決算委員会 第6号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/06/29
会議録
○柴田委員長代理 これより決算委員会を開会いたします。 引続き、委員長が出席できかねますので、理事の私が委員長の委嘱を受けまして、その職務を代行いたします。よろしく御了承を願います。 審議に先だちまして、理事の補欠選任につきお諮りいたします。本日理事坊秀男君より理事を辞任いたしたい旨申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴田委員長代理 御異議ないものと認めまして、辞任を許可することに決定いたしました。 これより理事の補欠を選任いたしたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴田委員長代理 御異議ないものと認めます。よつて天野公義君を理事に指名いたします。 —————————————
○柴田委員長代理 前会に吉田委員から御要求がありました参考人招致に関しましては、理事会に諮りました結果、東京都知事並びに滝尾、花房、吉岡四君のほかに、新たに元東京都副知事大木操君及びニユーエンパイヤモーター株式会社常務取締役大竹善三君を、次会の参考人に招致することに決定いたしました。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴田委員長代理 御異議なきものと認めさように決定し、委員長からその手続をとります。 —————————————
○柴田委員長代理 本日の審議は労働省及び経済安定本部所管について行うことにいたします。それでは検査報告書二百六十八ページ、労働省一般会計中一未収金、予算経理の項、同じく二百七十ページ失業保険特別会計中、予算経理の項、労働省災害補償保険特別会計、失業保険特別会計中、不正行為の項、並びに是正させた事項中、未収金の項を一括議題とし、審議の促進上そのうち特に番号七八八及び七八九につき詳細な説明を求めます。会計検査院検査第二局長上村説明員。
○上村会計検査院説明員 労働省の関係の検査報告中七八八号、七八九号を御説明いたします。これはいずれも表題に掲げてありますように、架空名義で支出したという案件でございます。事案といたしましては、東京都の七八八号の分は東京都労働局で二十五年の四月から七月までに、印刷製本代あるいは自動車の借上料及び損料でありますが、借上料及び損料として出しましたうち一部は全然架空であります。一部は付掛して、合せまして百二十四万四千九百五十三円の架空のものを支出いたしまして、それをここに記載してありますように会議費、接待費に七十一万円余りを、それからリクリエーシヨンの経費に七万七千円、超勤等の諸子当に三十三万五千円、雑費に十二万一千円余りを使つたのであります。まに大阪労働部の分につきましても、同しように自動車の借上げ料、印刷製本費、旅費等の名義で四十四万一千円を申しまして、これを支出しましたものとは違います会議費に二十七万九千円余り、レクリエーシヨンに六万七千円余り、それから諸雑費に六万七千円余り、合せて四十一万四千円余りを使いまして、残額二万七千円を検査当時持つていたのでありますが、これは後に歳入に納付したのであります。こういう事態の起りましたのは、結局使途その他から考えまして、会議費、リクリエーシヨンあるいは諸手当等に経費が必要であつたということから、こういうものが起つたのでありますが、会議費について見ますと、これを支弁する科目といたしましては、失業保険につきましては食料費というものがございますが、東京の七八八号の分につきましては、予算としまして二十五年度には六万八千円であります。大阪につきましては五千百八十円ほどあつたわけであります。それで検査院といたしましては、予算があるいは小いかもしれませんが、一応予算にきめてある以上は予算通りに使つて行くのが至当である、会議費その他も極力節約して行く必要があると考えます。また真にやむを得ないような場合には、これはいずれも科目から申し上げますと、職業官署業務費という項の中の目でありますから、もし必要があつてどうしてもそれをしなければならぬというのならば、法規上認めてあります流用の措置をとつてやるというのが至当であります。こういうふうに考えておるのであります。
○柴田委員長代理 ただいまの説明に対して政府当局の説明を求めます。百田労働省会計課長。
○百田政府委員 ただいま会計検査院の御当局から御指摘になりました通りでございます。成規の手続を経ずしてかような措置を架空名義によつて支出したということはきわめて遺憾なことであります。昭和二十五年当時はちようど失業者の数も非常に増大いたしましたときでございます。従つて失業保険の給付等もある時期においては急激に起つて参りましたので、一方におきましてはこれに応ずるために保険料の完全徴収ということで収納率の九五%の目標達成のために徴収に全力を尽しますと同時に、失業保険の監査官をして事業場をまわらせたというようなことの関係のために、分任収入官吏あるいは会計検査官を招集するというようなことで、諸会議を持つことが非常に多かつた。そういう事情でどうしても配付の予算では足りないというようなことのために、やむを得ずしてかような措置に出たのでありますが、この点は先ほども御指摘がございましたように成規の手続を経ればできるにもかかわりませず、この点を怠りまして、架空名義によつて処理したということは重ね重ねきわめて遺憾でございます。この点につきましては今後かかることのないように厳重に注意いたしますとともに、今後の東京、大阪等の特殊事情にかんがみまして、予算の配付その他につきましても今後十分考えなければならぬ問題であると存じまして、さように処置いたすつもりであります。
○柴田委員長代理 それでは質疑を願います。
○阿部委員 労働省にお尋ねいたしますが、こういう場合行為者に対してはどういう処置をおとりになつておるのですか。
○百田政府委員 行為者に対しまして、この場合におきましては事情がまことにやむを得なかつたというので、実は懲戒処分に付するつもりでございましたけれども、事情酌量いたしまして、このたびだけは厳重な注意ということで終つたわけでございますが、今後かかる事態が起きましたときには、責任を明らかにいたしますためにはつきりした処置をとりたい、かように考えております。
○阿部委員 行為者に対しては事情まことに同情すべきものはありますけれども、元来こういうものが発見されることというのは、いわゆる氷山の一角てあつて、会計検査院がたまたま発見したのがこれであつて、その他にはずいぶん広範囲にこういうことが行われておるものと推定すべき理由があると思うのでありますから、そういうことなからしむるためには、直接の行為者のみならず、その監督者または不当なる実行不可能な予算を編成した者に至るまで何らかの反省の機会を与えるのが適当ではないかと思うのでありますが、労働省においてはいかがお考えになつておるのでありましようか。
