図書館運営委員会 第2号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1952/12/05
会議録
○委員長(宮城タマヨ君) それでは只今から図書館運営委員会を開きます。 本日は国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程の事後承認の件と、国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案の御審議を願いたいと存じます。 先ず金森館長の御説明を願います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今日お手許に廻つております議案について御説明を申上げまするが、この第一の議案はこれは曾つてのこの委員会で御覧に入れたことのある議案でありまして、去る七月の三十日に当委員会で今日のこの第一議案と同じようなものの御審議を煩わしておりましたところ、議会の情勢によりまして、行政機構がまだはつきりきまつておりません。で、これがこの行政機構を前提とする改正でありまするために、御決定を頂くことが困難でありまして、従つて又そのときの御言葉を心得ておりまして、議会が終りました後に館長の手で同じような中身のものを規程として執行をいたしまして、今日それの御承認を願うという順序になつておるものであります。その中身の点を申上げますると、改正の点は四点ございます。 第一点は行政部内の機構の改廃に伴う改正であります。四月一日付で物価庁が経済安定本部に吸収されました。又特別調達庁が調達庁となりました。従つてその二つのところにあります支部図書館も影響を受けることになりますので、物価庁図書館につきましてはこれを廃止するということになりますし、それから特別調達庁図書館は名前を改めまして、調達庁図書館ということにこの規程によつて変更いたしました。次に八月一日附で経済安定本部が経済審議庁となりましたし、又電気通信省が電信電話公社になりました。そこでこれに応じまして、経済安定本部図書館たる支部を支部経済審議庁図書館に改めました。又この支部電気通信省図書館というものは基本の官庁が公社になりましたために廃止することにいたしました。これが第一条関係でございます。 なお法務府という官庁が法務省に改まりましたので、この規程の第九条の二にありまする「法務府」という文字を「法務省」に改めました。 次に改正の第二点は第二条関係でございまするが、従来一時賜金と呼ばれておりましたものが、その後退職手当の臨時措置に関する法律におきまして、退職手当という名目に統一せられましたので、「一時賜金」という言葉を「退職手当」という言葉に改めました。なお管理部の連絡機関に「人事委員会」という文字が挙げられておりますけれども、国会図書館の職員は一般職から特別職になりました関係上、人事院と格別な規程上の連絡を掲げる必要もなくなりましたのみならず、その言葉も不適当でありますから、「人事委員会」という文字を規程の中から削除をいたしました。 次に改正の第三点は、支部図書館部の職務に関する第五条の改正であります。これは従来国立国会図書館法の規定に従いいろいろな関係を持つておりました地方議会の図書室に対しまして、地方議会の図書室というのは、御承知のように各地方議会はそれぞれ図書室を持つておることになりまするが、それが何しろでき上り当時でありまするので、いろいろ事実上の援助をする必要がございまして、本の選択ということまでも助言をすることになりますし、いろいろとその図書室の機構についても助言をする、或いはいろいろな資料を送り届けておるというふうに援助をしておりましたが、国会図書館の今までの制度はそんなことを格別予想しておりませんので、各部局がばらばらになつてその援助を行なつておりましたが、それらのものの事務の連絡の中心をはつきりして、ここで適当な調整をいたしまするために、その仕事を支部図書館部の職務の中に附属せしめたのであります。 次に改正の第四点は、受入整理部、国際業務部の職務の一部の所管替ということであります。これに関する第六条と第七条の改正であります。文字だけで見ますると、非常に何か大変なことが行われておるように見えますが、要点は極く簡易なことでありまして、事実上は改正したと同じように取扱つておつたものでありまして、規程をやかましく言えば、実際の事情に合せるように所属をはつきりさせまして、今まで受入整理部の職務となつておりましたのを国際業務部に所属せしめたということになりますけれども、事案はその含みを以て載る程度運用をしておつたわけであります。以上の次第でございまして、一つ御審査の上に御承認をお願いいたしたいと思います。
○委員長(宮城タマヨ君) 只今の御説明につきまして、何か御質疑がございましたら御発言願いたいと存じます。
