人事委員会 第13号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/07/29
会議録
○川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事でありました舘林三喜男君が去る二十五日一旦委員を辞任したことがありますので、理事一名が欠員となつております。この際理事一名の補欠選挙を行いたいと思うのであります。これは先例によりまして委員長が指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川島委員長 御異議ないと認めます。委員長におきましては、舘林三喜男君を再び理事に指名いたします。 —————————————
○川島委員長 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題として質疑を継続いたします。
○加賀田委員 ちよつと議事進行について……。昨日横路君から要求されました資料が提出されましたので、この資料に対する御説明を願いたいと思います。
○赤城委員 第一の、師範学校卒業者の場合であります。これは旧師範学校であります。十八才で中学を卒業して二年たつて二十才のときに師範学校を卒業する、そうして三十六才の場合をとつたわけでありますが、教員生活が十六年、そのときちようど切りかえのときの昭和二十二年十二月三十日現在の俸給が八百五十円であつたのであります。切りかえの場合にちようど勤続年数が十六年でありましたので、それからまた師範学校卒業を専門学校三年卒業と見ましたのでS三というのは専門学校三年卒業という略語であります。そして九級六号に格付けまして昭和二十三年一月一日二千九百円ベースのときに三千九百円となつたわけであります。その後昭和二十三年十二月一日に六三ベースにかわりましたときに七千六百三十八円になつた。その後給与法の昇給昇格等の規定によつて最後の二十七年一月一日現在で十級三号、通し号俸で四十六号、一万四千五百円、こういうことになつております。これと同じような状況で、第二は、専門学校卒業の人を例にとりました。これは中学卒業後三年たちまして教員になりましたので、勤続年数は十五年の場合をとりまして、これは二十二年十二月三十日には九百五十円でありましたが現在においては一万四千円。その次は、専門学校卒業で教員を八年勤め、その中間において軍務に服しておつたのが三年、その後また教員を二年勤めて三十六才になつた場合をとつたのであります。そのときの昭和二十二年十二月三十日の俸給は九百五十円であつた。勤続年数は軍務に服した年間を零と見ておりますので、前の八年とあとの二年の十年を勤続年数と見ておつたのであります。これが前と同じような順序で進んで来たのでありますが、ちようど昭和二十六年一月に級別推定表の改正がありまして勤続年数の再計算がされまして、これは軍人、軍属の軍務に服した期間あるいは教員外の経歴年数等についての勘案がありましたので、再計算をしまして十二年九箇月間ということになつて、最後の二十七年一月一日を見てみますれば九級四号の一万二千二百円、こういうことになつているわけであります。 第四は、同じく専門学校を卒業した場合でありますが、中学校を卒業して一年浪人しておつた。そして専門学校に入つた場合及びその後中間に実業方面に九箇年勤めておつた場合をとつたのであります。この場合には経歴を四年六箇月、五割と見ておりますので、これを加えてこの人の勤続年数は九年六箇月ということに見て、そのあとは前と同じような順序で進んで行つて、最後において一万二千二百円ということになつているわけであります。 次の七とあるのは五の間違いであります。五の場合は旧大卒業、これは十八才で中学を卒業し、旧制高等学校を三年やりまして、旧大学を三年やつて、そして実業界等に七年勤めておつた。それから軍務に三年勤めておつて教員になつた。こういう場合でありますが、これは教員外の経験年数を半分の五割に見ましたので三年六箇月で、軍務の方はゼロに見ましてこの人の勤続年数は五年六箇月ということで、昭和二十三年十一月二千九百円ベースに切りかえました場合には、三千四百円ということに濁りかえられたのであります。その後、前と同じような順序を踏んで二十七年に一万一千四百円ということになつております。 その次の六の場合は、やはり同じく旧大を出たわけでありますが、中学を卒業して一年浪人し、そして旧制高等学校を三年、それに旧制大学を三年、その後教員になり、途中で実業方面に四年間おつた。こういう場合を見まして、その勤続年数が九年で、そして二千九百円ベースに切りかえた際に三千八百円。こういうことになりまして、最後の二十七年一月には一万三千五百円ということになつております。 最後は順調に中学を出、旧制高等学校を出まして旧制大学を出て、そうして教員を勤めたのが十二年、そしてこの場合に一千五十円の俸給であつたのでありますが、二千九百円ベースに切りかえました際に、そこの数字が間違つているかと思いますが、四千三百円が正しいのであります。その後ずつと続いておつて最後に二十七年一月に一万五千五百円。こういう七つの例をとつてみた次第であります。
○横路委員 ここに出されましたものは本来からいえば特殊なものなんです。なぜ特殊なものかといいますと、ここで旧制の師範学校と比較になるものは、専門学校卒業のうちの番号を打つてありますところの二と、旧制の大学を出た番号を打つているところの五、これが比較対象になるだけで、その他のものについてはいわゆる軍務に五年間おつたその場合の再計算はどうするか、あるいは戦争中に軍需工場に九箇年勤めておつたその者の再計算はどうするか。その再計算の仕方によつていわゆる高等学校教員の陥没状況が出たのであつて、それはあくまでも給与体系そのものから来ているのではないのでありまして、従つてもしも専門学校卒業の番号を打つてある三並びに四、旧制大学の番号を打つてありますところの六、七が不当であるとすれば、実業界関係の民間経歴を学校に直した場合の再計算の年数はどうなるか、軍務に従事した場合における再計算の年数はどうなるかということが根本的に是正されなければならないのでありまして、そのことをもつて高等学校の教員と小中との間に著しく差があるという考え方はおかしいのである。従つて本来ならば、ここでお見せいただくのは、いわゆる六級職にあたるものについて、師範学校を卒業して何年になつているか。その者は普通の学校をたどつて旧制の専門学校の場合にどうなつているか、旧制の大学の場合にどうなつているかという、国家公務員の級の格付をした場合における学校教職員に関するところの級別の推定表、あるいは級別に関する一覧表が出なければ、こういう軍関係及び民間経歴に携つている者の再計算の仕方によつての陥没は、給与体系そのものの不当ではないのであり、従つて私はこういう特殊な例の高等学校の教員のみの状況をもつて、これが小中学校の教員との間に不当な待遇があるというような考え方はおかしいと思うのである。従つてここに提案者の方から出されてありますように、当然給与法に関する一部改正法案の根本になつておる、すなわち級の格付をなすときの二千九百二十円ベース、並びに昭和二十五年十二月三十一日付で、いわゆる級別推定表を新たに国立学校の教職員に対してやつた場合の、その二つの資料が出て皆さんに説明されるのでなければならぬと思う。その点私は、一体人事委員会の専門員の方は、どうしてこういう資料しか出されないのか、はなはだ遺憾であります。この点についてはどうしてその二つの資料を出されないのか。委員長、私は専門員の方に——これは提案者にこういうことを申し上げるのはなんですから、少くとも提案者の方を助けているところの人事委員会の専門員として、どうしてその二つの資料を出されて、そうして二千九百二十円ベースの級の格付のときの高等学校、大学を出た者はこういうふうになつており、師範学校との差はこうなつている。それが文部次官の十二月十三日付の通牒によつて、いわゆる国立学校の級別推定表がこういうふうにかわつているから、この点についてはこうなつているという説明がなければ、こういう特殊なものをもつて一般を律するということは、はなはだ私は不当だと思う。その点私は人事委員会の専門員の方に、どうしてこういう資料だけで、一般的な法律に関する重大問題に対しての討議をする場合の資料になるものをお出しにならないのか、私は非常に遺憾だと思う。その点ひとつ御答弁願いたい。
○赤城委員 その前に私から……。ただいま御指摘がありましたが、法案を提出した理由が陥没を防ぐ、こういう不均衡があるからそれを防ぐというのが主点ではないのでありまして、先ほども申し上げましたように、高等学校と中小学校との間に、職域の差をわれわれ認めておるので、将来にわたつてこの職域の差を認めた限度において差をつけて行こう、これが主であります。それに従つてもし陥没があるとするならば、結果においてある程度救われるのじやないか、こういうことであります。その点はひとつ提案者の気持を御了承願つて、これを防ぐために今の法律案を出したのではない、これを主たる点として出したのではないということだけを、ひとつ御了承願います。