○百田政府委員 御指摘の通りでありまして、今後においてはわれわれの方としてもさような方針で進みたいと考えております。
○阿部委員 趣旨においてもとより同意とおつしやいますが、具体的にどういう処置をおとりになるお考えでございますか。どういうことをするかという点を承りたいのであります。
○百田政府委員 こういつた事態の起りませんように、ただいま失業保険におきましては監査官制度を設けておりますので、これをして厳重な監査を実施いたしますと同時に、厳重な通達をしておきまして、なお本省自体といたしましても、予算の編成あるいは予算の配付という点についても考慮しなければならぬ問題がありますが、一定の予算のわく内において配付いたしました限りにおきましては、極力その範囲内におしてやり、どうしてもだめだつたら流用の成規の手続をとるということを徹底いたさせます。それによつてなおかつこれを知りながら違反するといつた場合には、懲戒処分の手続をとらざるを得ない、かように考えます。
○阿部委員 ごもつともに承りましたが、私の聞いておるところによりますと、こういう問題が起るというのは、行為者でなくてむしろもう一つ上の階級にある者が、交際費、接待費等を要する場合に、それを自分の下の方へ押しつけて、下の方が上の者の意に沿おうとする限りには、何らか無理な処置をとらざるを得ない立場に押し込んで行つて、そのためにこういう事態を往往にして引起しておると聞いておりますが、そういう問題をなからしむるためには、もう少し上の方からの反省の機会がつくられるような処置が必要であろうかと思いますが、どうお考えでありましようか。
○百田政府委員 本件の場合におきましては、そういう事態はなかつたと確信しておりますが、仰せのごとき事態は絶対にあつてはならないことだと思いますので、私どもとしてもそういつたことは絶無を期したいと考えております。
○熊本委員 大体ただいまの質問で終つたかと思いますが、政府の答弁の中に、その方法が悪かつたのであるが、使途についてはやむを得なかつたものであるということがあつたように伺つております。従つて保険金徴収のために最大の努力をするというその結果が、どういう結果になつたのか。目標はわかつておりますが、結果がわからないということ。それからやむを得ざる支出であるというものが、かくのごとき不正行為をやらなければ金が出て来ないということは、先ほどの質問のように予算措置の上にあやまちがあつたものと考える。従つて臨時費及び接待費等に関するその後の処置については具体的にどういうような勘案をして、次の予算措置に備えるかというようなことをお聞きしておかないと、行為だけは悪かつた、しかしやむを得ざる事情であつたというふうなことで、次の予算措置に何ら反省されるところがなければ、実際の出先の運用者は、またぞろ何か悪知恵をしぼらなければならない。こういうことになるかと思うので、今の二点をお尋ねしておきたいと思います。
○村上説明員 お答えいたします。この問題の根本は、非常に経理上必要はあるのだが、金の出品がないというところに問題があるかと存じます。まず第一には予算の適正配付のために、労働省といたしましては、予算の配付規準を業務の実態に合うように指数をもつて計算いたしました。つまり予算配付の基準を指数で現わしまして、業務の内容に合うように、適正に配付する。かような措置を講じたいと思つております。 それから第二の問題といたしまして、本件のごときは正規の予算流用の手続をとつたならば、不正にならなかつたであろうと思われるのであります。つまり事務担当者が知らざるのゆえをもつて犯したあやまちであるという点がございまするつまり経理事務の指導訓練という必要を認めまして、労働省といたしましては関係職員の指導講習というものを実施して、あやまちなきを期したいと考えております。
○熊本委員 事務担当者が手続処理についてふなれなことがあつたから、こう言われることは私ははなはだ心外だと思う。そういうようなことを知らざる者が、事務を担当しておるとは私は考えません。かような無理をして、こういうことを勘案するに至るまでには、相当なる事務の堪能者であればこそ、かようなことができたと私は考える。ですからその点は承服が行かないのでありまして、そういうことの起りはやはり予算措置について最初から無理があつた。臨時支出については何らの勘案がない。当然のことをなさねばならぬものについても、支出すべき科目がないか、金額が足りないか、こういうことに起因しておる。善意に解釈すればそういうふうに解釈がつくわけです。そうだとするならば、先ほど尋ねましたように、次の予算措置についてはそういうことを勘案して具体的にそういう措置がされておらなければならないが、はたしてされたかどうかをお尋ねしておるのが第一点。それからもう一つは、その目的のためにやむを得なかつたと言われるが、目標は九五%徴収の目的、こう書いてある。目的はそうであるが、かような無理をして行つた結果一体成績はどうなつたかという二点をお尋ねしておるわけなんです。
○村上説明員 お答えいたします。第一点につきましては、先ほども抽象的に申し上げてあるのでありますが、業務量に応じまして予算配付の場合の配付基準を作成いたしたのであります。東京都、大阪府というような大府県におきましては、おのずから特殊な事情がございますので、その実情に合うように、基準指数を算定いたしまして、それによつて配付しております。 第二は、徴収の成績でありますが、二十五年度におきましては職員を督励いたしまして、徴収の事務に当らしめました結果、所期の目的を達成いたしておりますので、東京都、大阪府の場合のパーセンテージを覚えておりませんが、全国的に見まして、九五%を越えておりますので、東京、大阪も大体同様の成績と考えます。
○熊本委員 労働次官も見えたのでありますから、この機会に私は質問ということでなしに、希望を申し上げておきたい。わざわざ検査院からその使途の不当なることを指摘されて、こういうことが公表されなければならないという事務手続のあやまちを犯しているのでありますが、その使途については労働省がやむを得ざるものと、あとでこれを是認するような結果であつて、逆からいいますと、その努力はかえつて国政の上にいい結果をもたらしているというような答弁であります。しかるにもかかわらず、あえてかくのごとき架空なる処置をして、欺瞞的なる捻出の方法をするということについては、当然最初の予算措置において無理があつたということが言い得るのでありますから、こういう点について十分に検討されて、下部の先端にいる者がやましき行為をあえてしなければならない、その発意がどこにあろうとも、そういう行為をせしめるような無理な予算措置があつてはならないと思います。従つてほかを見まするとルーズな予算がたくさんあつて、濫費に濫費をしてもあえて検査院のおしかりを受けないというような面があるかと思えば、かくのごとき事態が現われて来るということははなはだ遺憾でありますから、そういう問題については細心の注意を払つて、万遺漏なきを期していただきたいと思います。たとえば二十八年度予算措置についてそういう面についてはどういうことになつており、また心構えとしてはどうであるかについてお答えを願いたい、かように考えます。
