電気通信委員会 第18号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/03/12
会議録
○理事(新谷寅三郎君) これより会議を開きます。先ず放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。
○山田節男君 このNHKの二十八年度の収支予算事業計画の審査に当つて一応郵政大臣の御方針を伺つておきたいと思うのです。昨日も問題になつたのですが、大電力周辺の放送局の再免許、これは直接我々の受取る陳情、請願は大阪電力周辺の五つばかりの放送局、この廃止について非常に痛切な陳情を受けているわけです。で、五月に再免許することになつて周波数の割当の調整をせられるという方針だということは電波監理局長の昨日の説明でわかつた。これは大臣も御存じのように今日まで地区別の放送というものは実際的には相当の効用があるわけです。ただ今日の放送局の開設基準規則によりますと、これに抵触するのではないかという疑問が今出ているわけです。そうして昨日承わつたのですが、この否準規則の問題になつている第七項の聴聞会を開かれて世論を聞くという建前になつておる。この二十八年度のここに出されておる大臣が承認されておる収支予算案の中には既成の事実を存続するものとして出ているのです。若しこれが政府の態度、今大臣はこれを放送法に基いて妥当なものとみるというようにおつしやつているのですが、五月の再免許のときに若しこれが許されないということになれば、この二十八年度の予算というものが変更を来すわけです。殊に基準規則によりまして三分の二以上の異つたプログラムを編成する場合には、我々の手許に出された資料によりましても五億数千万円という金が要る。これは予算の変更になる。若しこれを再免許しないで、大電力主義でやり、並四級で多少聞こえない地区があつてもしようがないというなら、ここに又一億数千万円の金が余るわけです。そういうようなことになりますので、この予算を大臣が承認されて出されて、我々が承認するか否かというこの根本問題について大臣はこの予算を妥当なりとして承認を求めてお出しになる以上は、この二十八年度においてはNHKが計画している通りのものを存続してやらしむるという固い確信をお持ちになつて御承認になつたのかどうか、この点を承りたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 今お話がありましたように、その問題につきましては規則改正を検討いたしているわけであります。予算編成の時分もお話がありましたような陳情もあり、こちらもいろいろ考えた結果、大体において現在ありますNHKの放送を地方の実情に応じてやつて行こうという方針を持つておりまして、ただ規則改正をしなければその通り行けるかどうかという問題は検討中であつたわけで、無論実施するにしましても五月の割当等もありますからそのまま行くかどうか、これは細かい点につきましてはいろいろ問題があると思いますが、大体において地方の要望に副うという方針で行こうという考えで予算の編成についての検討をいたした次第であります。
○山田節男君 今の大臣のお言葉は現在の大電力周辺の地方ローカル放送局り周波数の割当の再編成ということは、これは私はわかるんです。今のお言葉だと、たとえ周波数は調整上変えてもやはりその地方民が非常に望んでおる地方の放送は継続する、そのためには周波数の割当上、周波数は違つてもここに一つの周波数の幅を与えて、この放送を継続せしむると、こういう御意見ですか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 大体においては今お話がありましたような方針でこちらは考えておるわけであります。併し規則改正をいたすことを今検討をいたしておりまして、その規則改正の結果によりましてNHK放送につきましてもその規則に基いて実行されるということになりますので、こちらとしてはその周波数割当等とも関連いたしまして、NHKの放送がそれに応じて実行されるということを期待しておるわけであります。ですから期待された通りに放送が実行されるということになりますと、大体現在と同じようなことになると考えております。ただNHKの放送がこちらの期待通りに行かないということになりますと、無論その際考えなければならないという問題が起きるわけで、正確に現在通り必ず継続されるかどうか、これは疑問になるわけであります。
○山田節男君 それではNHKの当局にお聞きするんですがね、この今年度の事業の建設計画にも、いわゆるブランクエリアをなくするために建設をやることになるんですが、現在のローカル放送局以上に更に周波数割当を要求して、そうしてこの全国に完全に聴取し得るように、そのためには新らしくこの周波数の割当を今後要求するということはないかどうか、もう現在で十分なのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○参考人(岡部重信君) 只今お尋ねの生国普及のための今後の計画ということですが、若干周波数の只今不足と思われる点もございますので、それらを政府御当局に要求いたすつもりにいたしております。
○山田節男君 この駐留軍に与えておるFENの放送の周波数は、私は十幾つかあつたように記憶いたしておりますが、これはやはり依然として行政協定に基いて、現在の周波数の割当の十幾つというものは、もう絶対に変更できないものかどうか、どういう了解の下にあれは定められておるのか、これを一つお聞きしたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 局長から御説明申上げます。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。FENに使われております周波数につきましては、昨日の委員会でも申上げましたように、日本政府といたしましてはできるだけ日本の国民の放送の受信に不便のないように、適当に移動してもらおう或いは電力の低減をしてもらおうということで折衝をいたしております。全面的にこれが廃止をしたり或いは変更するというようなことは、或いはむずかしいかも知れませんけれども、相当数のものが変更し、電力を減じ或いは周波数の数を減らすというようなことは期待し得ると思つておりますが、まだ結論を得ませんので、具体的に申上げかねると思います。なお先ほど日本放送協会の今後の拡充についての周波数の点をお話になりましたが、御案内のように、このラジオ放送に使われております周波数は殆んど飽和状態まで現在使われております。これを最も有効に活用いたしまして聴取者の要望に副うようにして行き、又できるだけ早く日本放送協会としても、全国あまねく放送が普及されるように計画を進められているわけでありますから、そういう点等を考え合せますと、現在の放送のやり方その他に、つまりプログラムの編成等についても場合によつては再検討を加えまして最も有効に放送用の周波数を使うというふうに考えて行かなければならないとそういうふうに存じております。従いまして結論的に申上げますと、局が殖えるから必ず周波数が殖えて行くというばかりには考えられないと思います。
○山田節男君 今の長谷局長のお言葉のうちで周波数の中が飽和状態になつて来ている。先般の御答弁のときには日本は電波の発射については非常に有利な地理的な立場にある、そうおつしやつた。そうしてこの周波数の中がもうすでに飽和状態に達していると言われますが、これはアメリカでは少くともラジオだけでも二千幾つかの割当があると私は思うが、これはなぜ日本でそう早く飽和状態になるのか、私は今日の技術的なことはわからないから聞くのですが、周波数の中を狭くとつて通信ができる、そうして若しこれを、同と言いますか、VHFと言います。か、それからUHFこういつたものを利用すればまだ処女地である周波数のバンドはたくさんあると思います。ただ今の普通の周波数のバンドばかりを標準にしまして電波の割当行政をやり、何もかもみんなそこに割込んで来るから飽和状態になつて来る。だから将来の電波の政策としては、周波数の一つの何と言いますか、UHF、VHFまで開拓して、むしろそういう方面に発展せしめて、そういう一つのドメインと言いますか、そういう空域を利用させるという方針を立てなくちやいかんと私は思うのですが、これは郵政大臣なり或いは電波局長としてこの電波行政、周波数の割当政策は今後どういうように進めて行くか。今日僅かに二百に足らないと私は思うのですが、それですでに飽和状態に陥つているということは、従来の周波数の中の割当が余りに何と言いますか、ルーズというよりも技術的に発達しておらんままでおやりになるからこうなつているのじやないか。この点の根本的な一つ心がまえをお聞きしておきたいと思うのであります。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今御指摘になりましたようにアメリカにおきましては標準放送、いわゆる中波の放送の行う周波数帯におきましても二千余りの局がございますが、日本と国土の広さを対照して頂きますれば、大体日本の局数との関連を御了解願えると思うのでございます。日本では百八十四局、現在予備免許中のものを入れますと、に達しております。丁度アメリカの十分の一程度でありますが、これが御案内のように中波のラジオ放送に使われております電波は、電波の伝播上の特性から言いまして、国土が広ければ同じ周波数を何遍も使うことができますので、たくさん置くことができますが、国土が狭ければそういう点で数の上で制限を受けます。又御案内のように、日本はこの国の地形が細長い形をしておりますために、技術的に申上げましても周波数の利用上から制限を受けておる。又アメリカは御案内のようにカナダ、メキシコ等との関連がございますが、日本はより一層中共或いはフイリピン、沖縄、台湾等との関連が密接でございますので、そういう点からの制約も受けるために、アメリカと同じくらいの数字までには技術的にも行きかねる状態であります。 なおもう一つ電波の割当上考えなければなりませんのは、先般も申上げましたように、現在使われておりますところのラジオの受信機の特性でございます。これは諸外国と違いまして、従来日本では低廉な受信機でラジオが聞けるようにということで、いわゆる並四球の受信機の普及によつて一日も速かにたくさんの人が聞けるようにという方針で来ておりましたために、現在でも相当の恐らく全国的に見ますならば六割から七割程度までは並四球ではないかと思います。こういうものの受信機の特性も考えまして電波の割当を考えなければなりませんので、申上げましたようにやや飽和状態に近い状態になつております。併しながら若しも免許の切換え時期等に際しまして、これのより一層合理的な再編成を考えますならば、なお十数局或いは二十数局くらいの新しい局は入り得ると思いますが、それは殆んど現在使われておる電波と同じものを二重、三重に使うということで局数を殖やして行くより方法はないのではないかと考えております。 なお御指摘にありました超短波の放送につきましては、私ども今後放送用の周波数として開拓すべき、日本にとりましては未だ使われていないところでございますので、できるだけその方向に向けて行きたいと思つておりますが、一つの問題はテレビジヨンとの関連でございます。御案内のようにアメリカにおきましては中波によるラジオ放送以外に、超短波によるラジオ放送が一時非常に用いられました。併しその後テレビジヨンの発達によりまして、丁度一般の中波によるラジオ放送とテレビジヨンの間に挾まつたような形になりまして殆んど今は凋落の状態にあるわけです。技術的に申上げますと、御承知のように超短波によるラジオの放送とテレビジヨンとは、同じような超短波を使うわけでございまして、そういう点から申しましても中波によるラジオ放送の今後の動向、それからテレビジヨンの今後の予想等も一緒に考えまして、お話のありました超短波によるラジオ放送というものを考えなければならないと存じております。御承知のようにヨーロツパ等におきましても、いろいろ中波の放送による電波が各国間の何と申しましようか、いろいろ取得をするための競争が激しいために、或る国例えば西ドイツ等におきましては超短波による放送を盛んに活用いたしておりますけれども、日本におきましては先ほど申上げましたように相当数の放送局が現在もございます、なお相当数が中波による放送によりまして行い得るという点と、先ほど申上げましたが、テレビジヨンの問題等も考えまして、御指摘のありました超短波による放送を考えて行きたいと思います。なお参考に申上げますと、この超短波による放送は例えば教育放送とか、そういう或る限られた方面の放送には今後大いに活用されて行くのではないかと思つております。
○山田節男君 今問題になつているのは中波の周波数バンドの問題であつて、超短波についてもそういう一つの施策を持つていらつしやるということは結構なことですが、御承知のようにアメリカではRCAのテレビジヨンは極超短波UHFで全国のネツトワークまで作つている。こういう状態にあつて、日本がもう極超短波の領域に入り得ないという、これは技術と言いますか、技術の関係でできないのか、或いは例えばこれをテレビジヨンにやるためには非常にコストが高くなつて、費用がかさむがためにできないというのか、技術でできないのか。それから若しバンドが窮屈になつて来ればもう超短波でもいけない、極超短波というものに対してはまだ私は全然手がつけてないと思うのですね。こういうものに対して具体的に政府はこの極超短波に対してはどういうような政策をおとりになるのか、若しきまつておれば一つお聞きしたいと思います。
