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15回国会参議院1952/12/11

労働委員会 第6号

発言数
29
登壇者
5
会派数
3
開催日
1952/12/11

会議録

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 只今より労働委員会を開会いします。本日は請願陳情の審査と、公共企業体等中央調停委員会に関する実情の調査をいたす予定であります。公共企業体等中央調停委員会に関する実情の調査と申しますのは、過日中央調停委員長から本委員会宛申入れがありまして、電々公社職員の給与に関する調停の進行中、調停委員会と無関係に補正予算の決定があつたため調停の意味がなくなつてしまつた。こういうことは調停委員会の権威を軽視するものであるから善処してほしいということでありました。これについては前の委員会でその取扱方を委員長に一任されておりますので、本日公共企業体等中央調停委員の石井さんに参考人として来て頂くことになつております。石井参考人は十一時半に出席される予定でありますので、その前に請願陳情の審査をいたしたいと存じます。今までに本委員会に付託されております請願は十件、陳情は七件でありまして、件名はお手許に配付してある一覧表を御覧願いたいと存じます。先ず一覧表の順序に従つて専門員から内容の説明をいたします。ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 速記を始めて下さい。  本請願の取扱いについてお諮りいたします。請願百四十三、同二百四十八、同四百八十二、同五百八十五、同六百七十二号の請願を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 異議ないものと認めて、以上の請願は院議を経て内閣に送付することを要するものと決定いたします。  次に衛生管理者免許下付の件に関する請願、請願四十号、同四百九号、同四百六十五号、同六百六十五号を議題に供します。速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 速記を始めて下さい。  それでは以上の請願は次回になおし審議することにいたしまして、今回は保留いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 御異議ないものと認めます。   ━━━━━━━━━━━━━