○安井政府委員 私御存じの通り着任早々でありまして、まだ十分事務の内容を承知いたしておらない面もあるのでございます。いろいろとお話の趣をお聞きいたしまして、すべき措置は遺漏なきを期してお答えすることにいたしたいと存じております。事務的な問題については御要望があれば説明員よりお答えいたさせます。
○杉村委員 これは昭和二十五年四月から翌二十六年七月までとなつております。この会議費とはどういう会議費であつたか、また何回くらい行われたものであるか、それからそれをしたのはどこのどういう人か、その内容をちよつと聞いておきたい。
○村上説明員 お答えいたします。実は会議の名称、開催日数を全部記載してございますが、例を申し上げますと監査官業務指導打合会、失業保険課長の打合会、失業保険法改正に伴う説明会、関東地区の担当者会議、その会議が二十五年の五月中に十件行われております。それから六月におきましても同様担当官の連絡会議、失業保険業務の打合会、関東地区の保険課長の会議等がありまして四回、七月に一回、八月に三回、それから九月に九回、十月に三回、十一月に五回、十二月に十回というように実施されております。これにつきましては担当者の打合会、それから監査官の業務指導の打合会、課長の打合会、各種のものがあるわけでございます。それが年間に数回実施されますので、延回数としては非常に多くなつております。このように御承知おき願います。
○杉村委員 その会議の場所はどこですか。
○村上説明員 会議の場所といたしましては、これはそれぞれ異なつておりますが、一例を申し上げますと、末端業務の担当者の打合せ会議は、大体安定所において行つております。それから課長でありますとかあるいは監査官などにつきましては、大体東京都庁でやつております。それから大勢集まりまして適当な部屋がないというような場合には、他の民間の施設を借りておるというような状況になつております。
○杉村委員 そこで伺いたいのですが、たとえば料亭でやつたことがあるかないかというようなことが知りたいのです。民間の場所を借りたというのはどこですか。
○村上説明員 お答えいたします。具体的な場所でございますが、料亭を使用するというようなことはありません。具体的に申しますと、よく使用いたしますのは神田に医師会館がございます。そこは電車の便利もよろしゆうございますので、医師会館などを使うということがございます。
○杉村委員 使うことがあるというのではなくて、使つた所を……。
○村上説明員 ただいま手元に、こまかいどの会場会場というのは出おりませんが、御参考までに金額を申し上げますと、一万円をオーバーするというのはごくまれでございまして、三千円とか千五百円とか、せいぜい四千円といつたケースが大部分でございます。料亭を使用するということなどは、金額の点からも御了承いただけるのではないか、かように思つておる次第であります。今個々の具体的な会場を全部書いたものがありませんので、先ほど一例を申し上げた次第であります。
○杉村委員 もうこれ以上多く追究もいたしませんが、今承ればたくさんの回数において行われておるのであつて、それが明らかに悪いことはわかつておる。ことにつけがけをするということは、つけがけをすること自体が文書の偽造をすることになる。こういうことは非常に慎まなければならないでありますから、将来は十分注意していただきたい。
○冨吉委員 ちよつとお伺いしておきますが、その監査制度というのはいつからお始めになりましたか。
○村上説明員 お答えいたします。監査制度は労働省ができてからで、昭和二十四年と記憶しております。制度は、中央に中央監査官、地方に地方監査官を設けております。そして失業保険特別会計の経理事務について監査をいたす、かような制度になつておるのであります。
○冨吉委員 先ほどの御説明の中では、監査制度を設けたので、このようなことは今後起らないとおつしやつたが、それは役人の行状を監査するのではなくして、ただ失業保険の費用云々というような問題を監査するという役目ですか。
○村上説明員 適用事業場の監査もいたしますが、安定所の窓口における現金給付などにつきましても監査をいたしております。なお、二十四年に設けましてから、実効をあげ始めましたのは二十五年以降でありまして、ちようど御審議いただいております二十五年の事件、このころからずつと成果をあげて来ているわけであります。ちようどこの二十五年度当時は、監査制度が発足して間もなくのことでございますが、このころからだんだん成績をあげて来て、最近に至りましては、件数も逐次減少しているような傾向でございます。
○冨吉委員 それはまことにけつこうだと思いますが、この架空の名義によつて支出したるものの、今お読み上げになりました中に、監査官の会議をやる云々ということがあつたのですが、私が非常にふしぎに感じたのは、先ほど私が聞いたのでは、そういう不当支出をやらないように、お取締りになる役人のように聞いておつたが、あとの報告によると、どうも監査官の会議をやつた回数がこの違法の中に入つている。そうしますと、結局巡査がどろぼうになつているかつこうになつて、非常におかしいと思つたからお尋ねしたのですが、その点どうですか。
○村上説明員 御疑問の点ごもつともでございますが、東京都に対する監査は中央監査官がやるということになつております。都の監査官あるいは近県の監査官の会議というものは、中央監査官がまま指導官として出席することがございます。監査の面はそれと別個にいたしておりまして、地方監査官が別途に東京都庁の経理監査あるいは大阪府庁の経理監査をやるというふうな仕組みになつております。
○柴田委員長代理 ほかに労働省関係で御質疑ございませんか。
○杉村委員 七九八の、「職員の不正行為に因り国に損害を与えたもの」これの説明をちよつと聞きたいのです。
○柴田委員長代理 会計検査院の御説明を願います。
○上村会計検査院説明員 七九〇から七九八までは、職員の不正行為の案件が九件ございます。金額にいたしまして六百四十五万七千百八円ございまして、この九件のうち二件ほどが、いわゆる保険料とかいうような歳入に関係する案件であります。保険料を徴収して使い込んだという案件であります。そのほかのものは前渡資金を使い込んだという案件でございます。こういう事態の起りましたのは、結局は、一言に申しますと、監督者の不十分ということになるのでありますが、たとえば支出について申しますと、関係書類その他が偽造してある場合が非常に多いわけでございます。担任者一人でやらないで、これを牽制組織を設けるとか、あるいは監督者が十分見て行くというようなことをして行くならば、こういう事案もだんだん減つて来るのではないか、少くとも絶無にはならぬにしても、相当部分はそういうふうな犯罪の防止の役に立つのではないか、こういうふうに考ふております。もし御心要ならば、また一件々々について御説明いたしたいと思います。
