水産委員会 第13号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/12/22
会議録
○委員長(秋山俊一郎君) それでは只今から委員会を開会いたします。 オホーツク海暴風浪及びカムチャツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案を議題に供します。先ず発議者から提案理由の御説明を願います。衆議院水産委員長福
○衆議院議員(福永一臣君) 只今議題となりました「オホーツク海暴風浪及びカムチャツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案」について提案の理由を御説明申上げます。 この法案は、去る十月二十三日のオホーツク海における暴風浪及び十一月五日にカムチャツカ沖に発生した地震により起きた津浪によつて漁船、漁具、養殖施設及び共同利用施設が受けた損害の復旧を円滑にするため損失補償及び利子補給を行うことを目的としたものでありまして、農林中央金庫その他融資機関が漁業者にこの復旧資金を融資するときは、たとえ償還期限を経過しても、なお返済されないときは、政府が損失補償をすると共に、この融資については利子補給をする、という契約を金融機関と結ぶことができるようにしたものであります。 即ち昭和二十九年三月三十一日までに融資契約され、その後五カ年以内の償還期限のものについては、融資総額十三億円を限度として利子補給は融資機関ごとに年五分を、又融資総額の三割の損失補償を政府が行おうとするものであります。 なお都道府県においても損失補償の途を設け、融資総額の三割を下らない額を限度として補償する契約をしたときは、政府は五割の補償をすることにいたした次第であります。 御承知の通り今回災害を受けた地方の漁民は、本年三月に十勝沖の地震によつて非常なる損害を受け、今回同様の措置によつて、その復旧を図つて参つた次第でありますが、その途上において再度この被害をこうむつたわけであります。このように一年間に二度の災害を受け、その復旧には一段と困難がある関係上、或いは前回における融資状況等を勘案いた上、今回は損失補償においては三割を五割とする途を開き、利子補給にあつては、四分を五分にそれぞれ引上げ、これによつて災害復旧を可能にしなお且つ促進して漁業者の生活の安定に資したいと考える次第であります。 なお本法案は衆議院水産委員会において立案いたしたものであります。以上簡単でありますが、本法案の提案理由について御説明いたしました。何卒慎重御審議の上速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(秋山俊一郎君) 本案について御質疑がございますか。
○千田正君 これはオホーツク海暴風浪及びカムチャツカ沖地震による漁業災害の問題でありまして提案の理由の御説明は御尤もであります。そこで我々は常に考えるのは、大きな災害に対しては、国の法律を以て一応復旧に対する対処方針がきまつておる。余り大きくない、併しながら実害においては相当ごうむつておるというものに対して、法律で救われなかつた面に対して救つて行こうというので、今度実際に起きたところのオホーツク海暴風浪及びカムチャッカ沖の地震等による被害に対するこの法案が出て来たのでありますが、我々から見ますれば、出て来たたびたびじやなく、むしろ大きな災害で救われないものに対しても、当然これは国の施策としてやらなくちやならないものとしての永久的な一つ法律案を作つておきたい。かように考えるのでありますが、衆議院の福永委員長としましては、どういうふうにお考えですか。
○衆議院議員(福永一臣君) 只今千田委員から御発言のことは衆議院の委員会におきましても、そのような議論がございまして、誠に御尤なことと考えておる次第でありますが、実はあなだのおつしやいますように、恒久的なものを一つ作ろうじやないかということでお話がございました。ところが何しろ今度は非常に急を要しまするので、会期の関係もございましてこういうふうに応急的なものになつたわけでございますが、将来はあなたのおつしやいますように、恒久的なものを一つ打ち立てておきたいという考えを持つておる次第でございます。
○千田正君 御趣旨よくわかりました。我々としましても、これは衆参両院ともこういう問題が必ず出て来る、或いはこれより小さいかもしれませんが、実害においては非常に損害をこうむる災害が出て来ますので、どうしてもこの問題は、今度はこういう区切られたオホーツク海暴風浪、カムチヤツカ沖地震という名目の下に出たのですけれども、将来こうしたものに対して、恒久的な一つ法律を作ることに、両院の各委員とも御協力願いたいということを私は要望いたしておきます。
○委員長(秋山俊一郎君) それではこの法案の内容の要点を御説明願います。
○衆議院専門員(徳久三種君) この法案は、二十七年三月に起りました十勝沖の災害の復旧に関する法案、二十六年の十月に起りましたルース台風の災害復旧資金の融通に関する特別法律とその軌を同じくいたしております。ただ十勝沖と異りましたところは、第二条第三項の融資の総額を十三億にいたしたということ、それから第三条の第二項でございますが、これはやはりルース台風及び十勝沖地震と同じように、損失の基準及び損失補償限度ということについて十勝及びルースの場合は国家が三〇%の損失補償の限度をきめたのでありますが、この法案におきましては、只今委員長から御説明申上げましたように、再度の災害を受けたことも多いし、又それが深刻であつたために、三〇%の国庫の損失補償限度はこれは原則でありますが、百分の三十を下らない額を限度として府県が損失補償いたした場合には、国家は百分の五十に相当する金額とするという点が非常に違うのであります。又第四条の年五分の割合で融資残高に対して利子の補給をするという点であります。この二点が違うだけでありましてあとは先ほど申上げましたルース及び十勝の災害復旧の融通に関する特別法案と同一でございます。
