P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会参議院1953/02/17

電気通信委員会 第10号

発言数
23
登壇者
6
会派数
2
開催日
1953/02/17

会議録

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) それではこれより委員会を開会いたします。先ずお諮りいたすことがございます。尾崎委員より理事辞任届が提出されておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 御異議ないようですから、これを許可することに決定いたします。つきましては理事の補欠選挙を行いたいと存じますが、その形式は如何いたしましようか。

鈴木恭一自由党

○鈴木恭一君 理事の補欠互選は成規の手続を省略し、委員長において指名せられんことの動議を提出いたします。

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 只今の鈴木さんの理事の補欠は、委員長指名の動議が提出されましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 御異議ないと認めます。よつて委員長は新谷委員を理事に指名いたします。   —————————————

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 次に有線電気通信法案、公衆電気通信法案、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案、いずれも予備審査を一括議題といたします。  右の三法案について平井郵政政務次官から、提案理由の説明を求めます。

平井義一自由党郵政政務次官

○政府委員(平井義一君) 只今議題となりました有線電気通信法案、公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案の提案理由を御説明いたします。  この三法案につきましては、去る第十三回国会に提出、第十四回国会に継続審議となり、審議未了となつたものでありまして、その後の事情の変化、特に国際電信電話株式会社法の施行、電話加入権の取扱及び電話の譲渡禁止等に関するポツダム政令の失効に伴い、必要最小限度の修正を加えると共に、減価償却費の不足及び設備拡充資金の一部を補うため必要な料金改訂を行うこととしたことであります。  現在電気通信に関する法律としましては、有線の私設電信電話を監督規律すると共に公衆電気通信の業務を規律するものとしての電信法があり、無線に関する電信電話の設備並びに運用を監督規律するものとして電波法があり、日本電信電話公社による電気通信設備の建設及び保存のための土地の使用については電信線電話線建設条例があり、電信電話の料金については、電信電話料金法があるのでありますが、これらの法律につきましては、電波法、電信電話料金法を除きましては、明治中期に制定せられて以来、長年月の間殆んど据置かれているのでありまして、これを現在の実情に副うよう改正することとし、有線電気通信設備の設置に対する監督法規として有線電気通信法を、公社、国際電信電話株式会社が提供する電信電話サービスに関する基本的事項を規定すると共に公社がその電気通信設備を建設保全するため必要とする土地の使用に関する事項を併せて規定するため公衆電気通信法を、又、これらの二つの法律を施行するため必要な経過規定その他関係法律の改正を行うためこれら二つの法律の施行法を制定しようとするものであります。  次に法案に規定してあります主な内容について申上げます。  先ず有線電気通信法案につきましては、  第一は、電気通信の利便を広くするため、有線電気通信設備の設置及び使用については、でき得る限り自由にすることを建前とし、ただ公社又は会社が行う公衆電気通信業務の独占を侵されることのないようにするため、公社又は会社以外の者が有線電気通信設備を設置し、又は使用するについて次のような制限を設けております。  先ず有線電気通信設備の設置については、一人の専用に供するものは、自由でありますが、二人以上の者が共同して設置することは、公社又は会社の業務の独占の侵害となる虞れのない特定の場合に限り、これを認めることとし、又、他人の設置した有線電気通信設備との接続につきましても、共同設置と同様の取扱をすることとしております。  又、公社又は会社以外の者の設置した有線電気通信設備については、その設備を用いて他人の通信を媒介し、その他、他人の通信の用に供することを業とすることを制限しておりますが、社会経済生活の実情に即応させるようにするため、前に申上げました他人の設備と接続を認める場合において相互に接続するとき、その他他の法律において別段の規定がある場合等において認めることといたしております。  第二としては、行政簡素化並びに有線電気通信設備の設置者の手数を簡略化する趣旨から、届出、報告等の手続は必要最小限度といたしますと共に、有線電気通信設備の設置及び使用に関する法律の保持についてもできる限り設置者の自律に待つ建前をとり、許可事項は極力少くしたのでありますが、技術基準について指導する必要があるものについては原則として工事の開始前に届出を要することとしております。  第三に他人の設置した有線電気通信設備に漏話雑音等の妨害を与えないようにするため、また人体又は物件に損傷を与えないようにするため、設備の設置及び保存上必要な技術的条件として必要最小限度の基準を定め、若しこの基準に適合しないために、他人の設備に妨害を与え、又は人体若しくは物件に損傷を与えると認める場合においては、郵政大臣はその設備の使用の停止又は改修を命ずることができることとしております。  次に公衆電気通信法案について申上げます。  法案は第一章から第八章までに分れておりまして、第一章は総則でありまして、このうち、現行制度と異なる主なる改正事項といたしましては、第一点として、従来日本国有鉄道、船舶等の私設の電気通信設備の設置者に対し、主務大臣の供用命令により電報事務の一部を取扱わせていたのを改め、郵政省が取扱う場合と同様、事務の委託によることとし、その他必要と認める場合においては、他の者にも広く電報、電話の事務の一部を委託することができることといたしております。第二点といたしましては、四月一日から発足する予定の国際電信電話株式会社が行う国際電気通信業務の範囲は政令で明定することとし、公社は右の政令で定める業務以外の国際通信業務を行い、両者の業務範囲が重複しないようにしておるのであります。これら末端の業務につきましては両者はその重要なる事項について、郵政大臣の認可を受けて相互に事務の委託ができるようにしております。  第二章は電報に関する規定でありまして、電報の種類、伝送及び配達の順序等を規定しておりまして、官報、局報、私報の区別をなくしたほかは、現在の取扱と殆んど相違はありません。  第三章は電話に関する規定でありまして、現行制度と異なる重要な改正事項としましては、先ず、普通加入区域外に加入電話を設置するときは、新設に要する費用について現在は設備料として実費の料金を徴収しているのを改めまして、その負担の合理化を図ることとしたこと、次に加入電話の種類として現在の単独電話及び共同電話のほかに甲種増設電話機いわゆるP・B・Xを加えたこと、加入電話の利用関係を私法上の契約関係であることを明定したこと、又電話加入権の取扱及び電話の譲渡禁止等に関する政令の失効に伴い電話加入権の譲渡は自由となりましたが、投機的な加入申込を抑制するため電話加入権を譲渡した者がその加入電話と同一加入区域内において、一年以内に加入申込をしたときは、その加入申込については事実上承諾できないこととすることであります。  第四章は公衆電気通信設備の専用についての規定であります。  第五章は料金に関する規定であります。現在各種サービスに対する料金は、すべて法律を以て定められているのでありますが、これを改め、主要な料金は法律で定め、その他の料金は、公社又は会社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしております。なお、現在料金の滞納の場合は、国税滞納処分の例によつて徴収することができることとなつているのでありますが、今後はすべて一般の民事上の手続によつて取立てることに改めました。なお、料金の改訂につきましては、のちほど御説明申上げます。  第六章は土地の使用に関する規定でありまして、公社において、公衆電気通信業務の用に供する線路、空中線及びこれらの附属設備を設置するため、他人の土地等を使用する必要があり、且つ適当であるときは、土地収用法によらないで、この章に規定する手続に従い使用権を設定できることとし、別に政令で定めるところにより対価を支払うことといたしております。又、他人の土地の一時使用立入り、植物の伐採等をなし得る旨を規定しておりますが、これによつて生じた損失に対しては、適正な方法で適正な補償をすることといたしております。  第七章は雑則でありまして、現行制度と異なる主要な事項としましては、構内交換電話の交換設備、内線電話機又は専用設備の端末機器の設置、保存については、現在、原則として公社の独占とし、特別の場合に限り、加入者又は専用者の自営を認めているのでありますが、利用者の要望等に鑑み、今後は公社が行うほか加入者又は専用者が自由に建設、保存を行うことを認めることといたしました。但し、この場合において、これらの設置について公社が郵政大臣の認可を受けて定める技術基準に適合することを要し、且つ、郵政省令で定めるところにより交換設備の種類に応じた資格を有する工事担任者によつて建設、保存を行わせることとしております。又、現在においては、電信電話サービスを提供すべき場合において提供しなかつたため利用者に損害を与えたときには、一切その損害を賠償しないことになつておりますが、これを改めまして、その損害が、不可抗力及び利用者の故意過失によつて生じた場合を除いて、一定の場合に一定額の限定賠償をすることといたしております。  第八章は罰則に関する事項を規定しておりますが、公社又は会社の業務法規である建前上極力罰則は少くし、この法律の実施を確保するため必要なもののみを規定しております。  次に料金改訂について申上げます。我が国の電信電話事業の当面している最大問題は、投下資本の維持が不十分であるためそのサービスが低下していることと、拡張資金の不足のため、厖大な電話需要を充足することができないことにあります。このためには資産の健全なる維持を図るため必要な償却費を計上すると共に老朽施設の徹底的取替を行い、且つ、設備拡張に要する資金を確保することが肝要であります。この要請を満たすため一面公社をして必要経費を極力節約し、経営の合理化を推進せしめることは勿論でありますが他面上記所要資金の一部を賄うため止むを得ず昭和二十八年度より平均約一〇%の電信電話料金の値上げを行うことといたしたのであります。  その概要を申上げますと先ず内国電報については、現在多額の赤字を生じており、給与ベースの改訂に伴い、ますます事業の赤字が増加いたしまするので、相当大幅の値上げを行う必要があるのでありますが、今回は最小限度の値上げにとどめることとし、市外電報の基本現行一〇字まで五〇円を六〇円に改正し、累加料その他の電報料は据置くことといたしております。  次に、市内電話料金につきましては、度数制局は基本料のみについて平均三五%の値上げを行い、度数料は据置くこととし、均一制局については度数制局の料金との均衡を考慮し平均約六%の値上げを行うことといたしました。なお、度数制局における度数料を含めた値上率は東京で単独事務用一加入当り平均約一四%、大阪で約八・六%と相成ります。  次に、市外通話料については、現在近距離区間における料金が相当原価を割つておりますので、これを経費に対応する合理的な料金に是正するという見地からこの際この区間の料金値上げを行うこととし、現行の待時区間の最低料金七円を一〇円とし、八三〇粁までの区間についてそれぞれ五円ずつの値上げを行い、これを超える区間については据置くことといたします。又、即時、準即時区間の料金は現行待時区間の普通通話料の三乃至六割増となつていますが、これを五乃至八割増とすることといたしております。  又、市外専用電話料については市外通話料の値上げに伴う値上げのみとし、市外通話料に対する倍率は変更いたしません。又電信専用料及び市内専用電話料についてはそれぞれ五〇%の値上げをすることといたしております。  最後に、有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法について申上げます。  前に申上げました有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行期日を四月一日と定め、又、これらの法律の施行に伴いこれらの法律に吸収せられる電信線電話線建設条例、電信法及び電信電話料金法の三法を廃止し、これらの法律の廃止に伴い必要な経過規定を規定しております。  このうち、主な事項といたしましては、明治三十九年から大正八年までの間に五円乃至十五円を納付して今日に至るまで電話の設置をみないものが原簿上約十二万あるのでありますが、この際これの権利の帰属を確定整理して、成るべく速かに架設して行くこととしたことであります。  なお、有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行に伴い電話設備費負担臨時措置法、電波法、海底線保護万国連合条約罰則等の関係法令を改正することといたしております。  以上誠に簡単でありますが、有線電気通信法案等の三法案の提案理由及びその内容の概略を説明申上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、速かに御可決下さいますようお願いいたします。