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 本委員会の冒頭にお話を申上げました、公共企業体等中央調停委員会からの申出に基く給与の調査に関してでございますが、お手許に、「公共企業体等職員の給与に関する調停事案の取扱について」という書類を配付してございますが、本日お忙しいところ、公共企業体等中央調停委員会委員、東京大学教授石井参考人に来て頂いておりますので、先ず石井参考人から本件に関する御説明を伺いたいと思います。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) それでは簡単に事実を申上げまして、それから又私どもの出しました希望事項につきまして説明を申上げます。  御存じのように電々公社から我々の調停委員会に調停の申請が九月八日付であつたわけであります。この事件は実は本年の一月以降ベース・アツプの問題がありまして、これはまだ公社になつておりませんから、団体交渉というよりは、正確に申しますと陳情という形であつたかも知れませんが、その続きの運動として交渉をせられておりましたものが、九月八日に正式に調停委員会に調停申請になつたわけであります。その前に八月一日に公社発足以来、公社との間には団体交渉が続けられていたわけであります。ところが御存じのように今度の法律改正で調停委員会の発足が遅れまして、我々任命されましたのが十月十七日というわけでありまして、大体調停申請後二ヵ月以内に調停をしませんと仲裁に行くということで、我々も急いで調停案の作成にかかつたわけであります。そしてともかくも期日いつぱい、即ち十一月八日に調停案を発表いたしたわけであります。ところが丁度その頃政府におきましては、補正予算の決定の準備がなされていたわけでありまして、十一月の七日には大蔵大臣から閣議にそれが原案として提出され、丁度調停案が発表されました八日の日に、公務員その他の給与二○%引上げというようなことが内定したと伝えられたわけであります。そうして十一日には給与改善問題について大蔵省の原案が大体了解を得たというようなことであり、十四日にはその最終決定に至つたわけであります。  簡単に申上げて、それが事実でございますが、私どもの申入れ、中央調停委員会全員一致申入れをいたしたのでありますが、その第一点は、我々が調停をいたしております途中において、政府が補正予算をおきめになりまして、調停進行中であるということについて必ずしも十分の御配慮がなくてなされたということは、この関係の処理に非常に齟齬を来したと考えますので、今後そのようなことにつきましては、十分御配慮を頂きたいというのが希望であります。勿論政府の予算でありますから、たとえ電々公社の調停が進行中でありましても、電々公社の予算だけを取除いて留保して置くというわけに行かないことは我々もよく承知しておりますし、又調停案の内容に対して、政府がどのような態度をおとりになろうと、これ又独自におきめになれることと思うのでありまして、それらの問題につきましては何ら異議を挟む意思はございません。ただ併しながら、とにかく法律上の制度として調停委員会が設けられまして、折角調停が進行中でありまして、調停案発表後一週間か十日の期待を経るならば、公社及び職員組合のほうから正式に諾否の決定があるだろうという、その時を控えまして、補正予算はこれであるというふうに、調停の進行という点を考慮されないで発表せられますと、公社といたしましては結局正式に受諾することに困難を来すという事情があるわけであります。事実かどうか存じませんが、新聞発表を見ますと、専売につきましては仲裁が出れば考慮するというようなことが伝えられておりますが、我々調停委員会につきまして、調停が出て公社或いは職員のほうが、それについてどういう態度をとつたか、補正予算についても又若干考えるかも知れないというような含みというものが残されていない形において、補正予算の発表がされましたわけでありまして、そういうふうでありますと、結局この調停案につきましては、いろいろ不満もあつたかと思いますが、組合側が無条件に受諾をいたしまして、公社といたしましても調停案の趣旨及び内容につきましては妥当であると認めて、なるべくこれは採用したいという希望でありましても、何といいましても政府機関でありますので、政府が補正予算を非常にあのような形で発表されました結果、受諾するわけにもいかんというような事態に立至つたわけでありまして、その点今回の紛争の調整というものを担当しておりますものの一人としまして、もう少しこの法律上の制度を十分活かすようにお考え頂きたいということであります。結局、折角調停という制度が設けられております以上、その制度を活かして行くことが政府としても正しい方法ではないかということであります。なおこの点につきましては、仲裁でありますと最後のものであるから尊重する、まあ調停はその前段階であるからというような気分に、誤つた考え方があるのではないかと思いますので、この席を借りまして、ちよつと意見を申述べさせて頂きたいと思います。  私が申上げるまでもなく、労働関係は本来は労使が自主的に解決されることが理想なんでありまして、それができませんときに、止むを得ず調停に来るというわけでありますが、御存じのように調停案を出しましても、結局は労使が自主的にこれを呑むか、呑まないかということをおきめになるわけでありまして、その意味におきましてはやはり自主的な解決になる。そういう意味におきまして、調停という制度或いは斡旋という制度が労使関係に重要な役割を営んでおるわけであります。ところが仲裁となりますと、労使が好むと好まないとにかかわらず、一方的にきまつたものに拘束されるというのであります。労働関係の本来の姿としては理想ではないということは申上げるまでもないと思うのであります。然るに何らか一部におましては仲裁なら仕方がないけれども、調停ならまだ考えないでもないといつたような考えがあるとすれば、それは誠に遺憾なことでありまして、折角公共企業体労働関係法におきまして、公社に対し職員の団体が賃金その他について団体交渉権を認められまして、労働協約までも結べるということになつております以上は、その関係に関する限り、その問題は労働関係として扱われておると私は考えるわけであります。そうだとすれば、やはり労働関係の本来の姿としての自主的な解決が理想であり、それが不可能な場合には、次善の策として調停ということが十分尊重せられるべきでありまして、止むを得ない場合に仲裁という制度が動いて行くというようなことを、はつきりさせて頂きたいものと考えておるわけであります。そういう意味におきまして、調停制度及び……もつと根本的に申しますと、公社及び職員が自主的に団体交渉をして問題を解決するという方向に法律を活かし、運用するように政府に希望を申入れたわけであります。  第二の点は、従来調停委員会から再三申入れを申上げておる点であつたと思いますが、公共企業体の企業体としての独立性をもう少しずつきりさして頂きたいということであります。電々公社におきましては、或る程度その点が独立性を得ておりますけれども、単に電々公社の問題ではなく、国鉄、専売等すべての公社につきまして、もう少し自主的な経営ができるように、企業の独立性ができるように法律改正をするなり、法律改正をしないまでも、少くともこれを運用する政府の心がまえにおいて、そういうものを希望するわけであります。そういう形において公社の独立性を発揮しませんと、結局公社自身の経営の合理化もできないわけでありますし、労働関係の近代化も望むべくもない。そういう関係におきまして、第二の点を申入れたわけであります。  以上簡単でありますが……。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 有難うございました。  御質疑ございませんか。