○委員長(秋山俊一郎君) 御質疑はございませんか。
○木下辰雄君 一遍読んで逐条審議してもらいたいのですが……。
○委員長(秋山俊一郎君) それではこの法案を一応読んで頂きます。
○衆議院専門員(徳久三種君) 朗読いたします。 オホーツク海暴風浪及びカムチャツカ沖地震による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案 (この法律の目的) 第一条 この法律は、漁業者又は水産業協同組合が昭和二十七年十月のオホーツク海暴風浪又は昭和二十七年十一月のカムチャツカ沖地震によつてその所有する漁船、漁具、水産動植物の養殖施設又は政令で定める漁業共同利用施設(以下「漁業施設」という。)について受けた損害の復旧を円滑にするため、政府が当該復旧に要する資金の融通について損失補償及び利子補給を行うことを目的とする。 (損失補償及び利子補給) 第二条 政府は、農林中央金庫その他政令で定める金融機関(以下「融資機関」という。)がオホーツク海暴風浪又はカムチャツカ沖地震によつて漁業施設に損害を受けた漁業者若しくは水産業協同組合でその復旧のために融資を受けようとするもの又はその者の加入する水産業協同組合でその者につきその漁業施設の復旧のために融資をしようとするものに対して融資をするときは、政令の定めるところにより、当該融資をすることによつて受けた損失の全部又は一部を補償し、且つ、当該融資につき利子の補給をする旨の契約を当該融資機関と結ぶことができる。 2 前項の規定により政府と融資機関が契約を結ぶことができる融資 は、この法律施行の日から昭和二十九年三月三十一日までになされ、且つ、その償還期限が昭和三十四年三月三十一日以前のものに限る。 3 政府が第一項の規定による契約を結ぶことができる融資の総額は、十三億円を限度とする。 (損失の基準及び損失補償限度) 第三条 前条第一項の損失とは、融資元本の償還期限到来後一年の範囲内で政令で定める期間を経過してなお元本又は利子(政令で定める遅延利子を含む。)の全部又は一部について回収されなかつた場合におけるその回収されなかつた金額をいう。 2 前条第一項の規定による契約に基いて政府が行う損失補償の金額の限度は、融資機関ごとに、当該金融機関のした同条同項の融資(以下「金融」という。)の都道府県ごとの総額の百分の三十に相当する金額とする。 但し、都道府県が融資機関と当該融資機関の当該都道府県の区域内においてした融資につき当該融資機関が受けた損失を当該融資の総額の百分の三十を下らない額を限度として補償すべき旨の契約を結んだときは、百分の五十に相当する金額とする。 第四条 第二条第一項の規定による契約に基いて政府が補給する利子は、政令の定めるところにより、融資機関がした融資の融資残高に対し年五分の割合で計算した金額とする。 (利率) 第五条 第二条第一項の規定による契約を結んだ融資機関のする融資の利率は、当該融資機関が通常それと同種類の貸付を行う場合に定める利率を年玉分引き下げた利率で当該契約の条件とされたものをこえてはならない。 (水産業協同組合が組合員又は会員に対してする貸付) 第六条 水産業協同組合がその組合員又は会員の漁業施設の復旧のために融資機関から融資を受けた資金をその組合員又は会員に貸し付ける場合の利率は、当該融資機関から受けた当該融資の利率をこえてはならない。 (債権の保全及び回収) 第七条 融資機関は、第二条第一項の規定による契約に基いてした融資についてこの法律の規定による損失補償を受けた後も、当該融資に係る債権を善良な管理者の注意をもつて保有し、且つ、回収に努めなければならない。 2 前項の場合において融資機関は、当該融資に係る債権の回収によつて得た金額のうちから債権行使のために必要とした費用を控除し、残額があるときは、これを当該融資について損失補償を受けない損失のてん補に充当し、なお残額があるときは、政府(都道府県が損失補償をした場合は当該都道府県を含む。以下本項において同じ。)から受けた損失補償の金額に達するまでの金額を、政令の定めるところにより、政府に納付しなければならない。 (法令等の違反に対する措置) 第八条 政府は、融資機関がこの法律若しくはこの法律に基く命令又は第二条第一項の規定による契約に違反したときは、当該融資機関のした融資について、補給すべき利子の全部若しくは一部について補給をせず、補償すべき損失の全部若しくは一部について補償をせず、又は既にした利子の補給若しくは損失の補償の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。 (施行規定) 第九条 この法律に定めるものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。 附 則 この法律は、公布の日から施行する。 以上であります。
○委員長(秋山俊一郎君) 本案について御質疑がございませんか。
○松浦清一君 施行規定の第九条の「この法律に定むるものの外、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める」というのですが、定めるもののほかに、この法律の施行に関して政令を出そうとするもの、予想されるものはどういう点なんですか。
