文部委員会 第14号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/02/19
会議録
○委員長(若木勝藏君) それでは本日の委員会を開会いたします。本日は前回の委員会に引続きまして昭和二十八年度の文部省関係予算を議題といたします。前の委員会では会計課長さんが見えませんでしたので、西出会計課副長さんから一応の説明がありました。なお本日は会計課長さんも見えておりますから、補足的に重点について一応御説明を願つて、それからこれに対する質問に入りたいと、こう考えております。
○相馬助治君 ちよつと速記をやめて下さい。
○委員長(若木勝藏君) 速記をやめて。 〔速記中止〕
○委員長(若木勝藏君) 速記をつけて下さい。それでは課長さんから一つ御説明を願います。
○政府委員(小林行雄君) 明年度の文部省関係の予算概算につきましては、前回に概略のことを御説明申上げたと思いますが、そのうち特に文部省といたしまして重点的と思われる点について更に私から御説明申上げたいと思います。 お手許にお配り申上げております資料でございますが、そのうちの第一、義務教育の充実のうちの(1)義務教育費国庫負担制度の実施、これは義務教育の水準の維持向上を図る、それと義務教育の機会均等という建前から、義務教育費のうち教職員の給与費を国庫で負担しよう、それから教材費の一部を国庫から府県に援助しようということになりまして、これに必要な経費を九百二十億円要求いたしております。これはこのうち九百一億円が教職員の給与費でございまして、教材費が十九億円ということになつております。(3)の公立小中学校一般校舎整備、これは二十八年度の要求額といたしましては四十一億二千九百九十九万九千円ということでございまして、備考欄にその内訳がございます。その四十一億のうち六三建物、これは小学校並びに中学校の校舎整備の経費でございますが、それが二十二億六千九百万、それから屋内体操場の整備費補助、これは前年の……。
○相馬助治君 速記をとめて下さい。
○委員長(若木勝藏君) では速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(若木勝藏君) 速記を開始して下さい。会計課長から補足的な説明がありましたので、これで説明を一応打切りまして、これに対する質問に入りたいと思います。質問のあるかたはどうぞ。
○相馬助治君 先般資料として配られた昭和二十八年度予定経費要求事項別表によつて、先般西田君並びに本日課長よりの説明を聞いたわけですが、この資料の三段目の「昭和二十八年度要求額」というのは、これはミス・プリントですか、それともこれを国会に向つて承認を要求している額と、こういう意味ですか、これは何ですか。
○政府委員(小林行雄君) 只今お尋ねのございました通りでございまして、二十八年度の要求額、三段目のほうは、いわゆる来年度の予算要求額として国会に御承認をお願いしておる額でございます。
○委員長(若木勝藏君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(若木勝藏君) 速記を始めて下さい。
○相馬助治君 第一段の義務教育費国庫負担制度の実施に伴う費用の問題については、伝えられるところによれば文部省は画期的な法案を出すということを聞いておるのです。これについてはもう実にぼう大にして而も深刻なる質問の幾つかを持つているのですが、これは私は暫らくおきまして、次の極めて事務的なものについてのみやつて参りたいと考えるのです。 屋内体操場の問題については学校種別、それから地域別によつて相当その差を付けて成案が立てられておる、こう思うのですが、それについての概略を承わりたいと思います。というのは伝えられるところによると、中学校のほうには相当この屋内体操場の費用を持つて行つて、小学校に薄いというような話を聞いておるわけですね、同一地域内においては、例えば積雪地帯だとか、特に寒冷地帯だとかでは、その地理的な遠境によつて、暖かなほうと寒いほうで区別されるということはわかるけれども、同一地域内において、学校施設によつて国費の使い方が区別されるということについてはいささか疑問があるので、こういうお尋ねをしておるのです。
○政府委員(小林行雄君) 積雪寒冷地の屋内体操場の整備に関する経費のお尋ねでございますが、これは元来義務教育の年限延長に伴うものを主にいたしまして、従つて中学校の屋内体操場整備というようなことで計画をいたしております。従つて小学校の分のほうはこれに、一応計画としてはこれから外されておるというふうに文部省としては考えておるわけであります。
○相馬助治君 それについては議論がありますけれども、これは質問ですからそれだけ承わつておきます。 次にこれに連関していろいろ各委員から質問があると思いますが、私だけ自分で聞いてみたいと思うところだけ質問してよろしうございますか。
