外務委員会 第28号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1953/08/07
会議録
○上塚委員長 これより会議を開きます。 まず請願日程第一、妙義地区に駐留軍演習地設置反対の請願外九件、第五二七六号より日程第五、同じく五七五三号までを一括議題といたします。 ただいまの各請願につきましては、前会において審査いたしました請願と同趣旨でありますので、その審査を省略し、採択の上内閣に送付いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上塚委員長 御異議なければさよう決定いたします。 ―――――――――――――
○上塚委員長 これより国際情勢等について質疑を行うここといたします。通告順によりまして質疑を許します。なお今日は午後一時をもつて質疑を打切る予定でありますが、質問通告者は八名の多きに達しますので、時間の整理上各員平均十五分程度より割当てられないのはまことに遺憾でございます。何とぞ右お含みの上質疑を続けられんことをお願いいたします。喜多壯一郎君。
○喜多委員 まことに遺憾であります。天下の大問題を論ずるのに十五分なんて、きようは本会議が衆参院とも十二時まで慣例によつてあるのですから、この委員会も一人一時間ずつで八時間やつたらいいと思うのです。さようおとりはからい願いたいと思うのであります。きようまた最後の日に、私は先般の質問書について政府に質問するのを、時間が十分だといつて、まるでパチンコのたまのようなために本旨がつけないのでありますから、きようは少々暴力的でありますが、時間が過ぎても政府から満足の行く答弁が得られるまで質疑を続けますから、委員諸君の御賛同を願いたいと思います。 第一にお尋ねいたしますのは、前回の委員会で私は伊関協力局長に申し上げておきましたが、七月二十二日付で石川県河北郡内灘地区の内灘演習場一時使用に関す件るについて議長の手を経て質問書を提出いたしました。その要旨は申し上げるまでもありません。この内灘問題については終始政府は、公文書によりますと、第一に日米合同委員会における記録あるいは閣議における了解要旨等を見ましても、やはり昭和二十八年一月から四月末日までのいわゆる期限付使用であつて、その代地の発見までまず一時使用するという態度が根本であつたと思うのであります。それについては外務大臣及び伊関局長なばはいろいろと堅白異同の弁を今まで放つておられますが、要するに地元民は、林屋前国務大臣の交渉過程などから見ても、林屋参考人自体でさえも、実は初めは一時使用であつた、こういうのでありますから、民主主義の今日、少くとも政治は信義に基くという意味からいつて、公約を重んじていただきたい、しかるに公約は重んじたのだ、一箇月間がまんしたのだ、そして六月十六日から試射を開始したのだ、しかもその間手落ちなく、食言することなく、十二分に地元民を説得したと申しておられますが、私ども議員側、特に外務委員側から見ると、その間においてはまだまだ至れ尽せりの手段ではなかつたと思うのであります。そこで時間がありませんからさつそくにお尋ねいたしますが、政府からの答弁書はまだ印刷になつておりません。私は議事課で急いで筆記して参つたので、あるいは誤字があるかと思いますが、その点は大したこともないと思います。政府の答弁のうち第三項、「政府はこれらの補償を最大限考慮を加え」とありますが、これは一体どこまでが最大限度であるか、何に比較して何を基準として最大限度と仰せられるか、お手元に政府部内に最大限度という文字に対する一つの尺度がおありかどうか、もし具体的な数字等をもつて示されるなら示していただきたいと思います。
○伊関政府委員 この第三項で申しております最大限度と申しますのは、内灘村に対しまして七千五百万円というものを特殊異例の措置として交付いたしております。従来こうしたいわゆる見舞金というふうなものを交付いたしました例はございません。内灘地区に対してが最初でございます。この金額が最大であるかどうかという点は、他の例がございませんのでちよつと比較いたしかねますが、政府といたしましては、その当時としましてそれができるだけ出し得る最高限度と考えた次第であります。
○喜多委員 そうすると政府が、「これらの補償を最大限度考慮を加え」というのは、七千五百万円ということに今の答弁で大体金額もわかりました。私は不服があるのですが、それはあとの問題として次にお尋ねいたします。それは第五項のABCと答弁せられておりますCの項でありますが、「不利益、損失には特別の補償を講じ」とありますが、その特別の補償とはどの限度でありますか。
○伊関政府委員 これもただいま申し上げました七千五百万円を意味いたしております。
○喜多委員 そうすると、前の方では「最大限度の考慮を加え」と最大級の形容詞を使われておつて、今度このCの項に来ると、「不利益、損失には特別」といつて、比較級の上から行くとやや劣る方になつて来て、私はこの点が誤解を受けると思うのですが、伊関政府委員はこの点でこれをもつと地元民が納得するよう、これから陳情もあると思いますが、御用意はありますか。納得するような言葉で言われることが一つ。もう一つはEの項でありますが、「音響は相当の影響を与えているものがあるが、弾数は多くない」とあります。確かに試射のたまの数は私は事実そう多いものと思いませんが、音響については局長御承知の通り、再々の陳情、視察等でおわかりと思いますが、近接の町村の宇ノ気、七塚町の方に対しては音響の被害が大きい。これはどうも音響ですから、隣に工場ができて、子供が寝られないとか、神経衰弱になるというふうな点と違つて、町全体が受ける不気味な不愉快さというものは、実は金額に見積ることもむずかしいと思います。神経質な、センシティヴなものには大きく影響するし、何あれくらいという人もありますが、この点については音響のために相当な影響を与えておるものと政府が是認されておるられるのですが、これに対する対策について、何かお考えはありますか。
○伊関政府委員 昨年十二月五日でございましたか、日付ははつきりいたしませんが、内灘地区一時使用の閣議決定によりまして、内灘に対しまして、七千五百万円というものを特別に交付する、このときにある程度の金額を留保いたしております。その他の影響をこうむる関係町村に対しても施策をしようということを考えております。そうした金を留保いたしておりますので、何らか防音措置等について考慮いたしたいと思つておりますが、これはまだ現地の町村長に対しては、具体的にどうしたことを希望するか、言つて来てほしいということを申してございますが、ただいままでの情勢では、町村長が、正式に具体的な案を持つて相談に来得る情勢ではないものですから、まだ参つておりませんが、その具体的な案を見ました上で、何か防音という面で措置を講じたいと思つております。
○喜多委員 重ねてその点についてお尋ねいたしますが、隣接町村、宇ノ気、七塚町の町村長からの要求がありますれば、金額としては一体どのくらいを、政府の方では、特別の措置という特別な言葉を使われておる中に含まれておるかその点。もう一つ最後に、「補償措置は可能なる限り対策を考え」とこうありますが、補償措置とは、そこに調達庁長官もおられると思いますが、これはむろん漁業も農業も入れておるし、音響上から来る地元民の心理的な被害に対する一種の見舞い補償ということもこの中に含まれると思うのですが、「可能なる限り」というのは予算上、金額上の可能なりや、あるいは法規上の可能なりや、あるいは今までの交渉上、前約を与えておるからというふうな意味での、一つのわくがあつての可能なる限りで対策を考えられるのか。あるいは今後地元民がまだまだ要求するならば、許されるならばというふうに幅のあるものか、どうか、同時に次に「民有地使用を含め」とありますが、民有地を使用しなければ、射程距離は完全に行かないことがはつきりしているのですが、民有地はいかなる手段で使用なさろうとするのか、その三点についてお尋ねいたします。
○伊関政府委員 宇ノ気、七塚、高松等に対して留保いたしております金額は、新聞等に出ますことを好みませんので、後ほど書面か何かで御了解を得たいと思います。「可能なる限り」と申しますのは、各地に対していろいろ前例がございますので、政府としては会計検査院等に対しまして、説明のつく最大限度を考えたいと思つております。これはすでにどういうことをいたすということは、大体現地に申しておるのであります。これ以上、ふやすというふうな考え方は今のところ持つておりません。また減らす考えもございません。ただこの政府が考えております三つの点でございますが、一つは畑地灌漑、一つは漁港をつくる、一つは交通施設を考える。これは地元に伝えたままになつておりまして、これに対して地元が現実にやつてもらうとすれば、どういうふうに多少計画を変更してもらいたいというふうな希望があるだろうと思つておりますが、まだそこまでの話合いに入つておりませんので、現実に実施します際には地元の希望を十分入れまして、大体政府が可能と考えておりますわく内でありましたならば、なるべく現地の実情に即した方法で参りたい、こう考えております。 それから民有地の使用につきましては、やはり権現の森の手前までということでは、たまの試験に十分ではありません。あれを越して撃ちたいわけでありますが、今のところこれは話合いでもつて、この民有地を契約でもつて借りて使いたいという考えで工作いたしております。
○喜多委員 第三の交通は、地方交通機関の誘致という毎々の質疑から使われていたあの文字に該当しますか。
○伊関政府委員 道路を直しますか、何らかバスとか私鉄というようなことを考えますか、ともかく金沢の市内にもつと便利に安く行けるような方法が村の希望のようであります。
○喜多委員 補償措置は可能なる限り、すなわち前例に従つてといいますが、大体内灘は御承知の通り、伊関局長が最初から矢面に立たれたのですから、これはほかの軍事基地とは比較にはならない。従つてこの点は、可能なる限りは前例に従いということよりも、地元との前約に従いというふうにひとつお考え願いたい、こう希望申し上げでおきます。 同時に民有地の使用でありますが、これは、もちろん権現の森を使わなければ、日米合同会議できまつた射程距離は完全性を持たないのであります。海の方の部分はむろん国警等が警戒して立入りといいますか、船などを入れないようにしてありますが、射程距離が十分でない場合、私は事実についで調べたのでありますが、十五サンチというとほんとうに飛ばせば能登半島にも行くような大砲をつけている。そして八千五百ヤードの射程で権現の森を収用しても、十五サンチのほんとうの大砲のたまを撃てば能登半島の隣郡まで行くのですが、こういう矛盾を土地の人は非常に不安に思つて、例のおおかみが来た、おおかみが来たというイソップの話と同様に、政府が幾たびか撃たないのだのだと言つておるうちにどかどか撃ち出して、日本海の中に撃ち出して他部の漁船までもとめられるのではないかという懸念を持つております。それに事実誤りがあつたとおつしやるだろうと思うが、伊関局長の地方新聞などに出た答弁を見ると、どうも海に撃ちそうな気がする。私らこの委員会に出てたびたびあなたと質疑応答をしておつても、そういう懸念を持つのでありますから、地元の者が持つのは当然であると思う。その点でひとつきようはとことんまで伺いたい。ほんとうに撃たないのか、撃つのか、それとも撃つならば――私は撃てないものだと思う。これは日米合同会議の十二月三日のによると、ABCのCのところで、射程は八千五百ヤードを越えないのだとうたつておるのでありますから――といつても海についてはちつとも書いてない、撃たないとも書いてない、書いてなければ撃たないものということは私どもの常識ですから、この裏を見ろ、ブランクを見ろ、それには意味があるのだという解釈では地元民は納得しない、
○伊関政府委員 たまにつきましては今後あそこで撃とうとしておりますものは百五ミリ、それから百五十五ミリ、百五十五ミリは四十二サンチになるのだと思いますが、それが飛ぶのはうんと飛びますけれども、八千五百に射程を限つておりますから、撃ちます際にやや高く撃つ、あるいは発射薬をかげんするとかいたしまして、八千五百内で撃つことにいたしております。次に海の問題でありますが、現在でも海面八百ヤードの幅で危険区域がとつてあります。これは陸上に七百ヤードの幅、海上に八百ヤードととつておりますが、ほんとうならば陸上で千五百くらい幅がありますれば、陸上で十分なのであります。海にとる必要はないのでありますから、陸をなるべく狭くいたしましたために、海の方にそれだけの幅をとりまして、うまく水ぎわすれすれに落す、そういうのが考え方でありまして、その際にはたまの破片が海中にも入り、あるいは試験いたすたまでありますから、中には不良なものもございましようし、ある程度ねらつたところに落ちない、多少の狂いがございまして、そういうような危険を考えまして、海面に八百とつておるのでございまして、海面に撃つという意味で今の八百の幅はとつてあるのではありません危険区域として、水ぎわ近く撃つものが、間違つて海面に落ちることがあるかもしれません。それから炸裂いたします。そういうものを考えておるのであります。それからこの間から現地の新聞で問題になりました射程を延ばすとか延ばさぬとかいう問題がありましたが、あれは権現の森を越して撃つということは、日本政府の了解なしにはやらぬということにはつきりいたしておるのでございます。この間問題になりましたのは、今まで権現の森のすぐ手前まで撃つておつたのでありますが、最近撃とうとするたまは、従来のものよりも炸裂の範囲が広い、要するに今まで五十メートルの半径でもつて炸裂したものが、今度は百五十メートルくらいで炸裂するというふうなたまを撃ちたい。そういたしますと、この権現の森のすぐ真南に撃つと、炸裂した破片が権現の森に入つて困る。そこで左の方に向ければ砲座が南にありますから、海に撃つのではなく、水ぎわ近くやや左に寄せて撃ちますと、権現の森との間の距離が離れます。そして炸裂の半分くらいが海中に落ちるというふうな考え方でもつて、今までの危険区域に炸裂したものの破片が落ちて行くようにやりたいと向うが言つて参つたのでありまして、これを私どもはよろしいと申したのでありまして、射程の延長をよろしいと申したのではありません。その点が非常に技術的な点で新聞等でははつきりいたさなかつたのであります。将来の問題といたしまして、海面に撃つというふうなことは、あるいは八千五百を越して撃つとか、海上に、今の八百の危険区域を越して撃つということは、われわれは考えておりません。
○喜多委員 大分はつきりして来ましたが、ひとつもうかけひきと食言には、地元の人も私たちも懲り懲りしているのですから、書いてないから撃つてもいいのだというような間違つた解釈をなさらないで、守つていただきたい。もともと私は絶対反対なのです。これは代地を見つけてどこかに持つていただいた方が一番好都合なのですが、先ほどの政府委員の答弁は、一が畑地灌漑、二が漁港をつくる、三が交通機関、すなわち交通機関に助力を与えるというか、援助を与えるということでありますが、この一、二は局長無意味です。もうやつておるのです。これでは納得しませんから、私は絶対反対なのですが、政府の答弁によると、今後ますます努力して円満に解決したいというのですが、これでは解決しない。むしろ内灘村民の最も要求しているところは帯のような狭いところでその半分をとられておるのですから、河北潟地帯に対する干拓であります。この漁港は、実は内灘村に必要な漁港ではなくして、金沢の市の中にある次野町の方が要求しておることで、この点は私ども委員の意見を聞かれた方が真髄に徹しておると思いますから、忠告しておきます。その点について何かのお考えがあるか。同時にもう一つお尋ねしておきますが、ときどき吉田内閣はこういう問題に対して魔術的ゼスチュアを使い過ぎると思う。せんだつての新聞でも、能代潟、浜名湖及び内灘をあげて、外資導入によつて、オランダから技術を輸入するとかアメリカから資金を入れるとかして、五百町歩、千何百町歩を三十億円、五十億円、ないしは百五十億円で干拓するなんて書いてありましたが、今日の予算からいつても、とつてもできそうもないことを考えている。一体どこの世界のすみに、十二、三年ぶりでようやく利まわりになるような干拓のために外資を投ずるやつがあるものですか。これは総理は一生懸命だと伝えるが、人間にはばかの一つ骨、えということもあります。りこうな人でも思い過ぎることがありますが、そんなことができるものか、できないものか。これは私は農林大臣からお聞きしたいのですが、そういうことは地元民をごまかすものだという感じしか受けない。まじめな議論だとは思えないのですが、あれはまじめな議論ですかどうか、農林省側の御答弁を聞きたい。
○和栗説明員 総理のお話は私は伺つておりませんが、河北潟の干拓計画と申しますものは、農林省の方でも前々から研究をいたしておる問題でございます。ただこれをやります場合には、河北潟の干拓工事だけでなしに、これに流入いたしております諸河川の問題、それから大野川のはけ品の関係も、これを拡張するかどうかというようないろいろな問題が、この干拓問題にはからんで来まして、一時私どもの方でも、ここを急にやりたいと考えまして、工事計画あるいは経費等も研究をいたしたのでございますが、そういう河川関係の経費を、建設省関係とも連絡をとつて伺つてみますと、非常に厖大な金になりますので、一挙に河北潟の干拓をやつてしまうというようなことは、財政面その他の面から困難が伴うというふうに考えまして、なおこの問題につきましては、引続いて研究をいたしておるという状況でございます。
○喜多委員 もう調査費も出て研究もしておられるようですが、これは継続研究せられるかどうか。本年のこの間修正された予算の中で、どのくらいの金が行つていますか。おわかりにならなかつたら、あとで書面でもけつこうですから、その金額を調べていただきたいことと、今農林省側の御答弁の通り、実は干拓々々と言いますが、この干拓はむずかしい。銭屋五兵衞という豪傑でさえも一代でこれは失敗しているように、なかなかうまく行くものじやない。こつちを干拓すると、こつちへ水が上つて来で、美田が水の中に入つてしまつたりする。しかし私は、特別調達庁長官も農地局の方もおいでですから申し上げますが、もし政府が、私に対する答弁のように、円満に内灘問題を地元民とのよき了解のもとに継続して使用したいというならば、第一は内灘諸部落における少々の干拓です。そんな夢みたいな、オランダから技術を、アメリカから外資をというような――これもできればけつこうです。私は妨害しません。むしろ希望しますが、そんな絵に描いたりつぱなごちそうよりも、目の前にほしいのです。現に食えないので、生きて行くために必要なのですから、小さくてもいいから、さしあたつてすぐできるものをやつてもらいたい。そういう点で、農林省は外務省あるいは特別調達庁と協力する意思がありますか、ありませんか。
○和栗説明員 先ほども申し上げましたように、農林省といたしましては、前々からの計画でございますので、目下いろいろと荷とかして現在の財政下でできるように研究をしておるという程度であります。
○喜多委員 大体抽象的な答弁をある程度伺つたのでありますが、最後に申し上げておきたいことは、これは単に内灘問題ばかりでなくして、各基地について考えられることは、伊関政府委員ともたびたび問答したのですが、正直にいつて私はあなたの役所に対して憐憫の情を催す。交渉の矢面には協力局が立つ。アメリカの外務省かと言われるほどだが、バツク・アツブすべき農林省も大蔵省も、同時に調達庁なんというのは、長官がここにいますが、腰抜けの役所です。軍事基地の問題の解決にあたつては、あなたは新しく任官せられてお気の毒だが、しかし責任の当局です。もつと簡潔にいうと、調達庁の事務的なふなれや不満足や不完全性から一気に外務省の協力局に行く形が多い。その中でも、伊関局長なんというのは日本人の血を持つておるのかとまでやり玉に上る。これは一つの責任を調達庁は、私は怠つておるとまでは申しませんが、十二分でない、十分でない、八分でない、七分でない、役所としては四、五分ですよ。あなたは新しく任官せられて大いにやろうという気構えで来られたのだろうし、もともと出身は外務省なんだから、大いに外務省をバツク・アップするつもりで――われわれもその点で金の出し方がおそかつたり何かするなら、国会議員としても大蔵省を鞭撻しなければならぬと思いますが、あなたは大いにやろうという気構えでおいでになつたのだろうと思うのですが、内灘問題を円満に解決することについての第一歩は、まず特別調達庁が特別に気魄を調達することでしよう。おありになりますか、どうでしようか。
