厚生委員会 第22号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/03/04
会議録
○委員長(藤森眞治君) それでは只今から厚生委員会を開きます。 先ず医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由の御説明をお願いいたします。
○藤原道子君 只今議題となりました医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申上げます。 医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律は、現行医師法によりまして医師国家試験予備試験の受験資格を認められておらないで、一定の医学の教習を目的とする学校を卒業した者や、朝鮮総督の行なつた医師試験の第一部試験に合格し、又は満州国の行なつた医師考試に及格した者等に対して医師になる途を開いて、将来に対する希望を持たせてやるために制定されましたことは、すでに皆様のよく御存知のことでございます。併しながら、これらの人たちと医学に関して同等以上の知識及び技能を有しながら終戦後の医学教育制度の改革によりまして、医師になる途が全く閉されておる気の毒な人たちが現在がまだおるのであります。 それは、昭和二十二年三月日本医学の進歩発展のために関係方面より発せられた医学専門学校の整備に関する勧奨に基き、卒業を目前に控え廃校となりました元福岡県立医学歯学専門学校の第四学年を修了した約四十名の人たちであります。この人たちに対しましては、当時他の存続する医学専門学校、大学予科又は高等学校へ転入学ができるような措置がとられたのでありますが、経済的条件、地理的条件等の理由から、これらの他校への転入学は断念しなければならなかつたのであります。この人たちは、歯科医師としての免許を有し、更に医学の専門課程をも修了しており、医学に関する知識及び技能の点において現在この特例の対象となつている者に比較いたしまして決して優るとも劣らない実力を有しておるのであります。かように医学に関して相当な知識及び技能を有しておりながら、ただ受験資格を認められてないために医師になる途が閉されておりますことは、他の者に比較しまして甚だ不平等であるといわねばなりません。そこで、この人たちに、せめて医師国家試験予備試験の受験資格を認めて、身についた医学に関する知識及び技能を発揮させる門を開いてやりたいという趣旨からこの法律案を提案いたした次第であります。 何とぞ御審議の上、速かに御可決下さるようお願い申上げます。
○委員長(藤森眞治君) これにつきまして医務局のほうの御意見がございますれば……。
○政府委員(曾田長宗君) この案に対しまして私どもといたしましては特に反対申上げる筋はございません。ただ一言だけ一応の意見をお聞きとり願いたいと思うのであります。その点は只今御説明にもございましたように、この新らしい医師法が制定され、その後学校のいわゆる格付が行われましたために、只今問題になつております福岡県の歯科医学専門学校と同様に、いわゆるB級と認定されましたものが全部でたしか七校ぐらいあつたと思つております。で、その際に他の学校に当時在学しておりました人たちは皆転校するということが正規の措置というふうに考えられておつたわけでありまして、かなりの人たちが多少、多くは一年でございますが、一年ぐらい少し重複した教育を受けるようになつたかと思うのであります。併しながらそれにもかかわらずこの御当人たちにはお気の毒なことでありますけれども、制度がそのように変りましたためにそういう御迷惑をかけたというような事情がございます。で、只今この案によりますとその当時他の学校に転校いたさなかつたかたがた、いろいろ事情がございましようけれどもそういうかたがたが、只今申上げましたように修学年限がほかのものは一年重複教育を受けなければならないという不利があつたのに対しまして、ともすれば幾分有利な条件を与えられたということになるのではないかと思いますが、で、こういう点について多少一部に或いは不服が出るのではないかということだけが懸念されるのでありますが、すでにかなり長い期間もたつておりますし、この案が制定になりましても、今申上げましたかたがたに特に新たな迷惑をかけるというのでもございませんので、皆さんさような点について十分お考えの上これでよかろうという御判断でございますれば私どもとしては異議はございません。
○委員長(藤森眞治君) これにつきまして御質疑がございましたなら御発言を願います。
○大谷瑩潤君 こういうような種類のことがほかの学校にもございますかどうですか、それを一つ……。ただ福岡のこれだけでございますか。
○政府委員(曾田長宗君) 私ども只今調査いたしましたのでは、この案文といたしましてはこれに該当するものは先ほど申上げました七校の卒業生全部にかかつて参るのでありますが、ほかの学校の生徒は先ほど申上げましたように大体皆他の学校に転じておりますので、この残つておるものがございましても極めて僅かなものであろうというふうに考えております。
