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15回国会参議院1953/03/07

大蔵委員会 第30号

発言数
55
登壇者
7
会派数
3
開催日
1953/03/07

会議録

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それでは只今から委員会を開きます。  本日は社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質疑を行います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案が当委員会に付託されまして審議を始めましたところ、たまたま最近国会の周辺に富士山の払下げ反対というようなビラを散見いたしまして、いろいろ陳情が参りました。これは観光業者等が冨士山を払下げて、あの辺で観光ホテルでもこしらえるというような運動をしておるからこれに対する妨害運動であろう。でこの裏には利権でも含んでいるのじやないかというので、私たちもちよつとその陳情書等を読んでみました。ところがこの法律案と非常に関係がございまして、実は大蔵省の中に諮問委員会があつて、社寺等に無償で貸し付けてあるところの国有財産を処分することについて大蔵大臣に意見を具申することになつたとありますが、その委員会におきまして、第一回目には、冨士山の頂上の国有財産処分については、浅間神社の奥宮の本当に必要な分だけ、金明水であるとか或いは銀明水であるとかいうような必要な部分だけ六万坪ぐらいは奥宮の所有地として国有財産を払下げてもいい、払下げるべきであるという答申をした。ところがこれに対して奥宮のほうから更に訴願がなされて、そして八合目以上の全土地を浅間神社の奥宮に払下げてもらいたいと、こういう訴願がなされた。そこで再審議の結果、前の答申を覆えして、そうして八合目以上を全部奥宮のほうに払下げるべきであるという答申を出した。そうして数日後には大蔵省の機構整理の法律の発効に伴つて当該委員会が解散をしてしまつた。こういう経緯がありまして、その解散した委員会が未だに法律の中には生きているからそれを削除しようというのが今回の改正法律案なのであります。そこでもう答申を出してしまつて解散をしてしまつたから、今更異議の持つて行きようもない、こういうような状態において管財局長の答弁を聞いてみますると、法律的には、その委員会の答申に基いて大蔵大臣が裁定をして何らかの決定をする、どちらかの決定をするのであるが、法律的に言うならば、当該委員会の答申を尊重してやられることになるのじやないかと、こういうような答弁があつたのであります。そうすると八合目以上は奥宮さんの所有地に国有財産が払下げられることになるのでありますが、これに対して山梨県側のほうで非常な反対運動を起しておるのが、あの国会の前の富士山払下反対というようなビラになつたと思うのであります。そこでこれにつきましてはいろいろな意見もあるだろうと思いますが、私たち別に冨士山は国民の象徴だなんというようなことは毛頭考えていないのでありまして、併し景色のいい所であるからというぐらいに思つておる程度でありますが、僕個人としてはそう……、そこで今度又一方におきまして、この問題がこの委員会で質問をして、いろいろ覧が交わされているうちに、厚生省の国立公園の関係の審議会におきましては、大蔵省所管の国有財産を払下げるという委員会の答申とは逆に、これはやはり国有財産として存置すべきである、こういう審議会の意見を決定して厚生大臣のほうへ答申をした。従いまして厚生省所管の委員会におきましては、これは国有財産として残しておくべきである、あなたの所管のほうでは払下げる、同じ政府部内にこういう二つの答申がなされた。これが処理については一体大蔵大臣としてどういうふうに処理されるか。もう処理されなければならない段階に来ていると思うので、その処理をどうされるか、こういう点について一つお伺いしておきたいかように考えて御出席願つたわけであります。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 御質問の趣旨はよくわかります。冨士山頂の譲与の件でございますが、これは法律の趣旨並びに現在の世論等に鑑みまして慎重に検討をしておるのでございますが、そう慎重々々と言つてもいられないと思うのですが、もう暫らくやはり検討したいというふうに存じております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 重ねて念を押しておきたいと思うのでございますけれども、又私らと大臣とは全然考えが違つておると思いまするけれども、向井さんは長い間三井系統の会社でお育ちになつて、三井マンとしての一つの何を持つているようであります。存外三井さんは昔、中上川彦次郎さんが本願寺の仏様でも差押えられれば差押えようというような、腕を揮うときには揮われるという精神を持つているので、その精神を以てこれに当られるということになるといろいろな紛議をかもす、あれはそのまま放つておいても毒にも薬にもならんものを、殊更この法律を楯に処分を強行されるということになりますと、徒らに波紋を描くので、国有財産として残しておいて、あとで輿論も大体帰一したところで処分されても決して遅くはないと私らは思いますので、これに対しては一つ慎重な御処理を願いたいというふうに考えますから意見を申述べておきます。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記を始めて。

