公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第7号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/09/21
会議録
○森委員長 これより会議を開きます。 本日は、最近問題となつておりますところの、去る六月十八日付の、修学のため寮、寄宿舎等に居住している学生生徒の住所の認定について、自治庁通達による学生の選挙権に関する問題につきまして議事を進めます。質疑の通告がありますから順次これを許します。並木芳雄君。
○並木委員 私は、自治庁から出ましたこの通達をきよういただいて、今拝見したのですけれども、先般来新聞ラジオその他の報道で、私たちは、いかにこの問題が波紋を投げておるかということを承知しております。それで私は、そのとき、まさか自治庁がこういうものを突然出すとは想像できなかつたわけなのです。この修学のため寮、寄宿舎等に層住している学生生徒の住所の認定につきましては、ただいまもらつた。パンフレットの別紙にもあります通り、「昭和二一、五、二二地発乙第二五七号各地方長官宛地方局長通牒」というので明記されております通り、原則として、寮、寄宿舎または下宿等の所在地にあるものとするとはつきりいたしておるのであります。昭和二十一年五月から今日まで七年間も続いて来たものを突如として変更するということは、これはそこによくよくの理由がなければならないわけであります。私たちは、不幸にしてそのよくよくの理由というものがよくわかつておらなかつたために、自治庁の通達というものは、まさかこれはほんとうじやないと思つておつたのでありますけれども、この通達を出すに至つたその原因、理由というものをこの際はつきり説明を願いたいのであります。
○鈴木説明員 ただいまお尋ねの点にお答えいたします。学生の住所、従つて選挙権の判定をどういうふうにするかということにつきましては、其実に住所がどこにあるかということを決定する上におきまして非常に問題があるのでございます。ただいま並木委員の御指摘になりました昭和二十一年の当時の内務省地方局長の通達は、当時、終戦後国民の多くは、家を焼かれ、転転として居所並びに住所を変動しているとしか思われない状況でございまして、ことに遊学をいたしておりますような学生につきましては、さようなことがなお多かつたと思うのであります。当時は、ひとり学生のみならず、その他の本来居住いたしまする郷里を離れまして、長期間他の地において働いておりますような者、あるいは寮に入つておる者、修学している者をどういうふうに認定するか、病院に療養中の者などをどういうふうに取扱うか。従来の解釈によりますと、そのような者につきまして、それぞれ具体的に、当人の意思並びに客観的事実からいたしまして、住所を判定しなければならない扱いであつたわけでございます。そのことはすでに司法判例、行政判例あるいは行政実例等におきまして、大体そのような取扱いが長年の慣例として行われて来ておつたわけでございますが、さような戦後初めて行いまする選挙を迎えまして、選挙人名簿の調製の上で何らか実際の実情に即する便宜的な措置を講じない限りは、一挙に編入有権者等もふえまして、二千四百万の新たなる有権者を名簿に登録しなければならないという、そういう大きな事務的負担が加わつて参りました上に、今のような住所認定につきまして、従来通りの、平和時代におけるような調査方式を要求するということは事実困難であるし、かりに調査をいたしましても非常に疑いのある場合が多いというようなところから、ただい庭御指摘の、昭和二十一年の内務省地方局長の通知が出たのであります。この通知におきましては、現在居住しておりまする所、いわば居所と認められるような所でございましても、これは原則としては住所と認定する。もしそれが一々郷里について、あるいは前おりましたような所について認定するということになりますると、非常に困難でございまするので、そういうようないわば一種の便宜的な措置としてそういう通知を出したわけでございます。ところが、その後昭和二十五年の公職選挙法の制定の際におきましては、そのような便宜的措置をとることは適当でないというようなことでございましよう。当国会の御制定になりました公職選挙法の二百七十条の第二項には、その点につきまして、病院とか療養所に長期入院をいたしておりまする者につきまして、そういうような現に入つておりまする所に住所があると推定してはならない、こういうような解釈規定が加わつたのであります。このことは、学生についても本来ならば同じように考えられるべきであつたと思うのでございますが、その後昭和二十六年、すなわち一昨年の地方選挙の関係で、遊学中の学生が郷里に帰りまして投票いたしました場合に、その投票につきまして、これは本来選挙権のない所で選挙権を行使しているのだから、従つてそういう者の参加いたしました選挙は無効である、こういうような訴訟がございまして、その訴訟に対しまして、先般、本年の春でございましたか、仙台の高等裁判所の判決におきまして、それはやはり郷里に選挙権があるのである、従つて郷里において学生が選挙権を行使したのは決して違法ではなく、従つて、それの参加した選挙も無効でない、こういうような判決があつたのであります。この判決は、従来行政上の実例として昭和二十一年以来とつて参りました行き方とはまつたく異なつたことでございまして、各地方の選挙管理委員会といたしましては、この点いかに対処するかということにつきまして非常に苦慮いたし、自治庁等にもしばしばこの点について解釈を徹底してもらいたいということを申し出て来ておられたのでございます。そこで、自治庁といたしましては、この点につきましていろいろ庁内で議を練りました末、ただいま御指摘がございましたような通知を地方に六月十八日に流したのであります。これは九月十五日現在で、御承知のように全体の選挙人名簿が調製せられることになつておりまするので、その名簿調製の時期に間に合いまするように方針を定めて、地方になるべくすみやかに通知をする必要がございましたので、かような通知を去る六月にいたしたのであります。従つて、爾後全国の府県の選挙管理委員会、市区町村の選挙管理委員会におかれましては、大体そういうような方針で、九月十五日現在の名簿をただいま調製しておられるのでございます。 なお、この点につきまして、住民登録法というのがあるのでございますが、住民登録法は、行政上の便宜のため、いろいろ行政上から申しまして、住所が一つの行政の対象になつておりまするので、それを一々別々に調べるということはめんどうであるというところから、やはり行政上の住所を調査するのをできるだけ統合いたしまして、行政の簡素化をはかろうということからできたわけでございますが、この住民登録法につきましても、住所の認定に関しましては、自治庁の選挙部長から通知をいたしました趣旨と同様趣旨の法務省民事局長の通知が、各地方の法務局に通知せられておるのでございます。そういうことで、住民登録につきましても、同様の処置を講ずるようにいたしておる次第でございます。ただ、これらの措置につきまもても、あるいは若干周知徹底の方法が十分でなかつたという点があろうかと存じますが、それらの点につきまして、先般参議院の地方行政委員会等におきましても特に御注意がございましたので、その後鋭意各地方の選挙管理委員会その他に対しまして、趣旨の徹底をはかつておる次第でございます。
○並木委員 ただいまの答弁についても、いろいろ問題がありますが、その点については、あと他の方からもたくさん発言がありますから、そのときの議論に譲ります。私は質問の点だけを確かめたいと思います。 今の昭和二十一年五月二十二日の通牒の第二項の、病院で療養をしておる者の選挙の場所につきましては、公職選挙法二百七十条によつて取上げられて、改正をされてはつきりしたわけであります。ところが、第一項であるところの、修学のために寮とか寄宿舎に入つておる学生、生徒に対しても、もし今の鈴木さんのような解釈で改正をしようとするならば、当然法律で取上げて、法律ではつきりさせるべきであると思うのです。その点が非常に私どもには納得が行かない。もし、今度のような通牒で、今まで七年も続いて来た解釈というものが一ぺんにくつがえされるならば、今までやつていた措置というものは、裏を返せば違法であつた、今までの解釈が間違つておつたということにもなるわけです。従つて私は、政府としてはそこに非常な責任が存在すると思うのです。特に、法律によらずして、いわゆる一片の通牒、通達でこれをなしたとうことについては、よくよくの事情、緊急やむを得ざる事情がなければならなかつたわけでありますけれども、ただいまの御説明では、私どもにはその点が納得行かないのであります。なぜ法律にすることを待たなかつたのか、その点について、これは政治的の責任もありますから、できれば大臣から御答弁願いたいと思います。