○政府委員(長谷慎一君) 具体的にまだ申上げるところまでに決定いたしておりませんので、今御報告のできないのを遺憾と思いますが、先ほど申上げましたようにラジオの放送はテレビジヨンとの関係も十分考えて行かなければならないと存じております。テレビジヨンに使い得るいわゆるチヤンネルの数等は、アメリカと日本では国際協定の上から言いましても違つておりますので、果して日本がアメリカと同じようにテレビジヨンの中に十何チヤンネルというようなテレビジヨンのチヤンネルを必要とするのか、かねて御報告申上げたりいたしておりますように、現在日本では四つのチヤンネルで以てテレビジヨンの計画を一応立てておりますが、将来これをどこまで伸ばさなければいけないかというような問題、それからラジオによる放送が中波だけでは将来ともどうしてもだめで、一般の放送用としても超短波による放送を使わなければならないと思います。この問題も非常に慎重に考えなければいかんと思うのです。併し若しも仮に超短波による放送を日本において実施する場合を考えますと、丁度テレビジヨンには六メガサイクルのバンドを必要とするのですが、仮に一メガサイクルを放送用に割当てるといたしますと、その中にたくさんの放送を活用できます。全国に数百という放送を一メガサイクルの、ハンドでできる結果になると思います。従いまして、周波数の割当上から言いますと、超短波によるラジオ放送を将来やろうという場合に電波の割当面からの困難性というのは非常に少いのではないか、殆んど問題はないのではないかと考えております。問題はむしろ先ほど申上げましたように、テレビジヨンのほうの問題がより電波の面から申しましても問題になつて来ると存じております。従いましてそういう点等も総合的に考えましてきめて行きたいと思いますが、取りあえずのところといたしまして教育放送、或る限られた地域内の教育的な放送とか、そういうような特殊の黙約の放送には超短波による放送の方式を十二分に活用してもらうように考えております。
○山田節男君 それからもう一つは、NHKがテレビジヨンの中継放送を大阪、名古屋などでやるためにマイクロウエーブの中継の施設を完成しているわけですね。一応技術的に言うと、これは平均まあ地図から見ても九十キロ以上です。アメリカの倍まで行きませんけれども、少くともむしろ異例な距離であつて、まあ中継に成功しているというのは、やはり何と言いますか、中継の電力と言いますかパワーが非常に強いからそういう異例な長距離に達し得るんだということであろうと私はまあ素人として想像するのですが、こういつたようなマイクロウエーブのこういうかなり異例に長距離の中継をずるために大きなパワーを使うということは、電波行政から見て今後又マイクロウエーブの利用が他にもできるという場合に技術的には何ら支障がないものかどうか、少くとも今日常識的に考えて、六、七十キロ又は少くとも三十マイルから三十五マイル程度のものでやるという標準なのか、この点は一つ郵政省としてどういう見通しをお持ちになつているのか。現在のままで、あれがずつと継続して電波行政が差支えないものと見ているのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。確かに御指摘になりましたように、現在NHKが実験的に行なつております東京大阪間のマイクロウエーブによる中継方式による場合と、アメリカ等におきまして実施されているマイクロウエーブの中継回線とは相当違つている点がございます。今御指摘のように各中継所の間隔等の違いもまさにその一点でございます。併しアメリカ等におきますところのマイクロウエーブの中継方式は、テレビジヨンの中継だけでなしに何百回線という電話の中継も兼ねて行い得る設計になつております。日本でも現在日本電信電話公社におきまして、東京大阪間を初め全国的なマイクロウエーブによる中継回線の計画を進められ、一部建設を進めておりますが、これの場合の中継所の間隔はアメリカの場合とほぼ大差がないものであります。と申しますのはこれはテレビジヨンの中継も行えますけれども、電話を何百回線かを収容しようという計画から出て来るのでありまして、と申しますのは同じマイクロウエーブによる中継におきましても、テレビジヨンのみを中継する場合よりも数百回線の電話を中継する場合は、より一層厳格な要求される条件が必要となつて参ります。従いまして、その条件を満すようにするためには間隔を狭めて行く方法が一つの方法でございますので、アメリカを初めそういうことが取られており、先ほど申上げましたように日本におきましても日本電信電話公社の方式はその方法を取つているわけであります。 一方日本放送協会で実験を現在されておりますマイクロウエーブによる中継方式はテレビジヨンだけの中継を目的にされております。果して日本の技術なり、日本の製品によつてどの程度のテレビジヨンの中継ができるかどうかということを実験される目的でNHKが施設されたのでありますので、先ほど御指摘になりましたように、ほかと比較いたしますと割合に間隔の広い状態でやつております。その結果、多少御指摘のありましたように、電力の大きいものを使つている点がございますが、マイクロウエーブ施設は御承知のように非常に指向性を大きくすることができます。自分の所用の方向にのみ電波を向けて、ほかへは殆んど電波の発射がないような設計ができますので、多少電力等が殖えましても電波の割当上等からの問題は殆んどないものと思つております。 なお、御参考に申上げますが、全体、マイクロウエーブの中継方式を使用できるような電波の割当は或る範囲に限られておりますので、今後マイクロウエーブ中継施設をしようとされ、或いは計画中の向とも十分連絡いたしまして、総合的な周波数の割当計画を立てて御指摘になりましたような問題が、単に電力等の問題からばかりでなしに、計画そのものの上からも支障が来さないようにして行きたいと、連絡を取りつつ調査を進めている次第であります。
○山田節男君 昨日ラジオの放送についてこの意見書の中にもあるように、大体政府としてはこの大電力、小電力、中電力、これをおのおのかね合せてやりたいというような御意見があるわけですが、それでこれは私よく知りませんが、大体今日のラジオ放送となれば小電力使用というのが原則のようになつているのじやないかと思うのです。併し日本の政府はこれに対して大電力、中電力も合せて取捨選択調整して行きたい。こういう政府の御意向のように伺うのですが、これはNHKとしては現在大阪、更に福岡にも大電力の放送をおやりになるというようなこの意味に了解するのですが、更にこれを北海道とか他の方面に大電力の放送局を将来お殖しになる意向があるか。それから郵政省としても若しNHKの要求があればそれを許可する方針なのかどうか。この点を一つお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。大電力の問題は昨日もお答え申上げましたが、お手許に差上げてありますところの資料等にも述べてございますように、我が国の地勢その他の点から申しまして、どうしても大電力に小電力を配しまして計画を立てて行かないと全国あまねく電波が行き亙るというようにすることがむずかしい点がございますので、大電力だけによるとか、或いは小電力を多数置くとかいう徹底した行き方でなしに、両方引かね合せたような行き方を従来もとつておりますが、今後もそういう行き方をとらざるを得ないのではないかと思います。 なお只今御質問にありました、九州とか或いは北海道方面で大電力を行う考えが若しも日本放送協会当局にあつた場合には電波監理上許せるかどうかという御質問のように存じますが、これは今後NHK当局がどういう計画の下にその申請なりをなさるか、或いは具体的に計画そのものがどういうふうに立てられるかによりまして、その規模なり或いは時期等について検討をいたさなければならんと存じますが、仮にその問題のうちの一つでございます電波の割当上から申上げますと、一昨年の臨時無線通信主管長会議におきましては札幌、福岡に五十キロ或いは百キロの大電力の放送を日本がやれるような既得権は設定してございます。従いまして諸般の情勢が許し、いろいろ政府として或いは日本放送協会として、行うべき適当な時期である、或いは具体的な計画上問題がないということになれば、只今申上げましたような大電力の放送を行い得ると存じております。
○山田節男君 それからNHKがすでに二月一日から正式なテレビジヨンの放送を始めて、将来テレビジヨンを政府或いは公共団体がこれを利用するということもあり得るだろうと思う。それから現在米駐留軍がラジオにおいてFENを使用しておるように、テレビジヨンの施設をみずからやるということは勿論経費の都合上むずかしいことじやないかと思いますが、これをNHKの公共放送としてやつておるテレビジヨンに利用したいというような申出でがあるかも知れない。そういつたような場合には政府としてやはりこういう半ば公共的なものに対しては許す方針なのかどうか、これをお聞きしておきたい。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。テレビジヨンはかねて御報告等申上げてございますように、チヤンネル・プランに基いて今後も実際の実現可能性のある計画に対して許可或いはその結果実施されて行くと思うのでありますが、そういう点から申しましても駐留軍関係のほうでテレビジヨンを単独にやるということは実際上困難になつて来ると思います。又現在行われているラジオの放送とはずいぶんその性格が違つて参りますので、単独にやるというようなことは考えが出て来ないと思いますし、又政府といたしましてもそんなことは望んでおりません。ただこのテレビジヨンを活用しようということが、NHKの行われておるテレビジヨン等を対象として要求があります場合にも、我々といたしましては先ずテレビジヨンは日本国民の聴視者の要望を充すということが第一義的に必要だと思いますので、そういう要望が充されたあげくにおいてなお要求がありますならば又問題は別だと思いますが、NHKといたしましては、或いは日本政府といたしましては、日本のテレビジヨンの視聴者の要望に副うようにして行くことが先ず第一だと思つております。勿論将来商業テレビジヨンができた場合のそれとの関係は又別個に考えなければいかんと思いますが、NHKにつきましては今申上げたような考え方で行くべきではないかと存じております。
○山田節男君 今の日本政府は、公共団体ですね、こういつたようなものが公共放送であるNHKのテレビジヨン放送にその利用を願い出た場合、それはやつばり許可する方針ですか。
○政府委員(長谷慎一君) NHKは単にラジオばかりじやなくてテレビジヨンにおきましても番組編成の自主権を持つておりますから、単にテレビジヨンの放送の時間を貸すというような商業放送と同じような方法はとれないと存じております。従いまして、政府とか或いは公共団体から申出でがありました場合には、それを番組編成の材料として、NHKが自主的にそういうものを材料として編成したプログラムの形で放送されることは、例えば官庁の公示事項というような番組が現在ラジオにおいてやられておると同様にテレビジヨンにおいてもそういうことができる可能性があると思います。或いは又ニユースの形で送られるというようなこともあり得ると思いますが、全くプログラムの内容なり編成が、政府といえども第三者で、この他人の支配下においてやられるということは放送法の精神から言つてもあり得ないと存じております。
○山田節男君 まだ電々公社の総裁がお見えにならんから、一つ質問を差換えて、NHKの当局にちよつとお聞きしたいのですが、昨日も問題になつたように、テレビジヨンとラジオとの経理を別個にすると予算総則でもきめておられるわけですが、実際問題としてラジオとテレビジヨンを兼営しておられるのであるからして、テレビジヨンのとるものの、プログラムがそのままラジオに使えるという便もあるだろうと思います。それから場合によつたらばラジオを主としてやるべきものでもテレビジヨンにこれを使えるものがあるかも知れません。そういつた場合に、テレビジヨンとラジオとプログラムが一つものを両方で使うというふうな場合の経理はどういうふうになさるおつもりなんですか。
○参考人(岡部重信君) ラジオとテレビジヨンと番組を共用する場合でございますが、ラジオ放送以外に余分にかかる経費と申しましようか、例えば出演料なども余分に払うということが出て参つておるのでございますが、その余分の費用はテレビジヨンで全部お払いする。 それから昨日言葉が足りなかつたかも知れませんが、この区分のうちで、研究費については昨日申上げましたが、その他の管理費の部面で経営委員会の費用とか或いは役員の補充というような、確かにテレビジヨンのこともやつておるわけでございますが、非常に分けにくいようなものは、ラジオのほうで一本でやつて行くという区分でございまして、減価償却などについては無論テレビジヨンに過去において実験室を転用したというようなものはテレビジヨンの減価償却でやる。一言で申上げますと、ラジオと共通にやつてもその余分にかかる費用がございますが、余分にかかるような費用は全部テレビジヨンでやるという区分でございます。
○山田節男君 そうしますと、例えばここで示されておる事業計画で、放送局の内容充実の内訳があるわけですね。そうすると、これを見ますと、来年度においてまあ合計四億七千六百有余万円、建設費もこの中に入るわけですが、これは例えば東京放送演奏所、或いは名古屋こういつた方面に四億七千六百余万円をお使いになる。これはそうするとテレビジヨンにも使える。例えば演奏所ということは同時にテレビジヨンのスタジオにも使えるか、これは兼用のものに違いないと思いますが、それを一つ。
○参考人(岡部重信君) ちよつと申訳ありませんが四億とおつしやつたのはどの……。
○山田節男君 四億七千、この十九頁に内訳として放送内容充実関係、建設費ですね、東京が総工費八億円のうち本年度三億五千万円、名古屋演奏所については、総工費三億円のうち本年度五千万円、その他録音中継機器、楽器類及び各種車両等の整備に七千六百十六万円、合計四億七千六百十六万円、こういうようになつておりますね、この数字の意味なんです。
