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15回国会参議院1952/12/13

地方行政委員会 第8号

発言数
52
登壇者
10
会派数
3
開催日
1952/12/13

会議録

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 只今より委員会を開会いたします。  本日は消防関係の件につきまして、財団法人の日本消防協会会長岡本愛祐君より市町村の消防費に対する補助金に関する法律制定について、更に全国都市消防長連絡協議会会長塩谷隆雄君より消防財源の確立について、この二つの陳情が出ておりますので、それぞれその説明を聴取いたしまして、そのあとで政府側の出席者として国家公安委員長青木均一君、国家消防本部長滝野好暁君、大蔵省主計官小熊清君、自治庁次長鈴木俊一君、同じく財政部長武岡憲一君の諸君からも政府側の説明を求めたいと思います。なお別紙一覧表の通りに消防に関する請願、陳情がそれぞれ一件ずつ出ておりますから、時間があればこれについても審議をしたいと考えております。  この際なお申上げておきますが、今日は横須賀市の要請によりまして、十二時四十二分の電車で横須賀へ調査のために皆さんに御出張願いたいと思いますので、十二時十分乃至十五分にこの委員会を閉じたいと思いますから、あらかじめ御了承願いたいと思います。  先ず日本消防協会の陳情につきまして、日消の理事長宮野省三君の発言を求めます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 その発言の前に委員長に一言お尋ねしたいと思う。各種団体等からこういう陳情書が出ます場合に、無論理事会では承認せられて本委員会を開いたわけでありますが、今後においても優先的に取上げて特に時間を割いて頂いて陳情ができるように開いて頂けるかどうか、念のために伺つておきます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 成るべく御期待に副うように前例に従つて行いたいと思います。

宮野省三日本消防協会理事長

○参考人(宮野省三君) 命によりまして日本消防協会理事長宮野省三、陳情の要旨並びに理由を申上げたいと思います。  消防組織法が終戦後の昭和二十二年に制定せられまして、二十三年から施行せられたのでありますが、その消防組織法第二十五条には、「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律でこれを定める。」と謳われておるのでありまするが、爾来今日に至るまで同二十五条に基きまする組織法の制定なく、又市町村に対する消防補助費がございませんので、是非とも地方の消防状況に鑑みまして本法を制定せられ、並びに相当額の補助金を賜わるよういたしたいと存じまして陳情いたした次第でございます。以上が陳情の要旨でございます。  理由といたしまして、ここに挙げてありまするが、この件につきましては陳情書の前段に謳いました通り、本年五月九日、終戦後初めて全国消防大会を五月九日に東京において開催いたしたのでありまするが、天皇陛下御臨席の下に盛大な消防大会が挙行せられたのでありまするが、各代表口を揃えまして、只今申しました要旨のことを至急御配慮願いたいという強き熱望を以ちまして、決議し要望いたしたのでありまして、本件につきましては、当時政府並びに議会のほうにも陳情いたした次第でありまするが、その後十月開催いたしました、各都道府県にやはり消防協会ができておりまして、その協会長の会合を求めました折、本件につきまして熱烈なる要求があり、同様決議もせられ、又その後全国で開かれまする各府県ごとの消防大会におきましても同様の趣旨が決議せられ陳情せられておる次第であります。のちほど又同様の趣旨の陳情がありますので、極く簡単に理由の一部を申しますると、二十三年から消防のことは挙げまして市町村の事務と相成りまして、これに伴う経費もすべて市町村の経費と相成つたのでありまするが、併し現在の市町村の財政は御承知の通り非常に赤字その他で経費に苦しんでおるのであります。而も他面におきまして、火災は御承知の通り大火があり、その度数におきましても、又損害におきましても、非常に増大しておる状況であるわけであります。即ち昨年度の火災件数は約二万一千二百二十三件あり、全焼が一万六千一百二十一世帯で、半焼が四万四千一百十三世帯であり、火災に基く死者は六百七十八名、負傷者は六千四百七十五名、損害額実に二百二十二億二千八百十五万円というような莫大な損害になつておるのであります。而もいま少しく地方の財政がよくて、各般の消防施設がよくなりまするならば、これらの火災の或る程度のものは事前に防げるのじやなかろうかと存ずるのであります。然るに現在の負担に苦しんでおりまする市町村の財政を以ちましては、如何ともしがたい状況であるわけであります。で、近年火災の頻発に鑑みまして、国家消防本部におかれましては、本年の三月に消防団の設備及び運営の基準を定められまして、この程度の消防施設があり、この程度の訓練をしなければ、日本の火災は現状よりも一層損害が多くなるのではなかろうかというような角度からいたしまして、消防団の設備及び運営基準が設定せられまして、市町村に勧告せられたのでありまするけれども、併しながら、市町村の消防の施設の現状はこの基準に及ばないこと甚大なものがあるのであります。従つてこれを何とかいたしまして、相当年度割にいたしましてでも充実するといたしましても、現在の市町村の財政を以ていたしましては、如何ともしがたい状況でありまするので、国家財政も非常にお困りであろうと存じまするけれども、戦前におきましても消防の事務並びにその財政は完全に市町村になつておらなかつたのでありまして、相当国家で御面倒をみてもらつておつたような状況でありまするので、何とぞ組織法の二十五条に基きまする市町村に対する消防補助法を制定頂きまして、これに伴う相当額の補助をお願いいたしたいというのが陳情の理由でございます。以上でございます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 次に全国都市消防長連絡協議会会長塩谷隆雄君、説明を願います。

