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15回国会参議院1953/03/12

法務委員会 第16号

発言数
46
登壇者
5
会派数
2
開催日
1953/03/12

会議録

中山福藏緑風会

○委員長(中山福藏君) 只今より委員会を開きます。本日は先ず連合委員会の開会についてお諮りいたします。  売春等処罰法案について地方行政委員会及び厚生委員会と連合委員会を開くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中山福藏緑風会

○委員長(中山福藏君) 御異議ないと認めてさよう決定いたします。直ちに連合委員会を開会いたしますので法務委員会は休憩いたします。    午前十時四十八分休憩    ―――――・―――――    午後二時三十一分開会

中山福藏緑風会

○委員長(中山福藏君) これより委員会を再開いたします。先ず少年法の一部を改正する法律案及び少年院法の一部を改正する法律案、以上いずれも予備審査の二案を便宜一括して議題に供します。両案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取いたしておりまするので、本日はこれより質疑に入りたいと存じます。御質疑のおありの方は御発言を願います。

伊藤修日本社会党(第二控室・右)

○伊藤修君 先ずお伺いしたいことは、一体現在調査官制度がとられておりますが、その調査官の任用というのですか、任命ですか、そういうものの資格その他の採用の条件とかそういうものについて概略的に御説明をお願いいたします。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 調査官の任用につきましては、御承知の通り調査官には調査官と調査官補と二つに分れておりますが、調査官につきましては、調査官補を二年経過した者を厳重な昇任試験を行いまして、この昇任試験に合格した者を調査官にするという建前にいたしております。ただ現在何と申しましても家庭裁判所が発足して四年にしかなりませんので、調査員の性格から申しまして、相当教養のある年輩の調査官も必要でありますので、官吏又は民間のかたから旧制大学を卒業してから十年たつた者、若しくは専門学校を出て十五年たつた者を最低基準といたしまして、それから直接特別任用として調査官を採用している場合かございます。さような方式で調査官の任用を行なつております。なお調査官補はおおむね旧制大学若しくは新制大学を卒業した者からやはりこれも特別な試験を行いまして任用しております。昨年の九月試験を行いましたが約四、五千人の応募者が、ございまして、この中から試験には三百名ほど合格したような次第であります。この三百名くらいの中から少年調査官補それから家事調査官補を現に選考中でございます。

伊藤修日本社会党(第二控室・右)

