帆船、汽船の回航に対する受入れ準備を整えていたのでございますが、ただいままでのところは、何らこの方面に対する御要望はないようであります。 次に、港湾関係につきましては、先ほど申し上げましたように、若松その他の港において、どろが流れて来ましたがために受けた損害と、倉庫が埋没しましたための損害等が若干ございまして、それが復旧に六億くらいの金が必要ではないかという計算になつておりますが、このほかに荷役人夫の罹災者が相当おりまして、ただいまのところは若干回復しつつはありますが、平常の荷役能力の三割くらいに落ちておるのではないかということであります。 次に、航空関係は、新聞に発表いたしましてすでに御承知のことと思いますが、日本航空が、九州まで飛んでおります回数を日に二回から四回に倍にいたしまして、ただいま盛んにサービスをしておるわけでございます。今日まで無料で運びました衣料品、毛布等約十四トン、それから、お客さんの輸送が六月三十日から今日まで二千百六十九人というように、飛行機に対する要望はかなりの数に上つているようでございます。なおまた、小さな飛行機、たとえばビーチクラット、セスナ、ヘリコプターというようなものが相当現地に派遣されておりまして、現地の御用に立つているのでございます。 以上、簡単でありますが、運輸関係全般について御説明申し上げました。
○植田政府委員 鉄道関係の状況につきまして御説明申し上げます。 「九州地方水害による国鉄の復旧状況」という資料をごらん願います、現在の状況は、三枚目の「九州地方水害状況の図」という地図をごらん願いたいと思いますが、これは昨日の現在でありますので、おもな区間といたしまして、鹿児島本線折尾、海老津区間が昨日の十六時に開通いたしております。そのほか支線におきまして六箇所ばかり昨日中に部分的に開通いたしております。鹿児島本線の北の方で最もネックになつておりました折尾、海老津間が昨日開通いたしました結果、鹿児島本線は久留米の南の舟小屋、瀬高町間、この区間を除きまして全部開通いたしました。この舟小屋、瀬高町間は、本日の十三時半試運転を行うことになつております。そうして支障がなければ、本日の十六時から開通する予定であります。この区間が開通いたしますと、鹿児島本線は、これで全通いたすわけであります。 また関門トンネルが一番問題でございますが、この関門トンネルは、排水ポンプを門司方面に十台、下関方面に五台をすえつけて、排水作業に当る手はずになつております。現在この一部が稼動中であります。開通は七月十五日を目標に鋭意努力いたしておる次第でございます。 輸送上の手配に関しまして、第一ページにもどつていただきまして、列車の運転計画でございますが、下関までは開通たいしておりますので、東京から九州方面行きの急行は、すべて下関まで運転いたしております。第五列車、第六列車、いわゆる「かもめ」は当分の間運転休止でございます。また九州内におきましては、日豊線がいち早く開通しましたので、門司港、鹿児島間の日豊線経由の臨時急行を一往復運転しておつたのでありますが、鹿児島本線が全通いたしますと、もちろんこれはとりやめまして、鹿児島本線が本日開通いたしますならば、一部の急行列車を除きまして、急行列車、準急行列車を復旧さす、かような手配にいたしております。本日開通いたしましても、もちろん下り本線――折尾、海老津間が開通いたしましたが、単線なので、これは下り本線のみであります。ローカル列車等につきましては、平生の状態に復することはちよつと無理でございますが、この三線開通によりまして極力この列車の運転を開始する、また、この五日からは、鹿児島本線の全通に伴いまして、鹿児島本線経由の急行列車も運転する、かように考えております。ただ、関門トンネルが不通でありますために、東京からの急行列車は下関、門司間は連絡船の連絡によらなければなりませんので、下りの列車は門司港からは少し繰下げる、あるいは上りの列車は少し繰上げまして、連絡船を通じまして本土の急行と接続する、かような手配をいたしておる次第でございます。 次に、船舶の関係でございますが、北九州の折尾、海老津間が不通でありましたので、下関と博多の間に関釜連絡船の徳寿丸、昌慶丸、この二はいを臨時に運航しておつたのでありますが、折尾、海老津間が開通いたしましたので、これをとりやめることにいたしております。また、関門連絡船は四日から三便増しまして、三十七便――平時は三十便でありますが、これをふやしまして三十七便といたしました。これにより、下関、門司間の連絡に遺憾なきを期しております。また貨物関係におきましては、宗谷丸をもちまして、四日から下関、博多港間の貨物輸送、鉄道貨物の連絡輸送に充てておるわけであります。 旅客荷物の取扱い制限の関係は、旅客関係は乗車券発売の制限は行つておりません。手小荷物は、特定のものを除きまして、受託停止をいたしておつたのでありますが、この五日から従来の実績の約半分程度を受託しよう、かような手配になつております。また貨物の方は、これは関門を通過しまして九州行きの貨物は、罹災者救恤用寄贈品、あるいはまた罹災者用物資、生活必需品、応急建築材料、罹災地応急工事材料、こういうものを除きまして受託を停止いたしております。これに、昨日通達で、中共からの引揚げ邦人の託送の引揚げ手小荷物、これを制限外に追加をいたすことに手配をいたしております。そのほかに食糧品、種もみ、稲の苗、こういうものは制限外であります。 それで、九州行きの貨物の停滞いたしております状況は、七月二日現在におきまして、下りの貨車が約二千十一両、上りの貨車、本土行きが約一千価でございますが、三日現在、きのうにおきましては、少しずつ減りまして、大体きのうの現在におきまして、下り貨車が千六百五十両程度、上りが八百三十五両程度に減少いたしております。この貨物輸送の隘路は関門のトンネルの不通でありますが、さきに申し上げましたように、宗谷丸が下関、博多港間に臨時に就航いたしております。このほか関門間のはしけの輸送は、貨車にして約四十車分、六百トン程度の輸送力を持つております。これは、今までの実績から申しますと、門司側の受入れ態勢と申しますか、揚陸地の状況あるいは荷役能力の関係で、この程度しか実績が上つておりませんが、逐次それが整備されておりますので、より以上の能力を発揮できると思います。