塩谷隆雄全国都市消防長連絡協議会会長

○参考人(塩谷隆雄君) 只今日本消防協会のほうから、詳細に亙りまして、消防財源の確立に関連いたしまして、国庫の補助を如何に市町村が待望しておるかということのお話がございましたのでございますが、私から重複の嫌いがあるかとも思いまするが、なお重ねて御説明申上げたいと思います。  端的に私ども市町村の、殊に都市の消防を担当しております者の率直な感じといたしましては、これは甚だ不躾けな言い方かも知れないのでございますが、二十三年の三月に消防組織法によりまして消防の仕事が市町村自体の責任に任されたということは、私はこれは地方自治の本義に照しまして誠に適切な政策の改変であつたと思うのでございまするが、これはいわば赤子の生みつ放しというような感じが私どもするのでございまして、貧弱な市町村の財政によつて賄われておる市町村の現状の下において、お前のところで、お前のところの責任で消防をやれということは、御趣旨はよいのでございまするが、実際問題といたしましては、誠に赤ん坊を生みつ放しでそのまま国家におかれましては放置しておられるのじやないかというような、これは極端な言葉でございまするが、そういつたような感すら実は私ども消防を担当しておる者は痛切に感じておるのでございます。かようなわけで、私どもといたしましては、一つには消防の起債の問題、二つには国家の御補助の問題、或いは三つには、地方財政平衡交附金の増額の問題等、消防財源の問題に関連いたしまして、今日までたびたび関係御当局方面に対しまして、私どもの意のあるところを申上げて参つたのでございまするが、今日まで当委員会並びに衆議院の関係委員会におかれましても、格別なる御同情と御理解とを得まして、漸次消防財源に対する明るい見通しをつけて来ておるのではございまするが、なお現状のままに放置いたしまするならば、折角市町村の責任においてお任せ頂いた消防の本来の任務の遂行が到底完全には果し得ないこの状況というものを一歩も抜け出でることができない、かように考えておるものでございます。その具体的ないい例は、熱海或いは小田原、或いは鳥取、或いは三重県の松阪といつたような中小都市の大火の状況を仔細に検討いたしまするならば、これは今更一々論ずるのも如何かと思われる程度でございます。一昨年起りました熱海の大火の原因も、その発火地点が海岸近いところでございまして、従つて海から吹きつける風が相当強かつた、これがだんだん山手のほうへ吹き上げて行つたということが一つの大きな、そういつたような気象条件が大火の原因にはなつておるのでございますが、当時熱海市が保有しておりました常備消防力は僅かに四台であります。而もその四台のうち二台は故障車で現実に動けるのは二台であります。その二台のポンプが海岸寄りの風の強い発火地点に駈けつけたのでございますが、遺憾ながら僅か二台の消防力を以てしてはその発火地点を押えることができなくて、遂に防禦を破られてあのような大火になつたのであります。同様なことが小田原、鳥取その他につきましても言えるのでございまして、私ども専門的な立場からいたしますると、一つの火点が起きました場合に、五分乃至十分以内に少くとも四台或いは五台、まあ少くとも五台と申上げたいのでありまするが、五台のポンプが五分乃至十分以内に現場に到着いたしまして、火点を包囲してこれを押えつけるという体制でなければ、その土地の地形或いはその当時の気象状態というものの悪い条件が重なりました場合には、必ずやその防禦線が破られまして大火になるという虞れは多分にあるのでございまして、そういつたような貧弱な消防力の状態というものは、私ども会員でありまする二百三十八都市のうち大部分がそういつた状況に置かれておるのでございます。これを国家消防庁でお示しになりました都道府県知事宛に勧告されました、都市における常設消防力の設置基準というものと、現有のそういつたような貧弱な消防力とを比較対象いたしまするというと、その表は多分お手許に差上げてあると思うのでございまするが、これは私どものほうの会で調査いたした一応の調査でございまして、必ずしも正確なものではございませんが、大体における設置基準と現有消防力との間にどの程度の開きがあるかということがおおむね御了解頂けると思うのでございますが、そういつたような誠に貧弱な状態にあるのでございます。かような状態でございますので、どうしても国家の特別なる御援助を得なければ、到底私どもはこの消防の状態を一歩も改善することができない状態にございますので、先ほど日本消防協会御当局からも陳情がございましたと同様に、消防組織法第二十五条に、「市町村の消防に要する費用に対する補助金に関しては、法律でこれを定める。」とございます。今日まで単なる空文として書かれておりましたこの二十五条を活して頂きまして、これに基く新たな法律の御制定を願いまして、私どもをお助け頂きたい、かように念願してやまないものでございます。  私は東京の消防庁をやらして頂いておりまするので、若干この際東京の状態に触れて更に御説明を申上げたいと思うのでございますが、東京は他の中小都市に比較いたしますると、比較的消防力は或る程度充実して来ております。併しながら、御案内のように消防は人と機械と水と、それから通報施設、この四つのものが基礎をなしております。その中で消防の機械即ちポンプ車は、東京の状態を申上げまするというと、大体四百五十台ばかりのポンプ車が現在第一線で働いております。その四百五十台のポンプ車の中で、約八O%というものはポンプを作りましてからすでに十年乃至十年以上を経過した老朽車か乃至はまさに老朽に入らんとしている状態でございます。ポンプの命数というのは大体十年とされております。その東京で持つておりまする四百五十台のうち八○%というものがすでに十年になんなんとし、或いは十年を経過しておる、僅か二〇%の台数のみが比較的働き得る台数である、こういつたような状態でございます。かように考えて参りますると、仮に四百五十台のものがすべて働き得る車であると仮定いたしましても、その一割の四十五台というものは年々新らしいものと更新して行かなければ東京の消防力の一つを受持つておりまする機械の面が年々弱体化して行くということになるのでございますが、ところで一体東京都の予算を以てどれだけのポンプ車を年年再新しておるかと申しまするというと、二十六年におきましては二十台、本年度におきましても同様僅か二十台でございまして、即ち更新すべき必要な四十五台のうち、その半分にも満たない台数しが新らしく更新することができないというような状態でございます。而も先ほど申上げましたように、すでに四百五十台のうち八〇%というものが十年になんなんとし、或いは十年を経過しておるという状態でございます。