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15回国会参議院1952/12/16

建設委員会 第6号

発言数
70
登壇者
8
会派数
3
開催日
1952/12/16

会議録

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) それでは只今から委員会を開会いたします。  国土総合開発の調査につきまして本日理事会を開きまして、大体の調査の進め方の御相談を願つたのでございます。最近の傾向を見ていますと、電力の早期開発を急ぐ余りに国土総合開発の観点からの研究不十分のままで電源開発が行われているような傾きもありますので、本委員会といたしましては、そういう点について特に先に調査を進めて行こうということに御相談願つたわけであります。従つて、取りあえず只見川につきまして調査を進めまして更に北海道、或いは利根川、北上川等、理事会で皆様にお諮りいたしまして、逐次調査を進めて行こうということにいたしたわけでありますから、その点御了承願いたいと思います。で只今建設省のほうから澁江計画局長、米田河川局長、石破官房長、落合総合計画課長、それから農林省から平川農地局長が見えております。建設大臣は本日衆議院の予算委員会等がございますので出席できないということでありますから、次回の委員会におきまして、建設大臣並びに通産大臣の説明を聞くことにいたしまして、取りあえず本日は只今出席の各局長から説明を求め、質疑を願うことにいたしたいと存じます。

石川榮一自由党

○石川榮一君 私は少し時間の都合がありますので、先に農地局長にお伺いしたいのです。それは全国の十九地域の総合開発が一応取上げられておりますが、その線に沿うてこれを実施に移すという段階になつたようであります。それに対しまして、農林省側が勿論この総合開発の主要な利水の面を担当することになるわけでありますが、その水に関係をする総合開発に対して、農林省の農地局長さんの御意見といたしまして、将来悔なき開発を農林省の面から御検討願わなくちやなりませんが、特に私どもは食糧増産の面から用水の補完水は勿論でありまするが、畑地灌漑に重大な関心を持つて頂かなくちやならん。用水の補完水は何とかなりますが、畑地の灌漑まで考えて行きませんと、日本の食糧増産は徹底しない。要するに、食糧は冬作よりも夏作のほうに生産力が上つて参るのでありますから、特に灌漑を伴うところの畑地は、これに或る程度の灌水をするごとによりまして、食糧の生産は飛躍的に増大すると、こういう観点に立ちまして、各総合開発における水資源の利用に対しまして、遺憾なく計画を立てていらつしやるか。たとえて申しますと、利根川の総合開発にいたしましても、厖大なる関東平野の過半は畑地なのでありましくその畑地が早害によつて年々計るべからざる減収を来しておる。或いは陸稲のごときは収穫皆無であるというような現象が三年おきくらいには起つて参るのであります。これらの点に重点を置いて、水資源を極度に活用するために農林省は計画を立ててもらつておると思いまするが、そういう計画を持つて今やつていらつしやいますかどうか。若しやつていらつしやるとすれば、例えば利根川のようなもの、或いは只見川のようなもの、その他最上川とかいうようなものに対する総合開発の線に沿うた農林省の水資源獲得に対する計画、その必要とする水量等を御計算願いまして、審議会に強く要望してもらいたい。これらが出て参りませんと、しつかりした総合開発はできないのであります。建設省の計画しております治山治水は勿論総合開発の根幹を成すものでありますから、これには勿論計画があると思いますが、農林省の畑地灌漑、或いは通産省の工業用水というものに対して広汎に亘つて水資源の活用を各省から要求されるのをどうあんばいするのか、それによつて水の料理をすることの大綱がきまつて来ると思います。こういう点について農地局長さんの御意見をお伺いしてみたいと思います。

平川守農林省農地局長

○政府委員(平川守君) 只今御意見のありました畑地灌漑の点につきましては、私どもも全面的に同意見を持つております。ただ比較的にこの畑地灌漑の事業というものが新らしい関係上、水田に対するほど今まで調査がよく行届いておりません。併し数年来非常にこれに力を入れまして、少くとも現在やつております場所は非常な好成績でございます。各地にこの計画を立案させておるわけでございます。現在農林旨の手許に集つております全国の計画は二十数万町歩の畑地の灌漑の計画がとざいます。併し総合開発の計画等の場合に畑地灌漑を十分に取入れた水の肝要量を出すということは是非必要だこ思います。この調査をいたします場日に、そういうことを十分考慮に入れました水の所要量を算出することにいたしたい。現に例えば北上川等におきましても電源開発等に関係いたしまして、農業用の水の所要量を要求いたしておりますが、その中には畑地灌漑等も十分取入れてあるわけでございます。お話のようなこれからの総合開発地域としましても、同様に十分これを入れて要求いたして参りたい、かように考えております。

石川榮一自由党

○石川榮一君 千葉県の手賀沼を中心とする用排水事業が実施されておりますが、現在千葉の海岸に建設しております川崎製鉄、或いはその他のものができて参りましようが、これらのものか工業用水に非常な困難を来たして、建設途上において大きな齟齬を来たしておるというようなことも聞いておるのでありますが、農林省が計画する用排水事業には余りそういうようなことは計画がないと思いますが、これは建設省のほうにも関係があるのでありまして、建設省の予定しておりますいわゆる昭和放水路とかいいますか、仮称をつけておりますが、利根川の取手附近から船橋に至る放水路等もあるのでありますが、現在手賀沼を中心としておやりになつておりまする農林省の用排水事業は、やり方によりましては千葉郊外の工業用水に対しても水の供給がし得るような計画の変更ができますかどうか、これも伺つてみたいと思います。御意見をお聞かせ願いたい。

平川守農林省農地局長

○政府委員(平川守君) 印旛沼、手賀沼の干拓計画に関係いたしまして、この排水路から製鉄所のほうに工業用水を欲しい、こういう御希望があるようであります。ただ私どものほうの干拓計画は予算の関係等でこれは非常に大規模な計画でありますために、なかなかその工場の要求にうまくマッチするように早くできないのじやないかという心配をいたしておるわけであります。県庁或いは工場、通産省ともよく御相談をいたしまして、成るべく総合的な効果を発揮するようにいたしたいと考えております。ただ現在の状態におきましては、非常に大きな予算を要する仕事でありまするのに対して年々の予算が非常に貧弱でありまして、そこに非常な困難を感じておる、但し計画としてできるだけそういう目的にも合致するようにいたしたいと、かように考えておるわけであります。