宗谷丸は一回の能力が約千トン、四日で一往復いたしますので、一日平均が約二百五十トンくらいの能力であります。また関門間に自動車の航送会社がございまして、自動車をそのまま渡すフェリーがございます。これに連絡貨物を積みまして、これも極力利用いたしておりますし、また国鉄の機帆船二隻も本日から就航いたすつもりでおります。かようにいたしまして、現在輸送力は一日約千二百五十トンくらい関門間にあるわけでありますが、鉄道で運ぶ能力から比べますと、荷役能力その他の関係もいろいろありまして、きわめてわずかであります。結局関門トンネルの開通を一日も早くする必要があるということで、この十五日を目標にして鋭意努力しておるわけであります。 大体国鉄の状況は以上の通りであります。お手元に私鉄の資料をお配りしておりますが、西日本あるいは熊本地区の私鉄の被害は相当巨額に上つております。これの復旧につきましては、もちろんそれぞれ鋭意努力いたしておるわけであります。実情を十分見た上におきまして、私どもとしても極力これの助成の必要を感じて、その面につきまして今後大いに努力して行きたい、かように考えておる次第であります。 以上で鉄道に関する御報告を終りたいと思います。
○青野委員 ちよつとお尋ねします。御報告で大体納得ができたと思いますが、今一番輸送関係のがんになつております関門トンネル、これの復旧は、技術的に見て大体の見当はいつごろですか。
○植田政府委員 関門トンネルの状況につきましては、お手元に配付してあります資料の一番最後に図面がございますが、約二キロにわたつて水浸しになつております。それでこの水を排出するということが何よりも先決でございまして、ほんとうはこの水をすつかり洗い出してしまいませんと、中の状態、線路の状態あるいは電気設備の状態がどういうふうになつているか的確にわからないのであります。従いまして、的確なところはわかりませんが、水の量その他から考えまして、この七月の十五日をとりあえず目標として、もちろん初めは単線開通ということになろうと思いますが、排水その他の点につきまして極力努力いたしておるような次第でございます。
○青野委員 今掘つているトンネルは被害はなかつたのですか。
○植田政府委員 それは実は運輸省の方の所管でございませんので、その点につきましての情報は得ておりません。
○青野委員 私は北九州の八幡の出身ですが、いつも駅長さんあたりに文句を言われておるのは、今度不通になりました折尾と海老津、これは炭鉱の被害が手伝つておると思うのですが、遠賀川の駅の付近は、三時間も雨が降ると、いつでも二尺、三尺の水浸しで、四、五日引きません。落差の関係もありますが、これは炭鉱側と連絡をとるか何らかの方法で、少くとも百五十馬力くらいのポンプを遠賀川付近に備えつけておかぬと、復旧々々といつて金をつぎ込んでも、三、四時間降つたら一面見渡す限り水がたまつて、たまつたものは引かない。一番被害を受けるのは鉄道です。鉄道で全部食いとめてしまう。それが今度は二、三キロ上の方の植木の手前の一キロくらいのところの堤防が――これも私は二、三十年来の経験ですが、三、四年前相当大きな雨が降つて、炭鉱の鉱害のために堤防のゆるんでおる支流が決壊したことがあります。今度は相当広汎に遠賀川の堤防が切れたために、遠賀川の先まで水が出ております。これはおそらくアメリカの飛行場もつかつたと思います。そういう関係で、ふだんからそういう設備をしておけば、今度のようなときはどうすることもできませんけれども、普通の場合は大丈夫だと思う。いつでも危険に思うのは、あすこが不通になるのじやないかということです。こういう点はひとつこの機会に、単に応急施設でなくして、半恒久的な考え方をもつて、予算をそういう方面には復旧のときに重点的にお考えを願つておきたい、こういうことを考えるわけであります。 それから、今の関門トンネルのことですが、大体新聞では二十日ころということを書いてありましたから、お尋ねしたのです。これは技術的な問題になりますが、それは水をかい出してみなければわかりませんが、そういうことでは筑豊の炭鉱も五、六十箇所つかつておる。これは相当量の土が入つておる。それをまた運び出すと、それは七月一ぱいでは片づきません。私どももある程度技術者ですが、これは中でかきまぜてかい出さなければ、四尺、五尺のどろがたまつておることは事実です。そこの工事をやつた労働組合の委員長が今私の部屋に来ております。これは工事をやつた責任者です。これはちよつとやそつとでは行きそうにないという話を聞いておるので、これは第一主義は関門トンネルを早く復旧する、こういうことで早く御努力を願いたい。
○植田政府委員 ただいまの遠賀川付近の対策あるいはまた関門トンネルの復旧の促進につきまして、ありがたい御意見を伺わせていただきました。私どもも、お説の点につきましては十分国鉄当局にもお話いたしまして、対策につきまして努力いたすつもりでございます。
○逢澤委員 ただいまの御説明で大体了承いたしたのですが、復旧ということが一番の問題なんです。この復旧にあたつて、被害の点から言つたらそうでないかもしれませんが、運輸省としては一番重大なことだと思うのですが、関門トンネルの中に水を入れたということは、私はどう考えてみても一つの大きな失態だと思うのです。川が切れたとか、それから築堤がめげたということならば、これはあり得ることです。しかしながら、トンネルの中へ水を入れたということに対しては、私はどうしても関係の当局に大きな責任があると思う。これに対しては二つの見方があると思うのですが、施工に際して、河川の場合は、かりに五千立方流れるところに七千の水が出たら、これはこわれることは当然です。しかしながら、あのトンネルをつくつて、雨が降つて出た水がトンネルの中に流れ込むという施工方法は、私はそこに大きなミスがあると思う。これに対してはどういうような調査ができておるか。私は、できれば現地の詳細な図面あるいは施工当時の記録をひとつ提出してもらいたいと思います。それで、将来に対しては、再びこういうことを起さぬような施設は絶対しなければいかぬと思います。あの本土と九州をつなぐ一番の大動脈を、二週間も三週間も水浸しにするということは、大きな失態と言わなくちやならぬ。これを再び繰返さぬということについては、私は絶対に方法があると思う。これに水を入れぬということは必ずできる。さらにその対策と、現在の状態はどういうふうになつておるかということについて、ひとつ書類を出してもらいたい。あなたは技術者でありませんから、おわかりにならなければ答弁はいりませんが、まことに残念なことができたと、おそらく九州地区の人も思つておりましようから、今後の対策に対して、再びこれを繰返さぬようにやるということを、ぜひこの機会にお願いしておきたいと思う。
