人事委員会 第6号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/07/15
会議録
○川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。 昭和二十八年六月に支給されるべき国家公務員に対する期末手当の臨時措置に関する法律案を議題といたしまして、審議を進めます。提出者千葉信君の提案理由の説明を聴取いたします。千葉信君。
○千葉参議院議員 ただいま議題となりました昭和二十八年六月に支給されるべき国家公務員に対する期末手当の臨時措置に関する法律案につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。 現行の公務員給与の実情は、さきに提出されました人事院勧告による給与水準さえも下まわるのでございまして、この間公務員の家計に与えた影響も少からざるものがありますし、また一面今日のわが国の国民生活の実態、並びに民間企業における賞与支給の実情等にかんがみましても、公務員に対する今期の期末手当の増額支給の必要が認められているのであります。 御承知のように、期末手当の制度は、一般職の職員の給与に関する法律及びこれを準用する諸法律等によりまして国家公務員に対して、六月と十二月にそれぞれ在職期間六月の場合、給与月額の百分の五十を支給するとのとりきめになつているのでございまして、この給与法等に定める期末手当の支給額等につきましては、給与改訂の一環として、人事院勧告等をも勘案して、基本的に検討を加える必要があるのでありますが、当面本年六月に支給されるべき期末手当については、早急に問題の解決を迫られておりますので、本法律案は、とりあえず本年六月支給の分に限りまして、臨時措置として、その支給額の増額をはかろうとするものであります。 その内容といたしましては、支給額の割合が従来百分の五十であつたものを百分の七十五に増加し、その他の場合もそれぞれの在職期間に応じて、おおむねこれに準じて増加しようとするものでありますが、その増額の割合については、諸般の事情を考慮して、今回の臨時措置としては、やむを得ずこの程度にとどめたものであります。 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことをお願いする次第でございます。
○川島委員長 本案の審査はこの程度にとどめます。 —————————————
○川島委員長 次に、公務員の給与に関する件について審議を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。加賀田進君。
○加賀田委員 もうすでに人事院の勧告の問題が切迫して参つておりますが、先週の土曜日に、参議院の理事会において決定いたしました事項に基いて、人事院と折衝の結果、今週中に人事院勧告をするという回答があつたと聞いておりますが、これは事実でありますか。これをお伺いいたします。
○瀧本政府委員 総裁が参議院の人事委員会等で述べられたかどうかということを、私よく聞かないのでありますが、人事院の作業の段階から申しますれば、現在勧告に必要な作業も大分終末に近づいております。大体において今週中には勧告し得る現在の作業の実情にあるものと存じます。
○加賀田委員 今週中と申しますと、本日を入れてあと四日でありますが、明確に、いつ勧告できるかということを明示できるかどうか、その点について質問いたします。
○瀧本政府委員 俸給表をつくります一番大切な部分に、まだ若干作業の残つておるものもございまするし、そのほか統計資料の中で、全体のべース当りを算定いたしますのにどうしても必要な資料の、現在の公務員の級別、号別の人員分布というものは大半終了に近づいておりまするが、なお若干残つておりますので、鋭意その集計を急いでおる状況でございます。先ほどから申し上げておりますように、大体今週中には勧告し得るのではなかろうかという見通しを持つておる次第であります。いつまでに終るということは、なかなか現在の段階では申し上げにくいと思います。
○加賀田委員 人事院勧告は相当精密な調査の結果出されるものであります。しかも精密な調査の上に立つて、詳細を検討され、慎重を期して出されるものだと思いますが、あと三日に迫つたこの日において、まだ勧告の日を明示できないと言われる。しかも今の御発言のように、相当重要な資料を検討しなくてはならないというような状態の中で、はたして今週中に提出できるかいなか、われわれは疑問を持つものであります。従つて今週中には提出できるという今のお話であるとすれば、すでに資料の検討、すべてが終つておるのじやないか。ただ提出する時期そのものに対しての問題が残つておるのじやないかと思いますが、もう一応そういう具体的な、まだ検討しなければならないという資料とその内容について、具体的に御説明願いたいと思います。
○瀧本政府委員 繰返して申し上げることになるのでございまするが、勧告いたしまする内容と申しますのは、(「もつと大きい声で願いたい。」と呼ぶ者あり)俸給表をどういうふうにかえるか、俸給表を五%上げ下げする必要があると人事院が判定し、認めた場合に、勧告いたすということになつておるのであります。その俸給表を勧告するということが、給与勧告の一番根本になろうかというふうに考えるわけであります。その俸給表は、御存じのように、通し号俸表というものをつくりまして、これを基礎にして俸給表をつくるわけでございまするが、その通し号俸表をつくり上げまする作業に、若干まだ残つておる分がございまして、鋭意現在その作業を急いでおる次第でございます。それから、先ほどから申し上げておりまするように、公務員の級別、号別人員分布というものの調査がはつきりいたしませんと、それを俸給表に適用した場合、平均一人当りどれくらいになるだろうかという額の算定が困難なわけでございます。この点は勧告の一番大切な主要部分とは考えませんが、従来この点はたいへん問題になつておる点でございまするし、予算策定の際には、やはり必要な資料であろうかというふうに考えるのであります。その級別、号別人員分布の集計の一部分が、まだ未了なものがございまして、鋭意その集計を急いでおるような現状でございます。先ほどから申し上げておりまするように、その作業も鋭意急いでおりますので、近く終了の見込でございます。
○加賀田委員 もちろん給与号俸の金額の変更によつて、ベースというものは勧告されるだろうと思いますし、しかも五%の値上げの必要を認めて初めて勧告がなされるわけなんです。ところが五%の値上げが必要であるということが決定され、勧告というものをしなくてはならないという状態にあるわけなんで、もうすでに五%そのものが上るということは事実だと思います。勧告をするという言葉の裏づけによつて、五%以上げるということは既定事実だと思います。そういう意味で、いまさら号俸とかその他の資料を調査して、しかもあと三日間で勧告をするという確約ができるというようなことは、時期的に考えて、どうもわれわれとしては納得できないわけであります。従つて私は、ここですべての調査が完了し、勧告案もすでにでき上りまして、ただ提出される時期そのものを考慮しているのじやないかという疑義を持たざるを得ないのであります。そういう状態の中にあつて、まだ調査をされているのかどうか、あるいは実際にまだ資料の検討の期間であるのかどうかということに対して、明確な御答弁を願いたいと思います。