○福島政府委員 調達庁の能率が悪いことがいろいろ問題の根源になるという点については、私まだ就任以来日が浅いのでありますが、そういう点に筋金を入れようという精神をもつてこの仕事に参つたわけであります。今日まで数日の間にどこまでそれをなし遂げたかということを申し上げるわけにも参らぬのでありますが、今後人力の及ぶ限り調達庁の仕事をするように、その精神について筋金を入れて参りたいと思います。なお外務省との関係その他において、組織上どういう方角に考え直したらよいかという点については、たとえば接収関係の事務を扱うのに、事務分担上考え直す余地があるというようなことにつきましても、ただいま外務省と協議中でございますので、成案を得ました上は、それに基いてでき得る限り、ただいまのような御鞭達を感謝しつつ、将来調達庁を盛り立てて参りたいと思います。
○喜多委員 大分時間を超過して、ありがとうございました。私はこの辺で自粛いたしますが、関連して同僚岡委員から議事進行の質問があつたら、私のかわりに時間を少々与えていただきたい。これでひとまず打切つておきます。
○岡委員 私はありません。
○上塚委員長 須磨彌吉郎君。
○須磨委員 中共との貿易を促進することに関します全院こぞつての議決が先般通つたのでありますが、その後の様子を見ておりますと、六日に、アメリカの大新聞の一つであるクリスチャン・サイエンス・モニターは、はつきりとその決議の大きな意義を賞揚いたしますと同時に、日本の中共に対する貿易、支那大陸との貿易を促進することは、当然の権利であり、アメリカはこれに即応して大いに助けなければならぬという大論文を掲げておる次第であります。一方英国におきましては、これにまた非常な注意を払いまして、すでにヨーロッパにありますココムの方面とロイド国務相が何らかの交渉に入つておるような情報もあるのであります。わが政府は何らかこれについて具体的な方策をおとりになつたのでございましようか。なかつたら、これからはいかなる計画をお持ちでありましようか、伺いたいと思います。
○小滝政府委員 両院の決議もございましたので外務省としましては中共との貿易を促進するために最善を尽したいと考えておる次第でございます。しかし、それでは今までどういう措置をとつたかということになりますならば、御承知のような関係にありますので、この進め方は慎重なる考慮を要する次第でありますから、今せつかく検討を加えておりますが、近くダレス氏もこちらへ参るというような機会もあります、これもまことによいチャンスでありますし、また先ほどのお話にもございましたように、英国あたりはすでにこの点をを非常に強調しておりますから、ただ単に米国側との話合いのみならず、英国側とも提携いたしまして、一日も早く中共との貿易がこれまでよりも改善せられるように、また今までの自粛的な措置をもつと緩和し得るように、あらゆる手段を尽したいと考えておる次第であります。
○須磨委員 今までに何かとつておることはないのでありますか。
○小滝政府委員 今までココムの方にも代表を出しまして、できるだけこれを緩和しようという措置をとつて来たわけであります。そしてまたその結果相当輸出許可品目を多くしたわけでありますけれども、これは十分皆さんの満足を買う程度に行かなかつたので、幸い朝鮮も休戦になりましたから、これからさらに強力にこの交渉を進めて行きたいと考えております。
○須磨委員 ただいまのお話の中にもありましたダレス国務長官でありますが、明日当地に参り、当路者ともお会いになるという新聞報道でありまして、その前に本日中に京城において大きな発表がある様子であります。すなわち米韓の間の保障協定、これは一口に申せばわが日本との日米安全保障協定に似たようなものができる様子だと私は聞いておるのでありますが、そうしますと、このことは重大な問題でありまして、ひとり米国と韓国との問題であるばかりでなく、わが日本にとりましても非常に大きな問題でございます。この点は、六月十八日の本会議における私の質問演説の最初においても指摘いたしまして、それに対して吉田総理大臣は、まことに意見はごもつともである、この東亜地域の安全保障について協定ができるならば、わが日本もそれに非常な興味を持つ、こういうお話であつたのであります。先ほどお話のごとくダレス長官が来られることは、中共貿易についてもよい機会であるかもしれませんが、大体東亜の地域に対して何らかそういう共同の防衛組織をつくるということは、元来一昨年九月の日本に対する平和条約締結当時から、トルーマン大統領が鮮明しておるところであります。そればかりでなく、今の新しいアイゼンハウアー大統領が一月二十日就任演説におきまして九つの原則を述べた第七原則には、はつきりと各地方における地方的情勢に応ずる施設をつくることが必要である、それが平和確保のゆえんである、こう申しておつて、これは明らかにアメリカの対世界外交の線でございます。そうしますと、明日参つて、二十四時間しかないそうでございますが、当然これがその筋だと思うのであります。私も役人をしておつた体験からいたしすと、そういうことに対して御交渉になるいろいろな準備等ができておるのでありましようか。それともただおいでになれば、ちやらんぽらんの話をしてわかれるつもりでおられますか。まずきようは、次官に伺つても深い程度はわからないかもしれませんが、外務省の当局でそれに対していかなるお覚悟があり、また御準備があるかということを伺いたいのであります。
○小滝政府委員 もちろんこれはせつかくの機会でありますから、天気の話ばかりするわけでもない。日米間にもいろいろな諸懸案がありますし、朝鮮休戦後のいろいろな諸問題について、情報及び意見を交換しなければならない次第であります。外務省といたしましては、この会見に参考となるようないろいろな資料を検討し、われわれの方でも意見をまとめまして、大臣にできるだけこの機会をとらえて、いろいろな問題で意見を交換してもらい、解決し得る問題があれば、そのとりはからいをしてもらいたいと、せつかくこれらの問題を検討しておる次第でございます。しかし最初に須磨委員からおつしやいましたこの問題は、日本の事情というようなものも十分勘案しなければならない問題でありまして、私としては何とも申し上げかねる次第であります。
○須磨委員 ちようどあたかも北大西洋条約にちなみます行政協定の改訂の問題が、日本としては一番ひつかかつている当面の問題でございます。これももちろん話頭に上るわけでございます。そうしますと、今度は朝鮮で安全保障協定ができ、また行政協定も予想されるそうでありますが、日本とアメリカの関係と同じような仕組みが、朝鮮及び韓国政府との間にできるわけでございます。だんだんそれがアンザス協定と申しますか、アメリカと濠州もしくはニュージーランドあるいはフイリピン等とのことと関連をして参るわけであります。ちようど今行政協定の改訂の問題がひつかかつておるわけでありますから、実を申せば行政協定というものは、そのもとは北大西洋条約でありまして、それが根拠となるわけであります。私は夢を申すのではありません。当然この話の一番先に打出される線は、この太平洋地域において、北大西洋条約とパラレルになるような、並行するようなものをこしらえる究極の目的について、私は意見の開陳があるものと思われるのであります。それに対しまして、政府にどういうような考え方を持つておられるのか。これがわれわれ国民としては全体に関する休戚の問題でございますから、非常に知りたいのであります。これについて何か片鱗なりとも御存じならば、お漏らしを願いたいものでございます。
○小滝政府委員 太平洋の防衛については、いろいろ御意見もあるでありましようが、先ほども簡単に言及いたしましたように、日本の実力、今の経済情勢というようなものもありますので、はたしてどういう話が出るか、それに対してこの問題をいかに取扱うかということについては、私は言葉で何ら言明すべき資料を持つておらない次第であります。
○須磨委員 それではいま一つお伺いいたしたいのでありますが、MSAの協定に当ります向う側の当事者がステイーヴス氏からパーソン氏にかわつたようであります。パーソンという人は、私の記憶にして誤りなかりせば、グルー大使の時代にこちらにおられた人と思うのでありますが、この人と、交渉する人がかわつたのは、一人がインドネシアの代理公使に行かれるのでかわつたと言われますが、これによつて交渉の一つの転機が来ているのではないでありましようか。
○下田政府委員 パーソンが参りましたことによつて、MSA交渉に一つの転機が来たのではないかという話でございますが、私パーソン氏とも会つていろいろ考え方を聞いてみました。先生は最近はイギリス等におきましてヨーロッパ諸国におけるMSA計画の仕事に従事しておりまして、最近のエキスパートの地位を持つているそうであります。従いまして専門家でありますから、いろいろの問題が具体的にてきぱきときめられるという意味において交渉の進渉に役立つとは考えますが、方向なり、やり方なりについて角度を違えるという意味の転機は来ないように感じている次第であります。
○須磨委員 ただいまの条約局長のお答えは御名答でございまして、言わざる間に私に答えておられたようでございますが、私の感じは転機が来ていると思うのであります。と申しますことは、こういう交渉の途中において人をかえるということは容易ならざることであります。大小いかなる会議においても、いやしくも常識のある国家はとるところではありません。必要があつてとるのであるから、それで私は伺つておるのでざいます。きようは何もきのうの中間報告において外務大臣も発表しなかつたことを御発表願いたいと思うのではありません。けれども、これは国民が最も注意をしておる問題でございますから、御指摘申上げた次第でございます。 つけ加えておきたいことは、このMSAの交渉において昨日わが党の代表者並木委員からの質問に対しては、お答えきわめてあいまいでありましたが、行く行くはわが日本の防衛計画について何らかのめどを示さなければ、これは円満なる解決に参らぬということは、大体海の向うで申しておる様子でありますが、こちらの方では申さぬのでありますが、どうかこれについてただいまお答えになつた条約局長のきわめて人間的率直なるお気持をもつてお答えを願いたいと思います。
○小滝政府委員 今までのところこの防衛計画のことは話に出ていないようでありますが、もちろん武器とか装備を貸与するからには、ある程度計画はなければならない。またそれについての情報を交換するということがなかつたならば、どれだけのものを援助していいかわからないということになるのでありましようから、私の想像するところでは、そうした問題は少くとも情報の交換というようなものが必要になつて来るだろうというように考えております。
○須磨委員 それが計画でございます。つまりそういうふうに向うから出て来れば、これを出したいというような大体の腹案が政府におありだというめどをつけてお伺いしたところが、ただいまの次官のお答えではそれがあるというように聞えますが、そう解釈してよろしゆうございましようか。
○小滝政府委員 私は計画そのものは存じませんが、MSAの援助を受けますからには、防衛に関する一つの情報の交換というものが少くともなければならないものであろうということを申した次第でありまして、その計画の存否については私存じませんから、保安庁あたりからでもお答えを願います。
○須磨委員 ただいまのお答えによつても、これまた条約局長のお答えのように、まことにかんでみれば味のあるお答えであります。情報という名前をつけましたが、それは計画だと私は存じます。決してそれが五箇年計画、三箇年計画であるだろうと私は申しません。現にアメリカが六十三箇国のMSAを受ける国々に対して五十八人からなる調査団をまわしまして、その報告を私は読みました。それによりますと、各国の業績がよろしくない。それだからして来年の夏くらいまでにはこれを手切つたらよかろうというような意見が非常に出ておるのでありますから、五箇年計画などをお示しになるようなことはないと私は思いますが、少くとも今度援助を受けますことについての一箇年計画と申しますか、今受けたならばこれをいたします、これをいたしますには、これだけのものがいりますという計画はなければならぬのでございます。昨日この点について、外務大臣の御答弁はきわめて不明瞭であつたことを私は遺憾といたしますが、ただいまの次官の御答弁はやや一歩を進めた感はございますが、まだ不明瞭であります。もう一点お尋ねいたします。つまり一箇年の目標をもつて立てましたる――これは次官は情報と言われてもよろしゆうございます。私は計画と申しますが、そういうものがあるかないか。いわゆる防衛計画の有無については、八千万国民が今息を詰めてこれを待つておるところであります。いかがでございましようか。
○小滝政府委員 保安庁といたしましては、今年度の予算もきまつておりますので、その範囲における計画は当然なければならぬと思います。それが結局基礎になるものであろうと考えております。
○須磨委員 それはあなたが計画という言葉がきらいで、逃げて歩いていただけで、実質はあるというお答えだと私は了解いたします。ところで伺いたいのは、佐藤自由党幹事長の談話によりますと、自由党において、MSA受入れ態勢に対する研究委員会と申しますか、受入れ委員会と申しますか、そういうものができると、新聞で私は承知をいたしておりますが、これは実は当外務委員会において、そういうものをこしらえたらどうか、場合によつてはわれわれ、国会議員も入つたらどうかというお話まで、各委員から申し出たことがあつた次第でありますが、こういうわれわれの想定いたしたような委員会とは違う性質のものでありましようか。違わないものならば、いずれ外務委員から出ました意見を御採用になつて、このMSAを受けることに関する国民的関心を御了承相なることが必要だと思います。
○小滝政府委員 佐藤幹事長がどんなことを発表いたしましたか、私残念ながら存じませんが、須磨委員のおつしやいました御趣旨はよくわかる次第でありまして、その辺さつそく党の方へ連絡いたして調べてみたいと思います。
○須磨委員 一言つけ加えておきたいのでございますが、明日ダレス長官が来ることでございますから、ただいま私が申しました質問の三項目、すなわち中共貿易に対する対策、並びに東亜防衛協定に関する構想、第三に軍備と申しますか、防衛計画に関する問題、この三つについては、これはぜひともダレス長官が来た際に、私ども国民の希望としては、満足の行く結果を出したいと思うのでありまして、これから九十日後に来る政治会議に参加するとかしないとかいう大問題がございますが、そういうものに参加するよりも、明日おいでになつて話される政府の計画及び構想こそは、東亜の諸問題の解決に対する萌芽として、私は重要視して行くべきものと思いますが、さような気構えができておるのでありましようか。もう一ぺんくどいようですが、お伺いいたします。
○小滝政府委員 私自身は詳細に存じませんが、もちろん総理としては、そういう点も十分に考えておられることと想像いたします。
○上塚委員長 戸叶里子君。
○戸叶委員 私は主として駐留軍に働くところの労務基本契約の点についてお伺いしたいのですが、これに先だちまして、今の須磨委員の質問の中にも関係がある中共との貿易の点で、お伺いしたいと思います。国会がきようで終りますが、休会中にもどんどんとMSAの交渉が続けられると思いますので、この点もう一度はつきりとしておきたいと思います。先ごろから問題になつておりましたところのMSAの援助を受ける場合に、中共貿易の統制について、日本両国は協議するというような項目が入るとか、入らないとかいうことが書かれてありましたが、一体これは入るのでしようか、入らないのでしようか、はつきり承りたいと思います。
○下田政府委員 その問題は入ることになりますか、入らないことになりますか、まだ決定いたしておりません。交渉中の問題でございます。
○戸叶委員 それではもしも入ることになつた場合に、日本側はどういう態度をおとりになるかを承りたいと思います。
○下田政府委員 日本側は、このことはもうきまつておることであつて、くどくいまさら入れる必要があるかどうかということにつきまして、疑念を持つておる次第でございますので、入ることになるということを前提としてのお答えは、申し上げない方がいいと思います。
○戸叶委員 もう一度はつきり伺いたいのですが、それでは向う側から入れるようにという要求があつても、こういうことは入れないというふうに、あくまでもつぱる御意思がおありになるかどうかということを伺いたいと思います。
○下田政府委員 たびたび申し上げておりますように、日本は平和条約中の条項といたしまして、侵略国側に対してとる国連の措置にあらゆる援助を与える、また侵略者側に対してはいかなる援助も与えないという約束を、独立したとたんに、平和条約で引受けております。またアメリカ側としてはバトル法によつて、およそいかなる形態にもせよ、アメリカの援助を受けておる国は、その国から侵略者側に援助を与えることは考えないということであります。この問題の趣意はもう明確であります。MSA問題は、協定の中にまたあらためてくどくこれを規定する必要があるかどうかという問題だろうと存じます。日本はこれをあらためて入れることの必要性に疑いを持つておりますので、挿入したくないという気持なのでございます。
○戸叶委員 今の御答弁で、入れることに疑いがある、結局向うからぜひ入れるようにという話が万一起きても、お入れにならない、私はこのように了承いたしました。MSAの援助を受けている国で、こういう条項が入つております国は、ヨーロッパにはないというふうに了承いたしておりますが、そうでございましようか。
○下田政府委員 これはMSA協定に入れませんでも、何らかの形で同じことは約束をしております。
○戸叶委員 日本はすでにバトル法がありますし、また国会でも先ごろ中共貿易促進の決議までお出しになつておられるのでございますから、こういうふうな心理的な影響を受ける条項はお入れになつていただきたくないのですが、その点ははつきりいたしましたので、私も了承をいたしました。 そこで第二に伺いたいのは、いわゆるカントリー・チーム、監督官というのですか、その人たちが日本に来る場合に、その中には民間人も入つておられるか、軍人だけかどうかという点と、それからその資格がどういう形で来られるかということを伺いたいと思います。
○伊関政府委員 現在保安隊に対しまして、いわゆる顧問団というものがおりますが、これは軍人と軍属からなつております。将来これ以外のものが入るかどうかという問題でございますが、これはもう少し交渉をいたしてみないとわかりませんが、あるいは入り得るいうことも考え得るかと思います。ただ身分につきましては、現在は軍人軍属になつておりますが、各国の例もございますので、大使館員に切りかえた方がいいのじやないかと考えられます。そうなりますと、出身が民間でありましても、こちらにおります間は大使館員になるというふうな形が考えられます。
○戸叶委員 保安隊の関係でいる顧問団というものと、それからMSAの関係で来られる顧問団というのは一緒なのですか。
○伊関政府委員 この点は援助の細目がきまりませんとはつきりいたしませんが、この大多数は現在の保安隊に対する顧問団が将来のいわゆるカントリー・チームの大多数をなす、何といいますか、中核をなすであろうということは申されるであろうと思います。それ以外に、援助によりまして、ほかの使命を持つた者もこれに加わるということが考えられます。
○戸叶委員 そうすると日本に対して発注するような場合にもこの顧問団を通してされるということになりますと、今のところ保安隊の顧問団と大体同じものであるとするならば、結局今いられる顧問団が日本に対して発注するということになるわけですか。
○伊関政府委員 現在はそういう調達関係は軍の機関でやつております。軍に特別の調達機関がございます。現在の保安隊のいわゆる顧問というものは、そういうふうな経験等を持つておりません。調達をどういう機関にやらせるかということにつきましては、少くとも現在の顧問団の連中はこれに当り得るだけの経験を持つていないわけであります。別の者を当てなければならぬ。これがどういう系統に属するようになりますかは、今後細目の交渉においてきまつて参ります。
○戸叶委員 そうすると軍で調達をやつておりますその人たちが、MSAの援助を受けた場合に、再び調達関係にあずかるかどうかということは、まだはつきりしていないというわけなんですね。もしも今までの人たちが調達を日本にするということになりますと、主としてこれは朝鮮特需の問題ですが、そこにいろいろな問題があつたと思いますが、その点は政府では御存じでしようか。
○伊関政府委員 従来の調達に関連しましていろいろな問題がございます。それは合同委員会で取上げておりますが、今後調達機関をどういう人がやるか、現実に今までの経験者がやるといたしましても、系統がかわるかかわらぬか、あるいは従来の者に委託してやらせるようになるか、そういうふうな点についてはまだはつきりいたしておりません。
