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16回国会衆議院1953/06/18

厚生委員会 第3号

発言数
50
登壇者
10
会派数
4
開催日
1953/06/18

会議録

小島徹三改進党

○小島委員長 これより会議を開きます。  まず理事の互選についてお諮りいたします。理事山下春江君が理事の辞任を申出られておりまするので、これを許可し、その補欠選任に関しましては、委員長より指名することにしたいと思いまするが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小島徹三改進党

○小島委員長 それでは御異議なしと認め、山下君の理事辞任を許可し、その補欠には古屋菊男君を指名いたします。     —————————————

小島徹三改進党

○小島委員長 次にと畜場法案、民生委員法の一部を改正する法律案、食品衛生法の一部を改正する法律案、以上三件を一括して議題とし、審査に入ります。まず中山厚生政務次官より、趣旨の説明を聴取したいと存じます。中山厚生政務次官。     —————————————

中山マサ自由党厚生政務次官

○中山政府委員 ただいま議題となりましたと畜場法案につきまして、提案理由を御説明いたします。屠畜場は、食用に供するための、獣畜の処理が行われる施設でありますので、食肉の衛生を確保いたしますためには、屠畜場に対しまして十分な衛生面の監督が必要でありますとともに、一才環境衛生の見地からも、屠畜場の経営が衛生的に行われることが必要と考えられるものであります。このような意味におきまして、屠畜場及び食用の目的で行う獣畜の処理に関しましては、明治三十九年に制定されました屠場法によりまして今日まで必要な規整をして参つたのでありますが、この間屠場法の部分的な改正はありましたが、本質的な改正を見ておりませんので、今日の社会情勢に適合しない点が存するのであります。たとえば最近の農村の家畜の増産に伴いまして屠畜場の適正な普及をはかることが必要と考えられるのであります。従いまして今回、現行の屠場法を廃止いたしまして新たにと畜場法を制定しようとするものであります。  現行の屠場法におきましては、屠畜場は公営の大屠畜場を原則的なものと考えておつたのでありますが、新たに簡易屠畜場の制度を設けますとともに、従来の公営主義の考え方を改めまして、衛生上支障のない限り、屠畜場の設置の道をできるだけ広くしますことが、まず第一に必要であると考えられるのであります。  次に屠畜場以外の場所で、食用の目的で獣畜を処理することができます場合を、法律で明定いたしますとともに、この場合におきましても、都道府県知事が公衆衛生上必要な指示を与えることができるようにしまして、獣畜の処理が衛生上適正に行われるようにしたいと考えるものであります。  さらに、屠畜場において行われます屠畜検査員の検査を受けていない食肉等を販売の目的で譲り受けることを禁止しまして、食肉の安全をはかりたい所存であります。その他屠畜場の監督に関する規定の整備をはかる等所要の改正を行う必要があると考える次第であります。  以上、この法律案を提案いたします理由を御説明いたしました。  次にただいま提案になりました民生委員法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  改正の第一点は、民生委員の職務につきまして、福祉事務所その他の関係行政機関に対する協力関係を明確にしたことであります。すなわち、昭和二十五年の生活保護法の改正によりまして、民生委員は、同法の実施について補助機関から協力機関に変更されたのでありますが、現行の民生委員法におきましては、この点が必ずしも明確であるとは考えられませんので、今回民生委員が福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力することについて、特に明文の規定を設けることによりまして、両者の職務内容と責任分野との明確化をはかることにいたしたのであります。  