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15回国会参議院1953/03/13

予算委員会 第36号

発言数
166
登壇者
14
会派数
7
開催日
1953/03/13

会議録

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 只今より委員会を開きます。  昨日岩間君の質問に対する政府側の答弁をお願いします。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。この義務教育学校職員法施行の際、即ち二十八年の四月一日現在において在職しておる者は現給のまま国家公務員に切替えられる。本法施行後新たに採用される者は給与法に基いて発令されるものと考えます。なお、国立学校教職員と公立学校教職員の給与差、又府県間の差等の調整等につきましては、既得権の尊重を考慮しつつこれを行いたいと存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると本年度新たに卒業する学芸大学の卒業生は、これはどういうことになりますか。具体的にその点を伺いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。四月一日にちやんと採用されております者はそのまま国家公務員として引継がれます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 只今の文部大臣の御答弁ですね、これは昨日の初任給の問題、給与差の問題、これで実は政府の答弁が食い違つておつたわけですが、まだ意見が統一しておらなかつたわけですが、それで委員長のほうから昨日閉会に当つては、政府の答弁を統一してもらいたいと、こういうような問題に対しての統一的な答弁ですか、この点から先ず確かめましよう。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答えいたします。これは政府部内で、大蔵大臣、自治庁長官、文部大臣と合同しまして一致しました結論でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そうしますとやはりそれは委員会といたしましても、重要でございまして、これは全部の委員に一つ配つてもらいたいと思います。そうしてもらわないと審議にちよつと工合が悪いのです。私は個人的な岩間君だけの質問に対する答弁だと、こう思つたのですけれども、政府が統一したところの答弁と言えば、これは一つここにちよつと配つてもらいたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) それでは後刻差上げます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 では、大臣は今まで衆参を通じて答弁された義務教育学校職員の地位及び待遇を保障するということの大臣の答弁は取消される意思があるかないか承わります。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。どういう点でございましようか。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今の岩間君に対する答弁によりますと、二十八年四月一日以降採用されたところの教職員に対しては国家公務員の一般職の給与を適用すると、こういうふうに答弁された、間違いございませんか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) そうでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 然らば今後日本の義務教育学校職員の給与体系というものは、現在都道府県の条例で確保されている給与体系よりも下るということはお認めになりますかどうか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 下りません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 どうして下らない。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 本年四月一日現在における都道府県の教員はそのまま現員現給を引継ぎます。四月以降に入ります者は、これは新らしいものでございますから、国家公務員となつた以上は、これは国家公務員のなにになります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ちよつと焦点が外れております。四月一日以後ずつと新たに教員を採用されるわけでございますが、そういう教員に対しては現在の都道府県の条例よりも低いところの一般職の給与を適用して行くわけでしよう。だから今後永遠に義務教育学校の教職員の給与体系というものは下ることは明白ではありませんか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) そこで私といたしましては、二十八年度中に各府県間の給与差並びに国家公務員と今の公立学校の教員との給与差なんというものを、既得権を尊重して調整を図るということを申上げております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現員現給というものの解釈という心のは、これは予算措置から来ておるわけです。昨日本多国務相もこの点についてはつきり明言しておるところです。そこで例えば四月一日以後の採用ということを言つておりますけれども、これは一方でやめる者があるから、それに対する補充とし工当然これは起るわけです。従つてそういう点が新らしくなるからといつて、先ほどの現員現給の措置というものを採用されるということに解釈すると当然そうなるわけであります。然るに既得権というものは、これはどこまでも認めると言いながら、これは全般的に見て、個人的な問題として私は言つておるのではないが、全体の財政措置として私は論じておるのですが、そういう点から旨いまして、私は新らしい採用の分については別な方法でやるとこういうことになつたならば、そこのところに非常な食い違いが出て来ると思うのですが、その点は如何ですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) お答え申上げますが、決して新規採用者について既得権を侵害するという問題にはならないだろうと思うのでございましてともかく法案の内容によりますと、四月一日現在においてその現給のまま横すべりをして、そうして現員現給を確保する、こうなつておるのでございまして、その後においては当然国家公務員法の適用を受け、従つて給与法の適用を受けて来る、かように相成るのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうことを個人的に論じておるわけでありますけれども、既得権というのは、全体の教員の待遇の問題として今論じております。全体の待遇をどうするかということを論じておるときに、新らしい採用の分については切落して行くということをやつたならば、文部省は逆にそういう待遇を守るという建前からも法案を出しておるのでしよう、それに対して今のような解釈をしたならば、これは全然問題にならん。私たちは財政措置としてこの問題を論じておるのです。この点は非常にこれは不統一です。依然としてやはりこの問題は了承できないと思うのです。文相はそういうことをおやめにならなければならんと思うのです。そうでないというと非常に混乱が起ると思うのです。この点もう一偏伺いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。新規採用といたしましてどれくらいの人員があるか。これはわかりませんが、併し、四月一日以降に入つて来る人に対しては、一応国家公務員法の給与準則に従いましてやるのでございます。併しその大きな狙いといたしましては、昨日も申上げましたように、殆んど五十万に達するものの全部を現員現給でやりまして、そうしてそれが府県間にいろいろ給与差もございましよう。又国立学校の教員と公立学校の今の教員との給与差もございます。その辺のところを十分に調整して現員現給ですべり込んだという趣旨に副うて調整をして行こう、こう私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうもそういうあいまいな御答弁ではこの問題は解決つかんと思います。私はそこでお聞きしますけれども、そうすると法案と財政措置との間には明らかに食い違いがあるわけです。法案では、今度は国家公務員の普通職の俸給の適用をするということになつております。然るにちやんと地方財政の措置におきましては当然現員現給をやるということが決定されておる。それにもかかわらず文部省は今までこの法案の建前というものをこれは固守されるわけなんですが、そうすると今度その食い違いをどういうふうに調整するか。言うまでもなく当然地方財政の措置におきましては、これは自然増、そういうものは当然これは予定されて組まれておるわけです。そうでないとすれば非常に杜撰なものになりますから、当然そうあるべきである。そうしますと今の問題ですね、どういうふうに調整するか。混乱が起るからこれを聞いているのです。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 来年度の財政計画として、一応教育費に関する限りは千百五十五億で組んでおることはしばしば説明申上げおる通りでございまして、而してそのうち更にロス分を省いて九百一億という算定をいたしておるのでございます。併しそれが今回のこの法律を施行いたしました後における初任給についての問題が直ちにお話のように混乱を引起すというような、そういうものではないのじやないかと私は思うのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それはあなたの頭で考えておることで、これは地方に行つたら必ず混乱を起しますよ。向うでは財政措置の問題がなされておる。併し飽くまでも法案を建前としてやつて行くのだ。然るに国会ではどうも文相はあいまいな答弁をしてそこのところを逃がれようとしておる。こういうことで以て行つて現実の場面に適用しても理事はなかなか承認しない。こういう形に非常な大きな混乱が起る。私はそこで更にもう一歩進んでお聞きしたいのですが、昨日現に岡野文相はこういうことを答えておる。私は現に国家公務員であるところの教員、つまり大学教員とそれから今度新たにこの法案が通れば予定されるところの国家公務員、つまり小中学校の教員、これとの間には明らかにそこに三百四十九円の差がある。ベース改訂後に七百四十九円の差がある。その場合それをどのように調整するかということを昨日質問したのです。これに対して岡野文相はどう答えたか。あなたの答弁ではつきりしておると思いますが、これは既得権を尊重する方向に合せてこれを調整する。つまり大学の低いほうに合せるということでなくて、小中学校の高いほうに合せて調整するものだ。現に速記録に明記されております。ほかの関係においてそうなんです。ところが同じ小中学校の教員の内部において、初任給とそれからそうでない人の間に差が出て来るというようなことになれば、これは重大問題である。大学と小中学校の間においてさえちやんと高いほうに合せて既得権の尊重という建前をとつておりながら、同じ部内でそういうような差等を認めるということは非常に許されないことだと思います。これこそ混乱の原因であります。こういう点からいつて、只今のこれは政府答弁というものは、全然我々を了解させるものではない、私こういうふうに思います。この点岡野文相は昨日の答弁と関連してどう見られるか、この点お答え願いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。昨日その通りのことを申しました。即ち大学の教授の待遇は余りよくない、それから又非常なたくさんの給料をもらつていらしやる富裕県におけるところの公立学校の職員の給料も非常に高い、そういうことを考えまして、国立学校の教員の給与をとにかく是正して行きたい、こう考えております。それには片方の部面としまして、現員現給をそのまま尊重して行く、既得権を尊重して行くということと照し合せて下されば、私の考えておるところがおわかりになると思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 只今議論の焦点は、現在国立学校に勤めていらつしやるところの教職員、それから現在地方公務員として義務教育学校に勤めているところの教職員に差があるということが問題になつているのですが、差があれば、同じになるのが当り前じやないかという気持でおられるかも知れません。大臣自身そういう気持でおられるかも知れません。併し大臣、この根本のことをよく考えて頂きたい。と申しますのは、国家公務員と教職員に差がある。ところが国立学校の教職員は国家公務員なるが故に、一般職の国家公務員と同じように取扱われたために、現在地方公務員である教職員との間に差ができた。ここに非常な不合理がある。と申しますのは、大臣も、教職員に超過勤務がないということは、先日知られたのでしよう。非常に意外であると大臣は申述べられた。教職員の勤務時間というのは、勤務時間が拘束できない。家庭訪問がある、夜もやらなければならない、家庭外の指導もある。ところが一般職の国家公務員は、勤務時間が八時間なら八時間で拘束できる。教職員は勤務時間は拘束できない。旅費なども十分取扱われていない。勿論更に超過勤務手当というものもない。大臣は先般聞いてびつくりしたわけでしよう。だからこの一般職の国家公務員と教職員に給与差があるのは当然なんです。