石川榮一自由党

○石川榮一君 農林省に限らず建設省の仕事も殆んど予算が少いので、重要な工事が各地に開店休業のような形で見られることは非常に遺憾なことでありますが、今のような場合には、会社当局がこれも大きな資本金でおやりになつても、要するに工業用水の確保できない所には工場は建設しても意味がない。今になつてその会社がそれに苦しむ。これは大変遺憾なことで、併しできましたことはしようがありませんが、会社側から相当に金を先に出さして、そうして成るべく早く工事を遂行してやるというような考え方はどうなんでしようか、伺つておきたい。

平川守農林省農地局長

○政府委員(平川守君) その点は私どもも実は申上げませんでしたが、考えておりますので、工場側の立場になりましても、それだけの工業用水を入れるについては、本来相当の資金が必要であることは当然なわけであります。一種の共同事業のような形で会社側にも適当なる費用の負担をしてもらつて仕事を早く進めるということは如何であるかということを考えております。これについて成るべく早く相談をいたしまして具体案を固めたいと、かように考えております。

石川榮一自由党

○石川榮一君 次に河川局長さんにお伺いしたいのですが、先般この委員会で米田河川局長から建設省が重要河川に対する改修施工を促進するための十カ年構想を伺つて非常に意を強うするわけであります。現在の予算的な措置と従来のやり方とを考えますと、日本の重要河川の改修の完成ということは殆んど見込がない。五十年、六十年という先を目安にしておるような形になつておつて殆んど完成の見込がないのでありますが、建設省は重要河川は十年程度で是非とも完遂いたしたいという大きな目標の下に御計画をなさつて、予算の要求等もその線に沿つてやろうというお考えであることを伺いました。そこで二十八年度予算もいよいよ大蔵省の査定に入るのでありますが、今までもあることでありまして、建設省が予算としてどうしてもこの程度の工事費は必要とするというものを出しましても、殆んどその三分の一か或いは四分の一程度に圧縮されてしまうというようなことになつておるのであります。このたび二十八年度の予算を迎えるに当りましては、そういうようないわゆる大蔵省の査定に甘んずるようなことでありましては、重要河川の改修ということは絶対におぼつかないのであります。そこで要するに河川局を挙げて、或いは建設省を挙げてその絶対必要とする計画に即するような予算の獲得について十分な御決心を持つて頂きまして御検討を願いたい。全国の重要河川を大体仕上げますのには約五千億円程度要るという話を聞いております。それを十年間にやるということは僅かに五百億円でありますからして、でありまするからして努力を増して行きますれば必ずしも建設省の河川局が計画しておるものが具体化されないはずはないと思う。我々も議員の立場からでき得る限りその線に沿うように政府並びに特に大蔵省等とは折衝するつもりでありますが、河川局長として明二十八年度の予算に対する建設省の御決心並びにその内容等も或る程度までは建設委員会に協力を求めて頂きたい。そうして建設省が提出されましたところの大体の予算は飽くまでもこれは支持しなくちやならんということになりますれば、建設委員会におきましても、これを中心として政治的に政府に折衝するということもできると思いますし、でき得るならば衆参両院の建設委員会が合同会議を開きまして、その大方針を貫くためにこの際協力をするという態勢も整つて来ると思うのであります。こういう問題につきまして河川局長さんの御見解を伺いたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 只今お話のありました通り、建設省といたしましては二十八年度予算に、引続き十カ年計画の線で要求書を提出いたしております。でこれはこの前も簡単に御説明いたしましたように、全治水計画を十カ年計画で昭和こ十四年度から着手をいたしておりますけれども、今年度までには、もう四年を経過いたしまして四〇%できているはずのものが、なお実績から見ると一二%に過ぎないというような非常に進み方の遅い状態でありますので、この状態で行きますると、今後この全計画を完成しますのには三十年程度かかるのではないかというようなことであつて、これでは依然として治水問題が解決せず、今後三十年も経過するということは今後の日本の開発の根幹をなすものとしては堪えられないことであり、又これができなければ日本の産業経済の基盤というものが確立されないのではないかというので十カ年のうちもう四カ年過ぎましてあと六年間でありますけれども、この六年間に当初の十カ年計画の線を完成したいという筋で予算要求書を作成いたし、提出し、折衡いたしておるのであります。それでそうしますと、先ほどのお話のように相当多額の年度要求経費になりますので、果してこの公共事業費の中で賄い得るかどうかというような懸念が非常に強いのであります。それで我々といたしましても勿論努力いたしまするけれども、これは国会側の強い要請があつて初めて私どもでき得ることだと思いますので、是非建設委員会でお取上げ願つて強く主張をして頂きたいと、強く要望いたしておきます。  それで、予算の要求金額はこの前お手許に差上げました予算内容書がございましたのですが、あれで大体金額は御承知下さつたと思います。先だつてお手許にお渡ししましたのですがございますか。

石川榮一自由党

○石川榮一君 そのとき私出席しませ澄んで、もらわなかつたのです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) それで御覧願いたいと思います。何と申しましてもこの建設省の方針としまして、国土の総合開発の基盤をなす治水事業を今後強く推進しようという新大臣の抱負もあり、我々はその線に沿つて行こうと思つております。それで河川行政といたしましては、従来とかく河川行政がやや緩んでおるような感じがいたしておるのであります。そこでこの河川行政を強く一本化しよう、それで管理面の一本化及び工事実施面の一本化というような面を具体的に今後一つ打出して行きたいと考えまして、これらのことによつて一貫した河川行政を強く実施いたしたいと思います。例えば最近各地で災害が起りまして、特に利水面の工事のために災害を起すというような非常な事態が各地で起きております。こういう事態がないように、今後はそういう事態が絶対に起らないように措置を講じたいと考えております。なお、そういう基盤になるべき治水政策を実施いたしますと同時に、利水面でもこれと並行して進めて行きたい。特に多目的ダムの実施はこれはもうこの二、三年来進めて来ておりますか、やや準備の時代の感がありましたのが、来年度からは本格的な実施の旺盛期に入るのであります。予算の面も又従いまして相当な金額を要する、これらについても御協力をお願い申上げたい。特に鬼怒川のごときはすべての準備が整つておりますにもかかわらず、資金の面で今日工事が停頓いたしておるような状態であります。これも一面発電事業との関連もありますので発電事業の主体を早くきめることが必要であります。これを早くきめまして、本格的な事業実施に来年度からは入りたい。今年度できるだけのことをいたしたいと考えておりましたけれども、予算措置は今年度内にはもはや何らの方法がない。来年度からの予算措置として進めたいと考えております。そういうように利水面を加味した治水事業というものを多目的ダムによつて河川上流部においてこの面をやつて行きたい。なお、それに、その上流については砂防の事業とこれは治水の面とうらはらの問題であります、上下の問題でありますので、この面も同様と思います。こういうふうになりますと、来年度相当大きい予算、特に災害の関係を入れますと、来年度要求予算は約千六百億程度になる。これはよほどの努力と覚悟がない限り、実施の面ではなかなか困難というような見通しであります。どうか建設委員会でも強力に御推進下さるようお願い申上げます。