また、これと関連しまして、生活保護法第二十二条に規定する「求められたとき」の字句が、社会奉仕者としての立場から進んで保護指導の実施に当つております民生委員の積極的意欲を冷却するおそれがある現状にかんがみまして、今回、これらの字句を削除し、民生委員が自発的に協力できるようにすることによつて、生活保護事務の円滑適正な実施に遺憾なきを期することにいたしたのであります。  改正の第二点は、民生委員推薦会の組織を改めたことであります。すなわち、民生委員推薦会は、従来、市町村の議会の議員、社会事業の実施に関係のある者、学識経験者をもつて構成されていたのでありますが、このような方法では社会福祉の各分野の意見を十分代表するような適任者が必ずしも委嘱されないうらみがありましたので、今回の改正におきまして、推薦委員会の委員を広く社会福祉全般の代表者の中から委嘱できるように、その範囲を具体的に明示するとともに、その定数を各分野についてそれぞれ二名以内とすることにいたしたのであります。  第三点といたしましては、民生委員協議会の任務中に福祉事務所その他の関係行政機関との連絡に当ることを附加するとともに、市町村の区域を単位とする社会福祉関係団体、すなわち市町村社会福祉協議会の組織に加わることができることとし、民生委員協議会が地域社会における社会福祉の積極的増進に広い視野に立つて活動することができることとしたのであります。  第四点は、常務委員及び常務委員協議会に関する規定を法規上削除し、すべて民生委員協議会の自主的運営にゆだねることにした点であります。  最後に、民生委員事務所を廃止したことであります。  なお、このほか民生委員の改選が全国一斉に行われるようにするため、補欠による民生委員の任期は、前任者の残任期間とすることに改める一とともに、現在の民生委員の任期は本年十一月末日に終るものとする経過措置を講じた次第であります。  以上がこの法律案の概要であります。次にただいま議題となりました食品僻生法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。今回の改正は、輸入食品による危害を防止するため、衛生上有害のおそれりある食品の輸入を禁止し、食肉については、相手国政府発行の証明書の添附されたものでなければ輸入してはなりないこととし、これらに違反して輸くされた食品につき必要な行政処分を行うことができるようにしようとするものであります。すなわち、戦後食糧加給の逼迫した際に輸入されました食用中には、衛生上いかがわしいものがかなりあり、このため多くの中毒その他の事故の発生を見たのでありますが、食糧需給のほぼ平常化したと考えられます今日におきましても、なお相当量の衛生上不良な食品が輸入されている現状であります。この輸入食品による事故を防止いたしますためには、それを流通、消費の段階において監視することも必要でありましようが、輸入食品は、もともと国内産の食品と異なり、製造、加工等の段階において、わが国の監視を受けていないものでありますから、これだけでは不充分であります。どうしてもその輸入時に十分注意して衛生上不良な食品を輸入しないようにするとともに、万一、衛生上不良な食品が輸入されました場合には、ただちに適当な措置をとることが必要であり、かつ、能率的であると考えるのであります。  また食肉等は、人畜共通の疫病の感染源となる危険性が強いものでありますので、国内においては、すべて屠場におきまして厳重な検査を経ておりますが、輸入食肉等につきましては、わが国においてこのような検査を行うことができませんので、同様な検査の結果安全であることを相手国に保障してもらう必要があると考えるのであります。  以上、提案理由につきまして御説明いたしましたが、何とぞ慎重に御審査の上、すみやかに議決あらんことを切望する次第であります。