更に現在の附属に勤めていらつしやるところの教職員と、地方公務員である教職員に差があるのも、例えば附属の教職員の場合は、生徒数が必ず三十五人或いは四十人、ところが地方の教職員の場合は、生徒は六十人、ひどい場合は七十人もいる。勤務条件に差がある。だから若干の差等があるのは当然なのだ。而も各県は、その自主性によつて東京都から田舎の県と皆差がある。従つてこの差があるのは当然これは認めて行かなければいけない。ところが大臣の言われておるのは、現在教職にある人の、二十八年は既得権を認めよう、二十九年はどうなるかわからんが、できるだけ既得権を認めるように努力します、併しながら二十八年の四月一日以後新たに教員になつて来る人には、今の国立学校の先生と同じレベルで全国一律に発令をする、即ち今よりは少くとも二、三号から六、七号開くような発令をするということを言明した。これはこれから将来ずつと日本の教職員の給与水準というものは下るということをはつきり言明されたことではありませんか。そうなると、この法律の第一条の待遇を保障するということに反するじやございませんか。これだけ話してもわかりませんか。私は今までの大臣の言明は全部間違つておる。よろしうございますか。今教職にある先生でなくて、未来永劫に続く日本の教職員の受ける給与体系というものが上るか下るかという観点に立つてお考え願いたい。これから新たに就職する人の初任給を下げたならば、その初任給から、あなたもよく述べられるように、勤続年数、学歴というものを積み重ねて給与体系を作つて行けば、下らざるを得ないじやございませんか。それとも、昨日岩間君に答弁したのを更に突つ込んで、現在の国立学校の教職員の待遇は、現在の地方公務員の待遇よりか低い。そこで今の既得権を尊重して、東京都なら東京都の給与体系、この体系まで低い県のを持つて来るし、それから国立学校の低いものを東京都のものまで持つて来るなら来るとはつきり言明なさるなら、第一条の待遇を保障するということになりますけれども、この言明ができますかどうか、答弁して下さい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。我々といたしましては、幾度も申上げました通りに、既得権を尊重して参ります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 具体的のことを言つて下さい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 具体的のことはわかりませんから、事務当局から申上げます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 具体的なことをはつきり言つて下さい。抽象的なことばかりじや駄目です。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) お話のように、国立学校の教職員と公立学校の教職員との間には、給与の差異がございまして、各県間にもそれぞれ差異がございます。それにはそれぞれの理由もあることと存じまして、これを単に画一的にすべてのものを同じようにしなければならんということも、或いは無理かも存じません。ただこの際、国家公務員と相成りました場合において、御承知のようにこれは当然国の給与法の適用を受けることに相成りますので、この際は一応新たに採用される者については、この給与法の適用を受けざるを得ませんので、従つてその適用は受けますけれども、併ししばしば御説明も申上げておりすように、非常に多数の、又各地方の先生方の間において、国立の教職員との間等を考えてみましても、非常なでこぼこ、アンバランスの給与になつてしまいますので、この際新たにその給与については調整をする必要があるのでございまして、そのためには既得権を尊重しながら、そうして合理的な調整をいたしたい、かように考えて只今その検討を進めておるのでございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 簡単にちよつと……。今のに関連して簡単に……。それでは重ねてお伺いいたしましよう。具体的にそれは既得権を尊重するようにやる、それでは、東京都或いは大阪府の教職員の既得権を守れるようにどういうようにやりますか。具体的にどうしますか、答弁を願います。東京都或いは大阪、こういうところの教職員の既得権を守るようにどういうような方策を講じますか、具体的に言つて下さい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 只今それを具体的に成案を得て、どうして守るということをここでお答えするのも実は困難でございますけれども、併し(「なぜ困難か」と呼ぶ者あり)これは既得権を侵害いたしますことは、これはすべて許されることではございませんから、従つてその既得権を侵害しないような適当な方途を講じなければならんということとは、これは当然だと思うのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 何ら、具体的な話にして行くと、そのようにしか答えられない。これは国会の答弁ということになつておるが、現実には適用しないことになつておる。その混乱は全部現実のところに起つて来る。非常にひどい目に会つて来る。地方財政の担当者とそれから現実の給与を受ける教員との間に起つて来る。ここでできるだけのことをしますと言つても、話にならん。そこで若しあなたができるようにするというならば、これは飽くまでもこ法案を、新採用の分についてはこのような国家公務員の給与を適用するということをやめなければならん。これはやめなければ、必ずほかのほうに行く。今までの現実がそうなつておる。その用意がありますか、文相。この点はつきりお答えしなさい。そうでなければ、あなたのお言葉というものはあいまいな答弁になるのです。この点をはつきりここで言明することが必要なんです。そこでもう一つは、大学のほうに合せようとするのに、なぜ小、中学校の内部においてそのような一つのアンバランスが起るか、これを調整するなどと言つたような言葉だけでは承服できません。法案は生きるのです。若しもこの法案が不幸にして通れば、これは生きるのです。その生きた現実で地方の理事者に押付けるということは明白なんです。こんなことをくどく申上げる必要はないのですが、こういう点から明確に答えて頂きたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。この法案が通りまして、国家公務員になる、そういたしまして四月一日におけるところの現在員は現給のまま横すべりをして進む、これは既得権を尊重されたわけであります。そうしてその既得権を今はそうするけれども、将来において二十九年度からこれを切下げるというようなことは絶対にいたしません。同時に私ははつきり申上げたいことは、二十八年度の四月一日以降に入りましたものが、国家公務員としての教職員の給与に或る程度号俸を適用されるとしましても、それは少くとも既得権を尊重して二十九年度に持込もうという際において、相当な調整をして、はつきり申上げますれば今までの国家公務員であるところの教職員の給与準則を少しでも上げて行く、こういう方向に持つて行きたいというのが私の考えでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大学のあれは……。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 大学は又別でございますが、大学そのものもやはりこの間申上げましたように非常に給与が悪い……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 大学を上のほうに上げながら、小中学校のほうを低いものでやるということは……。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) ですからその調整をいたしますのに、大学のほうも併せてやるつもりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 さつき四月一日以後の採用では国家公務員のあれを適用すると言つているじやありませんか。それを取消しなさい。それを取消せば今の言葉はこれは一応生きるかも知れない。大学の問題は昨日確認されたのだから確認します。これは取消して頂きたい。これは当然法案を修正しなければ、あなたの言明なんかここで問題になりません。どんなに言明をされても現実に法は生きるのです。吉田内閣は今日明日にどうなるかわからない、そういう態勢の中で法案だけは生きるのです。そうしてその被害は現実に職場に起る。こういうことを考えるとき法に対して忠実でなければなりません。それは立法府の責任から許されません。あなたの答弁を求めます。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 法案は……。(岩間正男君「政府委員じやない、政府委員に聞いたつてしようがない。あなたに聞いている」と述ぶ)御承知のように四月一日から施行と、こうなつておりますので、従つてこれは当然若し議決されますなら、四月一日から施行されるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は文相に答えて頂きたい。あの点に触れることなしには、絶対にどのような説明も許されない。現実がそうなんです。どれほど我々国会の中で困難したか、余りに多くの事実を私は知つている。ここではあいまいに言つて逃げても、現実にはこの法案が生かされる。現にどうです。〇・二五の問題、(笑声)あの年末の問題も、あのとき年末に補正と、こういうようなことであのとき何とか措置をすると言つておいて、未だに何ら払われていない。地方の人たちからいえば、政府が……。蔵相もいらしやるからお聞き下さい。蔵相がああいう措置を具体的にするというはつきりした方針がなければ出せない、今までのやり方ではひどい目に会つているからこれは出せない、こう言つていらつしやる。こういう一つの例を挙げてもわかるように、政治というものは、ここを何とか切抜ければいいというものじやない。そこではつきりこれはどうなるかということが言明されない限りは、この問題は解決つきません。私ははつきり断言します。この点の御答弁を頂きたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) もう一回御質問の要旨を言つて下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは岡野文相大変お疲れのようですから、もう一度申上げますからまくお聞きとりを頂きたい。つまり三月三十一日までの分については、これは既得権尊重で今までの俸給のままで行く、四月一日以後については国家公務員の給与を適用する、こういうような形をとる。そうしてそうなればこれは地方自治庁で、ここで今まで立案しましたところの地方財政の現員現給の線と合わない、現実に合わない。それから私は問題にしているのは、これは何も個人の、給与の問題を言つているのじやない、教員全体の待遇として、既得権としてとつているものだから、当然それは今までの新規採用についても適用されるのだということははつきりしていると思う。財政措置として論じている。それなのにあなたは、そういうような襲撃に会いまして、何とかそこのところは先に行つてうまくバランスをとるというような答弁をされたのです。ところが先ほど申上げましたように吉田内閣はこれは一体続くか続かないかわからない。続く、続かないは別問題にしても、法ははつきり生きる。そうしてその法の建前でもつて、地方財政が御承知のように非常に窮迫して苦しいのですから、高いほうに持つて行くわけはないのです。そのために現実に被害を受けるのは教員なんです。こういう点から考えれば、この法の精神に違反することになるのです。従つて四月一日からこの国家公務員の給与を適用するという条項を削るべきだ。そうして経過規定の中ではつきりそれを措置しなければ、あなたのうまく調整するということは、現実から見まして成立たない。従つてこれに対してはつきり答弁して頂きたい。おわかりでしようか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) わかりました。お答え申上げます。成るべく四月一日以降に採用された教職員は、国家公務員法に従いまして、国家公務員の待遇に従いまして新らしい理由に従つた給与を受けます。これは私も認めております。併しながら先ほどから繰返し申上げるように、新らしく入る人は今までおる人よりはずつと低いのが出て来るかも知れません。それを既得権を全体として尊重し、これを二十九年度に送り込もうということに対しては、その方針は一体として動かないのでありますから、そういたしますれば二十九年度に廻わすときに我々は給与準測というものについていろいろ調整しまして、そうして教員全体の既得権というものを尊重した方向に持つて行つて給与をやつて行きたい、こう私は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 答弁になつていない。私が聞いているのはそんなことを聞いてるのじやない。それでは又繰返しだ。非常にお疲れでしようからもう少し整理してやつて下さい。私は法案をはつきり修正しなければ問題にならんと言つているのです。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 先ほども申上げましたように、本法案はともかくいろいろ御説明を申上げますようになつておりますから、従つて取消す。取消さないにかかわらず本法案のままに執行をいたしますなら、御説明を申上げておりますような結果になるわけでございます。(岩間正男君「それは国会無視ですよ、立法府を無視していますよ」と述ぶ)