○伊藤修君 私が申上げるまでもなく、現在の調査官制度の運営のあり方について御承知の通り少年事業について殆んど調査官の調査及びそれに対するところの結果、そのこと自体が即判事の認定の基礎になることは御承知の通りですが、又実際の運営の面からいたしますると、恐らくあなたも耳にしていらつしやるでしようが、又最高裁判所の裁判官等においても、そのことがしばしば問題になつていると思います。この調査官の事実認定ですか、殆んど事実認定権を持つていると思うのですが、その結果に対してめくら判を押しているのが現状です。私はそういうあり方はよくないと存じまするが、事実はそうであるのです。又仮に裁判官がそれに対して否という考え方を持つて進めば、みずからとつて以て各種の調査をせざるを得ない、さようなことは事実上できない。又調査官のそれまでとられた仕事に対するところの敬意を払うという意味においても、これを尊重するという意味においても、これはなされていない、それが実情です。そうするとひとり成年につきましては、幾多の制約された規定があつて、基本的人権を飽くまで保障されるにもかかわらず、不幸にして未成年なるが故に、こうした一調査官の認定によつてその人身が拘束せらるる結果になるということは、私は不合理だと思うのですが、又不公平だと思うのですか、未成年に対する保護という観点かつしておろそかにこの基本人権を制約するというあり方は私は廃止すべきだと思うのですが、何らかここにおいて最高裁判所においても、又当面の責任者たるあなたにおいても、この運営についていま少し考慮さるべき筋合のものではないかと思うのです。又考慮しなくちやならんと思うのですが、それで私はなぜこのことを言うかと申しますと、私は自分が担任した事件でも何でもない、ただたまたま昨年秋頃でしたか、或る未成年の事件があつて、聞いてみると極く簡単な僅かのことだ、それが親が陳情に行つたために、又陳情が少なかつたためか知れませんが、煮て食おうと焼いて食おうとおれの自由だ、こういうような暴言を吐いて、あたかもその少年の身柄については全部支配権を持つているがごとき口吻を漏らし、言葉の裏を覆しますれば、何か持つて来い、或いは頼みに来いということにも聞きとれる、これは私らから言えば、保護観察にすべきような事件を直ちにとつて以て少年院へ送り込んでしまつたというようなことを聞いたのです。けしからん調査官だとこう思つたのです。すると最近又そういうような事例があつた。路傍において三人の少年が青年団の帰りに酒に酔つて来た、たまたまそこへ一人の未知の青年が通り合わした、それといさかいを起こしてけんかしたのでしよう。その結果酒を五合買わしめて、四人して飲んだという事案です。それはどういう事案によつて送られたか存じませんが、そうした事実、その酔つて最初に集いをなしておつたところの三人の一人というのは、平素の品行から行けば村でも模範青年である。さようなことはあるべきことでないと思つて、親が陳情に頼みに行つたわけです。すると却つてそれが感情を害して、自分の職権においてすべての少年のあれを支配しておるのだ、おれ以上に出る者はないのだというような口吻を漏らして威丈高になつて、その親の縷々たる陳情を拒絶した、私は親が陳情するということは、むしろ好ましいことではないかと思う、親が見放すような子供であつてはならんと思う。保護者たる一番密接な関係のあり、一番関係の深い、又一番大切な立場にある親が、その裁判官なり、或いは調査官なりに、その子供の身上について過去のこと、将来のことについていろいろ相談申上げて、陳情をすることは当然のことであつて、又期待できることであつて、そういうことがあつていいと私は思う。そういう人に機会があればどしどし接触して、その子供に対するところの将来の措置を考うべき筋合いではないか。それを独裁的に、独断的に、他のあれを排除して自分一人が最高の権威者という考え方を以て少年に対処するというようなことは以つてのほかだと思う。それは、たまたま私が二つの事実に遭遇して聞き及んだに過ぎないのです。一般裁判官のあれを聞きますると、今日の運営というものは先ほど前提に申上げたような運営です。私は如何にいい法律を作つたつて運用する人がそんな頭では駄目だと思うのです。特に調査官の任用制度において欠くるところがあると思うのです。