○岡田信次君 只今の行政機構の改正に伴うところの整理との関係でございますが、電通図書館を今度電通省が公社になつたから廃止したというのですが、残しておいたら如何ですか、残すというわけに行がないのですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) こういうふうに公社という制度が出て来ますと、実際この今の図書館法では動きがつかなくなりまして、と申しますのは、この図書館法の表てでは、行政、司法の役所に置かれておる図書館ということになりまして、そこで今までは電通のほうの図書館が国立国会図書館の支部図書館になつておりましたけれども、この公社になつてしまいますと、ちよつと法規の上で扱いがむずかしくなります。ひとり電通ばかりでなく、国有鉄道のほうも同じような面もございます。併しこれを事実の上で外しますと、実際今お説にございましたような不便の点がございますので、実際は電通のほうは今までと同じような関係を持続しております。というのは正式に予算を要するような問題はちよつと取扱はできませんけれども、事実上の仕事の中にありますものは続けてやつております。どんなことをやつておるかと言いますと、資料を潤沢に交換をし連絡を図る、必要な書物は今まで通り貸付けをする、こういうこともやつておりまするし、いろいろの内部的な助言としてはそんなに違つておりません。のみならず今度図書館の一つの外郭体のような仕事といたしまして、各調査機関の間の連絡をするという企てをしておりまして、これはひとり官庁ばかりでなく、現実の大きな製造会社であるとか、地方の行政庁、つまり都道府県というようなところ、こういうところの調査を必要としておる部分を集めまして、一種の連絡機関をこしらえております。これは図書館の直接の仕事としては今のところできません。図書館で肝入れをしてその仕事をやつておりまするが、そこの中に今仰せになりました電通の公社が入つて来ておりますから、この面から見ますと、まあ今までと違いはないような連絡をとつております。
○岡田信次君 この電通にいたしましても、或いは専売公社、或いは日本国有鉄道、いずれも強力且つ有力な図書館を持つておると思います。図書館法の関係で直接いかんというのなら、一つ只今お話になつたように内部的の連絡その他でうまくするようにお願いいたします。
○委員長(宮城タマヨ君) 羽仁さん何か質問ありませんでしようか。 それでは別に御発言もないようでございますから、質疑は了えたものと認めて御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮城タマヨ君) 御異議ないと認めます。 それでは国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程は事後承認を与えることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮城タマヨ君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(宮城タマヨ君) それでは次に国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案についてどうぞ御説明を願います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今議に上つております組織規程の一部を改正する規程は、前の議案に現われましたところに従いまして、一応支部図書館の整備を八月に終つたのでありまするが、そののち二つの官庁に属します図書館が支部図書館になるような手順に進んで参りました。というのは、自治庁と海上保安庁の二つにはそれぞれ図書館がございまして、相当の貴重な書類があるのであります。これをほかの支部図書館と同じように、規程によりまして支部図書館の地位を認めるということが希望され、これに対して規程改正の必要を生じました。その意味のみを持つておる改正であります。 なおこの改正は附則のところに施行期日が掲げてありまして、日附が省かれております。十二月 日から施行するとなつておりまするが、これはこの規程が両院の図書館運営委員会の御可決を得ましたならば、そののちの一番短かい期間を選びまして、多分一週間くらいで、と思いますが、そういう日を選びまして、この中に当てはめたいと考えておりますので、お含みを願います。 以上のようでございますので、何とぞ御審議をお願いいたします。
○委員長(宮城タマヨ君) 何か御質疑ございましたら御発言願います。
○岡田信次君 海上保安庁の図書館ですが、これは運輸省の図書館の中に包含されておるのじやないのですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) ここは運輸省の中と別の系統の発達をしておりまして、主として海図の貴重なものをたくさん持つております、自然独自の扱いをすることを希望しておらるるようであります。
○岡田信次君 そうすると、現在のやつも運輸省関係で中央気象台の図書館は支部になつておるというので、これは一応いいのですが、そうすると、こういう各省の附属機関というか、属している機関別に、例えば技術研究所の図書館とか言つて、そういうのがどつさり支部図書館になつて来るわけですね。そういう点はどうでしよう。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) これは結局実際問題が一番中心点になりますが、殊に内閣系統に属します各部局の、統計局とかそのほかいろいろないわば半独立の部局がたくさんございまして、そういうところなどはどうも実際の上に図書館の運営が独立しておりまして、これは無理に規程の上で合せましても大した効果はないというので、内閣所属の、或いは総理大臣所属のといつたほうがいいかも知れませんが、そこにたくさんの独立部局を実は認めております。そのほかの各省におきましても、著るしく特色を持ち、そのありどころなども自然別個のものになつておりますると、まあそこを独立に認めて支部図書館にして行くほうが実際上事務の連絡の上では便宜があるように思つておりまして、どこまでその考えを推し進めて行くかははつきりきめかねておりますが、何か技術的なものはどうもほかのものに入れると却つてやりにくくなるような気がいたします。これもそのうちの一つに属するわけであります。