○参考人(岡部重信君) 東京演奏所及び名古屋の演奏所の分がここにありますが、その他の機関もございますが、これらをもつぱらラジオに使うわけでございます。たまたまそれを利用することは相当あると思いますが、それで片方のテレビジヨンのほうにも建設費が上つておりますが、それは或いはこの中でラジオに使う建設も場合によつたら例外的にはあるかと思いますが、もつぱらテレビジヨンのほうへ使う建設費用ということに相成つておる次第でございます。
○山田節男君 電々公社の総裁がお見えになりませんから、郵政大臣に私質問したいと思います。郵政大臣にお伺いしたいことは、こうして日本放送協会としてテレビジヨンの正式放送を始めまして、成るべく使命に鑑みて全国放送をやりたいというので、とにかく無理をして今日大阪までのマイクロウエーブの中継を完成したわけです。そうするとNHKとしては将来更に北に、或いは東に西に放送網というものを拡張するのは当然の任務だと思います。そういたしますと、忽ち問題になるのはこのマイクロウエーブの中継の問題であります。電々公社はやはり何年かの計画を以ちましてこのマイクロウエーブの中継のプランを立てておるということでありますが、若し電々公社が早くマイクロウエーブの中継、今のテレビジヨン、電信電話、こういうものの能率を上げるためにやるということになれば、これは公社である、公共企業体であるNHKがみずからの負担を以てやるということは、今日の経済情勢から見て私は非常に不経済じやないかと思う。そこで電々公社をして政府は、少くとも東京から名古屋、大阪、或いは福岡、或いは北は東北を経まして札幌まで、こういつたようなマイクロウエーブの中継をいつまでに大体実現せしむる御方針なのか、これを承わつておきたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 局長から御説明申上げたいと思います。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。先ほど申上げましたように電々公社におかれましては、私どものほうで承わつておるところによりますと、今年中に東京大阪間のマイクロウエーブ施設を完成する、そういう予定だそうであります。その後引続いて東京から九州に至る西の方、それから更に仙台から札幌に向う北の縦断をする施設をやる計画だそうでありますが、それはまだ何年度にどうするかという将来の計画は、予算等の問題もありますのでまだ確定はいたしていないようでありますが、諸般の準備、計画、或いは下調査等を進めておるようように伺つております。 なおNHKのマイクロウエーブによるテレビジヨンの中継との関連でございますが、これは先ほど申上げましたように、現在日本放送協会の実験設備によりまして名古屋と大阪に実験的にテレビジヨンの中継を行なつておりますけれども、将来日本電信電話公社の施設ができましたときには、そちらに借替えるということに大体両者の間にお話合いができて、言葉を換えますと、テレビジヨンのマイクロウエーブによる中継は日本電信電話公社の施設によつてやるということに大体お話合いができて、それによつて行なつておるわけであります。勿論日本放送協会が手持ちの施設がありまして、日本電信電話公社のほうの施設ができない間は、それぞれ便法が講ぜられるのではないかと思います。 なお御参考に申上げますが、アメリカその他ヨーロツパ等におきましても、テレビジヨンの放送は如何なる企業体が行うにいたしましてもその中継の仕事は大体通信を担当しておる機関が行なつておるのが例で、ございまして、日本におきましても大体それと同じような、軌を同じうする方向に向つて準備が進められておるわけでございます。
○山田節男君 そうしますと、今のような政府が電々公社の計画を実現されると、これが予定通りに実現されることになれば、NHKとすれば例えば大阪まで電々公社のマイクロウエーブの中継の施設が完備すれば、現在の設備を更にそれから以西の九州まで延ばすとか、或いは仙台、札幌の方面に延ばすというようにお使いになる計画でおられるのかどうか、この点はどうですか。NHKのテレビジヨンのネツトワークの拡張計画としてですね。
○参考人(岡部重信君) 先ほど政府のほうから御答弁がありましたような私どもの考えの下に計画いたしておるわけでございますが、電々公社のマイクロウエーブの建設と私のほうと若干食違う点が起るということもあり得るだろうと考えます。併しできるだけ電々公社の計画に乗つて全国的にテレビジヨンを普及したいという考えでございまして、たまたま多少の齟齬がありました場合には、現在の実験施設を兼用するなりして一時的にも計画を早期に実施したいと、その他いろいろな考え方もあると思いますが、一応そういうふうに考えておる次第でございます。
○山田節男君 これはまあ時間が大変長くなりますから私これで打切りたいと思いますが、最後に一つお許しを願いたい。もう一つ私お聞きしたいことは、テレビジヨンの視聴料金の問題ですが、NHKは勿論政府の承認を得てきめられたことに違いないのですが、月額二百円だとこういうことで極めて簡単におきめになつておる。併しこれはもう公社である以上は、やはり経営として要るだけの収入はもらわなくちやいけない。いわゆる自主的な健全な経営体形から言えば、このテレビジヨンの視聴料というものは慎重にきめなければならん。ただイギリスが月千円だから日本はこのくらいでいいだろうというようなことでは私はいけないと思うのですね。そういう見地から、殊に日本のようにテレビジヨンの普及度がアメリカ、イギリスに比べればより低い日本として、テレビジヨンというものは相当私は営業用に今後利用する者ができるのではないかと思う。現に過日新聞に、このテレビジヨンの少し大型のもの、或いはこれは日本で成功するかどうかわかりませんが、これをスクリーンに映して有料で見せるというような場合もやはり月二百円でこの視聴料を済ませるのか。例えばフランスの例を取りますと、あすとはああいうように非常に絵の品位の高度のものがあり、従つてこれはスクリーンに非常に便利である。集団的にこれを見せるという建前でああいう標準報酬をとつたというのですが、従つてそういうような方策であるからして実際もそうでありますから、そういう集団的で見る場合、或いは営業的に見る場合、或いは店の繁盛するためにテレビジヨンを置いて見せるというようなものについては、視聴料に対して一つの段階を設けて私は少くともNHKが公共企業体経営者という立場になり、これは今日の電々公社と同じような立場を持たなければいけないと思う。こういつた面から見て私は視聴料の料金制度の政策というものが非常に私は何といいますか、ぬかりがあるのではないかというふうに感ずるのですが、これはNHKとしてこの月二百円の視聴料で以て更に三万、五万、十万、二十万となつた場合、これは果して形態としてペイし得る数字的の見込を持つてお立てになつたのか。又政府もそういうような見通しで月二百円というものをおきめになつたのか、この点を一つ承りたい。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 放送協会のほうからも御答弁があるかと思いますが、私のほうから先ず御答弁を申上げます。視聴料の問題は只今一ケ月二百円でやつております。二百円となつておりますが、これは昨年補正予算を出しました当時、こういうことで承認を求めまして御説明も申上げたわけでありますが、二百円ときめた根拠につきましては当時説明いたしましたように大体外国の例、或いはコスト等から考えて、ラジオの四倍というような標準を土台にいたしたわけであります。それでペイするようになるかどうかという問題はこれから普及率がどうなるかということと関連をいたすわけでありますから推測になりますが、政府のほうで推測いたしましたところでは、五カ年くらいの間は困難でありましようが、そのくらい経てば普及も相当にできまして。ペイするようになるだろう、こういう推算でいたしておるようなわけであります。
○参考人(古垣鉄郎君) 只今郵政大臣のお話の通りでございますが多少附加えますと、この二百円のテレビジヨンの受信料をきめるにあたりましては、単に諸外国の例を調査したばかりでなくて国内的に日本の国民の収入状態、支払能力、そういつたようなものもいろいろな資料について見当いたしまして、そうして又経営上の点も検討いたし、先ほどお尋ねのございましたような点を事務当局におきまして十分長い時間をかけて検討いたしまして、そうしてその結果二百円ときめ、それによつて大体第一期の計画、全国の過半数の受信者を包含する計画を立てて、その第一の計画が完了します頃には大体黒字となつている赤字をすべて黒字に変えることができるというようなめどもつきましてそうして最終的にその二百円ということにきめたわけであります。 他方公共企業体というものの性格上からも考えまして、大体若しこれが商業企業体である場合には、もう少し高くすることが経営上は適当である。併し又幾ら公共企業体であつてもその企業状態が健全を期するためには余りに長くなつて、例えば十年も赤字を続けるようなことではいけないということも考え、すべてを総合して二百円としまして、私どもの只今の考えでは大体その通りにやつて行ける、昭和三十一年度くらいにはすべて赤字が黒字に変つて、そうして更に次の発展を計画することができるというように考えてしたのであります。 それから又もう一つの問題、受信料をただ家庭の受信者の受信料と、それからこのテレビを利用いたしまして営業の目的に使う人たちの場合の料金等をいろいろ考えるべきではないかというような御意見、その点も考えましたし、又今後も考えて行きたいと考えております。ラジオの受信料の場合にもそういうことが考えられるのでありまするが、テレビジヨンの場合には一層又その問題が考えられるかと思います。ラジオの場合には現在も何といいますか、ユニフオームな統一した一つの受信料になつておりますからテレビジヨンの場合に将来果してそれが適当であるかどうか、これは今後も研究して行きたいと思つております。この点につきまして諸外国の例等も調査して考えておる次第であります。先日新聞にも出ましたテレビジヨンの劇場というようなこともございますが、これも調査、研究しておるのであります。私どもの考えでは、只今の統一した料金の問題でなくて、これは他方において著作権の問題じやないかと思います。従いましてテレビ劇場等でこれを利用する場合に、それに出演した人々の著作権というものをそのテレビ劇場で考えるべきじやないかというふうに考えております。これは今後一層調査研究して案を立てたいと存じております。
○山田節男君 それに関連して。郵政大臣として今これは別に我々が審議している有線電気通信法案、それから公衆電気通信法案、両法案の施行法案に関連して申上げるのですが、一体電話料金というものが今回平均一割でありますが、値上げで抑えられている。これは電々公社として、一つの企業体として我々があれほど心配して専売公社、或いは国鉄に比べて本当の経験者が、経営に当る者が自主的な経営ができるような、資金計画にまで微細に亙つて我々は審議して相当いいものを作つたと思うのです。それというのは、電々公社は電話を普及して早く国民に利便を多からしむるためには、これはフリーハンドで自由にできるようにするというのが、我々が日本電々公社法の制定をした主眼であるわけです。ところがいよいよこうして来年度の予算を組まして我々が見ると、これは結局は郵政大臣が許可したので僅か一割くらいしか許さない。郵便、その他のものの卸売物価或いは小売物価に比較しまして、実に低い上げ方をしている。こういう点はこれは電々公社は一つの公共企業体であるから、料金を上げてはいかんという態度が、我々の電々公社法の制定の趣旨に反している。このことが私はNHKの場合においても、これは公共企業体であり、赤字を出したら債券を発行するか、或いは長期の借入をすればいい、これでは経営体の健全性というものがなくなつてしまう。成るほど経営委員は任期があり、又会長、理事の任期があるにしましても、企業体は永続性を持つている。飽くまで健全性を持つていなければならない。企業体は健全性としての基礎に立たなければならない。そういたしますと、今の殊に日本の実情を考えると、テレビジヨンの普及も私は案外多いだろうと思いますが、他面集団的な半営業、準営業的なテレビジヨンを利用するものが多くなるのじやないか。実はNHKがテレビジヨンを放送する経営体としての権限を、基礎を健全に確立せしめるためには、この点は、もう少し公共企業体であるから、成るべく安くしなければならんということは、そうするとこれは政府がやればいい、政府がやるならそういうことが言えます。少くとも公社にしたという主眼はやはり高能率でやらすということ、従つてこれは安くということも言えますが、併しこれはどうしたつて経営の原則であるのですね、赤字を出しつつもうずつとやつている。勿論テレビジヨンは事業の性質からそういうことは各国でも実際やつておる。そういう経験を実際経ておりますけれども、私は郵政省が、電々公社或いはNHKに対してこういう料金という問題に対して余りに公共企業であるからして料金を下げなくてはいかん、それによつて企業体はむしろ非常に不健全になつて来る。サービスが悪くなる。現在民間放送と比べて、日本放送協会は、演出者の謝礼にいたしましてもNHKを日本薄謝協会であるとか言われますけれども、これは公共企業体だから金が出せない。然るに民間放送を見ますと我々は一、二の例を知つていますけれども非常にたくさんのものを払つておる。ここは何も公共放送として多額のものを競争して払う必要はありませんけれども、少くともラジオの聴取者、テレビを見る人に魅力のあるものを見させるようなプランをNHKにやらすということにしなきやならんと思う。料金の点においては電々公社の電話の場合と同じじやないかと思う。この点はやはりNHKの当局としても経営の責任者としてペイするまでとらないと将来経営体として健全性が薄くなるのじやないか。この点は遠慮してはいかんと思う。どうぞ郵政大臣は、こういう点は経営者の身になつてやはり従業員にいたしましてもすべて公務員並のべースアツプの率は確保しなきやならないということになつて、赤字を出してベースアツプをするというのでは経営体としては失敗です。ですから殊にテレビジヨンの必要度、これからの問題になるべき視聴料金の問題については、今年度の予算はこれといたしましても、将来これをお考えにならなくてはならん。監督官庁としても十分この点は実際に業務に当つている者の意見を率直にお聞きになつてやらないとラジオと違いましてテレビジヨンの場合にはむしろ危険が多いのではないか、かように私は臆測しますのです。これはもう希望になりますけれども、殊に私はそのことを大臣に申上げて、経営者である理事者はもう率直に科学的に数字を出さなくてはいかんと思う。ですから来年度の予算において、私は旧制度のことは申上げませんけれども、その肚は十分持つて頂いて理事者が将来の計画の健全な経済的基礎を築くということは、政府が反対しても国会にお出しになるべきものではないかと私は思つております。これは私の希望でありますけれども申上げておきます。 〔理事新谷寅三郎君退席、理事山田節男君委員長席に着く〕