小島徹三改進党

○小島委員長 これをもつて三案の政府提案理由の趣旨説明を終りました。  次に質疑の通告がございまするからして、これを順次許します。山下委員。

山下春江改進党

○山下(春)委員 と畜場法について政府にちよつとお尋ねいたします。このと畜場法の一番大切なところは第四条だと思うのでありますが、政令案のこの基準内容は、ここに基準要項はございますが、これではちよつとはつきりいたしかねるのであります。たとえば二町村組合が簡易屠場を建てるといたしましたらば、構造はこの基準によるといたしましても、具体的な経費はどのくらいかかるものでございましよう。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 お答え申し上げます。簡易屠場につきましては、私どもは建物の規模といたしまして二十坪程度を考えております。従いまして建築費その他を合せまして約五十万円程度で事が上ると存じます。  次に一般屠場につきましては、都市の規模その他によりまして大小さまざまでありますので、一概に申されません。

山下春江改進党

○山下(春)委員 経費はそれでわかりましたが、「許可を与えないことができる」というのの中に、「人家が密集している場所」ということがたいへん困るのでありますが、山の中につくるわけにも参りませんし、割合に便利で、人家があまり密集していない所というと、まあ農業協同組合の所あたりになるのでございますが、そういう場所を選びましても、さしつかえないかどうか。「二」の問題は当然ですから、これもあまりやかましく言うこともないと思いますが、「三」の「その他都道府県知事が公衆衛生上危害を生ずるおそれがあると認める場所」こういうことをあまりしぼつて行くと、結局この法律がないと同じになるのでございますが、その辺はどの程度に押えておるのでございましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 この趣旨は、元来が屠場の適切な普及をはかりまして、農村の畜産の振興にも役立てようというのが趣旨でございます。従いまして、施設が衛生上最小限確保されておりますれば、人家の密集というものはさほど問題にはなるまいと存じます。なおきわめて極端な場合を除きましては、環境上都道府県知事がこれを不許可にするということも実施いたさぬ方針でございます。これはよくよくの場合というふうにお考えを願いたいと思います。

山下春江改進党

○山下(春)委員 そう御解釈を願えれば、それで大した不便が起つて来ないと思うのでありますが、もう一つお尋ねしたいことは、この獣畜を屠殺する場所の検査員、これは都道府県の公務員が当ることが最も好ましいのでありますが、この人員を相当増加する場合、その都道府県の公務員では足りないという場合があろうかと思います。そういう場合に、町の獣医その他を採用するというような場合の採用基準、要すれば、私は検査員の給料がそういう農民の負担にかからぬような方法をとりたいと思うのでありますが、その点に対して政府はどういうようにお考えになりますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 お答え申し上げます。ただいま御指摘のように、今後屠場が普及いたしますと、勢い検査員の増加が要求されて参ります。その場合、従来は吏員のうちから、つまり公務員のうちから選ぶということになつております。ところが今回の改正によりまして、職員のうちから選ぶということに改めました。職員のうちから選ぶということは、要するに民間の獣医師等を県の非常勤の職員、つまり嘱託等の措置を講じまして、吏員でなくても、屠畜検査員に任命される処置を講じたい。まつたく御趣旨の通りだと思うのであります。

山下春江改進党

○山下(春)委員 その点がわれわれの期待するような方法で運営されるならば、たいへんにけつこうだと思います。これが今のところ簡易屠場の負担の上に一番大きな問題になつていると思いますから、その点はぜひ今御説明のように運営願いたいと思うのであります。  それから最初の建設に対します五十万円程度のこの費用に対しては、厚生省あるいは農林省あたりから多少の援助の方法が講じてございましようか。一般農村で希望者が建設するようになつておりましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 厚生省といたしましては、目下補助金もございませんし、助成の道を考えてございません。但し起債をあつせんすることにつきましては、自治庁、大蔵省と極力努力をいたしまして、今後も従来通り起債の獲得に努めて参りたいと存じます。なお助成金につきましては、目下農林省におきまして若干の助成金があるかに聞いております。一方都道府県におきましても、非常に養豚の盛んな地帯におきましては、県の独自の予算として若干の助成金が出るように聞いております。

山下春江改進党

○山下(春)委員 御説明によりまして、厚生省の方としては予算もないから助成の方法がない。農林省で若干するかもしれないが、一起債のあつせんをする。今御説明を聞きましたように、二十坪で五十万円ですから、大したこともないようでございますが、要するに、この簡易屠場法を日本中で最も歓迎して、これが活用されるであろう、またさしてやりたいと思うのは、まことに辺鄙な貧弱な農村だと思うのであります。そこでこの建設資金はわずかな金額でありますが、これが負担に耐えかねて、この簡易屠場法による建設が遅れるというようなことになりますれば、国民の食生活の改善の上からいつても、すべての、体位の向上の上からいいましても、最も憂慮しなければならない農山村に普及したい施設でございますので、厚生省としましても、あとう限りわずかな助成でもよろしいから、助成のできるように、なお農林省、大蔵省とも極力連絡をとつていただいて、すみやかにこういうものが建設できるように、ぜひひとつ格段の御努力を願いたいことを希望いたしまして質問を終ります。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 目下来年度予算の編成中でございまするが、私どもといたしましては、農山漁村の生活環境の健全化という建前から、あるいは簡易水道、あるいはただいまお話の簡易屠場というものの経費を予算化して参りたいと努力をいたしております。

