厚生委員会 第10号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1952/12/16
会議録
○委員長(藤森眞治君) それでは只今から厚生委員会を開きます。 先ず母子福祉に関する小委員長の報告をお願いします。
○山下義信君 母子福祉に関する小委員会の経過を御報告申上げます。 御承知の通り我が参議院におきましては、第五国会以来、母子福祉対策の樹立及び施策の推進方に関しまして、不断の研究努力を続けて参つたのでありますが、本国会におきましては、去る十一月二十六日に母子福祉に関する小委員会を設置いたしまして、今回までに六回に亘り開会いたし、その間今国会におきまして母子福祉に関する法案の成立を目指しまして、鋭意努力を続けて参つた次第であります。即ちかねてから参議院法制局と協議いたしまして、ひたすら母子福祉法案の立案を進めて参つたのでありますが、一応第一次の成案を得まして、小委員会におきましてはこれに検討を加えつつ参つた次第でございます。その要点を申上げますと、第一章総則、第二章母子相談所及び母子相談員、第三章母子団体、第四章母子団体、第四章助成措置、第一節母子福祉資金の貸付、第二節その他の助成措置、一 保育手当の支給、二 教育手当の支給、三 被保護者の更正措置、四 売店の設置、五車売品販売の許可等がその主なる点でありまして、未亡人団体等の要望事項の中で、法体系を紊さないで且つ大なる予算を伴わない事項は、極力大幅に取入れて立案をいたしました次第でございまして、只今委員長のお手許に提出いたしました母子福祉法案要綱に、各條項に基きましてこれを具体化いたしてございますので、御覧を願いたいと存じます。即ち別紙の通りでございます。 他方衆議院におきましては、私どものほうとは別に、母子福祉資金の貸付等に関する法律案を御立案中でありましたので、当小委員会といたしまして、衆議院と御連絡の上で事前に検討を加えることにいたしましたところ、衆議院案は資金の貸付に重点を置かれまして、母子相談員に関する若干の規定が設けられたままでございますので、参議院の考えまするところと甚だしく懸隔があり、且つ衆議院案自体につきましても相当修正を加える必要があるものと認められました次第でございます。併しながら母子福祉に関する立法措置は、諸般の情勢上焦眉の急を要しますので、両院協力して本国会におきましてその成立を期したいと考えまして、数次に亘りまして、両院厚生委員長にお打合せを願い、又両院の母子福祉小委員長の打合会も行い更に両院の母子福祉小委員の合同打合会を開催いたしまして、極力両院原案の調整に努めました結果、漸く衆議院案の中に当院の考えを盛込みまして、一部の修正が行われることに相成りまして、ここに両院の考え方が一応妥結をみるに至りましたのでございます。なお詳細なことは省略いたしますが、只今申上げました両院の小委員の合同打合会におきまして問題になりました諸点だけをこの際御報告いいたします。 それは第一は、母子相談員の設置の問題でございますが、母子相談員を設置するということには意見が一致いたしましたが、その母子相談員の資格要件につきまして、当院はその資格要件を法律に規定することを要望いたし、且つ又母子相談所の設置につきましても、当院はこれが設置を強く希望いたしましたのでございます。且つ又母子団体の経営いたしまする事業に対しての助成措置、或いは職業補導の機関の設置等も当院の要望するところでございましたが、その中、次の諸点につきまして参議院側の要望事項が衆議院の容れるところと相成りましたのでございます。それは第一は、貸付條件を附けまする規定を削除いたしましたこと、第二は、母子相談員の資格要件の規定を若干規定いたしましたこと、売店の設置規定を設けましたごと、専売品の販売許可に関する規定を設けましたこと、右の四点でございます。そこで両院の課節をどうするかということになりまして、結局はこの案は両院の協力によりましてできたものであるということを明確にいたしておきまするために、同一の案でございまするが、これを衆議院は衆議院として議員提出をせられ、参議院も又議員提出をいたしまして、そうして両院の案いずれかを議題とせられまして、両院の合同審査会を持たれるように話合いを進めて参つたのでございます。衆議院のほうにおかれましては、その行き方に全く御賛成でございまして、そのように運んでおりましたところ、いろいろ衆議院のほうに御事情がございまして、昨日の厚生委員会で至急に議決をせられ、直ちに本会議に上程せられることに相成りましたので、それに対応いたしまして衆議院と打合せました結果、当小委員会といたしましても昨日の母子小委員会で急遽小委員のかたがたとお打合せいたしました結果、御登院になりました小委員のかたがたの御署名を得まして、一応当院のほうからも議員提出案といたしまして手続をいたしました次第でございます。