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16回国会衆議院1953/06/19

経済安定委員会 第2号

発言数
7
登壇者
4
会派数
2
開催日
1953/06/19

会議録

佐伯宗義改進党

○佐伯委員長 これより会議を開きます。  本日は日本経済の基本的政策に関する件について調査を進めます。  本件に関しまして、岡野経済審議庁長官より発言を求められておりまするので、これを許します。岡野経済審議庁長官。

岡野清豪自由党通商産業大臣・経済審議庁長官

○岡野国務大臣 つつしんでごあいさつ申し上げます。先般経済審議庁長官を拝命いたしたにつきましては、何分浅学のものでございまして、この重責を全うし得るかどうかはなはだ忸怩たるものがございます。つきましては皆様方の格別の御支援をこうむつて、この重責を果して行きたい、こう存じますので、特に御指導、御鞭撻を賜わりたいとお願いいたします。  先般本会議におきまして、私から経済政策につきまして一応所見を申し述べておきましたが、その所見につきましてあらためて皆様方によく御了解を願いたいと存じまして、その中の骨子について、私の考えていることを皆様方にお聞取りを願いたいと思います。  まず私の考えを率直に申し上げさしていただきますならば、朝鮮休戦というものは世界の平和並びに経済界に非常な関心を持たれておりまして、これに対してどういうことになるだろうかということが、おそらく全世界の視聴の中心になつているわけでございますが、私の考えといたしましては、朝鮮休戦会談は一昨年の七月に始められたものでございまして、その後約二年の年月を、お互いに論議をしながらこの会談が続けられておるのでありますが、最近に至りましてどうやら実を結ぶのじやないかというような形勢になつております。そこでこれについていろいろ経済界また国際政治上にも問題が投げかけられておるのでありますが、私の見るところによりますると、ほんとうの休戦の実質的会議もしくは論題は、まだ先に引延ばされておるのでありまして、ただごく端的に申しますならば、前線で鉄砲の撃ち合いをやめるということだけにとどまりまして、政治的の大問題は今後にまかせられている、こういうような情勢になつておりますので、急激に東洋の平和並びに国際政治が東洋においておちついたことになつて行くということにはまだならないのじやないか、こう私は考えます。しかしわれわれといたしましては、日本の経済を考えて行きます上におきまして、将来の日本というもののあり方を十分考えて行かなければならないと思いますが、これは皆様すでに御承知の通り、日本が今日の生活水準を保つて行けておるということは、一にいわゆる朝鮮戦争の結果もたらしたところの特需によるのでありまして、すでに御承知でもございましようが、約八億ドルにも達するところの特需が日本の国際収支に関して非常な好結果をもたらし、そのためにわれわれが今日の生活状態におれるということであります。しかしながらこの特需はもともと臨時的なものでありまして、長く続くものとは思つておりませんでしたし、また同時に、世界平和が東洋において平和をもたらせれば、この特需は漸減して行くことは当然の帰結でございますので、われわれは過去におきましても、この特需なくして正常貿易によつて日本の経済の自立をはかつて行きにいと考えて、いろいろ工作をしておつたのでございますが、こういうふうに朝鮮休戦がいよいよ実現をする、大問題が残されておるけれども鉄砲の撃ち合いをやめるということになりますれば、なおさらわれわれといたしましては関心を特需に向けて、そうして日本経済の建直しというものに努力を新たにしなければならぬ、こう考える次第であります。世界の経済の情勢を見ますと、朝鮮休戦が交渉されておるときから、大体において第三次大戦は遠のいたのではないか、こういうような考えが強かつたのでありますが、この休戦が成立するという見込みのもとに、ますます世界の平和の濃厚化と申しますか、第三次大戦が遠のいて行くという方向に考えられておるわけでございます。そこで、世界の軍備拡張競争は今までも少し停滞をしておつたのでありますが、ますますこの軍拡がスロー・ダウンして来るのではないかということ、そういたしますと、今度は各国ともやはり日本と同じように、経済の自立をやつて行くために輸出貿易に専心して来る、これは言葉をかえて申しますれば、世界の貿易戦が非常に盛んになつて来る、こういうことにわれわれは想像されるのであります。