小島徹三改進党

○小島委員長 長谷川君。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 私は食品衛生法の一部を改正する法律案について伺いたいのであります。本改正法案をお出しになりましたについては、輸入食品につきまして衛生上相当有害なものがあつたと思うのでございます。たとえば昨年黄変米等の問題がありましたが、食肉の方でもそういうような実例が相当あつたのでございましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 お答えを申し上げます。事件のおもなものを拾つてみますると、昭和二十二年に東京、埼玉、群馬におきまして、約四千名の患者を出しました大豆粉による事件がございました。その翌年の昭和二十三年におきましては、東京、大阪等におきまして、患者が約一千名、死者四名を出しましたビルマ豆による事故がございます。昭和二十五年から二十六年にわたりましては、長野、秋田、大分等の各地方におきまして、学校給食用に用いました脱脂粉乳によりまして、かなりの患者を出しました。これらを総合いたしますと、ただいま御指摘の食肉によるものは、食肉の輸入がきわめてわずかでありました関係で、現在まで事故を起しておりません。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 全国に配給されておりまする脱脂粉乳等で、酸化しているものがあるやに伺うのであります。これらの検査はどういうようにいたしておるのでございましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 輸入食糧は、脱脂粉乳に限らず、現在は各港に国の検査員が駐在しておりまして、この検査員が抜取り検査をいたしております。従いまして脱脂粉乳につきましても、抜取り検査の結果、著しく不良なもの等につきましては、これを廃棄処分に付しておるわけであります。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 すでに配給いたしました脱脂粉乳等の検査はどういうようにいたしておりましようか。相当酸化しておるものが各学校にあるということを聞いておるのでありますけれども、いかがでありましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 現在はたとい不良食品でありましても、現行法におきましては輸入そのものはできる建前になつております。そこで私どもといたしましては、これを国内の食品と同じように抜取り検査をいたすわけでございます。従いまして抜取り検査に漏れましたものは、結局配給まで進んでしまう。そこで悪いものが配給された場合どうなるかと申しますと、これはやはり国内食品の一環といたしまして配給せらるべき食品でありましても、検査をいたしますので、もちろん学校用として配給されたものも、遠く現地に参りまして、その現地の検査員がこれを検査いたしまして、悪いものはそれぞれ適当な処分をいたしております。  なお、現在学校に配給されましてから発見したような例も、決して少くはございません。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 そこで輸入食品の検査員は、どれくらい定員がございましようか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 現在各港に駐在しております者及び試験検査の機関に従事いたしております者は、三十八名でございます。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 常識から申しまして、三十八名ではとうていできないと思うのでありますけれども、この法律の改正案をお出しになります以上、定員の改正をしなければならないと思いますが、その点についてはどうおえになりますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 私どもは、御指摘の通り、輸入食糧につきましては、全品検査をいたしたいのでございます。しかしながらこれにはかなり厖大な職員を要しますので、目下の計画といたしましては、予算の許す範囲内におきまして職員の増加を要求し、やはり抜取り検査をもう少しく手まめにする程度よりやむを得ないのではないかというように感じております。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 昨年黄変米の事件があつて、相当にやかましい問題でございました。またただいま伺いますと相当輸入食品による被害が多く、ときには死者も出ておるようでございます。で、すでに黄変米にいたしましても、その他のこういうようなただいまお話いただきましたような件につきましても、それがすでに内地に配給されてしまつてから、こういう被害が出ておるのであります。この際定員法の改正をいたしまして、定員を十分増加いたしまして、かかる危険のないようする必要が多分にあると思います。こにの点について私は、厚生省がただいま申しましたような消極的なことでなしに、ひとつ積極的に法律改正、定員法の改正等をなされんことを希望いたします。私の質問はこれで終ります。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 ちよつと関連して……。部長にお尋ねいたしますが、ただいまの政府との御問答を承つておりますと、抜取り検査をやつておいでになる。そこで、品物を入れる方と、もらう方の立場を考えるとき、日本側での抜取り検査というものの程度は、向うですぐわかるでしようし、だからああいう不都合なことが起つたのではないかと思うのです。長谷川委員は御了承になつたのかどうか知りませんけれども、私は抜取り検査については、国民の生命にかかわる問題ですから、了承しがたいのです。