さような次第でございまするので、この母子福祉の資金貸付に関しまする法律案は、両院から期せずして同一の法律案が立法手続をとられるように相成りました次第でございます。いずれにいたしましても、衆議院のほうでは衆議院案につきまして委員会の審議が終了いたし、本会議の議決が終了いたしましたので、事実におきましては議事規則に基きまする合同審査会を持つことができなくなつたのでございまするが、衆議院側と昨日の夕景に打合せいたしました結果、参議院の厚生委員会におきまして審議せられまするときに衆議院側の提案者が多数出席をいたしまして、事実上の両院の合同審議をそこでさせて頂くことにいたしたいと、こういうことでございましたので、小委員会といたしましてはその旨了承いたしましたのでございます。 以上が大体の経過報告でございますが、なお当小委員会におきましては、母子福祉対策上の参考に資するため、未亡人団体の代表者から意見、要望等を聴取いたし、国民金融公庫の理事から公庫の資金貸付状況を聴取いたしまして、本案の審議に資しました次第でございます。 以上簡単でございますが、これを以ちまして小委員長の報告を終ります。
○委員長(藤森眞治君) 只今の小委員長報告に何か御質問その他の御発言はございませんか。……御発言がないようですから、この際お諮りいたしますが、只今山下小委員長からの御報告の通りの経過で、参議院におきましては母子福祉資金貸付法案、それから衆議院のほうからは母子福祉資金の貸付等に関する法律案、そうして昨日この衆議院のほうは可決されまして、参議院のほうに回りまして本委員会に付託されております。こういうふうな状況になつておりまするが、一応参議院の山下義信君外七名の御発議になつておりまするこの母子福祉資金貸付法案の提案理由を承わりたいと思うのですが、如何でしようか。 〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) 御異議がございませんければ、それでは谷口委員。
○谷口弥三郎君 それでは私から御説明申上げます。 只今提案になりました母子福祉資金貸付法案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。 御承知のように配偶者のない女子、なかんずく子供を抱えた母親が独力で生活して参りますには、経済的にも精神的にも、幾多の困難が伴いがちであることは申すまでもないのでございます。これらの母子世帯に対して助成措置を講ずることは、その母親の自立の上からも、又その家庭に育てられている児童の福祉の上からも緊急な問題でございまして、国や地方公共団体はその責任上一日もゆるがせにすることのできない事項であると存ずる次第であります。然るに、これらの母子世帯に対する従来の施策といたしましては、戦前は、母子保護法によつて十三才未満の子を有する母子世帯に対して生活費の支給等の保護がなされて来たのでありますが、昭和二十二年生活保護法の制定に伴い、母子保護法は廃止せられ、国民平等の原則の下に、母子に対する福祉の諸施策等も又主として、この生活保護法の見地に基いて行われることとなり、その及ばざる部分は児童福祉法による母子寮、保育所等の活用、軍人、軍属の遺家族である母子に対する戦傷病者戦没者遺族等援護法による措置その他税制上の配慮等々によつて僅かに糊塗されておる実情なのであります。殊に第二次大戦に直接、間接に起因して激増した母子世帯は、戦後の特異な社会経済事情に影響されて、一般的にその生活はますます困難を極めておるのでありまして、折角、独立独歩の生活意欲に燃えながらも、事業の開始、児童の就学等について資金融通の途がないため、生活内容の改善、向上を図るに当なく、やがては生活保護の該当者に顛落の一歩手前と申すような不安な境遇にさらされているものは頗る多い実情でございます。最近の調査によりましても母が生計の中心となつている母子世帯のうち、生活保護法による保護を受けているものは全体の二八%を占め、その他の世帯につきましても、生活に余裕ありと認められるものは総数の僅かに四%に過ぎず、その他はすべて生活に余裕がないとか、或いは辛うじて生活しているといつた窮状を訴えているのでございます。