経済安定委員会 第22号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/07/31
会議録
○佐伯委員長 これより会議を開きます。 本日はまず請願及び陳情書の審査に入ります。まず請願についてその審査を行います。 当委員会に付託になりました請願は、本日公報にあげてあります通り九件であります。その審査の方法は、まず紹介議員の御説明を聴取し、次に政府当局の所見を伺い、議決については後刻一括してこれを行うことといたします。なお審査の順序がについては日程を若干変更いたしますが、御了承を願つておきます。 まず日程第二の御母衣発電所建設計画変更に関する請願を議題とし、紹介説明を求めます。小笠公韶君。
○小笠委員 日程第二の御母衣発電所建設計画変更に関する請願につきまして、紹介議員が不在でありますのでかわつて御説明申し上げます。 本請願の要旨は、昨年政府が発表いたしました電源開発基本計画の中で、岐阜県の御母衣発電所の原計画の実施によりまして相当広い耕地を失い、また陥没、水没家屋も相当出て参りますので、これが救済が非常に困難でありますので、この計画をひとつ変更していただきまして、庄川支流の尾上郷川並びに六厩川にせきをつくりまして、大きな貯水池をつくる。そうして御母衣発電所を水路式にするようにその設計の変更をぜひお願い申し上げたいという趣旨であります。 つきましては、この御母衣発電所の設計変更につきまして政府の御意見を伺い、でき得る限り請願の趣旨の達成に御配慮を煩わしたいと存じます。
○佐伯委員長 次に本請願に対する政府の所見を求めます。
○佐々木政府委員 御母衣地区の設計変更の問題でございますが、現地側からも再三お話がございまして、実施の主体であります電源開発株式会社の方へも陳情を受け、政府側からもお話を申し上げまして、目下開発会社におきましていろいろ調査研究しておる最中でございますから、御要望の趣旨に沿えるかどうかは開発会社の検討の結果をまたないと——まだ確答の段階には達しておりませんけれども、できる限り御要望の趣旨に沿えるように研究調査を進めるように、重ねて開発会社の方へお話しておきたい、こう考えております。 —————————————
○佐伯委員長 それでは次に日程第六、特殊土壌地帯災害防除、保全等諸事業に対する国庫負担並びに補助率増額に関する請願を議題とし、紹介説明を求めます。小笠公韶君。
○小笠委員 紹介議員山中貞則君が不在でありますのでかわつて御説明申し上げます。特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の施行に伴いまして、農地の改良あるいは適切な災害防除の対策が樹立せられたのでありまするが、これが実施につきまして同事業に対する国庫負担とかあるいは国庫補助率というものは現行のごとき低率ではなかなか期待通り参りかねるのでございまして、耕地災害等の復旧事業に対する率と同様に国庫負担あるいは国庫の補助率を引上げてほしい、こういう請願の趣旨であります。何分ともよろしくお願い申し上げます。
○佐伯委員長 次に本請願に対する政府の所見を求めます。
○佐々木政府委員 特殊土壌の災害防除の件に関しましては、昨年度以来非常な熱意をもちまして着々実施中でございますが、御請願にあります補助率の引上げ等に関しましては、何とかその趣旨に沿えるようにただいまいろいろ研究立案中でございますので、近く成案を得次第六蔵省当局とも御折衝いたしまして、希望に沿うように努力してみたい、こう考えております。 —————————————
○佐伯委員長 それでは次に日程第九、河川総合開発に公営電源開発資金のわく拡大に関する請願を議題とし、紹介説明を求めます。
○小笠委員 紹介議員が不在でありますので、便宜かわつて御説明申し上げます。 河川総合開発に伴います公営電源開発資金のわくを広げてほしい、こういうことが請願の要旨であります。公営電源開発に伴いますダムの建設というものは、洪水と土砂の流出を防止調節し、農業用用水の合理的確保をして、生産力を向上させるものであり、地方産業の基礎を強化する上において相当の寄与をすることは言をまたないの下あります。地方産業基礎の強化のために、この公営電源開発に要する資金のわくをできるだけ広げてほしい、そしてすみやかに電源開発の促進をして、地方産業発展の基礎を確立してほしいというのが請願の要旨でございます。何分の御審議をお願い申し上げます。
○佐伯委員長 次に本請願に対する政府当局の所見を求めます。
○佐々木政府委員 県営の電力のわくの問題でございますが、昭和二十六年度は資金運用部資金から、たしか二十七億と記憶しておりますが、出しまして、昨年度は五十七億出してございます。二十八年度に関しましては、八十億を資金運用部資金から出す予定でございまして、あと十五億を県の公募ということで、九十五億のわくでただいまのところは進んでおります。県営の電力は、御請願にありますように、趣旨といたしましては多目的ダム、すなわち治山治水、あるいは電力、あるいは下流の農業開発といつたような総合的な目的を持ちました電力の開発でございますから、資金の許す限りこの事業を発展させるのは至当のことかと思いますが、何しろ非常に希望が多うございまして、今年度の希望の主たるもののみでも、かりにやるとたいへん厖大な額になりまして、たとい二十八年度に予算をつけたといたしましても、二十九年、三十年になりますと、資金運用部資金に期待する額が非常に多額になりまして、一方資金運用部資金の面からいたしましても、手持ち公債の売却あるいは今までの繰越金の使用、あるいは預金そのものもそれほど厖大にふえるという期待も持てませんので、ただいますぐわくをふやしますと、二十九年度以降の事業に関しましては、結局において満足な予算がつかずに電気の工事が延びるというふうな予想も強くいたされます。御承知のように電気は商品でございますから、工事を長引かせて、そうして高い電気ができるということになりますと、国家経済上から見ても非常に不経済になりますので、相なるべくは現在のわく内で着手して、その継続の分はできるだけ早く完成させるという原則を立てたいと考えておりますけれども、いろいろ御請願の御趣旨もございますので、大蔵省が主体になつて目下研究中でありますが、ただいまのところでは、御希望に沿い得るかどうかという確答のほどはいたしかねる段階かと存じております。しかしいずれにしても重要な問題でありますので、とくと研究してみたい、かように考えるのでございます。 —————————————
○佐伯委員長 それでは日程第一ないし第九の請願を一括して採決いたします。ただいま審査を行いました日程第二、第六及び第九の各請願の趣旨は、いずれも妥当と認められますので、これを採択の上内閣に送付すべきものとし、日程第一及び第七並びに日程第三ないし第五及び第八の各請願については、その要旨はそれぞれ離島振興法をすみやかに立法せられたいという趣旨及び化粧品のごとき商標の信用により販売せられる商品については、再販売価格維持契約を認めるよう、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正されたいという趣旨でありますが、これについては、それぞれすでに離島振興法案並びに私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案が本院の議決を見ております関係上、これは議決を要しないものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。 なお委員会報告書作成の件については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○佐伯委員長 次に陳情書の審査に移ります。当委員会に送付せられました陳情書は、本日の日程通り十一件であります。右陳情書の内容は、おおむね請願及び本委員会の行つて参りました審査または調査とその趣旨が大体同様でありまするので、本委員会としては、これを了承いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○佐伯委員長 この際閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。当委員会におきましては、日本経済の基本的政策に関する件について国政調査を行つて参りましたが、今会期中それを終了するに至らず、閉会中においてもなお引続いて調査を進めたいと存じますが、これがためには、審査すべき事件につき、特に院議により当委員会に付託されなければならず、従つて委員会としては、その事件をあらかじめ議長に申し出なければならないのでありますが、これにつきましては、一、日本経済の自立計画策定に関する件、一、国土総合開発に関する件、一、電源開発に関する件、以上三件につき、議長に閉会中審査の申出をするに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。 なお、この閉会中の審査事件が、院議により本委員会に付託になりましたならば、その調査の方法として委員を派遣して現地の実情を調査する必要も起ると予想されますので、これにつきましても、委員長及び理事に御一任を願い、議長にその承認申請をいたしたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではさよう決定いたします。 —————————————