石川榮一自由党

○石川榮一君 農林省の先頃の御方針と建設省の御方針と別に食違いないようでありますが、現在の建設省が計画されておりますダムは洪水を防除するということを根本方針としておやりになつておるのでありまして、従いましてその流域から農林省が必要とする流量をどの程度確保できるかの問題になつて来ると思います。利根の問題が一つの例でありますが、建設省側が今計画しておりますダムの、多目的による利水では、農林省が将来開発しようとする必要の水量に足らない。むしろ半分程度しか賄えない。例えばその流域において、農林省が十五万町歩の畑地灌漑用水の事業の流量を計画されて、実際は将来三十万町歩に及ぶ灌漑をせねばならんことになつても、十五万町歩で一応我慢しなければならない。これは将来次の開発計画になるが、農林省と建設省とは、治水の目的は、最後の目的は利水にあるのでありますが、今までも御相談があつたと思いますが、努めて農林省と建設省とは水の問題につきましては隔意のない御相談を願い、いやしくもセクト的な考えを持たないで、大所、高所から総合開発の目標を最大限にその効果を発揚するという建前をとつてやつて頂きたいと思う。ときどき建設省の首脳部と農林省の首脳部とが水の問題について、治山治水、利水の面につきまして、懇談等をなさつていることがありましようか、どうか。この点をお伺いしたいと思う。これは河川局長さんでも結構です。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 水の問題を中心といたしまして、建設省と農林省の間では特に密接な関連がございます。例えば現在実施いたしております各所の多目的ダムにおいても、殆んどすべて灌漑用水をちやんと計画の中に含めている。その都度両省の関係が生まれて来ておる。で、私実はまだ着任早々でありますけれども、農林省との間に懇談会をやろうという、幹部の間で懇談会をやろうという機運ができておりまして、近くそういう機会もあろうかと思います。つい先だつては林野庁との間に、林野庁長官と懇談をいたしております。いろいろやはり両者膝をまじえて話をいたしますと、得るところがありまして、今後スムースに水源に関する問題等は比較的従来よりもやりよくなつたような感じを私は持つております。林野庁の長官も率直に建設当局でやつておる砂防に摩擦を起さないように協力をするということをはつきり申しております。なお下流の今の水の使用に関する農林省との懇談会等の機会も近くあることと思います。大臣も特に近くそういう問題をやりたいというお話もございます。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 それに関連して、水は一つでありますから、これを治水、利水、両方の省でいろいろの仕事をいたしましても、うまく行くか行かんかは昔からの問題で、今局長は両省間で懇談の上運営をよくするとおつしやつて、非常に結構と思います。又そう望みたいと思いますが、これについて私は第一にお伺いしたいのは、たとえて申しますと、本年ですか、水害で岐阜県の長良川の用水の入口から堤防が破壊した、これは大きな問題であります。この点では大臣もこの前おつしやいましたが、そういう事例はたくさんあるのでありますから、私はもうこの際は懇談というようなそういう消極的なことは避けて、少くともそういうものに対しては建設省なら建設省で根本的にやつてしまう。そこまで踏み切られるべき時期に到達していると思う。もう一つの例を又申しますと、先年京都府の亀岡の奥で平和池が決壊して四十三人の死人が出た。これも防炎ダムという名前で、むしろ建設省の関係していな河川の上流に堰堤を作つて、その堰堤が破壊してあの惨事を起したのであります。防災ダムのごとき、名前こそ昭和二十三年の水害に基いて、水害を防ぐという観点から予算をとつたものでありますが、その実、何でこういう予算を農林省につけたかと実は不思議に思つて、随分ここで審議したこともあります。これに類した堰堤がまだあろうと思いますから、又後刻農林省に質問しようと思いますが、そういう事態がありますから、建設省でもう少し進んでそういうふうな仕事を全部統括して、国家の立場からこれをやる。かように一歩進むような御意見はお持ちになつておるかどうかを政務次官に伺いた。

三池信自由党建設政務次官

○政府委員(三池信君) 只今赤木委員の御意見、私も前に建設委員を衆議院でやつておりまして、誠に同感であります。国土保全の立場からも少くとも河川に関する工事一切は建設省が担当すべきじやないかという意見を私は持つている。どうも河川の管理が地方長官にあるために、十分な管理が、少くとも建設省が期待するような管理ができていない。特に戦争中の食糧不足が非常な問題となりまして、あらゆろ政策に戦力増強の意味から食糧を増産しなければならないという政策が先行しましたために、いわゆる灌漑、排水、そういう面からの政策が強く地方では取上げられました。そのために河川の管理が非常な渋難に陥つているということを私は感じているのであります。そうしてそういうことのために、当然建設省が河川管理の問題として取上げなければならないようないろいろの施設が、恐らく十分な河川管理者の職責が遂行されないうちに建設された。それが治水上の非常な障害になつて、しばしば洪水などの場合に破堤をして、非常な災害の起る原因となつたというような例も私は実際にしばぐ見ております。又只今のお話のように、非常に上流には治水上最も重大と考えられるような施設がほうぼうに現在施工されつつあるのであります。これが若し先ほど例を示されたような結果が起りますと、全く治水の問題は根本的な破壊をされるような危険を帯びるというような点もあるのでありまして、私自身のこれは個人の見解でありますけれども、少くとも国土保全というような立場からしまして、特に河川行政に関する施工は一切建設省が担当するのが最もいい、私は能率的な結果を来たすのではないか。これにつきましても先般こちらでちよつと問題になつたのでありますが、現在衆議院の建設委員会では取上げられておりますけれども、海岸の保全法の問題であります。ああいうような特に技術的な観点が重要視されるような施工というものはやはり建設省がやるのが本当じやないか、但しまあ食糧増産の実際の計画という立場から築堤そのものは実際農林省がされるにしても、それが一応海岸堤防として完成しましたあとにおきましては、その暁におきましては国の維持管理は少くとも建設省が担当すべきじやないか、農林省で言われるような、農地保全の立場からこれを農林省が維持管理に当るのが当然だという御主張も或る意味においては肯けないこともありませんけれども、併しながら、農地保全という問題は、農地そのものの保全はこれは食糧増産の面から農林省が担当されるのが当然でありましよう。併し海から来るいわゆる外から来るところのものに対する防禦、保全というものは、守りというものはこれは国土保全の意味において建設省がやるのが私は筋の通つた話ではないかというふうに常に考えておるのでありますが、この問題は各省に非常な意見の相違がありまして、それの総合調整が今日に至つてもなかなか十分行われないというような現状でありまして、私個人の意見としましては、全く赤木委員のお考えと同じでありますことをお答えいたします。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 政務次官も私と同じお考えのようでありますが、これはなかなか難問題でありますが、併しこれを解決しない以上は本当の国土の安定はできませんから、又今日の情勢では経費においても非常に無駄に使つております。それを十分お考えの上、これが閣議の上ではつきりした線を出すように、大臣に特にあなたからして強く要望してもらいたい。これは恐らく政務次官も私は反対なさらんだろうと思つております。  その次に伺いたいのは、まあ今日は只見川その他の総合開発の問題に関してちよつと伺いたいのですが、只見川の、たとえて申しますと、総合開発についてどういうふうに今まで調査されていたか、これを治水の面から、或いは利水の面から、殊に農業方面、或いは水力発電の方面から今まで検討されたいきさつを私はもう一ぺん承わりたいと思います。これは政務次官でなくても担当のかたでも結構です。

