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16回国会衆議院1953/08/06

海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第11号

発言数
16
登壇者
6
会派数
4
開催日
1953/08/06

会議録

山下春江改進党

○山下委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず、海外同胞引揚げ問題に関しまして、引揚げの促進並びに未帰還者遺家族及び留守家族の援護等に関する諸問題につき民間の陳情を審議しかつその実情を調査して引揚げ同胞対策を考究しております引揚同胞対策審議会について御協議願いたいと存じます。現在総理府に設置されております引揚同胞対策審議会は、この八月末日をもつて消滅することになつておりますが、今日中共地区よりの引揚げ、外地戦犯の赦免及び内地送還の実現、あるいはソ連地区抑留同胞の帰還に対する可能性ある見通しが認められるときに、この審議会が消滅するのは遺憾であり、未帰還者留守家族等援護法により、国はその責任において未帰還者の帰還促進及び調査究明を行うのでありますから、これに対応して、この審議会をさらに存続させる必要があると思うのであります。この趣旨におきまして、委員長において、ただいまお手元に配付してあります引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案の案文を起草いたしたのでありますが、これについて委員各位の御意見を承りたいと存じます。

庄司一郎自由党

○庄司委員 ただいま本委員会に提出に相なりましたるところの引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案に対しましては、自由党を代表して賛成を申し上げます。  すなわち、改正の要点は、第七条中「五年」とあるを「八年」に改める原案は、ただいま委員長の御説明の通り、中共あるいはソ連等から今後数年聞継続して、順次引揚げが完了の緒につくと思うのであります。その過程において、五年という既決の法が廃案になりました場合においては、審議会の機能を発揮するに、はなはだ困る状態に陥りますので、すなわち、これをさしあたり八年に改めることがまことに公正妥当であると考えまして、原案に賛成申し上げます。

山下春江改進党

○山下委員長 ほかに御発言がなければ、この際お諮りいたします。本案を委員会の成案とし、本委員会提出の法案として提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山下春江改進党

○山下委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  なお、提出等の手続については委員長に御一任願いたいと思います。

山下春江改進党

○山下委員長 では、海外同胞引揚に関する件について質疑を許します。臼井委員。

臼井莊一改進党

○臼井委員 次長さんがおいでですから、この機会にちよつとお伺いしたいのですが、第五次の中共引揚がいずれ近く、数日中にも来るはずになつておる。第四次の経験に徴して、できるだけ家族の者が出迎えて、そうして直接すみやかに郷里の方へ家族に引取つていただくことが、御本人のためにも、すべての点で非常によろしいのですが、家族に対して鉄道運賃の割引がないので、また遠方の方面ではなかか費用がかかるというので、躊躇し、府県においても旅費の援助をしているのは二、三県にすぎないように聞いておるのであります。鉄道当局、運輸当局あたりに折衝して、これを何割か割引して、できるだけ家族の人に大勢舞鶴に行つていただくということが非常によろしかろうと思うのであります。これについて、何か折衝した結果がございましようか。その点をお伺いしたいのであります。

田邊繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田邊政府委員 出迎え家族の方の運賃割引の件につきましては、御趣旨の点もございまするので、運輸当局に対してしばば話し合つては砦のでございますが、何分にも鉄道の特別会計という建前もございまして、こちらからその分だけ持ち出しをしないとうまく行かないということもございまして、これは予算を伴うことでございますから、鉄道のサービスとしてやつてくれることを希望しておるわけでございますが、その点、鉄道の立場もございまして、なかか、話がうまく行かないのでございます。これが実情でございます。従いまして、さしあたりは都道府県の援助によつて留守家族が多数舞鶴に行けることを希望いたしまして、機会あるごとに都道府県の方々にはお願いしておるわけでございます。なお、今後も引揚げがある次第でございますから、この点は今後も府県の力にお願いしたいと思つております。東京都も最近各府県にみならいまして、サービス的な意味で援助をいたしておるような状況であります。御了承願いたいと思います。