○鈴木恭一君 昨日大体大きな質問は終つたのでありまするが、ちよつと予算に関連しまして一つお聞きしたいのは、実は大きな問題にも関連を持つわけですが、この技術研究費というのが八千六百万円ばかり計上されております。研究費という項目がここだけにしかないのですが、事業計画のほうに放送関係の番組の調査研究その他に六千百九十五万四千円と計上されております。私は昨日も申上げておりますように、日本放送協会が持つている大きな使命というのはあまねく電波を国民に与えるということ、これはもう目的ではつきりいたしております。それから国際放送の担当者であるということ、それから放送文化の向上ということが非常に大きな使命ではないか。この三つの使命というものは放送協会としては常に考えておらなければならないし、又監督官庁としてもその面に対しての配慮というものが常に日本放送協会に払われるというところに私は日本放送協会の特色があると思う。それは日本放送協会というものの性格がアメリカのそれでもなし、又BBCとも違う点であろうと思うのです。そこでこの研究費の問題も累次の当委員会におきましても問題になつております。そこでお聞きしたいことはこの前の委員会でも研究費に対しては二億六千万円も使つておるのだ、そうしてそれは総経費の四%に当つておるということを私は聞いておるのです。ところが予算を見ますると、そういう面がはつきり出て来ないのです。従つて一体放送の研究というものに対していわゆる九条の「放送の進歩発達に必要な研究施設を設置すること」という業務が明らかにされておる。これについてどういうふうにお考えになつておるのかということをここで私はお聞きしたい。総経費が八十二億、それに対して四%というのはやはり相当のパーセンテージを私は占めておると思います。卒直に言つて。そこで来年度研究にどの程度お使いになろうとしているのか、そうしてその研究費は一体幾らになるのか、それが総経費の何%に当りているのか、それを先ずお聞きしたい。
○政府委員(長谷慎一君) 先に政府のほうからお答え申上げます。たびたび御指摘のございましたように、日本の放送の技術の発達或いは日本放送協会の使命であるあまねく放送が有効適切に行われるためにも、放送の技術面の研究或いは又放送の番組面のいわゆる研究などに力を注がなければならんことはお話の通りでございまして政府といたしましてもその点意を用いてきたのでございます。御指摘にありましたように、これまでは約四%前後の費用がこの研究方面の特に技術研究方面に向けられておりました。二十八年度予算におきましても実は大体同じことになつております。これから御説明申上げますが、ところが予算の立て方が従来の立て方と変りましたのでややその点がはつきりいたしておりません。例えば給与とか或いはその他の建設費とかそういうものがそれぞれ別な項目に入つておりますために、研究費としてまとまつていない形になつておりますので、その点がおわかりにくいかと思います。御参考までに申上げますと、技術研究費が八千六百九万円、この研究所に約四百名足らずの所員がおりますが、その給与が一億一千万円、厚生保健費が一千九十三万円、舎屋費が約九百万円、建設費がいわゆる建設勘定でございます、いろいろ設備いたしましたりなんかいたします建設勘定が約九千百万円・総計いたしますと三億八百二十四万円、これは総支出に対する割合を見ますと、やはり従来と同じように四・一%になつております。御指摘になりましたように四%というような相当のパーセンテージを研究費に向けておるということは余りほかにも例がないことと思うのです。放送協会の当局者が放送技術の研究その他放送文化の研究に非常に意を用いておられるということは、私どもも全く妥当な処置ではないかと思つておる次第であります。
○鈴木恭一君 放送協会からの御説明ございませんでしたが、一応監理局長の御説明でわかりました。一体来年度四・一%というのが主としてこれは技術関係のようでありますが、これが一体妥当なものだとこういう結論をつけておられますが、この前の研究費が問題になつたときも放送協会のほうからはいろいろ研究には費用を出したいのだけれども、いろいろ必要な経費があるので止むを得ずこの程度になるのだというふうな御説明です。一体総支出に対してどの程度の研究をさしたらよろしいのかという点が第一点。どういうお考えを持つておられるか、これは放送協会と政府のほう両方からお聞きしたい。 それから大体技術研究ということに非常に主眼をおかれておるように私は従来から受取つておるのでありますが、むしろ私はその放送文化の向上という意味において一層の御配慮をお願いしたい。それは民間放送も商業放送も私は放送の文化的意義というものを持つておることを承知いたしております。併し日本放送協会というものはそれ以上に根本的な考えとして放送文化の向上というものに対して研究を進めてもらいたい。それについては放送協会では放送文化研究所というようなものをお持ちのようであります。併し今の説明でももうその費用は説明のないくらいにねぶられておるように私は考えられるのであります。それではいけないので、是非放送協会としてはその持つておる職能から一つ放送文化の向上について、番組を通じてどういうふうにして放送文化を向上さして行くかということに一段の御配慮をお願いいたしたい。そのためにいろいろ世論調査とかということもされておると思いますが、私はそれではいけないと思うのです。一般公衆聴取者が要求するものそれ自体が必ずしも文化の向上を期するゆえんではない。そうして又その放送の方法等につきましても第一、第二成員いは第三を必要とするのじやないだろうかというふうなことも出て参りまするし、先般古垣会長はその点にも触れられまして、放送文化に対して非常な熱意を持つておられるようであります。今後はテレビコードも一つ作つてそして行きたい、テレビジヨンの今後の支化的職能と申しますか、そのフアンクシヨンをどこまでも研究実施して行きたいというふうな御熱意もあるやに伺つておるのでありますが、非常に結構なことだと思うのです。そこで日本放送協会がこの研究をやらない限りどこもやるところはないのです日本では。そういうふうな意味でそれに対する構えを一つお聞かせ願いたい。
○参考人(古垣鉄郎君) 研究は技術の研究ばかりでなくて、特に放送文化の研究に力を入れるべきであるという鈴木委員の御意見を大変有難く拝聴いたしたのであります。私どももそういう心構えで参りたいと思つております。NHKといたしましては研究というようなもの、研究機関の充実強化ということが、主体である事業の文化的性質のみならずその公共的な性格その他いろいろ考えますると、どうしても我々は研究機関に重点をおいて、研究機関の仕事を我々のNHKの仕事のブレーンとし、源泉としてそして仕事をやつて行くべきである。一方においてこの研究機関の成果を以て先駆者的な役割をさせると同時に1事業の健全性を確保いたします上からも、どうしても我々はの研究に重点をおかなければならないとかように考えてやつております。終戦の当時まで研究機関としては技術研究所を持つておりましたが、終戦後いち早く文化研究所というものを設けまして現在は大体八十名くらいの者が局長級の所長の下に世論調査とそれから資料調査、そういう二部を設け、研究調査に当つております。これはただ単に番組の研究だけではないのでありまして、放送文化の研究と申しますと、放送事業の運営の面にも管理の面にも亙りまして、広く将来の放送事業のあり方を研究いたさせております。ただこの文化研究所の仕事の性質、精神的な調査をやる、精神的な研究をやるというような性質などからいたしまして、技術研究所とは予算の面においては比較的少くなつております。人間も一方が約四百名に対して一方は八十名前後であるというような形にはなつておりますけれども、私どもはこの放送文化の研究には十分力を入れて、それに必要な研究費も投じ又ここで働く人は質においても最も優秀な人をおく、予算の面でもとかく研究費に一番先になたを加えるというような考え方をしないで、これはできるだけ健全に強化させて行くというような態度を持つていたしております。そういたしましてこの文化研究所におきましては、ただ単に世論調査とか資料の調査、人名とか地名の研究というような調査事項ばかりでなく、先ほども申しましたけれども日本語の研究というような日ごとをいたしまして、例えば言葉の字引、アナウンスの辞典というものを出しましたが、日本語を調査研究してそうして美しい立派な日本語にして行くことの一つの寄与もさせるということもしております。又海外の放送事情を研究するというような部もありまして、そこではあらゆる方式の放送の研究をいたしまして、将来日本においてどういうふうに進んで行くかというような資料にもいたしております。又最近は音のライブラリーというものを設けまして、ただ単に人間、著名人の声ばかりでなくて、日本の国民の歴史を音で知つて行く、自然の声、事件の声、地方の声、あらゆる音に聞く日本歴史の完成という大きな理想を持つて仕事をいたしております。テレビの正式実施前からでありますが、このテレビにつきましても、この文化研究所がいろいろと研究をいたしまして、それが事業運営の上に大きな助けになつたのであります。それから又この放送文化研究所ばかりではありませんで、放送協会には東京並びに全国的に放送局以外の日本におけるその道の権威者、学者、或いは経験者というかたにお願いいたしまして、七、八十の委員会を持つております。農業の問題であれ、漁業の問題であれ、その他専門技術の問題であれいろいろの委員会を持ちまして、そうしてそういう人たちの智能を結集して事業に反映させておりまして、これなども予算の面や御説明のところには出ておりませんけれども、やはり大きな放送文化の研究であると思つております。なおこれらの研究成果につきましては放送法にもございます通りでありまして、できるだけこれを一般に公開し、一方放送文化の向上に資すると共に、広く国民の利益に資するように利用して頂きたいというような方途を作つておりますが、今後は一層これを強化いたしたいと思います。繰返して申しますが、私どもはこの研究ということがただ単に技術の面ばかりではなくて、特に文化の面において、公共の放送事業に当るNHKといたしましてこの研究ということが非常に大切であるし、これをブレーンとして今後も進んで行きたい、かように考えております。
○鈴木恭一君 監督官庁としては一体この九条の一項第四号ですね、この目的の業務を行わしめるために一体総経費のどの程度の経費をこれに充当すべきかというような御研究はございませんか。これはいろいろ外国の例その他もあるでしようが、まあNHKは多少ほかに類例のない存在ではあるのですが、予算を御覧になる、運用計画を御覧になる構えとしてどういうふうなことをお考えになつておりますか。私は率直に言えばこの四%というのはやつぱり大きい、相当大きな金だとは思つているのです。思つてはおるのですが、この使命を達成させるために普通の企業、殊に電々公社あたりでは恐らく総経費の一%ぐらいな研究費になつておると私は思つております。そういうふうなところから見て四%というのは相当多いとも思うのですけれども、そこいらのお考えはどういうふうでございましようか。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。NHKが現在そういう機関を持ち、それから実施しております放送に関する研究につきましては、先ほど私から特に技術面の御説明を申上げ、放送協会の会長から補足されて放送文化方面の研究の機関及びその活動のことについてお話がありましたので御了解を得たことと存ずるのでありますが、これらに要する費用が技術研究並びに文化の方面の何を合しますと四%を超す費用になると思うのであります。先ほども申上げましたように、このパーセンテージから申しますと、日本或いは外国の例を見ましても決して低い数字ではないと思つております。どちらかと言うとパーセンテージの上から言うと高い数字だと思うのであります。併し一方放送協会の今までの放送事業の発展の経過から見まして、或いは又今後の問題を考えますときに、こういう方面の研究面にできるだけの力を注ぐべきであるということは、放送協会の使命からいたしましても当然であると思います。そういう点から考えまして一般の私企業等から比べますと相当高いパーセンテージをとつても妥当を欠くものではないと存ずるのであります。又一方然らば何%ぐらい、どのくらいの額をこういう研究面に向けるのが妥当かということになるのでありますが、これは協会が当面する問題によつて違うように存じます。最近やつと正式にスタートいたしましたテレビジヨンの問題につきまして特に御覧を願いますと御了解が行くと思いますが、ここ数年間はこのテレビジヨンの研究ということに相当の力を注いで来ておる。今後もテレビジヨンの受像機面のいろいろ研究もございましようし、又マイクロウエーブによる中継の問題も決して完了をしているわけではありませんし、そういう面の問題もありましようし、更にカラー・テレビジヨンの研究ということも考えなければいけませんので、いろいろ当面をする目の前の研究課題というものが将来も一掃されるということは到底期し得ないのでありますけれども、或る程度これが常態に至つた場合には場合によつてはこの四%という数字よりも多少下廻つた数字の金額でよい時代も来るかと思いますが、ここ当分の間はいろいろ解決を迫られている問題の解決或いはそれの技術調査のためには、どうしてもこの程度の金額が要るのではなかろうか、政府としても妥当ではなかろうかと思つております。勿論放送協会とされては、できるならば、財政上許すならばもつとこの方面に力を注ぎたいという気持さえも持つておられるのでありますが、財政上そういうこの程度にとどめられておるのだという御説明もありますが、又私どもといたしましてもそういう点がないわけでもないという気がいたしますが、それらに対しましては一方政府といたしましても通産省その他ともいろいろ連絡交渉の上で、場合によつては政府から何がしかの助成金等の処置も考えようというつもりで目下研究をいたしておる次第であります。