○大谷瑩潤君 もう一つは、これから先にもこの四年間の課程を経た者にはすべてこれだけの権利が与えられるのですか、その受験の資格が与えられるのでありますかどうですか。
○藤原道子君 これは当時日本の学校制度の改革でかようなことに相成つたのでございまして、結局その当時の学校としては四年間で卒業ができたわけなんです。この人たちはすでに四年間の学習を終つて修業試験は受けておるんです。ところが不幸にして学校が廃校と相成つたものでございますから卒業証書は持つておりません。併し修業をいたした試験は受けておりますので、ほかには今後こうした該当者は出て来ないという考え方であり、四年間医学校に行つて修学したものが受ける資格が与えられることになつてはこの法律の趣旨とは全然違うのであります。医学の課程を修了した者でほかにいろいろ調査いたしましたが、これに該当する者はないということが判明いたしましたのでこういうふうに規定いたしたわけでございますので、さよう御了承を願いたいと思います。
○委員長(藤森眞治君) 他に御発言はございませんか。
○政府委員(曾田長宗君) 私どもとして一言更に希望を述べさせて頂きたいと思います。 それは御承知のようにこの特例に関する法律及び只今お話のありましたような、その改正案というようなものは、本来ならば医師国家試験、この制度が定まりますときにその点まで考慮して措置が行われるべきものであつたろうというふうに考えられるのでありますが、それが後になりましていろいろ気の毒なかたがたのあるということがわかりまして、そうしてそれを救済するためにいろいろな措置がとられたものと考えられるのであります。併し先ほど申上げましたようにあとで一部のかたがたを救済するという措置をとりますと、前に正規の取極めに従いまして身の振り方をきめたかたがたからすると、だんだんあとになつて甘くなつて行くという感じを多少受けられるかも知れないと思うのであります。余り好ましくないのでありまして、私どもといたしましてはかような事例がまだほかにございますならばできるだけ拾い上げて頂きまして、又あとからあとからと追加いたされますことは、いろいろな他のかたがたに対してもとかくの又非難が起るというような虞れもあり、事務的なことはさておきましてさような点も考慮されますので、一つ十分に御検討下さいまして以後再々こういうことのないように御審議願いたい。これは希望であります。
○藤原道子君 私どもといたしましてもたびたびこういうようなことをすることは望ましくございませんので、文部当局とも厚生省当局とも十分御連結いたしまして、あらゆる調査いたしました結果こういう改正案を提出したわけでございますから、何とぞさよう御了承の上速かに御審議のほどをお願いいたします。
○委員長(藤森眞治君) 医務局長にお伺いいたしますが、まだこれからあるかも知れないというようなお話もあるのでありますが、あなたのほうの調べではそういつたものが出そうな点があるのですか。御調査はされていますか如何ですか。
○政府委員(曾田長宗君) 私どもの調べといたしましては、先ずこれくらいなもので、ほかには特にお考え願わなければならんというものは私どもとしてはないのではないかというふうに考えております次第であります。
○委員長(藤森眞治君) 他に御発言ございませんか。……別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(藤森眞治君) 速記を始めて下さい。 次に消費生活協同組合資金の貸付に関する法律案の提案理由の御説明を願います。
○国務大臣(山縣勝見君) 只今議題になりました消費生活協同組合資金の貸付に関する法律案提出の理由について御説明申上げたいと存じます。 消費生活協同組合法が施行されまして以来四年余りに相成りまするが、その間組合の発展が、国民生活の安定と改善に尽した役割は極めて大なるものがあると考えるのであります。然るに、組合の重要な仕事であるべき国民殊に都市生活者の生活改善のための事業につきましては、そのための施設の設備資金がないために、未だ極めて不十分でありますので、国と都道府県とが協力してこの資金を組合に貸付けて事業の健全な発達を図る必要があります。これが本法案を提出いたしました理由であります。 以下この法律案の内容につきまして、その要点を概略説明申上げたいと存じます。 都道府県が厚生省令で定めまする基準に適合いたしまする消費生活協同組合の共同洗たく所、共同浴場等の協同利用施設の設備に要する資金を貸付けた際、その半額を国から都道府県に対して貸付けることにより、生活協同組合組織による国民生活の合理的改善を助長するという建前であります。 次にその条件は、非常利事業の設備資金でありますることから、或る程度長期且つ低利でなければならないと考えまするので、国から都道府県に対しまする貸付金については、利率年三分、貸付期間七年、うち最初の二年を据置期間として元本を据置き、償還方法は、利子は各年払といたしまして、元本は据置期間経過後五年均等年賦償還としておるのであります。 又都道府県から組合に対する貸付金については、本制度の趣旨と都道府県の個々の事情とを勘案いたしまして厚生省令で一定の限度を設け、その枠内で自主的に決定し得るようにいたしておるのであります。 以上法案の要点について御説明申上げましたが、何とぞ慎重御審議の上速かに可決あらんことを御願いいたします。
