P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
15回国会参議院1952/12/05

水産委員会 第6号

発言数
97
登壇者
8
会派数
4
開催日
1952/12/05

会議録

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) それでは只今から委員会を開会いたします。  前回から話合いをいたしておりました李承晩ライン及び防衛水域に関する件は、案文についていろいろまだ御意見がありましたので、今日までまだ提出に至らずにおりますが、いろいろ皆さんの御意見を総合いたしまして、大体この辺でどうだろうという案文を作りましたから、もう一度朗読いたします。    李承晩ライン及び防衛水域に関する件   日本海及び黄海における広範なる公海漁場において、韓国政府は公海の自由を否定し、国際法の原則を無視する所謂李承晩ラインなるものを一方的に宣言して、我が漁船を武力により威嚇し、漁船及び乗組員の拿捕抑留により、我が漁業を不可能ならしめる重大な事態を惹起している。   右は幾十万漁民の生活を脅し、我国民経済に甚大なる被害を与え、ひいては日韓親善にも悪影響を及ぼすものである。   一方防衛水域の設定も亦漁民に多大の不安を与えており、政府はこれらの事態に対処して、急速に局面の打開を図るため、対外折衝により、万全の措置を講ずべきである。  これが前には「一方的に宣言して、公海漁場を独占せんとする意図のもとに、」という文句が入つておりましたが、どうも少し刺戟し過ぎる傾向がありはしないかという意見がありましたので、これは削除いたしました。それからおしまいのほうに「強力なる対外折衝により」というのを、「強力」も余り強過ぎるのじやないかということで、「強力なる」という字を削りまして以上のようにいたしました。木下辰雄委員から防衛水域の問題は必要じやないのじやないかという御意見もありましたが、他の委員のかたはやはり過般来非常に当業者のほうからも問題にしているので、全然謳わないことも工合が悪くないかということで、最後にこの一項を入れたわけでありますが、以上の文案で提出して差支えございませんか。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 私は少しここで修正の意見を述べたいと思います。それは、最後のほうに、「一方防衛水域の設定も亦漁民に多大の不安を与えており、」というのがあるのです。これはこの間うちからも、外務当局並びに水産庁当局の説明によつても、非常に不安であつたから外務省としては厳重に抗議をした、その結果、国連軍からは回答があつた。その回答は、防衛水域内においては発砲もしない、拿捕もしない。併し邪魔になつたら出て行つてもらうというような回答であつた。そうしてその後一カ月ばかりの間、三、四十はいの日本の漁船がここで操業しておるが、何らの不安もない、総合すると、こういう答弁であります。それに多大の不安を与えておるということは、私は行き過ぎじやないかと思います。折角誠意を持つて国連軍もやつておるのに、こういう声明を出すということは、行過ぎじやないかと思います。若しこれはどうしても防衛水域を書かなければならんなら、私はこういうふうに直したらいいと思います。「一方防衛水域の設定も亦漁民に対して今なお不安を与えており、」とやれば、幾らかやつたけれども、今もなお不安を持つてはおるのだ、こういうふうなことになる。この文書の「多大の不安を与えており、」というのは、現在、回答後一月の間、日本の漁船が三十余はいが向うへ行つて操業しておるが、何らの不安もないというのに「多大の不安を与えており、」ということはどうも国連軍に対しても言い過ぎじやないか。私はこう思うのです。そういう訂正意見を出すことにいたします。

千田正第一クラブ

○千田正君 木下委員の御意見御尤もでありますが、これは一方的に外務省だけの意見であつて、実際は漁民は多大の不安を感じておるのじやないか。私はこう思うのですが、その点の観点はどうでございましよう。各委員の御判定をお待ち願いたいと思いますが、我々いつでも役所のことばかり信じておると、とんでもないことになることが多いのでありまして、外務省が真剣になつてこの問題を取上げて交渉しておることは十分わかるけれども、果して不安がないということは私は断定できない、こういうふうに考えられるが、今日は外務省は見えておられませんが、水産庁としては、今木下委員の御意見も尤もだと思いますけれども、殆んど不安がないというふうに考えてよろしうございますか。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) やはり不安は相当大きく残つております。貴重な油を使つてあの水域に出掛けて行つた場合に、その海域から退去を要求されるという、相手方限りの自由裁量での退去を要求されるということがありまするし、殊に韓国の海軍におきましては、行過ぎと考えられるような措置をとる場合も往々にあるので、私は漁民から聞いておるところも、それから水産庁のほうで、まあいろいろ情報を現在まで集めておる範囲内におきましても、私はそう考えております。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 今水産庁長官のお話では、今、再々不安が残つておるというようなお考えのようですが、この前の委員会において、増田課長の御答弁では、現在三十はい余の船が出ておる、それはさばの跳釣り及びあぐり網である、それに対して一カ月間ばかりの間、何らの不安もなしに操業しておるという言明があつたのです。今の水産庁長官のお話と大分違うようですが、それに対して一つはつきりしたことをお答え願いたい。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) これは、私は、成るほど増田課長がそういうことを説明されましたが、実際はもつともつとたくさん入らなければならんはずだと思うのです。あすこには漁船がこの問からの陳情によりましても、多数の漁船が入つて行く所を僅かに三十ぱいか四十ぱいでやつている。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それは私は水産庁なり外務省の意見が徹底してないと思うのです。現にここの静岡県や神奈川県のさば釣りの船は全部帰つてしまつた。危険だと思つて帰つてしまつた。これも今の状態であるということがわかれば、どんどん行つておつたのです。今長官が言われたように、今なお幾らかの不安が私はあると思う。それは、だから漁民に多大の不安ということは言過ぎじやないか。今なお不安があるという程度なら私はいいと思う。この間増田課長は、国連軍と交渉して、何か国連軍からしるしをもらつて、そこにそのしるしを持つて行けば、なお安全である、その交渉を今しているという話がありました。だから私は今の三、四十ぱいの船が向うに行つて安全に操業しているということが徹底してないと思う。それで漁民は徒らにまごまごしているのじやないかと思う。前段は非常に不安だと思うのです。

千田正第一クラブ

○千田正君 これは木下委員と水産庁長官の意見を入れるならば、この文句も訂正できると思います。「多大の不安を与えておる」ということを、「漁民に今なお相当の不安を与えており」ならば、委員長の狙いも、木下委員の言うことも入つておるし、それから水産庁長官の答弁も入つておりますので、訂正するならばその程度では如何でございましようか。(「異議なし」と呼ぶ者あり、笑声)

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) それではそれでよろしゆうございますか。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 これは「相当」や「多大」という頗る字句の問題になりますが、むしろ私の見るところでは、要するにその防衛水域の性格というものが不明瞭なんだね。そういうところから、今入つともいいし、入つてどうなるか、要するにわけのわからんというところにあるので、そういうふうな不安は私はあるのじやないかと思う。「多大」というのはちよつと私は強い感じもするので、これは「相当」でも「今なお」でも、どつちでもいいんですが、(笑声)要するに性格がはつきりせんというところに対外折衝に万全の措置を講ずべきだと思う。これをいかんというのではない。だからその性格なりをクリヤーにするということが、むしろあれで、「万全の措置」というのはやはりそういうことも含んでおるのでしようね。「万全の措置」というと何かすべて防衛水域を否定するようなことになると、やはりちよつと強いというような感じもするのですが、ですから私はここは「相当」でも結構ですが、「万全の措置」というのは、むしろ性格なり内容を明確にするということが、実際的の措置ではないかと思うのですが……。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) これは防衛水域の問題と李承晩ラインの問題と両方絡めて結んりでありますから「万全の措置」として広く扱つているわけなんですが、大体どうでしよう、この辺で……。  それでは今訂正いたしましたように書き直しまして、早速それぞれの関係当局に申入れをすることにいたします。これは外務大臣、農林大臣、保安庁長官、この三当局に提出いたします。ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。   —————————————

