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15回国会参議院1953/03/05

内閣委員会 第14号

発言数
29
登壇者
5
会派数
3
開催日
1953/03/05

会議録

竹下豐次緑風会

○委員長(竹下豐次君) 内閣委員会を開会いたします。  恩給法の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず本案の提案理由の御説明を願います。

江口見登留内閣官房副長官

○政府委員(江口見登留君) 只今議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及びその内容の概略を説明申上げたいと存じます。  昭和二十年十一月二十四日連合国最高司令官から「恩給及び恵与」と題する覚書が発せられ、これを実施するがために制定された昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件によりまして、この特例第一条に規定された旧軍人軍属及びその遺族の傷病恩給以外の恩給は廃止せられ、その傷病恩給は、一定条件のもとに制限支給されることになつて今日に至つたのであります。ところで、これら旧軍人軍属及びその遺族に対しましては、今次大戦の終りに至るまで、一般公務員及びその遺族と同じく、恩給が給されていたのでありまして、これらの人々のみが恩給を給されなくなつたのは、全く連合国最高司令官からの覚書によるものであり、講和条約成立し、わが国の独立を見るに至りましても、なおこのような状態を放任し、戦争責任をひとり旧軍人軍属及びその遺族のみにしわよせするかのような状態を続けますことは、好ましくないことと考えられるのでありますが、さきに、総理府に設けられました恩給法特例審議会においては、これら旧軍人軍属の恩給に関する重要事項に関し調査審議の結果、国家財政の現状及び国民感情の動向等を勘案し、旧軍人軍属及びその遺族に対し、相当の恩給を給すべきものと認め、特に、遺族、重傷病者及び老齢者に重点を置いて給すべき恩給の内容等を決定し、これを昨年十一月二十二日政府に対し建議致したのであります。政府は、この建議の趣旨を尊重し、これら旧軍人軍属及びその遺族に対し、曾てこれらの人々と同じく恩給を給されていた公務員と、恩給の取扱の点において、差別しないことを目途としつつ、国家財政の現状を考慮し、来年度予算の許す範囲内において、恩給を給することといたそうとするのがこの法律案の主要な事項の一であります。  次に、現行恩給制度は、終戦以来今日までたびたび改正されたのでありますが、これらの改正は、いづれも、旧軍人軍属及びその遺族の人々の恩給が廃止又は制限されている現実のもとに行われたのでありまして、もしも、仮に、旧軍人軍属及びその遺族の恩給が今日の如く廃止又は制限されていなかつたとしますならば、国家財政等から考えましても、当然、現行恩給制度の実体は、相当改変されたであつたろうと察せられます。従つて、このたび、旧軍人軍属及びその遺族に対して恩給を給しようとするのに伴い、国家財政の現況、国民感情その他の諸種の事情を考慮に入れて、現行恩給制度に対し、若干の改正を加えることといたそうとするのがこの法律案の主要な事項の二であります。  なお以上の外に、制度の改正等に伴い、恩給法に若干の改正を加えようとするのでありまして、以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の大要でありますが、次に、改正の主要な事項について説明を申し上げたいと存じます。  第一に現行恩給制度に改正を加えようとする主要な事項について申上げます。  実在職年に対する加算制度は、実際、在職しなかつたにもかかわらず、在職したものとして取扱い、いわば、想像上の在職年を実際の在職年に加えて在職年を計算し、恩給を給しようとする趣旨によるものでありまして、勢い、短期、若年退職者に恩給を給し、且つ、恩給金額の増大を来たす結果となるものであります。今日のごとき脆弱な国家財政の下においては、かかる制度を存しつつ、旧軍人軍属及びその遺族に恩給を給することは困難と思われます。そこで、これらの事情その他諸般の事情を考慮し、旧軍人軍属及びその遺族に恩給を給するに当りましては、加算は、すべてつけないこととし、その在職年は、実在職年のみを以て計算することといたそうとするのであります。