○瀧本政府委員 人事院が、国家公務員法の情勢適応の原則に従いまして、勧告をいたすということを判断いたしまするには、俸給表作成上、一番必要な資料によりまして判断するのが、一番適当なわけでございます。しかしながら御存じのように、俸給表作成の一番大切な資料と申しますと、人事院がみずから行つておりまする民間職種別給与調査でございます。それからまた標準生計費でございます。いずれもたいへん困難な調査並びに集計作業を要するのでございますが、それをやつた結果判断するというのでは、なかなか時期が間に合わないのではなかろうかというふうに考えるわけであります。現在経済資料等が、労働省あるいは総理府統計局等からいろいろ出ておりますが、そういうものを見まして、大体の見当をつけるということでございます。御存じのように、経済資料等によりますと、たとえば民間における毎月勤労統計の示しまする賃金統計、あるいは総理府統計局から出しておりまする物価調査指数、というようなものも、相当の上昇を示しているということは事実でございます。そうでありまするならば、人事院が俸給表を作成いたしますために、民間給与調査をやつてみても、おそらく大体の傾向としては、同様のものが出て参るのではなかろうかという見当はつくわけでございます。従いまして、現在はつきりと勧告いたすかどうかという点がどうだというふうにお話になれば、これはやはり作業が全部終つてみなければわからないと申し上げることになるであろうと思うのであります。しかし先ほどから申し上げておりますように、この問題はほぼ見当がついておる問題でございますから、作業の結果、おそらく勧告いたすことになろうというふうに判断するわけでございます。われわれの作業というものは、既定方針に従つてずつと進めて参つておるのでありまして、今新たに調査を開始するとか、検討するとかいうことではございません。非常に大きな作業が終局に近づいておるということを申し上げたのであります。この作業の段階において、数字が出て参りません場合には、いろいろと数字を出てはめてみて試算をいたしましたり、いろいろな経過はあるわけでございます。最後の数字がまだとりまとめに至つていない、そのところをたいへん急いでやつておるというのが現状でございます。以上で御了承願いたいと思います。
○加賀田委員 資料の調査の完了、あるいはその結論にまだ至つていないということですが、冒頭に申し上げた通り、今週中と申しますと、あと十六、十七、十八の三日間だと思います。従つて最悪の場合においても、十八日には提示できるんじやないかと思います。またそうしなくては、今までの話の上に立つての発言に誤謬が起つて来るんじやないか。今週中と申しますとあと三日でございますから、最悪の場合に、十八日には提出できると確認していいかどうか。
○淺井政府委員 大体お説の通りに参ろうかと思います。
○加賀田委員 本委員会としては、最悪の場合でも十八日には勧告を提示されると確認をしていいのかどうか。
○淺井政府委員 お説の通りでございます。大体それくらいでできるのではないかと思います。
○赤城委員 関連して質問いたしますが、今度の給与勧告について、その勧告のべース・アップの中に地域給が含んでおるかどうか、こういうことをちよつとお聞きしたい。というのは、去年の勧告は一万三千五百十五円でしたが、本俸が一万四百七十八円、扶養手当が九百円、勤務地手当が一千七百二十三円、それから特殊勤務手当が四百十四円です。これが国会においては総額において一万二千八百二十円という数字になつたのですが、今度のべース・アップは、かりに一〇%か一三%か、こういうことを言われておりますが、その中に勤務地手当は含まないものがベース・アップの基準になるのか、勤務地手当まで入れて一〇%か一三%とかいうふうになるのか、勤務地手当が入らないのか、これをお尋ねしたいと思います。
○淺井政府委員 それは御説の通り入つておるわけでございますが、ちよつと申し添えますと、これは前に給与法に定義がございまして、ベースとはいわゆる本俸と扶養手当、勤務地手当、特殊勤務手当、この四つのものの合計をいうということが給与法の中に書いてございます。それをいつておるわけでございます。この規定はただいまなくなつておりますけれども、計算の基準はそれでやつて参つたのであります。でございますから、勤務地手当は現行の別表によるものを算出して入つております。その勤務地手当をつける場所の増減はございません。すべて現行の通りでございます。それからもう一つ御了承願つておきたいのは、特殊勤務手当は今回はペースの中に加えないことになつております。今度出しまするベースは非現業だけのべースでございますから、特殊勤務手当の非常に多い現業はのけますわけで、特殊勤務手当は非常に少いものになつておりますので、これは除いたのでございます。
○赤城委員 勤務地手当は、引上げとかそういうものは異動がなくて、現行のままで計算したものが入つておるわけですか。
○淺井政府委員 お説の通りで証ございます。
○川島委員長 石山君に発言をお許ししますが、労働省の失業対策課長が来ておるので、先般の日雇い労働者の問題を、先に簡単におやり願いたいと思います。
○石山委員 国家の全般の財政経済がら見ますと、失業者をふやさないように努力をしても、どうしてもふえるような傾向にあるのじやないかと考えます。今までのわれわれの失業者に対する観念と申しますか、性格づけから見ますと、特定の人たちであり、その才能及び肉体的において、いささか常人より欠くるものがあるのだろうというのが、失業者に対する一般的な観念だつたと私は思うのでございますが、最近の失業者を見ますと、そうではなく、国家の責任においてなされたような失業者がたくさんふえておる。そのために、使い道によつては、国家にとつても、あるいは会社にとつても有能な人でさえも、失業といううき目を見ているのが現状だと思います。最近の新聞によりましても、紡績大手六社がすでに操短をやりまして、一万五、六千名の失業者をば出さなければならないというふうに言われておる。あるいはまた石炭の合理化の問題によりまして、これは数千名の失業者をば出さなければならないと言われておるような現状において、日雇いは特例のものであるというような考え方は、改めなければならない段階にあるのじやないか。自由労働者、失業者というものは特定なものであるというような観念を改めなければならぬ段階だというふうに思うのでございます。そうしますと、こういう国家の施策によつて、行政の結果によつて、しわ寄せされたところの各中小企業、各工場の犠牲の面は、国家の施設によつて救済するという考え方が正しいのではないかというふうに私たちは考えるのでございます。そのゆえに日雇い労働者・自由労働者の組合の諸君から、先ほどなども幾多の陳情書が出ているのでございますけれども、彼らの失業保険の問題、あるいは医療給付の問題、あるいは夏季手当の問題というふうなものは、公平な目で見ましても、うなずけるものがあると思います。こういう点を官庁の方はどういうふうに見ているかということを質問したい。
