文部委員会 第10号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/12/17
会議録
○委員長(若木勝藏君) 本日の委員会を開会いたします。本日は二十八年度の教育予算を中心とする教育一般問題を議題といたします。先ず初めに文部省側から二十八年度予算の説明を聞くことにいたします。
○政府委員(小林行雄君) 明年度の文部省所管の概算要求の概略につきまして御説明を申上げます。あらかじめお断り申上げておきたいと存じますが、ここに出しております資料の数字は本年九月の初めに大蔵省のほうへ要求いたしまして、その数字は先般この国会が始まりました当初におきまして資料として委員の皆様に御配付申上げたのでございますが、その後いろいろと補足の説明をいたしましたり、或いは資料を提出いたしましたり、又大蔵省の係官が現地を視察などされておりますけれども、御承知の通りまだ具体的な折衝はする段階になつておりません。その間にだんだん数字も変つて来ることもございます。その点は一つ御了解頂きたいと思います。 それからもう一点でございますが、職員の給与の点につきましては、政府一般職員の給与に関する法律がまだ具体的に確定いたしておりませんので、職員の人件費につきましては従来のベースのままで一応計算をした数字でございます。その辺につきましては御了解を頂きたいと思います。事項別に従いまして御説明申上げる前に総枠のことについて申上げたいと思いますが、この第三枚目にございます、一番最後のところでございますが、一番下から四番目あたりの文部省所管合計といたしまして現年度、二十七年度の予算額三百七十四億五千五百万、これに対しまして明年度の要求といたしましては千四百四億六千九百万という要求をいたしておるわけでございます。併しながらこの千四百四億六千九百万のうちには、前年度まで平衡交付金にその財源が見込まれておりましたものが相当ございます。その下にございますが五百三十七億五千九百万、更にこのたびの補正予算で通過の見込のものが三億三千三百万ございますのでそれらを差引きますと、八百六十三億七千五一百万ということに相成つております。従いまして差引純粋の要求額といたしましては二十七年度の三百七十四億五千五百万円に対しまして八百六十三億七千五百万円ということでございますので、大体二倍強の要求を大蔵省に対してしておるということになつて参るわけでございます。以下事項の重要なものを拾いまして簡単に御説明を申上げます。 第一の義務教育の充実、そのうちの(1)の義務教育費国庫負担制度の実施これは前々国会で成立いたしました義務教育費国庫負担制度が明年の四月から実施に相成りますので、これに必要な経費を要求いたしておるわけでございます。その内容といたしましては教職員の給与、これは小学校、中学校、盲ろう学校、それから事務職員の給与の二分の一、四百七十一億、それから教材費、これは小学校、中学校、盲ろう学校でございますが、これの教材費の二分の一、四十九億、あと多少のこの負担制度を実施するための事務費が入つております、二千万円程度でございますが、それらを総計いたしまして五百二十一億三千二百万というのを要求いたしておるわけでございます。 それから二番目の義務教育教科書無償配付でございますが、これは二十七年度におきましては新たに小学校第一学年に入学する者に対して算数、国語の教科書を無償配付いたしましたのでございますが、明年度におきましてはでき得るならばそれ以外に一年生の全教科の教科書を無償配付いたしたい、算数、国語並びに書き方、理科、音楽というような教科の教科書も無償配付をいたしたいというので、これの増額を要求いたしておるわけでございます。 それから第三番目の公立小中学校一般校舎等整備百七十九億六千四百万でございますが、その内訳は備考欄のほうに書いてございますように、六・三制建物九十一億二百万、屋内体操場二十五億九千三百万、盲ろう学校建物三億六千九百万、危険校舎改築五十八億九千八百万、こういうことでございます。この六・三制建物の内容について申上げますと、中学校分といたしましていわゆる応急最低基準と申します〇・七坪までのこの基準に足りない坪数が十六万八千三百坪ございます。この十六万八千三百坪につきまして明年度において是非とも全面的にこれを解消するような経費を国庫から補助してやりたいというので、これは補助率は二分の一でございますが、この経費として三十二億二千百万というのを要求いたしております。なお〇・七坪から一・二六坪までの分といたしましてこれは五カ年計画を立てておりますのですが、明年度は五カ年計画ではございますけれども、その十分の一だけを要求することといたしまして三十一億三千百万を要求いたしております。でこの三十二億二千百万と三十一億三千百万を合計したものが中学校の分でございます。なお第二番目の小学校の分といたしましては〇・七坪までの分、これもやはり五カ年計画で五分の一を要求することといたしまして十六億五千百万、それからこれは中学校と同様にやはり〇・七から〇・九坪までの分を、これは一般的にではありませんで戦災小学校の分について特に明年度から要求しようというので、その経費の十億九千七百万というのを要求いたしておるわけでございます。以上の中学校分、小学校分を合せました数字が九十一億二百万ということに相成るわけでございます。 それから二番目の屋内体操場でございますが、これは補正予算でも大体これと同額の要求をいたしました。これにつきまして補正予算で三億六百万の数字が認められたのでございますが、その数字を差引きまして補正予算では二十九億を要求いたしまして三億通りましたのですが、三億を差引きまして二十六億を、詳しく申しますと二十五億九千三百万でございますが、それを要求しておるわけでございます。それから盲ろう学校建物でございますが、これは二十八年度におきまして盲ろう学校の小学部の第六学年までが義務制になつて参ります。従つて児童生徒もふえて参りますので、それに必要な建物を整備する経費を要求する、これは義務制の進行のためでございます。それから危険校舎の改築の経費でございますが、これはやはり文部省からは補正予算にも要求をいたしました。大体四十八万坪のいわゆる老朽危険校舎が全国にある、そのうちの三分の二、三十二万坪を明年度において改築をする計画を立てまして、それに対する二分の一の補助金を要求いたしておるわけでございます。 それから左のほうの事項に戻りまして第四番目の特殊教育の振興でございますが、これは御承知の通り盲ろう児或いは精神薄弱児、或いは肢体不自由児、そういういわゆる生徒児童に対する特別の教育ということが従来他のものと比較いたしますと片手落になつておるというふうに考えられる点もありますので、これに経費を要求いたしましてできるだけこれの振興を図りたい。その経費として四億一千百万を要求いたしておるのでございますが、この備考欄にあります通り、その内訳といたしましては養護学級の施設整備の補助、九千七百万、これはこういう盲ろう児、或いは肢体不自由児、精神薄弱児というような子供たちを収容いたします特殊の学校といたしまして養護学校というのがあるのでございますが、建物にいたしましても設備にいたしましても現状では極めて不完全でございますので、これのモデル的なものを作りたい、明年度といたしましては一学校を建設する経費を要求いたしておるわけでございます。それからなお養護学級というのがこれは普通の学校に附属しておる学級でございますが、各府県の小中学校にございますが、この養護学級につきましても一府県三学級あたりモデル的なものを作りたい。これに対して施設、設備の整備費として二分の一補助しようということでこの経費を要求しておるわけでございます。それから二番目の盲ろう児童生徒就学経費三億一千二百万でございますが、大体盲ろう児童の家庭は経済的に極めて貧困なものが多い現状でございます。ところがこれに対しまして就学奨励ということが多少行われておりますけれども極めて貧弱でございますので、明年度におきましては通学費或いは教科書、学用品或いは寄宿舎の経費、学校給食費、そういつたいわゆる学校経費の半分を国から補助してやりたいというための経費であります。それから公立盲学校及びろう学校設備でございますが、これは先ほど申しました義務制の進行に伴う児童生徒の増加ということが見込まれますのでそれに必要な机とかいすとか、そういうものの設備の経費を国で三分の一みてやろうと、こういうための経費を要求いたしておるのでございます。 それから第五番目の教職員保健管理及び生徒児童の身体検査の経費二億五千三百万でございますが、これは教職員の健康診断ということが小学校、中学校、高等学校の生徒に及ぼす影響は極めて大きいものがございますので、従来も実施いたしておりますが、その経費の半額補助並びにこれはすでに計画を立てまして年々実施いたして来ておりますが、明年度におきましてもこの教員保養所の設置を行いたい。明年度におきましては大体四件程度のことを見込んでおります。それから従来学校の児童生徒の身体検査が行われておりまするが、これがその内情を申上げますと、一人の医師があらゆる科目と申しますか、内科から、外科から、耳鼻咽喉科、歯科そういうようなものをすべて検査するような極めて素朴的な身体検査を行なつておるところが極めて多うございます。