かかる事情からいたしまして、現存加算制度は、条理上存置すべき理由のないもののように思われますばかりでなく、現に、加算がつけられている業務又は在勤に対しましては、従来、一般的に俸給のほかに手当が給せられ、その手当は、恩給金額計算の基礎俸給に算入されていなかつたのでありますが、最近の公務員の給与におきましては、これらの業務に従事する人々や、これらの在勤者に対しましては、一般公務員に対し適用される俸給号俸よりも割よい俸給号俸が適用され、これらの人々に対する給与が改善されました結果、一般公務員に比して割よい俸給が、これらの人々の恩給金額計算の基礎俸給になつているのが通例であることを考えますと、加算を存置する理由は、いよいよ少くなつて来ているように思われます等の諸種の事情を考慮して、今後在職年に対する加算は廃止し、恩給の基礎在職年は、実在職年のみを以て計算することとし、ただ、すでに恩給を給されている者及びこの法律施行後六カ月までの在職年につきましては、従来通りの取扱いをいたそうとするのがその第一であります。この法律案中、恩給法第三十八条から第四十条までの改正規定、恩給法別表第一号表の削除、並びに附則第三条及び第四条の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、公務員の外国勤務の実勤続在職年が普通恩給所要最短在職年限を超える場合並びに警察監獄職員及び教育職員の勤続在職年が普通恩給所要最短在職年限を超える場合においては、普通恩給年額を計算する場合に、その最短在職年を超える年数に応じ、通例の場合に比し、若干の恩給加給の取扱いをすることになつているのでありますが、外国勤務の実勤続在職年に対する加給につきましては、その実例も乏しく、且つ、外国勤務事情の変化等により、その存置の理由も少く、又、警察監獄職員及び教育職員につきましては、この制度の設けられました頃から考えますと、一般公務員に比較して、その給与が相当改善され、これを存置する理由の消滅しましたこと等によりまして、この際、この取扱いを廃止し、ただ、すでに退職してこの加給を受けている者及びこの法律施行後六ヵ月までの在職年につきましては、従来通り加給することといたそうとするのがその第二であります。この法律案中、恩給法第六十条第三項、第六十三条第三項及び第五項の改正規定並びに附則第三条、第七条及び第三十条の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、普通恩給は、これを受ける者が、四十歳未満の場合はその全額、四十歳以上四十五歳未満の場合はその半額、四十五歳以上五十歳未満の場合はその三割の額を停止されることになつているのでありますが、最近の公務員の退職時の年齢の上昇及び国家財政の現状等を勘案し、右年齢を五歳ずつ引上げることとし、この停止に関する取扱いは旧軍人軍属についても適用することとし、ただ、現に、普通恩給を受けている者及びこの法律施行後六カ月以内に退職する者につきましては、従来通りの停止をいたそうとするのがその第三であります。この法律案中、恩給法第五十八条ノ三の改正規定並びに附則第六条及び第二十三条の規定がこれに関するものであります。  次に現行恩給法におきましては、恩給年額が六万五千円以上で、恩給外の所得年額が、三十三万円を超える場合には、恩給年額と恩給外の所得年額との合算額に応じて普通恩給年額の一部を停止することになつているのでありますが、昨秋、公務員の給与水準が引き上げられたこと及び経済事情の変動等に伴い、右金額を若干引き上げることとし、恩給年額八万円以上で、恩給外の所得年額が四十六万円を超える者について、従来の方法に準じて、恩給年額の一部を停止することとし、この停止に関する取扱は、旧軍人軍属にも適用することといたそうとするのがその第四であります。この法律案中、恩給法第五十八条ノ四の改正規定並びに附則第六条及び第二十三条の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、いわゆる公務傷病恩給又は公務扶助料につきましては、特殊公務による場合と普通公務による場合とに区別しているのでありますが、特殊公務と申しますのは、軍人恩給廃止制限当時の恩給法に規定された戦闘又は戦闘に準ずる公務に相当するものでありまして、もともと、戦闘に由来するものであり、軍務に服し、傷病にかかり、又は死亡した者について、それが、戦闘に起因するものであるが、又は普通公務に起因するものであるかは、容易に区別し難い場合が少くなく、今次戦争におきましては、その特殊実情に鑑みまして、一層その感を深くするのであります。