ですから、これはもつと徹底的な方策を講じてもらつて、慎重を期してもらわないと、食品ですから、主婦、子供の立場からいつて、政府がこの際食品衛生法の一部を改正なさるに加えて、予算的措置をなさつて、少くとも港に配置してある三十八名程度のものを十倍ぐらいにしなければ、われわれの常識で考えてみて、始末がつかないのではないかと思うのです。部長は、どうせ予算がとれないのだから、丁寧にやりますというぐらいにしておかなければしかたがないとお思いになつたのだろうと私は思いますが、これは徹底的にやらなければいけないと思うのです。それをやらなければ、食品衛生法の一部を改正しても、名目をかえただけであつて、係官をふやさなければ意味がないのです。ですから、予算措置について、たとえばこの法律改正にあたつて、どの程度までの努力をなさるか、その程度によつては、私たちは女、子供の立場から大いに政府に当りたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 現在輸入食糧の全品検査をいたしますと、約百六十名の増員を必要といたします。従いましてただいま御指摘のように、実は当初百六十八名案を立てまして努力をいたしましたが、微力にいたしまして遂に目的を達せず、はなはだ申訳ないと思つております。なおしかし御指摘のように、重大な問題でありますので、現在は他の仕事を若干押えましても、輸入食糧の検査に努力いたしております。現在は米麦等の主要食糧につきましては、約半数は抜取り検査の対象になつておる次第でございます。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 しつこいようでありますけれども、今はなくなりましたが、私たちが台所にもらうところの南蠻の粉とか米などは、虫がぞろぞろとはつておつたものです。当時から政府に対してずいぶん憤慨したものですが、占領下やむを得ないというようなあきらめもあつたように思うのです。けれども、対等の立場において、国際場裡に出て日本が商売できるようになつたのでありますから、今までのような政府の態度では、私は非常に困ると思うのです。もちろん抜取り検査をなさつて、品物が不合格であるならば、堂々と向うに突き返すということに異議ないように政府ではお考えになつておると思いますけれども、今まで占領下やむを得なかつたといえども、抜取り検査の結果、これはちようだいすることができないといつて御返上になるとかいうことは許されないで、もう一時これは絶対に日本の港で文句を言えないようなときがあつたと思います。これは見返り物資とか援助物資という名目でもらつたのでやむを得なかつたかもしれませんが、独立後の今日、そういう押しつけられた文句を言えないようなものでなしに、抜取り検査を係官三十八名でやつた結果これは入れることができないということで、外国にお返しになつたトータルが、当然部長にあるのじやないかと思いますが、いかがでございますか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 現在の法律はまことに残念ながら、検査の結果悪いものだと思つても、みすく輸入しなければならぬ。そこで今回法律の改正をお願いいたしまして、悪い食糧は輸入を拒否する、国内に入れないという改正を、今回お願いをいたしておるわけでございます。しからば、今まで検査の結果悪かつたものもやむを得ず輸入されてしまつた、こういうものをどうしておるかというと、これは必ず農林省と相談をいたしまして、たとえば米であるならば、その程度によりまして、みそ用にするとか、しようゆ用にするとか、あるいはアルコール原料にまわすどいうように、他に転用をはかつております。従いまして従来まで検査の結果悪いと思つたものは、農林省と大体詰がつきまして、処分をされておるわけでございます。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 私は、これは部長が非常に大切な責任を持つておいでになると思いますから、特に申し上げておきますが、現在日本の農民が産するところの米は、絶対量で二千万石以上ふえなければ食糧自給ができない。そこでその買わなければならない、売りつけられるにひとしい米麦に対して国内の農民が産するところの米は一等だ、二等だといつて、きびしい検査をして、税金をその中から巻き上げて、きびしい検査の結果、輸入食糧よりも石当り千円ないし二千五百円安いものを農民から買い上げておいて、外国から高いものを買つておきながら、許されないがゆえに、それを二流品、三流品に落して、もらうときには一等品でもらつておいて、食えないから、しようゆにする、酒にするというようなことで、国民の税金を濫費しておることは、私はまことにけしからぬと思います。この額は非常に大きいですよ。こういうロスがあるからこそ、国民が徴税に苦しみ、食糧自給ができないで、やみ屋が横行するのだと思います。二千万石の外国輸入食糧というものは、非常な国民の出血になるところのものである。それを品物が悪くても泣寝入りをして、二級品、三級品に引下げて、およそ不合格なものは食九ないから、農林省と話合いの結果、よそに転用しておる。その間の金をどうするか。何百億になるでしよう。こういうことはけしからん。これは税金を納める国民の立場から、また孜々営々として米をつくつてもなお食糧日給ができない農民の立場からいつて、まことに憤慨すべき問題だと思う。こういう問題が必ずあつたろうと思つたから、私は今あなたに御質問申し上げるのです。ひとつこの問題については、この法律をわれわれ委員会が通す通さないということは別問題といたしまして、徹底的に大蔵省、農林省、厚生省の立場について、われわれはこの委員会においても糾明しなければ、国民に対して済まないと思いますが、この問題を部長の方でお心得おきを願いたいことを申し上げておきます。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 輸入問題は農林省、厚生省、あるいは外貨の関係で他の省というように、いろいろにわかれておりますので、ここで私責任をもつてお答えできる所管事項以外の点については、お答えできないことをはなはだ申訳なく思つております。