○澁谷(直)政府委員 お答え申し上げます。日雇い労働者の失業対策につきましては、御承知のように緊急失業対策法が昭和二十四年に制定されまして、それ以来ずつと施行されておるわけでございます。その考え方といたしましては、当然これは民間の雇用量を増大いたしまして、そちらの方に、正常なる雇用機会に就職していただくように、安定所が極力あつせんをするという建前に立つて、民間事業あるいは公共事業に優先的に職業あつせんをするように努力しておるわけであります。しかし現状におきましては、遺憾ながらそれだけではなお就業の機会を得られない人が相当残るわけでございます。こういつた気の毒な失業者の方に対しまして、最終的な雇用機会を国の政策によつて造出いたしまして、正常なる雇用機会に就職するに至るまでの間、その生活の安定をはかるという考え方に立ちまして法が制定せられ、失業対策事業が施行せられておるわけであります。この気の毒な失業者の人たちの生活を安定するということは、当然大事なことでございまして、労働者といたしましても、精一ぱいの努力をしてやつて来ておるわけでございます。たとえば、就労日数において、三、四年前の全国平均の就労日数を申し上げますると、月間十七日ないし十八日の状態であつたわけでございます。これが昨年におきましては、全国平均二十日の就労になりました。しかしながらその二十日の就労をもつても、なお足りないというふうに考えまして努力をいたしました結果、本年度からは就労日数を一日増加いたしまして、全国平均二十一日の就労日数を確保することになり、七月からすでにこれは実施中でございます。予算の面におきましも、昨年度の年間の予算は、補正予算の四億を含めまして八十億でございましたが、本年度におきましては約二割強の増額を見まして、年間を通じまして九十七億というぐあいに、非常に大幅な予算の増額を見た次第でございます。 次にお尋ねの夏季手当等の問題でございますが、御承知のように失業対策法の考え方は、あくまでも民間事業なり、公共事業等の正常なる雇用機会にTあつせんするということが建前でございまして、そういう機会がない場合に、暫定的なつなぎとして、失業対策法による失業対策事業を興す。こういう考え方に立つておりますので、その雇用の形式も、安定所から毎日々々紹介を受けて雇い入れる、こういう形式をとつておるわけでございます。そしてまたその雇い入れる先におきましても、これは一箇月を通じて、失業対審事業にのみ、就労しているというわけではございませんので、たまたま民間の求人がある、あるいは公共事業が起きたということになりますと、当然これを民間事業の方に紹介したり、あるいは公共事業の方に紹介するということでございますので、その雇い入れの主体の方は必ずしも一定しておらない。こういつたようなことから考えまして、常勤労務者あるいは普通の公務員の場合のように、いわゆる年末の手当とか夏季手当とかいう考え方は入つて参らないのでございます。しかしながら実情を申し上げますと、この失対事業に長期間にわたつて、就労している人も相当ある。こういう現状にかんがみまして、昨年の末、衆議院の労働委員会の決議によりまして、政府としては手当という形で支給することは困難でございますので、賃金増給——賃金の歩増しという形によりまして、三日分の賃金の歩増しを支給したのでございます。これは昨年の暮れが初めてでございます。それで本年の夏期はどうするかでありますが、昨年の夏期の対策としてはいわゆる手当という形では何ら出しておりません。しかしながら昨年の暮れの先例もありますし、彼ら日雇い労働者の生活の実情もまことに同情すべき点がございますので、労働省としては二日分の賃金増給、あるいは、就労日数の増加によりまして、実質上の手取り賃金をふやす。こういう措置を決定した次第でございます。ところがそれ以降におきまして、衆議院の労働委員会等におきまして、二日分ではなお足りないのではないか、もう少し出すべきではないかという御意見がございまして、さらに一日を追加いたしまして、昨年の暮れと同様、二日分の賃金増給、または就労日数の増加の措置をとることに決定した次第でございます。 それから、最後に医療給付の問題でございますが、これも御承知のように、日雇い労働者の方々に対しましては、健康保険法の適用がないわけでございます。彼らの生活の実情から申しまして、当然これは考慮しなければならない問題でございます。これの主管は厚生省でございますが、厚生省におきまして、前国会にも日雇労働者健康保険法を提出したのでございますが、これは審議未了になりましたので、ただいまの国会に再び前国会とほぼ同じ内容の日雇労働者健康保険法案を提出いたしまして、ただいま御審議願つておるような次第でございます。
○石山委員 総額から見ますと非常にふえていて、政府の思いやりが非常にまざつておるように見えますけれども、人間の数がここ数年ずつとふえていることも事実でございます。ですから一人当りの賃金になりますと、残念ながらわれわれが唱えているような最低賃金八千円などというところには、ほど遠いところにある。特に私が申し上げたいのは、この失業者というのは、若い二十や二十五の人ではないということでございます。おのおのの家庭を営んで、子供の二人も三人もあるような人たちが失業者になるのでございます。特に私が事務当局の方々に申し上げたいのは、つなぎ資金のような考え方で、つなぎ的な、政府の暫定的な措置であるというような考え方であるならば、はなはだもつて民間の事情を知らないものであるといわざるを得ない。これはもう固定化されたものでございます。常に同じ人が同じような状態に押し込められて、それに常に毎月毎月失業者がプラスされて行くというのが、現今の日本の経済状態であるということをよく考えていただきたい。これは決して人がそんなに変化するわけではないということでございます。特定の不運な人たちが、常にそういう境遇にあるのに、新しい企業整備が始まり、朝鮮の特需が打切られると、また新しい失業者がそれにプラスされて行くというのが現状でございますから、つなぎ的な、暫定的な考え方で措置され、更生設備的な考え方でやられるならば、これらの人々は非常な不幸を見るのです。私はやはり恒久的な考え方でこの問題を処理していただきたい。そこで、全国的に、前年度は一人当りどのくらいになつておつたかということを発表していただきたいと思います。
○澁谷(直)政府委員 私の方は、御承知のように全国で四百二十箇所の職業安定所がございまして、それに百二十箇所の出張所を持ち、全国的に一つの網を張りまして、職業安定行政を運営しておるわけでございます。それで、この失業対策事業として現実的に考慮する対象といたしましては、全国の安定所に求職の申込みをいたしまして、日雇い労働者として登録しておる労働者を対象として、失業対策事業を運営しておるわけでございますが、この登録労働者の推移を簡単に御説明をいたします。 朝鮮動乱勃発前の昭和二十五年におきましては、最悪の状態になりまして、二十五年の八月は四十七万三千人という非常に厖大な数字に上つたのでありますが、その後、漸次改善されまして、減少の傾向をたどつておるのであります。すなわち昭和二十七年の一月には三十七万二千人、六月には三十五万一千人、十二月におきましては三十四万三千人で、本年に入りまして、一月が三十五万一千人、二月が三十五万二千人、三月が三十四万六千人、四月が三十三万四千人、こういう数字でございます。安定所の窓口に日雇い労働者として登録しておる数はわずかではございますけれども、大体減少の傾向をたどつて現在に及んでおるという状況でございます。これらの登録労働者を対象として、月間平均、民間等も合せまして就労日は二十日ばかりであります。本年度におきましては二十一日の就労日数を確保する。それで、その就労できなかつた日につきましては、日雇い労働者の失業保険法が施行されておりますので、その方で失業保険金をもらつてもらう。こういう考え方でやつておるわけでございます。 次にお尋ねの賃金の件でございますが、昨年は、全国平均の一日の賃金は二百二十五円でございますが、これは昨年の十一月にPWの改訂と一緒に改訂いたしまして、一割強のベース・アップとなりまして、現在では二百五十円となつておる次第でございます。