○委員長(若木勝藏君) どうぞ。
○相馬助治君 第二は国立学校の施設整備で、今御説明を聞きますと、大学の統合、戦災復旧というようなものに重点を置くと同時に、一般の施設の整備等についても継続的に国費を与える考え方に立つてやつておるということを聞いて、これは至極御尤もだと思います。ただこの際問題になりますことは、一例を以てすれば神戸の商船大学のようなものは当初我々はその設置に反対したのです。ところが議員提案のその法律案が出されたときに、文部当局もこういう新設の学校については十分とまでは行かないけれども、積極的に経費を見合つて、その整備については遺憾なきを期したいと思いますというような言明がなされておるわけです。従つて今の課長の説明では、そういう新設の国立学校に対する整備のためにということには触れられておりませんので、具体的に一例を神戸商船大学について引いて、一つこれらについての基本的な考え方をこの際承わつておきたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) この国立学校の施設整備につきましては、先ほど私の説明の仕方が悪かつたのかもわかりませんが、継続的な経費を二十八年度から認められた、それ以外にも国立学校の一般施設整備の経費は従来通りあるということであります。只今具体的な事例といたしまして、神戸商船大学の施設整備のお話がございましたが神戸商船大学の施設整備につきましては、先ほど申しました継続的な経費の一つの事例といたしまして、明年度におきまして約二億七千万の経費を計上いたしておる次第ございます。
○相馬助治君 この神戸商船大学の二億七千万というのは、この種学校の性質に鑑み、而も新設というところから見て誠に少なきに失すると私は思うのです。いわゆる国家財政の規模から来る制限というものを無視できないのでこの際念のために承わつておきたいことは、幾ら学校が要求して、そうして文部小はこの二億七千万としたのか、それを承わつておきたい。
○政府委員(小林行雄君) これは神戸商船大学の施設整備につきましては、前年来お聞きしておるのでございまして、本年度はその年度計画に従つて必要な経費をそのまま計上しておるわけであります。この概算要求の当初におきまして、どれだけ大学が要求し、それをどういうふうな経過でこうなつたかということにつきましては、今資料を持つておりませんので、調べてお答え申上げたいと思います。
○相馬助治君 私は後ほどその点については承わります。 次に戦災でなくて、失火によつて学校を焼失し、その施設が極めてぜい弱になつたという例が全国で大学においても二、三あると思うのです。こういうものについては、戦災復旧などとの釣合もあると思いますが、特殊な配慮が行われたかどうか。で行われたとしたならば、その実例はどういう大学に現われておるか、その点を承わつておきたい。
○政府委員(小林行雄君) 大学当局或いは公立学校当局の責任に帰すべき原因によつて失火した、それによつて校舎を消失した或いは設備を消失したというような場合におきましては、現在の予算の状況からいたしまして、なかなかこれに対して予算を獲得するということが実は困難な事情でございます。大学当局の責任でない火災、例えば鹿児島大学の文理学部の火災による焼失というものにつきましては、明年度の予算ではつきりこの災害復旧費を獲得しております。又前年度ございました三重大学の学芸学部の火災というようなものにつきましても、これは補正予算でその災害復旧の経費を獲得して、すでに復旧を実施いたしております。併し一般的に申しますと、学校当局の責に帰すべき原因によつて焼失するというようなものにつきましては、これは勿論程度にもよりまして、その焼失の校舎或いは設備が極めて貧弱になりまして、教育或いは研究をどうしても行えない事情になりますれば又別でありますが、一般的にはそれによつて、特にこういう災害について災害復旧費を獲得するということは事情といたしましては困難でございます。 なお、例えば前年入学試験の際に火を発しました宇都宮大学のような場合におきましは、これは学校内の教室の移転その他によつて、現在では一応支障のないような、教育研究に支障のないような状況になつておりまするので特別にこれについて災害復旧費を要求するというようなことはいたしておりません。なお併し詳細な事情を調べまして、若しどうしても復旧を要するというような事態が発見されますれば、国立学校の一般整備の問題として、これに復旧予算を付するというようなことも考えられるわけです。