小宮山常吉緑風会

○小宮山常吉君 私は別に質問でも何でもないのですが、大略よくおわかりたと思いますし、この間三、四日前の新聞でも、大蔵省と厚生省で話合いができそうだという話を聞いておりますから、私も山梨とか静岡というようなことを考えておりません。私からいろいろ申すまでもない、冨士山は日本の富士山であつて、本当に国民の象徴であるという意味においてあれを一部の県に払下げるとか何とかいうようなことは無論ないと思いますが、一つこの点は大蔵大臣は是非厚生大臣とよく御相談下さつて、国民が大会までやつてあれに反対したということを是非十分お考え下さつて、国の冨士山として保存をして頂きたい。又国で是非あれをやつて頂きたいということをお願いして、私山梨の代表でも何でもございません、ただいろいろな意見を聞いたり、又この間大会へちよつと出ましたものですから、その意味で申上げたのです。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 大蔵大臣お帰りになりますから、重ねてもう一遍念を押しておきたいと思うのですが、未だ大蔵大臣としてはどちらに処分しようという肚もきまつおらないし、いろいろの情勢を眺めて、そう急いで処分をしようとは考えておられないわけですか。この点について念を押しておきたい。

向井忠晴大蔵大臣

○国務大臣(向井忠晴君) 肚はきまつておりません。それから先ほどのお話の本願寺征伐というふうな伝統があるということは間違いでございまして、私も又そういう思想は毛頭持つておりませんから、その点は一つ御承知を願いたいと思います。  それから急いでやるとか急がずにやるとかいう点については、御返事はいたしかねますが、厚生大臣とは相談をいたさなければならんというふうに考えております。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) それでは阪田管財局長と森本国立公園部長が見えておりますので、どうぞ御質疑をお続け願います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 厚生省の国立公園部長にお尋ねしたいと思いますが、あなたのほうの国立公園の審議会において冨士山頂は残しておけ、国有財産として存置すべきである、こういう答申を厚生大臣に向つてしたというような新聞記事が出ておつたのでありますが、これは事実ですか、どうですか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 一昨日だと思いますが、審議会がございまして、その際に今お話のように国有に残しておくのが適当であるというような意見書を出すことにきまりましたのです。これは別に厚生大臣が諮問したわけでもございませんが、事柄が相当重要であるというので、審議会のほうで自発的に会議を開かれまして……、これは審議会の権限として、関係の行政機関に重要事項について意見を述べるという規定がございますので、これに基いて意見を述べたわけであります。意見としてはやはり国有に残しておくのがよかろうというようなことでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると厚生省のほうでは、国立公園部並びに厚生省の意見としては、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律に基きまして、そうして大蔵省所管の委員会におきまして、これは八合目以上は奥宮に払下げるべきであるという意見を大蔵大臣に答申したということは、あなたのほうでも御存じでございますか。而も大蔵省のほうにおいてはそういう答申に副つて、一応これは委員会の意見ですから尊重しなければならん、法律的に言うたら事務当局としては尊重しなければならんので、その線に沿つて事務を進められておる。また大臣の決定までは恐らくは行つていないだろうけれども、私は事務当局としては、それに副つて事務を進めなければ法律の精神から考えて、局長はこれを握りつぶすというわけに行かんと思う。そういうふうに進んでおるということを御存じですか、どうですか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 社寺境内地処分中央審査会から意見の提出があつたということは聞いております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうしますとあなたのほうでは、これに対して厚生省としてはどういうお考えを持つておるか、国立公園部としてどういうお考えを持つておるか、その点について伺いたい。