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) それでは北洋漁業の問題につきまして水産庁から御説明を願います。明年度の北洋漁業計画につきまして、大体水産庁で今準備を進められておると思いますが、これに対する御説明を伺いたいと思います。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 来年行われるべき北洋漁業につきまして、先般私どものほうでさけ、ます及びかに漁業についての我々の考え方と申しますか、方針を決定いたしましたので、その点について御説明を申上げたいと思います。  先ず前提といたしまして本年の夏、操業いたしましたさけ、ます漁業の成績につきましてお手許まで刷物で報告を申上げておりますので、これをお読取り願いたいと思つております。  概要を申上げますと、母船が三船団、独航船が五十隻、調査船が七隻という全体のスケールで、本年の母船式さけ、ます漁業が行われたわけでございますが、その漁場はお手許にお配りいたしております資料のあとに地図を附加えて置きましたが、この地図の中でアリューシャンを中心といたします矩形の地域、即ち北は北緯五十五度、南は北緯五十度、それから西が東経百七十度、東が西緯百七十七度という四つの線を以て囲まれた矩形の地域で、当初操業したわけでございます。ここは殆んど全く新漁場といつてもいい漁場でございまして、その成績はどうかと非常に実は心配いたしておつたのでございますが、アムチトカ島の南のほう及びアツツ、アガツツ島の南方方面に相当な漁場がございまして、大体五月、六月はそこで操業をいたしたのでございます。ただこの漁場の特徴といたしましては、非常に天候が悪く、持つて参りました網全体を有効に利用するような操業が、天候の関係でなかなか困難であつたということ、それから漁場といたしましては、この島蔭の非常に狭い地域のみが反当り四、五尾以上の漁獲のある漁場となつたので、これを外れると殆んど漁場価値が少なかつた。つまり漁場としては非常に狭い地域であつたということが言えるのでございます。五、六月をこの地域で操業いたしまして、七月になりまして、殆んどその方面の魚が陸岸へ向いますために漁場価値がなくなりましたので、七月からあと、その西のほうにございます梯形、即ち梯子形の地域に漁場を拡張、許可をいたしたわけでございます。この拡張後相当「ます」がたくさん漁獲されまして、この結果、漸く当初の漁獲目標に対しまして相当上廻る、魚の尾数で言いまして相当上廻るような結果を得たわけでございます。なおそのほかに、内地に持つて帰りまして販売いたしました魚価が、当初の計画よりも相当高く売れたというような事情もございまして、大体一部のものを除いて収支が償つたというふうに、私どもは見ておるわけでございます。  そこでこの経験をもとにいたしまして、本年の方針を検討いたしたわけでございまするが、第一にその一番問題となります全体の規模の問題でございます。これは勿論母船と独航船が組んで仕事をいたすわけでございまするが、漁獲の力といたしましては、これは独航船の数が中心になるわけでございますので、この漁業の規模といたしましては、独航船の隻数というのが中心になるわけでございます。で、これを考える場合に、その対象となる漁場、つまり許可区域はどこからどこまでがいいかという問題が先ずあるのでございまするが、その点は只今の地図に書いてございまするように、大体昨年度操業いたしました許可区域を全部当初から許可をいたす、そのほかに東のほうは日米加の漁業条約を、我がほうがさけ、ますの漁業のできます線のぎりぎり一ぱいまで、東のほうへ若干拡げる、それから南のほうも北緯四十八度で統一して線を引くということで、絵に書いてありますような漁場というものを許可する方針でございます。一番問題になりまするのはカムチャッカ半島、北千島方面へもつと接岸させるかどうかという問題でございます。この点はこれを思い切つて十マイル前後陸岸へ接近いたしますれば、漁場価値としては非常に飛躍的な、高い漁場があるのでございまするが、現在そこまで接岸させ偽ということは、国際関係からして困難であるという判断を持つております。そういたしますると、あと去年のこの漁場を十マイル乃至二十マイル接岸させるということが、それほど大きな漁場としての価値を増さないということになりますれば、大体昨年の経験を以て、一応事故なく操業いたしております漁場という意味で、昨年の漁場にとめるということが、現在まだこの国際関係の不安定な状態におきましては賢明であろうと思つて、こういう許可区域を定めようと思つておるわけでございます。  そこでこの区域の中で、幾らの独航船が適当であるかという問題でございますが、この点は実は昨年母船及び独航船が、内地を出ましてから切上げるまでは、どういうふうな行動をとつたかという、毎日々々の詳しい位置の材料を詳細に検討いたしますと、区域としては、こういう広範な区域になりますけれども、漁場価値として操業に堪える漁場というものは非常に限られておるのでございます。従いまして、ただ単に許可区域が何倍に拡がつたから、これの倍率で以て昨年の五十隻の独航船を殖やすということは、これは到底できないのであります。そこで昨年の操業の実績を詳細に検討いたしました漁場の広さというものを大体検討いたしまして、これに収容できるところの独航船の数というものを検討いたしたわけでございます。殊にこの後半許可いたしました梯形の区域におきましては五月、六月においで全然操業の経験を持ちませんけれども恐らくこの方面にも早期に漁場があるであろうという推察は一応できるのでございますが、これを実際調査船を出しまして、その漁場価値が或る程度明らかになるような経験を持つた上でございませんと、大幅に漁場を早期に、つまり五月六月にこの漁場を対象としての多くの独航船を考えるということは、非常に危険であるというふうに判断をいたしておるわけであります。以上のような検討を重ねました上で、独航船の規模としては八十五隻、及び調査船十五隻、これは特に新漁場価値の発見調査というために調査船を相当強化をするという必要がございますので、調査船を十五隻に増加いたします。計百隻の船を動かすということが丁度適当であろうということでございます。なおこの点につきましては従来では監督官として現地に参つております栃内技官が今日材料を持つておりますので、後刻必要がございますれば詳細に御説明をいたしたいと考えております。  それから独航船の船の装備でございますが、この点につきましては大体昨年設けました五十トン以上のデイゼル機関、無線方探の設備というものは、適切であつたと考えておるのでございますが、なお来年度はそれに附加えまして、船齢を余り古いものは除外するという趣旨で、原則として昭和十九年以前建造のものを除外する、或いはエンヂンの関係の予備部品を十分に備える、或いは母船への発送信が同時にできるような設備を必要とする、それからスピードの点につきましても、船団行動等の関係から七ノット以上は少くとも出るような船でなければいけないというような点で、独航船の資格について精々詳細の規定をいたしたと思うわけであります。独航船の選びます対象といたしましては、昨年同様、現在内地の漁場といたしまして、最も資源的に困つております以東底曳網の漁船を優先的に出したいと考えております。又この八十五隻の独航船の道府県別の選びかたをどうするかという点につきましては、先月の十九及び二十日の両日に亘りまして、北海道及び東北、北陸十一県の水産部課長にお集りを願いまして、各県におきます当業者の希望、計画というものを前提とし、いろいろ協議をいたしました。各県ともなかなか数多くの独航船を出したいということで、協議が困難であつたのでございますが、二日間協議いたしました結果、大体昨年五十隻を配分いたしました配分を基礎として、道府県別の配分をするということに大体の了解が得られまして、その結果、その席上におきまして、北海道及び東北十一県の独航船の隻数の配分も決定いたしました。その決定は、北海道四十、青森七、岩手三、宮城十三、福島七、茨城、千葉、秋田、山形、おのおの二、新潟三、富山、石川おのおの二、合計八十五、こういうふうに決定をいたしたわけでございます。これで各道府県におきます本月の十五日までに水産庁の方針に基きます適格船を選定して頂きまして、水産庁のほうへ出して来て頂く、それを我々のほうの線に沿つておりますかどうか、十分に検討いたしました上で、独航船としての資格が確定する、こういうことに考えておるわけでございます。  次に母船でございまするが、母船は現在いろいろ各方面で計画がございまするので、一応水産庁としての最低の資格要件を定めまして、これに基きまして出て来ましたいろいろな計画を十分に検討いたしました上で、先ほどの八十五隻という独航船に最も適合するような優秀な母船を選んで参りたい、こういうことで現在検討を続けておりまするが、その最低の資格といたしましては、昨年は五百トン級の母船もあつたのでございまするが、これはちよつとあの地域まで出る母船といたしましては小さきに過ぎると思いますので、少くとも千トン以上、望むらくはもう少し大きいことを希望されるのでございまするが、最低の要件として千トン以上、それから漁獲物の処理能力といたしましては、少くとも冷凍能力が一日十トン以上の冷凍、冷蔵の装備を要求いたしたいと考えております。これは単なる塩蔵母船を出しますことは、漁獲物の完全な利用から申しまして欠くるところがあると考えまするので、是非冷凍の能力を附加えさせたいということでございます。そのほか船団の行動、位置等につきまして明確にいたさせますために、無線、方探、ロラン、レーダーというような装備を要求いたしたいと考えております。又水の関係でエバポレーターを設備する。それから附属独航船の故障及び従業員の健康に対して万全の準備を整えておくように、その点につきましても詳細な準備を要求したい、こう考えております。これに基きまして現在各方面の計画につきましてできるだけ詳細に事情を聴取いたしまして、これを比較検討しておる段階でございます。それから今年の操業でいろいろと問題のございました点は、母船と独航船の間のいろいろな経済関係の問題でございます。この点につきましては本年の出漁が時間が不足であつたために、出漁前に、こういう点の十分な協議が整えられるというところまで行かなかつたわけでございます。又独航船のほうは、船主と経営主と、それからその独航船関係の団体としてできました組合という複雑な階段がございます。これらの階段があるために、一層こういう協議が複雑多岐を来たしたというような点があつたのでございます。この点につきましては、来年度は先ず適格独航船というものが決定いたしました上は、その独航船の経営者というものが中心になつて、この協議に当るべきであると考えておりますが、そういう経営者が自発的な意思でどういう組合を作るかという協議をいたしまして、組合を作ろうというような意思が明らかになりました場合は、そういう組合を認めるということを考えておるわけでございます。そういたしまして、この適格独航船の経営主と、それから水産庁のほうで決定いたしました適格母船の経営者というものの間の協議によりまして、来年は許可を出します前に、種々の経済的な条件につきまして十分協議をして頂きましてその協議が整つて両方話が一致したというところで、水産庁は許可をいたしたいとこう考えております。その許可の形は、昨年と同様母船と独航船の経営者との共同の許可ということにいたしたいと考えております。  大体以上申上げましたように、本年の出漁の結果によりましては、来年許可をいたそうとするこれの全水域につきましての確実な計算が得られておりませんので、もう一年この区域内における漁場価値というものを完全に調査をいたした上で、その上で今後の本格的な操業の規模というものを定めたいという趣旨で、来年度の許可は一年限りの措置といたしたい、こう考えております。  以上が母船式さけ、ます漁業につきましての方針でございます。  それから母船式かに漁業につきましては、昨年度は種々協議が行われたのでございまするが、結局その出漁を取りやめざるを得ない事態になつたのでございまするが、来年度は恐らく、すでに三国の漁業条約む発効いたしておると考えておりますので、東べーリング海における母船式かに漁業を一船団出したいと考えております。この形はやはり関係の適格なる漁業者の共同の出願というものに対して許可をするという昨年度我々が考えました方針を踏襲いたしたいと考えております。これに基きまして目下当業者の間でいろいろ協議が進んでおるように我々は聞いております。  そのほか北洋漁業者としては、母船式くじら漁業、或いは母船式のフィッシュ・ミールの漁業等があるわけでございますが、これらについては、今後十分検討いたした上で決定したい、こういうふうに考えております。  以上簡単でございまするが、説明を終ります。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 何か御質問がありましたら……。

