P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
16回国会衆議院1953/07/06

運輸委員会 第9号

発言数
79
登壇者
11
会派数
4
開催日
1953/07/06

会議録

關内正一自由党

○關内委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案、鉄道敷設法等の一部を改正する法律案及び道路運送法の一部を改正する法律案を一括議題とし、まず政府より提案理由の説明を求めます。西村政務次官。

西村英一自由党運輸政務次官

○西村(英)政府委員 ただいまから日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。  日本国有鉄道が公共企業体として発足いたしまして以来おおむね四年をけみしたのであります。この間その設立の趣旨を生かし、能率的な運営をはかつて公共の福祉を増進し得るよう、種種その制度に検討を加えて参つたのでありますが、今回管理制度と会計に関する部分を主といたしまして、日本国有鉄道法に所要の改正を加えますために、この法律案を提出いたすことになつた次第であります。  最初に日本国有鉄道の管理制度に関する改正についてであります。日本国有鉄道については現在その指導統制に任ずる機関といたしまして監理委員会を設けておりますが、その性格が不明確な点がありますので、今回これにかえてその権限をより明確にして、業務運営に関する重要事項の議決機関として経営委員会を設けることといたしたいと存じます。また総裁を内閣が任命するに際しましては、現行法は監理委員会が推薦した者につきこれをなすことになつておりますのを、経営委員会の同意を得るにとどめることと改めました。  次に会計及び財務に関する改正についてでありますが、日本国有鉄道は同法第一条に明示いたします通り、その能率的な運営により、公共の福祉を増進することを目的とするものでありますから、その事業の運営の基盤たる財務活動につきましては、十分にその企業性を発揮し得るようにいたすべきことはもちろんであります。しかしながらまた日本国有鉄道は全額政府出資の公共企業体として、一般民間企業とその本質において性格的に異なるものであり、公共の福祉の見地から、国の特殊の関心と監督に服す必要のあることは申すまでもないことであります。会計及び財務に関する改正の要点といたしましては、日本国有鉄道の予算の形式、予算の繰越し、利益金の処分、現金の取扱い、資金の調達等の諸規定につきまして、企業にふさわしいよう所要の整備を加えますのがその第一であります。次に役員及び職員に関する給与準則について、現行法では予算の中で給与の額として定められたいわゆる給与総額を越えてはならないこととされておるのでありますが一今回特別の給与につきましては若干の弾力性を与えたことであります。第三に日本国有鉄道は一定の条件のもとにおいては、関連事業に投資し得ることを明らかにしたことであります。  以上が改正のおもな点でありますが、これが詳細につきましては内容の説明を申し上げる際に譲りたいと存じます。以上をもちまして提案理由の説明を終りたいと存じますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に鉄道敷設法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由並びにその概要を御説明申し上げます。  御承知のように鉄道敷設法は、日本国有鉄道の敷設すべき予定鉄道線路並びに国有鉄道に線路の敷設を許可する場合に必要な手続等を定めたものでありますが、この法律は大正十一年に制定せられたものでありまして、この法律の別表、すなわち予定鉄道線路につきましては、現在に至るまでほとんど改正せられておらないのであります。  飜つて戦後におけるわが国の産業経済の事情を考えますると、戦前に比べて著しくその趣を異にして参つたのでありますので、この新しい見地から敷設法予定線を再検討してしかるべきであるという各方面からの意見にかんがみまして、これを鉄道建設審議会に諮問いたしましたところ、本年二月十八日、十三の線路を敷設法別表に追加するを適当と認める旨の御答申をいただきましたので、ここに改正法律案として御審議を願うことにいたした次第でございます。  別表に追加する十三線路の内容につきましては、別に詳細に申し上げることといたしますが、この線路を新たに追加することがこの改正案の主体でございます。  次に、このほかに改正いたします事項は、委員の任命等についての事務的な事柄でございまして、その第一は、法第六条第二項第三号中の委員「経済安定本部副長官」を「経済審議庁次長」に改めることでありまして、これは経済審議庁設置に伴い改正せられることに相なつたのでございます。  第二は、法第六条第二項第六号及び第七号の委員に対し、審議会開催の場合は、手当を支給することができるように改めたことでございます。  第三は、法第七条関係でございますが、委員の任期の始期、終期等につきまして、現行法では明確を欠く点がございますので、これを若干改正いたしたいと考えた次第でございます。  以上がこの法律案の概要でございますが、国有鉄道の鉄道網を整備することによつて、産業資源の開発を促進し、もつてわが国の経済自立の達成に貢献いたしたい所存でございますので、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決ありますようお願いする次第でございます。  次に道路運送法の一部を改正する法律案の提出理由について御説明いたします。  道路運送法の実施後、自動車運送の発達著しく、また諸情勢も変化して参りましたので、運輸省といたしましては同法の改正についてかねてから検討しておりましたところ、前国会に議員提出として同法の一部改正案が提出されましたが、解散のため成立に至らなかつたことは御承知の通りであります。よつて今回、同法案の趣旨を全面的に取入れました上、自動車運送事業に対する規定と自動車運送に関する諮問機関について必要な改正をいたしますとともに、諸種の届出制度の廃止等により、行政手続の簡素化をはかるため、本法律案を提出した次第であります。  以下、本法律案による改正の要点について御説明いたします。  第一に、一般自動車運送事業の種類ごとの定義を改正いたしまして、一般乗合旅客自動車運送事業は定路線、定期及び乗合旅客の三要件を、一般路線貨物自動車運送事業は定路線、定期及び積合貨物の三要件を、それぞれ備えるものと定義いたしますことにより、実情に対応させるとともに、両事業の類似行為発生の防止に資する一とにしたことであります。  第二に、自動車運送事業の免許基準の一部を改正いたしますとともに、その適用方について事業の種類及び地方の実情に対応させるようにしたことにあります。  第三に、自動車運送事業の運賃、料金制度を改正いたしまして、自動車運送事業の一部については、確定運賃制度のほかに最高及び最低運賃制度の道をも開くことにより、実情に対応させるようにしたことであります。  第四に、値一路運送審議会を廃止して、行政手続の簡素化をはかりますとともに、適正供給輸送力の策定その他自動車運送に関する基本的方針について陸運局長の諮問に応ずるため、自動車運送協議会を設けることにより、行政の民主化をはかつたことであります。自動車運送協議会は、関係行政庁の職員、学識経験者、自動車運送事業者及び利用者のうちから、関係者の意見を徴して任命される委員九人以内をもつて組織され、さらに特定の場合には臨時委員を置くことになつております。  第五に、自家用乗用車の使用届出制、軽車両運送事業の届出制等を廃止し、行政手続の簡素化をはかつたことであります。  以上によりまして本法律案の提出理由についての御説明を終りますが、道路運送の総合的発達をはかりますためにはぜひとも本法の制定を必要とするものと考えますから、何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決されるようお願いいたします。会より行います。

關内正一自由党

○關内委員長 次に海上運送法の一部を改正する法律案、臨時船質等改善助成利子補給法案及び臨時船舶建造調整法案を一括議題とし、質疑を続けます。  海上運送法の一部を改正する法律案に対し、關谷君より修正案が提出されておりますので、その趣旨説明を求めます。關谷勝利君。