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 昨日からよく聞いていて、私ども素人だからよくわからないが、説明を聞いておると、今日政府の統一ある答弁をしてもらわなければわからないということで、一日考えてもらつたわけです。で、又ここで蒸返されているわけですが、これを聞いておりますと、政府委員の田中君の意見は学校職員法から行けばもう法律上は文部大臣が言つておることはできないのだということは、あなたははつきり言つている。それを言えないからただそういうふうな抽象的な答弁をしているだけなんです。文部大臣はそうでない。あなたの趣旨は我々もわかる。そこでこの学校職員法とあなたが考える趣旨とをどう調和させるかということが問題になるのです。この委員会でそれをきめようというわけなんです。それをきめない間は、二日でも三日でも我々はこれをやつて行かなければならん。それをやろうとすれば、我々の考えでは学校職員法の中にある国家公務員にしてしまうという読替えるところの規定、あれがもう少しどうにかならん限りは、法律的にいつて岡野さんがおつしやることができないということになると思うのです。そういう点をよく事務当局と具体的に……、法律上の問題と、あなたが考えてやろうとしておる方策との調整をしないままにここに来られたんだと思うのですが、その辺のいきさつを詳しく説明しないと幾らやつてもわかりません。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私が考えておる趣旨を御了解下さることは非常に有難いと思います。そうして私はその方針で事務当局に調整の策を急いでやれと、こういうことを言つております。二十八年度に入りまして、この法律ができますれば、すぐその調整策に取りかかつて、そうして申上げることは、これをはつきり申上げかねますけれども、国家公務員たるところの教職員というものが地方団対が使つておりますところの教職員よりも低い、そういたしますれば、これをどうしたつて結論から申しますれば、上げざるを得ない、その方向に実は進んで行こうと思つております。この点も一つよく御了承願いまして事務当局もその準備をするはずになつております。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 それでは局長にお尋ねしますが、今文部大臣が言われることを実行する場合に、この今回の学校職員法でどこで工合が悪いのですか、それをあなた法律的に言つて下さい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) この法案は一応四月一日から施行されますから、従つてこの法施行後に採用されるものについては、一応給与法の適用を受けますけれども、併し大臣のお話になりますように、更にその次の処置として、二十九年度までには全般の給与の調整を図る必要もございますので、そのときに併せて合理的なる調整を図るべきだと、かように考えておるのでございまして、かように了解をして頂きたいと思います。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そういう答弁は前から、昨日から田中君がしておるところなんです。それをもう少し話は進まなければいかん、あなたが今言うようなことをするためには、例えば私はよくわからないが、給与準則の特別なものを何か作らなければならん、初任給についてそういう法律を新たに作ろうということになりますね。今提案されておる法律だけではそういうことはできないはずです。別途にそういう給与準則の特別な初任給に対するものを教職員については作ろうということなんですか。もう一つ念を押しておきたいことは、これは文部大臣に念を押しておきたいのですが、先ほど来矢嶋君の言う既得権は、個人々々の既得権を言つておるのではないのです。教員全体の既権、初任給が下るということは教員全体の既得権を低下させることになるわけです。それが基礎になつて今後何十年間の教員の俸給、昇給というものがきまつて行くわけですから、そのことを言つておるわけなんです。我我が教職員の既得権という場合は、二十八年の四月一日以前までの既得権を言つておるのじやないのです。そういう立場から言うと法律的に何かの給与準則、そういう特別なものを作らない限りは、国家公務員と同じにしてしまつたのでは既得権というものは侵害されることになるのです。だからそういうことのないように法制的な措置を講じなければ、内閣がいつまでもあるわけじやないのですから、そういうふうに考えるのですが、そういう点は、法制的の措置はどういうふうにしますか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 当局といたしましては、やはり教員は教員としての別途の体系を考えませんと本当の解決はできないだろうと、かように考えるのでございます。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 一応今そういう答弁がありましたが、私はそれでは更に突き進んで質問をしたいと思いますが、二十八年度は今までの説明によれば現員現給丸抱えで一応暫定的に移行する。そうして初任給の問題が片付かないので、今あなたがそういう非常に抽象的な答弁をしましたが、二十八年度丸抱えにして行つたものが、私の考えでは二十九年度からは当然予算の組み方からいつて、財政法の上からいつても定員定額制になつて行くのだと思う。これはあなたがた事務当局はよくわかつておるはずだと思います。現員現給、現員現給と言つているが、それは暫定措置によつて、二十八年度だけは成るほど一歩論を譲つてもできるかも知れないが、二十九年度からは明らかにこれは予算の編成上からも、財政法の建前からも私はこれは定員定額制にはつきり移行するはずです。それでなければ国家予算というものは組めないはずです。そうなつて行くと、我々が一番初めに、昨日から心配しておるところの既得権の侵害がそこに起る、首切りが当然私は起つて来ると思う。総理が来ておらないが、私は総理に聞こうと思つておつたことは、政府として全般としての行政整理をやるということを何遍も総理は言明しております。大蔵大臣も文部大臣も、それはその意向を体してやつて行くはずです。政府が国家公務員全般について行政整理をやる場合、文部大臣は昨日から言われておる、この二十九年度から定員定額制に入るところの教職員だけについては、絶対に政府が全般の行政整理をやるというときに、ここだけはやらないというところの言明を、ここでしておかなければいけないと思うのです。これを先ず聞いておきたいと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。行政整理と申しまするものは、御承知の通りに不要な仕事をやめまして、そうしてその不要の仕事に携わつておる人が行政整理にかかるということです。私の立場といたしまして、又私の考えといたしましては、小学校の教員、中学校の教員になつていらつしやるかたがどの程度に充実されておるかということ、これは文部省の所管でよくわかつておる次第でございまして、文部省といたしまして、又私といたしましても、義務教育というものは非常に国家の重大な仕事であつて、この事務を縮小するということは私はあり得ないと思うのであります。でございますから、この点におきましては、私はいわゆる行政整理というものの対象にならないのじやないか、こう考えております。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 つまり教育につきましては特別の考え方を持つて、天引行政整理というようなことを今までやつておりますが、政府は今日までやつておつて、総理も何回も行政整理をやる、毎年やつて行きたいということを予算委員会でも幾慶も言明されておられるが、併しそういう場合にも天引などは勿論のこと、増員するようなことがあつても整理は絶対にしない、こういうふうに了解をいたします。  それから先ほどの初任給等について、或いは学校職員の特別の給与準則を作るというようなことを局長が答弁されましたが、具体的にどういうふうなものを作るということですか、もう少しはつきり説明しておいてもらいたい。それでないと先ほど矢嶋君が言つた東京都だとか、大阪だとかいうようなものが、具体的にあなたが答弁ができないのと同じことですから……。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 只今としては各地方間の非常に不均衡がございますので、これを具体的にどういうふうなことにするという案を御発表申上げるほどの実は具体的なまとめたものを持合しておらんのでございますから、私どもとしてはお答えをいたしかねるわけでございます。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 関連して……。いろいろ議論が混乱いたしましたが、大体この法案の精神は、教育の機会均等ということが謳われておりまするが、現実には国家公務員と地方公務員との給与に七百四十九円の差がある、地方府県の間にも例えば東京が二万二千二百十五円、隣りの千葉県で一万二千六百六十二円、こういう非常な差のあることを皆さんが御心配になつておるのでありまするが、一方においては既得権は守る、而も一方には機会均等、これは非常な事実背反でございまして、これを解決するためには、結局は高いところへ全部持ち寄つて地方別の、千葉県も東京のようにし、国家公務員或いは先はどおつしやつた大学の教授等も現在の地方にある教員と同じにしなければ問題は解決しない、(「その通り」と呼ぶ者あり)さよういたしますれば、これは非常な大きな予算になるのでありまするが、この点を私は自治庁の長官なり、或いは大蔵大臣が明年度以後お聞き下されば問題は解消すると思うのでありまして、私は与党の立場から、何とかしてこの法案を実のあるものとして成立させたい、地方及び父兄の不安を解消して本案の内容を充実したいという、文部省を推進する意味において、私はこの事実背反を解消するような財政措置が閣議、政府全体ととしてとられておるものかどうか、その点を大蔵大臣、地方自治庁長官に伺います。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○国務大臣(本多市郎君) 二十八年度分については御了解のことと存じますが、二十九年度について地方財政関係でどう考えて行くかという問題ですが、これは地方自治を担当をいたしておりまする私といたしましては、地方財政を圧迫しないように義務教員職員の国庫負担という別のルートで十分見て頂きたいという希望を持つております。その方法につきましては、私も文部大臣から御答弁があつたと思いますので、私が考えておりますところでは、二十八年度現員現給で給与法に横辷りしてしまつた人たちの既得権は、勿論負担金によつてこれは確保されるものと、かよう考えております。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 二十八年度のことを言うておるのではございませんので、機会均等と申します以上は、いつかはでこぼこが調整されると思いますが、若し大蔵大臣において財政措置を、これは非常に大きく膨れると思いますが、これを文化国家として義務教育無償の原則を御承認になる、閣議でも十分御了解があれば結構だと思います。一応一つ御言明を頂けば問題はみんな解消すると思うのであります。若しそうでなければ、やはり一度は既得権を認めるけれども、明年以後におきまして新規採用の問題は起りますが、明年以後におきまして数年間に、例えば高いところは昇給を足踏みする(「それでは同じじやないか」と呼ぶ者あり)ということによつて、必ず何らかの調整が行われなければ一緒にならないと思うのであります。これを文部省としてはどういうふうに、何年間かかつてどういうふうに調整をされる計画であるか、その点を伺つておきたい。(「与党の議員でよくわかつているじやないか」と呼ぶ者あり)失敬なことを言うな、与党でも野党でも同じだ。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。既得権を尊重する以上は、この調整というものは相当長い時間かかることと思います。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 何年間で。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 只今のところ何年間という目標は立てておりませんけれども、既得権を尊重して行けば、その既得権を切るようなことはできませんですから、恐らく相当の時間がかかるごとと思います。