そこでわれわれの経済といたしましても、特需を見なくても、正常貿易によつてわれわれの国際収支を合せ、同時に日本の経済を確立をして行かなければならぬというときにおきまして、世界が貿易上の激化を来します以上は、ますますそれに割込んで行つて優位の地位を占めなければならぬ。こういう点におきまして、われわれは今後、より一層世界貿易戦に出て行かなければならぬ、こういうことで、端的に申しますれば新市場の開拓、旧市場の拡張という方面に努力をささげなければならぬ、こう思つております。また長い目で見ますれば、シユーマン・プランあたりが実現いたしますならば、ますます日本の立場は非常に苦しくなることは当然の帰結であります。  そこで日本経済の運行して行きます重要点としまして私どもはこう考えております。現状はすでに御承知の通りに、二十六年以来輸出貿易が振いませんで、たしか二十六年度のごときは十四億四百万ドルとかいうことでありますが、この数字は間違つておりましたならばまた訂正いたしますが、それが二十七年度には十一億六千八百万ドルになつておる。われわれといたしましては輸出の減退ということは、むろん内外にその原因を蔵しておるわけでありまして、外国では輸入制限をしておるということ、内地の情勢から申しますと、コストが高くて外国に物が出ない。そのほかにいろいろの諸条件もございますが、大きくつかみますればそういう点でおります。そこでわれわれといたしましては、どうしても将来の対策といたしまして、輸出を振興して、そうして輸入というものをできるだけ減らしたい。すなわち国際収支のバランスを合して行く方向に努力して行きたい。しかしこれが八億ドルも特需によつて外貨を獲得しておりますものが、すぐ減らぬといたしましても、また同時にこれをすぐ減らして行けるような貿易政策を立てろと言つても、それは不可能なことでございますから、できるだけ特需のある間に輸出を進展して、輸入を少しでもチェックして行く、そうして少しでもバランスを早く合うように進めて行きたい、こういうことが念願でございます。  そこでただいまの生活水準といたしましては、戦前、すなわち昭和九—十一年の平均をとりまして、ただいまのところ国民生活の水準は九七%になりまして、大体戦前に追いついて来ておるような感じがいたしますけれども、しかしこれは中を割つてみますれば、いわゆる八億ドルに達するところの特需というものによつてささえられておるものでございまして、もしこれを経済論的にまつたく特需を無視しましたならば、この九七%の生活水準というものは非常に切下げなければならぬということになるのでございましようが、しかしわれわれは、たとい特需によつて、いわゆる臨時的収入によつてささえられておるところの九七%という生活水準は絶対に落さないで、ぜひこういう程度でとどめておいて、そうして正常貿易のバランスを合して行く、まだまだ将来これを進めて行く、戦前以上に生活水準を向上さして行きたい、こういうことが理想であります。そういう点でわれわれといたしましては、いろいろに振興策を講じておるのでありますが、しかしただいまの考え方といたしましては、まず輸出を振興し、同時に国内においては国内の自給度を増加するという方向にやつて行きたいと思います。輸出の振興といたしましては、これは経済外交によりまして、向うへいわゆる物を買わせる方向に外交的の力を注ぐということにしたいと考えます。例をあげて申しますれば、通商協定をするとか貿易協定をするとかいうことで門戸の開放を求め、また通商使節団を出し、また業者の視察員を派遣して向うの購買市場を見聞させるというようなこともいたしたいと存じますし、また今向うで入国制限とか船の入港制限とかいうものがありますが、これもだんだんと開いて行きたい、こういう考えでございます。  それからまたもう一つは、これは大きな問題でありますが、日本の品物のコストが非常に高くて、国際競争力が非常に削減されているという点につきましては、内地の各種の産業におきまして、このコストを引下げる方策を講じて行きたい、こういうふうに考えて将来に臨んで行きたいと思います。そういう意味におきまして、先般皆さん方にお聞きを願つたところの財政政策を申し上げておいたわけでございます。今後そういうことを実現して行きますにつきましては、皆様方の格別の御指導をこうむりまして、また御叱教をこうむまして、われわれの頭をつくつて行きたいと考えますので、どうぞよろしくお願いいたします。  簡単でございますが、ごあいさつかたがた私の所見を申し上げまして、皆さん方の御批判をいただきたいと存ずる次第であります。ありがとうございました。