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) それでは三法案の内容説明は次回に譲りたいと思いますが、どうでございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 次は電気通信事業運営状況に関する調査事件及び電波行政に関する調査事件を議題といたします。先ず平井政務次官より電気通信事業及び電波行政について報告をお願いし、次いで梶井総裁より日本電信電話公社関係の事項について報告をして頂きたいと存じます。

平井義一自由党郵政政務次官

○政府委員(平井義一君) それでは私から電波行政並びに電気通信事業に関しまして概略御説明申上げます。  先般、本国会の初めに当り本委員会におきまして業務の概況を一通り御説明申上げましたので、本日は、その後において生じました当面の問題につきまして、御説明申上げたいと存じます。  先ず最初に、昨年十月三日から十二月二十五日まで八十余日に亘つて行われましたブエノスアイレスにおける国際電気通信連合の全権委員会議の結果について簡単に申上げます。  我が国からは、この会議に三十余項目の条約改正等の提案を行い、終戦後の我が国旧植民地の負担金を我が国の債務から削除することに成功する等おおむね所期の目的を達することができたのであります。この会議は、現在の世界状勢をそのまま反映し、東西相対立する激しい論戦に終始し、結局無難な現状維持に落ちつく結果となりまして、改正されたものも本質的又は画期的なものは少い状態であります。この会議で改正された条約は、明年一月一日から実施されることになつておりますので、認証謄本を受領次第、できる限り早い機会に国会に提出できますよう準備中であります。  次に、テレビジヨン放送についてその後の経過及び現在の状況を簡単に申上げます。昨年十月電波監理審議会に諮問の上、決定いたしました京浜、名古屋及び京阪神の三大地区に対するテレビジヨン放送用チヤンネルの割当計画に基きまして、昨年十二月二十六日に、日本放送協会の東京テレビジヨン放送局に対して予備免許を与え、続いて本年一月十六日には株式会社ラジオ東京に対しても予備免許を与えました。  なお、同日附で日本文化放送に対しては予備免許を与えないことといたしたのであります。  従いまして、京浜地区におきますテレビジヨン放送局は、只今申上げました日本放送協会及び株式会社ラジオ東京とこれに昨年七月電波監理委員会当時に予備免許を与えられました日本テレビ放送網株式会社を加えまして合計三局と決定したわけであります。そのうち、日本放送協会の東京テレビジヨン放送局については、一月二十六日附で、本免許を与え、これによりまして同テレビジヨン放送局は、去る二月一日から我が国における最初のテレビジヨン本放送を実施いたしておるのであります。  次に、京浜地区以外の地域におきますテレビジヨン放送局の申請状況について申上げますと、名古屋地区に二局、京阪神地区に四局、九州に四局、北海道に一局、全部で十一局の申請が出ております。なお、去る一月十日には、日本放送協会において、東京、名古屋、大阪間のマイクロウエーブによるテレビジヨン中継回線の実験を目的とする同協会の実験局に対して免許を与えました。翌一月十一日以降行われておりますその実験の結果は極めて良好でありまして、ここに我が国最初のマイクロウエーブによるテレビジヨン中継回線の完成をみたわけであります。これは我が国におきまする今後のテレビジヨン放送の前途を明るくするものでありまして、誠に喜ばしく存ずる次第であります。  次に、去る一月二十九日、日本放送協会から同協会の昭和二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画が当省に提出されましたので目下当省において検討中でありまして、速かに審査を終了し、できるだけ早く国会に提出して皆様の御審議をお願いいたしたいと考えております。  次に、電波関係の来年度予算の概要について簡単に申上げます。  昭和二十八年度歳出予算案は、総額十三億一千三百万円でありまして、これを前年度の予算額十二億一千百万円に比較いたしますと、一億二百万円の増となつております。その増減の主な内訳といたしましては、増額の部としまして、給与べース改訂に伴う人件費関係で、約一億四百万円、電波監督及び研究施設の維持費及び各種事業用庁費で約四千五百万円、海外放送交付金で千八百万円、その他で約三千七百万円であります。  減額の部では、国際電気通信条約に基く無線局の割当周波数変更に伴う損失補償金で約一億百万円、その他で約百万円であります。電波関係につきましてはこれで説明を終ります。  次に日本電信電話公社関係について申上げます。  先ず給与問題でありますが、本問題につきましてはかねて御承知の通り、昨年十一月八日に公共企業体等中央調停委員会から調停案が提示されまして、これに対し組合側は全面的に受諾する態度を決定しましたが、公社側におきましては「調停の趣旨は尊重するが公社財源の現状並びに今後の見通しから、今直ちにこれを実施に移すことは困難である」旨回答し、政府部内並びに両当事者間において逐次折衝が重ねられ、その間当委員会におかれてもこれが円満解決を図るため種々御配慮を頂いたのであります。その後引続き調停案を中心に両者間で交渉を重ねて参りましたが、一月二十日に至りまして昭和二十七年十一月以降基準内賃金を財源の許す限り調停案の線に近ずけることとして協定が成立し、紛争は一応解決するに至つた次第であります。  次に昭和二十八年度日本電信電話公社の予算案について申上げます。  公社予算は収入、支出共に一千八百二十四億余円でありまして、これを前年度と比較しますと、三百二十六億余円の増加となつております。この金額の勘定別内訳を申上げますと、損益勘定は八百九十五億余円、建設勘定は四百六十一億余円、資本勘定は四百三十八億余円、貯蔵品割掛勘定は十六億円弱、工作勘定は十四億円弱となつております。  以上の金額のうち勘定間の振替によつて重複する金額を控除した収入支出予算はいずれも一千百四十三億余円でありましてこれを前年度と比較しますと、百六十五億余円の増加となつております。  この金額の内訳について申上げますと収入におきましては、事業収入金は料金改訂による増収分八十億余円を含めまして八百九十五億余円、資金運用部特別会計からの借入金が四十億円、電信電話債券の発行による収入が百四十八億円、電話設備負担金等の収入が三十七億円弱、国際電信電話株式会社へ出資した財産引当の株式売却による収入が二十億円、その他の収入が三億円弱となつております。  なお、電信電話債券百四十八億円の内訳は、一般公募百億円、加入者引受四十七億円、地元引受その他で一億円となつております。  次に支出におきましては、損益勘定において電信電話の運用費が三百十八億円弱、電信電話の保守費が二百十一億余円、管理共通費が七十一億円弱、利子及び債券取扱費が四十三億余円、その他の経費が三十一億余円、予備費が八億円となつており、建設勘定において、給与及び事務費が五十二億余円、建設改良工事費が四百九億円弱となつております。  なお建設改良工事につきましては、只今申上げました四百六十一億余円を以ちまして加入者開通十四万加入、市外電話回線は東京・大阪間の準即時用の回線を含めまして十八万粁、分局開始九局、方式変更十八局を主要工程とする拡張改良工事を計画しております。  次に電信電話料金の改訂について申上げます。  只今予算案の説明中で一言いたしましたが、戦時中並びに終戦後行わなかつた公社の老朽施設の取替に必要な償却費及び昭和二十六年三月末の物価水準による評価々格に基く償却費の不足額を補うと共に、現下の熾烈な電話需要に応ずるための建設所要資金の不足を補う等のため、現在の電信電話収入に対し一割程度に当る料金値上げを行い、これにより約八十億円の収入増加を図ることといたしたのであります。いずれ料金改訂の具体案につきましては、別途法案として御審議をお願いいたすこととなりますので、その際に詳細御説明申上げたいと存じております。  なお、本国会に提出して御審議をお願いしたいと存じております法案といたしましては、第十三回国会に提出し、第十四回において審議未了となりました公衆電気通信法案、有線電気通信法案並びに両法施行法案の三法案を予定しており、只今申上げました料金改訂案は公衆電気通信法案中に盛り込むことといたしておりますので、何とぞよろしくお願い申上げます。  最後に国際電信電話株式会社の設立について申上げます。  昨年十一月十五日第一回の設立委員会を開催し、以来鋭意諸般の準備を進めて参り新会社の定款につきましては、すでに一月二十日に認可を与えましたので設立委員会におきましては、直ちに株式の募集その他会社設立の諸準備を急ぎ、四月一日よりの会社発足に遺漏ないよう努力いたしておる次第であります。なお、新会社の授権資本は、六十六億円、設立当初の資本は、その半額の三十三億円と相成つております。  以上を以ちまして、当面の問題につきましての一応の御説明を終ります。

