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15回国会参議院1952/12/16

労働・大蔵連合委員会 第1号

発言数
79
登壇者
6
会派数
2
開催日
1952/12/16

会議録

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 只今から労働、大蔵連合委員会を開会いたします。先例に従いまして私が連合委員会の委員長としての職務を勤めさして頂きますがよろしくお願いをいたします。  それでは労働金庫法案を議題といたします。先ず発議者を代表いたしまして重盛壽治君に提案理由の説明をお願いいたします。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 只今議題になりました労働金庫法案の提案理由を御説明いたします。  我が国におけるいわゆる労働金庫は、昭和二十五年に岡山県において岡山県勤労者信用協同組合として設立されて以来、各地においてこれにならうもの多く、今日では北海道、東京、神奈川、大阪、兵庫等すでに二十三の都道府県においてその設立をみております。  これらの労働金庫は、労働組合、消費生活協同組合等労働者の団体を主たる構成員とする協同組織の形態をとり、その事業は、一方においてそれら労働者を中心に組織する団体の資金及びその団体の構成員たる労働者の手持金を広範に吸収し、他方において、その資金をこれらの団体の行う労働者のための福利共済活動の資金として貸出すとともに、各労働者に対しその生活資金として融資しているのであります。これは労働者が自主的組織により、その遊休資金を集めて、従来の金融体系において全く等閑に付されていた労働者の生活資金金融の遂に活用するものでありまして、社会的にも大きな意義を有するものであります。  然るに労働金庫は、これまでそのための独自の法制がなかつたため、中小企業等協同組合法に基いてその信用協同組合として設立運営されてきたのであります。併しながら、中小企業等協同組合法の規定するところは、本来の労働金庫とは、目的、構成組織、金融の性格等すべて異なり、そのため事業の運営にも幾多の不便を感じてきたのでありまして、労働金庫が今日の段階まできました以上、労働金庫の健全な発達を図るためには、その本来の性格に則した独自の法律を制定し、以てその基礎を明確にするとともに監督の適正を期することが是非とも必要であると考えまして、ここに本法案を提案いたした次第であります。  次に本法案の規定の建前の主要点を御説明いたします。  先ず第一に、本法案では、労働金庫の構成及び運営の主体を労働者をもつて組織する団体におき、個々の労働者は、会員となる資格は持ちますが、会員としての議決権の行使、役員の選任等金庫の運営については、団体加入の会員にその主導権を譲るように規定いたしております。労働金庫が労働組合運動の一環として行われている経緯及び労働金庫の預貯金の吸収、貸付金回収の確保等から考えまして、労働者を団体として把握することが労働金庫業務運営を円滑ならしめるゆえんであり、団体構成を貫くことが好ましいのでありますが、未組織の労働者が相当に多く存在する現状におきましては、これらの労働者に団体を持たないが故に金融の途を閉ざすことは妥当ではありません。そこで、業務運営上の発言力において団体会員との差異を設けた上、個々の労働者についても会員となり得る途をひらくことによつて労働金庫の理念を現実に即するようにいたしたのであります。  第二に、本法案では労働金庫の組織運営については、金融機関たる性格に反しない限り協同組織の原則を固くとつているのでありまして、この建前より預貯金の受入、資金の貸付等の労働金庫の業務も専ら会員たる団体とこれに加入する労働者及び会員たる労働者、これらの親族のみを対象としております。これは労働金庫が会員たる団体を構成する労働者及び個人会員たる労働者の相互扶助の組織である以上当然のことであり、又それによつて始めて労働金庫の民主的な健全な運営が期されるからであります。  第三に、本法案は労働金庫が多数の労働者の零細な預金やその他労働者の福祉のための貴重な資金を預かる金融機関でありますので、その安全確実な運営を確保するため必要な規定を設けるとともに、そのためには行政官庁の監督についても極力その適正を図つております。  なお、この法律を施行する行政官庁といたしましては大蔵大臣及び労働大臣といたしてありますが、これは、労働金庫が広く労働者の福祉の増進と労働組合の運営とに密接な関連を有するものでありますので、労働行政上の必要から、これを労働大臣に所管せしめるとともに、労働金庫は、一種の金融機関でありますので金融行政上の面からは大蔵大臣の共管といたした次第であります。  以上、本法案の要旨を御説明いたしたのでありますが、それによつて明らかなごとく、その内容は労働金庫の本来の特殊性に即応し、その健全な発達を期するため必要欠くべからざるものでありますから、何とぞ御審議の上すみやかに可決されるようお願いする次第であります。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 引続き本法案の内容等についての説明を聴取いたしたいと思いますが、御存じのように、本法案はすでに第十三回国会におきまして参議院発議として提出され、本院において可決された後、衆議院に送付され継続審査にまで進み、たまたま衆議院の解散によりまして廃案となりました労働金庫法案を骨子としており、その際趣旨説明は詳細に亘つて聴取いたしておりますから、今回は特に内容の説明は省略することといたし、ただ前回の法案との相違点につきまして法制局の今枝部長から説明を聴取することにいたします。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) それでは前回の法案との相違点につきまして簡単に御説明申上げます。  この相違点は主たるものは三点でございまして、第一点は純然たる個人も会員になり得るということにいたしましたことが第一点であります。それから第二点は、この金庫に預金をしたり積金をしたりし得る者の範囲を多少拡大した点が二点であります。それから最後に、出資の最低額の規定の仕方を(「条文に即して言つて下さい」という者あり)した点でございます。  第一点の個人が会員になれることを規定いたしましたのは、第八頁の第十一条でございまして、その第十一条の二項でございます。二項において個人も会員になれることを規定いたしまして、それから但しその会員は、第十頁の第十三条の第一項但書におきまして、議決権を持ち得ないということを規定いたしております。