關谷勝利自由党

○關谷委員 海上運送法の一部を改正する法律案に対しまして、修正動議を提出いたします。修正案につきましては、お手元に配付いたしました案文により御承知を願いたいと存じます。これより修正の理由を簡単に御説明申し上げたいと存じます。  まず第一点は、政府原案によりますと、運輸大臣は利用者の利益を阻害している事実があると認めるときに、保険契約を締結するよう命令ができるように規定されておりますが、事人命に関するものでありまして、災害の事実が発生してから命令を出しましても、すでに災害を受けた者に対しましては、何らの役にも立たないのであります。かような不合理を是正いたしますため、旅客の利益を保護するために必要があると認めたときは、未然に命令を出すことができるように修正しようとするものであります。  第二点は、現行法におきましては、総トン数五トン未満の船舶は、法の適用を受けないことになつておりますが、一般の船舶ならばともかく、貴重なる人命を預かる旅客船を放任しておきますことは、危険きわまりないのであります。しかもこれら適用外の旅客船は、燃料油配給時代の昭和二十六年七月当時に、国内全旅客輸送量の約二割に当る二千三百万人の旅客を輸送しておりましたが、現在でははるかにこれを上まわるものと予想されるのであります。なおこれら小型旅客船は、しばしば海難事故を引起しておりますが、この事業者は、資産能力がきわめて薄弱の場合が多く、従いまして少額な賠償金の支払いに甘んじなければならない場合が応々生ずるのであります。以上申し上げました実情にかんがみまして、旅客船に限りまして、総トン数五トン未満のものにつきましても、本法の適用を受けることにいたしまして、旅客の利益の保護について万全を期そうとするものであります。  第三点は、これら小型船舶の安全を確保するため、船舶安全法及び船舶職員法の一部を改めまして、必要最小限度の規制を行おうとするものであります。  何とぞ御賛成を賜わりますようお願いいたします。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 この三案について若干念のためにお尋ねをしておきたいのであります。  ただいま關谷君によつて説明をされました海上運送法の一部改正法案に対する修正案では、旅客船に限つて五トン未満のものに対しても保険契約の締結の命令ができるように措置したい、こういう修正が出て参つたのであります。この修正の目途とするところには、別に私も異議はないのでありますが、今の御説明によりますと、この五トン未満の旅客船の数はかなり多いようであります。従つてこの旅客船が輸送いたしまする旅客の数に至りましても、きわめて多いということは想像にかたくないのであります。しかしながらこの五トン未満の、いわゆる言葉の表現は当らないと思いますが、かりに私はこれを弱小企業者とも名づけてみたい。こういう弱小企業者のいわゆる旅客船の業者に対して強制的な保険契約をさせるという、そのこと事態の目的は、こういう小さな船に関しての遭難とかあるいは事故というものがこれまた多い。それもそうでありましようが、しかしそれだからといつて、強制的にこの保険契約をするということはよろしいのであるが、はたしてこの弱小企業者にそういう力というか、能力というものを常に持つておるかどうか。こういうことによつて、弱小の業者がこの法律の実施によりまして、一方的に、強制的に整理をされて行くという事態も起つて来るのじやないかという懸念が私にはあるわけです。そういう懸念に対して、この修正案は何らの考慮を払つておらないかのごとくに私には感じられるのでありますが、その点はどういうふうな考慮を払われておられますか、その点についての修正提案者の明快なお答えを願いたい。

關谷勝利自由党

○關谷委員 この保険契約をやらしましても、これは一人当りの運賃に計算してみますと、大体最低四十銭から最高一円程度にしかならないのでありまして、その旅客運賃の中からこれだけのものを差引きましても、船主に対して厖大な負担をさすということにはならないのでありまして、これによつて事故などありました際に、十分な賠償もできるということになりますので、そのような圧迫をする、そのためにやむを得ずこれが整理せられる、このような事態は起らない、このように考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 その保険料率は非常に低いから、そういう懸念はないであろうということを言われるようでありますが、私は必ずしもそうは簡単に感じないのであります。なるほど保険料率が低いというのですが、それだけをもつてして私は心配ないとは言えないのでして、低いものでありますけれども数多く扱いまする者にとりましては、なかなかこれは大きい負担になつて来るということだけは言えるのではないかと思う。そういうことで、たとえば——これは私の認識が違つておりますれば訂正いたしますが、地方における河川の中において、いわゆる渡し舟というようなことをやつておる連中というものは、御承知の通り実に弱体の者であります。こういう弱体で、しかも現状においてもまつたく細々としてこれが仕事に携わつており、そしてその収入は辛うじて最低生活をささえておるというような例をも必ずしも少くはない。こう私は、現実は知りませんが想像ができるのであります。そういう方面に対してもこの法律が適用されるということになりますと、なかなか今關谷君のお話のように、簡単に片づけることではなかろうかとも私には感じられるのですが、その点はどうなんですか。

關谷勝利自由党

○關谷委員 川の渡し舟と申しますか、いわゆるはしけで、ろ、かいのみでやつております者はこの適用外になりますので、こういうきわめて距離の近い渡し舟等は除外いたしております。ろ、かいのみをもつて運転いたしますものは対象外になつておりますので、この法律の適用はないのであります。そういうふうなものはあまり危険の度は認められておらないような状態でありますので、省いてあります。なおまたいわゆる渡海船というような小さい五トン未満で輸送いたしております者が一たび事故を起しますと、各方面から損害賠償をとられまして、ほとんど倒産いたしまして、次がやれない、こういう状態になることはあるのでありますが、わずかの負担によつてそういう事態を防止することができるのでありますから、実情は御質問とちよつと逆のような状態になつておるのであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 今のはろ、かいだけの問題ではなくして、ろ、かいのみをもつてしないところの機帆船といいますか、言葉の使い方がしろうとでありますからお許しを願いますが、ろ、かい以外の小船をもつていたしまする輸送業者の中には、かなり零細なものがあると思います。先ほど申し上げますように、この修正案の目的とするところには私は異議はない。しかしそれを強制するために起りまする派生的な若干の事態について、どうも心配があるような気がする。そういう心配の問題に対しましては、また別な道において何らかの措置を講じておく、その親切か何らかの形であつてしかるべきではないか、こういうふうに実は私には考えられる。そこでそういうことの裏づけがないので、実は私は若干の懸念を持つてこの修正案をただいま見たのでありますが、そういうことについて、まつたく私どもが懸念をいたすような事柄はないのだという、明確な修正案提出者のお話が伺えれば、私はまた考えるのであります。その点をもう一ぺん……。

關谷勝利自由党

○關谷委員 これはそのために圧迫をするとか、あるいはこれで整理がせられるような状態は起らないと確信をいたしております。むしろ今まで事故を起しましたために、陸上における不動産その他まで提供させられるというような、非常に苦しい、そのために船を売つてしまつて、どうにもならないという事態が起きております事実の方が多いと思うのであります。そしてこのわずかな負担によつて、そういうことを救済することができ得ますことは、これらの小さい零細な業者の保護にもなる、このように私は確信をいたしております。

原彪改進党

○原彪委員(改) この問題でちよつと關谷君にお尋ねしたいのですが、五トン未満の船に許可制を置いたということについて私ちよつと疑問があるので了。人命の安全性から五トン未満までに許可制をしいたというのですが、実際五トン未満の船ですと、事故の起ざるのはほとんど定員以上乗客を乗せた場合、あるいは悪天候であるのに無理に出た場合、またほとんど船体が腐敗しておつたり、あるいはエンジンに大きな故障があるのに出帆したなどということで事故が起きて、人命に損害を与える場合は非常に少い。無理に五トン以下に許可制をしたという、その点に多少疑問がある。できるならば、これは自由党さんの政策は自由主義でありますから、なるべくこういう許可制をなくしたいというのが自由党の考え方と思うのであります。あまりこういう小さい船までも許可制をやると、ことにはしけ業者、あるいは港湾の輸送業者が非常に苦しい立場に追い込まれる。何でも申請して許可する、手続は煩雑である、これが今までの一般大衆の声なんです。それに五トン未満のような船までも許可制をしたいということについて説明していただきたい。

關谷勝利自由党

○關谷委員 五トン未満の小型船の事故が少いというふうなお話でありますが、瀬戸内海等におきまする事故の大半は、この五トン未満の船であるというふうに私どもは承知しております。