○植田政府委員 今回の水害がきわめて大きな水害であつたということは一応別にいたしまして、ただいまお話になりました点につきましては、将来の問題としまして十分検討しなければならぬだろうと思つております。国鉄当局におきましても、水浸しになりましたいろいろな原因もありますが、そういう点につきまして検討を加え、至急に復旧に努めたい、かようなつもりでおります。この点につきましては、いずれ検討の結果、国鉄当局においてその方面の技術的に見た対策につきましてでき次第御報告申し上げたいと思います。
○逢澤委員 もう一点お尋ねしておきたいと思います。これはただいまの報告の中にもなかつたのですが、新聞に書いてあつたところによると、排水ポンプを取扱う人が、濁流がとうとくと流れ込むものだから、辛うじていろいろの漂流物をのけつつ命からがら坑門口に出て来たということがニュースに書いてある。あの施設がどういうふうになつているのか。トンネルのまん中に人間が入つて、そこでモーターの操作をする。両端から入つて来れば、待避所がない。そういうところにおらなければ操作ができないのか、坑外でそういう操作ができる施設がないのかどうか、どうしても中でなければその操作ができないのか、私はお尋ねしたいと思う。あなたがおわかりにならなければやむを得ませんけれども、その点も十分検討していただきたい。もつとも命がけでやるのですが、水がどんどん入つて来れば、何ぼ自分の責任であつても、それは逃げなければならぬことは事実です。これはやむを得ぬと思うが、この大きな被害を及ぼす前に何か対策があると私は思う。今後、坑門外の施設と同時に、排水ポンプを操作することが坑外からなし得られるか得られないかということも、ひとつ研究をしてもらいたいと思います。
○植田政府委員 国鉄のその方面に関係している者が参つておりますので、かわつて御説明いたさせます。
○中路説明員 それでは、植田監督局長にかわりまして御説明申し上げます。御承知のように、雨が二十八日の朝方から一度小やみになりまして安堵しておつたわけでありますが、十時ごろから時雨六十―一時間六十ミリ降りまして、十二時三十分ごろから、門司の大きい広い操車場でございますが、そこに山津波その他によりまして参りました水が、線路上一メートルに達するようなことになりまして、その水が門司側から入つて来たわけであります。これに対しましては、若干の水が入る場合につきましては、砂嚢その他をもつて坑口に水の入らないようにするわけでありますが、当日はわずか二時間の間にそのように水がふえたわけです。しなしながら、時雨六十ミリ、そういう水がトンネル口に入りましたら、トンネル口のところに十馬力のポンプが二台ございまして、これによつてトンネル品の水を排除する。もう少し行きますと、この図に上り竪坑と下り竪坑と書いてございますが、今度は、トンネルの中で坑口からこの竪坑の間に来ますわずかのトンネルの漏洩水を引揚げるために十馬力のポンプがございます。それからだんだん下りて来まして、一番低いところに三十馬力二台が上り線、下り線ともにあるわけであります。これで今度は海底部における水を、両方とも竪坑に沿いまして、門司側と下関側にそれぞれ三十馬力のポンプ三台でかい出す、こういうぐあいに一段、二段、三段構えであります。さらに、このトンネルをつくりますときの試掘堅坑というのが書いてございます。これをずつとおりて来ますと、水平のトンネルがある。断面はその下に書いてございますが、豆トンネルと申すのでございます。この能力で困つたときにはこれに落しまして、両はじにあります三十馬力のポンプ三台が動き出す、こういうわけでございます。合計では、通常の漏水等におきましては、一日に約千四百トンのものが出ますが、これらのポンプ能力からしますれば、一時間足らずで上つてしまう、こういうような計算になつておるのでございまして、漏水につきましての処置は相当できておつたのでありますが、何さま門司操車場における軌条の上一メートルという水が、大きい湖水のように流れ、一方は海の方にも流れるわけでございますが、それがある時間の間に門司側から入つたようなわけでございまして、下関側からの浸入は、ただいまのような坑口におけるポンプその他によつて排水できておつたわけでございます。以上でございます。
○逢澤委員 そうすると、下関側の外部からの浸水というものは微量であつたということですが、それではモーターを操作しておつた人が避難して出たのは門司側に避難したのか、下関側に避難したのかということを一点お尋ねしたい。 それからいま一つは、操車場に一時間六十ミリもの降雨量があつたとすれば、レールの上に一メートルに及びます浸水があつたというお話なんだが、それにしましても、下関の方が浸水しないということになれば、私は努力すれば防水することができたのではないかと思う。操車場のような非常に広い場合なら予防できぬでしよう。しかしながら、トンネルロというものは、ここの絵に書いてあるように、十メートルとか八メートルとかの大きさのものです。汽車を通しつつそれはできぬでしよう。けれども汽車を通さぬということになれば、私はその予防方法があるいは講ぜられたのではないかと思う。そこで私がお尋ねしておきたいことは、こういうことはかつてないことでありますから、そういう訓練もなかつたと思いまするが、そういうような場合に、非常措置として、あるいは土俵でも積むとかなんとかいうような訓練が、平素からあつたかないかというようなことを、もしあなたがおわかりになれば、伺つておきたいと思います。