○小泉秀吉君 そうするとあれですか、例えば海上保安庁図書館というようなものは、海上保安庁のほうから図書館の支部にして欲しいというような申出に応じて図書館できめるのですか、或いは図書館のほうから勧誘でもしてそういうことで行くのですか。その手続がどういうふうになつておりますか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 実際の扱い方はその官庁から御希望がありまして、そうして私のほうでその御希望に基いて団書館たるだけの実態にあるかどうかということを一応観察をいたしまして、それから話を進めて行くのでありまして、この今の海上保安庁の場合も運輸大臣のほうからその申請が出て来ておるのに基いたわけであります。実際これは支部団書館と申しますると、如何にも本部で自由にしておるように見えますけれども、そうではございませんので、そこの役所でその費用でそこの職員で、これを運営せられておるのでありまして、これを支部図書館にするということによつて、法律の形式から申しますると、そこの支部図書館長というものは中心の国立国会図書館のほうで任命をするという形が、殆んど形式に似たものでありますが、形が行われております。それから又その図書館の規模を縮めるというようなことが軽々しくできないのであります。つまり予算を脇へ廻すとか、或いはそこにやつておる職員の数を勝手に減らす、こういうことができない、こういう制限が起りまして、それについては国立国会図書館のほうの同意を得なければならないという制限が加わるわけであります。そこまでが法規的な問題でありまして、事実上の問題といたしましては、自然図書館のやり方について中央から援助をする形になりまして、例えば図書館技術の研究のときにそういう人たちを招いて講習会を受けさせるとかいうようなことをいたしましたり、或いは書物の貸出しを自由にいたしましたり、或いは巡回文庫をそういうところへ廻すというようなことになりまして、これはもう全く友達関係の上に制度上の一つの統制が加つて行くというような形になつておりまして、それで実際のところこううまく運んでおるように思いまして、好んで支部図書館になりたいというふうに出られるように私のほうでは考えております。
○羽仁五郎君 先ほどの委員の御質問に対する館長のお答えがあつて、それについてなんですが、この海上保安庁図書館というものを独立の図書館として、国立国会図書館なんかがそこに支部を置くということは、従来の他の政府の各省におけるそれぞれの図書館の例と一致しているのか一致していないのか、そういう御質問であつたと思うのですが、それに対してはどういうふうにお答えになるのですか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 大体今まで起りました多数の例は、各官庁は一つ、各省は原則として一つであつて、それから内閣のは、これはもう非常に乱立しておりまして、一つにすることはできないので、そこの固まつておるものを別々に扱つて支部図書館にしております。それ以外のところ、つまり、各省であつて而もやや独立した図書館を持つておるというところは個別的に考えまして、どういうふに扱つて行くほうが便利であろうかということに着想をしておりまして、そこの主務省と協議をいたし、又実際の姿を見てきめて行くということであつて、全くこれは便利、効用を発揮いたしまする、便利の点から着目しております。今の海上保安庁の図書館は今までもこれに類するものがございまして、気象台のごときはこの形を同じようなふうにして扱つております。
○羽仁五郎君 そうすると、この場合は他の場合、従来例のある例に従つているということですね。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) さようです。
○羽仁五郎君 これはまあ図書館のほうから海上保安庁というものが独立して行くということは事実あり得ないことですから、そういう点についてまで我々は心配をするものではありませんけれども、併し海上保安庁というものは飽くまで海軍でないという現在の政府は建前をとつておられるのだから、国立国会図書館のほうから海上保安庁図書館というものを独立して認めて行くというふうなことが、逆にそういうような政府の現在とつておられる方針と相反するような影響を与えることになつてはとんでもないことになる。まあそういうことは絶対にあり得ないというふうに考えていいものだと思うのです。 