○塚田国務大臣 これは、昭和二十一年の五月の通牒の仕方が、行政府の物の考え方として、こういう形で出して行つていいかどうかという点に疑点があるという意見については、私も若干そんな感じがしないわけでもないのであります。はたしてそういう形できめて行つていいかどうか。と申しますのは、通牒が出ましたときの事情は、終戦後の、特に選挙法の改正のときのやむを得ない事情で出た。私もおそらくそうであつたのだろうと思つておるのでありますが、しかし、今度の私どもの通牒は、むしろこういうように二十一年の五月の通牒がやむを得ない事情であつたとは言え、どうもいろいろな法の解釈、学者のいろいろな解釈、それからその後の判例の物の考え方などからして、少し無理があるのじやないか。かたがた、同じようにこの通牒のときに出ておつた病院の入院加療者というものについては、法律もはつきりして来ましたので、これはそのように直す方が正しい、すなおである、こういうふうに考えましたので、もちろん法律によつてやるということも考えられますけれども、法律によらなければできない事柄ではないのではないかと考えておるわけであります。従つて、入院加療者の方の規定の仕方も、そこにあると推定をしてはいけない、こういうように規定がしてあるのでありまして、どこにあるということを法律できめておるわけではないのでございます。ですから私どもも、今度の通達によりまして、あの病院の入院加療者と同じような物の考え方で、通達したところにあるのだというぴしやつと行くきめ方をしないで、現実の事態に即してやれ、こういうようにいたしましたので、こういうものをきめる場合の考え方をこういうふうにやれという程度の指示は、法律によらなくてもいいものではないか、こういうように実は私も考えておるわけであります。
○並木委員 大臣が比較的率直に、今度のやり方については無理があると思うという答弁をしたことは、これはけつこうです。確かに無理も無理、これは大無理なんです。しかも国会はつい一月ばかり前まで開かれておつたのですから、国会にわれわれ特別委員会があつたにかかわらず、そのことを政府の方から申出をしないで、そうして六月十八日です、あの通牒でぽかつと来るということは、天変地変でなければわれわれは納得ができないことなんです。ですから、そこまで大臣がお考えになるならば、一時この通達をストップして、撤回して、この巻き起つておる事態の紛糾をしずめた方がいいのじやないかと私どもは思うのです。そういう御意思はありませんか。
○塚田国務大臣 私が申し上げたことを、少し違つておとりになつておるのじやないかと思うのです。私は今度の措置に無理があつたとは思わないのでありまして、今まで若干無理があつたと思われるものを、今度はすなおに直したのじやないか、そういう無理がどうして出たかということは、これは終戦後のやむを得ない事態のためであつたということではなかつたろうかと私も感じておる、こういうように先ほど申し上げたのであります。今度のことは、先ほど申し上げましたように、当然、解釈と言いますか、むしろ物の考え方、こういう選挙権がどこにあるか、つまり住所がどこにあるかということを考える場合には、型にはまつたきめ方で考えずに、入院加療者の場合にもそのようになつておるように、やはり一つ一つの具体的な問題について判定をして、きめて行け、それだけのことを言うただけでありまして、これは法律によらなくてもいい程度のものなんじやないか、当然行政官庁としておまかせ願える性質の事柄じやないか、こういうふうに考えておる、こう申し上げたのであります。
○並木委員 その点はむしろわれわれが判断すべき点でもあろうと思います。この立法はわれわれがやつたのですから。私はこれは法律を改正すべきだと思う。 そこで私は、衆議院の三浦法制部長にお尋ねいたしますが、いかがですか。今度の通牒は、やはり法律で改正してやるべきだというふうにお考えになりませんか。病院の入院患者の場合と並んで出ておりまする学生の住所の問題ですから、私はそう思いますけれども、この際参考までにお聞きしたい
○三浦法制局参事 この問題につきましては、いろいろ政府の自治庁当局にお聞きになることが多々あると思いま子ので、それらをいろいろお聞きになりまして、この委員会でまたあらためていろいろ皆さんで御審議になりますときに、私の意見でも申し上げるということにしていただく方がよいのではないかと思いますが、いかがでございましようか。
○並木委員 ほんとうに今度の通牒は突然出たので、その突然出した理由というものは納得行かないのですが、一説に、これは政府与党の選挙対策であるということが言われております。これはそうでありますなんて答えるはずはない思いますが、一応われわれは質問しておかなければならない。と同時に、今行われておる学生の一部には、これを純粋の問題として取上げずに、政治的の一つの門戸手段として取上げておるという説もあるのです。そういう点についてひとつ大臣の率直な見解を披瀝してもらいたいと思います。
○塚田国務大臣 これは、通牒が出ましたのは、それまで世間にちつともうわさにのぼらずに、ぽこんと出ましたものですから、まさに突然というふうに世間には感じられておることも、これは事実のようでありますけれども、自治庁といたしましては、そうではなしに、相当長い期間これは考えに考え抜いた結果、しかもいろいろな点を研究して判断をした結果、どうしてもあの時期が、今年の名籍の調整に間に合うのにはぎりはぎりの時期であるというので、あの時期に出たわけであります。従つて、政治的にどうこうというようなことは毛頭ございません。これは、ただ委員会における答弁の普通のあり方としてそういうように申し上げ薫るのではなしに、ほんとうのところとして、そういう政治的な意図というものは、これには何も入つておりませんということを、ここではつきりお断り申し上げておきます。 なお学生の方がそういうように取上げていると思われる節が若干見られないではないのでありますが、しかし、私も学生諸君がそんなふうに動いておるとは信じておりませんので、幾らかそういう感じがする動きがあるという程度で、やはり学生は、学生諸君の立場から、今まで割合に簡単に下宿先で投票されておつたものが、何だか非常に困難になる、不在者投票というような彩で、選挙権の行使が困難になつた、そのことが自分らの選挙権の完全行使に非常に支障になるのではないかというような感じで、善意から反対しておるのであろうというふうに判断しておるわけであります。
○並木委員 長いこと政府は考えておつたということでございますが、それならばどうして八月に終るこの前の特別国会のときに、この問題をわれわれの前に提示しなかつたのか。私の知つておる範囲では全然そういうことがなかつたと思うのですけれども、そうして一箇月そこそこで通牒に至つたということは、ちよつと納得行きかねる。その点の御説明を願いたい。
○鈴木説明員 先ほど大臣から、ただいまお尋ねの点に関しましては御説明申し上げましたように、法律の解釈、運用の問題といたしまして処理できる問題であるというふうに私ども考えておりましたので、従いまして、あるいは事前に委員会の事務局の方あるいは委員長の方に御連絡を申し上げた方がよろしかつたかも存じませんけれども、私どもとしては、法の運用解釈の問題として、従つて政府の責任にまかされておることということで、政府の責任をもちまして処理いたした次第でございます。
○並木委員 この通牒の中に「その学資の大半を郷里から仕送りを受け、休暇等に帰省する者の住所は、郷里にあるものと認められる。」と書いてあるのであつて、「その学資の大半を」というところが非常に問題になると思うのです。学資ということは要するにそのときの生活費というように読みかえることもできると思いますが、そうだとすると、これは単に学生ばかりでなく、ほかにも生活費の大半を他から仕送りを受けている者がいると思うのです。そういうものとの関係はどうなりますか。この点がどうも私どもとしてはわかりにくい重要な点の一つなのですが、お答え願いたい。