佐伯宗義改進党

○佐伯委員長 以上で長官の御説明は終りました。  引続いてなお詳細の点につき担当部長より説明を求めます。

岩武照彦総理府事務官(経済審議庁調整部長)

○岩武政府委員 お手元に昭和二十八年度経済の見通しと申します一枚刷りがございますので、これにつきまして本年度の経済の概要につきまして御説明いたしたいと存じます。  最初に、生産の関係、それから貿易の関係、財政、それから物価、国民所得、人口、雇用者数、消費水準とありますが、この生産の関係におきましては、鉱工業は本年度は一般的に申し上げますと、ある種の物資におきましては、比較的生産が需要を超過するというような傾向が出て参つておるものもございますが、同時に、他方需要の関係がなかなか旺盛で、生産もある程度伸びていないというような産業もあるかと思います。  需要の関係を簡単に申し上げますと、最近国内の消費生活の事情等が相当伸びて参つておりますので、その関係で雑工業と申しますか、そういうふうな工業、あるいは食料品工業等は、本年度も引続き相当増加するように存じております。また財政投資を中心といたします投資需要も、ある程度本年は昨年に比べて伸びるようでございますので、そういたしますと、セメントあるいは木材といつた投資財への生産も増加するかと存じております。現在生産の水準は戦前と比較いたしますと、一五一というふうな高い地位にございますが、この水準は今申し上げましたような、産業によつてバランスは異なりますが、大体横ばいに近いところで推移するといたしまして、戦前に比べまして約五四%前後くらい、昨年に比較いたしまして約一割程度、鉱工業生産指数がふえて参るのではないか。それからその関係で、その上の欄にあります産業活動指数でございますが、これは鉱工業の生産指数に、動力でありますところの電力とガスの生産を調整したものでございます。これも電力は本年度一ぱいにおきまして、電源開発の進捗に伴いまして、相当程度出力の増加が見込まれますので、やはりこの関係も一割弱の増加を見るんじやないか、こういうふうに存じております。  農林水産の方は、昨年が米麦ともに豊作でございまして、その関係もございまして今年度はやや横ばいぎみに相なると見ております。具体的に申しますと、麦は御案内のように作付反別の減少に加えまして、風水害等の関係もございまして、昨年より大分減少して参ると思います。また米は、これは作況いかんでありますが、一応平年作六千五百万石というふうな数字をかりに入れまして計算しております。これは今後の作況いかんによりましてさらに増加することも考えられまするし、また平年作程度ということもございまするので、この辺は一応仮定として入れてあります。その他の作物におきましては、たとえば養蚕あるいは茶といつたような関係のものが凍霜害等の関係もございまして伸び悩み、あるいはかんしよとか、大豆とかいつたようなものが少し落ちぎみだ、あるいは林産関係は用材のごときは昨年よりも相当ふえると存じますが、水産関係がやはり伸び悩みということがございまするので、全般といたしましては、農林水産の関係は、横ばいかやや弱含みになるかというふうな見通しでございます。  それからその次の貿易の関係でございます。貿易の方は、輸出入の関係は大体昨年の実績程度のことで推移するのではないかというふうに見ております。輸出の方は非常に不振ではございまするが、最近アルゼンチンあるいはパキスタンあるいは西ドイツといつた国々との貿易協定によりまして、ある程度の貿易輸出量の増加も期待されておりまするし、またポンド地域全般の輸入制限の問題も、三月の日英会談等におきましてある程度緩和の線が出ておりまして、現に香港等では一部実施に移されております。まあ昨年程度には行くのではないか。ことに最近は繊維関係、綿糸布等の引合いも大分ふえて参つておりますので、まあこの程度には行くのではないかと考えております。輸入の方は、最近はポンド地域からの輸入が非常にふえて参つておりますが、これは昨年度の外貨予算におきまして手当いたしましたものの決済が行われておるわけであります。この一箇月以来少し為替の買いの方も落ちぎみでございます。一応一段落して参りまして、あと今年の上期と下期の外貨予算で大体昨年度の実績程度の輸入が司能ではないかというふうに見ております。物資によりましてはやや手当をしておるものもございますので、ものによりましては、あるいは相違を来すものがあるかと思います。なお国内需要等もございまして、昨年以上にならなければならぬもの、たとえば石油のごときものは昨年以上にならなければならぬものと存じております。