左藤義詮自由党

○左藤義詮君 そういたしますと、非常に長い間、二十九年以後相当長い間かかつて初めて調整できる、その間既得権で行きますから、非常に財政が膨脹いたすのでありますが、その点は大蔵省においては承知しておられますかどうか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 自治庁とよく打合せまして、善処しますけれども、財政が膨脹しないようにやつて頂かなければ困る。(「それはできつこない」と呼ぶ者あり、笑声)

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 それは今の、昨日私はその点について二十九年度の予算と財政の見通しというものとの関連において、この二十八年度予算、特に教育予算について見当を付けなければ意味がないということを私昨日質問したのですが、大体今既得権を尊重するとしまして、二十九年度に義務教育国庫負担額はどのくらい計上が必要になるか、これは大よそわかるはずであります。只今自治庁の長官のほうから、地方財政を圧迫しないような形において国庫負担を殖してくれ、こう育つておられますが、そこで横辷りするとして、これはわかるはずです。二十八年度は経過措置だそうでありますが、二十九年度はこの国庫負担金はどのくらいな予想であるか、これは大よその見当が付くはずです。二十八年度よりどの程度殖えて来るか、これは大よその金額でいいのですが、それをはつきりと示して頂きたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 細かく推算して、又多少の動きはあるかと思いますけれども、只今文部省で二十九年度の給与費を見ますのに、千二百五十億ぐらい出ると、こう考えております。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 その千二百五十億ですか、それはですよ、先ほどから議論になつております新規採用の人ですね、四月以後の新規採用の人の給与を国家公務員の低い給与にするということが前提なのか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) その千二百五十億というものは、これは新規採用を国家公務員たる一般職員の給与に当嵌めたわけではなくて、今まで通りの給与を、又今まで通り採用したものと予定しましてやつたものであります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 二十八年度は千二百五十五億ですか、それで国庫負担金はどのくらいになるつもりですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 二十九年度になりますと、全給与費につきまして、国が全部持つことになりまして、地方負担はございません。従つて国としては給与費について千二百五十億の推算をいたしておるわけであります。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そこで非常にはつきりして来たのです。千二百五十億の国庫負担をすれば、今まで議論になつておつたいろいろな点がまあ財政的に一一応心配なく措置できるとして、仮に大蔵大臣は、千二百五十億の国庫負担が二十九年度においてできる見通しがおありかどうか、この点について伺いたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) ここで確定的に申上げますのは如何かと思いますけれども、これは地方、中央の税制の改正をやつて達成できると思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 そこで昨日も問題になつたのですが、その裏付けとしての税制改革というものの構想がどういうものか、地方負担を増さないという形において税制改正をやるとすればどういう構想でやるか、これは、こういう具体的なことがはつきりしないから、この法案についていろいろな疑義出て来て、議論が紛糾するのです。そこでその税制改革、税制の問題について、大体の構想、それからもう一つは、それによつて、結局地方民の新たなる国民負担も……地方税においてもそれから中央の財源においても新たなる税の負担は増加しないのかどうか、或いは又公債というものが新らしくそれで殖えないという見通しがあるのかどうか、公債発行をしなくともいいかどうか、或いは増税ということを地方中央を通じてやらないで済むのかどうか、そういう点と、それから人員ですね、教職員の人員というものを、どういうように見ておられるか、この点最後にお伺いいたします。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○国務大臣(本多市郎君) 財政調整の狙いはどこにあるかという御質問と存じますが、これは、御承知のように、今日相当地方団体間においては、財源が偏在しておるのでございます。偏在しておるところにはロスを生じ、そのロスはロスになつてしまうのであつて一面平衡交付金で補充しなければならないところは補充するということになつておりますから、この偏在した財源を財政調整によりまして中央で補足してそうして再分配をするという方向に行くものと考えております。併しこれはそれではどの税をということになりますと、偏在しておる税目については、すでに都会に多く上る税というので入場税、遊興飲食税等も論じられておるのでございますが、ただに地方税の変更だけではこの財政調整というものは全きを期することができないと存じますので、国のほうからも偏在度の低い普遍的な財源というものを地方のほうへ移すというようなことを併せて考慮しなければならないと考えております。これについてはたばこの収益とか或いは酒の税というようなものが考慮され研究されつつあります。  併しこの問題は一面地方にどれだけの行政事務を負担させるかという行政事務と不可分の関係にありますので、事務の再配分ということから考慮し、それの裏付けとして地方財政、而もその財政の均衡化ということを狙つておりますので、全く地方行財政の全般に亘つての総合的研究を必要といたしますので、そこで地方制度調査会であらゆる角度からこれを研究しておるのでありまして、その審議を待つて政府は方針をきめるほうが適当であると考えておりますので、今申上げましたような財政調整を必要とする方向だけはわかつておりますけれども、その具体的な方法につきましては、今政府の意見というものはきまつておりませんので差控えたいと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 大蔵大臣の御答弁を願います。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) やはり地方制度調査会の検討を待つわけでございますが、御質問の公債を出すとか出さないとか、そういう点は、増税もしないつもりでございますし、公債も出さないつもりでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうしますと、昨日来、私はこの点も理事会で諮つてもらうように要求しておつたのですが、この法案だけを抜き出しましてこれを議論しても話にならんと思う。一つの見通しを持たなければ政治にならん。二十九年度からの構想がわからないでこの法案を今急いで作るという理由は少しもない。そこで、今度の法案は地方制度調査会にはかけない、そうしてここのところは全く素通りで以てやつて来たのが、これが非常に大きな問題になつておるそうであります。ところが税制改革のほうは、今度は国会で非常に質問されると、ここに諮つてやらなければならん、そうなりますと、これは地方制度調査会というものは、まるで暗箱みたいなものであつて、政府の工合の悪いときは問題をここへ投げ込む、こういうのでは問題にならない。私どもは当然総合的な審議の立場から言いすまと、原案に近いものをということを昨日限定して、政府の自分の考えておるのでいいのだ、当初義務教育法案のほうはそういう案を急速に作つて来たものでありますから、当然税制改革につきましては、国家財政と地方財政との調整の面での一つの構想があるはずである、当然これと関連した問題で、これは急速に出してもらわなければこの法案の審議ができないという点が第一点であります。この点は委員長にも一つ確認して頂きたいと思います。この点もう一遍政府に通知をして、そうしてそういう骨子を出して頂かない限りこれはやれない。この点ちよつとお諮り願いたい。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 昨日来からこの問題については皆さんが熱心に御討議になつておるのですが、結局この問題は財政面で、二十八年度予算ではないが、要するに二十九年度以降の財政をどうするかということを皆さんが非常に御心配になつておる点であろうと思います。併しこの点につきましては政府当局の答弁というものが非常にまだ納得行かないという点があるのと、今岩間君がお話になりましたような、税制改革というものを国のほうで企図しておるというようなこともあるのでありますから、政府のほうにおきまして確定案ではありませんけれども、少くとも要綱ぐらいものがあるならばこの委員会に提出することを政府のほうに要望いたします。