それから第二十八ページの第四十一条におきまして、役員の解任を請求し得る会員の権利の中から個人会員を除きまして、個人会員にはこの権利を持たせない、こういうことにいたしております。それから第三十一ページ、第四十五条におきまして、同様の趣旨で参事の解任請求権を持つ会員の中から、個人の会員を除くことにいたしております。それから第三十二ページの四十七条、第四十八条の関係におきまして、個人会員を除いて、個人会員は総会の召集請求権がないことにいたしております。これによりまして、この金庫の運営に関します基本的なことは個人会員はなし得ない、こういうことにいたしております。それから第二点に申しました預貯金をなし得る者の範囲でございますが、これは第三十九ページ、第五十八条第二項第五号におきまして、会員たる団体を構成しておる者及び個人である会員の親族が金庫に対して預金をし又は定期積金をし得る、こういうことにいたしております。これが第二点であります。それから最後に申上げました点は、第六ページ第七条第一項の第一号でございます。これは先回の案におきましては、第一項が東京都、北海道、大阪府、神奈川県、愛知県、兵庫県又は福岡県の全区域を地区とする労働金庫にあつては七百万円、こういう規定の仕方をしておりましたのを、ここにありますような案に改めております。これが第三点の違つておる点でございます。その他多少整理の悪かつたような点をいじつておりますが、これは内容の上からは重要な点でございませんので、省略さして頂きます。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) それではこれより質疑に入りたいと存じますが、この際ちよつとお諮りいたしますが、本法案はすでに十分御承知のことと存じますが、労働委員の殆んどすべてが発議者となつておりますので、本日の連合委員会におきましては本法案に対する質疑は大蔵委員の方々だけに限り発言を許可いたし、労働委員からの質疑等はいずれ連合委員会散会後の労働委員会におきまして行なつて頂きたいと存じます。それでは御質疑をお願いいたします。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 八ページの第十一条の第四号ですが、具体的にはどういう団体を予想しておられるかお尋ねしたいと思います。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これは共済会とか互助会とかいつたような種類のもので、会員の相互間においてお互いの福利を増進しようというようなことを内容とした事業をしている団体を予想しておるものでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは特別に法人格を持たなくてもいいわけですね。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 必ずしも法人格を持つことは要求しないのでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 次は第二十二条の第二項ですが、労働金庫は五十人以上の会員、こういう規定をおかれた。大体どういう目安でこういうようなことをおかれたのかどうか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これは実際の実情と、それから金庫の基礎を強固にするという両方の見地から適当なところを見ておるわけでございますが、現在すでにできておりますところの金庫の実情が、大体団体数の一番少いものが七十くらいである。こういうことでございますのでそれより多少ゆとりをとつて、団体の会員は五十人以上、こういうことにいたしております。それから間接構成員の二万人以上と申しますのは、組織労働者の現在一番少い状態のところが県単位にしまして大体三万人くらいということでございます。それからそれに多少ゆとりをつけまして二万人ぐらいといたしますと、大体個人当りに出資の額がどれくらいに当るかと申しますと、大体一人百円ぐらいになるということになりますので、そういつた点から見ましてこの辺が適当ではないか、こういう趣旨でこの規定をおいております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 四十一条の二項ですが、この解釈をしてもらいたいのですがね。「理事の全員又は監事の全員について、同時にしなければならない。」一人々々はやれないというのですか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これは一人一人選り食いをしないで、全部についてという趣旨でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それは理事及び監事は連帯するという趣旨ですか。理事については多少わかるような気もしますが、監事についてもやはり連帯という意味を含ませるのですか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) お話のように本来連帯でやるべきものだということが基礎になつておる趣旨でございます。それからなお個人々々の何といいますか好悪によつて人の選り食いがあるようになつては、却つて徒らな内紛を生ずるような原因になるというようなことも考えられると思います。こういう趣旨からいたしましてやはり全員についてそれをするのが適当であろう、こういう趣旨でございます。なお他の類似の機関に関する規定につきましても同様な規定をいたしておるのでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 他の類似の規定というのは……、例えば信用金庫はこうなつておりますかね。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) ここに持つておりますのは信用金庫法でございますが、信用金庫法の三十八条第二項が同様になつております。それから中小企業協同組合法の第四十一条が、やはり同様な規定になつております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 監事もありますか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 監事もございます。