いやしくも人の基本的人権を左右するところの地位にある調査官が、その任用において司法官の任用と著上く軽い条件の下に任用するということは、如何に人がないといつても、尊い基本的人権を保護する立場にあるところの、そうした重要な職責に就かしむるのに、軽々しく坊主であるとか教員であるとか社会事業に携つておつたとかいうような経歴を取つて以て、直ちにそれを採用するという漫然たる在り方では、如何に法律を立派に作り上げたところが、将来の日本の少年に対するところの司法保護ということは目的を達成しないと思うのです。これに対してどういうふうにお考えになつているか、先ずお答え願いたい。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 現在の少年審判におきまして、少年調査官の占むる位置が重要であることは伊藤委員の仰せの通りであります。併し現在の家庭裁判所におきまして、少年審判が少年調査官の意見によつてのみ左右されておる、あたかも裁判官の意見などは全く容れられないようなお説でございますが、私どもの知つております限りにおきましてはさようなことはないと思うのであります。と申しますのはここ一、二年は家庭裁判所の裁判官も非常に充実いたしまして、東京あたりでも専門に少年事件のみを取扱つておる裁判官が約十人おる。又十数カ所の家庭裁判所におきましては、専任の優秀なる裁判官が相当数配置されておりますので、さような場所におきましては決して盲判をおすというようなことは、断じてないと私は思うのであります。ただ地方の一部では或いは民事事件、刑事事件なども少年審判と同時に取扱つておるというような裁判所がございまして、そういう裁判所に参りますと多少この刑事、民事の事件が忙しいために、専任の裁判官のおる所ほど慎重にやられていないきらいがありますので、私どもといたしましては、是非とも少年審判事件につきましては、専任の裁判官を置くように、各家庭裁判所、地方裁判所にお願いしておるような次第でありまして、最近はだんだんと専任裁判官になりまして充実して参つたような次第でありますので、伊藤委員のおつ上やるようなことが原則というふうには全く私ども考えておりません。一、二のそういうような例がありますれば甚だ恐縮に存じます。今後会同、研修等におきましてさようなことのないようにいたしたいと存じます。家庭裁判所ができましたゆえんのものは、裁判官が人権擁護の感覚の下に少年審判を行うという建前でありますので、飽くまでも裁判官が人権擁護の立場から最後の判断をしなければならない。これは申すまでもないことでありまして、さような点につきましては、今後極力人権擁護の問題をきつく強調して行きたいとこう思つております。  少年調査官の素質の問題につきまして、さような少年調査官かあるということをお聞きして非常に恐縮でございますが、何分にも六百数十名の者がおりますので、中にはそういうことがあつたとすれば甚だ恐縮な次第であります。少年調査官の教育につきましても、最高裁判所といたしましては、必ず入りますと一カ月或いは四十日くらいの研修をいたしまして、人権擁護の問題に関する限りにおいては徹底的に考えてやつて欲しいということを強調しておりますのですが、今後ともさような人権擁護の問題につきましては特に強調して善処をいたしたい、こういうふうに考えておるのであります。少年調査官の中には保護者の意見とか或いは弁明を余り聞かないという者があつたかのような御発言でございましたが、私どもといたしましては保護者の弁解とか或いは意見というものはきつくこれを取上げて、保護者と共に少年を保護育成しなければいけないというふうに考えております。少年調査官も又そういうふうに考えておると思うのでありまするが、さような事実があるとするならば、甚だ恐縮に存ずる次第であります。  なお、少年調査官の任用基準につきまして、非常にルーズ或いは寛大ではなかろうかというふうな御発言につきましては、私多少うぬぼれかも知れませんが、少年審判所当時の少年保護司の採用等よりも遥かに厳重にしておりまして、当時の一つの標準でありまする学歴なども比べますと今のほうが邊かに高いのであります。余り高過ぎるために現場の者から相当非難さえ出ているような現状でありますが、併し私は高過ぎるということは絶対にないと考えおりますので、今後もますます任用につきましては慎重を期したい、こういうふうに考えております。