これでは実際児童生徒の身体検査として効果を挙げることはむずかしいと考えられますので、小学校の一年生、四年生を対象といたしまして、各科別の医師を委嘱いたしまして総合的な精密な検査を行いたい。そのための経費を要求いたしておるわけでございます。 次に教科書の編修、検定、刊行の経費一億五百万でございますが、これは従来出しております学習指導要領を改訂しなければならない部分がございます。文それ以外にも教科用図書の編修、改計を行う、或いは例えば電波関係或いは商船関係、そういつた専門的な教科書を編修しなければならんというようなことがございますのでその経費と、それから教科書につきましては教科書の審議会がございます。その審議会の経費或いは展示会をするための経費、それから教科書につきましていろいろ資料を得るための調査経費、それから実際出て来ます教科書を検定するための経費等を併せて要求いたしております。 次に第七番の学校給食の助成の経費四億八千三百万でございますが、これは本年度には文部省予算にはございません。その内訳を申しますと備考欄にございます通り、準要保護児童に対する給食費補助四億二百万、これは生活保護法の適用を受けます児童に対しましては教育扶助として学校給食費に対する援助もございますのでございますが、生活保護法の対象にならない而もその線にすれすれのところまで来ておる子供が相当ございます。この児童が給食そのものは学校で食べるわけでございますが、併し金はなかなか払えないというようなことのために他の児童の負担になることが極めて多うございます。それでこの準要保護児童という言葉が果して適切であるかどうか、これは御意見もあろうと思いますが、そういう児童に対して給食費を国から補助してやりたい。現在の観想では大体八割程度は国で持つて二割程度を府県から出してもらう、こういうような構想で四億二百万を要求いたしております。それから財団法人日本学校給食会事業費補助、これは脱脂ミルクの輸入につきましても、又全国的な給食材料の供給にいたしましても、又いわゆる学校給食思想の普及宣伝ということにつきましても、この財団法人日本学校給食会というのがいろいろ実際的な活動をいたしております。ところがこの学校給食会は事業費を得にくい状況になつておりますのでうこれに対しまして国からその事業費の補助をしてやりたい。現在この学校給食につきましては文部省と殆んど一体になつてこの日本学校給食会が仕事をしておる状況でございますので、事業費の補助をいたしたいということでございます。次の公立学校給食施設整備費補助七千百三十万でございますが、これは二十五年度、二十六年度におきまして各部、市一校程度の基準を以てモデル的な給食施設の整備校を作るということで援助して参つたのでございますが、二十七年度におきましてはこれが打切られておりますので、明年度におきましても二十五年度、二十六年度に引続きましてこれを復活実施したいというのでその経費を要求いたしておるのでございます。 次に大項目の二番目でございますが、学術の振興のうち第一の科学研究費の拡充、これは国立大挙その他の科学研究費の交付金、それから試験研究費の交付金、そういつた経費の増加要求をいたしておるのでございまして、本年はここにありますように五億六千万でございますがそれに対しまして日本学術会議から是非とも十四億七千万程度に増額してもらいたいという要望が政府にございますので、その数字をそのまま政府といたしましても採用いたしまして大蔵省に要求しておるわけでございます。二番目の国立学校の施設整備費でございますが、これは全国の七十二の大学の施設整備のための経費でございます。現在国立学校の施設が極めて貧弱でございまして、これを全面的に整備するためには相当莫大な経費を要するのでございますが、そのうち特に応急に整備をしなければならんものだけを取出しましても百四十億程度になるのでございます。この百四十億程度の応急に整備しなければならない建物につきまして三カ年計画をたてまして、三カ年計画でこの百四十億程度を充足するという考えをもつて、その三分の一の四十八億五千百万という数字を要求いたしております。第三番目の学術の国際交流でございますが、一億四千二百万、その内容がこの備考欄にありますように在外研究員のための経費として一億一千八百万、これは国立学校等の有為な研究員を海外に派遣して研究させる。長期のものといたしまして、一年間外国に殊にまあヨーロツパ、アメリカでございますが、長期のものとして滞在するのが四十六人、それから短期のものとして三十人程度を考えております。それから人物の交流として二千四百万、これは在外研究員ではありませんけれども、海外に留学生を派遣する、例えばドイツとかフランスとかインド等に民間の人を派遣する、或いは外国人に対する奨学金の制度を作るというようなことを考えておるわけでございます。第四番目の学術情報所設置でございますが、我が国の科学者或いは技術者に対しまして海外の学術情報を迅速に提供するということが学術振興上極めて重大なことでございまして、この点につきまして日本学術会議からも政府に対しまして強い要望がございます。その要望の趣旨に従つて来年度学術情報所というものを新たに設置して情報の提供、資料の作成、調査等をこの学術情報所に行わせたいというのでその経費千七百万を要求しております。次に五番目に民間学術団体の補助でございますが、これは御承知の通り民間学術研究機関の助成に関する法律という法律がございまして、その法律に基いて民間学術団体に補助金を出す、これは経常費の補助金でございまして、その右側の備考欄に内訳がございますが、民間学術研究として一億、それから日本学術振興会に五百万、開国百年文化事業会に対しまして二千五百万、それから日本太平洋と書いてありますがこれはミスプリントでございまして太平洋会議でございます、明年の秋に第十二回の太平洋会議が京都で開催される予定になつておりますので、その経費といたしまして五百万程度、日仏会館に対しまして四百万、大体以上のことを計画いたしております。六番目の輸入図書、機械等の購入でございますが、これは単に文部省関係のみならず、政府部内の関係各省で外国からまあ大体輸入図書、機械と書いてありますが機械が主でございます。こういう機械を購入いたします際にその希望をスタッフのほうに申出まして、スタッフでいろいろ調整いたしまして、そのスタッフの調整に基いて一応文部省の経費から購入するというような現在の制度になつております。ところが現在二十七年度の予算といたしましては五千万程度でございまして、これではなかなか思うように輸入機械が購入できませんのでこれを三倍程度に増額してもらいたいという要求をいたしております。 次に大項目の第三番目、育英事業等の強化でございますが、そのうちの一の日本育英会事業の拡充、これは日本育英会で学生に対しまして育英資金の貸付を行なつております。ところがこの育英資金の単価が現在では社会の経済事情に合わないと思われるほど低いのでございまして、例えば高等学校の生徒につきまして申上げますと一カ月に五百円、それから大学の学生に対する貸付金が一カ月千九百円というような数字になつておりまして、これでは学資の極めて一部分しか充当されないというような状況でございます。これを高等学校につきましては八百円程度に、大学につきましては二千五百円乃至三千円程度に引上げてもらいたいという単価の要求と、なお人員につきましても例えば高等学校では現在生徒数の三%しか採用いたしておらないのでございますが、それを一%程度引上げてもらいたい、それから大学生につきましても二〇%程度の採用率でございますのを二五%程度に引上げてもらいたいというので、単価の増と人員の増を見込んで前年度二十九億に対しまして、明年度では五十二億八千九百万という数字を要求いたしております。次に二番目に学徒援護会の補助金七千八百万でございますが、これは御承知の通り財団法人学徒援護会という会がございまして、中都市、大都市に対しまして学生の宿舎或いは学生の会館を建設するとか、学生のアルバイトの斡旋或いは学生の身の上相談を行うというような事業をしておるのでございますが、明年度におきましては、前年度以来のこれらの事業のほかに学生のための保養所も作りたいというので事業の計画をいたしておりますので、それに対して事業費の補助を増額要求いたしておるわけでございます。 次に大項目の四の産業教育の促進、このうち第一番目の高等学校設備等といたしまして十四億七千万を要求いたしております。その内訳は備考欄にありますように、高等学校の設備といたしまして十二億六千二百万、これは二十七年度の予算におきましてもいろいろ問題になつた予算でございまして、二十七年度の額は五億六千五百万でございます。これに対して十二億六千二百万を要求いたしておるわけでございますが、これは文部省の計画によりますと、この高等学校の設備を基準まで充実するのに大体百四十六億という数字が必要であるというふうに計算されております。この百四十六億の数字を四カ年で充足したいという計画で、大体四カ年の計画の一年分といたしまして三十六億五千万という数字になるわけでございます。この三十六億の三分の一補助でございますので十二億三千万という計算をいたしております。