原彪改進党

○原彪委員(改) 私の言う許可制というのは、営業の許可でなく、船体の検査の意味なんですが、統計的にごらんになつても私はやはり定員外を乗せたということと、あるいは天候に支配される場合が統計的に一番多いと思いますが、これは資料を出してもらう必要はありません。  それからもう一つ私お伺いしたいのは、人命の安全性ということについては、自動車あたりは警察がこれに関与している場合が非常に多いのです。自動車の車体検査その他一切を警察が関与しているのですが、外航に出ない。国内のそういう小さい船の輸送の場合に、警察との関連性はどういうことになるか、もちろん警察も国内の輸送ですから、ある程度のつまり水上警察というのがありますが、それがどういう関係を持ちますか。

關谷勝利自由党

○關谷委員 これは取締ることになりますると、水上警察と申しますよりは、今の海上の取締り警察権は、一切海上保安庁にありますから、保安庁が取締る、このように考えております。なお自動車等は、いろいろ警察でやつておるようでありますが、この点は何といいますか、両県にまたがるというふうな場合もたびたびありまするので、瀬戸内海あたりの島々というようなことになつて参りますので、その地方庁でということになると、そこに自然に不便が発生して来るのではないか、このように考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 もう一つ提案者にお伺いしておきたいのですが、この零細な旅客船に対しての保険等を命令するということは、必然的に例外なしに、ろ、かいをもつてせざる五トン未満の旅客船に対しては、いわゆる船舶安全法といいますか、この法律の内容に基いて当然に検査が伴う、こういうことになるのじやないかと私は思うのです。そこでこれがまた私どもの、前段と同様の一つの懸念が沸いて来る。なるほど船舶に対する検査が必要であることは、われわれも異議はないが、しかし今までは検査がなかつた。それが突如としてこの法律の施行によつて検査を受ける、しかもその検査は随時やられるということでありますから、一定の日時も切らないで、役所の都合で臨検などができることでありましよう。そういうことをされるということは、この零細な業者にとつて大きな問題となるのではないかという気がいたします。しかしこういうことをやるならやるように、その検査に基いて悪いところはどしどし直す、あるいは改良させる、あるいは廃棄させるというような問題が起つて来るでしよう。しかしその起つて来た場合にその零細な船主、あるいは業者が、それにこたえるだけの力がある場合は問題はありませんが、不幸にしてそういう力がないような場合にもこれを強制するということは、私が前段心配をいたしましたと同様な事態が起つて来て、零細な船主がこの法律の施行によつて必然的に一方的にやむを得ず淘汰される、整理されるという事態が起つて来そうな気がする、そういうことについてはどういうふうに修正提案者は考えておられるか。私のこの質問が的はずれであれば別でありますが、そうでないとすれば御意見を伺いたい。

關谷勝利自由党

○關谷委員 これはいろいろ船舶の検査等をしていないために、事故の起ることが多い。また定員外を乗せるということ、さらにこれを取締るというような取締りの対象にするので、その点はお説の通りであります。しかしそのために船質の改善をしなければならぬというようなときに困るのではないかというお説のようでありましたが、従来は五トン未満というようなものは船と考えられておりませんので、おそらくこういうふうなものをつくるというので、商工中金とか、中小企業金融公庫というようなもののおそらく対象になつていなかつたと思いますが、将来は商工中金あるいは、中小企業金融公庫でありますか、そういうものの融資の対象になるというふうに考えております。またそうすべきものであると考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 そこなんです。そういうことが起つて来ないとは保証できないと思いますので、心配をするのでありますが、その場合に融資なり、その他の方法もあろうと思いますが、さしあたつて融資の問題が大きく起つて来ると思います。それも一方的な法律によりまして、提案者の説明によれば、そういう問題も考えなければならぬ。個人は思つておりましても、これは關谷君自身の政治的な配慮だけでありまして、關谷君が思つておつても、政府が必ずしも実施してくれるとは限りません。有力な關谷委員でありますから、關谷委員のお言葉は相当有力であろうかと思いますが、なかなかそうは参らぬと思う。そういうことについてもやはり明確な見通しというか、法というか、安心感というものを一方に与えておいて、こうした法律を施行し、かたがた乗客の生命の安全も十分に保護して行く政策を行う、こういつた一貫的、総合的な見地に立つての完全なものをつくるというのが最も望ましいと思うのです。そこで修正提案者にお伺いするのでありますが、さらにそういうことについてももう一つつつ込んだ案文をどこかに入れて、安心感というか、保護政策も兼ね備えた法律に直して行くお気持があるものかどうか、その点をお伺いいたしたい。

關谷勝利自由党

○關谷委員 私はこれは取締りの対象になります限りは、そのようなことは、おそらく行政的になし得られると考えております。もしそれに対しまして法律等が必要であるというのでありましたならば、よく研究をいたしまして、また議員提案として追つて皆様方の御賛同を得たいと私個人は考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 それならばこの法律の体裁上、技術上、いろいろ研究しなければならぬ問題があろうと思いますが、さしあたつて時間のこともありましようし、法文もいじりまわす煩もあるかと思いますが、そういう心配があるのですから、この修正案につけ加えて、関谷さんの方から附帯決議でもつけられまして、そういうことについての配慮もわれわれが十分にした、こういうことの意思表示をされるような用意があるかどうか。このところくらいまではやつて安心させるべきじやないか、こう思うのです。

關谷勝利自由党

○關谷委員 そのようなことが必要であろうかとも考えられまするので、もし皆さん方のそのような御意見が強いようでありましたなら、そのような附帯決議でもいたしてもけつこうだと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 どうぞひとつできるだけその方に向つて御努力願いたいと思うのです。  それからこの点について最後に念のためにお伺いしておくのですが、先ほど提案者の関谷君のお話によりますと、何か五トン未満の小さな船の輸送の関係での保険というものは、一人当り平均すれば四十銭か五十銭、従つて船賃との関係からいいましてもきわめて僅少なものだ、こう言われたのでありますが、私どもはよくわかりません。そういつた僅少な保険料率をかけたことによつて、今度は実際に災難をこうむつた側は、どういう形で保険金というものを給付されて行くものか。それからその保険と、旅客船を業といたしたおります者が、これならば船に対する保険金の給付というものが完全に行われて、人命の安全を確保する意味において保障されるのだ、こういつた観点の関係といいますか、そういつた点はどういうふうになりますか、それも数字的にわれわれが簡単にわかるように説明を願いたい。