伊藤修日本社会党(第二控室・右)

○伊藤修君 第一の点ですが、それは勿論東京においてはお説のごとくとは私も信じております。これは優秀な判事諸公が集められておるのですからそうなくてはならんと思いますが如何せん、地方の裁判官においてはこの種の事案に対するところの新らしい制度についての任用という点についてまだまだ徹底していない点があると思う。試みに鹿児島において私はその担任判事に会つた場合に、あなたは鑑別所なりその他の施設に少年を見に行つたことがありますか。まだ一遍も行つていない。一体それで以て少年に対する措置がとれるかどうか、さような机の上において調査官の報告だけ、書類のみを見て、その人物の将来、何十年という将来を見通しできるか、神様でない以上はできないでしよう。そういうようなあり方で以て果して今日のこの大切な少年に対する措置がとれると考えられまするか。先ほど私は引例いたしましたごとく、今日の地方のこの種の担当裁判官の感覚というものは刑事事件、民事事件というものに重点をおいて、この縁の下の力持ちのような派手でないこの種の事案に対しましては軽く考えておる傾向が多分にあるのです。これは厳に私は裁判官会同において戒めなければならないと思うのです。少くとも調査官の調査の結果をうのみにする、逮捕状を請求したからうのみで判をおすというあり方はよくないのです。裁判官が若しそういうような態度で行くならば折角日本の国民全体が信頼しておる裁判所に対する信頼感というものが非常に薄らぐということは国家全体から大きな損害だと思うのです。私はどうかそういう点においては青年に対する各種のむずかしい制約の下にその人の身柄を拘束しておることを考え合せますれば、少年に対してもその身柄を拘束するということが如何に重大であるかということを考えなくちやいかんと思うのです。そうした面においてその基礎をなすものは調査官なんだから、その調査官の仕事が絶対不変のもののごとく考えてそれをうのみにするのはよろしくない。だから裁判官にも私は罪があると思うのです。又今日の調査官の教育の面において欠くる所があると思うのです。その履歴を、ちよつとカードを見せてもらいましたが、裁判所で研修所に入つて何を研修所で一体教えておるか私は疑わざるを得ません。名前を申しますが国枝隆と言うのです。これに対するあなた方の処置を期待しております。この一調査官のために数十万の家庭の子弟はその身柄を左右されておるのです。さような不安な状態において国民生活が営まれるということは我々としては納得できないです。だからこれはその衝に当られるあなたとして神様ではないのですから若しそういう者があるとすれば厳に戒めて頂いて、これらに対する今後の被害をなくすべく努力して頂きたい。現在それによつて被害を受けておる人が幾多あるだろうと思う。私の知るだけでも二人ある。その他にも恐らく多数あると私は考える。若しそうでないと言うなら私はよく調査して全部をあなたに指摘してあなたの処置を促す。だから基本的には一つの事例にとらわれることなく、全体的に調査官の素質をやはり私は司法官を採用するがごとき考え方を持つてこれに準じて厳格にその人を得なくてはならんと思うのです。あなたが厳に過ぎるというそのお気持はよくわかりますが、厳に過ぎても足らざるものが我々の生活です。それは十分今後とも厳にして私は採用についてはよろしいと思うのです。そうして人物を得ることです。待遇をすることです。我々は待遇に対しましては第一国会以来皆様に協力しておるのです。だから待遇乏しきがゆえに人を得ないということであつちやならんと思うのです。やはり人は得べきであると思うのです。どうかそういう意味においてこの具体的な問題に対する処置を促すと共に、全調査官に対する運営のあり方、並びにその結果について地方裁判官のあり方について裁判官会同で十分に一つ厳重に訓示して頂きたいと思うのです。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 伊藤委員の御発言に対しまして先ほど申上げました通り少年調査官の任用につきましては、今後とも厳重にいたしまして優秀な少年調査官を採用いたすことによりまして少年の人権の擁護について万全を期したいとこう考えております。  なお御指摘の事案につきましては、早速その事実の有無を調査いたして適当に考慮したいと存じます、

