建設委員会 第5号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1952/12/11
会議録
○委員長(下條恭兵君) 只今から建設委員会を開きます。建設行政に関する調査を議題に供します。只今出席の政府委員は厚生省の久下保険局長、建設省の米田河川局長、伊藤同次長、落合総合計画課長でございます。最初に住宅行政につきまして住宅施設に対する厚生年金、保険金の積立金の還元融資につきまして先ず久下保険局長の御説明を願います。
○政府委員(久下勝次君) 私厚生省の保険局長をしております久下でございます。委員長の御指名によりましてお手許にお配りしてございます住宅施設に対する厚生年金保険積立金の還元融資について御説明申上げたいと思つております。本件につきましては第十三国会におきましてもたしか本委員会におきまして概略の御説明を申上げたかと存ずるのでありますが、重複のきらいがございましようが極く簡単にこういうことが始まりました趣旨につきまして最初に御説明申上げておきたいと思います。厚生年金保険法という制度は昭和十七年の一月に施行されまして本年で丁度満十年を迎えたのでございます。御承知の通り現在のところ約七百万の勤労者を対象といたしまして、これに対して強制的に一定の事業所に勤めておりまする勤労者を強制加入をさせましてそれか保険料を取立てておるのでございます。その保険料は労使双方折半で負担をいたしまするが、被保険者一人につきまして報酬月額の千分の三十、即ち被保険者が千分の十五、事業主が千分の十五を折半負担をいたしまして、事業主から更生保険特別会計に支払をして頂くような建前でおるのでございます。この内容は勤労者の老後の養老年金、或いはけがをいたしました場合の障害年金、或いは又被保険者であります勤労者が死亡いたしました場合の遺族年金等々があるのでございます。何分にもこれは長期保険でございますので、当初から一定の財政計画に基きまして保険料を徴収をし、これを積立てて将来の給付に備えておるのでございます。さような関係から最近の状況におきましては積立金総額が五百七十億円ほどに上つておるのでありまして、これを法律に基きまして資金運用部に預託をいたしておるのでございます。この金は資金運用部資金法に基きまして現在運用せられておるのでございますが、すでに長い前から、事業主並びに被保険者から以上申上げたような関係の金でもありまするので、勤労者の福祉のためにこれを還元して融資をすべきである、又してもらいたいという熱心な、毎年折のありますごとに要望をされて参つたのでありまして、私どもこの仕事を担当いたしておりまする者といたしましても、関係の筋にいろいろと要望を重ねて参つたのでございますが、ところが連合軍が占領行政をいたしておりまする当初におきまして指令が出まして、資金運用部の資金をそうした一般の資金として融資することは禁じられました。その精神が今日資金運用部資金法の内容として続いておるのでございます。従つて具体的にかような還元融資の政策も実際は連合軍の意向に基きまして実現を見なかつたのでございますが、本年度になりまして多年の関係者の要望が認のられまして、資金運用部資金法はそのままとしまして、地方債の別枠に二つの種類の還元融資施設計画が認められまして、今年初めてこういう施設が表現をみるという運びに相成つたのであります。その二つと申しますのは、一つは本年度の資金運用部資金運用の計画の当初の計画に六億円の別枠が認められました。これは厚生年金被保険者の福祉のためにこれらの人々の利用に供する病院を建設をする資金として計画が認められたのでございます。これにつきましてはすでに資金貸付の措置も全部手続を終了をいたしておるような状況でございます。 その後本年度に入りましてから資金運用部資金の運用計画の計画変更としまして、ここに問題になつておりまする十億円の金を勤労者の住宅建設のたりに還元融資をするという計画が認められたのでございます。さような関係からこの問題は直接趣旨が先ほど来申上げておりますよううな年金保険の関係者にということでもありまするので、私どものほうで病院の問題と同様に実質的な関係を持ち、又関係の方面と打合せをいたしましてお手許にお配りしましたような通牒、並びに通牒の内容でございまするが、還元融資実施要領というものをきめまして地方に出したのでございます。さような関係でございまするので、この十億円の起債の形式的な或いは行政的な所管庁は内閣自治庁でございますが、以上申上げたような関係もございまするので、実質的には私どものほうの意見も尊重してもらえるというお約束もございましたので、それでお手許に差上げましたように、私のほうと自治庁財政部長との連名で通牒が出ておるのでございます。もとよりこういう仕事のことにつきましては建設省の関係のあることでもありまするので、今御説明を申上げまする実施要領の作成に当りましては、建設省事務当局とも十分連絡をとり、その実質的な御了承の下にこの通牒が出ておることを申加えておきたいと思うのであります。これがこの計画が実施をされるようになりましたいきさつでございます。十月の三日附でお手許にありまするように地方庁に通牒を出しまして、同月末日を以て申請を締切るというような方針で手続をしてもらつたのでございます。若干猶予の申請等もございまして取まとめがちよつと遅れて延びましたが、最近一応申請は完全に締め切りをいたしまして只今これを如何に査定をすべきかということにつきまして検討をいたしておる状況でございます。融資申請総額は現在のところ十億円の枠に対しまして四十三億円ぼど申請がございます。このやり方につきましては、通牒の内容で御説明申上げたほうがいいのでありますけれども、総額四十三億円に対しまして多い所は例えば福岡県一県だけで五億六千万円、東京都が三億八千四百万円、大阪府が三億六千七百万円、北海道が四億一千五百万円というような大口な申請もございました。約六県ほど除きましては全都道府県からそれぞれ申請が出ておりまして、申請書提出の件数は二百三十一件になつておるのでございます。 極くこの融資の大網についてだけ申上げたいと思うのでありまするけれども、融資をいたしますには、先ほど来申上げておるような関係から、地方公共団体を経由して地方公共団体が先ず正式には政府、政府と申しますか資金運用部から借入をいたしまして、これをこの通牒にありまするような適当な対象に又貸をする、転貸をするという形式にいたしておるのでございます。その対象と申しまするのは一つは住宅組合法による住宅組合でございます。