○横路委員 今提案者のお話がございましたが、私今お話しましたように、きのう私が要求した資料で出されたものは、これだけの説明ですと、いかにも高等学校教員の陥没を是正するために出したのだというようにしか思われないのであります。だから提案者がきのうから私に御答弁がございますように、職域差によつていわゆる三本建をしたのだ。そうすると職域差によつて三本建にしたという以上は、法律を改正したのですから、その根本にさかのぼつて、前の二千九百二十円の職階制の級の格付をした場合と、昭和二十五年十二月三十一日付でやりました、たしか十二月十三日付で文部次官通牒で各都道府県知事に、国立学校の教職員に関しては、こういうふうに級別推定表を変更したから、もし都道府県の財政が許すならば、それによつてやつてもらいたいという基本的な原則があるのですから、当然それを出して説明していただけば、今私が申し上げましたような誤解はないのですが、その基本的な原則に関する資料をお出しにならないで、こういう特殊な状況における陥没された方のみに関しての御説明がございましたので、私は非常に遺憾だと思う。この点私は提案者の方よりは、これをお助けになつている人事委員会の専門員の方に、どうも私としてははなはだ了解できない。やはり要求した資料は資料として各委員に配付して、正しいものを討議する資料にさせていただかなければならぬと思うのです。この点私は人事委員会の専門員から一言釈明していただくか、あるいは早急に出してもらうかしなければ、これはきのうからの質問で、まる一日待つているのですから、ひとつ御答弁願いたい。
○安倍専門員 まことにどうもおしかりをちようだいして恐縮でございます。昨日の夕方のことでございますので、私の方としましては、二九ベースの切りかえ当時の陥没の状況というようにお伺いしたのでありますから、これには実際正直のところ非常に困つてしまいまして、それから赤城先生に御相談しまして、どういうものを出したらよかろうかということになつたのであります。もしああいう通達の類あるいは級別推定表のごときものでありますれば、それを整えたのでございますけれども、それがちよつとわかりませんし、その陥没の状況を詳しく知つている者は、高等学校の組合の諸君が最もよくわかるであろうというので、赤城先生のおさしずで、われわれはけさこういう資料を出したという状況でございます。まことに申訳ありません。
○横路委員 今の専門員の方の答弁は、非常に正直でいいのですけれども、しかしこれはちよつと正直にも度を越している。今出されました二九べース切りかえ後の高等学校教員の陥没状況というのは、全国高等学校教員組合の方から、提示された資料をいただいて、私たち委員に配付したということは、これはどうも人事委員会の専門員としてはどうでありましようか。組合は、あなたも御承知のように二つある。全国の高等学校教員組合の方は組合の方としての立場がある。また片一方日本教職員組合の方は組合としての立場がある。私どもは何も組合の方の資料をいただきたいというわけではない。いわゆる二千九百二十円ベースの、学校に勤務している国家公務員の職階制の級の格付と、その後昭和二十五年十二月十三日付で文部次官の通牒が出た、いわゆる国立学校の教職員に関する新しい級別推定表との関連において、その説明を承らなければ、その高等学校教員組合から出された陥没状況というこの表をもつて、私たちにこれが人事委員会の資料でございますといつて出されるのでは、これはまつたくどうも人事委員を、侮辱すると言うと語弊がございますが、あまりにも衆議院の人事委員会の専門員は、人事委員はそういうことを何ぼ出したつて知りはせぬだろうから、大体これくらいの資料でいいだろうということでは、ちよつと委員長、この組合の資料を配付して、そして私たちの要求しているものについて何も触れていないというのは、これは一体どういうわけでございましようかね。
○安倍専門員 私自身としましては、二九ベースにおいて、実態としてこれだけの陥没があるかどうかということについては、関知しておりません。ただ昨日配付いたしましたあの年齢別の資料によりまして、相当の開きがあるということは承知いたしておりますが、これはおそらくやはり二九ベース切りかえ当時、師範学校卒業生に対する学歴を、専門学校三年程度に認めたことによるのであろうという解釈だけしか、われわれ自身としては持つておりません。そこで私が先生の御要求を聞き違えたかもしれませんけれども、ああいう資料を出しますれば、相当大部なものでありまするし、きのうの夕方のことでございますので、実はどういうような資料を差上げたらいいかということについて、赤城先生にもつぱら相談申し上げて、私自身としても陥没そのものについてのあれは承知しませんし、ただここでうなずけますことは、高等学校の教員組織におきましては、大体五〇%が軍務に服しているような状況と承知しております。それからまた約七〇%くらいは民間経歴を持つている方でありますので、それぞれの場合の例をとつたにすぎないのでありまして、これは一つのケースをとつたわけでありまして、一ほんとうに比較するならば、第一番と最後のところだろうと思います。これはわれわれも参考にこれを見ているだけのことでございまして、これを重く見るという、認定の資料という意味ではございません。
○横路委員 この学校種別による年齢別平均給与実態グラフというのは、これは赤城さんの方から私たちの方に出していただいた資料が今配付になりましたが、この点について私はちよつとお尋ねしたいのです。今人事委員会の専門員がお話なすつているように、高等学校の職員の七〇%は軍関係に携わつていた者であり、また五〇%は民間経歴を持つている者である。そうすると、高等学校の教職員の待遇が不当に低いということは何に原因するかというと、先ほど私が申し上げましたように、民間経歴と軍関係の経歴を一〇〇%に見るか、九〇%に見るか、六〇%に見るかということで違つて来るのでございますが、そのことは今回のこの給与法の改正の根本的な趣旨にはならないと思う。やはりそのためには、先ほど赤城さんから御説明がございましたように専門学校の陥没状況のところに現われている二のところ、旧制大学のところの五、これがそれぞれの級に格付した場合においてはどういうふうになつているかということを、具体的に資料の上にお出しにならないといけない。どうもこれ以上専門員の方を責めても、正直のところさつぱり御存じないようだからしようがないが、これは明らかにきのうの私どもの趣旨を全然はき違えて出したのです。本来から言えば、これは昭和二十五年十二月三十一日付で文部大臣が各都道府県知事に出している新しい級別俸給表があるので、その上に立つて、高等学校の教員は、昭和二十五年十二月三十一日付の新しい級別俸給表による格付でもなお不当という説明がなされなければならぬ。高等学校の組合から出された資料を配付したのでは、私たちの役には立たない。そういう意味で、委員長、どうですか、まだお昼までに時間があるのですから、専門員の方に再度資料を出していただくようにしていただきたいと思いますが…。
○川島委員長 本案の目的は、提案者が説明しているように、陥没の是正が主じやないのですから、ひとつ本案の方をやつていただけませんか。
○横路委員 ですから、陥没のこういう資料を出されたのではしごく迷惑なんです。こういう資料をもつてわざわざきようの討議の材料にすることは、私は不当だというのです。
○川島委員長 あなたの御要求があつて出したのですから…。
○横路委員 いや、私は陥没に関して資料を要求したのではないのです。
○川島委員長 まあ、ひとつ本案について…。
○横路委員 本案に関係があるから私は言つておるのです。
○川島委員長 本案の重点について御質問願いたいと思います。