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) それでは梶井総裁から、日本電信電話公社関係の事項について報告をして頂きたいと思います。梶井総裁。

梶井剛日本電信電話公社総裁

○説明員(梶井剛君) 日本電信電話公社関係の事項につきましては、只今郵政政務次官より相当詳細な御説明があつたのでありますが、直接公社の事業運営を担当しておる者といたしまして、私から二、三の点について御説明申上げたいと思います。  日本電信電話公社職員の給与の問題につきましては、旧年末の本委員会において、多大の関心を以て御指示、御斡旋を賜わつたのでありますが、その後昭和二十八年度予算において給与総額として三百三十五億円を計上することとなり、この総額の範囲内で、昨年十一月八日公共企業体等中央調停委員会の示された調停案の趣旨を尊重し、国鉄及び専売との均衡をも考慮した給与の改訂を行い得る見通しを得ましたので、全電通組合との間に、本年一月二十日賃金改訂に関する協定を締結いたしまして、昨年の十一月一日に遡つて実施することとし、ここに給与改訂に関する問題は解決いたした次第であります。  次に二十八年度の予算について申上げます。  二十八年度の公社予算は、公社法が全面的に適用されることになります意味におきまして、公社初年度の予算であり、従つて公社将来の礎石をここに定めることに相成るわけであります。当公社といたしましては、二十八年度予算の重要性に鑑み、当面する最大の問題である事業経営の基礎確立、建設資金の確保、職員給与の改善及び事業の合理的能率的運営を予算編成上の基本方針と定めたのであります。以下公社予算案の内容について御説明申上げます。  損益勘定の収入、支出は共に総額で八百九十五億円となつておりまして、前年度に比較して百四十億円の増加であります。収入の中には本年四月から実施を予定いたしております料金改訂による増収分八十億円を含んでおります。又支出におきましては、減価償却引当金のほかに二十二億円程度の金額を建設勘定に繰入れることになつております。支出の内容を、職員給与、利子、減価償却費、その他の四項目に分けて説明いたしますと、職員給与は二百八十五億円で総経費の三三%を占めており、前年度支出予算において職員給与が占めていた割合の二九%に比較しますと四%の増加となつております。併しながら、この人件費の増加は、当公社職員の給与ベースを国鉄及び専売とほぼ均衡のとれたべースにいたしたためでありまして、給与総額算定の基礎となつております予算定員におきましては、設備の拡張、取扱量の増加にかかわらず、新規増員については、現在要員の合理化を図ることにより、思い切つた圧縮を加え、高賃金高能率の趣旨を実現する方向に一歩進めた次第であります。  次に利子は四十三億円で総経費の五%を占めており、前年度の支出割合に比し一%の増となつております。又減価償却費は百九十一億円で総経費の二二%を占め、前年度の支出割合に比較して四%の増となつております。  併しながら、以上の経費を除くその他の経費は三百五十三億円で、総経費の四〇%に当るのでありますが、前年度の支出割合と比較しますと九%の減になつておるのであります。  以上のごとく二十八年度予算におきましては、事業設備の拡張に伴い当然増加すべき減価償却費及び利子のごときもののほかは、事業の経営費については相当思い切つた合理化、効率化を期することとし、従業員の待遇についてはできるだけ改善いたすことといたしたものであります。  次に建設勘定について御説明申上げます。  建設勘定の収入、支出は共に総額で四百六十一億円となつておりまして、前年度に比較いたしますと百一億円の増加であります。前年度に比べまして特異な点は、運用部資金の借入が九十五億円減少したこと、電信電話債券の発行が逆に百二十八億円増加したこと、損益勘定からの繰入が七十五億円増加したことの三点であります。  電信電話の拡充整備につきましては、世界文明諸国に比し、電話の普及度は遥かに劣位にあり、我が国の産業経済の発展の上からも、政治、治安、文化等の面からも、電信電話設備の拡充整備に対する熾烈な要望があるのに応えまして、年々二十一万の加入電話を増設すると共に、市外通話の疏通を改善することを目途とした電信電話拡充五カ年計画を策定し、その第一年度に当る昭和二十八年度においては約七百二十億円の経費を予定いたしたのでありますが、諸般の事情により四百六十一億円に圧縮するの止むなきに至りましたので、加入電話増設二十一万の計画を十四万に、専用線を含む市外電話回線三十一万二千粁の計画を十九万五千粁にそれぞれ計画を圧縮いたしたのであります。本計画におきましては、その重点を最も改善を急務とされております大都市電話拡張及びその相互間の通話の速達並びに将来の電話増設の基礎となる電話局舎及び市外ケーブル施設の建設に置いております。  市内電話につきましては、需要の大部分を占めております東京に四万、大阪に一万八千八百の加入電話増設を予定すると共に、昭和二十九年度以降における電話増設に備えて必要な電話局を都心部に建設することといたしておりますが、その他の都市においてもできる限り電話の増設と電話局の建設を図る予定であります。なお農村に対しましても、郵便局はあつても電話のない村に対し通話機関を設置いたしますほか、できるだけ公衆電話を設置して農村に対する電話の普及を図る予定であります。  次に市外通話につきましては、東京・大阪間、東京・名古屋間、大阪・名古屋間の通話をほぼ待合せなく接続できるようにし、又京浜間、阪神間等大都市周辺の通話の改善を図りますと共に、四国、山陰、東北、北海道方面に対して幹線ケーブル又は超短波無線設備を整備し、市外通話の改善を図ることといたしたのであります。  以上のごとく、電話の増設と通話の迅速化をサービス改善の眼目といたしたのでありまして、公社といたしましては本計画の完遂に最善の努力を払う所存でございますが、国民の要望からするならば、決して十分とはいえないのであります。これらの要望に応じ、我が国の発展に寄与するためには、最低限先に申上げました五カ年計画の実現に待つほかはないのでありまして、遺憾ながらこの計画に相当のズレはできましたが、今後においても更にこの計画実現のために努力いたしたい所存であります。  なお二十八年度予算案につきましては、電信電話債券によりまして、百四十八億円の資金を調達することとなつておりますが、そのうち一般公募によります百億円につきましては、当公社といたしましては、完全消化可能の範囲内でできるだけ低利且つ長期のものが望ましいのでありますが、その発行条件については関係方面と打合中であります。  最後に本年四月から実施予定の料金改正について御説明申上げます。  公社は現在多額の借入金を持つておりまして、本年の三月には六百五十二億に上る見込であります。又今後設備の拡張に伴いまして借入金がますます増大することは必至であります。従いまして借入金利子の負担、借入金の償還は公社事業の運営にとりまして、今後ますます大きな負担となつて来るわけであります。又現有設備の維持を完全にし、老朽施設の取替を行なつてサービスの改善を図ることも、事業当面の重要課題であります。このような点を考慮いたしまして公社の企業的経済的基礎を確立し、他面資本調達上の信用基礎を打ち立てることは、独立企業体としては当然必要なことでありますが、これがためには若干の料金値上げを必要とするのであります。併しながら料金値上げの社会に及ぼす影響が大きいことを考慮いたしまして、料金値上げは必要最小限度にとどめ、事業の経営的運営費については極力合理化能率化を促進することとし、料金値上げによる収入は主として企業的基礎の確立と建設改良のための財源に充当することといたした次第であります。  即ち料金値上げは大体平均一割程度を予定いたしておりますが、これによる増収分八十億円は、大部分を減価償却、老朽施設の取替に充当してサービスの改善を図ると共に、一部分は建設改良に充当して設備の拡張を図り、利用者の利便を一層促進する考えであります。  簡単でございますが以上を以て私の御説明を終ります。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 今の平井政務次官の御説明の中の、去年の十月から始まつたITU、国際電気通信連合の会議の状況ですが、これは衆参両院とも電通委員会において非常に心配して、衆参両院の電通委員会の名前で電報まで打つて激励したわけでありますが、花岡全権以下非常に健闘を願つたというのですが、その結果は必ずしも意のごとくでなかつた、それもいろいろな事情があるだろうと思うのでありますが、今後のこともありますので、花岡全権がお見えになつておれば、極く簡単でいいですから、そのときの主として動きといいますか、結果はここにありますけれども、この点一つ我々に御説明して頂けませんでしようか、どうでしようか。