三池信自由党建設政務次官

○政府委員(三池信君) 只見川の問題は従来非常にやかましい問題の一つとして取上げられております。現在各委員会でもいろいろ問題になつているようでありますが、私自身まだ只見川の今日までの調査のいきさつその他については十分承知しておりませんので、事務当局をしてわかつている範囲のお答えをいたしたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今の御質問は只見川の総合計画の問題でございますね。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 只見川の治水の部面、或いは利水の部面、利水は勿論農業もありますし、発電もあります。そういうことを聞きたいのです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) それは計画局長のほうが全体としては適当だと思いますが……。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 どなたでも結構です。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 私どものほうといたしましては、あの問題については水利権を中心に研究をいたしたいと考えております。で、これは御承知のように今只見川に関しましては本流案、分流案と申しますか、福島側の案と新潟側の案と両案ございまするので、それらを水利権の面から併せて総合開発的な見地から見て参りたい。で計画局のほうではこれを全体を総合計画の面としての研究を進められておるのでありますから、そのほうはそちらからお聞き願うとして、我々のほうとしては実はまだ現在のところは調査の道程でありまして、今ありますのは、従来からいろいろ案がありまするのをまとめておるような次第でありまするし、最近はOCIの案も出ましたし、それから新潟からは水利権の申請も出て来ておりますので、それらをまだ研究をいたしておる次第でございまして、まだ結論等を申上げる時期になつておりません。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 その点はよく局長のお話でわかりました。これに関連して問題になつております水利権のいきさつを一応承わりたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今のは全体でございましようか。それとも例の最近問題になつております上田、本名の問題とか……。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 最近衆議院方面で問題になつておりますあの水利権のいきさつです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) お尋ねの只今問題になつております上田、本名の水利権の経過を申上げます。これは御承知のように水利権に関しましては、河川法の十八條を中心として許可をするようになつておりまして、その許可権者は府県知事が河川管理者でありまして、河川管理者が許可権を持つておるのであります。ただその許可権を執行ずる場合には建設大臣の認可を経て許可をいたすことになつております。そういう建前になつておりまして、この本名、上田の問題に関しましては、その沿革を申しますと、非常に古く、昭和四年からの問題でありますけれども、差当り今問題になつておりますのは、ごく新らしいことを申上げますると、一昨年昭和二十五年の十二月十三日に福島県知事から上田の附近にあります沼沢の水利権というのがありますが、従来のは水路式の古い水利権であります。その古い水利権の取消を、福島県知事から大臣宛てに取消の稟伺を出して参つております。そういたしまして、その稟伺を出して参りましたが、建設省としてはその結論を得ずしておつたのでありますが、その途中にきまして、水利権がしばしばその取消をしようという……水利権は従来関東配電が持つておつたのでありますが、それを東京電力へ水利権を移したのであります。それは二十六年の五月一日であります。というのは、電力九分割に伴う再編成のときに関東配電が持つておりました水利権というものを東京電力に移しておる。で、なおそのときに只見川の本名、上田の地点から上流の調査の資料は全部日発が持つておつたのですが、その日発の資料を東北電力へ全部移しております。従いまして、この時に水利権の調査資料というものを二つに分けまして、一つは東京電力、一つは東北電力、こういうふうに当時分けたのでございます。この辺は非常な複雑な分け方をいたしております。これはまあ我々の建設省のほうの水利権の認可の問題に直接は関連いたしませんけれども、途中においてそういう変更が行われたのであります。そうして今年に入りまして、二十七年の二月の十三日になりまして、その今の取消認可を申請して参りました。それを取消した上で新らしい水利権を設定したい、新らしい水利権を許可したいという稟伺が福島県から大臣宛に参つております。それは、それがいわゆる本名、上田の両地点の新らしい水利権でございます。その新らしい水利権を許可したいということを伺つて来たのが今年の二月の十三日でございます。その間それからずつと途中にいろいろありましたけれども、建設省当局としては、この問題は非常に重大な問題であるので、明確な結論にまでなかなか到達しなかつたのでございます。と申しますのは、一応今年の五月中旬頃までいろいろな観点から見まして、この水利権は東北電力に新らしく許可したほうが早期電源開発という建前からは適当であろう、実行容易であろうというようなことになつておつたのでありますが、併しながらそうするとそのためには一方従来の水利権を取消すという処置をとらなければならんので、これは従前そういう例もないような重大問題でありますので、じやその問題はすぐ取消して、新らしく許可を出そうというほどはつきりした結論になかなか到達しなかつたのであります。そこで何といつてもこの取消す水利権の処置をしなければならんので、建設省としては東京電力の幹部のかたに五月の下旬から七月の中旬にかけて折衝いたしてみたのであります。水利権を取消して、その代りその補償は、東京電力と東北との間で補償問題を協議したらどうかというような趣旨で、両者の間の調整を中心として、それを東京電力に建設省から話をしてみたのでございます。併しなかなかこれはまとまりませんで、結局結論を得なかつたのであります。でどうもその問題は解決せんと見まして、建設省は、一応これは閣議に諮つてきめなければなかなかきまらん問題だというので、事重大だというので、今年の七月二十五日に閣議に上程をいたしたのであります。それで二十五日の閣議で決定をいたしまして、決定がなされましたので、それに伴つて八月四日に従来の水利権取消の認可をすると共に、新らしい水利権の認可をいたしたのであります。で、それに従いまして福島県は八月五日に取消の指令を出し、六日に至つて上田、本名の両地点の水利権の許可をいたしたというような経過になつております。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 よく筋はわかりました。その当時……、河川局長は直接の責任者と違いますから、私は局長には何もかれこれ申す考えはありませんが、こういうふうに水利権は昔から非常に重大な問題でありますが、相当大きいこういう発電において水利権を取消した例が今まであるでしようか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) それは実は調べてみたのですけれども、発電の水利権を取消したという前例はないようでございます。私の調べた限りではないようでございます。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 私も在職中に多少こういう問題に蔭ながら関心を持つて来ましたし、又聞かされていたのですが、長らく内務省にいましたけれども、水利権の問題は非常に厄介な問題で、余り取消した例はない、殊に黒部川の水利権のごときは、これを或るほかの会社からして又申込んで、それ炉ために局長もおやめになつたというふうな事例までありまして、水利権の問題は今申した通りに非常に利害関係が多いので、なかなか容易に決せられなかつたのです。それは閣議で決定されたことでありましようが、この間の実情についてもう少し調べてみたいと思いますが、私もう多し……、材料を持ちませんから、材料をよく調査した上で又お尋ねすることがあるかも知れません。私は今はこれだけにいたします。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 今のに関連しましてちよつとお聞きしたいのでずが、最初は今の本名、上田ですか、あれの水利権を得た東京電力ですね。あれはいつ頃なのでしようか、最初の……。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 一番最初でございますか。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 ええ。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) これは只今申上げましたようは昭和四年の四月十八日でございます、一番最初に大臣が認可をいたしましたのは……。それでこれに基きまして水利使用の許可指令を出したのは四月の二十六日でございます。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 それでまあその水利権というのは、いわゆる都合によつて、或いはそのときの環境によつて、何年かごとに更改をして行くという関係になるのじやないのですか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) それは、只今の御意見のように或る年限がございまして、制限がございまして、これは工事を伴うものであり、二年以内に工事にかからなければ取消すというような條件が皆附いております。でその都度それを延期するにはそれぞれの理由を付して延長しなければならんことになつております。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 そこでこの私の……、これは一部ですが、聞いておりますのは、今日の電源の開発というのは、要するに一会社というよりは、挙国全国民の今日の要望である。そこで成るほど古い考え方に従えば、最初唾をつけたと言つては語弊があるかも知れないけれども、そういうふうな水利権を取つた。そうしてその意思は従つてあるにいたしましても、相当な年数を要してなお且つ着手してない。で、一方においてはいわゆる国民的な要望としての今日の電源の早期開発という関係からこれをいわゆる取つて、他に更に熱がある熱心な方面に許可したのだと、極めて当局は今日の時勢に合う英断をされたのだという見方に見たことがあるわけなのです。そこで私は思うのですが、一体その水利、この水といつたようなものは、成るほどその地籍は、たまたまどこの県どこの県という、自然の地形によつて流れておるものだけれども、それは或る意味においてその地元のものであると同時に、これはいわゆる国民全体の財産であり資源であるとも言えるんだと思うのです。そういうような新しい観点に立つてこれを見れば、私は若し従来持つておつた水利権者よりも更に適格な、その水利権を国民全体の福祉の増強のために使うんだということが認められ、明らかであるならば、これを従来の例があつた、ないといつたようなことから判断するべきでなくて、許可をするということも、今日或いは今後としてはあつていいことだというふうに私は思うのですが、それについて一つ政務次官どういうふうにお考えになられますか、御感想だけでいいのです。非常にまあデリケートなことを余り具体的にどうとお聞きするのではないが、そういう考え方はどうかということをお聞きするのであります。