○横路委員 それでは私は人事委員会の専門員の方に申し上げておきますが、非常にこの点は遺憾に思う。しかもあなたは、組合の資料だけを人事委員会の資料として配るということは、それはきつと人事委員会の私たちには何を見せたつて数字なんかわからないという考え方で出されたに違いないと思うが、それは非常に遺憾です。 次に私は提案者の方に、この出されました附則の第五項は非常に重要な問題をあとに残すと思いますので、この点重ねてお尋ねいたします。「附則第二項の規定の適用については、改正前の法の適用により職員が属し、又は受けていた職務の級、号俸及び俸給月額は、改正前の法及びこれに基く人事院規則その他の規程に従つて定められたものでなければならない。」この点は、もしも高等学校の教職員に関して附則の第二項を適用するとするならば、たびたび地方行政委員会において問題になつておりますように、今日いわゆる公立学校の教職員を含む地方公務員については、昭和二十六年十二月で三百四十八円、昨年の暮で七百九十四円というのですが、実際はおそらく千円ないし千五百円程度のものは高くなつておると思います。そこでこの附則第五項のように、改正前の法及びこれに基く人事院規則の規定によつて定めたものでこれを切りかえをするということになれば、せつかく高等学校教職員細別俸給表をつくつても、今でさえ学校教職員の俸給が平衡交付金からはるかにはみ出して、都道府県の赤字財政の問題になつておるのですから、従つて附則の第五項をたてにとつて、いわゆる昭和二十三年の二千九百二十円あるいは四千三百円、七千九百円ベースというように、そのときの法律の尺度をあてはめて、そうして高等学校の教職員に関して千円あるいは三千円程度みな下げておいてから、切りかえをするというような新たな事態が発生するおそれがあると私は思います。そこでもしもあなたの方で高等学校の教職員についてどうしてもこの通りおやりになるとするならば、附則の五項にありますところの条文は、職務の級、号俸及び俸給月額は現在受けておる号俸を基準にして切りかえをしなければならないというように定めなければならないと私は思うのであります。なぜそういうようにしなければならないかと言いますと、義務教育費国庫負担法によつて、実際の支出額の二分の一ということを小学校、中学校の義務教育職員について定めたのでありますが、高等学校には義務教育国庫負担法が適用されないのでありますから、そういう立場においては、今後都道府県の高等学校教職員と都道府県知事の団体交渉においては、これは非常に問題になると思います。従つてもしも高等学校の教職員をほんとうにお考えになつてやるとするならば、この改正前の法律云々というものは抹消しなければならないと私は思います。このまま生かしておいたのでは、私は高等学校の職員のためには決してならないと思います。そうでなければ団体交渉のときには必ず元の立場に切り下げられる危険性が多分にあると思います。その点はどうですか。
○赤城委員 御指摘のように、地方行政委員会あるいは自治庁などの調査によりますと、地方の公務員が三百四十八円高くなつた、その後七百九十四円になり、今は千円くらい高い、的確な数字が出ておりませんが、そういうふうに私どもも承つております。でありますので、この俸給表そのままを、厳格に地方でこの通りに当てはめるということになれば、事実上減俸というような形になるかもしれません。しかしこの法律は御承知の通り国家公務員に関しての法律の建前でありますので、地方公務員である教職員には直接にはこの法律の適用はないわけであります。そこで地方公務員がそれだけ高いのだから、平衡交付金算定の場合に、現在の高いもので算定したものに対して平衡交付金を交付すべきであるかどうかということが一つの問題であろうと思います。それからまた御指摘のように義務教育が半額国庫負担になりましたので、その半額を出す場合に高い額できめるかきめないか、こういうことが問題になると思うのでありますが、この法律は御承知の通り国家公務員に対しての法律でありますので、地方公務員に対しては直接の適用はないわけであります。しかし横路さんも御承知の通り、教育公務員特例法の施行令によりまして、地方公務員につきましては国家公務員の例にならつて給与をきめるようになつておりますからして、地方において、県の職員でありますならば県の条例、市町村ならば市町村の条例というようなことできめられることになると思います。その際に、一体この例にならうかならわないかということは、地方の条例をきめる際の問題に移つて来ると思います。その際に、その例にならつて、現在受けておる俸給よりもだれも下に下つてはいけないということが、この法規の趣旨であり原則でありまするし、現状より悪くしてはいけないということがこの法律を一貫しておる建前でありますので。地方の条例等をつくる場合におきまして、現在の俸給よりも低くきめるということは私はあり得ないというふうに考えておる次第でございます。
○横路委員 今の提案者のお話で、私はやはり非常に重要な問題をあとに残すような提案者の方の御答弁があつたと思う。それは公立学校の教職員に関してなんで、いわゆる地方の公務員に関してはそれぞれ都道府県の条例でやるからあるいは下る場合があるかもしれないということは、非常に重要な問題をあとに残すと思う。なぜならば、赤城さんも御承知のように、大蔵省はがんとして自治庁に対して、いわゆる切りかえた額でもつて平衡交付金を渡してあるわけです。ただでさえ都道府県の財政が赤字になつている今日においては、切り下げた分で渡してあるのですから——それを切り下げないで渡してあれば問題はないのですが、切り下げて渡してあるのですから、せつかく国立学校の教職員に関してこの一部を改正する法律案を出した以上は、これによつて都道府県の条例を定めるのでなければ、今それぞれの財政によつては都道府県条例によつてこれを下げることもあるだろう、しかし現在受けている俸給を下げることはないというようなことに、もしも本委員会において提案者から御答弁があつたということになれば、都道府県は、ただでさえ赤字財政なのですから、当然それは現在の俸給をそのまま切りかえた都道府県の条例をつくるということになると私は思う。だからその点提案者としては、国立学校の大学あるいは高等学校、小、中学校にしても、この切りかえ方をやればそれで現在よりも有利であるという考え方でおやりになつた以上は、都道府県はあくまでもこれに準拠してやつてもらわなければならぬという強硬な態度でなければ、都道府県はきつと下げますよ。その点がただいま提案者側の答弁によつて速記に明瞭に載つた以上は、都道府県はそれぞれの条例によつて、赤字財政なんだから下げましようということになつたら、私はせつかくの提案者の趣旨が通らないのではないかと思いますが、その点はどうでございましよう。
○赤城委員 横路さんのお話には、ちよつと私の答弁を誤解しているような面が出ていると思う。下げる場合もあるというのじやなくして、このままで適用すれば、現在地方の方が高くなつているから一応中央の方より上がる率は低くなるような形にはなる。形にはなるが、事実今までの回りかえにおいても、この国家公務員に対する法律を準拠しておるということから、今までも下げた例はないので、事実上つておるならば、そうしてまたこの法律が事実上ることになるならば、地方においても当然上げることにならざるを得ない。しかし比較をしてみれば、実際に上つておる場合には、表の上の比較においては、下るような形にもなるが、事実の上では決して下げないし下げるべきではない、こういうふうに申し上げたのでありますから御了承ください。
○横路委員 ところが赤城さん、実は昨年この一方二千八百円ベースをきめたときに、現に岐阜県の県会では、岐阜県の条例をもつてそれぞれ頭から一号ないし二号切り落しをやられておる。ですからこの問題は、そう簡単にこれをやつたから都道府県がそうやるだろうというわけには行かない。都道府県は現に昨年岐阜県においてやつているわけであります。だから、そういう点はひとつ給与局長にお尋ねしたいと思うのですが、今の附則の第五項の点ですが、これは、改正前の法及びこれに基く人事院規則その他の規程に従つて定めたものであるということになりますと、——あなたも御承知のように、大蔵省では、現在地方公務員は国家公務員よりも高いと言つているが、そうすると、法の規定通りやると下るわけです。下げたままで切りかえをするということになるとせつかくの趣旨が通らないから、「改正前の法及びこれに基く人事院規則」というのは抹消した方がいい。抹消しておかないと、現在もらつている、いわゆる既得権がそのまま確保されないのではないかと思うのですが、給与局長としての御意日はどうですか。
○瀧本政府委員 私は、今お尋ねがございましたこの問題を技術的に御説明申し上げたいと思います。附則の第五項には人事院規則及び人事院細則というようなことが書いてあるのでありますが、これを削つたらどうであろうかというお話でありますが、この法律は国家公務員たる教職員を対象としておるということは申し上げるまでもないのであります。その場合に、人事院規則なり人事院細則で規定されているところの現級現号ということをはつきりしておきませんと、これが切りかえにあたつて、その当時の現級現号だけではかつてに任命権者等がやられるおそれがあるということでこういうふうにはつきりしておるのであります。技術的にはこのように考えております。
○横路委員 今の点、給与局長にもう一度お尋ねいたしますが、そうすると、任命権者がかつてにやらないように、いわゆる給与法及び人事院規則に定められたもので受けるべき額によつて切りかえをすると、この解釈はこういうわけですね。
○瀧本政府委員 この解釈は、給与法並びに人事院規則、人事院細則によつてきめられているところの、切りかえ当時における現級現号、それを明確にするためにそういう言葉が置いてある、こういうふうに解釈いたします。