○戸叶委員 日本側としてはどういう形式をお望みになるわけですか。
○伊関政府委員 関係各省間でまだ研究中でございまして、はつきりと結論は出ておりませんけれども、ただ従来と同じような形というものでなくて、何らかこれに対して日本側の、何と申しますか、もう少し日本側の発言権の強いものと申しますか、もつと緊密な調整ができるものというふうに、抽象的にはそうした意見を持つております。
○戸叶委員 そのカントリー・チームの方がもしも今の軍の顧問団に加えて新しく来られた場合に、日本でお金を負担するような場合がないかどうか。
○伊関政府委員 各国とも、そうした使節団の行政経費というものは援助を受ける国において負担しております。
○戸叶委員 そうすると、日本でもそういう行政経費を負担するということになると思いますが、大体どのくらい負担しなければならないか。それは人数によつても違うと思いますが、どのくらいの負担の用意を考えていられるか。
○伊関政府委員 これはおつしやる通りに人数にもよるわけでありますし、それから国内各地にどの程度出張するかというふうな出張旅費等もございます。あるいは宿舎をどうするかというふうな問題もございますので、私もまだどのくらいの金額になるかという点までは、ちよつとまだはつきりいたしておりませんが、大蔵省がいろいろな場合の計算をはじいております。
○上塚委員長 小瀧政務次官に対して、法務委員会から約十分間御出席を要求して来ておりますから、この際法務委員会に御出席を願います。
○戸叶委員 今度の予算の中にはこれが組んでないと思いますが、もしも援助を受けるといたしましたならば、当然これは補正予算に組まれなければならないと思いますが、その点はどうなりますか。
○伊関政府委員 今度の予算には私も組んでないと思います。補正予算になりますか、その辺の財政技術面は私も存じませんが、何かの形で新たに組まれると思います。
○戸叶委員 もう一点MSAでお伺いしたいのは、私が最初のころ政府に質問しましたときには、MSAは経済援助であるということをはつきり言われておりましたが、最近に至りまして軍事援助だというふうにはつきりおつしやるようになつて参りました。そこで日本でこれを受けた場合に、経済的には援助が大体どのくらいありそうだという見通しをつけてこれを受けようとされているかという点と、それから域外買付はMSAの援助を受けなくても私はあり得ると思いますけれども、もしもMSAを受けるとするならば、受けないときよりもどの程度経済的に有利であるというような見通しを立つておられるかを承りたいと思います。
○伊関政府委員 今回の援助の種類は軍事援助であろうということは、大体交渉の経緯ではつきりいたしておりますが、経済援助というものがどの程度あり得るかということにつきましては、今後の折衝にまたなければ、まだ判明いたしません。ただ経済援助と申しましても、MSAは軍事援助、経済援助と申しますが、非常に関連いたしておりまして、軍事援助というカテゴリーに入つておりましても、経済の援助になるものも多分にあるわけでございます。ですから経済援助、軍事援助とそうはつきりわからない分もございます。これは細目に入つてみなければわかりません。次に域外調達の問題でございますが、これは二つございまして、軍事援助として日本に武器、弾薬を与える。それは完成兵器で与えるか、日本で買つて与えるかというのが一つであります。もう一つは、国府その他のMSAの援助を受ける圏に対して、アメリカが与えます武器、弾薬を日本で買つて与える、この両者があるわけであります。第一の方は、これはMSAの協定を結ばなければそういう買付が行われぬということは当然のことであります。第二の方がMSAの協定によつてどう促進されるかされねかという問題でございますが、MSあの協定を結びもして、いろいろ技術的に、その他経済援助としまして機械を入れるとかいうふうな点がございますと、日本の防衛産業も、質と申しますか、レベルが非常に上つて参りまして、やはり第三国に対する買付というものが増大されて行く、こう私は考えておりますが、具体的にその量が幾らという点はちよつとまだ見通し困難でございます。
○戸叶委員 具体的にそういう見通しを立てられた上でなるかどうかということを考えたのですが、まだその点はお考えになつておらないということなので、逐次その点もはつきりさせていただきたいと思います。 私次にお伺いいたしたいのは労務基本契約についてであります。きようの新聞にも出ておりましたけれども、駐留軍に働いておりますところの日本の労働者がストイラキを近いうちにするというふうな記事が出ていたのでございます。その点で実は小倉の問題などがこの間起きておりましたので、この委員会で質問をいたしましたけれども、ちようど伊関局長も調達庁関係の方もみな合同委員会に出ていらして、御答弁を願えませんでした。合同委員会をお持ちになつた結果、労務基本契約についてどのような点が討議され、そうしてまたどういう点が解決されたかをここで発表していただきたいと思います。
○福島政府委員 お答えを申し上げます。ただいまの御質問の点は、先般の合同委員会というお話でございましたが、日米の委員並びに組合側の委員三者集まりまして、基本契約の点について交渉した会議のことであろうと存じます。合同委員会の小委員会の形になつておるわけでございます。俗に三者会談と申しておりますが、正確には合同委員会の小委員会だそうであります。その際討議いたしました問題というのは、いきさつから申し上げますが、御承知のように、現行の労務基本契約の改訂という交渉がかなり長く行われておりまして、本年の六月半ばころに至りまして、それに対するアメリカ案というものがようやく出て参つたわけであります。六月の半ば過ぎ、二十日ごろようやく出そろいまして、アメリカ案といものを政府が受領したのでありますが、その後これを組合側にも示したわけであります。組合側はこのアメリカ案に基きまして、組合の要求というものを整えてそれを組合と申しましても三つほどございますので、多少前後するところはあるのでありますが、そのうちの最も大きい組合、全駐労と申しますか、正確にどう言うかちよつとわからないのでありますが、全駐労と申しますのが私のところへ参りましたのは、私の今回任官いたします翌日、二十五日でございます。二十五日に組合の方からかれこれ一箇月前に明らかになりましたアメリカ側の案について対案を提出して参つた、こういうことになるわけです。日本政府におきましても、六月半ばのアメリカ案に対する対案は各省の間で協議を重ねておつたわけでありますが、大体組合の案も出ましたので、これで三者の案が出そろつたという形になりますので、至急に三者話い合う、こういう態勢になつたわけであります。二十五日に受取りましたその組合側の案というものは、三組合――全駐労、全日駐並びに全日海と申しますか、これは海員関係の組合と思いますが、その組合がそれぞれ相当大部な対案を出して参りましたし、日本政府も案を持つておることでありますので、翻訳をいたしましたり、いろいろな関係で時日は多少かかつたのでありますが、時日も不当にかかつたとは思いません。三組合から出しました書類は積み重ねて二寸か二寸五分になると思いますが、それを二十五日に受領しまして、二十六日は日曜でありましたので、二十七日にアメリカ側に渡し、日米協力いたしまして翻訳にとりかかり、八月三日ごろ大体アメリカ側でも読めるという程度まで来たわけでおります。アメリカ側で読める程度に参つたのでありますから、八月の四日に予備的に政府側とアメリカ側と打合せをいたしまして、八月五日、一昨日でございますが、三者会談を開いた、こういうことになるわけであります。その間組合側の要求が不当に遅延されて扱われたとか、いろいろな話も出ておるように思いますけれども、私も最近これに関係したばかりでありますが、ここのところの手配というものは相当迅速に行われ、組合の文書が七月二十五日にそろつて、八月五日に三者会談が開かれたという点については、別段に遅延云々という非難は当らないのじやないかと思つております。そこでその会議にあたりまして、組合側からまずもつて組合の要求というものを、三組合ありますが、それを統合しまして、要約してこれを八項目にまとめて、その会議の席上で説明があつたわけであります。これに対して、アメリカ側並びに日本側が見解を表明いたしまして、ある程度の見通しもつき、その見解に基いて今後の交渉をどうするかという打合せをいたし、かついつごろまでにその交渉が終るか、つまり新契約ができ上るかという問題を相談いたしまして、組合側は九月の一日に新契約ができるようにしてほしいという主張をいたしまして、日本政府はもちろん、アメリカ側もこれに賛成いたしまして、九月一日を目標日、アメリカ側はこれをターゲット・デートと申しましたが、目標日としてやつて参ろう、それには組合側と日本側、アメリカ側の三者会談のみでは能率の上らない向きもあるから、日本側とアメリカ側とは管理者の立場、組合の方は雇われる立場ということになるわけだから、若干日本側、アメリカ側は共通する立場を持つておるわけだから、日本側、アメリカ側でまずもつて相談してみよう、その上で組合の参加を求めるということになりまして、組合側もこれを了承いたしまして、それまでに個別にアメリカ側と私ども折衝を重ねる予定でございますが、委員会の形式をもつて集まるのは八日十日に第一回をやるということになりまして、これが何日くらいかかりますか、今日まで一年以上かかつた問題でありますから、ここで私どもも相当な馬力をかけるつもりでおりますが、これが何日でできるかということは、なかなかむずかしいところもございましようが、大体十日ぐらいでこれを終了して、組合側の参州を求めて最終的な話合いを成立させたい、こういうふうに考えておるわけであります。一年以上もかかつたものがそれしきのことでできるかという意見が組合側にも大体あるわけでありますが、先ほど申し上げました組合側の要求をせんじ詰めれば、この八項目であるということになつておりますし、それに対するわれわれの見解並びにアメリカ側のその日にありました回答に徴しましても、そう遷延しなければ片づかぬたちの問題ではなかろうという希望も持てますので、あらゆる努力は必要でありますが、大体九月一日を目標とする交渉というものは、私はでき上るものと信じておるわけであります。組合も九月一日目標目というものを要求しておることでありますし、日本側もそれを希望し、アメリカ側もそうするということにコミツトしておるわけでありますから、大体行くのではないか。申し上げました八項目というものはまた逐次御説明を申し上げなければならないかと思いますが、八項目につきましては、アメリカ側がこれを拒絶した問題は一つもないのであります。簡単に承服した点もありますし、好意的に考えてみたいが、なお本日のところでは確答は差控えるといつたたちの問題が多かつたわけであります。御質問がございますればこまかにまたお話を申し上げることにいたしますが、一応概略の状況はその通りでございます。
○戸叶委員 九月一日を目標日として再開されるということはわかりましたが、今まで幾たびか問題になつておりましたところの保安解雇の問題、そういう問題についてはどういうふうな案をアメリカ側が出し、また日本側が持ち、労働組合側が持つておるかという点を承りたい。
○福島政府委員 保安解雇の点につきましては、もちろんその日の会議の組合側の八項目の中に入つておつたわけであります。重要な一項目でありまして、アメリカ側から返事のあつた項目であります。組合側の要求は、保安解雇の基準が拡大解釈もしくは濫用を許すような字句になつておる。拡大解釈を防止し、濫用を防ぐといつたようなことを考えてほしい、こういう要求でありまして、それに対してアメリカ側から濫用、拡大解釈を防止することは、つまり保安解雇の基準の条項をもつとスペシフイックに書くことであるか、こういう質問がありまして、組合側からその通りであるという返事がありまして、それに対してアメリカ側から賛成であるという返事があつたわけであります。組合側とアメリカ側の話はそれだけに終りましたが、これにつきましては、必ずしも組合側の意見に同じ考えを持つておるわけでもなく、また組合側とアメリカ側は同じ意見を持つたということになりますが、アメリカ側とも多少違つた考え方を持つておりまして、日本政府の法律、刑事特別法とかいろいろ法律もございますので、そういうものに示された基準というものが、適当ではないものというふうな考え方を持つておりまして、日本政府とまた組合側、アメリカ側との話合いで最終的にきめなければなりますまいと思いますが、組合の要求いたしました保安解雇の基準をさらにこまかくスペシフイックにして、濫用拡大解釈の防止をしなければならないという点については、アメリカ側が賛成いたしました点であります。なおその結果どういう字句を採用したかというところまでまだ参つておりません。
○戸叶委員 この問題は組合が心配する通りの結果をよく生じております。非常に大切なことでございますから、なるべく組合側の意向をいれて、政府の方でもその線を主張していただきたいことを私は要望するものでございます。 それからもう一つ、ユニオンシヨツプ制をアメリカ側が認めておりませんけれども、こういう問題は八項目の中にやはり入つておつたのでしようか、入つておらなかつたのでしようか。
○福島政府委員 ございました。八項目の中の、正確に申しますと第六番目でございましたが、それに関連して、はつきりそういう字句で提案といいますか、要求ではございませんでしたけれども、そういう意味の箇所がございました。これに対しては、アメリカは研究はするが、本日回答ができないという回答のあつた項目であります。
○戸叶委員 政府はこれに対してはどういう線で推し進められようとされるのでしようか。
○福島政府委員 政府側の態度と申しますのは、進駐軍労務者というものは、最終的には日本政府との雇用関係になつているわけでありますから、日本の法制制度と矛盾するような基本契約というものは避けねばならないという考え方を持つておるわけであります。ただアメリカ側がどこまで折れて来るかどうか。また当日のアメリカ側の態度は、これを拒絶するという態度でありませんで、研究して返事をするという態度でありましたので、あらかじめ政府はこれでやるという線を引いてアメリカ側に示さないという態度をとつたのでございます。
○戸叶委員 そういう点は私少し弱過ぎるように思うのです。そういう点はもう少し御研究になつていただきまして、たとえばユニオンシヨップ制を認められておらないため、かつてに個別的に契約をするというようなところから起きて来る弊害がたくさんございます。そこでそういう点もやはりもつと強硬に政府が一つの案を持つて進めて行つていただきたいということを私は要望したいと思います。 もう一点お伺いしたいのは、行政協定の十二条と三条との関係ですが、行政協定の十二条では、駐留軍の施設及び区域内において日本の労働法規が適用されるべきである。それから三条では施設及び区域内においては、管理権が駐留軍にあるので、これとの調整を必要とする、こういうふうに二つございまして、その間の調整というものがなかなかむずかしいのではないか。ことにアメリカの駐留軍の方が、ややもすると日本の独立前の、占領中のような気持のもとに、その労務者を管理されているといたしましたならば、日本の労働者の人たちにとつて、非常に不利な点が生じて来ると思うのですが、この二つの関係については、どういうふうな態度をもつて臨まれていられるか、特に何か一線はつきりと規格といいますか、先ほどおつしやつたように、何かその間にもつとはつきりした言葉なり何なりを、一項目設けておくようなお考えはないかどうかを承りたいと思います。
○福島政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、行政協定の解釈なり、もしくは抵触というような点につきましては、私が御返事すべきでないかとも思いますが、これは一昨日の会議の席上に現われましたこれに関連する問題がどう扱われたかという点でお答えしておきたいと思いますが、組合側から明瞭にそういう点で、またそういう言葉づかいでの提案はなかつたのか、または今から申し上げます点がそういう意味でありますのか、ちよつと私も明らかでない点があるのでありますが、組合側から組合専従者の基地内での活動の自由、基地内での組合活動の自由、パンフレットの配付とか、そういうものを認めてほしい、こういう要求が、先ほど申し上げました第六要求のbとしてありまして、これにつきましては、アメリカ側が先ほどの問題のように可能な範囲で考えてみたい、次の機会に返事をするという返事がありまして、一応われわれもアメリカ側の返事を待つということにして終つたのでございます。
○戸叶委員 この辺のこういう二つの条項から起きるような摩擦が今後ないようにはつきりお話を進めていただきたいと思います。 そこで最後に私はお伺いしたいのですが、近々に大きなストライキを計画しておるようですが、それに対してどういうふうな手をお打ちになるか、それともそのままにして置かれるかを伺いたい。 それからもう一つは、この前の委員会で私は小倉の私の友人で働いている人から来た手紙を読み上げて質問をいたしましたが、調達庁の方からお見えになつておらないというのでお返事をいただけませんでした。私は時間がありませんので、その手紙を読もうとはいたしませんが、そのお話というのは、私の学校の友だちで実にりつぱな婦人ですが、その方がたまたまそこにいる駐留軍の人との話の中で、つまり労働組合の人たちが東京の大会に出て来た。その婦人も出て来ましたが、帰つてみましたところが、共産党の人か何かアジビラをまいてあつた。そうしたところが、その駐留軍の人は、この労働組合の人は全部が共産党だ、こういうふうにきめつけられたので、この婦人が執行委員長なども決して共産党ではない、りつぱな人だと言つて、幾たびか弁明してようやく話がわかつて、その日は笑つて帰つた。ところがその翌日自分の机の上を見ると、アカハタが載せてあつた。その婦人は驚いて、一体これはだれがしたのかといつてみなに聞きましたが、みなそつぽを向いて、私は知らぬ私は知らぬと言つて答えない。その婦人は非常に憤慨して、私のところヘアカハタの一部を送つてよこしました。その方はそのときに腹立ちまぎれに、こういうふうなわけのわからないところにはいられないということを一言言うと、すぐにそのコマンダーが、けつこうだ、待つてましたとばかりに首にしてしまつた。ところがほかの人たちが、こういう人によつて指導されないと自分たちは困るといつて、留任の嘆願をしておるけれども、なかなかその点がきかれない、こういうふうな手紙の内容でございました。こういうふうなことを通しまして、アメリカに対する感情というものは、初めはそうでなかつた人までがだんだんにアンチ・アメリカの感情を持つようになつて来ると思います。そこで私は調達庁にこの辺のことももう一度よくお調べの上、はつきりと何らかの手を打つていただきたいと思いますが、それに対するお考えのほどを承りたい。以上二点について御答弁を承りたいと思います。