本多市郎自由党行政管理庁長官・自治省長官

○国務大臣(本多市郎君) 二十九年度以降のこの義務教育職員の負担金の問題を実現いたしますにつきましては、それまでに財政調整を実行することを前提条件として政府では閣議決定をいたしておるのでありますから、二十九年度には必ず間に合うように責任を持つて財政調整をやつて、そうして平年度化の実現を期する考えでございます。その要綱だけでも示せというお話でございまするが、最前も申上げました通りに、地方制度調査会において御審議中でございまして、その審議を待たないで政府がここに方針を明らかにするということは、これはこの地方制度調査会に諮問しておる趣旨に反しておることでありするから、又そうした各界の立派な意見を総合化した上できめることが誤りがないと考えておりますので、この際あらかじめそうした要綱を示すことは困難であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 とんでもない、これは当然だと思う。従つてこの法案というものは如何に馬鹿げたものであるかということは明らかだと思う。不即不離なんだ。地方財政と国家財政の調整の問題、先の見通し、これが立たないでこの法案を審議しても無駄だという結論になる。ところがこの法案については何らこれは地方制度調査会にも諮らない、そうして地方財政のほうでは、税制改正も、こういう問題については今諮つておるのだから答えられない。こういう片手落ちの御答弁というものは、こういう白日の差す所では通用しない。従つてこれでは出せないというならばこういう法案は引込めるべきだと思う。この点ははつきりしてもらいたい。どうです、岡野さん。どうもこんな浮き上つておるような答弁では問題にならない。引込めますか、如何ですか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 中央と地方との税制の改革の問題は相当大きな問題でございます。大きな問題でございますだけ愼重を期さなければならないと思いまして、今本多大臣が申上げましたような状況になつております。併し閣議の決定といたしましては、最近の機会において早急に是正措置をして、昭和二十九年度以降支障なくやつて行きたい、こういうふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうするとこの法案は小さい問題だということになりますね。今のお話を聞きますと、地方財政の改革、税制改革のほうは重大問題だ、教育のこの法案は大した問題ではないから、だからこれは地方制度調査会に諮らないで出した、こういう結論になる。ところが吉田内閣は、昨日も吉田総理に質問したのですが、二大政策だ、文教政策は重大な政策だと、財政経済政策と文教政策は吉田内閣の二大政策だと、三年前に吉田首相は箱根の山を下りるときに天下に声明した。然るに何ぞや、この法案についてはこれは諮りもしないで出しておる。そういう片手落ちなことは許されない。どうしたつてどつちかに態度を決せられるべきだと思う。つまり税制改革並びに国税との調整、こういうような税制全般の改革問題を、総合的な案を本委員会に示すか、或いはそれができなければこの法案を撤回して、同時に来年度これをもう一度考え直して審議するか、こういうことははつきりすべきだと思う。この点はやはり理事会におきましてもなお取上げて頂きたい。  なお、次にお聞きしたいのでありますが……、この点はようございますね、委員長、理事会で取上げてはつきりして……、これは天下を欺瞞する意見です。我々参議院議員として……。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) この点は理事諸君にお諮りして結論を得たいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 理事諸君より、この委員会へどうです。委員会に諮るのが……本委員会の問題だから……。(左藤義詮君「それは理事会に持つて行こうや」と述ぶ)  その次でありますが、これは来年度二十九年度の現員現給、財政措置につきまして千二百五十億というのを出されているのですが、これはどうなんです。先ほどどうもはつきりしないのだが、どういうふうに見るのです。大体俸給というのは自然増というものがあると思うのです。俸給額の自然増、それから当然人口増に伴うところの学級の自然増というのがあるはずです。そうすれば当然これを見なくちやならない。これを見ても本年度の千百五十億円から千二百五十億、九十五億しか差がないということになつておる。この点は明確に計算済みなんですか。若しもこういう措置をしているとするならば……そうなんですか、これは田中局長にお聞きしたい。そういう点は明らかになつておるのですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 一応二十九年度と二十八年度とそれぞれ……。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 自然増見ていますか、その点を答えて下さい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 自然増を見て一応の推計を出しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、そういうことで現員現給を建前とするということは間違いございませんな。その点もう一度伺いたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 現員現給をもとにして考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 現員現給をもとにしてそういう案を立てて、なぜ一体初任給の問題を切落すことを主張し、そのような意見をどこまでも強行しなければならないか、この点はさつぱり了解できない、どうなんですか一体……我々を愚弄する気じやないでしようね、どうなんですか。そしてあれはどこまでも、初任給はこれはどこまでも国家公務員のあれをやらなければならんと言つておるが、この点はどうなんですか。どういうわけで、あなたのほうの事務当局としての見解をお尋ねしたい。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 決してお話のような意図は毛頭ございませんが、ただ現実の問題として、一応先般の資料要求等の場合に算定をいたしました現員現給に基いて出しました推計数字でございます。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 関連して局長にお伺いしますが、千二百五十億、二十八年度の千百五十五億の規模から九十五億の差、岩間君に突込まれて、そういう答弁しておりますが、文部省は当初千二百二十二億を要求したわけなんです。千二百二十二億と千二百五十億との関連はどうなのか。更に伺いますが、各都道府県は……よく聞いて下さい。各都道府県は二十八年の初任給は従来の通りになるものとそれぞれ予算を組みつつあるのですが、ということは附則の第十一項によつて二十八年度限りは都道府県が負担すると義務付けてある。そうして各都道府県の給与条例でやれと言つておる。大臣は既得権は尊重して、首切りもやらない、給与の切下げもやらないと言うから、各都道府県はそうしている。これは当初あなたがたが八富裕都府県のロスを二百十八億と見たときに九百三十七億という数字が出た。ところがその後ロス額を二百五十四億と変更した。なぜ変更したかというこれに対する答弁を求めます。変更したその結果九百三十七億が、九百一億となつた。この三十六億の差とうのは事務当局は知らなかつたのでしよう。文部大臣が大蔵大臣、自治庁長官と取引して、政治的妥協で出した九百一億というのは計数的な根拠はないでしよう。だからして当初の計画と狂つて二十八年度の初任給を下げざるを得ないことになつた。都道府県は大変迷惑している。その経過について答弁を求めます。先ず千二百三十二億はどうしたか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 当初の予算の算定につきましては、これは文部省としていろいろ算定をいたします場合に相当理想的な考え方を持つておりますものですから、従つて、いろいろ予算折衝の過程において相当各般の情勢上これが少くなるということもこれは御理解頂けると思うのでございまして、そんな関係から御承知のように二十八年度の規模を千百五十五億と、かように一応各省間の話合ができたわけでございます。  それから更に各府県の教育費を算定いたします場合に、特に富裕県について交付しないか又は減額支給をする、その額についての二百五十四億と、まあ別な算定とのいきさつ等についてのお話でございますが、この二百五十四億につきましてはいろいろ自治庁等との折衝を重ねました結果、その経過には相当時日もございますので、いろいろ経緯がございますけれども、併し最終的にお話合いをいたしました結果が大体二百五十四億と、こういう最後の数字になつたわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その点非常に不明朗ですから、これは資料を……先ほど木村さんに答えた資料をやつぱり出して頂きたい。我々は十分検討したいと思います。然る後に又発言をすることにして、一応保留しておきます。  その次に、さつきのお話、給与準則が何とかうやむやというお話がありましたが、これは作るのだか作らないのだか全くわからない。仮に給与準則を作るとして、母法がすでに決定された場合、母法から外れたどんな給与準則を作られるのか、大体いい加減なことをおつしやつて、母法を切崩して、そうして国家公務員としての普通職で行く、こういうような方法で、一般職で行くというようにこういうふうな方法をとつて、現に切崩して、切下げたもので支給するといつて何かあなたたちは固執されていたわけです。ところが一方それに対して現員現給で確保する、既得権は認めるのだ、こういうような建前から給与準則で何とかしたいと、こういう建前なんですが、母法から外れたどんな給与準則を一体作ろうというのか、こういうことはあり得るわけですか。これは法令違反だ、岡野文相にお伺いします。こういうことは可能かどうかごまかしてはいけません。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 二十八年度中に二十九年度適用すべきところの給与の体系を作りたいと、こう思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 母法を変えなければ今言つた精神の、既得権を確保するという給与準則はできないと思うのですが、この点如何でしようか、もう一度お尋ねします。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 母法を変えなければならないような準則を作るとすれば、新たな立法措置を要するわけでございますから、さような手続を経なければならんと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その食い違いというものは、これは全然調整できないことになる、こういうところに国家公務員というものに落すやり方が現状に合わない。給与の面から考えましても、国家公務員にするということは非常に支離滅裂であります。これは一例に過ぎない。我々が指摘した一例に過ぎないのです。だから教員にはいろいろな特殊性があることは、しばしばこれは述べられて来たわけです。殊にまあ給与の面でも、殊に女教員の産休の問題などがございます。産休を現在とられております。ところがこれが国家公務員になれば、このお産の休暇の給与というものは全然切捨てられて来る。この既得権というものは全然駄目になつて来る。そのほかの超勤の問題がないとか、こういうような問題、或いはこれは三、四年前に末弘中央労働委員会の会長からはつきりあのときの調停案に示されましたように、教員はいろいろな研究費が必要である。或いは飽くまでも修養に努めるところの費用が必要である。従つて特段の待遇を改善しなければならん、こういうような問題も出て来る。そのためにこそ教育公務員特例法というものが教員の身分確保のこれは一つの法案として出されているはずなんです。現実の法案は、この財政的な面では非常に稀薄でありますけれども、それでもとにかく待遇の面におきましてもこれは三種のとにかく特徴を持つておる。この中で、当然教員というものは官吏じやない。或いは国家の統制の名に属すべきものではない、そういう形のものではなくて、飽くまでもこれは国民に責任を負うところの、そして如何なる権力にも屈しないところの特権を持つておる。そうでなければ再び東条時代に戻るから、このことが大きな日本の教育改革の根本精神として堅持されておる精神なんです。従つて当然国家公務員なんといつた馬鹿げたいつしよくたのものにすべきものでなくて、飽くまでも教員の特殊性を認めて、教育公務員特例法の趣旨に基いてこれが十分活かされると考えられるのであるが、何を好んで給与の面において今までと何ら変りがない、むしろ切下げるような態勢の方向に持つて行つておきながら、ここで国家公務員だけを浮出しにして、大急ぎでこの法案を通さなければならないというのは、全然我々の了承するに苦しむところです。この点は文相はどうお考えになりますか、はつきり御答弁願いたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 私の考えといたしましては、これは義務教育というものは非常に国家として大事なものと考えます。そうして、身分差を各都道府県によつて違わんようにして、基本給を確保して行きたい、こういうような考えからいたしております。  それから、新らしく立法措置をしなければならないのじやないかと仰せになりましたが、これはもう我々覚悟しておりまして、先ほどの財政調整をいたしますにつきましても、やはり税制の改革、時によつては平衡交付金の改革、これも又法律によらなければならん、立法措置をしなければならんことになると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 産休のことはどうなんです。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私が今度この職員法を作りました趣旨と申しますものは、もうすでにたびたび片言隻句で申上げておりますように、教員の待遇をよくすると、こういう意味でやつておるのでありまして、産休のことも無論十分考慮に入れて、今まではこれは確定したものじやございませんけれども、これを法制上確定したものにしたい。又いつかお話になりました超過勤務手当のことなんかも、(「入つていないよ」と呼ぶ者あり)それは新らしい給与準則を作る時に算入することでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こういうものは基本的なものである。この問題というのは非常に長い間の、教員の単独の組合ができまして、長い問の日本教育改革の中で重要な問題として産休の問題、結核教員の問題というものはこれは本当にそういう歴史を持つておるのです。従つてそれを法的措置をする、こういうことがなければ、如何に岡野文相が非常に政治能力を持つておられても、今後それを解決するということを個人的に言つても、それでは解決つかないのです。これをなぜ入れられなかつたか、入れる意思があるのかどうか、こういう点について今後の準則の措置ということでは問題になりません。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答えを申上げます。長年かかつてもできなかつたのでありますから、私が文部大臣になりました以上は、それを是非やつて行きたいという念願でこの法律を作ろうと、こう考えております。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 私は先ず一番先に局長にちよつとお尋ねしておきたいのですが、先ほど千二百五十億という計算を一応されておりまするが、これは今の法律が施行なると、二十九年度からはこれは事務的には定員定額になることはなりますね。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 定員定額という実は言葉の意味が非常にあいまいでございまして、只今使つております例えば二十八年度の定員定額といいますのは、国が一定額を交付いたしましてこれ以上は過不足があつても責任を負わない。地方で負担をしておるのであつて、その地方負担に対して国が一定額を交付いたしますその算定方法としての定員定額と、かように申します意味の定員定額でございます。併し、二十九年度以降になりますとこの法案によりますれば当然すべてこれは国家公務員となり、国がその給与額を負担することとなりますから、従つて二十八年度の意味における地方定員定額ではございませんで、従つて国が全部不足する場合は当然責任を負う意味においての予算編成、無論予算編成をいたしますのでございますから、将来の見込みについても一定の人員、並びにそれに対する給与額というものは計算の基礎を持ちますけれども、併しその定員定額というその意味は、二十八年度に使う定員定額ではございませんので……。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 議事進行について……、随分と御質問が展開されておりますが、また多々質問もあるようですし、時計も相当廻つておりますので、更に文部大臣がおられることでありますから、更に理事会で協議なさることがあるようでありますので、ここで休憩して午後再開されることを……。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 矢島君に申上げます。田中君と永井君との質問がまだ残つておりますから、これがすんで又あれしますから……。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そうすると今の田中君の説明よくわからないのですけれども、私は別に実際どういうふうにして組むのかということを聞いておる。大蔵省のほうに聞きますが、今のような田中君のおつしやるようなことで組まないで、この二十八年度は横辷りをして、そのまま丸抱えで参りますけれども、二十八年度から組む場合には、ほかの国家公務員と同じように組むわけでしよう。つまり一定の単価があつて、給与準則か何かの単価があつて、これに員数が加わつて行くということになるわけでしようね。