○横路委員 給与局長にもう一つお尋ねしますが、これは現在受けている額というのか。つまりその人の学歴何ぼ、勤続年数何ぼ、級別何級の何号というこの給与法、人事院規則その他の細則によつてあるべき級及び俸給月額、それによつて切りかえをするというのか、任命権者が今までやつていた、現在受けている給与額で切りかえするというのか、私は附則の第五項の解釈に関してお聞きしているのであります。
○瀧本政府委員 私も附則第五項の解釈を技術的に申し上げておるのであります。あるべきというのではなくして、従来その任命権者は、給与法並びに人事院規則、人事院細則に従いまして、実際の運営をして来ているわけでございます。それで、かりにこの法律が通つたといたしまして、その切りかえ日の直前における級号というものは、人事院規則、人事院細則、——給与法はもちろんでありますが、それによつてきめられたものでなければならないということをはつきり言つている、これだけのものであろうかと思います。
○横路委員 そうすると、定められたものでなければならないということですね。それで間違いございませんね。
○瀧本政府委員 はい。
○横路委員 それでは次に提案者にお聞きします。国立高等学校の教職員に関しましては、たしか今度の予算修正で千八百万組んである。そこで国立高等学校の教職員の数は何人か、それから公立の高等学校の教職員の数は何人か、それを提案者の方で御存じでしたらひとつお答えいただきたいと思います。
○赤城委員 国立学校の高校を含んだ数だけしか調べてありませんけれども、今そろばんを入れればわかるのですが、各級別に調べてありまして、現在十三級が国立の高校で四百二名であります。それから公立の高等学校は六万五千二十五名になつております。いろいろの調査でちよつと違つておるものもあります。
○横路委員 そうするとどういうことになりましようか。国立の高等学校の職員に関して、私の記憶に間違いなければ、今度の予算修正で千八百万組んである。今のお話で四百二名ということですが、国立の高等学校は六万五千ということになると百五十倍になりましようか。そうすると千八百万の十倍で一億八千万、百倍で十八億、百五十倍ですと二十七億ということにならなければならないのですが、これまた改進党の提案者のきのうのお話で、公立高等学校のこれに要する金は二億二千万程度で済むということになつて、何か人数と給与総額との開きがずいぶん違うように思のですが。どうでしよか。
○赤城委員 提案しております法律によりますと、御承知の通り高等学校は四百二名でありますが、大学の方も四級から一級ずつ上つて行きます。そういうものも含めておるわけでございます。
○横路委員 きのう提案者の方はこういうお話をしたわけでございます。大体改進党の方も公立高等学校の給与の点に関しては、一応三億六千万というお話がございましたけれども、赤城さんの説明によると一億二千万で、その差の一億四千万というものについては、きのう私からお話いたしましたいわゆる現在中学校に勤めていて、同じ学歴、同じ勤続年数、同じ免許状を有している者と、高等学校との間に差があるということは、私どもは不当だと思う。赤城さんもその点はやや同調されたように思うのです。一億四千万というものについては、中等学校の陥没を埋めるというお話のようにきのう承つたと思うのです。そういたしますと附則の中で当然これは修正しておかなければならないと思うのですが、きのうから一晩過ぎましたので、その修正の点について、提案者の方で何か御用意がございますか、どうですか、その点ひとつ承りたいと思います。
○赤城委員 横路さんは予算委員で、大分予算の内容を詳しく御承知のはずで、私は実はそう詳しく承知しておりませんけれども、そういう陥没というか不均衡もあるという事実はお認めのようであります。私もそういう場合があると思います。それであの予算を修正する際に、給与準則が出たような場合に切りかえが行われるだろう、切りかえが行われる場合に不利な点が直されるべきものも含まれるであろう、こういうようなことで予算の折衝をしておられたように思うのであります。実は給与準則が予算案のあとから出たようでありますが、給与準則の附則第八号などを見ましても、「附則第四項から第六項までの規定によつて職員について決定されたこの法律施行の際における号俸が部内の他の職員について決定される号俸に比して著しく均衡をかくと認められるときは、施行目から一年をこえない期間内に、実施機関は、人事院の定めるところに従い、予算の範囲内で、その者について定められている号俸を俸給表によつてその号俸よりも三号俸上位の号俸をこえない範囲内の号俸に調整し、その調整した号俸の額をもつてその者の俸給の日額とすることができる。」というような趣旨も書いてあるのでございます。この給与準則がそれまでに施行されるかどうかわかりませんけれども、そういうことで施行されるような場合には、この規定によつて陥没も救われる、こういうふうに考えておりますので、本法案におきましては、その点は法律上これをうたわないで、給与準則の施行をまつて、あるいはまたこの切りかえによつて人事院として措置ができる最小限度といいますか最大限度といいますか、においてできるならばそういう措置も講じてほしいという考えは持つておりますが、法律の表面には御承知の通り職域差という建前で出しておりますので、その点は含めておらないわけでございます。
○横路委員 給与局長にお尋ねしますが、それで今の点がだんだんはつきりして来たわけです。ただいまの提案者のお話では、きのうから私が問題にしておりますいわゆる同一学歴、同一勤続母数、同じ免許状をもつて高等学校と中学校との差が当然ここで出て来たわけです。出て来た点に対しては提案者においても、当然陥没を是正しなければならないと言つておる。この是正についてはこの一部改正法案の中にはないけれども、ただいまの提案者のお話では、いずれ出る人事院規則、いわゆる給与準則の中で、あるいは細則の中で、その点については明確にうたわれる中で、その点は当然人事院としても考慮されるであろうというお話のようなのです。この点について人事院としてはどういうお考えでありますか。何としてもこの法のうちの最も不備な点であり、最大の欠陥なのですから、人事院としてどうお考えになるか伺いたい。
○瀧本政府委員 私は給与準則が通ることを——今のところまだ提案にはなつておりませんけれども、将来通ることを希望するものであります。その給与準則の中におきましては、先ほど提案者からも御説明がございましたし、横路さんからも今お話がございましたように、ある程度経過措置といたしまして、従前あるところのいろいろな不均衡をその際にある程度是正いたしたいということで、ああいう三号以内の調整をし得るという措置をつくつております。しかしあれを考えましたときには、今回に起きておるような問題を内容といたしたわけではございません。今問題となつております点につきましては、これはこの提案者からもお話がございますように、これは職域差を認めるのが第一であつて、それで俸給表を作成したという御説明があつたように私承つたのであります。その結果陥没も是正されるであろうというお話がございましたが、しかしそれはつけ加えであるというお話があつたわけであります。そういたしますれば、この職域差を認めるためにその一号を増すという措置をとつたのですから、かりにそれをこの国会でおきめになつたとしますならば、その精神と陥没是正ということがどういうことか、これまた十分分析の要があろうかと思いますけれども、それとは趣旨が違うのであります。そういうことを人事院規則でやり得るということは、ちよつと問題があるのじやなかろうかというふうに考える次第であります。
○横路委員 提案者にお尋ねいたしますが、私がきのうから申し上げしおりましたところの、同一学歴、同一勤続年数、同じ免許状を持つておる者の高等学校、中学校における俸給がこの俸給切りかえによつて差が生ずる、この点については提案者もお認めの上で、これを人事院の規則とかあるいは給与準則の中でやつてもらいたいというようなお話でございましたけれども、この点について人事院の給与局としてはできそうもないといいますが、考えられないというお話であります。 そこで最後に私はもう一回お尋ねしたいのですが、そういうような点がきのうから明らかになつたわけです。この法律案を通すにいたしましても、私は当然提案者としてもその点を附則の第五項中に、あるいはもう一項ふやせばいいのです。これを提案者の方でどうしても可決をなさるというのであるならば、これを提案者の方で修正なさつておやりになることが至当じやないかと思う。同じ学校、たとえばことし同じ学芸大学を出て、二級の免許状を持つておる者でも、高等学校あるいは中学校に行つておるという者が、この問題において不均衡が出ないようにしなければならない。私はまさか提案者はただ高等学校にいるだけのゆえをもつて俸給が高いのだとはなしていないだろうと思う。当然その裏づけの学歴とか、それから免許状等についてもあろうと思うのですけれども、どうしてもこの点が人事院の給与局長に聞いてもできないということになるならば、私は当然附則の中にうたわなければならないのではないかと思うので、ひとつその点の考慮をなさるべきが至当だと思うのですが、どうでしよう。
