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第15回国会参議院1953/03/04

電気通信委員会 第15号

発言数
4 件
登壇者
2 名
会派数
2
開催日
1953/03/04

会議録

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○理事(山田節男君) それでは只今より電気通信委員会を開会いたします。  国際電信電話株式会社法を廃止する法律案を議題といたします。先ず提案者から提案理由の説明を求めます。

松井政吉日本社会党(右)

○衆議院議員(松井政吉君) 只今議題となりました国際電信電話株式会社法を廃止する法律案の提案理由を御説明申上げます。  そもそも公衆電氣通信事業部は、国家社会の神経機能とも称すべきものでありまして、公共の福祉増進を究極の目的とする極めて高度の公益性を有する事業である一面、本来一元経営を必須とするいわゆる自然的独占事業であります。我が国において七十年の久しきに亘つて国営を続け、先般の機構改革に際してもなお国家の厳重な監督下にある公共企業体経営方式をとり、且つ一部設備を民営に委ねたことはあつても、事業の一元的運用の原則に至つては終始一貫これを堅持し来つたのは、電気通信事業の本質上むしろ当然のことと言うべきであります。  然るに第十三回国会において成立した国際電信電話株式会社法は、この事業本来の性格と目的とを無視し、公衆電気通信事業を国内業務と国際業務とに分断するのみならず、後者を株式会社経営に移して一部資本家の営利の具に供しようとするものであつて、ひとり事業の健全なる発展を阻害するばかりでなく、延いては国家の将来に大なる禍根を残す虞れある極めて危険なる法律と言わざるを得ないのであります。  国際電信電話株式会社法の実施によつて生ずべき弊害は、枚挙にいとまありませんが、その顕著なものの二、三を挙げても第一に、国際電気通信は一国の政治、外交、防衛等諸活動の手段として特殊の国家性乃至機密性を帯びる幾多の通信を包含するにかかわらず、これを民間法人、特に或る程度外国資本の介入を認める営利会社の手に委ねることは或る場合には国家の存立に影響を及ぼす虞れなしとしないのであります。又貿易、商業通信のごとき寸秒の遅速が莫大な利害をかもす通信にあつては、民間会社によつて取扱われて果して通信の祕密、取扱の公正が保たれ、利用者の信頼をつなぎ得るや否や、危惧なきを得ません。  第二に、前述のごとく本質的に経営の一元化を必要とする電気通信事業を、強いて国内業務と国際業務とに分断する結果として、国際通信の国内業務部門につき、国際電々会社と日本電々公社との間に、設備要員の重複投資、或いは複雑な業務の相互依託等の事態を生じ、サービス水準の低下乃至はサービス原価の増嵩を免れないと思われるのであります。  第三に、従来、公衆電気通信料金政策上、電話と電信、国際業務と国内業務とは、一方の利益を以て他方の欠損を補い、総合して事業経営収支の均衡を保持していたのであつて、なかんずく日本電々公社における国際業務は、年額二十億円に近い利益を挙げ、焦眉の急を告げている国内通信部門の建設改良に多大の寄与をしていたのであります。従つて、国際業務が日本電電公社から分離されることとなれば、公社は有力な財源を失い、その結果は最大急務たる国内通信の整備に悪影響を及ぼすことは明かであります。  第四に、一部論者は、国際間の熾烈な競争に伍して通信権益の伸長を図るには、国家よりも民間会社による工作のほうが適当であると称するのでありますが、私企業経営の長所を多分に取入れた日本電々公社がこの方面の活動に不適当であるとは認められません。又会社経営によつて民間資金を吸収し、大いに国際通信設備の拡張を図る必要があるという議論がありますが、我が国の国際通信設備は改善の要があるとしても、その緊急度は国内通信設備に比べれば遥かに緩やかであり、無線送受信設備のごときは、なお若干の余力を存している状況であります。又民間資本の利用は日本電々公社によつても電信電話債券の発行等により十分可能であることは申すまでもありません。  その他民間営利事業の特性として利潤追求に走る結果労働争議等を生じ会社機能が停止する虞れがあること、事業態様を同じくする国際電々会社と日本電々公社との間に従業員待遇の不均衡を生じ労働争議の誘発、作業能率の低下を来す憂があること、会社設立に際して現物出資の適正評価が困難であること、会社に対する国家監督の規定が不備であること等幾多の欠陥を指摘することができるのでありますが、これを要するに国際電気通信事業は、これを国内通信と併せて現在の通り日本電信電話公社の経営に委ねて何らの支障はみないのであつて、強いて国際業務を分離して国際電々会社を設立しなければならない積極的理由は到底発見することができないのみならず、これによつて予測される害悪は只今申述べましたごとく歴々たるものがあるのであります。  よつて国際電信電話株式会社法のごとき悪法は一日も早くこれを廃止する必要を認めるのでありますが、特に本年四月一日と予定されている会社設立の後において、これを廃止することは複雑な経過措置を要する関係上、この法律案の実施は可及的速かなるを要するのであります。イギリスにおいては、会社経営方式をとり来つた国際通信を、その非を認めて一九四七年国営に改めたのでありますが、我が国においてはその轍を踏むことなきよう、本法律案に対して速かに御審議御賛成あらんことを希望いたします。  これを以て本法律案に関する提案理由の御説明を終ります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○理事(山田節男君) 只今提案者からの提案理由の説明があつたわけでありますが、本日は提案者の理由説明だけで、質疑は後日にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○理事(山田節男君) それでは今日は提案理由の説明を聞くのみといたしまして、本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後二時五十九分散会

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