なお定時制の設備も極めて貧弱でございますが、これは多少金目制とは趣きを異にしておりますので、その経費も全日制よりは幾分多い日に見まして三千万円程度計算いたしまして、合せて十二億六千二百万円という数字を財務当局に要求しておるわけでございます。二番目の高等学校研究指定校でございますが、これは高等学校の産業教育につきまして全国各府県に研究指定校という制度を作つて、その研究を行わせるための経費を補助しているものでございます。本年度におきましては四百六十万程度出しておりますのを倍額程度の九百五十万に要求いたしております。三番目の中学校の設備でございますが、これは昭和二十七年度におきましては、産業教育の設備関係は高等学校に重点をおくという方針でございましたので、中学校につきましては全然設備の補助金は出しておりませんでした。ところが実際全国におきまして中学校だけで上の学校に行かないで社会に出る生徒が非常に多いわけでございまして、従つて中学校関係からも是非中学校の産業教育の設備を充実してもらいたいという強い要望がございます。この要望に応えまして明年度におきましては高等学校と並びまして、中学校についても設備の補助金を出したい、この内容は一県に十校程度のものを選びまして、一校当り六十万円程度の設備補助金を出したいというふうな構想でございます。補助率は二分の一でございます。それから短期大学の設備、これは前年度実施しておつたのでございまして、明年度には多少その短期大学の学校数等も増加させて要求をいたしております。それから共同実習所の設備でございますが、これは高等学校の共同実習所、中学校の共同実習所、それから国立大栄に附置する共同実習所等を計画いたしております。これは本年度にもあつた事業でございます。補助金は三分の一でございます。それから内地留学生、これは産業教育関係の先生方が国立大学等へ研究のためにいわゆる内地留学をされるための旅費の三分の一、それから研究費等を援助するための経費でございます。次に実習船の建造費一億二千五百万円でございますが、これも本年度にもございました。明年度の計画といたしましては共同実習船として五隻程度、それから小型の実習船としまして十隻程度を確保するための経費補助をいたしたい、補助率は本年度同様三分の一でございます。三番目の高等学校産業教育施設の経費八億一千八百万円でございますが、これは本年度におきましては設備についての補助金は出すけれども、施設については出さないという原則でございましたが、やはり多少その施設をすればその設備が非常に活きる、或いは施設について多少の新設でなくとも修理を加えればその設備が活きて教育が行われるというようなものも相当にございますので、設備のみならず施設の面についても国から国庫補助を出してもらいたいということで要求をいたしております。この補助率は設備と同様三分の一の補助率を考えております。 次に大項目の五番目の私立学校の助成でございますが、そのうち第一の私立学校振興会べの出資十八億五千万円、これは御承知の通り本年の四月に私立学校振興会が成立いたしまして三億六千万円の資本金を以て事業を開始いたしました。ところが現在私立学校は非常に経済的に窮迫いたしております。文部省の調査によりますと、これは経営費の面におきましても又施設、設備の経費につきましても非常に窮迫をいたしておるのでございます。文部省といたしましては、経営費につきましては大体年間六億一千万程度の金が必要である。この六億一千万と申しますのは、文部省で法人調査をいたしました結果、一年間に不足額といたしまして十億程度が見込まれるわけでございます。それに対して三億九千万の私立学校振興会の資本金がございますので、それを差引きまして六億一千万円程度というふうに見込んでおります。なお施設、設備の経費といたしましては、年間に十二億四千万程度、これは大体私立学校の施設、設備の経費の必要額といたしまして、年間二十二億三千万という数字になつておりますが、そのうち例えばPTAであるとか、或いは宗教関係でありますならば宗教関係の後援会等から自己調達ができるものが五億七千万程度あるというふうに見込まれますのでそれを差引きまして、なお従来私立学校に対しまする貸付金といたしましては、七五%程度を受けておりますので、百分の七十五を乗じまして大体十二億四千万という設備、施設の貸付金を見込んでおります。で六億一千万とこの十二億四千万を合せまして大体十八億五千万程度が私立学校振興会の出資金として必要であるということで大蔵当局に要求をいたしておるわけでございます。 第二番目の私立学校恩給財団事業費補助でございますが、これは現在私立中等学校恩給財団というのがございまして、私立学校教員に対する恩給事業を行なつておるのでありますが、公立学校の教職員に比較いたしますとその恩給受給の程度が極めて貧弱でございます。これは一面にはやはり恩給財団に対する加入者が少いという点もございますが、やはり国からの援助が極めて貧弱であるということに起因するとも思われますので、これに対して従来の私立中等学校恩給財団を改組いたしまして、新たに私立学校全般を通ずる私立学校恩給財団というものを作りまして、それに対して国から事業費の一部分と事務費を合せて援助してやりたいという考えでございます。 三番目の私立学校教職員共済組合事務費の補助七百三十万でございますが、この私立学校の教職員共済組合は近年になつてでき上つたものでございまして、事業もまだ十分に行われておらないようなものでございます。従つて公立学校の教職員の共済事業に比較いたしますと、私立学校の教職員の受けておりますこういう共済的な恩恵というものが極めて貧弱でございますので、これを強化するために事業費、事務費を一部分援助したいということでございます。 次に大項目の六番目の社会教育の振興でございますが、そのうちの第一番目の青年学級の開設等といたしまして六億一千百万を要求いたしております。これは本年度の経費五百万に比較いたしますとかなりの増額要求でありますが、その内容を申上げますと現在一万一千の青年学級が全国で実施されておりますのを、明年度におきましてはこれに力を入れて二万二千学級程度、二倍程度にふやしたい。なお青年学級の諸経費を算定いたしますと一学級年間五万四千円程度かかつておりますので、この経費の半額を国から援助してやりたいという構想でございます。なおこの青年学級の開催の経費に併せまして全国にありまする青年学級の主事の講習等も併せて実施したい考えでございます。二番目の青年学級テキスト配布費六億七千百万でございますが、これは現在中学校を卒業したまま実業にいそしんでおるいわゆる勤労青年というのが全国で千三百四十万程度ある計算になつておりますが、このいわゆる勤労青年に対してできるだけ学習の機会を与えるということで、勤労青年学級を極力勧奨して開催させたい意向でございますが、この青年学級に使用しますテキストといたしまして、国語、算数、理科、職業或いは社会、こういつた科目の教科書を無償配付したいというための経費でございます。 第三番目の青少年教育指導の経費五千四百万でございますが、これは現在各都道府県の教育委員会に青少年教育のための指導員がおりますので、その指導員のための給与及び旅費、事務費或いは研究集会費等を要求いたしております。 次に四番目の社会教育施設の助成でございますが、その内訳は備考欄にございますように社会教育施設運営費の補助金といたしまして、公民館、図書館、博物館を合せまして五千九百万、それから公民館、図書館、博物館、それから体育館、これは運動、厚生と書いてありますが、体育館でございます。これの整備費を合せまして一億二千五百万ということになつております。この図書館につきましては図書館の戦災復旧がまだ完全に行われておりませんので、この戦災復旧分を今後三カ年で行いたいというので、三分の一補助の便法を以ちましてその経費を要求しております。公民館につきましては未設置の市町村がまだ二百程度ございますが、その十五分の一を明年度におきまして設置するようにして、その経費の援助を行いたいということでございます。博物館につきましては、これも現在地方にあります公立博物館は極めて貧弱でございまして、博物館基準に達しないものが極めて多いのでございますが、これを充足するために年次計画を立てまして、明年度におきましてはその第一次の三カ年計画の三分の一というものを経費要求することにいたしまして七百二十万を要求しておるわけでございます。次に運動厚生七千三百万、これは体育館建設のための補助金でございます。相当中都市になりましても、体育施設、体育館施設のない中都市がございますので、そういつた中都市に対しまして五カ年計画で体育館施設を整備するための経費補助を行いたいというので、この補助率は二分の一を予定いたしております。 次に五番目の視聴覚教育の拡充でございますが、一億八千四百万、この内容といたしましては、第一に放送教育の振興、社会教育の面からいたしましても、学校教育の面からいたしましても、放送というものが持つておる教育力というものは極めて大きいものがございますので、文部省といたしましては、短波による教育放送を行うための経費を要求する、これは内容といたしましては、放送会社等と連携いたしましてその放送時間を買上げるための経費でございます。