千田正第一クラブ

○千田正君 二十七年度に出漁しました北洋のさけ、ますに対するところの漁業に対しまして、国際的ないわゆる、早く言えば、関連したところのアメリカ並びにカナダにおいては、これに対して何らかの反響があつたかどうかという点について、若しありましたなら御説明願いたいと思います。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 調査船十五隻というのは、これは誰が出すのですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) その点につきましては、母船及び独航船が決定いたしましたあとで、この母船式漁業の経営主体がどういう船を何はい使つてどういう調査をしたいかということの計画を立てて頂きたいと考えております。その計画に基いて、調査船もやはり母船式漁業許可規則の上では附属の漁船になるわけでございますので、その計画に基きまして水産庁で許可をして参る、こういうふうに考えております。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 調査船というものは、当然これは政府が責任を持つて調査するのが当然だと思いますが、民間においてそういう調査船を選定して出す場合において、その経費は水産庁から何らかの補助があるのですかどうですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) そういうような御理解は一応御尤もかと思いますが、実は調査船と申しますのは、非常に異なつた二つの種類があるわけでございます。第一は政府が直接調査をすべきいろいろな調査がございます。それは主にこの方面のさけ、ますにつきましての生物学的な調査ということに相成るのでございます。これは結局三国漁業条約の関係のいろいろの資料にもなるわけでございます。そういう調査につきましては、政府がみずからの費用を持ちまして、みずからの船、或いはみずから雇い上げたる船を以て、こういうさけ、ますの生物学的の調査をやる、こういう十」とに相成るのでございます。昨年度もそういう調査を政府みずからがいたしております。それからここで調査船と申しております船は、例えば南氷洋の捕鯨の船団は探鯨船というものを使つておりますように、その母船がどこに動いて、その漁船をどこに配置したら最も操業がうまく行くかという意味の漁場の探査でございます。勿論この漁場の探査もいろいろの生物学的調査を基にして、或いは海洋調査というものを基にして行なわれるものでございますけれども、その目的は、飽くまでもその船団を最も経済的に動かすためには、どうしたらいいかというその指針となる調査でございます。つまり南氷洋の探鯨船に相当する船でございます。従いましてこの船は船団長が最も自信を持つて動かし得る装備を持つた船であり、それから人的な関係から言つても、船団長の指揮命令下に十分に動かせるというような性質の船でなければならないわけでございます。でありますから、私のほうでは一応附属の全然経営主体の違います独航船とは一応区別をいたしまして、調査船という範疇を考えたのでございます。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 これは母船と関連あるようですが、母船は何隻を予定されておりますか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) その点は先ほど申上げましたように八十五隻の独航船に最もマッチした船で優秀な母船を何はい出すかということにつきまして、現在母船の計画を比較検討いたしておる段階でございまして、これは母船のトン数如何によりまして、幾らの独航船を配属するかということに相違が出て来るわけでございますので、まだ母船の隻数というものは決定しておらないのでございます。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それでは調査船の十五隻というのは、大体母船の何船団かきまつた場合に、その母船の船団に配分しておるというお考えですか。そうして又農林省から若し万一出る場合の調査船は、その以外のプラス・アルフアーというわけですかどうですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 母船のほうがきまりましてから後、水産庁においてごの十五隻を配分したいと考えております。それから水産庁のほうでやります調査船は、これは全然この十五隻の枠とは別でございます。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 かに工船についてちよつとお尋ねしたいと思いますが、昨年ブリストル湾附近においてアメリカが盛んにかに漁業をやつたということを聞いておりますが、そのリストがわかつておりましたら、お教え願いたいと思います。どのくらいの船が何隻出て、総計どのくらい獲つたかということ。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 現在アメリカ側で東べーリング海のかにがどのくらい漁獲されているかということにつきましては、私どもも非常にこれは重要なる要素として今調査をいたしておるのでございまするが、まだ実は本年どの程度かにを漁獲したかという統計は入手いたしておりません。昨年度の操業の結果につきましては、向う側の雑誌で見ましたもの等がございまするが、大体トロール船四隻、その累計の漁獲高といたしましては、これは冷凍が多いのでございまするが、約七十八万ポンド強ということに相成つております。これは罐詰に換算いたしますると、約三万三千箱ぐらいの漁獲に相成ろうかと思います。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 昨年さけ、ますの漁業に対してアメリカが関心を持つて一人の係官を派したという話ですが、本年度ブリストル湾近くにおけるアメリカのかに工船の状況を視察するため、日本から係官を乗せるというようなことは考えてないんですか、どうですか、長官に一つ……。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 只今のところはそういう計画は持つておりません。