○中路説明員 御質問の第一点でございますが、下関側につきましては、ただいま申し上げましたように、大きい操車場はなくて、山津波というものがないために、空前の時雨量六十ミリという雨が降つたわけでございますが、計算しております水の面積あるいは雨の面積というものが、八十ミリの設計がしてございますので水が入らなかつた。門司側におきましても、もしそういうような、門司操車場に一メートルというような山津波が来ない限りは、六十ミリの時雨量でございますから、八十ミリの能力を持つているポンプでかい出すことができるし、あとだんだん下へ落ちて行きましても、相当の水をかい出すことができる。 第二点のどちらに帰つたかということでございますが、これを所管しておるのは門司側でございまして、その関係上、あとで申せばいろいろな考え方も出ましようが、門司側へ帰つたようでございます。まあああいうことでございますので、事前に命令が下りまして、その監視人が出るような命令を受けてそして非常措置をとつて出て来たと思います。 それから、第三点の非常訓練ができているかできていないか、この点につましては、いろいろこまかくなるのでございますけれども、これまで若干のポンプなんかも備えつけてございますが、それだけでは不十分なので、やはりサンド・バッグといいますか、土俵を積んだりしたこともあるようでございます。その当日もそれに努力したわけでございますが、何分朝小降りになつておりまして、十二時からいわゆる大降雨となつたわけでございまして、脱出したのは十二時四十分、そのころにもう出ろというようなことになつたわけでございまして、非常に短時間でございます。さらにまた、このトンネルの入口には、ある高さの擁壁がございます。約二尺五寸ないし三尺程度でございますが、写真で見ます通り、それを越して入るような状況でございまして、大体その高さの程度までの土俵を積むがごとく努力したと思います。そのような情報も入つておりますけれども、効むなしく入つたような次第でございます。
○綱島委員 ただいまのことに関連して少し伺いたいと思いますが、下関の方は、御承知の通り、よその水があまり流れて来ないように、高架線みたいになつておりますが、門司の方もああいうものをつくつて、相当の水は全部わきに流れるようにしておけばいいと思うのですが、あの地形はそういうふうにできませんか、どうなんでしようか。 それからいま一つ、それはこのことじやないことで伺いたいことは、開通見込みです。図面の中に、たとえば関門トンネルの七・一五というのは七月十五日でしようが、不明というのと、何も書いてないのがございますが、この何も書いてないのは、不明よりは軽いのでしようか。それから、不明のうちでも、およその見込みはもはや立つておりましようか。それぞれ主要な点だけでも、もう少しこの図面を説明していただけるといいと思います。みなそれぞれ関係がございまして、たくさんな問合せがこちらにも参りますので、この図面の中の不明及び記入なし等の点を、できれば御存じのところだけでも詳しく御説明を願えれば、まことにありがたいと思います。
○中路説明員 門操の方を高くしてはどうかという御説がただいまございましたが、やはり操車場につきましては相当広い面積を占有いたすものでございますので、下関のようにそう高くしてないわけでございますが、排水設備につきましては、やはり門操の水が極力流れ込まないように、図面を見ますと大分水抜きがたくさんつくつてございます。しかしそういうものが全部つかつてしまつて、山津波といいますか。その水が全部操車場に来たような姿でございます。なお、本件につきましては、先ほど来の御説がございますので、復旧と相なりました後は、技術関係者が相寄りまして、これらに対する防備手段というものは、われわれといたしましてもいろいろ考究したいと思います。ことに豆墜道のごとき、関門トンネルが開通しまして後は、どつちかというとまま子扱いといいますか、少しくらい水が漏つてもいいというようなつもりで、関門トンネル開通後、あまりかわいがつていないのでございますけれども、今回これが急速に水がはけるということは、この堅坑からつながつております豆トンネルが健在であつたためでありまして、本坑からも大きなポンプを入れますが、何分にも水がかわるごとにポンプを移転しなければなりません。しかし堅坑は、つり下げポンプによりまして、自動的に下るようなことも考えられますので、そういうことやら、いわゆる門操方面あるいは下関方面等につきましても、将来六十年来あるいは六十五年来の出水に対してどうするかという手段を、皆様の御意見を十分尊重いたしまして考えて行きたいと思つております。
○村上委員長 第二点は、速記を中止して懇談でやりましよう。速記をとめてください。 〔速記中止〕
○村上委員長 速記を始めてください。次に、海上保安庁関係について伺います。島居政府委員。
○鳥居政府委員 それでは、海上保安庁の関係を申し上げます。無電によりまして水害の情報を受けますと、ただちに現地各機関に手配をしたのでありますが、要約して申し上げますと、私どもは御存じのように船艇を持つておりますので、特に河口におきます救護態勢に万全を期しますように中央より指示するとともに、本庁から警備救難監をすぐ派遣したのであります。それから、門司にあります第七管区海上保安本部におきましては、管内の各保安部その他の関係部署に対しまして非常配備を発令いたしまして、門司の管区におきまして八十四隻船艇を持つておりますか、それを総動員いたしまして、そのうち三十三隻ばかりが、関係各機関の要請に応じまして、被害者の救助に当りますとともに、ことに有明湾方面の死体の収容、浮流物の除去等の作業に従事させておるのであります。また、先ほどお話のございました郵便物の急送とか、あるいは救援物資の輸送、あるいは鉄道が開通しません前の人員の輸送、これは今までに千二百三十七名を輸送しておりますが、そういうようなことをやらせております。 一方、九州だけでは船艇も足りませんので、神戸の第五管区本部から「くまの」「はちじよう」の二隻を急派いたしますとともに、広島の第六管区本部から、「はまちどり」「むらちどり」「うらつき」「しらたか」の四隻の巡視艇を派遣いたしました。また灯台の業務用船であります約七百トンの「ほくと」を派遣しまして、この合計七隻を応援に出しておりまして、阪神あるいは広島地区からの救援物資の輸送に当らしておるのであります。こういう船はみな、現地到着後は、門司にあります第七管区海上保安本部長の指揮によりまして、このほかの船艇と一緒に共同作業をしておるようなわけであります。さらに、一昨日の七月二日には、舞鶴にあります第八管区から、巡視船の「おき」を、舞鶴より京都の救援物資を持ちまして現地にやらしておるようなわけであります。けさ午前中、九州の現地の水害対策本部から、先ほどお話にございました郵便物が下関に滞留しておるから、これらの輸送を海上保安庁でやつてくれということでございましたので、さつそく現地ではやつておりますが、そういう電話が入つております。その他の私の方の持つております「宗谷」、これは灯台船でありますが、これも関東方面から物を運んで来る応援の準備を担当しております。 それから、私自身の灯台の損害でありますが、この灯台は、敷地の崩壊とかあるいは待機所の崩壊はございますが、灯台の火の消えているのは一つもございません。損害は灯台関係で約二千六十五万円の推定額になつております。 海上保安庁関係の対策及び損害の大要を御説明申し上げましたが、どこからどこに幾ら運んだとか、どんな食糧を運んだというような詳しいことは、お手元に配付してございます資料に書いておりますから、どうかごらんいただきたいと思います。