○塚田国務大臣 これは住所をどういうぐあいに認定するかということが非常にむずかしい問題だということになつておりますので、いろいろな判例や学説などを見ましても、いろいろな場合においていろいろな条件、いろいろな基準によつて住所がきめられているようであります。それらのものを概括いたしてみますと、ある場合には現実の寝食をどこでやつているか、生活費の出所がどこから出ているか、また勤務先のある人たちは勤務先の関係がどうなつているか、それからまた財産などがある場合には財産などの関係、それから家族がどういうぐあいになつているかという関係、こういうようにいろいろな条件があつて、そういうものの総合判断から個々の場合にはその人の住所がきまる。従つて、住所に選挙権ありとすると、その人の選挙権の所在地がきまる、こういうことになつていると私ども考えているわけであります。 そこで学生の場合には、それらのいろいろなことを頭に置きながら考えます場合に、学生としての身分と、それから今申し上げますようないろいろなことを頭に置いて考えると、やはり生活費が、つまり学資がどこから来ているかということの方が、やはり本人の住所認定に一番大きな要素になるのではないか、こういうので、この通達が一つの最も顕著な事例といたしまして、学資の大部分が親元から来ているならば親元にある、従つてそういう状態の場合には、勢い休暇になれば帰つておられるであろう、こういうことなのでありまして、この条件は非常に特殊な場合の例を示したのでありまして、従つて、かりにこういう事情でありましても、そのほかのいろいろな事情で、親元から学資が来ておつても下宿先に住所がある、従つてまた選挙権があると判定をしなければならないような具体的な事例も全然ないとは否定と切れない。要はその個々の場合における事実認定だと思う。たとえば、こういう場合が一つ例に考えられると思うのであります。なるほど親元から生活費は全部送つて来てもらつている。しかしもうすでに妻帯をしておられる、子供もいるというような学生がありますと、案外その人間の場合には東京に住所がある、従つて選挙権があるという認定が出て来る。またせざるを得ないような場合があるのではないか。ですから、要はその個々の場合について、そういういろいろな住所を認定する基準になる条件を総合判断をしてきめるようにという考え方なのでありまして、そういうようにひとつ御了解願いたいと思います。
○並木委員 個々の場合に生活の本拠がどこにあるかということを認定する、これはわかるのです。それならば、なぜこの一の中へ「学資の大半を郷里から仕送りを受け」などということを入れたのですか。これは私はよけいなものだと思うのです。しかも、今の大臣の御答弁ですと、これは単に一例にすぎないということですけれども、この条文はだれが見たつて「その学資の大半を郷里から仕送りを受け、休暇等に帰省する者の住所は、」ということで、これは個々にあげた一例ではございません。重要な要素になつているわけです。ですから、これはすなおに読めば、私はこの点はどうしても削除してもらいたい。これが今非常な紛糾の原因になつているわけです。前の二十一年の五月二十二日の通牒をお読みになつても、決してそういうことの条件がついておりません。「下宿等に居住している学生、生徒の住居は、原則として」で、何もほかのことはない。すなおに書いてあるわけです。学資をどこから受けているとか、どうの、こうのということは入つておりません。それとの均衡から考えても、この内容は実におかしな内容なんです。ですから、これを改正してもらいたいことと、それからもう一つ、どうしてもこの通牒はしばらく撤回してもらいたい、そうして法律の改正まで待つてもらいたいが、この点について大臣の御答弁をお願いいたします。
○塚田国務大臣 これは、先ほど住所認定の基準として幾つか申しました中の、生活費がどこから出ているかという一つの基準に当る場合でありまして、私はこういうような基準に該当する場合には、大体その者の住所は、今の現実の判断からしても、親元にある。十のうち八、九はある。まれにそうでない場合があり得る。従つて住所か親元にある最も顕著な例の一つとして、これはあげてもさしつかえない。大体このように判断願つて、もしそうでないという判断の下せそうな場合があれば、その場合は特殊な場合と思われるからして、その場合に検討して、そうでないという判定をする必要があればすればいい。ですから、非常に顕著な一つの例示をする場合の例にとつたわけであります。例示をするとすれはこういうものでもとらなければならないというようなことになるわけであります。従つて、そういうような考え方でいたしましたので、もともとこれは行政府の判断におまかせ願える程度の事柄でありますから、まあ国会におきまして別の御判定をなさるというならば、これはまた別でありますけれども、行政府当局といたしましては、今通牒の実施を一時中止しておくというような考え方は持つておりません。
○並木委員 私たちは、国会として独自な立場から別個の判定をしようとしておるわけなんです。どうしても私はこれが理解が行かない。それから、生活の本拠はどこにあるかということを政府のお役人の方で調べるということは、かなり非民主的なやり方だと思うのです。選挙権、どこで選挙するかということの基準というものは、本人の意思というものを尊重すべきだと思う。それをこつちから行つて一戸々々調べて行くことは、国際間でいえば内政干渉、これは何と言いますか、家内干渉になる。人の居住というものはプライヴニート・ライフというものがあつてこそ、われわれは生きがいがあるのに、あなたの本拠はどこですかということになると、自由党の大臣なんか大分困る人が出て来るのじやないですか。本拠が三つも四つも出て来てどこでこの大臣は投票されるのが一番いいかなんというような困る人が出て来ると思いますが、これはお役所の方で調べるということに無理があると思う。私は、本人の意思で、ここで投票するのが自分としては一番本意であるというのに改めて行くのが一番妥当じやないか、こういうふうに考えるのですが、大臣の御見解をお伺いしたい。
○塚田国務大臣 これは住所というものを意思できめていいか、意思できめて行かないで現実の事実できめるか、住所決定の観説と客観説といろいろありますし、また住所と意思と両方できめろという学説があつたように私承知いたしておるのでありますが、ただいま並木委員から御指摘がありましたように、住所を自分がきめるということになつたら、これは全然行政措置としてしようがなくなるので「ありまして、本人がどこにでもかつてに適宜に移されるようになつて、これはやはりそれでは非常にぐあいが悪い面があるので、おそらく意思ではきめないという形になつておるものと私どもは了解をしております。なお、政府がきめるということでありますけれども、個々にはそれぞれの土地の選挙管理委員会に御判断を願うのでありまして、自治庁で具体的な判断をするというわけではありませんので、民主的な判断という面からいつても、そうずれておるとは私ども考えません。
○並木委員 このやり方はなかなか煩瑣で人員もずいぶんいると思うのです。塚田さんは行政整理の総本山であるにかかわらず、これを強行すればとも今の人員じや足らないと思うのです。行政整理どころではございません。そこで、この事務は順調にはかどつておるのであるかどうか。相当の人員を必要とすると思いますが、これが大臣に対する質問。それから三浦さんに。今大臣の答弁の中に、本人の意思によつてきめるよりにすると、それこそたいへんだという言葉がありましたが、私は必ずしもてうとは思わないのです。法律でもつて十分措置すれば、本人のヴオリシヨンにまかせることができると思うのですけれども、その点について、大臣の答弁になつたあと、三浦さんから見解を披瀝していただきたいと思います。私の質問はこれで終ります。
○三浦法制局参事 住所の認定につきましては、先ほど大臣からもいろいろお話がありましたように、昔からいろいろむずかしい議論のある問題でもあります。現在この選挙人名簿等の調製につきましては、職権主義によつて、いわゆる選挙管理委員会の方から一方的に調査してきめておるというような状態でありまするが、これはそういう制度をある程度特殊の例といたしまして、申請主義によつてやるというような選挙人名簿の調製の方法も考えられないわけではございません。またそういう制度もよそにもあるわけでございます。もちろん申請主義による場合におきましても、どこにその人のほんとうの住所があるかという主観的、客観的なそういう事実を中心にいたしまして、その人の考えによつて自分はここにあるということを判定させて、届出をさせるわけでありまして、かつてに住所も何もないのに、自分はここだといつてやる意味の申請主義はあまり極端ではないかと思います。従いまして、個々的にあるいは総合的に判断をいたしまして、個々的の場合にどこに住所があるかというようなことが一応社会通念として認められるような場合におきまして、それを本人の申請によつて届出させる、こういうことは可能であろうかと私どもは考えております。