従つて、旧軍人軍属及びその遺族に恩給を給するに当りましては、その区別を廃止して恩給を給することが、公平な恩給給与の見地から考えまして妥当であると思われますのみならず、一般公務員の場合におきましても、これと同様に、この区別の困難な場合も少くなく、又、いやしくも公務に起因して傷病にかかり、又は死亡した場合、その公務の種類によつて、一般公務員の恩給取扱についてのみ、こまごましい差別をつけることは適当でないと思われますので、この区別を廃止いたそうとするのがその第五であります。この法律案中、恩給法第四十九条の改正規定及び別表第一号表ノ三の削除並びに附則第二十三条の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、増加恩給年額は、退職当時の俸給年額に、傷病の程度により定めた一律の割合を乗じて計算することになつているのでありますが、これを改めて軍人恩給廃止制限当時の恩給法の例にならい、退職当時の俸給年額により、数個の区分を設け、その区分毎に傷病の程度により定めた定額の増加恩給を給することとし、その年額は、傷病の程度の高い者に割よく、また同程度の傷病者については、俸給年額の少い者ほど、従つて、旧軍人にあつては階級の低い者ほど、割よくなるようにいたそうとするのがその第六であります。この法律案中、恩給法第六十五条第一項及び別表第二号表の改正規定並びに附則第三条、第八条、第十九条、第二十二条、第二十三条及び附則別表第三の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、公務扶助料年額は、普通扶助料年額に一律の割合を乗じて計算することになつているのでありますが、これを改めて、軍人恩給廃止制限当時の恩給法の例にならい、公務員死亡当時の俸給年額により数個の区分を設け、その区分毎に定めた割合を、普通扶助料の年額に乗じて計算することとし、その割合は、俸給年額の少い公務員の遺族ほど、従つて旧軍人の遺族にあつては階級の低い者の遺族ほど、割よくなるようにいたそうとするのが、その第七であります。この法律案中、恩給法第七十五条第一項、別表第四号表及び第五号表の改正規定並びに附則第三条、第八条、第二十二条、第二十三条及び附則別表第三の規定がこれに関するものであります。  次に、現行恩給法におきましては、公務傷病者に対しては、特別項症及び第一項症から第七項症までの増加恩給、並びに第一款症から第四款症までの傷病年金が、年金たる恩給として給されているのでありますが、増加恩給第七項症又び傷病年金程度の傷病者に対しては、昭和八年九月以前の恩給法においては、一時金が給されていたのでありますから、現在の国家財政等を考慮して、この程度の傷病者に対しましては、一時金たる傷病賜金を給することといたそうとするのが、その第八であります。この法律案中、恩給法第四十六条ノニ、第四十九条ノニ、第四十九条ノ三、第六十五条ノニ、第六十五条ノ三、別表第一号表ノニ、第一号表ノ三、及び第三号表の改正規定並びに附則第三条、第五条及び附則別表第三の規定がこれに関するものであります。  第二に、旧軍人軍属及びその遺族の恩給につきまして申し上げます。旧軍人軍属及びその遺族の恩給につきましては、この法律案の附則に規定されているのでありますが、この附則に規定のない事項につきましては、改正後の恩給法の規定及び昭和二十一年法律第三十一号附則第二条を適用し、改正後の恩給法の規定と右附則第二条の規定とが牴触するときは、改正後の恩給法の規定によつて恩給を給しようとするものでありまして、この法律案の附則に規定された主要な事項について申し上げますと次の如くであります。即ち、  旧軍人軍属又はその遺族に、今後給する普通恩給及び扶助料につきましては、改正後の恩給法の趣旨により、実在職年によつて計算した基礎在職年と退職当時の俸給年額をいわゆるベース・アツプした基礎俸給年額とによつて恩給金額を計算することとし、ただ、すでに、軍人恩給廃止制限前に恩給を給せられ、恩給をもつて、その生活の資に供していた人々に対しましては、この事実に照し、実在職年のみをもつて計算し、恩給年限に達しない場合においても、恩給を給することとし、その金額は、最短在職年限の場合に給される恩給金額から、その年限に不足する年数に応じ、一定の割合を以て減額したものとすることとし、また、軍人恩給廃止制限当時恩給を給されていなかつた者に対しましては、恩給給与の公平な取扱を期するため、その恩給の基礎在職年に算入される旧軍人軍属としての在職年は、原則として旧軍人軍属としての引き続く七年以上の実在職年に限ることといたそうとするのがその第一であります。