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 私は少年法の一部を改正する法律案について二、三点伺いたいと思つております。  この問題になつております少年法の第十七条の二の規定による仮収容所は、家庭裁判所の甲号支部所在地に少年鑑別所がないために止むを得ぬ処置として認められるのでございますけれども、一体このことは二十八年の三月三十一日を以て仮の少年鑑別所はもうなくなるわけだつたのですが……そうですね、それでその当時私が承知いたしておりますのは甲号支部の所在地に大体において鑑別所ができるというように承知しておりましたのでございますけれども、それはそういう予定ではなかつたのでございましようか。それで政府の提出の材料によりますと、二十八年度で漸く平と小倉にできますようになつておるのでございますが、その初めからこういう御予定だつたのでございましようか。それともこの予算措置が間に今わなかつたということでございましようか。ちよつと伺いたいと思います。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 代用少年鑑別所は本年の三月三十一日限りで廃止になるわけでございますが、それについて廃止になる場合にどういうふうに考えられておつたかという御質問でございますが、御承知の通りに少年事件を取扱う家庭裁判所の甲号支部というものは全国に七十二ございます。この少年を拘置監の一部に収容するということは、これは少年の取扱からみまして決して理想的なことではございませんので、できますれば理想的に申しますと、この家庭裁判所甲号支部に全部少年鑑別所の分所を設ける、そうして拘置監に入れることを避けるということが一等望ましいことと考えますけれども、国家予算その他の関係からいたしまして、この家庭裁判所甲号支部所在地全部に鑑別所の分所を設けるということは到底考えられないのではないかと考えます。従いまして今年の三月三十一日限りで廃止になります場合におきましても少年鑑別所に収容される者の予定数、それから家庭裁判所甲号支部と本鑑別所との地理的関係、そういうことのために止むを得ないものに限つて設けるということが相当ではないか。こういう考えの下に今年度の予算におきましても、法務省といたしましては、只今申上げました本鑑別所との地理的関係、それから少年の収容予定数、そういうものを勘案いたしまして、実は十七個所の家庭裁判所甲号支部所在地に本鑑別所分所の設置を要求したわけでございますが、その結果この参考資料にも出ておりますように、僅かに小倉と平に分所を設けるという程度のものになつたのでございます。併しながらこれでもつて決して満足の行く程度のものと考えておりませんし、法務省といたしましても将来更にでき得る限り努力をしまして、所定の十七カ所程度のものには持つて行く方針で努力したい、こういうふうに考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そういたしますと、近い将来と申しますか来年度予算あたりには、せめて十七カ所のうちの二カ所を予定されたので、あと十五カ所は追つておやりになるわけなんでございますか。私の伺いたいことは一体いつ頃までに大体この少年鑑別所の分所をお作り上げになる御意図でございましようか。お伺いいたしたいのでございます。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 法務省といたしましては、只今申しましたように少くとも十七カ所程度のものにはなんとか分所をこしらえるという方向で進みたいと考えますが、その十七カ所を設置するまでにどういう計画でいつ頃までにという御質問でございますが、これは私たちとしましてはできるだけ早い期間にそういうところへ持つて行きたいと考えておることは勿論でございますが、私たちだけの力でそこまで持つて行くことも非常に困難な問題も伴いますし、私たちといたしましてはできるだけの努力をやつて、できるだけ早く予定の線に持つて行くということの努力をする以外に、いつまでに完成するということのお約束はちよつといたしかねることではないか、こういうふうに考えております。できるだけ努力いたしたい、こういうふうに考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そうしますと、仕事の本質から考えまして、いずれはこれは重点的にしても作るという意思が政府にはございますね。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 法務省といたしましては、でき得る限わ前に申しましたような努力で進みまして、小倉と平ができたからもうこれであとは今度の改正法で賄うという考えは持つておりません。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そういたしますと、この第十七条の二の規定というものは、少年院法の第二十条一の削除に伴つて応急的に暫定的な措置を定めたものだと私は認めるのでございますが、若し政府がそういう御意図でございますなら、この少年院法の本文にこれを規定するより、むしろ適用期限を限定して附則にでもお書きになつたほうがいいのじやございませんでしようか。こういうことになりますと、これは期限もなし、或いは解釈によりましたら、このことは政府は永久にそのまま作らないのではないかと私は心配しているのでございますが、その点如何でございましようか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 若しもできましたらそういうところにしたいという考えでございますが、ただ現在少年事件を取扱つております家庭裁判所甲号支部、更に本年四月一日からは乙支部の一部においても少年事務を取扱うよりになるわけでございますが、すべての所に鑑別分所をこしらえなければその措置をやめるというわけに行かないことになります。