○佐伯委員長 この際委員長より一言申し上げます。今回国土総合一州促進全国協議会から本委員会に対しまして、国土総合開発促進のために決議案を上程されたいとの申出がございます。つきましては、本委員会には各党の方々が出ておられますので、御賛成を得ますならば、各党の方々が党をおまとめになつていただきまして、議長に決議案の上程を要請したいと存じます。本件に対してお諮り申し上げますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 御異議がなければそのようにとりはからいます。 なお決議案の要領を朗読いたします。 決議案 政府は現下内外の困難なる諸情勢下において国土の積極的なる開発が祖国再建の基本たるに鑑み、速かに総合開発計画を策定すると共に、その効果的実施を図るため、関係各省の割拠主義を排し、これが具体化を強力に推進すべきである。 右決議する。 以上のような要領をもつて提案したいと存じます。
○山本(勝)委員 私はその決議を行う前に、もう少し総合開発計画というものについて、ここで検討をしてからやるべきものだと考えております。その決議案を出してもらいたいという陳情を先般私は党で受けたのであります。なるほど地方の町村長、ことに開発地域と指定されている地方の町村長が、総合開発協議会というものをつくつているのに、何も事が運ばないということでいらいらして来て、何とか動きたいが、経済安定委員会で決議をしてくれればそれを機会にして積極的に動きたい、こういうふうな意向でありました。しかし私はそのときも申し上げたのでありますが、そういう決議になりますか、あるいは反対の決議になり市すか、それは検討して見なければわからない。ただやれやれと言つて実際できないようなものを掛声だけかけてもしかたがないから、ほんとうにやり得ることで、しかもそれが必要なことを集約的にやるということはけつこうでありますけれども、ただ大ぶろしきの掛声だけあげて、そして地方の町村長たちにうまく材料を与えるというようなことは私はどうも慎重を欠いていると思うのであります。
○佐伯委員長 ただいまの山本委員の御主張はまことに妥当のように考えられます。案は本日は最終日ということを予想いたしましたが、今国会は一週間延長されるやに聞き及びます。ことに本委員会におきましては、ようやく国土総合開発の審議に入つたばかりでありますので、ただいまの山本委員のお申出通り、国会の延長期間中国土総合開発の内容その他を十二分に調査をいたしまして、最終日くらいまでに本案の可否を決定いたしまして、その上ですることに変更したいと存じますがいかがでありますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐伯委員長 それではそのようにいたします。 —————————————
○佐伯委員長 次に電源開発の経過並びに計画に関する件、昭和二十八年度年次経済報告及び国土総合開発の経過並びに計画に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。山本勝市君。
○山本(勝)委員 前回質問いたしましたことをもう一度繰返したいと思うのであります。年次経済報告、いわゆる経済自害並びにこれまでの委員会または本会議において経済審議庁が述べられている日本経済の現状分析に関する問題であります。 かいつまんでもう一度申し上げますと、日本の現在の経済状況を分析すると、生産面におきましては鉱工業あるいは農業それぞれ違いましようが、とにかく戦前基準年度である昭和九年から十一年までの平均に比べて四割生産が超過している。つまり戦前よりも生産活動が多くなつておるというようなこと、ところが消費水準というものは昨昭和二十七年はその前年に比べても一六%も上つたというにもかかわらず、なおかつ戦前の基準に比べて九六%、つまり戦前の線までまだ届かないという。しかも貿易の方は三〇%そこそこまでしか復興していない。朝鮮特需の中で消費特需を含めましても三六%にすぎない。それから資本蓄積はここに書いてあるかどうか知りませんが、一般に戦前よりもはるかに低いと言われておる。そうすると全般的に見して生産がふえて消費水準が元に届かないで、貿易はひどく少くて、資本蓄積は少いということの、そういう生産のインデックス、指標の間の平仄が合わないと思う。どこかに門違いがあるのではないか、大ざつぱに考えますと、生産から消費を引いて残りが蓄積にまわるか、あるいは貿易として外国に行つておるか、こういうことがごく大ざつぱに言えるのではないかと思うのですが、生産が増して消費がこれに伴わない。外国へ行くのは少い、蓄積も少いということはどこかに間違いがあるのではないか。先般も貿易の三〇%というものは何かの計算の間違いではないかというふうに申したのでありますが、審議庁の方からいろ川、こまかな調べをいただいて、まだよく見ませんけれども、一応御説明をただいま聞いたのでありますが、貿易の方が戦前に対して輸出面においては三十何。パーセントにすぎないということは、どうも根拠がありそうであります。かりにそこに根拠があるとすると、欝積の方が実際の世間で言われて出るよりも多いか、あるいは国民の消費水準が実際に言われておるよりもひどく高い、あるいは生産指数がもつと低いということになるのじやないかと思いますが、私が勘で考えたところでは、国民の消費水準が九六%というのは間違いで、おそらくこれは一二〇%にも二三〇%にも戦前よりも上つておるのではないかというように考える。これは勘で考えたのですけれども、この年次報告を実はタベもこまかく統計や何やら見てみたした。そうすると、どうもいよいよもつて私は、消費水準が戦前に及ばぬというこのインデツクスが間違いだという確信を深めておるのです。これについて審議庁の専門にこういうものをやつておられる方の御意見をひとつ伺いたいと思うです。 この報告の附表の九十四ページ、76ノ1、それからその次のページ、76ノ2、これをいろいろ調べてみたのでありますが、そうするとここに生活物資主要品目供給量、そういうのが出ております。これが生活物資の主要品目供給量でありますから、消費水準というものもをわれが考える場合の大きな一つの根拠になるものだと思いますが、これを見ますと、米については一人一日当りの米の分量が基準年度である昭和九年ないし十一年に比べて、三十七年の数量は、これを割合で示しますと七七%にすぎない、これは七七%にすぎないが、その次の小麦は二七五になつている、つまり基準年度の一〇〇に対して二七五でありますから、これは倍よりもはるかに多くなつておる、それから大麦はこれを計算してしてみますと三六六になる。そうすると米の方では二三%ばかり減つておるんです、七七という指数になるのでありますけれども、しかし小麦が二七五、大麦が三六大といたしますと、これを平均してみると二三九ということになつて、倍よりもはるかに大きいということになる、これは戦前よりも米麦を含めた主食を倍以上食つているということは常識上考えられないのですが、おそらくこの国民一人当り云々というのは、大麦ないし小麦において人間だけが食つたのでなしに、ほかの牛や馬が食つた分まで入つておるに相違ないと思うのです。そうでなければどう考えたつて倍以上食つたということは考えられない。しかし少くとも米麦を含めて考えると、戦前よりも主食を少く食つておるとは言えない、二三九%もよけい食つておるとは考えませんけれども、少くとも戦前並に食つているだろう、ことにその次の魚介類というのが、これは戦前の基準に比べて二一七でありますから二七%だけ戦前より多い、肉類は一二八でありますから、二八だけ多い。その次の卵は一〇八になるからこれも八だけ多い。それから牛乳及び乳製品というのでありますが、これは二三八でありますから、倍以上ふえておる。