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16回国会衆議院1953/06/19

建設委員会 第3号

発言数
30
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/06/19

会議録

久野忠治自由党

○久野委員長 これより会議を開きます。  災害復旧に関しまして調査を進めます。すなわち本年初めの融雪災害及び今月初旬の豪雨災害並びに台風第二号等は、各地に相当の被害を及ぼしているやに聞きますが、まずその被害の実情及びこれについての復旧状況につきまして、建設大臣より説明を聴取することとします。戸塚建設大臣。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 せんだつての災害は、今日までに報告を受けたところでは、五十九億余りに相なつておりまして、なお本年の当初雪解け当時の災害と合せますと、約百億に相なつておるわけであります。この復旧につきましては、ただいまそれぞれ検討中であります。なお概要については次長が参つておりますから、次長から申し上げることにいたします。

伊藤六三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 ただいま大臣から概数についてのお話がございましたが、それにつきまして補足御説明申し上げ、今までとつておりまする復旧措置について簡単に御説明申し上げたいと思います。  台風第二号は、ちようど日本の国を縦断いたしました関係上、東北を除きましてほとんど全国の各府県にわたりまして災害を引起したわけでございます。建設省の河川局の所管いたしておりまする土木災害の復旧費だけによりましても、お手元に配りました表の第三欄に出ておりまする通り、約六十億程度の復旧費を要するわけでございます。なお台風第二号以前におきまして、冬季の融雪並びに風浪災害というもの、それから台風の前にありました豪雨、この金額を入れました総額で大体百億に達しておるわけでございます。この冬季の融雪並びに風浪災害につきましては、現地に査定に参り、あるいはその写真その他の資料によりまして、いわゆる机上査定というようなことによりまして査定もいたし、その結果を今年も持ち寄つておるわけでございまする台風第二号の災害につきましては、県におかれまして、これが復旧の設計に着々今手をつけておられますが、早急にこの査定もして参りたいと存じております。災害の額も県によりましては相当大きいものもございますので、これにつきまして、国費の出るまでのとりあえずのつなぎといたしまして、預金部からの融資を仰ぎたい、こういう心組みから、目下大蔵省とその融資について折衝いたしておるわけでございます。なお大蔵省におきましては、建設省関係のみならず、農林省その他の災害もございますので、これを一括して今その対策、要するに預金部の貸出しの金の計算をいたしてもらつておるようなわけでございます。なお大蔵省におかれます融資につきましては、ちようど今大蔵省からも来ておられますので、その方からお答えを願いたいと存ずる次第でございます。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいまの災害復旧についての説明に関連をいたしまして、大蔵省側の資金措置について説明を聴取いたしたいと思います。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 大蔵省の方へ、建設省の方から十数億円のつなぎ融資のお話が数日前からございまして、ただいま検討中でございますが、これは従来でもやつておりますことですから、早急に結論を出したいというふうに聞いております。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいまの建設、大蔵当局の説明につきまして、何か御質疑はありませんか。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 今度の災害は、例年になく早く襲つて参つたわけでありますが、まず建設大臣にお伺いをいたしたいと思いますことは、従来、災害に対しましては、発生年度に三割、次年度に五割、三年目に二割という三、五、二の一応の原則で、三年間には必ずこれが復旧を完成するという御方針を一応お立てになつたと思いますが、新大臣はあくまでもこれを実施なさる確信を持つておられるかどうか、お伺いいたします。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 従来災害復旧費のだんだんたまつておつたものに対しまして、一応三・五・二というような標準を立てて復旧して行くという方針でやつて参つておつたのでありますが、これも実際にはそこまで届かないような実情で、過年度の復旧事業費が現在においても約一千億近く残つておる状態でございます。私だんだん様子を聞いておりまするが、十数年前、正確に申しますと昭和十三年でございますか、非常に大きな災害があつた。それまでは災害復旧というものは大体その年ないしは次の年度で解決をして参つておつたようであります。この十三年のときに非常に大きな災害があつたために、つい財政の都合でただいま申すような数年にわたつて復旧をするという習慣ができていると承知いたしております。  しかし災害復旧はそういうようなやり方ではいかぬと思うのでありまして、何とか災害に対しては、少しでも早く復旧をするという建前にもどらなければいかぬ。これは財政の関係もありますので、なかなかそう簡単には参らないと思いますが、何かそこにもう一つくふうを加えて大蔵省当局ともよく話し合つて、その年の災害は少くとも次年度に解決をして行くというふうに考え方をかえて行きたいと思つておりますけれども、これもなにせ財政との関係があるものですから、にわかにそういうふうには参りますまいけれども、方針といたしましてはそういうふうにやつて参りたい。実は昨今のことでありますから、別にそれに対して具体案を持つておるわけではありませんし、また大蔵省当局と十分打合せをしたわけではありませんが、今後何とかして災害の復旧費がたまつて行くというようなかつこうにしたくないと、今考えておるところでございます。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 戸塚大臣の御決心のほどを承りまして、非常に安心をいたしました。その志には双手をあげて賛成をいたしておくものでありますが、しかし吉田内閣ができました昭和二十三年の当時は、過年度災害は二百七十一億であつたと思つておるのであります。それが毎年おつかけごつこをするように、復旧して行くよりも追われて行く方が多いというような形になりまして、遂に過年度災害の積り積つたものが千億円に余るというようなことは、国土保全上非常に憂慮にたえないことでありますが、戸塚大臣は、少くも次年度にはその災害を復旧完成したいというような御決意を明らかにせられましたので、非常に私たち喜んでおります。どうか大蔵省の方も、この大臣の御決意を十分お聞きになつて、これに御協力なさつて、資金等をどしどし出していただくように、特に今の大臣の御決意を銘記しておいていただきたいと思うのであります。  そこで今度の水害に対する質問に移るわけでありますが、たびたび申すことでありますけれども、早く復旧に着手いたしますならば、次の雨や次の大水で非常に災害が防げるものを、傷口をそのままにしておつて大きに傷がまた化膿して行くというのが、今日までの災害の都度とり来つたことに実例が多いのであります。大体四、五、六の暫定予算には十五億円の予備費があつたと思うのでありますが、凍霜害対策としては五億八千九百万円をこれから出すことになつたでありましようけれども、その残りはまだ相当あると思うのであります。また七月分の暫定予算にも予備費はあることでありましようが、それらはどういうふうになつておるか、大蔵省にお聞きをいたします。そうしてそれの使う当てがないのであるならば、建設省から急いで必要だと言つて来るときには、どしどしお出しになるのが、それが予備費を組んだ目的であると思うのでありますが、どういうふうになつておりますか、大蔵省の方に伺います。