それからこの際支部図書館運営の方針について二、三伺つておきたいことがあるのですが、それは一つは上野の図書館の問題でありますが、上野の図書館は文部省から国立国会図書館に移されて、その際できるだけ早くそれを一つ上野の図書館にあるものは国立国会図書館のほうに移すべきものは早く移して、江戸町奉行記録とか、そういうものは早く移して、そうしてあすこには主として東京の都民のかたがたが閲覧に使われるような最近の刊行物、又一般的な刊行物を主にして、そうして東京都にお返しするというか、そちらに移すということが元来の方針であつたように思います。そういう先ず方針でおられるのですか。若しそうだとすれば、それがどの程度まで進行しておるのですか、その点を伺つておきたいと思います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今の上野図書館を如何にするかということは、非常に大きな影響を私のほうの図書館に持つ問題でありまして、その後いろいろ研究を進めておりますが、現在のところでは、曾つて図書館の連絡調整の委員会におきましておきめを願いました通りの方針を堅持しております。そこで上野にありますところの図書のうちで、先ず一括的に重要なものと思うものを大よそこの数ははつきり覚えておりませんが、数十万というものは国立国会図書館に移してもらうということにいたしまして、そこの中には例えば博士論文というものを昔の制度によつて文部省を経由して国会図書館、上野の国立国会図書館に寄託されておりましたが、そういうようなものは中央のほうに移す。それからあとの動きとしては、あれが一般の図書館にふさわしいように内部の書物を充実して行く。この問題等におきましては、今もその線によつてやつております。ところがそれを本格的にやろうといたしますると、幾つかの問題が起つて来ますが、その一番根本の問題は、上野にある書物をどこに持つて行つて具体的に置くことができるであろうかということでありまして、これが中央館の建築そのものと関係しておりまして、今そこから仮に三十万、四十万という本を運んで来ましても、とてもそれを利用しつつ保存するということは見込みがございませんで、この点から申しましても図書館建築が必要になつて来るので、それをまあ時期を待つて部分的にやつております。現在向うから持つて来た書物は若干ございますが、今申上げました博士論文とか、或いは日本の地図の類い、一般的に保存を必要といたします地図の類いは持つて来ておりますし、なお若干利用の価値は少いけれども保存の必要があろうというようなものも本館のほうに移しておりますが、あとはいわば現状に近い形で継続しております。但し現状に近い形とは申しますが、元のままにして置くのではなくして、書庫を二年以上もかかつて相当の坪数増築をしておりまして、又閲覧者の数も、かなりの数の座席を殖やすことにいたしまして、都民のための図書館たるにふさわしきようにしておるのであります。ただ併し最後に残つておりまする大きな問題はかような沿革を持つて、つまり日本の国の唯一の図書館として計画せられて来たところの上野の図書館というものを、果して一地方の公共図書館に任せて、そこの住民にのみ特に奉仕するというものにすることが正しいかどうかというような疑問もあり、又その他にも予定されておりますような、これを東京都に移すということにいたしますと、国のほうから条件を附して、或る条件の下にのみこの図書館を東京都の所属として使用に供するということになるのでありまするが、そこへ行きましていろいろ考慮いたしますると、考えなければならん点がたくさんあろうと思つております。そこまで東京都がうまく発達してくれるものであるかということも疑問でありますし、予算が果して潤沢に東京都から出されまして、今現に上野の図書館を我我のほうで管理しておるような意味において動くかという点もございますし、考えなければならん点はかなりあるのでありますが、併し現在のところかねてより委員会できめました通りの方針に従つて実行をして、ただ将来の動きということにつきましては研究しつつ問題を残しておる、こういうような段階になつております。
○羽仁五郎君 上野図書館を文部省から国立国会図書館に移した当時の決定というものは相当の根拠に基いて決定されたものですから、私としては依然としてそれを尊重されておるということを伺つて満足に思うのであります。それから今の館長の御答弁の中には、館長の私見に属するものがあると思いますので、それについて今別にここで討論いたしませんが、やはりこの文化的な仕事が地方分権と言いますか、デセントラライズされるということは私は正しいことだと思いますし、東京都の努力というものについても国会がそれを過小に評価すべきものじやないように思います。それからこの国立国会図書館の支部図書館の運営の基本方針としてはやはり行政及び司法、殊に行政各省、それから司法と言いますか、裁判所関係の支部図書館というものが主になるべき筋合のものであつて、その他の所に必要にして十分な以上に支部図書館を持つということは、国立国会図書館の運営上害があつても益のないことだろうと思う。現在までの法律でその趣旨と必ずしも一致していない支部図書館があります。そして上野図書館は必ずしも今申上げたような趣旨では典型的なものとは言えませんけれども、併し行政各省との関係もないし、司法裁判所との関係もなく、又国会議員の活動ということも関係はないというような支部図書館というものについては、やがてもう少し本来のすつきりした形に戻ることが必要じやないかしらんと思います。