○塚田国務大臣 よけい費用がかかるのではないか、人間がよけいいるのではないかということでありますが、まあ現実の問題としては、幾らか費用も増加したと訴えておる管理委員会もあるようであります。しかし人間がそれほどよけいいるわけではありませんが、かちにそういう事態があるといたしましても、私は物の考え方として、どうしても行政府が自己の責任においてやらんならぬ性格上、もしくは法律上そういうことになつておることを、金がかかるから、もしくはめんどうだからやらないということはよくないのでありまして、やはりめんどうでもやるという建前にしておかなければならないと考えておるわけであります。ことに私どもが案じますのは、今までのような行き方でやつ参りますと、今後いろいろの場合に選挙関係の訴訟が、同じようなケースが幾つも出て来るのではないか、そういうことになると、選挙人名簿調製事務を省略して、その面で多少経費が節約できても、今度問題が司法関係になつて、よけい国にめんどうをかけるということも考えなければなりませんので、そういうことも考えて、判例も考えて、学説もそうであるということになれば、この際一応すなおに直しておく方がよいのではないかということを考えて、このようにしたわけであります。
○鍛冶委員 第一にこういうことを通牒にして出された基礎を聞きたいのです。先ほど何か政治的観念から出ておるというような話がありましたが、私は陣笠でありますから、聞かされぬのかもしれませんが、さようなことを聞いたことはないのであります。そこで、今あなたの方から出された通達は六月十八日で、さらに法務省民事局長から地方法務局長へ出されておる七月十八日付の通牒を見ますると、これに齟齬しておるものが出ておるのであります。そこで私今ただちに聞きたいことは、地方自治庁だけの考えでやられたのか、法務省のこの考えをもとにしてあなたの方でやられたものであるか、その点をまず承りたいと思います。
○鈴木説明員 この通知を出すに至りました基礎についてのお尋ねでございますが、これは、ただいま御指摘のようなそういう政治的な意図はまつたくございません。先ほど大臣が申し上げた通りでございます。今法務省の方と打合せをして住民登録についても同様な通知が出ておるが、何かその辺は法務省と打合せてやつておるかどうかというようなお尋ねでございますが、法務省の七月十八日の民事局長の通達につきましては、法務省の関係当局と協議をいたしまして、従つて法務省の方では、われわれの方の通知の趣旨に並行しまして、同様な趣旨の取扱いを地方に通知しておるわけであります。この点は、住民登録事務の取扱いについても、選挙の関係と同様に、先例を変更するのだということを明らかにして通知をしておるのであります。住民登録の記載と選挙人名簿との間において齟齬を来すことがないようになつておるわけであります。
○鍛冶委員 今ちよつと言われたことは、これは私住民登録法をこしらえた責任もありますし、またこの委員会において訂正をしてもらいたいと私が考えておることで、非常に重大なことなんですが、選挙人の名簿を作成する基礎は住民登録に基くべきものであるとわれわれ考えておる。あなた方の方でもさように考えておられるかどうか。今のところ大体わかつておりますが、その点明快にしておきたいと思います。
○鈴木説明員 住民登録法と地方自治法、あるいは公職選挙法等の住民という考え方をできるだけ一つにして、住民登録法に登録されている者を基礎に選挙人名簿の調製をし、あるいは納税者の範囲をきめるというようなことが私ども望ましいと考えております。従いまして、住民登録自体が完全に実態を把握できるようになりますことを、私どもとしては希望いたしております。その点がさような現実の住民を漏れなく把握できるようなふうに、さらに運用上改善せられて参りますならば、選挙人名簿の調製につきましても、もつぱらこれによるということができると思うのであります。ただいまの段階におきましても、これを重要な参考資料として調製しておると考えます。
○鍛冶委員 そこで、そうなりますと、住民登録ということが非常に重大なことになつて来る。これは法務省で今のところ取扱つておられますから、それで私は前もつて聞いたのです。そこで法務省の方で、住民登録記載の上において、住所ありということを認定しなければ登録できないわけですから、従つて法務省の方で住所ありと認めて住民登録に載せた者は、あなた方の方で大体それが住所ある者、こういうことに認めて来られるものと思いますが、これはいかがですか。
○鈴木説明員 その点は、御指摘の通り、住民登録において有権的に住所ありと認定せられました者につきましては、これは選挙人名簿の関係につきましても同様に取扱われることになつております。
○鍛冶委員 今法務省から林さんが見えておるが、あなた方の方で、やはり自治庁で出されたと同様の考えを持つて、住所はかように決定すべきものだという考えでおいでになりますか、また、通知を出された以上はそうだと思いますが、委員会ですから明瞭に答弁してもらいたい。
○林説明員 実は私今法務省におりませんで、去年から内閣に移りました。法務省の民事局は、これは御相談になつておると考えます。法制局には実は御相談ございませんでした。従つて本日お呼出しを受けたということは、法律的見解をということでお呼出しを受けたものと思つております。法務省の方から私の方には相談がございませんでした。
○鍛冶委員 それじや私林さんに聞きますが、住所の認定について自治庁から出されたこの通達と同様の考えを持つておられるか、これに対してあなたの方で違つた考えを持つておられるか、これを明瞭にしていただきたい。
○林説明員 これは結局公職選挙法の住所というのは、学説、判例を見ましても、民法の住所と同じ観念であろうということに大体なつておるようであります。民法では「各人ノ生活ノ本拠ヲ以テ其住所トス」ということが書いてあります。大体住所と居所という観念を書きわけている以上は、いろいろな客観的条件、主観的条件から、ほんとうに生活の本拠であるという一箇所がやはり住所ということになるものであろうと思います。そういう意味におきましては、この自治庁の通達は、客観的にただそこに住んでおるというだけではなくて、いろいろの条件を総合した場合において認定すべきものである、そういうことを言つておられると思います。そういう限りにおいて、私はどこが間違つておるものとは考えられないのであります。問題は結局あそこの例として二つあげてある。その例が適当であるかどうかということになろうと思います。ここにあげてあります限りにおいては、社会常識から考えましても、あるいは従来の学説、判例から言いましても、これは違法の解釈ということはできないと思います。
○鍛冶委員 理論上の点はわかりましたが、そこで私実際論から聞きたいと思います。問題は、そうなりますと、住民登録の際に、ここに住所があるかどうかということの認定が一番問題になつて来ますが、今言われるように、これは住民登録をする際、または移転した際に、実際問題として取調べることになつて来ますが、かようなことは住民登録の方で調べられますか。お前は学資をどこでもらつておるか、はたしてここでもうけておるのか、そういうようなことは調べられるでしようか、困難でないですか、実際問題として。
○鈴木説明員 住民登録が、これは先生の方がよく御承知と思いますが、申告主義と申しますか、申請主義をとつております関係で、認定のあかつきに住所ありとして名簿に登録せられた者につきましては、御指摘のごとく選挙人名簿にもおそらくそのまま登録されると思いますが、ただ住民登録票に登録されなかつた者でも、選挙権を持つておる者は相当あるわけであります。そういう者については、職権調査を住民登録の際にやることになつておるわけでございますが、それがまだなかなか全体完全の状況にはなつていないように聞いております。そこで、選挙人名簿でございますが、選挙人名簿は、これは申告主義でなく、やはり漏れなく職権によつて選挙権を持つておる者を調査いたして登録する、こういう建前になつておるわけであります。従つて、調査につきましては、選挙人名簿を調製の際に、これは市区町村の選挙管理委員会がその責任を持ちまして調査をし、名簿に登録をするわけでございまして、その際学生の住所につきましては、現在事実上とつております方法といたしましては、ことに学生の関係は大都市、中都市等が多いわけでございますが、こういうところでは、ここに自治庁から例示に出しましたような非常にはつきりとした事例を二つあげまして、郷里に選挙権があるということに自分が該当するか、あるいは在学地に選挙権があるということに該当するか、いずれかにマークをつけるということにいたし、そのいずれにも該当しないような者につきましては、それぞれどうであるという事情を書いてもらうというようなカードを用意いたして、それに所要の事項を記入して出していただく、こういう方法をとつておられるのが多いようであります。その調査の上で、なおそこに疑念があるというような場合には、実地について調査するということになると思うのでありますが、しかし多くは、そういうカード調査によつて所期の目的を達しておるのではないかというふうに考えております。