併しながらすべての家庭裁判所甲号支部に鑑別所をこしらえるということは、これは現在並びに近き将来の国家財政面から考えまして到底不可能なことではないか、こういうふうに考えます。従いまして一応予定しております十七カ所に少年鑑別所の分所ができましたとしても、その他の所におきましてもやはり地理的関係から拘置監に少年を仮に一時的に収容するという措置が残されておりませんことには、少年の収容ができないということになるわけでございます。従いまして極く収容予定の少い所、そういう所にまで鑑別所の分所を作ることもできないと考えますので、一部分の場所におきましては、この改正法を応急的な措置として望まざるを得ないような事情になるのではないかと考えます。そうなりますと、これを期限付きで本文から外して附則で賄うということも不適当ではないかと考えましたような関係から、この本文に改正案を入れたような次第でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そういたしますと、これは政府の御説明もわかりますけれども、模範少年については今までは拘置監や少年院には入れなかつたわけだつたのでございますが、今度はこれは仮に入れることになるのじやございませんでしようか。その点宇田川局長如何でしようか。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 法律の解釈から申しますと、模範少年も仮収容されることに相成るわけでございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 今までは虞犯少年は拘置所や少年院には入れられないことになつているのでございましよう。それを今度こういうことになりますと、あの一番大事な虞犯少年が刑務所へ入るということになりますね、問題じやございませんか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) この点におきましては只今御指摘の通りにこの改正案によりますと虞犯少年も一時仮に拘置監の一部に収容するという建前になつております。この点につきましてはいろいろ問題もあると存じますが一当該の少年の保護という面から考えまして拘置監に入れるということは甚だ不穏当だと考えますけれども、更にその虞犯少年を釈放してしまつて野放しにするということは保護上甚だ面白くない、それよりも一応収容場所として仮に拘置監に収容する、大体少年鑑別所に収容できないような止むを得ない場合に限つて拘置監の一部に収容するということができるという規定をおいたほうが、保護の面からよい場合も考えられるということで、虞犯少年も直ちに少年鑑別所に収容することが著るしく困難であるような場合には、更にこれが拘置監に仮に収容することが適当であると考えられる場合には、拘置監の一部に仮に収容するということになると考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 これは私は誠に問題だと思います。特に虞犯少年は警察にとどめますことさえもできるだけ避けたいと思いますが、そのときにたとえ七十二時間にいたしましても刑務所の中に、拘置監の中にこれを仮収容するというようなことは、この少年保護の問題の上に非常に私由々しい問題じやないかとも考えますので、一つこの点については何かお考えになつてほかに処置がなかつたというわけなんでございましようか、如何でございましようか。少しは問題になつたのでございましようか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 只今仰せの通り問題になつたのでございます。併しながら前にも話したような事情で、止むを得ない場合で且つ保護の面から適当と考えられるような場合には、止むを得ない措置として拘置監に収容するようにしておいた方が相当であるというような見解で、こういうような改正を講じることになつたのでございます。併しながらこの点につきましては、仰せの通り問題点も持つておりますし、運用の面におきましては本当に止むを得ない事情があり、且つ適当であると考えられる場合に限つてさような措置をとるように運用して行かなければならんかと考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この虞犯少年と限りません、犯罪少年につきましても、この拘置監でなしに何か特別のあの拘置監に代るこの七十二時間の間入れる場所につきまして、政府は研究をなさつたのでございましようか。それはどうしても、警察に繋がれたということまではまあ止むを得んといたしましても、それが又七十二時間、三日でございますが、それだけの間でも刑務所に入れられたよということは非常な私は少年の将来に対してこれがマイナスになることだと思つております。だから私の考えといたしましては、適当な入れものが今の処置といたしましてできない場合には、願われれば、いつか宇田川局長ともそのことを話したことがございますが、警察の一部分を何とか改造でもして拘置監に代えるようにいたしましたほうが子供のためにいいし、人聞きも大変いいのじやないかと思つておりまが、その辺の点について如何でございましようか、お考えのことは。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) その問題につきましては、拘置監に移すことによりまして、宮城委員の言われるように、やはり地方では拘置監を刑務所と同じように考えておりますので、むしろ警察に置いておいたほうがいいのじやないかという説も出たわけでございます。