なおそれ以外にも教育映画等を製作する、或いは購入する、それから諸外国との映画文化の交流を行うための経費、それから視聴覚教育関係のいろいろ協議会、研究会等を行うための経費もこの視聴覚教育拡充の中に含まれておるわけでございます。六番目の全国青年大会の開催は、これは本年度節約解除で二百六十万円程度で行なつたものを明年度も続けて行うための経費でございます。それから次の頁に参りまして七番目の一、ユネスコ国内委員会の運営、これは我が国がユネスコの条約に加盟をいたしましてユネスコ国内委員会並びにユネスコ国内委員会の事務局というものができいろいろ仕事をしおりますが、この国内委員会並びに事務局の運営の経費、調査及び資料作製の経費、会議を開催するための経費等も見込んでおるわけでございます。二番目の文化財保存事業経費六億三千三百万でございますが、これは国宝重要文化財の修理、例えば法隆寺であるとか或いは日光の東照宮その他の社寺、姫路城等の保存修理のための補助金の経費、これらに対しまして防火剤を実施するための補助金の経費並びに無形文化財を保存するための補助金の経費等を要求いたしておるわけでございます。 なおそれらの大事項に続きまして八番目にその他といたしまして、雑件と思われますものを十一ばかり雑件のうちの項目について記載してございますが、そのうちの一の定時制教育の振興、これは金額としてはかなり大きい数字になつております、二十四億三千四百万、その内容は備考欄にありますように定時制高等学校教員費補助といたしまして二十三億五千百万、これは地方財政平衡交付金制度ができます前に、高等学校の定時制の教員につきましてはその教員費の十分の四を国から援助するということがあつたのでございますが、今回この義務教育関係につきましては教員費の負担が平衡交付金から外れまして文部省所管の予算に計上されるということになりましたので、定時制の高等学校は義務教育ではございませんけれども、同様な趣旨に基いて文部省予算にその教員費の補助を計上することを要求いたしたわけでございます。併しこれにつきましては現在まだ地方自治庁等と話合いが十分できておりません。次の定時制高等学校施設整備八千二百万でございますが、これは定時制の高等学校というものは、施設におきましても建物におきましても全日制の高等学校と比較いたしますと貧弱でございますので、これを整備するための補助金を国から出してやりたいというので、一県二校程度のものについて考えております。補助率は大体二分の一を予想いたしておりますが、まあいわばモデル的な定時制高等学校を作るというような構想になると思います。二番目の公立高等学校共済組合の補助金十五億四千七百万でございますが、これも前年度は平衡交付金でございます。これは御承知の通り公立学校の共済組合につきましては、組合費のうちの義務教育に従事する職員の分については事業費の半分を国が持つということになつております。又事務費も全額国から補助することになつております。この経費が従来は平衡交付金に入つておりますのでありますが、補助金の性格からいたしましても、又制度の実益からいたしましても、やはり文部省所管に計上されるべきものであるというふうに考えまして、この経費を要求いたしたのでございますが、この点につきましてもまだ平衡交付金からはずすかどうかということについて完全な了解を得るに至つておりません。次に三番目の公私立幼稚園の施設整備費の補助でございますが八千九百万、この幼稚園に対する入学の希望というものは年々増加して参つておりまして、本年度当初におきましては志望者のほうが入学許可者の三倍以上というような数字になつております。従つてやはり新しく幼稚園を増設する必要もありまするし、又現在あります幼稚園の貧弱な設備を充実するための経費を援助するということも必要でございますので、その経費を要求しておるわけでございます。公立幼稚園施設整備、それから私立幼稚園施設整備、これは公私立を分けたものでございますが三千万円、それから私立幼稚園指定校施設及び設備、公立モデル幼稚園施設整備、これはやはり公私立でモデル的な施設設備のものを作るための援助をしたいということで、公立につきましては五千二百万、私立については六百万を要求しておるわけでございます。次に四番の公立学校施設整備でございますが、これにつきましては右のほうに内訳がございます。第一の公立戦災復旧の経費でございますが、これはここで公立戦災復旧と申しておりますのは、義務制の分を除きます公立の大学と公立の高等学校に対する戦災復旧の経費を要求いたしておるわけでございます。従来公立の大学、公立の高等学校の戦災復旧の仕事が極めて遅れておりますために、そういつた面で非常に不便がありますので、明年度から五カ年計画を以ちまして是非ともこの復旧促進を図りたいということで、補助率も二分の一補助ということで要求いたしております。次にあります領土復帰の分、これは今回の補正予算で認められておりますのでお消しを頂きたいと思います。三番目の北海道開発の八億一千万でございますが、これは北海道総合開発法によりまして今後三カ年の間に計画的に集団入植するということになつておりますので、それに伴いまして生徒児童も相当ふえて参ります。従つて学校施設も増さなければならんということでございますので、それに対応する経費を要求いたしております。経費の補助率は八割補助を考えております。次に首都建設の経費四億三千二百万でございますが、これも御承知の通り首都建設法という法律がございまして、東京都内の防火地区内では木造建築はいけない、鉄筋にしなければならんということでございますので、併し急速にこれをすべて改築することもできませんので、十カ年計画を立てまして、明年度におきましては必要坪数の十分の一程度を要求いたしておるわけでございます。次に災害復旧でございますが、これは二十七年度にございましたダイナ台風、それから十勝沖の震災、それから鳥取の火災、こういうものにつきましては予備金で本年度分の経費が出たのでございますが、残りの分を合せまして、これはまあ当然継続的に出る経費でございますが、これを要求しているわけでございます。次の鉱害復旧七千五百万でございますが、これは特別鉱害復旧法と特別鉱害復旧臨時措置法、臨時石炭鉱害復旧法に基きまして政府から復旧のための援助をする経費でございます。特別鉱害につきましては二十七年度の当初予算にも計上されております。又臨時石炭鉱害復旧法に基きます一般鉱害につきましては、今回の補正予算でその一部が認められたわけでございます。 次に左のほうの事項に戻りまして、教育委員会運営指導でございますが、現在要求いたしておりますのは千四百二万でございますが、今回の十一月から全面的に全国の市町村に教育委員会制度が実施されましたので、この千四百万程度では或いはこの事業が実施されないかも知れんということで、この数字は現在検討中であります。これは試算でございますが、或いはこの千四百二方の要求が三千万程度に増額要求ということになるかもわからん状況でございます。この教育委員会運営指導ということの内容といたしましては、やはり地方教育委員会の職員の研修とか、或いは地方教育委員会に指導資料を配布する、或いは緊急協議会を行うと、そういうような経費でございます。次の六番目の僻地教職員宿舎の整備補助でございますが、僻地に住んでおります教職員が経済的な事情のために苦しんでおる、なかなか僻地には立派な教員が行かないというような実情も地方によつてはございますので、これを打開する一つの方策といたしまして、僻地の教員に対してその職員宿舎を整備するための国庫補助を行いたいというのでその経費を百要求しておるのでございます。で、文部省の計算によりますと、僻地の教員数が大体一万五千人、この一万五千人の教職員に対しまして、これから十カ年計画を以て一年に千五百戸分を建設するということを考えておるわけでございます。補助率は二分の一を考えております。次に七番目の現職教育講座の開設でございますが、現職の教員に対しまして資格を向上させ、又資質を向上させるために認定講習とか、或いは通信教育とか、現職教育講座というものを行なつておるわけでございます。これらを総合して資格付与講習といつておるのでありますが、この現職教育講座に参加する者に対しまして三分の一の旅費の補助、それから現職教育講座に対しましては開設費を国で負担することといたしまして、合せて一億六千五百万を要求しておるのでございます。次に八番目の大学入学試験の実施、これは例年の経費でございますが、ただ明年度におきましては本年度と比較いたしましてかなり大学入学試験の希望者が殖えるのではないかという予想をいたしております。で、この増加する予定の人員に対しまして、やはり従来通り問題作成とか、或いは答案用紙の印刷というような経費、又監督者の謝金も併せて要求をいたしておるわけでございます。次に第九番目の教員検定試験の実施でございますが、現在では先ほど申しました現職教育講座とか、或いは通信教育とか、そういつたことによつて資格付与のための制度が行われておりますけれども、地理的な事情から、或いは経済的な事情からなかなかそういつた資格付きための講習等に出席ができないというような実情にある教員も相当おるわけでございます。