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 社寺境内地処分中央審査会の意見、或いは国立公園審議会の意見というのが先ほどお話になりましたが、これとは別に厚生省といたしましては昭和二十六年、日付は忘れましたが、その頃だと思いますが、この処分の問題が起りましたときに、一応厚生大臣から大蔵大臣に申出をしてございます。その趣旨は、冨士山頂の八合目以上は冨士山としても又国立公園としても極めて大事な所であるから、国立公園の行政の運営上としては、成るべくこれを国有に存置しておいて、公共福祉財産として取扱いを願うのが一番適当であろうと思う、こういう意見を出しております。従いまして厚生省の従来並びに現在までの意見はどうかと聞かれますと、今申上げました国有に存置しておかれるのが一番よいと思います。こういう意見を出しておるわけであります。但しこれが最後的決定につきましては、先ほど大蔵大臣からもお話がございましたように、大蔵大臣におかれましても厚生大臣と御相談をされまして、最後的には大蔵大臣の権限として御処分になるものと考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうして仮に厚生省の意見に反しまして、大蔵大臣が社寺境内地処分中央審査会の意見を尊重して、八合目以上を払下げる、こういう決定をしたといことになりましたならば、国立公園としてこれを管理する上において不便があるかどうか、この点についてお伺いしたい。その及ぼす影響等について一つお伺いしたいと思います。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) この国有地の払下げがきまりました後の国立公園行政運営上の影響はどうであるかという点でございますが、これは極めてあいまいな答えになりますけれども、どちらがより適当であるかというような答えしか出ないと思うのでございます。と申しますのは、冨士山頂が仮に国有の手を離れましても、国立公園或いは文化財保護等の法律がございまして、或る程度の規制はできます。例えば工作物を作るとか道路をつけるとかいうような場合、或いは国有林の伐採をするというような場合には一々許可を受けまして、風致上或いは景観上の支障ない範囲でやらなきやならんということになつております。その点におきましては必要な規制を加えることができます。従いまして絶対に国有でなければならんという議論は成立たんと思います。併しながらどちらがより適当かという問題になりますと、民有でありますと、建物を建てたいというような場合、それはいかんといつて却下するということはできます。けれども、これは非常に困難な問題になります。補償の問題も伴いますれば、又事実上困難な問題になります。更に又逆の場合で、或る建物を造ろう或いは道路を造ろうという場合に、国有でありますれば極めて簡単に参りますけれども、個人有でありますれば、自分の土地にそういうものを造つてもらうことは御免だということになりますと、これは土地収用法にひつかかるという問題が起りまして、事実上解決は困難になるわけでございます。そういう意味におきまして絶対に国有でなければならんという議論はできないと思いますけれども、併し実際の運営におきまして、国有であるほうがよりよろしい、民有であれば運営上非常に困る、こういう結論になろうと思います。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そういうことは、仮定の上に立つては非常にむずかしい問題だと思いますけれども、将来例えば奥宮の所有地に仮になつたとした場合に、観光施設等を何かの観光会社等でやる場合に、あなたのほうに文化財の保護委員会という関係もありますが、それらのところへ申請して、そしてほぼ了解をするということになつたところが、所有利であるところの奥宮さんのほうで承知をしない場合には、これらのケーブルをつけるとか、観光ホテルの建設、そういうようなものを神社の境内に設けてもらつては困るということで向うが頑強に拒否した場合には、やはりその拒否のほうが優先することになるわけですか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) その問題の内容によりまして、それが国立公園なり或いは文化財の施設として必要なものであるという判断が下されましたならば、これは拒否しましても、土地収用法にひつかけるとか何とかし宜して、土地収用法で土地を取上げてやれます。それから物事がそれほど必要でない場合にそれを拒否した場合には、これは土地収用法にかけるとかそういう手段は講じられないと思います。物事によると思います。  それから私が只今申上げましたことは、純粋の法律論でございまして、その他いろいろな見地からの議論があると思いますが、純粋の法律論でございます、