○杉村委員 当局に伺いたいのですが、これはたいへんな額なんだが、こういう不正行為をした者に対する処置はどうなつておりますか。
○村上説明員 一件だけ私の所管外の基準監督署のものがございますが、その他の安定所の関係につきましては、実は監督者に対しましては厳重注意いたしますとともに、当事者につきましては必要な懲戒処分——国家公務員法に基くところの懲戒処分をとる、かような処置をいたしております。実は監督者に対してもしかるべき懲戒処分を考慮しておつたのでございますが、昨年四月二十八日の講和条約発効に伴いまして、懲戒の免除の処置が講ぜられました結果、公家公務員法に基く懲戒処分ができないというような事態に立ち至つたのでございます。それにかわるべき必要な訓告、注意等を与えた次第であります。
○杉村委員 そうすると昨年の免除というのは——この不正行為は刑法上の問題がありやしませんか。
○村上説明員 御指摘の通り、刑事責任は免れないものもございます。その分につきましては、懲戒処分になりましたあとの問題でございますが、それぞれ懲戒免職とは別に、裁判所において目下公判中のもの、その他ございます。懲戒処分とは別個に刑事責任が伴つております。それは裁判所において処分されるというような状況でございます。
○阿部委員 労働省に伺いたいのですが、この二十五年度の失業対策事業の国全体としての雇用したる人員総計。それからそのために支出したる総金額、それは国家が支出した補助金の総計でもけつこうですが、そういうのを伺いたいと思うのですが、いかがでしようか。
○澁谷政府委員 あいにく手元に数字を持ち合せませんので、至急調べましてお知らせいたします。
○阿部委員 今、数字を調べて提出してくれるということにお答えをいただいたのでありますが、それと全国の都道府県が現実に失業救済事業をやつておる。それによつて雇用したる人員、金額というような点で、多少齟齬を生じておるのではないかと思われる点があるのでありますが、これはいかがでございましようか。労働省側から数字を御提供願うと同時に、全国の都道府県に御照会を願うという処置はできないものでございましようか。委員長の方から委員会として全国の都道府県に御照会を願つて、その方の数字をとつていただくということはできないのでしようか。
○柴田委員長代理 ちよつと阿部委員にお伺いしますが、結局一つの予算が労働省に与えられまして、労働省が各県にこれを分割して失業対策費をやる。そうしますと、労働省自体がとつた予算と府県別にわけた予算が一致するかどうかという御疑念から、そういう資料を必要となさるのでございましようか。
○阿部委員 委員長のおつしやる通りであります。
○柴田委員長代理 それでは追つて理事会を開催いたしまして、この件を諮つて決定いたしたいと存じますが、いかがでございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柴田委員長代理 さようとりはからいます。
○冨吉委員 政務次官もお見えになつておりますから、私は概括的に政務次官としての御指導の心構えを承つておきたい。 この不正事件というものの関係者はわずか十三名であります。十三人であつて六百何十万という多額の国費を不正に使用いたしておるのであります。これは先ほどからまことに遺憾なことであると当局もお認めになつておりますので、これ以上追究する必要はないのであります。この種の不正事件が起つて参りますことは、これはもちろんその当事者の不心得であることは言うまでもないのでありますが、これは実は監督指導の足らざる点からであるということをわれわれは考えざるを得ないのです。特に内閣の構成員であられるところの大臣並びに政務次官等は大体政治家でありまして、政治家が政治資金や政治献金等のためにややともすると好ましからざることを、その地位においてやる場合がなしとしないのであります。これは常識であります。そこでこうした事柄が行われる事実を見ておりまする部下の者、たとえば局長にしても、部長にしても、課長にしても、こういうような不正な行為によつて政治資金等をつくる、あるいはそういう利便をはかるというような行為を横目で見ておりますと、これは人情の非常な弱点でありますが、自然官紀の頽廃といいますか、綱紀の弛緩といいますか、そういうようなことが起りがちであります。それが次第々々に下の方に参りまして、弛緩が行われるのでありますして、常に道義高揚を叫んでおられる内閣におかれましては、十分御注意をなしていることとは思いますけれども、必ずしもわれわれが全体的に尊敬を払うまでのこととは少し事実が違うということをわれわれは考えるのであります。そこでこの種の問題が起るにつきましては、まず上がそのたたずまいを正さなければならぬ。そうしてほんとうに耐乏の生活に耐えて行く。今の官吏の俸給は、局長にしても、課長にしてもあるいはその下の者はもちろんのこと、現在国家が支給しております拾子が、官吏の生活を全面的に十分ならしめているとは私ども決して考えません。わずかに酸素を吸入して、炭酸ガスを吐き出す呼吸作用を営ましめている程度で、常に不足がちの生活におるのであります。今その上司の好ましからざることを見ておりますると、自然々々にそれに同化される危険があるのでございまして、この点においては、単に法律をもつて臨む——もちろんそれも必要でしようが、懲戒処分をするということではなしに、ほんとうに指導の任に当る大臣、次官等のその指導方針に誤りがあると、とんでもないことになると思うので、この点に対し、政務次官の心構えのほどを私はこの際承つておきたいと思います。
○安井政府委員 ただいま御指摘の綱紀の粛正につきましては、下部の組織に対して監督をいたし、また犯した者についてはそれぞれ法規上処分することはもちろんであるが、同時に監督の責任者の地位にある者自身も大いに自戒すべきじやないか、こういうお話であつたと思います。まことにおつしやる通りだろうと存じます。今後ともひとつ自戒いたしまして、御趣旨にそむかないようにいたしたいと存じております。
○熊本委員 この九件の案件中の七九七、これは犯人松本某外一名となつておりまして、本人逃亡していまだ逮捕されていないと書いてあります。しかもその金額がこの一件について四百四十二万七千数百円という厖大な金でありますが、一事務官として、こういう厖大な金額を横領するに至るような関係は、はなはだ穏やかならざる問題じやないかと思う。しかもその犯人が逮捕されてないということであります。この書類処理までには逮捕されてなかつたかもしれませんが、その後どういうことになつたか、それからこれだけの横領をするまでの経過は一体どういうことであつたかということについて、少し御説明を願つておきたいと思います。
○村上説明員 お答えいたします。この松本某と、もう一人大津という、これは事務官でございますが、これが多額の金額を横領した件でございますが、これはこの者が分任収入官吏として事業場におもむきまして、保険料を収納することになつております。この収納した多額の金額を横領したということのために、この金額が非常に厖大なものになつているわけでございます。この者につきましては目下捜索をいたしておるのでございますが、遺憾ながらまだ所在が不明でございまして、逮捕されるに至つておらないのでございます。まことに遺憾な事件でございますが、分任収入官吏として事業場におもむいて、それを横領したという件でございます。