この規定と本案の規定と全然同様でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 次は五十八条でありますが、会員に対する資金の貸付ですが重要な問題で、貸付資金の種類といいますか、どういうふうなことを予定されておるか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これは法案の第一条にございますように団体員の福利共済活動のために必要な資金を貸付ける、こういうことを予定しております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 もう少し具体的に内容を言つて下さい。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) この貸付の内容でございまするがいろいろございまして、賃金の遅払対策のために貸付られるものもございます。それから生活協同組合の活動のための資金、或いは福利共済の施設等々ございますが、それを更に細かく具体的に申上げてみますと、大体個人を対象として貸付られるものから先に申上げますと医療費が一番多いのでございます。それから住宅費のためのもの、これはパーセントを申しますと医療費が三四%、住宅費が二五%、それから高利貸からの借金肩替り、これが一四%となつております。それから純粋たる生活費のために借りるというのも一〇%になります。それから冠婚葬祭のために借りるというのが八・五%、その他進学費或いは税金というような分類になつております。それから団体を対象として貸付けましたものの内容を申上げますと、今申上げました賃金資金として貸付られるものが六〇%になつております。そのほか福利共済の資金としてが一二%、それから越年資金手当のためのものが一六%、それから生活協同組合のための資金としては九・七%となつております。全体としまして団体を対象として貸付けられるものが六六%であり、残りの三四%が個人対象の貸付となつております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それは今までの実績であつて、今後もやはりこの労働金庫としては実績通りの大体貸出をするという予想をされておるわけですか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) その通りでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうしますと掘下げて伺いますが、事業資金は大体出さない、生活協同組合が物品の仕入をするというようなのは或る意味においては事業資金らしいが、併し前以て組合員が買うべきものの一時融資ですから当然消費資金と考えてもいいわけですね。そういう事業資金を出す意思はない、出すように指導しないと、こういうことで了承してよろしうございますか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) その通りに考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうすると第五十八条の第一項三号の「会員のためにする手形の割引」というのは必要でしようか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) この五十八条の第一項三号の手形の割引は先ほどもお話がございましたように生活協同組合の資金ぐりと申しますか、いろいろ事業上の必要のためやはりこういう規定の必要もある。それから又福利共済資金の場合にも手形を用いる必要があるやに聞いております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 生活協同組合の場合においては手形のやりとりがあるということはわかりますが、福利共済事業にもあるのですか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) お説の通りに生活協同組合のことを予想しておるわけであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それから生活協同組合では大体組合員の自給自足というような意味で、或る種の生産工場的なもの或いは加工工場的なものの計画もありますが、そういうような資金はこれで賄うのか、或る程度そのほうにも出すということになりますか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) そこら辺が非常に微妙な点でございまして、ここまでは出す、ここからは出さないと、ここではつきり私から申上げることは非常に困難であろうと思いますが、併しお説の通りにその枠を余り拡げ過ぎますと、いわゆる一般的の事業資金の貸出を無制限にやるようになりましては非常に危険を労働金庫に及ぼすおそれもございますので、今日この法案が提案されるに至りました一つの大きな理由といたしましては、現在すでに労働金庫が全国に二十四もできましてどんどん事業をいたしておるわけでございますが、その有力な組成因としての生活協同組合というものが相当部分を占めておるわけであります。その監督を更に厳重にする必要があるので、先ほど御説明がありましたように労働省、大蔵省の両省から健全な運営を監督してくれという意味でこれが出ておるわけでありまして、飽くまでも先ほど御質問にございましたように、いわゆる消費資金という程度の性質を有する事業資金というところに重点をおきまして、それを中心に運営して行くように指導する方針でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 大体性質から見てそうあるべきだと私も考えておりますが、そうしますると、この五十八条第二項の第二号で「住宅金融公庫、国民金融公庫その他大蔵大臣の指定する金融機関の業務の代理」こういうことがやれるようになつておりますが、住宅金融公庫のほうはわかりますが、国民金融公庫の業務の代理をするということは、今の消費資金の融通を建前とする労働金庫が、事業資金の融資を建前とする国民金融公庫の代理をするということはどういうことですか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 国民金融公庫の資金を取次たいという趣旨は、現存生活協同組合が国民金融公庫の資金を借りておるものが相当あるそうでございます。そういうものを一つ今後労働金庫を通じてやりたいというつもりであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 特に提案者に今の点についてお伺いしますが、そうなつて来ると大分生活協同組合のほうの事業資金というような点になつて来て、相当この労働金庫の性格が本来の性格を逸脱する虞れもあるように思うのですが、提案者のかたはどういうふうに考えられておりますか。