これらに対しまして国家で検定試験を行いまして、その成績によつて単位の習得を認めるという制度を行いたいというので、これは国立大学に委嘱して行う予定でございますが、そういつた制度を明年から開きたいということでその経費を要求しておるわけでございます。次に十番の文教政策の普及徹底、これは従来文部省といたしまして文部省の公報を出し、或いは新らしい定められました法律の普及講習会を行う、或いは教育の要覧を作るというような経費を認められておるのでございますが、それらについても明年度はできるだけ拡充して行いたいというためにその経費を要求いたしております。次に社会的要請に基く教育計画樹立調査、これは事項名としてはちよつとどういうことか内容がおわかりにならんかも存じませんが、現在の教育制度、殊に産業関係の教育制度というものが現状の社会的な、或いは経済的な事情にぴつたり副つているかどうか。学校はできましたけれども、必ずしも社会の、或いは社会の経済的な要請にマッチしてない面がありはしないかということが考えられるわけでございます。従つてそういつた面の是非参考資料を得たいと、そして将来この教育計画を立てまする際に総合的な面から考察できるようなふうに、又根本的な面に立至つて考えることができるような資料を得たいというために経済界の例えば工場、事業場、或いは産業界の面等とも連絡いたしまして実態調査を行いたいというための経費でございます。 以上大体文部本省関係の経費を申上げたわけでございますが、それ以外に国立学校の関係といたしまして、国立学校の運営の経費、ここに基準経費と申しておりますのが下から四番目にございますが、国立学校の基準経費と申しておりますのが現在の国立学校の学部なり、学科なり、或いは講座、生徒数といつたものが現状通りである場合にはどういつたことになるか、その現状通りの規模のままの物件費を組んであるわけでございます。それから新規経費といたしまして明年度以降、例えば大学院が新たに設置され或いは新たに学部が創設されるとか、或いは短期大学が創設されるといつたような内容を持つておる事項は新規経費のほうに入つておるわけでございます。で国立学校運営のほうで内容的に申しますれば国立学校、大学附置研究所、大学附属病院こういう三項目に分れておるわけでございます。以上を総計いたしますと千四十四億六千九百万円という数字になるわけでございますが、冒頭に申上げましたようにこの中から前年度平衡交付金の関係であつたものを差引き盲して又補正予算で一部認められた経費を差引きますと大体八百六十三億七千五百万円というふうに相成るわけでございます。以上甚だ簡単でありますが、本省予算の概略を申上げました。
○矢嶋三義君 数字の不明確だつた点を二、三お伺いしたいのですがよろしいですか、五分もかからないのですが。
○委員長(若木勝藏君) ではどうぞ。
○矢嶋三義君 お伺いいたします。この六三制建物の九十一億の内訳ですね、その中で中学校分の〇・七坪を一・二五坪に引上げの十カ年計画ですか、そこのところもう一遍言つて下さい。
○政府委員(小林行雄君) 六三制の建物整備のうち中学校分でございますが、中学校分のうち応急最低基準の〇・七坪から最低基準である一・二五坪に引上げる分でございますが、これは五カ年計画を立てております。但し明年度におきましてはこの五カ年計画というものは必ずしも均等五カ年ということは考えておりませんので、明年度におきましては総体の経費の十分の一を要求するという計画を立てております。
○矢嶋三義君 それが三十一億三千万円というわけでございますね。
○政府委員(小林行雄君) さようでございます。
○矢嶋三義君 それからもう一つ小学校の分、これは五カ年計画を立ててそうしてその五分の一を要求したというわけですね、それはどうですか。
○政府委員(小林行雄君) 今のお話の分です、お話の点はやはり〇・七坪までの分でございますか。
○矢嶋三義君 そうそう、小学校の。
○政府委員(小林行雄君) 〇・七坪までの分は五カ年計画で均等計画を立てておりますので、五分の一を要求いたしております。
○矢嶋三義君 その費用は幾らですか。
○政府委員(小林行雄君) それは十六億八千百万円ということでございます。
○矢嶋三義君 それから次に公民館の未設置はいくらあつたとさつき言われましたか、不明確だつたのでもう一回言つて下さい。
○政府委員(小林行雄君) 未設置の市町村が百八十五ということになつております。
○矢嶋三義君 百八十五、えらい設置されておるのですね。さつき百八十五と聞いて単位が違つたと思つて伺つたのですが、局長そうですが。物置小屋に公民館という名札をかけておる、あれも数の中に入つておるのだな。
○政府委員(小林行雄君) ちよつと調査いたしたいと思います。
○委員長(若木勝藏君) 今調査をするそうですから。
○堀越儀郎君 六三制の〇・七が一・二五、これは〇・七は一応完了したというお考えでやつておるのですか。今の義務教育の中学校の建築の補助ですね。〇・七坪の基準のものは全部完了したというお考えの上での予算ですか、それを含めてやつておられるのですか。
○政府委員(小林行雄君) 文部省の計算ではこれはまだ〇・七坪までの分希解消しておらないというふうに考えております。但し大蔵省が昭和二十七年でございますが、この六三建築に対する補助金制度を始めました際の必要怖数は大蔵省の計算によれば一応終つておる。併し文部省といたしましてはその後いろいろ事情の変化がございますので、それらを計算いたしますと現在まだ終つていないというふうに考えてその不足坪数を明年度に要求する、こういうふうに考えております。
○堀越儀郎君 不足分はどのくらいですか。
○政府委員(小林行雄君) 中学校の分につきましては十六万八千坪でございます。それから小学校の分につきましては三十六万四千坪・大体まあこういう計算をいたしております。
○堀越儀郎君 それからもう一つ。これは重要な問題になるのですけれども認証外の問題ですね、これはもう全然考えておられないのですか、どのくらいあるというお見積です。
○政府委員(小林行雄君) 文部省といたしましては認証外の工事もやはり不足坪数の中に一応含めて、やはり俗な君葉でございますが正直なかたがばかをみないようにしたいというようなことで計算しております。今正確な数字を持つておりませんが、只今申上げました数字の中に入つておるはずでございます。
○堀越儀郎君 認証外の補助をしてやらなければならんのは大体百億くらいある見当で進んで来ております。一部解消でもしておりますか、まだ全然手力着けておられませんか。
○政府委員(小林行雄君) 今その資性を持つておりませんので又後刻調査いたしましてお答申上げます。
○委員長(若木勝藏君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(若木勝藏君) 速記を始めて下さい。
○矢嶋三義君 簡単にちよつと最後に伺つておきますが、いずれ本日説明頂いた点については御質問申上げますが、これは課長は見通しというものはいつ頃付くようになりますか。現在の折衝の段階についてちよつと説明しておいて下さい。
○政府委員(小林行雄君) これは私大蔵省から正式に聞いておるわけでございませんので、うわさでございますからそれをお含み頂きたいと思います。年度末二十五日以後に内示をされるのではないかというふうに聞いております。併しこれはまあ公の報道ではございません。
○矢嶋三義君 いずれ大臣がおいでになつたときお伺いするのですが、大臣はすでに政治折衝の段階に入つているのですか。これは詳細承知しておりますか、どうですか。
○政府委員(小林行雄君) 勿論予算の重点的な事項については承知をされて、これはまあ大臣がどういう行動をとつておられるかわかりませんが、大臣としての御活動はなさつておられると思います。
○矢嶋三義君 承知しているのですね。
○政府委員(小林行雄君) はあ。
○委員長(若木勝藏君) 他に御発言なければ、午前はこれで終りまして午後は二時半から再開いたします。その間休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ―――――・――――― 午後三時十四分開会
○委員長(若木勝藏君) 休憩前に引続き委員会を開会いたします。岡野国務大臣がお見えになつておるので、教育一般の問題並びに、予算の問題につきまして質疑をいたすことにいたします。