○赤城委員 ただいま人事局長のお話も聞いたのですが、その点において私は受け方といいますか、話を聞いての判断がちよつと違うのでございます。人事局長の話によりますと、正面から陥没を救うという措置は、これはできない、しかし不均衡がある場合には、不均衡として、今の附則第八項等によつて切りかえの際に不均衡は是正されることができる。正面切つて、陥没があるからというので、その陥没を調査もしないで今すぐ救うのだという方法はできないけれども、別な不均衡というようなことで、切りかえの際に救済することはできるのだ、こういうふうに私は説明を聞いたのでありますが、そういうことならば、いわゆる正面から陥没を救うということでなくても、切りかえの際に不均衡を直した結果、陥没が是正されるという措置はとり得ないことはないと思うのであります。また繰返して申し上げてまことに恐縮ですが、再々申し上げておりまするように、過去にわたつての陥没是正を目標としてこの法律をつくつたのでなくして、将来にわたつて職域差も認めて、その上で差を設けたのでありまして、その設けた結果が過去の陥没が救われる場合もあり得るのでありますが、陥没を救うということをもつてこの法律の体系とするわけには行かないものでありまするから、横路さんの御説ごもつともでありますが、法の建前からそれがちよつと困難な状況であります。なお提案者といたしましても、私一人だけが提案者でありませんから、その御趣旨の点はよく協議はしてみますけれども、私といたしましては、これを修正して、陥没に対しましても、これを是正するような条項を一つ加えようということは、ちよつと法の体系からできかねるかと考えております。
○横路委員 私は提案者にお尋ねしたいのですが、実はきのう人事院の給与局長のお話を聞きましても、基本的に同一学歴、同一勤続手数、同じ免許状を持つている者は、小学校に曲ろうが、中学におろうが、高等学校におろうが、文部省自体としても、あるいは人事院自体としても、これは同じであるべきである、同じであるべきが至当であるという考え方のもとに立つておるわけです。これは今回出されました一万四千五百円の勧告のうち、及びその中における給与準則の中等にもうたわれておるわけであります。そういう立場からいたしまして、私はきのうから提案者に申し上げておりますように、この附則の中におきましても、今私が申し上げましたように、やはり不当に切りかえの点等も生じて来ますので、提案者としては、もう一ぺん人事院等ともよく御相談の上、あるいは文部省においても、いわゆる六・三・三の完全実施というような立場からいつても、今日まで義務教育優先等においても考えて来た教育の大道があるのでございますから、できますならばこの一部改正法案については、もつと慎重にここで協議をして、今国会中にこれを無理やり数を頼んで通すというのではなしに、休会中も引続きこれを審議して、文部省並びに人事院等の意向も反映して、やはり皆の納得した給与体系をつくるのが至当ではないか。私もこれできのう一時間、きよう約一時間ちよつとで、二時間あなたに質問したのですが、きつと私の話した中で賛意を表される点等もあり、できますれば、時間があれば附則の中で修正したいという意向だつてあなたにはおありだと思うのであります。そういう意味からいつても、もう少しこれは時間をかけて、休会中といえども審議して、万全を尽して実施するというふうに提案者の方でひとつお考えいただけないものでしようか。これは私の希望ですが、どうでしよう。
○赤城委員 ただいまのお話の中でちよつと違うような点があります。実は文部大臣もきのう出まして、同一学歴、同一勤続年数というものは、原則として認めるが、やはり教育の内容において、高等学校においては違うというふうに認められないこともない、だからして人事院の準則そのものも、これはそのものとして認められるが、議員提出の法律案もそういう意味からこれを認められないこともない、六・三・三を強化する意味において六・三の強化も考えるが、なおそのあとの三の強化も考える、そういう意味で内容が違うとすれば、こういう法案が出ていても文部大臣としては賛成だ、こういうようなこともあつたわけであります。しかし横路さんのいろいろなお話もありますので、私といたしましても提案者としてとくと考えてはおるのですし、また考えつつあるわけでございますが、何を申しましても私一人の提案でありません。各派と協定の上で出ておりまするし、いろいろそういう事情もありますので、御高説はつりしんで拝聴いたしておきます。
○横路委員 給与局長にお尋ねいたしたいのですが、文部省が同一学歴、同一勤続年数、同一免許状については同一であつてよろしい、文部省との話合いはそうであつた、こういうふうにきのうあなたから聞いたわけです。どういう話をされたかわからないのですが、文部大臣がこの委員会でそういうことを答弁しておられれば、他の委員に聞いてみなければなりませんが、私はあなたから、文部省との数次にわたる交渉においては、文部省もそうなんだ、だから人事院の勧告でうたつたということを聞いたのですが、その点をもう一度御説明願います。
○瀧本政府委員 私はそのときにもはつきり申し上げたつもりであります。文部省と、人事院は給与準則というのはずいぶん前から提案しておるのであります、従いまして交渉はいたします。人事院は各省のいろいろやつておられる人事行政に便利なように御注文は聞くわけであります。しかし最終責任は人事院にあります。人事院と文部省とある程度交渉いたしましたのは、時間的に見ましても、これは大分前の話でありますから、その当時までにおきましては、大体人事院と意見が一致しておつたようである、こういうことをきのうはつきり申し上げたのであります。
○受田委員 この法案の新しい第六条第六項第二号の高等学校教育職員紋別俸給表でありますが、これに「高等学校その他これに準ずるもので、人事院の指定するものに勤務する校長、教諭」云云ですが、この規定の中にいわゆる盲学校、聾学校、養護学校等を含んでおりますかどうですか、お伺いしたいと思います。
○赤城委員 もちろん含んでおると思います。
○受田委員 しからば盲学校、聾学校及び養護学校等特殊学校に勤務する職員は、高等部であると中等部であると小学部であると幼稚部であると問わず、これを高等学校の切りかえられる号俸に当てはめるように用意されておりますか。
○赤城委員 あとでいろいろ申し上げたいと思いますが、一応そういうことになつております。
○受田委員 そうしますと、文部省の所管である国立大学の附属高等学校、中学、小学、幼稚部、というものも同等に高等学校として取扱うのでありますか。
○赤城委員 これは特殊学校として学校教育法で別になつておりますけれども、今のお話のように盲聾学校の高等部、中等部というようなものを一つのところへ入れるというわけには建前がなつておりませんで、一応別々に入る形になつております。
○受田委員 別々といいますと、高等学校の方へ高等部が入るというような形になるのですか。
○赤城委員 その通りでございます。
○受田委員 そうしますと、先ほどの御答弁とちよつと性格が違うのであります。中学部、小学部、幼稚部も高等学校と同じ建前をとるというお言葉だつたのでありますが、このように特殊性を持つた学校の職員が高等部、中学部、小学部でそれぞれ待遇が違うということになりますと、学校の運営ができないということは十分おわかりいただいておると思うのであります。これを提案者としては、特殊学校の性格によつて全部高等学校の範疇に入れるというような線があつたようにもさつきの答弁では聞いたのでありますが、それがあとから是正されたように思うのですが、いかがでしよう。ことにまた高等部の免許状を持つ人が中学部、小学部に勤務する場合には、高等部の免許状の資格による給与を与えるという用意があるかどうか、これは提案者並びに人事院給与局長の方の御見解をお聞きしたいと思います。
○赤城委員 実は御指摘のようなことを私の方でも十分承知しております。現在におきましても、盲聾学校等におきましては二号あるいは一号の調整号俸がついておるのであります。この俸給表は、一般の教員については一号俸の調整は本俸に繰入れました。その結果盲聾学校と、このままで行けば均衡がとれなくなつて行く。そこで当然調整号俸を二号以上つけなければこれと均衡がとれなくなつて来ると思います。と同時に、高等部、中等部、小学部といいますか、そういう部においての不均衡がありますので、できることならば調整号俸をこの俸給表による高等学校と同じところまで一律に上げて行つてその均衡をはかりたい、こういりふうに考えておるわけでございます。