○福島政府委員 ただいま二点御質問がございましたが、あとの方の問題から申し上げます。先般御質問がございましたので、その点小倉の方に問い合せたそうでりあますが、本日私が受けました報告ではまだはつきりいたしておりません。小倉労務管理所所管の山田班に勤務する安井寛子さんの解雇問題で、御本人はアメリカの軍人のいやがらせがあるので退職した。(「どんないやがらせですか」と呼ぶ者あり)それは私の方はまだわかつておりません。今お話のアカハタ、そういうことだろうと思います。退職願が出ておる、こういうことがあるのですが、どういうふうにして退職願いを出したのか知りませんが、(戸叶委員「出させられたのです。」と呼ぶ)出させられたのかもしれませんが、御本人は、労管事務所の所長を通じて退職願を取消すようにということで交渉しておるわけであります。それ以上まだ調べが参つておりませんので、はなはだ恐縮でございますが、調べ次第またお答えいたしたいと思います。 なお第一点の方につきましては、交渉に参加いたしました三組合中二組合、全駐労、全日駐が、十二日から四十八時間のストライキに入るという通告を、昨日夜九時半私どもの方に持つて参つたわけであります。そういう通告は受けたのでありますが、その前日の会議の空気に徴しまして、私は非常に意外であるという感じを持つたわけです。それは組合といたしましては、この際どうあつてもストライキという方法に訴えないと進捗しないのだ、ストライキという機運も多少出してあつたから、八月初めごろ初めて多少進捗を見たのであつて、やつぱりおどかさなければいかぬというようなことがあるかもしれません。それからまた進捗状況のいかんにかかわらず、とにもかくにも四十八時間のストライキだけはやるのだというポリシーを持つたのかもしれません。けれども当日の結論としては、組合が八項目を出し、その一項目も拒否されず、しかも数項目については承認する返事もあり、その他の項目については簡単にコメントできないといつた問題も一、二あつたけれども、好意的に考慮するが、本日のところ結論が出ないという断り方が半分ぐらいあつたわけであります。しかし九月一日までに片づけるという組合の要求は了承した、アメリカ側も九月一日までにごしらえ上げる、日本政府ももちろんそれに賛成であるということになつたわけでありますから、九月一日までにこしらえるということが組合の要求であつて、しかもその内容については考えて、――たとえば八月十日の会議とか引続く会議に返事が出て来るということになつたわけでありますから、八月十日もしくは会議を二、三回重ねても、約束にかかわらず返事が出て来ないというのとはかなり違うのでありまして、八月十日から第二回の会議に入るということを組合は承知しておるのでありますから、その十日以前においてストライキをきめるということは――私もそういつた関係のことに非常に未熟なのでありますが、私の常識ではストライキの決定というのは、ちよつと意外であつたと申し上げるほかはないのであります。従いまして十二日ということであればまだ日数もありますし、またその間に八月十日の会議もあることでありますから、この際早急にストライキに入るというような決定をすることが組合のために利益であるかどうか。返事がすべて組合に不利益である、不十分である、不足であるというこというときにストライキに入るということはわれわれもよくわかりますし、組合が労務者の権益を擁護するということは、これは当然であろうと思います。また会議に出て来ておりますアメリカの代表が、アメリカ政府の立場を擁護するという立場から、組合と必ずしもさつさとは話がつかない。必ず九月一日までには話をつけるといつていることもこれは当然であろうと思います。その間におきまして、日本政府は、労働省、外務省、われわれも出ておるわけでありますが、労働省としては労務者の利益を擁護する組合と似た立場もとつておるわけであります。また外務省その他におかれましては、日米関係の擁護ということも考えておられるわけでありましようし、組合と日本政府の考えておりますこととは若干幅が違う。組合の考えていない日米関係というようなことも考えておるという意味で、幅は違いますけれども、組合の要求が入つておらないということはないはずなので、非常に意外とするところであるわけなのであります。十二日まで若干の時日もございますことと、それ以前にまたアメリカ側との話合いもあることであります。それも組合側も知つておることでありますので、相当熱心に、熱意を持つて組合側と話をして、でき得る限りストライキといつたような破局を避けて参りたい、こう考えております。
○戸叶委員 組合側の考え方と日米の政府の考え方と幅が違うというところに、やはり組合側の納得できない点もあるのではないかと私は思います。しかし長官はなかなか労働組合に対して理解を持ち、そうしてそれを擁護するという立場でやつてくださると思いますので、そういう言葉を信じまして、この問題があくまでも労働者の擁護の上に立つようにしていただきたいことを要望いたします。
○上塚委員長 川上貫一君、関連質問がありましたら、簡単にお願いいたします。
○川上委員 私は質問時間も願つてあつたのですが、関連がありますので一つだけ伺います。先ほど戸叶君の質問に対する答弁で、保安隊に顧問団がおるということを言われたのですが、この顧問団というのは、どういう法的根拠に基くものであるのか。従来保安隊はアメリカが来て、これが顧問となるか何となるかの形かわからぬが、いろいろのことをやつておるがということを質問したときに、さようなことはないという答弁だつたように承つておるのです。ところがきようははつきり保安隊に顧問団がおるということを言われたのですが、これは一体どういう根拠によつてどういう仕事をしておるものかということを明らかにしてもらいたい。もしこれが私が聞いておらぬうちにそういう話があつたならば、法的根拠だけでけつこうでありますから伺いたい。
○下田政府委員 保安隊に顧問団のごときものはないと政府側から言つたというお話でございますが、私はそういうことは全然ないと存じます。保安隊の顧問団というものは、何も保安庁官制に基いてつくつたものではなくて、まつたく事実上の関係でございます。MSA協定ができますれば、その協定が法的根拠になるわけでございますが、ただいまのところは事実上の関係でございます。
○川上委員 事実上の関係というのがよくわからぬので、これがどういう国際的な根拠によるものかということを聞いておるのです。
○下田政府委員 国家機関の行為はすべて法的根拠に基くものではなくて、たくさんの事実関係がございます。これは当事者の意思によりまして、相互の利益だと思うことを、別に条約にもよらず、法律にもよらず、事実上の関係でやるということは、いろいろな方面にございます。
○川上委員 それはきわめておかしいです。日本の機関に外国人が顧問団になつて来ておる。それを法的の根拠もなく、国際的の根拠もないのだ、事実上の問題であるのだ、そういうことを言われるとすれば、それではアメリカ人が日本のどこに来て何をやつたつてさしつかえないことになる。事実上の問題だ、そんなことを聞いているのではない。外国の人間が日本の公の機関に来て顧問団になつておるという、この法的な根拠を聞いている。
○下田政府委員 およそ事実上の関係でやりますことがいけないのは、それが現行条約に違反するか、あるいは現行の国内法に違反するかの場合には、不法の問題が生じます。しかし条約にも法律にも抵触しない範囲で、事実上の関係としてやることは、何らさしつかえないのであります。しいて顧問団と称する人々の法的根拠を求めますならば、彼らはいずれも駐留軍の軍人であります。従つて日米行政協定に基き、正当に日本に入国し、正当に日本に滞在しておるものであります。これらに何ら謝礼も払わずに、向うの一方的の好意で、また日本側もその好意を喜んで受けて、アドヴアイスを受けておるわけであります。これは現存のいかなる条約にも、またいかなる国内法にも違反しないものであります。
○川上委員 もう一つだけ……。私は関連でありますから、あとの質問時間において根本的にただしたいと思いますが、そういう答弁はなつてないと思います。日本の機関に外国人が顧問になつて来ておる。駐留軍は顧問になつて来ておるのと違う。これは日米安全保障条約によつて来ておる。これが日本の機関に、かつてに顧問になることができるとすると、政府の顧問にもかつてになれる。いかなる機関の顧問にもかつてになれる。それは法に抵触しなければ一向さしつかえない、そういうことを言つているから、日本は全部アメリカに提供しようとしておる。これは私は関連質問で、あとの同僚議員の質問の時間を食うのはまことに恐縮でありますから、この際はこれ以上私は聞きませんが、これだけではどうも納まりませんから、あと私の質問時間にもう少し聞かしてもらいます。
○上塚委員長 並木君。
○並木委員 福島さんにお尋ねいたしますが、大体戸叶さんが私が聞きたいことを聞いてくれました。そこでストライキの点でありますが、先ほど長官は、現在の段階ではストライキをやることは、必ずしも組合の有利にならない、場合によつては不利になるだろうと言われました。私も大体そういう感じがいたします。この場合に、不利になるであろうというのは、どういう不利か。たとえばそれによつて、アメリカさんのことですから、気が短かいから、そんなことならば全部首にしてしまえとか、そういう不利が出て来るのか。要するに日本の労務者はよくわからないために、不安に襲われているわけです。ストライキまで行つてしまつて、かえつて私たちが解雇されるようなことがあるのではないか、あるいは賃金の引下げがあるのではないかということが、根本にはつきりしていないから、そういう不安を抱くのは無理はないと思う。そこで私も、今の長官のお話を聞いていますと、今の段階ではストライキはまだ見送つた方がいいのではないかという感じを抱いたわけです。それには、もう少し不利になるということを説明していただいた方がいいと思います。
○福島政府委員 今の段階では、ストライキに入らない方が組合のためにいいのではないかということにつきましては、いろいろな点があるのであろうと思います。私の申し上げる以外にもあると思います。たとえば並木さんのおつしやいましたように、人を減らすとかなんとかいう問題も誘発しかねない点もあるかと思いますが、その点につきましては、私はまだ確たる自信をもつて申し上げる材料はございません。しかし明らかでありますことは、組合は八項目の要求をあげて、日本政府並びにアメリカ側に迫つておる。これは何もストライキをやらんがために要求しているのではない。その八項の目要求を貫徹せんがために要求しておるのだろうと思います。それに対してアメリカは、うんと言つたのもあるし、考えようと言つておるものもある。断つたものは、今のところ一つもない。しかも時期的には、組合の時期を承認しているということであれば、アメリカの第一回の返事が来る前にストライキをやれば、アメリカ側でいい返事をするつもりであつたものがひつ込むのではないかという心配を、私としては非常に持つわけであります。日本政府もアメリカも組合側も、何とかして九月一日までにまとめよう、時間的な点までもある程度まで合意があるというだけに、ストライキをやつたのでは、まとまるものもまとまらないのではないか。八項目を出した根本の目的が、ストライキにあるのか、話をまとめるところにあるのかというところにわかれますけれども、もしも要求を貫徹するところに目的があるならば、不利になるチャンスが相当あるのではないかと考えます。
○並木委員 大体私が感じていたところと一致いたします。そこで今度のストライキ決議に対して、政治的の要素が含まれておると長官は思われますかどうか。
○福島政府委員 政治的と申しますと、またなかなかむずかしい、幅の広い言葉だと思います。考えようによると思いますが、こういう意味の政治的要素はあると思います。たとえば、これは組合の諸君が聞いてどう言うか知りませんが、組合内部における勢力争いといいますか、現在の執行部にとつてかわろうとする若い諸君がいるとか、そういうことで、ストライキぐらいやらなければならぬというような事情、これをしも政治的と申すことができるならば、その諸君たちの考え方が、どういうところに基いて、どうなつて来たかというようなところまでは、はつきりしない面がありますけれども、交渉の経過いかんにかかわらず、一発ストライキをやらなければ収まりがつかないという気分を政府的と申しままならば、多少あるのではないかと感じておりますが、確証は持つておりません。
○並木委員 いわゆるイデオロギーの違い、もう少しはつきりいえば、共産主義的なものによつてストライキが決議されておるような要素は、長官は認めませんか。
○福島政府委員 その点につきましては、確証はございません。
○並木委員 労務者が非常に心配しているのは、要するに首切りと賃金の引下げであります。これについての今後の見通しというてのは、何か長官にありますか。
○福島政府委員 首切りということになりますと、これは日本政府がこれを雇用しておるということではありますけれども、仕事はアメリカの軍の仕事をする。アメリカ軍が減つて来れば、仕事の分量が減つて来るということは、当然考えなければならぬので、そういう意味で人が減つて来るということは将来あり得るのであります。アメリカ軍は帰つてもらいたいという極端な主張もある世の中でありまして、アメリカ軍の仕事の分量を保有しようとすれば、アメリカ軍にいてもらわなければならぬということになるわけで、将来アメリカ軍が逐次減つて行くであろうということが想像されるとすれば、逐次仕事の分量が減つて来る。無理やり雇われておるわけにも参らぬということもあり得ると思います。 なお賃金の切下げということでありますが、これは日本政府側の方針としましても、あくまで現給を保障するという考え方で、アメリカ側と交渉を重ねております。組合側ももちろんその要求であります。先般のアメリカ側の回答でも、現在の給料を下へ下げようという意図はない、クラシフイケーシヨンと申しますか、給料の新たな格付を考えたいという案を持つておるけれども、それによつて現給を下げることはない、新たな格付によつて下へ格付された労務者には、その間特別措置というか、補償措置をするという一項を設けて、今までとつておつたものは保障するという態度をとりたいと言つておりますので、賃金切下げということは起らないと思います。
○並木委員 これは伊関さんにも聞いておきたいと思いますが、朝鮮の休戦その他に伴つて、駐留軍あるいは国連軍に働く日本人の労務者の雇用状態というものは、減らされて行く、悪化されて行くと見込まれるのじやないかと思いますが、見通しをお聞きしたいと思います。
○伊関政府委員 国連軍の場合は、朝鮮から国連軍が撤退し得る事態になりますれば、内地におります国連軍は、当然日本から撤退するだろうと私は考えます。そこで今の呉とか広地区で働いておる労務者というものは、これは仕事がなくなるという事態は予想されます。米軍につきましては、これは日本防衛という任務を持つておりますのでむしろその観点から将来減るかふえるかというような問題が考えられるわけでありまして、日本の方の自衛力が漸増して行けば、米軍は逐次減つて行くということが大前提でございます。大きな目で見ますならば、これも逐次減つて行くというふうに考えます。
○並木委員 もう一つ調達庁の今後のあり方ということについて、これは伊関さんと福島さん両方にお尋ねいたします。先日来この委員会を通して私が感じましたことは、調達庁は大きな庁ではありますけれども、何かしら浮いている。これはいつそのこと外務省の中へ入れた方がいいのではないかというふうに感ずるのです。その方が仕事もやりやすいし、責任の所在も一本になつて行くという感じがするのですが、調達庁を外務省の中に入れて、局にするか外局にするかそれは別としても、外務省の中に入れて行くということに対するお考えを御両人から聞いておきたいと思います。
○伊関政府委員 外務省は従来内政にうとい、そのために外交面においてもうまくやつておらぬという批判があつたのでありまして、私たちは内政についての勉強は十分したいと考えておりますが、外務省としてはそれは勉強はしなければならぬが、内政血の仕事というものを直接外務省がやることは方針としてなるべく避けたい。ですから、私の考えとしましては、現在の調達庁というものを強化して、外務省が現在新たなる施設の提供等にあたりまして直接その地元の方と折衝しておる、こういうやり方をやめまして、調達庁にやつてもらうという方向に持つて行きたい、こう私は考えております。
○福島政府委員 今の御質問でございますが、調達庁の意見と申しますか、長官といたしまして私の考えを一言申し上げてみたいと存じます。私どもといたしましては、現在の調達庁の所管しております業務が、完全にかつ能率よく遂行されなければならない。そのために、私も長い間民間におりましたのですが、このたび新たに再び役人になつた、そういうようなことでございますので、現在調達庁が所管しております事務が、完全かつ迅速に能率よく行われるためには、調達庁がどうなればいいか、どういうような変更が行われればいいか、あるいは現状のまま調達庁が強化されることがいいのであるかというようなことについて考えて参りたいと思いますが、就任以来まだ数日でございますので、この点につきましては結論をまだ得ておらないわけであります。いずれにいたしましても、調達庁担当の業務が能率よく執行されることが大事であると考え、そのために考えて参りたいと思つております。
○並木委員 MSAについて質問いたします。条約局長でも伊関さんでもどちらでもけつこうです、お答え願います。昨日外務大臣に対する私の質問の中で触れようと思つたのですが、いきなり岡崎さんから出されたために、質問の準備ができませんでしたからやめておいたのですが、それは岡崎外相の報告の中に、標準装備の点については双方の意見が一致したということが述べられたのです。標準装備の点については今までこの委員会でも論議されたことがなかつたのですが、どういうことであるか、説明をしておいていただきたい。
○伊関政府委員 これは欧州に対しても行われておるのでありますが、なるべく規格を統一しようという考え方でございます。もろろん日本人の体格というような点もございますから、実情に即しないことはいたしません。鉄砲が重過ぎるとか、あるいはこれは極端な事例かもしれませんが、台をすえてタンクの中で撃つておるとかいうような話もありまして、実情は存じませんが、そういうような体格の相違あるいはまた日本の国情、地形の相違というようなこともございましよう。道がアメリカとは違いますから、そうした日本の実情に応じたものでなければならぬという制限はつきますが、それ以外はできるだけ兵器弾薬の規格を統一したいという考えでございます。これは私は域外調達というようなことを考えます場合にも、非常に有効な措置ではないかと思つております。
○並木委員 標準装備と関連して来るようでございますが、五日付のワシントンUP外電によりますと、駆逐艦その他の艦船を二十五隻くらいですか、極東方面に貸与する、こういう法案にアイゼンハウアー大統領が署名をしたという報道があります。この報道について政府として関知しておるところを御答弁願いたい。
○伊関政府委員 今までのところ、私たちもただ新聞を見ただけでありまして、何ら公報に接しておりませんので、何らの情報を持ち合せておりません。
○並木委員 同じく外電ですが、ワシントン五日付の外電では、対日武器の委譲法案はアメリカの国会が三日に閉会されたので審議未了になつてしまつたというのです。この点に対する外務省としての情報、これが審議未了になつた結果、どういう影響を今の保安隊なんかに貸与されている武器に及ぼすか、お尋ねいたしたい。
○伊関政府委員 その点はたしか昨日か一昨日、私の方も非常に興味を持つておりましたので、電報を打ちまして大使館に照会いたしておきましたが、私けさはおりませんが、昨日まではまだ返事が参つておりません。審議未了になつたということは新聞だけに出ているわけであります。ただこれが審議未了になつてどういう影響があるかという問題でございますが、今まで保安隊が受取つておりますものを返せというようなことにはならぬと私は思つております。むしろこの法案は向うの国内の問題としまして、事実上貸与しておつたものを国内的に向うが合法化するという法案だというふうに聞いておりました。今後とも向うの国内関係において、もしこの法案が成立しなければ、従来通り事実関係としてこれが続いて行く、国内的に法的根拠によらないということだけであつて、われわれの方から見れば、事実問題として引続き貸与を受けるということではないかと思つております。
○並木委員 朝鮮の問題で聞いておきます。これも新聞の報道でございますが、アメリカの朝鮮休戦を解決する一つの方法として、朝鮮を国連の信託統治に置いたらどうかということが言われております。そこでお尋ねしますが、朝鮮の信託統治ということが、法律的にも実際的にも言われるように可能であるかどうか、政府の見解とともにお尋ねをしておきたいと思います。
○下田政府委員 朝鮮の信託統治ということの可能性は、法律的と申しますか、理論的の可能性の問題と、実際上の可能性の問題と二つあると存じます。まず法律的の関係を見ますと、国連憲章の第七十六条信託統治の基本目的という項を見ますと、その目的は「国際の平和及び安全を増進すること。」という項目がございます。でございますから、朝鮮を信託統治にすることが、国際の平和及び安全を増進するのだという見解も理論的には考えられることでございましよう。また第七十七条の信託統治となし得る地域につきましては「第二次世界戦争の結果として敵国から分離される地域」とありますが、日本から分離された地域に該当するわけでありますから、この要件にも理論的には当てはまると思うのであります。従いまして信託統治にするためには、これは国連総会の三分の二の議決を要するわけでございますから、それがあれば理論的にはなし得るわけであります。しかしながら実際問題といたしまして、平和条約によつて待望の独立をかち得た朝鮮が、ことに自尊心の強い、独立心の旺盛な朝鮮が、信託統治になることに甘んずるかどうかという点は、私は多大の疑問があると存じます。