これは融資実施要領の三の「融資の対象」というところに書いてございますが、厚生年金の適用されておりまする同一の事業所に属しておりまする者が組合を作つた場合にこれを認める。勿論これを借りるにつきましては、直接の借主でありますところの地方公共団体と政府との話合がつかなければならないということも条件になつております。事業主はこれも又当然に厚生年金の適用事業所でございますが、総額の枠もございますので本年度はおおむね五百人以上の被保険者を使用する事業主に限定をいたしておるのでございます。関係の地方公共団体との話合の成立につきましては、住宅組合の場合と同様でございます。第三は地方公共団体にも貸し得るということにいたしてございます。これは東京都の交通局でございますとか、大都市の交通局等は厚生年金の適用事業所になつており、従つて従業員ぱ厚生年金被保険者になつておる関係もございますが、これらを除外するわけに参りませんので、そうしたものにつきましても地方公共団体として融資の対象になるということにいたしておるのでございます。更に第四には、これらの対象でありましても一団地に十戸以上又は十世帯以上を収容する共同住宅を作る場合にだけ融資を認める、こういうことにいたしたのであります。融資の条件は一般金融資金と同様に六分五厘の利率で、償還期間を木造の場合は二カ年以内の据置期間を含んで十二年、鉄筋の場合には四年以内の期間を含んで二十年以内というふうなことにいたしておるのでございます。なお融資の金額は住宅建設に要する資金のうち、土地購入費、整地費、工事費、施設費を除いて建設資金の八割まで融資をしてやる、こういうふうな建前でございます。 その他細部の点はございまするけれども省略をさして頂きまして、そういうようなことを申請をしてもらいまして、これは当然先ほど来申上げておるような関係から、自治庁に対しまして関係の都道府県又は市から申請が出ることになつております。その申請がありました場合には、その写しを私どものほうにも送付をしてもらうというような通牒となつております。私どものほうが関係をいたしておりまするのは、そういう意味合におきまして正式な申請が出ました場合の写しをもらつて、私どもとしての意見を附加え出さしてもらつておるのでございます。私どもがその問題について一番関心を持ちまするのは、申すまでもなく厚生年金というものはまだ世間一般に十分な認識をして頂いておらない事情もございますので、これらの施策というものが、一つには又被保険者の福祉施設であることは当然でございますが、一つには又一般に厚生年金制度というものの認識を深めるゆえんになると思いまして、私どもの立場におきまして重要な関心を持つておる関係もございます。同時に又融資の精神と申しますか、年金制度に対する認識なり協力なりがある所に貸してもらいたいというのが私どもの熱望でございます。さような観点から私どもとしては主としてこの問題について意見を自治庁に申出るというような考えを持つております。これは現実に数字を以て申上げますると、私どもが一番関心を持つておりますのは厚生年金保険の円満な運営を期しますために保険料の納入ということが私どもの一番関心のある問題でございます。これにつきまして数字を申上げてみますると、大体健康保険と厚生年金というものは殆んど適用の事業所が同一でございまして、従つて同一の事業所の被保険者は健康保険の被保険者でもあれば或いは厚生年金の被保険者でもあるという関係がございまして、従つて両方の保険料の納入成績というものが従来余り大差はないというのが通常であつたのでございます。多少の差はございますにいたしましても余り大差はないというのが従来の実例でございます。ところが本年この制度が考えられてこの通牒が出ましてからの年金保険料の納入成績は急激に上昇を見ておるのでございます。数字を以て申上げますると、昨年十月と本年十月の保険料の納入成績を申上げてみますと、健康保険関係では昨年の十月は七〇%二という成績でございましたが、本年やはり殆んど変りなく随分努力をいたしておりますが本年十月末現在七〇・五%と、〇・三%の上昇を見たに過ぎないのでございます。これに対しまして厚生年金関係で申しますと昨年十月は六八・七%であつたのでございまするが、本年の十月になりますると一躍七四%六という従来全然見ることのできなかつた成績を収めておるような実情でございます。恐らくはこの融資があるということによりまして勿論打算的な考え方と見ればそれまでのことではございましようけれども、私どもとしては年金制度に対する一般の認識が深まつたゆえんであるというふうにも考えておるのでございます。これは本通牒の出ます直前の本年九月の状況と昨年同期の状況を比較してみますとそう大差がない状況から比べてみまして、この種の制度が厚生年金制度の運営のために極めて効果のあるものであるというふうに考えておるものでございます。 さような関係から現在のところまだこういう所で正式に申上げるほどの…四十三億円を十億円に圧縮する査定方針というものが確定を見ておるのではございませんけれども、私どもとしては先ず第一にこの査定をいたしまする条件としてはこの厚生年金制度に対する理解なり協力の程度というものを第一義的に考えてみたいと思つておるのであります。第二には住宅困窮の程度、これが各車業所によつて随分違いますことは当然でございますが、これらの点は所要の資料も取寄せてありまするので、私のほうとしてもその点は意見として出してみたいと存じております。さような関係でまだ正式に自治庁とも折衝の段階に入つておらないのでございまするが、やり方としては私どものほうに参りました申請書の写しに基きまして、以上申上げたような精神で私どもの意見を立てこれを自治庁に持つて行つて自治庁の決定の材料にして頂く、こういうような考え方で運営をして参りたいと存じておるのでございます。 甚だ雑駁な御説明でございましたけれども一応の御説明を申上げ、御質問がございましたならばお答えを申上げることにいたしたいと思います。
○委員長(下條恭兵君) 只今の説明に対して御質疑を願います。なお建設省から前田住宅企画課長と鮎川住宅経済課長が見えております。
○田中一君 御説明は伺いましたが、この補正予算の説明書の中に成るほど勤労者住宅資金として十億を掲げておりますけれども、これはどういういきさつで出すようになつたか、或いは国会などには関係なく預金部資金を使うのは政府の権限だからどうでもいいのだというものでやつたのか、或いは補正予算において承認を求めようというつもりでやつたのか、あなたはおわかりじやないかもわかりませんけれども、閣議などではどういう話合で以てこういう措置がとられたかということを先ず第一に伺いたい。