そうすると米は七七%で確かに減つておりますけれども、それが麦の点でうんとふえて、しかも牛乳、乳製品が非常にふえておる、それから卵がふえており、肉もふえており、ずつと後に行つて食用油というのが一四六で、これもふえておる。こういうふうに考えますと、ハン食がふえたということは、確かに結論として言えるだろうと思いますが、肉がふえており、卵もふえており、食用油もふえておる、そうすると私は、食生活に関する限りにおいては、戦前よりも生活程度ははるかに上つておるという結論が——例外はありましようけれども、平均して出て来るのではないか、こういうふうに思うのであります。それからそのページの一審しまいに繊維製品というのがありますが、これを一人当りの指数で現わしますと、戦前に比べて一一〇、二十七年は一一二でありますが、これも戦前よりは多い。こういうふうに見ると、やはり食糧、衣料、これは私ども勘で申しましても戦前の農村あるいは農村付近の青年なんかの服装を見ますと、前よりも確かによくなつておる。それからその次のページの表で、高等教育の学生数というのが千人当り二・七であつたのが五・八になつており、これも二倍以上にふえて、指数は二一五である。つまり高等教育を受ける者が基準年度よりも倍以上にふえておる。特に高等教育で倍以上になつておるが、中等教育を受けた者は、ここの表に出ておりませんが、これはどれくらいになりますか。お答えになるときについでにお示しを願いたいと思う。おそらく中等教育を受ける者の数はとても二倍や三倍ではなしに、全国村々に中学校ができたのでありますから、三年制の中学ではありますけれども、しかし戦前よりもはるかに私は多くなつておるだろうと思う。それからこの中には時計と万年筆というものがありませんが、これも平均一人当りの時計の数が一体ふえたが減つたか、それから万年筆がふえたか減つたか、それから自動車を見ますと、ここで国鉄の利用者一人一年当りのキロ数として出ておるのを指数でとつてみますと、二五八となつて、これは倍以上にふえておる。それから私設鉄道に至りましては、驚くなかれ四倍になつておる。指数は四百である。これは先般申しましたように、全国から国会へ押しかけて来る、あるいは靖国神社とか国会の見学なりに来る者などがこういうところに存外現われておるのだろうと思います。それから民営バスの利用が一人一年当りの乗車回数が百五十五、これも一五%ふえておる。なおこれの表にはありませんけれども、乗用自動車の数が戦前よりもふえておるに違いありませんが、一体数の上でどれくらいふえておるか。それからわれわれの勘ですけれども、戦前走つておつたようなあんなぼろぼろのダットサンのようなものは、東京などではもうほとんどだれも乗り手がないのだ。ですからこれは消費水準というものを言うときには、ただ数だけではなしに、あの当時はおそらく住友か岩崎さんでなければ乗れなかつたような車を今日一般の人々がタクシーで乗りましておるということを私は考えて、一体消費水準が上つておるのか、上つていないのかということは、今後の国の施策を進めて行く上において重大な関係を持つて来ると思う。貿易がべらぼうに少い理由が、もし国民消費生活がべらぼうに上つておるという理由に基いておるとしたら、ここに国策の立て方の上に貿易振興策として、少くとも現在消費水準を維持するというような、そういう甘いことを言つていないで思い切つてそういう水準を下げることを私は国民に要求すべきだと思う。そういう意味で、今後の国策に重大な関係を持つて来るから、くどいようですけれども、私は審議庁調査の消費水準というもののインデックスに間違いがあると思う。これは徹底的にひとつ私の方でも研究して結論を得たいと思うのです。 それからこれで見ますと、陶磁器というのが減つております。昭和九年から十一年の基準年度で比べますと、陶磁器がべらぼうに減つております。その当時は一人当りの陶磁器の使用量が六二であつたのが、今は二・一となつておりまして、これは三分の一に減つておる。減つておりますけれども、この点はアルマイトの使用を考慮の中に入れないと、陶磁器が減つたから生活水準が低いのだという結論は出ない。おそらくあの当時方々の家庭で土びんと称しまして、焼物でつくつた土びんをずいぶん使つておつたと思う。ところが今日の家庭で土びんを使つておるうちはほとんどないので、たいていアルマイトの湯沸かしを使つておる。それから皿などでも、焼物の皿のかわりにアルマイトを使つておるというのが多いのですから、結局これはいかに三分の一に減つておつても、生活水準が下つたことにはならぬだろうと思います。それから減つておるのにくつがあります。皮ぐつが昭和十一年に千人一人当りの足数が五十六・四足というのが七%に減りまして、三十九・六に減つておりますが、しかし私はこれもどうも勘から申しますと、農村でくつをはいておるような連中がその当時はなかつたのに、今日は各家庭で少くともくつの一足もないというような家庭はほとんど見当らない。少くとも東京周辺の埼玉などでは見当らない。どうしてこういう計算が出て来たのか、これを聞きたいんですが、皮の輸入量がどれだけだということ、皮革は、御承知のように、日本内地でもできますけれども、大部分外国から輸入しているんですが、外国から入つて来たその皮革の数量というものをもし人間の数で割つたとしたら、ここに大きな錯覚を生ずる。それはなぜかと申しますと、その当時日本には陸軍、海軍がありまして、しかもその当時の軍隊は今日の保安隊や警察予備隊とは違つて、皮を使うことが非常に多かつた。第一馬を使うし、くつでもあの当時は長ぐつと称してひざまであるようなものをはいておりますが、最近のくつはそんなに皮を使わわない。三分の一か四分の一で間に合うようになつておる。ですから私はその当時の兵隊が豊富に皮を使つたということを計算に入れて七〇%になつたのかどうかということを伺いたい。そうでなしに、ただ皮の国内生産量、輸入量を国民の数で、その当時の数を今日の数で割つて出したものとすれば、国民の消費水準が上つたか下つたかという結論を出すためには、この数字は間違いである。 長々と質問して、まだ言いたいことはありますが、結論としましては、国民の消費水準は上つている。これは国会の周囲を見渡しただけでもわかるんですが、私はそれが九十何パーセントということは間違いだと思う。先般のお答えの中でも、この数字は今日の家計簿と物価というものを照し合して出したんだ、それが消費水準だということでありましたが、しかしこれも十常に考えなければならぬのは、この基準年度のころと今日とでは、いわゆる国家保障とか国家あるいは地方公共団体の費用において国民の生活内容がささえられている部分があの当時よりも非常に多い。たとえば中学校を各村々につくつたという場合には、個人の家計からは出ていなくとも、それは国民の生活水準としては非常に重大な意味を持つている。その当時は、先般も申しましたけれども、今日のように村長だの、役人だのあるいは会社の社員というような者が集まつて毎日々々酒を飲むというようなことはほとんどなかつた、その酒代が家計簿から出てなくとも、実際の国民の消費生活水準というものを問題にした場合にはそれは考慮しなければならぬ。結局われわれは国民に向つて、貿易指興の上から申しましても、日本経済自立の上から申しましても、生活水準というものを全体として、少くともこれ以上下らぬよう忙しないといかぬという線で行くか、それとも敗戦国でありながら上つているということであれば、もつと耐乏生活を要求してよろしい、こういうことになると思うのですが、質問と答弁という形でなしに、一緒に研究するというお気持でお答え願いたいと思う。
○長谷川(峻)委員 関連して質問しますが、ただいまの山本委員の発言は非常に妥当と思つております。ことにこの年次経済報告の結語を見ますと、現在の日本の自立経済の上に非常に危険性があるということを率直に解剖分析して警告しているという点は、今までの報告書よりもよくできておると思うのですが、この際にあらためてこういう委員会を通じて国民の前にはつきりいたしてもらいたいことは、この結語にもありますように、「金持ちはこれ以上の奢侈を、企業者は社用的消費を慎むとともに、勤労者としても現在の事情をよく納得して、生産性の向上以上の賃金引上げを自粛する態度が必要であろう。」というふうなことなど、役所が全体の各省のブレーンを集めて結論を出していることは傾聴すべきことだと思う。こういうことなどは、いわゆる自立経済確立上どうしても必要だという意味において、あらためて全国民に声を大にして宣伝啓蒙する必要があるのではないかということを、ただいまの山本委員の発言に関連してこの際に強調して行きたいのであります。その点についてあわせて当局の御意見をお伺いしたいのです。