重盛壽治日本社会党(第四控室・左)

○重盛壽治君 私は提案者として申上げる場合、先ほど御提案申上げましたように中小企業の関係のいわゆる消費組合が今度の労働金庫を設立するのに協力して頂きまして、特に労働組合関係が中心になつてやつておりますところの消費組合は殆んどこれに統一されてしまつたわけであります。従つて消費組合の点で今の磯部専門員の御返事と若干違うか知りませんけれども、例えば一つの労働組合の共済機関が事業を若干したいというような場合に、共同購入資金を借りるというような場合に、私はこの金庫を通じてやつて差支えない、又そういうふうにしよう。もつと具体的に言いますならば労働者が直接仲介人を介さずに現地から物を買う、具体的な例ならば今北海道からさけを買いたい或いはかずの子を買いたいというような場合に、労働金庫が融資いたしましてそれを買つて来年の春直ちに納められるというような健全性のある場合は融資できるというふうに私ども考えて、この消費組合の面も相当大きく取入れるべきだというふうに考えておる次第でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 国民金融公庫の融資目的は、そういつた常時業としてそういう物品の取次販売をやるという者に対しては融資の対象として考えているが、たまたまさけ買うのだ、或いは何か共同購入的なものをやるのに国民金融公庫の資金というものはそういう使途に使うべきものじやないと思うのです。それで労働金庫というものを作ることに私自身反対じやありませんが、いろいろ金融機関ができるので成るべく性格をすつきりさしておきたいということから考えると、この国民金融公庫の業務の代理までやるということはちよつとおかしいのじやないかと、そういう特に国民金融公庫の資金を使うようなことがあるならば、この労働金庫の会員たる資格とは又別の資格において国民金融公庫の金を使うということが筋であつてどうもちよつとそぐわないように私は思うのですが、まあただ金融機関として窓口をそこへ設けておくという意味ならば又別ですけれども……。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 只今の御質問でございますが、生活協同組合が労働者が中心でできておる場合に、これは労働者の団体である。従つて労働金庫の主要な組成分子であるその生活協同組合が、只今重盛先生の御説明がございましたように、いろいろな活動をされるということが、その労働者個人々々がやられるのを協同してやられるという意味でやはり労働金庫がそのお世話をしてあげるほうが、ほかの金融機関の形態よりも労働金庫の育成上も、又労働金庫に対する会員たる労働組合、労働者諸君の親しみを増す意味においてもいいというふうにお考え頂きたいと考えるわけでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 無理でも解釈すればそう解釈せざるを得ないのですが、国民金融公庫当局と話合つてみられたことはありますか。こつちでこう書いたつて向うで業務の代理をしてくれというかどうかわかりませんね。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) その点はお話のように向うさんが果して委託してくれるかどうかはまだわからないのであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 途を開いておくという意味になるのですね。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) その通りでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは相当考えなければならん点だと思いますが、私はこの点についての見解は保留しておきます。  それから第五号の今度拡げられたという「個人会員と生計を一にする配偶者その他の親族の預金又は定期積金の受人」、こういうことになつておりますが、これは信用金庫のほうにも同様の条文があるようですが、一体どの程度に考えておられますか、親族というものを。お伺いする趣旨は、余り積極的に又そういうふうに労働金庫が信用を得れば労働金庫の発展のためには非常にいいことであるが、他の金融機関との相当摩擦が考えられるという点をお尋ねしておるわけです。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これはもともと経済力の小さい労働者の親族でございますので、それらの預貯金を受入れましても他の金融機関との摩擦の起るほどのことはあるまい、このように考えておるわけでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 本人が零落しておつても親戚に百万長者がいるかも知れないですね。まあお気持はわかりました。  第九十二条と第九十三条との関係、まあ大体気持はわかるのですが、一応立法者のほうから説明して下さい。九十二条のほうは一会員の申立、九十三条のほうは少し困まつておるということで九十三条による申立があつた場合には直ちに検査をする、一方は報告書の提出を命じて調査をやつて更に納得しなければ検査をするということですね。