關谷勝利自由党

○關谷委員 それは政府当局の方から……。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 この定期航路業者に、乗客に対する保険を締結するようにという命令をいたしました場合に、その定期航路業者は、個々に保険業者と契約を締結いたしますと、非常に高額のものになるわけであります。しかしそういう定期航路業者が相当多数一団となつて保険業者と契約いたしました場合、先ほどお話がありましたような非常に低額のものになるわけでございます。幸いにして現在定期航路業者が約百十社あまり一緒になりまして、大きな保険業者十三社とその旅客についての団体契約を結んでおるのでございます。この金額が、大体保険金額十万円について四十銭くらい、こういうことに相なるわけであります。従つて政府から保険に加入するようにという命令を出しますと、業者は団体に入つて、団体として保険業者と締結する、こういうかつこうになるのであります。そういたしますと今申しましたその業者が、旅客にそういう支障が起つた場合に、十万円を限度として払いたいという場合には、十万円について四十銭の料率を払います。これが大体二種類くらいと考えております。最高二十五万円の品、五十万円の口とありまして、二十五万円の品になりますと、従つて大体一円払うということになります。事故が起りますと、二十五万円の口に入つておりますと保険会社から一人当り二十五万円の金を会社に渡す。会社はその金を乗客に渡す、こういうことになります。その点の交付状況につきましては、これは保険会社から幾らもらつたかということもはつきりしておりますから、従つて最終の乗客といいますか、害を受けた人に幾ら渡るかということもはつきりと観得できるかと思います。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 今の十万円について四十銭というのは平均しての額であるか、あるいは航路の長短といいますか、そういつたもの、あるいは航路の種類、こういつたことについて、たとえば火災保険等のような区域によつて料率も違うというようなことはないのですか、一律に十万円について四十銭という料金なんですか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 今申しましたのは団体として保険会社にかける保険の料率でございます。個々の業者は大体その総収入の二・五%くらい、こういうものを団体に出す。その団体は今言つたような率でかける、こういうことであります。従つて十万円について四十銭というのは平均的に見た金額でございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 それで大体わかつて参りました。そこでもう一つお尋ねをいたすのですが、この小さな業者がそういう団体保険に加入するということになりまして、業者側それ自体が負担をいたすことになるのでありますが、結局は四十銭といいましても、まとまれば業者としては相当の額になる。その額がまとまりながら、みすみす船賃も上げずに業者が自発的にそれをやるということも、実際上はなかなかむずかしくなつて来るのじやないか。そうするとそこに必然的に輸送賃の値上げなどということもからまつて来る。こういうことでありますが、これはやはり輸送賃の値上げというものも若干考慮して、これが実施されたあかつきには運賃の値上げもやむを得ない、こういうように考えられておりますか、それとも運賃の引上げは絶対に許さぬ、こういうことになりますか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 これがために運賃をすぐに引上げるということは考えておりません。しかし将来運賃の引上げという事態が起りました場合は、この保険料も一応考慮に入れるべきではないだろうか。将来運賃を引上げるという事態が起りました場合は、今申しましたように保険の料率を考慮に入れなければならぬ。しかし今申しましたように二五%程度でございますので、運賃を引上げるのは一割とか二割とかいう相当大幅の引上げがあるわけです。その場合二・五%程度ですとごく微弱なものである、さように考えております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 本案に関連して当局にちよつとお伺いしたいのですが、今原君からも御意見が出ておりましたように、小型船舶で事故を起すという場合は、定員以上の乗船ということが一番の原因のように思います。ことに季節的に遊覧船等においては、これがために一時混雑する、こういうことのために事故を起すようになるのでありますが、取締りの衝に当る責任はどこにあるのでありますか。われわれ考えますと、陸上と同じように警察が当るように思うのですが、その点ちよつとお尋ねいたしたい。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 もしこの修正の提案が成立いたしました場合の検査担当官庁は海運局が当る。と申しますのは自動車と違いまして、船の検査というものは非常に複雑なんです。特殊の技術を要する。従つて普通のしろうと常識の検査では十分でないのであります。

臼井莊一改進党

○臼井委員 私の伺うのは、もし定員以上に乗船しているのを現場において取締るお役人はどなたが当るのですか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 海上におきましては、海上保安庁がそういう方の励行を取締ることに相なつております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 海上保安庁が取締るとすると、警察官は取締る権限はないのでございますか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 海上におきましては、現在でも海上保安庁が海事諸法規の励行については取締つておるのであります。しかし湖とか川の船につきましては警察がやつております。

臼井莊一改進党

○臼井委員 そうするとたとえば利根川、印旛沼、潮来あたりでは警察で取締れるのですが、どうも取締りが現場に行つてみると十分に行つていないようで、乗る方は一刻も早く、次の船を待つのはまどろつこしいからというので乗る。乗せる方も一ぺんに乗せると商売上有利になるので、どうしても定員外に乗せることが多い。しかもこれがために事故が起りやすい。これは意見になるからあまり申しませんが、乗せる方は定員の制限を励行することと、もう一つ、乗るお客さんは船は何名が定員かということがしろうとでわからないということがある。エレベーターあたりも、日本人は平気で定員よりよけい乗るけれども、外人は定員を示してれおろせとエレベーター・ボーイに注意をしたということが新聞に出ておりました。船は定員が許可証の中に書いてありますけれども、これは外面から見ただけではわかりませんから、これを外に明示して、だれにでもわかるようにして、警察官がそういう点を厳重に取締れるようにすることがよかろうと思います。保険金をいくらいただいても、死んでしまつたのではどうにもならぬのですから、この点ひとつ御勘考を願いたいと思います。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 現在定員については取締りというものが全然ございませんので、むやみに詰め込めるだけ詰め込んだらいい、こういうことてやつております。従つて五トン未満の船についても、これは同名乗せられるかということを十分検査いたしました上で乗せる。それを適当なところに掲示させる。従つてそういう掲示がありますと、現場でもこれは法律に違反しているのではないかということで取締りができると思います。

松原喜之次日本社会党(左)

○松原委員 関連して——。非常にこまかい問題ですが、保険の問題でちよつとお伺いしたい。十万円について四十銭という保険料率であるというお話でございましたが、まず第一番にこの料率は自由に許してあるものであるかどうか。それから次に、現在百何本社かと十何社の保険会社との間に団体契約ができておるというお話で、その団体契約が四十銭であるというお話でありましたが、私ども考えますのに、もし現在入つておる船主よりもこの法律によつてうんとたくさんの船主が入るとするならば、従つてこの保険料率は引下げる余地があるものというような問題も起つて来るのであります。さらにまたもう一つ第三の問題は、せつかく保険を強制するのであるならば、二十万円が適当であるか、あるいは三十万円が適当であるか、それとも百万円つけなくてはいかぬのであるか。これはもちろん船賃との関係もにらみ合せなければなりませんが、最も適当な線を引くべきではないかと思いますが、これらの点についてお考えを承りたいと思うのであります。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 保険料率につきましては大蔵省の認可を受けるのですが、その前に旅客業者と保険業者の間でいろいろ折衝いたします。そうして、こちらの方から言いますと、できるだけ料率の安いことを望みますし、向うはそれで採算がとられるかどうかというそろばんをはじく。その折衝をして一応きめて、それを大蔵省に認可を求める。大蔵省はそれが妥当であればそのまま認可をする、こういう建前になつております。これが保険締結の命令を出すことによつて加入者がたくさんになりますと、これは保険の方の原則からいいまして、危険分散がたくさんになれば、それだけ料率が下る。従つて今申しておる料率もさらに低下し得るもの、かように考えておるのであります。  それから保険の額でございますが、これも私どもといたしましては、一人死んだ場合に二十五万円というふうなものは少いのじやないか、あるいはこれを五十万円くらい、また百万円くらい払うようにできれば非常にいいのじやないか。しかしそういたしますと、自然定期旅客業者の負担が重くなり、それが利用者の船客の方にかかるというようなことになりまして、一度にそう上げるのは非常に問題を起すであろう。従つて先ほど申しましたように、現在の運賃にあまり影響を及ぼさない、しかも現在の業者が負担上得るというところでこれをきめたわけであります。これがもう少しこの制度が普及し拡充いたしますと、そういう面を考えるといたしましても、保険金額は上るが、先ほど申しましたように多数が入ることによつて、実際の料率は下るということが出て来るわけであります。

松原喜之次日本社会党(左)

○松原委員 関連して——。やはり船の数だけでなしに、金額も同じような考え方ができるわけでありまして、たとえば十万円百人入るよりも二十万円百人入る方が、保険技術上いろいろの点から、保険金の一単位金額に対するコストが安くなり得ると思う。であるからいろいろのことを勘案いたしまして、やはりある程度の金額をきめる方が適当ではないかと感ずるわけであります。いずれにいたしましても、この保険料率に関して運輸省の方で発言権がおありになるものとするならば、それらの点を勘案されて、できるだけ業者の負担が軽くなりまするよう、保険料率制定にあたつては十分なる御用意を希望したいと思うわけであります。

岡本忠雄自由党

○岡本委員 関連して政府委員にちよつとお尋ねいたします。船舶安全法を適用することになるわけでありますが、その検査の方法は命令で別に定めるとありますけれども、現在の検査能力から考えまして、非常に不便だというのでいろいろの声がある。どの程度の検査を考えておられるか、またその能力ありやいなやという点につきまして御説明願います。

甘利昂一運輸技官(船舶局長)