○鈴木恭一君 結局私はそこへ行くのです。放送企業体としての職能、使命ではあるが、併しそれにおのずから研究に回す費用の限度というものはある、而もそれに対して政府はどう考えてそれに対処するか。やらさすべきであるならば更に国の経費を以て補助してやる、そういうふうな点まで私は配慮が行かないと、日本放送協会としての財政面から来る制約と、その使命とがどこかで一致しなければならんと私は思う。そういう点の御考慮を政府におかれましても慎重にお考えになられて、同時に日本放送協会としてもその点を考えて研究に対する一つの地位を考えて頂く、これが私のお願いなのであります。お願いいたしまして私の質問を打切ります。
○水橋藤作君 時間もありませんので簡単に大臣に二点だけお伺いしたいと思います。先ず私は仙台に先刻行きまして座談会を催したのであります。主としてテレビジヨンを中心としてあらゆる階級のかたに寄つて頂きまして座談会をやりましたときに、いろいろと御質問なり御意見も伺い、或いはこちらの要望或いは今までの委員会で取扱われたところの問題を回答申上げ、いろいろ有効に座談会を終了したわけなのでありますが、その中で二点だけ有効な、我々の考えていることと同じであり、而も研究すればするほどこれは重大な問題であると同時に善処しなければならんと私は考えましたので、この点二点だけを大臣にお伺いしたいと、かように考えます。 先ず第一点は、今の許可されたところのテレビ放送の日本テレビ放送網、或いはラジオ東京、NHKと、こういうふうにテレビジヨンを認可されて、日本の経済及び資材又は資金面から、この窮屈な日本の置かれている状態の資金面から考えて、これが妥当なものであるとお考えになつておるかどうか。この点私がやはりそういうふうに質問を受けたのでありまして、私も答弁に苦しんだのでありまするが、これにつきまして、大臣として先ずどのようにお考えになつておられるか。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 只今お話がありましたように、現在テレビジヨン放送についての認可は、東京で三つ認可しておるわけであります。それでなお名古屋、大阪、九州その他からも申請があります。現在認可しております三つのテレビジヨン放送について、資金的、資材的に可能であるかどうかというような意味の御質問であつたと思いますが、現在の申請計画、又予算等を調べましたところでは、郵政省としては資金的にも資材的にも可能であり、困難はない、こういう考えでおります。併しこれから方々から申請が随分出て参るでありましようが、それらにつきましては無論十分検討いたしまして、今お話のありましたような点も考え、電波の数の問題もありますから、認可につきまして、そう軽卒にやつて行くべきではない、こういう考えであります。
○水橋藤作君 そうしますと、大臣はそう言われますが、今の日本の置かれている経済及び財政、つまり金が詰つていて、いろいろ電話の普及の場合、政府が金も貸さないという状態と比較して、このテレビジヨンをNHKのほかに、まだ補足して二つも三つも認可すると言われるが、これはやはり国全体からみますると、相当の資金に無駄があると我々は考える。又資材といたしましても、私は日本の資材では、まあ見解を異にいたしますが、十分でないというふうに考えましたのでお伺いしたのですが、大臣はそれで可能だ、こう言われますが、我々といたしましては、日本の置れておる資金面からいたしまするならばまだまだ、仮に日本法送協会なら放送協会でも、現在のテレビジヨンを全国的に普及して行くことによつて、まあ後刻来るところのカラーに変る、いろいろな経済状態の、日本に置かれておる全国的の大きな立場で、高い所から見たところの見地から行くならば、我々ここに何らか矛盾があるように感ずるわけなんであります。電話の普及にいたしましても、政府が資金を出さないために、只今電話が十分に普及しない今日において、私は資金面資材面が相当無駄に使われるやに我々は考えまするが、この点は何回お伺いしても、これはつまり見解の相違という結論になると思いまするが、私はさように考えるのであります。それと今度は専門的にお伺いしまして、多少は違いましようが、文化、経済或いは教育面に、まあ日本放送協会と三本建になることは、それは国民に大きな影響を及ぼすかどうか。今日まるつきりなかつたことから考えると、一社でつとめて、あまねく全国に普及するための資材も使い、又資金も十分使つて可能ではないかというふうに我我考えるのであります。日本の文化、経済或いは教育に、NHKと三本建にして、而も同じ資材を使うというようなことから考えますと、そこに国家的に大きな無駄があるんじやないかというふうに私は一応考えるわけなんであります。 それからもう一つお伺いしたいことは受信機であります。現在日本のメーカーでは十分でないということもあるだろうと思いまするが、聞くところによると、やはりアメリカあたりから相当の受信機が購入されなければならんだろうということの想像ができるのであります。その際に噂ですから、噂をとり上げることは甚だ恐縮に存じますが、新聞その他にも言つておりますが、受信機を営利を目的として日本へ普及するようなことになると、国民に及ぼす影響が大きいので、特定の人に受信機を買わせないで、通産省あたりが何らか斡旋して、日本のメーカーに買入れさして、そうして日本のメーカーの力によつて日本の波長に合うように修理をさして、そうして安い受信機を少しでも多く売り出すという方針をとつたらどうであろうか、こういう質問も出たのであります。これも私は同感でありまするし、我々もそれを考えたことがありましたので、貴重な御意見として実は拝聴して来たのでありまするが、これに対しまして、大臣は通産省なり或いは関係省と何らかの連絡をとられたことがあるかどうか、或いはそういう考えがおありになるかどうか。あつたとするならば、その結果、どういうふうに進んでおるか、この点を一つお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 第一の御質問の点は、NHKのほかに民間放送としてのテレビジヨンを二本を許してやるとか、そういうふうなことでもつて放送が非常によくなるというような、大きな利益が果してもたらされるのかどうか、そういう点について余り大きな利益もないというようならば、むしろ一本で行くべきじやないかというような御趣旨の御質問だつたように思います。私の考えといたしましては、テレビジヨンを日本で健全に迅速に普及をさせるということが最も大切なことだと思つております。それでそれにつきましては、ラジオについての例からみましても、やはり独占でなく、競争者もありまして放送をいたしたほうが、内容の改善等も刺戟をされましてよくなつて行くと信じております。それで聴視者のほうから申しましても、内容がよくなるということがサービスがよくなることでありますから、聴視者に対するサービスの点から申しましても、そのほうがいいと考えております。ただ併しそれに対する限界はお話がありましたように、資金面とか資材面とかいろいろな点がありますから、むやみにたくさん許して競争させるというわけには行かないと考えておりますが、現在東京で三つ許すというような点は、むしろそういう有利な面のほうが多いと、私は信じておるわけであります。 それから受像機の輸入に関連しての御質問でありますが、こまかい点は局長から申上げますが、大体のところを私からお答えいたしますと、通産省ともよく連絡をいたしまして、輸入すべき受信機の問題等はいろいろと協議をいたしております。で、余りにばらばらになつてしまうということも好ましいことではありませんので、受像機の規格の問題等もありまして、協議を十分いたしておるわけであります。こまかい点は局長から申上げます。
○政府委員(長谷慎一君) 大臣のお話に補足してお答え申上げます。特に外国からテレビジヨン用の受信機の輸入問題についてでございますが、この点は日本のこの方面の工業育成ということを十分考えなければいけない。そういう観点から技術だけの問題でなしに、いろいろ方針上の問題につきましても、通信省当局といろいろ御連絡を得て、我々のほうからも御意見を申上げて行なつておりますが、只今私どものほうで承知いたしております現状では、お話にもございましたように、外国の受信機等を輸入する場合には、部品或いは半製品として輸入をいたします。これも或る期間、日本側の製造態勢が完成するまでの期間は、一つのテレビジヨンの普及の促進或いは日本におけるテレビジヨン受信機の生産の研究というような意味も兼ねまして、部品等の輸入を相当認めているわけで、一時は完成品の輸入も相当認めたようでありますが、最近はできるだけ部品の輸入にとどめて、できるだけ早く日本の純国産品による製造の態勢に持つて行くような考え方から、先ほどお話にありましたような観点で、主として実施されておる状態であります。
○水橋藤作君 先ほど大臣の説明がありましたが、なるほど独立するということは私も望みません。そこで仙台での懇談会において私どもも大臣と同じような答弁をいたしました。ところでそれもわかるが、但し二つならばそれはできるだろう。それでなお資材面と資金面からの考え方から言つて、日本テレビ放送網とラジオ東京とが一本になつて、そうして民間放送としての一本建になり、或いはもう一つはNHKと二本建にしたならば、日本の経済或いは資材面から或いは文化的に経済的に或いは教育的にあえて差支えないと思う。殊更東京で三つを認可する、それを地方にずつと流して行くという都会重点主義でなく、全国にその余分な資材その他を流すという方針をとられたらどうかということを、希望もありますし、私も同感ですと言つて聞いたわけなんですが、その点なんで、大臣も今言われたように、たくさんの競争者が出ることも望んでおられないようですから、或る点が一致すると思いまするが、そういう質問が出て、最もこれは傾聴に値いする御質問だと私は考えておりまするので、十分考慮に入れて頂きたい、かように考えるわけであります。 それから今局長からのお話の受信機の問題ですが、部分品としてメーカーが買入れて、メーカーがそれを一つの標準をこしらえて、そうして販売するということになりますることを希望するのですが、そのお言葉の中で、まあ完成品と申しますか、できるだけそれを防ぐというお言葉がありましたが、これが又頗る我々として又不安な点で、できるだけということは或る程度まで完成品が入るということにも考えするので、これがやはりいろいろ又国民に疑惑を招く、政府としてはこういう方針であるという一貫した方針がはつきり打出されるならば、つまりデマだと私は信じますが、特定の人が利益を目的として、こうしたことをやるというふうなデマ宣伝を封鎖するあれだと思いまするが、まだまだ完成品をできるだけ少くして、あとは部分品で買つてメーカーがそれを組立てて出すというふうにするという、あいまいな点が、これも又誤解を受けると思いまするが、その方針が本当に「できるだけ」でありますか、又或いは言葉通りでありまするか、その点をこの機会にはつきり……。つまり仮に完成品であつても、これを一旦メーカーに入れて、それで日本の波長に合わせて、それをメーカーの手で売出す、日本のメーカーで出すやつは十二、三万かかるものならば、向うで買つたら十万だということになれば、これはやはり日本のメーカーにとつて大きな打撃であり、日本の経済的にも考えて余り利益ではないと考えるのであります。そこで完成品を仮に仕入れるといたしましても、やはりメーカーの手によつて十分波長に合わせて出すというお考えか、或いは業者の特定の人によつてこれが仕入られた場合は、それをそのまま、つまり何と言いますか、使用することを考えておられるか、この点を若しはつきりしておりましたら御回答願いたいと思います。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。通産省当局の最近のはつきりした資料等が手許にありませんので申上げかねますが、又具体的な処置は通産省当局がおやりになつておるために、私どもは報告とか御連絡を得ておる範囲でお答え申上げたいと思いますが、私どもの承知いたしておりますところでは、完成品は研究用として各製造会社の生産上、或いは修理上、或いは学術研究用の目的で、完成品を従来輸入を許して来ておつたようであります。それらのものも、その輸入をいたしました者が直接それを改造いたす能力を持つておる場合は別でございましようが、そうでない場合はすべてメーカーの手によつて改造の処置を必要といたしますので、製造会社の手によつてそういう処置がとられて来ておるわけであります。そのほかに相当多数輸入を従来許して来ておりますのは、先ほど申上げましたように部品でございまして、これはいわゆる製造をしてこれを販売するのを目的として、そういうものを許しておるようでございます。大体部品等から見ますと、私の申上げることが、若しも記憶等に間違いがなければ、完成品は今までの部品等で入れた数字の中の約一割弱程度が完成品として過去に入つておりますが、大部分は部品としての輸入でありまして、それを日本のメーカーが完成品に仕上げ、或いは日本の標準方式に合うように手直しすべきところは手直しをして、市場に出しておるというのが実情のようであります。