○相馬助治君 今の課長が説明で実例に引かれた宇都宮大学の場合というのは、御案内のように、前々年度において農学部の本拠を焼失し、昨年度におきましては学芸学部を含む宇都嵐大学の本拠を焼失し、その持つている図書のごときものは全滅にひんするほどのこれは焼失なのです。ただ原因が誠に残念ながら失火というようなふうにも伝えられ、或いは漏電とも伝えられ、まだはつきりしていないようですけれども、今課長の説明の通りに、教室等については何とかやりくつておるようですけれども、いわゆる施設、設備というようなことについては、当然文部省は何か考えてやらなければならない筋だと我々考えているのです。併し先ほど申しましたように、国家財政の規模から来る制限というものがあるのですから、私も余りむちやは言いませんが、実際問題として国が見てやらない場合は、地方公共団体が何とか国立ではあるけれども、宝くじを出してみたり、或いは特殊な寄付をしてみたりしてまあやつているのですが、実際問題としては融資その他について地方の公共団体、即ちこの際は県を指す場合が多いのですが、県等の財政の面倒を見てやらなければならん事例が事実多いと思う。従つてどうかこの点については意見がましくなりますが、今課長の説明の通り実態を調査されて、特に地方公共団体との連携の上にその財政規模の実態の上に善処されるように、而も又この乏しい二十億からの金の配分については問題のないように深甚の注意を必要とするということだけを申上げておきます。
○木村守江君 只今課長の説明によりますと、学校の責任において火災を起したものに対しては特別取上げていないというような話でありましたが、これはちよつと変でないかと思うのです。学校が学校の責任において、学校がわざわざ焼いたというのではなくてこれは全く学校の責任によるとしてもそれは過失によつてなつたと思うのです。こういうような例は都道府県について公立の学校の場合にはこれはやつぱり原形を復旧するために、自治庁等は起債等を許しておりまして、そうしていわゆる原形復旧に資するような方法をとつております。ところがその問題が、これが国立である故に放つておくというような恰好は、これはやつぱり国立なるが故にその復興ができないということになつて、非常に矛盾だと思うんです。そういうような考えはこれから直して、どういうような方法かによつて復興して行くようにしなければならないと考えております。特に国立なるが故に文部省において責任を以て復興してやるというようにしなければ私はいけないと思うのです。 もう一つ今宇都宮大学の問題は、その校舎は焼失したが、ほかの教室等のやり繰り等によつてやつて行けるようだというような話で、而も何ら教育に支障のないような答弁をしておりますが、これは全く私は承服できない答弁だと思う。実際日本の現在の大学が満足に焼失しない状態においても、私は大学教育をする最低の基準を漸く保つているという状態ではないかと思うのです。それに二回に亘る大きな火災によつて焼失していながら、今ほかの教室を使つていて、そして大学教育に支障がないようにやつておるというような考え方は、これは文部省として根本的に改めなくちやならない問題だと思う。こういう点は課長はちよつと答弁できないかも知れませんが、帰りましたら、文部省の全体の問題として、文部大臣の大きな責任においてそういうことのないように是正して行くように今後取計らつてもらいたいということを希望いたしておきます。
○相馬助治君 只今の木村委員の御発言は全く私も同感で、そういうことを考えておるので、是非木村委員の御意見のように善処されるように私も重ねてお願いしておきたいと思うのです。 次に育英事業の強化の欄ですが、「日本育英会事業の拡充」という所に、まあ昨年度と比べますれば相当費用の面で大幅の拡充をした、こういうことにまあ文部省としてお考えになつておると思うのですけれども、実にこの日本の文教政策の中で育英事業の問題ほど私は羊頭狗肉なものはないと思つておる。この間NHKの「社会の窓」で、国から金をもらつて学んでいる高等学校の生徒、大学生が訴えていることを文部当局は聞かれたかどうか知りません。どの子供も漏らしております。それは足しになりますか、なりません。どういうふうに使つておりますか、何も使われませんといつたようなことでいろいろ私も考えさせられたのです。高等学校の生徒に月に五百円という、全く現在の物価から推して見て、常識外の金を与えておるということに非常に問題が多いと思う。併し費用のトータルがきまつておるのであつて、個人の単価を増すためには人数が減つて来る、人数の多くの者に均てんさせるためには個人に行く単価が減つて来る、それじやその頃合を見てどういうふうに実際には実施したらいいかということになりますと、私もここで成案を持つていないので、とどのつまりは育英費をもつと画期的に大幅に取るということがその前提になつて来ると思うんです。私は先ほど言う通り、国家財政の規模を無視いたしませんから、決してむちやは申しませんが、この際念のために承わりたいのは、一体日本育英会事業の拡充のために当初文部当局は幾ら要求されたのか、そうしてこういう査定になつたのですか。
○政府委員(小林行雄君) 育英会の事業の拡充のための経費といたしましてこれは人員の上でも多少増加したい、併しできれば単価をできるだけ引上げたいということでまあいろいろ作業いたしました結果、当初の要求といたしましては五十二億八千万円という数字を財務当局に要求したわけでございます。