で、それは国立国会図書館の活動を集中して行く上からそうあるべきではないかというふうに思うのですが、上野図書館の場合にはあれは元は文部省が管理していたものであるから、その意味で支部図書館というような方向をとるわけでしようけれども、併し事実上においてあれを利用される者は東京都民が多いのだし、そうして今御説明がありましたような或る種の書類を国立国会図書館に移せば、必ずしもそれを支部図書館として置く必要にして十分なる理由があるとは申せないという点があるのではないかと思います。これらの支部図書館の運営の全体の方針については又改めて詳しく館長のお考えを伺つておきたいと思うのですが、今ちよつと伺つておきたいと思いますのは、この支部図書館というものと、それから支部図書館でない、国立国会図書館と支部図書館という関係に置かれてない図書館との間で、その国会図書館を通じて我々国会議員が書物を利用したいというように考えるときに、その事実上の便益というものに大した違いがあるかないかということを伺つておきたいと思います。具体的に申しますと、例えば日比谷図書館なり、上野図書館なりが仮に独立した場合に、そこにある本を我々が国立国会図書館を通じて拝見したい、或いは拝借したいと思う場合の早さと、それからそれが支部図書館である場合の早さとは原則的に違うのでしようか、それとも原則的に違わないというのでしようか、如何でしようか。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 本来の支部図書館以外のものに対しましては、これは友達甲斐と申しますか法律に基く権威によらないで、今のところは連絡をしておりますので、早さの点から言えばどちらが早いのかということはどうもはつきり時と場合によりまして言い切れません。その点は少しく事情がそのときどきの事情によつて早さは変ることと思いますが、ただ貸出しの場合普通の個人ならば貸さないというときに、中に図書館が入りますれば、中に挾まる図書館の責任を考えて貸してくれるという場合が相当多いのではないかと思つております。これは逆な場合を言えばよくわかりますけれども、地方においての或る個人が国会図書館に持つておる書物を借りたいと言われまするときに、私のほうでは直接に貸すよりも中間の図書館にこれを貸付けまして、そうしてその図書館から個人のほうに読ませるようにしてくれるということを歓迎しておりますが、その心理状態で、なかなか遠い所まで後始末を要求するということは困難でありまして、そこでその場所場所の図書館にそういう世話を頼むほうが都合がよいということもございます。でございますから、逆に地方の図書館から借出す場合でも私のほうが図書館関係の間の相互的連絡を利用いたしまして、地方の図書館から借りるという方法は比較的確実に又有効に動くかと思うのであります。ただ東京の町の中にある図書館で、そこに借りに行くということになりますと、これは直接のほうが却つて便利な場合もあり得るのではないかと思つております。
○羽仁五郎君 今の問題は支部図書館の運営をできるだけ合理的ならしめて行くためには、支部でない図書館に対する国立国会図書館の関係を合理的にして行くということが、前提条件にならないとそれはできないと思います。それで、それはその責任の部局において研究しておられることと思うのですが、その点については又次の機会に詳しく伺つておきたいと思います。 それから最後にもう一つ伺つておきたいのは、先ほど御説明になりましたように、上野図書館というものが我々がすでに十分の根拠を持つて決定したように、東京都に移されるという場合に、そこにある書物で国立国会図書館のほうに移したほうが適当と思われる書物が多い、且つその保存は貴重の書籍が、図書が多いのですから、その保存には十分な保存をしなければならない、廊下に積んで置くわけにいかない、それについてのお考えが現在国立国会図書館で御研究になつておる新しい国立国会図書館の本建築の建築の中に、例えば先日内示せられましたような御計画の中には、上野図書館のそういう貴重な図書類を移して、そうしてそれに適する保存の方法で保存するということは考えられておるのですか、考えられていないのでしようか、どうでしよう。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 今回のこの建築を計画しておりまするものの書庫の中には、差当り先に申しました上野の図書館から移すことを必要と思つておる数十万冊の書物、大体その数もほぼ見当はつけておりまするが、とにかく数十万冊の書物をここに入れるということを計算して坪数を算出しております。 それから、先ほどちよつと私誤解して御返事を申上げたかも知れませんが、この支部の図書館と我々の本館との間の関係は、これは実際本館を経由して支部図書館の本を借り出されるほうが図書館相互の関係では非常に便利になつておりまして、これはもう連絡もよくついておりまして、今日どこからも苦情を聞かない程度に迅速に行つております。ただ、支部図書館でない、外のほうの本を借りるということになりますと、これはどうも相手仕事で、そう一概には大きなことを言い切れないと、こういう形になつております。