で、東京におけるポンプ車の状態を本当に安心し得る状態に持つて行きますためには、少くともここ三、四年、五年の間に相当台数のポンプ車を更新して行かなければならんという現状にあるのでございます。  次に水利の状態について申上げますると、水道の状態というものは、これもすでに十分御案内のように、平均の水圧が僅か十ポンド以下でございまして、最高のところで約三十ポンド、最低のところはゼロ・ポンドでございます。朝或いは夜間常時断水している地域が東京の都心部にも相当の面積に亙つて占められているのでございまして、一つの消火栓の系統にポンプ車一台、漸く水利部所ができるかどうかというような状態にあるのでありまして、誠に水利の点から申しまして非常な憂うべき状態にあるのでございます。かように考えてみますると、どうしてもいわゆる貯水槽というものに相当頼つて行かなければならない状態でございまして、その貯水槽たるや、二十六年度以来公共事業費によりまする国庫の三分の一の御補助を得まして、全国的に若干の貯水槽の設置を認めて頂いておるのでございまするが、これ又二十六年度におきましては僅かに全国五千万円の補助、二十七年度におきましてはお蔭様を以ちましてその倍額の一億円の補助を頂いて設置して参つておるのでございまするが、これを個数になおしますると、二十六年度におきましては全国僅か六百個、二十七年におきましては僅か一千個の貯水槽しかできないのでございまして、この広い東京二十三区の範囲内の数字を挙げてみますると、二十六年におきましては僅か四十八個、二十七年におきましては僅か八十五個、四十八個や八十五個の貯水槽をこの広い二十三区の東京の中にばら撒きましても果してどこに造たのか人目にもつかないというような状況であるのでございまして、かような点におきましても、水利の増強という面におきましても国家の特別な御援助というものが、今後単に東京のみならず、全国各市町村に亙りまして必要な状況にあるわけでございます。  次に人の問題でございますが、人員の増加ということはこれは我々が防禦すべき地域内の人口戸数の増加に応じまして、ポンプ車も殖やさなければならん、従つて人も殖やさなきやならんという状況にあるのでございますが、これは現在の国家財政或いは地方財政の状態からいたしまして、我々消防人としてはこの増強を念願すること切なるものがあるのではございまするが、この財政の現状をみまするときに、今暫く辛抱に辛抱を重ねなければならないのではないかという工合に観念をいたして、人員の増加については暫く辛抱いたしたいと存じておるものでございます。  次に第四の通信の施設でございまするが、これは東京の例を以て申上げますると、我々消防担当者といたしましては、火災が発生いたしましたときに、その発生の通知を受けて初めて我々は火災を確知し、そうして現場に駈けつけることができるのでございますが、その火災の発生を確知する方法は、御案内のように望楼から発見するもの、一一九番の報知電話で知らされるもの、次には火災報知機によつて知らされるもの、その他駈けつけ等もございますが、大体望楼発見、一一九番の報知電話、火災報知機、この三つが主体をなしております。ところで火災一件当りの焼失坪数の比較をみますると、これは大体の数字で正確なものではございませんが、望楼発見によりまするものは三十五坪ほど焼いております。一一九番によりまするものは十七坪ほど焼いております。火災報知機によりまするものは五坪程度の焼失で食いとめております。ということは、要するに早く知れば知るほど早く駈けつけることができ、損害を少なからしめることができるという平凡な常識論でございます。ところで東京の二十三区内の状況を申上げますると、火災報知機の数は僅か一千機足らずでございます。これの理想的な設置基準から申しますると、大体東京のような家屋のれんたんした所におきましては、人口一千名について一機の火災報知機を必要とされております。二十三区内六百万の人口といたしまする場合には約六千機の火災報知機を必要とするのでございますが、現在におきましては遺憾ながらその六分の一の一千機にも足りないような状況でございます。かようにして万一六千機の火災報知機というものが東京市内に蜘蛛の巣のごとくに設置されました暁におきましては、先ほど申上げましたようなごとく、一件当りの焼失坪数というものは今日以上に遙かに減少し得るということは私ども確信を以て申上げられるところでございますがこの設置も遺憾ながら現在の地方財政の状態を以てしては独自では到底果し得ないところでございまして、かような面につきましても、国家の特別な御援助を私どもは待望いたしておるものでございます。これは単に東京だけの問題でなく、日本全国各市町村の要望してやまないところでございます。現在日本の都市で火災報知機がやや完備しておると見られておる都市は、栃木県の足利市と北海道の函館、この二市が殆んど完備しておりますが、その他の都市におきましては殆んど見るべきものがないような状況でございまして、これが国家の特別な御援助によりまして各都市にこの火災報知機の網が張りめぐらされましたときには、日本全国の都市における火災の損失というものは遙かに私は下廻つて来るものと考えておる次第でございます。  次に、特にこれは東京に特殊なことでございますが、東京の今の二十三区内の建物坪数は、これは概略の坪数で、或いは若干違つておるかと思いますが、一千八百万坪でございます。そのうち約二割、三百万坪、これも正確な坪数ではございませんで、大体の私どもの目算用でございますが、二割弱に当りまする三百万坪が官公庁の建物によつて占められておる坪数でございます。この官公庁によつて占められておりまする建物に対して我々東京都が払つておりまする消防警備力というものも、これは相当な比率を占めておるのでございまして、かような特殊な東京の事情からいたしましても、国家におかれまして相当東京の消防力の強化並びに維持につきましては、御考慮を頂いてもよいのではなかろうかということを私ども痛感いたしておるような次第でございます。  以上、甚だ前後とりとめもなく申上げましたが、これを結論的に申上げまするならば、我々全国の都市消防といたしましては、一日も早い国家の格別の御援助のお救いの手を首を長くして切望いたしておるという状況でございます。何とぞ私どもの衷情をお汲み取り頂きまして、格別の御配慮を頂きたいと存じまして陳情申上げた次第でございます。よろしくお願いいたします。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 只今お二人から陳情がありましたが、これに対しまして政府側としてどのような見解を持たれておるか、説明を願いたいと思います。先ず国家公安委員長の青木均一君。