○櫻井委員 ちよつと関連して——ただいまの政府の登録労働者の数が減つておるという御発表でございますが、なるほど政府の統計の上ではそういうような漸減傾向にあるかと思いますけれども、現実の問題といたしましては、各安定所においては、業務手引一といいますか、こういうものにひつかかつて、同一戸籍の中で二人、たとえば夫婦共かせぎをしておるという場合には、一人しか就労させないという事実がございます。これが先ほどの説明の通り、一日二百五十円という非常な低賃金である。こういう低賃金であれば、自分の家庭内に働く人がある場合には、できるだけ多くの人が働くのが当然であると思います。そういうものを政府は拒否しておる。そういうことができる家族であつても、その中から一人しか働かせない。あとの者はこれを就業させないという事実がある。こういう操作をして、いかに統計の上で減つて来ておると言つても、これは現実をまつたく無視しておるのであります。この業務手引きによる同一家族内の就業を拒否するというような態度は、現在の日本の労働情勢、特に自由労働者の実情と、はなはだ背馳するところの行き方であつて、われわれはこういう政府の処置を早急に撤回されるように要望するのでありますが、この点については、どういう考え方を持つておられるか、承りたい。
○澁谷(直)政府委員 ただいまのお尋ねの点は、その通りでございまして、労働省におきましては、失業対策事業に就労する労働者に対しまして、適格要件を定めておるわけであります。その適格要件を具備したものにつきまして、失業対策事業への就労を紹介する。こういう建前でやつておりますが、その要件といたしましては、一応こまかく申しますると、三つの要件を考えておるのであります。 第一番目は、失業者であるというと、これは当然法の要求する要件でございます。その失業者であるという要件を、さらに二つにわけまして、第一番といたしましては、まずその失業している本人が、積極的に働く意欲を持つているということが一つでございます。次には、たとい働く意欲を持つておりましても、実際に働く能力がない場合は、いわゆる失業者ではないわけでございますので、第二の要件といたしましては、実際に働く能力を持つているということが要求されます。この二つは、法律の要求して、いる要件でございます。第三は、これは行政措置で制限しておるわけでございますが、第三の要件といたしまして、主たる家計の担当者であること。つまり、一世帯から一人という制限をとつておるわけでございます。これは御指摘のように、そういつた制限なしに、一世帯から二人でも三人でも、失業している者があれば就労させるということが望ましいかと思うのでございますが、ただいまのこの失業対策事業は、御承知のように一定の予算のわくをもちまして、そのわくの範囲内で、失対事業を運営するという建前になつておるわけでございますので、ただいまの程度の予算の範囲内におきましては、一世帯から二人あるいは三人といつたふうに一、無制限に失対事業に就労させることは、実際の問題として非常な困難があるわけでございます。それでやむを得ざる措置として、労働省の行政措置によりまして、そういつた措置をしている次第でございます。
○石山委員 私、失業者に対して、非常なこまかな規定を設けるということは、行政措置から見て、実にまずいものだと思うのであります。労働省の統計から見ますと、三十五万台を大体往復している。そうして僅少ながら漸減の傾向を示しているというふうに、いささか喜んでいるような傾向がございますけれども、逆に、私たち末端の、いわゆる下情に通じている者から言わしむれば、はなはだおかしい現象なんです。これは厚生省で調べなければ、こまかい数字はわからぬと思うのですが、生活保護法によつて、働かないで金を得ている分子がたくさんふえて来るということです。つまり、いろいろな末端の規則をこしらえて、幅を狭くし、予算を小さくすることによつて、働く意欲を失つて、むしろ楽をして生活保護法を受けようとして努力する。そうしてそつちの面から金をただでとる。たいていの人ならば、やはり働いて、働いただけの報酬を受けるのが、私は楽しいだろうと思います。楽しいという気分を、へんなこまかな規則によつてしばり、わずかの金によつて排除するならば、生活保護法の適用を受ける分子がふえて来る。これは厚生省の方を調べて見ればすぐわかると思いますが、各地の市役所、町役場の統計を見ただけでも、すぐわかる。たいへん最近はふえております。これはやはり阻止しまして、僅少ながらもこの額をふやして、働く者が楽しく、働くことによつて得る金銭が、生活のかてになるような方法を講ずるととが、私はよりいいのではないかというふうに考えますが、その点はいかがでございますか。
○澁谷(直)政府委員 ただいま申し上げました登録労働者の数が、ごくわずかでございますが、減る傾向にあるということは、私は数字の事実を申し上げただけでございまして、私どもが、これで喜んでおる、あるいは楽観しておるというようなことでは決してございません。失業情勢の今後の推移につきましては、先ほどの御質問の中でもありましたように、必ずしも楽観すべき状況ではないというふうに考えておる次第でございます。そこで私どもといたしましても、当然、働かないで、ただで国から金をもらうというよりも、実際に働いて、その対価として賃金をもらつて生活する。こういう態勢にあることが望ましいことは言うまでもないのでございまして、労働省としても、極力そういつた方向に努力しておるのでございます。 先ほどの繰返しになりますが、予算におきましても、予算の総額は、前年度と今年度と比べまして、そう大した差はないわけでございますが、その中におきまして、失対事業の予算につきましては、八十億から九十七億、二割強の増額を見ておるということは、相当の努力の結果が、ここに現われておるというふうに見ていただけるのではないかと考えております。 それから就労人員につきましても、昨年の八十億の予算の基礎になりました就労人員といたしましては、約十五万人でございます。十五万人の年間三百日分が基礎になりまして、八十億という予算が積み上げられたわけでございますが、本年度におきましては、特に七月以降の予算におきましては、これが十六万八千人というふうに、私どもの目から見ますると、相当大幅な吸収人員の増大になつておるわけでございます。この十六万八千人の三百日分の予算と、それに民間公共事業等の雇用量を含めますれば、若干この登録労働者が増大いたしましても、月間二十一日程度の就労を、全国的に確保することは確実にできるというふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 最初に、失業問題についてお尋ねしたいと思います。国の方針として、働いて、最低の生活を営もうとする人たちに対する政策と、働かないで、その生活を保護しようとする政策との調整は、きわめて重要なことだと思うのであります。失業者が、一箇月二十日ないし二十一日就労をして、あとを失業保険で保護を受けられるとして、一方生活保護法の適用を受けて、生活扶助をしてもらう人の場合と比較して、相当高年令に達して、扶養家族をある程度持つている者の場合の、双方の収入の比較検討を、労働省としておられないか。生活保護法の適用を受ける場合の方が、二十日間せつせと職を求めて働く人の場合よりも、有利な結果が現われて来る資料が労働省にあるのではないか。この二つの場合の比較検討の事例を、労働省としてお調べになつたものを御発表いただきたいのであります。