その扱い方の違い、特に九十二条、九十三条とおかれた立法者の気持と申しますか、違う点を……。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 九十二条と九十三条とは程度の差と申しますか、不正の疑いがありそうなときには誰でも不服を申立て得る、こういうように広く不服の申立の途を開いておる次第でございます。その代りこの場合にはいきなり検査というような強い手続によりませんで、あらかじめ書類を出させて調査する、こういうことにいたしておるわけであります。九十二条のほうは不正の疑いの程度がややはつきりしていない場合ということになるかと思います。それから九十三条のほうは具体的にその不正の程度をはつきりとらえ得る場合でございます。こういう場合にはいきなり検査という強い手段に訴える、その代りこの場合には個々の会員の思い付きで申立てさせるのは、処置が強い処置になりますので適当でない、こういう意味で或ろ程度の数の一致で以てそれをさせよう、こういう趣旨でございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それはそういう説明ではないのじやないか。疑いの確実性、不確実性による区別でなしに、一会員が言つたものと十分の一以上の会員ということでウエイトのおき方が違つておるとこういうことなんでしよう。それは一人が言つても確実に不正を犯しておることはあるかも知れません。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 或いは只今の言葉が適当でなかつたかも知れませんが、一人で言つた場合でも客観的には確かなことがあり得るわけでございます。そういう意味におきましては只今申しました言葉は或いは適当でなかつたかと存じます。今小林先生のおつしやつたような考え方をするのが適当であろうと思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 次は九十八条によつて「権限の一部を都道府県知事に委任することができる。」と、この「委任することができる範囲は、政令で定める。」と、こうなつておりますが、未だ政令は勿論できておりませんでしようし、どういうことを委任しようと予想されておりますか。若しこの法律が成立したらこういう政令を出されるという政令案があれば頂きたいと思います。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) この法律が通過いたしますると、大蔵省並びに労働省において御協議の上その指導監督のために必要な手段について重要なもののみを本省に通告し、軽微なものを地方庁に委任するということで研究は進めておられるそうでございますが、まだ具体的なことはきまつていないのであります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 重要なものと軽微なものというそこが問題なんで、一体どの程度までを中央でやつてどの程度を地方でやるということを予想しておられるか。ただ今具体的には提案者のほうにはないけれども、こういうことをやつておけば将来よかろうという程度で今お考えになつておると了解してよろしうございますか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 大体お説の通りだと存じますが、ともかく全国にございます金庫でございますから、これを常時その土地の機関が監督し、又急を要する書類の審査等をする必要がありますので、どうしてもこういうふうに或る部分は地元の地方庁がやる必要があると思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それは現在の信用協同組合法による労働金庫は信用組合法の改正によつて地方長官限りにおいて事業免許ができるわけです。この新しい労働金庫法を作ることによつて設立免許が全部中央に握られると、こういうことになるとすれば相当変革なんですね。少くともこの設立免許ということは、今後はこういうふうに労働金庫というものを相当重要視するのだから中央でやるとか、少くともその点はそういうふうにお考えになつているわけですか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 少くとも免許は中央でやることになると思います。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 百一条の第一号「この法律の規定に基いて金庫が行うことができる事業以外の事業を行つたとき。」と、こういうことと第九十九条の第一項も本来のこの金庫が行うことのできる事業以外の事業なんです。ところが九十九条第一項のことは特に罪状が重いから重く罰した、従つてこの金庫が行うことのできる以外の事業を行なつたという場合に百一条の適用を受けると、こういう趣旨ですね。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 九十九条のほうは金庫の業務として行うのではなくして、金庫の金を役員が自分でほしいままに貸付けますような場合を予想したことでございます。