青木均一国家公安委員会委員長

○政府委員(青木均一君) 私青木であります。只今陳情の趣き、甚だ御尤もと伺いました。御承知の通り、直接物を生産するために金を入れるということは、非常にその効果は明らかでわかります。或いは直接でなくても道路、港湾等の建設等は非常にその効果が明らかでありますが、逆に常に或る損害が出る、その損害を何とか予防したいというような意味合いで支出を要求するときにはどうしても一般の関心が少いのであります。我々の持つております調査による数字によりますと、毎年の火災の損害は二百億、大体二、三百億に達しております。本年のごときはすでに半年で三百億を超過しております。これを、評価の問題がありますが、これを正確に時価で考えてみますと、恐らくこの三倍くらいの損害があるのじやないかと言われております。そうしますと、恐らく年間六、七百億の火災による損害を毎年出しておる。これを逆にそれだけの蓄積をするとしましたら非常なむずかしい大変な問題であることはもう明らかなことであります。そういう火災が殆んど毎年継続いたして災害が発生しております。これに対して一番対処する方法は何かというと、消院力であります。卑近な話ですが、私ども知つている話で、東京は昔大火が随分ありました。最近におきましては東京の消防力というものは非常に充実して参りまして、まあ全国で代表的に相当充実して参りましたために、早くこれを消してしまうために大火がなくなりました。従つて保険金なんかにつきましても、大都市の保険金の負担は全国的に料率を一件にしてはいけないのではないかというような議論が出たりしておることは皆様御承知の通りでありますが、さように消防力が充実いたしますと、確かに消火する力が増してこれを未然に防ぐことができているのであります。現在の火災の大部分は内容を見ますと、只今お話がありましたように中小都市における火災が非常に大きな損害の率を示しております。でありますから、結局中小都市が消防力を持たない、その持たない理由は只今お話がありましたように、確かに地方財政がまだ確立していない、それに対して非常に大きな負担が消防の方面に向つ来ておるということは確かに我々その通りであると認めております。勿論地方自治体の建前としまして、自分のところの仕事のことは自分で処理すべきが当然でありましようが、併しながら自治体に財政を全画的に与えられまして、自分で処理するように仕向けられました今日、特にこの消防をいきなり切離しまして独立させまして、そうして設備その他において万全を直ちに期せよということは今の自治体の力としまして我々から見まして甚だ無理であろうと考えております。従いまして、何らかの形で適当にこれを国家において見てやる、例えば直接補助費を出す、或いは起債を適当な枠で認めてやるような方法を講ずるとか、何かさようなことをしまして、先ず立ち上りをここ当分援助してやつてそうして火災の発生を防ぐ。恐らくそうすることができれば比較的金額的に小さいとは申上げにくいかも知れませんが、併しこの災害の金額に比較しましたら、相当小さい金額で或る一定年限を過ぎましたならば、現在の災害を半分とか或いは三分の一に軽減する見込みが立つのじやないか国家としましては相当大きな利益をそこから受けるのではないかと我々は考えております。でき得れば適当な立法措置その他において或る程度地方財政を援助する方法を講じられれば、消防につきましては非常にこれは工合がいいのじやないかと存じております。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 次に国会消防本部長滝野好暁君。