○鍛冶委員 これはたしか去年の九月一日に一齊調査をして住民登録をさせたと思う。ところが、その住民登録をさせるときには、前の二十一年の通達に基きまして、おそらく学生生徒は、東京におりますと——郷里におれば問題ないのでありますが、東京におつたとすれば、東京で住民登録をしておりはせぬかと思う。そこで住民登録しておると、一応東京に選挙権あるものとして取扱われることになるわけです。ところがこの七月十八日付の法務省民事局長の通達によつてそれを調べて、一応東京にあるものとしても、学費の大半を郷里から送つておれば郷里にあるものとしてそれを取消してやれ、こういう通達が出ておる。そういうことは事実上できますかどうですか、こういうことです。先ほど大臣のお話を聞くと、これを不明確にしておくと訴訟が起きるだろうというお話ですが、さらに今言うように、できないような中途半端なことをやつておると、あべこべに訴訟が出て来るように思う。この点は法務省からだれか来ておればよかつたのですが、あなたの方にもそういう責任がある。法務省でもこれをやれるという確信があるかどうかを聞いておくことが、決定のためのポイントだと思う。
○鈴木説明員 便宜私からお答え申し上げます。法務省の民事局長の通達でございますが、この中で学生についての従来の先例を変更いたしたわけでございますから、御指摘のように、現在は従来の先例によるところに住所地があるというふうになつておるわけです。それをできるだけ職権によつて調査をして処理をするわけでございますが、この法務省の考えといたしましては、便宜次回の選挙人名簿調製の際に、職権により住民票の記載及び登録をすることが適当であるというふうに言つておられるのでありまして、いずれ選挙管理委員会の方がこの問題については職権によつて調査いたしまして、その調査によつて住民登録の方に反映して、住民登録の現在の住所を選挙人名簿と照合して調整をし、抹消し、新たに記載をして行く、こういう手続をとるようにということを地方に通知をされております。従つてこれは、現地におきまして、法務局と各第一線の選挙管理委員会との間に十分連絡をとつて処置できることではないかというふうに考えておるのであります。
○鍛冶委員 これは十分事実上できるかどうか。できなくて中途半端なものになると、これはめんどうですから、責任を持つてあなたの方で調べてもらいたい。 それからもう一つ聞きたいのは、出かせぎの場合です。私の選挙区ではたいへん関係が深いのですが、北海道へ春行きまして、そして秋にもどつて来ます。半年は向うで生活しておる。これらの者は住民登録でどういうふうにしておりましたか。やはり向うで住所がないものとして、向うで登録させなかつたか、もしさせおるとすれば、今後これに対してどういう取扱いをせられるつもりか、これを承りたいと思います。
○鈴木説明員 ただいま御指摘のような、いわゆる出かせぎ者で、郷里に家族を置きまして、北海道に行つて一定期間働いてまた帰つて来るというような者につきましては、やはりこれは家族のおりまする郷里に住所があるということで処理をいたしておるわけであります。大体そういうように一定期間他に滞在をしておりまする者につきましては、学生を除きまして、病院なり療養所に入院療養中の者以外の先例が変更になりまして以来、大体同じような扱いで来たわけでありまして、今般学生だけについて残つておりました取扱いの方針を、その他の長期滞在者の取扱いの方針と同じようにいたしました。従つて、ただいま御指摘のような出かせぎの者が、もちろん郷里に住所があるということで、住民登録の上におきましても、従つてまた選挙人名簿の関係におきましても処理せられておるのであります。
○鍛冶委員 今ちよつとあなたの言われた病院のことを聞こうと思つておつたのですが、選挙法を改正するときに、投票所を病院に設けるために特例をああいうふうにつくつたわけですが、そこで選挙権の問題とは別ではありますが、あなた方の方で現在どういう取扱いをしておりますか。一番問題になるのは、結核療養者のごとく、二項、三年と同じ療養所におります者に利しては、住民登録の際にどういう取扱いを現在やつており、選挙権に対してどう扱つておいでになりますか。
○鈴木説明員 これは、法律の上では、病院なり療養所に住所があるものと断定的に推定してはならない、こういうような趣旨になつておりますが、てこで事実具体的の問題としていかに住所を判定するかということになるわけであります。これにつきましては、やはり郷里に家族等がありまして、そして本人だ吟長期療養のために来ておるわけでありますから、やはりそういりものは、告別の事情がありますれば別でありまするが、一般の状況のもとにおきましては、療養所には住所がない、郷里の家族のおりますところに住町があるというような考え方で一応いたしております。
○鍛冶委員 そうすると、実際並木君から言われたように、この法律を読みますと病院に住所がある。従つて、そこで投票できるというふうに解釈できると思うから、これは取扱い上相当困難を来しておりはせぬか、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。病院のある町村に住所があつて、そこへ入つておれば問題はない。病院に入つてはおるけれども、住所は他の町村にある。そうすれば、そこで選挙権の行使はできないわけで、できない者に対していわゆる不在者投票としてやらせておられますが、そうなると、その町村に選挙権があつて、そこでその病院で投票できる者だけしか改正した規定が適用できないことになつておりますが、実際はそうしておらぬのじやないですか。そうでないならば、今後そういうふうに措置せられるつもりであるか、この点を聞かしていただきたい。
○鈴木説明員 病院、療養所等に入療中の者ですが、これは二百七十条の二項では、「この法律に規定する住所に関する要件を定めるに当つては、病院その他の療養施設に入院加療中の者に対しては、その入院加療中の場所にその住所があるものと推定してはならない。」となつております。そこで大体療養所等に住所があります場合はごく例外であろうと思うのでありまして、たとえば癩療養所のごとく、ほとんど一生そこにおる、そこが住所のようになるという、そういう特殊の場合を除きましては、やはり家族のおりますところに住所があると推定されるのが原則であろうと思うのであります。従つて、一般の結核療養所等におきましては、いわゆる不在者投票を行うことになるわけでありまして、不在者投票の管理者としては、病院長が管理者になるという取扱いを、これまた不在者投票の規定の方ですることになつておりますので、そういうような処置をいたしておるのであります。
○鍛冶委員 わかりました。私はこれで終ります。
○中村(高)委員 さつき並木君から質問があつたときに関連質問しようと思つておつたのですが、通牒の撤回の問題をさつき並木君から聞かれたのですが、この通牒で一番重大な関係を受けるのは直接選挙をやる議員でありまして、特に国会について十分に意見を聞いてその上でこういう通牒を出すのならいいがこういう非常に多数の学生が投票権を失うような、ある意味においては選挙法に対する非常な制限を加えるようなこういう重大な解釈を、国会にもはからずに、行政庁だけでやるということは、私ははなはだ不都合だと思うのでありまして、法律的にも、今自治庁の次長は、仙台の裁判所でも判例があつた、こういうようなことを言つておりますが、法律の解釈は、最高の判例をつくるところは最高裁判所であります。一地方の裁判所が判決したものが判例などにはならないことは明らかでありまして、最高裁においてこの問題を解釈して、どうしても仙台の高裁でやつた解釈が正しいという権威のある法律解釈が出たなら、それからやるのがあたりまえです。あなた方法律もろくに知らないものが、最高裁も決定しないのに、仙台の高裁がきめたからそれで正しいのだ、そのようななまはんかな法律論をやられてはたいへん迷惑です。そのために、日本には、法律の解釈については、最高裁判所というものが厳として存在しておる。これにあなた方が従うのならいいが、その途中を横取りして、こういうようなものだという解釈は、はなはだ行政庁として行き過ぎだと思うのですが、どうお考えになりますか。