そういうふうな程度でございまして、大体昨年と同じような程度に輸入できるのではないかと思つております。そういたしますと、ほかの貿易外の収支を見ました国際収支でございますが、ここに現われておりませんが、例の特需の問題はどうなるかという問題でございます。ただいま長官から御説明いたしましたように、特需は朝鮮の直接の影響ということではございませんが、昨年度八億を越えましたものが、今年度は若干減少するのではないかというふうに見ております。急激に減少することはないであろうというふうに見ております。これは御案内のように、この特需と申します項目はいろいろ雑多なものが入つておりますので、ひとり朝鮮事変の関係の物資並びにそのサービスの調達というものに限りませんで、駐留軍の将兵が国内において消費いたします個人的な消費も、あるいは米軍の駐留に伴いまするドルの支払い分も入つておりますので、そういう要素を考え合せますると、朝鮮特需の減少は、全般的にドル収入にはそう大きく減とはならぬであろうというふうに見ております。そういうことを勘案いたしますると、大体貿易外のその他の収支は、貿易と同じように昨年度実績に近いもので行けるのではないか。昨年度と違いまするところは、本年度は国際通貨基金の払込み等の一時的な資本支出も今のところ予想されませんので、外債の支払い等を考えましても、大体昨年と同じような受払いで推移するのではないか。そうしましてバランスもとんとん程度で行けるのではないかというふうに見ております。  その次の一般会計予算、これはこの国会に提案されておりまする予算のことでありますが、あとから他の関係で申し上げます。  それから物価でございます。これは非常に見通しのむずかしい問題で、われわれとしましてもいろいろ国民所得等をはじきます関係で、ある程度の物資の需給あるいはいろいろ季節的な関係等を考えまして、一応こうでもあろうかというふうな想定をいたしておるわけであります。これはなかなかむずかしい予測の問題でございますが、生産財の卸売物価指数——これは日銀の物価指数でございますが、この指数の動きに当てはめて見ますると、生産財の方は一般的には弱含みの傾向だと存じております。ただ比較的大きな取引でもありまする木材並びにセメントの二つ、それに同じような建築材料の関係の品物は、需給の関係からいたしまして相当強持合い、むしろある程度上るのではないかというふうに考えております。従いましてその上るのが他の一般商品の弱含みを消しまして、大体持合いというところに相なるのではないかというふうに考えております。これはいろいろ物価政策上も下ることが希望されているわけでございますが、一般の生産財はむしろ弱含みで、下つて来るのではないかというような状況であります。  それから消費者物価の関係でございます。ここにCPIと書いてありますが、東京に換算いたして参りますと、昨年度において対前年四%弱上つたわけであります。この原因を考えてみますと、米価を基準としましたいろいろな料金類の引上げ、それから薪炭、燃料費等の増加、あるいはこまかい話でございますが、たとえば学校の授業料といつたようなものが上つている傾向が強くなつております。このうちで公認価格、料金等の引上げが昨年は年度途中で行われましたので、これが本年度は平年度化しましてそれだけ上るわけでございますが、そのほかに光熱費関係の木炭あるいはまきといつたようなものが、やはり一般的に昨年よりは上つて参るのではないかというふうに見ております。それから授業料等の雑費でございますが、これもやはり現状通り推移いたしますかどうか、むずかしい問題でございます。一応現状通りと考えておりますが、これがやはり平年度化して参りますので、指数に一応当てはめてみますと、やはり四%強上るのではないかと見ております。  それから国民所得はあとにいたしまして、雇用の方を申し上げます。雇用者数でございますが、これは労働力調査で、給料を受けて他人に使用されている雇用者の数でございます。大体年度末現在で、年平均しまして昨年度は千四百五十万と書かれておりますが、本年度は少し雇用者の増加する余裕があるのではないか。その一つは財政投資の増加に伴いまして土建業方面、電源開発あるいは食糧増産その他いろいろなものがございますが、そういう方面にやはりふえて参ります。これはそういうような財政支出の人件費から逆算しますと、大まかに申しますと大体十三、四万程度のものが新規雇用可能であると考えております。そのほか例年の傾向と申しまするか、物品販売業あるいはサービス業といつた方面に、やはり雇用者の増が毎年見られるのであります。かれこれ勘案しますと、大体四十万弱というのが、新規雇用の増と見得るのではないかというふうに推定されます。  