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 もう一つお尋ねしたいのは、若し私有になつたとして、或る程度観光ホテルとか或いはその他のケーブルというような施設を設置する場合、厚生省の国立公園課のほうに申請をして、これを許可するということになつた場合には、その所有者は、設備を設ける人に向つてそこの土地使用の権利を主張して、何らかの権利金をとるということが法律上できることになるのですか、どうでございますか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) それは一般の所有権の権能といたしましてできることでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうしますとあすこに登山者の便宜を計つて売店を設けさせるとか或いは休憩所を設けさせる、こういうようなことを一々奥宮さんが敷金、敷金と言つちや悪いですが、わかりやすく言いますと敷金を取つてそういうこともやり得る、併し又そんなことをあなたのほうで設けさせないような処分、法律的な権限を持つておるわけですか、国立公園部として……。まあ例えばこれはちよつと風紀上、或いはその他こういうものまでも設けては困るという場合と、これはいいというものとあると思いますが、将来どういう事態が発生せんとも限らん。今のところ奥宮さんはそんなこと考えてもおられないけれども、存外最近は社寺等におきましても経営上の問題からいたしまして、当該神社仏閣等の管理者側は、その社寺の経営を維持するためにいろいろの土地を、例えば浅草のお寺は東宝に向つて瓢箪池を売つてあすこに映画館を建てさせる、これは大した問題じやないと思いますが、そういう問題が起きて来るだろうと思いますので、経営が苦しくなつて来たり、今の奥宮の管理者はそういう考えは毛頭持つておらないと思いますが、将来代が変るというような場合に、一つここで金儲けをしようというのでいろいろのことをやらせる、利権を与える、それによつて権利金を取るというようなことをやつた場合に、あなたのほうとしてはこれを監督するところの権限が法律上あるかどうか、この点についてお伺いしたい。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 山頂部にケーブルを作る、ホテルを作る、売店を作る、休憩所を作る、こういう施設の問題が起ると思いますが、その際私のほうとしましては、それが利用上必要であるか、或いは景観上差支えないか、こういう見方をしまして、或るものは許可し或るものは許可しないということはあります。で許可をしなければ作れません。許可がありますれば、而も許可をします判定の基準としましては、利用上必要か、或いは風景の保護上支障ないか、この観点からいたしますが、それによつて許可を受けました場合は、許可を申請した者がこれは建物を建てていいわけでございます。その際他人が建てます場合に、地主でありますところの持主は賃貸料と申しますか、或いは権利金でありますか、或いは土地の売却になりましようか、それは民法上の取引関係になりまして、個人の取引関係でございまして、そこまでは国立公園の立場といたしましてタッチいたしません。使用料なり或いは権利金なり、売買の代金というものは、その内容にはタッチいたしません。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それじや管財局長にお尋ねしますが、悪く解釈しますと、僕はそう人を悪く解釈したくないけれども、存外この頃は悪い面も生じて来ますから、悪く解釈して来ると、あなたのほうでこれを無償で払下をしたということになつて、これを又今言つたように売店、或いは諸施設を設ける、百二十坪か、そこへどんどんどんどんこしらえようと思えばできんことはない、そうして権利金も取る、そういう競争になつて来ると、これは又払下げる際にいろいろの條件を附するのですか、どうですか、何も無條件にやるのですか。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) まあ只今大臣が申上げましたように、どちらにするか慎重に検討中というわけでございますが、譲与するということに仮になりますれば、やはりいろいろな見地からいたしまして、これはまあ法律的の條件ということにはちよつとなりかねると思いますが、寺社側からそういつた大きな営利的な目的のためにこういう所を使うとか、或いは風致を害するとか、或いは公衆の立入を妨げるとか、いろいろそういつたような重要な、譲与の趣旨に違うようなことはしないという誓約書でも取りまして、やはりそういう将来に対してまずいことのないように確保したらどうかというふうに考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 併しまあ誓約書を取つても、法律的にその誓約書を今度裁判に持出したような場合には、これは無視してやろうと思えば大して効力はないことになる。道義的に、今の管理者等においては、一応こういう問題を起した結果やられることになるから、極めて良心的にごの誓約書の趣旨も守られると思うのでありますが、月日のたつに従つて又これには利権屋などが暗躍すると思うのです。人はいいものですから、大体神主さんや坊さんというものは……、これはみんな利用される結果になる向もままあるのじやないかと私は思うのでありますが、そういう場合には法律的にもう一遍返せというようなことはできるものかできんものか、これを一つ……。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) まあ只今の点はお話のようなことでありまして、法律的にそういうふうに使わないということを確保するのは、先ほどからお話がありましたような厚生省或いは文部省関係の国立公園法とか、重要文化財保護法とか、こういう法に基く法的の規制がされるということにとどまると思います。所有権のあるものを強制的に無理に取上げるというようなことは、これはちよつと憲法の建前上できないというふうに考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それでは最後に厚生省の部長は、厚生省としては大蔵省に対しまして、国立公園審議会ですか、この答申に基いて折衝をして、その答申の趣旨が容れられるように折衝をするように省議が一致しておるのか、その点についてお伺いしたい。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 厚生省としての意見といたしましては、これは国立公園審議会の意見書にかかわらず、実際はそれより前に、先ほど申しましたように国有に存置しておかれるのが適当であると思うという意見を大蔵大臣に出しておるわけでございます。そしてこの問題につきましては大蔵大臣、厚生大臣、両大臣におかれまして御相談を願い、その結果最上とお考えになるところの処置をして頂く、こういう考えであります。