併しながら警察の方も事情がございまして、七十二時間警察の拘留所に拘置した上に又三日でも四日でも置くということは、現在の過剰拘禁の事情その他から非常に困難だというようなこともございますし、又保護室を全部に置くことは直ちに予算上無理があるというような警察側の意見もありまして、結論といたしまして本改正のように相成つたわけであります。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 宇田川局長にもう一度伺いますのでございますが、この七十二時間ということは何を基礎にきめられたことでございますか。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 現場の家庭裁判所といたしましては、現在の家庭裁判所の少年調査官の数その他から押送を直ちにすることが困難だということで、或いは四日とか五日という説もあつたのでございますが、人権擁護の立場から成るべく少くしようというようなことで七十二時間ぐらいあれば何とか賄えるのじやないかという、最低ぎりぎりの線でこういうような時間をきめた次第でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 そうしますと、この三日間というものは結局身柄の拘束ということが目的で、その間に鑑別をしようという意図はないのでございますね。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) さようでございます。これはこの法文に書いてある通り直ちに少年鑑別所に収容することが著しく困難であると認める事情があるときという場合でございまして、この間に鑑別その他の処置は行わないことになつております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 実際はこの身柄の処置につきましては、収容の場所ということも非常に大事なことなんでございますが、子供を連れて歩くということも、方々に子供を移すということは非常に私問題があると思うのでございます。まあ移し方、その方法にもよりますけれども、なかなかむずかしいことなんでございますが、そういう意味におきまして、どうしても早く何とかの手当がしたいと願われるのでございますが、宇田川局長の御意見を伺いたいと思います。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 最高裁判所のほうといたしましては当初宮城委員の仰せられましたように、各甲号支部の家庭裁判所に鑑別所の支所を是非とも置いて頂くように法務省にお願いしておつたような次第でありまして、それが理想であります。今宮城委員の仰せられますように、少年を方々の甲号支部から本庁の家庭裁判所に同行するというようなことによる不都合は多多ございますので、これにつきましては、法務省のほうで是非とも一日も早く鑑別所を作つて頂きたい、只今もそういうように考えております。又現に法務省にもつねづねお願いしておるような次第でございます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 現在少年院で第十七条の二の仮収容所に充てられますような施設は実際にございますか、どうでしようか。あるとすればどこでございますか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 少年院を一時的に仮収容の場所として、そこに収容するという措置がとられましたような場合には、少年院の考査寮等が適当だと考えられますので少年院の考査寮に収容するというようにやつて行きたいと考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 少年鑑別所のことにつきましていま一点伺いたいのでございますが、先だつて東京少年鑑別所を参観いたしましたときに、誠に残念ないろいろの点がございましたのでございますので、あそこは長い経験を持つていらつしやる院長が、独特かも知れませんけれども、病人として静かに寝かしておくというその御趣旨もよくわかるし、私もそれには賛成なんでございますが、実際は、あそこに参つて見ましたときに病院らしい空気は少しもなくて、やはりこれは獄舎じやないか、立派な刑務所ではないか、とんでもないという感じを私持ちました。そうして、ただ寝かしておくという、その寝かせ方、病人扱いというものは扱いの仕方がありますが、あんな年頃の血の湧くような子供たちを数人同じ床の中に昼も夜も寝かしておくということ、その結果は一体どういうことになるか。隣同志が掛合話をいたしますし、全体で歌をうたつておるというような、実に病人でないような病人の様子でございます。ただ、少し病人らしい扱いをされておりますようなにおいがいたしますことは、女の子供の入つた方は幾分よかつたと思いますけれども、これは当局は勿論気がお付きになつておると思いますが、実は私どもは地方の鑑別所は大抵歩いておりますが、最後に残つております東京の鑑別所を見ましたときに実際驚きましたのでございます。そうしてもう全く拘置所という感じ以外にはございませんだつたのでございますが、而もそこに鑑別の機械という鑑別所の感じのするものが非常に薄かつた点でございますが、そこで、私はやはりいつも申しておりますように、少年鑑別所と銘を打つておる以上、これは鑑別を主体といたしましたものにして、そうして理想的に言えば身柄の一時収容所、ステーシヨン・ホームに当るものとこれは鑑別所と全く区別いたしまして、家庭裁判所の直ぐ近所か或いは裁判所の中に私は設備するというようなことにいたしましたら、本当の目的が達せられるのじやないかということを、あの東京の少年鑑別所を見ましたときに、特に私は深く感じたのでございます。これにつきまして、家庭局長とそれから法務省のかたとの御意見を伺いたいと思います。