○須賀政府委員 山本委員から、るる私どもの方で作成いたしておりまする資料を御引例いただきましてお尋ねいただきました点につきましては、前回も申し上げたのでございますが、国民の消費水準あるいは生活水準というものを計数的につかむということはなかなかむずかしい問題でありまして、どれか一つの計数で、現在の国民全体の消費の水準をかようようであるというふうに判断するということは非常に危険であると考えております。それで、われわれといたしましても、前回申し上げましたように、現在は都市と農村とのおのおの家計調査から出ました指数を消費水準ということで使つておるのでございまするが、この指数から出て参りまするものがすなわち国民の消費水準そのものであるというような言い方は、私どもといたしましても常に避けておりまして、ほかのいろいろなデータで、いろいろ側面的に検討いたしましてその実態をつかむようにしなければならぬというふうに努めておるのでございます。さような意味で、この生活物資の国民一人当りの供給量を計算してみたのでございまするが、この計算も、ただいま御指摘のありましたように、個々に見まするとなお相当これは問題を残しておりまして、特に基準年次の生産量は、私どもの方といたしましても可能な限り正確なものをつかむように努力はいたしておるのでありまするが、ここに出ておりますが、基準年次の生産量の計算が、実質といたしまして、精度においてやや劣るものもこの中に若干あることは率直に認めなければならぬのでございます。さような関係で、こちらから出て参りまするものと消費水準の方から出て参りますものが若干の食い違いを示しておりまして、消費水準の方は都市農村を合せまして九十六、七ぐらいになつておるのでありますが、この生活物資の供給量指数の方は、これは、全部指数化いたしますると、この前申し上げましたように一〇三ということになりまして、戦前を若干オーバーすることになるのでございます。この間には滞貨の関係等もありまして、髪際に国民各人に消費せられたものの数字として、この一〇三というものがはたしてどの程度妥当であるか、その辺も検討の余地が残つておりますが、一応の指数といたしましては、一〇三ということで、戦前を若干凌駕するというようなことになつております。それと、この前も申し上げましたが、現在の家計費から出て参りまする消費水準は、いわゆる家計簿に記録されましたもののみの指標でございまして、山本委員からも御指摘のありましたように、いわゆる家計外消費というものが戦前と現在とではかなり異なつておる。いわゆる、家計の実際の負担にならない形において消費されますものが若干ありますことは、これは戦前よりもその程度において高いであろうということは一応推察されるわけであります。そういう点もありまするので、実際の国民の消費の絶対としての水準はどういうところにあるかということはなかなかむずかしいのでありまするが、大体戦前に近い、あるいは戦前と同じ程度くらいのところへ来ているものと客観的に見てさしつかえないのではなかろうかと思います。この前白書の総論を御説明いたしましたときにちよつと触れておいたのでございますが、いわゆる国民所得が支出にまわつて参りまするその循環のうちにおきまして、消費支出の方へどのくらいまわつておるかということがこの白書の十一ページにございます。この十一ページの第九図にありますように、昭和二十七年におきましては、個人消費支出が総支出のうちの六割一分六厘になつておりまするが、九、十、十一年はこれが六割一分二厘であつたのでございまして、若干最近年次の方が高くなつておりまするが、ほぼ水準としては同じくらいのところということではないかと考えております。なお、この二十七年あたりに個人消費支出が割合として増加をいたしましたその要因と申しますか、そういう傾向をたどりました背景につきましては、この前申し上げましたが、やや個人所得の方にもゆとりを見せて参りまして、繊維その他の各種の必需品について、戦時中及び戦後の消耗をある程度回復するような意味においての購買力もここに実現して来たというような形になつておると考えておるのであります。 それで、白書の結論ですが、私どもといたしましては、表現用語に少しきつい言い方をしているのでありまするが、要するに、二十七年あたりの国民消費の実態といたしまして、日本の置かれておりまする経済規模が必ずしも十分な自立性を持つた基礎に立つているものではないというような分析検討のもとに、現在、国民の消費の実態も、自立を前提とした経済構造なり経済規模という面から見ると、十分反省すべき余地があるのではないかという気持のことを書たのであります。それでは、具体的にどういうことをというような問題になりますと、これは今後の政策の問題になりまするので、白書としてはそれ以上に申し上げることは遠慮いたしておるわけであります。 なお、山本委員から、戦前との比較において、各物資の供給量の実数等についてお尋ねがございましたが、手元に個々のものについてのこまかいものがございませんので、それは別にしつらえて差上げたいと思います。
○山本(勝)委員 政府委員に申しますが、あくまでこれをがんばり通すというような考えではなしに、ごく軽い気持で、結論をほんとうのものを出すということにしたいと思うのです。先ほどの万年筆や時計のことはあとで報告していただくとして、この付表七十五の国民一人当り生活物資供給量指数というのを見ますと、全部を総合した結果が一〇三となつておる。個人の家計簿と物価との関係から割つて、九六%が消費水準だというよりも、こういうふうに一つ一つについて国民一人当りの生活物資供給指数というようなもので一〇三と出て来たならば、それの方がむしろ実際に近いのではないかと思うのですが、これはどういうものでしようか。
○須賀政府委員 お話のように、生活物資の供給量指数で国民の消費水準をはかる方法があるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、家計調査のものよりは正確度といいますか、正確さが少し劣りますので、私どもはこれをそのまま消費水準というように使つておりません。しかしお話のように、これが生活水準をはかる非常に大きな材料になりますことは、ただいま御指摘の通りであります。
○山本(勝)委員 家計簿といつても、なかなか一軒々々つけておるわけではありませんし、たまたま家計簿をつけておるところでも、標準のとり方を間違つたらたいへんなことになります。むしろこういうふうにして——この統計が正しいか正しくないかは検討の余地があるけれども、少くとも国民一人当りの生活物資供給というものをせつかく調べたのですから、しかも一〇三という数が出て来たならば、それを相当重視される必要がある。これは私の考えで、これも御研究願いたいと思うのですが、国民生活物資のまん中ごろに、酒類というのがあつて、品目三というものがありますが、これは何々ですか。これは清酒とビールとウイスキーか何かとつたのじやないですか。
○須賀政府委員 この指数といたしました際の酒類は、清酒と合成酒とビールだと思つております。
○山本(勝)委員 ウイスキーとかしようちゆうは、入らないのですか。
○須賀政府委員 ウイスキーは少くとも入つておりません。
○山本(勝)委員 ところがしようちゆうというものは、昭和九——十一年ごろには、飲まぬではなかつたけれども、全国でほとんど飲まなかつた。ところが今日は、しようちゆうというものは御承知の通り、電車の中の広告でもたいへんなものです。ですから、昭和九——十一年を一〇〇として消費水準を測定するという場合には、莫大なしようちゆうというものを、やはり酒類消費の中に入れて考えないといけない。これは議論の余地がないと思う。昔はしようちゆうはあつても、ほとんど問題にならなかつたのでありますが、比較する場合には、しようちゆうを問題にする必要があります。 それからもう一つは、朝鮮人などが盛んにつくつているやみ酒ですね。これも酒屋に聞くと、厖大な数に上つておる。こういうものは考慮に入れられたか、入れられないか。おそらく入つていないだろうと思う。 それからあちこち飛びますけれども、米の供給量ですね。生活物資主要品目供給量の中で、米が七七%に減つておりますけれども、これなども昭和九——十一年という米の取引が自由であつた時代と比べると、今日は供出、配給という制度になつて、根本的な違いがある。そうすると、実際の米の生産量をわれわれがつむか場合にも違つて来るのであつて、実際は供出その他の関係から、実際の収穫を少く発表するということになつておるから、これなども、制度の違いから来る結果をよほど考慮しなければならない。これはこまかくどういう点で米の数量を測定したかということを伺えば、わかるわけでありますけれども、御参考に私はこういう点も申し上げておきたいと思うのです。 それからラジオの聴取者というものは、ここの表にも出ておりますが、三四七という指数になつて、三倍以上にふえておる。それから映画館の入場者というものも、計算してみると、指数が三〇〇になる。二・九が八・七になつたから、三倍にふえておる。こういう映画とかラジオというものは、三倍以上にふえており、そのほかになお、昔なかつた、たとえば競輪とか、パチンコというような、いろいろなものが出て来た。これらは昔なかつたから、比較できないかもしれませんが、結局結論において、日本の国民生活というものは不必要に上つておると私は思う。先ほど申しました義務教育を受ける者は何倍にふえたかということと、時計と万年筆、それからアルマイト製品が昔はほとんどなかつたけれども、ふえておる。それと陶磁器の減つたのと、両方加えてみて、一体どういう結果になるかというふうなことも、数字の上でわかりましたら、この次に御報告願いたいと思います。