○甘利政府委員 現在御承知のように汽船については四年に一度定期検査をやつておりまして、これは相当やかましい検査をやつております。あと一年ごとに中間検査として簡単な検査をやつておりますが、このたびの五トン未満のものについては、定期検査あるいは中間検査をやめまして、むしろ検査官のひまを見て随時臨検して、その安全度を証明するというようにやりたいと思います。現在でも検査の方は相当手不足でございますので、いろいろ定員の増強などもはかつておりますが、しかしこういう船が定期的に検査をやるということになりますと、非常に忙しいときには、またそういう船がふえることは検査の支障にもなりますが、随時ひまを見て適時やるということであれば、検査官の方でもそう手不足なくやれると思います。また小型船につきましては、一般の検査と違いまして、先ほど来お話がありますように、やはり転覆事件は定員の過剰というのがおもなる原因でございますので、船の復元性を船の建造中いろいろ注意を与えて、あとそれに対する定員を勘定して、よく見える場所に掲示して、一般の注意を引くということであれば、さほど毎年々々検査をしなくても、随時の検査で十分その安全を保ち得るのではないかと考えております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 ただいまの海上運送法の改正案については、私の質問はその程度であります。  次に臨時船質等改善助成利子補給法の問題であります。この間ちよつとお尋ねをしておいたのですが、若干残りがありますので、この際お尋ねしておきたいのであります。と申しますのは、第一に重ねて申し上げますが、この法の実施にあたりまして、先般も申し上げましたように、船員並びに直接、間接その解撤の船に携わつておつた者の整理あるいは失業が懸念される。それに対する問題は組合と船主との間に行われるから、あまり心配はないのではないかと言われるのですが、なかなかその説明だけをもつていたしましては、私ども安心ができかねるのでございます。そこでこの問題については、何とかこの法律の中の直接の法文でなくともよろしいのですが、何らかの形で、私といたしましてはそういつた問題に対する補償を明確にしておく必要があるように思えるのでありますが、そういつたことについて政府側で何か具体的に、言葉の問題でなしに、明確なそういつた補償に関する積極的な意思を打出す具体的な考え方をこの際持たれておるかどうかということをお尋ねいたしたいのであります。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 E型解体に基きまする船員の失業問題につきましては、私どもといたしましては先般お答え申し上げましたように、組合と船主の間の交渉をまつて、その結果解決できない問題が出て参りましたときに、具体的にその問題を取上げて努力いたす、かように考えておる次第でございます。私どもといたしましては、むしろ実際的な解決をはかるのが一番適当ではないか、かように考えておる次第でございます。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 局長は組合々々と、組合を引合いに論議されておりますが、中には組合の未組織といいますか、未加入の者もあるのではないか。そういう未組織もしくは組合への未加入の船員などがおりました場合には、組合のバツク・アツプがどうしても得られない。従つて一方的に今度は船主の方から合理化の名のもとに、強制的な事態に追い込まれて来るということはあり得るのではないか、こういうふうなことも私はあわせてともそれに懸念をしております。そこでこれは何か局長の単なる政治的な言明というのでなしに、私は重大なことでございますので、——この臨時船質の改善については大いに賛成であります。従つてこの問題をとやかく言つておるのではなくて、それから来る派生的の問題をむしろ重視しておるのであります。その問題のついて、何らかこの際積極的なバツク・アツプをやるだけのものを打出して置く必要があるのではないかという考えを持つておるのであります。この点について私は私なりの意見がありますが、さらに当局におきましても慎重にこの問題について研究、考慮をしてもらいたいと思うのです。  そこでその次に伺つておきたいのは、この利子補給について、大体私はこういう業界のことはよくわかりませんが、なるほど二つの船を解撤して一つの新造船をつくる、その新造に要する資金の利子補給をする、ここまでは一歩を退いてよろしいといたしましても、その事柄をめぐつて悪徳の船主がなければ幸いでありますが、そういつた者がかりにあつたといたしますれば、その利子補給だけを受けるために何か書類上の手続をし、実際にはなかなかその事柄を実施しない、そうして融資だけは受け、利子補給だけは受けて、そうしてその間に何らかの形で船主は他の方面にその資金で稼ぎ出して行くというようなことも、私は悪い人間がおればできるじやないかという感じがいたすわけです。そういつた場合に一体どういうふうに政府としては処罰をし、監督をするのか。  それからこの説明書にもあるのですが、銀行との関係においてこういう問題について反則があつた場合には、返還を一時に求める場合もあるというようなことがあるのです。そういう返還を求める場合があるというような、手ぬるいことであつてはならないと私は思うのであります。それは私の感じだけであるがもしれませんが、そういう反則の場合については、むしろもつときつい断固たる処置をするぞという、やはり一本の筋が通つておりませんと、この問題は不測の場合において悪用されるおそれが断じてないわけではなかろうというような感じが私はするのであります。その点についての御見解はどのようなことでございますか、明らかにしてもらいたい。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 お尋ねの趣旨は、E型を解撤するといいながら、実際は解撤しないで、利子補給だけ受けるというような不届きな者が出て来はせぬかということでありますが、この利子補給の支払いを開始いたします場合には、あらかじめその関係の船主から、こういう船を解撤しましたという、現地の海運局長に解撤をした事実を確認させまして、この業者はこういうものを解撤したという、解撤の確認書を海運局長にとらす、それを添えて利子補給の開始を申請する。従つて利子補給を支払う場合には、必ず船が解撤しておる、こういう事実を認めてからやるわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私がこの法案を理解するところによれば、その解撤という問題でなくて、解撤に基いて一歩前進する新造船の問題について行われるところの利子補給である、こういうふうに私は理解しておるのです。そういたしますと、解撤だけでは具体的にこの法律の対象にするにはまだ時期が早いと思われるという感じが私はいたします。そこで私今のような疑問が起り、お尋ねするようなことになつておるのでありますが、解撤をして、さらに新造船への着手があつて、初めて利子補給の法律が活動を開始するというふうに私は理解いたすのですが、今のお話では、何か船を解撤するということになれば、もう利子補給の問題が動き出す、こういうふうに私は受取つて解釈したのですが、その通りなんですか。それともそうでなくて、解撤だけでなくして、新たに造船の計画を立て、それによつて造船の着工が始められた後においてこの法律が活用される、私はこういうふうに解釈したいのですが、その点はどういうふうになりますか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 御説の通りでございまして、新造する船主は船を新造して、E型を解体する、従つてこの利子補給を受ける条件といたしましては、新造するということと古艇を解体するということ、この二つの事実が伴わなければならぬ。ところが解体は船主が新造に着手してから、大体三箇月以内に解体しなければならない。従つて新造の着手が先になりまして、解体があとになるわけであります。そのあとの解体の事実を見届けてから利子補給を払う、従つて不届きな者の発生の余地がないわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 その点わかりました。それでは先ほど私がお尋ねをいたしました後段の問題です。この法律に違反した場合には返還を求める、こういつた問題が起り得るわけです。その問題に対して、ただ返還を求めるだけではどうも手ぬるい、私にはこういう気がいたします。もつと何か厳格な——かりそめにも国の税金でこれをまかなつてやろうという親心をもつてするのですから、その親心にそむくようなことをした場合に、ただ返せばそれでいいのだ、こういうことであつてはならないと思う。もつと厳格な処置があつてしかるべきではないか。そのことによつて、またこういう反則などを発生せしめる余地を少からしめる、こういうことにもなるのではないかと思いますが、その点はいかがですか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 海運会社の方の不届きなものが発生しないような措置は、先ほど言いましたような事項で防ぎ得るわけでございますが、たとえば金融機関は、この古船を解体したものについては、政府から竣工までは二分、その後は五厘の利子を補給される、その金額だけをまけねばならないわけです。ところが金融機関が政府からそれだけの補給を受けておきながら、海運業者から、補給を受けざると同じような利子を徴収するという場合がある。そういう場合には金融機関から取上げるなり、あるいは停止するなりという措置を講ずるわけであります。だから海運業者の不届きなものの出るのを防ぐだけでなしに、金融機関が不当な利得をするというようなことなきにしもあらず、そういう金融機関に対しては、補給したものを取上げることもこれでなし得るわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 当な金融業者、金融機関から取上げるということは当然です。ただ、すでに支給した利子補給金の全部もしくは一部の返還を求めるだけでなしに、何かもつと強いものがあつてよさそうだという感じが私にはいたしますので、その点をお伺いしておるわけですが、いかがでございますか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 実は戦前にもこういう利子補給の制度があり、また戦後におきましても、船だけでなしに、ほかに利子補給の制度がございますが、いずれもそういう金融機関が、ただいま申しましたような不当な行為をした場合には、すでに支給した利子を取上げてしまうという程度にとどまつておりまして、これは政府部内、法制局等においてもいろいろ審議をしたのでございますが、これ以上の罰則を科するのは苛酷であるということで、他の先例にならつてこの程度にとどめたわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 政府がこういうことかあるだろうということを心配するから、こういう一つの条文が生れて来ておるのだと私は思う。そういうことがあり得るだろうということを予想するならば、ただこれだけでなしに、やはりもつと何か厳重な規則がないと、一層こういう事態が起りやすいことになるのじやないか、こういうふうに私は懸念をするので、今繰返しお尋ねをしたわけであります。しかしこのことについて私は問答しようという意思はございません。従来もこの程度であつたし、他の例もこの通りであるのだから、そういう心配をしなくてもよろしいというならば、これは別であります。  そこで私は船質改善の問題はその程度にしますが、臨時船舶建造調整法、この問題について一、二わかりませんところがありますので、この際お尋ねしておきたいと思うのであります。  その第一点は、この法案によりますと、五百総トン未満の内航船は除外してあります。この除外いたしております根拠というものはどこにあるのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。