千田正第一クラブ

○千田正君 只今の木下委員の御質問に追加して伺いたいのですが、本年のいわゆる操業の結果、さけの種類がこの前の国際条約の際において非常に問題になつたのでありますが、アメリカやカナダにおいて保護されておつたところの種類であるか、或いはいわゆるアジアのさけであるかと、こういう問題が今後に大きな影響を及ぼして来る問題なんですけれども、本年漁獲したさけ、ます等の結果から見て、一体どういうふうに水産庁では判断しておられますか、その点について……。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて下さい。

千田正第一クラブ

○千田正君 どうもさけの行き道についてのあれですが、それはそれで一応承わつておきまして、先ほどの御説明によると、本年漁獲したものは相当高価に売れたから、収支のバランスがどうやらついたと、こういうお話でありますが、私はあの値段は恐らく日本で終戦後初めてのいわゆる北洋進出だという意味で、市場におきましても、一つのお祝い値段としてつけた価格のように我々は考える。更に来年、二十八年度に出漁する場合においては、或る程度、漁区も拡張したようでありまするが、果して八十五隻の船が行つて獲つて来た場合において、昨年と同様、市場ではお祝い値段という相当な価格で買い取るかどうかということと、増額しただけ、果してそれだけの量が殖えるかどうかということは、これは今からの問題で確定はできないでしようが、若しもそういうわけで収支のバランスがとれないというような問題が起きた場合においては、勿論これは一年きりの許可でありますけれども、そういうようなことによつて被るような損失というような場合において、何かそういう場合にカバーするような政策は今予想されて考えておられるかどうか、その点はどういうふうに考えておられますか。儲ければいいのですけれども、そのバランスがとれなくなつてしまうということがあり得ると、私は考えるのです。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 北洋漁業が今後伸びて行くかどうかということは、これは先の長い問題でございまするので、その発端において大きな損失を操業者が被るというようなことがあつては、今後この漁業が発展するのに非常なる支障になると考えております。でありまするから、本年の操業、来年の操業も、先ずこの水域における漁業価値というものがどのくらいあるかという点を、はつきり一年でできるだけ掴んでしまうという点に主眼を置きまして、経営上はそういう損失がないように、できるだけ手固い計画で行つて、そして来年以降、再来年以降、本格的な拡大された規模で、この漁業をやつて行くというのが最善であろうというので、実はこういう方針を立てておるわけでございます。従いまして来年の操業で大きな経営上の赤字が出るというようなことが、できるだけないように、計画として堅実に計画をして頂きたいというふうに思うのでございます。

千田正第一クラブ

○千田正君 今の言葉はよくわかりますが、若しも相当の不幸にして赤字が出るようなことがあるような場合においては、やはりそういう問題が起きた場合においては、水産庁としては何かできるだけのこうした業者に対して対策を考えておられるかどうかという点にお触れになつておらないのでありますので、その点をもう一度重ねてお尋ねいたしたいと思います。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 只今のところ、これは政府の措置としては、恐らく問題となれば予算が要るわけですけれども、そういうふうな種類の予算は只今のところは計上はしておりません。  それから先ほどお尋ねの魚価の点は至極尤もな、一番大事な点だと思いまするが、私らの見通しとしても、それから経験者の見通しとしましても、やはり来年度は今年のような市価は維持されまい。昨年は予定より二割以上の高値を示しましたけれども、昨年想定した程度の値段よりは、当然来年は落ちるだろうというふうな考え方を持つております。但し経費の節減等においては、昨年は非常に早急の際に我々の準備も不十分で、日が迫つておつたために、無駄な経費をあちらこちらに相当使つております。又独航船、母船のほうの資格条件等においても、当初であつたために十分なものを期待できなかつたし、そういうふうな点から来る操業上の齟齬その他が相当大きくひびきまして、それでここにもお渡ししておりますように、数はい独航船において赤字を出したというふうなのは殆んどそういう種類のものであります。それは今般は十分節減はできる、こう考えておるわけであります。我々が一番危惧しますのは前半期の漁場でございます。昨年度も前半期の漁場は、捜査船七隻でずつとあの漁場を捜査しましたけれども、キスカの南のほうに大体集中したわけでありまして、これはこの海域の暖寒流の交錯というふうな点が主体となつて、あの場所、プランクトンの多いというところに魚が蝟集しまして、それで一反あたりの罹網尾場数が四尾とか五尾とか六尾とかとれるという場所に、殆んど彼らが行く。なお来年度の操業場から見ますれば、一反あたりの罹網率のある漁場でないと採算がむずかしいだろうというように考えまして、その漁場は相当制限される。今年は百七十五度と百七十七度の間を東に向いまして二度の間を拡げております。あのほうに或る程度漁場があり得る可能性はあります。それから又後半期において拡げましたところの西側のほうの漁場、これは前半期の漁場としては大きく期待ができるかどうか疑問でございますが、そこにもあり得るかと思います。昨年大体許可しました区域ではこれはまあ五十ぱいが精一杯である、こういう状態でございまして、これらの新らしく拡げましたところでは、五、六月において、いい漁場が、多分三十五隻分を或る程度収容できるくらいの漁場があるだろうという想定の下に出しておるわけでございまして、若しこれが三尾くらいの漁場なら、ここにもあつた、ここにもあつたと、どこにもあるでありましようけれども、果して五尾前後の漁場がうまく見つかるかどうかという点が、今般の点では一番大事な点でございますので、この意味において当業者のほうの調査船、政府の調査船では、到底、数の点、又乗組員の点で、そういうものを数多く、この広い漁場を調査することはできませんので、先ほど部長が申しましたように、探鯨船的な意味で、この広い漁場をうまく、前半期の漁場をしつかり掴えてやるというようなことが非常に重要になつて参ります。後半期の漁場においては、ますのほうが偶数年においては過去において非常に豊漁であつて、奇数年が罹網数が少いというふうな傾向を示しておりますので、昨年と比べまして、後半期においてはこれは相当広うございますし、あの隻数は大体大丈夫と考えられるのでございますけれども、昨年、先年程度の罹網尾数を一反当り果して漁獲し得るや否やという点において、もう一つの危惧がございます。この二つの点において、只今御指摘にありましたような漁獲の点と、それぞれの点において御指摘の通りにその危惧がございます。それにつきましては、政府のほうにおいては、現在までのところ予算的には何らの費用も計上しておりませんのでございますけれども、これは部長が申上げましたように、あらゆる適格船とか経費とか、いろいろな点において合理化して、カバーして、赤字を出さないようにできるだけやつて行くと、こういう形で進みたい、こういう考えでおるわけでございます。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 もう一つお伺いしますが、この八十五隻及び調査船の十五隻というこの数は、不動の数であると認めていいのですか。或いは又、いろいろこれは変えるかも知れんというようなことがあるのですか、どうですか。そのことが一つ。  それから農林省が最近別に試験船を出すかも知れんというようなお考えのようですが、若し出されるならば、一ぱいであるか或いは数はいであるか。又、かに工船の方面にも出されるかどうか、そこを一つお伺いしたい。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) この八十五隻の独航船の数につきましては、私どもは現在のところ、これを変えるというようなことを全然考えておりません。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それは調査船もね。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 調査船十五隻につきましても、この独航船という形の調査船の十五隻を変えるという考え方は持つていません。  それから政府でやります調査船でございまするが、これは来年度の予算にすでにその用意をいたしておりまして、二隻の船で以てさけ、ますの資源的な生物学的な調査をやりたいと考えております。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 かには。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) かににつきましては、現在のところ特別な予算を計上いたしておりません。で、来年度このさけ、ますの調査船をきめます際に併せて調査の必要があるかどうか、調査のできる予算的な用意ができるかどうかという点を十分検討いたしましてきめたいと思つております。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それからかに工船は一隻の許可のようですが、何か漁獲に制限をつけますか、或いはとれるだけとらしますか、どうですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) かに工船の許可には、当然その製造の限度をつけなければならないことになつております。ただ、この限度につきましては、この方面のアメリカ側のかに漁業というものとの調整ということも考えなければなりませんので、十分そういう点も慎重に検討した上で決定したいと、こう考えております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 私はこのことを今度初めてだから、或いは今までしばしば皆さんからお聞きになつて来ておることかと思うので、重複することになるかも知れませんから勘弁してもらいたい。このさけ、ます或いはかにの今度の漁場ですが、漁業というか、これは従来も、昔もこういうことをやつておつたのですか。それをお尋ねします。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 戦前におきまして操業いたしました漁場は、さけ、ますについて申上げますと、只今、線を画しておりますこの範囲は殆んどその漁場の対象外でございまして、戦前やつておりましたのは、陸上根拠及び距岸の三十海里程度の公海というところが主なる漁場でございまして、この方面には若干調査船が動いたことがございまするが、本格的な操業をいたした水域ではございません。それからかにについて申上げまするならば、かには東べーリング海に戦前操業した実績を持つておりますが、その同じところに来年出漁したいという計画を立てておるわけでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうしますと、さけ、ますの場合はまあ初めてのところである、そうして国が漁業協定を結んだ。そうすると、何らかの期待を持つておるのだが、今度のこの試みは、つまり国策でやろうという線なのか。漁民の自由、つまり経営等は営利に委せよう、こういうのか、基本的にはどつちのほうになつているのですか。