○澁谷(直)政府委員 ただいまの点につきましては、衆議院の労働委員会におきましても、いろいろ御質疑が出た問題でございます。もちろん労働省といたしましても、この問題につきましては、生活保護法の扶助額との関連におきまして、常に調査もし、研究もいたしております。ただここで申し上げたいことは、いささかりくつに流れるかとも思いますが、生活保護法の場合は、あくまでも労働能力のない者に対しまして、国がその最低生活を保障するという考え方に立ちまして、扶助を出しておるわけでございます。従いまして、その扶助を受ける内容というものは、その世帯々々によつて一々かわつて来るわけでございます。たとえば五人世帯と三人世帯では、非常にその額が違つて参ります。それからまた、同じ五人世帯でありましても、その中に、学校に行つている児童があるか、ないかによつても、かわりますし、住宅があるか、ないかによつても、かわつて来るわけでございます。それに対して、失業対策の面におきましては、これはあくまでも、失業者の労働力の維持温存という労働政策という観点に立ちまして、この対策を運営しておるわけでございますので、この実際に給付される金は、法律にも書いてございますように、賃金という考え方で支給されておるわけでございます。従つて賃金となりますると、これは民間の同じような作業に従事しておる労務者が、どの程度賃金をもらつておるかということが基準になつて来るのは当然でございまして、法律も、はつきり明文でそれを規定しておるわけでございます。すなわち同種の民間の職種に従事しておる労務者の賃金——一般職種別賃金と略称しておりますが、その賃金を基準として、約九割程度に定めるというのが、失業対策法の建前でございます。それで労働省といたしましては、毎年、民間の一般職種別賃金を調査いたしまして、それを基準として、それの約九割程度に定めてやつておるのが、失対事業の賃金でございます。そうしますと、そのよつて立つておる建前が違うということを、まず御了承願いたいと思うのでございます。 しかしながら、実際問題としては、同じく非常に最低の生活で、働いておる、あるいはまた働かないで、国の給付を受けておる層でございますので、当然、この両者の収入比較の問題が問題になると思います。これは、私どもの方の調査によりますると、生活保護の対象になつておる世帯で、全然ほかに収入がなくてしかも家族数が多い。たとえば四人、五人という場合になりますると、失対事業の働いておる労働者が、月間二十日程度働いてもらう賃金と、失業保険金を合せた額よりも、多くなる場合があり得るわけでございます。しかしながら、そういう場合もございますけれども、全国的な平均をとつてみるとどうかということを、厚生省と調査したことがございますが、これによりますと、御承知のように、生活保護法の場合は、一応五人世帯で、東京なら七千円なら七千円という標準の扶助額がきまつておりますけれども、実際にこれを支給する場合は、その当該の世帯につきまして、ほかに収入がないか、あるいはその家庭の主婦が家で内職をするとしますると、その内職による収入がどの程度あるか、こういつた収入を全部調べまして、その収入を差引いた差額を支給するわけでございます。その差引く率が、全国的にどの程度になつておるかと申しますと、約三割から四割程度の収入が、標準扶助額から差引かれて支給されておるのが、全国的に申して実情でございます。一方、失業対策事業の労働者の場合はどうかと申しますと、これは言うまでもなく、賃金としてもらう額を、保険金としてもらう額から、差引かれるということは、絶対にないわけでございます。それ以外に、一世帯に一人でございますから、そのほかの主婦なり、あるいは子供なりが、労働能力があるということで、副収入が若干あり得る場合も、当然考えられるわけでございます。現に労働省におきまして、昨年の十一月、東京都を初め、全国六大都市の日雇い労働者について、その収入状況を調査いたしました。その結果を見ますると、東京都の労働者の場合、平均いたしまして、一世帯の収入が一万一千何十何円。こういう調査結果が現われておるわけでございます。
○受田委員 今、労働省で調べたところによると、四人か五人の扶養家族を有する場合には、生活保護の適用を受けて、国の給付を受ける方が、条件がいい場合があるということでしたね。こうなると、同じ事情にある者で、非常な苦労をして、失業者としての働きをする人と、楽ということはないけれども、何もしないで、国の給付を受ける場合とを比べて、何もしないでおつて給付を受ける方が額が多いということになりますと、働いた人よりも、働かないでよけい収入を得るという矛盾が起るわけですね。この点を、労働省としてお認めになりながら、働く方の人をおそまつに取扱うような結果になつておることを、今御容認されたと思うのですが、いかかでしようか。
○澁谷(直)政府委員 この点は、先ほども御説明いたしましたように、この両者の立つている建前、考え方が違うのでございまして、これを同じ平面に並べて、直接比較するということにつきましては、若干問題があるのではないかというふうに考えております。ただ私が申し上げたことは、世帯の構成員数が多い場合、しかも世帯の収入としては一銭もないといつたような家族が、かりにあるといたしまして、しかも他方失対の労働者につきましては、賃金としてもらう額と、失業保険金としてもらう額、それだけを収入として比較した場合、生活保護法による方が高くなり得る場合があり得るということを申し上げたのでございます。 しかしながら、労働省といたしまして、現在のような状況で、日雇い労働者の労働対策として十分であるかというふうな御質問だと思いますが、その点につきましては、決して十分だというふうには考えておらないわけであります。でき得る限りの努力をいたしまして、その生活の安定をはかるというふうに努力しておるわけでございます。就労日数の点につきましては、先ほども申しましたように、一日程度でございますけれども、これを増大しております。それから賃金の改訂につきましても、昨年は十一月に改訂いたしたわけでございますが、最近の調査の結果が、今月中には大体集計がまとまりますので、その結果を見た上で、できますならば、大体本年の九月ごろを目途として、賃金の改訂をやりたいというふうに労働大臣も言明されておるわけでございますので、そういつた線に沿いまして、できるだけの努力をして参りたいと考えております。