臼井莊一改進党

○臼井委員 今のお話によると、折衝しているけれども国鉄の方で聞かぬというお話ですが、国鉄は物見遊山には相当割引をしているように聞くのであります。こういう気の毒な方に対して、しかも引揚げの事務を円滑に行う上において便宜を得る方法の一つとしての事柄について、特別会計を建前にしてやるというのは、はなはだふに落ちないのでありまして、それならば常利本位の会社と何ら選ぶところがないのであつて、国鉄の国鉄たるゆえんは、国家に協力する、公共の利益に力点を置くところにその意義があろうと私は思うのであります。大体引揚げがなければそういう出迎えのお客様はないのであつて、引揚げがあるためにそういうお客さんがふえるのである。そういう点において、私は非常にふに落ちないと思う。これは運輸委員会においても、私、適当な機会に質問をいたしますが、援護庁としても、そういう点をひとつ強力に押していただいて、ぜひ何とか目的を達して、できるだけ多数の方が出迎えできるようにおとりはからい願うように希望いたします。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 それに関連して、次長にお尋ねしますが、援護局へ参りましたときに、相当面会を制限しておるのです。ところが、先般横、浜ヘモンテンルパから帰つて参りましたときは、国民的の圧倒的な歓迎を受けておるわけなんですが、少しこの点にはなおしこりがあると思うのです。濠州政府から、このたびのマヌス引揚げに対して何か英雄的な迎え方みたようなものにしないようにという、少しアイロニカルな申入れがあつたということも、その間の事情を裏書きしておるのではないかと思う。それはそれとして、とにもかくにも、この間山下委員長はパル博士の言を引用されましたが、私もその通りに思うのでありまして、ここに戦犯はどうこうと言うのでありませんが、あれだけやはり国民的な歓迎で迎えたわけでありますから、中共から帰つて来られた方に対しても、ソビエトから帰つて来られた方に対しても、同様に迎えなければいかぬ。この問題は舞鶴の埠頭と横浜の埠頭の違いはあります。これは、業務をやられる方からどうということは、なるほど援護局の側の御事情があると思いますけれども、援護局は広いのですから、ことに上つて来るさん橋と援護局に入るところの間には相当距離がありますから、その間に適当な方法を設けるならば、あのさん橋は無制限に全部入れてしかるべきことだ。さん橋から援護局に入るところにおいては、これは当然やはり制限しなければならぬ。税関業務もあれば、いろいろな業務もある。これを無制限にみな通してやつたのでは、援護局の業務にもぐあいが悪い。ただ、さん橋に来るときには、横浜と同じように迎えて、その場合に、さん橋に上つたところで、自分の家族全部に会え、あるいはみなに会える、——そこから援護局にすぐ行くのでなしに、少くともその間において十分、二十分、三十分ぐらいは間をおいて援護局に入るようにすれば、それだけでも多少違う。それを、舞鶴では、家族が来ても入れないで、代表者しか会えない。非常に大きな制限をしている。これは、どつちかと言えば逆だと思う。横浜のように、もう少し自由に、やはりさん橋そのもので、故国の土を踏んだときに肉身とも十分に会える、こういう方法は今からでもとれると思うのですが、この点はどうですか。

田邊繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田邊政府委員 帰還して来た方に対して国民的に歓迎の意を表するということは同感でございます。ただ、やり力につきましては、過去の経験に徴し、留守家族優先ということを考えております。従つて、留任家族の方につきましては、十分に埠頭においてお会できるようにということを眼目にして、いろいろ話をいたしておりますが、収容能力にも限りがありますので、一帰還者家族について一応の限定をしておるような状況でございますが、おいでになりますれば、その場でその方はだめだといつてお断りすることはしないような取扱いをいたしております。なお、一般の方々につきましては、局内に入れるかどうかといういろいろな問題がございますが、局内は非常に混乱いたしますので、場所を別にいたしまして、お迎えできるような場所を広くつくつてあるわけでございまして、多少隔てはございますけれども、そこで歓迎をしていただく、こういう段取りにしてございます。