滝野好暁国家消防本部本部長

○説明員(滝野好暁君) 先ほどから日本消防協会及び全国都市消防長連絡協議会代表者のかたからつぶさに地方における消防現状につきまして痛切な御陳情がございまして、全国の自治体消防のお世話、御援助を担当いたしております国家消防本部の当局といたしましても、御要望の向きは御尤もであると存ずるのであります。お手許に消防財政資料というものを御参考までにお配りしてあるのでございますが、非常に細かく数字を申上げるのも何でございますが、一通りのことを申上げますと、先ず消防施設の内で一番直接的に必要とする消防機械、消防ポンプ自動車の点でございますが、ここにございますように、全国の市町村で持つておる現有台数は一万六千余りの台数を持つておるのでございます。それに対しまして、昭和二十三年に国家消防庁から最小限度市町村において保有すべき、言葉を換えて言えば先ず一応の消防の責任を果し得ると思われる保有すべき台数として示しました常設消防力の基準、並びに本年この消防団につきましてそれを示しました消防団の設備及び運営基準という二つの基準からはじき出しますと、ここにございますように二万六千余の台数を先ず必要とするのでございます。然りといたしますと、それに更に考慮すべき問題としてここにございます平衡交付金によるもの、これは平衡交付金法によりまして市町村の基準財財需要として消防に必要とする財政需要の中に極く微弱でございますけれども、若干のポンプの更新として購入すべき費用を見て頂いておる分を考慮し、更に現有の台数からどんどんすでにもう腐朽しておるのが随分ございますけれども、老朽して参る部分を計算いたしまして、結論といたしまして、ここにございますように、一応国として補助の対象として考えるべきものは一応一万百八台数にも及んでおるのでございます。然りといたしますと、大体一台二百万円といたしますと、ここにございますように二百億余りになるわけでございまして、その半額補助を想定いたしましても百億の金は何とか国庫で見てやれば、ここにございますように、一応五カ年計画といたしましても、年々五ヵ年間二十億余りの補助をポンプに必要とすると思われるのでございます。ポンプの種類は御承知おき頂いておるように、いろいろたくさんございますけれども、それは私たちのほうでその消火能力等からはじき出しまして、全部ここにはポンプ自動車に換算しております。  それから次に、先ほど来御説明がありましたように、消防の最も早く知る方法といたしまして火災報知機を特に都市方面では必要とするのでありますが、差当り人口十万以上の都市に整備、完備をいたしますれば、密集地におきましては人口千人につきまして一台は必要とすると、これは外国の例或いは日本の現状から申しまして、技術的に結論が出ておるわけでございますが、人口千人に大体一台の計算ではじき出しますとかような状況になつておるのでございます。即ち基準によりますれば、発信機が一万八千台、受信機が四百五十一機、それに対しまして現在持つておりまするものがここに書いてございますように非常に僅かなもので、それを差引きましてこの単価を一応現状を見ますというと、これに対しましても一応半額を補助いたしまして、五カ年計画といたしまして年間十四億二千八十万円というふうなものが差当り必要となる。  その次には、第十三国会におきまして、国会におかれまして改正して頂きました消防組織法によりますと、一応都道府県は原則的に消防の訓練機関を設置する義務があることになつておりまするが、ここにございますように現在あります府県が十九府県、未設置の所が二十七府県に対しまして、必要とする一応の設備をさせますというと、一県あたり二千百万余りになるのでございますが、それを全部一応半額見るといたしまして、補助額が年々九千六百八十四万円余りになるのでございます。現在公共事業費におきまして僅かでございますが、都市計画事業の一端といたしまして昭和二十六年度から継続して僅かばかり市町村に対しまして貯水槽の設置補助をいたしておりまするが、その実施計画から見ますというと、必要とするもの、更に御要望のあるものを想定いたしますと、総計三万三千五十七個も必要とするのでございますが、現状から見ますと、余り全国的に見ますと大した設置を見ておらないのであります。昭和二十六年度におきまして六百三個、昭和二十七年度におきまして千個という程度しかまだ補助いたしておりません。これも補助率も非常に低くて三分の一の補助でございますがこれでも僅かばかりではございますけれども、各設置しました都市におきましては非常に成績を挙げ、火災の場合に有効な実績を挙げておるのでございまして、ポンプと併せましてこの貯水槽の設置は何よりも急務であると存ずるのでございます。それをこれは余りに大きな計画になりますので、十ヶ年に振当ますと、年々三億一千余万円のものを国庫で而もこれは三分の一の率でございますが、なるのでございます。さように差当り必要といたしますものを見ましても、そういう私のほうで一応計画として載せましたものを見ましても、二十数億円のものを一応見てやれば、数年の間にはまずまず市町村の消防がその郷土の防衛に一応の責任を果せる段階に到達できるというふうに私たちのほうでは見ておるのでございます。消防組織法第二十五条の場合は、先ほども出ましたけれども、これは消防に対しまして補助金を政府が交付するということを一応暗示、或いは示唆しておる内容を持つておるのでございます。又一つには二十五条に基く助成法と申しますか、或いは促進法とでも申しますか、そういう法律がありませねば、消防に直接に要る費用といたしましては、政府は補助できないようなことにもなつております。かたがた以ちまして、かねてから第二十五条の法文ができまして以来五年にも亙るのでありまして、地方の消防当局は熱願いたしております。我我政府の事務当局といたしましても、あらゆる努力をして何とか形を成そうと努力して来ましたけれども、国庫財政その他の事情で今日まだ至つておりません。もとより地方の消防財源といたしましては一般的なものといたしましては、税制を基礎にいたしまして市町村の一般歳入で以て賄うべきことになつております。その基礎といたしましては、消防運用上必要とする基準財政需要額というものを御当局ではじいて平衡交付金のほうの基礎になつておりますけれども、これ又非常に微弱なものでございまして、どちらかと申しますれば、過去の実績等からそういう一つの結論が出ておりますので、ましてや経常費以外の投資的な分野に亙りまするポンプとか、或いは通信施設とか、或いは貯水槽というふうなものは到底市町村の必要とする基準財政需要額に十分織込んでない現状でございます。その上この末尾にも附加えてございますけれども、地方財政法第三十三条によりまして、年々消防の投資的なものに、臨時的な費用に対しまして起債を認めて頂いておりまするけれども、御覧おき頂きますように、要求額は数十億の巨額に達するのでございますけれども、そのうち僅かに四、五%程度、多くて八、九%程度のものを認めて来て頂いておるのでございます。到底この程度の起債或いは先ほど申しました平衡交付金の基礎となつておる基準財政需要額等では、私たちが存念しておる日本の消防力の早急な充足にはとても間に合い切れないと存ずるのでございます。  本年の損害額を現在まで見ますというと、十月までを累計いたしましても火災件数が一万八千余件、損害額はすでに三百五十数億に及んでおります。先般来又小倉の繁華街におきまして、大きなデパートが全焼いたします等、一つの火災におきまして、三億、四億の大損害を出しておる現状でございますので、恐らくこの年末までには四百億を突破するのではないかとまで推定されるのでございます。かような趣旨におきまして、折角消防組織法の趣旨もございますので、国会におかれましても意のあるところを御了承を頂きまして、法案等の問題につきまして御配慮頂ければ、非常に有難いという見解を持つておる次第でございます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 次に自治庁の意見といたしまして、自治庁の財政部長武岡憲一君の説明を求めます