○説明員(濱田正君) 金融機関が融資する場合に、都道府県知事の、この当該物件について確かにこの対象のものであるかどうかということにつやて都道府県の知事の意見を聞くというふうな条項とか、それから融資した場合は速かに政府に報告ぜよとか、或いは損失補償の請求の場合はどういうふうな形でやれとか、利子補給の請求の場合はどういうふうな形でやれとか、それから、それぞれについてどういう様式を定めるとか、こういうことが大体政令で予定されておる事項であります。
○松浦清一君 この頃の法律の作り方というのは、できるだけ政令とか省令とかいうものを避けて、できるだけ法律の中に織込むということが大体最近の法律を作る形式のように心得ておりますが、例えば府県知事が融資した場合に報告をするというようなことは、政令で定めるのでなしに、法律の中に織込むと何か不便なことが起るのでしようか。
○説明員(濱田正君) 別に不便なことはないのですが、軽微なことであるからそういうふうにしたわけであります。
○松浦清一君 大体私は、結構な法律だから質疑をしないつもりで最初からいたのですが、読み聞いて見ると、軽微なものとは申しますけれども、政府の最終責任に帰属する額というものは十三億ということになつて、全部それが政府補償になつておる。十三億は国の財政によつてこれを補償しなければならんということになるというような問題ではないか。当然損害が国の損害に帰するような結果になるということを予想して府県知事が融資をするというようなことはないかも知れませんけれども、できるだけは、やはり国家の当然補償しなければならんところは補償すべきでありますが、補償せんでもいいような問題に対しても補償しなければならんということも世の中にはあり得るわけなんで、相当多額に及ぶものが最終的に政府責任に帰属する法律なんですから、府県知事の立場で融資をするというようなことは、単に政令でなしに、やはり法律で義務付けるというようなことにしたらどうかと、こういうふうに思うのですけれども、別にそういうことは差支えないのでしようか、法律技術としては……。
○説明員(濱田正君) 今の問題になつております府県知事の意見につきましても、これは意見を求めなければならないという立場でなくして、融資機関は意見を求めることができるというふうな形で抑えておるわけであります。 それから最後の点の、今の当然融資するものでない場合に融資した、この一点は重要な点でありますので、これは、法律の八条で、法令等の違反に対する措置で、場合によつてはやらんこともある上、やつたものを取上げることもあるというように、重要な点は抑えているつもりであります。そして中間段階は様式とか請求のやり方とか金融機関に融資する場合に知事の意見を聞くとか、そういう点でありますので、軽微な点ではないだろうかと、かように考えております。
○松浦清一君 総括して法律の観念を結論的に求めると、こういう答えになるわけですか。災害復旧のために必要とする金額の融資を求める。そうしてやはり府県知事がそれをやる。言葉は足りないかも知れませんが、日本の国というものは、やはりその尻拭いをすればいいのだ、簡単に答えを求めればそういう精神で作られておる法律ですか。
○説明員(濱田正君) それは第七条で後のところも押えております。ただ取りさえすればそれで我が事を終るのではないのでありまして、金融機関はそれで債権を打切つてもう止めたというのではなくして、善良なる管理者の注意を以て取立てを続行せよ、そうして余れば、この場合は県と国が補償しておりますから、両方に対して返せというようなことで抑えておるわけであります。
○木下辰雄君 第二条の第三項の十三億円というのは、どういうところから算定した金額ですか。
○説明員(濱田正君) カムチャツカ沖地震とオホーツク海暴風浪によります被害額が二十四億でありまして、それの復旧額として算定されるものが二十二億であります。それにつきまして、これは全体のルース台風とか十勝沖震災の場合に査定を大蔵省がやつたものより少し緩和しまして、先ずもとの復旧額に対して七割を掛け、更に七割を掛けたものが、融資をしなくてはならんであろうものと見まして、それに八割、大体八割が融資機関からの融資が要るだろう、かように考えて十三億何がし出まして、ラウンド数字にしまして十三億というふうにしたのであります。
○木下辰雄君 第三条第二項において、但書において都道府県がこの損害の三割を補償する場合においては政府は五割を補償する。こういう規定がありますが、この三割を補償するような措置は本省から各都道府県に何らかの交渉をするのですかどうですか。
○衆議院議員(薄田美朝君) 私衆議院から参りました薄田であります。今お話のように、大体宮城県とか、北海道などには、私どものほうから交渉をいたしまして、宮城県は大体三割引受けるというようなことになつております。北海道のほうも大体その方向に進み、まだ確答は出ておりませんが、大体その方向に進むような状況にあると思います。
○木下辰雄君 只今の御説明によりますと、大体被害県が三割補償する、こうなれば、法文では政府は三割となつておりますけれども、実際においては五割の補償を国がすると解して差支えないですか。
○衆議院議員(薄田美朝君) まだはつきり申されませんが、私どものほうとして又懲悪いたしまして、成るべく三割以上補償して頂きたい。というのは、丁度二回も場所によりましては損害を受けておる所があるのでありましてなかなか、みん負担力がないの、でありまして、県としても非常に同情して、盛んに県の責任者も陳情に参つたのでありまして、そういうふうな問題につきましては、まあ都道府県も或る程度まで片棒を担ぐということが、債権の回収その他においても非常に安心でありますもので、そういうふうな意味の懲悪をしておりますもので、大体の旦当では同じような宮城県式な方法で参りたいと思つておりまして、そういうことを懲悪しておる次第でございます。