○瀧本政府委員 盲聾唖学校の点でございますが、これを一律に高等学校の俸給表を適用するということにおきめになるのでありますと、そのことはやはりはつきり書いてないとぐあいが悪い、このように考えております。盲聾唖学校におきまして高等部まである学校もございまするし、それから中学部まである学校もありますし、いろいろなんであります。高等部、中等部、初等部とあります際には、おおむね学校の規模が小さいものでありますから、先生は高等部、中等部、初等部兼任されておるというような場合が多いのであります。事実高等部、中等部、初等部とわけて俸給表を適用するということに建前にはなつておりましても、事実上の不便はあまりないのじやないかとわれわれは考えておる次第であります。
○受田委員 提案者の説明及び給与局長の御意見によつて、この第六条第六項二号の中に今の養護学校の規定を挿入する必要がないかどうか、このままでは私が危惧する問題は解決しないと思いますが、いかがでございますか。
○赤城委員 先ほど申し上げましたように、現在も調整号俸は盲聾唖学校についておるのでありますが、現在の調整号俸を一号上げて、なおかつ高等学校の職員と同じようなところへ調整号俸を同じようにつけて行くことによつてその解決は一応つく、こういうふうに考えております。
○受田委員 その調整号俸の問題よりも、原則的に高等学校の級別俸給表に持つて行く方が筋として通るのではないか、今のような調整号俸による措置でなくして、原則的に高等学校の範疇の中へ入れるということが法案としては正しいのではないかと思いますが、いかがですか。
○赤城委員 教育職員法の建前もありますので、趣旨としては受田さんのお考えに賛成でありますが、建て方といたしまして、やはり私が申し上げましたように、一応調整号俸で均衡をとるような措置をとらしたい。なお研究の上、それでなお救済できない、あるいは不均衡であるということならば、これは法案のどこかにそういうものを載せなくちやならぬと思いますが、調整号俸で一応解決がついて行けるというふうに考えております。
○受田委員 この問題は、給与局長も言われた通り、法文の上にはつきりしないと、調整号俸で何とか実質的な待遇を与えようというような筋合いのものではないと思うのです。この号俸は、提案者の立場から言うならば、三本建になつておるのですから、その三本建のどれへ入れるかという問題であつて、高等学校と同じ性格のものならば第二表に入れるべきものであつて、その性格の違うところへ入れておいて、号俸の調整をするということは筋としては私は通らないと思うのでありますが、これは提案者の立場からの一つの技術的な問題としても残された問題だと思うのです。ことに養護学校のように、高等部、中等部、小学部と、すべて同じ先生で、だれがどこへ行つても同じ職務内容とみなさるべきものが区別される。これは今回給与体系が三本になりましたことにおける最も大きな欠陥の一つだと思うのであります。この点給与局長のお説は、法文の上に今私が指摘するような養護学校等の特殊学校を規定することが、高等学校と同等の給与を支給するとなれば正しいというふうに発言されたと解釈してよろしゆうございますか。高等学校の免許状を有する者に対する問題ですね。
○瀧本政府委員 私がお答え申し上げましたのは、ごく技術的なお答えを申し上げたのであります。高等学校と同じ俸給表を養護学校にも適用しようと思うならば、そのことをはつきり書いておかないとこれはちよつとむずかしい、こういうことを申し上げたのであります。
○受田委員 給与局長のお言葉によつて、私自身もそれをこれへ挿入すべきだと思います。この点、今ここで修正されるならば、ただちに修正の道もあるのですから、その措置をおとり願いたい。 次に、この給与体系は大学院を置く大学を考えられておられるわけで、大学院を置く大学の教授の最高が、新しい俸給表の十一級の七、八、九と挿入されておるわけですが、これは事実上大学院を置く大学と、大学院を置かざる大学と、高等学校と、中小学校との四本建の体系ということに実質上なつており、またこれはそういう形に大学を二つにわけて俸給表をつくられるのが筋ではなかつたか、提案者の立場からすればそういう立場をとられるべきではなかつたかと思うのでありますが、これに対する見解はいかがですか。
○赤城委員 大学院を置く大学というのは、御承知の通り現在全国で十二であります。この俸給表をつくるにつきましては、大学の教授の最後の号俸三つだけを延ばして大学院を置く大学は適用するということになつておりますので、このために一つの俸給表をつくるということは、私どもは職域の差を認めて俸給表をつくつたわけでありますが、これは職域の差という関係から見ますると、一つの大学の範疇の中に入つて、その大学の範疇の中でも国際的に相当りつぱな教授などがある場合に、この最後の号俸を適用させよう、こういうことでありまして、従来も特別に指定する者というようなこともありましたので、そのために四本の俸給表を建てる必要はない、こう認めましたので、一応三本の俸給表にした次第であります。
○受田委員 大学院を置く大学の国際的及び国内的立場からいつても、学長というものは相当権威あるものでなければなりません。従つて、学長の最高を十二級の四号俸に押えておくということ、大学院を置く大学の学長をここに押えておくということは、これは妥当でないと思うか、その点について、大学院を置く大学の教授に対して三号を特別に考える場合に、そういう特殊の使命を持つ学校の学長に対する号俸を考えるべきではなかつたか。この点、提案者の意思によればそこまで行くべきではなかつたかと思いますが、いかがですか。
○赤城委員 受田さんの御趣旨の通りであります。しかし、御承知の通り、この俸給表は、現行法で俸給表を改訂しておるわけであります。現行法で行きますると、この大学の総長の六万九千円というのは、通し号俸で八十二号に当つております。これ以上俸給表は号がないのです。号がないのですから、最後の号俸をここに当てはめるよりほかはない、こういう事情で、受田さんのお気持と私も同じですが、現在の俸給表からいうと、これが一番通し号俸の最高になつておりますので、ひとつ御了承願います。
○受田委員 これに対する法律によつて官吏の最高号俸にはこれは当つております。けれども、今度出された法案は給与法に対する特例を幾つも持つておるのでありますから、この点について、大学院を置く大学の学長を、特に法案としては、都合によるならば特別職に考慮するくらいの誠意があつてよかつたと思うのであります。そういうことを考えないで、号俸の行き詰まりがここにあるから、それで押したということになると、大学院を置く大学の権威が失墜されるおそれがあるということを考えるので、この問題をひとつ提案いたしておきます。 大分時間が迫つておるようでありますが、私どうしてもお尋ねしておかなければならぬことがあります。それは、この法案について昨日来種々熱心なる委員諸君の質疑があり、また提案者よりも熱心なる御答弁があつたわけですが、大体、人事院の出された勧告の中に盛られた給与準則が全然審議されないで、給与準則にある程度あやかつたこの法案が出されていることについて、この法案の審査の前後することに対して、われわれは非常なる疑義を感ずるものである。給与準則によるところの同一学歴、同一勤年者に対する同一俸給という問題は、これは人事院の給与準則の原案にもはつきり示されている。従つて、途中からぽつかりと一号俸上るような体系が、人事院の勧告の精神にはずれていることははつきりしている。われわれは、少くとも人事院の勧告に基いて審議さるべきものであり、人事院の勧告を尊重した法案か出されるべきであると思うが、人事院の勧告を無視したこの法案が出されていることについて、われわれとしては一つの大きな疑義を抱かざるを得ない。ことに国会は、この人事院の勧告を中心に給与体系を定める責任がある、政府も人事院勧告に基いて給与法案を出す責任がある、こういうことになりますると、少くとも人事院尊重という基本線を確立するためにも、この際給与準則とこれとは当然に並行して審査すべきものであつたと思うのでありまして、この点に対する一つの大きな疑義があるのであります。 もう一つは、提案者の御説明をまつまでもなく、現在の高等学校に勤務しておられる先生方の、過去における前歴、あるいは学校の履修過程というようなものを無視した非常に陥没せる状況を、何とか救うてもらいたいというところにこの法案の前提及び本意があると思うのです。この意味で、ほんとうに陥没を救うという熱意があるならば、政府はすでにこれまでに、例の教育職員の給与の是正をするための絡付を二十五年の末にはかつたが、あの是正の際の級別推定表をつくる際に是正されなかつた分については、さらにその後における陥没是正の人事院規則、人事院細則の公布とか、あるいは法律の制定とかいうものになぜ努力をしなかつたかということになるのであります。結局、給与準則を無視してまでこれを出そうとする努力があるならば、高校の職員が特に多く占めているところの、そういう前歴差、あるいは学校における経歴、学校履修過程の差というようなものの不備を救うための措置をとるべきではなかつたか。