安井謙自由党

○安井謙君 ちよつと伺います。今の調停案をお出しになる前に、その期限とか予算編成の時期というようなものについて、委員会として御折衝なすつておるわけですか。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) その点は従来でありますと、大体補正予算その他が組まれます前に、調停を十分に進める時期的余裕があつたわけです。今度は法律が改正になりまして、委員がきまらないというような形がありまして遅れたわけですね。併しながら我々十月十七日に任命されますと、直ちに九月八日に調停を受理したことにいたしまして、早速かかつたわけです。同時に関係方面には調停が開始中であるということは申入れをいたしたのであります。その意味において関係方面は御存じであつたはずだというふうに我々は考えております。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 先生、ちよつと伺いますが、今の御意見を伺つておりますと、結局において政府は公共企業体等労働関係法に定められた調停というものの、何と申しますか、法的な効力というものを、効力というよりも、むしろ法的な意義というものを全然考慮におかずに、今度の予算が組まれておるというふうな御説明でありましたが、そうすると、事実上政府はこの電々公社に対して組合との団体交渉の能力を奪つたと同じことになる、こういうふうに考えられると思うのですが、その点如何でしようか。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) その点、考え方の問題でございますけれども、先ほども申上げましたように、政府としては予算を統一的に組まなければなりませんし、組まなければならない事情もおありになると思います。これをお組みになつて一方的にお出しになる、これは当然だと思うのです。ただその場合に調停が進んでいる以上は、これは組む。併しながらお前のほうで調停も進んでおる途中であるから、一応のもので、なお調停の結果を見て考慮するのだというような、少くとも含みと同情を以てこの制度を運用して頂きたいというのが希望でありまして極端に政府が法律無視をしたというところまでは申上げているわけでもございません。

野田卯一自由党

○野田卯一君 今の石井さんのお話ですが、時間的な問題ではなしに、もう少し質的な問題だと思うのです。たまたまこのときには調停委員会で以ていろいろな調停を扱つておられるというお話があつた。併し国家の予算の編成は万般のものをとりまとめて、そうして閣議を経て左右を見ながらきめるのですから、それだけのために作らせるということは殆んど不可能だと思う。問題は予算を組んで、時間的な、これがもう少し早い場合もあり、もつと遅い場合、いろいろございましようから、問題は団体交渉をやつてきめたことが、今度予算に縛られてちつともできないというのでは、団体交渉を認められた意義がないのじやないか。団体交渉してきめた場合に、それが或る程度できるように、予算上ゆとりをとるとか、弾力性を持たしてもらわなければならんという主張じやないかと思うのですが……。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) 実質的には第二の点を申上げたわけです。