この法律案の附則第九条、第十三条、第十六条、第十七条及び第二十一条並びに附則別表第一の規定がこれに関するものであります。  次に、旧軍人軍属又はその遺族の一時恩給又は一時扶助料につきましては、国家財政の現状を考慮し、恩給給与の公平な取扱を期する等のため、実在職年七年以上普通恩給所要最短在職年限未満の者又はその遺族に、これを給することとし、又、兵たる旧軍人又はその遺族に対しては、従来一時恩給又は一時扶助料は、給されていなかつたのでありますが、在職年に対する加算年を除いて実在職年のみによつて在職年を計算することといたしますため、若しも、在職年に対し加算がつけられたとすれば、年金恩給を給せられた者も少くないことを考慮いたしまして、これらの者に対しましても、一時恩給又は一時扶助料を給することとし、これらの恩給は、国家財政の現状に鑑み、昭和二十九年、三十年、三十一年の各一月の三回に分割支給することとし、年六分程度の利子を附することといたそうとするのがその第二であります。この法律案中、附則第九条第一項第三号及び第四号、第十条、第十一条、第十二条、第十四条、第十六条、第十八条、第二十一条並びに第二十六条の規定がこれに関するものであります。  次に、公務傷病者たる旧軍人軍属は、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件によつて、現在、増加恩給第六項症以上の症状の者は増加恩給のみを、又、それ以下の症状の者は傷病賜金を給されているのでありますが、今後は、他の公務員と同じように、これらの者に対し、改正後の恩給法の規定によつて増加恩給又は傷病賜金を給し、増加恩給を給する場合には、普通恩給を併給することとし、又、下士官以下の軽度傷病の軍人で傷病賜金第一目症及び第二目症に該当する者には、その傷病程度に応ずる傷病賜金を給することといたそうとするのがその第三であります。この法律案中、附則第十五条、第十九条、第二十二条並びに附則別表第二及び第三の規定がこれに関するものであります。  次に、すでに退職し、又は死亡した一般公務員又はその遺族のうちには、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件により、旧軍人軍属としての在職年を除算されて、少ない額の恩給を受け、又は恩給を受ける権利を失つた者も少くないと思われますが、今般、旧軍人軍属及びその遺族に恩給を給しようとするのに伴い、これを旧に復するのが適当であると考えられますので、これらの者については、旧軍人軍属としての在職年を通算して、あらたに恩給を給し、又は現に受ける恩給を改定いたそうとするのがその第四であります。この法律案中、附則第二十条の規定がこれに関するものであります。  以上の外、連合国最高司令官により抑留又は逮捕せられ有罪の刑に処せられた者及びその遺族は、昭和二十一年勅令第六十八号恩給法の特例に関する件により、現在、恩給を受ける権利又は資格を失つているのでありますが、旧軍人軍属及びその遺族に対し恩給を給しようとするにあたり、これらの者の恩給を、そのままに放任して置くことは適当でないと考えられますので、旧軍人軍属その他一般公務員及びこれらの者の遺族の例により恩給を受ける権利又は資格を与えることとし、ただ、現に拘禁中の者につきましては、諸般の情勢から、この際、その支給を停止することとし、又、ソ連その他の外地に抑留されたまま、未だ帰還していない人々に対しましては、その留守家族の実情に顧み、この際、一定条件のもとに恩給を給し、当該留守家族の請求に応じて支給するようにいたし、又、旧軍人軍属及びその遺族に対し、恩給を給しようとするに伴い、現在実施されている戦傷病者戦没者遺族等援護法による給付との引き継ぎ、その他の経過的措置を講じ、なお恩給受給者の恩給担保金融の道を開くため、その他諸制度の改正及び法令の改廃に伴い、所要の改正を加えようとするものでありまして、この法律案中恩給法第十一条第一項の改正規定並びに附則第二十四条、第二十五条、第二十七条、第二十八条、第二十九条及び第三十一条の規定等がこれに関するものであります。  以上が、この法律案を提出するに至りました理由及びその概要の説明であります。なお、詳細な点につきましては、御質問に応じてお答えいたしたいと存じます。何とぞ、速かに、御賛成あらんことをお願いいたします。