花岡薫日本電信電話公社業務局国際通信部長

○説明員(花岡薫君) 只今山田委員から昨年十月から十二月末にかけましてアルゼンチンで開かれました電気通信全権委員会議の概略について説明せよというお話でございますが、極くかいつまんで重要な点だけ申上げまして、なお且つ非常に御心配を煩わしましたと承わつております理事国の選挙の問題について申上げます。更に私の出席いたしました体験から、多少主観に亘りますけれども、将来に対する点についても申上げたいと思います。  会議は八十一カ国参加いたしまして、各国代表の数は三百五十名くらいでございます。途中で帰つた者、或いは途中から加わつた者、いろいろありまして、そういうものを一々算入いたしますと、大体三百五十名くらい参加いたしております。今回の会議の主要議題といたしましては、一九四七年に締結されました国際電気通信条約中に改正を要する点を審議して改正を加えるということでございます。内容的にこれを申しますれば、国際電気通信の連合体としての機構の問題と、それと表裏をいたします国際電気通信連合の財政の問題でございます。尤もその会議の議事に入ります前に、最近の国際会議におきますいろいろな他の例と同様に、やはり国連に結合しております電気通信連合体の性格が現われまして、各国の全権委員の資格問題が討議されまして、この問題は非常に白熱化した誠に厄介な解決困難な問題で、徒らに日子を費すという観もございましたが、この問題で非常な論戦をいたしました。併しながらそれらの各国の国としての資格、全権委員としての資格につきましては、結論といたしましては前例がありまして、およそ落着く所に落着いたのでありまして、いつものごとくソ連圏九カ国の、中国政府代表否認、或いは西ドイツ代表の否認、或いは南朝鮮或いはヴエトナム国の代表の資格の否認というような点につきましては成立を見ず、やはりこれを連合の正規な資格を有する一員として取扱うことになつた次第であります。  会議に入ります前になお一つ波瀾を起しました問題は、会議の議事の方法の問題でございます。会議の議事の方法は従来の経験に徴しますと、緊急動議その他引延ばしなどの作戦がありまして、ソ連圏各国の、いわば議場撹乱的な活動が相当旺盛であつた経験に鑑みまして、今回は緊急動議その他引延ばし等の活動の余地が成るべく少いようにというような一案がアルゼンチン政府によりまして用意されておりました関係上、先ず劈頭この議事規則をめぐりまして大きな論戦をいたしたのであります。これはこういう議事規則を審議する前に、先ず投票権の問題をきめて、それによつて議事規則をきめるべきでありますけれども、投票権そのものをきめるその方法も議事規則がなければきまらんというような、非常に微妙な関係でございまして、結局これにも相当日子を費した次第でありますが、結局多数の意見によりまして、余り会議に対して横暴な活動の余地のないような議事規則になりまして、つまりアルゼンチン政府の用意した議事規則の線によりまして議事が取運ばれる、こういうことになつたのでございます。  それからこの機構問題につきましては国連と結合されました結果、管理理事機関ができておりまして、その一つは管理理事会、もう一つは管理機構とは若干機構は異なりまするが、国際周波数登録委員会、その他従来からある国際事務総局、三個の諮問委員会というものの機構の問題を論じたのでありますが、何と申しましても管理理事国の問題として国際周波数登録委員会の問題に論議が集中されたのでございます。で、これにつきまして会議前からアメリカを主とする機構の根本的な改革案が提出されておりまして、これによりますと成るべく機構を簡素にして能率化させる、管理理事会のメンバーを減らす、国際周波数登録委員会のメンバーの数をできれば五人ぐらいに減らす、こういうような考え方、それから選挙するような考え方から更に飛躍しまして常任制の専門家によつて能率的に仕事をさせる、こういうようなアメリカのいわば理想案が出されておりました。こういう問題を中心に非常な時間を費しまして論戦をいたしたのであります。最近の電波の情勢からいたしましてこの両機関いずれにいたしましても各国に相当利害関係があると、こういう見方からしてこの選挙の時期、方法等につきましては只今申しましたアメリカなどの考え方と全く逆な、もつと多数の国に門戸を開放して、国際的な地理的な利害関係をもつと反映させるべし、それから個人的な専門的経験、能率を活かすというよりもむしろその国を代表するという建前をとつたほうがよろしい、こういうような議論が出まして、これは山田先生に申上げるのは甚だ逆でございますけれども、最近の国際会議の例といたしまして発言が非常に多うございまして、これは発言を抑えるということはなかなか議場整理上却つて困難な実情でございますので、同じ問題でも非常に時間を要するような建前をとつております。その上小国対大国、或いは現在の理事機関に入つておる国と、これに入ろうとする国の勢力というようなものがからみ合いましてかなりむずかしい問題になつたのでございます。当時現地からかなり詳細な報告を政府宛に打電しておりますので、或いは大体お耳に達しておるかと思いますが、先ず管理理事国のほうから申上げますと、日本は管理理事国に立候補いたしまして、その国の通信事業の幅なり、経験その他から推しまして、自分としては資格がある、こういう信念からいろいろ対策を講じたわけでございます。私ども現地に到着いたしまして、先ず会議の空気をいろいろと推測をしてみたのでございますが、率直に申しまして、日本という国に対する認識、或いは親近感と申しますか、日本と協力して日本を或いは立てて行こうというような空気はございません。これは日本の国際連合の加入の歴史が非常に古いものでございますけれども、過去の会議の活動状況、これは戦争前の長い期間に亘つてのお話でございますけれども、外国方面の会議に対する対策とやや異なつた途をとつておりまして、比較的に代表委員たる人たちがかわるがわる行かざるを得ない、又国内的にも相当枢要な地位におられるかたがたが多忙で、国際通信連合の事務に専念しておられるというような人もなかなか発見しにくいという事情もございましようが、諸外国においては過去の経験、記録その他から非常によく精通をした専門家をよこしております。而もそれぞれの国の代表の相互間に非常に親しい友誼関係が存在しておるというようななかに実は参つたのでございます。私ども国の通信事業を担当いたしております関係上、事業者といたしましては海外各国に相当の関係筋があるのでありますけれども、この会議という一点につきましては、日本は戦争前も勿論そうでございましたが、日本を立てるとか、日本の意見を聞いて一つこれと提携をしてこういうような議場駆引をやろうというような、日本に積極的に働きかけて来るというような空気がございませんので、先ず少くともそういつたような空気を醸成しなければ、自分の国が理事国に立候補しても、これをサポートする国を得ることは非常に困難であると、こういうような感じがいたしまして、藁をも掴むような気持から、あらゆる代表に、あらゆる機会を掴まえまして接近をして意見を交換し、そして頃合いを計りましては、日本の意のあるところを伝えて支持を要請すると、こういつたような態度をとつたのでございます。