○並木委員 わかりました。今度は竹島の点ですが、先日私が上村官房長に質問したときに、竹島には日本の保安庁の海上警備隊に属する船舶は派遣をしない。向うの軍艦に対抗することはしないという答弁でありました。その理由は二つあつて、一つは保安庁法に認められておらないからだ、これは私たちわかります、従つてこれは保安庁法を改正する必要があると思いますけれども、もう一つの理由の中に、海上警備隊所属の船舶は軍艦でないから何とかと言つたのです。軍艦でないから国際間の何とかということで、そこははつきり覚えておりませんが、軍艦でないからという理由をあげてできないというならば、かりに保安庁法というものを改正しても、軍艦にしなければやはり対抗はできないのかどうか、この点をお聞きしたいわけなのです。条約局長はちようどあのときそばにおられて答弁を聞いておられたと思いますが、私の今の質問の要旨がわかつたらお答えを願いたい。
○下田政府委員 竹島の問題に関連して、実力を行使し得るのは、理論的には二つ考えられます。第一は竹島は日本領土でありますから、日本領土に不法に入国した者を取締るという、これは警察取締りの問題であります。そこで竹島は無人島であり、水上警察もございません。従つて海上保安庁の巡視船等を派遣して、不法入国者があつたらこれを取締るという意味の実力行使、これは完全なる警察問題であります。これは現行法のもとにおいてもできるのではないかと思うのであります。 第二にこれは軍艦であろうと、なかろうとを問わず、竹島の帰属についての領土紛争という、この国際紛争を解決するために、武力を行使することは、これは憲法第九条に抵触することになりますので、できないというふうに存じております。
○上塚委員長 下田条約局長から留保されておる答弁がありますから、この際その発言を許します。
○下田政府委員 本国会中に御質問がございまして、まだお答えを留保しておる問題がありますので、お約束に従つて、お答えさせていただきたいと思います。 第一は並木委員からの御質問でございましたが、戦力問題に関連いたしまして、戦力というのは環境によつて異なるのだというところから、東南アジア諸国の一番大きな兵力を持つておる国はどこか、一番小さい兵力を持つておるところはどこかという御質問でございます。これは各国ども実は正確な軍備というものを発表はいたしておりませんが、外務省の調査に基きますと、一番大きな兵力を持つておる国は、もちろん中華人民共和国でございます。これはかたいところと申しますかミニマムは四百万ぐらいはある。しかしながら一旦緩急あればすぐ軍隊になり得るような民兵約千二百八十万という数字が出ております。でありますからこれは飛び離れた厖大な兵力であります。一番小さいのはフィリピンの四万であります。そして中華民国、台湾の方に四十万ないし六十万、あるいは大韓民国の五十万ないし六十万、北鮮の二十五万、インドネシアの二十万、インドシナの十七万、タイの十万、そういうような国々が先ほどの最大最小の間に位しておるわけであります。 もう一つは戸叶さんの御質問で細菌調査のために来る調査団のメンバーはどういう国かということであります。これは五箇国ありましてブラジル、エジプト、パキスタン、スウェーデン、ウルグアイ、この五箇国の委員からなつております。
○上塚委員長 大分時間がたちましたからできるだけ簡単にお願いいたします。――川上貫一君。
○川上委員 武器の貸与を保安隊がアメリカから受けておるということでありますが、その時分の約束に顧問団をつけるということがあつたのか、そうでないのかということをお伺いいたします。
○下田政府委員 ちようど保安庁の官房長が見えられましたから、保安庁の方から御答弁申し上げます。
○上村政府委員 武器を事実上使わしてもらつておるわけでありますが、それについて顧問団をつけるという特別の約束はありません。しかし各部隊におきましてその武器の保管責任というものは、まだ現在こちらに正式に借りる手続を経ておりませんから、各部隊におります顧問将校がその責めに任じておるわけでおります。
○川上委員 そうすれば保安隊に顧問団を置くというとりきめはどこでだれがしたのですか。
○下田政府委員 そういうとりきめは先ほどから申しておりますように何にもありません。
○川上委員 とりきめも何にもなしに、かつてに顧問団というものが保安隊の中にできておるのですか。
○下田政府委員 顧問団というのはまつたく通称であります。通称で何らそういうものが正式にあるわけではありません。ただ事実上の武器を借りるにつきまして、その武器の使い方、その武器を用いての部隊の行動についてのアドヴアイスを求めるために、事実上の問題としてそれを行つておるだけの話であります。
○川上委員 そうではない。さつきの答弁では法律に反しなければ何を置いてもかまわないということであります。ところが実際は、今度は何も顧問団というものはない、こういうような答弁であります。ところが一番先の答弁では保安隊に顧問団があるとはつきり言われた。これは外交に関係しておる人が、しろうとならば別として、いたずらに言葉を使うものではありません。そこで私はお聞きいたしたのです。そうすればこの顧問団というものはいつか知らない間に自然発生的にできたものなんですか。
○下田政府委員 川上さんも先ほどおつしやつたように、外国人が突然に日本に来て、突然ある仕事を始めるということはあり得ないわけであります。そこでどうしてこういう人々が入り得たかという点につきましては、先ほど申しましたように、いわゆる顧問団を構成しておる人はすべて米軍の軍人であります。行政協定に基きまして正当に入国し、正当に日本に滞在しておる米駐留軍人であります。その軍人の好意によりまして何らの対価も義務も負うことなしに、事実関係の問題としてアドヴアイスを受けておる、ただそれだけのことであります、これはいかなる条約にもいかなる法令にも違反しない。従つて正当な行為であります。
○川上委員 駐留軍は駐留軍だ。駐留軍が日本の保安隊やその他の日本の国家機関の顧問になつたり、さしずしに来ておるのではない。これは自然発生的に来て顧問になるはずがない。法的に反しなければ何をやつてもいいというような、こんなばかな話はない。だれかがどこかで顧問としてやつてくれというこの約束ができなければ、来る資格はない。駐留軍というものはそういうものでなくても、かつてにどこへでも来て何でもやる、国家機関の顧問でも平気でなる、こういうものですか。
○下田政府委員 御承知のように、安全保障条約の第一条におきまして、極東における国際の平和並びに維持のため、直接または間接の侵略に対処するためという大目的のために、米軍が日本に存在するのであります。従いまして見方によりますれば、この顧問団と称するものがアドヴアイスを与えておるということも、まさに安保条約第一条の目的に沿つた行為であるということができます。
○川上委員 それをアメリカの駐留軍がかつてにできるのですか。自然発生的に行われるのですか。
○下田政府委員 日本側がいやなら、何も強制的にこれをやる必要はごうもないのであります。
○川上委員 だから聞いておるのです。いつだれがどこと交渉してそれをきめたか、それを聞いておる。こつちで要求してどういうぐあいにいつそれをやつたかということを聞いておる。その責任者はだれかということを聞いておる。
○上村政府委員 御承知のように保安隊は警察予備隊から発足いたしまして、警察予備隊は占領中マッカーサー元帥の指令に基きまして成立したものでございます。その際におきましては、先方は指導官としまして警察予備隊に対して訓練その他について指導をしておつたわけであります。これは日本政府が承諾しようが何をしようがやむを得なかつたのでございます。講和後におきましては、こちら側から先方に武器の使用なりその他のことにつきまして、話を聞くというような場合においてのみ先方はこれに対して顧問的立場というか、指導をしてくれておるわけであります。従いまして先方は現在顧問団というふうに俗に称しておりますけれども、われわれの方から頼みもしないのに指導するとか、さしずするとか、命令するとかいうことは全然ありません。ただ現在各駐屯地部隊まで顧問団の将校が一、二名おるのでございますが、これは全然訓練その他にも関係しておりません。しかし武器につきまして、正式に日本側に武器を借り受けるという条約も契約も引渡しも受けておりませんために、従いまして武器の保管責任者として各駐屯地におるというような状況であります。
○川上委員 どうもさつぱりわからぬのです。駐留軍が占領中にかつてに――かつてじやないが、どうこうしておる。これは今問題じやない。もう占領下ではない。平和条約は済んだ。そうすると占領中にやつておつたのが実際にはずるずるべつたりになつておるということなんですか。あるいは占領後いつどこでだれがどういう約束をして、それでこういう人におつてもらうことにしたのか、これを聞いておるのです。その答えがどうもない。
○上村政府委員 顧問団に関しまして、政府から正式に顧問団をお願いすると言うたことは私はないと思います。しかし事実問題といたしまして、アメリカ側の武器を使用させてもらいまして訓練をいたしておるのでございまして、ただ単に武器をもらいつぱなしで訓練をするというわけにも行きませんので、たとえば各種の武器、兵器につきまして、使用法なりあるいは訓練方法、訓練内容というものについて、こちらから先方のやり方なり取扱い方を聞くということの事実行為があるだけであると私はつております。
○川上委員 私は日本の政府から申し出て、その協定を約束しなければ事実行為はできないと思う。アメリカの駐留軍というものはそういうことがかつてにできるものではないと思う。この点を聞いておる。ところが日本の政府は何も頼んだことがない、申し入れたこともない、こう言うておる。そうするとアメリカの駐留軍はかつてに来ておることになる。それは武器を借りておるでしよう。借りておるけれども、借りておることと顧問団が来ておるということは別問題です。どんなものを借りようと、そのことは何も外国の軍隊が日本の国家機関に来て、そして顧問団になつておる、これとは別問題だ。顧問団になつておるという法的根拠を私は聞いておるのであつて、御答弁によると日本の政府は頼んだことがないと言う、これではいよいよわからぬ、これはどういうことになる。
○伊関政府委員 平和条約と行政協定が発効いたしました際に、米軍が必要とする施設につきまして、日米両国間に合意ができております。その際にわれわれは顧問団というものがどういう仕事をしておるということを承知した上で、これらに対して施設を提供しておるわけでありますから、事実問題として占領中から続いて参りましたものを、その行政協定によつてこれを確認したという形になると私は思います。
○川上委員 そういうものは確認にならないのです。外国の軍隊、アメリカの軍隊が占領中にやつておつたことは、自然発生的に確認するのだ、こんなことを政府が言われたらとんでもないことになりますよ。これは政府の機関なんですから保安隊というものは……。それとは全然立場を異にするところの、資格を異にするところの駐留軍が入つて顧問団になつておるのだ。これは政府と駐留軍、あるいはアメリカの政府、これとの約束がなければでき得ないと思う。こうしなければ第一に外交上の関係資格がわからぬじやありませんか。これはあとで問いますけれども、ここがはつきりしなければ、この顧問団というものはどういう資格を持つて来ておるのか、また日本ではこれをどういう資格で保安隊では取扱わなければならぬのか、またアメリカの政府ではこの顧問団をどういう資格で取扱つておるのか、これがちつともはつきりしない。政府が頼まぬのに来ておるという答弁では、私はどうしてもこれを合点するわけに行かない。行政行協というものは占領中にあつたものは何もかもみなそのままになるのだ、そんなものではありません。もしもそういうものだつたら、平和条約というものはとんでもないものだ。そうではない。ここをひとつはつきりしてもらいたい。
○伊関政府委員 行政協定で施設を提供します際に、その施設を使つております部隊の使命というものに応じまして、発効後そうした部隊はいらないというものには施設を提供しなかつたわけであります。顧問団が使つております施設は、こうした顧問団の仕事が必要だと認めてこれに施設を提供した、こういうふうに申し上げておるのであります。
○川上委員 これはいよいよ違う。アメリカの施設に顧問団がおるんじやない、保安隊におる。保安隊はアメリカの施設じやない、日本の国家機関です。この機関に顧問団が入つておる、それをそういうめちやくちやな答弁をしておる、どうにもならない、そうすれば保安隊というものはアメリカの施設ですか。
○伊関政府委員 初めは顧問団がおりますところは、米軍の施設として提供しておつたわけであります。それから今かわりましたが、これは越中島から離れまして、そして麻布におるのでありますが、これも施設として提供しております。それからこの連中が住んでおります家、あるいは事務所等、各地の保安隊の中に臨時に事務所を持つております者は別でありますが、原則として外に持つております。これはすべて施設として提供しております。そしてこれは駐留軍の一員として、駐留軍として承認したわけであります。
○川上委員 保安隊というものは外国の施設じやない、アメリカの施設じやない。ところが各保安隊に数名の顧問がおるということを答弁しておる。何もアメリカの施設の中におるなら、保安隊の顧問でも何でもないアメリカの施設に行つて、どうでございましようかといつて相談するくらいのことだが、そうではない。保安隊の顧問として入つておる。施設に駐留軍がおるのと違う。これは条約局長もはつきりそう言つておる。その答弁じやさつぱりわけがわからぬ。
○下田政府委員 川上さんは法的根拠ということを言われますので、先ほど申し上げましたように、一番大きな法的根拠は、安保条約の第一条に掲げられましたこの目的に沿うて、そのわく内でおるわけであります。どうしておるかというと、そのステータスは、行政協定に基きまして米極東軍の一員として日本におるわけであります。そこで先ほど伊関局長が言いましたのは、日本におる以上は、居住なり、事務をとるための施設が必要であります。その施設の面につきましては、これは日本側にとつては一つの義務になるので、その義務になる面の法的根拠は必要であります。そこでその法的根拠として平和条約発效後合同委員会におきまして、そういう目的で滞在することを承知の上で、施設の方面の裏づけをして行つたわけでございます。でございますから何ら法的の間隙があるわけではないというふうに考えております。
○川上委員 君、保安隊の顧問なんですぜ。施設に入れてみたりしてはいかぬ。日本の政府は頼んでもおらぬという。何も協約もしておらぬという。ところが保安隊の顧問がおるという、これはどげんですか。今の答弁によるとアメリカの駐留軍が施設の中にちやんとすわつておるんだ。これならわかります。これは保安隊の顧問でも何でもない。また何でもないところへ保安隊のある人が行つて私的にこれを聞く。これは何でもできる。顧問として来ておる。それが各部隊についておるというのです。これを政府は頼んだことがないという、ここがわからぬ。そうすれば、どうしてこれは来ておるのだ。頼みもしないのに、駐留軍というものはそういうことができるのかというのです。
○上村政府委員 頼んでないということを申し上げましたが、それは正式に法律上の形式で頼んだことはないこういうことでございます。私ども保安隊の任務遂行上必要がありまして、武器の使用その他について駐留軍の将校に顧問的な立場において話を聞いているわけであります。従いまして、資格はあくまでも駐留軍である。保安隊の施設の中におるじやないかというお話でございますが、これはなるほど仰せの通り、講和条約発効後は、保安隊の隊外に施設をつくりまして、そうしておるのがあたりまえかもしれません。しかしながらわずか将校一、下士官二名程度の二、三人のものでございまして、保安隊の中の武器の保管責任を持つておりますので、便宜臨時的に保安隊内におる。しかもこれは武器は正式にこちらに引渡しを受けますと、駐屯地部隊におりますそういういわゆる顧問団将校は引揚げることになつております。従いまして、私どもはさしつかえないと思つております。
○川上委員 私はきようの質疑はこれで打切りますが、この問題についてはどうしても承知できない。数の問題じやないのです。ただの一人であろうと三人であろうと、アメリカの駐留軍、別の資格のものです。これが日本の国家の機関の中に来て、そうして政府がろくに頼みもしない、正式には頼まぬとはつきり言われた。正式に頼まぬのに来て、そして条約局長は顧問団がおるということを国会で言うた。そうしたら改進党並木委員はおるのがあたりまえのようなことを言つておる。これは国会の中がこんなふうになつておる、政府の中でもこんなことになつておる。つまりあたりまえのようになつている。これは人間の数の問題や何かじやありません。駐留軍の資格の問題である。全然日本の国家の機関に関係すべからざる者が顧問として来ているのです。しかるに政府は頼んだことはない。いつか知らぬが、自然的に来ている。来るんだからしようがないから置いているんだ。こういうことを政府が答弁しようなどとはとんでもない、これは非常に重要な問題であつて、人間の数、便宜の問題ではない。こういうやり方を常に政府はやつて来た。国民を欺き、国家を欺いてひどいことをして来ている。その集中的な一つの現われです。この委員会は継続すると思いますし、他の委員諸君の時間もとりますから、私はこの問題は留保しておきますが、これは絶対合点ができないいから、徹底的に明らかにするからということを申し上げて次の質問に移りたいと思う。
○上塚委員長 川上君、きようは最終の日ですからできるだけ各位の質疑の意を尽していただきたいと思つて、時間をゆつくりいたしておるのでありますけれども、もうやがて本会議が開かれますから、できるだけ簡略にお願いいたします。
○川上委員 時間も急いでおられるようでありますし、まことに名委員長でありますから、委員長にあまり苦労をかけるのもいかがかと思いますので、簡単に私は質問しますが、日米労務契約は非常に大きい問題である。十八万人の労働者と組織された組合を持つている。ところが今日交渉を進めている労務契約の主文に、これはアメリカの出した第二条の項ですが、これに、米軍は必要に応じて日本人労働者を直傭する権利を持つ、こういう内容の意味のことがありますか。おるかないかでけつこうです。
○福島政府委員 アメリカ案の方には、実は私その点よく承知しておりませんが、ないのではないかと思います。
○川上委員 そうすると、特調の長官は、アメリカの案文を覚えておられませんか。
○福島政府委員 アメリカの案と申しますのは、第一案でありまして、先般のいつかの会議の際も、先方は最終案ではないのだということを言つておられました。――失礼いたしました。直傭することを妨げないということはあるようでございます。
○川上委員 第二点としてちよつとお聞きしますが、第四条のC項に、米軍または日本側が好ましからざるものと認めた場合は、即時就業停止を命ずる権限を両者が有する、こういう文句がありますか。
○福島政府委員 アメリカ案にそういう原案はございます。
○川上委員 そうすると、保安治安並びに消防関係労務者には、ストライキをしないと書面で同意しない限り勤務させない、こういう条項がありますか。
○福島政府委員 あつたと思います。
○川上委員 団体交渉は米軍側が、出席するかいなかを回答するまでは、日本政府側は団体交渉を受付けたり続けたりしてはならない、こういう項目がありますか。
○福島政府委員 アメリカ側の第一案にそういう提案があつたと思います。
○川上委員 日本政府はアメリカ軍の同意がなければ、労働協約や協定を労働組合と結んではならない、こういう文句がありますか。
○福島政府委員 そういう趣旨の提案をアメリカ側が提案しておると思います。
○川上委員 これは驚くべき提案だと思う。先週の外務委員会で、政務次官は、日本の労働法規とこの労務協約とが相反する場合にはどういたしますかということをお尋ねした時分に、そういうことになつてはぐあいが悪いので、これがなるべく矛盾をしないように労務協約をつくり上げようと思つてやつておる、こういう答弁であつたと思うのです。これは容易ならざる契約の内容を持つておると思う。この契約を日本の労働法規に矛盾しないように直して協定を結ぶ精神がほんとうにありますか、見込みがありますか。しかも十日間か二週間かの間にやつてしまわなければならぬ、やるつもりだといつておられる。二策年間もかかつておる問題である。これが行きますか。