○佐伯委員長 長谷川峻君。
○長谷川(峻)委員 国土総合開発について、一、二点お伺いします。私は戦い敗れた日本は、総合開発をやることが自然改造だという線から、これに賛意を表するもので、常に協力しているものですが、現在までのところ、総合開発では北上川が一本だけ着手されておるように承つております。この表を見ますと、十箇年計画で一千四十八億円やるということが出ておりますが、一体今日の経済変動がはげしいところで、十年間かかつてこれだけの予算でやれるものかどうか、これが一つ。さらにまた、乏しい国土を開発する意味において、どうしてもこれは短かくやらなければならぬのじやないか。絶対的に人口はふえて来て、土地は絶対足らない。こういう現実的な現象からしますと、十年なんという悠長なことを考えておられない。いわんやことしからまたそつちこつちほかの総合計画も確定するようにとようとしている事態であるにもかかわらず、これはどうしてもそういう意味合いにおいて十年を五年に縮める総合的な強力な開発計画が必要なのではないか。 第二点といたしまして、この総合開発関係の書類を拝見していつも感ずるのですが、役所から調査事項として認定されたといつて地元の者は喜んでいるが、これは喜ぶべき何らの意味もないではないか。調査から実施事項となつても、各省がそれぞれ自分の責任の範囲において予算を計上して仕事をさせているのがわずかに名前だけが総合開発になつているのであつて、現在のところ国土総合開発という基本の線から予算が能率的にむだなく横の連絡が行われて仕事をしているようには思いません。この点については、調査事項となるならば将来これは予算措置が伴うものだというふうな一つの確実さ、安心さというものを、地方の産業の発展に熱心な連中に与えなければならぬと私は思います。この点において調査事項が地方において何ら安心を与えない。実施事項になつたからといつてこれは総合開発庁という一つの強力な庁があつて、予算をとつて、そこでやつているのではなくて、運輸省は運輸省、農林省は農林省、いろいろな線でやつているので、自分自身の力でやらない限り、総合開発というものは地方においてはいつできるものかわからぬという現実面がある。 それから私は今の日本といたしましては大きな外資導入はなかなかもつて期待できないと思う。結局のところ小さいダムをあちこちにつくつて、地方の水源あるいは農産物の増産等々をやらなければならぬ。その場合に大きな産業が生れることによつてまず犠牲になるものは水底に沈む諸君であります。ようやく四月十四日に電源開発に伴う損失補償法というものができていますが、私の手元に陳情が来ている。それはこの中に土地を失うとか、家屋を失うとかいう有形のものを失つたことに対するいろいろの補償は、一応項目上出ておりますけれども、その地方においてしがない小売商店をやつている者、未亡人が小さい店を開いて駄菓子屋をやつている者、これは自分の家でもなければ自分の土地でもない。これらのものが水底に沈むために営業権を失つて、どこへ行くか。この人々の悩みが非常に多い。これは村役場に行つて交渉する力も何もない。わずかに多少でもそういうことについて中央と関係があるのじやないかということで、われわれのところにすがつて来ている。しかしながら法文の上においては全然顧みられない。しかも、この損失補償の要綱が決定されましたけれども、まだ地方において発効をしておりません。ですからダムが今つくられようとしておつても、一番問題になつているのは、水底に沈む人たちに対する納得と了解である。温い同情の声がない限り、この沈む人たちのそれに信頼し、協力して行く態勢が容易に伴つていないことは、経済審議庁関係の方々は現実に取扱つておわかりのことだろうと思うのであります。この点について当局はどう考えているか。 さらにまた地方々々で問題がありますが、こういう開発事業が自然改造として必要だということを再三申し上げたのでありますけれども、そういう意味合いから申しまして、地方々々の土地改良が自然に行われております。しかしそういう希望があるにかかわらず、中央においてそれがなかなか反映しない。それはただ財政の逼迫さというように私は認めないのであります。仙塩計画などが叫ばれてからすでに二十何年でありますが、何らこれには中央で手を尽していないような形でありまして、こういうものはただ地方の陳情や有力者の発言だけでなく、地方の計画をはつきり見られてそこを開発するような腹構えが必要なのではないか。幸いに経済審議庁には各省のベテランがたくさんいる。それらの方々は毎日陳情団を扱つておるわけではありませんで、ほかの官庁の諸君と違つて熱心に勉強することができるのでありますが、強力にやるところに初めて経済審議庁の存在価値があると思います。この点についても伺いたいと思います。 また、こう考えてみますと、われわれはどうしても資料がほしくなります。その資料などもどしどしこの委員会に出していただきたい。国土総合開発を強力に進める意味において全般的な経済政策に全部関係しております。食糧自給度を高める問題、森林資源培養の問題、水産資源培養の問題、災害対策、公共施設、港湾施設、漁港施設、これらについて常時関係省から資料を出していただいたならば、自然改造する面においてあなた方の仕事が進みやすくなるのではないかと思う。この四つの点について御答弁願いたい。
○佐々木政府委員 お答え申し上げます。総合開発促進案の中で最も現実の施策に反映して実施されておりますのは特定地域計画の問題でありますが、これは現在十九の地点を予定しておりますが、その中で成規の法の手続によりまして正式に決定いたしまして、そして閣議決定を得まして目下実施に移つたものは北上地区のみでございます。その他の地区に関して現在何ら施策をしてないのかという御反間でありましたが、只見地区もこの一つでございます。幸いに御存じのように解決いたしまして、電源開発を中心として現実に実施に移るような段階に入つて、予算等もとつております。国土総合開発の面では、手続上府県から案を出しまして、できたものを中央で審議するというかつこうになつておつたのでありますが、両県の話がなかなかつかないものですから、電源開発促進法の方でこれを処置いたしまして実施に移る段階に入つたわけであります。それから天竜地区でございますが、これも電源開発促進法ができましてから、佐久間地区の電源開発を中心にいたしまして農業開発、道路開発あるいは鉄道開発の問題等一連のものが実施に移りつつあるのであります。その他の地区に関しましても、一括した予算はとつてございませんが、それぞれその地区に関しましては施策の濃度を強めまして、相なるべくは、各省の予算は小さいものでございますが、国の予算の許す範囲で総合的に実施に移るようにという考えで着々進めつありますが、全般的な十九特定地区の指定という段階には一挙に参りませんので、ただいま審議の最中でございます。計画の期間をもつと早めたらどうかという御質問もございましたので、できますれば各地区ともなるべく早目に解決をはかりまして、もう二度と日本には洪水というものがないというくらいまで、あの計画を早めながら、各地域の自然開発といいますか、早く問題の解決をはかりたいという考えでやつているのであります。 二番目の予算の問題でございますが、予算の扱いに関しましては、御趣旨のように予算の組み方は事業別に立てると申しますか、少し言葉が妥当でないかとも思われますが、事業別に組んでございまして、これを地区別に一つのわくでしぼるということに関しまして、なかなか技術的にも困難な面がございまして、審議庁といたしましては、その地区に関しては総合予算として一括して予算に計上してもらいたい。