○政府委員(久下勝次君) 厚生年金保険積立金の還元融資が各方面からの多年の要望であつたことは先ほど申上げた通りでありますが、さて具体的にそれではどういう方面にということになりますと、病院になるとか住宅になるとか、その他のリクリエーシヨンの施設でありますとかそういうふうなものが差当り考えられます対象でございまして、こういうことにつきましては私どものほうといたしましても、かねてただ単に還元融資をしてもらいたいということのみでなく、具体的にはこういう問題があるということを関係の向には申しておつたのでありますが、今回これが具体的に本年度資金運用計画に入りましたいきさつにつきましては私はつまびらかにいたしておらないのでございまして、私はただ積立金をお預けをしておる関係もございまして、資金運用部資金運用委員会の幹事をいたしております。第一回の六億円の病院の融資につきましても、十億円の融資につきましても、私が承わりましたのは幹事会に出席をして原案が示されたときに初めて内容を見たのでございます。私としては関係の今申上げた通り多年私どものほうから要望しておつた事項でもありますので、そういう計画が原案として入つて来たということにつきまして非常に実は歓迎をしたのでございます。
○田中一君 この国会に提出しておりますところの補正予算には承認を求めないでもいいようなことになつておるようでありますけれども、これはあなたそういうことで差支えないとお考えですか。
○政府委員(久下勝次君) この資金運用部資金の運用につきましては、申すまでもなく大蔵省の所管でございますので、私のほうへお尋ねの点につきましてはどういうふうになつておりまするのかお答えをいたしかねる次第でございます。
○田中一君 自治庁との話合でどういう措置でこの資金を確保し又は運用するという方針をきめられたか、あなたおわかりにならないですか。
○政府委員(久下勝次君) 御質問の点はこの十億の問題でございましようか。或いは積立金全般の問題……。
○田中一君 十億円の問題であります。
○政府委員(久下勝次君) 十億円の問題につきましては、先ほども申上げましたように本年の資金運用計画の当初の計画に六億円の病院の還元融資というのが認められまして、このときに自治庁並びに大蔵省と私どもはどういうふうなやり方をしたらいいかということにつきまして、計画がきまりましてからいろいろ打合せをしたのであります。この時の打合の通りを実は十億円についてはいたすことにいたしました。又関係者も異存がございませんでしたので別段に深い特別な考えなしに、結局地方債の枠を出す関係もあり、そうかといつて年金も積立金でもあるので厚生省の意見を入れてもらいたい、私どもの要望でもございました。そういうことで三者の話合がつきましたので病院の関係と同様に右へならえでやつたものですから、別段深い話がなかつたのであります。
○田中一君 これは厚生年金保険福祉施設資金融通規程というものから住宅に来たというのであつて、住宅関係の厚生年金加入者の団体或いは会社から強い要望があつたから出したというのでなくて、この昭和十八年十月十日大蔵、厚生両省から出ている規程ですけれどもこれに準拠して出したわけですね、結局。
○政府委員(久下勝次君) 甚だうかつで申訳ないのでございますが、只今御指摘の規程につきましては、私は今回の問題、内容を実は検討をいたしておらないので恐縮でありますけれども、今回の問題につきましては直接それとは関係なく、飽くまでも資金運用部資金法に基いて資金運用審議会にかけて融資計画をきめるというこの筋道に基いてきまつたものと心得ておるのでございます。
○田中一君 御承知のように建設省は公営住宅法を持ち、そうして住宅に対する二分の一補助或いは三分の二補助方策をとりまして住宅困窮者に対する対策を立てております。又住宅金融公庫を通じまして非常にこれは金持以外には借りられない政策ですけれどもやつております。そういうものでは到底あなたの考えているような厚生年金加入者には住宅が渡らない、或いは公営住宅又は住宅金融公庫法で厚生年金加入者には住宅資金を渡さない、流さないという規定でもあつて止むを得ずこれをおやりになつたのか、或いは考え方が先ほどあなたが盛んに言つています、この通牒を出したならば直ちに厚生年金加入者から出て来た、こういうふうに言ております。従つて厚生年金加入者には今の建設省の持つておるところの住宅供給のあらゆる資金が流れないという観点からお考えになつて説明しているのですか。それとも何か別の意味からそういうかたがたの要求が強いから、その資金運用部資金の運用規程によつてもらつたのか、その点どういう考えを以てこの十億の貸出をやつておるのですか。
○政府委員(久下勝次君) 私は御質問の点かなり基本的な、又私どもの所管を離れました大きな方針に触れる御質問のように伺うのでございますが、私の了解する限りにおきまして申上げてみたいと思うのでありますが、先ほど来申上げておりまするように、厚生年金保険の保険料として取立てられた金が、将来の年金支払のために預金部に積立てられている、これを自分たちにも還元融資をしてくれということは、これは私から申上げるまでもなく多年の要望でございます。現に年金制度の改正につきまして、社会保険審議会で私ども盛んに論議を重ねておりまするが、労使双方ともこの問題につきましては、異口同音に今日でも述べておるような実情でございます。私どもは十億円が資金運用計画の中に原案として入るようになつたといういきさつは、少くともそういうふうな関係者の要望に応えた措置であると考えておるのでございます。別に建設省でやつておられます公営住宅その他の制度に勧労者が入つていないとは決して考えていませんし、又国民の多数を占めておりまする勤労者に対して相当の住宅がそういう制度によつて供給されているということは私ども承知いたしておるつもりでございます。ただ問題は自分たちの金が自分たちに返つて来るのだという直接的な関係を要望しておるのが、今日なお依然として各方面の要望である、少くともこの線において関係者の要望である、そういうふうに理解しておるのであります。