○村上委員長 別に御質疑はありませんか。
○綱島委員 ただいま海上で特にいろんな好ましからざる災難にあう者だとか、そういう天然自然じやなくて、特に暴徒関係等で、ある意味において、略奪をしたり、あるいは朝鮮地方からまぎれ込んで来るとか、そういうことは起つておりませんか。
○鳥居政府委員 今別にこの水害にかけてはないようであります。
○綱島委員 私は長崎県の朝鮮寄りの方の海岸ですが、従来はよく何らか事が起ると、向うから人が来て、百人あるいは二百人というような人が夜中に上つて来たりした。実はしよつちゆうなんですが、今度も多分あるのじやないかと思つて心配をしておつたのですがございませんか。
○鳥居政府委員 幸いにして今までの報告によりますとないようでございますが、今後もしあれば、私どもで十全的な非常配置をしておりますので、対策をとりたいと思います。
○綱島委員 これは実は保安庁でも御存じでございましようが、あの地帯は共産党のA地区に入つていて、治安上従来非常にいろんな問題が起つております。ことに、ただいま石炭の値下り等から、失業問題等が予想されておる地区もございますしいたしますので、こういう災難のときをはかつて、私どもの従来の経験によると、共産党の人は国際的に非常にりこうでございます。多分私は侵入があると思う。これは、特に海上保安庁で今いろんな警備が衰えているところを見はからつて、きつと起りそうに予想されるので、この点もひとつあわせて特に御留意を願いたいということを希望申し上げておきます。
○村上委員長 他に御質疑はございませんか。――ないようでございますから、次に、文部省関係より説明を聴取いたします。近藤政府委員。
○近藤政府委員 それでは、文部省関係の水害対策につきまして御説明申し上げます。お手元に差上げてあります「西日本水害対策資料」の一ページからでございます。 今次西日本を襲いました水害に対しまして、御承知の西日本水害総合対策中央本部ができたわけでございます。私は監理局でございますが、中央本部の管理をいたしております。また、現地には対策本部が設けられましたので、現地には同じく監理局の教育施設部長が飛行機で参りまして、目下現地に滞在いたしまして、それぞれ被害の対策の準備に当つております。ただいままで現地から報告がございましたが、いずれも中間報告でございますので、今後の報告の内容によりまして、われわれの対策もそれぞれかわることがあろうかと思うのでございますが、ただいままでの報告に基きまして、一応われわれが考えました事柄もつきまして御説明申し上げたいと思います。 まず、公務上災害を受けた教職員に対してどういう措置をとるか。これは国家公務員法によりまして補償の扱いをいたすわけでございます。これは公務上何名、どういう職員が災害を受けたかということにつきましては、まだ詳細な報告がございませんので、そういう方々に対しまして、報告がございますればすみやかに補償の措置をとることを考えております。 次に、自己の危難を顧みず職務に尽瘁した学校職員に対しましは、これは文部省令をもちまして、学校職員表彰規程というものがございますので、これによつて表彰することがあり得る。これもまだ現地から報告がございませんので、大分遅れるのではないかと思いますが、そういう方がございますれば、これは学校職員表彰規程によりまして表彰することがあり得るわけでございます。 それから次に、第二といたしまして、災害救助法によりまして、児童生徒の学用品費の国庫負担金の基準引上げを決定した件でございます。従来小中学校の児童生徒一人当り二百七十五円、もつともこれは家屋流失あるいは全壊した場合でございますが、半壊とか床上浸水という場合には五分の一、五十五円以内を支給しておつたのでございます。これは災害救助法によつて支給しておつたのでございますが、これが七月三日から、大蔵省と話合いがつきまして、小学校児童につきましては一人当り五百円以内、中学校生徒につきましては千百円に引上げられたのでございます。従いまして、この決定につきましては現地にもすでに通報いたしましたので、それぞれこの措置がとられることと考えております。 それから次には、無償給与教科書の問題でございますが、これは、御承知のように、法律によりまして国語と算数の教科書を、一年生に限りまして、ただいま無償で給与いたしております。この教科書は、今回の水害によつて失われた方々に対しまして、無償教科書の再給与をいたさなければならないのじやないかと考えております。予算額全体といたしまして約三億八千九百万円という額でございますが、なおこの現地の水害地域に対しまして再給与を必要とするものは、おそらく二百万ないし三百万円ではないかと推定 いたしますが、いずれ数字が確定次第、この金額を既定予算の中から再給与いたしたい、さように考えております。 それから、教材費でございますが、御承知の義務教育費国庫半額負担法によりまして、教材費が各府県に配分されるわけでありますが、この教材費の配分を繰上げ交付するようにいたしたい。これも予算等につきまして自治庁方面と交渉を開始いたしております。 次は、罹災校に対する学習指導要領手引書などの給与でありますが、これが水害によりまして失われました。これらの手引書等を再交付いたしたいと考えるのであります。 次に、教科書の展示会でございますが、御承知のように教科書の選択は、ただいま教科書の展示会によりまして選択することになつております。