○水橋藤作君 そうしますと、こういうふうに解釈してよろしいですか。仮に完成品を日本の波長に合せて完全なものにする能力を持つていたとするならば、メーカーでなくともそれを許す、こういうふうに解釈してよろしいですか。あべこべに例を挙げるならば、仮にNHKが……そんなことはないと思いますが、仮にNHKが機械を入れて、研究しておる所で完全にして、そうして出した場合は差支えない、こういうように考えるのですが、その点、その修理は波長を合せるだけの能力を持つていた人がやるとするならば、能力を持つていれば誰でもやれると、こういうことにもなるのですが、この点どういうふうに考えておられるのですか。
○政府委員(長谷慎一君) 先ほど申上げましたように、実際のデータ等を持ち合せておりませんのではつきりしたことは申上げかねますが、完成品として過去に輸入を許した例を伺いますというと、必ずしもメーカーばかりではない、いろいろ研究機関とか、或いは官庁もございましようけれども、そういうところが輸入した場合は、それは自己の使用として輸入する場合でありますから、そういう場合には、その修理をメーカーに依頼する場合もございましようし、みずから能力を持つておればみずから修理をしてみずからが使つておるという場合もあるだろうと思います。単にテレビジヨンの受信機をアメリカから輸入いたしまして、販売するだけが目的である者が、完成品として輸入をしたのは今までないように聞いております。
○新谷寅三郎君 水橋委員の質問に関連して一つだけ大臣に伺つておきたいのですが、いずれNHKの予算等について大臣に質したいことがありますが、それは次の機会に譲りますが、私のお聞きしたいのは、テレビ受像機及びその部分品を輸入する場合の関税定率のことで伺いたいのでありますが、今度政府から関税定率法の一部改正案が出ておりますが、先ほど水橋君の言われたこと、又鈴木君の言われたことと、いずれにも関連するのでありますけれども、今技術のない、又製造能力がないときに、全然部分品も輸入してはいけないということは、それは言うべくして行われないことだと思いますから、当分の間或る程度の部分品の輸入は止むを得ない。併し我々の望むのは、一日でも早く通産省から示されたこのグラフに書いてあるような、少くともそういうところで日本の生産設備が揃い、而もこの製造計画、従つて我々の手に入る市場価格というものが安くなつて、日本の国民の中でもそれが或る程度消化されて行くという程度に値段が下ることが望ましいわけです。その場合に国外からの製品ではやはりいけないので、どうしても国内製品を日本の国内には普及するという大方針は、これはどなたも御異存がないと思います。その見地からこの関税定率法の一部改正案を見ますると、従来よりも多少上つておるのはありますけれども、やはりテレビジヨンの受像機に関しては三割、真空管等についても三割という関税定率法の改正案を出しております。この程度で通産省の提出されたこのグラフによる年次別の価格の予想と比較いたしてみますと、なお外国製品のほうが、仮にセツトに直した場合でも非常に開きがある。つまり安い。こういう状態で推移されて、果して政府が企図されるような国内生産が興り、そうして価格が安くなるというようなことに持つて行けるかどうかということにつきまして、私は根本的に疑いを持つのであります。でありますから、こういう全国民に普及しなければならんというような建前を持つておるラジオ受信機とか、或いはテレビジヨンの受像機というようなものにつきましては、これは国内産業を保護する意味で、外国からの輸入品に対しては、相当高率の関税をかけなければならないと考えるのですが、郵政大臣はこの点について通産大臣と何かお打合せになりましたか。又はこの三割という定率で、日本の製品がどんどん安くできるようなところまでやつて行けるとお考えですか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 日本での受像機生産を保護するという立場から、輸入関税を考慮しなければならんということは全く同感であります。そうして今回の関税定率法改正の場合に一つきましては、無論郵政省、大蔵省は話合いをしたわけであります。三割の定率で以て保護できるかという御意見でありますが、現在の生産費の状況からいえば、お話のあるように困難ではないかと思います。ただ御承知のように、現在では外貨割当による貿易管理がやはり実行されておりますので、これは通産省関係の仕事として主に行われるわけでありますが、その面から現在の状態では考慮をすることができるわけでありますから、それでやつて行つて、若し貿易管理というようなものが全然なくなるというような場合が参りまして、而も三割ではどうしてもいけないというような際には考えなければならないのじやないかというふうに思つております。
○新谷寅三郎君 この程度にしますが、値段を一つお調べ願いたいと思います。通産省が提出した資料によると、十四インチのテレビジヨン受像機ですと、二十七年度末で大体十六万円という数字が出されております。これは恐らく十六万円というのも多少希望的な観測が入つているかと思います。従つて十七インチということになりますと、大体二十万円に近いものになることは、もう確実なんです。そこで仮にアメリカを例に取つて考えると、向うのほうでは、大体十七インチで二百ドル乃至二百五十ドルというのが相場だと思う。これは今の為替レートで換算してみて、三割の関税をかけたとしましても、その値段には非常な開きがある。半分にも満たない。半分程度の値段で入つて来るというようなことになる。こういう状態で、一体通産省が主になつて、あなたがたが協力されて、日本の製造工業が果して興り得る余地があるかどうかということには、私は非常に疑問を持つのですが、その点をもう少しあなた方も数字について具体にお調べになつて、この関税定率をもう少し……。或いは私ども関税定率の一部改正案について修正案を出すかも知れませんが、今これ以上あなたを追及してもしようがございませんけれども、十分数字についてお調べ願つて、将来の確固たる方針をきめて、通産省と一緒になつて、日本の製造工業が早く伸展するように是非御配慮をお願いしたい。もう答弁は要りません。
○理事(山田節男君) 本議案につきましては、まだ質問があるようでありますが、時間が今日ありませんので、本案については明日午前続行することにいたしまして、本日は午後二時から三法案の予備審査に入ることにしまして、暫時休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 —————・————— 午後三時五分開会
○理事(山田節男君) それでは只今から午前に引続きまして電気通信委員会を再開いたします。 有線電気通信法案、公衆電気通信法案、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案、三法案に対しまして総括質疑をして頂きたいと存じます。
○新谷寅三郎君 私から二、三点お尋ねしたいのですが、先ず第一に有線電気通信法案に関係していることですが、従来の古い法律でありますけれども、電気通信というものは政府がこれを管理するということになつておつたのであります。それが今度の有線電気通信法案によりますと、いわゆる専用通信の設備は届出だけでいい、政府が或る程度の設備等についての監督はするようでありますけれども、併し原則としては専用通信なるものは届出だけでいいということに方針を変えられておるようであります。これは非常に政策的に見ると大きな変革だと思うのです。何故この方針をお変えになつたのか、この点を伺いたいと思います。
○政府委員(金光昭君) 只今の新谷委員からの御質問に対してお答え申上げます。只今御質問のありましたように、昔の電信法におきましては通信の国家管理ということで、公衆通信事業につきまして国がこれを経営する。その他の専用通信につきましては、電信法におきまして非常に限定した範囲のみについての私設を認めておつたわけでございます。ところがこの限定された範囲が、その後におきます社会情勢等の変化に伴いまして、必ずしも妥当でない、余りにもこれを制限し過ぎているという面が多々現われて参つておるのであります。そこで翻つて白紙に戻しまして、一体この有線電気通信につきましては、どういう規制をしたらいいかということにつきまして、再検討いたしました結果、有線電気通信につきましては、無線と違いまして周波数等による制約等等もございませんので、他の有線電気通信設備に対しまして妨害を与えるという点がなければその設備についてそれほどの制限を置く必要がないのではないかという点が第一点と、それからもう一つは、公衆電気通信事業は今回は電々公社及び国際電々会社が行うことになりましたが、この公衆電気通信業務に類似するような行為、要するに公衆通信の独占を侵害する虞れがなければ、もつともつとこの有線電気通信を一般に開放していいのじやないかというような見地からいたしまして、一方におきましては、技術的な面におきます他の通信に対する妨害という点と、それからもう一つ只今申上げました公衆通信業務独占に対する侵害の虞れのある行為これらの二つ面からの規制のみにとどめまして、その他の点につきましては、一応有線電気通信施設というものを、或る程度いわゆる全面的に開放したという方針に変更したわけでございます。新らしい憲法の下におきまして、又明治時代に作られました電信法というものの、その後におきます社会、経済情勢の変化というものから考えまして、これらの方針というものが、現在においては最も妥当ではないかということで、今申上げましたような方針に変更した次第でございます。
○新谷寅三郎君 お話ですけれども、例えば我々考える場合に、通信というものと相似たような性格を持つている他の産業というものを考えますと、交通業というものが考えられますが、そういう場合に、例えば自家用の鉄道、軌道であれば、これは届出だけでやつてもいいか、これは一般には何も妨害を与えない、その点については同じことなんです。然るに通信だけがそういうふうにされて、なお他の類似の公企業についてはやはり許可制をとるということは、必ずしもすべての公共事業についてあなたの言われたような方針が確立するとは思えないのです、政府の態度がですね。むしろ逆にこの法律案は随分前から用意されておつた法律案で、いわば吉田総理の言い分じやないが、占領行政当時に司令部との合作で作られた法律案であるとすれば、いわゆる占領行政の行過ぎがこの面に現われておるのではないか。日本の実情から行きまして、例えば只今ここに挙げてあるようなところが、会社とか或いは団体が専用の通信施設を持ちたいという場合にも、従来であれば、そこには現在はこういう施設がある、将来こういう施設をされるだろうということで、やはり今になると公社又は会社の設備をできるだけ利用させるということは、結局国費を無駄に使わんということになる、そういうこともできるのですが、それだと、いや私はそういつたものは使うつもりはない、自分でやるのだと言えば、自分で届出だけでどんどんやれるということになるので、政策上は相当大きな変革だと思うのです。殊にこれはこういう設備を持ち得る団体と言いますか、企業なら企業主体の性格というものについて、余り制限がないのではないかと思うのです。例えば外国の通信社が日本で別個の法人を作つた、資本は向うであるが、日本法人として外国の通信社が会社なり通信社を作つたという場合に、そういう通信社の相互間の連絡用の通信設備というものが、その通信社みずから届出だけでやつてよろしいということになるのではないですか。まあおよそ神経系統である通信設備について、そういう簡単な考えでよろしいかどうかということです。これはいつもあらゆる政治経済というものが普通の状態で動いているとばかりは考えられないので、いろいろの場合想定いたしますと、そういうものについては、相当のやはり規制をしなければならんということも考えられます。それを自家用のものだからというので、届出だけでどんどん設備してもよろしいということになりますと、今申上げたような点について非常に重大な欠陥が出て来はしないかと思うのですが、この点はどういうふうになつていますか。或いは大臣が来れば大臣に聞きますが、政府委員からお答になればお答え願いたい。
○政府委員(金光昭君) 大臣がおいでになりまして大臣からのお答えもあるかと思いますが、一応私の知つている範囲について先ずお答え申上げておきます。 先ほど新谷委員から、この法律案は大分前から準備しているので、この法案の基本方針等はまだ講和条約発効前において、占領統治下においてきめられた方針ではないかというお尋ねがございましたが、只今御審議を願つております有線電気通信法の最後的な基本方針は、昨年の講和条約発効前後に、すでに司令部との間の関係が切れた後において、最終的な方針を決定いたしました次第で、この点につきましては、只今のお言葉のようなことはございません。日本独自の考え方で方針をきめた次第でございます。それからその次にいろいろと有線電気通信につきましての基本的なお考えについて御意見がございましたが、これらの点につきましては、我々といたしましては、ここで有線電気通信設備として届出によりまして認めておりますものは、殆んど大半がいわゆる専用線の設備でございまして、自己の事業のために使うといつたような、専ら自分の事業に附随したものでございまして、極く例外的に辺鄙な公社の手の及ばないところにおきましては、若干公衆電気通信事業に類似した設備を有しますが、その他の面につきましては、これはあくまでも専用施設として、例えば他の例で申上げますれば、自家用の電気工作物とか或いは専用の軌道といつたようなものに類似するわけでございまして、それらの点から考え併せまして、只今お話のように、電気通信というものの国家的な重要性という面につきましては、十分これは検討を要する点があるかと存じますが、単なるこういう専用通信という面からいたしまして、それほどの規制をする必要はないのではないかというふうに考えてこういう方針に決定をした次第でございます。 なおこの点につきましては、あとで又大臣から補足してお話があるかと存じます。