○田中一君 私は不思議なことを伺うのですが、あなたの考えですと、例えば運用部資金そのものがすべて還元融資でなければ本当の目的に達しない、還元融資だけでいいのだ、還元融資すべきものだというようにあなた強調するように考えられるのですが、併し国の財政というものは結局国民に均霑することです。決して例えば勤労者が払うところの厚生年金というものが、それは勤労者自身が国民の一人として国全体のまあ余り楽な生活はできませんけれども、一応同じような形の生計を営む、殊にこの年金というものは将来先ほどあなたが御説明のようにけがしたり、病気になつたり或いはやめたりという場合に、それに対する積立金だという意味の御説明があつたのです。これも又他のほうに移すこともこれは決して悪いとは言えないのです。従つてあなたどこまでも丁度目的税と同じようにこの税金はこれに使うべきである、この厚生年金の資金は還元すべきであるというような議論は、恐らくこれは政治論としてはいいかも知れませんけれども、行政官のあなたがそういうことを強調されるということが、ちよつと国民の公僕という立場からどうかと思うのですが、あなた自身どう考えられますか。
○政府委員(久下勝次君) 私は厚生年金保険の積立金全額を還元融資をすべきであるということは毛頭考えておりません。勿論これは原則的な運営の方針としては国家資金として公正に運営するのが適当であろうと考えておるのであります。併しながら一方におきまして先ほど来申上げておるような要望もございまするし、現に今回の事情で申しましても一カ年間に百五、六十億くらいずつ積立金が増しておる。その一割程度のものに過ぎないのであります。若干のものもそうした要望に応えることも又本制度の今後の発展のためと申しますか、円滑な運営のためには適当だろうと考えて募る程度に過ぎないのであります。
○田中一君 どうもこれ以上伺つてもしようがありませんが、ただ厚生省は今後又資金運用部資金の貸出審議会ですかによつて、若し厚生省はそれを要求し、又厚生省がそれをもらつたならば同じようなことをなさるおつもりですか。
○政府委員(久下勝次君) 来年度の問題につきましては、まだ大臣その他上司とも話しておりませんので明確に決定をいたしておりません。ただ少くとも申上げられますことは、私ども結局厚生年金制度の改正につきまして、労使双方の入つておりまする社会保険審議会でもう二月ぐらいいろいろ論議を重ねておるのでありますが、いつも話の種に結局出て参りますることは年金積立金の運用の問題でございまして、これは労使双方も口を極めて福祉施設の還元融資ということを要望いたしておる実情であります。この点はそうした要望のありますことは依然として強いように私は感じておりますし、この点につきましてはまだ資金運用計画のきまりますまでは時日のあることでありますから、十分大臣以下上司とも御相談を申上げましてきめたいと思つております。
○三浦辰雄君 ちよつと関連して。私こういう行き方もこの際としては結構だと思うのですが、これで一体どのくらいな何といいますか戸数が建ちますか、今の標準各地方によつて違うようですが、予定は十億としておよその見当で、それぞれ地方によつて違いますから。
○政府委員(久下勝次君) 申請総数で申しますると件数は二百三十一件でございまするが、一万一千五百七十六世帯を収容する申請が出ております。その金額が四十三億円になつております。これも十億円に、四分の一以下に圧縮するわけでございますが。
○三浦辰雄君 その平均を。
○政府委員(久下勝次君) まだ査定をしておりませんので明確には申上げられませんが、一万一千五百七十六の四分の一弱と御了承頂けばいいと思います。
○三浦辰雄君 現在の積立の関係は五百七十億あるといいましたね。そうして資金運用部の資金繰りの関係で今度六億とか十億が出たと、そして今の住宅事情で申せば別に産業住宅という問題があるにしてもこういう還元の制度でやりたい、これもわかる。そうしてだんだんこれをやつて行くと回収の期間がそれぞれ木造なり鉄骨によつて違いますけれども、従来の資金の元来の目的である厚生保険の関係からいつてどのくらいまで使えるかという見通しがあるのじやありませんか、あなたのほうには。回収の期間を入れながら、そして従来十年間の実績を考えながら、そうしてどこまで一体資金運用部の関係で還元してくれるという気持があるならば十億をふやしてどこまで行けるという目算はありませんか。
○政府委員(久下勝次君) 先ほど来御説明申上げておりますように、本年度の運用計画は私ども実は受身であります。将来の問題についての打合を財務当局といたしたことはございませんで、ただ私の考え方から申しますれば、先ほど田中先生の御質問にお答え申上げたのでありまするが、こうした還元融資というものを余り大巾にやるのは適当でないと考えておるのであります。
○三浦辰雄君 それはまああなたはそう考えるかも知れないけれども、私が聞いておるのは、あなたは大巾にすべきじやないと考えておるかも知れないけれども、この労務者の関係からいつて国家が国営的なものをやらないのだとすれば、それぞれ実現の図れるいろいろな方法を以つて住宅問題は解決しなければならんということになる。そうなつて来た場合に今までのこの厚生保険年金を会計の運営の内容からいつてどの辺までやれるのだろうということを私は聞いておるのです。
○政府委員(久下勝次君) 先ほどお答え申上げました以上、そういうふうな趣旨におきましても考えてみたことはございません。御了承頂きます。
○三浦辰雄君 昨日頂いた住宅事情という参考資料についてですが、これは誰に聞けばわかりますか、ちよつと聞きたい。住宅事情資料というものを見ますとその冒頭に住宅不足推計が一応三百十五万六千九百戸と載つている。そのうち特に緊急度の高い不足は百九十万戸になつている。そうしてその次にいつて住宅需要増推計というところで、今度は世帯増加による需要増であるとか、災害による需要増であるとか、老朽消耗による需要増というふうに需要増加の原因から見た推計八十万九千戸という数字が出ておるのです。そして結局この参考資料によりますと前の住宅不足中の殊に緊急度の高い不足が百九十万戸の二十分の三、又あとから二のところに書いてある需要増の原因別による八十万九千戸、合せて百九万四千戸というものを中心にしていかにもこれを目標にして政府のほうとしてはそれぞれの対策を考えておるようなんです。そこで前回のときにも三年計画で十八万戸の公営の関係を建てる、それが本年度すでに三万戸も思うように建てられない、来年九万戸狙つておるというような状況なんですが、この資料による百九万戸について私は随分乱暴な推定をしていると思つておるが、せめて緊急に充足すべき戸数と政府自身が言つている百九万四千戸というものを建てる総合的の計画はあるのではないかと思うのです。勿論その中にはだんだんと自力建設というものが低下しているという面もあるが、それにしても自力建設も予定しておりましようが、これらの建て方を合せて一体どういう計画なのかちよつと聞きたいのです。