たとえて申しますれば、山口県では全県下で十一箇所、福岡県では全県下で七十箇所、長崎県では全県下で五十八箇所というように、教科書展示会を開催いたす場所がきまつております。そのうち今度の水害にあつたために、この展示会を繰延べるという措置がとられるわけであります。ただいま福岡県では一箇月繰延べるということに決定いたしております。また大分は全県下で四十九箇所ございますが、そのうちただいま四会場だけこれを繰延べるという連絡が参つております。これは教科書の展示会を繰延べまして、一応おちついたところで展示会をやるというような措置を考えております。 次に、社会教育関係といたしましては、御承知の公民館あるいは図書館、博物館等の建物の復旧であります。それから図書、資料、設備等の復旧、これがおもなものでございます。ただいままでの情報によりますと、公民館につきましては、被害公民館の数は、一番多いところは熊本県の三百八十五館、次は佐賀県の三百六十九館、その次は福岡県の二百七十五館等ございまして、相当公民館は被害を受けております。この公民館の被害復旧につきましては、これはいずれ復旧費国庫補助の問題が起るわけでございます。ただいまのところは、予算上は、公民館の施設につきまして国が補助金を出しております。それは二分の一の建設費の補助であります。災害公民館につきましても復旧費の補助を考えなければならぬと考えておるのであります。図書館の被害は、一番多いところは福岡県の八館でございます。その他若干ございます。これも公民館と同様に、その被害復旧につきましては、国の補助の問題が起ろうかと思つております。 以上は社会教育関係でございますが、さらに私の所管の監理局関係といたしまして、公立小中学校の被害復旧の問題が、これは一番大きな問題でございます。その次に国立大学の被害の復旧等がおもなる問題でございます。公立学校の被害の復旧状況につきましては、お手元に資料がございますが、ただいままでの報告では、国立学校につきましては九州大学、長崎大学、大分大学、山口大学で、合計一億五千八百十五万円、その他の大学からなお入電中でございますが、ただいまの報告によりますとそういうことになつております。公立学校につきましては山口県、愛媛県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、福岡県とございまして、その合計が十九億四百九十万円、これが最も被害が甚大のようでございます。それから私立学校でございますが、これはただいままでは山口、大分の二県しか数字がわかつておりませんが、山口が七百万円、大分が八百万円、約千五百万円ということになつております。なお大分、福岡、佐賀、熊本の方からもそれぞれ報告が参ろうかと思つております。以上ただいまのところを合計しますと二十億七千八百五万円ということになつております。これはただいままでの被害額でございますので、もちろんこの程度にとどまるものではないと考えられます。 そこで、この被害に対しまして国はどういう処置をとるかと申しますと、御承知のように公立学校につきましては、災害復旧費の国庫負担という予算措置がただいままでとられておりまして、国がその復旧費の二分の一を補助する、残りの二分の一は起債をもつてこれを確保するという原則に基きまして、たとえば過去の例で申しますと、昭和二十七年度の災害につきましては約二十億の復旧費が計上されまして、これはもちろん二分の一の国庫補助でございます。従いまして、過去の例にならいまして、おそらく公立学校の災害復旧費につきましては、全地域の査定が済みますと、その補助額が決定いたしますので、それぞれ大蔵省に要求するような手順になろうかと考えております。それから国立学校につきましては、これも現地の査定を了しまして、大蔵省に対してその全額の復旧費の予算を要求するという手順になるのであります。私立学校につきましては、これは御承知の特殊法人私学振興会というのがございまして、私立学林の建設費あるいは経営費の赤字に対しまして貸付するという制度がございます。予算は、二十六年度は三億九千万円の政府出資であります。二十八年度は十億の政府出資でございます。この政府出資金によりまして、全国の幼稚園から大学までに至る私立学校に対して、校舎の施設の拡充に対して補助する、貸付をするという制度でございまして、おそらくこの特殊法人の私学振興会が、私立学校の災害の復旧費に対しまして貸付をするという措置がとられることと考えております。建物につきましてはさような対策を考えるつもりであります。 それから、あとここにございますのは学校給食用のミルクであります。御承知のように、ただいま学校給食はパン、ミルク、副食ということで成り立つておりますが、このハンに使います原麦の費用の二分の一を国が補助いたしております。二十八年度の予算で申しますと十六億五千万円、その対象児童は全国で約四百二十二万ということで、原麦に対して二分の一補助いたしております。それからミルクに対しましては、これは脱脂ミルクでございますが、これは外国から輸入いたしまして、その輸入代金等につきましては、すべてこれは父兄の負担、但しそのミルクを配給するまで、その輸入代金の調達は結局父兄から集まるのでありますが、それに期間がかかりますので、一時金融機関から借りまして商社に支払いを済ませる、しかる後に父兄から金を集めるという手順になりますので、その金融機関から借りる借入金の利子に対しまして、政府は補助するということで、本年度の予算で約五千万円が計上されておるのでございます。このミルクが相当水害の被害地の倉庫にたくわえられておるわけでありますが、これが被害をこうむつておるのであります。従いまして、これをどうするかという問題でありますが、現地からの報告によりますと、米軍からミルクの無償放出を懇請するというような話合いを進めておるようでございます。本日現地で被害地の教育委員会の教育長会議が開かれておるそうでございますので、おそらくそこらあたりでこういう決定がなされるのではないかというように考えられます。なお詳細につきましては、報告が参り次第皆様に詳しくお話し申し上げたいと考えております。 文部省関係といたしましては、大体以上のようなところでございます。ただいままでのところはいずれも中間報告でございますので、それに対して確定的な、最終的な措置はまだ決定いたしておりませんが、従来の災害対策の方法に準じまして、その措置に遺憾なきを期したい、かように考えております。