○委員長(藤森眞治君) 次に食品衛生法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明をお願いいたします。
○国務大臣(山縣勝見君) 只今議題となりました食品衛生法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申上げたいと存じます。 今回の改正は、輸入食品による危害を防止するため、衛生上有害の虞れのある食品の輸入を禁止いたしまして、食肉については、相手国政府発行の証明書の添附されたものでなければ輸入してはならないこととし、これらに違反して輸入されました食品につき必要な行政処分を行うことができるようにしようとするものであります。即ち、戦後食糧需給の逼迫した際に輸入されました食品中には、衛生上いかがわしいものがかなりあり、このため多くの中毒その他の事故の発生を見たのでありますが、食糧需給のほぼ平常化いたしましたと考えられます現在におきましても、なお相当量の衛生上不良な食品が輸入されている現状であります。 この輸入食品による事故を防止いたしますためには、それを流通、消費の段階において監視することも必要でありましようが、輸入食品は、もともと国内産の食品と異なりまして、製造、加工等の段階において、我が国の監視えお受けていないものでありますから、これだけでは不十分と申さなければならないのであります。どうしてもその輸入時において十分注意して衛生上不良な食品を輸入しないようにすることが先ず第一でありまするが、万一、衛生上不良な食品が輸入されました場合におきましては、直ちに適当な措置をとることが必要であり、且つ、能率的であると考えるのであります。 又、食肉等は、人畜共通の疫病の感染源となる危険が多分にありますので、国内におきましてはすべて屠場におきまして厳重な検査を経ておりますが、輸入食肉等につきましては、我が国においてこのような検査を行うことができませんので、同様な検査の結果安全であることを相手国に保障してもらう必要があるのであります。 以上、提案理由につきまして御説明いたしましたが、何とぞ慎重に御審議の上、速かに議決あらんことを切望する次第であります。
○委員長(藤森眞治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(藤森眞治君) 速記を始めて下さい。 それでは只今の御説明の二法案につきましての質疑は次回にすることにいたします。
○委員長(藤森眞治君) お諮りいたします。陳情、請願が出ておりますのをおのおの各小委員会に付託したいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) それでは遺族援護に関する小委員会に付託するもの、請願第千三百八号未復員者給与法適用患者に対する生活扶助料支給等の請願ほか二十三件、陳情第四百号遺族補償に関する陳情ほか九件。らいに関する小委員会に付託するもの、請願第千四百四十一号らい予防法改正等に関する請願ほか十八件、陳情第三百七十一号らい予防法改正に関する陳情ほか二件。母子福祉に関する小委員会に付託するもの、請願第千四百七号、母子福祉法制定に関する請願、陳情第三百四十号、婦人福祉対策に関する陳情、以上を只今申上げた通りに、各小委員会に付託することにいたします。 ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(藤森眞治君) 速記を始めて下さい。 それでは、先ほど医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律の一部を改正する法律案の質疑を打切りましたが、討論に入りたいと存じます。御意見のおありの方はそれぞれ……。
○大谷瑩潤君 討論を省略して直ちに採決あらんことを希望いたします。
○委員長(藤森眞治君) 只今の大谷君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) 異議ないと認めます。 それでは討論を省略して採決いたします。原案通り可決することに御賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(藤森眞治君) 全員起立。本案は原案通り可決することに決定いたしました。 それから委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされました方は順次御署名を願います。 多数意見者署名 大谷 瑩潤 藤原 道子 中山 壽彦 草葉 隆圓 常岡 一郎 堂森 芳夫 谷口弥三郎
○委員長(藤森眞治君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないと認めます。 なお本会議における委員長の口頭報告については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) 御異議ないと認めます。 それでは本日はこれを以て散会いたします。 午後三時八分散会