一方中国代表は非常に優秀な、有力なメンバーを多数揃えて出席いたしておりまして、これは過去の苦い経験もございますので、必死の努力を以て現在の五大国であつた当時の優位を保持しようという努力をしておることが会議開始前に察知できましたので、これは容易ならない事態であるというふうに感じたのでございます。のみならず極東方面から極く接近しておる国が二ヵ国出馬するということは、なかなか客観的情勢から申しまして、相当の困難があろうというふうに感じたのでございます。さよういたしまして、現在の理事国をそのまま任期継続させるようなことになりますれば、新らしい国がこれに割り込む余地がない、こういうような感じがいたしまして、いろいろな代表といろいろな行き方につきまして意見を交換いたしました結果、或いはインドネシア、或いはヴエトナム、印度などの代表に漸次接近をいたしまして、まあいろいろな場合を想定しまして提携をしておくように努力いたしておつたのでございます。一方有力者の意見といたしまして、アメリカと提携をして、アメリカの援助によつて相当の地歩を築いて行くベきであるというような御意見もありましたので、そういうことも確かに有力な方策と考えまして、アメリカ代表とも接近いたしておつたたのであります。私ども現地に到着いたしまして、先ず現地政府、国際事務総局、アメリカ代表団、中国代表団、印度代表団、或いはインドネシア代表団、こういうものには到着いたしましてすぐに顔を合わせまして、いろいろと意見を交換いたしたのであります。アメリカ代表といたしましては、日本に非常に好意のある態度を示しましたので、何かと相談しやすいと、こう感じたのであります。その後アメリカ本国政府は、日本の理事国出馬に対しては支持が困難である、こういう本国政府の方針が伝えられて参つたのであります。私といたしましては非常にこれに対しては不満に存じまして、アメリカ本国政府は日本を支持しないように自分は聞いておるが、非常にこれは不満足であるという意味のことを話しましたところが、アメリカ代表団といたしましては、本国政府と余り連絡はないと見えまして、本国政府の意見と全く異なつた態度を持つておりましたのみならず、日本を支持しないという本国政府の意向についても、何ら報道を受けておらない、こういうようなことでございました。これは外交的な表面的ゼスチユアとは受取れません。で、事実率直に大勢の人と接触いたしておりましたので、この間に表裏は別にないものと存じますが、そこで日本代表としての不満の意を知りまして、いや、実は日本が理事国に立候補する意思があることについては、非常に自分たちは興味を持つておる、そういうことがわかれば、これは非常に自分たちとしても関心を持つところであるというようなことになりまして、それではというので、いろいろ又接近をいたしましたが、冒頭に申しました通り、アメリカの考え方は個人に重点を置く少数精鋭主義であるという考えであつたのであります。個人に重点を置くとか、或いは精鋭であります場合に、日本の電気通信界にきます専門家がどの程度に評価されるかということは、これは必ずしも自信を持てない問題であろうと思います。そういうようなことからいたしまして、無条件にアメリカと提携をすることも、これは多少警戒を要する点があつたと考えておつたのであります。併しながら数回連絡をいたしております間に、むしろ先方から好意を示しまして、何とか日本から有力者を出せないかというような話であつたのでございます。と申しますのは、現在の国際電気通信連合に理事国として入つておる国の中には、未熟なもの、専門的経験が非常に不足しておるもの、或いは不熱心なものがありまして、これは実際上の経験に鑑みて、質的に直して行かにやならん、こういうような考えを彼は持つておりました。そうして、私は日本の電気通信界にも専門的手腕を持つたものが相当におる。これは専門的見識、或いは日本の電気通信事業経営者としての経験、いろいろなケースに対する知識においては、何ら劣るものでないことを説明いたしましたが、併せて日本の最近の電気通信の復興状況もよく話しまして、彼はいろいろと打明けた……、彼と申しますのは米国代表団の首席の人でありますが、いろいろ打明けまして、大いに協力を誓つたのであります。のみならず、私は全くアメリカ代表団と関係なく、他の国の代表団と接触しております間にも、アメリカが日本に関心を持つて、何んとかこれを立てたいという意向のあることは、他の筋からこれを確認いたしておりましたので、その誠意を信じて提携をいたしておつたのでございます。併しながら、この米国代表団は御存じの通り、無線界におきましては強力な発言権もございますし、事務的推進能力を持つておりますので、国際会議を或る程度リードしておるのは実情でございますが、電信電話界、或いは今回のような一般的問題を討論する全権委員会議におきましては、その勢力は実際問題といたしまして余り大きくないのでございます。いろいろな例を挙げて他日又別に山田先生に申上げたいと思つておりますけれども、アメリカの国際会議におきます勢力、並びに会議に対するいろいろな技術的な活動は、必ずしも各国間におきまして指導力があるとは私は考えておりません。そのうちにアメリカの主張いたします機構改革案、いろいろな機構改革案をたくさん用意してあつたのでございます。それから財政に対する改善方法についても、相当思い切つた案を出しておりまして、アメリカがこれの推進力になつておつたのでございますが、こういうようなアメリカの連合機構改革並びに財政改革に関する提案は、殆んど全部否決されまして、中には全く支持を与えるものは一人もないというような場面もあつたのでございます。そういうような関係からいたしまして方々の代表団に接触いたしておりますと、さような大国、殊に日本の現在の場合におきましてアメリカのような国と殊更に接近いたしておることが、又これ国際会議の実情からいたしまして多数小国の批判的まなこを浴びる面もございます。そういうような関係からいたしまして、私といたしましては中途から他国は頼らずに独力でやる、こういう考えも相当強くなつて参りまして、微力ながら殆んど日夜、昼間におきましても十分或いは十五分の休憩時間を利用いたしましていろいろな代表団に少しでも多く接触して、そうして折りあらば選挙の問題を持ち出す、こういうふうにいたしておつたのでございます。  選挙の問題につきましてましては、これは余り明々白々選挙運動がましいことをやることはどの代表団もいたしておりませんし、又この選挙に是非当選したいという熱意におきましても、必ずしも大国方面には、さほどこれに熱中するというようなふうもありませんが、先刻申しましたように小国或いは特定の国におきましては非常にこれに熱心であつた筋もございます。表面的に余り選挙の問題について活動するということは、日本の現在の国際情勢下、或いは国際通信会議下におきましては得策でないという判定をいたしまして、成るべく裏面的と申しますか、個人的な了解の形におきましていろいろな代表団に接近をいたしたのでございます。