宇田川潤四郎最高裁判所事務総局家庭局長(最高裁判所長官の指定する代理者)

○説明員(宇田川潤四郎君) 東京の家庭裁判所の現在の様子につきましては、私最近行つておりませんので、宮城委員の御発言のようなことがあつたかどうかということにつきましては存じておりませんのでお答えができませんけれども、鑑別所のあり方につきましては、やはり宮城委員の仰せられるように、鑑別を主体としてこれを施行するのが本来ではなかろうか、鑑別のための観護でございます。身柄の拘束は手段であるというぐらいに考えておるのであります。なお身柄の収容は裁判所のほうでやつてはどうかという、裁判所の中でこれを行うようにするか、或いは裁判所の近所でこれを行うようにしたらどうかというような仰せでございますが、これにつきましては、現在の実情から申しますと、土地の問題、庁舎の問題等なかなか面倒な問題を含んでおるのでどうとも言えない、実施の面につきましては、どうとも言えないのであります。ただ私の個人的な見解でございますが、私どもは少年鑑別所は家庭裁判所の所管の下にやつた方がいいということを常に申しております。これは私の個人的な見解であるのみならず、家庭裁判所の職員一般の要望でありますので、一応お伝えいたしておきます。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 収容の場所と鑑別の場所を別々にしたらどうかというような点でございますが、この点につきましてはすでに観護の場所、鑑別の場所、両建でできております現行法制の下におきまして、現在の鑑別所をよりよく充実して行くという方向で現在の形のままで行きたい、こういうように考えます。なお東京鑑別所における鑑別器具等が甚だ不十分であるという点でございますが、これは仰せの通り全く現在の段階では不十分の域を免れない、こういうように考えます。鑑別所は法律上設置されまして四年になるのでございますが、まだ充実して行かねばならん段階にございますので、この点も予算獲得等につきましてできる限りの努力をしまして鑑別器具等の充実を図つて行きたい、こういうように考えます。なお東京鑑別所を御視察の当時、非常に拘置所臭いような点、その他いろいろ不備の点があつたとの御指摘を受けたのでございますが、この点につきましては法務省といたしましても更に十分調査いたしまして、不偏の点は直ちに是正をして行くようにしたいと、こういうふうに考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 それぞれのお立場もございますし、やはり畑が違うものでございますからこういろいろの問題がございますけれども、どうか子供の問題だけはすべての畑を超越して、私どもの立場でございますと参議院の立場から、やはり子供の最もいい手当は何かということを、子供の保護の最上のものは何かということをいつも考えておりますから、それがもう最高裁判所に属しようが、法務省に属しようが、そういうことはちよつとも頭に起きませんで議論をいたしておるのでございます。願いたいことは子供の問題だけでも畑の意識なくやつて頂きたいと希うわけなんでございます。  それから今度は少年院法の一部を改正する法律案につきまして一、二点伺いたいのでございますが、ここに「医療少年院については、男女を分隔する施設がある場合は、この限りでない。」と書いてございますが、実際においてはこの女子専門の医療少年院というものは要らないはずなんでございますね。そういたしますと、こういうものを法律の本文に書きますと、永久にあの女子専門の医療少年院というものはできなくつてもいいということになりはしませんでございますか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 今回の少年院法の改正の趣旨から申上げましても、将来女子の医療少年院についてその設置が必要であると認められる場合には、この改正案によつても独立の女子医療少年院を設置することについて妨げにならないというように考えており心す。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 実際の医療少年院におきまして少年を取扱います上から、いいましたら、女子専用のものを設けることの方が非常に必要なことじやないでございましようか、如何でございます。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 只今仰せの点につきましては、女子医療少年院に収容すべき少年がその数においても相当多数となつて来たような場合におきましては、男子と同様女子についても独立の医療少年院を作る必要があるかと考えますけれども、現在の状況におきましては特にその必要もないように考えます。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 これはその必要ないのでございましようか。予算措置の上で独立した女子医療少年院を設けるというところまで行かないのでございましようか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 只今の点は、予算措置上独立の女子医療少年院を要求したことはございませんし、現在の段階では女子の独立の少年院を設置するまでの必要はないものと考えております。

宮城タマヨ緑風会

○宮城タマヨ君 この精神系統の疾患者の専門の少年院というものは必要ございませんでしようか。よく鑑定いたしますとやはり精神病に属するものが随分ございまして、それを一緒にいたしますとほかの子供に悪影響があるということはございませんでしようか。

高橋孝検事(法務省矯正局長事務代理)

○政府委員(高橋孝君) 精神病関係の収容をする少年院の設置は必要であると考えますが、現在の医療少年院におきましても精神上の疾患を持つた少年、肉体上の疾患を持つた少年、そういうものを分類いたしまして、それぞれの収容をしておるところもございます。ただ独立の収容をするまでの必要がないような場合におきましては、一カ所の医療少年院におきまして、只今の精神病の疾患を持つた少年、肉体上の疾患を持つた少年を合せて収容し、これに対する治療を施しているような実情でございます。

中山福藏緑風会

○委員長(中山福藏君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

中山福藏緑風会

○委員長(中山福藏君) 速記を始めて下さい。  本日はこの程度で散会いたします。    午後三時三十七分散会

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