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 自治庁といたしまして、簡単に意見を申上げたいと思います。  御陳情の御趣旨は誠に御尤もであると存じます。今日消防に要しまする諸経費は、殊に市町村の財政にとりまして相当な負担となつておりますことは御指摘の通りでございまして、自治庁といたしましても、その職務でございまする地方財政平衡交付金の配分におきまして、又地方債の承認におきまして、今日の法律の範囲内で、又与えられております予算、いわゆる地方債の枠の範囲内におきまして、できる限りのことは努めて参つて来ておるつもりでございます。若干数字について申上げましても、例えば平衡交付金の配分に関しましては、基準財政需要額の算定におきまして、昭和二十五年度におきましては消防関係大体七十五億程度の基準財政需要額でございましたが、二十六年度には八十三億、二十七年度の仮決定におきましては九十六億、今回の補正予算によりまして予算の追加を頂くといたしますれば、恐らく百億以上の基準財政需要額を算入することができると考えておるのでございます。又起債の承認に関しましては、昨昭和二十六年度におきましては、一般単独事業分といたしまして二億九千九百万円程度の承認をいたしたのでございまするが、今年度におきましては、公共事業分といたしまして約三千三百万、単独事業分といたしまして約三億二千万程度の承認をいたしておりまして、極く微々たるものではございまするが、若干ずつ増加はいたして来ておると思うのでございます。尤もこれらの数字は、各市町村におきまして消防関係のために必要であるとおつしやつておられまする数字に比べますと、誠に些細なものでございまして、特に取出して申上げるのも恥しいようなものでございますが、現在の地方財政全体の窮状にありますることは御承知の通りでありまして、そこらのところは一つ御賢察を願いたいと思うのでございます。なお今後におきましても、地方財政全体の事情の許します限りにおきまして、これらの消防関係の諸経費につきましてもできるだけ適正な財源の配分をいたすようにしたい、かように考えておる次第でございます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 次に大蔵省側の意見といたして、大蔵省主計官小熊清君説明を求めます。

小熊清大蔵省主計局主計官

○説明員(小熊清君) 市町村の消防施設を強化するために従来の平衡交付金並びに起債等の措置のほかに、国庫から補助金を交付されたいという点であつたと思うのでありますが、明年度の予算につきましては、まだ全般的に検討の段階にございまして、何らの結論に達しておりません。従いまして、この市町村の消防施設の強化に関する補助金につきましても、なお慎重に検討いたしまして処置いたしたいと、かように考えております。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 今日は主計局長が予算委員会の都合で出席できない関係もありますが、只今までの政府側の意見並びに陳情の御両人に対して委員のかたがたから御質疑がありましたら、この際御質疑を願いたいと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 主計局長の出席のないのは誠に遺憾でありますが、そうであればあるなりに、主計官の只今の説明も懇切であるべきはずだと考える。誠に簡単な話で、要点が聴取れなかつたので重ねてお尋ねしますが、只今までの地方市町村における消防経費について十分であると大蔵省は考えておるのかどうか、端的にお話願いたい。  それから只今陳情になりました点に関して、国家消防庁から、同じ政府機関から出ておる資料として消防財政資料があります。その説明で合計二十億二千二百万円ばかりの継続予算を必要とする意見が表明せられておるのでありますが、これについて大蔵省側としては、国家消防庁からの連絡があつて検討を加えたことがあるかどうか、先ずこの二点から伺いたい。

小熊清大蔵省主計局主計官

○説明員(小熊清君) 現在の市町村の消防の経費につきましては、地方財政平衡交付金という形におきまして、一般財源として交付されております。その中で地方自治体の固有の財源と併せまして措置されておると思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それはわかつておる。それで十分か……。

小熊清大蔵省主計局主計官

○説明員(小熊清君) 現在の平衡交付金の総額の範囲内でほかの各種の経費と睨み合せて配分されてやつておることと思つております。それがほかの全体の経費との関係から、全体が十分満足されておるかどうかということは、平衡交付金の総額、或いは起債の総額というものを御審議願つた上で、御決定願つたその中で配分することになると思います。  第二点の、先般消防本部長から御説明のありました市町村の消防施設の現況、それから大体二十億程度のものを数カ年継続すれば或る程度の基準に達するというお話は、消防本部のほうから承わつております。それにつきまして只今検討を加えておる次第であります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 只今の第一点の質問に対しては、それは答弁ではなくて、説明があつた、こういうふうに措置しておるという説明だけであつて、そのことで地方財政の一般の需要の関係と睨み合せて消防関係の財政需要というものを現実に地方ではじき出しておるものが、これは消防を設置しておる目的から見て十分であるかどうかという答弁にはなつておらん。大蔵省は金をただぶつた切つたり殖やしたり、そういうことをすればよいということではなくて、それぞれの行政費が妥当である」とを望んで、平衡交付金の問題であろうが、起債の問題であろうが考えるべき筋合いだろうと思う。そういう点において現状の全国市町村における消防費用というものが妥当であるかどうかということについて見解を持つておられるかどうか、こう聞いておるのです。お答え願いたい。