野田卯一自由党

○野田卯一君 だから時期的にこういうことを考えなかつたと言われても、予算編成当局にとつては無理じやないか。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) その点は時期的にという意味だけではございませんで、時期的には止むを得ないと思うのです。実際のところ。ただ併し調停が進んでおりますから、先ほども申上げたように調停委員会にもその点の連絡頂きたいと思いますし、そのあとも又、これ以上はいろいろ意見になりますから申上げませんけれども、労使が、組合のほうは呑んだわけですけれども、公社のほうが呑むか呑まないか考慮中に、そこにもつとゆとりがあるような形を考えて頂きたい。根本は第二の点で公社が独立にやれるような態勢がとれることが理想だと思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 やはり先生は先生の立場から相当含みを残して御説明を下すつているようですが、結局時期的に考えても質的に考えても、予算の枠がはつきりときめられてしまつて、而もそれが調停の進行中にはつきりときめられれば、電々当局としては明らかにその枠を越えてはもう団体交渉はできない。而もその枠内で団体交渉をしなければならない。而もその枠内というものが、どう考えても、その団体交渉として妥結し得る余地がないというふうに考えられるというような場合に、ゆとりを、いわゆる先生の言葉でいえばゆとりをと言いますか、含みを持たずにきめるということは、どうも団体交渉の当事者としての能力を私は奪われておるというふうに考えるのですけれども、そういう考えは余り極端に過ぎるでしようか。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) 結局はそうだと思います。現に公社の同等は法律的に見ますと、受諾したのかしないのかわからないような回答をせざるを得ないわけです。調停案の趣旨は妥当である。これは実現したいと思う。併し今現在の状態ではどうもむずかしいという形で、非常につかず離れない回答になります。結局それならば、調停拒否かというと、そうでない。何とか採用したい。そこで現在実を申しますと、調停はまだ私どものところに引掛つておるという形になつておりまして、公社及び職員ともに仲裁には持つて行かない。何とか問題を自主的に片附けたいという気分で、あらゆる努力を続けておられるものと思つております。そういう努力をなします場合に、今のお話のような形で実質的な団体交渉能力を持たないという形になつて来るのです。これはただ今度の問題ばかりではなくて、法律の制度も悪いという点もございますが、併し多少法律が悪くても、運用の面において自主性を生かそうという気持で運用するのと、そうでないのとでは大変違つて来るのではないかということは申上げられると思います。

片岡文重日本社会党(第二控室・右)

○片岡文重君 中央調停委員会の委員としてのお答えは或いはできないとおつしやられるかも存じませんが、同じようなことが仲裁裁定等についても言われると思うのですが、先ほどの先生の御説明にも、仲裁裁定は最後的に労使双方を拘束するものである。従つてこれは労使の紛争を解決する手段としては最悪のものであるというふうに御説明があつたように伺いましたが、その最後的な手段として残された仲裁に対しても、なお且つ今の電々公社の調停と同じようなことが結論としていえると思うし、特にこの場合、国鉄仲裁の場合には現に仲裁裁定が出されておつて、その後に予算が編成されておるのですが、それに対して裁定には何ら考慮が払われておらなかつたように思うのですけれども、こういう場合に先生としてどういうふうにお考えになるのでしようか。

石井照久東京大学教授

○参考人(石井照久君) その点は仲裁の方式が最悪であるとは申上げませんでしたのですが、止むを得ざる最後の処置であると申上げた点はあります。併しいずれにしましても、仲裁はできますと、丁度協約と同じように、当事者を拘束するわけでありますから、やはりこの制度、私は調定委員として調停のことを申上げましたが、仲裁も全く同じであります。要するに労働関係を解決するための制度として、調停及び仲裁制度が設けられている以上、成るべくこれを生かして行くということが精神でなければならないという点は全く同じに思います。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) ほかに御質疑がなければ、ちよつと速記をとめて下さい。    午後零時九分速記中止    —————・—————    午後零時二十三分速記開始

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) それでは速記を始めて。  以上の件につきましては委員長名を以て左記の申入れをいたしたいと存じます。案文を読み上げますが、   政府は公共企業体労働関係法の規定に基き設置された紛争処理機関の機能を尊重して予算案の決定にあたつては慎重を期するよう要望する。こういう委員長名の申入れをいたすことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 御異議ないものと認めます。   ━━━━━━━━━━━━━

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) それでは請願に返りまして、日雇労務者の失業対策の件に関する請願その他を審議いたします。専門員から内容の説明をいたします。ちよつと速記をとめて。    午後零時二十四分速記中止    —————・—————    午後零時四十八分速記開始

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) それでは速記を始めて、本請願及び陳情の取扱いについてお諮りをいたします。  請願第七百四十九号を採択することにいたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 次に陳情百五十号を採択するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) それでは以上の請願及び陳情は院議を経て内閣に送付するを要するものと決定いたしました。  次に陳情八十一号、同九十九号、同百三十九号、同百五十二号、同百八十五号、同二百二号を議題に供します。速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 速記を始めて下さい。陳情の取扱いについてお諮りをいたします。  以上の陳情を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 異議ないものと認め、以上の陳情は院議を経て内閣に送付することを要するものと決定をいたします。  以上を以て本日の労働委員会は散会いたします。    午後零時五十分散会

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