中共地域からの帰還者援護に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 38 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1953/03/11
会議録
○委員長(大谷瑩潤君) では只今から中共地区からの帰還者援護に関する特別委員会を開会いたします。
○千田正君 昨晩中共地区に日本の代表として行かれた代表団の諸君が帰つて来ましたので、我々委員会といたしましては、当然援護に関する調査、或いはいろいろな問題がこれから実行に移されようとしておる今日において、中共地区から帰られた三代表団の諸君を一応委員会においでを願つて事情を聴取したいということは、皆さんの意向で聞いておつたのでありまするが、聞くところによると非常に疲れておる、こういうことで本日の委員会にも出席できそうもないということでございますが、その点につきまして、経過を一つ委員長から交渉の経過を御発表願いたいと思います。
○委員長(大谷瑩潤君) では私から只今までの経過を御報告申上げます。 実は今日午後一時から日赤ほか代表団を当委員会に御出席願いまして、中共におきまする交渉の模様並びに決定の事項、その他の諸般の事情をお聞き取りをいたしまして、将来この委員会の運営の上に参考にもいたし、且つ又代表団に対して委員会としての謝意を申述べたいという考えで交渉しておつたのでありまするが、今朝来日赤の葛西副社長から、代表団の団長島津社長を初めといたしまして、非常に昨日の帰還の時間が遅れ、且つ又歓迎が非常に盛大であつたために大変に疲労をされまして、今日は午前中は実は赤十字社のほうへも社長はよう顔を出さなかつた。且つ又他の代表のかたがたとの連絡もそれぞれ宿舎に、或いは事務所に連絡をとつたそうでありまするけれども、全部こちらが予定しておるようなことに対しましての連絡ができないということによりまして、午前の衆議院の参考人としての召喚に対しましても、実は欠席さして頂くことの了承を得たのでありまするし、午後の参議院の一時からのこの出席も事情がさような事情であるために、どうぞ明日まで御猶予を願いたいということを、こちらへ見えまして了解を求められたわけであります。そのため緊急に委員会の理事会を開きまして、各位にお諮りをいたしたのでありましたが、そういう事情ならば万止むを得んだろうという御了承を頂きまして、その代りに明日は是非確実に代表団のかたがたが午後一時から参議院の委員会へ出席されまして、事情を申述べられたいということを、葛西副社長が我々の申入れをよく了解をいたしてくれられまして、必ず出席をさせますという約束の下に、今日の委員会の参考人召喚は明日に延期することに委員のかたがたの御承認が得られたような次第でございます。つきましては、今日は非常に残念でありますけれども、又一方代表のかたがたの旅行の疲労その他の事情等を観察いたしますると、御無理願えんような状態にもあるように思いまするので、この委員会としては明日に延すことにいたしたいと存じますために、只今開会いたしまして、皆さんの御意見を承わりたいと思つております。
○千田正君 今の経過の御報告で大体のことはわかりましたが、過般本会議でお諮りになつたように、特別委員会から今晩委員長ほか各同僚議員のかたがたが舞鶴の施設並に船の調査におたちになる予定と我々は聞いておるのであります。そうしますというと、若しも変更せずにおたちになつたとするならば、明日の委員会はこれは非常に少いメンバーで開かなければならない、それとも今晩おたちになるのを延期されて明日のこの委員会をお開きになる御予定になつておりますか、その点はどうなつておりますか。
○委員長(大谷瑩潤君) その点に対しまして只今までの経過を御説明いたしたいと思いますが、実はそういう事情でありますので、今晩出発いたしますることは非常に無理であると存じまするし、又向うへ参りましてからの視察の材料にも、帰られたかたがたのお話を承わつてから行つたほうが効果的であると、こう考えました結果、向うへ御出張を願います委員のかたがた一人一人につきまして、一日延期いたしますることを御了承願うべくお話合いをいたしたのであります。