○木下辰雄君 宮城県はこの前の十勝沖の震災におきまして相当被害したけれども、その被害したやつの復旧がこの法律で、できまして、大体復旧して、これからそれの収入によつて返そうと思つた場合において、それが又今度の災害で根こそぎやられたということの報告も聞いておりまするが、そういう場合においてこの法律と関連して何らかの措置を私は講ずべきものだと思つておりまするが、御提案者の御意見は如何ですか。
○衆議院議員(薄田美朝君) 何らかの……。
○木下辰雄君 もう一遍申ます。この前の十勝沖の震災で被害したやつをあの法律で復旧しておる。復旧してそれによつてあの生産高でもつてその金を返す。それが又再び今度台なしになつてしまつて、そして又この金を貰つてやるとしたら、前のやつは返せない。それに対して提案者としては、そいつを何ら善後処置を講ぜずして直ちにこの法律を作つて行かれたら支障はないですか。
○衆議院議員(薄田美朝君) それで、まあ今まで三割でございましたけれども、今度は五割にし、それから利子補給の問題も殖やしまして、国庫には要求するとして、そういうふうな点も考慮いたしまして立案したのでございます。
○木下辰雄君 まだおわかりになつておらんと思いますが、そいつは五割にしても或いは利子補給を五分に増加しても、今度の被害に対する金融の返還には非常にいいと思いますが、前回の被害に対する返還にはならんと思いますが、それに対しては水産庁としては何かはかに方法を講ぜられますかどうですか。
○説明員(濱田正君) それとこれと分けてはつきり対策はありません。それで今薄田小委員長からもお話がありましたように、五割にされた理由は、そことの関連をつけて五割ということが出て来るわけでありまして実際上返すほうから見れば要するに返せばいいので、どれから出た百円札であろうともそれは差支えないので、五割と三割の総合運営があるから前の手が或る程度緩和できる。これとあれとをはつきり分けるというふうにされるという手はないが、両方を勘案すればおのずから手はあると、こういうことであります。
○木下辰雄君 金融機関からこの前は金を借りて復旧をした。その場合においても、金融機関においては枠がなくて貸さないというような場合もあつたように聞いております。今度十三億という金がここに融資してありますが、各銀行にそれだけの枠を殖やして、日本銀行が枠を殖やして何ら支障なしに措置をするつもりですかどうですか。
○説明員(濱田正君) 枠がなくてできんということは私は聞かなかつたのです。と申しますのは、十勝の場合にしましても、農林省が契約をしましたのは、中金が二億五千万円、銀行が一千万円、二億六千万円で枠はまだ余つておるような状況であります。それからこの法律につきましては、十三億の枠門しか、これは殖やすということは、法律できめてありますからできないわけであります。
○木下辰雄君 私は枠というのを誤解されたと思いますが、資金が如何に十三億あつても、この前の場合のように六億あつても資金がない、銀行の資金がなくて貸せないというような場合があると思うのです。その場合に、枠だけの金は支障なく貸せるように日本銀行から廻わすというような措置を講ぜられたかどうか。
○説明員(濱田正君) これは設備資金でありまして、設備資金につきましては、日本銀行から廻わすというふうな手は現在の金融制度にはありませんのでして、農林中金の農林債の発行ということで賄つて行くということでしか方法はないわけであります。
○木下辰雄君 一般の銀行はどうですか。
○説明員(濱田正君) 一般の銀行につきましては、例の長期信用銀行、あの銀行債、そしてそれが各市中銀行が長期信用銀行の何と言いますか貸出しの窓口になつておるということで、この銀行から融資を受ける、こういうことになります。資金の元はやはり長期信用銀行債券ということになるわけであります。
○木下辰雄君 もう一遍確めておきますが、この前の十勝沖で相当金を借りておる。総額においては約六億の範囲内ですが、相当宮城県も借りておると思う。それを今度は金を借りたやつが五割の補償、全部を合わしても八割の補償、これも五分の利子補給からして前の借金をこれで以て返せというお考えですか、どうですか。
○説明員(濱田正君) 前の借金もこれを以て返せということになるわけです。ただその期間までに返せなければ、そこで第三条の関係であります。一この前の法律も同じように第三条の関係で、一定の期間までに返さなかつたら、そこで損失とみなして補償して来ると、こういう形をとつておるわけであります。
○衆議院議員(薄田美朝君) 衆議院の水産委員会におきましてこの法案を審議いたしますときに、こういう強い希望意見を出しまして採択しておるのであります。 政府は、本特別措置法による融資の裏付けとして金融機関に対して政府資金を供託するか、農林中央金庫に対しては融資額に相当する農林債券を紐付きで買上げるとか、或いはこの両者を実施して融資をさせるようにしてくれるようにということを採択しております。
○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと速記をとめて。 (速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。
○千田正君 水産庁にお願いいたします。これは北海道及び東北六県が主でしようが、大体損害額はどうなつておりますか。それをはつきりして頂きたい。
○説明員(濱田正君) 北海道が被害額が大体十一億八千万円位であります。それから青森県が千六百万円、岩手県が一億八千六百万円、宮城県が九億五千三百万円、それから静岡、三重がありまして、静岡が四千万円、三重が四千万円、このぐらいの程度になつております。
○千田正君 そうするというと、北海道に次いでは宮城が被害を被つたというわけですね。これは別に、前のいわゆる十勝沖のあれのときの問題も含んでこれは要請しておりますか。
○説明員(濱田正君) それは全然別です。