竹下豐次緑風会

○委員長(竹下豐次君) 只今の提案理由の御説明のうちに法案の内容につきまして相当お触れになつたと思いますけれども、なおそのほかに御説明の必要のあることもあるのじやないかと思いますが、そういう点につきましてこの際追加して御説明願いたいと思います。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 法案の概要につきましては、今提案の理由及びその概略の御説明をいたしました際に、一応全部大体字句整理以外の条文につきましては、関係する条文全部それぞれの説明を加えましたあとに申上げたところでございまして、一応全部大体尽きておるのじやないかと思つているのでございます。  ただ一言付け加えて御説明を申上げますると、概略今説明を申上げました中で、今援護法によつていわゆる援護の措置が講ぜられておるのでございますが、この援護の措置が恩給が給せられることになり、やめられる場合におきますいわゆる引継ぎのこまごましいことがあるかと思います。そういう点につきましてはこの法律の条文が非常に簡単でございまするが、この手続に関しまするこまごましいもう少し書かなければいけない点につきましては、援護法関係のほかの法令の方面におきまして改正が加えられることになつております。その点につきましてはいずれその方を担当いたしておりまする厚生省の政府委員からも改めて御説明を申上げるかと思いますが、その点はこの法案だけではちよつと十分に御説明を尽し得ない点があるかと思いますが、そのほかのことは大体今の説明で以てこの法案に書かれておりますることは説明し尽しておるのじやないかと思つております。

江口見登留内閣官房副長官

○政府委員(江口見登留君) 法案の概略の説明は只今申上げましたが、御参考までにこれらに関しまする予算がどういうふうになるかという点について付加えて御説明を申上げたいと存じます。  来年度におきまする所要経費として計上しておりますものは御承知の通り四百五十億円であります。その内容は、年金恩給の推計額といたしまして、普通恩給が二十九億二千六百五十万円、増加恩給が二十二億六千五百万円、公務扶助料は三百六十九億一千五百万円、普通扶助料は十一億九千九百二十五万円、計四百三十三億五百七十五万円、只今のが年金恩給の推計額でございます。次に一時金たる傷病資金の推計額は一億四千百万円でありまして、これを加えますと四百三十四億四千六百七十五万円でありまして、それに一時恩給及び一時扶助料の支払推計額が十五億五千三百二十五万円でありまするので、これらを総計いたしますと四百五十億円という計算になるわけでございます。この予算額は二十八年度九カ月分の予算でございます。従いまして二十九年度には一体どういうふうになるかということを附け加えてお話申上げますると、つまり九カ月分が十二月分になつた場合には、一体どのくらいな金額になるかということを御参考までに申上げてみたいと思いまするが、それは普通恩給としまして三十九億二百万円、増加恩給として三十億二千万円、公務扶助料としまして四百九十二億二千万円、普通扶助料として十五億九千九百万円、計五百七十七億四千百万円という推計になろうかと思います。併しこの総額はその後年々十億円乃至二十億円程度はだんだん減つて行く計算になるものと考えております。