○綱島委員 ただいまの御説明のうちに、職務上の罹災をいたした教師の表彰という点がありましたが、この点については、従来、ことに初等教育の教師たちが、ことあるたびに自分の身分の保障のことだけをやかましく言つて、従来の先生というものに対する日本の大体の感情というか、国民的な考え方とまつたく違うふうな状況が出て参りましたことを、非常に遺憾に思つておる次第でございますが、特にこの際、教師が自己の職分に殉じ、もしくは職分を越えて特に子弟のために身を挺して働いたとか、あるいは学校施設等に対して非常な注意深き働きをした学校の管理者であるとか、こういう人方に対して、特に十分なる表彰の道を立てられることが、単に金銭上のことだけでなく、今後の国民教育の上、国民思想の上に影響至大なりと考えますので、特にこの点については、由来文部省は予算について非常に消極的である、非常に予算のとり方が下手であるというような申込みが地方からたびたびございますが、この点については十分にひとつ御留意になつて、この際は、こういうときこそ教育の基本方針というようなものが、ただ文書の上でできたものだけでなく、実際の文部省の態度とか国会の態度とかいうことで出て参りますので、それぞれ適切なる御処置を立てられて、あるいはこの委員会に持ち出されたり、あるいは大蔵省に持ち出されたり、あるいはこの委員会と文部省と協力して、その道を立てたりすることが適切だと考えるのであります。この点について特に御留意を願いたいことを、これはほんとうに、ある意味においては、善良なる国民の名において申し込んでおかなければならぬと考えるのであります。強くこの点は御留意を賜わりたい。どうぞ御意見を伺いたいと思います。
○近藤政府委員 ただいまのお話まことにごもつともな御意見でございます。できる限り表彰規程等の範囲の拡張につきまして考慮いたしまして、広くこの表彰規程によりまして表彰し得るように、なお上司の方にも申し伝えまして、御趣旨の通りいたしたい、かように考えております。
○綱島委員 もう一点でございますが、教育施設の中の、特に校舎でございます。校舎の修復もしくは新たな建てかえ――このたびの災害に対しましては、おそらくはもう新建築と同様な立場になるだろうと思つております。私が現にこの前の雨で見たどきにも、もう建築半ばの、実にりつぱな、わきから、こんなりつぱな材木を使つておるかと思えるようなものが、もう途中から押し折れたようなものも見て参つたのであります。このたびはまだ参つておりませんけれども、私は、さぞかしこの学校の公共施設においても、被害が大きいだろうと存じておりますが、これらについても、ひとり人間の面ばかりでなく、設備についても、これは国民は心して、この点は第二の国民のために、でき得る限りの努力をしなければならぬと存じておりますので、この点についても、それが国立でございましようと、公立でございましようと、私立でございましようとを問わず、この点については特に十分なる御留意を賜わりたい。特にこれについて由来定められておるいろいろな率がございますが、その率を越えても、このたび急速に、あるいは補助あるいは起債等を懇請せられて、罹災地のために特におはかりを願いたい。これは私ども与党の立場で、どちらかというと、予算は詰めろということでいつも努力する方でございますが、このたびの罹災地においては、そういう方面は、これは罹災はいたしたけれども、児童が学ぶところは非常に破れ小屋であるというようなことが長く続きましたりすることは、非常に国民感情上よろしくないと存じますので、こういう点についてもすみやかに十分に御処置を賜わりたいと存じますが、それについての当局のお考え方、及び現在まで予定せられている方法等について、お答えを願いたいと存じます。
○近藤政府委員 御説ごもつともでございます。ただいま災害復旧につきましては、今日までのところ、予算上の措置だけで参つておりまして、二分の一の国庫補助をいたしておるのでございます。これでは不十分でありますので、今回公立学校施設費国庫負担法をつくることにいたしまして、実は本日文部委員会の方に提案いたしまして、提案理由を説明したわけてあります、公立学校施設費国庫負担法案、この根拠規定は、地方財政法第十条の三によりまして、これによりますと、国は学校施設の災害復旧に対しての経費を補助することができるという規定がございます。ついでですから申し上げますが、地方財政法の三十四条には、国は戦災学校、つまり戦争によつて被害を受けた学校の復旧についても補助をすることができる、あるいはまた義務教育年限の延長に伴う施設の建設、と申しますのは、いわゆる六・三制によりまして新たに新制中学をつくる、その中学の建設費の一部補助でございます。繰返して申し上げますと、地方財政法十条の三によりまして、公立学校の災害復旧に国が補助できる。それから第三十四条によりまして、公立学校の戦災復旧及び義務教育の年限の延長に伴う施設の建設について国は補助できるという地方財政法の規定を受けまして、今回公立学校施設費国庫負担法というものをつくつたわけでございますが、その内容は、補助率、それから財源の配分基準、それから適用範囲、そういつたものを盛つてございまして、全心十三条の比較的簡単な法律でございますが、本日提案した次第でございまして、これは二十八年度の災害から適用いたしたいと考えておりますので、おそらく今回の災害につきましても、この法律案が通過いたしますれば、これによりまして、この災害補助の規定が発動することになるのではないか、かように考えております。 それから、ただいまの設備復旧費の補助でございますが、これはまことに同感でございまして、今日までは設備復旧費の補助は認められておりません。実は建物の全壊、半壊、大破についてのみ今日まで査定が認められ、復旧費の補助が出ておるわけであります。さらに一歩前進しまして、学校の設備費につきましても補助を受けたいということは、われわれの多年の念願でございますので、今回の災害につきましては、特にこういつた点を強調いたしまして大蔵省に交渉いたしたい、かように考えております。