○福島政府委員 その問題についてお答え申し上げます。先ほどその点について大体お答え申し上げたことになるのではないかと思いますが、アメリカ側のそういつた多少都合の悪い点を含んだ第一案というのが出て参りましたのが六月の半ばでありました。それに対して日本側も組合側も対案を提出して相互に検討しようということになつたわけであります。日本政府としては、もちろん日本の法律上都合の悪い、抵触するような条項については全部削除を要求しつつあるわけです。組合側としてはもちろんそうでありましよう。のみならずそれ以外に実質的に組合に不利となるものについても、削除訂正を要求しておるわけです。その会議が過日あつたわけでありまして、組合側の要求というものは八点に要約されるわけです。それに対してアメリカ側は、考慮する、もしくは先ほど申し上げましたように、保安条項等については組合の言う通り標準を明らかにしよういうような同意した点もあるわけですが、日本政府も日本の法律に抵触する形の契約はできないということをいつておるわけでありまして、アメリカ側もその際に、アメリカ側の出した案は第一案であつて、これが変更できないという理由はどこにもないのであるということを申しましたが、日本政府としては日本の法律、制度に抵触しないように、組合側の方は組合の利益をさらに擁護するようにという見地で交渉しております。なお十日間にそれができるかという仰せでありましたが、それは最終の段階が十日間になるのでありまして、そういう双方の要求を今日まで討議しておるわけでありますから、最終の段階が十日もあれば、相当進捗するのではないか、一昨日の会議の成果から見まして、その点は私ども望みを持つておるわけであります。
○川上委員 この労務契約の管理手続の中に、「勤務時間は米軍が日本政府と協議して決定する。」それから「米軍が保安上の疑いをかけた労務者は、措置がきまるまで立入り禁止の処分を受ける。」これはひどいものです。こんなのが一ぱいある。日本の労働法規に合わぬような形にはせぬ、また労働者の代理になつて、間に入つて政府はやつておるようなことを言われますが、そもそも日米労務契約は、日本の政府とアメリカの政府が協約をするのでありますから、政府は政府の識見を持つて当らなければならぬ。労働者がこう言うておるから、組合がよろしいというからということでは政府の職責は尽せぬ。労働者がどう言おうとこう言おうと、政府としてはアメリカとの協約はこうでなければならぬという識見がなければならぬ。これがあたりまえだ。この責任は政府が持つ。これを労働者におつかぶせようとしておる。そこで私は政府に言つておるので、労働者がこう言うからというような答弁を聞いておるのじやない。それは私はその方は専門ですから、あなたより私の方がよく知つておる。政府としては、このような契約の基本的なものが今出て来ておるが、これを日本の労働法規にさしつかえのない、矛盾せぬような形で結ぼうと思つておる、それに違いない。第一に政府に聞きますが、勤務時間は、米軍が日本政府と協議するけれども米軍がきめる、米軍が保安上の疑いをかけた労働者は、措置がきまるまでアメリカ軍が立入りを禁止する、大体こういうことが契約として出て来ておる。政府はこれをどう思いますか。これはてんで話にならぬと思いますか、場合によつてはしかたがなかろうと思いますか、政府の考えを正確にひとつ言うてください。
○福島政府委員 再三申し上げております通り、これはアメリカ側の提案でありまして、こういうふうにこのままきまるものではないのであります。また政府としても、これでは都合が悪い、こうなくてはならぬという案をアメリカ側に示しておるわけであります。それ以外に組合も自分の要求を出しておるわけであります。私どもは組合のアメリカ側に対する要求中、至当であるものはこれを支持するという態度をとつておるわけであります。決して組合に頼まれてこの契約をやつておるわけではないのであります。またこれはほんとうは政府とアメリカとの間における労務提供の契約でありましよう。しかしながら労務者は最終的には日本政府が雇用するのでありますから、その間の正式の関係については日本の労働法規に違反することはできないのであります。
○川上委員 もしでき上つた労務契約が、日本の労働法規に違反した箇所があつた場合には、政府はどう取扱いますか。
○福島政府委員 労務者との雇用関係の直接の当事者は日本政府になるわけでありますから、日本政府は日本人の労務者との間に労働法規に違反した契約をすることはできないのであります。
○川上委員 日本の労働法規に反するような労務契約ができましたら、日本の労働者はこの日米労務契約を遵守する何らの義務もないと解釈してよろしゆございますか。
○福島政府委員 法律の効力もしくは契約の法律上の効力に関することにつきましては、私のお答えすべきことじやないと思います。
○川上委員 そいつはいけない。契約を結ぶ当事者なんだ。そんなむちやなことを言うちや困る。だから質問するんだ。
○福島政府委員 私の申し上げておりますのは、日本の労働三法に違反する契約をしないということを申し上げておるわけであります。従つて違反しているものに従わないかというような点については、お答えできないのでございます。
○川上委員 私は念のために聞いておるんですが、もしもそれに違反する――ここに今私の言つたのは全部違反しておるんですから、日本の労働三法には直接にアメリカからさしずを浮けることはありません。全部違反しておる。こういうようなものができた場合に、日本の労働者は、たといどんなものができても、労働三法に違反する限り、この責任、義務を絶対に負わないと解釈してよいかどうか、これを聞いておる。
○福島政府委員 こういうものができた場合にとの仰せでありますが、申し上げました通り、これはアメリカ側の第一案でありまして、こういうものができるとは申し上げてないのであります。
○川上委員 そうすれば、現在アメリカがピケ・ラインのところに来て、ピストルをぶつぱなしてみたり、労働者をなぐつてみたり、かつてにやつてるんですが、あれは一体どうなるんだ。そういうことを言われると、何ぼでも材料を出したくなる。実際問題として、アメリカが軍需工場あるいは基地労働者に一体どんなことをやつていけるか。越権をやる、無謀をやるひどいことをやつておる。ピストルまで持つて来て労働者の争議をおどしつけておる。そういうことを政府は平気で見ておるんじやないか。だからわれわれは労働三法に違反するようなことはしませんといつても、信用できない。またそんなものをアメリカはひつ込ますはずはない。そこで心配をしますから、私は当局者に、もしもやむを得ずそのようなことに協約をしなければならぬことになつたときには、日本の労働者はこの契約に対しては、何らの拘束もされませんか、そう理解してよろしいかということを聞いておる。そこは逃げぬように責任者として、ひとつ答弁してもらいたい。
○福島政府委員 その点は再々申し上げるようでありますが、日本側がアメリカ側にはつきり申しておりますのは、日本政府としては、労働三法の排除という形になるような契約はできないということを申しておりまして、先方もそれを了承しておるのであります。その形の整理はこれからかかるわけでありまして、従いまして私どもは労働三法に反した形になる協約ができた場合に、どうするという御返事を申し上げなくてもよいのであろうと思います。
○川上委員 私はこの問題はあとに残しておいて、きようは時間の関係もあるそうでありますから、一応打切りますが、しかし私の質問を打切つたのではなくて、この問題はあとにまだまだ留保してあるということで、一応私の質問を打切るということを明らかにしておいてちようだい。
○上塚委員長 田中稔男君。
○田中(稔)委員 政務次官にちよつとお尋ねします。再々質問した事項でありますが、例のブカレストの青年学生の平和祭に出席するために、多数の若い諸君がしびれを切らして待つておる。これと関連しまして、一体パスポートを出すか出さぬかということをお尋ねしましたところ、まだはつきり出すともおつしやらなければ、まだはつきり出さないとも明言はされていない。しかし二日から始まつておりますから、この機会に出すなら出す、出さぬなら出さぬとはつきり御答弁を願いたい。二、三日前私的な会談でこれは申し上げたことでありますが、欧米局長とも相談して何とかきめようというお話がありましたから、もうその御答弁をいただいていいときだと思います。
○小滝政府委員 この問題につきましては、先般帆足委員から御質問があつたかと存じますが、そのときにもすでに申し上げましたように、外務省といたしましては、旅券法第十三条の五号に抵触するおそれがあるように思うので、一両日中に法務省の方へ協議することになるであろうということであつたのでありまして、これは速記にも載つていると思います。従いまして過般個人的に田中委員からおつしやいましたときにも、その進行ぶりはいかがかとさつそく欧米局長に尋ねたのでありますが、現に法務省の方へ協議をしているという段階でありますので、きわめて近い機会に関係者約二百名に対して確答を与え得ると考えます。
○田中(稔)委員 二百名とおつしやるが、最初は相当の数が出ておりましたが、その後ずつとしぼりまして、現在申請しているのはたしか十六名のはずです。しかもそのうち向うの方から招待を受けて参りますのは八名ということになつていますが、その十六名に関する書類を調べる、法務大臣と必要ならば協議をするというようなことがそう事務的にひまどることはないと思うのでありますが、しかもこれはもう何回もお尋ねしていることであります。なるべく早くとおつしやるのですが、一体いつまでに大体御確答を得ることができますか。
○小滝政府委員 田中さんからは十六名というふうに聞きましたけれども、今朝も取調べたところによると、依然として百数十名の申請があるように申しております。いずれにいたしましても、これは早く決定しなければならないので、法務省との協議が終りましたならば、相手も大勢あることでありますから、あす参りますか、あさつてになりますか知りませんが、月曜か火曜ごろには回答ができると思います。 〔私語する者あり〕
○上塚委員長 傍聴者の私語をやめてください。
○田中(稔)委員 月曜日か火曜日かということは、法務大臣と相談をして、外務省として出す、出さぬというはつきりした結論を出す日取りでありますか。
○小滝政府委員 この旅券法の規定によりまして、通知を発する日付の意味であります。
○田中(稔)委員 それで大体はつきりしましたが、もちろんこの問題は人権に関する重大な事項であり、第五号に該当するということで旅券を交付しないというようなことは、私は人権上非常に重大な問題だと思いますので、重ねてひとつ外務省に厳重な御考慮をお願いしまして、法務省との折衝にも当つてもらいたい。そうしてぜひひとつこれは旅券を出していただくように御努力を願いたいということを申し上げておきます。
○上塚委員長 帆足計君。
○帆足委員 第一はMSA協定に関連しまして、中国貿易の関係ですが、先日中国との貿易促進決議案が満場一致通過いたしまして、政府もその趣旨を体してせつかく御努力中という御答弁に、外相、次官ともたびたび接しまして、まことに欣幸の至りでございます。また先ほどの戸叶里子さんに対する御答弁に、MSA協定の中に、中国との貿易に関する制約を明文に入れることはないというお答を伺いまして、これまた御同慶の至りでございますが、かの決議案の趣旨の中には、現在中国との貿易ができません主たる原因は、向うへ輸出いたします商品を極度に制限されているということが最大の理由でございますのと、貿易用務による渡航が極度に制限されているという二つの理由があげられておりまして、この二つの制限を緩和することを満場一致要求したのでございますから、当然二つの問題については、政府は好意ある措置をとられることをわれわれ期期待するものでございます。また過日渡航課長に多少失言がございまして、次官は失言だと軽くおつしやいましたが、速記録を調べてみますと、「私ははつきり申し上げておきます。政府の方針としては、一度鉄のカーテンのかなたに旅行の体験を持つ者に対しては、旅券を出さないというのが政府の方針であると私は理解して、政府の方針に忠実に従つておるつもりでございます。」というような異様な声明をしております。もちろんこれに対しましては、欧米局長の御解釈の速記録があり、また次官から適切な御解釈もあり、また過日南さんの渡航につきましても、政府は良識ある措置をとられたわけですから、問題はすでに解決いたしました。しかし旅券の衝に当つている課長が、こういうようなことを、私ははつきり申し上げますと言つて、何だか鬼の首でもとつたように、私ごとき世界旅行の体験ある者に対して無礼なことを言われる、そういう人が旅券の窓口にがんばつていたのでは、まことに不安でございます。しかもすでに渡航課長に私は速記録の日付まで申しておるわけでありますから、やはり上司の命令によく服して、直接の上司たる欧米局長は、国会において公式にこういう答弁をしておるという注意が外務委員からあつたときには、それではさつそく上司に御相談して、あらためて訓令を仰ぎましようと答えるべきであるのに、そういうことならば欧米局長に直接聞けばいいじやないかというようなことを言われることは、官吏の服務紀律上まことに遺憾であると私は思うのであります。本日渡航課長を呼びつけましたけれども、こわがつてどうしても参りません。しかしこういう小役人を相手にしてもいたし方のないことでございますから、どうか次官からこの問題の筋を、一度速記録を読んでおけと言うておさとしくださいまして、今後上司の命令との間に多少の齟齬があつたときには、謙虚に上司に相談をせよ、また上司の方が法律にうとくて、渡航課長として窮地に陥つたようなときには、遠慮せずに六法全書をもつて上司の啓蒙をはかれ、こういうふうに六法全書……(「旅券法は六法全書にはないよ」と呼ぶ者あり)六法全書になければ、旅券規則をもつて説明しろ、びくびくするな、官吏の身分は国家公務員法その他で保障されておりますし、人事院規則でも保障されておりますから、何ら渡航課長は、神経衰弱になることはないと思う。もつと明るい気持で暮すようおさとしくださいまして、渡航課長を呼びつけることは罪なことですからさしとめます。 そこで今後中国貿易の拡大につきましては、どうも私ども中国貿易の拡大を強く主張しようと努力する人は、それでもつて何もかも解決しようとするのだなどというばかばかしい記事が――日本は後進国であつて、教養が低いせいか、あるいはまた新聞、雑誌記者諸君の給料が不当に低いせいかもしれませんが、そういうような記事がよく再々にわたつて新聞に出るのでございます。だれがそういう見解を持つておるのかと思つて調査してみますと、私どもの知合いの学者の間には、そういう見解を持つている人はなさそうであります。中国との貿易の比重は、過去においても多いときで二〇%程度でございまして、北鮮、台湾を入れまして四〇%くらいでございますから、いかに中国との関係がうまく参りましても、三〇%まで行けば常態においては最高であろう。従いましてアメリカとの関係、東南アジアとの関係、中国との関係はそれぞれ三、三、三くらいの比率で、それぞれ重要でありまして、日本は世界各国から理解され、理解し合わなければ生きて行けない島国でございます。従いまして、中国貿易だけをこの際喋々するものがあつたとするならば、これも間違つております。これをまた過小評価して、かの地との貿易は五%であるというがごとき総理がいたとしたならば、それは歴史学者から意味の徒といわれても返すべき言葉もないということでありましよう。問題は常に中庸の道にあるのでありまして、私どもは決して中国の貿易打開ですべての問題が解決するなどとはゆめにも思つておりません。少くとも社会党左派を、今後議政壇上等で御批判あそばされるときには、どうかわが党にはそういう意味の徒が一人もいないということを、よくしつかりと次官、御了承くださつて、総理にもちよつとあなたから言うておいていただきたいのでございます。しかし中国との関係は古来から相当重要でありまして、見のがすことのできない問題であるばかりでなく、五億の人口を擁し、欧米諸国がかの地に殺到しておる状況でありますから、われわれは非常に憂慮しておるのでございます。そういう点で、今後この問題の打開について、政府はどういうふうに御努力なさろうとお考えになつておるか。国会もきようで終るかもしれませんので、抱負の一端、片鱗なりともお示しくだされば、まことに仕合せに存ずる次第でございます。
○小滝政府委員 旅券の問題をまずお話になりまして、渡航課長がきよう来なかつたのは、恐れて来なかつただろうというお言葉でございましたが、必ずしもそうではございません。いろいろ大勢でやつて見えまして、ときどき胸ぐらをつかまえられまして、一時間半も二時間も廊下でひつつかまるというようなこともございます。そういう意味ではあるいは神経衰弱になりかけておるかもしれません。しかし賢明な帆足委員がじゆんじゆんと説かれるのに対して、神経衰弱になろうはずがございません。なおお仰せの点は、しかるべく渡航課長にも伝えておきます。またあるいはその際激しまして、言葉が行き過ぎた点があつたかと思いますけれども、これは若げの至りでありまして、その点はお許し願いたいと思います。(帆足委員「了解々々」と呼ぶ) 次に中央貿易の問題でありますが、これまでの統計とかあるいは見方ということにつきましては、一月ばかり前にも帆足委員と質疑応答を重ねましたから、私はここでこうした点を繰返すことを省略さしていただきます。しかし中共貿易の重要性ということは、まことにお説の通りでありまして、これがどれだけ進むか知らないけれども、国会の決議もございますし、われわれもかねがね政治問題を離れて考えおつた問題でありますから、ただ一本調子に何かこうさせる、あるいはアメリカへ頼むというのでなしに、あらゆる角度からこの問題にアプローチして、一日も早く現在の状態が改善するように、外務省としての努力を続けたい考えであります。その具体的な方法につきましては、須磨委員にも一応申し上げました通り、アメリカに対してのみならず、ヨーロツパにおいても、イギリス、フランスなどとも協力いたしまして、かつまた帆足委員が、非常に重大な関心を持つておられますところの渡航の問題などともあわせ考えまして、できるだけ早く、実際の効果を上げたいと決意をいたしておる次第であります。
○帆足委員 次官から片鱗を示していただきまして、まことに多とする次第でございまして、われわれも、私は社会党左派でありますが、この問題については、超党派的な立場、国民的立場に立つて、皆様の驥尾に付して一層推進して参りたいと存じております。まことに御答弁多とするわけであります。 第三には、駐留軍の問題に対しまして、われわれは勤労者を中核とする党でございますので、一言さらに念のためにお尋ねいたしますが、ストライキの宣言を発しましたことは、多少遺憾であるというような感じの御答弁もありましたが、従来アメリカは、アブラハム・リンカーンの伝統で育つた民族であるにかかわらず、少し生活水準が世界のレベルより高過ぎまして――少し下げる必要があるのですが、高過ぎましたために、ちよつと低い国に対して認識を誤つているようでありまして、駐留軍労働者は私は非常によい生活をしておるかと思いましたら、ちやちやくちやらな生活をしておりまして、こつちは犬ねこ同然に取扱われておる点を見まして、私もときとして涙を流すような思いをいたしました。そういうことが重なり合つて遂にスト宣言まで激発せられつあるということも、ひとつ客観的に御同情、御認識を願いたいと思います。従いまして、この問題が、あるところまではげしく対立して参りましたときに、駐留軍当局が日本の労働に関する基本的諾立法を犯し、その原則を侵犯する疑いが相当濃厚なのでありまして、政府当局におきましてはそういうことをさせないように、労働者に対してはルールは守らせなければなりませんが、駐留軍は強い立場に立ち、雇用者の立場にあるばかりでなく、今日本に対しては支配的影響力を持つておりますので、力余つて基本的な人権労働権を侵害するようなことのないように、今から多少注意も与えておく必要があるかと思いますが、政府のこれに対する御関心のほどを承つておきたいと思います。
○小滝政府委員 この点も先日すでに申し上げたところでありまして、川上委員も私の言明を了とせられておりましたが、私どもといたしましては、調達庁の長官もるる申し述べました通り、駐留軍の方で労働三法を犯さないように、また日本の労働政策に反したようなことを要求させないようほ、目下最善の努力をいたしておるところでございます。もちろん向う側といたしましては、行政協定の第三条とか二十三条の関係からいたしまして、また軍の立場からいろいろ機密の問題であるとか保安要員については、特に軍という立場から考えてもらいたいというような要求を出しておるわけであります。しかし私どもといたしましては、あくまで日本の労働法規に反しないように、そうして労働政策上おもしろくないことはこれをしりぞけるように、目下努力を続けておるわけであります。もちろんストライキを起さなければならないというところまで全駐労の方で考えて来たということは、この基本協約の交渉が長引いて、しかもアメリカ側が提示しておる条件が、はなはだけしからぬというふうなところから、やむにやまれない気持でなされたものとは思いますが、とにかくまだ数日残つておることでありますから、この間に最善を尽しまして、この問題を円満に解決いたしたいと考えております。