正示啓次郎大蔵省主計局次長

○政府委員(正示啓次郎君) これは法律の定めによりまして、二十九年度からは現員現給ということになつておるわけであります。先ほど来大蔵大臣、自治庁長官からお答えしましたように、その前提として地方税制の根本的な改正ということがあるわけです。我我はそういう前提ができることによりまして、法律に定めるところによつてやつて行く、かように考えております。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 そうすると、文部省は今まで県が予算を組むときのように、実際には員数を洩れなく調査しまして、そうしてその現給に、昇給するものやら何かをきちつと一人々々計算したものを積み重ねて、それを県が文部省に出して来ておる、文部省と大蔵省との折衝はそれできちつと行くのですね毎年……。二十九年度からそういうことですか。

田中義男文部事務官(初等中等教育局長)

○政府委員(田中義男君) 二十九年度以降はお話のようになることに相成ります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 先に私の結論を出したいと思うのですけれども、結局これは法的な措置をはつきりしなければ、既得権を守るということは空論に等しい、こういう点で、先ほど文相の考慮を願つたんですが、これに対して答弁がない、どうなんですか、どんなにうまい方法を講じてやると言つても、法制的な措置をとられて行つた上でなければ絶対にこれは問題にならんです。こういう点からどういうふうにこれは考えておりますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。当然法則的措置をしまして完全なものにいたしたいと考えます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 暫時休憩の功議を出します。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 内村君から今暫時休憩の動議が出ましたが、御異議ありませんか。    〔「異諸なし」と呼ぶ者あり〕

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) では暫時休憩いたします。再開は一時半にいたします。    午後零時三十一分休憩    —————・—————    午後一時十五分開会

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 只今より午前に引続き質疑を続行いたします。  先はど理事会におきまして、午前中我々委員会の総意として政府に要望いたしました将来における財政改革の根本方針の要綱を提示願う、こう申上げたところ、本多国務大臣より縷々その不提出の原因についてお述べになりましたけれども、これにつきまして更に理事会を開きました結果、もう一度この義務教育職員法の表付として二十九年度に対する財政というものを知らなきやならんというような観点から、是非政府に提出を願うということに決定いたしまして、政府に交渉いたしましたところ、政府といたしましてはこの方針は要綱でなくて、方針でもまだ閣議決定にはなつていない、従つて閣議決定を経た後でなければ提出はできないと、こういう御返答でありましたので、これを皆さまに御報告申上げておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 只今の、委員長の政府申入れに対しまして政府の責任者が閣議決定をしなくてはその問題の委員長要求が果されないと、これは委員会の総意でございまするが、それは果されないと、こういうようなことは重大な政府の態度でございまして、今回のこの義務教育の学校職員法に対しましては、只今まで委員会におきましても、予算関係との関連性が重大であるばかりに、日程にも上げて今日まで審議をいたして究極とするところ、大蔵大臣の方におきましてはこの裏付の点について国民に対するところの税制の関係からいたしましても、その改革の点からいたしましても増税はしない、公債発行もしない、これは地方及び又国家財政の収入に対しましてもそのような国民負担の増税はしないということを確言いたしておられます。同時に又文部大臣におきましても、この現給及び又現員の問題に対しましての確約についても給与準則の制定を今後してそうして既得権は決して侵害しないということを明言しておられます。又人員整理もしないということも明言いたしております。こういうような関係からこれを検討いたしてみますると、ただ二十九年度においては千二百五十億の財源だけが今大体において見通される。併しこれは初任給の問題は別にいたしまして、これくらいの財源は見通される。これだけの問題がここに明らかになつておるのです。そのうちの大蔵大臣の発言からいたしましても、この法案は決して暫定法案ではなかつたはずであります。いわゆる憲法第二十六条の義務教育の国庫負担という精神を貫いて行こうという政府の決意によつてこの法案というものは出て来ておる。それに財政の裏付がない、財政の見通しに対しましても閣議決定はされておらない、こういうようなことでは、この態度というものは全く法案に対するところの無責任な態度でございまして、この点は明確になりました。無責任な態度によつて、すなわち財政の裏付もなく、見通しもなく、そうしてこの法案だけを押し切つて行こう。御承知のごとくこの法案の施行は四月一日です。こういうような切迫した時期においてこの国会で押し切つて行こうという政府の無責任な態度だけは明確になつて参りました。併しながら委員会といたしましては、法案が国会に出してあります以上は、この問題を審議して行かなくちやならない。閣議決定まで待たなくてはならんというようなことでは、無責任な態度は、これはもう明確になりましたが、委員会といたしましてもこれはまだこの法案に対する審議の関係からいたしましてこれを放棄するわけには行かないのです。だからしてこの点は政府におきましてはいつ一体閣議を開いてそうしてこの方針を決定するかどうか、この点を明確に生ずして頂きまして、そうしてその答弁次第によりましては審議上においては委員会自体が自主的に考慮しなくちやなりません。まずこの点をはつきり出されるか出されないか、この予算委員会の審議中に出されるか出されないかということを明確にまずして頂きたいと思います。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 関連しまして。先ほど委員長の御報告の場合に、理事会で御報告なすつた場合とちよつと違つておるところがある。それは地方制度審議会にかけるという内容について、委員長から我々に了解していたのと、政府の言つているのと逢うように思われましたから“この点をちよつと御報告しておいて頂きたい。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) お答えします。その点は、要綱という点を政府側が非常に重大に考えられた点が大いにあるのじやないかということも申上げたのです。だから先ほどの理事会の申合せの通り、先ず基本方針ぐらいの程度はどんなものかということを申上げたのです。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 ところが政府はどういうふうに……。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) だから政府は、結局まだ方針を指示するということにつきましては閣議決定を待たなければこの委員会には提出はできないと、こういう御返答だつたということを先ほど申上げたのです。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 地方制度審議会に今諮問して、その答申をまつてということを政府は条件にしているのですよ。だからそれを、今委員長のお話では、少しも決定していない、これからというのでは、先ほどまでのあれは我々をだます言葉としか思えないのですね。地方制度審議会に諮問する内容というものがなければならんわけです。何を諮問するのですか。我々に政府が答弁されたときに、地方制度審議会にこれを諮問すると言いましたけれども、それはどういうものを諮問するのか、その点も今の内村氏の閣議決定の問題と併せて……。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) それは、私が今交渉の段階において聞きました点は、地方行政審議会にその諮問といいますか、諮問にかけておる方針は、結局地方の機構の配分と、それからそれに伴ういろいろの税制に関連を持つておるから、そういうものと二つ併せ見て、総合的に各専門的の立場から委員諸公がいろいろの筋から検討して答申してもらいたいということだけを申入れておると、こういうことを聞いたのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今内村君から提案されたことは当然過ぎるほど当然なので、私もこれは全く賛成であります。大体閣議で決定してないと、こういうことが明らかにされたのでありますが、今まで閣議でこういうことは全然問題にもならなかつたのでありますか。こういう点はどの程度まで話合が一体あつたのかないのかという問題。それと、さつき木村さんからお話がありましたように、漠然としたそういうような地方制度審議会に対しましての諮問の仕方というものはあり得ないと思う。政府が出す限りは相当なこれは題目を与えて、これに対して当然審議をしてもらう、こういうことになると思うので、或る程度の……これは私は政府が出されたと思うのです。今の話だけではこの点は明らかでありませんから、この点も併せて是非明らかにしてほしいと思います。