○熊本委員 どういう階級の官吏であつたかよくわかりませんが、とにかく保険金四百四十何万というものを横領するまでには相当の期間もあつたことだと考えますが、事犯の期間はどのくらいであるかということ、それから当人は言うまでもなく、こういう重大な過失を犯さしめた、その監督の地位にあつた者には、一体どういう処置をしたか、これは当人がごまかしたのであるから自分は責任がないのだというような処置の仕方をしておれば、官規紊乱は将来もためることができないと思います。これらの責任追究には一体どういう処置をしたか、それを御説明願いたいと思います。
○村上説明員 お答えいたします。この不正事件は二十四年八月十五日から同年の九月十七日までの約一月間に起つておるのでございます。はなはだ遺憾に存じておる次第でございますが、この者につきましての監督者は、兵庫県の労働部失業保険徴収課長が一応なつておる次第でございます。徴収課長に対しましては厳重注意をいたしまして、今後かかる事件の発生しないように十分戒告をいたしているような次第でございます。
○熊本委員 これらの行政処分については政府がやるものでありまして、われわれがあまり関与することはどうかと思いますが、これほどの厖大な金額を横領した、しかもその監督不行届者に対して厳重なる注意をしておいたという程度のことでは、はなはだわれわれは了承できない。そのようなことがあれば、当然その課長か何か責任者はみずからの良識に訴えても何らかの責任をとるべきである。そういうものを単なる訓戒か警告か知りませんが、そういう処置をされるということであつては、私ははなはだ妥当でないというような考え方をするのでありますが、こういうような場合はおおむねそういうことが慣例になつておりましようか。
○村上説明員 監督者の処置でございますが、直接監督者でございます係長は懲戒処分にいたしてございます。その上の上級監督者であります徴収課長につきましては、先ほど申し上げました通り、厳重注意をいたしたわけでございますが、本件につきましては単に戒告にとどまらず、本省といたしましても、業務の直接指導をいたし、今後かかることのないように帳簿の取扱い等につきましても改善の措置を考え、その改善方を通達するかたがた、監査制度を活用いたしまして、さらに現状監査をいたす、かような措置をいたしております。
○熊本委員 念のため懲戒処分を受けた係長の氏名、それからその上位にありました訓戒を受けました課長の氏名をお知らせ願いたいと思います。
○村上説明員 お答えいたします。懲戒処分を受けました者は、地方事務官松井睦夫と申す者でございます。それからさらにその上級監督者でございます失業保険徴収課長は実成清であります。
○杉村委員 労働省にとりましては、七九九——八一四のこの労働者災害補償保険料の問題は、これはきわめて重要な問題なのですが、これについて政府当局の十分なる御説明が願いたいと思います。
○池辺説明員 会計検査院より御指摘を受けました徴収金不納の問題について御説明申し上げたいと思います。会計検査院より指摘された徴収金の不足分が一千二百万円ばかりございますが、その後われわれとして収納に努力いたしました結果、現在未収として上つておりますのは、神奈川県の十八万一千二百三十六円と静岡県における七万八千九百四十八円、計二十六万百八十八円ばかりは現在まで未収になつておりますが、その他のものにつきましては全部収納したような次第でございます。神奈川、静岡につきましては先ほども申したように、二十六万残つておりますが、このものについては今後督促を続けて完全徴収をいたしたいと考えておる次第でございます。
○杉村委員 保険料が未徴収になつておるときに事故が起つたらどうなりますか。
○池辺説明員 労災法の十八条には、保険料の滞納中に生じた事故については給付を制限するということになつております。従いまして使用者の方において保険料を全額滞納しておるような場合においては、全額不支給ということにいたします。一部納入されておりまして残余の分がまだ納入されていないというような場合については、納入の割合によつて給付制限をいたすということになつております。
○杉村委員 労働者災害補償保険法の今のあなたの説明は、保険料を納付しないときには全額またはその一部を支払いしないことができるというのであつて、当然にできるわけではないのではないですか。
○池辺説明員 まさにおつしやる通りでございまして、われわれとしては一応給付制限をいたしますが、使用者が資力薄弱のために労働者が補償を受けることができないというような事態になりますと、全額補償するということにいたしておるのであります。これは行政上の取扱いでございまして、一応は給付制限の建前をとる、しかしてどうしても補償が確保されないというような場合につきましては、そのときの事情によつて支払う、こういうようなぐあいにいたしております。
○杉村委員 こういうような保険料の納入をしなかつた場合において、今度はけがをしたら、労働者に金が支払われないというようなことになると、労働者の保護に対して欠けるところができて来やしませんか。いわゆる使用人の方で保険料を払わないのゆえをもつて、その労働者が金をもらえなくなるということになると、労働者保護の規定が何だか変なことになりはしませんですか。
○池辺説明員 過去六箇年間現実に労災保険が運営されて参つたわけでございますが、御指摘のものが二、三出て参りました。しかしそれにつきましてはわれわれとしてはなるべく支払いをするというようなことで、これまで補償が大分遅れておりましたが、労働者に直接払つた例が三、四件ございます。
○杉村委員 そういうわけでありますから、労働者保護の規定でできておるのです。労働省にとつて一番大きな問題です。しかもその労働者保護の規定に基いて出ておるところの法律によつて徴収すべき保険料が——三菱石油だとか日本通運だとか、ここに書いてある会社はいずれもりつぱな会社です。そういう会社から労働省が保険料を未徴収でおく、そして会計検査院から摘発されるということは、われわれからいえば、いわゆる政治的なことが行われておるのじやないかと考えられる。これが、会社が貧弱でそういう保険料を納められない会社であれば、これもまたいたし方ない場合があるが、ここに書いてある会社はいずれも堂々たる会社でありましよう。そういう会社の保険料を未徴収にしておいて会計検査院から摘発されるというがごときことは、まさにこの裏面に冨吉委員が言つたような、いわゆる不正なことが行われているのじやないかという疑惑を受けてもしかたがないのだから、こういうことは今後十分注意してもらわなければならぬと思います。