○政府委員(師岡健四郎君) お答えいたします。百九万戸の内容につきましては又詳しく申上げますが、この百九万戸に住宅資金を解放いたしまして緊急に解決いたしたいという考えを先ずとつておるわけであります。これに対しまして従来の施策等を勘案いたしまして、民間の自力建設と併せまして国家としましては約三年間に公営住宅におきまして十八万戸、又住宅金融公庫の融資におきまして十八万戸合せて三十六万戸、その残りは大体三年間にその程度の民間自力建設が期待できるのではないか、こういうふうに考えて施策進めておる次第でございます。
○三浦辰雄君 そうなればこの今の厚生年金によるこういうような問題、或い産業労務者住宅の問題などはこれはプラス・アルフアになるという考えですか。或いは自力建設がだんだん下火になつて来ているそれを補う意味ですか。
○政府委員(師岡健四郎君) 只今の産業労務者住宅でございますが、これは見ようによつては確かに自力建設の補いにもなるとも考えられます。従来といえども国の施策でなしに多少の給与住宅も建設されておるようであります。一面におきまして只今お話のありました民間の自力建設も昨年度におきましては多少下廻つて参り、又今年度におきましては少し上つておるような状態で、民間の自力建設も多少下廻つておるのではないかというふうに考えられますので、更に一層国の施策が必要ではないか、かような面からこの労務者住宅を取上げたという一つの原困でございます。
○三浦辰雄君 そうすると一応説明としては考えておる程度のことはわかりましたが、老朽で建替えを要する住宅はこの表によると戦前には一〇%をとつてあるけれどもその数字は全然どこにも問題にしていない。又別の第二のところで老朽消耗需要増というものは一応数字は載つておるけれどもこれも全然問題にしていない。だから老朽建替えを要する住宅という問題については、戦前と戦後では経済の事情が変つて、入つていたから建替えられることができるという事情とは限らないし、だからこういう問題については緊急とは考えないのだ、そういうふうに一応割切つておるわけですね。
○政府委員(師岡健四郎君) 老朽住宅も非常に問題でありまして、これも是非機会が来れば取上げなければならんと思つているのであります。ただ只今先ほど申上げましたように、百九万戸の住宅不足を緊急対策としまして解決したいという場合には、この老朽住宅の問題は一応あとに見送るという考えを持つておるわけでございます。
○田中一君 保険局長に筋違いで余り質問してあなたに意地悪するわけじやないですが、実は私ども考えていますのに、一応国家資金が二つの口から流れるというのは行政面の窓口がやつぱり混乱がある。あなたがおつしやつているように住宅金融公庫で供給する住宅、公営住宅法で供給する住宅というよりも、おれのほうのもののほうがいいから厚生年金が相当大幅な申込みがあつた、私はこう考えるのです。併しいいという限界はあなたのお感じになつておるものと建設省が考えておるものとどつちがいいか悪いか、これは私はわかりません。併しあなたが一応金を十億もらつたほうの立場でおるのですから、これは余りむずかしい問題は伺いませんけれども、幸い住宅局長が来ておりますから、建設省の住宅局長はそれで如何なる方策で、今後厚生省のほうにいわゆる厚生年金の還元融資として住宅の面に資金が厖大に流れるごと、それ自身に対して観迎するかしないか、或いはそういう方向にするのが正しいとお考えかどうか、その点一つ。
○政府委員(師岡健四郎君) この問題を取上げました当初から厚生省のほうともお話合を進めているわけでございますが、私どもの考えといたしましては厚生年金の還元という趣旨が生かされるならばそれから先はいろいろの計画の指導とか或いは建設指導、又償還金の償還の確保というようないろいろな面におきましてすでに経験を持つた住宅金融公庫があるんだから、それにお任せ願つたらどうかということを申上げたわけでありますが、厚生年金の資金還元という趣旨を厚生省御当局は非常に従来のいきさつから強く考えられておるわけでありまして、只今両者でお話合を進めておるわけであります。
○田中一君 住宅局長まだはつきり局長としての意思表示をしないですが、こういうことで二十八年度にも盛んに厚生年金のほうに還元されて、そういう政策が打出されること自身を観迎するかしないかということですが、この点どうですか。
○政府委員(師岡健四郎君) これは現在話を進めておる段階においては、ちよつとはつきり申上げにくい問題でございますので御了承願います。
○三輪貞治君 それからこの厚生年金保険積立金の還元融資を受けることのできる事業所は、おおむね五百人以上の被保険者を使用する事業所であつて、その被保険者のうち三割以上が住宅に困窮している者、こういう線が引かれているわけですね。これは五百人以下の被保険者を使用する事業所であつてもそういう必要が非常に多い場合もあるだろうし、又中小企業に属する者がむしろそういう住宅に対して資金をまわすということが非常に困難であるという場合も多いと思います。これはどういう考えでこういうふうに五百人以上という線をお引きになつたのですか。これは明らかにどうも大企業を少し擁護し過ぎるような感じを我々持つわけでございますね。十戸以上のあれがあればそれでいいとか百戸というものがあればそれでいいわけだとか思うのですけれども。
○政府委員(久下勝次君) その点は確かに御意見の通りだと私ども承知いたしております。取りあえず取急いだ関係もありますし、又資金の枠が見ようによりましては少額でもありますので、いろいろ関係者と話合をいたして、事務的な便宜の点、或いはこの問題は先ほど来申上げておりますように、地方公共団体の起債ということが建前、表向きの筋でございますので、そういう地方公共団体が零細な融資の手続を一々公共団体としてしなければならないといういろいろな事務上の便宜と申しますか、そういう点も考えたのでございます。それらの点から取りあえず今回の問題につきましてはこの程度にして、若し将来この制度が続くものでありますれば、ということで将来の問題として考えたいということでやつたのでございます。
○三輪貞治君 むしろ地方の公共団体としては、こういう線が引かれると該当しない所が多いわけなのです、恐らく。私は九州の一番片田舎ですが、恐らく私のほうではこれに該当するような事業所を持つている地方公共団体というものはそう多くないと思う。だからむしろこういうお世話がしたくてもできないことにこの線が引かれるとなつてしまうのではないか。いわゆる大都市偏重、大企業偏重ということになるのであつて、その他の面でも大企業はそれはいろいろありましようけれども非常に有利に経営している所は、こういう資金を当てにしなくても、勤労者の住宅に対しては相当の資金をまわせる。のみならず又こういうふうなことで保護される。こういうふうなことになりはしないかと思いますが、この点は一つ将来において相当考慮して頂きたい点なんです。 それからもう一つ、これは住宅局長にお伺いしますが、具体的に名前は言いませんが、例えば大都市の住宅協会というものが、なんか住宅金融公庫から融資を受けて保安隊の宿舎を造つたという例がありますか。