小宮山常吉緑風会

○小宮山常吉君 ちよつとお伺いしますが、厚生省のほうではどうですか、この間の新聞のような工合に大蔵省と話合がつきますですか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) その話がつくかつかんかということは、これはどうこう申上げるわけに参りませんのでございます。わかりませんでございますから……。まあ先ほど申上げましたように、厚生省としては一応の希望意見を申上げておりまして、今事務的にも、或いは大臣の間におきましても検討中である、こういう状態でございます。

小宮山常吉緑風会

○小宮山常吉君 こういうふうな問題ができる前に、厚生省でも大蔵省でも何とか話がつかなかつたものでございますか、どういうふうで静岡県にああいうふうな譲与というようなことを厚生省でも承認したのです。その点はどうですか。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 只今譲与の決定しております部分でございますが、これにつきましては昭和二十年の頃以来、神社の宗教活動上必要なものである、具体的に申しますれば、奥宮神社の敷地でありますとか金明水、銀明水というような部分は、少くとも神社の宗教活動上必要であると考えまして、これを国有に残すのはこの法律の建前上困難ではないだろうかという考えは当時から持つておりました。目下のところ問題になつておりますのは、それ以外の区域が問題になつているのではないかと思います。

小宮山常吉緑風会

○小宮山常吉君 もう一度お尋ねしますが大分先ほど申したように、大会まで開いて大きなあれになつているので、厚生省がもつときちんとしたらこういうこともなかつたと思いますが、こんなことになつてしまいました。できるなら先ほど大蔵大臣の申したように、是非国立公園、国の冨士山として、大蔵省と厚生省でよく話合つてきまりをつける……。今度のようにこんなごたごたのないようにやつて頂くように私は望むのです。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記とめて。    〔速記中止〕

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 速記始めて。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 二、三御質問したいのですが、大蔵大臣はお帰りになつたとすれば、この次の機会に大臣に対する質問は保留しておきたいと思いますが、取りあえず事務当局に質問することにいたしたいと思います。  この法律に関連してでございますが、どうも調べれば調べるほどだんだんとわからないようになりまして、これに関連して幾多の疑義事項が続々と出て参るのでございます。私はこの法案の出たのを機会に政府当局の態度というものを明確に今後規定しておかないというと、ますます問題が続出するのではないかと思います。特に社寺境内の処分審査会が解消されるということになりますれば、今でさえ問題があるのに、更にかような民主的機関を削除するというようなことになりますれば、大臣の独裁制になつて来る。事務当局では、問題になつておるのは那智滝と増上寺と、靖国神社の一部だけだと、こういうことでございますが、とにかく大蔵当局で問題にしておるのは、訴願の対象としておるのはこの三件だけだというに過ぎないのでございまして、事実は全国各地にまだ訴願の手続まで至つておりませんが、問題を起しているところがたくさんあります。でありますからこういう点から見ても、私は今後重大なる事態の発生する前に、この際に当局は十分私は考えなければならんと思います。特に日本の象徴ともなつているべきところの冨士山頂を特定の者に開放するということに至つては、もうこれは沙汰の限りであります。日本の象徴も個人に払下げて食つてしまう、いわば食つてしまうということになれば、昔は砂利事件というのがあつて、明治神宮の砂利を食つて、しまいには山を食つたと、しまいには食うものがなくなつてしまう。こういうことに至つては誠に問題なんです。  そこで現在問題になつておる冨士六合目の淺間神社払下げ事件でございますが、政府はこの地域を払下げるに至つた経緯に対して、先般私は資料に基いてその見解を一つ述べてもらいたいということを申したのでございますが、委員長はこれを如何ように先ず取扱われて行かんとするのか、それをお聞きしたいと思います。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) お答え申上げます。  本日その点は菊川委員からも大蔵大臣に御質問がございまして、大蔵大臣はそれに対して答えられております。これは速記録に明確に載つておると思いますので、御参照頂きたいと思います。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 それでは速記録を見た上でその点に対する質問をいたすといたしまして、取りあえずこれを払い下げるに至つた当面の事務当局でありまする管財局長、公園部長にお伺いするのでございますが、これを払い下げるについて競願といいましようか、九合目に対する払い下げの書面も出ておつたわけでございますが、後から出た八合目を払い下げまして、九合目から出た払い下げ申請を何が故に拒否したのですか、その経緯についてお伺いしたいと存じます。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) この冨士山の譲与問題につきましては、冨士山の本宮淺間神社から申請がこの法律に基く期限内に提出されておるわけであります。それ以外にこの法律に基いて申請を提出した神社はございませんようでございます。法律以外の問題として一部普通の国有財産処分の法律手続によりまして売り払つてもらいたい、こういうふうな申請は或いはあつたかも知れないと思います。