それからこの表にちよつと落ちておりまするが、賃金の問題で、国民所得の関係でございますが、賃金の方も、本年度は前年度対比一割八分程度の増加上昇を見ております。これは全産業の平均賃金でございまするが、本年度はいかが相なるかというむずかしい問題でございますけれども、賃金の性質上、引下げということは事実上むずかしいのでございまして、むしろ下期におきましては、労働協約の改訂期の到来する産業もございますので、やはり何がしかのベース・アップが行われるのではないか。ただボーナスといつた形の一時的な給与は、むしろ一般の企業の収益状況を反映いたしまして、昨年度程度には行われないのではないかというふうな見方でございまして、全体としては八%程度の平均的な増加と相なるのではないかというふうな考え方でございます。そういうふうにいたしまして、国民所得の分配面で一応試算してみますると、五兆八千二百億、前年度対比八%四の増というふうな一応の試算が出て参るわけでございます。これは昨年度の実績とございますが、実は一部推計が入つております。正確な意味の実績ではございませんが、五兆三千六百八十億というふうな、前年度比較一五%程度の伸びと比較いたしますると、大分下つて参るわけでございます。そのうち物価等に吸収されております分がありますので、実質の所得はこれより二、三パーセント下るのではないかというふうに思います。内容を申し上げますと、勤労所得の増加が一番大きいかと考えております。これは賃金給与等の増加が反映しておるわけでございます。その他個人企業あるいは法人所得等につきましても、一般的に生産の上昇、取扱い販売数量等の増加等を勘案いたしますると、やはり若干の増加が見られるのではないかというふうに見ております。これを先ほど申し上げました一般会計り規模と比較いたしますると、国民所持との比率は一六%四程度に相なるかと存じております。前年度よりも、若干財政規模との関係は縮小して参つておるというわけでございます。  最後に生活水準の問題でありますが、この生活水準の計測の方法はいろいろございまして、審議庁におきましては、家計費の支出を消費者物価でレギユレートいたしまして、戦前と比較いたしております。ことに都市、農村のそれぞれの家計調査によりまする家計費の支出を、それぞれの消費物価で調整いたしまして戦前と比較いたしてみますと、本年度におきましては、都市において戦前対比八六、農村において戦前対比一一二、総合いたしまして一〇〇・七程度に相なるのではないかと思います。これは都市におきましては、先ほど申しました賃金所得等の増加から、現実の消費傾向と見合いまして、増加所得がある程度家計支出にまわつて来る。農村におきましてもこれと同様の傾向が見られるわけでありますが、ことに農村の方では、実質所得の増加という方面よりも、農村の家計物価が割合におちついておりますので、やはりそういう消費水準は昨年度よりも若干増加しておる。正確に申しますと、農村は農作物の関係等が先ほど申しましたようにございますので、現在の米麦その他の価格を基準といたしますと、むしろ本年度は都市の方が伸びが若干大きいのではないか。昨年度は農村の方が大きかつたのでありますが、本年度は若干都市の方が大きいように考えております。いずれにいたしましても、一応こういう方式で計算して参りますと、都市、農村総合いたしまして、戦前程度の家計支出の水準に回復して参つておるというふうな数字を得ておるわけであります。  一応以上で大要の御説明を終ります。

小笠公韶自由党

○小笠委員 ちよつと資料について伺いたいのでありますが、賃金水準のことで具体的数字をひとつお示し願いたいと思います。

岩武照彦総理府事務官(経済審議庁調整部長)

○岩武政府委員 賃金は全産業平均賃金といたしまして、二十七年度月額平均は一万三千三百七十六円でございます。これが今年度は同じく月額平均として一万四千五百円程度に相なるのじやないかと思います。これは全産業の平均で、労働省でやつております毎月勤労統計のベースと、それに漏れております小企業との関係を調整いたしてやつております。

佐伯宗義改進党

○佐伯委員長 以上で担当部長よりの説明を終りましたが、以上について何か御発言はございませんか。——それでは以上に対する質疑は、先ほどの理事会で決定いたしました通り、次会よりこれを行うことにいたしたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時四十八分散会

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