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 暫定予算に現在災害対策予備費が十五億円計上してございますが、今お話のありましたように、凍霜害対策といたしまして五億円弱の全額がすでにそのうちより支出されております。従つて約十億円くらいが残つておると思います。それから今後七月の暫定予算を編成いたします際にも、相当額の災害対策予備費を計上することになろうかと思います。従つて二十八年度総額百億円と予定いたしております災害対策予備費のうち、相当金額のものが暫定予算に計上されることになるのでございますが、そのうちより現在までの融雪、風浪関係の被害あるいは最近の豪雨、台風第二号関係の災害復旧費にどれだけまわしますか、実は建設省等より被害の査定額等の数字をいただいておりませんから、まだ何とも申し上げられませんが、なるべくすみやかに必要な金は出すようにいたしたいと考えております。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 しからば建設省の方にお伺いをいたすのでありますが、今お聞きの通り金はあるというのであります。十億ほど四、五、六の暫定予算でも余つておるし、また七月暫定予算にも相当額を組んでおるという大蔵省の御意見であります。残るところは建設省の方で早く査定をして要求をすれば、ただちに出るということが明らかになつたのでありますが、いつごろ査定は終るのでありますか。またこの査定の問題が、今までもいろいろ技術的や、またそのやり方等について議論もあり方法もあつたと思うのであります。査定が遅れるから、査定がきまらないからといつて大蔵省はとかく出し渋る、そうすると建設省の方では査定を一生懸命急ぐのであります。一々各県に出て行つて、いかにも重労働のあの査定官並びに県の職員の実際の姿を見てみますと、ほんとうにこれは重労働でありますが、そうやつてもなお査定が遅れる。そこであるときには大蔵省と一緒に山口県等に出て行つて、建設省の査定官がいろいろやつてみたということもあつたようでありますが、どういう方法が一番早く査定が終り、大蔵省を納得せしめるか。問題は早く金を出して、早く傷口を治療することにあるのでありますから、今度はどういう御方針でこの査定を進められ、終られるか、またどこまで進んでおるか、いつごろどういう方法で完結をして金を出せるようになるのか、その御方針を承つておきたいのであります。