併しながら全権委員は二人でございまして、十二分に活躍はいたしましたものの、完全に接触をして手応えがあるというふうに相手方と了解を得た国は二十七、八ヵ国であつたと記憶いたしておるのでございます。これらの二十七、八ヵ国は、多くは大国でございまして、大国に呼びかけることが多少でも、それらの国の発言力からいつて有利であるというふうに考えましたのでありますが、小国方面は案外日本に好意を持つていなかつたと申しますよりも、或いは私の微力のためにそこまで手が届かなかつたと申上げるほうが適切かも知れませんが、大国が非常に好意を示し、或いは二つ返事で日本の立場を支持するというような国があつたにもかかわらず、小国方面におきましては必ずしもそういう傾向はなかつた。これはあとから私も気がつきまして判定をいたしたのでございます。なかんずくアジア方面におきましてアラブ諸国の結合が相当強かつたように考えられます。アラブ諸国がその圏内から理事国を出したいという気持は、これはかなりはつきりとわかつておりましたが、併しながらアラブ諸国の中でも気持よく我々と協力をしてくれる国がありましたし、又他の国にはむしろ内緒で全くアラブ諸国という立場を離れた関係におきまして協力を誓うというようなものもあつたのでございます。併しながらアラブ諸国の結合は案外強かつたのではないかと、これはあとで感じたのでございます。アラブ諸国の票が若し日本に入つていなかつたとすればこれは非常に大きな打撃でございます。秘密投票でございますのでその点ははつきりいたしませんが、アラブ諸国がインドネシア或いはその多少の繋りを持つヴエトナムとかいうような国まで手を伸ばして若し結合しておりたといたしますれば、日本の立場は私どもの考えるよりも或いはもう少しむずかしいものであつたかと気がついたのでございます。  それともう一つ申上げたいのは中国が先刻申上げましたように努力をいたしまして、又もう殆んど連日のように或る問題について国名が挙げられる場合には必ずソ連圏の国の非難の対象になり、これを否認する声明に悩まされておつた中国といたしまして相当にこれは各国の同情を呼んだと考えられます。中国対ソ連の会場におきます論戦は非常に激烈な、外交辞令を離れた全く激しい聞くに堪えない言葉を使つての論戦でございました。これがたび重なり会議の最後まで何かの問題につきまして必ずこの議論に飛火いたしました。この立場に相当各国から同情が集まつたことは事実であろうと思われます。そういたしまして私ども選挙の当日まで、五分のいとまもこれを選挙に有利に展開するように努力はいたしましたものの、十二月三日の選挙の結果は、日本が三十二票、レバノンが三十九票、中国が四十五票、こういうような成績でございまして、日本は第七位になつたのでございます。中国が四十五票になりましたのは、ソ連圏の九カ国が北京の人民政府に投票しましたものを、会議の総会におきまして強引にこれをこの会議には中国は一個しかないという理由からして、これを国民政府代表、この会議に出席いたしております中国代表に与えましたために四十五票になりました。このソ連圏が投じたと思われる北京人民政府に対する投票を差引きましても国民政府は日本よりも五票の多数を獲得したのでございます。  かようにいたしまして私ども微力な点は重々認めておりますものの、あらゆる余暇を利用いたしまして努力はいたしましたけれども誠に申訳ない結論になつたのでございます。そこで将来私ども会議に対する考え方といたしまして関係のかたには一応の説明は申上げましたが、今回の会議は多少私ども遠慮がちでありましたので、政治的論争には成るべく介入しないように、又ソ連圏が日本の加入が合法的でないという問題を挙げて日本代表を否認して来る余地が多少そこに考えられましたので成るべく刺戟をしないように他の代表と問題をかまえて意見の対立するようなことはできるならば避けるというような立場をとつておりました関係上、条約問題などにつきましては多少消極的であつたのでございます。併しこの点につきましては会議の席上議論の上で敵を作つても思う存分議論をして、そうしてその議論のあとで手を握るといつたような、会議を通じての、議論を通じての友誼を成るべく集めて行くということが必要であるように私は感じました。これは選挙のあと並びに会議全体を通じまして、遠慮がちに個人的に接近するのも必要でありますけれども、大いに論戦を闘わせまして、敵は敵として、我が意見は腹蔵なく吐露いたしまして、論戦を闘わすことが必要である。それにはもう少し積極的に私どもも発言の回数を、もつともう二倍或いは三倍も発言しまして、他の代表を手こずらせるというようなところまで行つたほうが却つて日本の信望を高めるゆえんではなかつたかというような、実は率直な感じがいたしたのでございます。併しながらそういう本会議の席上はともかくといたしまして、日本といたしましては、提案も相当いたしておりましたし、又日本の旧植民地の債務につきまして、具体的な問題が出ておりました。日本の旧植民地に対する債務は日本が支払うべしとする事務総局の立場がはつきり出ておりまして、これに対して日本は一九四五年の九月二日以後については、何らさような債務を引受ける立場でないことを明らかにしまして、これを撤回させるために相当の時間と、小委員会におきまして非常に多くの会議並びに時間を費したのでございます。そのほか日本の提案に関係する小委員会にこれは是非出席をしなければならない、出席すれば或る程度これは会議に協力いたしまして、何とかその日本の提案並びに各国の提案の間に妥協点を発見していい結論を出すというように、会議に対して協力をして行くというように働いて行く必要がありますので、そういう方面に相当力をとられたのでございます。そういうような状態でございまして、選挙につきましては、何と申上げましても、その結果については私は誠に申訳ないと存じております。帰つて参りましても、この点につきましてお叱りがあればいつでも責任をとるということを郵政次官にもお話したのでございますが、私といたしましては、努力を惜しまずやつたつもりでございますが、この結果につきましては誠に遺憾に堪えないと思つております。ともかくこの会議といたしましては、財政上のいろいろな分担金の支払い拒否、会員の経費の分担の問題、その他この財政上の細かい問題、又は事務局職員の給与ベースなどから起りまして、この人事問題などが多うございまして、非常にそういう財政方面の問題に時間を費したので、この条約附属の書類にもそういうような財政問題の結末をつけるための決議事項が非常にたくさんついております。なおそのほか、今の事態を反映いたしましていろいろな留保事項がたくさんございました。条約の内容よりも附属文書の内容のほうが余計あるというふうな奇観を呈しておるのでございます。甚だ雑駁でございますけれども一応今回の会議の内容、並びに選挙を中心といたしまして私のなしましたこと、並びに率直に感じましたことを申上げた次第でございます。