三池信自由党建設政務次官

○政府委員(三池信君) 私も全く同意見でありまして、ただこの水利権を一応確保しておいて、そして一定期間中に施工しなければその水利権を取消すということに対しては、実施設計の変更であるとか、いろいろのこの手段方法を用いてそれの延長を図るというような従来の電力会社の行き方炉しばしば行われておつたのであります。これが電力会社の立場から申しますというと、この一河川場会社というような行き方が、これはまあ総合的に見ても一番能率のいい水の利用ができるわけでありますが、従来電力会社で開発しておりますのは、下流のほうからだんだん電源を開発して行く、そこで当然ですからその河川の上流側の地点の開発もその水利権を確保したいと、こうなるのは当然のことだと思いますし、又電力事情によりまして、直ちにこれを開発をしても、その電力が実際に利用されないというような、まあ大正、昭和の初め頃の状態ですと、そう徒らに開発をどんどん先にやるということもできないような事情であることも肯けると思います。ただ今度のような場合ですと、この本名、上田の場合を考えますと、その二つの條件が私はまあ建設省の処置としても、これが純粋に行われている限りにおいてはそういうような点を解決しているのじやないかというふうに考えております。私が聞いておりますのは、今度の水利地点の下流には東北電力の発電所が二、三存在をする、而も電力事情から申しますというと関東、いわゆる東京電力の電力需給の緊迫状態と東北電力が電力需給の面で緊迫している状態から申しますというと、東北電力のほうが遥かに緊迫状態がひどいというような実情にあるように承わつております。そういう点から考えますというと、むしろ東北電力のほうに許可をされたということも純粋に考えるというと肯けるのじやないかと思うのであります。又両方の計画が根本的に違つておつて、東北電力の計画はいわゆる総合的なダム式の工事をやる、東京電力の場合はそれを水路式によつておる、そのために水の利用の面から言つても、計画的には東北電力のほうが遙かに優位にあつたというような点も一つのまあファクターであつたのじやないかというふうに私は考えております。ただ水利権を只今の御質問のように一社が龍断してしまつて、そして国家に非常に必要なときになお且つこれを開発しないで、あたかも国家資源を自分の私有財産のごときようなふうに考えてこれを処置するということに対しては、私自身も非常に遺憾であるというふうに考えておるのであります。国家的な立場からその情勢に応じて当然これは開発されなきやならないものであると思う。そういう場合に国の方針がそごに決定しましたならば、只今申したような一河川一社というようなこと、その他のいろいろの面で、まあ肯けるような理由があれば取消があつても差支えないかというふうに私は考えております。前には私自身が見聞しております信濃川は、約五つの会社が一河川をやつた、そういうような状態では全く水の利用のために非常な混乱を来たしまして、折角の水利が無駄になるという場合を私はしばしば見聞しておるのであります。一河川一社ということが非常な理想でありますると共に、又時の情勢に応じてこれが開発されるということも国家的には非常に必要なことじやないかというふうに考えておるのであります。