○池辺説明員 ここに御指摘を受けましたのは、われわれ当初概算保険料として決定いたしました額そのものが、その後精算いたすべきでありましたが、その際に調査不十分であつたために、一部徴収不足を来した点を指摘を受けたわけであります。われわれといたしましてもこういう保険料の徴収につきましては政治的な配慮をいたしておるわけでは決してありません。現実に完全に保険料を徴収するように努力いたしておるわけであります。今後も中央、地方の監察官を動員するばかりでなく、地方の労災課長をして保険料の完全徴収に対しては御指示のようにいたすよう努力して参りたいと存じております。
○熊本委員 私先ほど答弁を受けて一応了承したつもりですが、労働省が出したガリ版刷りの関係調書によりますと、松井というものは共謀犯人と書いてあります。そうするとこれは責任による免職ということではないのですね。どちらがほんとうですか。
○村上説明員 御指摘の通りでございまして、はなはだ説明が足りないで恐縮でございます。共謀でございます。ただ、係長といたしまして上級者としての関係でございます。
○熊本委員 そうすると先ほど聞きましたように、上部監督の責任にある者は単なる戒告というか警告等によつて事が済む、こういうことになるわけですね。
○村上説明員 御指摘の通りでございます。
○細迫委員 労働省の方にお聞きしますが、一体労災保険の会計の収支は従来どういうふうになつておりますか。赤字が出ておるかどうかという大ざつぱのところでけつこうですから御説明願いたい。かつかつにやつて行けますか。
○池辺説明員 労災保険の保険経済につきましては昭和二十六年度当初までは赤字経済を続けていたわけでございます。ところが二十六年度に保険料率の改正をいたしましたばかりでなく、法律の改正をいたしましてメリツト制をしいたわけであります。それ以後漸次膨脹して参りまして、二十七年度末におきましては約三十億ばかりの現実の剰余が出るに至りました。但しこの保険におきましては、御承知のように、長期給付をいたしておりますので、決算上からいたしますなれば、約六十五億ばかりの支払金を積み立てなくてはならない。従つて決算上から申しますと約二十五億ばかりの赤字である。しかし現実の収支の計算におきましては三十億ばかりの剰余が出て参る、こういうような状況でございます。
○阿部委員 その労災保険のことでありますが、法律によると年間三百人以上の労務者を雇用する者は、土建業であろうと林業であろうと、また臨時に雇う者でもみんな強制的にこの保険料を払わなければならぬことになつておりますが、こういう業種に属する雇用者が、その婦人がたまたま負傷あるいは死亡という業務上の災害にあいましたとき、労災保険に加入しておらないということが暴露されて、しかもそれのみならず基準法によつてその被雇用者に対してそれぞれの扶助をしなければならぬにかかわらず、その資力が十分でないために、労働者が全然救済を受けることができないという問題が地方ではひんぴんとして起つております。労働省におかれては、この強制適用を受けなければならない業種であつて、事実上労災保険に加入しておらないという業者がどのくらいあるか、それによつて雇用されておる人数がどのくらいあるかというようなお調べはなさつておるだろうと思いますが、それらの点についてお答えを願いたいと思います。
○池辺説明員 お答え申し上げます。ただいま資料を持つておりませんので、明確なお答えをすることはできないのでありますが、後刻資料をととのえましてお手元に差上げます。
○阿部委員 それではその当然強制適用を受けなければならぬ者で現在受けておらない者が多いということは御承認になることと思いますが、それに対してどういう態度をおとりになつておりますか。それをお聞きしたいと思います。
○池辺説明員 お答え申し上げます。大体労働基準法の適用を受けておりますところの事業場は七十五万と計算しております。そのうち労災保険の強制適用を受けておりますのは約三十七万余あるのであります。御指摘がありました小さな事業場につきましては、あるいは抜けておる部分があるかとも思いますが、現在強制適用事業は、ほとんどわれわれとしてはつかんでおるというふうに考えておるわけであります。ただ先ほどお話のございました年間三百人以上使うというような事業につきましては、おそらくそれを業としておるのではなくしてあいまに仕事をするというような者で、われわれとしては実際つかみにくいような業種であるわけです。そこでこういう人たちがけがをしたというような場合に非常に困るのではないかというので、土建関係につきましては特に組合をつくつていただきまして、そういう方も全部そこに加入するような行政措置を講じまして、現在では御指摘のありましたような事例の少くなるように行政的に配意をいたしておるわけであります。
○阿部委員 林業についてはいかがでございますか。
○池辺説明員 お答え申し上げます。林業につきましては森林組合を単位といたしまして、全部つかんでおるような次第であります。
○阿部委員 事実は林業において適用に漏れておるのがはなはだ多いのであつて、林業関係の負傷者は実に悲惨なる立場にある実例が多いのであります。この点さらにお尋ねはいたしませんが、特に御考慮を願いたいということを申し上げておきます。
○柴田委員長代理 以上で労働省所管の審議は一応終ります。 —————————————
○柴田委員長代理 次に経済安定本部所管に移ります。すなわち検査報告書三百十ページ、経済安定本部一般会計中予算経理の項及び不正行為の項を便宜一括議題とし、そのうち特に番号九九〇ないし九九二の以上三件について詳細な説明を求めます。池田説明員。
○池田会計検査院説明員 ただいま議題に上つております九九〇から九九二号の不当経理の問題でございますが、各省におきまして、この二十五年度に架空経理が相当あつたわけでございますが、これはやはりその一部とも見るべきものでございまして、金額的に申しましても相当大きくございますし、またその個々の案件を拾いましても単価が相当高いような実情でございまして、こういう経済調査局というような監督の責にあることを職務とする役所におきまして、こういう架空な経理が起りましたことは、はなはだ遺憾なことでございます。ただ、しいて申しますれば、この経済調査局というものが相当司令部関係の、何といいますか、アドヴアイスによつてできた役所でありましたので、その当時としてはそういう方面の交際費その他があるいは多少いつたかとも思いますが、いかにも程度が高いということと、経理そのものが虚偽の経理をしてあつたという点におきまして、その性質がきわめて悪質であるというふうに考えておる次第でございます。
○柴田委員長代理 ただいまの説明に対し、政府当局に補足して説明の必要があれば、この際発言を許します。