永野正二水産庁生産部長

○説明員(永野正二君) 誤解があるといけませんので申上げますが、先ほど申上げましたのは、戦前の操業の実態との関係を申上げました。本年の五月から、先ほど申上げましたように、本年許可をいたします区域とほぼ同じような区域で、但し東のほうは五月から六月まで、西のほうは七月以降操業いたしまして、その経験に基きまして、来年度の漁場を考えておるわけでございます。  それからこの漁業の性格と申します。か、その点は勿論当業者が計画をされましたところに基きまして、これを農林省が許して参るという消極的な許可の形になるわけでございます。ただこの許可をどういうふうにやつて行くかというやり方が、これは対外関係もございまするし、将来この漁場がどう発展して行くかという点も考えなければなりませんので、そういう見地から当業者の計画を検討して、これを許可をして参る、こういう性質の性格を持つておるわけでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうすると損失或いは危険等においても、国が消極的な態度であるとか、或いは経済自立のそういう関係で、国の国策の線でやつておるのではない、こう了承していいわけですか。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 只今の国策の線というのは、非常にいろいろな解釈上の問題もあるでしようけれども、我々のほうとしては採算のたつ範囲においては奨励し、進めたい漁業であります。それによつて沿岸の底曳船が出られ、沿岸の小漁民が非常にその間操業が楽にしてもらえるのであります。併しながらこれは先ず採算がたつ漁場と前年の成績を見ますれば考えられまするので、それでその採算関係においては、別に予算的な措置等は講じてありません。但し当業者が非常に自分の負担において、この漁場をどういうふうに操業すれば最も有利か、海峡とか、海流の状態だとか或いは生物学的な部分とかいうふうな点については、これは当業者は現在非常に力が弱つておる当業者だけではできませんので、これは前年と同様に数千万円の予算を計上いたしまして、それで国がそういう分は受持つ、或いはそれで又保護の任にも当る。なおもう一つ、この地帯は過去十数年前にも政府においては相当大きな……現在俊鶻丸という船で、水産講習所のほうの船に移つておりまするけれども、八百トンばかりあります。その船等を以ちまして、そういう調査等に当つたわけでございます。で、来年度はできますれば、今から建造しても間に合わないわけでございますけれども、先の見通しとしまして、一千トンくらいでこの地帯を調査し、それからまあ十分な保護にも当り得る中心の船として、その船を持ちたい。こういう考えで、これを本年度予算のほうに計上してございます。学校の船を借りて参りますると、教育上の関係等から乗組の船長その他のほうも制約を受けまするし、どうしても両股かかつて来て、漁期の関係等において十分な活動を期し得ないというふうな関係もございますもので、昔持つておりましたような優秀船を一ぱい作りたい。この予算は、相当、数億円に上ります予算になりますし、又この乗組員も二十数名というふうな定員をつけて頂かないと、乗組員が確保できない、こういう形であります。国としてはまあそういうふうな点に予算の重点を置いておるわけでございます。国としてまあやつてやりたい、又国として当然やつていいと思われる分に予算の重点が置かれているのでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 昨年度の結果がここに報告されていますが、聞くところによれば、船団が欠損で、母船のほうは欠損しないとか、そのどつちがどうかよく私にははつきりしませんが、そういうことを聞いておりますが、これはいわゆる船団というものは、独航船というものとの組合せで、一つの経済でプールしてやつておるのですか。或いは別々にやつておるのか。その実態を一つお聞きしたい。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 本年の夏に操業をいたしました形は、母船と独航船が共同で許可を受けまして、その間の経済的な割振りをどうするかということを、お互いで協議されたのでございますが、その協議のできました結果に基きまして、その一つの船団全体をプールいたしまして、独航船と母船側との経費の割合というものを参考にして、これをお互いに分けるという形宜とつたわけでございます。併しその結果がなかなか難航いたしましたことは、先ほども申上げました通りでございます。その結果について、どちらがどういうふうにプラスになつておるかということは、これは経済の問題でございまして、我々としても必ずしも確かな見通しはどうであるということは、ここでは申上げかねるわけでございます。来年度の経営につきましては、先ほど方針の中で御説明申上げましたように、必ずしもその経営全体をプールするというようなことに、我々のほうできめておるわけではございません。方針の(チ)のところに書いてございますように、適格ある独航船経営主と母船の経営者とが相談をして、その相談によつてどういう方法でこの経済をやつて行くかということを協議さして、それが決定した上で、船団を組んで出て行く、こういうことに考えておるわけでございます。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 そうすると、まあ資本の内容ですが、母船というのと独航船という資本ですね。どういう資本でやつておるのか。聞くところによれば、漁業協同組合が何か独航船で、それから会社ですか、そういうようなのが母船をやつておる、こういうようなことを聞いておるが、その通りですか。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 独航船のほうは、大体沿岸の漁業者でございまして、会社は比較的少いのです。五十トン以上、まあ七、八十トンぐらいまでのものでございまするので、必らずしも組合が経営しておるということはございませんし、組合経営のものは少いのであります。殆んどないというふうに考えております。それから母船のほうは、これは大きな船でございまするし、数億円の……。それからあと、この期以外の期間においても、その船は適当に運用されなければ採算は立たないわけでございまするので、それが十分あとの冬場においてもそういう船を運営できて、十分採算的に動けるというふうな形でないと、うまくやれないので、そういう船を持つておりまするところの、又そういう運営が利くところと申しますと、大きな資本の会社になつております。で、前年度……大体のところは、従来は母船のほうに許可をいたしまして、独航船をどれを選ぶかということは、母船任せにして選んで来たものを、政府のほうでいろいろ検査の上で使用の承認をしておるという形体でございましたが、前年度はそういうずつと古い形体をやめまして、それで独航船と母船とが対等の立場において共同の許可を受けて、契約内容、条件等については協議してきめるというふうな形をとりましたのであります。で、その結果といたしましては、やはり独航船のほうは、大体において特殊な故障のあつたような船を除きましては、むしろ黒字を出したというふうに考えられますし、母船のほうの側は、一ぱいだけは黒が出たように言つておりますが、あとの二はいは赤が出たというふうな結果になつたように、大体は承知しておるわけでございまして、その点においては、大会社のほうがそういう分前の点において譲りまして、将来の北洋漁業の発展等を考えまして、それで独航船のほうをどちらかというと有利にして、これらが将来北洋に出て行く気組を失わせないような形態で、それで大体分配したというような形に、大体においてなつておると私は聞いておるわけであります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 母船というのは、大体どのくらいの資本が要るか。独航船というのは大体どのくらいの資本が要るか。それから、その資本に対して、前年度並びに今年度は政府の資金の面について何らかの心配をしてやつておるのか、どちらについても……。一つそういう点をお聞きしたい。この間、何か真珠を採るのには会社を作らして、そうして金のことも何かできるだけ心配してやるというようなお話でしたが、やはりこの場合もそういうような何か方針でやつておるのか。どうですう。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 大体独航船のほうは先ず千万足らず、七、八百万程度、粗つぽいところでございますけれども、その程度のものが必要かと思いますが、母船のほうになりますと、これは大きさにもよりまして、それで億を超す金になります。又設備のほうまで必要だということになれば、それは数億の金、四億とか幾らという金が必要なわけでございます。これらにつきましては、すでにあるものを、持つておるものをこれは中心にして、現在ある船を中心にして、大体独航船においては考えております。