この法律に基く譲与申請といたしましてはこの淺間神社だけでありまして、競願関係はございません。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 私は八合目の淺間神社の競願出願という意味ではないのでございまして、若し私の質問の仕方が悪ければいま一応私は質問するのでありまするが、九合目のほうから駿東郡須走村、具体的に言えば迎久須志神社境内地譲与払下げ申請書というものを出したわけなんですが、それについての見解は如何ように考えておられたのか。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) 只今の問題は須走村から迎久須志神社の敷地を払下げてもらいたい、こういう申請だつたと思いますが、これは法律に基く申請ではありませんので、あそこを現実に須走のほうの神社で使用しておるからそれを払下げてもらいたいという申請だろうと思いますが、これにつきましては、富士六合目以上を淺間神社に譲与することになりましても、須走のほうの神社で現に使つておる土地は、これは淺間神社で使つていることになりませんから、譲与の対象になりません。それで譲与からは除外されることになると思います。従いまして須走のほうの神社から申請があれば、これは適当に詮議して払下げることも可能であろうというふうに考えております。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 例えばこの法律に関連がないと言われますが、やはりこの須走から出した書類申請書の内容は、やはり社寺境内地として出しておるわけですか、社寺境内地といいましようか、神社境内地譲与の払下げということでありますから、この法律と関係ないというのはどういう点において関係がないのですか。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) この法律には社寺境内地を神社に譲与し或いは売払う関係の法律ではありますが、ただ一定の條件があるものにやる場合について書いてあるだけです。つまり昔その神社で持つておつたものを明治初年に上地したとか寄附したとかいうような関係がありまして、それから現在においては国から国有の境内地として無償貸付を受けておる、こういうような條件が備わりまして、その神社に譲与される或いは売払われる、こういうような関係が生じて来るわけであります。今回のその須走神社のほうからの申請は、これはそういう関係がありませんので、一般に国有財産を売払つて欲しいというのと同じ性質の払下げになるわけであります。この社寺の法律の規定ではなくて、国有財産法の規定に基いて払下げをするごとになります。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 そういう例えばこの法規に基いた——内容が、この法規に規定したる内容と相違するのであつて、一般国有財産の払下げの中でやるべき申請書だというお話でございますから、私はこれをよくまだ検討しておりませんから、その点はこれを検討してから又お聞きするといたしまして、併しこういう疑問は持つておるのですよ。冨士宮市から出した申請書類の前に須走村よりの書類を出したのですね、この須走のほうはそういう点に対して、例えば国有財産であつても、一応社寺境内地に対する払下げでございますから、この社寺法と国有財産払下げ等に関する法規との間に相当やはり難問の点もあつたと思うのです。そういう点で非常に疑義があつた点だと思うのですが、一応八合目の淺間神社のほうからさような払下げがあつて、そのほうを早く許可した。こちらのほうの問題に対しては依然として未決にした、こういう点が割切れないので、それではごの法律とは別の問題で処理しなければならんという建前ならば、なぜその法律に基いて早く結論を出してやらないのか、或いは九合目と八合目の関係者との間において疑義を起さしめるような、誤解を起さしめるようなこと自体、行政措置として余りほめたことではない。こういう点に対しては一体どういうふうにお考えになつておられるのか、もつと具体的に言えば、この須走のほうに対しては一体どういうふうな検討をし、どんなふうな結論に達しておるのか、その点に対して一応お伺いしておきたいと思います。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) 只今の冨士山頂の淺間神社に対する処分だけ先やつたというお話でございましたが、御承知のようにこれはまだ先ほども大臣から申上げましたが、いろいろ慎重に検討しておる最中でありまして、譲与の手続、譲与にするとはさまつたわけではありませんし、譲与の手続はまだ完了していないわけであります。それで全体の手続なり結論がきまりましてから、この問題になつておりますこちらのほうの、須走村のほうからの申請につきましても同時に解決する、こういうことになると思います。どちらを先に処分してしまつたと、こういう関係ではございません。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 だんだんわかつて参りましたが、そこで今の大臣の見解が局長によつてまあ披瀝されたのですが、そこでまあ疑義が起つて来るわけですが、須走の問題はそれでよろしいのだが、先般この法律的見解から御答弁のあつた内容は、社寺境内地の処分審査委員会はもう一応の任務は終つた。そこでまあ削除する規定を設ける法律案だと、こういうお話であります。ところがこの社寺境内地処分審査委員会が八合目の冨士宮の淺間神社の処分決定を妥当なりと認めて後に、これをまあこの任務が終つたということになるのだが、そうすると結局淺間神社の譲与問題はまだ未決だというお話だ、そこに食い違いを起して来るのですが、こうなつて来るというと、先の社寺境内地処分審査会の決定はどうなるのですか。