○千田正君 これだけの被害ですか。
○説明員(濱田正君) そうです。
○千田正君 そこでさつきの木下委員からの質問があつたのですが、これは恐らく岩手も宮城も北海道も同じだろうと思いますが、十勝沖の震災によつて漸く復旧し、或いは復旧の半ばにあつて、而も漸く資金が入つて来てどうやら設備をやりかけたときに又やつて来た。こういうダブつた損害を被つているわけなんですね。ですから、前の分もあとの分も、これは恐らく両方勘案しての総合的な措置としての温情的措置だと私は考えるのだが、その点はどうなんです。
○説明員(濱田正君) 法律的に厳格に言えば、前と後とは全然別になつておるということであります。ただ実行上は、同一人の場合は同一人が二つの債務について、中金に債務を履行するということになりますれば、その人から見れば収入減はどちらにしても同じものでありますから、それがどちらに振分けられるかということが実際の運用の問題になつて来ます。その運用の問題で、この片方において五割だけ、そうして県が入れば八割まで行くというところに運用上の要点があるわけであります。
○千田正君 実際の法文の上から言えば、勿論十勝沖の場合と今度の場合とはおのずから異にして、又時期も異なつておるのでありますから、当然そうあるべきであるが、現実の被害を被つた立場から言えば、でき得るだけ返し易い、利用し易い方法でやるようにということで、余り厳格な差別を以て要求されないことを特に要望して、私はこれには賛成したいと思つております。
○木下源吾君 ちよつとお尋ねしますが、今度の損害と言いますか、災害について、今度は融資をやるという根本ですが、個人と組合との災害の額の割合はどうなつておりますか。
○説明員(濱田正君) 県から報告して来ておりますのは、漁船とか漁具とか共同施設とかいうふうに、物で、災害の物で言つて来ておりますからして、災害の人別に来ておりませんので、我我のほうではちよつとわかりかねる状態であります。
○木下源吾君 この法律は損害に対する補償と言いますか、これはやつぱり補償の一部ですか、この法律は。私はそう見ておるが、財産の補償であるのか、漁業政策、そういうものを保護するのか、どつちのほうに一体これは考えておられるか。
○説明員(濱田正君) 木下委員の御質問の要点がよくわからないのですが、漁業の復旧ということで融資をつけてそれで期間内にその金が返つて来なかつたと言つてその損害を融資機関に補償すると、こういう建前であります。金融機関に補償する……。
○木下源吾君 まあ大ざつぱに言えば、漁業のために、こういうことになろうけれども、実際に金を貸すのは融資機関、その融資機関の考え方が、いわゆる財産ですね、物というものを主として対象にして貸すのか、或いはあなたの今言う漁業ですね、漁業復旧、いわゆる漁業生産復旧という点にも考慮して貸付けるのか。こういうことなんです、私の言つているのは。
○説明員(濱田正君) 勿論大きな意味においては漁業生産復旧でありまして、極端に言えば漁業生産復旧ならば何も災害を受けた人でなくても、ほかの人でも生産の復旧になり得るじやないかということもあり得ると思うのですが、それでは生活が立ち行かんということがありますから、その人の生産の復旧ということで、漁船とか、漁具とか、共同施設とかいう施設に対して融資を促進する業務であります。
○木下源吾君 そうすると、やはりあなたの答弁によると、窮極的には物、いわゆる財産、そういうものを対象としてこれは補償する、こういうことになるのですか。
○説明員(濱田正君) 対象はこの法律に書いてありまするように、漁船、漁具、養殖施設、その他政令で定める漁業共同施設というものが対象になつております。
○木下源吾君 それは個人のものを対象にしてやるのかどうか、それを一つ。
○説明員(濱田正君) それは二条にありまして、その漁業者個人もよし、それから協同組合の施設もよしという二つであります。
○木下源吾君 そこで私は、この対象になる個人と協同組合との損害の額の割合をお尋ねしたわけですが、それはわからんという。どうもこれはちよつと根本問題が論じられないことになるならば、どういうように考えますか。
○説明員(濱田正君) これはまあ大体概略ならば、例えば漁船、それから漁具、これは大部分個人であり、共同施設、これは大体協同組合のものであるという、その概数くらいだつたら大体金額として抑えられます。ただ正確には内容はわからない。概数ならわかります。
○木下源吾君 そうすると、融資は、その所有している個人の信用とか、いろいろそういうものにはかか、わりなく、物を対象として、物だけを対象として融資をするというように了解してよろしいですか。
○説明員(濱田正君) そういうことには相成らんだろうと思います。一そのも、のと、それからその人の信用力というものが当然プラスされてくる。ただ従来の融資と違つて、損失補償があつたという点だけ、金融機関としては比較的楽に融資が付くという点だけであります。
○木下源吾君 ですから損害補償があるということで、そうすれば金融機関は初めから補償があるということを目安にして貸すのですか。
○説明員(濱田正君) これは金融機関の貸方としては、それは非常に重大なる要素になるだろうと考えております。
○木下源吾君 実は政府がこういう法案を出す場合には、私としては物だけではなく、やはり個人、借主という人格、そういうものをも有力な一つの要素になるというならば、いわゆる個人の総括的な損害は勿論のこと、そして損害を受けた個人々々を明らかに調べてこれは出すべきだと、私はそう考える。そういう点については政府はどう考えておるのですか。
○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと木下委員に申上げますが、これは議員提出の法案で、政府提出でないのですから、その意味で一つ……。