堤ツルヨ日本社会党(右)

○堤(ツ)委員 しつこいようですが、中山政務次官を迎えたので、もう一つ申し上げます。消費側の主婦の立場というものは、中山政務次官も大阪のまん中でございますから、よく声をお聞きになつておると思います。日本が外国から買つたところの輸入食糧というものは、消費側の都市においてはいかほどこれを忌みきらつておるか、そしてこれの配給辞退さえも幾たび起つたかということは、つぶさにわれわれ主婦が知つておるところです。日本政府の手落ちによつて、こういう味ないものを食べさせ、また配給されたものはまだましであつて、なおしようゆその他に向けられておるというようなことがありますことは、私は遺憾にたえないと思う。政務次官きようは御出席でございますから、これは農林省並びに大蔵省と、大臣並びに政務次官の立場において御連絡になつて、一部長の問題でなしに善処していただきたい。年間何百億の国民の損害であると存じますので、ひとつ御認識願いたいということをお願いいたします。

中山マサ自由党厚生政務次官

○中山政府委員 ただいま堤委員のお言葉でございますが、まことにごもつともな御言い分であろうかと私も拝聴しておるのでございます。主婦の立場から、輸入米などいろいろな点でただいままで残念なこともなかつたとは言い切れない点もあるのであります。いわゆる完全独立をいたしますまではいろいろな段階があろうかと思いまするので、今日こういう法案が出ましたということは、それを深く認識をいたしまして政府が厚生省に命じましてこういうものを出した、このことはどうぞ御了承を願いたいのであります。盲でないからこそこういうものをこの委員会に提出をいたしまして、皆様方の御採決を仰ぎ、そういつたことを防止しようという政府の努力のほどはお認め願いたいと思います。私もお申出の通りそう閣議とも連絡をいたしまして、これまでいろいろな点があつたことも調べて参りますし、こういうものが出ますと、今の御心配はすつかり霧のごとく消えて行くかと私は思つておりますから、どうぞ御安心願いたいと思います。