○相馬助治君 私の聞き方が悪かつたので、五十二億要求されたというのはこの書類において私はわかつておる。私が聞きたいのは、この二十八年度の概算要求額に至るまでにやはり数字上の操作があつたと思う。だから理想的な形ではどのくらいを必要とするということが極めて事務的な立場から私は出たかということを聞いておる。五十二億の根拠をなしたその元の数字を聞いておる。
○政府委員(小林行雄君) この五十二億という数字は、これは育英会と文部省の担当部局と十分連絡をいたしまして、まあ現在において考えれば一応理想的と考えられる数字をここに要求したわけでございます。それは例えば高等学校につきましては総数の現在採用率は三%であるというのを四%、一%程度引上げたい。それから大学の採用率が現在二〇%程度になつておりますのを二五%程度まで引上げたい。それから単価につきましては、高等学校の生徒が二十七年度においては五百円でありますものを八百円程度に引上げたい。それから大学におきましては千九百円のものを二千五百円程度に引上げたいというので計算いたしました数字でございます。
○相馬助治君 その点についてはまあわかりました。次に私立学校振興会出資金についてですが、昨年度は三億九千万円の現金とそれから十七億の債券出資とによつて単独立法された私立学校振興会法案による仕事が出発したという経緯を我々は聞いておるのですがあのときにも自由党を含めて強く要求されたことは、この種の振興会ができても、単に不渡手形のごとき十七億というような債券を与えて、そしてお茶を政府が濁すならば、忽ちこれは立腐れになることが委員に気遣われて、参議院の文部委員会としては責任を以て政府が、特に文部省はこの振興会を見るようにという要望が行われたことは課長も御存じだと思うのです。これはまあ私は正直なところを言えば、今の日本の国家財政の規模からは十億というのは大分これは奮発して出したと正直私は思つておる。他との振合い上から考えて見るとまあこの十億というものも私は絶対少なきに失していないとこういうふうに思つておる。思つてはおりまするけれども、これについては私は念のために承わつておきたいことは、この十億という金を出す考え方は今後もこの調子で出すという文部省は考え方なのか、いわゆる今年十億で来年は少しずつでも殖やすとこういうふうに考えておるのか、それとも逆に店開きの当初であるから非常に無理して今年は十億出した、併し来年になればこの貸付債券も繋ぎ融資のような形で短期償還の分もあるから、それが返つて来れば振興会に何とかやり繰りがつくであろうから逐次来年度から減らすんだという考え方か、このどつちの考え方かによつて、十億というものがよく取つたと褒めるか或いは褒めないかはこれは議論の分れるところなんです。従つて継続的にこれは、私立学校振興会にはどういう角度で本年十億出したのか、その見解を一つ承わつておきたいと思います
○政府委員(小林行雄君) 私立学校振興会で現在私立学校に対して貸付を行なつておりますが、これは経常費に対する貸付分と施設整備に対する貸付金とがございます。現在私立学校は一般的に申しますと、授業料その他の収入を以てしては経営が極めて困難であるものが相当ございますので、従つて今後も或る程度経営費の貸付金は継続しなければならんと思います。 なお施設整備の貸付金でございますが、これは戦災その他によりまして私立学校の中には非常に大きな打撃を受けておるものがございます。これにつきましては私立学校自体といたしまして、できるだけ自分の力で寄附金を集め、又融資等を受けてやつておるわけでございますが、これも学校の力には限度がございますので、この自己財源で施設を整備するというようなことは容易なことではございません。なおこの従来の貸付金の返還金ということも考えられますが、これは現在におきましては極めて微々たるものでございまして、二十八年度において四百万程度それから以後は次第に増加はいたして参りますが、私立学校の要求する貸付要求額に比較いたしますと、極めて僅少でございますので、文部省といたしましては、この私立学校振興会に対する出資金も今後もできるだけ予算要求をし、獲得して、私立学校振興のために力を尽して行きたい、こういうふうに考えております。