○帆足委員 次官の御答弁は筋が通つております。どうぞそのようにお願いしたいと思います。ことに駐留軍の労務者は非常に弱い立場に一面立つておりますので、切に御同情願います。またある部面においては、日雇い労務者に近いような不安な環境に置かれておりますことも、御了承願いたいと存じます。それらについて十分な御理解を持ちまして、すべて折衝に当つていただくことを切にお願いします。 さらに、時間がありませんからあと二問だけお尋ねいたしますが、昨今の新聞に、朝鮮の中立化という問題がちらほら出ております。私はこの問題はきわめて深刻な意義を持つ課題であると存じております。これに対しまして多少なりとも当局に御意見がございましたら、また情報がありましたら、その一端を伺いたいと思います。
○小滝政府委員 新聞では朝鮮の中立化とか、あるいはまたきわめて最近では信託統治にするとか、いろいろ出ておりますけれども、私どもが受取つております公の情報では、そういう報道は受けていない次第であります。近くアメリカと韓国との間に相互防衛の協定でもできるということになるならば、中立化というのは、先日も並木委員の質問に答えましたときに申し上げた通り、あるいは単なるトライアル・バルーンではなかろうかというふうに私どもは見ておる次第であります。
○帆足委員 ただいまの次官の御答弁は、多少長期観測を誤つておるものがありまして、ドイツにいたしましても朝鮮にいたしましても、あのままの形で統一ということはむずかしいのではないか。二つの対立し、戦いの経験を持つ軍隊がいたままで、統一ということはなかなかむずかしい一従いましてこれは、二つの世界から中立的な国になつてのみ統一への機運が醸成されるという点で、相当有力な筋からの、私は一つの考え方の現われでないかと存じております。朝鮮の統一ということが叫ばれているときに、韓国とアメリカが露骨な軍事協定を結ぶがごときは、アメリカ政界の右翼ノーランドその他チャイナ・ロビイの連中の考え方などもあつて、これらの徒輩の考え方は、アブラハム・リンカーンの伝統を継ぐアメリカの正統、派の考え方としては行き過ぎではないかと考えますが、それはもう議論にわたりますから別といたしまして、実は李承晩に対してどういうお考えを持つておるとか、李承晩の先日の大騒ぎに対して政府は快しとしているか、快しとしていないか、マソカーシーの考え方に対して、民主当局としての外務省はどういう見解を持つておられるかということをお尋ねいたしますと、外務大臣初め外務省は、そういう他国のことについてはあまり主観的な議論は今差控えたいという、いとも謙虚らしくありますが、ある意味ではまつたく無定見な感じのする御答弁ばかりでありまして、まことに遺憾であります。しかし今まで国際舞台に出て活動する機会も与えられていなかつたのですからやむを得ないと思つて、われわれも聞き流して参りましたが、今次休戦に伴う政治会議に、日本もまた参加さしてくれという意思表示をしたとか、せぬとかということが新聞記事にちらほら出ております。参加するとすればどういうような思想体系、または外交についての政策体系をもつて参加するかということと十分問いただし、意見の交換もし、われら野党の言う中で正論はまたくみとつていただかねばならぬ。政治会議に対してそういう申入れをなさる御意向なり、また多少のお考えなりということもちらほらあるのでありましようか、その点を伺いたいと思います。
○小滝政府委員 この政治会議でどういう問題を取扱うか、もちろん朝鮮の統一、朝鮮の跡始末、また撤兵の問題、朝鮮に関連する問題というのが取扱われることになつておりますが、それがどういう範囲のものをはたして含むかということもわかつておりませんので、日本としては正式にあの政治会議に参加したいという意思表示はいたしておりません。しかし近く国際連合の総会でも開かれて、そうしていよいよ政治会議にはいかなる国が参加するか、どういう問題が取扱われるということになつて参りましたならば――日本としては、この極東の今後がどうなるかということは非常に重要な問題であり、また日本に関連する大きな問題が取扱われるということになれば、当然日本もこの会議に加わつて、日本の立場を主張いたすべきであると考えますので、そうした申入をするようになるかとも存じます。今のところは、そういう申入れはいたしておりません。
○帆足委員 最後にもう一つお尋ねしたいのです。MSAの協定の中で、軍機密に対してこれを守るために特別の措置をするかもしれないということがあつた。しかしこれが、過去における治安維持法や軍事機密保護法のような拡張された形で適用されて、多くの自由市民に迷惑をかけることのないように努力すると外務大臣は言われておりましたが、およそこういうような法律は、つくるときにはいつも小さくいたしますと言いながら、実施するときはいつも拡大解釈をされまして、そうして罪なき自由人がこのために牲犠になるということが、過去の非常な通例でありますので、私どもはこの問題に対して心痛しておるのでございます。この日本のような平和国家、新憲法国家では、原則として機密事項なしというところまで行くほどのガラス張りの国でありたいと思つておる次第ですが、これに対して、ただいま何か特別法でもお出しになるお考えでしようか。いずれ次の国会の勢頭において、この問題は大いに質疑し、要望もいたさねばならぬ重要問題であると心痛いたしておるのでありますが、ただいまのところ、いかなる準備をいたすお考えでごさいましようか。
○下田政府委員 各国のアメリカと結びましたMSA協定におきますと同様に、日本の結ぶMSA協定におきましても、やはり援助物資が武器装備等であります場合には、その秘密を擁護するという趣旨の規定は入ることになると思います。そういたしますと、かりにそうなりました場合には、日本は御指摘のように、何らそういう国内法もございませんので、一種の特別法の制定の必要が生ずることは、これはきわめて明白であろうと存じます。
○帆足委員 私はそれに伴うところの弊害を非常に憂慮するものであります。きようの新聞を見ますと、アメリカはB二九、三十数機を保安隊に貸すというようなことまで新聞に出ておりますが、もうちらほらそういうことまで問題が進んでおるのでございましようか。
○上村政府委員 私どもの方の保安庁法の任務から申しまして、ああいうB二九のような航空機は持つこともできませんし、また万一先方からそういう話がありましても、借りたり、もらつたりすることはいたしません。
○帆足委員 私は日本の防衛については、次の国会においていろいろ論議せねばならぬと思いますが、一体政府当局は今日の防衛ということを、原爆の性能をどういうふうにお考えになり、尿子科学の進歩の状況をどうお考えになり、特にジエツト超音速航空機の状死、レーダーロケツト機の状況をどういうふうにお考えになつておるか。私はふしぎに思つておるのですが……。かく申す私は、世界各国をまわりましてロシヤの観兵式も見ました。中国の観兵式も見、またフランスその他の国国の事情も、兵力も多少は調べておるつもりでありますが、日本の立地条件からいたしまして、これは非常に困難は課題でございまして、これは外務委員会においてももう少しよく専門家の意見を徴し、公聴会でも開いて大いに審議せねばならぬ問題であると思います。客観的事実を知ること――私は鉄のカーテンより無知のカーテンを打破しろ、こう言つておりますが、この無知無学のカーテンを打破いたしますならば、日本国民は立場の相違は多少ありますけれども、意見はよほど接近するのでございます。特に防衛力の問題についての論争の最大の欠陥は、今日原子科学と航空機の発達の水準に対して、われわれ初め政府当局においても十分な資料を持つていないということから、非常な愚かしい論議が行われておるのではなかろうかと私は思います。ましてや今日の段階に、すでに時代遅れになつたところの空の要塞などを、しこたまちようだいするなどということは、まことにこつけいなことでありまして、そういうものをいただくくらいなら、旅客機をもう少し増していただいて、旅行を快適にしていただきたいと思うわけでありますが、もはや時間もございませんので、何とぞ外務当局においては、せつかくしばらく休みになりますから、特に原子科学についての書物を十分――五、六冊でけつこうです。きわめて啓蒙的な書物も二、三十冊出ておりますが、せめてその中の五、六冊をお読みくださるならば、次の国会において私の質問と皆様のお答えが肝胆相照すようにならぬとも限らぬと思いますので、ぜひしかるべくお願いします。なお委員長の御好意によつて十分質問の許されましたことを感謝する次第でございます。
○上塚委員長 岡良一君。
○岡委員 時間もありませんので、MSA協定に関する日米交渉経過中間報告について簡潔に要点だけをお尋ねいたしますので、お答えも簡潔に、イエスかノーというふうはお答えを願いたいと思います。 いただきました報告書の中で「いわゆる軍事的義務の履行とは、日本の場合には、日米安全保障条約に基きすでに日本が引受けた義務履行により充足されるものであると解すると述べ」と日本側はこう申しておりますし、アリソン大使の方も「日本が受諾するいわゆる「軍事的義務」とは、日米安全保障条約に基いて、自由に、かつ、自発的に日本がすでに引受けた義務の履行である」こう申し合されて、両者の見解は一致しておりますが、安全保障条約に基き日本が引受けた軍事的義務というのは、一体どういうことを意味するのであるか。
○下田政府委員 安全保障条約の第一条の米軍の駐留を許すという意味と、第二条の軍事基地等を米国に事前に諮ることなくして第三国には貸さないという二つの義務でございます。
○岡委員 さらにアリソン大使の言葉の中に「合衆国は、自国の部隊を無期限に駐在させることを欲せず、日本の防衛力増進に従つて、日本にある合衆国の部隊を漸減することができるというのが、アメリカ政府の期待であり、」と申しておる。また同様にアリソン大使は「日本が自国の防衛力及び自由世界の防衛力の発展及び維持のために、全面的寄与を行うこととはまず自国を強化して自らを防衛しうるようになることであること。」こう申しておりますが、そういたしますと、MSA援助を受諾いたしますと、日本としては当然に自己の防衛力を漸増するということが、義務としてになわなければならないということに相なるのでありますか。
○下田政府委員 その通りでございます。
○岡委員 日米安全保障条約の前文では、御承知の通り日本が防衛力を漸増することは「期待する」と相なつております。この援助を受けますと、日本は自国の防衛力を漸増するということを義務として条約の上に明確化せねばならぬ、しかもそれはいわゆる完成兵器の供与あるいは貸与等による、いわば反対給付として日本が防衛力の漸増ということを義務づけられる。安全保障条約では道義的な責任として期待にこたえるという立場に置かれたものが、今度はいよいよ義務としてそれを履行しなければならない立場になり、しかも武器援助等を通じその反対給付としてそれがなされねばならない。言葉をかえていえば、おそらく世界の心ある人々は、アメリカの意図によつて日本が防衛力を漸増するということになる。条約としては日米政府が合意をする形においても、実際に完成兵器の貸与あるいは贈与を受け、それによつて日本が自国の防衛力を漸増するということが、義務づけられるということになれば、これは日本自身の意図というよりも、アメリカ政府の意図によつて、日本が自国の防衛力を漸増するという約束をアメリカに与えることに相なろうと思いますが、その点についての御見解はいかがですか。
○下田政府委員 その点につきましては、日本政府においてはまず自衛力をできる範囲で漸増したいという意思があつて、その大前提がありまして初めてアメリカの援助を受けるということになるわけでございます。
○岡委員 それではこの報告書の「MSA中に援助をうけると日本は相互安全保障法第五一一条(a)項に列挙してある六つの義務を引受けなければならないと述べ、右の六つの義務のうち、「国際間の緊迫の原因を除去するため、相互に合意する行動をとること」」とあります。そこでこの「国際間の緊迫の原因を除去するため、相互に合意する行動」というこの中には、日米行政協定第二十四条によつて、いわゆる非常時の共同措置及び協議、すなわち「日本区域において敵対行為又は敵対行為の急迫した脅威が生じた場合には、日本国政府及び合衆国政府は、日本区域の防衛のため必要な共同措置を執り、且つ、安全保障条約第一の目条的を遂行するため、直ちに協議しなければならない。」ということが規定されております。そこでこの中間報告に述べられておるアリソン大使の示唆、「国際間の緊迫の原因を除去するため、相互に合意する行動をとる」ということは、この日米行政協定第二十四条による急迫事態における両国政府の協議をも含むものでありますか。
○下田政府委員 私どもは、「国際間の緊迫の原因を除去するため」ということは、緊迫が起つてからのことでなくて、緊迫が起るような原因を取除くための措置、そういうように了解しております。従いまして日米行政協定第二十四条のすでに緊迫事態が発生した後の協議と、第六百十一条(a)の第二項は違う考えであると存じております。
○岡委員 それでは保安庁の官房長にお尋ねをいたしたい。先般のこの委員会において、岡崎外務大臣であつたと思いますが、その御発言中に、たとえば日本の内地に対して――その国籍は申し上げませんが、ともあれ外国の侵略の意図を体した武装勢力が参つた場合、保安隊はやはりこれに対して当然に対抗するであろうというふうな御発言があつた。こういう事態があつた場合には、保安隊がそのような行動をやはりとることに相なるのでありましようか。
○上村政府委員 たびたび保安庁長官から国会で申し述べられておりますように、万一外国の武装勢力が侵入して参りました場合には、現在の保安庁法の建前から申しまして、ただちに直接防衛に当るという法律上の解釈にはならないのでありまして、この入つて参りました武装勢力が、わが国の平和と秩序を紊乱いたし、人命、財産に害を与える、従つて保安庁法第四条に規定してあるような事態に該当いたしますために、総理大臣の命令によつて出動いたしまして、これを鎮圧するというような建前になつております。
○岡委員 それはよく承知しておるのです。それできのうも木村長官は、保安庁法第四条の改正の意図について示唆をされておりますが、ただ私は具体的に申し上げておるのでございまして、もう一度繰返してはつきりと具体的に結論をお答えいただけばよろしいのでございますが、これはとにかく第三国の侵略の意図を体した武装勢力が、かりに日本へ飛行機で空挺部隊として落下することもあり得ると思う。あるいは日本の海岸線に上陸することもあり得ると思う。この場合に所在の保安隊というものは、これに対して対抗的な行動を起すものであるかどうか、この点を承りたい。
○上村政府委員 先ほども申し上げました通り、直接侵略に対して直接防衛をするという任務は与えられてないのでありまして、あくまでも保安庁法の四条に基きまして、正式の出動命令といいますか、そういうものに待ちまして対抗する、それには相手が正規の軍隊であろうと何であろうと違いはないと私ども思つております。
○岡委員 もう一度ただしますが、日本の国内にあるいは落下傘で投下されたものであろうと、海岸に上陸したものであろうと、第三国の侵略の意図のための武装された勢力がやつて来た場合は、正規軍であろうと何であろうとこれと闘う、対抗の行動に出る、こうおつしやるのですか。
○上村政府委員 保安庁法には、保安庁法四条のほかに、第六十一条というのがありまして、「内閣総理大臣は、非常事態に際して、治安維持のため特に必要があると認める場合」と書いてございます。従いまして、先ほどちよつとあるいは申し上げ方が違つたかもしれませんが、正規の軍隊が侵略をして参りました場合には、厳密に申しますと、単に治安維持のためと言えるかどうかわかりませんが、しかしそのときといえども自衛権に基く行動ということだけはできると思います。
○岡委員 保安庁法四条でも、あるいは総理大臣の出動命令を規定した六十一条でも、あなたの御承知の通り十分な拡張解釈ができると思うのであります。でありますから、その場合事態に即応して、保安隊は国内の治安と申しますが、近代戦の性格は国内の治安とか、思想戦とか、武装戦とか、そういう単純なものじやない。逆に質問いたしますが、米軍が日本に対する直接侵略に対して行動を起さねばならないというとき、それに呼応した形において日本の保安隊も国内において米軍の目的に大体同調する。総理大臣から非常事態という立場において、機動力の姿において出動を命令された場合における保安隊の行動と、直接侵略に対抗する米軍の軍事行動というものは、当然この侵略行為に対する同一の抵抗でなければならないと考えるのですが、そういう場合にはその指揮権というものは一体何人にあるのでありましようか。あるいはそれは行政協定に基くいわゆる第二十四条の両国政府間の協議に基くということになつておりますが、見通しとしてその指揮権は何人が持つのですか。
○上村政府委員 現在の法律上の建前におきましては、あくまでもわれわれ保安隊は国内の治安維持に当るわけでございますが、自衛権の発動といたしまして、外敵が侵入して参りました場合にこれに対抗するということがあり得ると思います。その際は米軍との関係がどうなるかと申しますれば、米軍は米軍の指揮下にございましようし、われわれの方は米軍の指揮下に立つわけでもございませんし、あくまでも総理大臣の統帥下において行動する、その間に調整の必要がありますれば、調整をして行くということはあり得ると思います。
○岡委員 それは言葉の上ではそう言い得ると思うのですが、私ども心配するのは、そういうような事態が万一起つた場合、非常に機動廃を要する事態だと思うのです。そこでかりに今おつしやつたように正規の軍隊が日本の国に、あるいは空挺部隊として投下され、あるいは日本の国内に上つて来る場合、これは当然所在の保安隊というものも出動命令のもとに出動せざるを得ないと思う。その拡張解釈をして出動し得る。保安庁法四条でも六十一条でもこれはあり得ると思う。そういう事態になつた場合、一方米軍の方では、直接日本を侵略する空挺部隊なりあるいは上陸部隊なりの発着基地に対して制圧するための軍事行動を起さねばならぬ。日本の自衛軍なりアメリカの駐留軍というものは共同の作戦行動に立たねばならないと思うのであるが、そういうときにのんびりとお互いが相談をしてきめるということで、この事態に対する十全の対抗ができるのであるか、その点を伺いたい。
○上村政府委員 保安庁法の建前は、いろいろな制約がございまして、たとえて申しますれば、出動いたしました場合にも、警察官等職務執行法というようなやかましい規定の適用を受けるわけであります。従いまして現在の建前として、外国の正規軍が侵入して来ましたような場合がかりにありといたしましても、これに対してただちに戦争をするというような建前になつておらないわけであります。あくまで自衛権と申しますか、それに基く実力対抗、事実上の対抗ということになろうと思つております。
○岡委員 それは言葉の水かけ論でありますが、ただ問題は自衛権の発動として、日本の国内に外国軍隊が入つて来れば、日本の国内における騒擾の大きな原因になる、そうすれば治安の維持という立場からも、国内におけるそれが大きな撹乱の源泉となる、こうした外国軍隊に対しても、所在の保安隊というものが当然何らかの対抗措置を講じなければならぬことは当然である。これは法律上の規定は別としてあり得ることであるし、またそうあるだろうと私は思うのですが、これは予想のことであるからよしましよう。それでは保安庁法六十一条に規定されてある、保安隊が内閣総理大臣の命令のもとに出動するあの条項にうたわれておる非常事態と、警察法にうたわれておる国家非常事態とはどの程度に違うものであるかという点が第一点、並びにその警察法にうたわれておる国家非常事態、国家公安委員会の勧告に基き内閣総理大臣が出動を命ずる非常事態と旧憲法における戒厳令というものは、どの程度に違うのであるか、この点について保安庁としての考えを承りたい。
○上村政府委員 正確に法律上どう違うかということについては、私としてははつきり申せませんが、警察の力をもつて鎮圧し得ない場合において保安隊に対して出動の命令が出るのだと思つております。従いまして、警察のその法律を私存じませんけれども、今申し上げましたように解釈しておる次第であります。