○塚本政府委員 本件は会計検査院の御指摘の通りでありまして、九九〇ないし九九二は東京、大阪、鹿児島の各地方経済調査局において、また九九三は経済調査庁で行われたものであります。その後昨年八月一日の行政機構改革によりまして、経済調査庁及び地方経済調査局の事務及び職員はいずれも行政管理庁に継承されましたが、経済安定本部設置法の廃止及びこれに伴う関係法令の整理等に関する法律によりまして、旧経済安定本部所管にかかるものの決算事務は経済審議庁においてこれを取扱うことになりました。それで本件の処理の内容の詳細につきましては、後刻行政管理庁側から御説明があることと思いますが、一言申し上げますれば、こういう事態の起らないようにかねがね注意をして参つたのでありますが、不幸にしてかかる事態の発生を見ましたことはまことに遺憾千万でありまして、今後かかる事態の起らないように、その後あらためて十分注意もし、監督も厳重にし、また当時の責任者にはそれぞれ行政処分をしおります。なお経済調査庁の件及び鹿児島地方局の件は刑事事件とも関係し、いずれも有罪の判決を受けております。次に、残金につきましては国庫に収納済みであります。 以上申し上げた通りでありますので、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げたいと存じます。
○柴田委員長代理 行政管理庁の方から御説明願います。
○長谷説明員 それでは私から事件の内容を三件、東京から順序に従いまして御説明申し上げます。九九〇の東京地方経済調査局でございますが、この事件につきましては、当時局員の運転手が銀座におきまして経済違反を種にしまして、恐喝事件が発生したのでありますが、それに関連いたしまして東京地方経済調査局の中に何らか刑事上の疑惑がありというふうに警視庁の方から見まして、手が入つたわけであります。それで昭和二十六年八月十四日に総務課長補佐の宇宿と、金野という会計係長が勾引され、同時に局の総務係が臨検、捜査をされました。そして帳簿類も押収されまして、いろいろ調査があつたわけであります。その結果八月三十一日に金野、それから九月五日に宇宿の両名は釈放されまして、書類は東京地検に送付されたわけであります。検察庁におきまして取調べの結果、個人的な横領、着服の嫌疑はございませんでしたので、十二月二十八日に本件は不起訴の旨口頭の申渡しがありました。そして会計検査院におかれましてはこの事件の報告を聞かれまして、それに基きまして二十七年の三月十六日から三日間、予算執行職員の責任に関する法律に基きまして、国損とその弁償の有無を検定いたされるために、実地に検査されたのでありますが、昭和二十七年の四月、講和発動による恩赦によりまして不問処理となつております。その事件の内容につきましては、報告にもございますように、四百四十一万円の金を浮かしまして、交際費的なものあるいはレクリエーシヨン経費のようなものに充当いたしております。はなはだ遺憾にたえない次第でございます。そして責任者といたしましては、その当時の支出官であります局長の真子伝次につきましては昭和二十六年十二月十日に戒告を与えております。それから支出負担行為担当官であります第一部長の高野武和賀に対しても同日戒告を与え、総務課長の坂元甚助につきましては、同様同日付をもつて訓告を与えております。これが東京局に関する荒筋でございます。 続いて大阪地方経済調査局の分を御説明申し上げます。大阪地方経済調査局につきましては、昭和二十六年一月十日に同局が失火によりましてその一部が焼失したのでありますが、それにつきましては火災原因が不明でございまして、いろいろ放火ではないかというような疑いも発生しました。衆議院の行政監察特別委員会第二部が現地におもむきまして、この事件を監察なさつたわけであります。それに基きまして不当経理の事実が発覚いたしました。そうしてその監察委員会におきましては御調査の結果、委員長内藤隆様の名をもちまして経済調査庁の次長に対しまして、厳重なる注意が与えられたのであります。検査院におかれましては、八月一日から三日間にわたりまして実地検査を行いました。いろいろ国損とその弁償の有無を検定なされたのでありますが、右と同様二十七年四月講和発動による恩赦により、不問処理になつております。事件の内容といたしましては昭和二十五年五月から九月までの間におきまして、自動車の雇い上げ経費の支出という名義によりまして四十一万二千円を浮かしまして、交際費的なものに充当いたしております。そうして三百九十円の残金は、二十七年七月八日に国庫に返納いたしております。責任者といたしましては支出宮の局長林勝寿に対して、二十六年十二月十日戒告を与えております。支出負担行為担当官である臼田彦太郎に対しましては、同日付同じく戒告処分を与えております。総務課長の岸田健市に対しても、同日付をもつてやはり戒告を与えております。 その次に九九二の鹿児島地方経済調査局の分でございますが、これは昭和二十六年におきまして庁舎が落成いたしました。その諸経費に充当する旨をもちまして、県庁から供米督励費として二十万円を受けたのでありますが、その使途について疑惑が発生いたしまして、検察庁において不当経理の事実が摘発されたのであります。検察庁におきましては、九月七日現局長と当時の第一部長及び総務課長に対して出頭を命じまして、供米督励費の収授関係について聞き取りを行つたのであります。次いで翌日九月八日に前局長の宇都栄二に対しまして逮捕状を執行し、十七日には庁舎の臨検、検査等が行われたのであります。そして九月二十六日には、第一部長の岩元謙雄に対しまして逮捕状を執行しました。十月四日虚偽文書作成同行使及び業務上横領の罪名によりまして、鹿児島地検に第部長の岩元と局長の宇都栄二が起訴されました。爾後七回にわたります公判によりまして審査を進められまして、二十七年七月二十八日に宇都栄二は懲役一年六箇月、岩元謙雄は懲役一年、三年間執行猶予の判決がありました。岩元は懲役一年、三年間執行猶予にただちに服罪しましたが、宇都栄二は八月十一日に控訴申立てをしました。控訴審は福岡高検宮崎支部で審理されまして、本年——昭和二十八年五月四日に第一回公判、同月二十日第二回公判を結審といたしまして、懲役一年六箇月、三年間執行猶予の判決がありまして、これに服罪しております。検査院におかれましてはこれに基きまして、二十七年二月十一日、十二日の二日間真偽の検定のために現地でいろいろ御調査になつたのでございますが、事件が起訴中でございましたので、一応国損の弁償の有無に対する審議は延ばされておりました。今回の控訴審の判決に伴いまして、昭和二十八年六月十五日から二十日の六日間にわたりまして現地でいろいろ御調査になりまして、目下国損の弁償の有無を検定審議中でございます。事件の内容は、昭和二十五年十一月から昭和二十六年八月までの間におきまして、旅費の架空支出、自動車の雇い上げ費の水増し費等におきまして二百五十一万五千円を使いました。主として交際的なもの、リクリエーシヨン経費等に充当したものであります。残金一万二千八十七円ごさいましたが、これは二十八年三月二十一日に国庫に納付しております。その当時の責任者といたしまして支出官の局長宇都栄二氏はすでに事件の当時やめておられましたので処分はいたししおりません。第一部長も同様でございます。その発覚当時の後任局長の二日に対しましては昭和二十六年十二月十日戒告をいたしました。同じく総務課長の中嶋英夫に対しましても訓告を与えております。これが事件の概要でございます。説明を終ります。