○衆議院議員(薄田美朝君) 今政府委員から答弁がありましたような状態でありまして、まあ損害を再三受けておりますから、殊に前回の例などをみましても、北海道なんかに一億何ぼしか補償されてないという状態にあるものですから、利子補給というような点も考え、又いろいろ政府の補償も考ええ、都道府県のあれも考えてまあ成るべくたくさん貸してもらつて復旧を図るというような趣旨で法案をごしらえたわけであります。
○木下源吾君 でありますから私お聞きしておるのです。成るべくたくさん貸すということの対象は、やはり漁船だとか漁具だとか、施設だとかいうものを対象にして私は貸せばよろしいと思う。そこに個人の資格だとか、信用だとかいうものが加わつて来るから、それ故に一遍きめたこの前の法律でも金が余つている、金が余つているということは復旧しないということになると思う。これは明確に私はしておく必要があると思つてお尋ねしているのです。もう少し突き進んで行くならばもつと実際の零細なものまで注意深く貸付されるように、而もそれは個人個人は貧弱であつても物というものを対象にしてやらなければいけないのじやないか。およそこの前でも十四億ですか、という損害が出ておるのに、僅か一億か二億くらいより融資されておらん。あとのものは復旧してないわけなんです。それは何故かということを突き詰めて行けば、恐らく金融機関が物よりも借りる人間を対象にしてやるから一般の普通の金融機関による復旧にならない、そのため水産業経営者の復旧にならない、こういうふうに考えられる。そこで今度は補償額を殖やすというなら、なお更私は今のような点について金融機関の心がまえというものを聞いておきたい。ここでは十三億ときめても、実際にはその三分の一も利用できないのだということになれば、何のために我々は法律を作つたかということになる。そういうことを考慮しまして又逆には大事業はたくさん損害を受けておると思う。この場合に、大事業家はたくさん損害があつたのだからというので何ぼでも補償をしてやるのだということはいけない。それをやると同時に、一般にもつと普遍的にこの恩典に浴せしむべきだと考える。ですから個人の場合、いよいよとなれば個人の信用とか、そういうものをカバーするために国が補償すると私は見て差支えないと思う。従つて金融機関はそういう観点に立つて融資することができないのかどうか、私はお聞きしたいのです。
○松浦清一君 今の木下委員の御質問を聞いておると、結局は十三億という枠をきめてそれで損失補償して行くために金融機関から金を出すのだ、こういうことになると、個人の資産状況とか或いは力の関係だとかという大きな力のあるほうは金が容易に借りられて、全く個人の自己資金で立直ることのできないものに金融されないという結果は不均衡である。これは困つた者に対しては融資の途を開くごとになつているかどうかという、こういうことを聞いておるのだと思う。そういうことは、第二条に書いてあるように、漁業者、水産業協同組合というものを対象にしているのだから、個人の信用関係、力関係、財産関係というものに関係なく、やはり復興したいという意思のある者に対しては金融のできるような法律である、こういうことが明確になればそれで私はいいのじやないかと思うのです。
○木下源吾君 大体そういうことなんですけれども、そういうことができるならば、ここでこの法律を作るときに明確にしておく必要がある。絶対にあると思う。提案者にその点を御答弁願いたい。
○衆議院議員(薄田美朝君) 私もその点を非常に考えまして前回の例から考えましても政府補償が少く、金利も比較的高い関係もあるので、今度はあまねくそういうふうな場合には行き渡るというような工合に県も慫慂し、国のほうも補償額を多くするというようなことで、大体そういうような考慮の下に、この間、金融機関の人にも衆議院の委員会の八に来て頂きまして、そういうような考慮の下にいろいろ相談したような次第であります。
○木下源吾君 もつと明確に、人間を対象にするというよりも物を対象にしてやるのだと、こういうことを明確にしてもらいたい。先ほどの政府の答弁では、これは発案者じやないので、ああいう答弁をしておると思うが、物を対象にしてやるというふうに明確にしてもらいたい、融資に関する限り……。
○衆議院議員(薄田美朝君) 政府の十三億というのも、損害額のうち七、八、割と見て十三億ということになるわけでございまして、能力のあるものについては金融機関がどんどん貸すわけです。それ以外のものについてはこういうような補償をするということですから、従つてそういうような能力のないものを重点的に考える、従つて今お話の通り物を中心としたものに行くというような我々の考え方であります。
○木下源吾君 そこで提案者にお尋ねしますが、これは一般の漁業保険といいますか、そういうものとの関連をどういうふうに考えておりますか。
○委員長(秋山俊一郎君) 木下さんちよつとお尋ねしますが、漁業保険というのは……。
○木下源吾君 農民なんかが天候が不順のために穫れない場合に農業保険というものをやつておるでしよう。漁業にはそういうものはないのですか。
○委員長(秋山俊一郎君) 漁船にあるだけで、そういうものはないわけです。
○木下源吾君 こういう法律を作るのは十勝沖のとこれで二回目ですね。こういうような天災地変、つまり自然的な不可抗力によつて生ずる、こういう漁業者の損害というものは、やはり保険の制度が確立せにやいかんと、こう思うのですが、こういうことを出すぎつかけにはどうしてもそういうことは必要だと思うので、そういう点についての提案者の御意思を伺つておきたいと思う。