○羽仁五郎君 その点は、今館長のそのフレゼオロジイに対して文句をつける意思は前回も申したようにないのですが、その支部にあらざる図書館との関係も友誼的というふうなモラル的なものだけでなく、国立国会図書館が日本のあらゆる図書館のサービスの中心であるという意味から、やはりラシヨナルな、合理的な関係が早く確立することが望ましい。それで相手の感情というようなものに依存するのでなく、イギリスなどの場合に、アメリカに比較して遥かに進んでいると言われるようなその全国に亘る図書館の書物の動かし方というもののそれが進んで行きますと、支部図書館の運営の負担がよほど軽くなつて行くのじやないか。そういう点の御研究を願つておき、後に又伺いたいということを申上げます。 そうすると、上野図書館の本で貴重品を移すことは、現在御研究になつておる本建築プランの中に十分考えられておるというお答えですね。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) ええ。今の全国の一般図書館と私のほうの図書館との間の相互交換の仕事というものは、これは本当に大きな問題でありまして、そこまではつきりした道順を以て行かなければならんのであります。けれどもまだ実はそこまで十分手が及んでおりませんので、逆にまあ私のほうからだけ、こう関係を結ぶという面からだけ手を着けております。例えばロツクフエラー・フアウンデーシヨンから寄贈したような本につきましては、目録を作つて全国の支部図書館或いは学校、研究機関等に送りまして、向うの希望に応じてお互いに発送するほうの郵便料だけを自分のほうで持つという関係で、期間、条件をきめて連絡をとつております。で、或る種の極く特定な図書でありますが、例えば外国で部数をきめて寄贈せられましたような場合に、七部とか八部とか同じようなものが来ました場合に、これを全国の目ぼしい図書館に一応こちらで検討して配付いたしまして、そうして希望者に対しましてはできるだけ自分の土地に近い所で読んで下さいという案内を出しております。まあ積極的には動いておりますけれども、まだ全国の図書館をぴつたりと結び付けるだけの実勢力ができていないのでございまして、今努力中でございます。
○委員長(宮城タマヨ君) 他に御発言もないようでございますから、御質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮城タマヨ君) 御異議ないと認めます。 それでは国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案は承認することに決定して御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮城タマヨ君) 御異議ないと認めます。 以上を以ちまして本日の予定案件は終了いたしましたが、今日午後一時から衆議院の第八号委員室において、両院の図書館運営委員会の合同打合会が開催されますので、是非御出席を願いたいと存じます。ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(宮城タマヨ君) それじや速記をつけて。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) 昨日総合目録がやつとでき上りまして、表題にございますように、終戦後から二十五年十二月末までの行政官庁の大体まあ支部図書館を通して資料を集めまして、その間における出版物を大体網羅いたしたと思つております。併し何しろ手がございませんので、私どもが期待しておる、まあこの中に含めました分が果してどのぐらいの割合を占めておるか、その点についてはなお自信を持つてはおらないのでございます。これはまあ第一巻でございます。それから今後の分は二十六年、二十七年、毎年分につきまして第二巻、第三巻としてやつて行きたい。それからもつと早くこういうものは作りませんと役に立たない面があるかと思うのでありますが、手不足その他の関係で大変遅れまして申訳ないと思つておりますが、まあ今後はいろいろと工夫をいたしまして、できるだけ早い機会に二号、三号を出すようにいたしたいとこういうふうに考えております。以上でございます。
○羽仁五郎君 こういう種類の仕事が日本で行われたことはこれが初めてで、我々は非常に長年期待しておつたことがここに国立国会図書館によつて実現されたことは実に感謝に堪えないし、且又一つの時期を画するものだというふうに言つても過言じやないと思うのです。そこでちよつと簡単に伺つておきたいことが二三あるのですが、一つは、今お話の、十分な自信がないというふうにおつしやつているのですが、それは緒言に述べられた即ち政府の各機関が作成した著作物の目録であるという点に関して、やはりそれが網羅してあるということでないと、こういう刊行物の価値が非常に低くなつてしまう。それで日本のこういう種類の刊行物には間々それが多いのです。載つていないのがむしろ多い。それじやあれを見たつてしようがないということになると、なきに勝るどころじやない、ないほうがいいということになつてしまう。そういう点で一応あなたの御意見を伺つておきたいのですが、かなりな程度において、満足すべき程度において、或いは耐え得る程度において網羅されておられるのか。それともその点においてまだ非常に遺憾な点が多いというふうにお考えになつていらつしやるのでしようか。