○受田委員 失業者には、特殊の事情があつて、年をとつて、小さい子供の収入も全然考えられないというような場合が、たくさんあると思うのであります。そういう場合には、家族手当というものは、月給を取る人々には、それぞれ支給されておることだし、そういう人と比較して、一箇月二十日間も就労しながら、家族手当ももらえない。ただ一日二百五十円のわずかの収入で、一家の生活を支えているという、この実情を考えなければならぬ。従つて、苦労して仕事を探すよりも、生活保護法の適用を受けて、楽に暮した方がいいというような気持になるおそれが多分にある。従つて働こうとする勤労意欲を持つた人を、ついだらだらさせるおそれがあるので、この点、同じ条件の場合には、働く人の方を優遇するように、たといいかなる場合においても、遊んでおる人の方が、働く人よりも収入が多いというような矛盾が生じないように、労働省としては考慮する必要はないか。特に、全然家族収入の見通しの立たぬような小さい子供をかかえた人々が、失業者として苦労しておるときに、その人々に対する家族手当に類するような意味の、別の手当を支給するという用意はないか、こういう点をちよつとお伺いしたいと思います。
○澁谷(直)政府委員 ただいまの点でございますが、安定所に来て働いておる日雇い労働者の中には、大別いたしまして、二種類の労働層があるわけでございます。その一つの層は、失業情勢が悪化したために、失業者として出て来た方々とは別個に、失業情勢が全然悪化しておらない状態でも、昔から日雇い労働者として生計を維持して来たという、本来的な日雇い労働者の層が相当あるわけでございます。それともう一つの層は、ただいま論議されております失業対策事業の対象として働くいわゆる失業者としての日雇い労働者、大別いたしまして、この二つがあるわけでございます。この失業対策事業に主として就労しておる者に対する対策を考えまする場合に、これはあくまでも、民間なり、公共事業等の正常なる雇用機会に就業できない場合における、国の政策としての雇用機会をつくつておるわけでございますから、その基準としては、あくまでも普通の正常なる民間の雇用機会に働いておる日雇い労働者の生活条件なり、労働条件というものが、基準にならなければならないというふうに考えておるわけであります。しからば、そういつた民間に働いておる日雇い労働者——これはその日によつて働く場所も違う場合もありましようし、あるいは同じところに一週間とか十日続けて行く場合もありましよう。しかしながら、そういつた日雇い労働者に対しまして、家族手当あるいは年末手当といつたものが、実際問題として支給されておるかどうかということを考えてみますると、私どもの承知しております限りにおきましては、毎日々々雇い主がかわるということもございますので、家族手当を考えて日雇い労働者の賃金を支払うということは、まど一般にはないのではないかというふうに考えておるわけでございます。従いまして、これが民間の正常といいますか、普通の状態であるといたしまするならば、失業対策事業に働いておる日雇い労働者についてのみ、家族手当を考えるということは、相当問題があるのではないかというふうに考えておりまして、労働省としましては、ただいまのところ、この失対事業の就労者に対して、家族手当云々ということは、考えておらないのでございます。
○受田委員 これは期末手当の問題にも関連するのですが、まる一箇月ずつと通して働く人には家族手当があり、区切つて働く人にはそれがないということになると、収入のない家族が多くかかえて、失業者として暮す人の苦痛というものは、はかり知れないものがあります。そういう場合に、生活保護の適用を受ける人々は、そうした扶養家族が一人々々計算されておるが、こちらの方は計算されてないという矛盾があるので、労働省としても、労働政策の上から、ずつと月を通しての勤労者と比べ、日雇い労働者のように、月に二十日ないし二十一日働く人々に対して、家族手当とか、あるいは期末手当とかいうものを、その就労日数に応じて出すような、そういう一つの政策をお考えになつておく必要はないかと思うのであります。それを一言申し上げておいて、私の労働省に対する質疑を終ります。
○赤城委員 関連して簡単にお尋ねしたいのですが、いろいろ対策に努力中のことはわかりますが、出先機関の日雇い労働者に対する扱い方ですが、非常に扱いが不親切だという声が、方々から出ておるわけなんです。四百二十の安定所があり、百二十の出張所もあるのですが、その窓口が非常に不親切だ。たとえば千葉県の職業安定所の岩崎という労働課長などは、非常に扱いが不親切だというわけで、日雇い労働者が大挙陳情して来ている。陳情に来たから、その課長の扱いが悪いとは考えませんけれども、そういうような窓口の扱い方を、もつと思いやりのある方法を考えたらどうか。そうでなくても、日雇い労働者はデスパレートな気持になりがちで、そういう窓口扱いがひどいとなると、激昂したりして、行政上まずいことが多いのであります。そういう点をよく御考慮願いたい、こういうことであります。
○川島委員長 何か御意見ありませんか、
○澁谷(直)政府委員 ただいまの御意見は、まつたく同感でありまして、私どもの職業安定行政は、御承知のように、これはまつたくのサービス行政でございます。従いまして労働省におきましては、この安定法の施行以来五年有余になるわけでございますが、サービス行政であるということを、関係職員——一万数千おるわけでございますが、末端の一人々々に至るまで徹底させるように、これはもう一年間を通じて努力しておるわけでございます。特に相手が、ただいま御指摘のように、とかく絶望的になりやすい条件に置かれておる労働者でもございますので、そういつたことを十分念頭に入れて、あくまでもサービス本位に行政をやつて行く。御指摘のような点が、今後もないように十分努力したいと思います。
○永田(亮)委員 関連しているわけじやないのですが、日雇い労働者のことにつきまして……。ちようど今ごろ大学生その他が休みになりまして、アルバイトをずいぶんやつておると思う。このアルバイトの学生が非常にふえて来ますと、結局、日雇い労働者の就職の機会というものが、圧迫を受ける結果になるのじやないかと思います。それで冬休み、夏休みの学生アルバイトが非常に盛んになつて来たときに、日雇い労働者が、どういうふうに就職の可能性を減らされて行くか、そういう結果がどういうふうになつているかというようなこと、それからそれに対して労働省の方で何か対策を立てておられるかどうか、そういう点についてお答え願いたいと思います。
○澁谷(直)政府委員 学生アルバイトが、夏休みあるいは冬休みで、非常に多くなるのは御指摘の通りでございますが、安定所で取扱つております日雇い労働者の働き口が、そのために圧迫を受けておるということは、まだ聞いたことがございません。若干はあるかと思いますけれども、そのために労働省として対策を考えなければならないというような事態に至つたことは、承知しておらないのであります。
○永田(亮)委員 たとえば、この間新聞にも出ておりましたがビール会社なんかでビールを運搬するというような肉体労働にまで、学生がアルバイトをして、これを職業安定所で取扱うということになりますと、どうしても、今まで日雇い労働者が働いておつた職場を奪うことになると思うのです。そういうことがないというのは、おかしいと思うのですが……。