○新谷寅三郎君 まあ大臣に聞きましよう。ただ大臣によく言つて頂きたいのは、さつきちよつと例を挙げましたが、これはコストから言つてペイするかどうか知りませんが、併し外国通信社相互間とか、自家用のものであれば、自分で専用するというものであれば、或いは外国商社の支店同志であるとか、そういつたものでも自分で施設してかまわない。もつと政治的に見れば、何かの政党が自分の本部と支部との間の連絡のために専用線を施設するといつても、これに対しては届出だけでいいというようなことになるわけですか。そういうことはあなたが今言われたような、単に他に妨害を与えないという消極的な理由、それから従来の明治何年の法律というものが相当厳重に縛つてあつたから、それが行き過ぎであつた、そのために今度は逆転して放任主義をとつて、届出だけにしたということだけでは、どうも私には納得できないのです。その点をなぜ積極的にこうしなければならなかつたかという理由を、もつと明瞭に挙げて頂きたいと思いますから、大臣にもこの点を十分にお話になつて、簡単明瞭に御答弁願えるように是非しておいて頂きたいと思います。 それから次の問題に移りますが、これはむしろ梶井総裁にお聞きしたほうがよいと思いますが、料金の決定に関する方針の問題であります。前に設備負担金の問題もあり、或いはその設備費を出すときに、特別に臨時に何がしかの負担をするということが法律にもあり、いろいろ今まで料金に関する問題について法律案ができ、両院を通過して、今非常に、料金制度と言いますか、公衆のほうから見ますと、電話を付ける場合の負担につきまして、随分面倒なことになつておりますが、公社において今度出された法律案の中にありまする料金政策、これは私の見たところでは決して確立したものとは考えられない。従来しばしば申上げましたように公社が発足してから僅かな期間ですから、成るべく早く公社の事業経営の方針も確立し、そうして従来できなかつたいろいろな経費についても考慮を払つて、これを賄うに足るような程度の料金制度を確立しなければならん。これはこの前に附帯決議におきましても、この委員会では決定されておるところでございますが、今度のこれは暫定措置とはいえ、電信電話に対する料金の改正案を見ますと、どうもその基本的な方針が明らかにできない。今後料金を決定する基本的な方針としましては、どういう点に重点を置いてお考えになつていらつしやるのか、つまり長距離の場合はどうか、それから市内の場合はどうかというような問題も、勿論ありますけれども、全般としましてどういうふうにしてこの料金制度というものを今後基本的に改革しようとせられておるかということについての御方針を承つておきたいのであります。 〔理事山田節男君退席、理事新谷寅三郎君委員長席に着く〕
○説明員(梶井剛君) 現在の電信電話料金につきましては、歴史的に或いは習慣的にきめられたのではないかと思われるのであります。一定の方針の下に編成されたように感じないのであります。従つて公社となりました今日においては、この料金制度というものは根本的に検討を必要とするということを痛切に感じておるのですけれども、これをやります際には、できれば欧米各国の料金制度そのものをも十分に研究いたしまして、そうしてその上でその方針を確立したいというつもりでおります。今回の料金改正については、その方針を十分に検討するいとまがなかつたという点を、非常に遺憾に思つておる次第であります。併し本来電信電話事業は公共事業だという建前を根本に考えますると、料金をむやみに上げるべき性質のものではない。従つて料金の限度というものをどこに置くべきかということになりますると、収支相償う程度において公社の立場においてはやるべきである。勿論公共事業と言いますると非常に広い範囲がありまするが、或いは電気事業でありますとか、ガスであるとか、いろいろありますので、そういうように民営になつておる場合におきましては、資本を投下されたものに対する利潤というものが、或る程度なければならん。本来電信電話公社は政府の所有に属しておる。政府の投資に対しては配当しなくてもよい。従つて借入金に対する利子だけで行けるわけでございまするから、その程度において収支相償うべき範囲に限度を定むべきものと我々は思います。併し今回の料金値上げの内容を申上げますると、その大半は従来の償却不足並びに特別取換えの費用に充てられておりますけれども、その中から約二十億ばかりの金額が拡張資金のほうに廻つておる。従つてそれは利潤ではないか、従つてそれは不当な料金になるのではないかというような御意見があるのではないかと思うのでありますけれども、この問題も、実は現在の設備の価格というものについて、まだはつきりした基礎の下に計算されておりません。御承知の通り二十六年の五月ですかにおける帳簿価格にその時の物価指数をかけて、そうして計算したというものでありまするから、実際には償却その他の点について、今までどれだけやられておるかということも正確でありませんので、今回の料金値上げによつて余剰ができておるようには見えますけれども、実際に仔細に検討したならば、殆んどそれは全部過去における償却不足に充当さるべきものではないかというふうにも考えられるのであります。やむを得ずその計数を十分出すことができませんので、一応現在において、過去における償却不足と、それから現在においての計算を、最近の計算における再評価をいたしまして、そうしてそれによつての償却不足と、この二つを出したものですから、そこに余剰が出たという建前になつております。で、将来料金の方針につきましては、根本的に検討しなければならんのでありまするけれども、先ほど申上げました通りに、公共事業としては収支相償うところを原則として行かなくちやならんというふうに信じます。
○理事(新谷寅三郎君) 大体は梶井総裁のお話の通りだと私も考えるのですが、この前の法律案の審議のときにも申上げましたように、この基本的な事項について、もう少し早く調査をして頂いて、将来あまり方針が変つたような印象を与える料金の改訂というものがないように、やはり一つの基本方針を持つて、諸事情の変動に伴つて方針的に料金改訂をするというような段階に早く達するように御努力を願いたいと思います。 それからもう一つ伺いたいと思いますのは、衆議院で問題になつたということを聞いておるのですが、PBXの問題でございますが、私は実は個人としては衆議院で問題になつておるのと逆の考えを持つておるのですが、つまりPBXのごときは勿論適当な指導とか、必要に応じて或る程度の監督とかいうものは必要かも知れませんけれども、原則として一方では公社の事情において募集する社債というようなものも相当資金計画の中に入つておるわけです。継続資金が足りない状況でありますから、その設備のものについては、成るべく民間の利用者がつまり加入者が資金を出してくれるのは結構なことですが、更に進んで、例えば今大体において公社の所有になつておりますけれども、電話局の建物のようなもの、こういつたものはできれば民間から提供してもらつて、それを適当な家賃で借りるところまで行けば、この建設がより敏速に進んで、一般公衆は非常に利便を受けるということになるのじやないかと思つておるのであります。このPBXの自営の問題についての御説明は一応伺いましたが更にそれ以上進んで、特に技術を要するもの、特にその技術の程度の高いもの、こういつたものは問題ないとしまして、一般の庁舎とか、或いは電信電話の局舎というようなものについては、もつと広く国民の協力を得て、この建設を早くするということについての御考慮はされないかどうか、そういう方針かどうかいうことについて、総裁の御意見を伺いたいと思います。
○説明員(梶井剛君) 只今のお尋ねに対しましてお答えしますが、従来土地、局舎というものにつきましては、その土地の人々の協力によりまして寄附をして頂いた土地や、又建物につきましても、或る程度寄附して頂いたという例がたびたびありましたのです。ところが今度は社債が募集できるようになりましたので、従来寄附して頂いたその金額を社債に振替えるという方法を講じております。これは公共事業でありながら、一般の方々から寄附を受けてやりて行くという建前が、極めておかしいのでありまして、むしろ政府が必要な資金は全部出して、そうして設備して行くべき性質のものと思われますのでありまするけれども、現下の情勢においては、なかなか政府資金いうものは得られないという建前から、只今のように一時借りて、将来においてお返しする、その間、その設備を早期に建設して活用して行くという建前をとりましたほうが、寄附して只頂くというのとは大分趣きが違うのじやないかということで、今回はそういう場合を、すべて社債ということに振替えちまいまして、従つて局の新設をするとかいうような場合には、極力社債をお持ち願うことによりまして御協力をして頂くというふうに話かけております。予算面では。さような縁故的な社債の募集金額を僅かに一億しか見ておりません。従つてその範囲しかやらないように見えるのでありまするけれども、これはできる限り広くやりたいつもりであります。ただ併し何と言いましても相手の好意というものによつて協力して頂かなくちやならんものですから、あまりに大きな金額を掲げましても実現しなかつた場合においては、予算上違算を生ずるものですから、やむを得ず金額を小にして置いたというに過ぎないのでありまして、一億でなく、二億、三億というふうに御協力が願えれば、非常に事業の上において促進するのに都合がいいというつもりでおります。
○理事(新谷寅三郎君) それからもう一つお伺いして置きますが、このPBXの問題に関連しまして、こういう場合はどうお考えになるでしようか。これはその設備そのものをすることが公衆通信の場合であれば、これは原則として公衆がするのだという建前は勿論のことでありますけれども、例えば或る特定の地域で、どうしても社債とか、そういう方法では賄えないという場合に、何か特別にその地域へ会社でも作つて、或る程度の収益というものを見合いにして、そうしてそつくりできた設備を公社のほうにお貸しするというような場合は、どういうふうにされますか。それはもう原則として困ると、やはり今お話のあつたような社債ということだけで、社債を持つてくれという一本槍で行かれますか。その点はどういうお考えですか。
○説明員(梶井剛君) その点についは、まだ確実なそういうものが現実に出ておらないものですから、希望として申しまするならば、若し局舎を建てて、そうして適当な家賃を以て貸して頂く、そしてその局舎が、こちらの要求する設計に従つて建てられるということであるならば、合理的な料金である限り、我々はそれを拝借して行く、そして将来において、こちらの資金が許す場合において、それを買収するという方法を取り得るならば、非常に幸いだという考えを持つております。それと同様に、これは今お尋ね以外の問題でありますけれども、設備すべき機械、その他のものを購入いたしますときに、本来ならば購入すると同時に、その代金を払わなくちやならんのでありますが、若しこれが延べ払いを許されるならば、その間適当な金利を以て延べ払いをするという方法ができますれば、やりたいという考えを持つております。これは日本国内の問題ではありませんので、外国の製造会社からものを買いますときに、その製造会社が外国の銀行から金を融通しまして、そして一時こちらに代金の延べ払いを承知してもらうということが、可能であるやいなやということにつきまして、外国の製造会社及び外国の銀行にその意向を目下照しつつあります。その返事をまだ得ておりませんけれども、若しさようなことが実現し得るとするならば、局舎の場合と同じように早期に設備ができまして、早期に市外線が開通し得るわけでありますから、公衆の利便がそれだけ早くできるという便益がある。そういうふうに考えております。
○理事(新谷寅三郎君) もう一つ伺いますが、それは今度の予算に関連して考えるべきことなんですが、昨年の十月にお作りになつた、電信電話拡充五カ年計画案でございますが、これは一応公社においてはこういつた五カ年計画で進んで行こうという御方針と考えるのですが、今度の予算関係から見ますると、二十八年度においても、建設資金のほうではここに書いてございますような六百何十億という継続資金が出ていないわけでありますから、相当この五カ年計画はずれるだろう、この五カ年計画のずれ方は、まだこれは必ず出るということは断言するのは早いかと思いますが、今後の見通しとしましてこれは勿論郵政大臣にも聞かなくちやならんことかも知れませんが、この程度の五カ年計画ぐらいは初年度は多少ずれても、次年度以降に取返しをして、急速にこれを、この五カ年計画ぐらいなものはまとめるということをやつて頂かなくちやならんと思うのですが、この点については政府としてどういうふうに今後お進めになるおつもりか。何か閣議等でも、それについて問題になつたことをお聞きになつておれば伺いたいと思います。
○政府委員(金光昭君) 只今大臣が留守しておりますので、今のお尋ねは大臣からお答えになるのが適当ではないかと思いますので、あとで又大臣来られたときに一つ答弁して頂きたいと思います。
○理事(新谷寅三郎君) 結構です。