○塚田国務大臣 判例もあると言いましたのは、判例がたまたま仙台の高裁で出ておりましたので仙台の高裁の例をとりましたが、判例はどこまでも物の考え方の一つの参考にいたしましたのでありまして、もちろん最終決定は最高裁できめてやつた場合が一番いいと思うのですが、しかし、御承知のようにこの問題については、そのほか学説なんかでもほとんど違つた意見が見受けられないほど、私どももいろいろ検討いたしましたけれども、問題がないように思われておるわけであります。ただいま申しましたように、法務省との意見の調整もいたしておりますが、そういうように感じられておりますので、かたがた問題を非常に軽視したというような御批判もあるかもしれませんが、国会にお諮りするというほどの問題でもないのではないかと考えたわけであります。これは事実問題としてお諮りしてもよかつたかもしれないと思うのですが、お諮りしなかつたからどうこうという性質の問題ではないこういううに考えたわけであります。
○中村(高)委員 今の大臣の答弁は、はなはだどうもおかしなことでありまして、国会に諮らなかつたことは別にさしつかえないという議論でありますけれども、特に私が申し上げたのは、国会に関してきわめて重要な法律であるし、選挙法というものは憲法付属の法律でありますから、重大に扱わなければならぬということぐらいは、代議士から出ておる大臣として、選挙をやつておる大臣として、あたりまえであります。あなたが官僚か何かに屈服して、属僚的意見を言つているならいざ知らず、選挙をやつておる者が、選挙法の解釈を属僚にいじられて、それのちようちんを持つうなそんな、大臣で一体どうしますか。われわれは、そういう点については、はなはだ遺憾であります。それで問題は、今学生が非常に反対をいたしておりますが、これも私は一つのりくつがあると思う。郷里なんかに帰れるものじやないのです。北海道だの、熊本だの鹿児島あたりの学生が、選挙のためにわざわざ行くなんて、そんな学生はありはしません。また事実上そんなこともできないのですから、相当に棄権されるということは明らかだと思うのであります。二十一年に前の通牒が出て、これを改正しなければならぬというのでありますが、世間では、今までの通牒ははなはだ悪いのだというような議論は、われわれはあまり聞いおらぬのであります。選挙法の守門の学者、あるいはさつき法制局の人も言うておりましたが、今までのははなはだどうも不都合だなんという意見は、どこにもありはしません。あれが普通だと思つています。それを、こういうふうにまつすぐなものを無理にねじりまわすようにして、そうして解釈がどうのこうのと言うておりますが、われわれにはどうも理解ができないのであります。さつき、次長の言葉でありましたか、前の通牒は、終戦後でごたごたじておつて、居所が転々としておつたり何かして、しかたがないから便宜のためにああいう通牒を出したのだと、便宜主義的な意味のことを言われたのでありますが、もしあなたの便宜主義だということが許されるならば、今日の学生はどこで投票をされるのが一番便宜だか、もう一度あなたはお考えになりなさい。いなかに帰つた方が便宜ですか。投票のためにわざわざ北海道へ帰るのが便宜ですか。わざわざ鹿児島へ帰るのが、何が一体便宜ですか。もしも従来の通牒が便宜主義であつてそれが一番多数の人に投票をさせることになつて、最も民主的だという意味は、私たちにもよくわかるのです。それならば、もう一度便宜主義を考えて、学生のために親切にし、いかにすれば学生に棄権させないで投票させることができるかという便宜主義がなぜあなたにとれないのか。大臣もその点についてはく考えていただきたいのであります。便宜主義だというならば、今いるところでやらせるのが一番便宜です。それを郷里へ帰すのが便宜主義だというのはどこから出て来るのです。二十一年の便宜主義を責めるのじやないのです。それはごたごたしておつたのですから、なるべくならば棄権させないで多数の人に投票してもらいたいのですから、便宜主義けつこうです。それを政府は投票をわざわざ不便にするために、こういうことをなぜしなければならぬのか。便宜主義は便宜主義で貫いてもらいたいと思うのでありますが、この点に対して大臣の御見解を伺います。
○塚田国務大臣 私も、選挙というものの重大性は、自分でもやつておりますので、よく心得ておるのでありますが、しかし選挙がいかに重大だからと申しましても、選挙という問題について、立法府の関与すべき範囲と、行政府の関与すべき範囲と、司法府の関与すべき範囲とは、おのずから三権分立の建前からあると思う。従つて私どもは行政府がやるべくきめられておる範囲の事柄をいたしたにすぎないことを御了解いただきたいわけであります。 それから、学生が選挙ができないというように一般に言われておるのでありますけれども、不在者投票という制度もございますので、これは特に学生諸君などは知識階級に属する部類でありますから、どうかああいう制度を十分に利用されるようにぜひお願いをしたい。また私どもといたしましても、選挙管理委員会にお願いして、なるべくそういうものがいろいろなめんどうなしに簡単にできるうに、ぜひ便宜ははかりたい、かように考えるわけであります。 それから、便宜だから、今までのようにしておつたらいいのではないかという御意見は、今までの考え方は、先ほどから申し上げておりますうに、あの終戦後の実情は非常に混乱しており、しかも急にたくさんの有権者がふえたという異例な場合についてやつた措置なのでありまして、それが割合今まで問題にされなかつたものですから、そのままにしておつたのですが、だんだん裁判所でも取上げられて参つたので、おそらく今後この傾向がふえて来るのではないかということも考えられましたので、これは直しておかなくちやいけない。今中村委員の御指摘がありました通りに、本人の下宿先に選挙権があるものが投票がけいできるという御意見であるといたしますと、これは本人の下宿先と住所があると考えられる場所との距離的な関係もあるでありましようし、選挙がいつ行われるかという時期的な関係もあると思うのですが、いなかへ学生が帰つているという具合に、いなかにあればかえつて便宜だということもあるのでありまして、これはなかなか一律には行かない問題ではないかと私どもは考えております。ですから、私どもの考えている方が正しい、こういうように信じているわけであります。
○中村(高)委員 とんでもないことでありまして、学生の試験休みの間に選挙をやつてやれというようなことがあり得るはずはないのであります。そんなことはまつたく大臣の答弁としてあるまじき答弁でありますが、問題はあまりりくつを言うよりは、こういう重要なものでありますから、今無理に通牒を出して選挙人名簿を調製させようとしているらしいのですが、問題は、その取扱いについてそんなに急いで、次の選挙にはどうしても学生は郷里でやらせなければならぬというように急ぐ理由がわからない。今まで昭和二十一年からやつて来てここでなぜ一体急いで、この次の選挙には学生を郷里に帰さなければならぬのか。待てないことはないと思うのです。よく国会に諮つて、その上で堂々とおやりなさい。こんなまるでこそどろのようなことをせずに、臨時国会でもいいし、通常国会でもいいから、この委員会にでもかけて、どつちがいいか、公述人にも聞くし学生にも聞くし、大学教授の意見も聞くし、各方面の意見を聞いて、なるほどこれは郷里にしてやつた方がいいということであれば、われわれも必ずしも反対しようというのではないのです。なぜ今大急ぎで通牒を出して——そうしてまたごたごたするだろうと思う。学生だつて、調べられたときにあたつて、一々自分はどれだけ仕送りを受けておるか、アルバイトをやつているか、そんなことを完合に調査できるものではないのです。また調査をさせられた地方庁が悲鳴をあげると思う。現に地方庁につては、これは学生の自由にまかせる、しいて通牒通りにはや刷れないというところさえあるのでありますからして、無理にそんなことをせずとも、法律なら法律の改正で、こういうものははつきりさせるということもできるのでありますから、この際何も急いで無理に通牒でやらせなければならない根拠がどうしてもわれわれにはわからないのであります。もう一度待てというようなことは少しも無理なことではないと思うし、諸君の意思がそういうところにあるならば、何とかしてもう一度政府は再考する意思がないかどうか。先日福永官房長官に意見を聞いてみたところ、まだ塚田さんがどこかへ旅行しておるときでした。どうして急にやらなければならないのか、どうもよく意味がわからないですね。あなたの御趣旨はよくわかりました、塚田さんが帰つて来たならば正式にお話してみます、こういうことを率直に言われたのであります。私は、長官の正式の答えだとか何だとか、むずかしいことを言うのじやない。話してみたらそう言つておられましたから、もう一度ひとつ長官、その点を御答弁を願つておきたいと思います。