そういたしますと予算の施行も明確でありますし、同時にその本来の計画の持つておる総合性も目的通り達成できるので、ぜひ別わくで計上してもらいたいということを去年から重ね重ね大蔵省と折衝しておりますが、なかなか問題が技術的にも困難なものでありますから、大蔵省でもその趣旨はわかるけれども、予算の組み方としてはすぐにはなかなか組み切れないというかつこうでございます。北上の問題だけはとりあえず目に計上いたしまして、そしてこれこれの金は、北上の総合開発の分だということを説明書で注にうたいまして、北上川の特定地域に指定された地帯には、何にどれほど金が入つておるということを明示するようにいたしております。爾余の特定地帯の計画に対しましても、はつきり閣議でこれを国の特定地域として推進するのだということがきまりますれば、おのずからそういう予算的な扱いになるのではないかという考えでございます。 それから三番目の補償の問題でございますが、これは今の日本の問題としては一番重要な問題でございまして、電源開発の問題のみをかりに例としてとつて見ましても、昨年度基本計画の中に織り込みました中で、公表したものが三十何件かございまして、第一の主務官庁である通産、農林、建設等に異議の申出がございます。それぞれ処理のできるものは処理してございまして、もしどうしても、処理の出来ないものは主務官庁で協議のととのわないものは審議庁に申出ろ、そうすると審議庁は電源開発調整審議会でそのことを処理するという法の建前になつておりまして、その手順を踏んでおりますが、各省間で処理し得るものはそれぞれ処理しておりまして、ただいまのところ審議庁まで持つて来ているものはございません。しかしながら現実の問題といたしまして三十数件の大部分は補償の問題が主でございまして、今後電源の開発をやる際、あるいは国土の総合開発をやる際に、その補償の問題は非常に重要な問題になつて参りますので、電源開発促進法の教えると申しますか、指示するところに従いまして、昨年秋ごろから各省集まりまして、いろいろ長い間相談した結果、この前御要求がありましたので、今日配付いたしました「電源開発に伴う水没その他による損失補償要綱」というものを作成して、本年四月十四日に閣議了解をとつて、現実にこの基準を地方のそれぞれの利害機関に流しておる次第であります。この要綱は御承知のように、基準でございまして、相なるべくはこの要綱によつて問題の解決をはかつてもらいたいというもので、何ら自主的な強制力はございません。しかしながら御承知のように水没補償の問題に関しましては、いろいろ考え方はございますが、受ける方の立場に立ちますと、なるべくは全国で最高の水準で解決したい。また解決する方の電力会社等の当事者になりますと、なるべく低いところで解決したいという、利宮のまつたく相反した立場に立つて交渉するわけでございますので、それぞれ当事者間でも全国の調査をし、あるいは腹の探り合い等をいたしまして、そしてなかなか解決がつかないものでございますから、こういう全国的な基準を一応つくつた次第でございます。地域によりましては、物価の面、あるいは地域的なそれぞれの特殊性がありますから、その要綱で片づかない問題があることは十分わかつておるのでございますが、できますればこういう基準で話を願いたいというので、この基準を示した次第でございます。この基準の内容に関しましては、詳しく説明をする機会がなかつたのでございますが、要はただいま御質問のありましたように、なるべく生活の保障という点に重点を置きまして、従来金銭賠償というのを原則にしてあらゆる法規ができておりますが、この要綱によりまして一歩進めまして、できるだけ被害を受ける人の意見を尊重するのを第一原則にいたしました。そして被害を受ける方たちの希望がありますればその希望によりまして、金銭賠償にとらわれないで、できるだけ希望通り現物賠償あるいは生活環境の創成という点に重点を置きまして、第一章、第二章でその場合をうたつたのでございます。爾後この要綱をつくりましてから各省協議いたしまして、実施細目と申しますか、いろいろさらにこまかい問題もございますので、細部の点も協議いたしまして、電源開発会社、あるいは電力会社あるいは府県等にそれぞれ説明申し上げ、できるだけこういう考えで問題の処理をしてもらいたいというのでせつかく実施に入つて来ている段階でございます。ただこの要綱には何ら出ておりませんが、実はこの要綱と併行いたしまして、問題を処理する調停機関と申しますか、第三者的な公正な調停機関のようなものがありますれば、この実施に一番万全な策ができるわけでございます。いろいろ調停機関のような問題——法的な措置を講ずるとか、あるいはその内容が第三者的な公平なものといたしますと、現在の土地收用法その他でできております地方の委員会等との関係をいかにするかという、いろいろ既存の法規あるいは現実の問題等の研究事項がございますので、研究はしてございますが、まだ成案を得てございません。しかしこういう基準が一つできますと——しかもできるだけそういう新しいと申しますか、時代の要求に沿えるような立場でこういう基準ができておりますので、少しでも問題の解決を早め、あるいは公正にできればという形で進んでおります。従来よりははるかに問題の解決には公正妥当に進み得るのじやないかというふうに考えてございます。 それから最後の資料の点でありますが、資料の点に関しましては私よく存じませんでしたが、この前の御説明で十分資料は差上げてあるのじやないかというふうに解釈いたしてございましたけれども、もしなお足らぬ資料がございますれば、いかようにも御要求がございますれば何でもお出しいたしますので、そういうふうにお願いしたいと思います。 それからちよつと蛇足でございまして、質問と違いますが、この前に御質問がありまして、電源開発に関する資料の提供の問題もございましたので、きよう審議庁側からはお手元に差上げてあると思いますが、只見問題に関するより詳細な資料を三通、それから電源拡充五箇年計画に関するもの、それから従来公表しました各開発地点の公表事項、それからただいま簡単に趣旨を申し述べました損失補償要綱、これだけを出してございます。なお通産省の方からはその節いろいろ御要求もございましたので、審議庁の所管でないその他の細部の事項に関しまして通産側からもそれぞれきよう御要求の資料は全部差上げてあるはずでございますので、御検討の上御審議のほどをお願いいたします。
○長谷川(峻)委員 ただいまの政府委員の説明で非常に明快になりました。ただその中で新しい発見は、電源開発についてそういう第三者的な調停機関のようなものをおつくりになるということなどは、おそらく水底に沈む人々にとつては非常にたよりになることだと私は思います。これはいいことです。これをやつていただくと、地方官庁と地元民の関係などが非常に融和される画が出て来る。ただここで問題になるのは、この電源開発損失補償が出て以来、電力関係の損失補償というのは大体安いですね。しかしながら電源開発を伴わないところのダム、治山治水のダムというのは、農地の改良とか増産あるいは治水に直接関係ある地方と密着しているがゆえに、損失の要求というものが割に高かつたが、これが出てから非常に安くなつて、たたかれて来ている面があるのです。ですから次の村に移つて村づくりするという一つの基準になるためには非常に悪い法律なのです。こういうのが現地の実情です。そこのところにあなたの発言によるとろの調停機関などが出て、地元のそういう要求を取入れて、電力の藤本主義的な、そうして金もうけ的なものにたたきつけられるようなことのないように、これはひとつ含んでおいていただきたいと思います。それから政府委員の御説明の中に、自然改造でけつこうだ、しかしながら財政の許す範囲においてぜひ早くやるということでありますが、こういうふうな熱心な声のあることを所管の大臣に申し上げて、大臣が大蔵大臣に負けないようにやるためには、やはりここでこういう質問を受けるべきなのです。そうして大臣がこういう委員会の雰囲気を身に体して行つたならば、やはり自分の責任として、さらに日本に対する仕事の責任として、大蔵大臣あるいは各省に当られると思うのです。大体十年の総合開発を五年くらいにしなければ間に合わぬのです。土地は狭くなる、人口は多くなる、食えないものは絶対に食えないという状況でありますから、そういう意味において一日も早く推進できる政治力を出す意味においても、大臣の熱心さということを私は要求して質問を終ります。