それから百一条のほうは、金庫が金庫の業務としてそういう法定外の事業を行いました場合の規定でございまして、その責任を役員のほうに持つて行つている、こういうことに考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 併しそれはやはり貸付ということは金庫の事業であるかも知れんが、範囲外において貸付をするということは金庫が行うことができる事業ではないわけなんですね。或いは投機取引というようなことは結局できんのだけれども、でたらめにやつたということじやないか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 誠にどうも恐れ入ります。只今の御質問の御趣旨は、九十九条と百一条との限界がはつきりしていないと、こういう御趣旨でございますか。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 そうです。だから私が先ほど聞いたように、一応九十九条の第一項は、特に取立てて重く罰すべき業務外のことをやつたにしては一番罪状が重いものという意味で特に取出されたのだと、こういうのですか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 私も全く同じに考えますのでございますが、従いまして、百一条のほうは業務をやつたと、併しながらその五十八条にございますように、まあ一つ例を挙げれば、配偶者その他の親族の金は預かれる、併しながら単なる同居者で併し親族ではなかつたという者のを預かつたというような場合、まあどちらかと言えば軽微なものをこちらの百一条で考えておる。こういうふうに解釈しております。従いまして、浮貸をするとか、或いは自分で株に使うとかいうようなことを九十九条のほうで規定しておる、こういうふうに考えております。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 附則の第十四項ですがね。これがちよつとまあ書かれた趣意は私は私なりに察しはつくような気もするのですが、この意味を説明してもらいたい。その「信用協同組合の組合員で組合を脱退したもの及びそのものと生計を一にする配偶者」云々が、「組織変更の際に存した預金若しくは定期積金の契約又は貸付の契約を継続することができる。」と、そうすると、まあ極端にこの通り解釈すると、まあそうじやないとは思つておるのだけれども、法文解釈だけで行くと、労働金庫に組織変更になつた信用協同組合の曾つて組合員であつた者は、いつまでも預金もできるし貸付も受けられる、こういうふうに解釈できるのですね。書き方がちよつとまずいのじやないかと思うのです。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 御尤もですが、その点は趣旨といたしましては、この組織変更の際に存した預金、若しくは定期積金とこういうことによりまして、今お話のようなことにならないことを狙つたつもりでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 これは、脱退したという者は組織変更になつたために脱退したということを予想されておるわけでしよう。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) さようでございます。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それならもうちよつと書き方を変えなければいかんじやないかと思う。金庫になつたときにその金庫となつたために脱退するということですね。金庫の会員となる資格がないから信用協同組合から脱退するわけでしよう。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) 只今申しましたその組織変更の際に存したということになりますので、それ以後に脱退いたしました場合はここの部分の字句からおのずから外れて来ると、こういうように考えておりますが。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 それ以後に脱退しても組織変更の際には預金なり貸付があつたかも知れませんね。恐らくこの書かれた意味は、労働金庫となつたがために脱退するということにされた経過規定なんでしよう。もうちよつとはつきり書かなければいかんじやないか。その意味が出ていない。問題として指摘しておきます。  次へ行きます。附則の二十項、地方税法の第七百四十三条を適用する労働金庫及び労働金庫連合会、この七百四十三条は事業税を非課税にする、こういう規定なんですね。併し七百四十六条第二項第五号によつてこの労働金庫及び労働金庫連合会を何するということは、労働金庫及び労働金庫連合会を特別法人として、それには百分の八の事業税が課せられる。七百四十三条のほうは、労働金庫及び労働金庫連合会の中で政令で定めるものが行う事業については事業税を免除する、非課税にする、こういうことなんですが。一体労働金庫及び労働金庫連合会の中でどれは事業税を非課税にし、どれにはかける、こういう考えなのか。