伊藤六三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 先ほど申し上げましたように、融雪災害と風浪につきましては、大体査定を終りまして、今集計を急いでおるわけでございます。  それから今の台風第二号の問題につきましては、先ほども御意見がありましたが、今のところ県の設定を急いでもらいまして、そうしてこれに査定に参りたい、こう存じております。ただ御指摘のように災害箇所が非常に多いのと、場合によりましては一人で多い場合には一日に三百件も受持つ、そういう関係上一々現場の査定の困難であることもありますので、そういう場合におきましては抜取りの査定をいたし、そうしてそういうところを現地で見るとともに、その他につきましては写真その他資料を集めまして、これを机上で査定をするというような方式をとつてやつて来ておるわけであります。なおそれでも県の方々並びに査定に行く連中が非常に過労になるということはもちろんでございます。これをどうしてもつと軽くしないかという御批判もございますが、大切な貴重な国費を出すという観点からできるだけ精細にこれを押えて、そうしていつわりのないようにやつて行きたいという考えから、速急にこの方針を捨てるというわけには困難な実情にございます。しかし急ぐという観点もございますので、あるいは全部机上でやつてみて、その上を今度は中間検査で押えて、間違つておるものはこれをはねのけるというような考えもどうかという話もございますけれども、まだそこのところの確信ある成案まで立ち至つておらぬ、今まで通り今度の災害につきまして、できるだけ早く県にも督促してやらせております。われわれの方もできるだけ早くやつてやりたい、できればこの七月の終りには全部済ませたい、こうは思つております。しかしそれまでの間の復旧の問題、応急的な押えの問題につきましては、今の融資という問題を早く解決していただいて、それで応急的な復旧をしていただく、こういうふうに考えておるわけであります。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 そこで建設大臣にお尋ねをいたすのでありますが、お聞きの通りでありまして、係官の方では非常に努力をされておるが、なかなか査定の完了に時間を要するというのであります。日本は毎年々々災害が多い国でありまして、もうそのやり方や方法もいろいろなれておるわけでありますから、もつと手取り早く行く方法はないものかといつも考えるのでありますが、今係官の御答弁の通りでありまして、机上査定というもみにまだ全面的な自信が持ち得ないというのであります。しかし写真技術も非常に発達しておることでありますし、このごろは各町村、各部落等にも写真を備えて、災害に対しては機を逸せずに実情を写しておるような事情もあるのでありまして、さらに査定を早め、計画を機を逸せず進めるという意味から、建設省において空中写真をもつと——もつとといいますと、今までやつておるようでありますけれども、今やつていないようでありますが、空中写真についてどういう御計画を持つておられるか。飛行機を備え、空中写真の技術官を養成なさつて、災害のときにはただちにこれを発動して、まず空中写真によつて災害の実情を机上においてある程度つかんでしまうということが、日本の災害復旧を早からしめる上において一つの方法ではないか、これに対する大臣の御意見を伺いたい。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 空中写真のお話でありますが、今後はだんだんそういうふうに建設省として実際に使えるように進んで参ることは、非常にけつこうだと思います。まだ今までのところは、そうした計画はございませんが、ひとつなるべく早く研究しまして、そういう技術を活用するように心がけて参りたいと思います。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 次に、つなぎ融資の点についてお伺いいたしたいのであります。査定の方が今申した状態で、なかなか査定の完了が今のままではそう十日や十五日では終らないということが明らかになりましたから、この上はつなぎ融資でその場をふさぐというほかには早い道がないような状態であります。今までつなぎ融資の問題も、これまたたびたび起つておるのでありますけれども、その都度いろいろなやり方もあるようでありますし、また何とかいつて非常に時期の遅れる場合もあるのでありまして、このつなぎ融資の方ならば、査定がどうあろうと、何もそれが消えてなくなるわけでもないのだから、さつさとできそうなものだということは地方の自治体がいつでも考えることなのであります。そこで今度はどういう御方針でありますか、その金額つまり災害概算額の何割というふうにおきめになるのでありますか、その時期等についてお示し願いたいと思います。