中野四郎改進党

○中野委員 きようは委員会の初めての日ですからくどく伺う必要はないと思います。逐次また委員会の開催されるたびに伺つて行くといたしまして、民生委員法の一部を改正する法律案の内容について二、三点疑義をお尋ね申し上げると同時に、私の希望も申し上げてみたいと思うのであります。まず申し上げておかなければならぬことは、私は実は長い間東京の民生委員長を仰せつかつてやつておつた一員で、民生委員としての運営の方法に相当大きな疑惑を持つている一員であります。そこで今度の改正案の内容を見ますと、協力関係を明確にしたことと、特に明文を規定して今後のあり方をはつきりした点、これは私はある程度まで了承できるのです。しかしここに一点問題がありますのは、民生委員の推薦会が委員若干人でこれを組織することとなつておりますが、その内容を見ますと、市町村長がこれを委嘱する、市町村の議会の議員とか民生委員、あるいは社会福祉事業の実施に関係のある考とか、市町村の区域を単位とする社会福祉関係団体の代表者、これが問題なのです。従来民生委員というものは、ややともするとその本質が誤られて、何か弱い者をば、気の毒な者をば救つてやるんだ、おれはそういう役目にいるんだというような観点に立つおそれが多分にあつた、それがだんだんと自覚をもつて改められて来たことはたいへんけつこうなことでありまするが、この民生委員の人選の方法についてはよほど考慮をしないと、法律の面だけにおいてはなかなかその徹底を期すことは難儀であります。特に私が今指摘いたしました推薦会の場合は、市町村長が、あるいは市町村の議会の議員とか、民生委員とか、あるいは社会福祉事業に関係のある者とかいうような点が多々羅列されておりますが、実質においてはなかなかこれは難儀なことなんです。ややともすると民生委員というものが、誤まつて自分に与えられた職責をば悪い方面に使う面が多いのです。これは私らが東京新宿区の民生委員長を長年勤めて特は痛切に感じたところでありますが、好ましいことではないけれども、これが選挙に悪用されたりないしは弱者に対する一つの威嚇となつたり、何といいますか、昔のちよつと偉い旦那方のやる仕事のような傾向が多分にあるのです。この人選の方法について端的に法文で羅列されたのみならず、厚生省においてはこの法案の一部改正を要求される限りにおいては、どういうような観念を持つておられるか、まずこれを伺つておきたいと思うのであります。

安田巖厚生事務官(社会局長)

○安田政府委員 民生委員の推薦会の構成につきまして御質問がございました。こういう制度は特にどういう人が委員になるかということが何より一番大事なことでございまして、ただいま御指摘のようなことは、私は一々ごもつともだと思います。そういう意味で、私ども従来の推薦会の構成を示したところの法文では不十分な点がございますので、今回のように関係の各方面から適当な人を選べるような、具体的な書き方をいたしたのでございます。問題は、どういうふうに書きましても、実際それでは運用の面におきましてどういう人がなるかということが問題であることは申すまでもございませんけれども、前のような書き方でございますと、いろいろ市町村によりまして、事情によつて偏した構成が出来ると思います。その結果がただいま御指摘のようなことになつたところがなきにしもあらずでございます。これはたいへんむずかしいことでございますので、私どもいろいろ考えたのでございますけれども、大体こういうところが一番適当じやないかと思つて実は法文を作成した次第であります。

中野四郎改進党

○中野委員 要は運用面にあるのです。だから厚生省はどういうような指導的理念を持つておられるかを伺つておきたいのです。端的に言えば、先ほど表明したように、民生委員というものが、何となく一般民生委員にかかり得べき人がよりつきにくいような傾向が強いのです。それからこれは名誉職となつておりますが、この役につくととによつて、相当いろいろな弊害が生れて来ることは、あなた方御承知の通りです。われわれも身をもつて体験しておるのです。従つて厚生省の指導理念というものがどこにあるかを聞きたいのでありますが、それと重ねてもう一つ伺いたいのは、名誉職として給与をどういうふうな取扱いをしておられますか。実費弁償をどういうような方法をとつておられるか。今後はどういうふうにとつて行かれるつもりか、ひとつ伺いたいと思います。

安田巖厚生事務官(社会局長)

○安田政府委員 お答えいたします。どういう人を理想とするかということでございますが、もちろんこういうことについて十分深い理解がございまして、ただいま御指摘もありましたように、こういうものが選挙に利用されるというようなことのないようにしなければならぬ。またあるいは自分の生活がすでに心配であるというような人がこういうところに入つて来ても困ると思います。諸般の点を考えまして、自分がなりたくてなるという人よりは、みながあの人にひとつやつてもらつたらどうかというようなりつぱな人がありましたならば、そういう人を選ぶのが私どもは理想ではないかと考えております。なお現在は民生委員は名誉職でございますので、お話のように給与はございませんので、ただ若干の実費弁償的な手当がございまして、これは平衡交付金に入つております。従いまして、実際具体的にどの程度のものが渡るかということは、府県によつて違つておるような次第であります。