○小林(進)委員 私は質問するつもりじやなかつたのですが、政府委員の長谷川君に対する答弁をお聞きしてちよつとふに落ちないところがありますので、関連してお尋ねするのであります。只見川の総合開発の問題を、北上川と一緒にかねておやりになつていたというような御答弁でありましたが、従来われわれは経済審議庁に関する限りは、只見川の問題に対しては何ら御調査がなかつたというふうに了解をしおつたのであります。ところがただいまのお話ではどうも前々からおやりになつていた、それならばここであらためてお尋ねをするのでありますが、この只見川の問題では御承知のように本流案、分水案で大騒ぎをやつて、ようやく一年日ごろこれが解決したことはいまさら申し上げるまでもないのであります。しからばこれに対して新潟県方面から二年越し、三年越し前から分水案という一つの確固たる案が経済審議庁に提出せられて、それに対して一体二年前から慎重に取上げて御研究になつていたか、只見川の総合開発をやつたとおつしやるからには、当然新潟県から提出せられた分水案に対して慎重に御研究になつたと思うのでありますが、どの程度にこれを御研究になりましたか。まずそれをお聞きしておきたいと思います。
○佐々木政府委員 ちよつと私の説明が悪かつたかと思いまするが、只見川も十九の特定地域の一つになつておりますので、今度御承知のように、只見川の開発全般に関する問題がきまりましたので、実施に入るだろうということを先ほど申し上げたのでございます。 第二番目の調査の件でございますが、これはこの前この委員会でございましたか、やはり御質問がありましたので、御説明申し上げましたが、重ねて御説明申し上げますと、前の経済安定本部の、主として建設局時代かと思つておりますが、その中に河川総合開発協議会というのがございまして、そうしてその河川総合開発協議会の方で昭和二十二年から二十四年にわたりまして調査費を時の商工省に出しまして、商工省の方では当時の自発にこれが調査を依頼いたしまして、そして約六百万円の調査費を投じて実地調査をしてございます。それから引続きまして爾後のOCIの調査でありますが、約七千八百万円程度と承知してございますが、当事の公益事業委員会かOCIに依頼して、OCIの方からも調査してございます。 重ねて申し上げますと、新潟県の調査は、どういう点が電源開発に関して問題かと申しますと、ダムをつくるという案ではありません、ダムをつくるのは奥只見と共通してつくるのでありまして、四十キロばかりトンネルを掘つて、そうしてその長い隧道を通つてその間に四つの発電所をつくるという計画になつております。従いまして、新潟県側の調査に対しましては、主としてその隧道を掘るのに必要な地形及び地質の調査をするのが主眼でございます。もう一点は、向うは信濃川下流の農業開発をやるのでございますから、信濃川下流の農業開発に対する農業用水等がどうあるべきかという調査があわせて必要でございます。そこで農業調査の方に関しましては、先ほど申し上げましたやはり河川総合開発協議会の方から農林省並びに金沢農地事務局に二十四年、二十六年の両年にわたつたと思いますが、約七十六万円の調査費を出して、そうして調査の成果を得てございます。話が前後いたしましたが、前者の地形、地質の問題に関しましては、先ほど申し上げました日発時代にもこれを調査上、同時にOCIのときには日本の地質に関するあらゆる専門家に委託いたしまして、そうして実地調査をさせてございます。御承知のようにトンネルの調査というものは長い区間でございますから、全区間にわたつてボーリング等をやるということはほとんどございません。今まで鉄道等でやります大きいトンネルでもそういうことはありません。実際地質あるいはその他の調査でやりまして、そうして現実に工事に実施に入る際にさらに深い調査をいたしまして、そうして工事に入るわけでございますが、私たちの考え方といたしましては、新潟県の案を審議するに際しましては、別に立案上調査が不十分だといつた考えを持つておりませんし、そう言つた覚えもございません。ただ、このOCIの報告に、新潟県の方は調査が、たしか的確でないという言葉を——英語で何といいましたか、訳語自体も少しおかしいのではないかと思いますが、ちよつと原文の英語を忘れたのでありますが、トンネルの調査でございますから、たしか不十分といつたような表現だつたかと思つておるわけであります。政府側といたしましては、別に不十分だという解釈はしてなかつたのであります。 それから実際の新潟県に対する審議はどうであつたかという御質問でございますが、これに関しましては、開発会社が去年秋にできまして、すぐあの問題は、開発会社の調査地点に指定いたしまして、調査費も盛り、開発会社といたしましては、調査立案検討を願いたいというように、審議会といたしましては指定をいたしまして、そして調査検討を依頼したのであります。その間政府は何もせずにほつておいたかと申しますと、そうではないのでありまして、審議庁といたしましては、OCIの方たちがまだ残つておりますから、OCIでやりました当時の資料を、報告にない資料まで出していただきまして、そして現実にOCIで調査をいたしました外国の方たちにも来ていただきまして、その他新潟の方、あるいは福島の力たちにも来ていただきまして、十分立案の内容もお伺いし、開発会社の調査研究と並行しまして、審議しておつた次第でございます。
○小林(進)委員 実はこの問題は解決したのでありますから、あえて深く質問したり、経済審議庁を弾劾しようなどという意向はないのでありますけれども、先ほどの長谷川君に対する御答弁がちよつと胸に来たものでありますから、つい繰返すのであります。これは栗田君がおそらく質問をやつたことでございましようから、あまりくどくなるのも何でありますが、私から言わせれば、当時における金で六百万円というような多額な金を日発に出して調査さした。その日発はもともと本流案支持であつて、本流のために三十年、四十年苦労したのでありますから、これはきまつたものにむだな金を出したというふうにしか考えられない。OCIに対しまして、八千有余万円という莫大な金を出して調査を依頼され、そのOCIが調査に来て、調査の資料にしたのは何かといえば、日発案であり、本流案であり、でき上つたものを資料にして、おざなりの調査をして帰つたにすぎない。私はこの前大臣に聞いたら、大臣は一応権威あるものと言われましたけれども、それは政治的な答弁であつて、あんなものは権威あるものではない。その結論はやはり本流案であります。これくらいに経済審議庁あるいは政府は本流案にのみ非常に莫大な経費を投じて、もつぱらこれが塗料の完成にのみ拍車をかけられたという結果であつて、片方の、奇想天外ではあるけれども、新しい構想に立つた分水案というものに対しては、少しも費用を出していない。今も聞けば、河川改修や農地の灌漑排水の問題で何か七十五万円の金を金沢農地事務局に出したという。まるですずめの涙くらいの金しか出していない。この問題に対して、私は通産省並びに経済審議庁の熱意を疑うものであります。ここで私はお聞きしたいと思つたけれども、過ぎたことだからあまり言いたくないのであります。要は、今後の問題として言いたいことは、いかに答弁をされようとも、あなたの責任を追究したつてしようがない、せめて次官か大臣でも来れば別ですが、官僚などというものは責任がない。責任のない者を責めてもしようがない。ただ事務担当者としてお聞きしたいことは、そのために新潟県は非常に多大の費用をもつて分水案をつくり上げた。そしてあなた方のもとに提出した。ところがあなた方は、この分水案というものに対しても大いに審査したと言つておられるけれども、速記録を見てください。かつて次官がこの席じやないけれども、新潟県の分水案に対していかなる見解を持つているか、審議庁の見解を聞きたい、この分水案に対して審議庁としても意見があるのだろうと聞いたときに、まだ意見も言えませんし、調査もできておりませんと言つた。だからあなた方の答弁と食い違いますが、こんなことであなた方の責任を追究してもしようがないからやめておきます。ただあなた方の熱意がないために、新潟興民二百五十万から多大の税金を取上げて、その税金を只見川の調査に使つて来ている。本来これはあなた方企業庁として国家が調査すべきものだ。分水案がいいか、本流案がいいか、あなた方の方で公平に調査費を出して調査をしなければならぬ。ところがそれを出さないから、新潟県は全部血と汗と涙の結晶を出して、調査資料をつくり上げて、初めていわゆる電源開発案というものができ上つたが、この新潟県民が分水案に対して使用した費用を、目録は一体責任をもつて新潟県にこれを支払つてやる、補償してやる考えがあるかどうか。当然国家がやるべきことを新潟県がかわつて調査してやつたのだ。事務当局としての所見を承りたい。