それから、母船においてはその必要がありますれば、計画が非常にしつかりしたものであり、技術も経験も十分に持つておるようなところでありますれば、先ずこういう試験的な時代の操業にも耐え得るという条件を備えたものについては、我々のほうとしましては、資金等についても面倒を見たい、必要がありますれば。こう考えております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 前年は。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 前年は資金的には特殊な措置はとつておりません。まあ中金に斡旋する、そういうふうな措置はやりましたけれども、その他特殊な政府資金或いはその他を出すというふうな形までは進んでおりません。これは十分民間のほうの計画等も見た上で、その必要において活動してもらいたい、こう考えております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 独航船の場合は。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 独航船の場合もまあ大体準ずるわけでございますが、今のところは計画としましては、現在、先ほど説明にも申上げましたように、大体沿岸において資源的にも枯渇し、沿岸の食料業者にも非常に関係の深いところの、現在ある底曳船というふうなものをできるだけこの地帯に入れて、沿岸漁業にプラスの面を開き得るように持つて行きたいというふうに考えておりますので、できるだけそういう船の中から選んで参りたい、こういう船はどうせやりましても、夏場だけこの漁業はやれますけれども、あとの後半期にはどういう漁業をやるかというふうな点についても問題がありますので、できるだけ現在ある底曳船の中の優秀なものを選びまして、それでこの地帯に出てもらつて、沿岸に休養を与えるという形をとるほうが、日本の漁業全体のためにもよろしいかと思いまして、そういう方針で選定をして参りたいと思つております。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 全体で昨年中金その他に政府から斡旋をしてやつた金は、どれくらいの資金ですか。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 今のところ詳細な数字は持つておりませんけれども……。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 今なければあとでもよろしゆうございますけれども……。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 政府で直接の斡旋はしておりません。口をちよつときいて、こういうふうな話で、北洋のほうで非常に日本の漁業のためになるのだから出してやつて欲しいというので、それは政府資金という種類のものではございません。運転資金でございますから。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 本年の試験から、いわゆる(チ)の所にある母船と独航船とは対等だというのですが、そこで資金、資材、漁価の仕切り方法等の協議決定ということがありますが、これはそれに任せておるのか。やはり政府がその決定等を見て、何か干渉と言つてはおかしいのですが、保護するとか何かそんなふうなことをするのか。この協議決定は自主的に任しておくという方針なのか。その点はどうするのですか。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 前年度も、その自主的な話合ですね。これらは算盤にも関係しまするし、役人のほうでは細かい算勘定まではなかなか立入つてやる自信もございませんので、できるだけその漁業岩間の話合というふうなことで進めるようにやつておりまするが、まあ両者のほうから話がなかなか進まない、その点とこの点が問題であつて、それで役所のほうで斡旋の労をとつてもらいたいというふうな状態になりましたときには、我々のほうも斡旋の労をとりまするが、強制するとかどうとかいうふうな形態は全然とりませんで、本年度もこういう部分については、業者間において円満に妥結して出してもらうことが最もいいと考えておりまするが、やはり前年と同様に、或る部分について話合がなかなかつきにくくて、政府において両者の言い分を聞いて、いい案を出してくれというふうなことがあれば、我我のほうから斡旋の労をとらなければならない場合も生じて来るかと思います。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 本年は昨年と違つておる点は、そうすると、独航船と母船とは別々な、つまり経営ですな。前年は独航船と母船とはプールしたと、こういうように了承していいですね。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 昨年もいろいろな漁価についても、それから或る程度の基本的の契約についても、全部の独航船と全部の母船と、これは一緒にやつていたわけでございます。併し昨年の経験から見ますると、最後のあの分配の問題等につきましては、母船ごとに、この母船とこれにくつついていたというのと諸掛りが皆違つて来ますので、計算は最後には母船ごとに行われました。これは全体のものをプールするということになりますると、個々の船団ごとの計算等においても励みが出まするし、又いろいろ経費等においても差が生じて来ますので、結果はそうなつたわけでございますので、今度やります場合には、そういうような細かい計算等においては母船船団ごとにやつたほうが適当ではなかろうかと大体考えておるわけでございます。それで個々の船主の計算、プール計算と申しましても、それは漁獲高に応じてでございまして、それで或る船は成績が良ければ黒字をうんと出しておるし、或いは少いものも出てくる、こういうふうな結果になるのでございまして、まあ大体船団ごとにやるほうが経費の節減にも非常に役に立つし、又昨年やりました結果も、最後はそういうふうな結果になつておりますので、そのほうが自然であり、合理的であるように大体昨年の経験からはそう考えておるわけであります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 自然であり合理的な点は結構ですが、どうしても一方は大資本ということになるのですね。一方は零細資本だと、こういうことになる、そうすると、やはり大資本に隷属してだんだんバランスがとれんようになる、こういうふうにも考えられるのです。殊に昨年の場合、いわゆる母船は儲かつている、そうして独航船は赤字を出しておるというようなことになれば、甚だ面白くない現象が出て来る……。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 先ほどお答えが足りなかつたのですが、その反対でございまして、大体条件の点では、母船のほうがまあ譲つて、それで独航船だけに黒が出るような形になつていたわけです。それがずつと昔の、過去と違つておりまして、共同にやるためにそういう結果になつていたわけでございまして、まあそういうふうな危険が起らないように、この共同でというふうな形態をとつたわけでありますが、できるだけ両方とも黒を山したほうがよろしいわけでありまして、それは能率よく励みが出て合理的に母船団ごとに経費節減をやるということで、全部プールになりますと、非常に会合費やその他経費において、やはり重複するところもありまして、事業上必要なもの以上に出る場合もございますので、できるだけそういうふうな経費の節減したほうがいいだろう、節減すればそれだけ各人の分け前も多くなるというふうな形にしたほうが、やはり企業としては合理性が高まる、結果は昨年も最後の分配問題ではそうなりましたので、そう持つて行きたいと、こう考えておるわけであります。

木下源吾日本社会党(第四控室・左)

○木下源吾君 かにのほうは間に合つて儲かるのだ、さけ、ますは試験しなければわからんというのは……、去年あたりの効果ですね。そうすると、安全なほうをもやはりくつつけてプールするようなことには計画はできんものかと、私は思うのだが。片方は試験済みで、今までの経験でかには十分間に合うという話を聞いておるのですが、若しそれが事実とすれば、そういう何かプールの方法がないか、こういうことを考えるのです。

塩見友之助農林省農業改良局長

○政府委員(塩見友之助君) 前年においては許可しました操業区域も、ソ連等がどういうふうな態度で出て来るかも不明で、非常に当時狭い区域であつたから、あの狭い区域は当初予定した魚獲高の半分しかとれなかつたのですから、そのままで行けば猛烈に全体が赤字であつたと思いますが、漁区を拡げたために何とか総体的には黒まで漕付けたとこういう状態でございます。前年度の判断は大体そういう判断、こういうわけでございますが、ちよつと速記を止めて頂きたい。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を止めて。    午後三時八分速記中止    —————・—————    午後三時三十分速記開始