伊藤六三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 つなぎ融資の問題につきましては、その都度いろいろの話もあつたのでありますが、今回建設省として要求いたしたのは、一応今年において起りました災害の三割程度やり上げるということを前提といたしまして、しかも借りる金でございますから返す当てもなければなりませんので、それに見合う国費がどれくらいになるかということを標準として、できればその国費の限度までお貸しを願いたいというところまでお話を進めておる現状であります。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 大体いつそれをお出しになれますか、大蔵省の方からの御答弁をお願いいたします、

柏木雄介大蔵事務官(主計官)

○柏木説明員 実は私主計局から参りましたので、つなぎ融資の主管は理財局であります。詳細なことは存じておりませんが、なるべく早く結論を出すように急いでいるということをお答えいたします。

村瀬宣親改進党

○村瀬委員 はなはだ要領を得ませんが、ともかくも災害復旧は早く着手する必要があるのでありまして、それが国費をむだに使わない最大の要件なのでありますから、この点は十分に大蔵省においても御認識をいただいて善処していただきたいと思います。  そこで、最後に建設省にお伺いいたしますが、いつごろから大体何班ぐらいにわたつて査定班をお出しになりますか。いつごろから始めていつごろ終るという予定でありますか。

伊藤六三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 この問題は、一つは県におきますところの準備が相当いるわけでありまして、県におかれても、査定の件については設計をおつくりになつて御提出になるわけでございます。これさえ急いでやつていただければ、私の方としてはできるだけ早く出て行ける、こう思うのであります。大体の県の予定をいろいろ勘案してみますと、来月の中ごろぐらいまでには、何とかつくつていただけるのではないかと思つておりますので、われわれの方としてはその時期を目途としてやりたい、こう存じております。なお、班数につきましては、その場合の都合を勘案いたしまして決定して参りたいと存じております。

久野忠治自由党

○久野委員長  質疑の通告があります。よつてこれを許します。山下榮二君。

山下榮二日本社会党(右)

○山下(榮)委員 ただいまの質疑応答で大体了承した点もあるのですが、伺いたいと思いますのは、ここにいただきました報告書は、建設省関係の全部にわたる被害調査であろうと想像するのであります。ひとり河川局だけではなかろうと思うのですが、道路、橋梁、河川等による災害というものの被害の比率はどうなつておるのか、これが一つ。  先ほどの話にもありましたが、年々歳々重なる災害というものに対する建設当局の一貫せる方針が欠けておるのじやないかということが考えられるのであります。先ほど大臣はその片鱗を述べられたようには思いますけれども、核心には少しも触れていないのであります。日本の河川等の関係から来まして、この奥行きの浅い、豪雨と同時にただちに水が出て来るということが、河川その他の災害を大きくしているところの大きなゆえんであろうと考えられるのであります。こういうことに対して、建設当局は、災害に対する恒久的な対策として、復旧復興の施工技術ということだけではなく、計画的な設計計画ということに対しても、深く御考慮をなさつておられなければならないはずであると思つておるのであります。そういう日本の年々重なるところの災害に対する、根本的な当局の方針を伺いたいと考えるのであります。それと冒頭に申し上げました道路、橋梁、河川というものの災害が、どういう比率になつておるかということを伺いたい。