○塚田国務大臣 これは何か突然にやつたように、どうも世間には受取られておりますけれども、実はそうでないのでありまして、私ども非常に問題にいたしました判例の出ましたのは——二十七年六月十三日の仙台高裁の判決がありましたころから、これは何とか適当な時期に直しておかなければならぬとずつと考えておつたのであります。ただ、その後選挙が意図しない時期に何べんも行われて、いつも何とかしなければならない、ならないと思いながら、時期がずれて参つておつたのであります。それで、この間の二十八一年の選挙が終りまして、今度はおそらく野党の諸君も御理解くださつて、しばらく選挙はないだろう、だから、この機会に直しておくのが一番よいのじやないか。そこで二十八年九月十五日が選挙名簿を決定する時期になつておるものでありますからして、それに間に合うようにという時期が、あの通達を出した時期になつておるのであります。従つて、私どもとしましては、大体こういう情勢になつて来れば、一度はどうしてもやらなければならない、やらなければならないとすれば、やはりことしの名簿の作成に間に合うようにという考え方で、突然というよりは、むしろいろいろな事情で相当遅れ遅れになつて参つておつた時期にやつたのだ、こういうように御了解願いたいと思うわけであります。
○島上委員 先ほど大臣の答弁のの中で、この問題についてはほとんど異なつた意見がない、問題ないと思つた、こういうお言葉がありましたが、これはもう大臣のはなはだしい独断であつて、この通牒を発して以来、各方面で非常に問題になつておる。学者方面では、私どもの承知しておる範囲では、大多数が自治庁通牒に反対しておる。それから、当事者である学生もほとんど反対している。われわれももちろん反対。ですから、大臣が、異なつた意見がない、問題はない——かつてそう思われたことはそうかもしれませんが、現実にこの通達を発した後の事態というものは、まさに圧倒的に反対の意見が多いということが事実ですから、よくひとつこの事実を見て反省していただきたいと思う。 そこで伺いたいのですが、民法の二十一条にあるいわゆる住所の問題については、先ほど来の御答弁によつてもいろいろまだ議論があるというお話でした。私どもは、選挙の際の住所の要件というものは、その人がどこで投票することが最も実際的であるか、最も便利であるかということを中心に考えるべきではないかと思う。従つて、昭和二十一年に出した地方局長の通牒ですか、これが今までずつとこの通り実施されて来て、そのことが別に議論もなかつたようだし、これが一番適当であつたと私どもは考えている。それを、今度突如ああいう通牒を出しまして、先ほど来もう何回も質問され答弁されておりますが、学生が、衆議院議員の選挙の際、偶然学校が休暇で、かつ郷里に帰つているということは百ぺんに一ぺんもないことで、やはり自分の下宿先で投票することが一番実際的で便利であるわけです。それを、不在投票の方法もあるとはいいますけれども、不在投票の方法でやれば、今までの経験からしましても、私は棄権率が非常に多いと思う。それから、せんだつて私ども選挙法改正で地方へ参りました際に、こういう話を聞いた。宵森のある地方では、ほとんどの男子が出かせぎに行つて、不在投票の手続をしたそうですが、その手続が何かの手遅いで遅れたのかもしれませんけれども、投票が間に合わぬような期日になつておつた事件があつた。そういうことも聞いておりますので、不在投票の方法をとればよいということは一つの逃げ口上であつて、不在投票すれば多数の棄権者が出て、結果においては学生の選挙権を取上げてしまう、と言つては言葉が少し強過ぎるかもしれませんけれども、そういうことを私ども心配せざるを得ないわけです。もし、たとい学生であつても、選挙権を取上げる、あるいは侵害する結果を生むということになりますれば、憲法十五条にあるいわゆる公務員を選定する国民固有の権利を侵害するということにさえ、議論が発展するのではないかと思う。私は、先ほど来の答弁では、ぜひこうしなければならぬという理由がどうしても納得できない。今まで昭和二十一年の通達でやつて来て、そのことのために別に非常に都合の悪いものがなかつたとするならば、その通りやつて行つて、そうしてもし法律上非常に疑義があるとするならば、国会開会中でもあつたので、当然選挙法の委員会にかけて、だれがどう考えても疑義のないように、改正する必要があるとしたならば、その委員会で改正をする措冠をとるべきだと思う。こういう重夫な結果を起すような措置を国会閉会中に一選挙部長の通牒でもつてやつたという理由が、われわれには理解できないのです。その点をもつとはつきり私どもの納得できるように御答弁お願いたい。
○塚田国務大臣 私も、ただいま御指摘のように、問題自体が世間一般に知られますまでは、あまり反対論がないというように考えておつたし、さつきもそのように申し上げた。また学説や何かも、いろいろ教科書などを調べてみても、大体そのようにあるわけであります。しかし、あれが事実世間に公になつてから、いろいろな意見が新聞紙上に伝えられたようでありまして、私も問題が非常に微妙かつ重大でありますので、そういう意見は大体細大漏らさず拝見したのでありますけれども、中には判例自体が誤まりであるという御意見もあるようであります。判例が誤まりであるというならば、そういう学説が強くなれば判例が直るかと思つておりますが、ただ、私がそれらのいろいろな反対論を拝見しても、やはり今までの学説、判例の考え方の方がよいのではないかと私も考え、また事務当局もそのように考えているわけであります。従つて、事実上の問題といたしましては、まだそれによつて自分らが考えをかえるというところまでは参つておらないのであります。 それから、今度の通達は、今まで便利にやつて来たのだし、ちつとも問題が起きながつたので、さしつかえないからいいじやないかということでありますが、ぼつぼつ問題が起りかけて来ましたのと、今までの通牒は学生だけ非常に特別扱いをしておりましたので、かえつて便利だからといつて、学生だけ特別扱いをしているということ自体の方が、法律というものの解釈の仕方、あるいは法の規定の仕方自体にも問題があるかもしれません。特殊のものを特別扱いするということは、憲法の趣旨からいつてもこれはよくないのではないか。そこで今度は、学生だけ特別扱いになつておつたものを、全部同じケースは同じように扱うというように直したわけでありまして、考え方としても少しも間違つておらぬのではないか、こういうように考えております。
○島上委員 学生を特別扱いしたといいますけれども「入院患者の場合はちやんと法律ではつきりしているのでありますから学生も今度の通牒のように扱わなければならぬものだとすれば、やはりこの入院患者と同様に、法律でもつて明確にすべきだと思うのです。それを、法律では明確にしないで、従来の昭和二十一年の通達によつて実行して来ているのです。それを今度学生だけ特別扱いするのはいかぬと言つて、そういうことをしております。あなたも今の御答弁で言われましたが、この通達が発せられて以後の議論というものは、こういう方面の専攻の学者の意見を初め、学生それからその他の方面、政党方面でも、私の承知しておるところでは反対論が圧倒的に多いと思う。この事実について大臣に考え直す余地がないということは、どうもあまりにも大臣の頭が石のように固まり過ぎておる。今までやつて来て、それが何の不都合もなかつたやつを、突如こういうふうにかえようとして、そのことのためにごうごうてたる反対が起つておるという事実は、これはやはり尊重しなければならぬ。それから私が申し上げたいのは、この通牒が発せられましてから、各都道府県の選挙管理委員会が非常に因つておるという事実を聞いておる。各都道府県の選挙管理委員会では、実際上調査の際に手を上げているんじやないか。それで、都道府県の選挙管理委員会からもたしかいろいろと意見が来ているはずだと思う。意見が来ておりましたらそれを聞かしてもらいたい。それからもう一つは、この調査が実際上徹底してやれるかどうか。この「学資の大半を郷里から仕送りを受け、」云々というのもきわめて抽象的なことであつて、その学資がいわゆる純然たる学資だけであるか、当然修学するには生汗をしなければならぬから、生活費を含むということになるのか。生活費を含むということになりました場合、五千円程度で生活をしている人もあれば、七千円か八千円の下宿料をとられているものもあれば、いろいろある思う。そこで足りなくてアルバイトをやつておりますが、そのアルバイトの収入が一体どれだけあつて、郷里からどれだけ送られているというようなことも調査して、もし学生が自分が現におる東京なら東京で選挙権を行使したいと思えば自分は郷里からは少ししかもらつてない、大半は自分が働いておる、一万円かかるものは五千円以上は、自分でアルバイトで収入を得ている、こう言えば、それ以上は調査のしようがない。かりに事実と違つておつても、その通りと言えば、それはそうじやないと言つてさらにつつ込んで調査する手はない。そういうことになりますから、調査そのものも正確を期しがたいという結果になるので、今は調査そのものを学生が拒否しておるという状況ですから 選挙管理委員会においては、ほとんど調査不能の状態で調査を停止しているか、あるいは手を上げているか、またこれに対する別途の意見を出しておるかというような状況があると思う。その状況をひとつお聞かせ願いたい。