○梅津錦一君 昨日の衆議院における本会議において予算が通過いたしましたが、その予算の附帯決議として、公務員に対しては超過勤務或いはその他の冗費を節約して……、本日の新聞に出ておることをそのまま申上げますならば、〇・二五カ月分のものを年末支給として支出したい、こういうふうなものが支出できるような向井大蔵大臣の言があつて、予算措置がその点では用意ができそうだ、こういうお話がありましたが、これは国家公務員の場合には超過勤務手当の来年度分を見越してそういうことも可能であると考えるわけですが、不幸にして先般の私の質問に対して当局では、小学校並びに中学校、高等学校その他学校教職員に対しては超過勤務の手当の措置はない、こういうことでありますので、特に教職員の場合においては超過勤務という条件がありませんから、同じ公務員である点からいえば、公平の原則の立場から当然やはり〇・二五カ月分だけは支給されなければならない、こう考えるわけでありますが、文部大臣としてのその間における立法措置ができないとするならば、行政措置としてそういうことが可能であるか不可能であるか。或いは大蔵大臣は教職員の場合においてはどういう考えでおられるか、恐らく閣議の決定をみてその了承の下に附帯決議がなされたものと、そう了承しておりますので、その間における事情並びに予算の措置に対して大臣の御所見をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(岡野清豪君) お答え申上げます。昨日衆議院の本会議でああいう附帯決議が付きまして、大蔵大臣が御答弁申上げておるのでございますが、まだ閣僚仲間ではそこまで話をどうして行くかという話合はできておりません。それから事務当局に大蔵省の事務当局と連絡させましたが、まだ大臣から何も話が出ていないということでございます。多分明後日の閣議にかかるのじやないかと、私の想像でございます。 それからお説の一般の職員が、これは新聞に出ておりますのは、あれは想像だろうと思いますが、幾ら出るかそれはわかりません。わかりませんが先般あなたから御質問がございまして、私も教員には超勤のあれがないということを発見しましたものですから、若し一般職員がそういうような利益を受けて、そうして教職員に何ら均てんしないということはこれは非常に不公平でございますから、若しこの問題が出ましたならば、私は教職員に対して適当な財源措置をしてもらうという心積りでおります。同時に地方の教員に対しましては、やはり自治庁長官とも連絡しまして、自治庁長官と共同して私の所信を実現させたいとこう考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 大臣に、今の私の質問を後廻しにして今のに関連して一言お伺いしたいのですが、ここで質問する問題ではないと思うのでございますが、大臣は吉田内閣で相当重鎮でございます。閣議における発言権も大きいわけでございますからお伺いするのですが、衆議院はああいう経過をたどつてともかくも政府原案が昨日通過した、そのときに今話されたような附帯決議がなされたわけでありますが、例えば教員に年末手当を若干出す、或いは国家公務員に超勤云々と言われても、これは結局第二次補正というようなものを考えなければ、さなぎだに数百億の赤字を抱えている地方財政の実情から、絶対に私は超勤にしろ或いは年末手当の〇・二五の加算にしろ不可能な問題と思いますが、従つて吉田内閣は御承知のような経過をたどつて一応危機を切抜けて来られたわけですが、この際衆議院において附帯決議もあつたことでございますし、文部大臣として吉田内閣の閣議において第二次補正を組むように発言するような御意思はないかどうか、その点お伺いしたいと思います。それ以外に解決の方法もないと思いますね。
○国務大臣(岡野清豪君) これは技術の問題でありまして、少くとも衆議院でああいう附帯決議ができました以上、又大蔵大臣がそれに対して善処を約束しました以上、何かの形においてすることは事実でございます。それを第二次補正で出すとか、或いは各省内の流用で出すかということは、これは私は問題ではないと思つております。そこで若し一般職員にそういうことがありました場合に、教員に対してはそれと同じような利益を均てんさしてやる、こういうことに持つて行きたいと思います。あとの問題は大蔵省の技術問題に任していいと、こう思います。
○矢嶋三義君 簡単に大臣に……。国家公務員の場合ですね、今大臣の発言のように運用とか技術上の問題ということでいいと思います。併し地方財政については余りにも知り過ぎるほど詳しい岡野大臣、地方財政を考えた場合には第二次補正を考える以外に解決の方法がないと私は考えるのですが、如何ですか。
○国務大臣(岡野清豪君) そこで本多大臣ともよく話合いまして、そうして如何にして地方財政を調整して行くかということは自治庁長官に任せまして、私の趣旨としましては、先ほど申上げましたようなことにやつて行けばいいのだとこう考えております。
○相馬助治君 しつこいようですが、その点をはつきり念を押しておきたいことは、形の上から言えば地方の財政措置を、一般の地方公務員である教職員に対してこういうふうにやれということを自治庁長官と相談をして、通達の形か何かで出される予定があるかどうか、具体的にその点を承わつておきたいことが一つと、それからもう一つは大臣は地方自治庁長官であつたので、それで従前は文部大臣が勝手にそういう通達を出してもなかなか地方財政では賄えないという立場を堅持されて、むしろ文部大臣のそういう動きに対しては、国家財政の規模の上から反対されていた立場があつたと思うのです。これは当時としてはやむを得なかつたと思うのです。今度は立場を変えて文部大臣になつてそういう財政措置をせよと今度地方に仮に通達いたしましても、御案内のように、全国の知事会議で決議を挙げて平衡交付金の増額を今度の補正予算に力強く要求していたのですが、不幸にして今度の補正予算では知事会議の決議、市町村長会の決議等によるところの平衡交付金の増額という希望が政府原案の通過によつて達せられなかつたのであります。そういたしますると今矢嶋君が指摘されましたように、一片の通達を以て片付かない問題がここに来ていると思うので、一つ文部大臣としては閣議を構成する一員としては、具体的に地方に対する財政の援助を何らかの形で具体的にしなければこの問題が解決しないということは、もう大臣自身よく了解されていると思うのです。只今の答弁によれば国立学校の教職員の問題はもうそれで解決します。但し地方公務員である一般の教職員の問題はいささかも解決されないと思うのですが、財政上のやりくりによつて何とかなるということですが、我々はどうしてもそのことは今の財政規模を見たときに信頼できないのです、そういう自信があられるのかどうか。即ち第一点はそういう通達を具体的に出されるかどうか。第二点は財政上のやりくりによつて地方の要望を満たすだけの財政的な地方に対する援助というものが可能であるかどうか。この二点を伺つて一つ大臣の決意をこの本委員会を通じて明らかにされたいと存じます。
○国務大臣(岡野清豪君) 地方の財政の切盛りにつきましては、自治庁長官がこれをやる次第でございますから私干渉はできないはずでございます。併しながら地方の教職員というものは、やはり文部省が或る程度、面倒をみなければならない立場にあるのですから、それについて閣議で相当の努力をしたい、それには大蔵大臣を先ず第一に承知させ、同時にその財政措置を自治庁長官と打合わしてやるということにしたいと思います。そこで無論自治庁長官が、大蔵省から財源措置をして頂けば、それを以て地方に通知を出すということに事実上なると思いますか、倒しお説のように地方財政が非常に苦しいときでございますから、よほどしつかりした通達並びに財源措置をしなければこれは実現しないと思いますが、この点十分私も覚悟して閣議に臨みたい、こう考えております。
○矢嶋三義君 先日大臣が文相就任以来初めて岡野文政の方針について若干の所見の披露を承わつたわけでございますが、それらに関しまして私以下数点について大臣の所見を伺いたいと用います。 先ず第一点としてお伺い申上げたい点は、大臣は前文部大臣天野先生の帝策を自分は引継いで行くんだ、こういうようなことを述べられておられますが、天野文政の中核ともいうべき天野前文部大臣が掲げたところの旗、アドバルーンというものは如何なるものであつたと大臣は把握されておるか、先ずそれをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) これは非常に広範な問題でございますから一言にして申上げるわけには参りませんけもども、少くとも天野先生は日本の民主国家になつた後の文教政策に対して畑当な意見を持ち、同時にそれを二年付カ月の間に遂行されて来たわけでありますから、その実績によりまして御判断下されば結構だと思います。
○矢嶋三義君 私はそういう抽象的な答弁では下るわけには行かないのです。只今私はあえて岡野文部大臣に録伺いしたのですが、今の程度の答弁を頂いたことから推察するに、天野文政)いうものは何を狙つておつたか、又あなたは天野先生の方針を引継いで云々ということを我々に述べられておられるわけでございますけれども、その点について研究もされたおらないし、私は引続いでおられないと思う。ということは私は失礼になるかも知れんがお伺いいたしておきますが、現在政党政治が行われて吉田内閣がある。あなたは自由党の党人として吉田内閣に列しておられる。私が推察するのに、こういう気持も或いは持つておられやしないか、失礼かも知れないが、あえてお伺いする。それはどうも天野前文部大臣の政策方針ではあきたらない政党政治が行われておるのだから、我が自由党の文教政策というものをもう少し日本の文教政策のバツクボーンとしてたたき込まなければいけない、こういうような与党の世論をバツクとして岡野文部大臣は大臣の自信を持つて自分は党人文相として、現在の日本の文教のあり方が見られるところの行詰り、これを一挙に打開しようというような抱負経綸と野望を持つて大臣の職につかれておりやしないかということを、私は推察するのでございますが如何でしよう。