○鈴木恭一君 私はこの三法案に対して特に意見はないのですが、併し一、二確認をして置きたい点がございますのでお尋ね申上げます。料金問題、先ほどもお話がございましたが、第一点は料金を法定されるもの、それから公社が郵政大臣から認可を受けるもの、又公社自体できめるもの、その三つに分けられると思いますが、従来の料金法なんかと変りまして、非常にそれが簡素な形で法定されるということは私は賛成なのでありまして、ただどういう方針で、法定のもの、認可のもの、そうして公社自体できめて然るべきものというのをおきめになつたか、その根拠が実ははつきりわかりませんが、仮に公共性ということからお考えになつたとすると、新聞電報なんかも除かれておりますし、先日の公聴会では不特定多数なものを相手とする場合と、特定する場合とを考えて特定した相手方の場合には、これは認可でもよろしいのだというふうな公述人の話もありました。併しこれもですね、考えて見ますると、慶弔電報なんかも除かれておるわけですね。そうすると、そういうふうな考えも、これに盛られておらない。電信電話両方について、料金を法定したもの、それ以外除かれたもの、その御方針を伺いたいのですが。
○政府委員(金光昭君) 今回の公衆電気通信法におきましては、料金を法定するものと、認可料金のものと、この二つに分けたわけです。只今鈴木委員からお話のありましたように、公社自体できめ得るというものはないのでございまして、料金につきましては、法定料金と認可料金の二本になつております。極く暫定的な、臨時的なものについては、公社が定めるというものもございますが、これはほんとの臨時的なものでございます。そして然らば、法定料金と認可料金とどういう方針で分けたかというお尋ねでございますが、これにつきましては、我々のほうといたしましては、電信電話サービスのうちでも、国民全部が利用するもの、而もその利用というものがいわゆる一般的な利用と申しますか、広い範囲に利用される。通常の最も典型的なサービスというものを法律で定めましてその利用の対象が極く一部のものに限られるもの、或いはその利用が特殊なサービスであるものといつたようなものにつきましては、これを法定をしなかつたわけで、もう少し具体的に申しますと、例えば電報につきましては、通常電報の料金のみを法定する、而もこの普通電報で、市内市外の電報料或いは至急電報料、翌日配達電報料、そういつたものを定めましたわけで、あといろんな、只今例に挙げられました慶弔電報等については、これは特殊のサービスだということで、これは基本料金だと見ないで法定いたさなかつたわけであります。電話につきましても同様でございまして、いわゆる電話の使用料等で市内の度数制の施行局でありますれば、基本料と度数料、定額料金制の局でございますれば、その定額料金、そういつたものを定める。或いは装置料は、これも全般的なものでございます。市外につきましては市外地通話料というものを定めて行く。それから公衆電話料、まあ大体そういつたような極く一般的な利用をここで法定をいたしたわけでありまして、その他のものにつきましては、できるだけこれを法定しないで、認可料金という形で行くということにいたしたわけでございます。この点、他のものを例にとりますれば、国鉄の料金につきましては、電信電話料金と違いまして、法定の料金と認可料金と、それから国鉄自体の定め得る料金との三本建てにしております。で、こちらのほうでは、只今申上げましたような、公社自体の定める料金はございませんが、国鉄の法定料金等も、要するに鉄道の旅客及び貨物の基本賃率を法定しておるわけでございます。その精神と大体同様の精神によりまして、只今申上げましたような基本的な料金を法定いたしたわけでございます。
○鈴木恭一君 大体わかりましたが、今この公電法の七十三条にですね。「変更を加えることができる。」ということはやはり料金を作ることじやないですか。「公社又は会社は、公衆電気通信役務の料金について……変更を加えることができる」ということは、やはり公社、会社がですね、料金を作るということになるのじやありませんか。
○政府委員(金光昭君) この七十三条に意図しておりますところは、暫定的に、臨時的に極く一部のサービスについての料金の料金変更を考えているわけでございまして、その点は「その総収入に著しい影響を及ぼさない範囲内」ということで限定しておりますのは、その意図でございます。例として申上げますれば、例えば国体の大会が仙台なら仙台であつた。その場合に仙台と東京間の市外の通話料は、特にこの場合に割引をする。或いは電気通信の展覧会を三越なら三越で開催する、その場合に、その会場に設置いたしました電話については、特に利用者の方に無料でかけてもらうことができると、そういつたような極く限られた期間的に或いは臨時的なものをいつておるわけでございまして、これによつて変更を加えて、それを永続的にそのままにしておくという意図ではないのでございます。
○鈴木恭一君 意図でないとおつしやつても、軽微な変更はできるのですから、公社はしばしば変更をすることもでき、そうして大幅な料金というものは出て来る。勿論新たなる料金というものはできない。そういう点についての制約といいますか、そういうものがあるのでありますか、これは小さな問題ですけれども……。
○政府委員(金光昭君) この第七十三条につきましては、衆議院におきまして修正案が出まして一応読み上げますと、「公社又は会社は、第六十八条の規定にかかわらず、その総収入に著しい影響を及ぼさない範囲内において、公衆電気通信役務の料金の額を減ずることができる」というふうに修正に相成る予定になつております。
○鈴木恭一君 わかりました。そこで料金の決定される方針というものを一応伺つたのですが、今度は値上げの問題なんですけれども、先ほど総裁からも云われまして、公共企業体でも、公共事業でもあるので収支は償うという程度で行きたいのだということは、よくわかるのでありますが、いずれにしろ、今度の料金の値上の中には、やはり二十数億の拡張費のほうへ、それが廻つておるのでありまするが、それは今度の値上げの方針として、運営費を償う、なお老朽施設の取替、中には償却費或いは又再評価価格に対する従来の不足を補填して行く、これもわかるのですが、設備拡張資金として、これを使うのだという、やはり一つの方針の下に立てられたわけでございますか。
○説明員(梶井剛君) 只今の料金値上げによつて約二十二億が設備拡張資金として充てられているのであります。実は御承知の通り現在大都市ばかりでなく、中都市或いは町村に至るまで、一つの行政区劃内に二つ、三つというふうに違つた局がありまして、そうして同一行政区劃でありながら、市外通話しておるというような状況なのであります。これが約全国で三百余ございまして、その土地の方々から見ますると、非常に不便を感じておられまして、一日も早く同一行政区域は市内通話にしてほしいという御希望があるのであります。これをやりますると、勢い方式を変更をしたり或いは設備の拡張とも目せられる施設をしなければならんのでございまして事実におきましては、これは要するに同一行政区劃を同一通話区域にしようというために行うことでありますけれども、施設としましては拡張資金から支弁されるということになりますので、私らの考えとしましては、これは一つの改良である、だからして実際の拡張でない。こう考えておりますのですけれども、会計法上、これが一つの拡張費目になつておりますので、この二十二億を主としてそのほうに充てたいという今考えでございます。こういうふうなことが、実は今の同一町村内において二つの電話局があるということばかりでなく、その他いろいろと不利、不自由が多いのであります。例えば建物がもう不朽して倒れるばかりになつておる。これは本来償却でやるべきでありますけれども、その建物を改築するときに方式を変更いたしませんと、又近い間に方式変更をしなければならんというようなことも起り得るわけでありましてそういうような意味からそういうところの方式変更をいたしますと、勢い同じ加入者を収容するのにも、進歩した方式を使えば単金が上つて来る、それも一つの改良であります。そういう意味におきまして二十二億という金は主として改良に当てる意味でありまして純粋の拡張とは考えられ得ないのであります。
○鈴木恭一君 よくわかりましたが、結局料金値上げの中には、設備拡張のために使う意図はないのだ、こういうことでございますね。
○説明員(梶井剛君) ええ。
○鈴木恭一君 承知いたしました。そこでなお更に進みますが、今度の料金を改訂されまして、個々のいろいろの料金改訂をされておるのですけれども、どうも我々にはその御方針と申しますか、例えば度数料がそのままに据置かれておるとか、住宅用、事務用といろいろせられておるけれども、それはどういう御方針でやられたんですか。例えば今まで不均衡を是正するとか、或いは従来原価計算して見ると、原価を割つておるから、それを救済したのだとか、或いは何と申しまするか、電話の経済的な価値から見て、相手の負担力を考慮してそうして料金決定をしたとか、いろいろなこと想像できるのでありますが、今度の料金改訂をされました御方針は、どういうところにございますんでしようか。
○説明員(梶井剛君) 今度の料金改訂は総収入において一割だけ料金値上げをするという、まあ大ざつぱな方針の下に、その一割を全体の料金に対してどういうふうに配分することが最も公正であるかという考えの下に、市内市外の料金の改訂をしたわけであります。それで度数料金を変更するということになりますると、現在の公衆電話料金のように硬貨を使います場合に、半端な料金をきめられぬという欠点がありますので、度数料金は勢い大都市でありますならば五円を十円にするというふうになりまして、非常な偏つた料金値上げになる傾向があります。それで従つて度数制のところ、均一制のところを両方含めまして勘案して、大体一割近い料金を上げるというふうにいたしました。併し大都市においてはその収入の大部分が度数料金になつておりまするから、基本料金だけで考えますると、三割何分というふうに料金値上げになる、併し均一料金の所では一割にも満たない程度の料金になつております。これは先ほどお尋ねのありました通りに、農村方面に行きますと、負担力というものが割合に困難でありまして、従つてさような所は収支の関係から言いますれば、赤字でありましても、料金の値上げの率は窮屈だというふうになつております。それから市外通話のほうは今までは七円というような半端な料金で、一番最短距離が七円になつております。それでこれはやはり今日の貨幣価値から申しましても、どうしても十円を基礎にして計算して行かなきやならんというので、最短距離を十円にいたしまして、それから五円刻みで上げて行つた。そうして市外通話全体の料金として一割近い料金を値上げをするという建前でやりました。なお細かい各級別或いは距離別に対する料金の改訂につきましては、企業局長からでも御説明いたしましようか。
○鈴木恭一君 結構です。私は料金をどういうふうに体系ずけて行くかということは、いろいろ非常に大きな問題だと思つておるので、その点を実はお聞きしておるのですが、それじやお前はどういう体系を持つておるかと言われると困るのです。併し何とか公平にそのサービスに対する料金というものは決定せられなければならん、同時に経営経費というものも償なつて行かなければならないところに料金問題のむずかしさがあるのでありますが、その点を一つ今後ともお考え願うことにして、何としてもやはり原価計算的なる基礎というものが極めて大きなフアクターになつて来るわけであります。特に電信と電話を考えて見ますときに、電信が数十億の赤字を出しておるというふうな場合に、それを一緒に公社というものが電信と電話を経営をして、電気通信を営んでおるから、そういうふうなものは一応考慮はするけれども、それを考慮外において行くところに公社としての電気通信を担当して行く使命があるのだとも考えられまするし、一面において利用者から言えば、電話が負担をしておつて、赤字の電信のほうへ持つて行くということも不公平なような感じもするのですが、そこらについてはどういうふうに郵政省は監督官庁としてお考えになつておるか。
○政府委員(金光昭君) 只今電信の料金体系についての基本的な考えについてのお尋ねで、ございましたが、勿論電報料金につきましては、電報のコストを基礎にいたしまして、やはり収支相償うような料金にできるだけ近ずけて行くということが理想かと存じます。併しながら現在の状況から見ますと、昭和二十六年度の実績から申上げますと、収入と支出の比率が一七七%、収入一〇〇に対しまして支出が一七七、金額にいたしまして、約六十億円程度の赤字になつておるわけでございます。で、特にこの金額につきましては、昨年の十一月から行なわれましたベース改訂前の計算でございますので、今回の給与ベース改訂に伴いまして、この差額は更にひどくなつておりまして大体の推定で申しますと、収支比率が一九二%ぐらいに更に悪化しております。今回は、それを一挙に取戻すということになれば、非常に大幅な値上げを必要といたします。そういうことになりますと、一体料金を上げるということによる通数の減、いわゆる利用減というものが相当大幅になる。そのために折角大幅の値上げをしても、所期の収入は得られないという結果も出て参りまして、又現在におきます電報の通数の状況を見ますると、終戦後におきますような著しい通数の増加というものが見られない。やはり横這いに近いような状態でございます。これらの状態から見まして、一方におきまして電信事業については、中継の機械化というようなこととか、そういうことによります経費自体の節約の面についての合理化をはかるということについては、公社においても積極的に目下努力をしておるわけでございますが、これらの点も考え合せまして今回は最小限度の約一三%程度に止めて置いて、順次只今最初に申上げましたような正常な電報料金というものに近付けて行くように努力するといつたような方針で行くべきではないかと考えております。
○理事(新谷寅三郎君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○理事(新谷寅三郎君) 速記を始めて。 それでは明日は午前九時から委員会を開くことにいたします。本日はこれで散会いたします。 午後四時九分散会