どうでしようか。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) 先ほど自信が余りないと申しましたのは、これは支部図書館そのものの活動が、私どもが慾を出しますると、もつと積極的に所属省内の資料を集め、そうしてそれを保管、登録をしておく、こういう能力が当然要求されるのでありますけれども、その点について、多少人手が足りないとか、能力が低いとか、こういう点が懸念されるのであります。併し各局部あたりにおきましても、自分の局、部で出しました資料はその局、部が大体責任を持つて保管もしておりますし、又その年度に出しました資料の目録というようなものも出しております。こういう点は私どもあらゆる努力を払いまして収集したつもりでございます。ですからそういつた努力をいたしましたけれども、果してそれが百%完全なものになつておるかどうかという点は、私ども今のところまだ自信を以て申上げることをちよつと差控えさして頂いたほうがいいんじやないかというふうな感じを持つております。
○羽仁五郎君 そうすると伺つておきたいのは、今のようなお考えで進んで行かれて、万一あとにこれに著しく補う必要があるということが明らかになつた場合には、これをそういうふうに補われるという努力もなさるわけですね。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) そういうふうにいたしたいと思います。
○羽仁五郎君 それから次に伺つておきたいのは、例年新たに刊行されるものに対して、毎年やはりこの目録をお作りになる、それはできるだけ早くという考えですが、大体どの程度に出して行くことが必要であるかというふうに御覧になつておりますか。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) それを出しましたのに、まあこれは五年分でございますから、大分時間がかかりましたのでございますが、原稿ができ上りましてから本になりますのにも約半年かかつております。これは全く私どもの人手がないので、編集その他に非常な時間がかかるのでございますが、できればまあ年末に大体時間を限りまして、そういたしますと、その翌年の年度内くらいには十二月までに出た分の大よその資料が集まると思つております。ですからその後に編集をいたしまして、まあその途中においても勿論編集はいたしますけれども、そういたしますと、先ずやはり二、三カ月はかかるのじやないかと思います。ですから毎年前年のものを六月末くらいまでに出せるようにすれば、一応私どもとしては成功するのじやないかと思います。
○羽仁五郎君 それからもう一つ伺つておきたいのは、これは刊行物なんですが、刊行物というのはいわゆる活版を意味されるのだろうと思うのです。併し活版以外の、最初に国立国会図書館法を立法した当時の我々の考え方としては、各政府官庁において一定の責任ある責任者のところにまで出て来る書類というものは、国立国会図書館がコントロールできるということを目標に掲げております。そこで伺つておきたいのは、単に活版印刷になつているものにとどまつて満足なさるおつもりか。それとももう一歩進んで、まあガリ版印刷といつても、その本に編んで、それで責任者のところまでは行かなかつたというふうなものは別としまして、それ以上に例えて申せば、議会で法律案の趣旨の説明に閣僚なり或いは政府委員が説明される、その場合にはまあそれは速記に載りますからそれでいいんですが、もう少し下つて、例えば農林省の支部図書館なりの関係で、農林省の試験場なり何なりで活版にまでは行かないで、併し或る程度のまとまつた決定的なものになつたもので、従つて或る程度の責任者のところへまでは行つたもの、そういう種類のものはあるのじやないかと思うのですが、そういう種類のものがあるというふうにお認めになり、且つそういうものの目録というものも必要だというふうにお考えになつておるか、どうか。若しそうだとすれば、そういりものの計画をお立てになつているか。又はなるおつもりがあるか。その点を伺つておきたいと思います。
○国立国会図書館参事(酉水孜郎君) 大体支部図書館を経由して入つて参ります分は、只今お話の活版印刷以外の謄写印刷でございますね、この分は或る程度入つております。ですから、この目録も刊行物となつておりますけれども、謄写印刷の分が相当加わつております。ですから、私どものほうを経由して来るものと、それから、現実には入つて来なくても各部局が俺のほうで印刷したと言つて報告のあるものは大体これに載つております。