松原一彦改進党

○松原一彦君 毎年減りますのは幾らと見たらいいのですか。

江口見登留内閣官房副長官

○政府委員(江口見登留君) はつきりした数字が出ないのでありますが、達観いたしましたところ十億乃至二十億、年によつて違うと思いますけれども、その程度だんだん減つて行くことになるだろうと考えております。

竹下豐次緑風会

○委員長(竹下豐次君) 大体法案の内容について一応の御説明があつたわけでありますけれども、別に逐条の御説明をお願いする必要はございませんですが、皆さんの御意見を伺いたいと思います。よろしうございますね。それじやこの際御質問をお願いいたします。

松原一彦改進党

○松原一彦君 資料をたくさん頂きましたのでまだ拝見し尽しませんが、極く概念的にでもお聞かせ頂きたいのは、七項症復活の要求が非常に多いのでありまするが、七項症を復活した場合における七項症に相当する人員と、それに対する所要経費はどのくらいになりましようか。恩給局長若し材料をお持ちでしたらお話願いたい

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 只今お手許に配付いたしました資料がございます、旧軍人及びその遺族の恩給受給者推計人員というのがございますね、この人員の第四のところに、旧軍人で第七項症の増加恩給及び傷病年金程度の傷病者に関する階級別、症状等差別人員というのがございます。これを御覧頂きますると、今御質問になりました数字が出ておるのでございます。

松原一彦改進党

○松原一彦君 今お示しの表によりますと、七項症に該当するものはすべて合せて一万三千三百九十四人となつておりますが、これに要する費用はどのくらいかかりましようか。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 七項症の金額を一体どの程度の金額にするかということが先ず問題になるわけでございます。そこで七項症の金額をどういうふうにするかということからきめてかからなくちやいけないのでございまして、実は今はつきりとした具体案を持ち合しておりません。私ただこういうことは考えたことがございます。これはまあ漠然としたことを申上げて大変恐縮でございますが、一口に七項症の増加恩給と言われますが、今陳情されている方々の声をいろいろ聞いてみますと、第七項症の増加恩給の受給者の方々ばかりでなく、曾つて傷病年金を受けられておつた受給者の方々についても従来通り傷病年金を給してもらいたい、こういうような要望が強いのでございます。そこで傷病年金も引つくるめて考えなければいけないのじやないか、こういう問題が出て来るわけでございます。そこでそういう引つくるめて考えました場合におきましては、どれくらいの金額に大体なるのか、こういうことが、問題になつて来るわけでございます。そこで第七項症だけに切離して考えた、考えたと言いますか、そのいろいろ金額を具体的にきめて計算をしたのは私ここに記憶いたしておりませんでございますが、そういうようなものを全部引つくるめましての金額といたしましては、私の記憶では、今きめておりまするような、今、この法案にきまつておりまするような第六項症の金額を前提として、そうして第七項症の金額を少し下げて、そうして従来のような傷病年金を給して行く、こういたしました場合におきましては、年金、恩給といたしましては恐らく十億以上の金額が要るのじやなかろうかというような見当はつけております。十億を下廻るような金額ではなかろうか、こういうようなことを考えているわけでございます。具体的にいろいろどの程度に七項症をきめるか、それから又傷病年金をどういう工合にするということも又変つて来ることでございますので、大変漠としたことを申上げて恐縮でございますが、それで一応又あらためて詳しく資料を整えまして又研究しましてお答えするようにしたいと思います。