堀木鎌三改進党

○堀木鎌三君 私は、岡野文部大臣がこの法案を施行する趣旨を縷々お話になつておるのですが、そしてこの法案の第一条に、「義務教育に関する国の責任を明らかにするため、」と書いてあるので、今申されたようなことを御答弁にならないと国の責任も明らかにならん。それから「職員の地位及び待遇を保障し、もつて義務教育の水準の維持向上を図る」という観点から見ましても、今この法案が二十八年度から平年化する目的のためにできておるのならともかくとして、この法案は二十九年度から平年化するということでありますから、我々が理事会で決定いたしましたことについての具体的な違い、それは無論二十九年度からでありまするから、正確な何と申しますか、ものがあるとは思いませんが、政府の基本的な審議を決定する程度のもの、勿論それは地方制度審議会にかかつております以上地方制度審議会において変更は免れないということでもいいのでありますが、政府の行政の御方針と決定が裏付にならないと、卒直に申してこの法案自身が、岡野国務大臣をいかに信用いたしまても我々としてはその実質的な裏付を御説明にならない限りは、実際に申しまして審議の対象はないということになるのであります。そういう観点から政府は一時的な言い逃れでなしに、ここにこの問題を明かにされる必要があることは当然だと思う。私は普通の二十八年度から平年度化するような法律案でしたら二十九年度についてお聞きいたしませんが、少くともこの法律に関する限り二十九年度から平年化いたします以上、これは政府がこの法案をお出しになつた以上は、我々理事会において決定いたしましたこと自身も、やはり実質的な裏付としてお出しになる義務と責任がある。(「その通り」と呼ぶ者あり)これは単純にできないとかどうだとか言つても言い逃れられることでなくて、義務と責任が国会に対しておありになるものだと考えます。そういう意味から是非御提出なさるべきであるということを重ねて強く切願いたします。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 次に私質問いたしますが、その質問に対する答弁次第で本委員会の持ち方を、態度をきめなくちやならんと思う。(「議事進行」と呼ぶ者あり)で、内村氏の閣議決定をいつするかという質問なんです。それに対して、そのきめる前に私の一言に答えて頂きたい。それは先ず大蔵大臣個人の見解並びに閣議決定はどうなつているか。その一つは、現在地方公務員である教職員の待遇というものはいろいろの特殊事情と勤労条件から国家公務員との差がついている。その差を妥当と認めるか、その差を今後認めて行くというように大蔵大臣自身がお考えになつていらつしやるか、閣議の決定はどうなつているかどうか。それが一つと、それから先ほど政府から我々に提出された資料によりますと、基本給だけをとりましても、根本の単価だけで二十八年度において小学校で九百九十五円、中学校で九百九十円、即ち本俸だけで約一千円の差があるわけです。これを政府の出した資料による二十八年度の推定現員五十一万一千の掛算をやりますというと、この本俸の差額だけで五十一億の不足ということになるわけなんです。これらは減給もしない、首切りもしないと文部大臣は言われております。大蔵大臣はその趣旨に成るたけ副うように、国家財政と睨み合せてやりたいと言つておりますが、この点について閣議の決定はどういうふうにきまつて、地方制度調査会に税制調整その他の諮問をしようとしているのか、これはさまつているのかきまつていないのか、又大蔵大臣個人としてそういうものを認めて解決して行くようにしようときまつているのかきまつていないのか、その答弁を大蔵大臣から求めます。その答弁次第では内村氏から質問しました閣議決定云々という問題と本委員、会の運び方には重大関連性がありますので、それを答弁して頂きたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 初めの御質問の国家公務員とそれから地方の教員との差について私の意見をお聞きになりましたが、それについて私は意見はございません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 認めていないのですか、認めるのですか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 私は意見を持つておりません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 今後認めて行くのですか。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 私は今意見を持つておらないのであります。  それからその次の、文部大臣の行おうとしておられる方針につきましては、私はできるだけそれを助けて行きたいと、こう考えております。二十九年度の予算という点につきましては、やはりこれはどうしても地方財政審議会の意見を尊重しなくちやなりませんが、同時に本多地方自治庁長官ともよく打合せて、今後善処いたしますもりでございます。(「議事進行」「先ほどの内村君の……」「話を戻して」「問題の答弁の意味をなさない」「いつ閣議決定しますか」と呼ぶ者あり)

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 先ほど内付委員並びにその他の委員からのお話がありましたので、この根本方針と申しますか、税制改革に対する方針は、いつ頃政府においては閣議決定して、委員会にお示しになるのか、その辺のところのお見通しを一つ御答弁願いたいと思います。(「官房長官ですか、総理大臣ですか、代表者は。」「官房長官に来てもらつたら」「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり)自治庁長官に御出席願うように願つているんですが、今衆議院のほうにお入りになつたのか、或いは又外出されたのか、未だに見えませんが、今岡野文部大臣のお話では、この問題は自治庁長官の所管だとこういうお話で、大蔵大臣並びに文部大臣かも、私が今要求した点につきましては、御答弁がありませんが、時間の関係上如何でしようか、一応質疑を続行いたしまして……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは岡野文部大臣は無責任ですね。(「そうそう」と呼ぶ者あり)そういうような態度ではいけません。これはあなたが主管の法律でしよう。この法律に対しましての裏付の問題ですよ。裏付をあなたが見通しができずして、これは自治庁長官の責任だから……勿論税制改革という問題だけは、大蔵省それから自治庁長官が主になつてやるでしよう。併し問題は私たちが問題にしているのは、この法案に対する裏付けの問題ですよ。それと附帯いたしまして、当然あなた方が答弁していらつしやるところの税制改革をして、そうして調整をして、而も大蔵大臣は決して国民に対しましては、増税はしない、予算の構想においては公債発行もやりませんとはつきり明言していらつしやる。それにあれは本多国務相の責任だからと、こういう態度では、この審議ができますか。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。そういうこともあり得ると思いまして、私といたしましては、万全を期する意味におきまして閣議決定をお願いしておるわけでございます。その閣議決定には、最近の機会において税制改革等の所要の措置を講じ、すべての都道府県に国庫負担金を交付できるようにすること、こういうことを閣議決定して頂いて、文部大臣といたしましては、これ以上のことはこれは自治庁長官のほうにお願いするよりほかに、所管として行けないわけですから、それで只今申上げたんです。私は責任といたしましては、こういうような閣議の、全閣僚が会つて、そうして二月六日に決定しておる次第でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そうしますと、その骨子をはつきり言うて頂かなくちやならん。どういう点で二十九年度からは、あなたの先ほどの御答弁のようなことがうまくできて行くか。総合いたしまして、大蔵大臣が言い或いは又は自治庁長官が言うようなことが、できるかということの御方針を出してくれと、こういうのです。だからそれでまだ不十分ならば、いつ閣議決定をして、委員長からこの委員会の総意で言われたところの方針が出ますかと、こう言つているのです。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。先ど申上げましたように、閣議で決定しておりまして、そうしてその仕事をして頂くのは、私じやなくて、ほかの所管大臣がやるのです。でございますから、皆様方のお気持はよくわかります。私もその通り考えております。できるだけ早く税制改正の措置をして頂きたいと、こう考える。これはもうあなたとむしろ私は目的を一にし、同時に要求を一にしている次第であります。ただ問題は、こと非常に広汎でございますので、まだ関係閣僚がその方針を定めておりません。と申しますのは、これは私、想像でございます。ただ自治庁長官をしておつたときの経験から推しまして申上げる次第でございます。今回地方制度調査会にごの税制改正の方針も諮問されているごとと思います。と申しますのは、単に税制改正だけではございませんで、府県並びに市町村の間の事務の再配分をどうしたらいいか、又は市町村の、市町村と申しましても町村の規模が今のところ小さいから、これを大きく合併したらいいじやないか、そういたしますと、地方公共団体のあり方全部に亘りまして、そうして一つの案を立てまして、それによつてこの地方団体のあり方がきまりましてそれでは税制をどうしようかということになつて行くと思いますから、相当重要な問題であると同時に、広汎な問題でございますから、早急に実は案が立たないのだろう、こう思つております。

永井純一郎日本社会党(第二控室・右)

○永井純一郎君 只今の文部大臣の御答弁を聞いていると、相本的なこれは問題に亘つて来るわけです。りまり日本の今の憲法に基く民主化の一番根本の問題が、警察とこの教育だつた。これは大臣が御承知の通りです。それらの全般に亘つて、税制のみならず、地方自治体のあり方の問題にまで亘つてですね、閣議決定をして、そういうことをやらうというのならば、その中心をなす警察と教育の問題は、同時にそのときに考えて、全体の体系を作つて出すべきはずと思います。これは先ほど内村君がおつしやる意見に全面的に賛同しておられるようですが、それであれば、私が今申上げたような段取で、ものごとを進めて行かなければいけないはずと思います。今日までこの法案について説明を受けておりますと、非常に準備が不十分であることが、もう委員の各位が全部感じる程度にしか、この準備ができておりません。特に予算委員会でなすべきことは、法案の細部に亘ることではなくして、この法案を実施するに当つての予算の裏付、財政的な措置、このことがむしろ私どものこの委員会の任務である、こう考えるから、先ほど来、委員長を通じて要求が出て来るわけなんですが、そういうものが出て来ない以上、審議がむしろできない。私どもが持つ審議権を適正に行使することが私はできないと考えるわけです。こういう状態で、なぜそんなに急いでこの法案をそれでは文部大臣は出されたか、これはもう一番先の根本の問題に戻つて来ると思うのですね。で、自治庁長官なり閣議で、そういう全体の方針なり打合せもできておらない。今日もそういう話もなかつた。こういうことなんですが、私はむしろそれだつたら、この法案を出された、なぜ出されたか、準備ができておらないのに、というふうに私は聞かなければならんと思います。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申します。これを申上げればいろいろ長くなりますけれども、昨年できました半額国庫負担、あの法案がどうも準備ができないものですから、一年延期しようというような意向があつたのですが、併しながら私の考えといたしましては、あれを延ばすことはよろしくない、やはり続けて行きたい、こういう念願でございます。そういたしますというと、今度はやはり税制、財政上の相当な変革を来たさなければならん。変革を来すと言うことになりますれば、全額であつても、半額であつても手間は同じことになりますので、そうしますれば、私の理想といたしまして、全額で行くほうがいい、こういうことになりました。そうしてこれをやつた次第でございます。それから急いでやらなければならんということは、結局、いずれにいたしましても、負担金、義務教育費国庫負担法ですか、現在ございますあれを、とにかく四月一日からどうしても実行しなければならない。そうすると、その実行しなければならないものが、むしろ全額のほうがベターであるから、それをするということになりましてそうして予算閣議の途中におきましてそういう方向に向つたわけであります。でございますから、半額国庫負担をやるにしましても、大体において非常な困難が伴う、こう私は考えておる次第でございます。それで急ぎましたことは、結局昨年秋以来、そういうような税制、財政の改革措置ができなかつたから、今日こういうふうになりたということになつておる次第であります。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 文部大臣は記名投票が衆議院で今あるそうですから、又大蔵大臣も本会議に呼ばれているらしいのですから、今すぐ出て……(「文部大臣ちよつと待つて下さい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)そこで申上げます。暫時休憩いたしまして……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 私の質問にまだ答弁していないのです。この答弁は一つ必ずやつて頂きたい。待つていますから、委員会を閉じちやいかん。これを待つて委員長は誰か責任者に答弁させてもらいたい。その後において、又答弁次第によつて理事会を開かなきやならん事態が起きて来ます。だからこの委員会をそのままにおいてやつて頂きたい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 閣議決定をして出すという線、この線は何ら答弁がないのですから、これは明確にして置いて下さい。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) それでは暫く休憩いたしますから、そのままに一つ……。    午後二時四十三分休憩    —————・—————    午後四時四十五分開会