○羽仁五郎君 そうですが、それは大変有難いです。 そこで館長にちよつと伺つておきたいことが二つあるのですが、原稿を作成されてから印刷まで六カ月というのは、安に残念だと私は思うのです。原稿ができたらせめて今日の印刷技術では一カ月くらいで印刷ができるということは決して不可能ではないと思うのです。折角できた原稿は成るべく早く公共の利益に役立てるということがやはり税金を使つて刊行物を出す以上必要だと思う。そこで幾分の節約をされ、人員を節約されるということは、納税者の利益を害することに却つてなるのじやないかというふうに思いますが、こういうふうな仕事で今の図書館側からの御説明でも、恐らく人員は足りないということを我々想像できるのですが、それらについて、一定の納税者の負担においてこういうものを刊行する以上、それが有益に、公共の利益という関係で、六カ月というふうなことではとてもいけないと思いますので、その点について、その来年度の予算などについてお考えが十分おありになることだと思うのですが、その点を伺つておきたい。 それからもう一つは今の御説明でも、支部図書館の機能がもう少し充実することが望ましい、これは恐らく二つの考え方があるでしよう。支部図書館のほうで機能を発揮するように人員、予算を殖やすということと、それから国立国会図書館の人員と予算を殖やして、そうしてこつちからサービスをして、あちらに入つてそういうふうな仕事をするということがあると思うのですが、いずれにせよ支部図書館に対して単に勧告を発して、もう少ししつかりやつてくれということだけじや駄目で、もう少ししつかりやつて頂く程度の実際の裏付がなければ駄目だ、その二点について館長どんなお考えか、伺つておきたいと思います。
○国立国会図書館長(金森徳次郎君) 印刷物を早くするということは、本当にお説の通りであつて、それなくしては私どもの図書館の活動というものが美は実現できないのでございまして、ちよつと引つかかつて言うような気もしますが、官庁刊行物総合目録のほうはまだいい。法令の目録、これは法律にちやんときまつておる、ああいうものであり、それから全国出版目録を出すというときに、よほど迅速でなければならんはずです。でもやりかけましてから、かなり速度を縮める、期間を縮めることができましたけれども、まだ実に理想を遠ざかることは甚だしいのでありまして、私ども大蔵省に対しまして、そういう方面の職員もいろいろと要求しておりますし、それから印刷施設を本当は十分に自分に持たないというと、これはやれないのでありまして、例えば印刷庁に頼んでやつておりましても、これは恐らくひまひまに組むのでございましよう。それから先のほうに廻りましても、なかなかこういう官庁のものは予算経理のときにいろいろ値切る点があるのと、何か肌障りが違う、手数が面倒だということでやつてくれませんので、それらの面もいろいろ努力しておりますけれども、もう少し漸進的にやつて行くより仕様がないというような気がしています。 それから支部図書館のほうの人をどういうふうにするか、これは一刀両断に行けばやかましく乗りかかつて行つて、これをやつてくれというのが一番筋は通りますけれども、実際この行政部局のやり方というものは、そういう荒つぽいことじや行きませんから、私のほうでしよつちゆういろいろな連絡を十分とりまして、時と場合には野球の会まで、野球の会と支部図書館の関係はないはずでございますけれども、そういうような方法でやつておりまして、やはり大部分は私のほうの図書館の職員でこれは仕事をしないと、つまりかき立て役に行くというような人を派して、仕事の新らしい材料をもらつて来る。これはやらなければならんと思います。お話に又繋がつて申しますけれども、私のほうは恐らく国立国会図書館というものを作つた限り、支部或いは各官庁にあるいろいろな仮印刷物、つまり謄写版とかそのほかのミメオグラフ版というものをかなり手近に集めて来ないと工合が悪いのですけれども、これを各庁ではいろいろと障るところがあつて出してくれませんので、私のほうではそこのところを実際は余り離れて権力で行くわけに行きませんので、各省のほうでできるだけ正式に我々のほうに謄写版を送つてもらいたいということと、それから各官庁からいろいろな関係があつて出せないというそのガリ版、これが案は役に立つものでして、それを何とかして引出して来るという手もありますが、これは今のところでは一般に閲覧させるという形では向うが出さないのです。ところがこちらの調立のほうの仕事としてはそれがないとうまく行きませんので、そこのところはかなり複雑な方法でかなりの資料を集めております。それが或る期間が経てば官庁刊行物として載り得ましようと思いますが、それまでの間は一種の信義の原理を守らなければならんというふうに思つております。
○羽仁五郎君 その点について殊に只今館長から関連して御説明のありました法令目録、それから全国出版物の目録、それから只今頂戴したようなこういう目録、それらについてやはりどうしても早く、一月遅れるか、二月遅れるかで、その価値がよほど高低がございますから、納税者の税金ができるだけ有効に用いられるように、そうした予算を国立国会図書館がとることが本当の意味の節約になるので、そういう点で国立国会図書館が少しばかり予算を減されると国民のほうにどれだけ余計に負担がかかるかわからない、どうか一つその点で、こういう全国で一カ所で早く合理的にそういう仕事ができれば、全国のあちこちで同じ仕事をやつたりするのをここでやるようになれば、そういう不経済がよほど解決されるという点は十分御承知と思いますが、予算関係の場合は十分御主張下さつて、国立国会図書館が一億使うことによつて全国民の負担においては百億も節約されることがあり得る、それらの実例を十分お示し下さつて、只今御指摘下さいました御趣旨に従つて国立国会図書館の仕事が捗りますように、予算その他の上で我々を御鞭撻して頂きたいと思います。
○委員長(宮城タマヨ君) 本日はこれを以て散会いたします。 午後零時二十三分散会