甘利昂一運輸技官(船舶局長)

○甘利政府委員 本法案の目的は外航船の船腹拡充にありますが、はたしてそれでは外航船とはどういうトン数以上のものをいうのかということが問題になると思いますが、一九四八年に改正になりました海上における人命に関する条約というものが、主として船の安全その他を取締つておる条約であり、それに基いてわが国では安全法その他の省令等が出ておるのでありますが、その条約によりますと、この条約は国際航海に従事する船舶に適用する、われわれも外航船舶とは国際航海に従事する船舶というふうに解釈いたしております。この場合の国際航海とは、日本なら日本と外国の間、あるいは外国相互の間に従事する船舶の航海をもつて国際航海と言つておりますが、その国際航海に従事する船舶として、その条約の適用にあたつては五百総ドン以上のものを対象といたしておりますので、われわれもそういう見地から五百トン以上をもつて普通の外航船舶、こういうふうに解釈いたしております。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 その趣旨は説明書にありますので、私にもわからないわけではないのでありますが、ただ私がお尋ねいたしますのは、政府がこのたびこういつた統制といいますか、許可制をやろうというには大きな目的がある、しかしそれはひとりその見解から申し上げれば、国際航路に使われるところの船の問題だけにとどまらないで、内航船においてもやはりいろいろな問題があろうかと思う。内航船舶についてもやはり非常な過剰を見るようなおそれもあろうし、またその過剰によつていろいろな弊害が起つているに違いないと私は想像いたしておるのであります。従つて内航船舶の建造につきましても、やはり何らかの適切な指導と統制というものが、今日はすでに必要な段階にあるのではないか、こういうふうに考えるのでありまして、その点は政府当局としては一体どのように考えられておるか、外国航路船舶だけが統制を必要としておるので、内航の船舶については建造について何らの統制を必要としない、むしろ自由放任のままにしておいた方が好ましい姿になつて行くのだという見通しでもあれば別ですが、その点はいかがでございますか。

甘利昂一運輸技官(船舶局長)