○岡委員 私がお尋ねをしておるのは保安庁法の第六十一条にうたわれておる非常事態というものは、単に日本の国内の国警や自警の力をもつては、治安を保持しがたいという状況に立ち至つたとき以後の日本の状態が、非常事態という御解釈であるかという点が一つであります。もう一つは、警察法に、内閣総理大臣は、国家公安委員会の勧告に基いて国家非常事態の布告を発することができるというようなことが書いてありますが、保安庁法にいう非常事態という中には、この警察法の国家非常事態も含まれておると私は思うのであるが、その点の御解釈をお答え願いたい。いま一つは、旧憲法下の戒厳令と国家非常事態とは、どの程度に違うものであるかという点についての御解釈をお答え願いたい。
○上村政府委員 六十一条の非常事態が適用になる時期は、保安隊の出動する時期以後かどうかというお尋ねだと思いますが、これは保安隊を出動せしむるような時期はすでに非常事態になつておるのじやないかという気がするのですが、御質問の趣旨と違いますれば、もう一ぺんお尋ねを願いたいと思います。 第二の警察法の国家非常事態のことですが、私実は警察法をよく存じませんのでわかりませんが、先ほど申し上げましたように、警察力のみをもつてしては鎮圧できないという事態が非常事態だろうと解釈しております。 それから戒器令との関係につきましては、具体的に研究をいたしたこともございませんので、私としては、正確にはお答え申し上げかねます。
○岡委員 今こういうことを特にお聞きをいたすのも、実は御存じのように、戒厳令というものは、旧憲法時代でも、枢密院の批准を経て初めて天皇がこれを公布することになつておる。新しい等本の制度では、国家非常事態というものは、内閣総理大臣が国家公安委員会の勧告によつて公布することになつておる。しかし、保安隊の出動ということにらみ合せて、あるいは日本の防衛という事態とにらみ合せて考えた場合には、これはよほどの事態というものがあり得るという予想の上にこういう構想なり、制度なり、法律がつくられておると思う。しかしもしそういうことで米軍も直接侵略に対しては出動し、日本の保安隊も内閣総理大臣の命令のもとに行動を起すという事態になるならば、その事態というものは、ほとんど戒厳令下の事態にもひとしいのじやないかと私は思うのです。御存じのように旧憲法下における戒厳令の事態においては、戒厳令司令官のもとに日本の立法も司法も、行政もあらゆるものが一本になつて従属する状態に置かれておる。従つて、日本がもし万が一そういう事態になつて、アメリカの駐留軍が直接侵略に刃向い、また日本の保安隊なるものが、自衛の名のもとにおいて、あるいは国内に上陸し、あるいは侵略し来つた敵国の武装勢力に対して、直接的な行動に移つて行くという事態になつたときに、この指揮権はどこにあるかということは重大な問題であると思う。もしこれが今日のような姿で、あるいは米国の司令官が実質的には日本の防衛に対して、最も大きな責任上のウエートを持つという立場をゆだねられるならば、その瞬間から日本の国内の立法も司法も行政も一切のものが、外国の司令官に掌握されるという事態になるという危険が、今日のような制度、今日のような非常にあいまいな解釈のもとにおいてはあり得ると思います。私はそういうことを心配して根掘り葉掘り聞いておるのでありますが、しかしながらただいまの官房長の御答弁では私は遺憾ながら非常に不満です。問題がちつとも解決されておりません。しかし国会もきようで幕切れでありますから、この問題はお預けといたしますが、これはひとつ保安庁のもとで十分に研究していただいて、来るべき機会においては明快なる、国民を納得し得るだけの御答弁を願いたいということを希望いたしまして、私の質問を打切ります。
○上塚委員長 穗積委員。
○穗積委員 私きよういろいろお尋ねしたいと思つておりましたが、時間がなくなりましたので、もし会期が延長になりましたらその会期末にもう一ぺんお尋ねすることの希望をつないで、きようは簡潔に政務次官に一点ほどお尋ねして、次に上村官房長に二点ほどお聞きしたいと思います。 第一は、簡単でありますが、朝鮮休戦に伴う政治会議を通じて、外務省は中共の国連参加問題に対して、どういうようなお見通しをお持ちでしようか。
○小滝政府委員 その政治会議に中共の国連参加の問題が出るか出ないかはお互いにわからないわけであります。おそらくアメリカの方は、御承知のように共和党内でもいろいろ議論があるので、直接の朝鮮の関係だけにとどめたいということを主張するのではなかろうかと思われる次第であります。しかしイギリスあたりのいろいろな新聞などを見ますと、この際イギリスとしてはそうした方面の問題を取上げるのじやないかというようにも思われますので、はたしてどうなるかということは現在のところまだ予断を許さないわけであります。そこで一体日本はどういう立場にあるか、これはまず政治会議に参加するかしないかという前提問題がありますが、日本としては、この中共の問題と離れて、一日も早く国連に参加しなければならない、また日本が国連に参加することが国連を強化させるゆえんであり、世界の平和にも貢献することになるだろうと存じますので、そういうことがかりにあつたとしたならば、日本としては日本の立場というものを主張して――これはもちろん参加するかしないかわからないし、またはたから申入れをしてもらうとかいろいろ方法があるでありましようが、ぜひ日本の国連参加というものを促進しなければならないというように考えております。
○穗積委員 朝鮮休戦に伴います政治会議で、おそらく向う側からこのことが重要議題として提案されると思いますが、もしそれがないといたしましても、それ以外で受ける外交交渉でも、中共の国連参加問題は必至の事態だと私どもは判断いたしております。アメリカが今までの面子上、これを正式に承認するか、あるいは事実を黙認するかは別でありますが、欧州その他におきます例からいたしまして、日本の外交方針としては、アジアの情勢判断が非常に大事でありますので、そういう点からいたしますれば、中共の今後の動きということが非常に大事になつて来る。そういう意味で私は、この中共の国連参加の問題は、東南アジア諸国はもとより、欧州諸国も大体これに賛成するという態度をもつて出て来るであろう。そうなつたときに、日本は今おつしやつたように政治会議に出席したいという意図をお示しのようでありますが、その場合に中共の国連参加の問題に対して、一体日本はどういう態度をおとりになるつもりであるが、その点をお尋ねいたしたい。
○小滝政府委員 先ほど申しましたように、日本は日本として国連に参加しなければならぬ。また東南アジア諸国が全部自由主義国家群に属して、平和を確立するということは最も好ましいことであります。同時にまた日本としては、中華民国との関係もあり、米国との関係もあるわけであります。従いましてこれは非常に困難な問題でありますが、中共側がかりに国連に参加して、そうして自由主義国家群と相提携するようになるということは、最も望ましいことであるというふうに考えております。
○穗積委員 中共参加は賛成だという意味に解釈してよろしゆうございますか。
○小滝政府委員 そういう意味でなしに、ユーゴの例を引いては語弊があるかもしれませんが、中共がほんとうに国連と協力して、われわれの自由国家群に所属するというところまで来たら、非常にけつこうなことであるということを申し上げた次第であります。従いまして日本としてはもちろん東南アジアの国に関係あり、米英との関係もあり、あるいは中華民国との関係もあるのであります。それらのすべての関係を考慮して日本の態度を決しなければならぬ、こういうように考えております。
○穗積委員 その点もう少し明確にしていただきたいのですが、国連にはすでに自由諸国以外の国が参加いたしております。国連というものは言うまでもなく、かつてに自分の気の向いたものだけでつくつたのでは、これは国連にならない。地球を二つにわけて別々に住むならば別でありますが、同じ地球の上に住んでいる。従つて思想とか、政策とかいうようなことは別であつても、やはりすべての国が参加することが国連の趣旨でございますし、また効果もあるわけなのです。もうすでに自由主義諸国以外の国も国連に現に参加しておる。そこで私の伺いたいのは、中共がチトー化するというようなことはあり得ないと思いますが、ないと仮定して、その見通しの上に立つて、そういう問題が正式に国際間の問題になり、日本もみずからの参加を要求をするとともに、それらの参加に対して何らかの意思表示をしなければならなくなつたときに、外務省は、今の政府はどういう御方針であるかということを伺つているわけです。
○小滝政府委員 日本は不幸にして意思表示をする機会を与えられておらないと考えます。安全保障理事会の方にも席はありませんし、また国連の加入国でもないのでありますから、日本としてはその情勢に応じて対処するだけであつて、日本としては不幸にして現在発言権を持つておらないことを遺憾といたします。
○穗積委員 それは機会かあるとかないとかいうことではなくて、声明をやつてもよいし、わが国の議会における政府の話の中でも国連参加を希望するということは、意思表示でございます。意思表示の方法、場所を聞いておるのではありません。従つて先ほど言いましたように休戦会議なり、政治会議なりあるいは国連の会議において意思表表示をされるかどうかということを聞いておるのではありません。日本のアジアにおきます外交政策として、どういう基本的な方針をお持ちになつているのか。またこれをしなければならぬということでありますから、そういう点でお尋ねしておるわけであります。
○小滝政府委員 それは先ほど私が申し上げた言葉で尽きておると考えます。今後の中共の自由国家群に対する関係がどうなつて行くか、中共とアメリカの関係はどうなつて行くか、中共とイギリスとの関係はどうなつて行くかということによつて、日本の立場というものはかわるわけでありまして、かりに中共が現在と同じ立場をとつておるとすれば、われわれとしてはそういうことは好ましくないことということになりますので、今後の中共の動きいかんにかかることであると考えます。
○穗積委員 こういう重要な問題について、ほかの国の意思というか、それを一つの条件としてわれわれの方針をきめるということは、これは独立国の外交政策ではあり得ないのです。もしわれわれがアジアの経営に対してどういう方針を持つということであるならば、むしろ中共に対しても、中共の成行きを他にまかせないで、われわれ自身の積極的な態度にれつて中共の方針をきめさせるような、能動的な態度すら必要であると思います。先ほどから伺いますと、台湾政権とかあるいはアメリカとの関係というようなことをおつしやつておりますが、日本はやはりアメリカからも台湾からも独立国でありまして、われわれの外交政策というものはアジアに住まう日本としての、独立国としての政策でなければならない。そういう意味におきまして、私は中共と日本との関係を聞いておるのです。 そこで時間がありませんから続いてお尋ねいたしますが、せんだつての本会議におきましても、自由党を含む満場一致で決定された中共貿易促進の決議がございまして、そうしてそれに善処するということを言つておられ、日本と中共との経済的提携が必要であるということも認識されておられるはずであります。そういう立場にまで来ておられる吉田内閣が、ここでもし朝鮮の休戦交渉以後、たとえばわれわれの判断のように中共が国連に参加する、日本が賛成しようが反対しようが事実上参加する、それをアメリカも黙認せざるを得なくなるという事態が起きて、中共から日本に対して講和条約の締結の申入れがあり、続いてあるいは経済的な提携を正式なルートに乗せるために、通商航海条約その他の経済的な条約締結の申入れがあつたといたしましたときに、一体日本政府はどういう態度をおとりになるのか、この点をお尋ねいたしたい。このことは実はMSA問題とまつたく対蹠的な問題でありまして、しかもこれは非常に遠い話のようでございますが、日本の外交といたしましては決して遠いものではないのでありますから、そういう意味でお尋ねするわけであります。だから将来どうこうということでなしにひとつお答えいただきたい。
○小滝政府委員 多少私の申し上げたことを誤解せられたかと存じますが、私は外国の意思によつて政策をきめようというのではございません。日本はとにかくこれまで自由国家群と協力して平和条約も受諾しておる。その立場に矛盾するようなことをしたくないということを申し上げたわけでありまして、外国の意思によつてやろうとするものではないという点は御了承願いたいと思います。中共貿易に関連しまして、今後講和条約というものを申し込すで来たらどうするかというお話でありますが、日本はもともと全面講和をしたかつた。しなかつたのは相手がしなかつたのでありまして、日本はあらゆる国と親善関係を結びたいのでありますからして、相手方の方でほんとうに平和を希求して、日本と講和しようというのでありましたならば、日本としては喜んでこれに応ずるのであろうと思います。
○穗積委員 この点はもう少し続いて伺いたいと思いますが、時間が大分延びておりますから、他の方に御迷惑がかかつてもいけませんので、この問題はこれで一応打切つておきます。 次に上村官房長に伺いたいと思います。先ほど同僚の帆足君から御質問がありましたが、けさの毎日新聞の米第八軍から出ております情報の記事はお読みになりましたか。
○上村政府委員 読んでおります。
○穗積委員 その中の、たとえばB二九とかそういうような攻撃武器の性格を持つたもの、こういうものをたとい向うが貸してくれるといつても受けないという御答弁でありますが、そのほか私のお尋ねいたしたいのは、こういうMSA問題より、より重要な、しかも量においても内容においても重要なそういう援助に対して、一体ある武器は受ける、ある武器は受けないとおつしやつておるのか、こういうまつたく軍事的な性格を持つたものは、事の大小、内容のいかんにかかわらず、受けないつもりであるとおつしやるのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
○上村政府委員 MSA関係その他につきましては、内容にまで折衝が入つておりませんので、こちらからどういうような援助を希望するかということも、もちろん出ておりませんし、向うからも話がありませんので、はつきりしたことは申し上げられませんけれども、先ほど例にあがりましたB二九のようなものは、攻撃的武器であろうと思います。従いまして現在の保安庁法のもとにおいては、当然援助を受けられないことはもちろんのことであります。また今後におきましても援助を受けないのではないか。これは想像でありますからわかりませんが、事務当局として事務的にはそう考えております。
○穗積委員 官房長もこの委員会において岡崎大臣の御答弁についてお聞きになつておられると思うのですが、実は今まで八千万ドルばかりに相当する武器を、法律的根拠なしに、または何らの約束なしに――先ほど顧問団のこともありましたが、何となく事実上武器を借りておつたというお話がありました。私はこれはおかしいのではないかと木村長官にお尋ねいたしましたが、今までのことは別として、今度MSAを受けるという問題に関連してお尋ねするなら、今後これを重ねて借りるつもりであるのか、もし借りるとすれば、MSAとの関係をどうされるのかということをお尋ねいたしましたら、岡崎外相は、今までは事実関係であつたが、これからははつきりするために、もし受ければMSA援助に切りかえるつもりだという御答弁でございました。そこへ持つて参りましてきようのこういう第八軍の軍事的な政策がもし真実であるとし、しかも向う側がこれをやるとすれば、どうせ事実関係をつくろうとするのでありますから、従つてまず保安庁が直接交渉の対象になると思いますか。こういう事実関係をつくつて行くということ、しかもこの計画は、どこから出た情報であるか、これをもつて必ずしも権威あるものと解釈することはできませんが、もしありとすれば、当面六個師団に増強することを、目標として武器を貸与する、それも朝鮮が国連統治に移るならばアメリカの軍事基地ではなくなつてしまう。そうすると日本が第一線の、むき出しの前線基地になる。しかも一方ソ連が現在原子兵器その他の兵力増強をやつて、二年の後には相当の脅威を感ぜられると思う。アメリカにすればアメリカの作戦上の前線基地となる、その日本を軍事的に強化しておく必要があるというので、十個師団を目標とする武器の整備を日本にしておきたい。こういうことが報道されておるわけであります。そういうことがありましたときに、そうなりなりますと今後の援助をMSA一本で行く、こちらも今まで借りておつたものもMSAに統一するということとまつたく矛盾するのですね。その点について保安庁としてはどういうお考えを持つておられるか。万一これが軍人のことであるから気が早く今度の休会中にどんどん話が進められるということになると、お互いにあとになつて気まずい話をしなければなりませんので、事前にぜひお尋ねしたいと思つたのであります。その趣旨において御答弁願いたいと思います。
○上村政府委員 新聞記事の内容につきまして真実であるかどうか存じませんが、現在保安隊が借りております武器につきましては、外務大臣がお話になつたような趣旨の法律がアメリカの国会に出ておるようでありまして、それによりますれば、MSAと一応別個でありますが、日本に対して贈与する権限を与えるという法律でありまして、これに伴つて日本側においてMSAと同じような何らかの条件がつくのではないかというふうに想像いたしております。従いましてそうなりますれば、現在まで借りております武器の贈与を受けるにあたりましても、昨年の船舶貸与協定と同じようにあるいは国会の御承認を受けることになるものと思います。しかし事実係で先方からこちらに今までのように貸してくれるということは、今のところ想像もしておりませんし、また事実上そういうことはないという見通しを持つております。
○穗積委員 そうなるともしこういう申入れがあつても――再度お尋ねしたいのですが、時間がありませんから整理して一括してお尋ねいたします。私どもの判断によると、こういうものは当然受けるべき性質のものではないと私は思います。これを一体ものによつては受けるつもりであるのかどうか。これが第一点。第二点としてもし受けられるとするならば、武器貸与法なり何なりあるいはMSAに組み入れるなり、しからずんば向うがさつきの武器貸与法のような法律を別途につくり、日本との間に正式な条約を結んで当然やるべきだと思いますが、そういうことに対して少くとも今まで八千万ドルのものを何となしにやみで借りておつた。そういうことを今後も続けてやられるつもりであるか。あるいはわれわれの趣旨のように当然ちやんとした条約なり契約なりをしておやりになるのであるか。第三点は、そのことについては当然事前に国会に承認を求めらるべきであるが、その点についてはどういうお考えであるか。以上三点についてお尋ねいたしましてこれで打切ることにいたします。
○上村政府委員 そういうような提案が向のからあるかどうか、私どもは全然わかりません。またあつたと仮定して受けるつもりかどうかということを今回答しろということはちよつと無理だろうと思います。また現在まで保安隊の借りておりますのはやみでというお話がありましたが、何らの義務がついておらないし、またこちらに保管の責任も移つておりませんので、協定とか正式の条約にはなつておらなかつたのでありますが、今後はMSAができますればMSA一本になつて、外務大臣からお話がありましたようにやはり条約とか協定とかいうものに当然なつて来るのではないかと思います。国会承認の問題はMSA援助に基く、あるいはその趣旨に基くものでありますならば、日本側において義務を生じますので、当然国会承認を必要とします。
○上塚委員長 質疑はこれをもつて終了いたしました。 この際一言ごあいさつを申し上げます。第十六特別国会もいよいよ本日をもちまして終了の予定であります。なお当外務委員会におきましては、去る五月二十七日以来会議を開くこと二十八回、委員各位の熱心、真摯なる御精励により、当委員会に付託せられましたすべての案件、すなわち条約、協定二十三件、法案二件、請願六十六件、陳情四十六件は、すべて漏れなくこれを議了いたしました。ことに今回の案件中には、日米友好通商航海条約、日比償賠協定等のごとき条約の基本的のもの、あるいは国交回復上重要なるものが多数ありましたが、いずれも無事両院を通過いたしましたことは、まことに邦家のため御同慶にたえない次第であります。ここに、長期間にわたる各位の御労苦に対し、委員長として厚く御礼申し上げます。 委員会は閉会中も存続いたしまして、随時開会、政府当局より国際情勢の変化について聴取し、質疑を行い、外交問題に対する国民監視の実をあげたいと存じます。外務当局においては今後幾多の重要発表があると思われますが、その際はまず外務委員会に発表せられ、国会を通じて全世界に通報宣伝せらるるよう切望いたします。 最後に当委員会の論議を迅速、正確に内外に報道せられました各新聞社の記者各位に対しましてもこの機会において厚く御礼を申し上げます。 それではこれをもつて散会いたします。 午後二時五十二分散会