大部分のかたは一日延して出張しようということに御同意を得ておるわけでありますが、それと共に先方、いわゆる舞鶴の方面にも先もつて交渉がしてございますので、そのほうの手筈もこの際確めておく必要があるということから、只今至急電話を申込みまして、舞鶴のほうの手筈をしてくれておりますほうへ交渉をいたしておる次第であります。ただ我々が必配いたしますることは、十四日午前八時に出帆をいたしまする高砂丸、この船の設備万端に対しましての視察がその前日の十三日になりますことになりますので、果して取込んでおる所へ行つて所期の目的を達成するだけの視察の時間があるかないかという点に心配をいたしておるのでありまするが、その他の施設は引揚のかたがたが今日まで使用をされ、又活用をされた施設を再びここに開設してやられるのでありまするから、このほうの視察に対しましては一日延びましても差支えないと存じておるような次第でありまして、今のところは大体明晩に出発を延ばして参るという考えでありまするから、明日の委員会にはたとえあちらへおいでになる予定のかたがたでも御出席が願えることであると私は存じておるような次第であります。
○須藤五郎君 私たちが一番この帰国問題で心配しておりますのは、三団体の代表が船に乗るかどうかという点なのでありますが、先ほど委員部のかたの話によりますと、ラジオ放送で三団体の代表を乗せるように決定したというようなことがあつたようにも伺つたのでありますが、委員長はこれに対しまして何かしつかりとした情報をお聞きになりましたでしようか、どうでしようか
○委員長(大谷瑩潤君) お答えいたしまするが、まだ何にも交渉も情報も得ておりません。
○須藤五郎君 私はこういうことを申上げて大変大人気ないと思いますし恥かしい気もするのですが、昨夜私たちは羽田空港に迎えに参りましたときに、人員の制限ということを口実にして警官隊が出動したりいたしました。そして折角羽田空港までバスで乗りつけた家族たちも代表の帰りを迎えることができなかつたというようなああいう残念な状態が起つた。それに対しまして、委員長初め衆議院の引揚委員長も交渉に当られて、委員長たちが責任を持つて静粛にさせるから是非あの人たちを入れろと言つて交渉したにもかかわらず、厳として向うはそれを拒否して、結果としてああいう残念な結果になつたと思うのですが、私が今後一番心配しておりますのは、舞鶴へ帰つて来る人たちに対しましても、夕ベのようなああいう取越苦労をしたような過ぎた警戒というものが若しもなされるとしますならば、今後もああいうことが舞鶴の現地に起るのではないか。私たち委員会としてはできるだけスムースに平和に皆さんに帰つてもらいたい、迎えたいと思つておるにもかかわらず、ああいう取締がなされるならば恐らく又つまらないことが起るのではないかというような心配があるわけなんです。それで航空庁と援護局とは違つたようなものでありますが、夕べの責任者の本田という保安係の意見によりますと、航空庁からの指令でこうやつておるのだと言つておりました。今日の新聞によりますと、川崎ですか蒲田の警察の指令でああいうことがなされたという新聞記事が出ておりますが、この点を明らかにして、そしてああいう馬鹿げたことが今後なされないように、そうして舞鶴の現地でそういうことがなされて不祥事を起さないために、私は本当に大人気ないと思いますが、航空庁の責任者に来てもらつてその間の事情を明らかにやはりしておく必要があるように思いますので、皆さんの御賛成を願えたらそういうようにお取計らいを願いたいと存ずる次第であります。
○委員長(大谷瑩潤君) 只今須藤委員からの御動議で、昨晩の人員制限の点に対して質疑をしたいから、関係の官庁の人たちを委員会に喚問せいというお話でありますが、皆さんの御意見如何でしようか。
○千田正君 須藤さんの御提案尤もと思いまするが、その時期はいつ頃を須藤さんは……。皆さんが舞鶴からお帰りになつてから、私の考えでは舞鶴を御視察になつて、その設備が迎えに行つた人たちを十分入れるような状態でない、或いは不幸な昨日と同じようなことがあるということではいけないとい面も御視察になつて来ると思いますが、視察して来られてからお聞きになりたいというあれですか。
○須藤五郎君 私は実際夕ベはああいう非常識な取締に対しましては私個人としては非常に憤激に堪えませんでした。ですから私はあそこの責任者だとみずから称している本田という保安係からもここで究明したいという気持も十分あります。それから航空庁長官も呼びたいと思います。併し私が今一番心配しておりますのは、夕ベのことじやなく、今後舞鶴に起る問題に関して私は非常に心配しますので、そういうことのないように夕ベのことも一応はつきりしておいたほうがいいと思いますので、舞鶴から帰つてからで私は結構と存じます。