○綱島委員 御説明でよくわかりましたが、簡単にその率も伺いたいと思いますし、なお特に御留意を願いたいことは、このたびの罹災地は、鉱山であれば鉱山が非常な被害を受けております。農漁村もまた数年後にして初めて回復できるような田畑をたくさん生じましたので、勢い税源が非常に枯渇して参ります。そういう点も考慮されて、特に災害のときはその程度によつて弾力性のある法律にしていただければ、まことにけつこうではないかというような考えもありますので、その点のことも一応伺わせていただきたいと思います。
○近藤政府委員 もちろん公立学校施設費国庫負担法と申しますのは、やはり地方財政が困難いたしておるということが前提でございますので、地方財政に対して国が負担するという建前で、その点につきましては御趣旨の通りであります。ただ一方、地方財政と中央財政との調整の問題につきましては、平衡交付金という問題もございますので、これのみによつてすべてを解決するというわけには参りません。その他あるいは起債による援助ということもございますので、ただいまのところ率の点につきましては、あるいは御指摘のように不十分であろうかと思いますが、災害につきましては二分の一の補助になつております。この補助率につきましては、これを三分の二にするとか、あるいは五分の四にするとか、いろいろ問題がございますが、ただいまの予算上の補助率は二分の一でございますので、一応この予算案におきましても二分の一の補助率ということで参つておるわけでございます。
○青野委員 私は質問ではございません。ここに御出席の委員の方、特に委員長にお願いしたいと思いますことは、実は私は福岡県の出身ですが、水害の資料が十部だけ福岡県の県庁からきよう届きまして、とりあえず御出席の方に委員部の方からお渡しを願つたのでございますが、私どもが新聞で見たよりも、被害を受けた県はそれぞれ大きな被害でしようが、特に福岡県に至りましては、被害の状況を言葉で説明しても十分でございませんので、警務課の方にお願いをいたしまして、一時間ほど前に、衆議院の食堂に写真を二通りほど大きい紙にピンでとめて張つてございますので、できるだけ委員の方はごらんくださいますように、実はお願いをいたします。 それから、もう一つ委員長に希望を申し上げたいと思いますことは、三十日の本会議で水害地緊急対策特別委員三十名の指名が行われました。また正式に、二、三日前に、羽田から六名の各派の代表者でそれぞれ選挙区の関係を離れた方に行つてもらいました。これは十日でなければ帰られないと思いますが、その前に、院議で十五名行つた方がきよう、あすにお帰りだと思います。それについて多少の欠席者があることは、とがめ立てをする方が無理かもしれませんが、私も、予算委員会と今日の本会議とこの水害の委員会と、実は次々にかけ持ちしているわけでございます。今一番大きい問題は、予算関係では二十八年度の総予算、それからMSAの問題が予算委員会で重大な問題として取上げられております。国民生活の面から行けば、六月の初旬と今度の二十五日から降りましたこの北九州の豪雨による災害に対して、全国民的な救済と保護の運動を展開しなければならぬときに、衆議院で三十名の各派の代表者が選ばれておりますが、昨日は委員長を加えて九名、きようは委員長を加えて五、六名、これでは、いくら委員として忙しいといいましても、あまりにもこの水害の被害者に対して私どもは申訳ないのではないか。(「同感々々」)早くこの問題のけりをつけるためには――第一陣として飛行機で現地に行つて見ていいだきました人は、板付の飛行場に降りることのできないような大きな雨のうち、しかも水の中に行つて苦労している。ある知事は、三日も久留米の市役所から出ることができないで、外国のヘリコプターで救助されたというのですが、その報告の中に、どれだけ貴重な報告があるか、私どもは期待しております。また、新聞社その他いろいろな団体が国民に訴えて、とうとい義捐金を集めてもらつておりますが、少くともこの衆議院の水害地緊急対策特別委員会の委員は、その運動の先頭に立つてもつと真剣に取組んでもらいたい。私も、先ほど申しましたように、自分の家は水浸しになつて、早く帰りたいのはやまやまですが、必要なものは伝染病予防のための医療費、あるいは二万石の苗穂、また急場にそれぞれ必要なのは金です。長距離電話をかけて、今何が必要かというと、口をそろえて金がいるんだと言う。やみ米は三百円を越しておりまして、これはどうにもならぬと言つております。こういうことを考えると、報告はできるだけ書類程度にとどめて、一晩徹夜で読めば大体の輪郭はわかりますから、願わくは月曜日からの水害地緊急対策特別委員会は、問題は金ですから、大蔵省から大蔵大臣、主計局長、主税局長あたりの関係者にここに出席してもらいまして、ことしの予算の中でこれが流用されなければ、いつこの問題についての補正予算を出すのかということについて、被害者に対しても義捐金運動をやつている他団体に対しても、一歩前進した一つの結論に向つて前進していただきたい。そのために必要があれば、各派から出ておる理事がおりますが、理事以外に十名程度の小委員会をつくつていただいて、しかも委員長みずから小委員会の委員長になつていただいてけつこうです。そうして、出席率が悪ければ、その十名の諸君の手によつてどんどん事を運んで行くという行き方で月曜日からやつていただきたいということを、私は心から希望をいたす次第であります。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○村上委員長 青野君の御意見まことにごもつともであります。私もそのように思つておりますが、各党の党内事情として、災害の現地の人たちをなるたけ委員から除こうというようなところもあつたようでありました。また、災害地出身の議員は災害県にみなそれぞれプライヴエートで帰つておる。そういうようなことで、この委員会を開きましても、まだ実態に触れていないのですが、いよいよきよう、あす、みな現地から帰つて参りますから、月曜日からは本格的に実態に触れて行きたい、かように思つております。まことに有益な御意見をありがとうございました。各党の委員の方々も、できる限り、この委員会には、災害県の人たちを委員に出してもらうようにお骨折りを願いたいと思います。 本日はこの程度にとどめまして、次会は明後六日午前十時より開会し、大蔵省、通産省関係より説明を開くことといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十一分散会