柳田秀一日本社会党(左)

○柳田委員 そこで、たとえば留守家族並びに親戚もあるわけですが、現に私の親戚も帰つたんだが、ほんとうの限定された、残つているお父さん、お母さん、その兄弟、あるいははその義兄というものは会えないのです。そのさん橋まで迎えに行けない。そういうような制限があるのです。しかし、これは、さん橋のところと援護局とは相当距離があるのだから、あそこのところはそういう制限をつけなくてもいいと思います。援護局に入る分には、また田邊さんの方にお考えがあろうと思います。それに対してどうこう言うのではなく、あの土地は広いのですから、さん橋のところは無制限に入れたらいいと思います。そういうふうにお考えになつた方が私はいいと思いますが、いかがですか。

田邊繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田邊政府委員 局内が広いことは、よく先生御存じの通りでありますが、人も非常に減つておりますし、局とその広い場所との区別がつかない状態でございまして、構内に入つてしまうと自由自在ということでございまして、第一次の帰還者の場合にはあまり制限をしない方針でやつたわけでございますが、たいへんな混乱でございまして、これは報道陣も非常に熱心にお迎えくださつた関係もありまして、手に負えなかつたような状況であります。そこで、ある程度のけじめをつけなければならぬのではないかということで、現在のような取扱いをいたしておるような状況でございます。家族等の方でございますれば、先ほどのお話のようなことのないように、家族の方はさん橋のまぎわで親しぐお迎えできるように、今後も手落ちのないように配慮いたしたいと思います。

山下春江改進党

○山下委員長 受田委員。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 例の華僑があちらに帰るのに、舞鶴を指定されるのはどういうわけですか。各華僑に関しての返還方法は、向うから帰つて来る人の帰国船を利用し合おうという考え方ですが、こういうようなものは今後別に取扱う用意はないか。あるいは、華僑送還について一定の期限を切つて、それに対する打切り方策というようなものを用意して、華僑の人々をちやんと態度をきめてあちらに帰るように、区切りをつけるようにしてやる用意はないか。その点、御答弁いただきたいと思います。

田邊繁雄厚生事務官(引揚援護庁次長)

○田邊政府委員 中国に帰還者を迎えに行く船に華僑が乗つて帰つていただくというのが向うからの希望でございますが、それとは別に日本の国に住んでいる華僑が帰ることになりますと、それだけ日本政府がよけいに金を持たねばならぬということになりますし、それは向うとしても希望しないところであります。りくつから申しますと、向うの船でというりくつも出て来るわけであります。そこで、政府としても、この点は了承いたしまして、帰還船が向うに迎えに行くときに、日本にいる華僑を乗せて行くという建前をとつているわけであります。ただ、その場合に、舞鶴を使うか使わぬかという問題につきましては、いろいろ問題があつたのでありますが、われわれといたしましては、その点慎重に考究いたしたのでありますが、いろいろの事情があります。われわれは、何もわれわれの方から舞鶴を使いなさいということを言つておるわけではないのでありまして、日赤及び日赤の下請をするような華僑総会が華僑送還の業務をやつているわけであります。われわれとしては、彼らの意見を尊重してやつているわけであります。必ずしも舞鶴を使つていただきたいと言つておるわけではありません。できれば舞鶴を使わないで、もつと簡便な、もつと金のかからなくて済むような方法を希望しているわけであります。何分にも、日謙及び華僑総会の方では、やはりいろいろな都合があつて困るので、ああいつた舞鶴のようなまとまつたところでないとうまく行かないということを盛んに言つて参りますので、われわれとしても、その立場を了といたしまして、それならば、こういう点は守つてもらいたい、こういう点はこうしてもらいたいということで、話合いをはつきりいたしまして、第一回の華僑送還の際起つたような混乱は起らないように慎重に配慮いたしまして、円滑にやりたいと考えて、今着々準備を進めている次第であります。

山下春江改進党

○山下委員長 本日はこれにて散会いたします。     午前十一時十六分散会

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