○政府委員(師岡健四郎君) さようなことは一応考えられないわけで、ただ一般住民としまして今の協会が造りましたアパートに保安隊員が入ることはあり得ると思います。保安隊特別のために融資したという事例はございません。
○三輪貞治君 具体的に言えば土浦市なんですが住宅協会がそういうことをしたということなんです。どうですか。
○政府委員(師岡健四郎君) 只今のとこと聞いておりませんが調べてみまするが、一般的に私どもの融資方針に対する監督といたしましては、そういう保安隊を特に入れるというのはあり得ないはずでございます。ほかの特定の人を入れるアパートを建設するための融資は従来においても必ずしも行われておりません。
○三輪貞治君 これは一つあとでお調べになつてお答え願いたいと思います。というのは、予備隊は御承知のように本年度の予算でも百三億という建設の金を使うし、これは関係はないことだけれども、安全保障諸費でも三百七億くらい、そういうことに使つておるわけであります。しかのみならず日本の普通の一般大衆の住宅不足は今の資料では三百二十万戸ですが、これに対して昨年は八十億出したが今年は五十億に減らして、今度のあれで幾らですか、三十億一般会計からと資金運用部から二十億補正予算に出されておるわけですけれども、一般大衆がそういう住宅難に苦しんでいるときに、大衆に対して住宅を供給するための資金が、若し皆さんがたの御意向に反してそういうふうな所に使われるということになると、これは僅かな数であつてもやはり問題だと思うのでよく御調査を頂きまして、又一つ然るべき機会にお答え願いたいと思います。
○赤木正雄君 この住宅問題につきましてもう皆さんから御質問がありましたから、趣旨を逸するかも知れませんけれども簡単にお尋ねいたします。 一国の住宅政策はよし関係する省が二つにまたがつていても一つであるべきで、二つの省に分かるべきものではないと思うのです。それでこの厚生年金保険積立金の還元融資を以て労務者その他の住宅を建てなさる、これはもう結構だと私は思います。併しそういうほうの途から住宅をお建てになる場合に、先ほども大体お話がありましたが建設省の住宅関係とはどういうふうのお話合になつているか、先ずそれを承まりたい。
○政府委員(師岡健四郎君) 私どものこの産業労務者住宅を取上げました根本の趣旨といたしましては、産業界、労働界からの住宅問題解決を是非してくれという声に応えてかような案を立てた次第でございます。でかたがた先ほどからお話がありました厚生省におきまして本年度において十億の金を地方公共団体を通じてそういう方面に流しておるわけでございます。でお話の通り私どもといたしましは住宅建設のために金が流れまする場合には、いろいろの全体の住宅政策の立場から又その建設指導の面等から是非私どもで行いたいということで厚生省と折角話合中でございます。
○赤木正雄君 では先ほど厚生省のほうからお話になりましたあの住宅についても、もうすぐに十分建設省と話合の上になつていますか。
○政府委員(師岡健四郎君) これは御連絡は頂いております。
○赤木正雄君 それについて建設省は住宅行政の立場から十分納得しておられるのですか、どうですか。
○政府委員(師岡健四郎君) 只今申上げましたようにお話がありましたけれども、私どもは考えております点を強調いたしまして、是非住宅金融公庫その他の方式で解決して頂きたいものだということを申上げておる次第でございます。
○赤木正雄君 大体お話を承わつて推察するのに十分両者の間に話合ができていない、こういうふうに解釈し得るのであります。これでは住宅政策上非常にそごを来しますから、私は希望と申しますか国民の声として、よし厚生年金保険積立金の還元によつてお建てになりましても、これはその金をそういうふうに出す、これは結構でありますが、その場合には建設省とよく協議の上、おれのほうでこういう金を出すからお前のほうは住宅の関係からこれを以て建ててくれとか、或いは場合によつて建設省の住宅関係は皆厚生省に持つて行つていいです。とにかく住宅政策を一元化して矛盾のないようにすべきことが本当の住宅政策だと思うのです。先ほどのお話を承わつても大分矛盾がしておるようでございますから、今後こういうことが起ることのないように、又将来矛盾を来たすことのないようにこの際十分両者の間に御注意をお願いしたい。私の質問はこれ溶けです。
○委員長(下條恭兵君) 住宅問題について質疑を一応この辺で打切ることに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下條恭兵君) 御異議ないものと認めます。 —————————————
○委員長(下條恭兵君) それでは次に河川行政につきまして、前回の委員会の質疑の継続をお願いいたします。
○石川榮一君 総合開発事業としてのダム建設が今行われておるのですが、そのダム建設の五十里とか石狩とかいうものの現在の工事状況を説明してほしいと思います。
○政府委員(米田正文君) 現在ダムの現況に関しましては、工事の実施についての詳しい資料を実は持つて参つておりませんが、あらかじめ知つておれば用意して参るのでございますが、ダムの概況を申上げます。 現在建設省といたしまして利水の計画を中心とする多目的ダムを各所で実施いたしておりますが、これを大きく分けますと建設省の直轄事業でやつております分と府県の補助事業でやつております分と二つに分けられるわけであります。現在直轄で実施いたしておりますのは北上川流域で胆沢川の石淵と、猿ヶ石川の田瀬と、それから鬼怒川の五十里堰堤と、四国の物部川の永瀬堰堤、北海道の幾春別ダムとそれだけを今日実施いたしております。なおそれに加えまして十津川の猿谷ダム、これは奈良県でございます。それから宮城の仁合川の鳴子のダム、秋田の雄物川の鎧畑のダム、長野県の天竜川の美和のダム、山形県の赤川の荒沢のダム、群馬の利根川上流の藤原のダム、この五カ所はこれも今年度から直轄として着手をいたしておりますが、まだ本格的な工事を進めておるという段取りまで行つておらんものであります。漸くその準備をいたしておる程度であります。 それから府県のものに関しまして新潟県の三面のダム、香川県の苗場及び長柄、これは二カ所であります。それから愛媛県の銅山川の柳瀬のダム、岡山県の旭川のダム、徳島県の那賀川の長安口ダム、山口県の木屋川のダム、宮崎県の小丸川の渡川、山形県の野川の菅野、三重県の宮川の宮川、宮城県の一迫川の花山、この十一カ所を現在実施中でございます。これらが一括申上げましたけれども進捗の程度はいろいろと相違があります。今年度竣工を予定されておるものもあり、今年度漸く本格的にかかつたものもあるというように、いろいろそれぞれ工程を異にいたしておりますが、今着手いたして建設中のものは府県の関係ではそれだけでございます。それの一々についての工程等は、若し御要望があれば次の機会に資料をまとめて持つて参つてお話し申上げます。