御承知の通り参議院厚生委員会におきましては第五回国会以来母子福祉の増進について多大の関心を払い毎国会を通じましてこれが立法化のため努力を続けて参りました結果、今国会におきまして一応「母子福祉法案要綱」を取りまとめた次第であります。本要綱は未亡人団体等の要望事項をも参酌して相当広範囲に亘りまして母子福祉に関する諸施策を織り込んであつたのでありますが、他方衆議院におきましては生業資金等の貸付を主とした「母子福祉資金の貸付等に関する法律案」を立案いたしたため、今国会におきまして母子福祉に関する法案の成立を期するには両院相協力して法案の調整を図る必要に迫られ、数次に亘り両院関係者が折衝の結果漸く意見一致し今回のごとき提案を見るに至つた次第であります。 本案はもとより母子福祉に関する施策の一部面に過ぎませんので、他日を期してその完璧を図らねばならぬと確信するものであります。 次にこの法律案の大要につきまして御説明申し上げます。 第一に対象の点でありますが、この法律による援護を受ける対象は、配偶者と死別した女子で現に婚姻をしていない者及びこれに準ずる事情にある女子であつて、而も現に二十歳未満の児童を扶養している者であります。 第二に、資金貸付制度の内容につきまして申上げますれば、次の七種類の資金をそれぞれ一定の限度を以て貸付けようとするものであります。即ち、事業を開始するに必要な生業資金の貸付は五万円以内、就職に際し必要な支度資金の貸付は一万五千円以内、事業を開始するために知識技能を習得するのに必要な技能習得資金の貸付は月額千五百円以内、右の技能習得資金の貸付を受けている期間中の生活を維持するのに必要な生活資金の貸付は、その期間中本人につき月額千円以内及びその児童一人につき月額五百円以内、事業を継続するのに必要な事業継続資金の貸付は一回につき三万円以内といたし、又児童を就学させるのに必要な修学資金の貸付は高等学校月額五百円以内、大学又は医師実地修練月額二千円以内、児童が事業を開始するために知識技能を習得させるのに必要な修業資金の貸付は月額千五百円以内といたしておるのであります。これらの貸付金は、それぞれ一定の据置期間中は無利子とし、その後は年三分の利息を附し、所定の期間内に貸付金の償還をさせることにいたしておるのであります。 第三に、貸付業務は都道府県が行うこととし、都道府県が貸付金の貸付を行うについては、特別会計を設けることといたしておるのでありますが、これら貸付金に対する財源措置としては、国は、都道府県がこの特別会計に繰り入れる金額と同額を、無利子で、都道府県に貸し付けることといたしたのであります。 第四に、都道府県に母子相談員を置くことといたしたのでありますが、貸付金制度の利用その他母子世帯に派生するもろもろの問題について身上相談に応じ、その精神的支柱となつてその自立に必要な指導等に当らせることといたそうとするものであります。国は、この母子相談員に要する経費の二分の一を負担することにいたしております。 第五に、母子世帯の職場開拓を促進いたすこととし、国、地方公共団体の設けた公共的施設の管理者に対しては、母子世帯からの申請があつた場合その更生の場として物品販売のための売店又は理容所、美容所等の提供に努力させるようにいたしておるのであります。又日本専売公社に対しては、これらの母子世帯を製造たばこの小売人に指定するについて、特に努力するように規定を設けておる次第であります。 以上がこの法律案の大要でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを切望する次第であります。 以上であります。
○委員長(藤森眞治君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(藤森眞治君) 速記を始めて。それでは日程に従いまして、あと請願、陳情の御審議を願いたいと存じます。速記をとめて下さい。 午前十一時十六分速記中止 —————・————— 午前十一時二十八分速記開始
○委員長(藤森眞治君) 速記を始めて下さい。なほ本委員会に付託になつております請願、陳情のうち、請願八百十三号、八百四十三号、八百九十七号、九百五十一号、七百七十八号、九百二十五号、陳情二百五十四号、二百五十五号、二百五十六号を遺族援護に関する小委員会に付託することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤森眞治君) それでは小委員会に付託することに決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時二十九分散会 —————・—————