伊藤六三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 前段の部分についてまずお答えいたします。もちろんこの災害復旧費の中に含まれましたものには、河川の災害復旧費のみならず、道路、橋梁、これは全部含まれております。ただ、もちろん建設省において所管するものでありますから、港湾だとか、農林省関係の施設とかいうものは含まれておりません。そこでこの内容がどういう割合になつておるかというお話でございますが、実はそれも今各県に照会いたしまして、その内容を精査させておりますけれども、何分急いで県は報告して来ておる関係上、はつきりした金額までは出ておりません。従つてそれは不日この推計ができ次第御報告いたしたいと存ずるわけであります。  それから、これは私から申し上げてはおしかりを受けるかもしれませんが、第二段の問題でございまして、災害の復旧に対しても方針がない、こういうお話がございました。予算面に現われました結果から見ますと一貫性のないような結果になりまして、まことに申訳ないと思つております。しかしわれわれといたしましては、この災害復旧について早期完成をやりたいということにおいては、方針は決してかわつておるわけではございません。できればその年ないしその次の年において終りたいということは、昔から一貫した建前で立つて来ておるわけであります。先ほど大臣からもお話のございましたように、事変の始まります昭和十二、三年ごろからだんだんと国家財政の都合もございますし、またあるいは災害が非常に大きかつたというような関係もございまして、これが三年になり四年になり、その後戦争に突入いたしましてからはこれが五年にも延びて参りまして、ときにはそれが打切りになるというような実情にもなつて来たわけであります。戦後におきまして、実はこれを取返したい、こうも考えたわけでございますけれども、これもなかなか財政の都合上、他の事業との関連におきまして、思うように金が出していただけなかつたというわけで、非常に延びたわけでございます。場合によりましては、初年度において一割五分ぐらい、また二割五分ぐらい、それから去年におきましてこの点について少し力を入れていただいて、三割に近い線が出たというようなわけでございまして、まことに申訳ないのでございますが、できるだけ早期にやるという線に向つては進みつつあるのでございます。なおこの災害にのみわれわれ没頭するということはもちろんできないことでございまして、それに先だつてこの予防的施設にうんと力を入れることがもちろん先決問題であり、だれも考えることでありまして、河川局におきまする河川の計画につきましても、早くからあるいは十年計画というようなものも立てまして、その線に沿つて予算の要求も進めております。しかし今の財政の状況から、各種の必要な事業がありますために、あるいは治水事業のみにこの金を投じていただくというようなわけにもなかなか行きませんので、現在も思うような金がいただけないということはございますが、しかし現在におきまして治水の面から見ましてもだんだんとよくなつて参りまして、特に大河川につきましては、もちろん堤防はあの程度でございますから土木の災害は出るかもしれませんが、一般被害は大河川の流域についてはだんだんと少くなつて行きつつあるわけでございまして、最近におきますところの災害の実情は、中小河川並びに上流の小河川の流域または山地方面の道路というような方面にだんだん移行しておるという実情でございます。これらを見ましても、予防的方面におきましても決して怠つておるというわけではないと存じます。しかし今の御注意の点につきましては、われわれも十分に服磨いたしまして、その線に沿つて仕事を進めたい、こう存ずるわけでございます。

山下榮二日本社会党(右)