○鈴木説明員 ただいまのお尋ねの点でございますが、先般北海道で全国の地区の選挙管理委員会の委員長の合同が催されまして、その際におきましては、今般の自治庁の通知の趣旨を了とされまして、その方針によつて調整をするということを確認せられたのであります。それからまた、さらにそれより数日前でございましたか、いまちよつと前だつたと思いますが、五大市の選挙管理委員会の委員長各位も御参集になりまして、この点について実際の調査の方法その他について打合せをいたしまして、過般の自治庁の通知の趣旨に従つてこれをいかに具体化するかということについて、細部の技術上の協議をいたしたのであります。都道府県の選挙管理委員会につきましては、特にさような会合はございませんけれども、ただいままでにその点について特に私どもの方に異なつた意見を申し出て来られた向きはないのであります。 それからなお、実際の調査の問題でございますが、学資の大半を郷里から受けておる者は逆挙権が郷里にあるといつたような一つの例示の問題、典型的な問題でなくて、御指摘のような判定がなかなか困難なような場合に、どういうふうに判定するかということでございますが、それはやはり自活の建前でおるか、郷里から仕送りを受けておつて遊学をするという建前でおるか、いわゆるその学生の生活の態勢がどういう建前であるかということが、判定の基礎ではないかと考えておるのであります。先ほど申し上げましたように調査票を交付いたしまして、それに本人の意思を明かにしたものを出してもらうことに地区の選挙管理委員会ではしているようでございますが、もしもその結果学生の方でその調査票に対して回答して来ないというようなことがあるといたしますならば、結局そういうような人はさらに名簿の縦覧の機会があるわけでございますし、またその際にもし脱漏しておりますならば申し出るということが可能でありますし、またそれらの間に、選挙管理委員会といたしましては、職権によつてできるだけ調査をして漏れなく登載をするという努力を払つてもらえるものと、私どもは期待をいたしているのであります。しかも、もしもそれでもなお名簿に載らないということがございますならば、これは選挙施行直前において、御承知のごとく補充選挙人名簿の方式があるわけでありますので、その際においてさらに申請によつて名簿に載せてもらうということが可能であるわけであります。そういうような各種の二段構え、三段構えの方法によつて、漏れたものはこれを救うことができるというように私ども考えている次第であります。
○島上委員 もつと聞きたいこともありますが、それは次の選挙法改正委員会で十分にお伺いし、かつ論議するとしまして、今までの質疑応答によつてほぼ明らかになりましたことは、この通牒は、国会開会中に国会の意思を問うことなくして、このような大問題を起すような措置をとつたもので、適当でなかつたということは明らかになつたと思うのであります。そこで私はここで動議を出したいのですが、この昭和二十八年六月十八日付をもつて自治庁選挙部長の名によつて発せられた。「修学のため寮、寄宿舎等に居住している学生生徒の住所の認定について」という通牒は、国会開会中国会に諮ることなく発せられたもので不当である、従つでこれは撤回すべきものであると考えるという動議を出したいと思います。
○高橋(英)委員 議事進行について……私委員長に質問の希望をしておつたのですが、動議が先に出ましたから動議と関連しておりますから、議事進行の範囲で意見を述べさしてもらいたいと思うのですが、大臣にもひとつ御意見を聞きたいと思います。大体問題は立法府と現行法の解釈論の二つにわかれるのじやないかと思うのですが、現行法の解釈論としてもいろいろ問題がありましよう。先ほどからの意見を聞いておつても、それからまた新聞、雑誌による意見を聞きましても、学者の意見を聞いても、いろいろ問題はありましようけれども、とにかく自治庁としてはその権限内においてこの通牒のような結論に出たのであつて、その精神に従つてこの通知を出されたのは権限内の妥当な行為であるから、これは決して不当だと私どもは思わない。何もそういうふうな独特の権限の行使の際において、国会の意見を徴するという義務はないのであつて、徴してもいいでありましようが、それは別問題で、ある。もし現行法の解釈についてよほど疑義があつて、こういうおそれがあつたとしたら、選挙法委員会か何かで国会の方で、この問題を取上げてやらないのは怠慢に属すると思う。とにかく百会の方が怠慢だと私は思う。従つてこの問題については、行政行為に対してここでとやかく言うのはどうかと思う。行政行為をやるのについて、事前に諮問をしなかつたのはいいとか悪いとかいうことはおかしいと思うのであつて、これが不都合であれば、われわれの権限において法律を改正すればよい、法律の明確化をすればよいわけである。従つて、はたしてこの動議のようにすべきであるか、通牒に反対の立法にすべきであるかということは問題だ思います。私どもも、いろいろな観点から、この問題については今のところ最後の結論は出ておりません。この通牒のままでも不在投票の制度があるし、ことに学生層というものは知識層であるから、不在投票のこのりつぱな……。 〔「議事進行じやない」「意見じやないか」と呼び、その他発言する者あり〕
○森委員長 高橋君、御発言中でございますが……。
○高橋(英)委員 議事進行じやないか。よく聞きたまえ。そういうような立法的の措置としてこれを明確化したいと私どもは思うのです。それに対していろいろ議論が沸騰しておるのですが、われわれ国会議員としては、進んでこれの明確化をはかるだけの権限がありますし、やるつもりでありますけれども、自治庁の方において進んでこれの明確化をはかられるために、たとえばこの通牒通りにしてもよろしいし、通牒に反対のように改正せられるような法案の提出にしてもいいのですし、いずれにしてもこの紛糾した問題の最終的の解決をするために、何らかの方法を講ぜられる意思があるかないか。一応ここでその意思があるというふうに御表明ができないとすれば、近い将来において、たとえば二、三日とか、四、五日後にそういう意思を明確に表示されるようなことができるかできないか、これを聞いた上でわれわれの態度を決定したい。(「そんな議事進行があるか」と呼び、その他発言する者あり)要するに、大臣の意思を聞いて、私どもはこの動議に対して結論を出したいと思います。
○塚田国務大臣 これは、考え方自体としては、先ほど来しばしば申し上げておりますように、間違つてはおらなかつたし、今でも間違つておらないと考えておるわけであります。しかし、ただいまいろいろ国会の皆さん方の御意見も伺いましたので、なおもう一度検討してみようと思うわけですが、ただ百会側におきまして、われわれの考え方のように、また入院患者について公職選挙法が規定しておるように御決定くださるならば、もちろんけつこうであると思うのであります。ですから私どもとしては、進んでそういうことを法に規定しなければならないほどの必要はないのじやないかと考えております。これは解釈で十分片づく問題である。なお、いろいろ反対の点については、われわれの説明が不十分でありますために誤解を生じている面もありますし、そういう面は大いにわれわれの考え方をはつきり申し上げて御了解を願う。さらに、この措置によつて選挙が非常にやりにくくなるといういろいろな事実上の問題は、できるだけこの考え方の線に沿うて直して行きたいと思います。
○森委員長 ただいま烏上君より動議が提出されたのでありますが、一応これを採決したいと思うのです。 〔「定足数がない」と呼び、その他発言する者あり〕
○森委員長 島上君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 〔「定足数がないじやないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○森委員長 採決いたしました。動議は成立いたしました。 〔「定足数がない」「十三名いないんじや委員会は成立していない」と呼び、その他発言する者、離席する者多し〕
○森委員長 委員長は成立しているものと認めます。動議は成立いたしました。 〔「民事局長を呼びたまえ」「委員会なら委員会らしくやりたまえ」「散会」と呼び、その他発言する者あり〕
○森委員長 委員会はこれにて散会いたします。 午後一時三十六分散会