阪田泰二大蔵省管財局長

○政府委員(阪田泰二君) この審査会は先般御説明申上げましたように、大蔵省の設置法の規定によりまして、昨年十二月三十一日限り解消しておるわけでありますが、その解消しないうちにこの冨士山の問題につきましては、大蔵大臣の諮問に対して答申をきめまして、その後解消したわけであります。それで冨士山の問題に関しては審査会としてはそれ呈すべき、やるべき任務はないのであります。只今大蔵大臣が諮問したものに対して答申がありましたが、大蔵大臣はそれを見て、これからどういうふうに大蔵大臣として採決するか、これをきめる段階にあるのであります。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 まあそれでわかりましたが、管財局長も御承知のごとく、単なる私は日本のシンボルであるとか、或いは日本の何といいますか、象徴であるとかというような精神的な抽象的なことはとにかくといたしまして、大体如何に歴史があるとはいえ、私は一つの国民の心身を練磨するような対象になるべき地域などに対しては、やはり個人の好みといいましようか、少数の者の好みによつて国民的心身を練磨するような重大な地域を、例えば運動があつたからまあさような條件によつて払下げることもできるからということだけで勝手にこれを取扱う、簡単にこれを取扱うということは反対です。特に払下げの理由附けたるや、少しの時間の條件を出して部分の満足をせんがために一般社会の疑惑を起すようなことをすれば、国民の心身練磨の対象となつており、的となつておる地域が却つて汚れて来る、そんな却つて汚れるようなことをすれば、却つて冨士山そのものを汚すことになる。むしろ私は冒涜的処置だと思つておる。併しいずれにいたしましても、かような見解というものは抽象的ではあるが、世間多くの人がこの処理の問題については挙げて反対をしておることはすでに御承知だと思うのです。特に私は大臣がこの際、譲与決定に対しまして細心の注意を払うということは最も賢明なことでございまして、若しかようなことが具体的に行われるということになるとするならば、私は先ほど面白おかしく話をしたんでございますが、これから至るところで少しばかりの歴史を出して、さあ前例ができたからおれのところも払下げろ、これから山のブローカー、淺間神社ブローカー団体というものができて来ると思う、これは冨士山がいい例を出す。こういうことになりますから、淺間神社というものは全国に四十幾つかあると思いますが、これが挙つてこれからブローカー団体ができまして、それで神主を中心に面白からざる事態が発生して来る。この例を大蔵省が作ることになるのだから、率直に申せば、こういうことになつて山を食うのは大蔵省が始めたということになつて、折角国民の心身の上にも悪影響を起しますから、私はそのこと自体は簡単なようであつて、日本人の精神作興の上に大きな影響をもたらすので、特に将来のある若い新進官僚、阪田管財局長などにおいては十分一つこの点は大臣と相呼応して御留意を願いたいのです。この程度で管財局長に対しましてはむしろ私は国民に代つて、重大な処分決定となるのでございますから、この点は一つ大臣ともに慎重な態度を以て一日も早く山を汚さん処置を一つ決定されることを特に強く要望しておきます。  第二は、公園部長にお伺いするのでございますが、公園部長はかような処置をされることについて妥当と思つておりましたか、或いはこの問題に対しまして如何なる処置を講じて来たか、その点についてお伺いをしておきたいと思います。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 厚生省のこの問題につきましての従来の経過並びに考え方を申述べてお答えいたしたいと思います。  この問題が起りましたのは随分前からでございますが、先ほども申上げましたのでありますが、昭和二十六年に冨士山頂の処分について厚生大臣の意見を大蔵大臣に申上げてございます。その趣旨としますところは、この富士山頂部は富士の国立公園の中心部であり、極めて大事なところである。従つて将来もこれの保護と利用を十分図らなければいかん。そうしてこれを公共的に一般の者に利用できる状態においておかなければならん。こういう観点からするならば、これを国有においておくほうがよろしかろうと思うという意見を出しております。と申します根拠は、この社寺境内地の処分法によりますと、元の所有者に原則として譲与することになつておりますが、但し公益上必要のある場合においてはこれを譲与せずに国に残しておいていいという規定がございます。その規定の解釈によりまして、先ほども申上げましたような事情からして、国においておくのが適当でないだろうかという意見を申上げておきました。まあそういう考えで引続いて今日まで至つております。  それからまだ最後の決定に至つておりませんので、今申上げましたような考えで事務的にも検討いたしております。両省の間において検討しておりす。又大臣同士の間でも御検討中のように聞いております。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 大臣同士の間において検討しておる、これは大臣が最後決定するのでございますから、まあいたし方ないのでございますが、これまでに至るまでに一体厚生大臣の努力が私は足りなかつたと思う。まあそれは払下げの決定権というものは大蔵当局が持つておるには違いないが、併し公園方面から見、或いは保健施設から見、或いは観光施設から見、いろいろの点から見て折衝をし、更にどうもなかなか思うように行かないというならば、今度はドルから突つ込めばよかつた、何と言つても一体観光地帯だから、ドルの点から大蔵当局からゆすぶつて行けばよかつた。そういう点は今度は観光で行くならば厚生省が反対だ、そこで大臣少し努力というか、そういう観点に対する攻め寄せ方、納得させ方がまだ少上幼稚であつた。私に言わせれば、まだ結論じやないから、これからでも遅くない。だからあなた、今日野溝委員から、観光地に落ちる金というものは、あんなものは一々これから開放などしまして、開放というか、個人に払下げては、全く観光地としての冨士山が汚れて来る、汚れて来るというか、自然をこわして来るということになると、これはやはり外人なども富士山視察とか或いは観光とかいうようなことはだんだん来なくなつて来る。行く行くは何としても国立公園ですから、国立公園に対しては国立公園の形骸をとどめつつ文化的な施設を講じて行くべきだと思うのです。その場合、個人にそういう払下げをすると、今度国家としての国立公園の計画、保存措置というものはなかなかできないのです。計画措置というものは。そうでしよう、部分の権利が遊離するから、私有財産をこつちは押えるわけに行かないから、そうなつて来ると、折角の国立公園なんかは看板ばかり作つても魂が入つていないから、だから一つには心身練磨、観光施策という両面の意義を持つ冨士山の地位を高めるためにも、私は特に今後何といつても日本の代表的なものになると思うのです。今でもそうでしようが、そうすると横濱、東京に一番近い国立公園地帯というものが、何としても外国の人々を多く誘致する唯一の條件になるのです。その場合、八合目の大事など真中に行つて勝手に富士宮市の諸君が変な施設をされたら、それこそとんでもないことになり、悔を千載に残すことになる。こういう点からも、まあ経済的に観光客誘致に対するドル稼ぎの点からは行かん、その他こうこうこういうわけというように、大蔵省の痛いところをちよいちよいと言わなければ、ただ心身練磨ということだけでしたら駄目なんですよ。だから今度そういう統計も、多分厚生省公園部長も作つてあることだと思うのですが、大体冨士山を中心に観光客というものがどのくらい来たか、その数並びに外国人の国籍等について、一つおわかりでしたらこの際お答えを願いたいと思います。