○山下(榮)委員 ただいまの説明の中にもございましたように、復旧復興の事業が三年、五年と遅延をして、あるいは戦後において打切りのやむなきに至つたものもある、こうおつしやつたのでありますが、まことにその通りでありまして、それがために地方では多くの災害と迷惑をこうむつておるのであります。災害に対する復旧あるいは復興ということに対しましてはできるだけ早急に行わなければ、その災害が再び災害を重ねる結果を見ることは御承知の通りであります。そういう結果からいたしまして最近の災害が多いのではないかということの考え方もされるのであります。そういう点については、今お答えになりましたようにできるだけ敏速にこの点をやつていただきたいということを私は要望してやまないのであります。  大臣に伺いたいと思いますのは、こういう年々重なる災害に対しまして建設省としての根本的な計画というものについてのお考えを伺いたいと思うのであります。ただ在来のごとき、河川については堤防をつくつて行く、こういう考え方では、もはや今日の災害に対処することはできないのではないかという考え方もわれわれは持つておるのであります。こういうことに対して建設当局は、長年の統計その他の面から考えまして、近代的な災害に対処するところの河川、道路その他に対する新しい構想がなければならぬはずだと私は思うのであります。今私の伺いましたのによりますと、事務的な、単なる予算上とのにらみ合せだけの答弁でありまして、その核心には少しも触れていない、こう思つておるのであります。この点に対する根本的な当局の考え方を大臣より伺いたいと思うのであります。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 建設省の方針がどうとかいうようなことは私かわつたことはないと思いますが、私が先ほど申し上げましたのは、今お話にもありましたように、災害が災害を生むというようなこともあり、一日も早く一つの災害を復旧することが、あとのためになるということを考えると、どうしても早く復旧をしなければいけないということを私は実は考えておるのであります。これも先ほど申し上げましたように財政の関係ももちろんあるものでありますから、自然今日までだんだん年度が遅れてたまつて来たというような実情が考え方とは違つた結果になつておる。それにはもう少し査定の方法をどうするとか、あるいはただいまも次長から説明を申し上げたように、改修なりあるいは砂防なり、そういうことで災害を防ぐという面もありましよう。なお地方で考えるのと、またこちらの考えとで、同じく災害に対する見方あるいはこれの処理の方法等についても違つたところがありはしないか。そういうことをもう少し研究もいたし、くふうもいたし、割安といいますか、復旧費にはおのずから限度もありますから、その範囲でなるべく後に持ち越さないような方法を講ずる癖をつけて行く。悪い癖が今だんだん伸びて来ておるのでありますから、もう少しいい癖をつけるように私も考えてみたい、かような意味で申し上げたのでありまして、まだ私もそういう希望、熱意はありましても、実際にこうすればいいというところまでの結論を持つておるわけでもありませんし、今後は努めて同じく災害の復旧費でも、最も効率をあげるような使い方をするというふうに持つて行つたらば、従来よりもややでも目的が達せられるようになるのじやないかというような点をいろいろ考えおるのでありまして、まだこうして行けば行けるんだというような結論はとうてい持つておらない。これはやはり少しでも小さなことについて始終くふうを加え、研究をして行く、あるいは査定のやり方にしても今までこういう欠陥があつたじやないかというようなことを、こまかいことでも気をつけて行くようにしますれば、幾らかでも目的が達せられるようになるんじやないかということを今後十分注意をいたして参りたい。こういう私の、方針というよりはむしろ希望を申し上げたようなわけでありまして、御趣意に沿うようには今後十分努力をいたして参りたい、かように考えております。山下(榮)委員 橋梁等の流失は、地方に非常に大きな迷惑を与えておるのでありますから、なるべく早急にそういう迷惑が除去されるように、復旧あるいは復興の手段を講ぜられるように、私は要望いたしておきたいと思うのであります。特に今は雨期でありまして、時に来る少しの雨でも大きな災害になるであろうことを予想しなければならぬのであります。寸刻を争つて、少しの復旧が将来への大きな効果を現わすであろう、こういうことも想像されますので、特にその辺に留意をされまして、ただ府県からの報告を待つということだけではなく、進んで建設省から府県を督励して復旧に当らしめる、こういう方策をとつていただきたいことを要望いたしまして、私の質問を終ります。