中野四郎改進党

○中野委員 問題は実費弁償の点にあるのです。これは名誉職として民中里員をやりますと、なかなか並たいていのものではないのです。実際上において今の平衡交付金によつて交付される程度の実費弁償金額などというものは、もう微々たるもので、実質上に七いて民生委員がその職責を全うするのはなかなか難儀なことです。こういう点についても厚生省の方で相当指導してよいと思うのです。きようは先ほども申し上げましたように、最初の委員会ですから、実は全国民生委員会の連合会の要望もありますし、それぞれの私らの意見もありまするが、深くは今日ここでは申しません。逐次日にちを追うて私の方から申し上げて行くつもりですが、まず第一番に今申し上げたような推薦会の範囲ですが、昔のように官僚万能という言葉が悪ければ、近ごろ民主政治の時代ですから、そういうことはないと言えばそれまででありますが、市町村長がこれを委嘱する、委嘱しつぱなしですと必ず起る弊害はその人選の方法です。もとよりだれしも、これはひとり厚生省のみならず、一般国民もまた民生委員になる人も好ましい人をぜひ求めたいのですが、なかなかそういう人はいやがつてならない、そういう人を求めようとすればそういう人に対する相当な実費弁償もしなければならぬのです。これなしにただよい人を選ぶということになりますと、やはり昔にかえる傾向がある。法案はまだ提案されたばかりでありますから、私の方も中を熟読玩味いたしまして、いずれあなた方の方に適宜お尋ねを申し上げ、それに対する希望も申し上げるつもりですが、どうか私の申し上げたような点もひとつ脳裡に置かれて、今後の運営に当つていただきたいと思います。

小島徹三改進党

○小島委員長 古屋菊男君。

古屋菊男改進党

○古屋(菊)委員 と畜場法案の第九条の「獣畜のと殺又は解体」に関する条文の、但し、左の場合はこの限りでないというところの、自家用屠殺の場合とか、切迫屠殺の場合、この屠殺の方法はどんなふうにするか、ちよつと御説明を伺いたいと思います。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 自家用屠殺の場合は二通りございまして、屠場外で自家用屠殺をある場合には何ら特別な屠殺上の基準はございません。しかしながらもちろん衛生上不良なことが行われますと、食肉に害があるばかりでなく、環境上からもよろしくありませんので、前もつて届けさせることにいたしまして、できる限り保健所等から係官が行つて、いろいろな点を指導するという建前でございます。従いまして、別にこれという屠殺上の基準はございません。

古屋菊男改進党

○古屋(菊)委員 そうすると、いろいろの処理、跡始末などはどんなようにするのですか。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 屠場外屠殺にいたしました場合は、もちろん適当な場所を選び、汚物の始末あるいは食肉の解体整理、かような点はそれぞれ適当に……。

古屋菊男改進党

○古屋(菊)委員 適当とはどんなふうにするのか、その衛生処理をいかにするかということです。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 屠場外自家用屠殺の場合は、ただいま申し上げましたように、届出によりまして努めて保健所等から専門家の係官が参りまして、取扱いの点を指導いたします。それによりまして安全を期して参る所存でございますが、ただ規則によりますいわゆる食肉検査というようなものは行わないことになつております。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 ちよつとお伺いしたいのですが、簡易屠場の問題については別段大した規定はないというお話でしたが、要綱の一の(2)に、屠場の構造設備の基準というものは政令で定めると書いてありますが、どういうような政令の内容であるか、今わかればちよつと聞かせていただきたいと思います。これは農村に非常に関係があるのです。

楠本正康厚生省公衆衛生局環境衛生部長

○楠本説明員 屠場外自家用屠殺の場合に限つて特別な基準はございませんが、簡易屠場につきましては構造あるいは取扱いについて厳重な規定がございます。そこで施設の点から見まして、どの程度のことを考えておるかという御質問でございますが、一般屠場につきましては一応動物の繋留場、あるいは生きた動物の検査場、あるいは屠室、病畜居室、あるいは検査室、あるいは枝肉の処理場、あるいは汚物の処理場、給水施設、消毒施設、あるいは隔離施設というようなものを考えております。ところが簡易屠場につきましてははるかに規模を狭めて、ただ単に屠室あるいは検査室、汚物処理施設あるいは消毒所というようなものだけを考えておるわけであります。

小島徹三改進党

○小島委員長 他に御質問はございませんか。——他に御質問もないようでありますから、本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。     午前十一時三十六分散会

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