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 只今は花岡国際通信部長の会議における経過なり結果、非常に謙虚な態度でお話でありましたが、とにかく敗れたりといえども三十人を獲得されて、その間日本の立場を相当鮮明にされ、努力されたことに対して、むしろ当委員会としては敬意を表したいと思います。今後の日本のこの種会議に対しての行くべき方途についていろいろ示唆を与えられたと思うのでありまして、誠に遠方の所而も孤軍奮闘御努力願つたことに対して感謝いたします。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 只今花岡君から説明を聞いたのですが、まあ非常に労を多とするのであります。将来これを……、今いろいろお話がありましたが、今回非常な花岡君が折衝をして頂いて、結果を見ますると、日本から言えば非常に時期が悪かつた。機構改革で郵政省の管轄になり、郵政省のほうに私は非常に強く、佐藤大臣以下大野次官にも言うたけれども、選挙もあり、いろいろな事情で、とにかく私ははつきりわかつておつた。十分政府なり何なり郵政省の責任とは言いませんが、少くとも当時の佐藤大臣或いは郵政次官は、この点については私は十分反省すべきじやないかと思います。花岡君並びにその他のかたの大体やられたことについて、私は非常に感謝してあります。  たださつきいろいろお話がありましたが、とにかくアジアのそういう小さい国と言つてはおかしいのですが、全電信電話の量から言えば、無線の需要の量から言えば、とにかくアジアにあつては日本は一番多いのじやないか。にもかかわらず、そうして又あらゆる健闘をせられたにもかかわらずあれだけの差が出たということは、これは一面から言えば今おつしやる通り、アジアアラブで団結して行く……、日本に好感を持つていなかつたということも考えられますが、この点はただ技術的、それから客観的に見て、いわゆるそういう方面の交通のボリユームが非常に多い、だからこれは黙つておつてもやるという点は多少あるのではないかと思つておりましたが、今の御報告によると、そういうことがなくて、例えば中国のように非常に運動したものが結局票を得たと、そういうような感じでしたか。