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 速記を始めて。それでは今日はこの問題はこの程度で……。まだこれについては対外折衝ということについてはなかなかやつかいな問題もあるかと思いますが、今日はこの程度にとどめておきます。   —————————————

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 前回朝鮮から日本に輸入されておる鮮魚の種類及び数量等について委員のうちから御質問がありまして、水産庁としては的確なデーターを持つていないということでありましたので、通産省から本日松尾通産局次長、それから石川市場第三課の事務官が見えておりますから、これについて一つどなたか通産省のかたから御説明願いたいのですが、お願いいたします。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 先般詳細な統計につきまして、資料を出すようにというあれがあつたそうでありますが、実はどういう加減か、文書が到達するのが遅れたのかわからんのでありますが、少し資料の整備が実は遅れておりまして、実は本日持参いたさなかつたことは甚だ申訳ないのでありますが、目下折角作りつつございまするので、できますれば早急に御提出申上げたいと思つております。従いまして資料なしに申上げて甚だ恐縮なんでありますが、大体の概略を申上げておこりと思います。  昨年度は、昨年の一月から十二月まででありますが、それをとつて見ますと、生鮮冷凍いかが二百十四キロ、金額にしまして約十ドルばかりのもの、それから次に生鮮冷凍魚類、それが数量にしまして二十八万九千八百九十八キロで、金額は八万九千九百三十七ドルということになつております。それから貝類が八万九千キロ、まあラカンド・ナンバーで申しまして八万九千キロ。それからラウンド・ナンバーで申しまして三万七百ドルぐらい。それから塩乾、それから煙製の関係の魚類が数量にしまして二万三千キロぐらい、価格にしまして大体一万四千五百ドルくらい。それからかにの罐詰が千六百キロ、金額にしまして二千四百ドル程度でございます、概略しまして。数量にしまして四十万キロ、従つて四十トン、ドルにしまして十五万ドル前後に相成つております。それからそのほか食用の海藻関係でありますが、これが四十三万四千五百キロくらい、金額にしまして五十五万五千ドル見当、あとは生鮮の果実だとか何か若干の食糧がございますが、大体水産関係から言いますと、その程度に相成つております。  それから本年度は余り細かい品種別の数字ができておらんのでありますが、外貨予算の実施しました面から見ますと、一月—三月で四十万ドル見当、それから四月—六月の外貨予算では三十五万ドル見当、それから七月—九月の外貨予算では五十万ドル見当になつております。十月以降の予算につきましては、目下農林省と御相談を申上げておるというふうな段階でございます。これは外貨予算でございまして、実際の輸入はそれより少し遅れて参ります。取あえず輸入実績といたしまして税関の統計で今年の分を見てみますと、一月から七月まで、ちよつと端数になりますが、鮮魚が数量にしまして三百三十二キログラム、価格が五万一千五百ドル程度、それからのりが三百六十キロの約六十九万ドル程度、それから海藻類が、数量にしまして千二百六十六キログラムで、金額が二十五万ドル程度というふうな状況でございます。いずれ詳しい資料を整理しましてお出しいたします。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それをプリントにして一つ廻わるようにして頂きたい。それからもう一つ日本から向うに行つたのはありますか、輸出は。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 参りました何でございますか。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 水産物、それは向うから来たわけでしよう。こつちから輸出したもの。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) それは全輸出品でなく、水産物だけですか。

千田正第一クラブ

○千田正君 韓国に輸出したやつ……。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) これはちよつと持つて参つておりませんので、いずれ合せて……。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 それでは両方とも、輸出と輸入両方合せて一つプリントにして、この次の委員会までに……。

千田正第一クラブ

○千田正君 これは今韓国と日本との問には、勿論国交が調整されておらない。それから通商条約もない。これは占領軍当時からの一つのしきたりとして残された一面、日本の外貨獲得の、いわゆるあの頃の外貨獲得の面において行われた、いわゆる通商条約国間において行われた正常な取引というふうには我々は考えられないのだが、どういう意図の下にこういう一体輸出入が今日まで継続されておるわけであるか。その点はどういうわけでずつとやつておられるか。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 御承知のように、朝鮮動乱が始まりまして以来、韓国との貿易は一時非常に急激に減退したのでありますが、ここ又一、二年、かなり回復して参つておりまして、全体といたしまして、一言で申しますと、日本側の非常な輸出超過に相成つておりまして、御存じのように通商条約はまだ今のところございませんが、通商協定、それは言い換えてみますと、支払の協定と、それから貿易協定の二つに分かれますが、まあ協定がありまして、それに基いてまあ現在運行しておるわけでありますが、ああいう事務の関係上、先方から輸入するものが非常に少くありまして、その代りこちらから行くものが非常に多いのであります。まあ普通オープンアカウント地域、いわゆるキャッシュ・ドルを使わずに、いろいろに決済しておる国はインド支那とか、シャムとかかなり数が多いのでありますが、そういうところはおおむね輸出超過にもなつておりますから、なかなかそれのスウイングを、例えば超過したような場合において、ドルの支払いを渋るというのが普通なんでありますが、韓国は非常に几帳面に、我がほうの輸出超過に対しまして、スウィングは現在二百五十万ドルと言われておりますが、それを超越した分はどんどん支払つているというような関係にございまして、昨年の八月以降を見ましても、大体二カ月おきに二百万ドル、乃至三百万ドル、米ドル・キヤツシユで以て支払つて来ておるというような関係で、一言に言えば、通産省関係だけから見た非常にいいお得意さんに実はなつておるわけであります。日韓両国の通商関係から見ますと、両方とも輸出入の増大をするということは望しいわけでありまして現在、止むを得ず向うからの輸入が比較的少ないということで、今申しますような輸出超過分につきましては先方はきちんきちんとドルを支払つて参つておりまして、昨年の八月から本年の十月までに至りまして、キャッシユ・ドルだけで千五百万までは支払つておる、そのほかに、これはいわゆる民間貿易を通ずる面でありますが、そのほか軍が買付けて持つておられる、これは全部ドル払いになつております。このほうはややこういう戦争に基く特殊の臨時的な事情を含んでいると思いまするが、民間貿易のほうは必ずしもそうではありません。概して正常貿易的なものなんであります。そういうことから見まして、できるだけ、貿易関係から見ますると、我がほうも事情の許す限り、国内に影響のない韓国の産品を買つてやるということがいいのじやないかというふうに考えておるわけであります、水産物等について考えますと……。昔はまあ殆んどあそこで獲れましたものは、日本に主として持つて来られていたのじやないかと想像されまするし、そういう関係で通商関係から見ますると、できるだけ向うのものを買つてやるのが、少くとも日本の輸出を確保する上からもこれは望しいのじやないかというふうに考えておるわけでありまするが、水産物の輸入につきましては、いろいろ国内に対する影響等もある関係上、輸入につきましては水産庁ともよく打合せまして、仮に外貨予算面で或いは百万ドルとか二百万ドルとかいうふうな数字が計上されております場合に、具体的にどの程度にするかという問題は水産庁のほうとも打合せまして、できるだけ影響のないような面で考えておるわけであります。従つて先ほど申しますように、本年の外貨予算、まあ毎期三十万ドルとか或いは六十万ドルというふうな細々した予算でありまして、これがどの程度日本に影響を及ぼしているかということについては、いろいろ意見もあるわけであります。先般も日本の魚価に非常に影響があるという主張もあるわけでありますが、現実に申請を見ますと、いずれもその予算の数倍と、或いは数十倍というような恰好になつて、おります。この十月以降の予算としましても、現在申請が千八百万ドル参つておるわけでありますが、その千八百万ドルをどの程度査定して許すかということについて、水産庁とも今相談を申上げておるような段階なんでありまするが、先般も我々の担当官と、それから水産庁の担当官に御足労願つて、下関地区をいろいろ調べてみたのでありますが、入荷の種類も必ずしも日本とえらく衝突するほどでもないというようなことで、そう魚価に影響がないというふうな結論が、調査に行つた担当官の結論であつたのでありますが、又取扱いの業者のかたも、輸入申請をされておる大口は、どつちかというと、現地において実際に水産業をやつておられるかたがかなりあるというふうなことで、一般的に輸入することによつて魚価に影響があり、或いは日本の漁業に打撃があるということも、一概にそう言い切れんものがあるのじやないかというふうな感じを持つております。