この点を抜きにして、こういう非常におかしな形での法案が出されることを私は憂えるものであります。日本の法律というものが、時の勢いに乗じて、時の空気に押されて、時の政治情勢に押されて、基本的な線を逸脱したものができることには、私は反対するものであります。あくまで筋を通さなければならぬ。従つてわれわれは、人事院勧告という線を、過去において尊重し工、今回までの給与体系を打立てておる。従つて、高校の職員の陥没を認めるが、この高校の職員に、中小にも少数入るところのそうした過去の前歴の計算をどうするかとか、学歴の計算をどうするかとかいうような問題、恩給の不備をどうするかという問題を十分考慮したところの法的措置、あるいは人事院の細則の規定、こういうようなものによつてこれは救うべきものであつて、今急にこの人事院の準則を無視した法案が出されることは、これはわれわれとしては、何か非常に不愉快な感じがするのです。高校の職員の大多数を救うであろう、そうした陥没是正についての措置は必ずとれる。とれるのに——予算がかかるとか何とか言わないで、その予算は出せばよい。このちよぴり三億六千万円ばかりの修正した程度では高校の職員は救われません。ほんの一時、間に合せに一号程度上つたというだけです。気休め程度にその職域差を考えるというようなそういう気休めでは、高校の職員は救われない。基本的に救おうという大信念をもつてこの法案を提出されることが必要である。従つて附則などに——少くとももしこれを出されるならば、陥没を救うための措置が法文の上に現われておらなければならない。これは同時に必ずやるべき問題であつて、何とかこの際一号ほど高校の職員を上げる措置さえとつておけばこれでいいのだ、そういう感じがするのですが、私はこの点非常に釈然としないのであります。従つて提案者といたしましては、ただ一号が四級から九級までの間において上ることによつて、陥没もある程度是正されるだろうというような附帯的な希望が満たされるというようなことで慰めておるようでありますが、それでは絶対に収まるものではないのです。従つて高等学校を中心に、中学校にも小学校にもやはり該当者が相当おる。この陥没是正という問題についての基本的な態度が提案者になぜなかつたか、これをお尋ねするのであります。
○赤城委員 相当お説に賛成するところもありますが、人事院を無視してやつているわけではありません。人事院におきましても三本建を提案しております。その点におきまして私どもといたしましても、前々からこういうことは考えておつたのであります。というのは、給与法の中でも教員の特殊性にかんがみて特別法律をつくれ、こういうことになつておつた。それをやらぬでおつだから、われわれの考えておつた教育職員特別法をつくり、しかもそれを三つにわけて行く、こういうことであります。たまたま人事院の給与準則が出ましたけれども、それもやはり三本建だ。それでわれわれは三本建という形をつくるならば、もつと三本建らしいもので行かなければならぬ。こういうことでやつて来たのでありまして、決して人事院を無視しているわけではないのであります。また国会といたしましては、やはり立法府として国権の最高機関でありますから、人事院から勧告があり、政府から法案が提出されても、昨年度におきましても御承知の通り地域給なら地域給を国会において修正しておる。こういう権限を持つておるのでありますから、私どもといたしましても国権の最高機関たる立法府といたしまして、適当と認めることを提案して皆さんの御審議を得るということは、これは当然の措置だ、こう考えております。
○原(健)委員 緊急動議を提出いたします。すなわち質疑に対する理事会の申合せの時間が切れました。ゆえにこの際質疑を打切り、ただちに討論採決に入られんことを望みます。
○川島委員長 ただいまの原君の動議につき採決いたします。原君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川島委員長 起立多数。よつて本案に対する質疑はこれにて終結いたしました。 引続き本案に対する討論に移ります。討論の通告があります。加賀田進君。
○加賀田委員 まず冒頭に、本案は相当重大な案件でありますのでわれわれとしても質問者もまだ相当残つておるのに、突然質疑打切りということは非常に遺憾だと思います。 私は日本社会党を代表いたしましてただいま審議中の一般職員の給与——いわゆる職員の三本建に対しては反対をいたすのであります。しかし、ただこのことは、現在生活の非常に窮乏化している教職員に対しての一部を援助するという形におけるかかる法案に対して反対するのでありまして、教職員の生活を一部でも守ろうとする基本方針に対しては私は反対するわけではありません。ただ、今申し上げるような従来の二本建を三本建に改正をいたしまして、教育の基本的な方針に基く、いわゆる従来の高等学校、中小学校の職員の給与に多く差をつけるということに対して、われわれは反対するもの一であります。 参考人招致の際においても説明のあつた通り、高等学校の職員と中小学校との職員のいわゆる職域差において、職務の内容において、大きな差はないということは明確であります。提案者の説明の中におきましても、ただ高等学校と中小学校の職員の職務の複雑制と困難性に相違があるということで指摘されておりましたが、この二つの問題は現在中央教育審議会においても、科学的にどちらが上下であるかということは明確になつておりません。従つて一般におきましても、これらの高等学校並びに中小学校の教員の職務内容に対して明確な区分をすることは困難な状況であります。こういう困難な情勢にあるにもかかわらず、給与を決定するいわゆる職務の複雑性、困難性、責任の度合い、あるいは勤務の強弱、これらの問題が何ら科学的に検討されずして、突如として現在の高等学校並びに中小学校の職員の給与を区分するということに対しましては、今後の教育行政上大きな問題が残るのではないかと思います。なお本委員会における質疑の中においても明確になつておる通り、先般出されました人事院勧告のあの裁定が、教育職員の給与決定には最良のものであるという確信を持つております。なおその教職員の給与の問題に対しましても、文部省といたしましても長期にわたつて人事院と折衝いたしまして、今次出された勧告案の内容もまた文部委員として満足すべきものであるということを申しております。われわれとしては政府関係並びに人事院の意思に全面的に拘束される必要はないのでありますけれども、しかしながらこれらの意思を無視して、この給与を三本建にするということも、議員として一般輿論にこたえる意味においても、非常に大きな疑義が起るのではないかと思うのであります。 なおその他の点の対してわれわれは広汎にこの問題を検討いたしましても、どの一点をとらえてもこの三本建に賛成する点を見出すことは困難な情勢でありまして、われわれといたしましても、ぜひとも今次の三本建を従来の二本建にし、できれば両方を全部高等学校、中小学校の職員に充当するような政策を今後立てていただきたいことを希望条件といたしまして、社会党を代表いたして反対の意見を申し述べます。
○田中(好)委員 私は自由党を代表いたしまして本案に賛成の意を表するものであります。 その理由の第一点は、本案が教育職員の全面的な優遇の道を講じておるという点であります。国民を完全に育成しまして、健全なる国家を形成するには、教育の必要であることは申すまでもないのであります。従いまして教育制度の改革もまた必要でありますが、また一面、教育に従事するところの教職員が安んじてその職務に従事し、その使命を達成せしむるがためには、どういたしましても生活の安定を与えなければならぬのでございます。この意味におきまして、文部省はさきに教育職員の特殊的な地位にかんがみまして、一般公務員に比して優遇しなければならぬということを要望いたしまして、その実現を期したのであります。その要望は人事院の手によつて逐次取上げられつつあるのでありますが、いまだもつて十分という域には達しておりません。しかるに本法案におきましては、大学の教職員については四級から十級までの者は切りかえと同時に全面的に一号俸だけを高くし、特に大学院を設置する大学の教授の待遇は従来よりも三号俸だけ号俸の幅を伸ばし、現在のベースにおきまして最高五万一千二百円の待遇を受くることとなつたのであります。また高等学校の職員は、中小学校職員と同一の俸給表のもとに規正され、校長の待遇は従来九級でとどめられておつたのでありますが、本法案におきましては十二級の四号という現行ベースにおいて四万三千三百円の待遇を受くることとなるのであります。また四級より九級までの大部分の教職員が切りかえと同時にそれぞれ一律に従来より一号俸だけ高い待遇を受けることと相なるのであります。 次に中小学校の教職員につきましても、校長の待遇は従来九級でとまつていたものでありますが、本法案においては十級まで伸びるのであります。