松原一彦改進党

○松原一彦君 大要の推定で結構でございますが、今お示しになつておる別表の四の見出しは、昭和二十一年二月一日現在とございますが、それはほぼ今日も実在と見て差支ありますまいか。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) それは昭和二十一年二月一日廃止制限当時の人員でございまするので、その後今日までの数カ年の間におきまして亡くなられたかたが若干あるのじやないかと思います。その数は引かなければなりません。その数をどのくらい引くかということが問題になりますが、まあ大体三%ぐらい年々引いて行つて私はいいのじやなかろうかと、かように考えております。  そこでこれはお考え願うことは、これも松原先生御承知でございますが、私が付加えるまでもないことであると思いますけれども、この昭和二十一年二月一日に軍人恩給廃止当時において、年金、恩給をもらつておつた人の所属が出ておりますが、そのほかに昭和二十一年の二月一日に軍人恩給が廃止せられましてからのち、今日までに新たに昔の増加恩給七項症に相当する傷病の人で、一時金をもらつた人もあるわけでございます。そういう人のことも考えなければならん。そういう人の数はこの別表六でございますね。それを御覧頂きますると、そこで裁定した数を挙げております。その数は第七項症のところで七千三百四十五人、約七千五百人くらいになつておるところでございます。この七千五百人と今お話になりましたところを考えた数、合計した数、これが今日における第七項症に相当する、こういうふうに大体考えられるわけであります。

松原一彦改進党

○松原一彦君 これプラスですか。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) そうです。

松原一彦改進党

○松原一彦君 そうしますとこの別表六に挙げております七項症の七千三百四十五人に別表四に挙げております一万三千三百九十四人を加えた数と見ていいわけなんですか。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 大まかに申上げますとそれで結構でございます。それからただ若干その後死亡された方があるということをお含みおき願います。こういうことでございます。

松原一彦改進党

○松原一彦君 そうすると、第一、第二、第三、第四款症で挙げられております一時金をもらつた者の数にやはり前の六万二千百八十三人を加えなくちやならんわけなんですね

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 傷病年金をもらつておつた人を考えますとお話の通りでございます。

松原一彦改進党

○松原一彦君 もう一つお尋ねしますが、その四、五、六の合計の人の年金を復活するという場合に、約十億円と見てよろしうございましようか。

三橋則雄総理府恩給局長

○政府委員(三橋則雄君) 私は十億円を下ることはないと思つておるのでございまするが、十億円は無理じやないかと思つております。それは勿論金額のきめ方による次第でございまするので、傷病者の恩給の一つの体系をとつて考えます場合におきましては私はかなりの額になつて来るのじやないかということを思うのであります。  それからもう一つ、私が今考えておりますることは、いずれ又先生方にお考え願わなくちやいかんことが一つございます。それは傷病年金の受給者、又増加恩給七項症の受給者の方々にも大変気の毒ではございまするが、増加恩給の七項症が認められました際におきましては、公務扶助料の遺族即ち戦没者遺族に対しましては、相当多額の扶助料が出されるように改正されたときに、増加恩給の第七項症が認められたのでございます。もう一つ言い換えますると、私たちこういう局に当るものといたしましては、増加恩給の七項症を考える場合におきましては、戦没者の遺族の扶助料についても考えを及ぼさなければいけない、そういうことを考えてみますると、それなら基準を一体何にするのか、こういうことになるわけであります。そうするとそれは曾つての沿革を考えてみますると、増加恩給の第七項症というものが初めて設けられるときに公務扶助料、即ち戦没者の遺族に支給される扶助料は相当多額、即ち兵のところで申上げますれば、普通扶助料に対しまして三十数割の割合を掛けた金額の公務扶助料が行くように改正されたのでございます。で、そういうことを考慮に入れますると、この増加恩給の七項症を認める際におきましては、若干戦没者遺族の扶助料の増額も考慮しなければならなくなりはしないか、まあそれと併行するかどうかという問題が一つ考えなくちやならん問題ではなかろうか、こういうことを一つよくお考え願いたいと思つておるのでございます。