三浦辰雄緑風会

○三浦辰雄君 わかりました、お気持はわかりました。私もそういう考えを持つておるわけなんですが、そこでまあ最近衆議院ではたしか本会議か何かでも、いや新潟案であり或いは福島案であるというような問題があるようでありますが、私はこれは要するに今お話のように、私も申上げたように、水というものはやはり国民の、国家の資源であるというふうなどうしても基本的には考えがなければならないと思う。で、そこで今まあ政治問題と言つてもいいのでありましよう、ああいうふうに新潟、福島というのですけれども、私はこれを国家全体の資源だという観点から、どういうふうにその水を使うのが最も能率的であり経済的であるかという観点から、私はやがて来るべき時期には断を下して頂きたい。とかく物事を政治的に解釈し、解決をするということもなかなかあるのでありますが、一度そのことを誤つてしまうと将来なかなか取返しがつかない場合には、非常にいわゆる国民の血税を無駄にして、泣くにも泣かれないというようなことも考えられる。いずれがいいかはこれはなお御研究を願うにしても、私は純粋にそういつた観点から物事をこういつた種類のものについては是非断の下せるように私は一層の御研究を願いたいことをこの機会にお願い申上げて一応終ります。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 もう一つ関連して承わりたいのですが、政務次官のお話でもよくわかりました。そこでこの総会開発の観点からいたしまして、只見川の水をどう利用するか、治水、利水、この利水の中には無論発電も或いは農業の便も加えまして、これを取消して、東北電力のほうに移してやつたほうが、全体の計画の上から技術的に利益になるかどうか、この観点が出ない以上はこれは取消はできないのじやないでしようか。それは技術的にそうなつた結果でごうなつたのでしようか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 取消処分をいたしますのは、これは今まで申上げましたように非常に異例の処置でありましたので、これはいろいろと研究をいたしておりますが、法的な関係を申上げますると、これは河川法の二十條で取消ができるようになつておりますので、法律的には一十條を適用したのであります。併しながらそれは単に法律の問題でありまして、実際問題としてはこれを取消すということはなかなか重大問題、影響するところが非常に大きいので、いろいろと研究をいたしております。その理由も、閣議に稟伺したときに研究したものがございます。そのときに研究された問題といたしましては、早期開発をする上においては東北電力にやらしたほうが適当だということが一つ、その理由は下流に現在柳津、片門という地点をすでに建設中でありますし、従つて技術員も用員も、機械も器具も或いは事務所、厚生施設、通信施設というようなものがすぐ下流まで来ている。それを利用することによつて早期着手が容易であるというのが一つでございます。それから地元の声はいろいろと出て来ておりますが、何と申しましてもこういうものを実際に実施する場合には、地元が用地買収その他に応じてくれないとなかなか実施できないので、地元の意見を徴しておりますが、地元の意見も、東北電力でやつてもらいたいという地元村長の回答等もございまして、地元はこれならば一応納得するというような点もございます。そのほか只見川の開発計画に対する計画並びに工事実施に必要な調査資料は、全部先ほど申しましたように日発から引継いでおり、すぐかかれる計画書を持つているというような点が、早期開発をすぐ着手ができるという理由でございます。で、それが一点でありますが、次には運営管理する上において東北電力のほうが有利であろうというのであります。それはすぐ下流まで東北電力の発電所が来ておりますが、これは開発した電気を乗せるのに逆電線が非常に短くて、すぐ電気が乗せられるというようなこと。なお第三点については、将来只見川の上流の開発は一応新らしい電源開発株式会社にやらせるのが適当だという考え方、見通しを持つております。従いまして将来電源開発株式会社が上流をやるという予想をいたしますと、中途に上田、本名だけが東京電力になつておると、結局三者がその河川について発電をするということになる。上流は電源開発株式会社中の本名、上田だけは東京電力、それから下は東北、こういうふうに三つに一本の河川が分れておるというような点が、三つよりも二つのほうがまだやりやすいのじやないかというような、こういうような一応の理由を考えて結論を出しておるのでありますが、併しながらこの上流の開発は、今本流案、分流案という大きな問題を検討中で、建設省としてはまだこの問題はいずれとも判断がつかない、まだ調査検討中であるということで、従つてこの上流が本流案になつても或いは分流案になつても、どちらでもいい措置を本名、上田についてはして置こうと、そういう措置を水の量を加減することによつて、将来どつちでもいいというような水の量にして許可しようということにいたしております。  なお将来上流の開発が或るどちらかの方法がきまつて、水の量が上流で左右されるような時機になれば、そのときにはこの地点の水量もまた変更を命ずることがあるという條件も附けてこの審査をいたしております。