○甘利政府委員 この法案の目的は、先ほど申し上げましたように、外航船腹に対して非常に大きな財政的補助——非常に困難な市中金融を受けて船の建造をやつておりますので、あるいは損失補償、あるいは利子補給、そういう相当国家的な見地からいろいろな補助を与えておりますので、こういうものに対しては、できるだけこれらの資金を有効に、あるいは国民経済に即応ずるように使いたいという見地から、そのつくられる船について、国民経済が必要とする方向に持つて行くようにやりたい、そういう船をつくりたいという趣旨でできておるのでありますが、今お話の小型船については、なるほどこれも非常に過剰でありますので、そういう過剰船腹を規制するという意味で許可制をしくということであれば、これまた必要かと思いますが、本法の趣旨は、前に述べましたような趣旨でございますので、一応これには触れておらないわけであります。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 私はこの臨時船舶建造調整法案を出されました目標といたしますところの趣旨というものは、よくわかるのてあります。ただ政府かこういうことを考えられますると同時に、あわせて内航船の問題も考えるべき必要があるのじやないかということなんであります。そういう点について別に考えておらないように、私どもには感じられるのであります。内航船の現状というものが、きわめて今日心配すべき現状にあるように私どもは承つておるわけであります。従つてこの内航船舶の建造にあたりましても、何らかの調整の必要がある、こういうふうに私は考えるのでありますが、そういう必要を感じておらないのだろうかという点を、もう一ぺん、くどいようですがあらためてお伺いしたい。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 ただいま船舶局長から御答弁申し上げましたように、この臨時船舶建造調整法は、主として外航船を対象としておる、従つて内航船の需給調整をこの法律に織り込むことは、いささか異種のものを織り込む形になりまするので、政府としてはこの次の機会に、さような考えを持つておつたわけでございます。小型船舶に対する建造需給調整の問題につきましては、私ども非常にその必要性を痛感しておるのでございまして、今回御審議願つておりまする戦標船を解体することもその一つでございますが、これにつきましても、先般御説明申し上げましたように、たといこれで十万重量トン解体いたしましても、なお十五万重量トンあるいは二十万重量トンもの過剰になる。それから機帆船の点を見ますると、一昨年あたり海上の荷動きが、たしか三百四、五十万トンあつたかと思います。それが現在では二百四、五十万トンに減つております。ところが船腹の方は、一昨年と今年と比べまして、約七万総トンほどふえております。一昨年でも実は機帆船の船腹というのは、むしろ過剰ぎみであつたのでございまするが、なおその後においても、毎年三万トンあるいは四万トン増加しているというふうな状況でございます。従いましてもう少し日本の内航の海上輸送状況が安定するまで、一応小型船につきましてもその需給調整をとり得る措置を盛つて行きたい、こういう気持が非常に強いのでございますが、冒頭に申しましたように、この臨時船舶調整法に盛りますには、やや種類の違つたものを織り込むことになるというので、政府としては、一応次の機会までというので見送つた次第でございます。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 関連して二、三質問してみたいと思います。この低能率船の解体によつて外航船をという構想については、私はこれは外航船を増強する意味においても、非常にいい考えのように思うのです。しかしその解撤船の対象になるべき船は、現在低能率で使用していないものか、あるいは現在でも内航に使用しているものか、その対象船舶が明らかでないように思いますので、その対象船舶をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 この対象になります船舶は、戦争中につくりましたE型、その中でもいわゆる石炭をたくレシプロ船でございます。それから焼玉機関——機帆船なんかにつけておりますセミディーゼル、こういうものが非常に能率が悪くて、毎月動かしますと、五十万円からそれ以上の赤字が出るという状況です。こういう船が現在約十九万重量トンございます。それから船齢三十年以上——普通の船は大体二十五年以上を老齢船といつていますが、ことに小型は消耗度が早いのであります。しかしそういう船で船齢三十年以上になりますのが、約十万重量トンございます。合せて三十万重量トン余りそういう船であるわけであります。実際つないでおりますのは、四万重量トン余りございます。あとの船は、これはつなぐにもつなげないという状況です。毎月動かしますと、五十万円の赤字になるのですが、つなぎますとすぐ船員の退職金を払わなければならぬ。退職金に二百万円か三百万円借りるにも借りられない。従つてつなぐこともできないし、動かせば赤字が出るしというので、船主は非常に困つております。従つてこういうものが動きますと、非常に過剰ですから運賃をくずす。運賃をくずすと海運全体が困る。それでなくても非常に困つておる。だから内航船主の救済というだけでなしに、日本海運として非常ながんになつておるというようなところから、提案いたしておりますように、十万重量トン程度はつぶしたいというのでございます。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 そこで問題になるのですが、そうしてその低能率船は運航しておれば赤字になる。また実質上は繋船にひとしいものであるが、しかしこれをこわすということは、船員の大きな失業問題を伴うおそれがあり、しかも解雇に要する諸経費も捻出することができない。そこで先ほど局長は、組合があつてその組合とよく相談をして行けばいいというようなお話もありましたが、しかし私の手元にすでにこのことに関して組合の方から陳情も参つておりまして、組合の方も必ずしもこの低能率船を高能率船に改造して行く、あるいは新造して行くということに対しては反対はない。しかしそのことによつて労働者が経営の赤字を埋めるために、しわ寄せをされて犠牲になるということは困る。それに対する当局の十分なる対策、それが伴わなければならぬ。応つてそれについての当局の態度を一層明確にしていただかないと、組合の方は困るのです。それについて明らかにしてもらいたいという要望があるわけですから、それについての対策は一体どのようにお考えになつておるか、この際明確にしていただきたいと思います。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 川島先生から御質問がありましたときにお答え申し上げましたように、こういう問題は組合と船主の間でいろいろ折衝されておるわけでございます。組合に対しましても、私どもはできるだけ失業者が出ないようにひとつ骨を折りたい。しかし、まず組合と船主の間の折衝の結果を待つて、政府としてどういう方途を講ずるか考えているわけであります。かように言つておる次第でございまして、あらかじめどうするということよりも、具体的な事実を見て、具体的な解決方策を講ずる、これが一番妥当じやないか、かように考えておる次第であります。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 そういう点に関しては、組合と船主との協議というお話でございますが、実際には今説明されましたように、船主側においてもこれらに嘱して組合といくら協議をしても、その能力がなくて解決のできない問題であるから、従つて繋船していても実際には船の解体もようできないし、それで赤字を覚悟して運航させなければならぬという実情にあるわけです。それは局長もよくお認めになつておるわけです。そこで今の説明とは非常に矛盾して来るのです。それは組合の方もそれを知つておるのでありますが、その重要な点で組合と船主の協議にまかされて、そして当局の方でそれに対しての明らかな対策がないといたしますと、これではよしんば法律をつくりましても、これの円満な進捗状況について非常な疑問を持つわけです。そういたしますと、先ほど川島委員が質問をいたしましたように、心ならずも結果におきましては、政府から説明をされておりまするようないわゆる解体の点に至つて行き詰まつて、そうして実際にはその目的を達することができないような実情になりはしないかということを憂えるわけです。さらにこれに対しては私はよほど慎重にされないと、一方的に船主の赤字の解消を望み、なお低能率船から高能率船への移行という目的だけをもつていたしましては、私はこの対策は片手落ちの感じがいたすわけです。またさらにこれによつて経営に対する犠牲のしわがわれわれに寄せて来たのであるということで、組合の中では非常な混乱を生ずる結果になると思いますが、これについてどのように考え、実際にどのような対策を立てて行かれようとするか。これはよほど明確にしておいていただかないと私はいけないと思いますが、いかがなものでしようか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 私としても実際の経過につきましては、先ほども申し上げましたが、海員組合というのは非常に強い組織と力を持つておりまして、すべての問題で船主が非常に弱虫であるというような感を私ども抱いておるのであります。従つて海員組合と船主が交渉することによつて、その辺のことは円満に解決する。先ほど川島先生から、組合に入つてない船があるじやないかとおつしやいましたが、私どもこういうE型船の程度以上の船はすべて組合に入つておる、かように考えておるのであります。従つて今政府がなまじつかこういう方針であるというようなことを申しますと、かえつて問題の解決をこじらすのではないか。船主の中でも大型船の船主は自分のところの船をつぶします場合、これは自分のところの船員でございますから、新造する船に乗らせるということができる。小型船につきましても、海員組合と小型船主といろいろ交渉した結果、その小型船主から船を買い取り、そして新造船の船主がその船員をも引取つて船に乗せる、こういうような解決方法を講じましようし、また小型船の中でも、あとに残つた船員のためには、たとえば今まで持つてなかつたが、タンカーを購入して——タンカーの方が多少採算がよいわけであります。そうして乗組員が実際に失業しないような方法をとる、こういう方法を講じまして、船主自体も海員組合の圧力その他でいろいろの方法を考えておるわけであります。従つてそういう具体的な解決方法によりまして——そこでどうしても解決しない、これは海員組合と船主の間の問題になるというような場合には、私どもが相談にあずかつて行きたいというようにいたしたいと思います。実はこの小型船主がこういう解決方法を講ずることは、私どもはやはり船員に対する一つの救済策である、かように考えておるのです。このまま内航船主がこれを運航いたしますと、船員の給料も払えない。御承知かと思いますが、船員の給料が払えないで、そして海員組合に差押えされる。それで一、二件示談で話がつきましたが、現在話合い中のものもあるわけです。こういうものは海員組合あたりでもほとほと困つておるのです。給料自体が払えない。それでずいぶん金をかけて——こういうものはほつておきますと、今申しましたのは、大手筋に使われておる船主はそうではありませんが、小型船主のものは軒並そういう事態になるであろう。ここで十万トン解体することによつて幾分か緩和されるのでありますが、私どもとしてはこれだけでは十分でない。あと一年間は動いておつても給料がもらえない。それで差押えの事態が起つて、退職金はもとより、元の給料自体も強制手段を講じても取立てることができない船が軒並に出て来るのではないか、こういうふうに考えておる次第です。そういうふうな状態でございますので、むしろ現実的に解決するのが適当な解決策ではないか、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私もそういう点で、実はこの小船主と海上従業員との間におけるいろいろな問題については、ずいぶん地方においても手をやいておる問題で、今局長の言われたように、その解決の衝に当つた者としては非常に困つた問題に実は逢着しているのです。そこで一面から申しますと、こういう低能率船を高能率船にかえて行くことは、いい考えであるとは思いますが、しかし憂うることは、そのように手をやいた問題でありますから、問題が問題でありますために、やはりこれも雇用関係における解決策としては、せつかく政府もこれに手を染めるのでありますから、よほどその人的な解決策については計画を十分に立てておいていただかないと、またまたそこに船がなくなつた、人的問題についての解決は残つて、さらに無用の摩擦を生ずる結果が招来しないかということを憂うるのでありまして、そういう点については十分にひとつお考えおきを願いたいし、できればこの法案の通過前に、それらの点について海員組合の方にも、もちろん満足の行くような政府言明はできないかもしれませんが、しかし何らかの意思表示をしていただく必要があるというふうに痛感をいたすのであります。これについて、そういう御意思があるかないか、もう一応はつきりしておいていただいて、最後に私どもの考え方を場合によつては付したいと思うわけです。いかがでしようか。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 海員組合の問題でございますが、今まで申し上げましたことは、海員組合に対しましても、これに伴う船員の失業問題については、政府も誠意をもつて解決に当りたいということを申し上げておる次第であります。しかし具体的にどういう方法を講ずるかということは、海員組合に対しましてただいま申すことはできないわけですが、なお私どもといたしましては、十分海員組合の幹部の意向を聞きまして、その希望するところにできるだけの努力を払うようにいたしたいと考えます。