久野忠治自由党

○久野委員長 その他何か御質疑はございませんか。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 ちよつと簡単に、質問というよりも意見を申し上げてみたいと思うのであります。この災害の問題に対しては、当委員会も長年にわたつて、建設省と一体になつて、これが復旧の処置に対しても協力して来ておるつもりでありますが、もうここまで来ましては、抜本的な改革方法を考えなければならぬのではないかということを考えておるわけであります。幸いに戸塚建設大臣は、旧内務省系統としては、実に勇断をもつて鳴つた方でありますし、特にこの災害亡国ともいわれておる日本であり、水を治める者は国を治める、まさにその通りの日本の現状であることを考えまして、これが所管大臣として戸塚建設大臣を得たことは、非常に心強く感じておるのでありますから、かつて内務省で鳴らされたと同じようなお気持で、勇断という処置をもつて災害に対して根本的な対策を講じていただきたいということを考えるわけであります。いつでも、災害は三・五・二というよりも二箇年間でやりたいということを歴代建設大臣が言われておりますが、財政の都合上ということで、最後には参つてしまうわけであります。ちようどきようは、大蔵大臣はおいでになりませんが、主計官が来ておられますから、よく聞いておいていただきたいのでありますが、財政上これを許さずということをいつまでも考えておつたのでは、災害亡国という通りになるわけでありますから、どこかで非常処置を行わなければならぬことは言うまでもないことであります。私は、そういう意味で、災害復旧に対する財政措置として、いわゆる災害復旧基金制度というものに対して深刻に考えなければならぬという段階に立ち至つておると思います。その意味におきまして、三・五、二の原則をくずさないということを建前にして、この災害復旧基金の問題、特に改進党などでは今建設公債の問題なども言つておるようでありますし、いろいろな問題はございますが、まず災害復旧を早急に行う、災害亡国を排除するという大きな政策を行うために、ひとつ災害復旧基金の問題に対して特別な配慮を煩わしたいと同時に、この問題に対して建設大臣の意見があつたならば、率直にお答えを願いたいということを、まず第一番に申し上げたいと思います。  第二の問題は、実際に行うという段階になりますと、特に今年度は暫定予算を組んでおりますし、また私は前の委員会でも申し上げた通り、八月の暫定予算も組まなければならないというような状態でありますと、七月、八月の暫定予算の中には、裏日本特に十一月になつたら雪が降つてもう公共事業は行えないという地域に対しては、重点的に予算配分を考えなければならないという問題と、一般の継続費ばかりに対してだけではなく、特別処置として七月、八月の暫定予算には三箇月、四箇月間空白になつたこの災害費は当然大幅に組まなければならぬと言つておるのでありますが、提出された暫定予算を見ますと、どうも事務的に処理しておつて、今までの編成方針と何にもかわつておらぬという立場から、私ははなはだ遺憾だと考えておるわけであります。事ここに至つておりますので、七月、八月の暫定予算の問題もありますが、現実問題としては、府県が特にこの工事の衝に当つておるのでありますから、復旧工事というものをもう少し認めてはどうか。もちろん三五、二の比率で行けばその概数はわかるのでありますから、これが二分の一までは府県において工事を行つてもよろしい、そのものにおいて責任を持つということは当然であります。しかるにかかわらず、査定をやつたものが、現在まだ二十三年災が残つておるということは、これはまつたく問題にならないといわれてもやむを得ない。そういう意味で現実的な問題として、特に裏日本等に対してはもう少し大幅な工事を非常処置として勇敢に行わなければならぬと私は考えておるのですが、この問題に対しての建設大臣の御所見をただしておきたい。  第三の問題は、いつもこの委員会で論議をせられておるのでありますが、特に吉田総理大臣は、公共事業に対しては非常に強い監査制度を設けよと言われております。非常に大きな予算内のわくをとつておつて、しかも緊急な工事を行うのでありますから、厳重な監査を行うことは当然であります。私はこれが処置に対して異論をはさむ者ではなく、当委員会としても公共事業法等をつくらなければならないとさえ考えた過去がありますので、それには賛成ではありますが、ただ現在の状態と比べてこの上に監察制度をつくつて、はたして内閣が考えておるような目的を達成し得るかどうかという問題に対しては、はなはだ疑問を持つておる。なぜかと言いますと、今の府県の大害復旧工事等に対しても、府県において監察委員会があります。その上に建設本省の直属局の検査があります。なお監察官の検査があります。経済審議庁は法制上現業問題にタッチしてはならないけれども、実際上タツチしておる。大蔵省の財務局の検査があり、その上に会計検査院の検査がある。だから実際問題として六つも七つもの監察を経ておりますので、担当官は、工事よりも、何とかしてこの六つ七つの監察機関を通るために、書類の書き直しだけでもつて半年間を費しておるような状態であります。だから十年十五年前に比べて、事務官僚というものは倍、三倍にふえておるということは、私が言わなくても所管大臣は十分御承知の通りであります。こんなことを続けて行つたならば、工事を行う部局の土木技術者及び必要なる技術者が一割であつて、九割の事務官を配して会計検査に間に合せようということになる場合は、まつたく本末転倒の状態であります。私は、例示をしろといわれるならば各府県別の数を列挙して申し上げられる段階にあります。だから、こういう問題に対しても抜本的な対策を講じなければならぬ。ましてや吉田内閣は第五次の内閣をこしらえておるのでありますが、行政整理ということを大きく掲げておるのでありますから、こういう根本的な問題を考えて、いわゆる公共事業がすみやかに遺憾なく遂行せられる状態をつくると同時に、いらないものはどしどしやめて行くというふうにしなかつたならば、こういう問題は解決できないと考えておるわけであります。  まだ申し上げたいこともありますが、その三つの問題に対して大臣に意見がありましたら伺つておきたいと思います。