赤木正雄緑風会

○赤木正雄君 よくわかりました。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) 今の三浦委員の御意見のような措置というのは、たしか私は或る時期には必要な時期もあると思うのですが、さつき河川局長の答弁を聞いてみますと、ちよつとはつきりしない点があるので、関連して一、二お尋ねしておきたいと思います。  その一つは、先ずあの我々が電源、開発法案を審議するときにすでに只見川水系というものは法案にも特に明記してあつたし、従つて今度の本名、上田分流を含む只見川水系と考えておつたのででありますが、今のお話を聞いておると、本名、上田というのは只見川水系の開発会社が担当する区域でないように解釈しておられるようですが、この点は一体どうですか。先ずその点から先に伺つておきます。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) そのときの経過を私は十分実は承知いたしておりませんが、私の今まで調べ上げましたところでは、あの本名、上田の水利権については従来から今申上げましたような経過で、今年の二月にすでに新らしい水利権の認可の申請が来ておりましたので、この問題はやや上流の水利権よりも進んでおつたので、この分だけを特別の措置をしたと、こういうように承知いたしております。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) そうしますと、私は電気の事情は全然知りませんが、あの電源法案が通過した今日でもその以前にでも、或いは全国ほうぼうで問題になつておるところがあると思いますが、そういうものは皆開発会社から外してしまう方針ですか。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今そういう問題につい具体的にどこどこあるということは私どもまだよくわかりませんが、差当つて問題になつておるところはないようでございます。いずれの水利権も譲渡変更するような措置を講じつつ進めておりますので、別にほかには現在問題になつておるのはないと思います。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) ないとすれば結構ですけれども、これは今本名、上田があれだけ問題になつておるように、私は全然ないわけではないと思います。よく調べて、あつたらその資料を後日次の機会でもいいですから一遍出して頂きたいと思います。今、局長のほうにはうろ覚えで、ないようだというようではまずいと思いますので、あるかないかということを明確にこの次一つ出して頂きたい。  その次に私がお尋ねしたいのは、あの阿賀川の発電の計画個所を見ますと、本名、上田よりも、下流に揚川、上野尻というものがある而も計画によるというと上野尻が五万何事キロ、それから揚川は八万何事キロというふうに一番大きい能力を持つておると私は記憶しておるのですが、政務次官は先ほど電源開発は下流からやるのが本筋だと言つておられたと思うのです。そうすると私はあの交通の一番便利な下流のほうを放つたらかして、上流のほうで特に開発会社とも場合によると繩張争いの起きそうな本名、上田に手を著けておるというのがわからんのですが、揚川や上野尻はどうして開発を促進させるように政府はおやりになつておらんのかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。

三池信自由党建設政務次官

○政府委員(三池信君) 先ほど申しました電源開発の場合には下流からやるのが本筋だというふうには実は申上げないので、大体今まで電力会社がやつておりますのには下流からやる場合が多かつたという意味なのでございます。この本名、上田のほうの事情を私もよく知りませんので、場合によりますというと、将来の計画を考慮した上で上流からやるような方法も一応あるわけであります。下流にありますというと、特に灌漑用水等の問題がなかなか解決がむずかしいためにその開発を遅らすということも、地勢その他の関係からしばしばあり得るわけであります。今お尋ねの本名、上田の下流地点のことについては私まだはつきりわかつておりません。  それから先ほど下條委員からお話になりました既得水利権が今度の総合開発によつて電源開発会社に移管するようなことには当然係争の地点ができるのではないかというような点でありますが、私が承知しております限りでは、そういう旧電力会社で地点を持つておるその未開発地点につきましては、電源開発会社との間に取極が一応皆成立しておるかのごとく聞いております。この本名、上田の場合はその除外例じやないかというふうに私は見ておるのでありますが、詳しいことは後ほど資料を提出いたします。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) そうしますと本名、上田だけで、あれから上流は皆開発会社で担当するものと、こういうふうに建設省では解釈しておられるのですか。