○国務大臣(岡野清豪君) 私はそういうようなことは党人でございますから誤解を受けるのはやむを得んと思いますけれども、日本も民主主義国家となりまして、新憲法があり、同時に新憲法の条章が一番大事な基本原則でございます。それに教育基本法というものができておりますから、その方針の下に文教政策をやつて行けばいいのであつて新らしく私は党人大臣として出て来たからといつて憲法をじうりんするわけには無論参りませんし、教育基本法の精神を変えるわけにも参りません、そのままやつて行く、これが即ち前文相以来の国家の政策でございますから、それに従つて行くべきものだと思います。ただ私が一言申上げたいことは、御承知の通りに第四次吉田内閣は独立後最初の内閣でございます。そこで今まで被占領下にあつてできたところのいろいろの制度組織というようなものは、今までの間におきましてもいろいろ陳情とか非難とかいうものを私たち受けております。そんなことが果して独立国家に向くか向かんかということだけは検討しなければならん、こう考えておる次第でございます。それ以外に私は変つたことは考えておりません。
○矢嶋三義君 新憲法から出た教育基本法並びに学校教育法或いは社会教育法、これらの一連の法律を尊重してそれをよりどころとして文教政策を推進して行く、これは当然だと思います。私は念のためお伺いしたわけでございますがそれをお聞きして安心したわけであります。確かに岡野文部大臣は党人文相としての政治力を一〇〇%発揮しようという野望は持たれているであろうということを私は確信するわけでございますが、まさか日本の教育を一党一派の支配下におこうというようなお気持はないということを私は信じておつたわけでございますが、先ほど天野文政のアドバルーンというものを明確にお答え願えなかつたので、若干杞憂いたしましたのであえてお伺いいたしたわけであります。 そこで私は大臣にお伺いいたしますが、然らば教育の機会均等並びに義務教育の無償、この二本柱というものは新憲法から出て来る線だと考えるのですが、これらはあくまでも推進して行くお考えでいらつしやいますか。それにされるところの再検討されるようなお考えでいらつしやるか、基本的な立場を一つ御答弁頂きたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) 教育の機会均等も日本の根本方策ですから尊重いたします。それから義務教育の無償という量についてはいろいろ異論があるのでございまして、ただ月謝だけ払わずに行けばいいというようなことが今までのまあ実情であつたのですけれども、だんだんと学校給食をしてみたり、又教科書の無償配給をしてみたり、こうなつておりますが、理想といたしましては、義務教育は本当に子供を学校へやつておきさえすれば自然にあの義務教育が受けられるのであつて、家庭ではそう金を出さずにやつて行けるのだというところまで行くのが私は理想だと思います。ただ問題は戦後地方も中央も財政が非常に困難な時代でございますから、そこまで一飛びに行けない、こういうことが今日徐々にやられつつあるとこう思います。一例を申上げますれば、私はこれは文部大臣になる前から申上げておつたことでございますが、あの義務教育国庫半額負担法などというものは、これは本当を申上げますれば不徹底なものだ、むしろ全額国庫負担でやるべき筋合だということを自治庁長官時代から頭に持つておつたものでございます。無論国家財政、地方財政なんかいろいろと検討しこれを改善して行かなければなりませんが、義務教育無償の方針は徐々にこれを充実して行きたいと、こう考えております。
○矢嶋三義君 現在大臣が構想として持たれているもののうち、教育の機会均等並びに義務教育の無償推進の具体的な構想というものはどういうものを持たれておられるか承わりたいと思います。いやしくも大臣になつて教育の機会均等、義務教育の無償を勿論尊重して、その立場において吉田内閣の中で文教政策を推進して行こう、こう腹をきめられた以上はああいうことをやりたい、こういうことをやりたいという私は一つの構想というものを持たれていると思うのです。その点私は承わりたいと思います。
○国務大臣(岡野清豪君) 方針といたしましては機会均等、義務教育無償ということを考えておりますので、併しまだ何を申しましても文部省の仕事は全く素人でございまして、いろいろ法制上の手続とか又いろいろな制約がございますので、それを一々検討しなければならんからどういうふうにどうして行くということはまだ考えておりません。
○矢嶋三義君 先ずこれに関連してこれを実現するためには必ずや予算の問題ということは不可分の関係において取上げられて来ると思うのでありますが、来年度の予算要求については午前中事務当局から一応御説明を承わりました。大臣は昭和二十七年度の補正予算において文部省関係の予算が如何に取りずらいかということを私は身を以て体験されたと思うのでございます。この教育の機会均等或いは義務教育の無償というものを推進する立場からいろいろの問題が取上げられて来るでしよう。すでに天野文政当時取上げられた問題もございます。結局天野文政がつぶれ去つてやりたくつてやれなかつたということは、天野前文部大臣が誠意を以てやつたにもかかわらず、吉田自由党内閣の方針、政策というもののいれるところとならず予算が確保されなかつたというところに、主義理念の立場から確立しておりながら実際にそういう文教政策というものはしかれなかつたのですが、従つて閣内においても発言力を持たれておる党人岡野文相としては、これを実現するためには予算の確保というものについて、私は一つの決意と或る程度の見通しというものを持つておられなくちやならないと思うのですが、そういう点については現在どういうふうにお考えになつていらつしやるか伺いたい。
○国務大臣(岡野清豪君) 予算をとりますにつきましては相当な技術もいりますし又折衝もいります。私はできるだけ特に教育予算を豊富にとりたい、こういう考えを持つて臨んでおります。
○矢嶋三義君 じや具体的に一、二についてお伺いいたしますが、例えば民主教育の推進とやはり教育の機会均等、義務教育無償、いずれの角度から考えても関係のある例えば学校給食の問題ですね、この学校給食の問題は曾ては国庫において出されておつたわけでありますが、昨年来内閣の意向として給食の補助費を出すという、そのこと事態が疑義がある。こういう立場において食管特別会計から食改善の立場から若干の補助が出たけれども、いわゆる今までの学校給食の補助という形では打切られたわけです。終止符を打たれた。それまでは大臣御承知と思いますが、文部省は音頭をとつて地方教育委員会を指導して、数百億に余るところの学校給食施設を奨励して作らした、でき上つたとたんに政府は百八十度転換してこの補助を打切つた。これは民主教育の推進にも、教育の機会均等、義務教育の無償いずれにもつらなる問題でございます。これらを来年度からどうされようとするのか。 もう一つ申上げますが、老朽校舎の問題、これはどういう沿革をたどつて生まれたかということは大臣御承知の通りでございます。これらの補助につきましても、小中学校の設置者は市町村公共団体であるのだと、従つてその老朽校舎を改築するに当つて国庫から補助を出すということは筋が通らない、こういう立場において補助金が未だに確保されるところの途が開かれておらないわけです。このたび衆議院において野党三派はこれに十七億五千万の補助費を出すところの修正案を作つたわけでございますが、与党の反対するところとなつて遂につぶれ去つたわけでございます。来年度においてこういう問題をどういうふうに処理されようとするのか。これは私は具体的な天野文政が解決し得なかつた二点をここに取上げたわけでございますが、これらに対するところの文部大臣の私は所見というものはすでに固まつておられるのではないかと、その御所見と決意をお伺いしたい。
○国務大臣(岡野清豪君) 学校給食の問題につきましてはいきさつがございましてあれはアメリカが寄附してくれる食糧を児童に与えるということでできたものであるから、アメリカの援助がなくなつたら打切るべきものであるというような思想が閣内を風廃したわけです。それで学校給食をやめてしまうと、こういうところまで来たのでございますが、その当時私は文部大臣じやございませんが、併し終戦後にできたいろんな制度のうちで、学校給食というものは非常にいい制度だということがおぼろげながら私の頭にありましたので、実は野田建設大臣ですかあのかたも丁度私と同意見でございまして、そしてこれは何らかの形でやはり続けて行つたほうがいいだろうということを強く主張しまして、そうして廣川農林大臣が賛成してそれでは一つ筋は通してよかろう、今まで寄附を受けておつたものだからこれをやつておつたのだ、併し国の貧乏な財政からこれを新らしくやるというわけには行かんという趣旨も一応考えられるじやないか、それはそれで理論を通させよう、併しながら学校給食というものがいいことであるということは、これも一つ筋を通してもらいたいというので、食生活改善というような名目におきまして、農林省に予算を持たしてやらせるということになつた、これが今日の状態のできたもとでございます。そういうような考えを持つております私でございまするから、来年度もやはり農林省とよく打合せまして十分なる予算をこの方面にとらせたいこういうことで努力しておる次第でございます。