○相馬助治君 課長の説明を私は諒とします。而も又そういう気がまえで一つこのほうの出資金も今後出して行つて頂きたいと思う。そこでこれは課長から答弁がなくともよろしいのですがその場合にはこういう質問があつたということを文部大臣に伝えて、次の機会に私の質問を待たず文部大臣の答弁を要求したいことがあります。又あなたで答えられるならばあなたで答えて下さい。それから裏にいる局長で答えられるならば答えて下さい。と申しますのは、国が非常に費用の乏しいところにもかかわらず、又文部省予算が非常に窮屈なるにもかかわらず、私立学校振興のために十億という出資をしたことはなかなかならん私は政府当局の苦労であると思う。ところが一方で私立大学の入学がどういう形で行われておるかということは、文部当局もよもや知らないとは申せないと思う。現に私立学校においては何万円の寄附金がなければ入れません。而もそれが裏話でそういうことが言われておるならば又いざ知らず、別な意味で社会悪としてこれは道義的な問題として我々は追及しなくちやならないが、今日極めて不可解なことは、或る大学のごときは現にこれに入学するためには私の学校では五十万円の寄附をお願いしますと五十万円の寄附をお出し下さるという承諾があるならば、大体採用されるでありましよう、こういうことを言つておる。私はこういう発言をするからには、どの大学で如何なる職責にある者がこういうことを言つておるかということを物的証拠を添えて実は文部当局に迫る用意があるということを附加えておきたいのですが、そういうふうな現実の私立学校の入学試験が行われる限りにおいては、我々は私学振興会に十億というような国費を割くことは潔しとしない。誤解なくお願いしたいことは、私学振興会に私どもはもつと国費を割いてやりたい。そして又文部当局の苦労も我々は敬意を表するのですが、同時にこれは文部当局としてはこういう間違つた私立学校の入学試験、金で解決する入学試験が公々然として行われていることについてはどういうふうにお考えになつているか。従つて私の質問は、そういう事実を知つているかどうか。それが第一点。事実は知つていないとしても、さようなる風評があるが故にさようなることが行われているかも知れないから、調査するという意図があるか、どうか、知らない場合に。これが第二点。さようなることが行われている場合においては、文部当局としてはどういうふうにお考えになるか。それが三点。この質問をしたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 私立学校の振興会の予算に関連して、私立学校に対する入学試験の状況について御質問がございましたが、これはやはり担当官と十分連絡をいたしまして確実なところをお答えするようにいたしたいと思います。
○相馬助治君 課長としてはそういう答弁は御尤もだと思います。是非とも稲田局長とも十分連絡をとられて次の機会において文部省が自発的に本員の質問に責任を以て答えられることを要求してその問題は打切ります。私の二十八年度の予定経費要求事項についての質問は以上です。
○木村守江君 この六の(2)の青少年教育指導の九百八十四万円ですがね。これは現在各都道府県にある指導員を減らさずにその費用額の三分の一を国庫が補助することができますか、この金額は……。
○政府委員(小林行雄君) 現在この青少年教育の指導員として置いてありますのは、各府県に三人、それから北海道が九人、合計百四十四人でございます。これの給与費及び旅費の額の三分の一を国から補助するということにいたしておりますので、府県としては従来通りこの百四十四人を減員せずに置き得ると思つております。
○木村守江君 そうすると、その当初要求しました五千四百七十四万四千円というのは、増員する考え方なんですか。
○政府委員(寺中作雄君) 要求をいたしましたのは、全額を国費で負担するという形で要求いたしました。それから人員に関しましては、地方におります者が各府県五名、北海道が九名でありまして、百四十四名であります。そのほか本部と申しますか、中央のほうで従来は国立教育研究所に多少の部員を持つております。それをやはり文部省に移してやろうという考えも持つておつたのでありますが、本部の関係の人員は予算の関係上認められなかつたわけであります。地方の人間に関しましては、三分の一補助によつて従来通りやつて行ける見込みであります。
○木村守江君 指導員の全学を国庫で負担するとなりますと、九百八十四万円の三倍ですから二千八百万円あればいいわけなんですね。ところがその倍額殆んど要求してあるのです。これはどういうのですか。そういうふうに中央にたくさんの指導者を予定しておつたのですか。
○政府委員(寺中作雄君) 人員に関しましては、要求のときから百四十四名でございます。ただ金額はこの青少年指導員の性質上非常に地方で旅行なんかすることが多いので、その旅費等も特別に相当、大体月一人一万円くらいのものを要求してあつたのでありますが、これは一種の大蔵省の基準と申しますか、そういうものによつて一人年額県内旅費三千四百八十円、上京旅費が八千七百円というように切られまして、それから庁費等も多少従来は事務所の設備費に充てるようなものとか、多少余裕があつたわけでありますが、それを最小限度に切詰めた経費にいたして三分の一にいたしましたから、それで九百六十四万円になりましたが、ですから大体三分の二を県で持つてもらつて、あと旅費等も或いはそれ以上にもう少し県で補給してもらわなきやあならない場合もあるかも知れんと思いますが、大体先ず要求予算によつて従来通りやれるというつもりでおります。