三池信自由党建設政務次官

○政府委員(三池信君) そういう決定をしておるわけでもないでしようが、一応の電源開発会社の設立の意義から、これはまあ水利権も決定していない地点でありますし、そういうふうになるんじやないかという見通しじやないかと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 今の政務次官のお話のように大体電源開発会社でやるということになると思います。それは電源開発促進法の中にも例示をいたしておるほど重く取上げておるのでございますので、電源開発審議会においてもそういう気運でございますので、今後の開発については電源開発会社でやるものと我々は考えております。  なお先ほどちよつと御質問のありました下流の揚川、上野尻でございますが、これも御意見のようにもう水利権的には問題のない点でありますので、早期開発をする必要のある所であります。併し実はこれには二つとも特殊事情がございまして、一つは湯川のほうは、今後上流の開発の如何によつて非常に設計が変るべき性質を持つておるのでございます。というのは、一番下にできるダムでありますので、これで逆に調整をしなければならんのであります。上からいろいろの電気の起し方をして、流れて来る水はいろいろ山の間、谷の間を水が流れて参りますので、それを下流に流すときに調整をして、自然の流れに返してやらなければならない必要がある。そこでこれは逆調整池として、上流の開発方式が決定いたしたときにそれに応ずるように実は着手を待つておるのであります。  なおもう一つ上の上野尻でございますが、これはそういう問題はございません。私はただ上野尻はあの隧道を掘る地帯がございますので、その隧道地帯がすべりの地帯で、その調査に現在手間を取つておるので、その調査の完成するめどがつけばすぐ着手したいという予定であります。我々としてもこれは早急に開発をすべき場所だ、技術上の問題のみで遅れております。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) 私が現地の当局者に説明を聞いたら、揚州の問題は河川局長のお話と大分違つております。違つておりますが、それで上野尻について言えば地すべり地帯で、これから調査するというと、場合によると発電所建設不可能地点であるかも知らんという疑問が残るということはありませんですか、どうですか、この点一つ。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) これは現在調査中でありますが、主として水を通す隧道の問題であります。これはどういう方法でやれば適当かということを研究いたしておりますが、主として経費の問題でございます。非常に金をかけると勿論できるでしようが、それは経済的に採算が取れるかどうかという技術上の問題がございますので、その結果を見ないと何とも申上げられませんけれども、多分私どもはできろものと予想いたしております。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) そういう細かい点は私は又後日機会もあろうかと思うので、あとお尋ねしませんが、もう一つ私は疑問に思うのは、先ほどのお話ですと、七月二十五日の調議におかけになつたと、こういうことを言つておられるのです。ところが七月二十五日はまだ公益委員会があつたと私は記憶しておりますし、そのときは電源開発株式会社が創立はしておらんにしても、すでに法案は通過しておつたと思うのです。こういう際に特にそういう措置をとらなければならなかつたという理由は、先ほどの早期開発の一点に引つかけてしまつてそれで逃げるとなれば、これは何か割切れないものがあると思うし、そういうことが衆議院の予算委員会その他でいろいろ問題になつておると思うのですが、私はそれを変なふうに解釈したいのではなくて、こういうことは、そのほかに措置がなかつたのだ、これが一番妥当な措置であつたということを明確にして置くほうがいいと思うからお尋ねするのですが、噂によれば、公益委員会の諸公はこの問題は全然あずかり知らなかつたとも言つておるし、ここでこういうことを申上げていいかどうかわかりませんけれども、自由党の代議士の諸氏で随分きわどい話を我々に楽屋話しておつたりする人があるので、私はこういうことをお尋ねするのですが、その辺の公益委員会との関係、それから公益委員会を廃止した直後に許可したというような、そういうことについて世間一般で疑惑を持つておりますが、そういうことをもう少し突込んで、そういう時機を選ばなければならなかつた理由、それから公益委員会を抜きにして、閣議にかけて行かなければならなかつた理由というものを一つ御説明願いたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 私ども今申上げましたのは、事務的にごう運んだということを申上げたのでありまして、実はそれは丁度公益事業委員会解消の末期ではないかというお尋ねでございますが、なるほど七月三十一日に公益事業委員会は解散いたしておりまするので、もう解散の直前だつたのでございます。で、これは公共事業令によりまして水利権の問題は、知事が建設大臣に水利権の認可申請をすると同時に、公益事業委員会に対して水利権に関する意見を聞かなければならない、こういうことになつております。それで公益事業委員会は、その意見を聞かれたときには建設大臣に協議をして、建設大臣と協議をした結果当該知事に報告しなければならない、こういうことになつております。で、公益事業委員会といたしては、その知事から意見を求められたのは、丁度県が建設大臣に対して水利権の稟伺をした日と同じ日に意見を求められておるのであります。併し公益事業委員会としては、それに最後までとうとう意見を知事に対して出さずに、建設省とも協議をせずに、七月三十一日に解消して、八月一日に通産省にそのまま引継いでおつたような実情でございます。建設省としても、この問題については向うの協議があるのは当然でありますが、我々としてもこれについて公益事業委員会に相談をすべきであつたのでありますが、公益事業委員会もこういうふうに非常にもう解散の間際でもありましたし、十分な省として協議ができなかつたというような実情であつたそうでございます。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) もう一点だけお尋ねしておきます。それは確かに七月へ入ればもう店じまいですから、七月二十五日という頃になれば仕事も何も手に著かなかつた頃だろうと思うわけでありますが、それ以前に公益事業委員会としてはこの問題の解決の促進を督促したとか、相談したとかいうようなことがあつたかどうか、これを一つお尋ねしたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) これは法律上の建前だけから申上げますと、今お話申しましたように、公益事業委員会から建設大臣に協議があるべきだつたのでございます。でそれがとうとうなつたのでありますが、こちらからも一応そういう空気を察知はいたしておつたと思いますが、実質的な正式の話合いはいたしてございません。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) そうすると全然初めからもうそういう問題が起きていなかつたというのは、公益事業委員会と建設省とがもう別個に、別々行動で似て、何ら協議も打合せもせずにちぐはぐな行動で来て、結局七月二十五日の閣議の決定に至つたと、こういうわけですね。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) これは実は建設省としても最後までこれを水利権を取消をするという結論までなかなか来なかつた。で公益事業委員会もなかなかその結論に来なかつたと、両者とも七月二十五日に近くなるまでなかなかそういう結論に到達しなかつたというのが実情であつたろうと思います。そこでまあ両者の間の協議は、お互いに意見は察知しながらも、正式の協議までは行かなかつただろうと考えます。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) 私はこの質問を今日はこれで打切つておきます。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 さつきの下條君の資料の提出と同じようなことになるかもわかりませんが、現在まで水利権を与えておつて着工しない所、それを全部表にして出して頂きたいのです。今聞きますと、河川法の二十條で取消ができるということになつておるそうでありますが、今まで水利権を許可して着工しない所、二年未満或いは二年過ぎておる所、そういうものを全部表にして出して頂きたいと思います。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 水利権の、特に発電用水利権の問題については従来取消をいたしたものはございません。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 私の言つておるのは、今まで未着手のもの、或いは調査中とか設計中とかいうもので未着手のもので水利権を許可してあるもの、いつどういう会社、或いはどういう個人に許可したか、それが予定としてはいつ着工するかというような予定、そういうものは恐らく書類として出ておるものと思いますから、その全国の許可した表、資料ですね、これを御提出願いたいと思うのです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 時日をかければできると思いますが、相当古いものからありますから、相当調査に時間がかかると思いますが、何かお急ぎの個所でもあれば、それだけの点ならばすぐに調査できますが……。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 私が心配いたしますのは、先ほど三浦委員からの御質問ですと、古くて着手しないものを国が河川法第二十條によつて取消すことのほうが、或る場合にはいい場合があるのではないかというような御意見があつたので、又政務次官もそれに対して同意を表しておられましたが、併しながらなぜ現在まで着手できないかということの理由はいろいろあると思うのです。従つてただそれだけを以てうつちやつておくのではなくて、十分調査もし研究もしておる段階において、一方的に政府が法律を以て取消すということは、結局許可を受けた者に対する損害があるはずなんです。従つてこれが規定があるから、法律があるからと言つて取消すことだけが……、国の水、国民の水というものを一遍許可したものを取上げることが正しいという観点にはなかなか結論が来ないだろうと思います。そこでそういうものが今後ともあつてはならんと思います。従て今厖大な資料ということを言つておりますけれども、一体河川局長としてはどのくらいの許可をして、未着手のもの炉どのくらいあるか……。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) 実はそういう調査をするために、今年の……、今年じやありません。昭和二十五年の三月に各府県知事に対して遊休水利権の調査を命じてあります。それが各府県から出て来るのが非常に遅くて、それがまちまちに出おりましたので、今それを整理しておりますから、それができればはつきりした資料になりますから、それができたときに差上げたいと思います。その趣旨は、最近この早期電源開発の問題が非常に強く叫ばれておりますし、これが国策でございますから、その線に沿つて、従来水利権、特に発電水利権等でありますが、発電水利権を取つておきながら十年も二十年もそのまま遊休の状態にあるというようなものが相当あろうというのでこんな調査をいたしております。それも善意で遊休さしておるならばこれはよいとして、ただ自分は工事をやる意思がないようなものもあるのではないかというような調査を一応早急にしたいという意味でやつておりますから、これができましたら表を差上げたいと思います。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 今の河川局長の御答弁ですが、いつ頃それがまとまりますか。又、地方に照会しないでも、あなたのほうにその資料があると思いますが、どうです。

米田正文建設省河川局長

○政府委員(米田正文君) これは私のほうにもございます。ございますが、その実際に工事をやる意思があるとかないとかいうような実情を調査したいために、現地の調査を待つております。

田中一日本社会党(第二控室・右)

○田中一君 私は仕事するしないのものはいいのです。ですから現在申請があつて許可をしておるもの、そうしてまだ着工しないもの、これだけ一つ至急にまとめて頂きたい。

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕

下條恭兵日本社会党(第二控室・右)

○委員長(下條恭兵君) 速記を始めて下さい。  本日はこれで散会、いたします。    午後零時二十三分散会

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