小熊清大蔵省主計局主計官

○説明員(小熊清君) 平衡交付金の配分につきましては、自治庁にその権限がございますので、大蔵省といたしましては、どこの市町村には幾らの消防の経費が配分されておるかということは、そこまで及んでおらないという現状でございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 平衡交付金の関係の法律で、消防関係の単位費用等をきめる、それは自治庁の所管である、そういうことは我々承知しておる。そういうことを聞いておるのではない。又平衡交付金だけで地方の消防費用が賄えるものでもない。それでいろいろの金を積み重ねて現在消防の施設の強化に充てておる。その現状をあんたのほうでさまざまな形で把握しておるかどうかということを聞いておる。今のように知らないというなら知らないで結構である。そこでもつと質問したいことがあるが、留保しておきまして、自治庁側のほうにお尋ねします。  只今御説明がありましたが、消防関係の平衡交付金が二十五年度から見れば二十七年度は逐年増加しておる、これはわかる。増加したのは単位費用が殖えて増加したという部分が多いのか、人口増のために自動的にそろばんを弾いた結果が殖えて来たのが多いのか、この点を明らかにしてもらいたい。  それから今回補正予算において、平衡交付金が増になるに当つては、消防関係の総額も平衡交付金総額も増になるんだというお話でありましたが、それを計数的に御説明願いたい。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 平衡交付金の配分の基礎になりまする基準財政需要額の算定におきまして、逐年計数的に殖えておるということは只今申上げたのでございますが、その内容といたしましては、勿論御承知の通り本年から、本年は昨年に比べまして測定単位を変えまして、そういう関係で殖えて来た関係もございます。勿論全体的に平衡交付金の総額が、これは地方財政計画上、地方の財政需要というものが伸びて来ました関係上、平衡交付金の額も御承知のように年々伸びて参つておりまして、そういう関係もありまして、消防費の需要額というものも伸びて参つておるのでございます。  それから今回の補正予算によりまして、消防関係の経費が殖えるかどうかという御質問でございまするが、勿論殖えるのでございまして、仮決定におきまして、即ち当初の平衡交付金の総額一千二百五十億円というのを基にいたしまして算定いたしました消防費の基準財政需要額は約九十六億円でございましたが、今回の補正予算によりまして、これはまだ御審議中でありまして決定を頂いておりませんが、仮に政府原案で提出いたしました額で以て計算いたしますれば、大体六億程度殖えるのではないかと、かように考えます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 平衡交付金のほうが殖えれば、地方の基準財政需要額が殖えるというのはどういうわけですか。いわゆる九十六億の基準財政需要額ですね、今回平衡交付金としての補正予算が殖えるから六億程度基準財政需要額が殖えるというのはどういうわけですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) ちよつと説明の言葉が不十分でございましたが、基準財政需要額が約六億ばかり殖えまするので、その結果算定いたしますると、今回予算として計上いたしておりまする平衡交付金の総額が殖えて参るわけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 そうすると、今度の補正予算で自治庁が要求された平衡交付金の増、その経費増の中には消防関係が六億殖えるんだということで入つておる、こういうことでございますか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) さようでございます。基準財政需要額の算定をいたしますると、消防関係では約六億ばかり殖えまするし、それに伴いまして、そのほかなお各行政項目ごとにやはり同じように基準財政需要額の算定が殖えて参つておりまして、これは前に地方財政計画の御説明で申上げたと思うのでございますが、その他の各財政需要額の増、それから一方における収入の増減等々を差引きまして、結局平衡交付金は二百億必要である、こういうことで予算を提出しているわけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 消防関係の基準財政需要の単位費用は人口一人当りで百三十五円何がしというものを固定しておいて、そうして今回基準財政需要が六億殖えるというのは、その理由は何ですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 単位費用につきましては、御承知の通り去る十三国会におきまして法定をしておるわけでございますが、今回ベース・アツプその他によりまして需要額を殖やさなければなりませんので、従つて平衡交付金も単位費用を増額しなければなりませんので、その増額に関する法律改正案は追つて本国会に提案をいたしまして、御審議を頂くようになつております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 ではこの単位費用はどういう金額になる見込で六億殖える、こういうことになるのですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 単位費用は消防関係の費用のみならず、その他の各測定単位につきまして、今度は殆んど全部でございますが、全面的に算定替えをいたしまして、みんな増額をいたすことに相成つているわけであります。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで今のところはまだ計数ははつきりしないのですか。積算の基礎がはつきりしないで六億出るという結論だけが出ているのはどういうわけですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 積算の基礎になります単位費用の改正の法律案は別途に提出いたしておりまして、消防関係の経費について申上げますと、現在の現行の法律で規定をして頂きました単位費用が百三十五円四十三銭になつておりますが、今回これを百四十二円二十銭に引上げようという法律改正案を提出しようとしております。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 次に起債のほうをお伺いしますが、二十七年度の起債が消防関係で市町村合せて七十五億、そのうち承認額が三億二千三百万程度、総体として充当率が四・三%で年々経過している実情だということで、これは昨年来当委員会でも各種の陳情も受け、又自治庁の意見を聞いた点ですが、本年の起債を承認して行く、或いは査定をして行くということになりますか、その方針として消防関係或いは警察関係をどういうふうに基本的な原則を自治庁としてお建てになつたのか。お建てになつておるならば、その内容はどういうものであるのか、お伺いしたい。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 本年度の起債の詮議に当りまして、自治庁として作りましたいわゆる起債の詮議方針でございますが、消防関係のものといたしましては、大体次のような方針で以ていたしたのであります。第一は当該地方団体の人口、地理的な条件等から見まして、その消防ポンプの保有台数が非常に過少であると認められる場合における消防ポンプの購入、及び現有ポンプが購入後十年を越えて更新しなければならんというようなものについて先ず優先的に見る。その次には火災報知機及び車庫というものについての御要求も非常に大きいのでございますが、全体的に起債の枠が非常に制限されている関係もございますので、これらについては特に緊急事情として止むを得ないものについて考慮する。それからこういうような詮議については市でありますとか、或いはその他の交通事情を考慮いたしまして特に必要であるというような地域のものを優先をする、大体こういうような考え方で似て詮議をいたしたのでございます。  もう一つ申上げますが、これはいわゆる単独事業として消防関係の諸経費、一口に申しますると、大体消防ポンプを中心に見るというような詮議をいたしたのでございます。なお、本年におきましては、そのほか公共事業分といたしまして、防火貯水槽、これに補助の出ましたものの地方負担分、これを公共事業分として見たわけでございます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで前以て総体の枠をおきめになつたのですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 別に特に消防関係で幾らというようには枠を作つておりません。大体の起債の配分計画におきましては、公共事業が幾ら或いは一般単独事業がどれくらいというようなおよその目安はついておりまするが、その中で特に消防関係を幾らというふうな枠を作つてはおりません。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 今の単独事業分の火災報知機、その他の緊急止むを得ざるもので都市の部面にこれを許可した金額は大体幾らでございますか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) ちよつと今その内容についての具体的な数字を持ち合せませんが、大体は消防ポンプの購入又は更新に要するものでございまして、そのほかに車庫、それから庁舎関係のものが極く僅か一、二件あつたかと記憶いたしております。若し何でございましたら具体的なものは調査の上で……。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで車庫、庁舎の関係等で私たち地方へ調査に参りますると、余りに一部分にだけ許可せられておる。それで必要度、緊急度というものが客観的に地方側としては比較対照した場合に捕捉できない。それでやはり政治力の強いところには起債も許可されたのではないかという疑念を抱いている、非常に納得しがたいという意向を持つておる地方公共団体が多かつたのですが、この点は一部分の問題ですから止むを得ないことでありましようが、そういう点も相当やはり枠として固定しておいて、公正なバランスの上で起債を許可するということが望ましいのではないかと私たち見て参つたのであります。  次に、この公共事業関係の先ほどの水槽関係で補助金の出たものに対して、地方側の持出分を地方債で賄う部分があるというのは総額でどのくらいの割合で地方債を認めたのですか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) いわゆる公共事業分として本年度承認をいたしましたものは、具体的に申上げますると三千三百万くらいになつておるわけでございます。これをその地方の負担分との比率を見ますると、大体一割六分くらいに当つておるかと思います。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 それで本問題に戻りましてお尋ねしますが、先ほど部長は、陳情は尤もであるというお話がありましたが、そうすると結局平衡交付金としても百四十四円なにがしに増、或いは起債等は三億二千万程度、これらではとうていやつて行けないのだ、どうしても平衡交付金の増なり起債の増なり、或いは直接いわゆる消防組織法の二十五条による補助金制度でも確立しなければ自治庁としても困る、こういう結論になると考えるのですが、そう了承してようございますか。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 先にも申しましたように、私どもは現在の予算額なり、又起債として承認し得る限度がございまして、その範囲内で万全を尽したつもりでおるわけでございます。併しながらこれらの金額は実際地方で消防を整備し、強化するために必要だとおつしやつておられる数字から見ますれば、誠に微々たるものでございまして、まあ消防本部あたりの御意見といたしましても、できるだけこれはもつと充実する必要があるというような御意見もかねがね伺つておるのでございまして、これは結局のところ地方財政全体の問題になつて来るかと思いまするが、消防関係のものといたしましても、これだけで今日の消防を維持し強化するのに十分だとは考えておりません。むしろこれにもつと総体的に財源を賦与する方法が考えられるならば、そのほうが結構であろうとは考えます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) ちよつと小笠原君に申上げます。平衡交付金の単位費用の二十七年度特例に関する法律案というのは、目下提出準備中でありますから、その節改めてこの問題を検討して頂きたいと思います。他に質疑はございませんか。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 私は平衡交付金のことを突いているのではない。続けて質問いたしますが、そうすると、自治庁としては平衡交付金としてのお見通しから言つて、幾許かは殖えても限度はある、起債もその他の各種の単独事業等があるので、消防関係にだけこの陳情の通り現在の推移からして来年度等においてもまるまる見て行くということはこれは不可能である、これはお考えになるだろうと思う。これは誰が考えてもその通りなんです。そこで結局は平衡交付金なり地方債なりとは別枠に公共事業費として防火水槽の整備のためにも三分の一の補助金が或る程度出るという途が開かれたと同様に、一般的に消防組織法による補助金制度を単独立法化して別枠の財政支出を必要とするということについてはどういう御意見であるか、伺いたい。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) これは政府として国家財政との関係もございましようから、ただ補助金を殖やすということだけがいいかどうかということを私がここで申上げることは、なかなか困難だと思うのでございますが、地方の実情等から申しますれば、これは財源は豊富に与えられることが結構だとは思います。それから殊に補助金ということになりますと、当然それに伴いまして地方の負担が殖えて参ることでございますから、そのほうの手当をどうするかということも併せて考えて参らなければなりませんので、それらのところを一つ睨み合せて適当な措置を考えなければならんのではないか、かように考えます。