○藤原道子君 私も昨夕お迎えに行つたわけでございまして、その空港長の態度に対しては、委員長初め憤慨したわけでございます。従つて、私はああした挑発的な態度が不測な事態を起す危険が十分にあると存じますので、ここに召喚することは賛成いたします。今後そういうことのないように是非これは皆さんで愛情を持つて迎えなければならないときに、ああいうことは如何かと存じますので、是非ともこの委員会に関係者を召喚することに賛成いたします。
○委員長(大谷瑩潤君) では只今の関係者を喚問いたしまして、その事情を聞くことに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷瑩潤君) ではさよう取計らいをいたします。
○藤原道子君 それからいま一つちよつとお伺いしたいのでございますが過日白山丸へ参りましたときに、引揚げが女、子供が多いので、それに対してどうも婦人の乗員が少な過ぎる。僅かに看護婦、婦長を含めて七名だというようなことでは、お世話するのに非常に無理が行くのではないか。子供が多いという立場から、是非婦人を今少し乗せて欲しい。あながちそれは看護婦に限らないわけでございます。病人がいると申しましても、看護婦が六人も七人も乗つておりますれば、それでそのほうは十分だと思いますが、子供の世話というような意味からもそれが必要だと、この間そういう話で委員長も関係当局へそういう希望を伝えて置こうというようなことであつたと思いますが、私委員会は今日でしたので、私のほうからは連絡いたしておりませんけれども、何かお話合いがいたしてございましようか。
○委員長(大谷瑩潤君) お答えいたししまするが、これも当時はまだ書面等では出してございませんけれども、口の上では、そういう御意見を持つている人がこの間視察した委員の中においでになるのだから考慮してもらいたい、で人員は五名くらいのまあ子供の保姆さんみたいな人でいいのだから、船に酔わない人で働ける人を乗せてもらうようにしてもらいたい、それから映画の点も、十六ミリでいいから何か日本の最近の事情がわかるようなものを各船に一揃いずつ載せてもらいたい、そして四日間の航海中に見せて上げるということが帰つて来る人の気持を柔げるのじやないかという御意見があるから考慮してもらいたい、ということだけは口では申込んでございますけれども、確かにそういたしますという確答にはまだ接しておりません。
○藤原道子君 そのときに当局のほうでは、どういう口ぶりだつたのでございましようか。日にちがないとか何とかということを口実にして実現できないのじやないかと思いますが、私は初めての引揚げでございますので、これがいろいろ心配されておると思うのです。又八年も或いは十年も内地を離れておる人でございますから、いろいろ又感情的にも不安も持つておいでになると思いますので、この帰国の四日間の船中における生活が、非常に大きく上陸後に支配すると思うのでございますから、その点は十分重視して交渉をお願いしたいと存じます。
○委員長(大谷瑩潤君) まあ経費の点もございましようけれども、もう一応私のほうから交渉いたしまして、明日の委員会に否やの御返事を申上げるようにいたしたいと思います。
○藤原道子君 くどいようでございますが、経費ということもございますけれども、四つの船に五人ずつ乗せたつて二十人、それから十六人でございましたならば、そう莫大な経費がかかるとは思いませんので、その点は当委員会の意思を代表して、強く御交渉願いたいということを重ねてお願い、いたしたいと思います。
○委員長(大谷瑩潤君) 承わりました。
○千田正君 今の問題に関連してですが、先般予算委員会で、文部省がこのたびの帰還問題に対してどれだけの一体予算を組んでいるかということを私が質問したのに対して、文部大臣並びに社会教育局長は僅か百万円しか組んでいない。何をやるんだということを追及して見たところが、それは舞鶴に着いてからリクリエーシヨンという意味で映画を見せたり、パンフレツトを渡すくらいのことをやる、こういうのですね。これでは甚だ遺憾だと思いますので、今の藤原委員が言つたように、若し文部省でそういう予算があるならば、それと又援護庁ですか、厚生省の予算と合して、総合的にそういう面を具体的に実現するような方法を考えて頂くように委員長から一つよく厚生省或いは援護庁に申入れて頂きたい。