○木村守江君 ちよつとくどいようですが、これは現給を下廻るということはありませんか。並びに旅費等が現在よりも下の額になりませんか。
○政府委員(寺中作雄君) 現給は現在の指導員の俸給の平均額と申しますか大体七級俸ぐらいになりますが、基本給が月額九千九十円、それから例の期末手当、勤勉手当というようなものを一・五カ月分、それを一月分に割りますと千百三十六円になりますから、全額で月額一万二千二百二十六円ということになつておりますから、まあ現在のあの程度の年齢のものについては十分だと思つております。
○木村守江君 青年学級の問題は極めて僅小な予算なんですが、今年度はこの予算を現在の一万一千の青年学級より学級の数を殖やすということをせずに、今までの一万一千の青年学級を内容的に補助を重点的に持つて行くというお考えはないのですか。
○政府委員(寺中作雄君) 実は青年学級教育につきましても、もう少し学級数を殖やせれば殖やすことは理想であると思いますが、併し財政の関係等もありまして、学級数は一万一千学級ということでやりたいのでありますが、実際の場合その学級数よりも殖えるかも知れません。その場合には重点的に理想的な学級経営をやつておりますものについて補助をするというふうにいたしたいのでありまして、現在年額三万四千円程度の運営費をかけているものとみなしてその三分の一を補助するという計画であります。
○木村守江君 それから定時制教育の振興千百五十万円というのですが、これは定時制高等学校の設備費だけに充当するのですね。
○政府委員(小林行雄君) この定時制教育の振興千百五十万円でございますが、これはこのうちの一千万円が設備の充実でございまして、残りの百五十万円はモデル的な施設を作る。現在定時制高等学校につきましては、どの程度まで施設を整備したらいいかというような一般的な誰にもわかるような基準がございませんので、モデル的な施設を整備する経費として百五十万円だけ要求いたしておるわけでございます。
○木村守江君 ちよつとお伺いいたしますが、定時制高等学校のモデル的な施設を作るのに百五十万円というのですがね、これは何カ年か計画で以て百五十万円出すというのですか。どういう計画なんですか、一方的に百五十万円やるのですか、それとも今年は同校かに分けるのですか。
○政府委員(小林行雄君) これは本年度は極めて何といいますか、金額としては少いのでございますが、これは明年度以降に更に文部省といたしましては期待しておるわけでありまして、来年度の百五十万円は大体三教室だけをこの百五十万円で整備したい、施設を作りたいということで、この百五十万円を考えておるわけでございます。
○相馬助治君 連関して、私はこの定時制の学校の費用の問題については、事務当局である課長さんにお尋ねする以前に極めて政治的な問題があると思うので聞かないでいたのですが、今木村委員の質問に連関して答えがあつたところを聞くと質さずにはいられないのです。というのは我々の知つている範囲では当初定時制の問題については相当金額を要求した。ところがそれが大蔵省との事務折衝において全額削られてしまつた。そこで文部当局では非常に驚いて、まあ大蔵当局とどういう折衝をされたか知らんけれども、本当に名目的なものを以てそういう費用をここに計上した、それで僅かばかりの金をもらつたので、使い方に困つて今課長が説明したようなことになつた、こういうふうに承知しておるのです。そこで説明を聞いて見ると、一体定時制高等学校をどういうふうに設備してしいかわからんから、今モデル的な教室を三つ設けて研究するんだというようなことでは誠にどうも頼りない話でまあ羊頭狗因もこれに過ぐるものはないと思うのです、実際問題として……。一体どうしてこういうふうに大幅の削減となつたのか。そして又あなたがたはこういうふうに大蔵当局との交渉で削減されても今日黙つているのか、その辺について事務当局の説明だけで結構ですから、一つ聞かせて下さい。
○政府委員(小林行雄君) 本年度当初におきまして、定時制教育の振興といたしまして二十四億三千四百万の要求を大蔵省にいたしたのでありますがこれは御承知の通り高等学校の法律の定時制課程教員の国庫補助というものがございまして、定時制課程教員の給与費の十分の四を国庫から補助するという法律が従来あつたわけでございます。これの法律がその後消えまして、この関係はその後平衡交付金に入れられたわけでございます。義務教育費の国庫負担ということが問題になりましたので、これが義務教育の職員の給与費が文部省予算に組まれるということになるのなら、ば定時制課程の教員の給与費も文部省に組みたいということで当初の要求をいたしたのでございますが、これは自治庁その他との折衝が十分につきませんために、この二十四億円は明年度には文部省予算に載らないということになつたわけでございます。モデル定時制高等学校の建物の整備ということにつきましては、やはり五カ年計画で一県二校程度の計画を以ちまして、一応予算の要求をいたしたのでございますが、それがこの施設整備費の百五十万円並びに設備充実の一千万円、こういうことになつたわけでございます。