花岡薫日本電信電話公社業務局国際通信部長

○説明員(花岡薫君) 二通りございまして、議場駆引、議場活動で人気を博するというような行き方と、只今御指摘のように、裏面からも工作を加えるという方面の行き方と、両方あつたと思います。中国委員が如何なる方策を講じたかということはここではわかりませんけれども、私どもに対する態度から推測いたしまして、又パーテイーなどの非公式な席上におきまする言動からいたしまして、相当の工作を加えておることははつきりいたしたのでございます。併し途中に一度中国の立場が必ずしも楽観できないということを自覚いたしましたか、私のほうへ協力を求めて来たことも一度ございました。それは台湾政府としては、日本の支持を得たいという公式の申出が曽つてございまして、それに対して日本は理事国に出たいので、相互に支持しよう、し合おうという返事をいたしておつたのであります。この相互に支持することにつきましては、先方は態度を保留いたしまして、自分だけの立場よりやつておつたように見受けられましたが、只今途中で申上げました通りに、その立場が少し不利益になりました際に、非常に強く私のほうに協力を求めて来ておつたのでございます。そういうようなわけでございまして、いい結果を得るということは、裏面工作も必要でございましようけれども、会議の活躍のほうはより一層必要である。又会議の活躍と申しましても、余りに発言が多くて他の代表に迷惑をかけるという行き方につきましても警戒しなければなりませんが、その例としましては、非常に国際会議並びに条約に精通いたしておりましたポルトガルの代表が、自他共に任じておるように見えておりましたけれども、これがやはり落選をいたしておりますのは、やはり会議活動も余り度を越しては却つて結果が悪いという感じがいたします。併し結論といたしましては、私がやはり将来日本が国際会議に出て信望を博し、その意見を重からしめるようにいたしますには、どうしても会議の席上十分に活躍をして、この問題については先ず日本の意見も聞いてみなければならんというふうな空気がそこになければいけないのではないかという率直な感じがいたすのでございます。  なお附加えて申しますが、委員長並びに山田委員から只今非常に御懇篤なるお言葉がございまして、私は微力、身に余る有難いお言葉と拝聴いたしました。厚くお礼を申上げます。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 この理事国以外で、日本は今度Aクラスだから、第八級から第一級と言いますか、フアースト・クラスに会費だけは納めることになつた。この理事国以外の国で一級の、フアースト・クラスの国があるのですか。

花岡薫日本電信電話公社業務局国際通信部長

○説明員(花岡薫君) 濠州がございます。濠州は大きさからいたしましても必ずしもそう、少くとも日本より大きいとは申せませんが、理事国でもございません。現在一等に入つております。

山田節男日本社会党(第二控室・右)

○山田節男君 よろしうございます。

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) それではどうぞ、結構でございます。御苦労様でございます。  それではなお委員各位に御報告申上げたいと存じますが、昨日の委員長及び理事の打合会におきまして、委員会の審査日程を協議いたしまして、次回は十九日、三法案の内容説明を聴取し、二十日テレビ受像機に関する件を議題とすることにいたします。つきましては二十日の委員会でございます。この日は通商産業省並びに民間側からも参考人として出頭を求めて調査を進めたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 異議ないようでございますから、二十日の委員会に参考人の出頭を求めることに決定をいたします。なお参考人等の人選は委員長及び理事に御一任願いたいと思いますが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

溝淵春次自由党

○委員長(溝淵春次君) 御異議ないようでございますからさように決定いたします。  本日の委員会はこれを以て閉会いたします。    午後三時二十四分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