小笠原二三男日本社会党(第四控室・左)

○小笠原二三男君 時間になつたようでありますから、途中で残念でありますけれども、この程度で私は打切りますが、従つて今の自治庁側の発言から大蔵省のほうにもつとお尋ねしたい点があるわけですけれども、一切それらは保留しておきます。

西郷吉之助緑風会

○西郷吉之助君 消防問題は今日時間がなくて十分やれませんでしたが、殊に大蔵省から局長も来てない程度で、わけのわからん主計官だけでは非常に審議を進めることができんので、もう一度地方行政委員会で消防の点を論議したいと思うのですが、その点次には大蔵省からはつきりもののわかつた、少くとも局長を呼んで頂いて、大臣でもいいですが、わけのわからない主計官では問題にならん。その点を委員長に要望しておきます。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 消防関係の問題はまだたくさん質疑が残つておりますから、次回にできるだけ早い機会にもう一度開催したいと思います。

中田吉雄日本社会党(第四控室・左)

○中田吉雄君 武岡部長にお願いしておきますが、この平衡交付金法の第十二条で、測定単位と単位費用で計算してそれぞれの消防関係の基準財政需用が出るわけですが、私は地方財政が窮迫していますために、火災というようないつ起るかも知れないというようなことに、十分備えてないという点で基準財政需要額を使わないのではないか。財政窮乏から……、そこにです、非常に大きな問題があるのじやないかと思うのです。不時のために備えておかねばいけないが、あなたのほう或いは大蔵省との折衝から平衡交付金が十分でないために、まあいつ起るかもしれない火災のために使わないのではないか、ということが予想されるのですが、その人口数に単位費用をかけて、各公共団体の標準の財政需要を出して現実に支給している額のズレですね。多いとか少ないとかいうような一つ判断をいたしてみたいと思いますで、私やはり鳥取ですが、鳥取の火災だけを見ても単位費用に人口をかけて計算して、その額を使つておれば、かなりの消防施設ができているはずで、それができないということは、やはり一般の財政事情が非常に窮迫しているために、まあいつ起るか、十年に一ぺんか、三十年に一ぺんか、それに備えないために全国的に数百億の国富が烏有に帰するのではないかというふうに考えますので、一つその計算をして、各公共団体のズレですね。それを一つ比較してみたいと思いますが、その資料をお願いたします。

武岡憲一自治庁財政部長

○政府委員(武岡憲一君) 承知いたしました。

油井賢太郎民主クラブ

○委員長(油井賢太郎君) 本日はこれを以て散会いたします。    午後零時十二分散会

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