○石川榮一君 あとの機会でよろしうございますから、直轄並びに府県営のダムの計画並びに予算的な措置、それから現在の進捗状況等を一応資料として委員に御配布願いたいと思います。 更にお尋ねいたしますが、予算が非常に不足しておりまして、現在の直轄でやつております五十里にいたしましてもその他にいたしましても、相当に資金が枯渇して休んでおる実情にあるようでありますが、特に五十里のダムは機械を買おうとしても買うことができないで、地元の栃木県に一時的な融資を申込んでおるというような様子も聞いておるのでありますが、ダムの件については年次をきめて計画を立ててその改修を促進してもらわないと意味がないと思います。勿論河川局ではその方針でおやりになつておると思いますが、現在おやりになつております直轄の施行中のものに対する明年度の資金の見通し等につきまして、一つどのくらいの予算を要求しておるか、又それに対しての見通しはどうであるかということも、わかりましたらこの際明らかにして頂きたいと思います。
○政府委員(米田正文君) 今お話のありましたようにダムの建設は他の一般公共事業と違いまして、特に早期完成を必要とする事業でございます。特に中に発電事業を伴つておりますために、長期に亘つて工事が進められますとその金利だけでも非常に工費がかさみ、且つ電気の起きることも遅くなるために生ずる損失が非常に大きいのでございますので、この種の事業は早期完成が必要条件だという趣旨で進めて参つておりますが、現在のところ只今もお話のようにダムによつてはその趣旨が必ずしも通つておらない、非常に工事が遅れておる、すでに準備が完成して仕事をする態勢が整つておるのに、事業資金が行かないために工事が進められないという実情にあるまは非常に残念だと思つておりますが、今日差当り処置がないので我々も実は非常に困惑しておるのは、特に五十里のごときそういう状況にございます。それで実はダムの問題に関しましては継続事業費として実施をする必要があるというので、現在継続事業に認められておりますのが、先ほど申しました直轄ダムのうち猿ケ石川、鬼怒川の五十里とそれから物部川とこの三つは継続事業として実施いたしております。それで来年度はその継続事業の既定の経費が予定されております。ただ我々といたしましてはその既定の経費ではやや少いのでこの継続事業の既定計画を繰上げてもらいたいという希望を持つております。その三河川に二十億六千四百九十万円来年要求いたそう、今年度は十四億七千八百五十万円であります。この程度増額するように努力いたしたいと思つております。なお十津川ほか五河川、十津川、岩木川、物部川、天竜川、那珂川、利根川でありますが、それだけに関しましては今年度四億三千万円全部で出しております。それを来年度二十八年度は四十三億九千六百万円、これは約十倍に相当する金額でありますが、その理由は今年度は単に準備の段階に入つたという程度でありまして、本工事らしいものをまた実施しておらんので、来年から本工事を実施することになりますので、工費が一躍飛躍的に増加をするということになるのであります。これが直轄事業としては大体そんな程度のことで、てのほかに新規要求の分がありますか、それを約十億新規のものを加えて要求いたしております。これは直轄のさつき申上げました以外のダムでありますが、今年度一億七千万円のものを実施しておるのに対しまして、来年度新規を入れて十億を要求いたしております。 それから県の補助事業のほうは河川総合開発事業の補助といたして今年度九億六千六百九十二万七千円の二十七年度予算でありますが、これを来年度は十九億一千五百五十万円、これも新規を含んで十九億を要求いたそうと思つております。これも約倍額になるのであります。このほかに北海道の関係といたしましては石狩川の幾春別を九億要求をいたそうと思つております。 そこでこれは実は今申上げましたのは公共事業費でございますが、このダムを建設して行きますのは多目的でありますために、電気事業者の負担をする分、或いは灌漑事業者の負担をする分等がいろいろ混つております。そこでそのうちでも特に発電関係の負担をする事業費というものは非常に大きな割合を占めるので、今申上げました全部をやりますには、県の要望を全部入れますと二百十二億程度のものが必要になります。だけれどもこれは今日の情勢でどうしても無理だというので、我々の所でいろいろと査定を加えまして研究した結果は、百三十二億程度あれば各県からの要望及び我々のやつております直轄の事業も合せまして大体順調に進み得る、それは県の申出た年数よりやや我々のほうは年数を一、二年長く見るところに相違を生じますが、そういうことによつてやれると思います。 それに関しまして今審議庁が中心となつて通産省で来年の電気事業資金の枠の研究をいたしております。この前発表された案でありますけれども、その案によれば来年度資金が千六百億、そのうちで今申上げました公共事業に伴う資金を大体百十億、そこに我々の見ております百三十二億程度というのと、通産省のいいます百十億の間に二十二億の差があります。なお御参考までに申上げますと、自治庁は各府県の起債要望を取りまとめた結果を百三十五億と我々のところより三億多く見ております。そこで我々としては、自治庁と共同で通産省及び審議庁と折衝いたしておるような状況でございます。併し来年度のこの我々のいいます百三十二億の電気事業資金の見通しはまだ非常に不安定でございます。当初通産省の案はもつと低い案があつたのを我々の要求なり自治庁の要求もあつて、これを百十億の線まで上げて来ておる実情でありますけれども、一般的な情勢から見ますと非常に不安定で、この予算額はまだ圧縮されるのではないかというような情勢であります。