○衆議院議員(薄田美朝君) 今の木下委員の御意見の通り我々も考えまして、これも一つ恒久立法にしよう、そういうような時分には「々別な法律を担えないで、すぐ該当したものについては主管大臣が裁定によつてということも考えていろいろ交渉したのでありまするが、一つは間に合わないという関係もありますし、又値久立法になりますと、いろいろな点の財政的な面こともあるし、それから水産業の性格からいうても、なかなかそういうふうな点については急速に間に合わないというふうなことでありまして、我々も将来そういうふうな点については十分一つ考えて政府とも粗談して参りたいと思つておりますが、急を要するものでありますから、特別立法としてこれだけを出すことにしたのであります。我々提案者はそういうふうな考慮の下にいろいろ文案につきまして研究したのであります。
○木下源吾君 今まあ政府と御相談してやられるというのですが、これは議員で提出に相成つておるので、私は政府と関係ないものとしてまあお尋ねしておるわけです。これは間に合わないから……、この前にもこういう法律ができたときには、やはりそういうことだつたと思うのです。これはやはり提案者においては、こういう突発のことが起きた度に、比較的これは額が目についておるから、これでお互いに救済されるということになるが、もつと部分的な、而も災害の度合が大きくても見捨てられておる場合が多いと思うのです。ですから、これはできるだけ速かにそういう方向に持つて行くように提案者は一つ考えてもらいたい。こういうように希望しておきます。
○衆議院議員(薄田美朝君) 御意見として一つ承わつておきます。
○委員長(秋山俊一郎君) 大体質疑も尽きたと思います。終局したものとして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) それでは討論に入ります。
○千田正君 先ほど私は質疑の際にも申上げましたが、只今木下委員から縷縷この問題については述べられておりますが、農業と漁業とに非常に格段の差がある。而も漁業の場合においてはいわゆる板子一枚の底が地獄と称せられるいわゆる自然を相手の生活闘争である。こういうような面については漁業は長い間放置されておつた。今日におきましては、我々はいわゆる新らしい日本として、この基礎産業に対しては、恒久的な一つの安全な宜つ又明朗な漁業ができるように方策を考えなければならんのでありますが、たびたび第一国会以来この問題については論議しております。併しながら未だ我々の納得するような恒久的な法律ができなかつた。単に大きな災害に対してのみ法律を作られたのでありますが、今度はやや中型のこの災害に対してこういうような法律が出て来ました。私はでき得るだけこの漁民の生活を守るために恒久的な法律を要望してやみませんが、その第一段階としまして、今日提案されたこの法案に対しては一日も速やかにそうした段階に進むように、取敢えずとにかく本年の災害の速やかなる復興を念願しましてこの法案に賛成いたします。
○松浦清一君 時間を急がれておるようですから、簡単に要約をして私の賛成の意見を述べたいと思うのですが、只今千田委員からも御発言のございましたように、ルース台風が起つたから、その災害補償の法律を作る、どこ「かに地震が起つたからその災害の補償「法を件る、こういうような一貫しない方針では実は困るので、併し、私も、費用の伴う補償に関連する法律でありますから、何か具体的な現象、具体的な事実の対象というものがなければ法律というものはなかなか作りがたいことは、これはよくわかりますが、こういう法律を作られたあとで又すぐに防潜網等に対する法律を作らなければならん。そうしているうちに又どこかに地震が、台風が起る、又それの法律を作らなければならんということになつて来ますし、我々が前国会のときに視察に参りました工場の濁水のために損害を蒙つておるというような、部分的な問題もたくさんあるので、これは総合」体にした補償の基本法律ですか、そういうものを作るために衆議院のほうでもこういう法律を提案になりましたのですから、この機会に一つ御勘案を願いたいし、政府側でもそういうことができますように、特段の一つ御配慮方をお願い申上げておきまして賛成をいたします。 ただ一点希望がございますが、これはどうせ金融機関が金融をするのですから担保物件というものがなければなかなか金は貸さないと思います。ところが一杯の船を持つておつて、一杯でやつておつたような零細漁民がこの船を失つて担保をなくするということも出て来ると思います。そういうものに対してはやはり金融をするにはどうしたらいいかという途を一つ別にお考え願つて、普ねく損害を蒙むつた大漁業者を問わず零細漁民を問わずこの金融措置がとられて、速かに被害地の復旧がなされるように御配慮を願うことを申上げまして賛成をいたします。
○木下源吾君 私もこの法案は一日も早く実施すべき法案と存じまして賛成をいたします。ただ先ほど来、木下委員のほうから縷々申されましたように、枠を如何に作つてもなかなかその消化ができないということは、非常に一日も早く金を欲しがつておるにもかかわらずやはりいろいろな面の調査があまり厳重であつてその時期を失するという虞れが十分にあるのです。だからやはり人より物に重点を置いて、一日も早く復興するということに全力を注いでもらいたい。 もう一つは宮城県のごときはこの前の復興は台なしになつておる、それに対して何らの措置もしていないが、これをやつて再びそういう施設が復旧した場合においては何年か期限を切つてその被害者に対しては租税を免除するというような措置をとるように、水産庁からその筋に折衝してもらいたいということを私は希望いたしまして賛成いたします。