戸塚九一郎自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○戸塚国務大臣 災害復旧基金というお話がございましたが、私ただいままで、どういうふうな制度がつくられるのであるか、まだ聞いてもおりませんし、これはやり方によつては、何かいいものができるかもしれません、研究いたしてみたいと思います。  それから予算の配分あるいは寒冷地における公共事業の仕越しというようなことは、しごくごもつともだと思います。大体今日までも、ことに今年の場合、そういうことには十分に考慮するように事務当局とも話し合つておるので、御趣旨に沿つて参りたいと思います。  それから監察制度があまりにダブるというよりは、何重にもなつておつて、実際の工事に当つておる者は非常に困つておるということも、私は聞き及んでおります。これはそれぞれ理由があつてのことではありましようけれども、監察監査を非常にきびしくやらなければいかぬということは、私も考えておりますが、しかし、それが迷惑になるということになつてはおもしろくない。こういうことについても、もう少し総合的に考えてみたいと思います。先ほどの災害の問題とからんで、先ほどはただ財政の都合ということだけ申し上げましたが、ほんとうはこの監察なりあるいは査定というものがもつと厳重になつて——ここで申し上げてはあるいは悪いかもしれませんが、ずいぶんどうかと思うようなものもあるようでありますから、そういう点を整理といいますか、はつきりして行けば、今まで十の災害復旧費が必要だとせられたものが、あるいは五で済み六で済む、そういうことになることも、今後よほど考えて行かなければならぬ点があるのではないか。いかがわしいと言つては語弊があるかもしれませんけれども、県によつてはずいぶん粗雑な復旧計画等もあるやに承知いたしておりますので、そういう点は、かえりてほかの地方に迷惑をかけることでもあります。そういう点も、今後は十分心がけて参りたい。もちろん従来も心がけておつたに違いありませんけれども、何分お話のように災害が多い、それの査定なりあるいは調査をする組織が少いというようなことも、もちろん影響しておつたと思います。こういう点についても、やはり先ほど申し上げましたように、今後くふうを加えて行くものの一つであるというふうに考えてはおるものであります。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 もう一つだけ言い忘れましたので、ちよつと伺つておくというよりも、意見を申し述べておきたいのであります。本年度は特に暫定予算に大幅の公共事業費が盛られなかつたということでありますし、現在の状況からいいますと、早く行つても二十八年度予算案は七月末にしか通過しない。こういう状況でありますと、いつも申し上げておる通り、例年のような状態で府県配分額を決定し、府県から実施計画を出させ、比較検討するというような状況を続けますと、どうしても三箇月ぐらいかかるのであります。八月、九月、十月、みぞれの降る十一月に実施をしなければならぬという段階になります。そうすると、裏日本へ全国の三分の二は、ほとんど二十八年度の公共事業の半額が空白になるということは事実であります。そうしますと、これは二十九年度に繰越すということは問題が起きますから、二十八年度三月三十一日に工事が終つたようにして、ひとつ会計検査をごまかそうという問題が当然起きて来ます。ますます監察制度を強化しなければならぬということに私はなると思います。いつも申しておる通り今年度に限つては、特に建設省関係においては、都道府県に対する配分額を早急に決定する。決定したら、これについては十五日以内に実績を検討し、二十日以内に工事実施に移すというような、果敢な指示をしてもらわぬと一結論的に三月三十一日までだつたら、ほとんど繰越さなければならぬような状態になるだろうと思いますから、特段の御注意を願いたいということを私は申し上げておきます。

久野忠治自由党

○久野委員長 他に御質疑はございませんか。——質疑なきものと認めます。  次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十五分散会

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