○石川榮一君 大体ダムの建設状況を伺いましたが、この資料はお差えなかつたならばこれも今の御説明を数字に表わして頂いて御配付願いたいと思います。それから局長のお話のようにダムの建設事業は一定の年次をきめて促進せねばならんことは言うまでもないことでありますが、現在建設事務所でやつております三つのダムにいたしましても、本年の予算が不足しておるために開店休業のような形になつておるようであります。こういうようなもの下対してはどうしてもこの予算の見通しが十分につかんということであれば、これは根本的に検討を加えて行きまして、ダムに要する費用のようなものは継続事業として実施する、その継続事業をするのに対しまして止むを得ない場合には特別の融資が考えられて、そうして本年度どうしても足りないというものはその融資によつてその事業を遂行する、翌年度の予算によつてそれを償却し得るような研究も必要だと思うのであります。これだけ特に別会計を設置するというようなこともどうかと考えますが、年々歳々予算の不足のために中断されるダムがたくさん出て来るということでありましては意味がないと思います。これらの点に対しまして建設省のほうでは何かお考えになつていらつしやるところがあるかどうかを伺つておきたい。
○政府委員(米田正文君) 今特別会計をという御意見がございましたが、実は我々のところでまだ特別会計というところまでの研究はいたしておりません。差当り一般公共事業費として継続事業に持つて行きたい、継続事業で二年なり三年なりという計画を立ててその計画に従つた計画的支出をするようにいたしたいという線で大蔵省とも折衝をいたしておる次第でございます。
○石川榮一君 それはわかりました。そうするとその継続事業に対しまして資金を、例えば資金運用部からの、或いはほかの政府の財政支出のような形のもので、一時立替をさせるというようなことも考えていらつしやるだろうと思うのですが。
○政府委員(米田正文君) その継続事業が理想通りにできれば別に立替をしないでもいいことになるわけですが、その継続事業が適当でない、非常に時間がかかる、年月がかかるというような継続事業になつておると、おつしやられるような何か立替をしなければならんようなことになると思うのですが、私どもはそういう立替をしないでいいようなスピードで工事を進め得る継続事業というものをしたい、そうすれば継続事業として大蔵省との間に話がついて行けば、翌年からはきちきちとその計画通り一般財源から支出されることになりますので、そういうことで行きたいと思つております。 なお一言。この事業は先ほどもちよつと申しましたように電気事業資金が非常に多くの割合を占めておる、たいてい半分目上五割とか六割とかいうような率を占めておる、従つてこの電気事業資金を確定することも非常に重要なことでありますが、五十里につきましては特に電気事業者の決定がまだ明確になつておらん点が残つております。これは電源開発調整審議会で決定をしたいと思つております。従来電源開発株式会社でやらせる案、又一面は栃木県自体が実施したいという熱望もありますということでその辺がまだ明確になつておらん点があります。そういう点はできるだけ早い機会に決定するようにいたしたいというふうに考えております。
○石川榮一君 継続事業に対する見解は今のお話の通りでありますが、その継続事業としての予算が必ず確保できれば結構ですが、ややもすると継続事業でも財政の都合上、或いは大蔵省の認識が不足のために延長されるというような建前をとつて予算を圧縮されることがあると思うのです。そういうようなことができないようにしつかりした継続事業に対する立法措置をされて厳重にやることができるかどうか。若しそういうような場合があつたときには一時預金部資金のようなものでも流用していいようなことに大蔵省との話合いをつけて頂けるかどうか。これを伺いたい。
○政府委員(米田正文君) 政府の直轄事業で預金部資金を使うということは非常に今の制度としては困難でありますが、府県事業でありますとそれがきく点に府県事業の弾力性があると思います。直轄事業の場合には現在のところ他からの借入金というようなことは実施することは困難であります。そこでやはり正規のルートに乗つた予算を出して行くようにしたい。
○石川榮一君 そうなりますとやはり財政資金の都合上これは二年延長する、三年延長するといわれても止むを得ないと思います。結局継続事業としての価値が減少されますが、そういうことはどうお考えになりますか。
○政府委員(米田正文君) 現在のところそういうお考えのようなことが或いは超るかも知れません。が今日継続事業というのは漸くできたばかりでまだ大蔵省は今きめた継続事業をそうやすやすと変えるような今日の情勢ではありません。今日は今あなたのお話のようなことが起きるとは考えられません。差当りは今きまつたものはまだ非常に新らしい制度だものですから今のは変えるような意思はないようでございます。ただむしろ我々は継続事業は先にもきめたのですけれども今振返つて考えてみますと、少し年限がこの継続事業では長かつたので、あれはもう少し繰上げたいというのが我々の来年度の予算要求に対する考え方であります。
○石川榮一君 ダムの問題はそれくらいにして、重要河川の改修に対する継続事業は考えておりますか。
○政府委員(米田正文君) この問題についてはいろいろ研究をいたしております。継続事業にするという趣旨を建設省内でも二、三年来研究しておるのですけれども、今日私といたしましては、まあできるだけそういう線に沿つていきたいが、多少まだ継続事業に対する疑問の点もあるのです。というのは、そういう継続事業の枠がだんだん大きくなりますと先ほどのお話のように途中で減らされるというようなことが起きる可能性もあり、且つは物価等も非常に変動するので、長期の継続事業というものはどうかという点で疑問を多少持つております。ダムのように短期の継続事業はそう経済変動等も著しくないという考え方をいたしておりまするが、五年、十年先までの継続事業というものはちよつと今日困難ではないかというふうに考えております。
○小川久義君 今日の正式の委員会はこの程度で打切つて、御承知の通り海岸保全法が前国会において時間切れになつております。ところが現地の要望も強い、従つて我々自身もその要望に一日も早くお応えするように進めたい、こう思いますので、懇談の形で提案者の主体になつて頂いた深水さんからその後の経過を聞き、当事者から御意見も伺うという懇談会に移して頂きたいと思います。
○委員長(下條恭兵君) 只今の小川君の動議に御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下條恭兵君) それではこれを以ちまして委員会を散会いたします。 午後零時三分散会