今枝常男法制局参事(第一部長)

○法制局参事(今枝常男君) これは直前の事業年度の末日までに積立てた準備金の額が出資総額の四分の一の額に達しないものは非課税、それ以外のものは特殊法人として百分の八をかけるということになる予定であります。

小林政夫緑風会

○小林政夫君 わかりました。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 この労働金庫の貸出の状況ですが、参考書の二十二頁を見ますと、個人貸よりも団体対象のほうが多い。而も団体対象貸付の半分以上は賃金資金になつておる。これは結局、なんですか、労働組合の所属の組合員が工場の賃金不払等のために生計に困つている場合に、工場の払う代りに労働組合が金庫から借りて組合員に貸してやるとこういう意味のやつでございますか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) お説の通りでございます。そしてそういうような場合には、その迷惑をかけている工場のほうから労働金庫に対して担保を提供させるというようなことも行われておるそうでございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 その賃金不払が、まあ工場が経営が悪くてという場合もあるし、又現に行われているストライキのような場合を考えますと、ストライキで所属の組合員が賃金が入らない従つて生計に困るからといつて、やはりそういうときも労働組合としては労働金庫から金を借りてその組合員に賃金をやる、そういうこともやはりここへ入りますか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) その点につきましては、元来この労働組合というものは争議資金というようなものを平素から積立ててありまして、それを大体銀行にも入れておるでしようが労働金庫にも入れておりまして、今度の場合北海道あたりはそれをどんどんと引出して争議資金に充てておるということを聞いております。併しながらそれ以上に争議資金のために資金を貸付けたとしうことは、うわさとしては私耳にしたことがあるのですが、念を押して調べてみましたらそういう貸付はしていなしそうでございます。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 将来とも大体そういうことになつて、争議資金というよりもむしろ預金の引出という形で行われるけれども、貸付の形では大体しないだろう、又したくないというお考えなのですか、どうでしようか。

磯部巖常任委員会専門員

○專門員(磯部巖君) 初めから争議資金は貸出さないということを固く言つておるわけでございますし、又その方針で暫らく進みたいと、やはり労働金庫の健全な、そして間違いが起らないように成るべくまあ固く固く行こうという方針であります。

杉山昌作緑風会

○杉山昌作君 わかりました。

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) ほかに御質疑がなければ、労働金庫法案についての労働、大蔵連合委員会は本回を以て終了いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田法晴日本社会党(第四控室・左)

○委員長(吉田法晴君) 御異議ないも場のと認め、それではこれを以ちまして連合委員会を散会いたします。    午後五時二分散会

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