松原一彦改進党

○松原一彦君 あの委員の諸君にも私が発言を今独占しておるようで甚だ相済みませんけれどもが、今一般多くの声は七項症と四款症までの年金復活要求というものが一番多く聞えております。そこで予算の組替というようなともなかなか骨ではあろう思いますけれども、一応さような世論があります場合でもありますから、御面倒でもこの七項症と四款症まで入れたものに対する一応の見通しの予算の経費の概算を恩給局のほうでお作りになつて、お見せ頂くことはできますまいか。それが恩給局長のさつきお話の通りに金額の決定の標準が変りますと大きくも小さくもなりますから、その点につきましては二様でも結構でございますが、軍人諸君の切実なる要求は、国を潰してまで恩給をもらおうというのじやない、我々は少くてもいい、いずれにしましても年金によつて生活の保障を得たい。そうして不具な者が死んだ場合においては家族が遺族扶助料としてのその半額の年金を受けるので、生活の上においても後顧の憂いのないことになるというのが切実な要求のようであります。国の財政を撹乱してまで取ろうというようなものは、それは日本国民であるからなかろうと思いますが、一応の考慮はこの際我々委員としては払わにやならんと思いますので、御面倒ですが副長官一つ御斡旋下さいまして資料をお出し願えますまいか。

江口見登留内閣官房副長官

○政府委員(江口見登留君) まあ本当に先ほど恩給局長からお答えしましたような想像的な数字ならば或いは今お見せできるかも知れませんが、非常に前提条件がいろいろございまして、どの基礎をとるかという点が先ず問題でございますので、只今恩給局長からお話しましたように、恩給の均衡という点から考えて、扶助料にまで波及する、或いは七項症に恩給を給するということになつた場合に、それならば同じような軍人でない或いは公務員でない人たち、或いは厚生年金保険だとか、共済組合だとか、そういうようなものに対するどの程度の給付金がどうなつておるかというような点にまでこれは波及して来るのじやないかと思います。併しまあ一応やつてみてはみまするが、お目にかけるような自信のある数字が出ますやらどうやら、ちよつと今のところ受合いかねますが、努力はいたします。

松原一彦改進党

○松原一彦君 それは今御懸念の点はわかりますけれども、今日までは現にそれで文官もあり、共済組合等も新らしく切り縮めるというのですから、又長い間の恩給特別審議会での御討議の場合に、この七項症を生かすか殺すかについては相当論議がおありだつたことと私は想像する。そのときには相当の資料があつての御論議であつたろうと思います。その結果として万止むを得ず切落したということであろうと想像する。そういうような審議の資料を私ども拝見した上で、どうしてもいけないものならば該当者の諸君にも納得してもらわなくちやならん。国会は審議も尽さなかつたでは、私は相済まんと思いますから、どうしてもいけないものを無理に奪い取ろうというほどに我々は非常識じやない。それで審議を尽す資料としては、十二分に出して頂いて、さつきから委員長も、夜に入つても一つこの際一生懸命にやろうじやないかと言われておりますので、私どもも努力しますから、納得の行く資料を得て議を尽したいというのが希望でございます。委員諸君も多分御同感だろうと思うのです。どうぞお願い申上げたいと思います。

江口見登留内閣官房副長官

○政府委員(江口見登留君) 努力いたしたいと思います。

中川幸平自由党行政管理政務次官

○中川幸平君 これは外地その他の抑留者の遺族の事情によつて支給するということのようになつておりますが、戦犯で拘禁されておる者は諸般の情勢によつて停止するということになつておるのは、諸般の情勢ということは、やはり関係国の関係で工合が悪いのですか。外地に抑留されておると同様な扱いという考えは、これは持てんものでありましようか、一つお尋ねいたします。

竹下豐次緑風会

○委員長(竹下豐次君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

竹下豐次緑風会

○委員長(竹下豐次君) 速記を始めて下さい。  本日はこれで散会いたします。    午前十一時五十九会散会

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