また教諭の号俸の幅も従来よりも三号有利に伸びているのでございます。世間では本法案の提出によりまして中小学校の職員が動揺しておるということを声を大にして非難しておる者がございます。しかしながら右に申し述べましたように、いずれの学校の職員におきましても、本法の施行によりまして現在よりは優遇されるのでありまして、それら動揺しておると非難しておる連中は、おそらく本法の実施によつて矛の誤りを知ることができるであろうと私は確信するものでございます。 さらにまた本法案に対する第二の瀞成点は、従来高等学校等の教職員の給与は二九ベース切りかえ当時の特殊の事由から、中小学校等の職員給与に比して著しく不利になつていたのでありまするが、それが本法案においては十分とはいえないのでございますけれども、それらの点が朗らかに是正せられたということを認めざるを得ないのでございます。従来高等学校の職員は、その学歴において中小学校職員のそれに比して、はるかにまさつているにもかかわらず、同一年令の給与についてこれを見まするならば、前者の給与がかえつて後者の給与よりも平均的に見まして劣つておるという事実は顕著なものでありまして、この現実は給与公平の原則から見ましても、はたまた高い教育のためには高い学歴の人を必要とするという社会通念から申しましても、はなはだ不合理なのでありまして、まことに不当なものといわざるを得ないのでございます。しかるに現行給与法が学校種別によつて異なつた待遇を許さず、同一学歴についてその初任給も、昇給も、または昇格の速度も同一でありまする結果、二九ベース当時の切りかえ措置の粗漏に端を発しまして、この高等学校職員給与の陥没は永久に是正することができなかつたのであります。今回人事院の勧告をいたしました給与準則といえども、現行給与法の待遇原則を変更しない限り、これを行うことがきわめて困難な事柄であつたのでございます。しかるに本法案におきましては、四級から九級までの職員も一号俸だけ高めるという措置によりましてそれを是正し、長い間の懸案を解決に一歩進めましたことは、まことに妥当な措置であるといわなければならないのでございまして、われわれはこれに対しまして全幅の贊意を表する次第でございます。あるいは学校職員の待遇によつて、学歴の高い人が中小学校職員を希望しない結果となつて、基礎的教育でありまするところの義務制教育の進展を妨げるという議論がございます。しかしながらそれを主張する人は、就職誘致の原因というものが、ただ給料の高低一点張りによつて就職誘致の原因があるものであると見るのが、そもそもの誤りであろうと存ずるのでございます。その人の身辺に存するところの特殊の事情も加味されて決定せられることは常識であるのであります。本法案のために義務教育制が破壊せられるというがごときは、まつたく杞憂にすぎないものといわなければなりません。 われわれが本案に賛成する理由の第三の点は、本案が教育職員の勤務の特殊性にかんがみまして、いわゆる三本建の俸給表を設定したことであります。現行給与法第十条三項におきましては、教育職員及びその他特別の勤務に従事する職員の給与に関し、人事院はこれを特に研究し、その結論を国会及び内閣に勧告しなければならぬ旨を規定しておるのでございまするが、このことは、教育職員の勤務の態様がきわめて特殊的なものでありまして、このように一般職員同様の俸給表を適用する現行制度はかなり無理があることを物語つておるものでございます。しかるに人事院はその無理を知りつつ、この規定制定後すでに数年を経過しておりまするにかかわらず、何ら教育職員のために特別俸給表の処置を講じなかつたのであります。本法案はこの点にも留意し、人事院の勧告に先立つて着手したのでございます。従来の一般俸給表の適用の不当なる処置を廃し、ここに三本建の教員の特別俸給表を制定したのでございます。あるいは教育の本質からいたしまして、教育には種類、差等がないということを論拠として三本建に反対する人がありまするけれども、教育の本質と、教育に従事する者に対する待遇制度とは、厳にこれを区別して判断せなければならぬのであります。すでに学校職員免許法が、学校の糖類によりまして教員の資格要件に差をつけているごとによりましても、差等があることを物語るものでございます。従つて学校の種類に応じて三本建にいたしましたことは、現実に即応し、応能給与の原則に適したものでもございまして、むしろ機宜に適した改正といわねばなりません。この法案はもとより十全完備のものとは思いませんが、従来一般俸給表適用を不当と知りつつ、しかも高等学校職員の数年の不備を知りつつ、何らこれに適切なる措置を講ずることなく荏苒日を送ることよりはるかにまさつたものと確信する次第でございます。 右の三点の理由をあげて賛意を表する次第でありまするが、今論議の中心になつておりました特殊学校の職員等は、何とかしてこれを現実の給与に適用するような方針をとつていただきたいという希望を付しまして、私の討論を終ります。
○川島委員長 受田新吉君。
○受田委員 私はこの法案の提出された意図が、教職員の待遇の向上という点に存するならば、何ら異議なくこれに双手をあげて賛成するものであります。われわれは、とかく冷遇されて来た、対外的にも対内的にも非常に制約を受けた中に、古来人の魂をつくることに努力して来た教職員に何らかの形で物的な報いをしようという努力を常に考えているものであります。しかしながらこの法案が、実は特に高等学校の教職員の待遇を改善するという点に重点が置かれていることはもちろんでありまして、私といたしましては、高等学校の教職員各位が中小の教員の各位に比較してその数の比率において、前歴計算あるいは学歴差というものが非常に冷遇され、あるいは俸給表上等の不利があつて、陥没の状況にある。この点についてはいささかも否定するものでありません。七〇%に近いところのそうした傍系の、民間勤務等から入つて苦労しておられる高等学校の職員、この人々に対する陥没是正のための努力に全幅の協力を惜しむものではありません。ところがこの法案はそういう問題の解決ができないままで、ただ単に途中から一号上るという結果になつております。人事院勧告の同一学歴、同一勤年を中心とする平等なる進行方法に対して、突然こぶができるやり方であります。この点人事院勧告の三本建と大体同じだとおつしやる提案者並びに賛成者の御意見がありましたが、人事院勧告の線は結局同一学歴と同一勤年を基本的に同じ立場で守つておるのであります。これはそうでなくして、途中より一方を優遇しておるような案であります。私は、この法案の性格は、結局特に不遇な陥没地帯の多い高校職員を救うことでなくして、陥没ができたままで、陥没差があるままで、高校教職員が上に上るので、やはり陥没されたものは低い線で一号上るにとどまる。またその陥没のなかつた人々はその姿のまま一号上る、陥没は依然として違いが残つておりますが、その違いが残つたままの高校の待遇改善ということでは、現実においてこれは全然矛盾しておる。第一に職員の多数を占める陥没せる待遇を受ける人々を徹底的に救済するところの基本的な政策をとつて、しかる後に給与準則をあてはめるという対策をわれわれは要望しているのであります。 この点において本法案は職員の待遇改善という基本的な線の解決ができないで、その中における一方的なかたよつた措置がなされておるという点において、待遇改善を心より待望するわれわれが、その職域差を認めておるという点において遺憾ながら反対をするものであります。 なお特殊学校あるいは国立学校の付属高校で、中小の先生等におけるように、同じ職場に働く人々にとつて、この職域差が現実に重大な問題になるということも考えなければならぬ問題である。なお新しく大学を出る人の将来の問題として、われわれは給与準則を大いに尊重する線をとりたいと思うのでありますが、この法案には過去の冷遇せる陥没を救うために特別の法的措置をとつて、強力に予算的措置をとつて、思い切つて高校職員の大多数を占め、かつ中小にも一部分の該当者がおるところのこの前歴、あるいは学歴差、恩給上の不利等の救済に当るべきであると思うのであります。 以上をもちましてこの法案に対し遺憾ながら反対の理由を申し上げる次第であります。
○川島委員長 討論は終結いたしました。 本案につき採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川島委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。 この際本法律案に関する委員会報告書作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川島委員長 異議なしと認め、さよう決定いたしました。 本日はこの程度にとどめ、明三十日午前十時より開会することにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会 ————◇—————