○佐々木政府委員 新潟県の案に対しまして、先ほどから説明いたしましたように、調査をしなかつたということはないのでありまして、調査をしております。それから審議に対しましてふまじめだといつたようなことは全然ありません。実にまじめに検討いたしました。それははつきり申し上げます。それから調査の費用の処分の問題でございますが、調査費の事後の始末といたしまして、実際の担当者は電源開発会社でございますので、関発会社の分として、あるいは新潟県の今までの調査の費用等の処置の問題が今後起きて来るであろうかと思います。
○小林(進)委員 今時に熱意をもつて調査されたという弁明でありますから、これはありがたいのですが、何年何用から審議庁が調査をされて、分水案に対する調査費用が幾らかかりましたか。それに対して調査したのでありますから、意見もありましよう。その意見を何年何月何日に企画庁としてどういうふうに決定をされたか。調査しつぱなしのことはないだろうと思う。調査したからには、何かの意見があつたはずでありますから、何月何日ころからこの分水案に対してはこういう意見を持つたということを私に血知らせ願いたい。
○佐々木政府委員 先ほども申し上げましたように、経済審議庁のみが所管でございませんので、当時の安定本部といたしましては、河川総合開発協議会というものがございまして、そこで先ほど申しましたように通産省、商工省に調査を依頼し、商工省が日発に依頼しまして、そうして日発の方では、河川総合開発でございますから、多目的ダムというのが調査の主眼になるわけでございます。ところが新潟県の方は、先ほどからくどく御説明しますように、そのダムを使いまして、隧道を掘つて、その間に発電所をつくるという案でございますから、調査の主体は主として地質あるいは地形の問題に限定されるわけであります。そういうものに対しましては、同時に調査をしてございます。それからOCIの問題に関しましては、あの報告書にもございますようにOCIの方で日本の地質の大家を委嘱いたしまして、そうして調査をして、その結論を出してございます。そういう次第でございますので、立案上の調査に対しましては、それほど支障は来しておりませんということを申し上げたのでございまして、いささか言葉は過ぎたかと思いますが、その点はおあやまりしておきます。
○小林(進)委員 先ほどから繰返して言いますように、通産省を通じて日発に調査を依頼した、それは新潟県の分流案の場合でございますと、隧道を掘つてから流すというのであつて、ダムをつくるのではありません。争つておるのは日発と新潟県で争つておる。新潟県の峯がいいか、日発の案がいいかと争つておる。通産省を通じて相手方の日発の方に調査を依頼するというようなそんなことでは答弁にならない、そういうようなことを考えていられるから私どもは納得できないので、私どもは日発と争つておる新潟県のいわゆる電源開発なり、隧道工事なり、その隧道が確かに超高圧的であつて困難だとか何だとかいうことは、日発の調査ではない。日発以外の一体だれにどれだけの調査費用を出したか、どれだけ調査したかということを私はお聞きしているのであつて、通産省を通じて日発に依頼して、日発で新潟県の案を調査するというのは、敵に内通して敵に仕事をさしておるのと同じじやありませんか、そんなことは私は理由にならないと思う。いま一度お答え願いたい。
○佐々木政府委員 たいへんどうもおしかりを受けてございますが、実際の費用を出したのはそういう次第でございますが、新潟県側の案を初めてつくつたのは、田子倉と奥只見、両方から分水する案だと聞きます。それからあの当時田子倉案とか、尾瀬原から利根に流す案とか、あるいは滝を大きく開発して、そこで開発する案とか、あるいは本流沿いに開発する案とか、いろいろ六つか七つ案がございまして、そうしてどれが一番いいのかということはなかなか判断つかない状況でございましたので、OCIに委託して、そうして調査あるいは結論をお願いしたのは御承知の通りかと思います。従いまして決して日発といえども、何も分流案がだめだという先入感を持つて調査したものでもなかろうと思いますし、役所の方といたしましても、條件をつけて調査させた覚えはございません。先ほど申しましたように、そうではなく、当時日発に商工省が依頼したのは、河川の総合開発という観点からでございますから、主として多目的ダム、ダム地点の開発、あるいはダムの容積等を調査研究するのが主眼だつたのじやなかろうか、こう思つております。だからあわせてそういう分水の計画も、あに新潟県のみならず、ほかからもありましたので、同時に地形、地質の調査をしたというふうに記憶しております。
○小林(進)委員 それは議論をしてもとても議論が尽きませんから、これでやめまするが、ただしかしこれを投げつぽなしにしておくと、私が政府委員の説明に承服した形になるから、一応申し述べておきますけれども、今もOCIとおつしやつたけれども、あれだけの大きな総合開発をOCIが一月や二月の期間でできるものじやない、もちろん夏も雨季もそうだし、あるいは雪解けの水や岩から流れる土砂から——それは北大の雪の博士の中谷氏の説明じやないけれども、電源開発だとか、ダムなんというものの研究は、一年や二年や三年や四年で完全な調査ができ上るものじやない。それからOCIが一箇月や二箇月来てそんな調査ができ上るものではない。そのOCIに対して資料を提供した根本は自発が提供した。日発は本流案だ。だからOCIの調査とおつしやるけれども、OCIの調査即日発の調査である。終始一貫本流案のみに調査費用を出されたというわれわれの主張は曲げることはできない。それに対して、新潟県の分水案に対しては、何といつても政府の方に熱意がなかつたという点を再確認して申し上げる。この論断は留保いたしておきます。いずれまたほかの委員会でやります。これで私は終ります。
○石村委員 さつき山本委員や長谷川委員が耐乏論をおやりになつたのですが、あの話を聞いてみると、結局農家の百姓や労働者は、ラジオも昔のように聞くな、魚も食うな、肉も食うなということになるのですが、しかし奢侈ということと生活をゆたかにするということは全然違つた問題だと思います。その点私が申し上げなくても審議庁の方はよく御存じのことと思いますが、この経済白書にも耐乏生活を強調せられるような文句もありますが、金持ちはこれ以上の奢侈をするな、というと、いかにも現在の奢侈はあれでいい、企業者はあの社用的浪費をこれ以上するなというので、現在はいいというふうな書き方ですが、そこのあげ足とりはやめますが、経済白書をお出しになるならば、私は奢侈的な消費をやはり統計をあげていただきたい、このように考えます。現在外国製の高級自動車が非常に多い。国会の食堂の中でもバヤリース・オレンジというようなアメリカのオレンジなんか飲んでおるのですが、そうしたほんとうの奢侈的なもの、そうした資料、料理屋がいかにたくさんできたかという警務的な統計も——現在あるかもしれませんが、ぜひはつきりするように、奢侈とゆたかな生活というものはまつたく違つたものだと思いますから、お願いいたします。
○須賀政府委員 現在の消費の状況が奢侈的かどうかというような点につきましては、これはある程度主観的な判断にもなる問題でありますので、私どもの白書の建前といたしましては、できる限りその消費の実態、前年との比較というような点も、計数その他でその姿としてお示しをするというように心がけておりまして、それが奢侈的であるか、浪費的であるかというような判断を直接いたすことは、できるだけ差控えておるのであります。ただ最近の動向として、一部に警務的と考えられるような消費の傾向のありますことは、否定できないわけであります。いろいろそういう面につきましても、可能な限り資料を集めたのでありますが、一つの参考としてこの白書の十ページに「昭和二十七年贅沢品販売金額の増加」という一つのグラフが出してございますが、これは国産品、輸入品につきまして比較的奢侈的と考えられますものにつきまして、物品税の課税価額の割合をここに出したのであります。ゴルフ用具でありますとか、そういうものが前年に比較して非常に多くなつておるというような姿になつております。その辺のところ、それから自動車の関係は附表の方に現在の薬用車の保有台数の表が一表入れてございます。最近の乗用車の台数等の非常に増加しております数字が中にはさんでございます。
○佐伯委員長 本日はこれにて散会いたします。 なお会期延長が決定せられた場合、次回の委員会の開会については、公報をもつてお知らせいたします。 午後一時三十九分散会