原彪改進党

○原彪委員(改) きようは大臣がお見えにならないので、政務次官か海運局長さんにお伺いしたいと思うのですが、臨時船舶建造調整法案、この臨時というのは、この附則にも昭和三十二年三月三十一日限りということになつていますが、そうするとあと四年間にどれだけの計画造船をしようというのか、それを承りたい。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 運輸省といたしましては本年度、昭和二十八年から昭和三十一年度までの四箇年間に、毎年三十万総トンずつ船舶を建造したいという計画を持つておるのでございます。しかしこれは各年度の船舶建造に投資する財政資金の量によりまして、多少の変更があるかと存じます。但しこの臨時船質等改善助成利子補給法、これは本年度に建造する船舶につきまして、一隻に対し二隻のE型船をつぶすという考えであります。従つて来年度以降の建造船につきましては、こういう条件がつかないのであります。これの施行の年限が三十二年というふうになつておりまするのは、大体この新造のために市中から借り入れまする金が、本年度以降五箇年に返されるであろう、その返されるまでの間において、この二隻つぶした船の価格の、せんだつて御説明申し上げましたように、スクラツプを差引いた残存金額が無利子になるように利子を補給してやる、こういう考えでございまして、この臨時船質等改善助成の方策は本年度の新造船限りに適用する、こういうことでございます。

原彪改進党

○原彪委員(改) 今の政府、特に自由党内閣の政府で、自由党の海運政策の基本をいかにこの政策によつて表わすかという問題ですが——政府としては戦前世界に雄飛したわが国の海運、造船を、どのような方向において復帰せしめるかという問題ですが、四年間に百二十万トンの御構想を今承つたのですが、将来に対する大きな構想のいわゆる計画造船の一端を承りたい。

岡田修一運輸事務官(海運局長)

○岡田(修)政府委員 今後四箇年間に百二十万トンをつくりますと、日本の保有船腹は約四百二十万トンくらいになるかと思います。そのうち外航就航船腹が約三百四十万総トンに相なります。戦前日本の保有いたしておりました船腹は、開戦直前で約六百三十万総トンでございました。従いまして四百二十万総トンになりましても、ちようど昭和十二、三年ごろの保有船腹かと存じますが、最高のものに対しまして約七割くらいの回復率になるわけであります。外航船腹が三百四十万トンになりますと、昭和三十二年に輸入を推定される物資のうち、一般貨物につきまして約五〇%、油類につきまして八〇%、日本船で輸送ができ、第三国間におきましても、全体の船腹の一割は就航できるという予想であります。それから日本中心の遠洋定期航路、これは戦前では五〇%以上を占めておりましたが、現在では三〇%前後、昭和三十二年度にはこれを四〇%程度まで回復したい、こういうのでございます。もう一つの目標といたしましては、昭和三十二年度の一般貿易のバランスを推定いたしますと、六億ないし八億の赤になる。戦前におきましては、御承知の通り一般貿易のバランスは海運で見ておつたのでありますが、今日海運はそこまで行つていない。昭和三十二年度にはその六億ないし八億の差額を、海運で約二億八千万ドル程度補填し得るのではないか、六億の場合は約半分、八億の場合には三割五分くらい、その程度の補填ができる、かように考えているのであります。一応そういう目標のもとに今後四箇年間に三十万総トンずつ回復して行くという考えであります。たびたび申し上げますが、欧州各国の船腹は、戦前の保有量以上になつておるわけですが、今日日本とドイツだけが戦前に比べて非常に劣勢である。従つてドイツも日本と国情を同じくいたしますが、現在では毎年五十万総トンずつの増加率を示しておる状況でございます。戦争が起ります前には、海運国として日本の海運は六百万トン程度でございましたが、当時の構想といたしましては、一千万トンくらいは数年のうちに拡充したい、従つて船腹の保有量においても英国に次ぐ実勢を持ちたい、実際の伸びる力は英国海運をしのぐ状況にあつたのです。そこまでしのぐ勢いには参りませんが、少くとも戦前の七割程度の実力を保有するようになつたというのが今の実情であります、

關内正一自由党

○關内委員長 ほかに三案に対する質疑はありませんか。——なければこれにて三案に対する質疑は終了いたしました。  これより三案及び海上運送法の一部を改正する法律案に対する修正案を一括して討論に入ります。討論の通告があります。川島金次君。

川島金次日本社会党(右)

○川島(金)委員 海上運送法の一部を改正する法案に対しまして賛成を申し上げるものでございますが、ただこの際、本法が実施されますと、必然的に船舶職員法、船客の保険、ことに船舶安全法も実施されますので、この安全法が実施されますと、それに伴いまして当然に五トン以下の船舶によりまする旅客定期航路事業者の船舶に対して政府の検査が行われることになるのでありますが、その検査に伴いましては、場合によると、その船舶の大幅な改造を命じなければならぬ事態も起るであろうし、あるいはさらに事態によりましては、その船舶の廃棄を命ずるような事柄も必ずしもなきにしもあらずとわれわれは考えるのであります。しかしながらそういつた場合におきまして、これらの航路事業者においてその経済的な負担にこたえるだけの力がありまする場合には問題外でございますが、なかなかそういう力のある者のみとは限られません。従つてやはり本法の実施に伴いまする、そうした事態に対する政府としての十分な配慮がありませんと、零細船舶航路事業者の上に、不測の事態に追い込むような事柄が起ろうかと思いますることは、われわれ衷心から懸念にたえないのであります。そこで私といたしましては、この本案の賛成に先だちまして、附帯決議をつけたいと考えまするので、この決議に御賛成をできるならばお願い申し上げたいと思います。附帯決議の案文を朗読いたします。   本法の実施に伴い、船舶安全法及び船舶職員法の適用、船客保険の実施等のため、五トン以下船舶による旅客定期航路事業者の負担の増加を免れない。よつて政府は、之等中小業者の保護育成に関し万遺憾なき措置を採られんことを望む。   右決議する。  この附帯決議をつけまして、本員は本案に賛成を申し上げるものであります。

關内正一自由党

○關内委員長 山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党(左)

○山口(丈)委員 私は社会党両派を代表いたしまして、ただいま議題となりました臨時船質等改善助成利子補給法案、また臨時船舶建造調整法案の一案について賛成の意を表します。但し臨時船質等改善助成利子補給法案につきましては、この解撤船を解撤することによつて生じまする海員諸君と経営者との間におきまする諸問題の解決について、非常に憂えられる部面があるのでありまして、この問題に対する円満な解決と適切なる措置を、政府並びに経営者に対して要望いたしたいと思うのでございます。しかしその要望は希望意見としてこの法案通過に際して付するというふうにいたしたいと思いますので、私はその希望として、解撤船解撤にあたつては、政府、経営者において、関係船員の犠牲を伴わぬよう適切な措置を講ずること、以上の希望条件を付しまして、賛成の意を表したいと思います。

關内正一自由党

○關内委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより三案について採決いたします。まず海上運送法の一部を改正する法律案について採決いたします。まず關谷君提出の修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

關内正一自由党

○關内委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。従つて政府原案は本修正案の通り修正議決すべきものと決しました。  先ほど川島君より、海上運送法の一部改正案について、附帯決議を付すべしとの動議が提出されましたので、川島君の動議のごとく附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

關内正一自由党

○關内委員長 起立総員。よつて附帯決議を付するに決しました。  次に、臨時船質等改善助成利子補給法案及び臨時船舶建造調整法案を一括採決いたします。右二案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

關内正一自由党

○關内委員長 起立総員。よつて右二案は原案の通り可決すべきものと決しました。  ただいままで議決しました三案に対する委員会報告書については、委員長に一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

關内正一自由党

○關内委員長 なければさよう決します。  政府から答弁がありますので、これを許します。西村政務次官。

西村英一自由党運輸政務次官

○西村(英)政府委員 臨時船質等改善助成利子補給法案につきまして、E型船舶を解撤いたしますことについて、川島並びに山口委員から、熱心に失業船員のことについていろいろお話がありましたが、さいぜんも御希望事項を付せられたようでありまするが、われわれといたしましても、いろいろあつせんの労をとりまして、船員の失業のないように努めたいと思つております。さようにひとつお含み置きを願いたいと思います。

關内正一自由党

○關内委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十七分散会      ————◇—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