○相馬助治君 そうすると何ですか、地方自治庁との折衝の結果定時制の教員の給与の補助の分については平衡交付金の中の基準財政需要の中に地方自治庁においては盛り込むと言明をされたのですか。
○政府委員(田中義男君) じや私からお答え申上げます。定時制高校の只今お話の給与費につきましては、実はもう平衡交付金の中で従来から高等学校を主として、そして一人七千三百幾らかの単位費用を以て実は計算をされておるのでございまして従つてそういう意味においては見ておつた、こういうわけだつたのです。それを文部省としては従来から教育費の確保ということはやはりこれを直接国から責任を以て交付するということにいたしませんと、平衡交付金の中に単に計算されておるというだけでは非常に不安定でございますので、従つてたまたま現在平衡交付金法が施行されながらも、定時制高校に対しまする職員の補助法が依然としてともかく形は残つておりますので、それをこの際活かすことにおいて、そうして平衡交付金の中において基準財政需要額として計算されますものを、これを引抜きまして、そうして他の義務教育費におきますような、同じような線に沿つて国として直接外して来て、文部省関係においてこれを交付しよう、こういうことを計画いたしたのでございますけれども、併し平衡交付金の中からそれを割いて文部省に移管するということは、これは御想像できますように、非常に自治庁との関係におきましても困難な問題でございますので、従つて来年度それを実現することができませんで、やむなくその点は諦めまして、そうして施設、或いは設備の補助、こういうことにおいて最小限確保したい、こういうことで最後の段階においていろいろ折衝をいたしまして、そうして一方モデル・スクールに対するまあ僅かでございますけれども百五十万、その他いま一つ特に御承知の通りに独立分校が非常に貧弱でございまして、全く内容設備等においては整つておりません。従つて実験、実習等も全くできないような貧弱な設備でございますので、従つて独立分校の中、特に来年度は一千万円の補助金を得まして、そうして大体五百校を対象として、一校五万円平均の交付金を出しまして、そうして理科教具の整備に充ててもらいたい、こういうことを考えまして、一千万円を別に得ておるわけでございます。
○相馬助治君 御説明を聞いてわかつたのですが、この定時制教育の振興の費用を頑張り切れなかつたというところに私は文部省の手落ちというよりも、岡野文相の公約違反がはつきり露露されておると思う。岡野さんはこの委員会を通じて何と言つたかといえば勤労青年の教育のためには積極的にやりたいと、こう言つておる。それからこれはかかる委員会において正規に発言すべきものではないけれども、私どもの私的会談においてもそれを裏付けるような御意図があるやに聞いて、私どもはひそかにこの点に関しては敬意を払つていた。ところが未だ法律のない新たなる今度の義務教育学校職員法という法律を起して、そうして困難な平衡交付金の中から費用を持つて来て財政的な操作をするという、そういう政治力のある文相が、一方にはちやんと法的根拠のあるこの定時制の教員の給与の問題について自治庁と妥協するなどというのは、もう首尾一貫を欠くと共に、誠に公約違反だと私は思う。ここで公約違反だというようなことを突くのではないが、局長にお尋ねしたいことは、結局文部省はこれに妥協した、これは遺憾と存じますが、で今後この定時制の問題についてはあなた自身はどういうふうにお考えですか。
○政府委員(田中義男君) お話のように勤労者、青少年の教育を振興しなければならんということは最近一般でも強く言われておるところでございますし、文部省当局といたしましても十分な努力をいたすつもりであり、なおいたして参つたのでございますが、来年度の予算としては只今申しましたような結果に相成つております。でお話のように平衡交付金の関係なり、自治庁の関係において大きな問題の一つは解決を得ておるようなことで、それと同時にあれがやれなかつたというお話でございますけれども、これは何もかも一時には遂にできなかつたという結果なんでございまして、なおその振興のためには一層将来努力をいたしまして、そうして当初我々の考えておるような計画の実現を図りたいと固く期しておる次第でございます。
○高橋道男君 先ほど相馬委員から御発言があつたのですけれども、神戸商船大学に関連しまして、清水商船大学これは神戸の設立のときに希望をしておつたのですが、商船大学が二つできることによつて、従前からある大学の整備を遅らしてはいけないということを希望しておりましたが、清水のほうに対してはどういうような操作になつておりますか。