○木下源吾君 結局は私は賛成でありますが、先ほどからいろいろ申上げておるように、この法律によつて実際負担能力のあるものまで政府の補償というものに便乗することは、これは慎しまなければならん。逆に負担能力のないもの、そういうものが生産復旧のために救われることを望むわけであります。そうして今融資機関を通してやるということは、私は甚だごのような問題を解決するのには不適当と考える、このようなことはやはり政府みずからやるということでなければ徹底しないと思う。なお併しながら今日急場の際において融資機関にこれをやらせるより方法がない、この場合においても只今申上げたような条件が厳に付かなければいかん、かように考えます。すでに私は只今申上げたようなことは前回の十勝沖の問題のときの実績より見て明らかであります。この損害に対して実際法律が有効に用いられておる場合においてなおこれが救済の実が挙らないということに対しては、十分にこれを実施する上においてそういうことを遡つて検討してやらなければならんと「かように考えます。なおこのような法律が国会においては国民の意思として極めて緊急であるという点に鑑みまして、具体的にこれが実現される上においても、この国会の意思を体して施行の際においては十分注意せられることを希望いたします。以上諸点を申上げて賛成いたします。
○千田正君 先ほど私は賛成の意を表しましたが、なお追加して私は申上げたい点は、本法の衆議院における採決に際しまして衆議院の水産委員会におきましては要望決議をしたようであります。私の知るところによりまするというと、その決議によりまするというと、第一は金融機関に対して政府資金を預託するということ、第二は農林中金に対しては融資額十三億に相当する農林債券を紐付きとして政府に買上けせしめること、第三は一と二のこの両者ともに実施すること、こういうことを要望決議として採決に際して付託されだそうでありまするが果してさようでありますか、薄田小委員長に伺いたいと思います。
○衆議院議員(薄田美朝君) そうでございます。
○千田正君 これは先ほども木下源吾委員からもしばしば零細漁民のことを慮つて、縷々要望がありましたが、私としても同感でありますし、又衆議院のこの決議も又私は同感であります。更に我々はこれに附加することは、いわゆるたびたびこういう問題が起るのに対して何回も法律を出ざなければならないというようなことではなく、恒久的な法律を立法すべきであるということを、又衆議院のこの要望決議に附け加えまして、参議院の附帯決議としてこれをこの際提案したいと思いますが、この点を委員長から各委員にお諮り願いたいと思います。
○委員長(秋山俊一郎君) ほかに御発言ございませんか。
○木下辰雄君 只今千田委員の御発言中、こういうものを恒久的にやるところの附帯決議をするというようなお話ですが、若し委員会においてお互いに申合せするということなら私はいいと思うが、その決議をどこに突き付けるか、自分らに突きつける、立法者は自分らから自分らに突き付けるということになりますので、もう一遍千田委員にお質し願いたいと思います。
○千田正君 この法律を作る際、これは衆議院提出の法案であります。そこで私はこの立法者の作つたこの法案に対しまして、参議院の意向を更に追加してこの際法案を修正することなく、参議院の意向をこれに付随してやはり法案のいわゆる付帯決議として出したい、こういうのが私の趣旨であります。
○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと速記をとめて下さい。 (速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。 それでは千田委員に御相談しますが、只今の付帯決議というのは一応撤回して頂いて、要望事項として御発言願つたことにして差支えございませんか。
○千田正君 もう一度私から……、先ほどの付帯決議は政府提案の法案に対してという意味で、政府と議員とのこれは両方の十分なる打合せの結果の法案だと思つたから私は申しましたが、これは議員立法であるとするならば、我々参議院といたしましてはこの際要望決議といたしましてこの衆議院の立法に対しまして、参議院の要望をこの際追加しましてこの法案の通過に賛成したいと思いますので、委員長からお取計らいを願いたいと思います。
○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと速記をやめて下さい。 (速記中止)
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。 これは要望事項でありますから別に採決する必要はございません。速記に載つておるのでございますから、要望として委員長報告の際に要望事項を申上げます。 ちよつと速記をやめて下さい。 (速記中止〕
○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。 ほかに御発言もないようでありますから、これから本案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋山俊一郎君) 総員挙手でありますから、全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告は前例のごとく委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋山俊一郎君) 御異議ないものと認めます。 次に例の通り多数意見者の御署名をお願いいたします。 多数意見者署名 木下 辰雄 千田 正 青山 正一 片柳眞吉 木下 源吾 松浦 清一
○委員長(秋山俊一郎君) それでは速記をとめて下さい。 午後三時一分速記中止 —————・————— 午後三時二十一分速記開始
○委員長(秋山俊一郎君) それでは速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十二分散会