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 休憩前に引き続き質疑を続行いたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 先ほど私は政府の代表者に対しまして、委員長から委員会の総意によつての要求でありますが、地方税制の改革その他、この学校職員に対しまする財政的な裏付け、こういう問題につきましての政府の方針を明らかにするように閣議を開いてこれを答弁をしてもらいたい、又その方針を明確にしてもらいたいという要求を出しまして、この政府の態度が明らかにまだならないままに委員会は開会中に、文部大臣からは衆議院において投票しなくてはならないという、そこで暫時この委員会の欠席の点について了承をお願いしたいというような発言のために、私たちも議員としての関心もありました関係で、委員会は開会のままに文部大臣の退席を了承したわけですが、丁度そのときが二時四十三分、現在はもうすでに四時四十五分になつております。二時間、この重要な法案を本委員会は質疑をしようとしても大臣はおられない、又答弁をするところのほかの大臣もいらつしやらないままに、開会したままに今日まできたわけです。話に聞きますと、大臣は衆議院のほうの文部委員会のほうに出席されておるというようなことによりまして、今理事会も開いたというような状態です。こういうような態度はどういうことからこの重要な法案に対するところの審議がなされて行くか、なされなくてはならないかというような点につきまして、非常に政府の態度について疑義を持つ者であります。先ほども私は、無責任の政府の方針のきまつておらないことに対しまして、明確に申したはずでございまして、文部大臣はこ場の点は十分認められておられるようですが、どのような足取りをされたか、私はあそこは御承知のごとく投票だけだつたなら、僅かな時間、それにしましても三十分間くらいの問題でございます。そのくらいの時間は我々も了承したのですから、せめて三十分間くらいは御出席はないだろうという覚悟で、委員会も閉ざしておつたのです。どういう足取りをされたか、又どういうようなお心がけでいらしやるか、この点を一つここではつきりして頂きたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) これは私釈明する責任があると思います。本会議へ行きましてそうして投票が済みまして、ストの禁止の法案をもう一遍記名投票するのだから、おつてくれという話でございました。併し参議院はこういうわけで待つているのだから、一つそつちへ行かしてもらいたいと言いまして出ました。ところがこちらのほうへ伺わせましたら委員長お一人とか何とかいう情報がございまして、そうかといつて、そのときに衆議院文部委員長が若し時間がちよつとでも割けられるなら五分でもいいから一つ出て、衆議院の文部委員会と人事委員会の合同のほうへちよつと入つてくれんか、と申しますことは、昨日その合同委員会があつたのでございますけれども、こちらの参議院のほうへ詰めておりましたものですから、どうしても出席いたせませんで昨日流れておるのでございます。それで今日是非これを開会しなければならないから、顔だけでも出してもらいたいということで話合いがありました。それでは一つ予算委員会のほうの御要求があつたらすぐ知らせてくれ、又合同委員会の委員長である文部委員長にも、こうこういう事情になつておるから、参議院の予算委員会からお集りになつて要求に来たらすぐ出してもらいたい、こういう条件で入つておつたのでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 これは文部大臣の今の御答弁では、ますますこれはおかしくなつて来ます。委員長も先ほどから理事会でも言つていらつしやるように、誰かあなたのほうから秘書でも来て、そうして通知があればとにかくとして誰からも通知はない。委員会もそのままですから、質問する人もあり、勿論私の質問も残つておりますよ。それに対する答えも残つています。質問する人は二時間待つておるんですよ。こういう状態で、委員会は開会のままで、それに誰もおらんからどうのこうの、私はこういうような申立てというものは通らないんじやないかと思う、これは通らない。あなたの誠意はその点で疑われんですよ。ね、なぜ委員長に直接、委員長はずつとここにおられたんだからして、あなたが来られないなら、当然あなたが来られんならんですよ。併し来られないならば秘書でもやりませんか。当然あなたが来なくちやならん。あなたの向うへの出席を私たちは了承して、その聴聞だけ待つたんですから、当然それはあなたはですよ、あなたの要請によつて待つた以上は、なぜここに戻つておいでにならんのです。そういうことはやらずして、そうして如何にもあなたのほうに理窟のあるようなことの答弁では納得行きません。今一つ明確に答弁をしてもらいたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 成るほどこれは私の手落ちでございました。私が自身でここへ出かけまして委員長に申上げて、そうして出ればよかつたんですが。事務当局任せ、秘書官任せにして、こちらの要請の起り次第呼んでくれということにしたことは、私の至らんところでございます。お詫びいたします。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私今内村委員の発言を承わつてびつくりしたんですが、更に岡野文部大臣のお言葉の中には、委員長一人であつたから云々と言いますが、私は休憩になつてからもここを一歩も動いておりません。誰がそんなことを言つたんですか。そうして若し秘書官がおいでになつたら少くとも秘書官でも委員長に、こうこういうわけだという挨拶をすべきだと思う。それもなされていない。実に心外千万。委員長がここには一人だということを文部大臣におつしやつたのはどなたですか、はつきり私は承わりたい。私は一歩もここを離れておらない、他にも数人の委員がここにおつた。そういうでたらめなことを基礎に委員会で答弁されることは非常に遺憾である、はつきりと申してもらいたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。私も連絡員を置いておけばよかつたんですけれども、その連絡員がいなかつたかも知れませんが、とにかくこれは私の全く手落ちでございますから、もう謝ります。お詑びさせて頂きます。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今文部大臣から陳謝の意を表されましたから、この問題についてとやかく私は申したくございません。併し予算委員会はこういうようなことでしよつ中時間を空費することは非常に遺憾です。法案自体を、又その内案いろいろ検討を深めることによつて時間がかかるなら幾らでもいいんですが、こういう手違いとか、文部大臣のそういう、ミステークから予算委員会が審議が遅れるということは重大な問題です。私は根本は文部大臣だけでもないと思うんですが、結局一番最初予算委員会を開くときに内村委員から言われた、もう予算が衆議院を通過しちやつて三十日経てば成立するという頭が多分にあるから、これは政府全体のだらけた参議院に対する非常に無責任な態度から私は来てやしないかと思います。今後の委員会の審議上この点は文部大臣ばかりではございません。総理大臣をはじめ全閣僚、この点は又政府委員についてもそうであります。この点は私は気を付けられてもらいたいと思います。今日の問題についてはもう陳謝いたしましたから、これ以上とやかく言いたくはありませんが、予算委員会をこんなことで、こんなつまらんことで時間を空費しないように、政府側においても十分気を付けてもらい、委員長もその点警告して頂きたいと思うのであります。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 只今の文部大臣のこの委員会における出席のいきさつにつきましては、先ほどお聞きの通り文部大臣から陳謝のお言葉がありましたから、これはこれを以て一つ御了承を願いたい、こう思つている次第であります

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは傍聴人もたくさんいらつしやるわけなんです。そうしてこの予算委員会の審議がこういう恰好で、而も審議を捨てて、審議継続中こういう恰好でブランクに陥ることは非常に私は相済まんことだと思います。こういう点についても文相は反省されることが必要だと思います。単に我々並びに委員長に了解を求めるということでなくて……、実は非常にまずいと思います。そういう点はつきり認識を新たにしてもらいたい。

岡野清豪自由党文部大臣

○国務大臣(岡野清豪君) 今日のことは重々私がお詫びいたします。今後反省いたしまして政府一同よく心に銘じておきます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そこで、先ほど理事会で決定いたしましたように、官房長官に一つ出て頂くように、それから出て来られるまでに質問もありましようから。その点を委員長のほうで委員のほうに諮つて頂きたいと思います。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) お諮りいたします。先ほどの理事会におきまして、先ほどの内村委員の発言の通り、この問題につきまして政府が財政改革の方針を閣議にかけて、いつ頃それを提出する見込みであるかという発言があつたのでありますが、今日まで政府側からは答弁がないのであります。従つてこの問題は閣僚諸公に対しては相当に責任があるというようにも我々は看取いたしまして、理事会におきましてはこれはやはり官房長官の出席を求めてこの問題の質疑を重ねたほうがよろしい。こういうことに決定いたしまして、官房長官のほうに連絡をいたしましたところ、官房長官は本日は重大なる問題を今相談中であるから、ちよつとすぐこの席に出席することはできかねるというお答えがありましたので、といつていつ頃こちらに御出席になるかその点も今のところは見当がつかないのであります。それから又先ほど岡野文部大臣の秘書官から、五時から臨時閣議を開くように相成つたから、一つその点も含んで委員諸公に諮つてくれ、こういう申入れがあつたのでありますが、すでに時間も五時ということになりましたが、本日の委員会をどうやつたらいいか皆さまの御意見を聞きたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 緒方官房長官はいつ出られる予定かも全然わかりませんか。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) わかりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると予算審議はずつとそれまでは継続できないわけですか。どうなんですか。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) そうです。その問題が解決するまではということに相成ると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 明日の朝とか何とかいうふうな見通しはないのですか。これもないというと。審議の全然予定が立たんと私は思うのです。

木村禧八郎労働者農民党

○木村禧八郎君 只今は委員長の報告によりますと、岡野文部大臣は五時から臨時閣議に出席される。それでそうしますと、事実上ですよ、事実上これは審議が困難だ。もう実際問題として今日は一応これ以上はできないわけです。だめなんです、実際問題として……。そこで散会するよりしようがないじやないですか。そこで今後の運営については又お諮り願いたいと思いますが。本日はそれよりしようがない。(「しようがない、しようがない」と呼ぶ者あり)

千田正第一クラブ

○千田正君 散会するといたしましても、これは政府の責任においてはつきり反省してもらう必要があると思うのです。それは我々委員会審議の過程において政府の都合によつて散会するという意味であります。必ず責任を以て今後の審議のできるように、こういうことをはつきり申入れる。

岩沢忠恭自由党

○委員長(岩沢忠恭君) 先ほど申上げましたように、都合によりまして審議は不可能だということが、はつきりいたしますから、今日はこれで散会いたします。    午後五時二分散会

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