○政府委員(小林行雄君) 清水の商船大学についてのお尋ねでございますが、これにつきましては御承知の通り従来この商船大学がございました越中島の現在保安庁関係で使つております建物との関連もございます。最近におきましてこの越中島の建物のうち、保安大学の一部分が残つて使つております部分につきましては、これは商船大学のほうに返還されるというような話もございますので、従つて現在清水にございます学校の一部、それから本部等が明年度において或いは越中島のほうに移つて来るというようなことも考えられます。従つてその際にはやはり越中島のほうの整備というようなこともございますが、現在清水にございます商船大学につきましては、やはり神戸商船だけに重点が行つて、清水のほうがなおざりにされるというようなことのないように、やはり学校当局と十分連絡しまして、施設、設備の整備ということには文部省として心がけておるつもりでございます。
○高橋道男君 越中島のほうへ帰ることができれば、懸案の解決でありますから誠に喜ばしいことであると思いますけれども、帰るだろうというような臆測だけではこれは学校の充実を期するわけにはならんと思います。けれどもいつ帰るということについてのはつきりした見通しは明らかなんですか。
○政府委員(小林行雄君) 学校の当局者から口頭を以て聞きましたところによりますと、保安大学の現在使つております部分につきましては、二十七年度末まで、三月末までに大体明け渡すというようなことを聞いております。併し正式に書面を以てまだ言つて参りませんので、その辺は学校当局ともよく話合いたいと思つておるわけであります。
○高橋道男君 この問題に関しては又別な機会があると思いますから、関係局長のおられるときに改めて又お伺いしたいと思います。 それからもう一点伺いたいのは、社会教育の面が非常に大事だと思うのですが、学校図書館以外の一般の公立図書館、或いは公民館というようなものに関する補助費その他の考え方というものについては如何なる構想をお持ちですか。局長がおられますから簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(寺中作雄君) 図書館につきましては、従来図書館の運営費を多少補助して参つたのでありまして、それにつきましても今年度は一千八十五万一千円が確保されておる次第であります。それからなお図書館の設置補助費、即ち建築費の補助費といたしまして、図書館、公民館、博物館を通じまして一千万円を建築補助として計上しておる次第であります。この運営費の補助のことでございますが、図書館の運営費補助も非常に僅少でありまして決して十分ではございませんが、約一千万円余りのものを持つておりましてこれは現在館数といたしましては図書館が全部で九百四十四館ございます。で補助の対象になつておりますものは百五十五館でありまして、これは只今申しましたように基準に達しておるものの数であります。それで今の千八十五万円を一館当り平均にいたしますと約七万円であります。これで十分ではありませんが、とにかくこの図書館の図書の増加等について多少の補助的役割を務め得るという意味におきましてこれを以て図書館の振興を図るようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○相馬助治君 その予算の問題については課長の説明を聞いて私自身も質問いたしましたが、まだ質問を保留したいと思う。それから他の委員においても勿論そうだ思う。従つて今日はこの予算に関してはここで一応打切つて欲しいと思う。なお私はそれ以外に一つ田中局長に尋ねたいことがあるのですが、先ず本日は予算に関しては打切りの動機を提出いたします。
○委員長(若木勝藏君) 御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若木勝藏君) それではさようにいたしまして、今日の予算に関する面は、今日の分については打切ります。
○相馬助治君 これは文部省の事務当局にお尋ねします。伝えられるところの義務教育学校職員法案について、事務当局の作業段階、その他これに連関して国会に提出する見通し等についても、言明できるならばこれを加えて事務的な立場からこの際局長より見解を承わりたいと思います。
○政府委員(田中義男君) 義務教育学校職員法案につきましては、大体事務当局としてこのほど成案を得まして一昨日の閣議において決定を見たのでございますから、従つて提案用意のできます時期は明後日くらいになりやしないかと思いますけれども、国会に提案される運びに相成ると思うのであります。それからなおいろいろ関係方面の請求もございまして、その準備も大体整つておりますので、それらの点につきましても、義務教育学校職員法案の提案をおつかけて近日に提案されることと考えております。
○委員長(若木勝藏君) ではほかになければ本日の委員会はこれで散会いたします。 午後零時二十四分散会