○柴田委員長代理 これより質疑に入ります。
○熊本委員 先ほどの労働関係における不正支出も、またここへあげられております不正支出の三件も、ともどもに話し合したように自動車の借上げ修繕ということになつております。こうなつて参りますと、不当支出の手段としては架空自動車借上げ修繕料が一番やりやすいらしいということがわかるのでありますが、これについては、当然領収書、その他のものがそろえてあるだろうと思うのでありますが、そういう事務的な処理は整つておるのですか。ただ帳簿上の問題ですか。
○長谷説明員 書類は全部整つてございます。領収書もございます。
○熊本委員 そうなつて参りますと、これは不当支出並びに横領等のいわゆる幇助を関係自動車会社がやるということになるのでありますが、これらの問題については官庁としては放任主義でありましようか。それとも何らかの処置をとられるのでありましようか。
○長谷説明員 この自動車の雇い上げ費につきましては、全部がこういう虚偽なものではございませんので、相当日々雇い上げておるのであります。それで厳重監督はいたしておるのでございますが、業者と顔なじみになつていると申しますか、そういうことのためにこういう書面がつくられるのだろうと思います。
○熊本委員 逆に言いますと、こういう架空的な帳簿処理ができるような協力をするものでなければ、こういうところの官庁は雇い上げをしないということすらあります。言いかえれば官庁のかくのごとき不当支出や横領に協力する自動車会社をえて出入りせしめるという風習すらないではありません。こういうことについて当局がただやつた当事者を一方の官庁処分に基いて、その直接の犯人を処分すればそれでよろしいというようなことでは、これははなはだ将来が思いやられるのでありますが、そういうことについては十分お考え置き願わないと、将来至るところでこれは続出するかと思うわけでありまして、これらの案件に対して、たとえば検察当局が手を入れたといたしますれば、これの幇助者としての、あるいは協力者としての刑事処置等についての判例が何かあれば、そういうことをちよつと聞かしてもらいたいと思うのです。
○長谷説明員 そういうものの判例があるかどうか、私は現在資料を持ち合せておりませんので存じませんが、経済調査庁時代の自動車借上費は二十六年度で打切りました。全部自動車が整備されましたので、二十七年度には組んでおりませんでした。御承知の通り、経済調査庁はなくなりまして行政管理庁に、二十七年八月からでありますが、統合されまして、仕事の内容も御承知の通り当時は統制経済法関係の違反の追究でございました。現在は行政管理庁の監察部となりまして地方では監察局でございます。行政監察を主といたしております。そういうふうに仕事の内容も二十七年八月一日以降はつきりとかわつて参つたのでございます。それと同時に二十八年度予算におきましても、地方につきましては全然雇い上げ費はございません。行政管理庁本庁にただ一台分の七十一万円の雇い上げ費が予算に計上されているだけでございます。雇い上げの問題につきましては、御指摘の通り、いろいろと問題がございますが、今後こういうことは絶対ないというふうに指導して行きたいと存じます。
○杉村委員 交際費というのはどういう交際費であつたのですか。その交際をした人、消費した人はどういう地位であるか、それから交際費に消費したその回数等を聞かせてくだざい。
○長谷説明員 東京局におきましては民事部関係官との懇談、それから関係各庁との懇談、それから新聞社との懇談等について主として費しております。これは三局とも大体同じ傾向でございます。
○杉村委員 いま少しよくわかるように説明してもらいたい。民事部関係といつたつてわからない。あなたの方は民事部関係と言えばわかつているでしようが、その民事部はどこの民事部なのか、自分だけわかつていてもだめなんです。よくわかるように説明してください。
○長谷説明員 どうも失礼いたしました。経済調査局は先ほどの説明の中にございましたように、総司令部の慫慂によりまして発足しました官庁でございますので……。
○杉村委員 そういうよけいなことはいらない。そういうよけいなことを言うから聞く方がわからなくなる。要するに相手方がだれで、経済安定本部ではだれがだれとどこでどういう交際のために使つたと、あまりどこで慫慂せられたとかいうことは必要ない。もう少し簡潔に答弁を願いたい。——これは大分件数も多いですし、実はわれわれはどういう地位の人間が、どういう交際のために、どういうところへ集まつて金を使つたかというようなことは、こういうことを廓清するためには、ぜひ知つておかなければならないことで、それがために伺うのでありますから、今ここで一つ一つ答えをするのも何だとすれば、表にでもしていただいて御提出願えれば、たいへんけつこうだと思います。
○長谷説明員 それではあとから詳しく表にいたしまして御提出いたします。
○熊本委員 きようは行政管理庁の菊池政務次官がお見えになつておりますから、伺いたいのですが、先ほど申し上げましたように、自動車業者との通謀によるかような不正行為は、まだ私ほかを調べておりませんが、そういうことに応ぜざるところには出入り禁止が行われるということすら私聞いておるわけですが、こういうような問題については、官庁として相手方を直接処分の対象とはできないかもしれないが、しかし実質的には共謀者であるということでありまして、これを逆に応諾することによつて出入りが行われるということになりますと、はなはだ重大問題だと考えておるわけでございます。そういう問題等について、政府の所信を伺つておきたいと思います。
○菊池政府委員 まことに申訳ないことでございますが、今後はこういうことのないように十二分に自戒いたしまして、皆さんの御期待に沿いたいと存ずる次第であります。
○熊本委員 今菊池政務次官から御答弁がございましたが、過去においてこういうような犯罪行為の対象となつたその自動車会社——先ほど調査局はなくなつたとおつしやいましたが、その他の関係において、これらの不正事案に関連する会社とのその後の出入り関係はどうなつておるかということについて、お調べを願いたい。そして私の方からも、これをなお調べて関連するものを指摘しますが、政府としてもこれを抜粋して、その後の状況を表にしてお知らせ願いたい、かように考えます。
○菊池政府委員 承知いたしました。
○長谷説明員 先ほど御説明申し上げましたように、自動車の雇い上げの経費は、地方にはすでに予算上ございませんので、タクシー会社との関係は、もはや現在においてはございません。東京の本庁だけにありますが、これにつきましては、十分今後ともそういうことのないように努めたいと存じておりますので、御了承願いたいと思います。
○柴田委員長代理 本日はこの程度といたしまして、次会は明後七月一日、水曜日、午後一時から、前回に継続して、大蔵省所管事項中、物件の項、番号一四二のいわゆるニユーエンパイヤモーター株式会社所在、虎ノ門小公園問題について審議の予定であります。 本日はこれで散会いたします。 午後三時二十六分散会