森本潔厚生大臣官房国立公園部長

○政府委員(森本潔君) 先ほど私厚生省の考え方を極くかいつまんで結論だけ申上げたのでございますから、只今お話の、そうあるべきものだという理由につきましては、実は私たちも全くさように考えておりまして、又大蔵省のほうともそういう観点からも協議、検討いたしたわけでありますから、御了承願います。  それから冨士山に観光のために外国、或いは国内から来る者はどれだけという問題でありますが、先ず日本へ来る外国人と申しますと、これはやはり冨士の登山をする者だけでなしに、すべての者にとつて、日本に来る以上は冨士山というものが大きな興味の点になつておる。冨士山のない日本というのは、これは観光価値から言いますれば半分或いは三分の一しか興味を引き付けんと考えるのでありまして、そういう意味におきまして、観光目的で来る外国人の大部分は、海の上或いは飛行機の上或いは汽車の上、自動車の上から見て非常なインスピレーシヨン、或いは興味を受けておると思うのでありまして、これは殆んど外国人全部が来る目的の半分ほどは冨士山を見るという目的を持つておるのじやないかと思います。こういう意味におきまして、まあ国際観光上は絶対に必要なものであると考えております。それから登る人は少いということでありまして、年のうちシーズンが短うございますから、十万人内外と考えております。併し冨士山というのは、登るのも一つ、それから遠望するのが一つという見方がございますから、数だけではいかんと思います。

野溝勝日本社会党(第四控室・左)

○野溝勝君 恐縮ですが、今公園部長のお答えの通りだと思います。確かに登るばかりが富士山をあごがれておる人でない、その通りだと思います。ですから私の申したのは、抽象的かも知れませんが、今お答えになつた点でもよろしうございまして、わかつたならば、一度あなたの考えておる構想でございますから、一つ資料にして示してもらいたいと思います。ざつくばらんに言うならば、冨士五湖に来たかたも富士を目当にしておると思います。ハーイキングに来た人もそうだと思います。だからそういう見解で結構でございますから、具体的にはなかなかそうわからんと思いますが、或る程度わかると思います。ですから次の機会に一つ外人だけでもいいですからお示し願います。  最後にどうも私大臣が来て答弁されたときにおらないので遺憾でございましたが、いずれ速記録を見ればわかると思いますから、速記録を見て、又大臣にも御質問したいと思いますが、いずれにせよ、この問題は政党政派という問題ではないのでございまして、今国会の中には非常にこの問題を高く取上げて喧々ごうごうたるものがあります。たまたま馬鹿野郎事件でちよつと消えておりますけれども、馬鹿野郎事件がちよつと落着けばこの問題は相当又表に出て参ります。ですから私は多分決議案となつて現われるじやないかと思つております。ですから大臣なり当局が慎重に考えて善処するという、これを更に私はこの決議案に照応して飽くまでも冨士山としての日本の歴史性を汚さんような御処置をとるようにこの際極力要望いたしまして私の質問は打切ります。大臣に対する質問は保留して置きます。

中川以良自由党

○委員長(中川以良君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会

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