○澁谷(直)政府委員 そういう事実があることは、私も当然承知しておるわけでございますが、労働省としては、もちろんそういつたアルバイトとしての学生を、安定所で本格的に取扱つてはおりませんし、また失業対策事業には、当然就労させておらないわけであります。しかしながら、アルバイトする学生が、いろいろな手づるによりまして、そういつた仕事を見つけて働くということを禁止するとか、押えるということには、非常に問題があると思いますし、その面で、それだけは、確かに日雇い労働者の仕事の口が圧迫されることになるわけでございますが、そのために労働省として、何かはつきりした対策を講じなければならないというほどの事態には、なつていないのではないかというふうに考えるのであります。
○櫻井委員 私、人事院総裁にお伺いいたします。近く勧告される給与準則についてでございますが、特に教職員の給与の三本建の件についてお尋ねいたします。この点につきましては、文部省から人事院の方に、何か正式の申入れがありましたかどうか、その点が一つ。
○淺井政府委員 御説の通り、文書をもつて文部省の意見を申して参つております。
○櫻井委員 従来の人事院の御意見は、教職員の給与につきましては、現行の二本建——大学と高等学校以下の教職員、これを堅持されておつたようでございますが、今回、政府の案というものをお取入れになつたかどうか。
○淺井政府委員 ちよつとお言葉を返すようですが、ただいまは二本建ではございません。現行制度は教員の特別俸給表というものが存在いたしませんわけですから、一本建と申しまするか、あるいはないというか、そういうことになると思うのであります。人事院といたしましては、従来、どのようにするかはまだきめてなかつたのでございますが、近く勧告をいたしまする案においては俸給表はわけたい、こういうふうに思つておるわけであります。
○櫻井委員 文部省から人事院に出ました意見書というものの内容を発表願えませんでしようか。簡単に、大筋でよろしゆうございます。
○淺井政府委員 これは官庁間にとりかわしました極秘の文書でございまするから、この席では申しかねますが、文部省の教員俸給表の問題に関する意見ということでございますれば、これは文部大臣その他文部省関係の人をお呼びくだされば、それは申し上げるだろうと思つております。
○櫻井委員 それでは、文部省の意見というものは、ここで質問することを差控えますが、人事院で勧告を考えられておりますものは、大学、高等学校、小中学校、こういうふうな三つの表に出て来るのですか、そういうふうに考えていいでしようか。
○淺井政府委員 御説の通りでございます。
○櫻井委員 そういたしますと、学校種別、いわゆる義務教育の小中学校、それから高等学校、大学というものに差異を設ける、こういうふうに考えてよろしゆうございますか。
○淺井政府委員 その差異と仰せられますところが、何の差異でございますか、それがどの点か仰せがないと、その差異のつけ方にもいろいろございますから、これは一概には申しかねると思います。
○櫻井委員 それでは具体的に申し上げます。同一学歴のもので給与の差異があるのかどうか。それから学校種別によりまして昇給、昇格、この点について差異があるのかどうか。
○淺井政府委員 初めにお断りいたしますが、その点は、ただいま人事院の勧告をいたそうと心得ております案についてでございますから……。それから、もう一つ御了承願いたいのは、大学はちよつとのけて、お答えしていいのじやないかと思います。要するに、中小学校と高等学校との問題としてお答えしていいのじやないかと思います。同一学歴同一給与の原則は決してかわつておりません。昇給昇格についての——昇給昇格と申しますのは現行制度の言葉でございまするが、給与準則におきましては昇格というのはないのでございますから、要するに昇給期間差ということだろうと思つております。それは決してかえません。
○櫻井委員 そうしますと具体的に申し上げまして、たとえば新制大学を出ますと資格があるわけでありますが、新制大学を出まして中学に勤めた場合においても、高等学校に勤めた場合においても、給与は差異がない、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。その点が一つ。それから、その人の昇給する期間、こういうものも差異がない、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○淺井政府委員 人事院の案といたしましては、そのようでございます。
○川島委員長 櫻井君、ちよつと御相談ですが、きようは人事院勧告をいつ出すかということを確かめるのが主でございます。出てから十分審議する問題だと思いますので簡単に願います。勧告案が出たときには、ゆつくりやりますから……。
○櫻井委員 案については、また検討する時期が十分ありますね——。それでは、私の質問は給与準則が出ましてから、また御質問申し上げることにいたしますが、先ほどの瀧本給与局長の、土曜日までには出る、総裁もそういうふうに確認されたと思いますが、そう確認してよろしゆうございますか。
○淺井政府委員 大体土曜日、今週中には出すつもりであります。
○櫻井委員 もう一点、これはベース勧告と別でありますが、例の寒冷積雪給でございます。これは八月三十一日までに勧告なさることになつておりますが、この操作は、ただいまどのような作業状況になつておるのでございますか。
○淺井政府委員 ただいまそういうことで非常に忙しいのでございまして、こういうことを申すと失礼でございまするが、こういうふうにあまりにお呼出しにあずかりますと、だんだんこれが遅れることになるわけであります。 そこで寒冷地手当のことでございますが、これはただいまのところ、まず給与ベースの方を済ませて、それからひとつ考慮したいと思つて、ただいま研究中でございます。しかしこれは八月三十一日に支給いたすことでございますから、それまでにちやんと間に合わすようにはいたしたいと思つております。
○櫻井委員 これから作業をなさると思つておりますが、その場合に今までの不合理是正ということは十分考えて作業を進める、こういうふうに考えてよろしゆうございますか。
○淺井政府委員 その点でございまするが、現在地域給ということも非常に問題になつております。寒冷地手当というものを、だんだん拡張して、第二の地域給のようなことになることは、ぜひ避けたいと思つておりますが、合理的な基準に基きまして、若干の手直し等もあるかと思つております。