○委員長(大谷瑩潤君) よくわかりました。ちよつと伺いますが、その百万円というのは、文部省だけの費用ですか。
○千田正君 文部省だけの費用で、実際私は怪しからんと思つておりますが、二十七年度には僅か三十万円、それから二十八年度として百万円、私は文部省に対しては実に不満に堪えないのは、来る学齢児童に対する受入態勢は全然文部省としては予算を組んでいない。或いは向うの中学校、高等学校を出て来て、これから就学する者に対しても育英資金というようなものを、現在あるのだけれども、それとは別個に引揚げて来たこの人たちに対する国民教育の面から、紐付きの育英資金というものを確保する、それに対して何ら文部省はやつていない。厚生省に聞いたら、厚生省も組んでおらない。そういうことではとても我々は引揚げて来た人たちに、日本国民をして道義の高揚とか何とか言うておるけれども、馬鹿野郎と言う大臣を出す国にしか過ぎないのであつて、基礎的なことをはつきり確立するように当委員会としては各関係省を呼んで、この点を追及して頂きたいと思いますから、参考資料をどんどん集めて頂きたいと思います。
○藤原道子君 三団体の代表が乗れるようになつたかどうかということを外務省に問合わして頂きたい。
○委員長(大谷瑩潤君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(大谷瑩潤君) 速記を始めて。
○藤原道子君 当委員会からも、スムースに運ぶためには、やはりこの際徒らに双方の感情を刺戟することなしに、常識から考えても、船長は上陸させない、三団体が乗らなかつたらどうしてこの事務その他をやるのかということになると、私はやはり三団体を乗せるべきだと思います。皆さんはどういうお考えか存じませんけれども、一日も早く首を長く待つておる家族たちのためにも、何だかわざと事を構えておるような感じを与えることはまずいと思いますので、私は要望したいと思うのですけれども、如何ですか。
○委員長(大谷瑩潤君) 只今の藤原委員の要望皆さん御意見如何ですか。
○千田正君 委員長に御一任いたしたいと思います。
○委員長(大谷瑩潤君) それでは委員長の手許において善処いたしたいと思います。
○須藤五郎君 もう一点ちよつと。先ほどのは証人じやない、何というのですか、夕ベの問題で喚問する人の選定でございますが、これは委員長に一任いたしまして、委員長の手許で相当な人を喚問して頂くように取計つて頂いて結構だと思いますが、これは参考にして頂いていいじやないかと思いますのですが、私の希望としては、航空庁長官と、それからあすこの羽田空港の空港長、それから本田という保安係の夕ベ出て参りました責任者、それから蒲田の署長、それから藤原委員と相談いたしましたところが、外務省の責任者の一人に出てもらつたらいいじやないかという御意見がありましたので、私たちはこういう人ということを委員長に参考までに申上げまして、委員長の手許でよろしく取計つて頂きたいと思います。
○委員長(大谷瑩潤君) では今のお話の長官と本田保安係、それから蒲田署長、それから外務省から一人、こういう工合ですね。
○須藤五郎君 それからあすこの空港長ですか。
○委員長(大谷瑩潤君) それでは今の五名ですね。五名に交渉をします。手続をとりますから、さよう御承知を願います。 何か他に御意見ございますか。
○藤原道子君 舞鶴へ連絡しての結果、で、今夜やはりたつかたたないかはきめるわけですね。そうすると半数ぐらい行つて半数残るというようなことになるのですか。
○委員長(大谷瑩潤君) そういう手もあると思います。
○藤原道子君 併し舞鶴へは非常にお気の毒でございますけれども、やはりきまつた人が揃つて行きたいと思いますし、それからこちらも引揚代表の人人のお話も全員揃つて聞きたいと思いますので、大変御迷惑でございましようけれども、若し電話が出ましたら、向うへは辞を低くして、明日に変更できるようにお取計らいを願います。
○委員長(大谷瑩潤君) それでは延ばすということを決定的なこととしまして交渉をいたすことに御了承願います。ほかに御意見ございませんですか。 では今日はこれで散会をいたします。 午後三時八分散会