千田正第一クラブ

○千田正君 そこまで聞いていないのだからいいのです。今の通産省の考え方は一応のルートに則つてやつておるのだと、こういうわけでありますが、現実においては密輸入は盛んに行われておる。それに対して、あなたのほうは、これからの事情の許す限りにおいては輸入してもよろしいというような見解のように、私は考えられるのだが、一体一つの制限度というものを置いてありますか、韓国からの輸入に対して……。輸入に対する制限の度合を、どの程度ならば一カ年の予定の線に行くかという、その量とか額という問題に対して……。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 実は、それは年間幾らというふうなことですが、これはまだはつきりしたものではないのでありまして、大体一期五十万とか六十万とかいう数字で農林省と打合せをいたしたい。その過程におきましては、我々のほうで百万トンと言えば、農林省のほうで五十万トン、それはこの程度で今度はいいのだということで業者と相談しておりますが、具体的に年間幾らというふうにはつきり確定した輸入制限をやつておらんわけであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 そうするというと、全然通産省としては、そういう輸入に対しての計画的な、韓国に対しては水産の関係はそういう計画的な輸入はしておらない、場当り的に考えて、水産庁あたりの意見と見合わせながらやつておる、こういうふうに承知しておいていいですね。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 実を申しますと、現実の輸入はそういうことになつておるのでありまするが、この通商関係、それから決済関係から見ますると、通産省としては大体一期二百万ドル程度の輸入が望しいのではないかという感じで以て、予算の編成その他農林省との折衝の原案といたしております。が、実際問題としてなかなか農林省のほうの御意向もあつて、現実は今申しましたような数字になつておるのであります。

千田正第一クラブ

○千田正君 現実には、今あなたのほうの係官のかたと、水産庁の係官と一緒に調査においでになつたようなお話でありましたが、取扱つておる水産業者は水産業をそういうふうな在り方で考えられておられるようですけれども、我々のほうからのレポートによると、これは漁民を中心とした水産業であつて、いわゆる韓国から密輸入のために相当影響を受けておるという面と、こういう問題がそのままいわゆる二百万米ドルなら二百万米ドルの額に相当しない場合においては、或る程度あなたのほうでは輸入をどんどん許可してもいいというふうにも、我々は今の答弁によると考えられるのですが、どうもその辺がはつきりしてない。輸入の面で、どの程度までが一体密輸入になるのか。どういうような方法によつて行われるか。日本には漁民なら漁民に対するところの影響があるかということについて、あなたのほうにおいては御研究になつておらないのですか。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) 実は我々の、ほうも専門家でもございませんので、万事水産庁の意向を聞きながらやつておる、こういう状況であります。  なお密輸入の問題は、今申しましたのは勿論密輸入じやなぐ、正当ルートでありますが、密輸入はこれはまあ税関当局その他の取締りにお願いしなければならんものでありまして、これは又一応我々の考慮の外に考えております。

千田正第一クラブ

○千田正君 それでは現在においては、初期に予定したいわゆる二百万ドルなら二百万ドルというものを充足ずるほどの予算はないということですね。

松尾泰一郎通商産業省通商局次長

○説明員(松尾泰一郎君) その通りであります。

木下辰雄緑風会

○木下辰雄君 只今の通産省からの御説明によりますと、韓国政府には相当日本のほうから輸出をしておる、非常に特異の国である。それに対して水産物もその支払勘定として輸出をしておるというお話ですが、私どもそれは誠に特有の国で結構とは思いますが、水産物は日本においては相当これを増産をしておる。殊にのりや煮干に対しては韓国品が相当日本品を圧迫しておる、これを輸入することによつて韓国政府の漁業を助けて漁業の発達を来たしておる、それが延いては李承晩ラインの設定や何かにも私は影響しておると思います。特有の国であるから、日本からも品物をやらなければならん、特に水産物を相当送らなければならんというような、そういう考えでどんどん水産物を入れるということになれば、日本の漁業を相当私は圧迫すると思います。それでさつき千田委員からもお話がございましたが、およそ量を水産庁あたりとも十分お話合いの上できめて、日本の漁業を圧迫せん範囲内においてやつてもらいたいと、こういうふうに希望するのであります。それで過去一カ年及び本年度の韓国から日本に入つた水産物と、日本から韓国に輸出した水産物とのリストを、これは委員長にお願いしますが、この次の委員会までに通産省から出してもらつてお配りを願いたいと思います。

片柳眞吉緑風会

○片柳眞吉君 これは資料としてできれば頂戴したいと思うのですが、日本の水産業を圧迫するかどうかという点が一つの問題があると思いますが、そこでその朝鮮から入つて来る水産物の輸入価格というものは、国内の大体同種の水産物なり或いは魚類と比較して、大体大勢としては国際価格のほうが安いか、或いはパーであるか、或いは高いか、何も高い外貨を払つて入れるということもおかしいし、安いものを入れて来ると国内の水産業を圧迫するというので、ジレンマに立つ問題だと思いますが、大勢として輸入価格が日本の国内の魚類なり或いは水産製品と比較して、大勢としてどんな傾向にあるか、これはできれば資料として頂戴できればいいと思います。  それからもう一つの見方と言いますか、木下委員からは、向うから入れる代りに又水産物を朝鮮にも出しておるというお話ですが、その視野を少し拡大して、例えばのりなんかについては、恐らく九州あたりの或いは竹が相当出ておるのじやないか。或いは朝鮮の漁業経営に必要な漁網なんかが、これは日本から出ておるのかどうか。そういうやはり総合的な観察が私は必要ではないかと思いますが、これは今日は時間が遅くなりましたから、或いは資料として後ほどでも結構ですが、差当り大勢として輸入価格が国際価格と対比してどういう関係にあるのか、これは大体のことで結構ですから、あとで資料として出して頂ければ結構です。

秋山俊一郎自由党

○委員長(秋山俊一郎君) 只今木下委員及び片柳委員から要望しました資料を一つ是非至急に出して頂きます。そうしてこの水産物の輸入の資料の提出を願いましたもう一つの理由は、過日来朝鮮水域のいわゆる李承晩ラインであるとか、或いは防衛水域であるとかいうものが設定されて、日本の漁船を締め出して、そうして朝鮮の漁業者はその中において自由にやつておる。ところが防衛水域の設定においては、日本人も朝鮮人も同じような待遇扱いをするのである。即ち日本人をとめる場合には朝鮮人もとめるのだといつたようなことが言われておるが、併し朝鮮人はその漁場内において自由にやつているんだということを当業者、日本の水産業者からしきりに言われておるのです。そうしてその中で獲つた魚を日本にどんどん輸出しておる。こういう話でありましたが、大体私の承知しておる範囲では、さわらであるとか、或いはぶりであるとかいつたようなものが入つて来ておるのではないか。これはまあ水産製品は別として、鮮魚の上において、その中におけるさばであるとか、或いはその他の底魚類、さば釣で獲る、或いはさばのきんちやく網で獲る魚類と、それから底曳網で獲る魚類は全然違う。そういう意味においてその魚種を知りたい。魚種によつて、果して向うの人たちがその中でどんどんやつておつて、日本を締め出したのかどうかということを判断したい、こういう意味合で魚種を挙げてもらいたいということを希望したわけです。これは恐らく輸入業者にははつきりわかつております。何がどれだけ入つたということははつきりわかつておりますので、下関あたりでは大口の輸入業者は十人くらいありますし、その他随分数多いようでありますが、若し現在通産省の通商局の中に、その細かい資料がないとすれば、至急に照会して取つて頂きたい。業者のほうにはわかつておるはずであります。そのことも併せて希望して置きます。  それでは別にございませんければ、本日はこの程度にいたしまして散会いたします。    午後三時五十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