○森(三)委員 人事院総裁にお尋ねいたしますが、先ほどから加賀田委員、ただいま櫻井委員からもいろいろ質疑が行われましたが、給与ベースの勧止の時期につきましては、われわれも総裁にしばしばその時期をお尋ねし、またわれわれは非常に早く勧告していただくことを期待しておつたのです。ところが総裁の答弁はいつも、なるべく早くというような、そういう荏苒日を延ばすような答弁をされておりました。しかしこの期に及びましては、先ほど加賀田委員からも、この土曜日までに、はつきりと勧告することを明確にしてもらいたいという希望並びに質疑がありましたが、総裁はその際にも、必ず十八日の土曜日までにはべ一ス・アップの勧告をいたしますと言い切らない。何かあと味の悪いものを覚えるのでありますが、私どもの印象といたしましては、すでにベース・アツプの勧告はもうできているんだ。しかしそこにいろいろな政治的な含みを持たせまして、現在予算委員会では自由党、改進党の、何と言いますか、一つの妥協案ができつつあります。しかしまた予算委員会においては、しばしば野党の委員諸君から爆弾動議も提出されておりまして、非常にジグザグ・コースを続けておる。ここでもつて、またベース勧告を発表するというと、それにからみつけられて、野党委員諸君の質問を浴びて、さなきだに難コースをたどつておるところの予算審議を遅らせるのだ、そういうような御心配を多分に私は持つておられるように見受けられると思う。この私の観測が誤つておるかどうか知りませんが、われわれの委員諸君、あるいは同志の間では、相当そういう印象を受けております。従つて人事院としての性格、その機構の独立性からいつて、あなたの方はあくまで政府の隷属機関なのか、あるいは独立機関なのか、そこを私は、はつきりけじめをつけてもらいたいと思うんです。総裁は予算案の審議とベース・アップの勧告とについて、何らかの関係がそこに生じ、また波瀾でも起きるかということを心配しておられるんじやないかと思いますが、これについて、ここでもつて明確な答弁をせいということは無理かもしれませんが、私はそういう気持があるとするならば、これは非常に間違いでなかろうかと思うのです。その点について、総裁はどういう御意見を持つておられるか。
○淺井政府委員 その点は決して御懸念はないのでございまして、人事院といたしましては、実は今まで遅れたことは申訳ないと思つております。しかしそれは、給与局長からあるいはお答えしたかもしれませんが、本年は従来にない公務員の実態調査等も入りましたために遅れたわけでございまして、実は森さんなどがそういう御心配をなさるものでございまするから、だんだんと新聞等にも、そういうようなうわさが出て参りまして、実は迷惑をいたしておるのであります。人事院といたしましては、できるだけすみやかにやりたいという気持でやつて参りましたし、その気持はちつともかわらないのでございます。
○森(三)委員 総裁はなかなかおもしろい御答弁をされましたが、これは私が考え出したものだか、あなたの方がそういうふうに考えておつたものだか、またあるいはニュース・マンがそう考えたのか、それはわかりませんが、それはお互いの考えることは自由でありましても、やはり人事院としては独立不覊の機関として早期にやることが、これはもう一般公務員の熱望であります。その熱望にこたえるという——あなたが誠意を持つておられる以上は、私はもつと早く勧告ができたのじやなかろうかと思うのです。しかるに、あなたが早く勧告すると言つて、いまにも勧告するような答弁を、ままやつていらつしやるから、われわれはそういう印象を深めて行くのであつて、それは火のないところに煙は立たないと言いますが、あなた自身にも責任があつて、顧みて私になすりつけるようなそういう御答弁は、いささかお門違いじやなかろうかと思います。こんなに火の手が上つているというのは、あの人事院の建物の中にあると私は思うのでありまして、ちよつと方角が違つておるのじやなかろうかと思います。しかし、今そのような水かけ論を申してもしようがないと思うのですが、この期に及びましては、先ほど加賀田委員からいろいろ質問がありましたが、あなたがほんとうに十八日までには間違いない、それだけの確信を持つて御答弁されることを望んでやまないのですが、この点いかがでしようか。
○淺井政府委員 御趣旨に従つて善処するつもりでおります。
○森(三)委員 それから、新聞等には一万五千五百円程度の勧告をするとか、あるいは一万六千円ぐらいの勧告をするということが出ておりますが、その額等については、当委員会において、もう固定しておる問題でありますから、私は御発表になつてもいいのしやないかと思うのですが、その点いかがですか。
○淺井政府委員 ちよつと、こういうことを今申すと、森さんにまたお叱りを受けるかもしれませんが、通し号級表が、まだちよつと最後の仕上げをしておりません。但し大体の見通しは申し上げることができると思います。それは一万五千五百円に近い数字になると思います。
○加賀田委員 一万五千五百円の給与ペースの勧告が総裁によつて発表されたわけですが、これに関連して、期末手当の増額も前の人事委員会で総裁は、増額されるような方向に動くだろうという発言があつたわけですが、この期末手当は現在〇・五、六月と十二月になつておりますけれども、これに対して増額の大体の見通しを発表願いたいと思います。
○淺井政府委員 それを今日まで申しませんのは、民間同種の給与がどうなつているかということでございます。これも調査は大体完了しておりますが、大体のところ、ただいま人事院といたしましては、勤勉手当と期末手当を合せて現行が一・五になつております。これを年間通して〇・五ぐらいは増額の必要があると認められております。
○受田委員 この勧告はいつから実施するように勧告をなされようとしておるのか、ちよつとお尋ねしたいと思います。
○淺井政府委員 その点は実はまだきまつておらないのであります。その理由は、これまでベース・アップの勧告だけの問題でありまして、今度は給与準則と一緒になつておるものですから、この給与準則を遡及して適用することができるかどうか。給与準則全部の遡及適用になつて参りまするので、非常にその点が問題になつておりますが、これも急速にきめたいと思つております。
○受田委員 そうすると、この二、三日に急速におきめにならなければならないことがたくさんあるわけで、ずいぶん御苦労をなされるだろうと思うのですが、私たちは今、森さんが言つたように、できればこの二十八年度の本予算の中へ入れて、これを解決しておきたかつたのです、もう数日のことで解決する段階になるのが、衆議院を予算が通つてしまつて勧告されたのでは、これはあとの祭りと言いますか、たいへん失望されるのです。そしてまた次の補正予算というようなことになると、いつのことになるやらということで、公務員の心理状態は非常に不安になつて来ると思う。今まで、何月よりこれを実施するという勧告はつくられたけれども、その通りになつたためしは、ただ年末手当が一ぺんあるだけで、あとは勧告通りに行つたことはない。従つて、この点人事院勧告が、はなはだ権威なきものになつて、今まで何回か勧告されたものが、ずつと後になつて、忘れられたころに人事院勧告を取上げて、政府が予算を出すというようなことになつたのです。従つて、今度もこれが衆議院で本予算が通つてしまつて勧告されることになるというと、どうしても補正予算として先の問題になつて来ますから、事実上公務員の手に渡ることは、前途がずつと延ばされるということになるので、私はできれば、もうきようあたりくらい勧告していただければ、今、自由党、改進党の予算調整がまだされているのですから、これを加えておけば非常にいいのじやなかろうかと思うのです。従つて何とかひとつこの点、政治的な圧力のもとに人事院が動くという印象をこの際払拭するためにも、浅井さんはこの点においては、天下の人がその御人物、御手腕をちやんと知つておるんですから、政府に気がねなさらぬで、勇敢にやつていただきたい。この点、私は人事院の権威を保つためにも、総裁にその人を得ていることを天下に確認させるためにも、どうしてもこの際がんばつていただきたいと思つております。従つて、この国会のうちに予算が組まれるように、人事院総裁としても全幅の努力をするという条件つきで、私はきようは質問を終ります。
○川島委員長 本日はこの程度で散会いたします。 次会は追つて公報をもつてお知らせいたします。 午後零時十分散会