丁度いいことには農林大臣は再び廣川君になつたものですから、話をするのに都合がいいとこう考えております。 それから老朽校舎の問題でありますが、これは御承知の通りにまあ設置の義務者が市町村でございますから、今まで非常に不十分ではございますが自治庁の起債の面におきまして非常に不十分ながらこれに充てておつたのでございますが、問題になつてみますというと如何にもどうも使用禁止の坪数が何万坪であるとか、使用制限の坪数が何万坪であるというようなことがあるものですから、たまたま文部省の中で補正予算の中にこれを組み込んでおつたものですから、これはできるならば補正予算でこれを通したい、こう思いましたが、併しながら補助金を国家が出すということは、今までの学校校舎を設置するという趣旨に一つの革命を起すことであるから、どうしてもこれは只今取上げるわけには行かん。補正予算というものは、先ず初めの本予算に盛込んである仕事がその後の情勢によつて遂行できなくなつたとか、金が足りなくなつたという場合にこれを補正するのが補正予算である。補正予算の性格からいつてもこれは初年度に出ておらんものだから取扱うわけに行かんというわけでございますから、それは補正予算で出すことはよしましよう、併しながら来年度は改めて国庫の補助金を出す、同時に老朽校舎をできるだけ早く整備して行きたい。こういうことを閣議の了解じやありませんが大蔵大臣に釘を打込んでありますから、来年度はこれに対して努力したい、こう考えております。
○梅津錦一君 関連して。只今の学校給食の問題、大臣から御答弁を聞きましたが、多分大臣はもう十分御承知と思うのですが、先国会において栄養改善法という法律がすでに両院を通過しておるわけです。これは非常に大きな問題になつた法律案ですが、何故こういうものを国会が議員立法で出さなければならなかつたかということは、今日本国民の栄養問題が恐らくまあ大臣御承知のように不均衡になつておる。栄養を十分にとつておるものは全く余るほどのカロリーをとつておるのです。足りないところへ行くと殆んど生命を支えているのがやつとだ、これはいかん。そこで私は国の予算、国の機構において国民の栄養調査を先ずやる。それで栄養のバランスがどうなつておるかその、バランスをよく調査した結果においてそれに対する対策を立てる。そうして国民栄養の問題を解決する。これが骨子となつてできたのが栄養改善法案だと思う。私は立法してよく存じておりますが、このとき問題になつたのは幼稚園、特に託児所関係、それから小学校のこの問題に対しては当然栄養改善法の立場から立法されなければならない。そこで学校給食というような問題が浮び上つて来ると思うのです。政府の通過した法律の建前から、この法律上の責任から大臣はこの学校給食に対してどういうお考えを持つているか、この法案とも睨み合しての大臣の御所見を承わりたいと、こう思うわけです。
○国務大臣(岡野清豪君) 法律の原案、できているそうですからよく検討しましてやつて行きたいと思います。
○矢嶋三義君 相馬君もあとで質問があるから、私は具体的な問題はあとにして大まかな問題をちよつとお聞きしたい。
○委員長(若木勝藏君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(若木勝藏君) 速記を付けて下さい。
○矢嶋三義君 私は今日大臣のおられるところで民主教育という立場から大臣にお伺いいたしたいと思つたのですが、大臣が退席されましたのでいずれ大臣にお伺いいたしますが、それと関連のある問題で局長の答弁を頂いたほうが都合がいいことがありますので、簡単にお伺いいたしたいと思います。 それは民主主義教育を推進して行くということはいろいろの方途があるでしようけれども、私は形も一つの大事な要素になるであろう、更に掘下げて行けば国語の取扱い方、これも私は大きな一つの民主教育の推進の要素にはなると思う。で私局長にお伺いいたしたい点は終戦後からずつと経過的に本日まで眺めて来てみますと、殊に宮内庁、政府機関の使われる用語、これは私は変りつつあるように感じます。例えば立太子礼あたりにおきますところの総理大臣の国民を代表しての言葉、それから皇太子殿下が陛下の前でお読みになられたところのお言葉、これらはどこで誰がどうして作られたか、それも伺いたいのですが、現在の義務教育というものは法律で行われておるわけなんですけれども、その法律で行われておる義務教育の実際の場と相当かけ離れた用語が用いられ、表現されておるということはこれは国語政策の立場からどういうふうにお考えになつておられるか、その点私は伺いたいと思います。
○政府委員(田中義男君) 国語政策の問題になりますと、ちよつと私日頃所管をいたしておりませんのではつきりしたお答えをいたすに甚だ困るわけなんでございますけれども、追つて具体的な国語政策の問題については一つ席を改めて頂くわけには参りませんでございましようか。
○矢嶋三義君 それはそれでいいでしよう。併し伺いたいことはあなたは初等中等教育局長でしよう、義務教育を受けた生徒、児童諸君が読んでも聞いてもわけのわからんようなことを総理大臣が国民の代表として述べられる、或いは文章にされる、これでいいのかどうか、それは実際関連というものを考えなくていいのかどうか、あなたがたはああいうものを見て或いは聞いてあなたがたとしては或る意見を私は出されて然るべきだと思う。あれを是認されておるのか、メーフアーズという形で触れられていないのか、私はちよつと不可思議にたえない。従来この国会では勅語という言葉を盛に使われた、私は勅語という言葉は終戦後言葉の民主化でなくなつたということを衆参両院の議院運営委員会で発言して、文部省の国語のあれにない言葉だということになつたから私は主張して、国家の最高機関たる国会の開会式において、文部省の通牒によつてなくなつたところの勅語という言葉を使うことは面白くないということがいれられて、このたびの国会からお言葉という言葉になつておる。併し我々は法律で行われているところの義務教育の現場と結び合つた事柄が、私の事は別ですがいやしくも国事においてはなされなくてはならない、それをどういうふうにお考えになつておられるか、お伺いします。
○政府委員(田中義男君) お話の点は国語政策とも関係がございますので、私一個の事務当局としてお答えいたしますには余りに重大な問題もあるかと思うのでございますけれども、お説のような例は特殊の場合においての事柄であつたと私ども考えているのでございます。
○矢嶋三義君 この次までにはつきり明快な御答弁を頂きましよう。私は天皇制肯定論者で、国民の象徴としての天皇陛下はどこまでも尊敬し、あなたがたの表現を以てすればあがめ奉つている者でありますけれども、それと私のお伺いしていることは別の問題です。あなたのようにあれは特殊な場合だというようなことは私はどうしても納得できない。学校で一つの表現の仕方を教える、それと国事として国民を代表して総理大臣が表現する場合、例えば臣茂というようなああいうふうな表現の仕方は、今の民主主義教育と実際の教育の場と結び付いているのかどうかということ、こういうものを無視してあなたがたは初等中等教育局の責任の立場にあるものの責任が私は全うされたとは思わない。ということは、私はこれは意識するとしないとにかかわらず、今の我が国の一つの方向として一部にやはり天皇陛下を再び神格化する、それによつてそれを中核としたところの日本の再建を図るということを意識している人と、意識していなくともそういう方向に動きつつあるということは、私は戦後新憲法をいただいた我が国の今後進む方向としては極めて重大なものだと考えております。教育の理論と実際をひつくるめてその中で私が申上げましたように形、これも大事です。具体的に取上げますならば言葉、それからその表現の仕方、こういうものは私は決して切り離して考えるべき問題ではない。そういうものを別個にして先ほど大臣が言つたように民主主義教育を推進するとか民主国家の建設とか、或いは主権在民の国家を建設して行くんだ、これは私は納得できない。そういう点どういうふうにあなたがたは政府部内において発言されておられるのですか、一つ御答弁頂きましよう。若し十分できなければはつきりした答弁をそのうち頂きたいと思います。あなたがたとしてむしろ各省の文章を見たときに、今の教育方針、我が国の文教政策と背反しておる。これはこうしてもらいたい、これはこうあるべきだという指導的立場に立たなければ、あれは特殊な場合だ、あれはこうだ、教育の場においてはこうやれというような、そういう文部省の方針というものはないと思いますが、如何ですか。
○政府委員(田中義男君) お示しのような事例につきましては特殊な意図があつたとも私どもは思わないのでございますが、併しそれぞれの理由もあると思います。なお更に検討して一つお答えさして頂きたいと思います。
○矢嶋三義君 私はここではつきり要望しておきますが、あなたの所には国語課というものもあるでしよう。そういう誠実な事務当局の見解というものをはつきりこの次承わりたいと思います。準備しておいてもらいたい。
○委員長(若木勝藏君) 他に御発言がなければ本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会